説明

AMPA受容体モジュレーターとしてのインダン誘導体

本発明は、式(I)


(式中、可変部は、明細書に定義されている。)による複素環誘導体、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明はまた、前記複素環誘導体を含む医薬組成物および治療におけるこれらの使用、例えば、AMPA受容体で媒介されるシナプス反応の促進が必要とされる、統合失調症、うつ病およびアルツハイマー病をはじめとする精神疾患の治療または予防に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環誘導体、これらの化合物を含む医薬組成物および治療におけるこれらの使用、特にAMPA受容体で媒介されるシナプス反応の促進が必要とされる精神疾患の治療または予防のためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
L−グルタメートは、哺乳動物の中枢神経系(CNS)に位置する、最も豊富な興奮性神経伝達物質である。L−グルタメートは、認知、気分および運動機能の制御に重大な役割を果たしているが、これらのプロセスは、精神医学的および神経学的障害において、バランスが崩されている。グルタメートの生理的効果は、2つの受容体ファミリー、すなわち代謝型(Gタンパク質結合)受容体およびイオンチャネル型(リガンド開口型イオンチャネル)受容体を介して媒介される。イオンチャネル型受容体は、細胞外L−グルタメートに対する高速シナプス応答の媒体をつかさどっている。イオンチャネル型グルタミン酸受容体は、分子の差および薬理学的差に基づき3つのサブクラスに分けられ、それらを選択的に活性化することが最初に確認された小分子アゴニスト:AMPA(α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾール−プロピオン酸)、NMDA(N−メチル−D−アスパルテート)およびカイネート(2−カルボキシ−3−カルボキシメチル−4−イソプロペニルピロリジン)にちなんで命名されている。脳生理学におけるAMPA受容体の重要性は、広く認識され、AMPA受容体が、CNSにおける高速興奮性アミノ酸伝達の大部分を制御し、学習および記憶など、様々な生理的プロセスにおいて役割を果たしているシナプス可塑性にも寄与していることが示されている。この目的のために、統合失調症、うつ病およびアルツハイマー病をはじめとする様々な臨床適応症に対する、ポジティブアロステリックモジュレーターであるAMPA受容体の有用性は益々高く評価されている。
【0003】
AMPA受容体サブユニットは、4つの異なる遺伝子(GluR1からGluR4と称する)によってコードされており、各遺伝子は、約900個のアミノ酸のタンパク質を表している。個々のサブユニットは、大きな細胞外N末端ドメイン、S1およびS2と指定されたドメインで形成されたL−グルタメートに対する細胞外リガンド結合部位からなる。膜貫通ドメインは、3つの膜貫通部、M1、M3およびM4と共に、リエントラントループM2とからなる。次いで、これに続いて、長い細胞内C末端ドメインが存在する。4つのAMPA受容体サブユニットはすべて、S2細胞外ドメインにおいて、38個のアミノ酸をコードしているエキソン(10個未満のアミノ酸が異なる)の交互スライシングにおいて異なる、いわゆる「フリップ」および「フロップ」スプライス変異体を含有している。さらに、AMPA受容体の不均一性は、RNAエディティングから生じ、その最も顕著なものが、GluR2サブユニット上の細孔領域(M2)に位置するQ/R部位である。大きな割合の天然GluR2サブユニットは、R変異体を含むと考えられているが、R変異体は、カルシウム透過性が有意に減少していることを特徴とする。さらなるR/Gエディティング部位は、GluR2、GluR3およびGluR4のS2ドメインに位置し、G型は、脱感作からの回復の速度において加速を示す。
【0004】
脱感作および活性解除の速度は、グルタメートに対するシナプス反応の大きさおよび持続時間を制御する、AMPA受容体の重要な機能的特性である。脱感作および活性解除のプロセスは、AMPA受容体ポジティブアロステリックモジュレーターによって調節され得、これらは、アゴニスト結合部位から遠く離れた所に結合するが、それでもアゴニスト結合に影響を与える、または実際に、ゲーティングおよび/もしくは脱感作に伴う受容体における、アゴニスト媒介によるコンホメーション変化に影響を与える。したがって、このような特性を特異的に標的として定め、減弱したグルタミン酸作動性シグナル伝達に伴う、多種多様なCNS障害の治療において治療の可能性を有することになる薬剤を開発するための努力が続いている。このような症状の例として、加齢による記憶障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、精神病、精神病に伴う認知欠陥、注意不足障害および注意欠陥多動性障害などが挙げられる。
【0005】
AMPA受容体モジュレーターとして作用する、様々な構造上のクラスの化合物が知られている(最近の概説は、G.Lynch、Current Opinion in Pharmacology、2006、6、82−88頁を参照。)。例えば、アニラセタムに関連する、いわゆるベンズアミド化合物(A.Araiら、J Pharmacol Exp.Ther.、2002、30、1075−1085頁を参照)、S−18689などのベンゾチアジアジン誘導体(B.Pirotte、J Med.Chem.、1998、41、2946−2959頁を参照)およびビアリールプロピルスルホンアミド誘導体(P.L.Ornsteinら、J Med.Chem.2000、43、4354−4358頁を参照)がある。別のクラスのAMPA受容体モジュレーターが、グルタメートモジュレーターとして有用なものとして、様々な複素環化合物について詳しく述べている国際公開第2005/040110号および第2005/070916号において開示されている。グルタミン酸受容体を増強することが示されたさらなるクラスの化合物および医薬におけるこれらの使用が、WO2006/015828およびWO2006/015829で開示されている。このようなクラス各々の化合物は、AMPA受容体の異なる程度の増強を示している。
【0006】
しかし、持続したAMPA受容体活性はまた、てんかんおよび他の痙攣誘発剤の副作用にも関係している(Yamada K.A.、Exp.Opin.Invest.Drugs、2000、9、765−777頁)。したがって、有利な治療効果および不必要な神経毒性効果との間の最適な分離を有する、さらなるAMPA受容体モジュレーターの必要性が依然として存在する。
【0007】
WO2002/060874は、心不整脈および細胞増殖性障害の治療に特に有用であることを示す一連のカリウムチャネル阻害剤に関する。WO2005/105759は、置換テトラヒドロピリドピリミジンおよびテトラヒドロキナゾリン化合物ならびにこれらの医薬としての使用に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005/040110号
【特許文献2】国際公開第2005/070916号
【特許文献3】国際公開第2006/015828号
【特許文献4】国際公開第2006/015829号
【特許文献4】国際公開第2002/060874号
【特許文献5】国際公開第2005/105759号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】、G.Lynch、Current Opinion in Pharmacology、2006、6、82−88頁
【非特許文献2】A.Araiら、J Pharmacol Exp.Ther.、2002、30、1075−1085頁
【非特許文献3】B.Pirotte、J Med.Chem.、1998、41、2946−2959頁
【非特許文献4】(P.L.Ornsteinら、J Med.Chem.2000、43、4354−4358頁
【非特許文献5】Yamada K.A.、Exp.Opin.Invest.Drugs、2000、9、765−777頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、式Iによる複素環誘導体:
【0011】
【化1】

(式中、
は、O、NR、(CR、COまたはSOであり、
は、NRSOまたはSONRであり、
は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、CN、COR10、SR11、SOR12、SO13、NHCOR14、NHSO15、NHCOR16またはCONHR17であり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されており、
は、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシまたはCNであり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、ハロゲン、OH、C1−6アルキルオキシ、CN、NR1819、COR20、SR21、SOR22、SO23、NHCOR24、NHSO25、NHCOR26およびCONHR27から独立して選択される1つまたは複数の部分で置換されており、または、
は、X(式中、Xは、CR31である。)と一緒になって、Nを場合によって含む5から7員の不飽和炭素環を形成し、
は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲンまたはCNであり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されており、
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C1−2アルキルC3−8シクロアルキル、NR2829、C6−10アリールまたはO、SおよびNから独立して選択される1−2個のヘテロ原子を含む5−9員のヘテロアリール環系であり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−10アリールおよび5−9員のヘテロアリール環系は、ハロゲン、C1−6アルキル、ヒドロキシおよびC1−6アルキルオキシから独立して選択される1つまたは複数の部分で場合によって置換されており、前記C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1−3個のハロゲンで場合によって置換されており、
−R10は、独立して、HまたはC1−6アルキルであり、
11−R16は、独立して、C1−6アルキルであり、
17は、HまたはC1−6アルキルであり、
18およびR19は、独立して、HもしくはO、SおよびNから独立して選択される1−2個のヘテロ原子を含む5−9員のヘテロアリール環系で場合によって置換されているC1−4アルキルであり、またはR18およびR19は、これらが結合しているNと一緒になって、O、SおよびN(R30から選択される別のヘテロ原子を場合によって含む、4−6員の飽和または不飽和の複素環式環を形成し、
20は、独立して、HまたはC1−4アルキルであり、
21−R26は、独立して、C1−4アルキルであり、
27は、HまたはC1−4アルキルであり、
28およびR29は、独立して、HもしくはC1−4アルキルであり、またはR28およびR29は、これらが結合しているNと一緒になって、O、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を場合によって含む、4−6員の飽和または不飽和の複素環式環を形成し、
30は、HまたはC1−4アルキルであり、
mは、1−2であり、
nは、1−3であり、
pは、0または1であり、
およびXは、独立して、O、S、NまたはCR31であり、Xは、NまたはCR31であるが、ただしこの場合、X−Xのうちの少なくとも1つは、Nでなければならず、OもしくはSとなることができるXおよびXは1つを超えず、またはX(式中、Xは、CR31である。)は、Rと一緒になって、Nを場合によって含む5から7員の不飽和炭素環を形成するものとし、
−Yは、独立して、CR32またはNであるが、ただしこの場合、Y−Yのうちの1つのみが、Nとなることができ、
31は、HまたはC1−6アルキルであり、
32は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲンまたはCNであり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている。)、
または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。
【0012】
1−6アルキルという用語は、本明細書で使用する場合、1−6個の炭素原子を有する分枝のまたは非分枝のアルキル基を表す。このような基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、第三級ブチルおよびn−ペンチルである。同様に、C1−4アルキルという用語は、本明細書で使用する場合、1−4個の炭素原子を有する分枝または非分枝のアルキル基を表す。このような基の例は、メチル、エチル、イソプロピルおよび第三級ブチルである。
【0013】
2−6アルケニルという用語は、本明細書で使用する場合、2−6個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する分枝または非分枝のアルケニル基を表す。このような基の例は、エテニルおよびイソプロペニルである。
【0014】
2−6アルキニルという用語は、本明細書で使用する場合、2−6個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する分枝または非分枝のアルキニル基を表す。このような基の例は、エチニルおよびプロピニルである。
【0015】
3−8シクロアルキルという用語は、本明細書で使用する場合、3−8個の炭素原子を有する分枝または非分枝の環状アルキル基を表す。このような基の例は、シクロプロピル、シクロペンチルおよび2−メチルシクロヘキシルである。
【0016】
3−8シクロアルキルC1−2アルキルという用語は、本明細書で使用する場合、C3−8シクロアルキル基で置換されたC1−2アルキル基を表す。このような基の例は、シクロプロピルメチルおよび2−シクロブチルエチルである。
【0017】
1−6アルキルオキシという用語は、本明細書で使用する場合、1−6個の炭素原子を有する分枝または非分枝のアルキルオキシ基を表す。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシおよび第三級ブチルオキシである。
【0018】
6−10アリールという用語は、本明細書で使用する場合、6−10個の炭素原子を有し、一緒に縮合した、1つの環または2つの環(このうち少なくとも1つは、芳香族でなくてはならない)を含む芳香族基を表す。このような基の例は、フェニルおよびナフチルを含む。
【0019】
ハロゲンという用語は、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0020】
溶媒和物という用語は、本明細書で使用する場合、溶媒および溶質(本発明において、式Iの化合物)により形成された、可変の化学量論性を有する錯体を指す。このような溶媒は、溶質の生物活性を妨げることはない。適切な溶媒の例として、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。
【0021】
O、SおよびNから選択される1−2個のヘテロ原子を含む、5から9員のヘテロアリール環系の例として、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、インドール、インダゾールおよびベンズチオフェンが挙げられる。
【0022】
O、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を場合によって含む4から6員の飽和または不飽和の複素環式環の例として、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンが挙げられる。
【0023】
は、XまたはXのいずれかの位置で、X−Xを含有する5員のヘテロアリール環に結合することができることが当業者であれば認識されよう。RおよびLは、縮合した二環式環のメチレンのいずれかの部分で前記縮合した二環式環に結合することができ、RおよびLは、同一でありまたは異なるメチレンに結合することができることが、当業者であれば同様に認識されよう。
【0024】
本発明の一実施形態において、Lは、OまたはNRであり、Rは、以前に定義された意味を有する。さらなる実施形態において、Lは、COまたはSOである。
【0025】
本発明の別の実施形態において、Lは、(CRであり、R、Rおよびmは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。さらなる実施形態において、Lは、CHまたはCHCHである。さらなる実施形態において、Lは、CH(CH)である。さらなる実施形態において、Lは、CHである。
【0026】
本発明の別の実施形態において、Lは、NHSOまたはSONHである。さらなる実施形態において、Lは、N(CH)SOまたはSON(CH)である。さらなる実施形態において、Lは、NHSOである。
【0027】
本発明の別の実施形態において、Rは、C1−4アルキルまたはCNであり、前記C1−4アルキルは、1−3つのハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、トリフルオロメチルである。さらなる実施形態において、Rは、イソプロピル、第三級ブチルまたはCNである。またさらなる実施形態において、Rは、SOCHまたはNHSOCHである。
【0028】
本発明の別の実施形態において、Rは、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシであり、前記C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシは、ハロゲン、OH、C1−4アルキルオキシまたはNR1819で置換されており、この中でR18およびR19は、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。別の実施形態において、Rは、ハロゲン、OH、C1−4アルキルオキシまたはNR1819で置換されたメチルであり、この中でR18およびR19は、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。さらなる実施形態において、Rは、−CHOH、−CHCHOHまたは−CH(CHOHである。さらなる実施形態において、Rは、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノで置換されたC1−4アルキルである。さらなる実施形態において、Rは、アミノメチル、CHN(CH、(CHN(CHまたは(CHNH(CHOHである。さらなる実施形態において、Rは、ハロゲンで置換されたC1−4アルキルである。さらなる実施形態において、Rは、CFまたはCHFである。
【0029】
本発明の別の実施形態において、Rは、H、C1−6アルキルまたはC1−6アルキルオキシである。さらなる実施形態において、Rは、H、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシである。さらなる実施形態において、Rは、Hまたはメチルである。さらなる実施形態において、Rは、Hである。
【0030】
本発明の別の実施形態において、Rは、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−2アルキルC3−8シクロアルキルまたはNR2829であり、前記C1−6アルキルおよびC3−8シクロアルキルは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、H、C1−4アルキル、C3−8シクロアルキルまたはC1−2アルキルC3−8シクロアルキルであり、前記C1−4アルキルおよびC3−8シクロアルキルは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、メチル、エチル、イソプロピルまたは第三級ブチルであり、前記メチル、エチル、イソプロピルおよび第三級ブチルは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチルである。さらなる実施形態においてRは、アミノ、NHCH、N(CH、NHCHCHまたはNH(CHCHである。さらなる実施形態において、Rは、ピペリジン、ピロリジン、モルホリンまたは4−メチルピペラジンである。
【0031】
本発明の別の実施形態において、Rは、C6−10アリールまたは5−9員のヘテロアリール環系(O、SおよびNから独立して選択される1−2個のヘテロ原子を含む)であり、前記C6−10アリールおよび5−9員のヘテロアリール環系は、ハロゲン、C1−6アルキル、ヒドロキシまたはC1−6アルキルオキシから独立して選択される1つまたは複数の部分で場合によって置換されており、前記C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1−3つのハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、フェニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、フラニル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルおよびピリミジルから選択されるアリールまたはヘテロアリール基であり、前記アリールまたはヘテロアリール基は、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはハロゲンで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、フェニルまたはチエニルであり、前記フェニルまたはチエニルは、ハロゲン、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシで場合によって置換されている。さらなる実施形態において、Rは、フェニルまたはチエニルであり、前記フェニルまたはチエニルは、ハロゲン、メチルまたはメトキシで場合によって置換されている。
【0032】
本発明のさらなる実施形態において、XはNであり、XはNであり、XはCR31であり、この中でR31は、Hであり、または1つもしくは複数のハロゲンで場合によって置換されているC1−4アルキルである。本発明のさらなる実施形態において、XはNであり、XはNであり、XはCR31であり、R31はH、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルである。
【0033】
本発明のさらなる実施形態において、XはCR31であり、XはNであり、XはNであり、この中で、R31は、Hであり、または1つもしくは複数のハロゲンで場合によって置換されているC1−4アルキルである。本発明のさらなる実施形態において、Xは、CR31であり、XはNであり、XはNであり、この中でR31は、H、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルである。
【0034】
本発明の別の実施形態において、断片
【0035】
【化2】

は、以下:
【0036】
【化3】

(式中、RおよびRは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)から選択される。
【0037】
本発明の別の実施形態において、断片
【0038】
【化4】

は、以下:
【0039】
【化5】

(式中、R、LおよびRは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)から選択される。
【0040】
本発明の別の実施形態において、断片
【0041】
【化6】

は、以下:
【0042】
【化7】

(式中、LおよびRは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)から選択される。
【0043】
本発明の別の実施形態において提供されているのは、式IIを有する複素環誘導体である
【0044】
【化8】

(式中、R−R、L、L−X、Y−Yおよびnは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0045】
本発明の別の実施形態において提供されているのは、式IIIを有する複素環誘導体である
【0046】
【化9】

(式中、X−X、R−R、Lおよびnは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0047】
本発明のさらなる実施形態において提供されているのは、一般式IVを有する複素環誘導体である
【0048】
【化10】

(式中、X−XおよびR−Rは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0049】
本発明の別の実施形態において提供されているのは、式Vを有する複素環誘導体である
【0050】
【化11】

(式中、R−Rは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0051】
本発明の別の実施形態において提供されているのは、式VIを有する複素環誘導体である
【0052】
【化12】

(式中、R−R、L、L、X−X、Y−Yおよびnは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0053】
本発明のさらなる実施形態において提供されているのは、一般式VIIを有する複素環誘導体である
【0054】
【化13】

(式中、R−Rは、独立して選択され、以前に定義された意味を有する。)。
【0055】
本発明の別の実施形態において提供されているのは、
【0056】
【化14】



から選択される複素環誘導体、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物である。
【0057】
本発明の複素環誘導体は、有機化学分野で周知の方法により調製される。例えば、J.March、Advanced Organic Chemistry、第4版、John Wiley and Sonsを参照されたい。合成の進行中に、関与している任意の分子上の感受性または反応性を有する基を保護することが、必要であり、および/または望ましいことがある。これは、従来の保護基、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuttsの「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版、John Wiley and Sons、1991に記載のものなどを用いて成し遂げられる。保護基は、当分野で周知の方法を用いて、好都合なその後のステージで、場合によって取り除いてもよい。
【0058】
式(1)の複素環誘導体の合成は、スキーム1で概要を述べた通りに遂行することができる。したがって、アリールシクロアルキルアミン(2)を、例えば、水中の臭素でハロゲン化することによって、ブロモアリールシクロアルキルアミン(3)を得る。これらを次に、適切な有機塩基、例えば1,1,1−ジアザビシクロウンデカン(DBU)の存在下でスルホニル化することによって、スルホンアミド(4)を得る。続いて、例えば、メタノール/アセトニトリル中のモリブデンヘキサカルボニルなどの適切な一酸化炭素源と、適切な触媒/リガンドの組合せ(触媒として、例えば、Herrmann触媒、すなわち、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレートを使用)とを用いた(4)の処理による官能化により、生成物(5)(L−LGは、メトキシカルボニル基である。)を得る。適切な塩基、例えば水酸化カリウムなどの存在下での、適切に官能化させた複素環(6)とのその後の反応は、さらに、適切な脱離基LGの置換により所望の付加反応物(1)を提供する。
【0059】
例えば、化合物(1)(式中、Lは、メチレンである。)は、前駆体(5)(式中、L−LGは、メトキシカルボニル基である。)から開始して、(5)、例えば、テトラヒドロフラン中水素化リチウムアルミニウムでの還元により、中間体アルコール(式中、L−LGは、ヒドロキシメチルである)を得ることによって、調製することができる。次いでこれを、適切な塩素化試薬、例えば塩化チオニルで容易に塩素化することによって、中間体アルキルクロリド(式中、L−LGは、クロロメチルである。)を得ることができる。次にこれを、適切な塩基、例えば炭酸カリウムなどの存在下で、適切に官能化させた複素環(6)と反応させることによって、所望の付加反応物(1)を得ることができる。L−LGの他の変異体および複素環(6)は、当業者には明らかである。例えば、L−LGは、酸塩化物部分(すなわち、LとしてCO、LGとしてCl)であってよく、複素環(6)は、例えば、2−ブロモピロールとn−ブチルリチウムとの反応により調製された2−リチオピロールであってよい。
【0060】
【化15】

様々な試薬および出発物質は、市販されているもの、または当業者には周知の方法を用いて容易に調製されるもののいずれかである。
【0061】
式Iの複素環誘導体は、代わりの方法として、スキーム1のものと類似のプロセスではあるが、異なる順序でステップを行うことによっても調製できることを当業者であれば認識されよう。それ故、スキーム2において概略を示した通り、(11)のタイプの化合物を調製することが可能である。
【0062】
【化16】

【0063】
適切な保護基を、(4)などのアリールシクロアルキルアミン誘導体に添加することによって、カルバメート(7)を得る。次いでこれを続いて官能化することによって、スキーム1に上述したものと類似の方法により、所望のL−LG基を得ることができる。再びスキーム1において上述した方法での、適切に官能化させた複素環(6)との反応により、付加反応物(9)を得る。保護基を、例えば水素付加で除去することにより、遊離アミン(10)が産出し、これを、続いて、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でスルホニル化することによって、所望の生成物(11)を生成することができる。
【0064】
本発明はまた、その範囲内に、例えば立体配置による異性または幾何的異性のために生じる、本発明による複素環誘導体のすべての立体異性形態を含む。このような立体異性形態は、光学異性体、ジアステレオ異性体、シスおよびトランス異性体などである。例えば、Rが1−ヒドロキシエチルの場合、化合物は、1つのペアの光学異性体として存在する。Rがメチルである場合、シスおよびトランスの両方の幾何異性体が可能である。式Iの複素環誘導体またはその塩もしくは溶媒和物の個々の立体異性体の場合、本発明は、もう一方の立体異性体を実質的に含まない、すなわち、5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満のもう一方の立体異性体を伴う上述の立体異性体を含む。任意の割合での立体異性体混合物、例えば、実質的に同量の2つの光学異性体を含むラセミ混合物もまた本発明の範囲内に含まれる。
【0065】
キラル化合物に関して、純粋な立体異性体が得られる不斉合成の方法、例えば、キラル誘導を用いた合成、キラル中間体から開始する合成、エナンチオ選択性酵素変換、キラル媒体上のクロマトグラフィーを用いた立体異性体の分離などは、当分野で周知である。このような方法は、Chirality In Industry(A.N.Collins、G.N.SheldrakeおよびJ.Crosby編集、1992、John Wiley)に記載されている。同様に、幾何異性体の合成のための方法もまた当分野では周知である。
【0066】
遊離塩基形態としての本発明の複素環誘導体は、薬学的に許容される塩として反応混合物から単離される。これらの塩はまた、前記遊離塩基を、有機酸または無機の酸、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン酸で処理することによって得られる。
【0067】
本発明の複素環誘導体はまた、非晶質形態として存在する。複数の結晶形態がまた、可能である。これらすべての物理的形態は、本発明の範囲内に含まれる。
【0068】
溶媒和物の調製は、一般的に知られている。したがって、例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.、93(3)、601−611頁(2004)は、抗真菌性フルコナゾールの溶媒和物の酢酸エチル中での、ならびに水からの調製について記載している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製が、E.C.van Tonderら、AAPS Pharm SciTech.、5(1)、article12(2004)、およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.、603−604頁(2001)に記載されている。典型的な、非限定的プロセスは、これらの発明性のある化合物を、所望の量での、所望の溶媒(有機性または水またはこれらの混合物)中に、周辺温度より高い温度で溶解し、結晶を形成するために十分な速度で溶液を冷却し、次いで標準的方法によりこれを単離するステップを含む。例えば、I.R.分光法などの分析技術は、溶媒和物(または水和物)として結晶中に溶媒(または水)が存在することを示している。
【0069】
本発明はまた、1つまたは複数の原子が、通常天然に見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられているという事実以外は、本明細書中に列挙されたものと同一の、同位体標識された、本明細書に記載および特許請求された化合物を包含する。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げられる。
【0070】
ある特定の同位体標識された式Iの化合物(例えば、Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識した(すなわち、H)および炭素14(すなわち、14C)同位体は、これらの調製の容易さ、および検出性から特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば、重水素(すなわち、H)による置換は、より大きな代謝性安定度(例えば、インビボ半減期での増加または必要投与量の削減)から結果として生じる特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、ある状況において好ましいこともある。同位体標識された式(I)の化合物は、本明細書中の以下のスキームおよび/または実施例において開示されているものと類似の下記の手順により、同位体標識されていない試薬の代わりに、適切に同位体標識された試薬を使用することによって、一般的に調製することができる。
【0071】
本発明の化合物のプロドラッグもまた、本発明の範囲内に想定されている。プロドラッグは、対象への投与の際に、代謝性または他の化学的プロセスによる変換が生じることによって、式Iの複素環誘導体またはその溶媒和物もしくは塩を産生する薬剤前駆体として作用する化合物である。例えば、Rがヒドロキシメチルである場合、ヒドロキシル基は、例えば、エステルまたはカルバメートとして、キャッピングされていてもよく、これらは、対象への投与時に、遊離ヒドロキシル基へと変換し直されることになる。プロドラッグの考察は、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design、(1987)Edward B.Roche、ed.、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressにおいて提供されている。プロドラッグの使用についての考察は、T.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design、ed.Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987において提供されている。
【0072】
さらなる態様において、本発明の複素環誘導体ならびに薬学的に許容されるその塩および溶媒和物は、治療において有用である。したがって、本発明の複素環誘導体は、AMPA受容体媒介によるシナプス反応の促進が必要とされる精神疾患の治療または予防のための薬物の製造に有用である。特に複素環誘導体は、神経変性障害、認知障害または記憶機能障害、記憶障害および学習障害、注意欠陥、外傷、脳卒中、てんかん、アルツハイマー病、うつ病、統合失調症、精神病性障害、不安、自閉症、神経症薬剤から生じる障害または疾患、物質乱用、アルコール精神障害、パーキンソン病、睡眠障害もしくはナルコレプシー、または断眠から生じる他の症状の治療のための薬物の製造に有用である。本発明は、上述の、任意の疾患または障害の治療における使用のための複素環誘導体をさらに含む。
【0073】
本発明のさらなる実施形態において提供されているのは、神経変性障害、認知障害または記憶機能障害ならびに記憶障害および学習障害の治療における使用のための複素環誘導体である。さらなる実施形態において、本発明において提供されているのは、アルツハイマー病の治療における使用のための複素環誘導体である。
【0074】
本発明は、本発明による複素環誘導体または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与するステップを含む、上述の疾患もしくは障害のうちのいずれかを患っている、または患う可能性のある、ヒトをはじめとする哺乳動物の治療のための方法をさらに含む。有効量または治療有効量とは、上に述べた疾患を阻害する、したがって、所望の治療上効果、寛解性効果、抑制性効果または予防効果を生むために有効な本発明の化合物または組成物の量を意味する。
【0075】
本発明の複素環誘導体または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の量はまた、本明細書中では有効成分と呼ばれ、これは治療効果を達成するために必要な量であるが、もちろん、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢および症状ならびに治療中の特定の障害または疾患により異なることになる。
【0076】
上記の任意の障害に対する適切な一日量は、レシピエント(例えばヒト)の体重1キログラムあたり、一日0.001から50mgの範囲、好ましくは、体重1キログラムあたり、一日0.01から20mgの範囲である。所望の用量は、一日を通して適切な間隔で投与される、複数のサブ用量として提示されてもよい。
【0077】
有効成分は、単独で投与することが可能である一方、これを医薬組成物として提示する方が好ましい。したがって、本発明はまた、本発明による複素環誘導体を、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤、例えば、Gennaroら、Remmington:The Science and Practice of Pharmacy、20th版、Lippincott、WilliamsおよびWilkins、2000(特にパート5:pharmaceutical manufacturing(製薬の製造)を参照されたい。)に記載のものと混合して含む医薬組成物を提供する。適切な添加剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients、2nd版、編集者A.WadeおよびP.J.Weller、American Pharmaceutical Association、Washington、The Pharmaceutical Press、London、1994に記載されている。組成物は、経口、経鼻、局所的(口腔、舌下および経皮を含む)、非経口(皮下、静脈内および筋肉内を含む)または直腸投与に適したものを含む。
【0078】
本発明による複素環誘導体と1種または複数の薬学的に許容される添加剤(複数可)の混合物は、固体投与単位、例えば錠剤へと圧縮することができ、またはカプセル剤もしくは坐薬へと加工することもできる。薬剤的に適切な液体を用いて、化合物はまた、溶液剤、懸濁剤、乳剤の形態で注射用調製物として、または経鼻スプレーまたは口腔スプレーなどのスプレー剤として、適用することもできる。投与単位、例えば、錠剤などを生成するため、従来からの添加剤、例えば賦形剤、着色剤、ポリマー結合剤などの使用が想定される。一般的に、任意の薬学的に許容される添加剤を使用することができる。本発明の化合物はまた、インプラント、パッチ、ゲルまたは即放および/または徐放用の任意の他の調製物での使用に適している。
【0079】
医薬組成物は賦形剤を用いて調製および投与できるが、この適切な賦形剤として、ラクトース、デンプン、セルロースおよびその誘導体など、または適切な量で使用されるこれらの混合物が挙げられる。非経口投与に対して、薬学的に許容される分散剤および/または湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含有する水性懸濁剤、等張生理食塩水溶液剤および無菌注射液剤を使用し得る。
【0080】
本発明は、本明細書中にこれまでに記載した医薬組成物を、前記組成物に適した包装材と組み合わせてさらに含み、前記包装材は、本明細書中でこれまでに記載した使用のための組成物の使用のための指示書を含む。
【0081】
本発明は、その範囲を制限することを意図しない以下の例によってさらに図示される。特に指定しない限り、パーセントは、与えられた成分の重量と、組成物の総重量の重量パーセントであり、温度は、℃であり、周辺温度であり、気圧は、大気圧またはその付近の気圧である。市販の試薬は、さらなる精製なしで使用した。
【実施例1】
【0082】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0083】
a)5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン臭化水素酸塩
【0084】
【化17】

下のアミノインダン塩酸塩(150mmol、25.43g)および水(127mL)の懸濁液を、油浴内で内部温度58−60℃に加熱し、内部温度を58−60℃付近で維持しながら、生成した溶液に臭素(154mmol、7.93mL、24.67g)を、約40分に渡り、滴加した。反応混合物を、さらに1時間60℃で撹拌し、次いで48%HBr(22.91mL)を2分間に渡り加え、混合物を10分間撹拌した。次いで、反応物を、1時間に渡り室温まで冷却し、室温で一晩放置した。この生成した固体を濾過で単離し、2−プロパノール(2×20mL)で洗浄することによって、ベージュ色の固体を得た。これを濾過収集し、温水から再結晶化させることによって、ベージュ色の固体として5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン臭化水素酸塩(20g)を得た。第2の群(4.5g)を同様に得た(24.5g、55.8%)。H NMR(400MHz,DMSOd6)δ 3.03(m,2H)3.43(m,2H)4.13(m,1H)7.22(d,1H)7.37(d,1H)7.46(s,1H)
【0085】
b)(R)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1S,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート
【0086】
【化18】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン臭化水素酸塩(107mmol、31.38g)およびN−メチルモルホリン(112mmol、12.36mL、11.37g)のメタノール(66.9mL)中懸濁液を、58−62℃に加熱し、内部温度を60−65℃に維持しながら、3分間に渡り、D−(+)−10−カンファースルホン酸(139mmol、32.3g)のメタノール(53.6mL)中溶液を加えた。添加漏斗をメタノール(13.26mL)ですすぎ、すすぎ液を反応物に加えた。透明溶液が得られるまで、10分間混合物を撹拌した。次いで、反応物を室温まで冷却させておき、計4時間撹拌した。固体を濾過収集し、予冷した酢酸イソプロピル/メタノール2:1(2×15mL)混合物で洗浄し、続いて水(2×15mL)で洗浄した。粗生成物を、真空オーブン内で、50℃で一晩乾燥させることによって、ふわふわした白色の固体が生じた(23.1g)。これをメタノール(160mL)中に懸濁させ、4時間加熱還流させ、次いで、2時間に渡り撹拌しながら室温まで冷却させておき、さらに1時間室温で撹拌を続けた。次いで固体を濾過で単離し、酢酸イソプロピル/メタノール(2:1、2×18mL)の予冷した溶液で洗浄した。無色の固体を(15.51g)真空オーブン内で60時間乾燥させた。メタノール中での還流、これに続く酢酸イソプロピル/メタノールでの固体の洗浄を、所望のエナンチオ率が得られるまで繰り返した。(R)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1S,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネートを、無色の固体として得た(13.83g、e.e.100:0、29.1%)。H NMR(400MHz,DMSOd6)δ 0.72(s,3H)1.04(s,3H)1.28(m,2H)1.80(m,2H)1.94(m,1H)2.25(m,1H)2.38(m,1H)2.69(m,1H)2.83−2.95(m,3H)3.25(m,積分が水ピークでマスクされている)4.02(m,1H)7.25(d,1H)7.39(d,1H)7.50(s,1H)8.00(bs,3H)
【0087】
c)(R)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0088】
【化19】

(R)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1S,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(7.88mmol、3.5g)をDCM(40mL)中に懸濁させ、DBU(23.63mmol、3.53mL、3.60g)を加えた。この混合物を窒素でパージし、氷浴内で冷却してから、プロパン−2−スルホニルクロリド(15.75mmol、1.760mL、2.246g)を滴加した。撹拌を0℃で1時間継続してから、室温に戻した。この混合物をDCM(100mL)および1N HCl(100mL)で希釈し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をDCM(2×100mL)でさらに抽出してから、合わせた有機物をブラインで洗浄した。濃縮により、薄黄色の油を得た。これを、75%DCM/ヘプタン、次いで純粋なDCMで溶出するシリカ上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色の油として、(R)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを(2.18g、87%)得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.39(d,6H)2.88(m,2H)3.17(七重線,1H)3.28(m,2H)4.27(m,2H)7.08(d,1H)7.30(d,1H)7.35(s,1H)
【0089】
d)(R)−メチル2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0090】
【化20】

(R)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド、(3.77mmol、1.2g)、DBU(5.66mmol、0.861g、0.846mL)、アセトキシ(2−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル)パラジウム(0.377mmol、0.354g)、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン(0.754mmol、0.219g)およびモリブデンヘキサカルボニル(3.77mmol、0.995g)を、Smith Creatorマイクロ波用バイアルに加え、150℃で30分間加熱した。この混合物を濃縮してから、ジクロロメタン中に溶解し、セライトプラグを介して濾過した。DCMで溶出するシリカ上で精製を行うことによって、褐色の油として、(R)−メチル2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレートを得た(1.15g、103%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.40(d,6H)2.95(d,2H)3.18(七重線,1H)3.36(m,2H)3.90(s,3H)4.3(m,2H)7.27(d,1H)7.89(m,2H)
【0091】
e)(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0092】
【化21】

(R)−メチル−2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(7.13mmol、2.12g)を、乾燥THF(100mL)に溶解し、容器を窒素でパージした。水素化リチウムアルミニウム(1M、14.3mmol、14.3mL)を滴加し、撹拌を20分間継続した。この混合物を、メタノールの添加、これに続く水および1N HClの添加により、クエンチを行い、濃縮して有機物を取り出した。この残留物をEtOAc/1N HClの間で分配し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、濃縮してから、1%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、淡色の固体として、(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(1.76g、92%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.40(d,6H)1.60(bs,1H)2.90(m,2H)3.18(七重線,1H)3.32(m,2H)4.19−4.33(m,2H)4.66(s,2H)7.20(m,2H)7.26(m,1H)
【0093】
f)(R)−エチル−1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0094】
【化22】

(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(2.82mmol、760mg)をDCM(20mL)中に溶解し、塩化チオニル(5.64mmol、0.409mL、671mg)を加え、この溶液を室温で撹拌した。45分後、この混合物を濃縮し、次いでDCM(4×10mL)で共沸混合することによって、黄色の油を得た。この油に、DMF(10mL)および炭酸カリウム(8.46mmol、1170mg)を加え、続いてエチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.82mmol、587mg)を加えた。この混合物を、1時間撹拌しながら60℃に加熱した。この反応物を濃縮することによって、DMFを取り除いてから、EtOAc/水の間で分配した。相を混ぜ合わせ、分離し、水相をEtOAc(×2)でさらに洗浄した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮することによって、薄黄色の油を得た。これを、25%EtOAc/ヘプタンで溶出するシリカ上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色の固体として、(R)−エチル1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを得た(1.11g、86%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.31(t,3H)1.39(d,6H)2.9(m,2H)3.17(七重線,1H)3.30(m,2H)4.30(m,4H)5.28(s,2H)7.13(m,2H)7.25(d,1H)7.89(s,1H)
【0095】
g)(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0096】
【化23】

(R)−エチル−1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.416mmol、1.11g)をTHF(20mL)中に溶解し、容器を窒素でパージした。水素化リチウムアルミニウム(1M、4.83mmol、4.83mL)を滴加し、混合物を室温で1時間撹拌した。この反応物をMeOHの添加、続いて水の添加によりクエンチして、濃縮した。残留物を1N HClとEtOAcとの間で分配し、有機相を収集した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮してから、30%EtOAc/イソヘキサン、続いて50%EtOAc/イソヘキサンで溶出するシリカ上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色のガラスとして、(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(0.690g、68.5%)。MS(ESI):m/z[M+Na]440.5
【実施例2】
【0097】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2.3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0098】
【化24】

【0099】
a)(S)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート
【0100】
【化25】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン臭化水素酸塩(107mmol、31.27g)およびN−メチルモルホリン(112mmol、12.32mL、11.33g)のメタノール(66.6mL)中懸濁液を、58−62℃に加熱し、内部温度を60−65℃で維持しながら、((1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホン酸(107mmol、24.79g)のメタノール(53.4mL)中溶液を3分間に渡り加えた。添加漏斗を、MeOH(13.3mL)ですすぎ、すすぎ液を反応物に加えた。この混合物を、透明な溶液が得られるまで、60−65℃で10分間撹拌した。次いで反応物を室温まで冷却させておき、計4時間撹拌した。固体を濾過収集し、酢酸イソプロピル/メタノール2:1(2×15mL)の予冷した混合物で洗浄し、続いて水(2×15mL)で洗浄した。この粗生成物を、真空オーブン内で、50℃で一晩乾燥させることによって、ふわふわした白色固体が生じた(18.03g)。これを、メタノール(130mL)中に懸濁させ、4時間加熱還流させ、次いで2時間に渡り撹拌しながら、室温まで冷却させておき、室温でさらに1時間撹拌を継続した。次いで固体を濾過で単離し、酢酸イソプロピル/メタノール(2:1、2×18mL)の予冷した溶液で洗浄した。この無色の固体(13.82g)を、真空オーブン内で60時間乾燥させた。メタノール中での還流、これに続く酢酸イソプロピル/メタノールでの固体の洗浄を、所望のエナンチオ率が得られるまで繰り返した。無色の固体として、(S)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1S,4R)7、7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネートを得た(12.28g、e.e.100:0、25.9%)。H NMR(400MHz,DMSOd6)δ 0.74(s,3H)1.05(s,3H)1.28(m,2H)1.80(m,2H)1.94(m,1H)2.25(m,1H)2.38(m,1H)2.69(m,1H)2.83−2.95(m,3H)3.25(m,積分が水ピークでマスクされている)4.02(m,1H)7.25(d,1H)7.39(d,1H)7.50(s,1H)8.00(bs,3H)
【0101】
b)(S)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0102】
【化26】

(S)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(3.38mmol、1.5g)をジクロロメタン(20mL)中に懸濁させ、DBU(10.13mmol、1.513mL、1.542g)を加えた。この混合物を窒素でパージし、氷浴内で冷却してから、プロパン−2−スルホニル5クロリド(6.75mmol、0.754mL、0.963g)を滴加した。撹拌を0℃で1時間継続してから、室温に戻した。この混合物をDCM(100mL)および1N HCl(100mL)で希釈し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をDCM(2×100mL)でさらに抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄した。濃縮により、約1.5gの薄黄色の油を得た。これを、75%ジクロロメタン/ヘプタン、次いで純粋DCMで溶出する20gのSi上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色の油として(S)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(1.0g、93%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.39(d,6H)2.88(m,2H)3.18(七重線,1H)3.28(m,2H)4.27(m,1H)4.40(m,1H)7.08(d,1H)7.30(d,1H)7.35(s,1H)
【0103】
c)(S)−メチル2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0104】
【化27】

(S)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド、(1.25mmol、0.4g)、DBU(1.88mmol、0.281mL、0.286g)、アセトキシ(2−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル)パラジウム(0.125mmol、0.118g)、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン(0.251mmol、0.072g)およびモリブデンヘキサカルボニル(1.25mmol、0.331g)を、Smith Creatorマイクロ波バイアルに加え、150℃で30分間加熱した。この混合物を濃縮してから、ジクロロメタン中に溶解し、ダイカライトのプラグを介して濾過した。DCMで溶出するシリカ上で精製を遂行することによって、褐色の油として、(S)−メチル2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレートを得た(0.327g、88%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.38(d,6H)2.95(d,2H)3.18(七重線,1H)3.36(m,2H)3.90(s,3H)4.3(m,2H)7.26(d,1H)7.87(m,2H)
【0105】
d)(S)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0106】
【化28】

(S)−メチル−2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(2.502mmol、744mg)を、乾燥THF(20mL)中に溶解し、窒素でパージし、氷浴内で冷却した。水素化リチウムアルミニウム(7.51mmol、7.51mL)を滴加し、撹拌を0℃で10分間継続した。この混合物を、メタノールの添加、続いて1:1THF/水および1N HClの添加によりクエンチし、濃縮することによって、有機物を取り出した。残留物を、ジクロロメタン/1N HClとの間で分配し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をDCM(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物を、ブラインで洗浄し、濃縮してから、2%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、(S)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(0.692g、103%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.39(d,6H)1.71(bt,1H)2.89(m,2H)3.18(七重線,1H)3.30(m,2H)4.28(m,1H)4.41(m,1H)4.66(d,2H)7.18(m,2H)7.24(m,1H)
【0107】
e)(S)−エチル1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0108】
【化29】

(S)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(2.57mmol、692mg)をDCM(10mL)中に溶解し、塩化チオニル(5.14mmol、0.373mL、611mg)を加え、この溶液を室温で撹拌した。45分後、この混合物を濃縮し、次いでジクロロメタン(4×10mL)で共沸混合することによって、黄色の油を得た。この油に、ジメチルホルムアミド(10mL)および炭酸カリウム(7.71mmol、1.07g)を加え、続いてエチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.57mmol、0.54g)を加えた。この混合物を、1時間撹拌しながら、70℃に加熱した。この反応物を濃縮してDMFを取り除いてから、EtOAc/水の間で分配した。相を混ぜ合わせ、分離し、水相をEtOAc(×2)でさらに洗浄した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮することによって、薄黄色の油を得た。これを30%EtOAc/ヘプタンで溶出するシリカ上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色の固体として、(S)−エチル−1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを得た(0.65g、55.1%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.33(t,3H)1.39(d,6H)2.9(m,2H)3.17(七重線,1H)3.30(m,2H)4.30(m,4H)5.29(s,2H)7.12(m,2H)7.24(d,1H)7.89(s,1H)
【0109】
f)(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0110】
【化30】

(S)−エチル−1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.371mmol、630mg)を、テトラヒドロフラン(10mL)中に溶解し、容器を窒素でパージした。水素化リチウムアルミニウム(1M、1.371mmol、1.371mL)を滴加し、この混合物を20分間室温で撹拌した。追加の量の水素化リチウムアルミニウム(1M、1.371mmol、1.371mL)を加え、反応を完了させた。この反応物を、メタノールの添加、続いて水の添加によりクエンチし、濃縮した。この残留物を、1N HClおよび酢酸エチルとの間で分配し、有機相を収集した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮してから、2%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製した。所望の画分を収集し、濃縮することによって、無色のガラスとして、(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(0.505g、88%)。MS(ESI):m/z[M+H]418.5
【実施例3】
【0111】
(R)−1、1、1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0112】
a)(R)−ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0113】
【化31】

(R)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン(1S,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(12.56mmol、5.58g)を、EtOAc(30mL)/水(30mL)中に溶解し、炭酸カリウム(37.7mmol、5.21g)を加えた。この混合物を氷浴内で冷却し、ベンジルクロロホルメート(13.81mmol、1.964mL、2.356g)を滴加した。撹拌を一晩継続し、この間反応物を室温に戻した。粗反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮して、酢酸エチル/ヘプタン混合物からの生成物の結晶化により、無色の針状結晶として、(R)−ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(3.89g、89%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.79(m,2H)3.26(m,2H)4.53(bm,1H)4.93(bm,1H)5.10(bs,2H)7.07(m,1H)7.26−7.37(m,7H)
【0114】
b)(R)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0115】
【化32】

(R)−ベンジル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(11.24mmol、3.89g)、DBU(16.85mmol、2.52mL、2.57g)、アセトキシ(2−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル)パラジウム(1.12mmol、1.05g)、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン(2.25mmol、0.652g)およびモリブデンヘキサカルボニル(11.24mmol、2.97g)を、Smith Creatorマイクロ波バイアルに加え、150℃で30分間加熱した。この粗反応物を、原綿のパッドを介して濾過し、残留物をMeOHで洗浄した。濃縮により、濃い色の油を得た。これを、0−1%メタノール/ジクロロメタンで溶出する340gのSi上で精製することによって、褐色の油として、(R)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレートを得た(3.24g、89%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.85(m,2H)3.32(m,2H)3.89(s,3H)4.54(bs,1H)4.95(bs,1H)5.10(bs,2H)7.25−7.41(bm,6H)
【0116】
c)(R)−ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0117】
【化33】

(R)−メチル−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(9.96mmol、3.24g)をテトラヒドロフラン(50mL)中に溶解し、容器を窒素でパージした。水素化ホウ素リチウム(1.2M、19.92mmol、9.96mL)を滴加し、続いてメタノール(19.92mmol、0.807mL、0.638g)を滴加した。この溶液を、室温で一晩撹拌してから、追加の水素化ホウ素リチウム(1.2M、19.92mmol、9.96mL)を加えた。撹拌を5時間継続した。この反応物をメタノール、次いで水でクエンチし、淡褐色の残留物へと濃縮した。これを、EtOAc(150mL)と1N HCl(150mL)との間で分配し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、約3gの淡褐色の油を得た。これを、0−0.5%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、オフホワイト色の固体として、(R)−ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(1.51g、51%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.66(t,1H)2.81(m,2H)3.28(m,2H)4.52(bs,1H)4.65(d,2H)4.95(bs,1H)5.09(bs,2h)7.15−7.37(bm,8H)
【0118】
d)(R)−ベンジル−5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0119】
【化34】

(R)−ベンジル−5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(5.08mmol、1.51g)をDCM(20mL)中に溶解し、塩化チオニル(10.16mmol、0.741mL、1.208g)を加え、生成した溶液を室温で45分間撹拌した。試料を濃縮し、DCM(×4)で共沸混合した。炭酸カリウム(15.23mmol、2.105g)を加え、続いてDMF(20mL)および(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(5.08mmol、0.843g)を加え、混合物を1時間60℃に加熱した。混合物を濃縮し、EtOAc/水との間で分配した。水相を、EtOAcで2回抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色の油を得た。これを0.5%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、淡色の油として、(R)−ベンジル5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(1.74g、77%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.83(t,1H)2.79(m,2H)3.27(m,2H)4.52(bs,1H)4.64(d,2H)4.99(bs,1H)5.09(bs,2h)5.25(s,2H)7.05−7.11(m,2H)7.19(m,1H)7.26−7.40(m,6H)。
【0120】
e)(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
【0121】
【化35】

水酸化パラジウム(炭素上20%)(3.86mmol、0.542g)を、水素化用容器内で湿潤させてから、(R)−ベンジル−5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(3.86mmol、1.72g)およびエタノール(50mL)を加え、続いて5N HCl水溶液(5.00mL)を加える。この混合物を、2バールの水素下で35分間撹拌してから、DCM(100mL)で希釈し、ダイカライトパッドを介して濾過し、次いでこれを10%MeOH/DCM(150mL)で洗浄した。合わせた有機物を濃縮し、酢酸エチルと炭酸ナトリウム飽和溶液との間で分配した。有機層を濃縮することによって、(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノールを得た(0.85g、70.7%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.65(m,2H)3.15(m,2H)3.83(m,1H)4.61(s,2H)5.24(s,2H)7.06(d,1H)7.11(s,1H)7.19(d,1H)7.38(s,1H)。
【0122】
f)(R)−1、1、1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2、3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0123】
【化36】

(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.150mmol、46.6mg)を、ジクロロメタン(2mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(0.299mmol、0.042mL、30.3mg)を加え、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.150mmol、0.025mL、42.2mg)をジクロロメタン(500μL)中溶液として加えた。この反応物を60時間撹拌してから、混合物を0.5N HCl(3mL)およびDCM(3mL)で希釈した。相を混ぜ合わせ、疎水性フリットを用いて分離し、有機層を濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、酸性の分取HPLC上で精製することによって、(R)−1,1,1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミドを得た(19.3mg、0.044mmol、21.9%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.92(m,2H)3.32(m,2H)4.48(m,1H)4.65(s,2H)5.26(m,3H)7.12(m,2H)7.24(d,1H)7.42(s,1H)。
【実施例4】
【0124】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0125】
【化37】

上記実施例3(ステップe)として調製された(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.16mmol、50mg)を、テトラヒドロフラン(2mL)およびトリエチルアミン(0.299mmol、42μL、30mg)中に溶解し、続いてメタンスルホニルクロリド(0.16mmol、18.4mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を、濃縮してからジクロロメタン(3mL)と1N HCl(3mL)との間で分配した。有機層を収集し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、窒素流下で濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLCで精製することによって、(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミドを得た(18.3mg、0.047mmol、29.2%)。MS(ESI):m/z[M+H]390.0
【実施例5】
【0126】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)エタンスルホンアミド
【0127】
【化38】

実施例4と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにエタンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(8.9mg、0.022mmol、13.7%)。MS(ESI):m/z[M−H]402.0
【実施例6】
【0128】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0129】
【化39】

実施例4と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにシクロプロパンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(23.9mg、0.058mmol、35.7%)。MS(ESI):m/z[M+Na]439.0
【実施例7】
【0130】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)ジメチルスルホニル尿素
【0131】
【化40】

実施例4と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにジメチルスルファモイルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(23.6mg、0.056mmol、35.0%)。MS(ESI):m/z[M+H]419.0
【実施例8】
【0132】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)フラン−2−スルホンアミド
【0133】
【化41】

(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.08mmol、25mg)を、テトラヒドロフラン(1mL)およびトリエチルアミン(0.25mmol、35μL、25mg)中に溶解し、続いてフラン−2−スルホニルクロリド(0.084mmol、14.05mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を濃縮してから、ジクロロメタン(3mL)と1N HCl(3mL)との間で分配した。有機層を収集し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、窒素流下で濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上で精製することによって、(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)フラン−2−スルホンアミドを得た(13.1mg、0.03mmol、37.1%)。MS(ESI):m/z[M+H]442.2
【実施例9】
【0134】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド
【0135】
【化42】

実施例8と同様の方法で、フラン−2−スルホニルクロリドの代わりにチオフェン−2−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(18.6mg、0.041mmol、50.8%)。MS(ESI):m/z[M+H]458.2
【実施例10】
【0136】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)チオフェン−3−スルホンアミド
【0137】
【化43】

実施例8と同様の方法で、フラン−2−スルホニルクロリドの代わりにチオフェン−3−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(16.4mg、0.036mmol、44.8%)。MS(ESI):m/z[M+H]458.0
【実施例11】
【0138】
(S)−1,1,1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0139】
a)(S)−ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0140】
【化44】

(S)−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン((1R,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(18.47mmol、8.21g)を、EtOAc(30mL)/水(30mL)中に溶解し、炭酸カリウム(55.4mmol、7.66g)を加えた。この混合物を氷浴内で冷却し、ベンジルクロロホルメート(20.32mmol、2.89mL、3.47g)を滴加した。撹拌を一晩継続し、この間反応物を室温に戻した。この粗反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮することによって、無色の固体として、(S)−ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(6.89g、108%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.79(m,2H)3.26(m,2H)4.53(bm,1H)4.93(bm,1H)5.10(bs,2H)7.07(m,1H)7.26−7.37(m,7H)
【0141】
b)(S)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0142】
【化45】

(S)−ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(11.21mmol、3.88g)、DBU(11.21mmol、1.68mL、1.71g)、アセトキシ(2−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル)パラジウム(1.12mmol、1.05g)、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン(2.24mmol、0.650g)およびモリブデンヘキサカルボニル(11.24mmol、2.96g)を、Smith Creatorマイクロ波バイアルに加え、150℃で30分間加熱した。この粗反応物を、ダイカライトパッドを介して濾過し、残留物をMeOHで洗浄した。濃縮により、濃い色の油を得た。これを、30%EtOAc/ヘプタンで溶出するシリカ上で精製することによって、褐色の油として、(S)−メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレートを得た(3.4g、93%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.85(m,2H)3.32(m,2H)3.89(s,3H)4.54(bs,1H)4.95(bs,1H)5.10(bs,2H)7.25−7.41(bm,6H)
【0143】
c)(S)−ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0144】
【化46】

(S)−メチル−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(15.37mmol、5.00g)を、THF(50mL)中に溶解し、容器を窒素でパージした。水素化ホウ素リチウム(2M、30.7mmol、15.37mL)を滴加し、続いてメタノール(30.7mmol、0.985g)を滴加した。この溶液を、室温で6時間撹拌してから、追加の水素化ホウ素リチウム(2M、15.35mmol、7.69mL)を加えた。撹拌を一晩継続した。さらなる量の水素化ホウ素リチウムを加え(2M、15.35mmol、7.69mL)、撹拌を1時間継続した。この反応物をMeOH、次いで水でクエンチし、淡褐色の残留物に濃縮した。これを、EtOAc(150mL)と1N HCl(150mL)との間で分配し、相を混ぜ合わせ、分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、褐色のゴム質の物質を得た。これを、MeOH(100mL)中に溶解し、活性炭素と共に撹拌した。ダイカライトパッドを介した濾過、続いて濃縮を行い、0−2%MeOH/DCMで溶出するシリカ上での精製により、ベージュ色の固体として(S)−ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(2.2、48%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.66(t,1H)2.81(m,2H)3.28(m,2H)4.52(bs,1H)4.65(d,2H)4.95(bs,1H)5.09(bs,2h)7.15−7.37(bm,8H)。
【0145】
d)(S)−ベンジル−5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート
【0146】
【化47】

(S)−ベンジル−5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(7.13mmol、2.12g)を、DCM(20mL)中に溶解し、塩化チオニル(14.26mmol、1.040mL、1.696g)を加え、生成した溶液を室温で45分間撹拌した。この試料を濃縮し、ジクロロメタン(×4)で共沸混合した。炭酸カリウム(21.39mmol、2.96g)を加え、続いてDMF(20mL)および(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(7.13mmol、1.184g)を加え、この混合物を1時間60℃に加熱した。この混合物を濃縮し、酢酸エチル/水との間で分配した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色の油を得た。これを、0−1%MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、淡色の油として、(S)−ベンジル−5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメートを得た(2.67g、84%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.83(t,1H)2.79(m,2H)3.27(m,2H)4.51(bs,1H)4.63(d,2H)4.98(bs,1H)5.08(bs,2h)5.24(s,2H)7.05−7.11(m,2H)7.18(m,1H)7.26−7.39(m,6H)。
【0147】
e)(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
【0148】
【化48】

水酸化パラジウム(炭素上20%、6.38mmol、0.895g)を、水素化用容器内で湿潤させてから、(S)−ベンジル5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(6.38mmol、2.84g)およびエタノール(50mL)を加え、続いて5N HCl水溶液(5.00mL)を加えた。この混合物を2バールの水素下で1時間撹拌してから、DCM(100mL)で希釈し、ダイカライトパッドを介して濾過し、次いでこれを10%MeOH/DCM(200mL)で洗浄した。合わせた有機物を濃縮し、酢酸エチルと炭酸ナトリウム飽和溶液との間で分配した。この有機層を濃縮することによって、薄黄色の油を得た。これを、5.5%2M NH−MeOH/DCMで溶出するシリカ上で精製することによって、(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H/−ピラゾール−4−イル)メタノールを得た(1.40g、70.7%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.65(m,2H)3.16(m,2H)3.82(m,1H)4.59(s,2H)5.23(s,2H)7.06(d,1H)7.10(s,1H)7.18(d,1H)7.38(s,1H)
【0149】
f)(S)−1,1,1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2、3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0150】
【化49】

(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.161mmol、50mg)をDCM(2mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(0.321mmol、0.045mL、32.5mg)を加え、続いてDCM(500μL)中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.161mmol、0.027mL、45.3mg)を加えた。この反応物を60時間撹拌してから、混合物を0.5N HCl(3mL)およびDCM(3mL)で希釈した。相を混ぜ合わせ、疎水性フリットを用いて分離し、有機層を濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上で精製することによって、(S)−1,1,1−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミドを得た(28.4mg、0.064mmol、39.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]444.0
【実施例12】
【0151】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミド
【0152】
【化50】

(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.16mmol、50mg)を、THF(2mL)およびトリエチルアミン(0.299mmol、42μL、30mg)中に溶解し、続いてメタンスルホニルクロリド(0.16mmol、18.4mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を濃縮してから、ジクロロメタン(3mL)と1N HCl(3mL)との間で分配した。有機層を収集し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、窒素流下で濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上で精製することによって、(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メタンスルホンアミドを得た(32.1mg、0.082mmol、51.2%)。MS(ESI):m/z[M+H]390.0
【実施例13】
【0153】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)エタンスルホンアミド
【0154】
【化51】

実施例12と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにエタンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(1.6mg、3.97μmol、2.5%)。MS(ESI):m/z[M+H]404.2
【実施例14】
【0155】
(S)−2,2,2−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)エタンスルホンアミド
【0156】
【化52】

実施例12と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりに2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルクロリドを使用することによって表題化合物を生成した(12.6mg、0.028mmol、17.1%)。MS(ESI):m/z[M−H]456.0
【実施例15】
【0157】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0158】
【化53】

実施例12と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにシクロプロパンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(46.2mg、0.11mmol、69.1%)。MS(ESI):m/z[M+H]416.2
【実施例16】
【0159】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)ジメチルスルホニル尿素
【0160】
【化54】

実施例12と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりにジメチルスルファモイルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(35.5mg、0.085mmol、52.7%)。MS(ESI):m/z[M−H]417.3
【実施例17】
【0161】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミド
【0162】
【化55】

実施例12と同様の方法で、メタンスルホニルクロリドの代わりに2−メトキシベンゼン−1−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(30.5mg、0.063mmol、39.2%)。MS(ESI):m/z[M−H]480.1
【実施例18】
【0163】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)フラン−2−スルホンアミド
【0164】
【化56】

(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.08mmol、25mg)をTHF(1mL)およびトリエチルアミン(0.25mmol、35μL、25mg)中に溶解し、続いてフラン−2−スルホニルクロリド(0.084mmol、14.05mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を濃縮してから、ジクロロメタン(3mL)と1N HCl(3mL)との間で分配した。有機層を収集し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、窒素流下で濃縮することによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上で精製することによって、(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)フラン−2−スルホンアミドを得た(14.3mg、0.032mmol、40.5%)。MS(ESI):m/z[M+H]442.2
【実施例19】
【0165】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド
【0166】
【化57】

実施例18と同様の方法で、フラン−2−スルホニルクロリドの代わりにチオフェン−2−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(19.0mg、0.042mmol、51.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]458.0
【実施例20】
【0167】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)チオフェン−3−スルホンアミド
【0168】
【化58】

実施例18と同様の方法で、フラン−2−スルホニルクロリドの代わりにチオフェン−3−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(19.0mg、0.042mmol、51.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]458.0
【実施例21】
【0169】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0170】
【化59】

実施例18と同様の方法で、フラン−2−スルホニルクロリドの代わりに1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(17.0mg、0.032mmol、40.6%)。MS(ESI):m/z[M+Na]547.0
【実施例22】
【0171】
(R)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0172】
a)2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)プロパン−2−オール
【0173】
【化60】

エチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(649mg、3.12mmol)のTHF(6.50mL)中撹拌溶液に、温度が0℃以下に維持されるように、15分間に渡りメチル臭化マグネシウム(2.57g、21.5mmol)を滴加した。この反応混合物を一晩撹拌し、室温に戻した。この段階での分析では、未反応の出発物質が存在することを示した。反応混合物をもう一度<10℃に冷却し、さらなるメチル臭化マグネシウム(2.57g、21.5mmol)を、15分に渡り滴加し、生成した白色の懸濁液をさらに24時間撹拌した。この反応混合物を−5℃に冷却し、NHCl飽和溶液でクエンチした。この混合物を真空で濃縮し、残留物を、ジエチルエーテルと水との間で分配した。有機層を分離し、飽和したブライン(×2)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することによって、黄色の油として、粗生成物を得た。これを放置したまま部分的に凝固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーシリカゲルでの精製および40%EtOAc:イソヘキサンでの溶出により、白色の固体として、表題生成物を得た(417mg、2.149mmol、69%)。MS(ESI):193m/z[M−H]
【0174】
b)(R)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0175】
【化61】

(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(30mg、0.11mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、塩化チオニル(66mg、0.57mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で1時間撹拌してから乾燥濃縮した。全体をDMF(2mL)中に溶解し、2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)プロパン−2−オール(21.6mg、0.11mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(30.8mg、0.22mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。塩基性の分取HPLCでの精製によって、(R)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(9.6mg、0.022mmol、19.4%)。MS(ESI):m/z[M+H]446.5
【実施例23】
【0176】
(R)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0177】
【化62】

(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(45mg、0.17mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、塩化チオニル(99mg、0.83mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌してから、乾燥濃縮した。全体をDMF(2mL)中に溶解し、2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)エタノール(30mg、0.17mmol)のDMF(2mL)中溶液に加え、これを15分間、水素化ナトリウム(8mg、0.33mmol)で処理した。反応混合物を65℃に3時間加熱してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。塩基性の分取HPLCでの精製によって、(R)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(13.6mg、0.032mmol、18.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]432.5
【実施例24】
【0178】
(R)−N−(5−((3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0179】
【化63】

(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(23mg、0.086mmol)を、DCM(5mL)中に溶解し、塩化チオニル(51mg、0.43mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌してから、乾燥濃縮した。全体をDMF(2mL)中に溶解し、これにtert−ブチル3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボキシレート(25mg、0.086mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(24mg、0.172mmol)を加えた。この反応混合物を3時間65℃に加熱してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3x5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を1:1TFA/DCM(2mL)で2時間処理してから、濃縮乾燥させた。塩基性の分取HPLCでの精製により、(R)−N−(5−((3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(2.3mg、5.2μmol、6.1%)。MS(ESI):m/z[M+H]443.2
【実施例25】
【0180】
(R)−N−(5−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0181】
【化64】

(R)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(50mg、0.19mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、0℃に冷却してから、塩化チオニル(110mg、0.93mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌してから、濃縮乾燥させた。全体をDMF(3mL)中に溶解し、これに3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(38mg、0.19mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(51mg、0.37mmol)を加えた。この混合物を2時間60℃に加熱してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。酸性の分取HPLCでの精製により、(R)−N−(5−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミドを得た(1.7mg、3.7μmol、2.0%)。MS(ESI):m/z[M+H]456.1
【実施例26】
【0182】
(R)−N−(5−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0183】
【化65】

実施例25と同様の方法で、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの代わりに3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールを使用することによって、表題化合物を生成した(5.6mg、0.13mmol、6.8%)。MS(ESI):m/z[M+H]442.0
【実施例27】
【0184】
(S)−N−(5−((3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0185】
【化66】

(S)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(23mg、0.086mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、塩化チオニル(51mg、0.43mmol)を加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌してから、濃縮乾燥させた。全体をDMF(2mL)中に溶解し、これに3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール(25mg、0.086mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(24mg、0.172mmol)を加えた。この反応混合物を3時間65℃に加熱してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。塩基性の分取HPLCでの精製により、表題化合物を生成した(1.2mg、2.7μmol、2.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]442.2
【実施例28】
【0186】
(S)−N−(5−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0187】
【化67】

実施例27と同様の方法で、3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールの代わりに3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールを使用することによって、表題化合物を生成した(7.4mg、0.016mmol、6.8%)。MS(ESI):m/z[M−H]454.0
【実施例29】
【0188】
(S)−N−(5−((4−(フルオロメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0189】
【化68】

(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(6.0mg、14μmol)のDCM(3mL)中溶液に、DAST(0.3mL、14μmol)を加えた。全体を室温で一晩撹拌してから、反応混合物を、水(2mL)の添加によってクエンチした。有機物を、疎水性フリットを介して濾過してから、濃縮乾燥させ、残留物を塩基性分取HPLCにより精製することによって、表題化合物を生成した(1.0mg、2.4μmol、17%)。MS(ESI):m/z[M−H]418.0
【実施例30】
【0190】
(S)−N−(5−((4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0191】
【化69】

実施例27と同様の方法で、3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールの代わりに2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)エタノールを使用することによって、表題化合物を生成した(14.7mg、0.034mmol、36.7%)。MS(ESI):m/z[M+H]432.2
【実施例31】
【0192】
(S)−N−(5−((3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0193】
【化70】

実施例27と同様の方法で、3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールの代わりに3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールを使用することによって、表題化合物を生成した(15.0mg、0.039mmol、41.7%)。MS(ESI):m/z[M+H]388.4
【実施例32】
【0194】
(S)−N−(5−((3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0195】
【化71】

(S)−N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(20mg、0.074mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、塩化チオニル(88mg、0.74mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌してから、濃縮乾燥させた。全体をDMF(2mL)中に溶解し、これにtert−ブチル3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボキシレート(22mg、0.074mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(21mg、0.148mmol)を加えた。この反応混合物を、3時間65℃に加熱してから、水(2mL)でクエンチし、有機物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を1:1TFA/DCM(2mL)で2時間処理してから、濃縮乾燥させた。塩基性の分取HPLCでの精製によって、表題化合物を得た(12.6mg、0.028mmol、38.3%)。MS(ESI):m/z[M+H]443.5
【実施例33】
【0196】
(S)−N−(5−((3−(ヒドロキシメチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0197】
a)メチル4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート
【0198】
【化72】

丸底フラスコ内に、EtO(5mL)中水素化ナトリウム(3.24mmol、78mg)を加えた。p−トルエンスルホニルメチルイソシアニド(3.24mmol、634mg)と(E)−メチル4、4、4−トリフルオロブト−2−エノエート(3.24mmol、500mg)の混合物を、EtO/DMSO(22.5mL)の2:1混合物に加えた。反応混合物をさらに30分間撹拌し、次いでHO(10mL)でクエンチし、EtO(×3)で抽出した。EtO層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を取り除くことによって、黄色/オレンジ色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(1:4EtOAc:Hept)での精製によって、所望の生成物を得た(154mg、0.80mmol、24.6%)。HNMR(400MHz、CDOD)δ3.79(s、3H)7.20(s、1H)7.50(s、1H)。
【0199】
b)(S)−N−(5−((3−(ヒドロキシメチル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0200】
【化73】

バイアル内に、メチル4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(0.174mmol、33.6mg)およびDMF(3mL)中の水素化ナトリウム(0.347mmol、8.34mg)を加え、反応物を室温で30分間撹拌した。(S)−N−(5−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(0.174mmol、50mg)を加え、反応物を65℃で3時間加熱し、次いで室温に冷却させておき、一晩放置した。HOを加え、反応混合物をEtOAc(×3)で抽出した。合わせたEtOAc層をHO(×3)、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を取り除くことによって、粗生成物を得た。
【0201】
これを、THF(5mL)中に溶解し、LiAlHを加えた(6.6mg)。この反応混合物を室温で3時間撹拌してから、MeOHを注意深く加え、次いで反応混合物を室温で15分間撹拌し、溶媒を取り除くことによって、粗生成物を得た。DCMを加え、HOを加え、次いで疎水性フリットを介して濾過してから、DCM層を濃縮乾燥させた。塩基性のHPLCでの精製により、表題化合物を得た(4.3mg、10.3μmol、5.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]415.5
【実施例34】
【0202】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロベンゼンスルホンアミド
【0203】
【化74】

(R)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.064mmol、20mg)をテトラヒドロフラン(1mL)およびトリエチルアミン(0.128mmol、17.8μL)中に溶解し、続いて2−クロロベンゼンスルホニルクロリド(0.064mmol、13.6mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を濃縮乾燥させることによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上での精製によって、表題化合物を得た(9.8mg、0.02mmol、31.5%)。MS(ESI):m/z[M−H]484.4
【実施例35】
【0204】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロベンゼンスルホンアミド
【0205】
【化75】

実施例34と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(7.7mg、0.015mmol、23.1%)。MS(ESI):m/z[M−H]518.3
【実施例36】
【0206】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロベンゼンスルホンアミド
【0207】
【化76】

実施例34と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ブロモベンゼンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(11.6mg、0.022mmol、34.2%)。MS(ESI):m/z[M+H]531.0
【実施例37】
【0208】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホンアミド
【0209】
【化77】

実施例34と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(17.4mg、0.033mmol、51.7%)。MS(ESI):m/z[M−H]454.0
【実施例38】
【0210】
(R)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド
【0211】
【化78】

実施例34と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに1−メチル−1H−ピラゾール−5−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(12.9mg、0.028mmol、44.1%)。MS(ESI):m/z[M−H]522.3
【実施例39】
【0212】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロベンゼンスルホンアミド
【0213】
【化79】

(S)−(1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.064mmol、20mg)をテトラヒドロフラン(1mL)およびトリエチルアミン(0.128mmol、17.8μL)中に溶解し、続いて2−クロロベンゼンスルホニルクロリド(0.064mmol、13.6mg)を溶解し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を濃縮乾燥させることによって、褐色の残留物を得た。これをDMSO(1mL)中に溶解し、塩基性の分取HPLC上で精製することによって、表題化合物を得た(17.4mg、0.036mmol、56.0%)。MS(ESI):m/z[M−H]484.5
【実施例40】
【0214】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロ−6−メチルベンゼンスルホンアミド
【0215】
【化80】

実施例39と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに1−メチル−1H−ピラゾール−5−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(18.4mg、0.037mmol、57.5%)。MS(ESI):m/z[M−H]498.5
【実施例41】
【0216】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホンアミド
【0217】
【化81】

実施例39と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(23.5mg、0.045mmol、69.9%)。MS(ESI):m/z[M−H]522.3
【実施例42】
【0218】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド
【0219】
【化82】

実施例39と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに1−メチル−1H−ピラゾール−5−スルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(18.9mg、0.041mmol、64.6%)。MS(ESI):m/z[M−H]454.1
【実施例43】
【0220】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−クロロベンゼンスルホンアミド
【0221】
【化83】

実施例34と同様の方法で、2−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ブロモベンゼンスルホニルクロリドを使用することによって、表題化合物を生成した(11.6mg、0.022mmol、34.2%)。MS(ESI):m/z[M−H]528.3
【実施例44】
【0222】
(S)−N−(5−((1−エチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0223】
a)(S)−N−(5−(4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0224】
【化84】

(S)−N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(1.885mmol、600mg)を乾燥DMF(10mL)中に溶解し、窒素を溶液全体に15分間バブリングすることによって、混合物を脱気した。次いで、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−bi(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.074mmol、527mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(ll)(0.057mmol、40.9mg)および酢酸カリウム(6.22mmol、611mg)を加え、この混合物を29時間60℃に加熱した。この後、反応物の温度が80℃に上昇し、さらに24時間撹拌を継続した。次いでこの反応混合物を濃縮し、EtOAcおよび水で希釈した。二相の混合物を、ダイカライトパッドを介して濾過してから、相を混ぜ合わせ、分離した。水相をEtOAc(×2)でさらに抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥濾過し、濃縮することによって、暗褐色の残留物を得た。混合物を20−40%EtOAc/ヘプタンで溶出する20gのSi上で精製することによって、所望の化合物を得た(280mg、0.766mmol、40.7%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.36(m,18H)2.90(m,2H)3.15(m,1H)3.27(m,2H)、4.25(m,1H)4.55(m,1H)、7.20(m 2H)、7.65(m,1H)。
【0225】
b)(S)−N−(5−((1−エチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0226】
【化85】

トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加化合物(0.014mmol、14.17mg)をTHF(1mL)中に溶解し、トリフェニルホスフィン(0.027mmol、7.18mg)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌してから、N−ブロモスクシンイミド(0.027mmol、4.87mg)の添加を行った。撹拌をさらに30分間行ってから、500μLのTHF中の(S)−N−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(0.137mmol、50mg)、500μLのTHF中の5−(クロロメチル)−1−エチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(0.137mmol、29.1mg)および2M NaCO溶液(2mL)を添加した。この混合物を、マイクロ波内で、10分間100℃に加熱してから、混合物を、フィルターを介して濾過し、濃縮乾燥させた。残留物をDCM/水との間で分配し、有機相を収集し、疎水性のフィルターを用いて乾燥させた。TLC(1:1EtOAc/ヘプタン)は、複雑な混合物(プロセスを参照)、すなわち生成物の位置を指定するこが困難であることを示した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)を用いて精製することによって、残留物を得た。これを塩基性HPLC上でさらに精製することによって、所望の化合物を得た(3.6mg、8.7μmol、6.3%)。MS(ESI):m/z[M−H]414.4.
【実施例45】
【0227】
(S)−N−(5−((5−(トリフルオロメチル)フラン−2−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0228】
【化86】

2−(ブロモメチル)−5−(トリフルオロメチル)フラン(0.123mmol、28.2mg)、(S)−N−(5−(4、4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド(0.123mmol、45mg)およびブロモ(N−スクシンイミジル)ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(ll)(6.16μmol、4.98mg)をTHF(1mL)中に懸濁させ、2M NaCO3(0.5mL)を加えた。この混合物を10分間100℃に加熱した。この後、反応混合物に、さらに20分間100℃で照射を行い、一晩放置した。この混合物を濃縮することによって、THFを取り除いてから、DCM/HOとの間で分配した。有機層を収集し、疎水性のフィルター管を用いて乾燥させた。塩基性のHPLC上での濃縮および精製により、表題化合物を得た(7.5mg、0.019mmol、15.7%)。MS(ESI):m/z[M−H]386.3.
【実施例46】
【0229】
(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0230】
a)(S)−エチル1−((2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0231】
【化87】

(S)−ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルカルバメート(2.96mmol、880mg)をDCM(10mL)中に溶解し、塩化チオニル(5.92mmol、0.432ml、704mg)を加えた。この混合物を30分間TLC、室温で撹拌してから、溶媒を減圧下で取り除き、残留チオニルクロリドをDCM(×3)で共沸混合した。この残留物に、炭酸カリウム(8.88mmol、1227mg)を加え、続いてDMF(8ml)を加え、次いでエチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.96mmol、616mg)を加え、この混合物を60℃に加熱した。1時間後、混合物を濃縮し、EtOAc/HOとの間で分配し、有機層を水(×3)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色の油を得た。これを、15%EtOAc/ヘプタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって、無色の油として所望の異性体を得た(45mg、0.092mmol、3.1%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.34(t,3H)2.75(m,2H)3.25(m,2H)4.33(q,2H)、4.50(m,1H)4.95(m,1H)、5.08(s,2H)5.48(s,2H)7.00(m,2H)7.15(d,1H)7.34(m,5H)7.99(s,1H)。
【0232】
b)(S)−エチル1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート塩酸塩
【0233】
【化88】

水酸化パラジウム(0.092mmol、12.96mg)を少量の水で湿潤させてから、エタノール(5mL)中の(S)−エチル1−((2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.092mmol、45mg)を加えた。溶解を助けるため少量のDCMを加えた。水性のHCl 5N(0.500ml)を加えてから、混合物を約1.5時間かけて室温に戻し、2バールでの水素化を45分間行った。この後、混合物を、フィルターを介して濾過し、濃縮することによって、無色の油として所望の生成物を得た(36mg、0.092mmol、100%)。H NMR(400MHz,CDOD)δ 1.33(t,3H)2.98(m,2H)3.40(m,2H)4.10(m,1H)4.31(q,2H)5.50(s,2H)7.05(d,1H)、7.10(s,1H)、7.27(d,1H)8.04(s,1H)。
【0234】
c)(S)−エチル1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0235】
【化89】

(S)−エチル1−((2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.102mmol、36mg)を、DCM(2mL)中に懸濁させ、DBU(0.306mmol、0.046mL、46.5mg)を加えた。これにより、すべての固体が溶液になった。プロパン−2−スルホニルクロリド(0.204mmol、0.023mL、29.1mg)を滴加し、反応物を室温で1時間撹拌した。追加の1当量のスルホニルクロリドを加え、この混合物をさらに3時間撹拌してから、一晩放置しておき、この後、追加の2当量のスルホニルクロリドおよび3当量のDBUを加えた。この混合物を濃縮し、逆相HPLC上で精製することによって、透明な膜として所望の化合物を得た(12mg、0.026mmol、25.6%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.36(m,9H)2.85(m,2H)3.15(m,1H)3.30(m,2H)4.20(m,1H)4.31(m,3H)5.49(s,1H)7.02(m,2H)7.20(d,1H)7.99(s,1H)。
【0236】
d)(S)−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0237】
【化90】

(S)−エチル−1−((2−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.026mmol、12mg)をTHF(1mL)中に溶解し、水素化ジイソブチルアルミニウム(0.304mmol、50μL、43.3mg)を加えた。15分後、さらに100uLのDIBALを加え、撹拌を30分間継続してから、反応物をメタノールでクエンチした。この混合物を濃縮し、次いでDCMと水との間で分配した。水相を5N HClで酸性化し、相を混ぜ合わせ、疎水性フリットを用いて分離した。有機物を濃縮乾燥させることによって、透明な膜として、所望の化合物を得た(10.6mg、0.025mmol、97%)。MS(ESI):m/z[M+H]418.2.
【実施例47】
【0238】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミド
【0239】
a)5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミン
【0240】
【化91】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(45.5mmol、9.6g)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(50.0mmol、3.48g)を、撹拌しながら、エタノール(60mL)中で5時間加熱した。次いで撹拌棒を取り除き、溶液を一晩冷却し、結晶化させておいた。生成物を濾過収集し、ジエチルエーテルで洗浄することによって、薄黄色の固体を得た(7.1g)。これを酢酸(150mL)中にすぐに溶解し、この溶液に亜鉛末(157mmol、10.27g)を加えた。全体を室温で3日間撹拌してから、この反応混合物を、ダイカライトを介して濾過し、パッドをEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮してから、エーテルと2N HClとの間で分配した。酸性層を分離して、NaOH(2N)で中性化し、有機物をEtOAc(2×100L)で抽出し、乾燥させ(疎水性フリット)、減圧下で濃縮することによって、褐色の油として、所望の生成物を得た(5.0g、23.6mmol、68%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.60(brs,2H)1.70(m,1H)2.50(m,1H)2.78(m,1H)2.91(m,1H)4.31(t,1H)7.19(d,1H)7.32(m,2H)。
【0241】
b)ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート
【0242】
【化92】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミン(23.57mmol、5g)の酢酸エチル(40mL)中溶液に、水(40.0mL)中溶液として、炭酸カリウム(47.1mmol、6.52g)を加えた。全体を激しく撹拌してから、ベンジルクロロホルメート(25.9mmol、3.65mL、4.42g)を加え、撹拌を一晩継続した。この反応物を追加の水でクエンチし、DCM(2×)で抽出した。有機層を分離し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、真空で濃縮することによって、褐色の固体として所望の生成物を得た(5.5g、15.9mmol、67.4%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.82(m,1H)2.60(m,1H)2.85(m,1H)2.90(m,1H)、4.95(d,1H)5.18(m,3H)7.18(d,1H)7.34(m,7H)。
【0243】
c)メチル1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0244】
【化93】

ベンジル5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート(7.22mmol、2.5g)のMeOH(30mL/アセトニトリル(10.00mL)中懸濁液に、トランス−ジ−μ−アセトビス[2−(ジ−O−トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(ll)(0.725mmol、0.68g)、モリブデンヘキサカルボニル(7.22mmol、1.906g)、トリ−tertブチルホスフィンテトラフルオロボレート(1.482mmol、0.43g)およびDBU(10.97mmol、1.640mL、1.67g)を加えた。CEMマイクロ波内で、全体を30分間150℃に加熱してから、反応混合物を濃縮乾燥させた。残留物をDCM中に取り出し、2N HCl(2×100mL)で洗浄してから乾燥させ(1PSペーパー)、減圧下で濃縮した。DCM−5%MeOH DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィーで、精製を遂行することにより、褐色の固体を得た(1.8g、5.5mmol、77%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.85(m,1H)2.65(m,1H)2.90(m,1H)3.00(m,1H)3.90(s,1H)5.05(d,1H)5.16(s,1H)5.20(m,1H)7.35(m,7H)7.88(d,1H)。
【0245】
d)ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート
【0246】
【化94】

メチル1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(5.59mmol、1.82g)のTHF(30mL)中溶液に、0℃で、水素化リチウムアルミニウム(5.59mmol、5.59mL)を滴下により加えた。0℃での撹拌を1.5時間継続し、この後、反応混合物を水でクエンチし、飽和したRochelle塩を加え、続いてDCMおよび有機物を分離/乾燥させてから(1PSペーパー)、濃縮乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(50g、1:1EtOAc/ヘプタン)で精製することによって、オフホワイト色の固体を得た(800mg、2.69mmol、48.1%)。MS(ESI):m/z[M+H]298.2
【0247】
e)エチル1−((1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0248】
【化95】

ベンジル5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート(6.73mmol、2.0g)のDCM(15ml)中溶液に、塩化チオニル(13.45mmol、0.0.98mL)を加え、全体を2時間室温で撹拌し、この後、LCMSは、生成物への100%変換を示唆した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をDCM中に再溶解した。これをさらに4回繰り返すことによって、薄黄色の固体を得た。これを、DMF(25mL)中に溶解し、エチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.29g、6.17mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(18.52mmol、2.56g)を加えた。生成した懸濁液を60℃に加熱し、この温度を2時間維持し、その後反応混合物を飽和NHClで希釈し、続いて水で希釈し、有機物をEtOAc(2×100mL)で抽出し、乾燥させ(1PSペーパー)、減圧下で濃縮した。次いで残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘプタン)で精製することによって、白色の固体を得た(2.54、5.21mmol、84%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.34(t,3H)1.85(m,1H)2.12(m,1H)2.85(m,1H)2.95(m,1H)4.28(q,2H)4.95(d,1H)、5.16(s,1H)5.25(m,1H)5.29(s,2H)7.13(brs,2H)7.35(m,6H)、7.87(s,1H)。
【0249】
f)ベンジル5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート
【0250】
【化96】

エチル1−((1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(5.21mmol、2.54g)のTHF(40mL)中溶液に、0℃で水素化リチウムアルミニウム(5.21mmol、5.21mL)を滴下により加えた。全体を室温で2時間撹拌してから、この反応混合物を、メタノールの滴加、続いて飽和したRochelle塩の滴加によりクエンチした。有機物をDCM(2×100mL)で抽出し、乾燥させてから(1PSペーパー)、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100g、1:1EtOAc/ヘプタン)で精製することによって、白色の固体を得た(1.72g、3.86mmol、74.1%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.85(m,2H)2.60(m,1H)2.85(m,1H)2.95(m,1H)4.63(brs,2H)5.00(d,1H)5.14(s,2H)5.20(m,1H)5.25(s,2H)7.09(d,2H)7.34(m,7H)。
【0251】
g)(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
【0252】
【化97】

水酸化パラジウム(0.498mmol、350mg)およびベンジル5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルカルバメート(2.69mmol、1.2g)のエタノール(30mL)中懸濁液を、2バール気圧で30分間水素化してから、この反応容器を脱気し、ダイカライトのパッドを介して全体を濾過した。このパッドをEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。2N NH/MeOHで溶出するSCXを用いて、残留物を精製することによって、透明な油を得た。これを放置して凝固させた(700mg、2.25mmol、83%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.65(m,1H)2.51(m,1H)2.80(m,1H)2.95(m,1H)1.35(t,1H)4.60(s,2H)5.26(s,2H)7.12(d,2H)7.30(d,1H)7.42(s,1H)。
【0253】
h)N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミド
【0254】
【化98】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)およびトリエチルアミン(0.193mmol、0.027mL、19.50mg)のDCM(0.9mL)中溶液に、2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.096mmol、19.91mg)を加え、全体を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCで精製することによって、白色の固体を得た(13.0mg、0.027mmol、28%)。[M+H]482.2
[実施例47]
【0255】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メタンスルホンアミド
【0256】
【化99】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)およびトリエチルアミン(0.193mmol、0.027mL、19.50mg)のDCM(0.9mL)中溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.096mmol、7.46μL、11.04mg)を加え、全体を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCで精製することによって、透明の膜を得た(2.2mg5.7μmol、5.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]390.0
【実施例48】
【0257】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0258】
【化100】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)およびトリエチルアミン(0.193mmol、0.027mL、19.50mg)のDCM(0.9mL)中溶液に、シクロプロパンスルホニルクロリド(0.096mmol、13.55mg)を加え、全体を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCで精製することによって、透明の膜として所望の生成物を得た(12.0mg、0.029mmol、30%)。MS(ESI):m/z[M+H]417.0
【実施例49】
【0259】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0260】
【化101】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)およびトリエチルアミン(0.193mmol、0.027mL、19.50mg)のDCM(0.9mL)中溶液に、1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−スルホニルクロリド(0.096mmol、23.96mg)を加え、全体を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCにより精製することによって、透明の膜を得た(12.0mg、0.023mmol、23.8%)。MS(ESI):m/z[M+H]524.0
【実施例50】
【0261】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−N,N−ジメチルスルホニル尿素
【0262】
【化102】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)およびトリエチルアミン(0.193mmol、0.027mL、19.50mg)のDCM(0.9mL)中溶液に、ジメチルスルファモイルクロリド(0.096mmol、13.84mg)を加え、全体を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCにより精製することによって、透明の膜を得た(16.0mg、0.038mmol、39.7%)。MS(ESI):m/z[M+H]419.0
【実施例51】
【0263】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1.3−プロパンスルタム
【0264】
【化103】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.135mmol、42mg)のNMP(1.0mL)中溶液に、3−クロロプロパン−1−スルホニルクロリド(0.135mmol、23.89mg)およびDIPEA(0.405mmol、0.067ml、52.3mg)を加えた。全体を3時間撹拌してから、水素化ナトリウム(0.202mmol、8.09mg)を加え、撹拌をさらに2時間継続した。この後、反応混合物を、飽和したNHClの添加によりクエンチし、2N HClの添加によりさらに酸性化した。DCM(疎水性フリット)を用いて有機物を分離/乾燥させ、濃縮乾燥させ、残留物を分取HPLCで精製することによって、透明の膜を得た(6.0mg、0.014mmol、10.7%)。MS(ESI):m/z[M+H]416.0
【実施例52】
【0265】
2,2,2−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミド
【0266】
【化104】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.199mmol、62.1mg)およびトリエチルアミン(0.399mmol、0.056mL、40.4mg)のDCM(1.2mL)中溶液に、エチル2,2,2−トリフルオロアセテート(0.199mmol、0.024mL、28.3mg)の溶液を加え、全体を室温で60時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をRP−HPLCで精製することによって、透明の膜を得た(30.0mg、0.074mmol、36.9%)。MS(ESI):m/z[M+H]408.0
【実施例53】
【0267】
(1−((1−(2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
【0268】
【化105】

2,2,2−トリフルオロ−N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミド(0.172mmol、70mg)のTHF(2mL)中溶液に、ジボラン(1.719mmol、1.719mL)を加え、全体を6時間加熱還流させた。この反応混合物を室温に冷却させておいてから、2N HCl(3mL)で処理し、一晩放置した。この後、粗製混合物をSCXカラムにかけ、2N NH/MeOHで溶出させた。蒸発後、残留物を分取LCMSでさらに精製することによって、透明の膜を得た(11mg、0.028mmol、16.3%)。MS(ESI):m/z[M+H]394.1
【実施例54】
【0269】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)イソブチルアミド
【0270】
【化106】

(1−((1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.096mmol、30mg)、イソ酪酸(0.096mmol、8.94μL、8.49mg)、トリエチルアミン(0.193mmol、0.027ml、19.50mg)およびHOBt(0.096mmol、13.02mg)のDMF(0.8mL)中溶液に、EDCI/WSC(0.096mmol、18.47mg)を加えた。全体を室温で一晩撹拌してから、反応混合物を、MeOH(100μL)の添加によりクエンチし、分取HPLCで精製することにより、白色の固体を得た(10.8mg、0.028mmol、29.4%)。MS(ESI):m/z[M+H]382.2
【実施例55】
【0271】
N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0272】
a)N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0273】
【化107】

0℃で、保護的雰囲気下で、2−プロパンスルホニルクロリド(11.87mL、121mmol)のDCM(121mL)中溶液を、5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミン(12.8g、60.4mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4.83mL、32.1mmol)のジクロロメタン(300mL)中溶液に徐々に加えた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を1N KHSO(1×)で洗浄し、飽和NaHCO(2×)で洗浄してから、NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空で蒸発させることによって、緑色の油を産出した。カラムクロマトグラフィーでの精製(hept中25%EtOAc)によって、白色の固体として表題化合物を産出した(6.0g、18.9mmol、31%)。MS(ESI):m/z[M−H]317.0
【0274】
b)メチル1−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート
【0275】
【化108】

150mlのスチール製オートクレーブに、N−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド(4.85g、15.24mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(ll)ジクロリド(0.622g、0.762mmol)および脱気したメタノール中の炭酸ナトリウム(3.23g、30.5mmol)を仕込んだ。オートクレーブを一酸化炭素雰囲気(12バール)下に置き、100℃で24時間撹拌した。この後、触媒とNaCOを濾過して除去し、新しいバッチと取替えて、反応物を24時間100℃および12バールのCOで撹拌した。混合物を濾過し、EtOAcとブラインとの間で分配し、有機層を分離し、ブラインで洗浄した。有機層にシリカを加え、NaSOを加え、20分間撹拌した。全体を濾過し、溶媒を真空で蒸発させることによって、褐色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィーでの精製(ヘプタン中0−50%EtOAc)により、黄色/褐色の油として表題化合物を産出した(1g、22%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.46(d,6H)1.95(m,1H)2.65(m,1H)2.85(m,1H)3.00(m,1H)3.25(m,1H)3.91(s,3H)4.25(d,1H)5.00(q,1H)7.50(d,1H)7.90(m,2H)。
【0276】
c)N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0277】
【化109】

0℃で、水素化リチウムアルミニウム(2.102mL、5.04mmol)を、メチル1−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−カルボキシレート(1g、3.36mmol)のテトラヒドロフラン(乾燥)(25mL)中撹拌溶液に滴加した。混合物を室温に温め、4時間撹拌した。この後反応混合物を再び0℃に冷却し、追加の水素化リチウムアルミニウム(2.102mL、5.04mmol)を加え、全体を室温で30分間撹拌してから、注意深くHO(10mL)および2N NaOH(10mL)でクエンチした。生成した混合物を濾過し、EtOAcとブラインとの間で分配した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空で蒸発させることによって、暗黄色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィーでの精製(Hept.中0−100%EtOAc)により、表題化合物を無色の油として産出した(670mg2.5mmol、74%)。MS(ESI):m/z[M−H]268.0
【0278】
d)N−(5−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0279】
【化110】

塩化チオニル(0.355mL、4.90mmol)を、N−(5−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド(660mg、2.450mmol)のDCM(10mL)中溶液に加えた。全体を1時間撹拌してから、この反応混合物を蒸発乾燥させ、粗製物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン:EtOAcの0%から60%)で精製することによって、白色の固体として表題化合物を産生した(360mg、51%)。MS(ESI):m/z[M−H]286.0
【0280】
e)エチル1−((1−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
【0281】
【化111】

DMF(4mL)中のN−(5−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド(0.250mmol、72mg)に、エチル3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.250mmol、52.1mg)および炭酸カリウム(0.750mmol、104mg)を加えた。生成した溶液を撹拌しながら60℃に加熱した。1.5時間後、反応混合物を濃縮することによって、DMFを取り除いてから、EtOAc/HOとの間で分配し、相を混ぜ合わせ、分離した。有機層を水(x4)およびブラインで洗浄してから、黄色の油へと乾燥および濃縮した。1%MeOH/DCMで溶出する10gのSi上での精製によって、オフホワイト色の固体として所望の化合物を得た(60mg、0.131mmol、52.2%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.33(t,3H)1.44(d,6H)1.95(m,1H)2.65(m,1H)2.85(m,1H)3.00(m,1H)3.25(m,1H)4.15(d,1H)4.29(q,2H)4.95(m,1H)5.30(s,2H)7.14(s,1H)7.18(d,1H)7.48(d,1H)7.88(s,1H)。
【0282】
f)N−(5−((4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−2−スルホンアミド
【0283】
【化112】

エチル−1−((1−(1−メチルエチルスルホンアミド)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.196mmol、90mg)を、THF(5mL)中に溶解し、窒素下、氷浴内で冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(0.588mmol、0.588mL)を滴加し、この反応物を1.5時間撹拌した。反応混合物を室温に温め、さらに30分間撹拌してから、追加の水素化ジイソブチルアルミニウム0.2mlを加え、撹拌を30分間継続してから、MeOH、続いて水でクエンチした。この混合物を濃縮してから、EtOAc/水との間で分配した。すべての固体が溶液中に溶けるまで、水相を5N HClで酸性化した。有機相を収集し、乾燥させ、濃縮し、残留物をHPLCで精製することによって、無色の油を得た。これを放置して、結晶化させた(63mg、0.151mmol、77%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.43(d,6H)1.95(m,1H)2.65(m,1H)2.80(m,1H)3.00(m,1H)、3.24(m,1H)4.20(d,1H)4.65(s,2H)4.95(q,1H)5.28(s,2H)7.13(m,2H)7.44(m,2H)。
【実施例56】
【0284】
生物学的アッセイ
【0285】
A:Ca2+流入の蛍光アッセイ
本発明の化合物は、AMPA(GluR1)受容体の正の調節を介して媒介されるCa2+流入を、当技術分野では標準的な技法、例えば、これだけに限らないが、FLEXstation(Molecular Devices、Sunnyvale、CAで製造)を用いて測定する、生物学的アッセイを用いて試験することができる。蛍光プローブを用いた光学読み取りを使用することによって、細胞内イオン濃度または膜電位のイオンチャネル依存性変化を測定する。アッセイは、グルタメート依存性Ca2+反応を生成する機能的ホモマーGluR1(i)AMPA受容体のCa2+透過性を利用する。イオンチャネルを介したCa2+の流入を、細胞内のCa2+濃度の増加を介して、カルシウム感受性染料、例えば、これだけに限らないが、Fluo−3(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)をFLEXstationで用いて間接的に測定する。正のAMPA受容体モジュレーターは、グルタメートの存在下で、イオンチャネルを介したCa2+の流入を結果として生じることになり、FLEXstationでカルシウム感受性染料Fluo−3を用いて細胞内のCa2+濃度の増加を介して間接的に測定できる。
【0286】
HEK.GluR1(i)細胞を、10% fetaclone II、1%非必須アミノ酸および150μg/ml.ハイグロマイシンを補充したDMEM中に、37℃/5%COで維持した。アッセイの24時間前に、細胞をトリプシンで収集し、Costar96穴、透明底の黒色プレートに、1穴あたり3.5×10の密度で播種した。
【0287】
細胞を、ハイグロマイシンの不在下、DMEM溶媒中に5μM fluo3−AMと共に充填し、37℃/5%COで1時間インキュベートした。染料の充填後、0.625mMのプロベネシド(陰イオン交換タンパク質に対する阻害剤)を含有する、低カルシウム溶液200μl(10mM hepes、pH7.4、160mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mMグルコース)で細胞を一度洗浄することによって、染料を取り除いた。次いで、低カルシウム溶液200μlを各穴に加えた。Flexstationによって、高カルシウム溶液(10mMHepes、pH7.4、160mM NaCl、4.5mM KCl、20mM CaCl、1mM MgClおよび10mMグルコース)中の50μlのグルタメート+/−試験化合物を各穴に添加し、この後に続く反応を、FLEXstation上で監視した。
【0288】
本発明の化合物は、EC50値を、0.3μMから30μMの範囲で有するAMPA受容体の正の調節を示す。例えば、実施例18では、EC50は2.5μMであった。
【0289】
B:パッチクランプ記録法
全細胞構成のパッチクランプ技法(Hamillら、Pflugers Arch.1981、39、85−100頁)を使用することによって、出生後のラット皮層ニューロンからのグルタメート誘起電流を測定した。培養物を含有するカバーガラスを、倒立顕微鏡(Nikon、Kingston、UK)のステージ上に組み込んだ、記録チャンバーへ移した(Warner Instrument Corp.、Hamden、CT)。記録チャンバーは、1−2mlの細胞外溶液(145mM NaCl、5.4mM KCl、10mM HEPES、0.8mM MgCl、1.8 CaCl、10mMグルコースおよび30mMスクロース、1M NaOHでpH7.4に調整)を含有し、1ml/分の速度で定期的に精査した。記録は、Axopatch200B増幅器(Axon Instruments Ltd.、FosterCity、CA)を用いて室温で(20−22℃)で実施した。Signal ソフトウェア(Cambridge Electronic Design Ltd.、Cambridge、UK)を用いて、データ取得および分析を実施した。モデルP−87電極プラー(Sutter Instruments Co.、Novarto、CA)を用いて、GC120F−10ガラス(Harvard Apparatus、Edenbridge UK)からピペットを作った。細胞内液(140mMグルコン酸カリウム、20mM HEPES、1.1mM EGTA、5mMクレアチンリン酸、3mM ATP、0.3mM GTP、0.1mM Caca2、5mM MgCl、1M KOHでpH7.4に調整)を充填した場合、パッチ電極は、3−5MQの間の典型的な抵抗を有した。
【0290】
細胞を、保持電位−60mVに電位固定し、12チャネル準高速薬剤添加デバイス(DAD−12.Digitimer Ltd.、Welwyn Garden city、UK)を用いて、グルタメート(0.5mM)を添加した。アゴニストグルタメートを、30秒ごとに1秒間添加した。反応は、全細胞構成に対して、時間の経過と共に「低下」しなかった。各添加の間に、生理食塩水を流し、系内のあらゆるデッドボリュームを除去した。各添加に対し、定常状態の電流をベースラインと定常状態電流の差からプロットし、300msに渡り平均した。
【0291】
細胞外溶液中の化合物の2つの溶液は、1つはグルタメートを含有し、1つはグルタメートなしで生成した。プロトコルは、化合物の添加:10秒、化合物+グルタメートの添加:1秒、次いで生理食塩水での洗浄:10秒、次いで遅延:10秒であった。化合物が可溶性でない場合、0.5%DMSOを共溶媒として使用した。結果を、細胞外溶液中の本発明の化合物の10pM濃度での定常状態電流のパーセンテージ増加として求めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによる複素環誘導体
【化1】

式中、
は、O、NR、(CR、COまたはSOであり、
は、NRSOまたはSONRであり、
は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、CN、COR10、SR11、SOR12、SO13、NHCOR14、NHSO15、NHCOR16またはCONHR17であり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されており、
は、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシまたはCNであり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、ハロゲン、OH、C1−6アルキルオキシ、CN、NR1819、COR20、SR21、SOR22、SO23、NHCOR24、NHSO25、NHCOR26およびCONHR27から独立して選択される1つまたは複数の部分で置換されており、または、
は、X(式中、Xは、CR31である。)と一緒になって、Nを場合によって含む5から7員の不飽和炭素環を形成し、
は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲンまたはCNであり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されており、
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C1−2アルキルC3−8シクロアルキル、NR2829、C6−10アリールまたはO、SおよびNから独立して選択される1−2個のヘテロ原子を含む5−9員のヘテロアリール環系であり、前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−10アリールおよび5−9員のヘテロアリール環系は、ハロゲン、C1−6アルキル、ヒドロキシおよびC1−6アルキルオキシから独立して選択される1つまたは複数の部分で場合によって置換されており、前記C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1−3個のハロゲンで場合によって置換されており、
−R10は、独立して、HまたはC1−6アルキルであり、
11−R16は、独立してC1−6アルキルであり、
17は、HまたはC1−6アルキルであり、
18およびR19は、独立して、HもしくはO、SおよびNから独立して選択される1−2個のヘテロ原子を含む5−9員のヘテロアリール環系で場合によって置換されているC1−4アルキルであり、またはR18およびR19は、これらが結合しているNと一緒になって、O、SおよびN(R30から選択される別のヘテロ原子を場合によって含む、4−6員の飽和もしくは不飽和の複素環式環を形成し、
20は、独立して、HまたはC1−4アルキルであり、
21−R26は、独立して、C1−4アルキルであり、
27は、HまたはC1−4アルキルであり、
28およびR29は、独立して、HもしくはC1−4アルキルであり、またはR28およびR29は、これらが結合しているNと一緒になって、O、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を場合によって含む、4−6員の飽和または不飽和の複素環式環を形成し、
30は、HまたはC1−4アルキルであり、
mは、1−2であり、
nは、1−3であり、
pは、0または1であり、
およびXは、独立して、O、S、NまたはCR31であり、Xは、NまたはCR31であるが、ただしこの場合、X−Xのうちの少なくとも1つは、Nでなければならず、OもしくはSとなることができるXおよびXは1つを超えず、またはX(式中、Xは、CR31である。)は、Rと一緒になって、Nを場合によって含む5から7員の不飽和炭素環を形成するものとし、
−Yは、独立して、CR32またはNであるが、ただしこの場合、Y−Yのうちの1つのみが、Nとなることができ、
31は、HまたはC1−6アルキルであり、
32は、H、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲンまたはCNであり(前記C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている。)、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
がCFである、請求項1に記載の複素環誘導体。
【請求項3】
が、ハロゲン、ヒドロキシまたはNR1819で場合によって置換されているメチルであり、R18およびR19が、以前定義された意味を有する、請求項1または請求項2に記載の複素環誘導体。
【請求項4】
が、Hである、請求項1から3のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項5】
が、メチル、エチル、イソプロピルまたは第三級ブチルであり、前記メチル、エチル、イソプロピルおよび第三級ブチルが、1つまたは複数のハロゲンで場合によって置換されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項6】
およびXがNであり、XがCHである、請求項1から5のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項7】
が、CHである、請求項1から6のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項8】
18およびR19が、独立して、HまたはC1−4アルキルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項9】
−Yが、CHである、請求項1から7のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項10】
がNHSOである、請求項1から8のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項11】
【化2】



から選択される、複素環誘導体または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項12】
治療における使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項13】
AMPA受容体で媒介されるシナプス反応の促進が必要とされる、精神疾患の治療または予防における使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の複素環誘導体。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の複素環誘導体を、薬学的に許容される補助剤と混合して含む医薬組成物。
【請求項15】
AMPA受容体で媒介されるシナプス反応の促進が必要とされる、精神疾患の治療または予防のための薬物を製造するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の複素環誘導体の使用。

【公表番号】特表2011−523656(P2011−523656A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512111(P2011−512111)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056791
【国際公開番号】WO2009/147167
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】