説明

ALDHの阻害に有効な化合物

【課題】ミトコンドリアアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH−2)を阻害する新規化合物、および該化合物を投与することによる、アルコール依存症および/またはアルコール乱用の治療的処置に有効な方法の提供。
【解決手段】下記の化学式Iを構成するALDH−2を阻害する化合物、および該化合物を投与することによる、アルコール依存症および/またはアルコール乱用の治療的処置に有効な方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、全ての目的のために全体として本明細書に参照として組み入れられる2002年6月27日出願の米国特許仮出願第60/391907号の優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、アルコール消費、アルコール依存および/またはアルコール乱用を調節する化合物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過剰アルコール消費、アルコール依存およびアルコール乱用は、西洋社会の最も重大な薬物問題の1つである。米国において、人口の10%までがアルコールを乱用していると推定される。国の経済コストは、年に1850億ドル以上であると推定される。過剰のアルコール消費はまた、胎児アルコール症候群で産まれる子供、アルコール関連事故、夫婦間不和、配偶者または児童への虐待等の社会的および心理的ダメージをもたらす。従って、アルコール消費を制限しそして/または予防する安全かつ有効な治療法が必要とされている。
【0003】
ニコチンおよびオピオイド嗜癖を含む依存性疾患の薬物療法の開発における成功、ならびにアルコール依存および乱用は道徳的問題よりむしろ医学的問題であるという広く行きわたった認識は、この症状のための医薬探究および開発への支持の増大に役立っている。しかし、アルコール中毒は広範囲の要因によって助長される複合的疾患であるので、アルコール消費の有効な調節因子(modulators)を開発することは困難である。
【0004】
化合物ダイジンは、エタノールを好むシリアンゴールデンハムスター、ならびにラット等のエタノールを摂取する他の動物モデルにおいて、エタノール摂取を選択的に抑制することが示されている(Keungら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10008;Keungら(1994)EXS 71:371;Overstreetら(1996)Alcohol.Clin.Exp.Res.20:659;Linら(1996)Alcohol.Clin.Exp.Res.20:1083−1087)。しかし、経口投与されたダイジンは、ハムスターのエタノール摂取に影響を与えない。
【0005】
ダイジンは、ハムスターおよびラットの分離した肝臓ミトコンドリアにおいて、セロトニン(5−HT)およびドーパミン(DA)等のモノアミンの、それぞれの酸代謝産物、5−ヒドロキシインドール−3−酢酸(5−HIAA)および3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)への変換を阻害する(Keungら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:2198)。最近のデータは、ダイジンの抗飲酒癖(antidipsotropic)活性が、モノアミンによってではなく、ダイジンの存在下に蓄積するそれらの各代謝アルデヒド中間体、5−ヒドロキシインドールアセトアルデヒド(5−HIAL)および/または3,4−ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒド(DOPAL)によって媒介されることを示している。
【0006】
いくつかの最近の特許および係属中の特許出願は、アルデヒドデヒドロゲナーゼおよび/またはアルコール消費の阻害に有用なダイジンおよびダイジン類似体の使用を指向している。米国特許第5204369号、第5624910号および第5885028号は、ダイジンおよび特定のダイジン類似体を使用して、ミトコンドリアアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH−2)を阻害するかまたはアルコール消費を治療する方法を開示している。米国特許第6121010号は、アルコール消費を減少させる化合物の同定に使用されるスクリーニングアッセイを開示している。米国特許第6255497号は、ダイジン類似体である化合物を提供している。米国実用新案出願第09/616718号は、ダイジン類似体を使用してヒトにおけるALDH−2を阻害し、アルコール消費を減少させる方法に関する。各発行済特許および特許出願は、全体として、本明細書に参照として組み入れられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ダイジンおよびダイジン類似体等の化合物の開発にもかかわらず、向上した有効性および強化した薬理学的特性を有する抗飲酒癖化合物の開発が現在も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明はミトコンドリアアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH−2)を阻害する新規化合物を提供する。これらの化合物は、抗飲酒癖特性を有し、アルコール消費の調節(即ち減少)、アルコール依存症(即ちアルコール中毒)の治療的処置および/またはアルコール乱用の治療的処置に有効である。1つの実施形態において、本発明は、ALDH−2を阻害する新規化合物の合成方法を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態は、本明細書に開示する化合物を使用してALDH−2活性を阻害する方法に関する。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示する化合物を使用して、個体におけるアルデヒドの濃度を増加させることによって、個体におけるアルコール消費、アルコール依存および/またはアルコール乱用を調節する(即ち、減少させるまたは阻害する)方法に関する。1つの実施形態において、例えば5−HTまたはDA等の神経伝達物質の異化の間に、アルデヒドが形成される。他の実施形態において、アルデヒドが5−HIALおよび/またはDOPALである。さらに他の実施形態において、ヒト等の哺乳動物においてアルコール消費を調節する。
【0010】
該化合物は、種々の投与法によって個体に投与しうる。1つの実施形態において、該化合物を経口投与する。他の実施形態において、該化合物を、腹腔内および/または筋肉内投与する。
【0011】
本発明のさらに他の実施形態は、ALDH−2を化合物に接触させ、ALDH−2活性を調節する化合物の能力を測定することによって、本明細書に開示する化合物を使用してALDH−2活性を調節する(即ち阻害する)化合物を同定することに関する。1つの実施形態において、該化合物はアルデヒド濃度を増加させる。他の実施形態において、アルデヒドは5−HIALおよび/またはDOPALである。他の実施形態において、該化合物はMAOを阻害しない。
【0012】
本発明化合物を本明細書の下記に示す。本発明の化合物は、R位置にOHまたはNH部分を有しうる。本発明の特定の化合物は、R位置に直鎖アルキルを有しうる。
【0013】
ここで説明される特徴及び方法の組合わせも提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、下記の化学式Iの化合物に関する:
【0015】
【化1】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素、アルコキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【0016】
前記の化学式Iの化合物は、多くの光学活性な炭素原子を含有しうるので、それらは、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体またはそれらの混合物として存在しうる。化学式Iの化合物は、互変異性体として任意に存在しうる。
【0017】
本明細書に使用される「アルキル」という用語は、分岐鎖および直鎖アルキル基の両方を包含する。典型的なアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、イソオクチル、ノニル、デシル等である。
【0018】
本明細書に使用される「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを示す。
【0019】
本明細書に使用される「ハロアルキル」という用語は、1個またはそれ以上のハロ基で置換されたアルキル基、例えば、クロロメチル、2−ブロモエチル、3−ヨードプロピル、トリフルオロメチル、ペルフルオロプロピル等を示す。
【0020】
本明細書に使用される、「ヒドロキシアルキル」という用語は、1個またはそれ以上のヒドロキシ基で置換されたアルキル基、例えば、ヒドロキシメチル、2,3−ジヒドロキシブチル等を示す。
【0021】
本明細書に使用される「アルケニル」という用語は、1個または2個のエチレン結合を有するエチレン的不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、例えば、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソプロペニル、2−ペンテニル等を示す。
【0022】
本明細書に使用される「アルキルカルボニル」という用語は、アルキルケト官能基、例えば、アセチル、n−ブチリル等を意味する。
【0023】
本明細書に使用される「ヘテロサイクリル」または「複素環」という用語は、置換または非置換、飽和、部分飽和または不飽和の5または6員環を示し、ヘテロ原子、好ましくは酸素、窒素、硫黄から独立に選択される1個、または2個のヘテロ原子を含む。ヘテロサイクリルの例は、ピリジル、チエニル、フリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピロリル、インドリル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル等である。
【0024】
本明細書に使用される「アルコキシ」という用語は、末端酸素原子に結合した分岐鎖および直鎖アルキル基の両方を包含する。典型的なアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ等である。
【0025】
本明細書に使用される「ハロアルコキシ」という用語は、1個またはそれ以上のハロ基で置換されたアルコキシ基、例えば、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ペルフルオロイソブトキシ等を示す。
【0026】
本明細書に使用される「アルキルチオ」という用語は、末端硫黄原子に結合した分岐鎖および直鎖アルキル基、例えばメチルチオなどを示す。
【0027】
本明細書に使用される「ハロアルキルチオ」という用語は、1個またはそれ以上のハロ基で置換されたアルキルチオ基、例えばトリフルオロメチルチオなどを示す。
【0028】
本明細書に使用される「アルコキシアルキル」という用語は、1個またはそれ以上のアルコキシ基で置換されたアルキル基、例えばイソプロポキシメチルまたはメトキシメトキシメチルを示す。
【0029】
(予防法)
1つの態様において、本発明は、ALDH−2を阻害し、そして/またはアルデヒド(例えば、5−ヒドロキシインドールアセトアルデヒドおよび/または3,4−ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒド)濃度を増加させる薬剤を対象に投与することによって、対象におけるアルコール消費を調節し、そして/またはアルコール依存および/または乱用を防止する方法を提供する。予防薬の投与は、アルコール依存および/または乱用に特徴的な疾患または障害の兆候が現れる前に行うことができ、それによって、アルコール依存および/または乱用を予防し、またはその進行を遅らせることができる。
【0030】
(治療法)
本発明の他の態様は、治療目的のために、アルコール消費、アルコール依存およびアルコール乱用を調節する(即ち減少させる)方法に関する。従って、例示的実施形態において、本発明の調節法は、ALDH−2を、ALDH−2を阻害する化合物に接触させることを含む。さらに他の例示的実施形態において、該調節法は、神経伝達物質(例えば、5−HTおよび/またはDA)の代謝の間に形成されるアルデヒド(例えば、5−HIALおよび/またはDOPAL)の濃度を増加させる化合物を投与することを含む。好ましくは、該化合物は、MAOを阻害しないか、または低い程度にMAOを阻害するにすぎない。
【0031】
本発明の他の実施形態は、ALDH−2を阻害し、そして/または神経伝達物質(例えば、5−HTおよび/またはDA)の代謝の間に形成されるアルデヒド(例えば、5−HIALおよび/またはDOPAL)の濃度を増加させる化合物の治療有効量を投与する段階を含む、アルコール乱用または依存の治療のためのアルコール消費の調節法を含む。本明細書において定義される化合物の治療有効量(即ち有効投与量)は、約0.001〜30mg/kg体重に及び、好ましくは約0.01〜25mg/kg体重、より好ましくは約0.1〜20mg/kg体重、さらにより好ましくは約1〜10mg/kg、2〜9mg/kg、3〜8mg/kg、4〜7mg/kg、または5〜6mg/kg体重である。当業者は、疾患または障害の程度、以前の治療、対象の全身的健康および/または年齢および存在する他の疾患を包含するがそれらに限定されない特定の要因が、対象を有効に治療するのに必要とされる投与量に影響を与えうることを認識する。さらに、化合物の治療有効量での対象への治療は、単一治療であるか、または好ましくは一連の治療であってよい。治療に使用される有効投与量は、特定の治療の間に増加しうるかまたは減少しうることも理解される。
【0032】
(臨床試験中の作用のモニタリング)
アルコール消費、依存および/または乱用の調節における化合物の作用のモニタリングは、臨床試験に適用できる。例えば、本明細書に記載するスクリーニングアッセイによって測定される、アルコール消費、依存および/または乱用を減少させる薬剤の有効性は、アルコール依存および/または乱用を示す対象の臨床試験においてモニタリングできる。そのような臨床試験において、減少したアルコール消費を「読み取り」として使用できる。
【0033】
限定するものではないが、例えば、ALDH−2を阻害する化合物で処置した細胞においてALDH−2活性が減少し、その結果、5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)の形成を導く酸化経路から、5−ヒドロキシトリプトフォール(5−HTOL)の形成を導く還元経路への5−HT代謝の流れを一部逸らす。従って、例えば臨床試験において、アルコール依存および/または乱用における薬剤の作用を調べるために、尿試料を採取し、試料中の5−HIAAおよび5−HTOLの濃度を測定することができる。減少した5−HIAA濃度および増加した5−HTOL濃度は、ALDH−2活性の阻害を示す。このようにして、尿の(5−HTOL)/(5−HIAA)比率は、化合物への細胞の生理的反応を示すマーカーとしての役割をしうる。従って、この反応状態は、該化合物を用いた個体への処置の前、および処置の間の種々の時点で測定しうる。
【0034】
1つの実施形態において、本発明は、化合物を用いた対象の治療の有効性をモニタリングする方法を提供し、該方法は下記の段階を含む:(i)アルコール無毒化の前および後であるが化合物の投与前に、対象から投与前尿試料を採取し;(ii)投与前試料中の(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を測定し;(iii)対象から1つまたはそれ以上の投与後試料を採取し;(iv)投与後試料における(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を測定し;(v)投与前試料における(5−HTOL)/(5−HIAA)比率と投与後試料におけるその比率とを比較し;そして、(vi)それによって、対象への薬剤の投与を変更する。例えば、該化合物の投与の増加は、(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を、検出した比率より高いレベルに増加させる(即ち、薬剤の有効性を増加させる)のに望ましい。1つの実施形態において、無毒化した対象の尿中の(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を、無毒化前状態の比率に増加させる。または、該化合物投与の減少は、(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を検出した比率より低いレベルに減少させる(即ち、薬剤の有効性を減少させる)のに望ましい。そのような実施形態によって、目に見える表現型の反応が得られない場合でさえ、ALDH−2不活性化および/または尿の(5−HTOL)/(5−HIAA)比率の増加を、化合物の有効性の指標として使用しうる。
【0035】
(医薬組成物)
個体に化合物を投与する方法は、医薬的に許容される組成物を提供することを含む。1つの実施形態において、医薬的に許容される組成物は、1つまたはそれ以上の担体(添加剤)および/または希釈剤と共に配合された、治療有効量の1つまたはそれ以上の本発明化合物を含む。本発明の医薬組成物は、個体または液体形態での投与用に配合でき、下記の投与用に適合された組成物を包含する:(1)経口投与、例えば、飲薬(水性または非水性液剤または懸濁剤)、錠剤、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト剤;(2)非経口投与、例えば、滅菌液剤または懸濁剤として、皮下、筋肉内または静脈内注射による投与;(3)局所使用、例えば、皮膚に適用されるクリーム剤、軟膏剤、スプレー剤または貼付剤としての投与;または(4)膣内または直腸内投与、例えば、膣坐薬、クリーム剤またはフォーム剤(foam)としての投与。他の実施形態において、治療化合物を経口投与する。該発明化合物は、対象、例えばヒトを含む哺乳動物への投与用の医薬組成物として配合することができる。
【0036】
本発明の化合物は、in vivo医薬投与に好適な、生物学的に相性の良い形態で、対象に投与される。「in vivo投与に好適な、生物学的に相性の良い形態」という語句は、投与される化合物の治療作用があらゆる毒性作用にまさることを意味する。「対象」という語は、哺乳動物等の生物を包含することを意味する。対象の例は、ヒト、サル、ブタ、イヌ、ネコ、ハムスター、ウサギ、マウス、ラットおよびそれらのトランスジェニック種を包含する。本発明の治療活性量の治療組成物の投与は、投与の際および所望の結果を得るのに必要な期間にわたって有効な量として定義される。例えば、本発明の化合物の治療活性量は、個体の疾患状態、年齢、性別および体重ならびに個体において所望の反応を誘発する抗体の能力等の要因によって変化しうる。投与計画は、至適治療反応を備えるように調整しうる。例えば、いくつかの分割用量を毎日投与するか、または治療状況の緊急性によって指示されるように用量を比例的に減少させてよい。
【0037】
活性化合物は、注射(皮下、静脈内等)、経口投与、吸入、経皮適用または直腸投与等の都合のよい方法で投与しうる。投与方法に依存して、酵素、酸および他の自然条件の化合物を不活性にさせる作用から活性化合物を保護する材料で、活性化合物を被覆してよい。
【0038】
本発明の化合物は、酵素阻害剤と共に投与される適切な担体または希釈剤において、またはリポソーム等の適切な担体において、対象に投与することができる。本明細書に使用される「医薬的に許容される担体」という語句は、食塩水および緩衝剤水溶液のよな希釈剤を包含するものとする。非経口投与以外によって本発明化合物を投与するために、吸収を高め、そして/またはその不活性化を防止する材料で、化合物を被覆するかまたはその材料と共に投与することが必要な場合がある。リポソームは、水中油中水型エマルジョン(water−in−oil−in−water emulsion)、ならびに一般的なリポソームを包含する(Strejanら(1984)J.Neiuroimmunol.7:27)。活性化合物は、非経口または腹腔内投与してもよい。分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物および油において、およびナノクリスタルの形態において、調製することもできる。通常の保存および使用条件下に、これらの調製物は、微生物の増殖を予防する防腐剤を含有しうる。
【0039】
注射使用に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌注射可能水溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末を包含する。全ての場合において、組成物は滅菌されているべきであり、注射が容易である程度に流動性であるべきである。該組成物は、製造および保存条件下に安定であるべきであり、細菌および真菌等の微生物の汚染作用から保護されているべきである。医薬的に許容される担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール等)およびそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒体であることができる。適切な流動性は、例えば、レシチン等の被覆物の使用、分散液剤の場合に必要とされる粒度の維持、および界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって行うことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトールおよびソルビトール等のポリアルコール、塩化ナトリウムを組成物に含有させるのが好ましい。注射可能組成物の長時間吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを、組成物に含有させることによって得られる。
【0040】
滅菌注射可能溶液は、必要量の活性化合物を前記に例示した成分の1つまたは組み合わせと共に、適切な溶媒に組み込むことによって調製できる。一般に、分散液は、塩基性分散媒体および前記に例示した必要とされる他の成分を含有する滅菌賦形剤に、活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射可能溶液の調製用の滅菌粉末の場合、認められている調製方法は、活性成分および任意付加的所望成分の粉末を、予め滅菌濾過したそれらの溶液から生じる真空乾燥および凍結乾燥である。
【0041】
前記のように活性化合物が適切に保護されている場合、組成物を、例えば不活性希釈剤または同化性可食担体と共に、経口投与しうる。本明細書に使用される「医薬的に許容される担体」という用語は、任意のあらゆる溶媒、分散媒体、被覆物、抗細菌剤、抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等を包含する。医薬的に活性な物質におけるそのような媒体および薬剤の使用は、当分野でよく知られている。任意の一般的媒体または薬剤が活性成分と不適合性である場合以外は、治療組成物におけるそれらの使用が考えられる。補足的活性化合物を組成物に組み込むこともできる。
【0042】
投与の容易性および投与量の均一性のために、経口組成物を投与単位形態に配合することが特に好都合である。本明細書に使用される「投与単位形態」という用語は、治療すべき哺乳動物の対象のための単位投与量として適した、物理的に分離した単位を意味し;各単位は、所望の治療効果を生じるように算出された所定量の活性化合物を、必要とされる医薬担体と共に含有する。本発明の投与単位形態の明細は、下記のものによって規定され、それらに直接的に依存する:(a)活性化合物の特性、および達成すべき特定の治療効果、および(b)個体の治療的処置用のそのような活性化合物を配合する技術に固有の制限。
【0043】
下記の実施例は、例示目的で示すにすぎず、先に広い範囲で記載した本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0044】
(ヘキスゼインの経口効力)
シリアンゴールデンハムスター(Meso cricetus auratus)においてエタノール摂取を減少させるヘキスゼイン(7−O−ω−カルボキシペンチルダイゼイン)の経口効力を、2ビン自由選択(two−bottle free−choice)プロトコル下に調査した。ヘキスゼインを、ピューリナげっ歯類動物粉餌(5755M)と、0mg:1g(対照)、2mg:1g、4mg:1gおよび5mg:1gの比率で混合し、混合物を1×1×0.5インチのペレットに圧縮した。餌ペレット、エタノール溶液および水を、調査期間中、連続的に供給し、それらの摂取を毎日午後5時に測定した。この方法で与えたヘキスゼインは、エタノール摂取を減少させた。2mg/g、4mg/gおよび5mg/gのヘキスゼイン餌における、ハムスターのエタノール摂取は、それぞれ18.3±3.8%、47.8±7.4%および56.5±5.4%減少した。同様の方法および等量の用量範囲で与えたダイジンは、エタノール摂取を減少させることができなかった。組織分布調査は、薬理学的に関連のあるヘキスゼイン濃度が、ヘキスゼイン餌のハムスターの肝臓において見出されることを示した。しかし、ダイジンは、ダイジン餌のハムスターの肝臓において検出できなかった。これらの結果は、ヘキスゼインがダイジンより高い効力を有し、より望ましい薬物動態特性を有することを示した。
【実施例2】
【0045】
(エタノールモノアミン代謝におけるダイジン模倣体の効果)
5−HTを基質として使用し、その組織薄片を使用して、ハムスターおよびラットの肝臓および脳において、モノアミン代謝でのダイジンの効果を調査した。ハムスター肝臓および脳において、5−HT代謝における、エタノール摂取の効果を調査した。新しく採取した組織を、組織スライサーで小薄片(約1mm立方体)にカットし、氷冷燐酸塩緩衝食塩水(PBS)(0.1g/ml)に懸濁させ、ミリポア社(Millipore)のSwinnexフィルターホルダーに取り付けたメッシュ40ステンレス鋼篩に通した。細かく切った組織を冷蔵庫に入れて沈殿させ、次に、PBSをパスツールピペットで除去した。組織薄片を10容量の氷冷PBSでさらに各5回洗浄した。最後の洗浄後に、組織を1容量のPBSに懸濁させ、内径2mmの先端を有するミクロピペットを使用して分配した。PBS、1μM 5−HT、100:1組織薄片および特定濃度のダイジンまたはエタノールを含有する1mlアッセイ培地において、組織薄片によって触媒された5−HT代謝を検定した。反応を、組織の添加によって開始させ、振とう水浴において37℃で30分間進めた。0.1ml氷冷1M HClOおよび10mM EDTAの添加によって、反応を停止させた。試料を、氷上に30分間置き、遠心分離して、透明上澄みを得た。上澄みにおける5−HT、5−HIAL、5−HTOLおよび5−HIAAの含有量を、以前に記載のようにHPLCによって分析した(Rookeら(2000)J.Med.Chem.43:4169)。
【0046】
ダイジンは、ハムスターおよびラットの肝臓薄片によって触媒される5−HT代謝において、5−HIAA形成を阻害したが、5−HT枯渇を阻害しなかった。阻害は、濃度依存性であり、5−HTOLおよび他の未確認代謝産物形成の付随した増加を伴っていた。エタノールは、ダイジンと同じ方法で、ハムスターおよびラットの肝臓薄片における5−HT代謝に作用した。ダイジンおよびエタノールは、脳薄片における5−HT代謝に効果をしめさなかった。ハムスターのエタノール摂取を約50%抑制する用量で投与したダイジンは、尿の(5−HTOL)/(5−HIAA)比率を増加させた。
【実施例3】
【0047】
(化合物の合成、精製および構造同定)
ダイゼイン(化合物2、4、6、8、11、13および18)、プエラリン(化合物17および36)、7−ヒドロキシイソフラボン(化合物3、5、7、9、10、12および14)、7−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニルイソフラボン(化合物15および19)、7−ヒドロキシ−4’−フルオロイソフラボン(化合物24)、7−ヒドロキシ−4’−ブロモイソフラボン(化合物26)、7−ヒドロキシ−4−ニトロイソフラボン(化合物28)、および7−ヒドロキシ−4’−メチルイソフラボン(化合物30)の誘導体の7−O−置換基を、Rookeら(2000)J.Med.Chem.43:4169およびbakerおよびRobinson(1928)J.Chem.Soc.3115に記載されている方法によって合成した。下記のイソフラボンの4’置換誘導体を合成した:7−ヒドロキシ−4’−フルオロイソフラボン(化合物23)、7−ヒドロキシ−4’−ブロモイソフラボン(化合物25)、7−ヒドロキシ−4’−ニトロイソフラボン(化合物27)、7−ヒドロキシ−4’−メチルイソフラボン(化合物29)、4’,7−ジメトキシイソフラボン(化合物31)、および7,8−ジメトキシイソフラボン(化合物34)。合成は、国際公開第91/15483号、およびBaker,W.;Chadderton,J.;Harborne,J.B.;Ollis W.D.A new synthesis of isoflavones.Part II.J.Chem.Soc.,1953,1860−1864の開示による、下記のスキーム1、段階1に示される置換デオキシベンゾインの処方に基づいた。
【0048】
【化2】

デオキシベンゾインは、α−ケトホルミル化、分子内アセタール形成、および容易脱水を受けて、ピロン環Cを形成し、従って、スキーム1、段階2、および下記に示すイソフラボンを生じる。置換デオキシベンゾインは、適切な置換フェニル酢酸と、適切に置換されたレゾルシノールとをBFの存在下に反応させることによって合成した。7−O−置換イソフラボンの合成用の出発物質(7−ヒドロキシイソフラボン、化合物1)は、国際公開第91/15483号に記載され、反応式1の段階2および3に示され、さらに印刷中のGaoら(2003)Bioorganic & Medicinal Chemistryにも記載されているように、2,4−ジヒドロキシフェニルベンジルケトン(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,ウィスコンシン州ミルウォーキー))の環化によって調製した。7−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニルイソフラボン(化合物20)は、Li,D.Y.;Gao,Z.J.;Ji,Q.E.Synthesis of isoflavones derivatives(I)−7−methoxy−3’−N,N−dialkylaminomethyl−4’−hydroxy isoflavones(Chinese J.Med.Chem.1991,1(2),38−42)に示されているように、適切なホルミル等価物の存在下に、対応するデオキシベンゾインを環化することによって調製した。2−カルボキシ誘導体(化合物16、21および22)は、それらの各エチルエステルを加水分解することによって得た。4’−アミノ誘導体(化合物32および33)は、国際公開第91/15483号、およびLi,D.Y.;Gao,Z.J.;Ji,Q.E.synthesis of isoflavones derivatives(I)−7−methoxy−3’−N,N−dialkylaminomethyl−4’−hydroxy isoflavones(Chinese J.Med.Chem.1991,1(2),38−42)に記載されている条件下に、対応するそれらの4’−ニトロ誘導体(化合物27および28)を還元することによって調製した。合成の充分な説明は下記に示されている。合成した全ての化合物を、Sephadex−LH−20および/またはシリカゲルカラムによって精製した。生成物を、HNMR、13C−NMR、MS、および元素分析によって同定した。この調査において調製した全ての化合物の純度は、HPLCおよび254nmでのUV検出によって測定したところ97.8%より大であった。これらの類似体の分子量、融点、分子式および元素分析データは、下記の実施例4に示されている。
【実施例4】
【0049】
(化合物合成)
本発明に従い、化学式Iの化合物を合成した。
【0050】
【化3】

式中、
【0051】
【化4】







である。
【0052】
一般的な化学物質は、アルドリッチ・ケミカル社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)またはLANCASTER SYNTHESIS社(ニューハンプシャー州ウィンダム)から購入した。使用した全ての有機溶媒はHPLC等級であり、J.P.Baker(ニュージャージー州フィリップスバーグ)またはFisher Scientific社(ペンシルバニア州ピッツバーグ)によって供給された。ダイジン(類似体42)およびグリシチン(類似体47)は、LC Laboratories(マサチューセッツ州ウォーバーン)から購入した。ダイゼイン(類似体40)は、初めはTyger Scientific社(ニュージャージー州プリンストン)によって合成され、後に、LC Laboratoriesから得た。6−クロロ−7−メチルイソフラボン(類似体37)、7,3’,4’−トリヒドロキシイソフラボン(類似体38)、ホルモノネチン(類似体41)、ゲニステイン(類似体43)、ゲニスチン(類似体44)、プルネチン(類似体45)、バイオチャニンA(類似体46)およびプエラリン(類似体48)は、Indofine Chemical社(ニュージャージー州サマヴァイル)の製品であった。7−アセトキシ−2−メチルイソフラボン(類似体39)は、アルドリッチ社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。7−O−置換ダイゼイン(類似体4〜類似体8)は、以前の調査において調製された。Rooke,N.;Li,D.J.;Li,l.Q.;Keung,W.M.The mitochondrial monoamine oxidase−aldehyde dehydrogenase pathway:a potential site of action of daidzin。J.Med.Chem.2000,43,4169−4179)。セロトニン(5−HT)は、Research Biochemical International(マサチューセッツ州ナティック)から購入し、その代謝中間体5−Hialは、この実験室において、ラット肝臓ミトコンドリア膜標本をMao源として使用して、モノアミンオキシダーゼ(MAO)によって触媒される5−HTの酸化的脱アミノ化によって製造した(Nilsson,G.E.;Tottmar,O.Biogenic aldehydes in brain:on their preparation and reactions with rat brain tissue(J.Neurochem.1987,48,1566−1572))。使用した他の全ての試薬は、利用可能な最良の等級の試薬であった。
【0053】
Hおよび13C NMRスペクトルは、他に指定されなければ、それぞれ、Bruker AMX 500 BQ分光計によって500MHzにおいて、およびBruker AM−500分光計によって126MHzにおいて(Numega Resonance Labs社(カリフォルニア州サンディエゴ)、DMSOを溶媒および内部標準として使用して(Hおよび13Cについて、それぞれ2.50および39.51ppm)記録した。質量スペクトルを、インフュージョン(infusion)によって、Perkin Elmer PE−SCIEX API 100質量分析計で測定した。試料を電解スプレー(electro spray)によってイオン化し、スペクトルを陽および陰モードで記録した。融点は、Hoover細管融点装置で測定した。元素分析は、NuMega Resonance Labs社で行った。粗合成生成物は、下記の方法の1つまたは組み合わせによって精製した:Sephadex LH−20(Fluka、25〜100μM)またはシリカゲル60(70−230メッシュ、EM SCIENCE)カラムでのクロマトグラフィー、および種々の比率のアセトンまたはクロロホルム/メタノールからの再結晶。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Kiselgel 60F254プレート(Merck Kgaa,Darmstadt,ドイツ)で行った。
【0054】
(7−ヒドロキシイソフラボン(類似体1))
2−プロパノール10.5ml中の2,4−ジヒドロキシフェニル−ベンジルケトン(6.3g、27.4mmol)の溶液に、モルホリン0.5mlおよびエチルオルトホルメート(6ml、36.0mmol)を添加した。混合物を80℃で7時間攪拌し、フラッシュ蒸発によって濃縮した。残渣をメタノール30mlに溶解し、50〜60℃で20分間攪拌し、4℃で24時間沈殿させた。形成された黄色がかった沈殿物を濾過によって採集し、少量のメタノールで洗浄し、乾燥して、非晶質粉末(1)5.16gを得た。収率81.6%(w/w)。融点203〜205℃。
【0055】
【化5】

【0056】
(7−メトキシ−4’−ヒドロキシイソフラボン(類似体2))
DMSO(40ml)中のダイゼイン(5.1g、20.06mmol)の溶液に、無水KCO(3.5g、25.4mmol)およびヨードメタン(6ml、96.4mmol)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌し、次に、氷水に注いで、生成物を沈殿させた。沈殿物を酢酸エチルで抽出し、フラッシュ蒸発によって乾燥し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で精製した。最終生成物をアセトンから再結晶して、結晶質類似体2(2.3g)を得た。収率45.1%(w/w)。融点210〜211℃。
【0057】
【化6】

【0058】
(7−メトキシイソフラボン(類似体3))
ダイゼインの代わりに類似体1(500mg)を出発物質として使用して、類似体2と同様の方法によってこの化合物を調製した。得られた全生成物は515mgであった。収率97.1%(mol/mol)。
【0059】
【化7】

(7−0−イソプロピルイソフラボン(類似体5))
DMF30ml中の類似体1(2.50g、10.5mmol)の溶液に、無水KCO(1.80g、13.0mmol)および2−ブロモプロパン(3.0ml、32.0mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間攪拌し、次に、氷水に注いだ。沈殿物を濾過によって採集し、少量の水で洗浄し、乾燥して、粗生成物の残渣を得た。残渣をSephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)に装填し、純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、結晶質類似体5(1.05g)を得た。収率42%(w/w)。融点110〜111℃。
【0060】
【化8】

【0061】
(ダイゼイン7−ω−エトキシカルボニルペンチルエーテル(類似体6))
ダイゼイン(7.7g、30.31mmol)、2N KOH水溶液(30ml、60mmol)およびアセトン120mlの溶液に、エチル−6−ブロモ−1−ヘキサノエート(12.5ml、70.60mmol)を添加した。混合物を緩やかに攪拌しながら72時間還流し、生成物を冷蔵室で一晩沈殿させた。沈殿物をガラス濾過器で採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、乾燥し、アセトンから再結晶して、類似体64(670mg)を得た。分析:白色針状結晶;収率5.6%。融点130〜131℃。
【0062】
【化9】

【0063】
(7−O−エトキシカルボニルペンチルイソフラボン(類似体7))
エチル6−ブロモヘキサノエートをアルキル化剤として使用した以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。類似体1(2.52g)から、類似体7(3.42g)を得た。収率85%(mol/mol)。融点112〜114℃。
【0064】
【化10】

【0065】
(7−(ヒドロキシエチルエトキシ)エトキシイソフラボン(類似体9))
2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エタノールをアルキル化剤として使用した以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。類似体1(2g)から、類似体9(1280mg)を得た。収率14%(w/w)。融点105〜107℃。
【0066】
【化11】

【0067】
(7−O−アセチルイソフラボン(類似体10))
無水ピリジン15ml中の類似体1(500mg)の溶液に、無水酢酸2.0mlを添加した。混合物を6分間緩やかに攪拌し、室温で72時間置いた。反応生成物を氷水100ml中で沈殿させ、濾過によって採集し、少量の冷水で洗浄し、真空乾燥して、類似体9(針状結晶)490mgを得た。収率98%(mol/mol)。融点134〜135℃。
【0068】
【化12】

【0069】
(7−O−[テトラヒドロ−2−(H)−ピラン−2−O−プロパニル]−ダイゼイン(類似体11))
ダイゼインおよび2−(3−ブロモプロポキシ)テトラヒドロ−2H−ピランを出発物質として使用した以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。ダイゼイン5.1gから、類似体11(白色非晶質粉末)4.20gを得た。収率82.4%(w/w)。融点112〜113℃。
【0070】
【化13】

【0071】
(7−O−[テトラヒドロ−(2H)−ピラン−2−O−]プロパニルイソフラボン(類似体12))
2−(3−ブロモプロポキシ)テトラヒドロ−2H−ピランをアルキル化剤として使用した以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。I(2.38g)から、類似体12(針状結晶)2.67gを得た。収率70.2%(mol/mol)。融点113〜115℃。
【0072】
【化14】

【0073】
(7−O−(フタルイミド−N−)ブチルダイゼイン(類似体13))
ダイゼイン(5.3g、20.85mmol)およびアセトン50mlの懸濁液に、2N KOH(11ml、22mmol)およびN−(4−ブロモブチル)−フタルイミド(5.6g、19.9mmol)を添加した。混合物を緩やかに還流させながら72時間攪拌し、濃縮した。残渣をクロロホルム/メタノル(7:3)に溶解し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)に装填した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体13(1.76g)を得た。収率33.2%(w/w)。融点195〜197℃。
【0074】
【化15】

【0075】
(イソフラボン7−ω−(N−フタルイミジルブチル)エーテル(類似体14)
アセトン50ml中の7−ヒドロキシイソフラボン(1.6g、6.7mmol)の懸濁液に、2N KOH水溶液(7ml、14mmol)を添加した。全ての出発物質が溶解するまで、得られた混合物を室温で攪拌した。この溶液に、N−4−ブロモブチルフタルイミド(4.4g、15.6mmol)を添加し、反応混合物を緩やかに還流させながら72時間攪拌し、冷蔵室に一晩置いた。沈殿物を濾過によって採集し、アセトンから再結晶して、類似体76(1.26g)を得た。分析:無色結晶;収率78.5%(w/w);融点167〜168℃。
【0076】
【化16】

【0077】
(2−エトキシカルボニル−7−O−フタルイミド−N−ブチルイソフラボン(類似体15))
DMF50ml中の類似体20(合成方法は下記参照)(2.53g、8.16mmol)の溶液に、KCO(1.59g、11.49mmol)およびN−4ブロモブチルフタルイミド(3.0g、10.63mmol)をそれぞれ添加した。混合物を80℃で1時間攪拌し、次に、氷水に注いだ。沈殿物を濾過によって採集し、少量の水で洗浄し、乾燥し、アセトンで再結晶して、類似体15(3.85g)を得た。収率92.2%(mol/mol)。融点163〜165℃。
【0078】
【化17】

【0079】
(2−カルボキシ−7−O−フタルイミド−N−ブチルイソフラボン(類似体16))
類似体15を加水分解することによって、この化合物を調製した。メタノール20ml中の類似体15(1.0g)の溶液に、0.02N KOH水溶液80mlを添加した。全ての試料が加水分解されるまで(TLC)、混合物を緩やかに還流させながら3時間攪拌した。フラッシュ蒸発によってメタノールを除去した。残留溶液を1N HClでpH2〜3に酸性化して、生成物を沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、濾液のpHが中性になるまで少量の水で洗浄した。次に、溶液を乾燥し、残渣をアセトンから再結晶して、類似体16(白色結晶)630mgを得た。融点143〜145℃。
【0080】
【化18】

【0081】
(7−O−フタルイミド−N−ブチルプエラリン(類似体17)
ダイゼインの代わりにプエラリンを使用した以外は、類似体13に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。プエラリン500mgから類似体17(白色粉末)512mgを得た。収率69.0%。融点68〜69℃。
【0082】
【化19】

【0083】
(ダイゼイン7−O−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルエーテル(類似体18))
ダイゼインおよび1−クロロメチル−1H−ベンゾトリアゾールを出発物質として使用した以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。ダイゼイン5.1gから類似体18(4.35g)を得た。収率85.3%(w/w)融点227〜228℃。
【0084】
【化20】

【0085】
(2−エトキシカルボニル−7−O−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルイソフラボン(類似体19))
ダイゼインの代わりに類似体20(合成方法に関しては下記参照)を使用した以外は、類似体18に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。類似体20(3.1g)から類似体19(1.43g)を得た。収率46%(w/w)。融点182〜183℃。
【0086】
【化21】

【0087】
(2−エトキシカルボニル−7−ヒドロキシイソフラボン(類似体20))
ピリジン20ml中の2,4−ジヒドロキシフェニルベンジルケトン(4.56g、20.24mmol)の溶液に、エチルクロロオキソアセテート(3.5ml、31.28mmol)を添加した。混合物を室温で1時間緩やかに攪拌し、黄色がかった沈殿物を揺り動かした。沈殿物を濾過によって採集し、乾燥し、クロロホルム:メタノール(7:3)に再溶解し、Sephadex LH−20(クロロホルム:メタノール、7:3)に装填した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体20(4g)を得た。収率87.61%。融点213〜214℃。
【0088】
【化22】

【0089】
(2−カルボキシ−7−ヒドロキシイソフラボン(類似体21))
類似体20を加水分解することによって、この化合物を得た。メタノール10ml中の類似体20(1g)の溶液に、0.2N KOH水溶液20mlを添加した。類似体20が完全に加水分解するまで(TLCによって監視)、混合物を緩やかに還流させながら2時間攪拌した。メタノールを回転蒸発器で除去した。残留溶液中の加水分解生成物を、酸性化(HCl、pH2〜3)によって沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、濾液のpHが中性に近づくまで、少量の水で洗浄し、アセトンから再結晶して、純粋類似体21(630mg)を得た。収率63%(w/w)。融点257〜258℃。
【0090】
【化23】

【0091】
(2−カルボキシ−7−ω−カルボキシペンチルイソフラボン(類似体22))
DMF60ml中の類似体20(5.0g、16.1mmol)の溶液に、KCO(2.6g、18.8mmol)およびエチル6−ブロモヘキサノエート(3ml、16.86mmol)を添加した。混合物を1時間還流し、氷水100ml中に注いだ。生成物を酢酸エチルから抽出し、蒸発乾固した。乾燥残渣をメタノール20mlに溶解し、次に、1N KOH(20ml、20mmol)を添加した。エチルエステルが完全に加水分解するまで(TLCによって監視)、混合物を緩やかに還流させながら2時間攪拌した。溶媒を減圧除去した。残渣をクロロホルム/メタノール(7:3)に溶解し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で精製した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体22(5.34g)を得た。収率83.7%。融点157〜159℃。
【0092】
【化24】

【0093】
(7−ヒドロキシ−4’−フルオロイソフラボン(類似体23))
4−フルオロフェニル酢酸(1.54g、90.5mmol)、レゾルシノール(11.0g、99.9mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル50mlの混合物を、80℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次に、KCO水溶液、次に水で、水層のpHが7に近づくまで洗浄した。生成物を、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残渣を溶解し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)に装填した。純粋類似体23を含有する画分を集め、乾燥して、粗2,4−ジヒドロキシフェニル−4’−フルオロベンジルケトン(I)3.5gを得た。2−プロパノール20ml中の該粗生成物3.5gに、モルホリン1.0mlおよびトリエチルオルトホルメート2.5mlを添加した。混合物を80℃で7時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をメタノール30mlに溶解し、50℃で30分間攪拌した。溶液を室温に冷却し、4℃で一晩置いた。白色結晶を濾過によって採集し、少量のメタノールで洗浄し、乾燥して、類似体23(1.53g)を得た。収率43.7%(w/w)。融点235〜236℃。
【0094】
【化25】

【0095】
(7−O−エトキシカルボニルペンチル−4’−フルオロイソフラボン(類似体24))
出発物質が類似体23およびエチル6−ブロモヘキサノエートであった以外は、類似体5に関して記載したのと同じ方法によって、この化合物を調製した。類似体23(1.28g)から、類似体24(針状結晶)964mgを得た。収率75.3%(w/w)。融点91〜93℃。
【0096】
【化26】

【0097】
(7−ヒドロキシ−4’−ブロモイソフラボン(類似体25))
この合成は、4−フルオロフェニル酢酸の代わりに4−ブロモフェニル酢酸を使用した以外は、類似体23に関して記載した合成と同様であった。この合成の結果、類似体25(1.41g)を得た。収率42%(レゾルシノールに基づく、w/w)。融点266〜268℃。
【0098】
【化27】

【0099】
(4’−ブロモイソフラボン7−ω−エトキシカルボニルペンチルエーテル(類似体26))
4−ブロモフェニル酢酸(4.36g、20.3mmol)、レゾルシノール(3.36g、30.5mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯化合物50mlを含有する反応混合物を、80℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次に、K2CO3水溶液、次に水で、水層のpHが約7に達するまで洗浄した。生成物を酢酸エチルで抽出し、フラッシュ蒸発によって濃縮した。残渣を溶解し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物2,4−ジヒドロキシフェニル−4’−ブロモベンジルケトンを含む画分を集め、蒸発乾固した。この残渣に、2−プロパノール50ml、モルホリン7.0mlおよびトリエチルオルトホルメート10mlを添加した。反応混合物を80℃で24時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をメタノール20mlに溶解し、50℃でさらに20分間攪拌した。溶液を室温に冷却し、4℃で一晩置いた。4’−ブロモ−7−ヒドロキシルイソフラボンの黄色沈殿物(2.8g)を濾過によって採集した。沈殿物をDMF 50mlに溶解し、この溶液に、KCO(2.76g、20.0mmol)、次にエチル6−ブロモヘキサノエート(6.0ml、33.7mmol)を添加した。混合物を攪拌し、80℃で3.5時間加熱し、氷水200mlに注いだ。形成された沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、純粋類似体104(1.62g)を得た。分析:白色結晶;収率57.1%;融点122〜124℃。
【0100】
【化28】

【0101】
(7−ヒドロキシ−4’−ニトロイソフラボン(類似体27))
出発物質4−フルオロフェニル酢酸の代わりに4−ニトロフェニル酢酸を使用した以外は、類似体23に関して記載した同じ方法によって、この化合物を調製した。合計1.35gの類似体27を得た。収率38.6%(w/w)。融点270℃(分解)。
【0102】
【化29】

【0103】
(7−O−エトキシカルボニルペンチル−4’−ニトロイソフラボン(類似体28))
類似体27を出発物質として使用した以外は、類似体24に関して記載した同じ方法によって、この化合物を調製した。この合成から合計270mgの類似体28を得た。収率13.5%(w/w)。融点173〜175℃。
【0104】
【化30】

【0105】
(7−ヒドロキシ−4’−メチルイソフラボン(類似体29))
4−フルオロフェニル酢酸の代わりにp−トリル酢酸を使用した以外は、類似体23に関して記載した同様の方法によって、この化合物を調製した。合計780mgの類似体29をこの手順から得た。収率21.3%(レゾルシノールに基づく、w/w)。融点241〜243℃。
【0106】
【化31】

【0107】
(7−O−エトキシカルボニルペンチル−4’−メチルイソフラボン(類似体30))
出発物質が類似体29およびエチル6−ブロモヘキサノエートであった以外は、類似体5に関して記載した同じ方法によって、この化合物を調製した。この合成によって、類似体30(900mg)を得た。収率35.71%(w/w)。融点141〜142℃。
【0108】
【化32】

【0109】
(7,4’−ジメトキシイソフラボン(類似体31))
DMSO(40ml)中のダイジン(1.28g、5.0mmol)の溶液に、NaOHペレット3.84gを添加した。混合物を室温で6分間攪拌し、ヨードメタン(3ml、48.2mmol)を滴下した。混合物を室温でさらに6分間攪拌し、氷水に注いだ。水中の生成物をクロロホルムで抽出し、乾燥した。残渣をSephadex LH−20カラム(クロロホルム/メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体31(針状結晶)450mgを得た。収率35.2%(w/w)。融点162〜163℃。
【0110】
【化33】

【0111】
(7−ヒドロキシ−4’−アミノイソフラボン(類似体32))
類似体27の還元によって、この化合物を調製した。類似体27(500mg)およびエタノール(50ml)の懸濁液に、亜鉛粉末1.0gを添加した。氷酢酸10mlをゆっくり添加しながら、混合物を50℃で30分間攪拌した。類似体27を完全に還元した後に、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。濃縮物を水20mlに懸濁し、酢酸エチルで抽出した。有機相を蒸発乾固し、残渣をメタノール:クロロホルム:石油エーテル(30〜60℃)(1:5:20)から再結晶して、類似体32(153mg)を黄色非晶質粉末として得た。収率30.6%(w/w)。融点250℃(分解)。
【0112】
【化34】

【0113】
(7−エトキシカルボニルペンチル−4’−アミノイソフラボン(類似体33))
類似体32に関して記載した同じ条件下で、類似体28を還元することによって、この化合物を調製した。類似体33(合計863mg)を得た。収率43.2%(w/w)。融点147〜148℃。
【0114】
【化35】

【0115】
(7,8−ジメトキシイソフラボン(類似体34))
類似体23の合成に関して記載したように、この化合物を調製した。フェニル酢酸(2.76g、20.08mmol)、2,3−ジメトキシフェノール(5.0g、32.43mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル50mlの混合物を、80℃で19時間攪拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、濾液のpHが中性に近づくまでKCO水溶液および水で順次に洗浄した。生成物を、酢酸エチルで抽出し、濃縮乾固した。2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシフェニルベンジルケトンを主として含有する残渣を、2−プロパノール50mlおよびモルホリン3.0mlに溶解し、トリエチルオルトホルメート(6.0ml、36.07mmol)を添加した。混合物を80℃で20時間攪拌し、蒸発乾固した。残渣をシリカゲル(クロロホルム/メタノール系)で分画し、純粋生成物を含有する画分を集め、乾燥し、アセトンから再結晶して、類似体34(板状結晶)300mgを得た。
収率6%(2,3−ジメトキシフェノールに基づく、w/w)。融点143〜144℃。
【0116】
【化36】

【0117】
(7−エチルイソフラボン(類似体35))
類似体23の合成に関して記載した同じ方法によって、この化合物を調製した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル50ml中のフェニル酢酸(6.51g、47.81mmol)の溶液に、3−エチルフェノール(6.5ml、53.20mmol)を添加した。混合物を80℃で21時間攪拌し、室温に冷却し、次に、洗浄液のpHが中性に近づくまでKCO水溶液および水で洗浄した。生成物を酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残渣を2−プロパノール50mlおよびトリエチルホルメート(8ml、48.1mmol)に溶解し、モルホリン3mlを添加した。混合物を80℃で7時間攪拌し、溶媒をフラッシュ蒸発によって除去した。得られたシロップ状物をメタノール30mlに溶解し、50℃で30分間攪拌し、室温に冷却し、4℃で一晩置いた。結晶を濾過によって採集し、少量のアセトンで洗浄して、類似体35(790mg)を得た。収率12.2%(3−エチルフェノールに基づく、w/w)。融点103〜104℃。
【0118】
【化37】

【0119】
(7−エトキシルカルボニルペントキシプエラリン(類似体36))
類似体5に関して記載した同じ方法によって、この化合物を調製した。DMF60ml中のプエラリン(3.5g、8.41mmol)の溶液に、無水KCO(2.76g、20.0mmol)およびエチル6−ブロモヘキサノエート(6.0ml、33.6mmol)を添加した。混合物を80℃で6時間攪拌し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、8:2)、次にSephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。最終生成物を石油エーテル:クロロホルム:メタノール(10:0.5:0.1)から再結晶して、類似体36(白色非晶質粉末)3.19gを得た。収率91.14%(w/w)。融点165〜168℃。
【0120】
【化38】

【0121】
(ダイゼイン7−ω−ヒドロキシヘキシルエーテル(類似体50))
6−ブロモ−1−ヘキサノール(3ml、22.93mmol)をアルキル化剤として使用して、類似体75に関して記載した方法によって類似体50を合成した。還流後、反応混合物を12時間冷蔵した。冷蔵の間に形成した沈殿物を採集し、Sephadex LH−20カラム(メタノール)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、乾燥し、アセトンから再結晶して、類似体50(1.16g)を得た。分析:白色非晶質粉末;収率16.4%;融点177〜178.5℃。
【0122】
【化39】

【0123】
(ダイゼイン7−ω−エトキシカルボニルブチルエーテル(類似体53))
ダイゼイン(5.1g、20.08mmol)、2N KOH水溶液(8.0ml、16mmol)およびアセトン(50ml)の溶液に、エチル−5−ブロモバレレート(3.5ml、22.1mmol)を添加した。混合物を緩やかに攪拌しながら72時間還流し、冷却し、4℃で一晩置いた。沈殿物をガラス濾過器で採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、乾燥し、アセトンから再結晶して、類似体53(670mg)を得た。分析:無色板状結晶;収率8.8%;融点146〜148℃。
【0124】
【化40】

【0125】
(ダイゼイン7−ω−ヒドロキシノニルエーテル(類似体57))
アセトン60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の懸濁液に、2N KOH水溶液(15ml、30mmol)を添加した。ダイゼインが完全に溶解するまで、混合物を室温で攪拌した。次に、9−ブロモ−1−ノナノール(5g、22.41mmol)を添加し、混合物を緩やかに還流させながら72時間攪拌した。反応混合物を冷却し、4℃で一晩置いた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体57(305mg)を得た。分析:無色板状結晶;収率5.98%;融点165〜167℃。
【0126】
【化41】

【0127】
(ダイゼイン7−ω−ヒドロキシドデシルエーテル(類似体63))
12−ブロモ−1−ドデカノール(5g、18.85mmol)をアルキル化剤として使用して、類似体57に関して記載した手順によって、類似体63を合成し、精製した。分析:白色非晶質粉末;収率20.5%;融点142〜144℃。
【0128】
【化42】

【0129】
(ダイゼイン7−(1’’H−インドール−3’’−イル)−エチルエーテル(類似体73))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(7.7g、55.71mmol)および3−(2−ブロモエチル)インドール(5.0g、22.31mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で4時間加熱し、反応混合物を氷水200mlに注ぐことによって沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体73(2.5g)を得た。分析:白色結晶質生成物;収率49%;融点203〜205℃。
【0130】
【化43】

【0131】
(ダイゼイン7−ヒドロキシエチルエーテル(類似体75))
アセトン60ml中のダイゼイン(5.3g、20.87mmol)の懸濁液に、2N KOH水溶液(13ml、26mmol)を強く攪拌しながら添加した。ダイゼインが完全に溶解した後に、2−ブロモエタノール(2ml、28.21mmol)を添加し、反応混合物を緩やかに攪拌しながら72時間還流した。揮発性溶媒を蒸発させ、残渣を水および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層の生成物を、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール、6:3:1)、ついでSephadex LH−20カラム(メタノール)によってさらに精製した。純粋生成物を含有する画分を集め、乾燥し、アセトンから再結晶して、類似体75(1.7g)を得た。分析:白色非晶質粉末;収率28.5%;融点210〜212℃;MS m/z 299.1(M+H)+。
元素分析(C1714):Cacld:C,68.45;H,4.73、Found:C,67.86;H,4.23。
【0132】
(ダイゼイン7−[2,4−(1H,3H)−キナゾリンジオン−3−N−イル]−エトキシルエーテル(類似体78))
ダイゼイン(5.1g、20.06mmol)およびアセトン50mlの懸濁液に、2N KOH水溶液(30ml、60.0mmol)および3−(2−クロロエチル)−2,4(1H,3H)キナゾリンジオン(5.0g、22.26mmol)を添加した。混合物を室温で48時間攪拌した。沈殿物を濾過し、乾燥し、先ずシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、9.25:0.75)、次にSephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、HPLC純粋生成物617mgを得た。分析:白色結晶;収率12.9%;融点270℃(分解)。
【0133】
【化44】

【0134】
(ダイゼイン7−(4’’,6’’−ジメトキシ−1’’,3’’,5’’−トリアジン)−2’’−イルエーテル(類似体81)およびダイゼイン7,4’−ジ−(4’’,6’’−ジメトキシ−1’’,3’’,5’’−トリアジン)−2’’−イルエーテル(類似体82))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(3.2g、23.1mmol)および2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(5.0g、28.5mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で4時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。それによって純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体81(1.29g)および類似体82(7.5g)を得た。分析:類似体81、白色結晶;収率25.3%;融点226〜228℃。
【0135】
【化45】


(ダイゼイン7−N−(2’’(3’’H)−ベンゾチアゾロニル)−メチルエーテル(類似体83))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(3.0g、21.7mmol)および3−クロロメチル−2(3H)−ベンゾチアゾロン(5.0g、25.0mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で14時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体83(5.02g)を得た。分析:無色結晶;収率98.4%;融点234〜235℃。
【0136】
【化46】

【0137】
(ダイゼイン4’−(1’’−フェニル−1’’H−テトラゾール−5’’−イル)エーテル(類似体86))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(3.0g、21.74mmol)および5−クロロ−1−フェニル−1H−テトラゾール(3.6g、20.0mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で4時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体86(4.4g)を得た。分析:無色結晶;収率86.3%;融点265〜267℃。
【0138】
【化47】

【0139】
(ダイゼイン7−(6’’−クロロピペロニル)エーテル(類似体87))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(2.7g、19.6mmol)および6−クロロピペロニルクロリド(5.0g、24.4mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で15時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体87(6.4g)を得た。分析:無色結晶;収率75.5%;融点254〜256℃。
【0140】
【化48】

【0141】
(ダイゼイン7−ω−(3’’−クロロフェニルピペロジン)−4−N−プロピルエーテル(類似体88))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(3.0g、21.74mmol)および1−(3−クロロフェニル)−4−(3−クロロプロピル)ピペラジン一塩酸塩(6.2g、20.02mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で4時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体88(3.48g)を得た。分析:純粋白色非晶質粉末;収率68.2%;融点183〜185℃。
【0142】
【化49】

【0143】
(ダイゼイン7−(2’’−エトキシカルボニルフルフリル)エーテル(類似体89))
DMF60ml中のダイゼイン(5.1g、20.08mmol)の溶液に、KCO(2.95g、21.38mmol)およびエチル5−(クロロメチル)−2−フランカルボキシレート(5.0g、26.51mmol)を連続的に添加した。混合物を攪拌し、80℃で1.5時間加熱し、生成物を氷水200mlに沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で分画した。純粋生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、類似体89(5.89g)を得た。分析:白色非晶質粉末;収率72.3%;融点208〜210℃。
【0144】
【化50】

【0145】
(ダイゼイン7−(1,8−ナフタルイミド−N−イル)−エトキシルエーテル(類似体90))
ダイゼイン(5.1g、20.06mmol)をDMF60mlに溶解し、K2CO3(3.0g、21.74mmol)および1−(クロロメチル)−1H−ベンゾトリアゾール(5.0g、19.25mmol)を連続的に添加した。混合物を80℃で4時間攪拌し、次に、氷水200mlに注いだ。沈殿物を採集し、乾燥し、Sephadex LH−20カラム(クロロホルム:メタノール、7:3)で精製した。生成物を含有する画分を集め、濃縮し、アセトンから再結晶して、結晶質生成物562mgを得た。分析:収率11.0%w/w;融点278〜280℃。
【0146】
【化51】

【0147】
(ダイゼイン7−(2’’−カルボキシフルフリル)エーテル(類似体99))
類似体89の加水分解によって、この化合物を調製した。メタノール20ml中の類似体89(1.0g)の溶液に、2N KOH水溶液2mlおよび水10mlを添加した。混合物を攪拌し、全ての反応物が加水分解されるまで(TLCによって監視)、2時間にわたって緩やかに還流させた。反応混合物をフラッシュ蒸発によって濃縮し、pHを3〜4に調節することによって生成物を沈殿させた。沈殿物を濾過によって採集し、アセトンからの再結晶によって精製して、結晶質類似体99(730mg)を得た。分析:収率73%。
【0148】
【化52】

【実施例5】
【0149】
(MAOおよびALDH−2アッセイ)
いくつかの合成化合物を、MAOおよびALDH−2抑制活性について試験した。勾配精製ハムスター肝臓ミトコンドリア試料の溶解物の膜および上澄み画分を、それぞれMAOおよびALDH−2の源として使用した。確立した手順(Rookeら、(2000)J.Med.Chem.43:4169)によって、ALDH−2およびMAO活性アッセイを行った。
【実施例6】
【0150】
(エタノール摂取実験)
ハムスターのエタノール摂取における、新たに合成した類似体の効果を、下記の方法によって測定した。動物は、Charles River Laboratories社(01887マサチューセッツ州ウィルミントン)またはHarlan Sprague Dawley社(46229インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis))から購入した雄成長ゴールデンハムスター(異系交配、Lakeview Lak:LVG[SYR])であった。到着してすぐに、23℃、湿度35〜45%に維持した部屋に、12/12時間 明/暗サイクル(明は0600〜1800時)で、Purina chow(5001)および15% v/vエタノール溶液の随意摂取において収容した。1週間後、各ハムスターを個々のステンレス鋼ケージ(26×18×17.5cm)に移した。2本の50ml摂取ビン(一方は水、他方は15%エタノール溶液を収容する)連続的に供給した。こぼれたものをケージの外側に位置する管に向ける傾いた台に取り付けたホルダーに、ビンを配置した。各ケージの2本の摂取ビンの位置を毎日変えて、位置優先の発生を防止した。液体摂取を、毎日0900時に測定した。有意量(>8ml/日)かつ一貫量(日変動<±20%)のエタノール溶液を飲んだハムスターを、試験用に選択した。基準エタノールおよび水摂取を確立するために、1mlの滅菌食塩水を各ハムスターに1500〜1600時において6日間毎日投与した(食塩水対照期間、第1日〜第6日)。次に、試験化合物の日用量0.07mmolを5日間連続で投与した(処置期間、第7日〜第11日)。最後の投与の後に、エタノールおよび水摂取をさらに6日間モニターした(後処置期間、第12日〜第17日)。結果は、これらの類似体が、0.07mmol/日/ハムスターの投与量において、ハムスターのエタノール摂取を抑制することを示した。試験した17の活性類似体のうちの5つ(類似体81、87、88、89および99)がダイジンより有効であった。等用量において、ダイジンは、エタノール摂取を約55%抑制した(表1)。
【0151】
【表1】

【実施例7】
【0152】
(構造/活性の関係(SAR))
ALDH−2およびMAO阻害の有効性における、イソフラボンの2,3’,4’,5,6および8位置での置換の効果を評価し、結果を下記に示す。
(4’−OHの置換)
9つの、ダイジンの4’,7−O−二置換類似体を合成し、それらのALDH−2およびMAO阻害活性を試験し、それらの各7−O−一置換類似体と比較した。全ての一置換類似体は、ALDH−2(IC50=0.08〜9μM)を阻害したが、二置換類似体はいずれも阻害性でなかった(GAOら、(2001)J Med.Chem.44:3328)。試験した一置換類似体のうち3つの類似体はMAOを阻害し、二置換はこの活性も示さなかった。これは、遊離4’−ヒドロキシルおよび/またはより小さい4’−置換基が、抗飲酒癖活性を付与することを示した。
【0153】
4’−置換のSARをさらに評価するために、2系列の7−O−置換類似体を合成した:7−O−置換4’−ヒドロキシイソフラボン(類似体2、4、6、8、11および13)および7−O−置換イソフラボン(類似体3、5、7、9、12および14)。7−O−置換4’−ヒドロキシイソフラボン系列の全ての類似体は、有効なALDH−2阻害剤であり、IC50値は0.04μM〜0.28μMであった。7−O−置換イソフラボン誘導体もALDH−2を阻害したが、それらは4’−ヒドロキシ対応物より低い有効性であり、IC50値は0.1μM〜1.5μMであった。全ての場合において、4’−OH/4’H置換は、ALDH−2阻害の有効性を減少させ、IC50値を2倍(類似体6/類似体7)から19倍(類似体4/類似体5)に増加させた。しかし、MAO阻害における4’−OH/4’H置換の効果は、さらに顕著であった。全ての4’ヒドロキシル誘導体(類似体2、4、6、8、11および13)はMAOを阻害したが、4’−H系列(類似体3、5、7、9、12および14)はいずれもMAOにおけるどのような効果も示さなかった。4’−OH/4’−H置換の効果が7−O−置換基の性質と無関係であるという事実は、4’−ヒドロキシルがMAO阻害に影響を与えうることを示した。
【0154】
理論に縛られるものではないが、4’−OHをHで置き換えることは、イソフラボン分子の極性および水素結合能力を減少させる作用をしうる。さらに、それは、B環の電子密度の再分布を誘発しうる。これらの要因が、単独かまたは組み合わさって、減少したALDH−2および/またはMAO阻害を生じうる。MAOおよびALDH−2阻害の有効性における、4’−置換基の極性、水素結合能力ならびに電子供与および求引性特性の効果を探るために、2系列の4’−置換類似体を合成し、試験した:7−O−ω−エトキシカルボニルペンチル−および7−ヒドロキシ−イソフラボン。7−O−ω−エトキシカルボニルペンチルイソフラボンの中で、4’−NH(類似体33)、4’−OH(類似体6)および4’−H(類似体7)が、4’−F(類似体24)、4’−Br(類似体26)および4’−CH(類似体30)誘導体より高い有効性のALDH−2阻害剤であった。4’−NO誘導体(類似体28)は阻害性でなかった。これは、4’−置換基の極性、水素結合能力および電子求引性および放出特性が、ALDH−2阻害の有効性に影響を与えたことを示した。最も有効な阻害剤は、極性(低疎水定数)、電子放出および水素結合形成4’−置換基を有する類似体、例えば類似体33(4’−NH)および類似体6(4’−OH)であった。4’−CH(類似体30)および4’−Br(類似体26)誘導体は、それぞれ0.56および0.86のπ値(表2)を有する高い脂肪親和性であり、従って、かなり低い有効性のALDH−2阻害剤であった。
【0155】
【表2】

1’−ベンゾピラン官能基の存在にもかかわらず、13C−NMRデータ(表2)によって示されているように、類似体7および類似体3のB環の6個の炭素上で、電子密度がかなり均一に分布していた。4’−Hの置換は、電子密度分布を変化させた。興味深いことに、C−1’、C−3’およびC−5’において電子密度を増加させ(13C−1’、13C−3’および13C−5’シグナルをアップフィールドにシフト)、C−4’において電子密度を減少させた(13C−4’シグナルをダウンフィールドにシフト)4’−置換は、ALDH−2阻害の有効性を増加させた(類似体2、類似体6、類似体24、類似体33)が、C−4’において電子密度を減少させただけの類似体は、減少したALDH−2阻害有効性を有していた(類似体28、類似体30)。
【0156】
全ての4’−置換7−ヒドロキシル誘導体がMAOを阻害し、4’−NO(類似体27)(IC50=0.1μm)が最も有効であり、それに続いて4’−F(類似体23)(1.5μm)、4’−Br(類似体25)(1.0μm)、4’−H(1)(8.6μm)、4’−CH(類似体29)(9μm)、4’−OH(類似体40)(12μm)、および4’−NH−7−ヒドロキシイソフラボン(類似体32)(12μm)であった。これは、MAOに関する有効性が、4’−置換基の電子受容特性に正の関連性を有していたことを示し;最も強い電子受容4’−置換基(NO)を有していた類似体もMAOを最も有効に阻害したが(IC50=0.1μM)、最も強い電子供与4’−置換基(NH)を有する類似体は最も低い阻害性であった(IC50>9μm)。
【0157】
(8−Hの置換)
ALDH−2およびMAO阻害におけるC−8置換基の効果を評価するために、2つの8−C−グルコシル化7−O−置換類似体を合成した:7−エトキシカルボニルペントキシ−プエラリン(類似体36)、7−O−フタルイミド−N−ブチルプエラリン(類似体17)。1つの8−メトキシル化7−O−置換類似体を合成した:7,8−ジメトキシイソフラボン(類似体34)。ALDH−2およびMAO阻害についてのそれらの有効性を測定し、それらの8−H置換対応物、7−エトキシカルボニル−ペントキシダイゼイン(類似体6)、2−カルボキシ−7−O−フタルイミド−N−ブチルダイゼイン(類似体13)、および7−メトキシ−イソフラボン(類似体3)とそれぞれ比較した。結果は、グルコシル(類似体36および類似体17)またはメトキシ官能基(類似体34)での8−Hの置換は、(i)ALDH−2阻害活性を完全に失わせ、(ii)MAO阻害の有効性を実質的に減少させることを示した。
(5、2、6および3’位置における置換)
5−ヒドロキシル置換7−メトキシダイゼイン(類似体2/類似体45)は、ALDH−2阻害の有効性を減少させた。これは、5位置におけるヒドロキシル置換がMAO阻害の有効性を増加させた(類似体40/類似体43、類似体2/類似体45、類似体41/類似体46)という調査結果と共に、5−OH官能基が抗飲酒癖活性に負の作用をしうることを示した。
【0158】
1つの2−メチル誘導体(類似体39)、1つの2−カルボキシ誘導体(類似体16)、および2つの2−エトキシカルボニル誘導体(類似体15、類似体19)を調製し、ALDH−2阻害についてのそれらの有効性を測定し、それらの各非置換対応物、類似体10、類似体14および類似体18と比較した。類似体10、類似体14および類似体18は、ALDH−2をかなり有効に阻害し、IC50値は8μM〜0.14μMであり、それらの2置換誘導体はいずれもALDH−2に対する阻害活性を示さなかった。3つの追加の2置換類似体、類似体20、類似体21および類似体22も試験し、ALDH−2活性における効果を有さないことを示した。理論に縛られるものではないが、これらの結果は、ダイジンまたはその活性類似体の2位置が、酵素結合部位において重要な領域を占めることを示した。
【0159】
H(類似体3、5、7、9、10、12、14および19)、F(類似体23、24)、Br(類似体25、26)、CH(類似体29、30)、NH(類似体32、33)、NO(類似体27、28)またはOCH(類似体41)置換基で置換された4’−OR基を有する一系列のダイジン類似体を調製した。ALDH−2およびMAO阻害についてのそれらの有効性を測定し、相互に、およびそれらの各7−O−置換ダイジン誘導体と比較した。結果は、ダイジン類似体のALDH−2阻害の有効性が、−NHおよび−OHのような電子供与および水素結合能力を有する極性4’−置換基に関連し、MAO阻害の有効性は4’−置換基の電子受容特性に正の関連性があることを示した。ALDH−2において、結合阻害剤の2、3’、5、6および8位置は比較的限定された領域に位置し、これらの位置のいずれかにおいて−H原子を置換する試みは、ALDH−2阻害活性の完全な消失を生じた。従って、有効な抗飲酒癖ダイジン類似体は4’,7−二置換イソフラボンである。1つの実施形態において、4’−置換基は、小さく、極性であり、1つまたはそれ以上の電子を放出することができ、そして/または水素を結合させることができる。他の実施形態において、4’−置換基は−OHまたはNHである。さらに他の実施形態において、7−置換基は、末端極性官能基を任意に有する直鎖アルキルである。さらに他の実施形態において、7−置換基は、−(CH)n−OH、(CH)n−COOHまたは−(CH)n−NH[それぞれ、2≦n≦6、5≦n≦10、n≧4]である。
【0160】
1つの実施形態において、抗飲酒癖化合物はMAO活性を阻害しない。他の実施形態において、抗飲酒癖化合物はMAO活性を部分的に阻害する。本明細書において使用される「部分的に阻害する」という語句は、野生型活性の75%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下の阻害を意味する。
(他の実施形態)
他の実施形態は、当業者に明らかである。先の記載は、明確にするために示したにすぎず、例示的なものにすぎないと理解すべきである。本発明の意図および範囲は、前記の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲に示されている。先に引用した全ての文献および特許出願は、個々の文献または特許出願が参照として組み入れられることが特におよび個々に示されているのと同程度に、全ての目的のために全体として、本明細書に参照として組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式Iの化合物とALDH−2を接触させることを含むALDH−2の阻害方法:
【化1】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項2】
下記の化学式Iの化合物とALDH−2を接触させることを含むALDH−2の阻害方法:
【化2】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項3】
がOHまたはNHである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
が直鎖アルキルである請求項2に記載の方法。
【請求項5】
直鎖アルキルが、−(CH)n−OH[2≦n≦6]、(CH)n−COOH[5≦n≦10]、および−(CH)n−NH[n≧4]から成る基から選択される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ALDH−2がヒトALDH−2である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
神経伝達物質の異化の間に形成されるアルデヒドの濃度を増加させるのに有効な量の、下記の化学式Iの化合物を投与することを含む哺乳動物におけるアルコール消費の調節方法:
【化3】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項8】
神経伝達物質の異化の間に形成されるアルデヒドの濃度を増加させるのに有効な量の、下記の化学式Iの化合物を投与することを含む哺乳動物におけるアルコール消費の調節方法:
【化4】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項9】
哺乳動物がヒトである請求項7に記載の方法。
【請求項10】
神経伝達物質がセロトニンまたはドーパミンである請求項7に記載の方法。
【請求項11】
アルデヒドが、5−ヒドロキシインドールアセトアルデヒドまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドである請求項7に記載の方法。
【請求項12】
化合物がモノアミンオキシダーゼを阻害しない請求項7に記載の方法。
【請求項13】
がOHまたはNHである請求項7に記載の方法。
【請求項14】
が直鎖アルキルである請求項8に記載の方法。
【請求項15】
直鎖アルキルが、−(CH)n−OH[2≦n≦6]、(CH)n−COOH[5≦n≦10]、および−(CH)n−NH[n≧4]から成る基から選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
化合物を腹腔内、筋肉内または経口投与する請求項7に記載の方法。
【請求項17】
下記の段階を含むALDH−2を調節する化合物の同定方法:
i)下記の化学式Iの化合物を準備する段階:
【化5】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、およびヘテロサイクリルオキシ、ヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される];
ii)ALDH−2を前記化合物に接触させる段階;
iii)ALDH−2活性を調節する化合物の能力を検定する段階;および
iv)ALDH−2活性を調節する化合物を、ALDH−2活性の調節因子として選択する段階。
【請求項18】
下記の段階を含むALDH−2を調節する化合物の同定方法:
i)下記の化学式Iの化合物を準備する段階:
【化6】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される];
ii)ALDH−2を前記化合物に接触させる段階;
iii)ALDH−2活性を調節する化合物の能力を検定する段階;および
iv)ALDH−2活性を調節する化合物を、ALDH−2活性の調節因子として選択する段階。
【請求項19】
調節が阻害である請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が、アルデヒドの濃度を増加させることもできる請求項17に記載の方法。
【請求項21】
アルデヒドが、5−ヒドロキシインドールアセトアルデヒドまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
化合物がモノアミンオキシダーゼを阻害しない請求項17に記載の方法。
【請求項23】
がOHまたはNHである請求項17に記載の方法。
【請求項24】
が直鎖アルキルである請求項18に記載の方法。
【請求項25】
直鎖アルキルが、−(CH)n−OH[2≦n≦6]、(CH)n−COOH[5≦n≦10]、および−(CH)n−NH[n≧4]から成る基から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
下記の化学式Iを構成するALDH−2を阻害する化合物:
【化7】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項27】
下記の化学式Iを構成するALDH−2を阻害する化合物:
【化8】

[式中、
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびアルコキシから成る基から選択され;
は、水素C〜Cアルコキシカルボニル、カルボキシおよび糖から成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐鎖または非分岐鎖(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルカジエニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロハロアルコキシ、(C〜C)アルキニルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルコキシアルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)シクロアルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニルアルキル、(C〜C)ヒドロキシアルキル、置換または非置換フェニル、フェニル(C〜C)アルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルオキシおよびヘテロサイクリルカルボニルから成る基から選択され、置換基は、1〜4個であり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルから成る基から選択され;
は、水素およびヒドロキシドから成る基から選択され;
は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルコキシから成る基から選択される]。
【請求項28】
がOHまたはNHである請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
が直鎖アルキルである請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
直鎖アルキルが、−(CH)n−OH[2≦n≦6]、(CH)n−COOH[5≦n≦10]、および−(CH)n−NH[n≧4]から成る基から選択される請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
化合物が、さらに哺乳動物におけるアルコール消費を阻害する請求項26に記載の化合物。
【請求項32】
哺乳動物がヒトである請求項31に記載の化合物。

【公開番号】特開2010−280676(P2010−280676A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−162153(P2010−162153)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【分割の表示】特願2004−518118(P2004−518118)の分割
【原出願日】平成15年6月27日(2003.6.27)
【出願人】(504473500)ジ エンドウメント フォア リサーチ イン ヒューマン バイオロジー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】