説明

B−ホモアンドロスタンおよびB−ヘテロアンドロスタンのアミノ誘導体

置換されたB-ホモアンドロスタンおよびB-ヘテロアンドロスタンの3位の新規なアミノアルコキシイミノ誘導体、それらの調製法、およびそれらを含有する心不全および高血圧などの心臓血管系疾患を処置するための医薬組成物。具体的には、一般式(I)を有する化合物(化学基は明細書に詳細に記載した意味である)を記載する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたB-ホモアンドロスタンおよびB-ヘテロアンドロスタンの3位の新規なアミノアルコキシイミノ誘導体とその調製法、およびそれらを含有する、心不全や高血圧などの心臓血管系疾患の処置を目的とした医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓血管系疾患は、西欧諸国において依然として罹患率と死亡率の第一原因であり、中でも高血圧と心不全の2つは最も頻繁に見られる病変である。高血圧は最も重大な心臓血管系のリスクファクターの1つで、60才以上の人の3分の1を超える人がこの病変に苦しんでいる。うっ血性心不全はその集団の1〜2%に見られ、かなりの高齢者の10%が罹患しており、その数は上昇するものと見込まれる(Sharpe N.他、Lancet、1998年、352(suppl. 1), 3-17)。さらに、高血圧は高齢者における心不全の最も大きな原因の1つであり得る(Eur. Heart J.、2001、22、1527-1560)。高血圧と心不全の治療に利用されている有効な薬剤は数多く存在するが、より効果的かつ安全性の高い化合物を求めて、さらなる研究が続けられている。心不全の治療には数種の薬剤が組み合わせて使用されており、中でも陽性変力薬であるジゴキシンは最も処方頻度の高いジギタリス系の強心配糖体で、心筋機能を向上させる働きがある。ジギタリス製剤に関する公知の欠点は、催不整脈を誘発する副作用である。ジギタリス中毒の証拠は、ジギタリス中毒の特徴である伝導障害や、心不整脈などで、治療量よりも2〜3倍高い血清濃度において現れる(Hoffman, B. F.; Bigger, J. T、「Digitalis and Allied Cardiac Glycosides(ジギタリス薬および同類の強心配糖体)」)。「Pharmacological Basis of Therapeutics(治療の薬理学的基礎)」、第8版;Goodman Gilman, A.; Nies, A. S.; Rall, T. W.; Taylor, P.編; Pergamon Press、ニューヨーク、1990、814〜839頁)。
【0003】
天然のジギタリス化合物の心筋収縮力を強化する能力は、その構造が14-ヒドロキシ-5β,14β-アンドロスタン骨格上に17β-ラクトンを持つ、カルデノライド型であることに密接な関連がある。
【0004】
5α,14α-アンドロスタン誘導体の分野において、化合物群の中には、陽性変力作用を持つものがあると報告されている。
【0005】
英国特許出願公開第1,175,219号明細書および米国特許第3,580,905号明細書では、「標準的強心配糖体について測定された比率と匹敵する、中毒症状(心臓不整脈の発症)が生じる用量と有効量の間の比率」によって、ジギタリス様活性を有する、3-(アミノアルコキシカルボニルアルキレン)ステロイド誘導体を開示している。これらの化合物はジギタリス配糖体を凌ぐような明確な利点がない上に、最高比率によっても最も低い収縮力の増加しか示さない。
【0006】
6-ヒドロキシおよび6-オキソアンドロスタン誘導体は、欧州特許第0 825 197号明細書にNa+,K+-ATPアーゼのリガンドおよび阻害薬として、また陽性変力薬として開示されており、マウスにおける急性毒性に基づいて評価すると、ジゴキシンと比較してより低い毒性を示している。同様の化合物は、S. De Munari,他、J. Med. Chem. 2003, 46(17), 3644-3654においても報告されている。
【0007】
ウアバインと近似する異性体である内因性ウアバイン(EO)を多量に用いた場合、人間の高血圧、心臓肥大、および心不全に関連するという証拠は、ウアバイン拮抗薬として使用される新抗高血圧薬を開発する薬理学的研究を促進した。
【0008】
EO値の増加が心臓血管系に影響を及ぼすという病理学的機構は、尿細管のナトリウム再吸収を司る鍵酵素、Na-K ATPアーゼの変調、および増殖関連遺伝子の転写に関与するシグナル伝達経路の活性化に深く関わっている。遺伝的および実験的に高血圧のラットモデルを研究し、それらをヒトと比較することにより、EOの循環レベルの上昇と細胞骨格タンパク質アデューシンの遺伝的多型が、高血圧および腎臓のNa-K ポンプ活性の高い値に関連していることが実証されている。ウアバイン自体は、低用量を慢性的にラット(OS)に注入した場合、高血圧を誘発し、腎臓のNa-Kポンプの働きを上昇させる。ナノモーラー濃度のウアバインとともに数日間インキュベートするかまたは高血圧性のアデューシン遺伝子変異体によりトランスフェクトした腎臓培養細胞において、Na-K ポンプの機能が高まった。さらに、EOとアデューシン遺伝子多型の両方が高血圧に関連する心合併症に影響を及ぼし、前者はシグナル伝達経路の活性を通じて作用する。結果として、EO または変異アデューシンが維持する細胞変化および分子改変と相互に作用できる化合物が、これらの機構が活性状態にある患者を適切に処置できる可能性がある(Ferrandi M他、Curr Pharm Des. 2005;11(25):3301-5)。
【0009】
上述したように、陽性変力薬の素晴らしい点は、心筋収縮力の増加を誘導する力価と心臓の不整脈を発症させる力価とを区別できることである。
【0010】
患者の服薬遵守として共に重要な要素である、治療可能比の高さおよび/または持続時間の長さを実現する薬剤は、今もなお需要が絶えない。そうした薬剤は、好ましくは、経口投与に適したものであるべきである。
【0011】
拡大されたB環および/またはヘテロ原子で置換された1つの炭素原子を持つ様々なステロイドは、様々な薬理学的活性の他に、Na+,K+-ATP アーゼへの何らかの作用または利尿剤としての作用があることが報告されている。
【0012】
3-ヒドロキシおよび3-ケトB-ホモアンドロスタン誘導体は、特許第45023140号明細書においてタンパク質同化作用および抗アンドロゲン作用を持つステロイドとして公開され、米国特許第3059019号明細書およびH. J. Ringold in J. Am. Chem. Soc., 1960, 82, 961-963においてタンパク質同化作用と抗ゴナドトロピン作用を持つ化合物として公開されている。
【0013】
天然または合成のブラシノライド(2,3-ジヒドロキシ-6-ケト-7-オキサ-7a-ホモ誘導体)は、植物成長調節剤(CS 274530)として報告されており、それらのうちいくつかはNa+,K+-ATPアーゼの抑制剤または刺激剤である(L. Starka,他、Sbornik Lekarski, 1997, 98, 21-25)。
【0014】
6-アザエストラン類は米国特許第3,328,408号明細書において利尿剤および低血糖の薬剤として権利主張されており、従ってうっ血性心不全の処置に有用である。
【0015】
B環の中に酸素原子を持つステロイド構造と似た化合物は、R. K. Razdan他によって, 1976, 19, 719-721のJ. Med. Chem.において、高血圧のラットに対し、極めて高用量(10mg/kg)を投与した場合でさえ、不活性またはほとんど不活性の薬剤として報告されている。
【発明の概要】
【0016】
発明の詳細な説明
今回、置換されたB-ホモアンドロスタンおよびB-ヘテロアンドロスタンの3-アミノアルコキシイミノ誘導体が、治療可能比がより高く、および/または持続時間がより長い薬剤の提供という需要を満たすことを見出した。本発明の化合物は、次の一般式(I)を有する:
【化1】


[式中、
Aは、
【化2】

から選択される2価の基であり、ここで、
【化3】

は、アンドロスタン骨格の5位または8位にA基を連結するαまたはβ単結合を表し;
Bは酸素またはNR4を表し;
R3はHまたはC1-C6アルキル基を表し;
Xは酸素、硫黄またはNOR5を表し;
Aが
【化4】

であり、BがNR4である場合、R4はH、C1-C6アルキル基、またはホルミルを表し;
R5はHまたはC1-C6アルキル基を表し;
アンドロスタン骨格の17位の結合
【化5】

が単結合の場合、R1はH、C1-C6アルキル基またはC2-C6アシル基を表し;または、
17位の結合
【化6】

が二重結合を表す場合、R1は存在せず;
R2はDNR6R7であるか、または
【化7】

であり、D基またはZ基は酸素原子と連結し;
Dは、C2-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたはC3-C6シクロアルキレンであり、必要に応じてフェニル環を含有し;
R6およびR7は互いに同一または異なって、H、C1-C6アルキル、フェニル-C1-C4アルキルを表し、またはR6が水素である場合;または
R7はC(=NR9)NHR10を表し;または
R6およびR7は、それらが連結する窒素原子と一緒になって、必要に応じて、酸素、硫黄もしくは窒素から選択される別のヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の置換または非置換モノ4、5もしくは6員複素環を形成し;R6およびR7は、必要に応じて1以上のヒドロキシ、メトキシ、エトキシ基で置換され;
R8は、H、必要に応じて1以上のヒドロキシ、メトキシ、エトキシで置換されたC1-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキル、またはC(=NR9)NHR10を表し;
R9およびR10は互いに同一または異なって、H、C1-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し;または
R9およびR10は、窒素原子およびグアニジン炭素原子と一緒になって、必要に応じて酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される別のヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の置換または非置換モノ5もしく6員複素環を形成し;
Zは、C1-C4直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたは単結合を表し;
Yは、CH2、酸素、硫黄またはNR11を表し;
R11は、H、C1-C6アルキル基を表し;
nは、0、1、2または3の数字を表し;
mは、0、1、2または3の数字を表し;
17位の
【化8】

は、独立して単結合または二重結合であり、17位の環外単結合である場合、αまたはβ単結合を表す]。
【0017】
式(I)の化合物が互変異性を示し得る場合、その式はすべての互変異性体を包括することを意図し;発明の範囲には、式(I)の化合物のすべての可能な立体異性体、ZおよびE型異性体、光学異性体(RおよびS)およびそれらの混合物、代謝産物、および代謝前駆体が含まれる。
【0018】
また、製薬的に許容可能な塩も、発明の範囲内に含まれている。製薬的に許容可能な塩とは、塩基の生物活性を保持する塩を意味し、薬理学的に許容可能な既知の酸類、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸または安息香酸、および当分野において一般に用いられる他の酸などに由来する。
【0019】
C1-C6アルキル基は分枝鎖、直鎖または環状基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル基、t-ブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基など)であってもよい。
【0020】
C2-C6アルキレン基は、分枝鎖または直鎖(例えば、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、メチルプロピレン、ジメチルエチレンなど)であってもよい。
【0021】
C3-C6シクロアルキレン基は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンであってもよい。
【0022】
C2-C6アシル基は分枝鎖、直鎖または環状基であってもよく、好ましくは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、シクロペンタンカルボニルである。
【0023】
Aは、
【化9】

の中から選択されることが好ましい。
【0024】
R6およびR7は互いに同一であっても異なっていてもよく、HおよびC1-C6アルキルから選択されることが好ましい。
【0025】
本発明の文脈において、代謝産物および代謝前駆体は、活性の代謝産物および代謝前駆体、すなわち、代謝反応によって変換されているが、薬理活性が実質的に維持されているか、または上昇している式(I)の化合物を意味する。
【0026】
代謝産物または代謝前駆体の例は、式(I)の化合物をヒドロキシル化、カルボキシル化、スルホン化、グリコシル化、グリクロン化(glycuronated)、メチル化またはジメチル化、酸化または還元した誘導体である。
【0027】
また、式(I)の化合物は、活性型のプロドラッグである場合もある。
【0028】
本発明の特定の化合物(I)の好ましい例は次の通り:
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノ-アンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-5β-アンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩、
および上述したEZ混合物の対応する純粋なEおよびZ型異性体、および上述したR型ジアステレオ異性体またはS型ジアステレオ異性体ならびにRS混合物。
【0029】
特に、次の純粋なEおよびZ型異性体が調製された:
(E)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;および
(E)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩。
【0030】
式(I)の化合物は、すぐに入手可能な出発原料から、次の一般的な方法と手順を用いて調製され得る。典型的または好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬モル数、溶媒など)が記載されているが、特に指定のない限り、他の実験条件も使用できると理解されたい。
【0031】
最適な反応条件は、使用した具体的な反応物または溶媒によって変化し得るが、それらの条件は通常の最適化手順によって当業者が決定することができる。
【0032】
さらに、本発明は、一般式(II)の化合物:
【化10】

II
[式中、A、R1および
【化11】

は上記に規定の意味である]から出発して、遊離塩基または塩(例えば、二塩酸塩など)の形態の一般式(III)の化合物:
【化12】

[式中、R2は上記に規定の意味である]と、非極性溶媒(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン、水、またはそれらの混合物)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、反応させることにより、一般式(I)の化合物を調製する方法を提供する。その反応は、塩基(水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下、または酸(塩酸、臭化水素酸、酢酸など)の存在下、または塩(酢酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸水素二ナトリウムもしくは二カリウム、リン酸二水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で行うことができる。
【0033】
一般式(I)の化合物(式中、A、R1および
【化13】

が上記に規定の意味であり、R2がDNR6R7または
【化14】

(式中、R7またはR8が、C(=NR9)NHR10を表し、R9およびR10は上述の意味である)である)は、対応する一般式(I)の化合物(式中、R6およびR8が水素を表す)から、一般式(IV)の化合物:
TC(=NR9)NHR10 (IV)
[式中、R9およびR10は上述の意味であり、Tは脱離基(例えば、メチルチオまたは1-ピラゾリルなど)を表す]
と反応させることにより得ることができる。その反応は、溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、水またはそれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、必要に応じて塩基(水酸化ナトリウムもしくはカリウム、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミンなど)の存在下で行うことができる。
【0034】
上記に規定の一般式(II)の化合物は、適切な官能基を異なる位置に持つ公知の化合物から、または、商業的に入手可能な化合物(例えば、3β,17β-ジヒドロキシアンドロスト-5-エン-7-オンおよび3β-ヒドロキシアンドロスト-5-エン-7,17-ジオンなど)から、または、既に文献に記載されている化合物(例えば、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスタン-6-オン、6α-ヒドロキシアンドロスタン-3,17-ジオン(両方ともにS. De Munari他、J. Med. Chem., 2003, 46(17), 3644で記載)、または 3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスト-5-エン-7-オン(Pui-Kai LiおよびR. W. Brueggemeier, J. Med. Chem. 1990, 33, 101-105で記載)など)から出発して、後述する一般的な方法に従って調製することができる。上記に列挙した化合物は、上述の化合物(II)の調製法の例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化15】

を表し、Xが酸素である)は、対応する化合物(式中、Aが
【化16】

である)から、対応するシアノヒドリン(cyanidrin)に変換し、次いでアミノアルコールへ還元し、最後に後者をジアゾ化することにより、得ることができる。
【0036】
シアノヒドリンは、酸(例えば、硫酸または酢酸など)の存在下で、溶媒(例えば、エタノール、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、水またはそれらの混合物の1つなど)中で、0℃から室温までの範囲内の温度で、シアン化ナトリウムまたはカリウムと反応させることにより、あるいは塩基(水酸化ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で、溶媒(例えば、エタノール、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、水またはそれらの混合物の1つなど)中で、または溶媒としての下記別のシアノヒドリン自体の中で、0℃から室温までの範囲内の温度で、ケトンを別のシアノヒドリン(例えばアセトンシアノヒドリンなど)によって処理することにより得ることができる。また、シアノヒドリンは、ルイス酸または塩基の存在下で、シアノトリメチルシランにより処理し、次いでシリルエーテルを加水分解することによっても得ることができる。
【0037】
対応するアミノアルコールへのシアノヒドリンの還元は、金属触媒(例えばPd/C、PtO2、Pt、Pt/C)、またはラネーニッケルなどの存在下で、水素ガスによる、または水素転移条件における接触水素化により行うことができる。ギ酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウムまたはシクロヘキサジエンは、水素転移試薬として用いることができる。
【0038】
その反応は、溶媒(例えば、エタノール、メタノール、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸、N,N-ジメチルホルムアミド、水またはそれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、大気圧から10気圧までの範囲内の圧力で行うことができる。また、シアノヒドリンの還元は、不活性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど)中で水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を用いて、0℃から反応混合物の還流温度までの範囲内の温度で行うこともできる。
【0039】
所望の一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化17】

であり、Xが酸素を表す)への、アミノアルコールのジアゾ化反応は、酸(硫酸、塩酸、酢酸など)の存在下で、溶媒(例えばエタノール、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、水またはそれらの混合物)中において、0℃から室温までの範囲内の温度で、亜硝酸ナトリウムまたはカリウムを用いて行うことができる。
【0040】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化18】

であり、Xが酸素を表す)は、Aが
【化19】

である化合物から、BF3・Et2Oなどのルイス酸の存在下において、溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなど)中において、-70℃から還流温度までの範囲内の温度で、ジアゾメタンまたはトリメチルシリルジアゾメタンによって処理することにより得ることもできる。
【0041】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化20】

であり、Xが硫黄を表す)は、Aが
【化21】

であり、Xが酸素である化合物から、溶媒(例えば、トルエンまたはアセトニトリルなど)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、ローソン試薬またはP2S5と反応させることにより得ることができる。
【0042】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化22】

であり、XがNOR5を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化23】

である)を、溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン、水またはそれらの混合物など)中において、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、遊離塩基または塩(例えば、塩酸塩など)の形態の一般式H2NOR5の化合物(式中、R5は上記に規定の通りである)によって処理することにより得ることができる。その反応は、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で、または酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸など)の存在下で、または塩(例えば、酢酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸水素二ナトリウムもしくは二カリウム、リン酸二水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で行ってもよい。
【0043】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化24】

を表す)は、Aが
【化25】

を表し、RwがH、C6H5、トシルである化合物から、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、溶媒(例えば、エタノール、ブタノール、ペンタノール、1,2-エタンジオールなど)中において塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、ナトリウムまたはカリウムエトキシドなど)によって、または、アルコール中のNa、DMSO中のカリウムtert-ブトキシドによって処理することにより得ることができる。同じ反応は、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、還元剤、例えば、テトラヒドロフラン中の水素化リチウムアルミニウム、メタノールもしくはエタノール中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(要すれば塩化亜鉛などのルイス酸の存在下において)、またはメタノールもしくはエタノール中の水素化ホウ素ナトリウムを用いて行ってもよい。
【0044】
Aが
【化26】

を表し、RwがH、C6H5、トシルである化合物は、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、一般式(II)の化合物(Aが
【化27】

である)と、一般式H2NNRWの化合物とを、それを溶媒にして、または溶媒(例えば、エタノール、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、水またはそれらの混合物の1つなど)中において反応させることにより得ることができる。
【0045】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化28】

を表す)は、Aが
【化29】

である化合物から、溶媒(例えば、エタノール、水またはジオキサンまたはそれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、ラネーニッケルなどを用いて接触水素化を行うことによって得ることができる。Aが
【化30】

を表す化合物は、一般式(II)化合物(Aが
【化31】

である)を、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、HS(CH2)2-3SHおよびルイス酸(BF3・Et2Oなど)と反応させることにより、得ることができる。
【0046】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化32】

であり、R3が水素を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化33】

である)から、金属水素化物(例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムなど)によって適合する溶媒(例えば、前者の試薬についてはメタノール、エタノール、水、後者についてはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)中で、または、アルコール(例えば、エタノールまたはプロパノールなど)中のナトリウムによって、または、溶媒(例えば、エタノール、メタノール、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸、N,N-ジメチルホルムアミド、水またはそれらの混合物など)中のPd/C、PtO2、Pt、Pt/Cまたはラネーニッケルなどによる接触水素化によって、還元することにより得ることができる。前記の反応は全て、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、大気圧から10気圧までの範囲内の気圧で行うことができる。
【0047】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化34】

であり、R3がC1-C6アルキル基を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化35】

であり、R3が水素を表す)と、一般式R3−LGの化合物(式中、LGは脱離基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどである)から得ることができる。その反応は、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、またはそれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、必要に応じて、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、水素化ナトリウムもしくはカリウム、ナトリウムまたはカリウムメトキシド、ナトリウムまたはカリウムtert-ブトキシドなど)の存在下で、必要に応じて、塩(例えばヨウ化ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で、行うことができる。また、その反応は、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、ヘキサン、水など)の混合物の中で、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、および四級アンモニウム塩(例えば、塩化または臭化またはヨウ化または硫酸水素テトラブチルアンモニウムなど)の存在下で、0℃から混合物の還流温度までの範囲内の温度で行うこともできる。
【0048】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化36】

であり、BおよびXが酸素を表す)は、対応する
【化37】

誘導体を、過酸化水素などの過酸化物、またはm-クロロ過安息香酸、ペルオキソトリフルオロ酢酸またはペルオキソ酢酸などのペルオキシ酸によって処理することにより得ることができる。その反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエンまたはそれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、必要に応じて、リン酸水素二ナトリウムなどの緩衝液の存在下で行ってもよい。一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化38】

であり、BおよびXが酸素を表す)は、5-ケト-6-酸Bセコアンドロスタン誘導体を、水素化ホウ素ナトリウムによって処理し、次いで酸処理を行うことにより得ることもできる。5-ケト-6-酸Bセコアンドロスタン誘導体は、5-アンドロステン誘導体を、オゾンまたは過マンガン酸カリウムまたは過ヨウ素酸ナトリウムによって処理することにより得ることができる。
【0049】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化39】

であり、BがNR4であり、R4が水素であり、Xが酸素を表す)は、6-または7-ヒドロキシイミノアンドロスタン誘導体と、例えばSOCl2、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン、トシルクロライド、P2O5、POCl3、H2SO4とを、それら試薬の性質に応じた溶媒(例えば、トルエン、ジクロロメタン、ピリジンなど)中において、または試薬を溶媒として使用して、0℃から還流温度までの範囲内の温度で処理し、必要に応じてさらに、溶媒(例えば、メタノール、エタノール、または水または前述の溶媒の混合物)中で、室温から還流温度までの範囲内の温度で、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)によって処理することにより、得ることができる。
【0050】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化40】

を表し、BがNR4であり、R4がC1-C6アルキル基であり、Xが酸素を表す)は、対応する一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化41】

であり、BがNR4であり、R4が水素であり、Xが酸素を表す)を、一般式R4−LGの化合物(式中、LGは脱離基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシである)によって処理することにより得ることができる。その反応は、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、またはこれらの混合物など)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、必要に応じて、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、水素化ナトリウムもしくはカリウム、ナトリウムまたはカリウムメトキシド、ナトリウムまたはカリウムtert-ブトキシドなど)の存在下で、必要に応じて、塩(例えばヨウ化ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で行うことができる。また、その反応は、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、ヘキサン、水など)の混合物中、水酸化ナトリウムもしくはカリウムおよび四級アンモニウム塩(例えば、塩化または臭化またはヨウ化または硫酸水素テトラブチルアンモニウムなど)の存在下で、0℃から混合物の還流温度までの範囲内の温度で行うこともできる。
【0051】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化42】

であり、Bが酸素を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化43】

であり、BおよびXが酸素を表す)から、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン)中、ルイス酸(例えば、BF3・Et2O)の存在下で、混合水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化リチウムアルミニウム)による還元、または、アルコール中のPd/Cに曝す接触水素化により得ることができる。
【0052】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化44】

であり、BがOである)は、一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化45】

であり、BおよびXが酸素を表す)から、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、ピリジン)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、混合水素化物によって還元して対応するジオールを得、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン)の存在下、塩化トシルまたは塩化チオニルによって処理して目的のエーテルに変換することにより得ることができる。
【0053】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化46】

であり、BがNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化47】

であり、BがNR4であり、Xが酸素であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基である)から、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジオキサン)中、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、混合水素化物(例えば、水素化リチウムアルミニウムなど)によって還元することにより得ることができる。
【0054】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化48】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、XがNOR5である)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化49】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、Xが硫黄を表す)から、溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン、水またはそれらの混合物)中において、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、遊離塩基または塩(例えば、塩酸塩)の形態のH2NOR5(式中、R5は上記に規定の通りである)と反応させることによって得ることができる。その反応は、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で、または酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸など)の存在下で、または塩(例えば、酢酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸水素二ナトリウムもしくは二カリウム、リン酸二水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で行ってもよい。
【0055】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化50】

であり、BおよびXが酸素を表す)は、Aが
【化51】

である対応する化合物から、0℃から反応混合物の還流温度までの範囲内の温度で、t-ブタノール中、必要に応じて水および塩基(例えばナトリウムまたは炭酸水素、酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウム)の存在下、KMnO4またはNaIO4と反応させ、または、溶媒(例えば、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトニトリルおよび水または前記溶媒の混合物など)中で、RuCl3またはRuO2およびNaIO4またはNaBrO3と反応させ、生じた中間体のケト酸を穏やかに還元する水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)により還元し、次いで、生じた中間体を、必要に応じて触媒量の酸(例えば、塩酸、酢酸、またはp-トルエンスルホン酸を)を用いて環化することにより得ることができる。
【0056】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化52】

であり、BがNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、Xが酸素を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化53】

である)から、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、t-ブタノール中、必要に応じて水および塩基(例えば、ナトリウムまたは炭酸水素、酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウム)の存在下、KMnO4またはNaIO4と反応させ、または、溶媒(例えば、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトニトリルおよび水または前記溶媒の混合物)中で、RuCl3またはRuO2およびNaIO4またはNaBrO3と反応させ、次いで、アンモニア、アンモニウム塩(例えば、酢酸アンモニウムまたはギ酸アンモニウム)または一般式H2NR4のアミンと反応させてカルビノールアミドを生じさせることにより、得ることができる。塩化チオニル、オキシ塩化リン、p-トルエンスルホン酸などの脱水剤による後者の脱水、およびエナミドの接触水素化により、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化54】

であり、BがNR4を表し、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、Xが酸素を表す)が得られる。
【0057】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化55】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、XがNOR5を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化56】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、Xが硫黄である)から、溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン、水またはそれらの混合物)中において、0℃から反応混合物の還流温度までの範囲内の温度で、遊離塩基または塩(例えば、塩酸塩)の形態のH2NOR5(式中R5は上記に規定の通りである)と反応させることにより得ることができる。その反応は、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で、または酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸など)の存在下で、または塩(例えば、酢酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、リン酸水素二ナトリウムもしくは二カリウム、リン酸二水素ナトリウムもしくはカリウムなど)の存在下で行ってもよい。
【0058】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化57】

であり、Bが酸素を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化58】

であり、BおよびXが酸素である)から、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、ルイス酸(例えば、BF3・Et2O)の存在下、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン)中、混合水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化リチウムアルミニウム)による還元、または、アルコール中のPd/Cに曝す接触水素化により得ることができる。
【0059】
一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化59】

であり、BがOを表す)は、一般式(II)の化合物(式中、置換基Aが
【化60】

であり、BおよびXが酸素を表す)から、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、ピリジン)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、混合水素化物により還元して対応するジオールを得、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン)の存在下、塩化トシルまたは塩化チオニルにより処理して目的のエーテルに変換することにより得ることができる。
【0060】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化61】

であり、BがNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基を表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化62】

であり、BがNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、Xが酸素である)から、、溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン)中、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、混合水素化物(例えば、水素化リチウムアルミニウムなど)によって還元することにより得ることができる。
【0061】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化63】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基を表し、Xが硫黄である)は、対応する一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化64】

であり、Bが酸素またはNR4であり、R4が水素またはC1-C6アルキル基であり、XがOである)から、溶媒(例えば、トルエンまたはアセトニトリルなど)中で、0℃から還流温度までの範囲内の温度で、ローソン試薬またはP2S5と反応させることにより得ることができる。
【0062】
一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化65】

であり、BはNR4であり、R4はホルミルを表す)は、一般式(II)の化合物(式中、Aが
【化66】

であり、BがNR4であり、R4が水素を表す)から、溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N'-ジメチルホルムアミド)中、例えば、無水酢酸中のギ酸、またはN,N'-カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤の存在下でのギ酸により、必要に応じて塩基(例えば、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン)の存在下、ホルミル化反応を行うことにより得ることができる。
【0063】
前記のあらゆる変換において、いかなる妨害反応基も、有機化学書で述べられている十分に確立された手順(例:T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)」、J. Wiley&Sons, Inc.、第3版、1999を参照)および当業者によく知られている方法に従って、保護することができ、その後脱保護することができる。
【0064】
全ての前記変換は、有機化学書(参照例:J. March「Advanced Organic Chemistry(先端有機化学)」、J. Wiley&Sons, Inc.、第4版、1992年)で述べられている十分に確立された手順および当業者によく知られている方法の例に過ぎない。
【0065】
一般式(III)および(IV)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または商業的に入手可能な化合物から常法に従って調製することができる。
【0066】
治療上有効量の上式(I)の化合物を投与することを含む、心臓血管系疾患に罹患した哺乳動物を処置する方法は、本発明の局面の1つである。用語「治療上有効量」は、本明細書において用いる場合、目的の疾患または症状を治療、改善するのに、または検出可能な治療効果を示すのに必要な治療薬の量を意味する。
【0067】
いかなる化合物も、初めに細胞培養試験または動物モデル(通常、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌまたはブタなど)において、治療上有効量を推定することができる。
【0068】
また、動物モデルは、適切な濃度域と投与経路の決定に使用されることもある。それらの情報は、後に人間の投与に関する有効な用量と経路の決定に使用することができる。
【0069】
ヒト対象における正確な有効量は、病状の重症度、対象の一般的な健康状態、年齢、体重、性別、食事、投与の回数と頻度、薬物の組み合わせ、反応感度、および治療への耐容性/反応性に依拠するであろう。この量は、通常の実験と臨床医の裁量で決めることができる。一般的な有効量は0.01mg/kgから100mg/kg、好ましくは0.05mg/kgから50mg/kgであろう。組成物は、個別に患者に投与するか、他の物質、薬物またはホルモンと組み合わせて投与してもよい。
【0070】
また、その医薬は、治療薬の投与を目的とする、製薬的に許容可能な担体を含有していてもよい。そのような担体には、抗体および他のポリペプチド、遺伝子およびリポソームなどの他の治療薬が含まれるが、担体自体は、組成物を受け取る個体にとって有害な抗体の産生を誘導せず、過度の毒性なしで投与できる。
【0071】
大きく、ゆっくり代謝される高分子、例えば、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸共重合体、および不活性なウィルス粒子が適切な担体であり得る。
【0072】
製薬的に許容可能な担体に関する詳細な論考は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences(レミントンの薬学)」(Mack Pub. Co. , N. J.1991)に記載されている。
【0073】
医薬組成物に含有される製薬的に許容可能な担体は、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなどの液体をさらに含有してもよい。さらに、組成物には補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝物質など)が存在してもよい。それらの担体により、医薬組成物を、患者の経口摂取用の錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液状剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー状製剤、懸濁剤などとして製剤化することができる。
【0074】
製剤化されれば、本発明の組成物は、対象に直接投与することができる。処置対象は動物であり得、特に、ヒト対象を処置することができる。
【0075】
本発明の医薬は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、鞘内、脳室内、経皮的(transdermalまたはtranscutaneous)適用、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、膣内、直腸手段、または外科手術後の病変組織への局所的な投与など、これらに限定されないさまざまな経路で投与できる。
【0076】
投与量の取り扱いは、単回投与スケジュールでも、複数回投与スケジュールであってもよい。
【0077】
本発明のさらなる目的は、心不全や高血圧などの心臓血管系疾患の処置に有用な医薬の調製に、前述の一般式(I)の化合物を使用することである。
【0078】
本発明の化合物は、Na-K ATPアーゼに関してナノモーラー濃度のウアバインが誘発する分子作用に拮抗できることが示されていることから、内因性ウアバインの血圧上昇作用に起因する疾患の処置に有用であろう。
【0079】
本発明の好ましい実施例によると、内因性ウアバインの血圧上昇作用に起因する疾患には以下のものが含まれる:常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、子癇前症性高血圧および蛋白尿症における腎不全の進行、およびアデューシン遺伝子多型の患者にみられる腎不全の進行。
【0080】
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)において、嚢胞の形成と拡大は細胞増殖および体液の経上皮的な分泌に起因し、進行性の腎機能障害や腎不全を引き起こす。対象の1000人以上に1人が、腎不全の第一の遺伝子的原因であるADPKDの影響を受けている。腎臓のNa-K ATPアーゼは、ADPKD細胞内のイオンと体液の輸送に不可欠なものであり、その誤配置と機能変化が、この病理学についての文献に記載されている(Wilson PD他 Am J Pathol 2000;156:253-268)。Na-K ATPアーゼ阻害剤であるウアバインがADPKD嚢胞内の体液分泌を阻害する(Grantham JJ他. I Clin. Invest. 1995; 95:195-202)のは、マイクロモーラー濃度の時であり、反対に、血中内因性ウアバインの場合と同様のナノモーラー濃度では、ADPKD細胞の増殖を促進するが、正常な人間の腎臓細胞の成長には影響しない(Nguyen AN他 2007; 18:46-57)。ウアバインは、親和性の高いNa-K ATPアーゼと結合し、MEK-ERK経路活性化を誘発することによって、ADPKD増殖を促進することが示されている(Nguyen AN他 2007; 18:46-57)。
【0081】
子癇前症は、有効な治療がまだ見つかっていないため、妊娠高血圧の深刻な疾患になる危険をはらんでいる。カルデノライドおよびブホジエノライド(bufodienolide)の血中濃度の上昇が、子癇前症の患者と、この疾患で実験したラットモデルで報告されている(Lopatin DA他J. Hypertens. 1999;17:1179-1187; Graves SV他. Am J Hypertens. 1995; 8:5-11; Adair CD他. Am J Nephrol. 1996;16:529-531)。有効なデータでは、子癇前症におけるNa-KATPアーゼ阻害剤の血漿濃度の上昇が、血管収縮と悪性の高血圧を誘発することを示唆している(Vu HV他. Am J Nephrol. 2005; 25:520-528)。最近、ジゴキシン特異的 Fab(Digibind)は、子癇前症の患者の血圧を下げ、ナトリウム利尿を増加させることが証明されている(Pullen MA他.JPET 2004; 310:319-325)。
【0082】
糸球体硬化症が関与する蛋白尿症は、糸球体内の有足細胞の足突起によって形成された、スリット孔構造の損傷によるものである。特に、ネフリン、ZO1、ポドシンやシナプトポジン、および他のスリット膜タンパク質は、それらの構造機能に加えて、SrcファミリーキナーゼのFynチロシンキナーゼによって調節される、一般的なシグナル伝達経路に関与している(Benzing T. J Am Soc Nephrol 2004;15:1382-1391)。最近になって、スリット孔の構造における重要な役割を、Fynの制御下にある細胞骨格タンパク質であるβアデューシンが担っているとされた(Gotoh H BBRC 2006; 346:600-605; Shima T他. JBC 2001; 276: 42233-42240)。ACEの遺伝子多型につながるアデューシン遺伝子多型が、ヨーロッパと中国の集団において腎機能の低下に関与していることが分かった(Wang JG et al. J Mol Med 2004; 82:715-722; Wang JG et al. Am J Kidney Dis. 2001; 38: 1158-1168)。内因性ウアバイン拮抗薬であるロスタフロキシンと類似体は、チロシンキナーゼシグナル伝達に関するアデューシン遺伝子多型の分子作用に拮抗できると説明されている(Ferrandi M.他. JBC,2004; 279:33306-14; Ferrari他. Am J Physiol Regul 2006; 290:R529-535; Ferrari P.他. Med Hypothes. 2007; 68:1307-1314)。
【0083】
本発明のさらなる対象は、1以上の前述した式(I)の化合物を、賦形剤および/または薬理学的に許容可能な希釈剤と組み合わせて含有する医薬組成物である。本発明の組成物は、式(I)の化合物とともに、既知の活性成分を含有していてもよい。
【0084】
本発明のさらなる実施態様は、1以上の式(I)の化合物を、適切な賦形剤、安定剤および/または製薬的に許容可能な希釈剤と混合することを特徴とする、医薬組成物の調製法である。
【0085】
次に実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0086】
実施例
以下の実施例は、いくつかの式(I)の化合物の合成について記載するものであり、調製例では有用な中間体の合成について記載する。
【0087】
実施例1
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-aa)
THF(58mL)中の6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a、調製例1、1.028g)の攪拌溶液に、H2O(14mL)中の2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(0.482g)およびNa2HPO4.12H2O(2.32g)の溶液を速やかに滴加した。4時間後、NaCl(0.5g)を加え、混合物を10分間攪拌した。相に分離し、水相をまずTHF/tBuOH 1/1で3回、次いでtBuOHで3回抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEtOAcにより4時間処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-aaを白色固体(1.247g、93%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.97 (bb, 3H), 7.26 (d, 0.5H), 7.22 (d, 0.5H), 4.09 (m, 2H), 3.52 (m, 1H), 3.15 (m, 0.5H), 3.02 (m, 2H), 2.93 (m, 0.5H), 2.45-1.00 (m, 18H), 0.84 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0088】
実施例2
(E,Z)3-(2-N-メチルアミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-ab)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a、調製例1、70mg)および2-Nメチルアミノエトキシアミン二塩酸塩(III-a、調製例15、36mg)から出発し、収率51%で調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 85/15/1.5)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。EtOAc/Et2Oの1/1混合物を加えた後、沈殿物をろ過し、表題化合物I-abを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.00 (bb, 3H), 7.25 (d, 0.5H), 7.22 (d, 0.5H), 6.40 (s, 2H), 4.09 (m, 2H), 3.49 (m, 1H), 3.11 (m, 0.5H), 3.01 (m, 2H), 2.91 (m, 0.5H), 2.47 (s, 3H), 2.30-1.00 (m, 18H), 0.83 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0089】
実施例3
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-ac)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a、調製例1、382mg)および3-Nメチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、213mg)から出発し、収率76%で調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 85/15/1.5)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。EtOAc/Et2Oの1/1混合物を加えた後、沈殿物をろ過し、表題化合物I-acを得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.00 (bb, 3H), 7.21 (d, 0.5H), 7.19 (d, 0.5H), 6.42 (s, 2H), 3.97 (m, 2H), 3.50 (m, 1H), 3.10-2.80 (m, 3H), 2.47 (s, 3H), 2.30-1.00 (m, 20H), 0.83 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0090】
実施例4
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-ad)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a、調製例1、334mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、171mg)から出発し、収率88%で調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3/MeOH/26%NH4OH 85/15/1.5)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。EtOAc/Et2Oの1/1混合物を加えた後、沈殿物をろ過し、表題化合物I-adを得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ10.00 (bb, 3H), 7.22 (d, 1H), 6.42 (s, 2H), 4.74 (m, 1H), 3.51 (m, 1H), 3.35-3.00 (m, 4.5H), 2.86 (m, 0.5H), 2.50-0.97 (m, 20H), 0.83 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0091】
実施例5
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ae)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-b、調製例2、90mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(40mg)から出発し、収率40%で調製した。相に分離し、水相をTHFで3回抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-aeを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.85 (bb, 3H), 4.10 (m, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.06 (m, 3H), 2.80 (m, 1.5H), 2.77 (m, 1.5H), 2.80-1.09 (m, 18H), 0.82 (s, 1.5H), 0.79 (s, 1.5H), 0.78 (s, 1.5H), 0.74 (s, 1.5H)
【0092】
実施例6
(E)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-af)
乾燥THF(0.96mL)中の3-(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-c、調製例3、200mg)の攪拌溶液に、THF(0.390mL)中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウムを加えた。室温で2時間攪拌した後、溶液を少量になるまで濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 90/10/1)で精製した。濃縮画分にMeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加え、蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-afを白色固体(112mg、88%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.00 (m, 4H), 6.40 (s, 2H), 4.06 (m, 2H), 4.01 (m, 1H), 2.97 (m, 3H), 2.77 (s, 3H), 2.80-1.09 (m, 18H), 0.78 (s, 3H), 0.73 (s, 3H)。
【0093】
実施例7
(Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ag)
実施例1に記載のように、THF(0.314mL)中の3-(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-d、調製例3、160mg)および1Mフッ化テトラブチルアンモニウムから出発し、収率94%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、水に溶解させて凍結乾燥し、表題化合物I-agを得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.40 (s, 2H), 4.07 (t, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 2.99 (s, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.70 (m, 1H), 2.57 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 2.29-1.07 (m, 15H), 0.84 (s, 3H), 0.80 (s, 3H)。
【0094】
実施例8
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ah)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-b、調製例2、90mg)3-Nメチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、40mg)から出発し、収率40%で調製した。相に分離し、水相をTHFで3回抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-ahを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.50 (bb, 2H), 4.10-3.95 (m, 3H), 2.94 (bb, 2H), 2.80 (m, 3H), 2.76-2.61 (m, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.46-1.80 (m, 8H), 1.78-1.10 (m, 11H), 0.83 (s, 1.5H), 0.79 (s, 1.5H), 0.78 (s, 1.5H), 0.73 (s, 1.5H)。
【0095】
実施例9
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ai)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-b、調製例2、80mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、42mg)から出発し、収率40%で調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物を水に溶解させて凍結乾燥し、表題化合物I-aiを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.42 (bb, 2H), 4.77 (m, 1H), 4.12 (m, 0.5H), 4.04 (m, 0.5H), 3.30-3.06 (m, 4.5H), 2.98 (m, 0.5H), 2.80 (s, 1.5H), 2.77 (s, 1.5H), 2.82-1.10 (m, 20H), 0.83 (s, 1.5H), 0.79 (s, 1.5H), 0.78 (s, 1.5H), 0.73 (s, 1.5H)。
【0096】
実施例10
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-aj)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-3,17-ジオン(II-e、調製例4、75mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(33mg)から出発し、収率76%で調製した。相に分離し、水相をTHFで3回抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-ajを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.76 (d, 0.5H), 9.72 (d, 0.5H), 7.91 (bb, 3H), 4.09 (m, 2H), 3.85 (m, 1H), 3.23 (m, 0.5H), 3.04 (m, 2H), 2.93 (m, 0.5H), 2.85-1.04 (m, 18H), 0.85 (s, 3H), 0.80 (s, 3H)。
【0097】
実施例11
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩(I-ak)
ジオキサン(1mL)中の6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-f、調製例5、75mg)の攪拌溶液に、水(1mL)中の2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(33mg)の溶液を速やかに滴加した。3時間後、混合物を凍結乾燥して残渣をEt2Oにより5時間処理し、沈殿物をろ過した。粗生成物を水に溶解させて凍結乾燥し、表題化合物I-akを白色固体(89mg、83%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.87 (bb, 0.5H), 9.54 (bb, 0.5H), 8.40 (bb, 1H), 8.15 (bb, 1.5H), 8.06 (bb, 1.5H), 4.13 (m, 2H), 3.56 (m, 0.5H), 3.30-2.94 (m, 5H), 2.85 (m, 0.5H), 2.73-1.03 (m, 18H), 1.10 (s, 1.5H), 1.08 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0098】
実施例12
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩(I-al)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-f、調製例5、74mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、39mg)から出発し、収率70%で調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 85/15/1.5)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-alを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.00 (bb, 6H), 6.46 (s, 4H), 3.96 (m, 2H), 3.20-2.70 (m, 6H), 2.50 (s, 3H), 2.50-0.82 (m, 20H), 0.94 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0099】
実施例13
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩(I-am)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-f、調製例5、76mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、39mg)から出発し、収率90%で調製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.77 (bb, 1H), 9.33 (bb, 2H), 8.27 (bb, 1H), 4.79 (m, 1H), 3.64-1.00 (m, 28H), 1.09 (s, 1.5H), 1.08 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0100】
実施例14
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-an)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-g、調製例6、80mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(38mg)から出発し、収率90%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-anを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.40-7.40 (m, 4H), 4.09 (m, 2H), 3.95-0.72 (m, 24H), 0.93 (s, 1.5H), 0.88 (s, 1.5H), 0.75 (s, 3H)。
【0101】
実施例15
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-ao)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-g、調製例6、80mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、42mg)から出発し、収率50%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-aoを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.37 (s, 0.5H), 8.34 (bb, 2H), 8.32 (s, 0.5H), 3.99 (t, 2H), 3.80 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.05-2.82 (m, 4H), 2.72 (t, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.46-0.98 (m, 19H), 0.92 (s, 1.5H), 0.87 (s, 1.5H), 0.74 (s, 3H)。
【0102】
実施例16
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-ap)
実施例1に記載のように、6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-g、調製例6、100mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、53mg)から出発し、収率78%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-apを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.00-8.00 (m, 3H), 4.75 (m, 1H), 3.95-0.70 (m, 28H), 0.92 (s, 1.5H), 0.87 (s, 1.5H), 0.75 (s, 3H)。
【0103】
実施例17
3-(E,Z)-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-aq)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-h、調製例7、100mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(44mg)から出発し、収率40%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-aqを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.11 (bb, 1H), 7.97 (bb, 3H), 5.45 (bb, 1H), 4.09 (m, 2H), 3.43 (m, 1H), 3.24 (m, 0.5H), 3.04 (m, 2H), 2.94 (m, 0.5H), 2.52-0.94 (m, 18H), 0.83 (s, 1.5H), 0.82 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0104】
実施例18
3-(E,Z)-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-ar)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-h、調製例7、148mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、79mg)から出発し、収率60%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-arを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.90 (bb, 1H), 8.66 (bb, 2H), 5.22 (bb, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.40 (m, 1H), 3.10 (m, 0.5H), 2.91 (m, 2H), 2.85 (m, 0.5H), 2.52 (s, 3H), 2.47-0.94 (m, 18H), 0.82 (s, 1.5H), 0.81 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0105】
実施例19
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-as)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-h、調製例7、179mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、94mg)から出発し、収率60%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-asを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.27 (bb, 2H), 8.93 (bb, 1H), 5.26 (bb, 1H), 4.76 (bb, 1H), 3.43 (m, 1H), 3.06-3.30 (m, 4.5H), 2.87 (m, 0.5H), 2.45 (m, 0.5H), 2.39 (m, 1H), 2.26 (m, 0.5H), 1.90-2.17 (m, 8.5H), 1.82-0.93 (m, 10H), 0.83 (s, 1.5H), 0.82 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0106】
実施例20
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-at)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-i、調製例8、65mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(28mg)から出発し、収率60%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-atを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.87 (bb, 3H), 5.31 (bb, 0.5H), 5.28 (bb, 0.5H), 4.08 (m, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.21 (m, 0.5H), 3.02 (m, 2H), 2.92 (m, 0.5H), 2.50-0.75 (m, 18H), 0.82 (s, 1.5H), 0.81 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0107】
実施例21
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-au)
実施例1に記載のように、6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-i、調製例8、61mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、31mg)から出発し、収率70%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-auを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.72 (bb, 2H), 5.31 (bb, 1H), 4.75 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.50-0.90 (m, 26H), 0.82 (s, 1.5H), 0.81 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0108】
実施例22
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-av)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-j、調製例9、96mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(47mg)から出発し、収率65%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-avを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.97 (bb, 3H), 6.99 (bb, 1H), 4.08 (m, 2H), 3.58 (m, 1H), 3.10-1.75 (m, 3H), 2.50-1.00 (m, 18H), 1.05 (s, 1.5H), 1.04 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0109】
実施例23
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-aw)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-j、調製例9、58mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、32mg)から出発し、収率70%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-awを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.50 (bb, 2H), 6.98 (bb, 1H), 3.97 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 2.88 (m, 3H), 2.52 (s, 1.5H), 2.51 (s, 1.5H), 2.50-0.95 (m, 20H), 1.05 (s, 1.5H), 1.04 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0110】
実施例24
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ax)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-j、調製例9、95mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、32mg)から出発し、収率75%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-axを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.04 (bb, 2H), 6.99 (bb, 1H), 4.74 (bb, 1H), 3.58 (bb, 1H), 3.07-3.28 (m, 3H), 2.88 (m, 2H), 2.46-1.31 (m, 18H), 1.09 (m, 2H), 1.05 (s, 1.5H), 1.04 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0111】
実施例25
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩(I-ay)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-k、調製例10、44mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(21mg)から出発し、収率71%で調製した。1時間半後、混合物を凍結乾燥し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 90/10/1)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-ayを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.45 (s, 4H), 4.07 (t, 2H), 3.00 (m, 2H), 2.92 (m, 1H), 2.78 (bb, 2H), 2.70 (t, 1H), 2.41 (m, 1H), 2.28-1.20 (m, 10H), 0.94 (m, 2H), 0.93 (s, 1.5H), 1.04 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0112】
実施例26
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩(I-az)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-k、調製例10、63mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、37mg)から出発し、収率60%で調製した。1時間半後、混合物を凍結乾燥し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 85/15/1.5)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-azを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.49 (bb, 1H), 8.39 (bb, 2H), 6.61 (s, 4H), 3.96 (t, 2H), 3.47 (bb, 1H), 3.11 (bb, 2H), 2.92 (bb, 2H), 2.89 (bb, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.34 (bb, 1H), 2.23-1.30 (m, 18H), 0.96 (s, 1.5H), 0.95 (s, 1.5H), 0.81 (s, 3H)。
【0113】
実施例27
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩(I-ba)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-k、調製例10、93mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、53mg)から出発し、収率82%で調製した。2時間後、混合物を凍結乾燥し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 83/17/1.7)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-baを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.45 (s, 4H), 4.72 (bb, 1H), 3.25 (m, 3H), 3.11 (m, 1H), 2.87 (m, 3H), 2.44 (m, 1H), 2.30-0.99 (m, 20H), 0.94 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0114】
実施例28
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bb)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン3,17-ジオン(II-l、調製例11、50mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(23mg)から出発し、収率75%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bbを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.12 (s, 1H), 7.86 (bb, 3H), 4.11 (t, 1H), 4.06 (t, 2H), 3.46 (bb, 1H), 3.18 (t, 1H), 3.03 (m, 0.5H), 3.02 (t, 2H), 2.91 (m, 0.5H), 2.35 (m, 1H), 2.72-1.12 (m, 17H), 0.90 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0115】
実施例29
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bc)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン3,17-ジオン(II-l、調製例11、66mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、35mg)から出発し、収率63%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bcを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm): δ8.54 (bb, 2H), 8.12 (s, 1H), 4.11 (t, 1H), 3.95 (t, 2H), 3.46 (m, 1H), 3.17 (t, 1H), 2.95 (bb, 0.5H), 2.88 (t, 2H), 2.81 (bb, 0.5H), 2.51 (s, 3H), 2.35 (m, 1H), 2.20-1.05 (m, 20H), 0.89 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0116】
実施例30
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bd)
実施例1に記載のように、7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-l、調製例11、64mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、34mg)から出発し、収率65%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bdを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.96 (bb, 2H), 8.12 (s, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.11 (m, 1H), 3.50-3.05 (m, 6H), 2.97 (m, 0.5H), 2.83 (m, 0.5H), 2.40-1.05 (m, 20H), 0.89 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0117】
実施例31
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩(I-be)
実施例1に記載のように、7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオン(II-m、調製例12、88mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(41mg)から出発し、収率66%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-beを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.78 (bb, 3H), 4.29 (t, 1H), 4.13-3.69 (m, 3H), 3.28-3.18 (m, 1H), 3.04 (m, 2H), 2.97 (m, 0.5H)2.75-2.24 (m, 2.5H), 2.21-1.06 (m, 14H), 0.87 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。
【0118】
実施例32
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩(I-bf)
実施例1に記載のように、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオン(II-m、調製例12、130mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、72mg)から出発し、収率74%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bfを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.53 (bb, 3H), 4.32 (m, 1H), 4.09-3.94 (m, 3H), 3.29-3.19 (m, 1H), 2.91 (m, 2H), 2.86 (m, 0.5H), 2.68-2.57 (m, 1H),2.53 (s, 3H)2.46-2.24 (m, 8.5H), 2.19-1.05 (m, 15H), 0.86 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。
【0119】
実施例33
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩(I-bg)
実施例1に記載のように、7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオン(II-m、調製例12、87mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、48mg)から出発し、収率55%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bgを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.20 (bb, 1H), 9.12 (bb, 1H)4.76 (bb, 1H), 4.43-4.21 (m, 1H), 4.13-3.97 (m, 1H), 3.28 (m, 4H), 3.20 (bb, 0.5H)2.69-2.23 (m, 3H), 2.20-1.08 (m, 16H), 0.87 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。
【0120】
実施例34
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-bh)
実施例1に記載のように、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-n、調製例12、60mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(28mg)から出発し、収率56%で調製した。20時間後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 93/7/0.7)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-bhを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.42 (s, 2H), 4.59 (m, 1H), 4.06 (t, 2H), 3.39 (m, 0.5H), 2.98 (t, 2H), 2.92 (bb, 0.5H), 2.41 (m, 2H), 2.31 (bb, 1H), 2.22-1.03 (m, 15H),0.93 (s, 1.5H)0.91 (s, 1.5H), 0.80 (s, 3H)。
【0121】
実施例35
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-bi)
実施例1に記載のように、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-o、調製例13、80mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(37mg)から出発し、収率58%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-biを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.66 (bb, 3H), 4.72 (t, 1H), 4.06 (t, 2H), 3.14 (m, 1H), 3.02 (m, 2H), 2.99 (m, 0.5H), 2.42 (m, 0.5H), 2.30-1.12 (m, 17H), 1.06 (s, 1.5H)1.05 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0122】
実施例36
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-bj)
実施例1に記載のように、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-o、調製例13、75mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、調製例16、41mg)から出発し、収率71%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bjを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm): δ4.70 (m, 1H), 3.97 (t, 2H), 3.13 (m, 1H), 2.98-2.84 (m, 3H), 2.54 (s, 3H), 2.44 (m, 1H), 2.28-1.09 (m, 18H), 1.06 (s, 1.5H)1.05 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0123】
実施例37
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-bk)
実施例1に記載のように、7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-o、調製例13、95mg)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、58mg)から出発し、収率69%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-bkを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.89 (bb, 2H), 4.71 (m, 2H), 3.41-3.05 (m, 5H), 2.93 (m, 1H), 2.43 (m, 1H), 2.30-1.09 (m, 18H), 1.06 (s, 1.5H)1.05 (s, 1.5H), 0.78 (s, 3H)。
【0124】
実施例38
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-5β-アンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-bl)
実施例1に記載のように、6-オキサ-5β-アンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-p、調製例14、360mg)および2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(176mg)から出発し、収率30%で調製した。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、I-blを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.88 (bb, 3H), 4.41 (bb, 1H), 4.11 (m, 2H), 3.16 (m, 0.5H), 3.05 (m, 2H), 2.76 (m, 1H), 2.70 (m, 0.5H), 2.61-1.93 (m, 5H), 1.74-1.08 (m, 10H), 1.02 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。
【0125】
実施例39
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-bm)
THF(1.49mL)中の3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-q、調製例18、720mg)および1Mフッ化テトラブチルアンモニウムの混合物を、室温で2時間攪拌した。溶液を少量になるまで濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 86/14/1.4)で精製した。濃縮画分にMeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加え、蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-bmを白色固体(340mg, 57%)として得た。1H-NMR (300 MHz, D2O, TMSからのppm):δ7.37 (bb, 1H), 6.66 (s, 2H), 4.25 (m, 2H), 3.76 (m, 1H), 3.30 (m, 2H), 3.01 (m, 1H), 2.69-1.10 (m, 18H), 0.97 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
【0126】
実施例40
(Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-bn)
THF(1.5mL)中の3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-r、調製例18、688mg)および1Mフッ化テトラブチルアンモニウムの混合物を、室温で2時間攪拌した。溶液を少量になるまで濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 86/14/1.4)で精製した。濃縮画分にMeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加え、蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-bnを白色固体(320mg, 56%)として得た。1H-NMR (300 MHz, D2O, TMSからのppm):δ7.38 (bb, 1H), 6.56 (s, 2H), 4.26 (m, 2H), 3.75 (m, 1H), 3.32 (m, 3H), 2.66-1.16 (m, 18H), 0.97 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
【0127】
実施例41
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bo)
実施例1に記載のように、B-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(50mg, H. J. Ringold, J. Am. Chem. Soc. 1960, 961)および3-(2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(25mg)から出発して、調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEtOAcにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-boを白色固体(57mg, 87%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.40 (s, 2H), 4.06 (m, 2H), 3.04 (m, 2H), 2.88 (m, 0.5H), 2.81 (m, 0.5H), 2.44-0.80 (m, 23H), 0.90 (s, 3H), 0.77 (s, 3H)。
【0128】
実施例42
(E,Z)-3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bp)
実施例1に記載のように、B-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(50mg, H. J. Ringold, J. Am. Chem. Soc. 1960, 961)および3-(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、調製例17、58mg)から出発して、調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEt2Oにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-bpを白色固体(96mg、69%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.02 (bb, 2H), 4.71 (m, 12H), 3.40-3.05 (m, 4H), 2.81 (m, 0.5H), 2.75 (m, 0.5H), 2.45-0.82 (m,25), 0.91(s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0129】
実施例43
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-bq)
実施例1に記載のように、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-n、調製例12、210mg)および3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b、117mg)から出発し、収率49%で調製した。20時間後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 90/10/0.1)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-bqを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.42 (s, 2H), 4.58 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.23 (m, 0.5H), 2.89-1.0 (m, 22.5H), 2.47 (s, 3H), 0.92 (s, 1.5H), 0.91 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0130】
実施例44
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-br)
実施例1に記載のように、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-n、調製例12、210mg)および3(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、117mg)から出発し、収率51%で調製した。2時間後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 90/10/0.1)で精製した。濃縮画分に、MeOH中の化学量論的な量のフマル酸を加えた。Et2Oを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-brを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.44 (s, 2H), 4.74 (m, 1H), 4.62 (dd, 0.5H), 4.54 (dd, 0.5H), 3.40-1.00 (m, 25H), 0.92 (s, 1.5H)0.91 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0131】
実施例45
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bs)
実施例1に記載のように、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-s、調製例19、35mg)および3-(2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(17mg)から出発して、調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEtOAcにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-bsを白色固体(43mg、94%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.87 (bb, 3H), 4.08 (m, 2H), 3.78-3.40 (m, 3H), 3.18 (m, 0.5H), 3.04 (m, 2H), 2.94 (dd, 0.5H), 2.50-1.75 (m, 18H), 0.90 (s, 1.5H), 0.90 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0132】
実施例46
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩(I-bt)
実施例1に記載のように、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-t、調製例20、85mg)および3-(2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(41mg)から出発して、調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEtOAcにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-btを白色固体(80mg、72%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.83 (bb, 3H), 4.07 (m, 2H), 3.65-3.35 (m, 3H), 3.02 (m, 2H), 2.46-1.01 (m, 18H), 0.95 (s, 1.5H), 0.94 (s, 1.5H), 0.79 (s, 3H)。
【0133】
実施例47
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(Ibu)
実施例1に記載のように、6-アザアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-u、調製例21、147mg)および3-(2-アミノエトキシアミン二塩酸塩(72mg)から出発して、調製した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。粗生成物をEtOAcにより処理して沈殿物をろ過し、表題化合物I-buを白色固体(141mg、73%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.88 (bb, 3H), 7.46 (s, 0.5H), 7.37 (s, 0.5H), 4.09 (m, 3H), 3.17 (m, 0.5H), 3.04 (m, 3.5H), 2.40-1.00 (m, 16H), 0.90 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。
【0134】
実施例48
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩(I-bv)
実施例1に記載のように、6-アザアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-u、調製例21、55mg)および3(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c、32mg)から出発し、収率58%で調製した。2時間後、2M NaOHを加え、水相をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。残渣をMeOH中に溶解させ、MeOH中の化学量論量的な量のフマル酸を加えた。EtOAcを加えた後、沈殿物をろ過して表題化合物I-bvを白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.46 (s, 0.5H), 7.33 (s, 0.5H), 6.42 (s, 2H), 4.72 (m, 1H), 3.30-2.95 (m, 6H), 2.40-1.00 (m, 18H), 0.89 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。
【0135】
調製例1
6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a)
THF(92mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスタン-6-オン(4.5g)の攪拌溶液に、H2O(44.5mL)中のヒドロキシアミン塩酸塩(2.4g)、Na2HPO4・12H2O(12.33g)の溶液を速やかに滴加した。24時間後、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄してNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させ、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(4.65g、100%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ10.37 (s, 1H), 3.92-3.67 (m, 8H), 3.15 (bb, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.95-1.07 (m, 17H), 0.94 (s, 1H), 0.74 (s, 3H), 0.64 (s, 3H)。
【0136】
0℃のピリジン(115mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(7.2g)の攪拌溶液に、塩化トシル(10.15g)を加えた。室温で24時間置いた後、溶液を40℃で48時間加熱した。室温での冷却後、水(5.5ml)を加えた。48時間後、溶液をpH8になるまで5%水性NaHCO3を加えてクエンチした。溶液を蒸発させて水(180mL)を加え、水相をCH2Cl2(80mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/Et2O 90/10)で精製し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(6.56g、91%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.03 (bb, 1H), 3.93-3.69 (m, 8H), 3.47-3.37 (m, 1H), 2.32 (m, 1H), 1.98-1.10 (m, 17H), 0.76 (s, 3H), 0.72 (s, 3H)。
【0137】
アセトン(190mL)と水(19mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(2.42g)およびpTSA・H2O(5.67g)の溶液を、還流下で2時間攪拌した。溶液に5%水性NaHCO3を加えて中和し、アセトンを蒸発させた。水相をCH2Cl2(50mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。残渣をEtOAc/Et2O 40/60の混合物により処理して沈殿物をろ過し、表題化合物II-aを白色固体(1.50g、95%)として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.23 (bb, 1H), 3.86-3.73 (m, 1H), 2.64-1.04 (m, 19H), 0.92 (s, 3H), 0.80 (s, 3H)。
【0138】
調製例2
6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-b)
N2(40mL)雰囲気下にあるTHF中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(調製例1、1.00g)の攪拌溶液に、NaH(60%鉱油分散物、490mg)を加えた。1時間後、MeI(1.064mL)を加えた。室温で1時間半攪拌した後、混合物にH2O(30mL)を加えてクエンチし、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄してNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(1.00g, 97%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ3.95-3.70 (m, 9H), 2.76 (s, 3H), 2.50 (m, 1H), 2.14-2.00 (m, 2H), 1.94-1.08 (m, 15H), 1.04-0.92 (m, 1H), 0.79 (s, 3H), 0.75 (s, 3H)。
【0139】
6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-b)を、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7-オンから収率85%で調製した。合わせた有機抽出液をH2Oで洗浄してNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて表題化合物II-bを得た。1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.32(m, 1H), 3.04-2.93(m, 1H), 2.76(m, 1H), 2.73(s, 3H), 2.46-1.05(m, 17H), 0.83(s, 3H), 0.79(s, 3H)。
【0140】
調製例3
3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-c)および
3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-d)
N2雰囲気下、0℃のCH2Cl2(35mL)中の(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-ae)(430mg、35/65比)およびEt3N(301μL)の攪拌溶液に、9-フルオレニルメトキシカルボニル塩化物(301mg)を加えた。室温で一晩攪拌した後、水を加えて混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相を5%NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2; n-ヘキサン/EtOAc 70/30)で精製し、3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-c、205mg、33%)および3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-d、168mg、27%)を得た。II-c: 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.87 (bb, 2H), 7.67 (bb, 2H), 7.45-7.26 (m, 5H), 4.31-4.15 (m, 3H), 4.02-3.80 (m, 3H), 3.27-3.16 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.72-2.52 (m, 2H), 2.46-1.78 (m, 7H), 1.68-0.98 (m, 12H), 0.74 (s, 3H), 0.66 (s, 3H)。II-d: 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.88 (bb, 2H), 7.66 (bb, 2H), 7.45-7.27 (m, 5H), 4.34-4.15 (m, 3H), 4.02-3.78 (m, 3H), 3.21 (m, 2H), 2.92 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.76-2..35 (m, 3H), 2.82-1.00 (m, 17H), 0.78 (s, 3H), 0.77 (s, 3H)。
【0141】
調製例4
6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-3,17-ジオン(II-e)
トルエン(2mL)中の6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-a、調製例1、52mg)の攪拌溶液にローソン試薬(40mg)を加え、室温で3時間攪拌した。SiO2を加えて、混合物を蒸発乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン 65/35)で精製し、表題化合物II-e(48mg、88%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.72 (bb, 1H), 4.13 (m, 1H), 2.91-2.70 (m, 3H), 2.46-2.30 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.13-1.89 (m, 4H), 1.80-1.08 (m, 9H),0.93 (s, 3H), 0.81 (s, 3H)。
【0142】
調製例5
6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-f)
N2雰囲気下、THF(35mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(1.175g)の攪拌溶液に、LiAlH4(0.607mg)を室温で5分間かけて一部ずつ加え、混合物を還流下で1時間攪拌した。懸濁液を氷浴で冷却した後、H2O(0.6mL)および4N NaOH(0.6mL)を慎重に加えてクエンチした。混合物をセライトのパッドでろ過し、ろ過ケーキをTHF(10mL)で3回洗浄した。ろ液を鹹水で洗浄してNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 92/8/0.8)で精製し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン(880mg、77%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ3.87-3.07 (m, 8H), 2.84 (m, 1H), 2.64-2.51 (m, 2H), 1.91-0.99 (m, 19H),0.76 (s, 3H), 0.75 (s, 3H), 0.67 (m, 1H)。
【0143】
6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタンから収率95%で調製した。合わせた有機抽出液をH2Oで洗浄してNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて表題化合物II-fを得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ2.94-2.76 (m, 2H), 2.63 (m, 1H), 2.46-2.21 (m, 3H), 2.14-1.89 (m, 5H), 1.82-1.02 (m, 11H), 0.97 (s, 3H), 0.84 (m, 1H), 0.79 (s, 3H)。
【0144】
調製例6
6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-g)
CHCl3(3.9mL)中のギ酸の1M溶液を、0℃でCHCl3中のDCC(403mg)の溶液に滴加した。混合物をさらに5分間攪拌した後、氷冷したピリジン(2.9mL)中の6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-f、調製例5、300mg)の溶液に加えた。その後、混合物を氷浴で1時間攪拌した。溶媒が蒸発したらEtOAcを加え、ろ過して得た沈殿物をEtOAcで洗浄した。合わせた有機抽出液を蒸発乾固させて残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン 1/1)で精製し、表題化合物II-g(250mg、76%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.29 (s, 1H), 3.81-3.72 (m, 2H), 3.29 (m, 1H),2.93 (m, 1H), 2.47-0.97 (m, 18H), 0.97 (s,3H), 0.76 (s, 3H)。
【0145】
調製例7
6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-h)
3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタンを、上述した6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-3,17-ジオン(調製例4)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン(調製例5、567mg)から収率62%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2
ヘキサン/EtOAc 40/60)で精製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.55 (bb, 1H), 3.92-3.65 (m, 9H), 2.80-2.58 (m, 2H), 1.99-0.98 (m, 17H), 0.77 (s, 3H), 0.73 (s, 3H)。
【0146】
ピリジン(30mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン(600mg)の攪拌溶液に、ヒドロキシアミン塩酸塩(789mg)を加えた。60℃で48時間置いた後、溶液を冷却してpH8になるまで5%水性NaHCO3を加えてクエンチした。溶液を蒸発させた後、水(180mL)を加えて、水相をCH2Cl2(80mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/イソプロピルアルコール/MeOH 94/3/3)で精製し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(510mg、85%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.70 (s, 1H), 4.90 (bb, 1H), 3.94-3.68 (m, 8H), 2.12-1.07 (m, 19H), 0.86 (bb, 1H), 0.75 (s, 3H), 0.70 (s, 3H)。
【0147】
6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(2)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(461mg)から収率95%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/iPrOH 95/5)で精製し、表題化合物II-h(369mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.83 (s, 1H), 5.14 (bb, 1H), 3.67 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.48-1.90 (m, 9H), 1.81-1.02 (m, 9H), 0.91 (s, 3H), 0.73 (s, 3H)。
【0148】
調製例8
6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(II-i)
ピリジン(6.5mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン(調製例6)(240mg)の攪拌溶液に、メトキシアミン塩酸塩(380mg)を加えた。60℃で48時間、密閉容器(bomb)内に置いた後、溶液を冷却してpH8になるまで5%水性NaHCO3を加えてクエンチした。溶液を蒸発させた後、水(180mL)を加え、水相をCH2Cl2(80mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、アセトン/ヘキサン 50/50)で精製し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン(210mg、85%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.90 (bb, 1H), 3.96-3.65 (m, 8H), 3.57 (s, 3H), 2.12-1.10 (m, 19H), 0.94-0.80 (m, 1H), 0.75 (s, 3H), 0.70 (s, 3H)。
【0149】
6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン(210mg)から収率95%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/EtOAc 5/95)で精製し、表題化合物II-i(176mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ5.32 (bb, 1H), 3.69 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.73 (m, 1H), 2.47-1.90 (m, 8H), 1.81-0.99 (m, 10H), 0.90 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0150】
調製例9
7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-j)
ジオキサン(186mL)中の3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスト-5-エン-7-オン(5.99g)および10%のPd/C(0.599g)の混合物を、大気圧のH2雰囲気下で7時間攪拌した。混合物をセライトでろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/EtOAc 75/25)で精製した。生成物を、ヘキサン/Et2O 1/1により処理し、沈殿物をろ過して3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスタン-7-オン(4.06g、67%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ3.94-3.74 (m, 8H), 2.47 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 1.94-1.02 (m, 17H), 1.13 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。
【0151】
3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタンを、上述した3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスタン-7-オン(2.20g)から、定量的な収率で調製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ10.17 (s, 1H), 3.88-3.71 (m, 8H), 2.89 (bb, 1H), 2.23-2.05 (m, 2H), 1.89-0.97 (m, 16H), 0.90 (s, 3H), 0.80 (m, 1H), 0.77 (s, 3H)。
【0152】
7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(1.1g)から収率59%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/アセトン/ヘキサン 20/20/60)で精製し、7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(508mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO6 d6, TMSからのppm):δ10.37 (s, 1H), 3.00 (bb, 1H), 2.57-2.30 (m, 5H), 2.15-1.88 (m, 4H), 1.74-0.89 (m, 10H), 1.13 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。
【0153】
7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオンを、上述した3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(調製例1)の調製方法により、7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-3,17-ジオン(490mg)から収率79%で調製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.00 (bb, 1H), 3.62 (bb, 1H), 2.95-2.82 (m, 1H), 2.54-2.24 (m, 2H), 2.27-1.30 (m, 14H), 1.15 (s, 3H), 1.11 (m, 2H), 0.79 (s, 3H)。
【0154】
調製例10
7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-k)
3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンを、上述した3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン(調製例1)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7(E)-ヒドロキシイミノアンドロスタン(調製例9、640mg)から収率91%で調製した。粗生成物をヘキサン/Et2O 9/1により処理し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(583mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ6.74 (bb, 1H), 3.88-3.71 (m, 8H), 3.30 (m, 1H), 2.75-2.65 (m, 1H), 1.99-1.10 (m, 17H), 0.96 (m, 1H), 0.92 (s, 3H), 0.75 (s, 3H)。
【0155】
3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタンを、上述した3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン(調製例5)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(296mg)から、収率44%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン(125mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ3.90-3.60 (m, 8H), 2.74-2.57 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 1.93-1.08 (m, 19H), 0.85 (m, 1H), 0.80 (s, 3H), 0.75 (s, 3H)。
【0156】
7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(調製例5)の調製方法により、3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン(395mg)から収率42%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/26%NH4OH 93/7/0.7)で精製し、表題化合物II-k(128mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ2.80-2.60 (m, 2H), 2.45-2.24 (m, 3H), 2.15-1.16 (m, 16H), 1.15-0.93 (m, 2H), 1.05 (s, 3H), 0.79 (s, 3H)。
【0157】
調製例11
7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-l)
7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン 3,17-ジオン(調製例6)の調製方法により、7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-k、調製例10、55mg)から定量的収率で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン 60/40)で精製し、表題化合物II-l(60mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ8.13 (s, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.52-3.39 (m, 1H), 3.18 (m, 1H), 2.47-1.08 (m, 19H), 0.91 (s, 3H), 0.89 (s, 3H)。
【0158】
調製例12
7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオン(II-m)および
6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-n)
0℃のピリジン(10mL)中の6α-ヒドロキシアンドロスタン-3,17-ジオン(4.90g)の攪拌溶液に、DMAP(94mg)およびAc2O(4.55mL)を加えた。室温で一晩攪拌した後、溶液を蒸発させた。残渣を水で処理し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄してNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させて、6α-アセトキシアンドロスタン-3,17-ジオン(5.57g, 100%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.66 (m, 1H), 2.47-2.33 (m, 2H), 2.30-2.01 (m, 4H), 2.00 (s, 3H), 1.98-1.08 (m, 12H), 1.05 (s, 3H), 1.00 (m, 1H), 0.84 (m, 1H), 0.80 (s, 3H)。
【0159】
N2雰囲気下、0℃のMeOH(188mL)中の6α-アセトキシアンドロスタン-3,17-ジオン(5.57g)の攪拌溶液に、NaBH4(615mg)を15分かけて一部ずつ加えた。室温で1時間半攪拌した後、混合物にH2O(200mL)を慎重に加えてクエンチした。MeOHを蒸発させて濃縮した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/Et2O/アセトン 60/20/20)で精製し、6α-アセトキシアンドロスタン-3β,17β-ジオールおよび6α-アセトキシアンドロスタン-3α,17β-ジオール(90/10の混合比、5.30g、95%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.55(m, 1H), 4.49 (bb, 1H), 4.43 (bb, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 1.97 (s, 3H), 1.88-0.82 (m, 19H), 0.79 (s, 3H), 0.64 (m, 1H), 0.61 (s, 3H)。
【0160】
0℃のDMF(120mL)中の6α-アセトキシアンドロスタン-3β,17β-ジオールおよび6α-アセトキシアンドロスタン-3α,17β-ジオール(90/10の混合比、5.30g)の攪拌溶液に、イミダゾール(4.53g)およびtert-ブチルジメチルクロロシラン(5.02g)を加えた。室温で一晩攪拌した後、混合物にH2O(150mL)を加えてクエンチした。DMFを蒸発させて濃縮した溶液をEt2Oで抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/Et2O 95/5)で精製し、3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6α-アセトキシアンドロスタンおよび3α,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6α-アセトキシアンドロスタン(90/10の混合比、7.58g、87%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6/アセトン-d6, TMSからのppm):δ4.60(m, 1H), 3.59 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 1.95 (s, 3H), 1.93-0.88 (m, 20H), 0.85 (m, 20H), 0.68 (s, 3H), 0.68 (m, 1H), 0.03-0.00 (m, 12H)。
【0161】
MeOH/ジオキサン 1/4(100mL)中の3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6α-アセトキシアンドロスタンおよび3α,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6α-アセトキシアンドロスタン(90/10の混合比、7.58g)の攪拌溶液に、K2CO3(896mg)を加えた。40℃で72時間攪拌した後、混合物にH2Oを加えてクエンチした。有機溶媒を蒸発させて濃縮した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄してNa2SO4 で乾燥し、蒸発乾固させて3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6α-オールおよび3α,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6α-オール(90/10の混合比、6.30g、85%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.30 (bb, 1H), 3.55 (bb, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.05 (bb, 1H), 1.92-1.73 (m, 2H), 1.68-0.87 (m, 17H), 0.84 (s, 18H), 0.72 (s, 3H), 0.62 (s, 3H), 0.56 (m, 1H), 0.02 (s, 3H), 0.01 (s, 6H), 0.01 (s, 3H)。
【0162】
N2雰囲気下、CH2Cl2(60mL)中の3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6α-オールおよび3α,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6α-オール(90/10の混合比、6.30g)の溶液に、NMNO(4.07g)、TPAP(0.412g)および4Å分子篩(3.50g)を加えた。混合物を2時間攪拌した後、SiO2を加えた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン/Et2O 50/50)で精製し、3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、6.30g、100%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ3.68 (m, 1H), 3.67-3.57 (m, 1H), 2.38-2.30 (m, 1H), 2.20-2.12 (m, 1H), 1.99-1.05 (m, 18H), 0.90 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.75 (s, 3H), 0.74 (s, 3H), 0.07-0.03 (s, 12H)。
【0163】
0℃のCH2Cl2(10mL)中の3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、660mg)の攪拌溶液に、3-クロロ過安息香酸(約70%、1.20g)を15分かけて一部ずつ加えた。室温で72時間攪拌した後、混合物に5%のK2CO3水溶液(200mL)を慎重に加えてクエンチした。有機層をNa2SO3溶液、鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/EtOAc 13/1)で精製し、3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、101mg、14%)1H-NMR (300 MHz, アセトン-d6, TMSからのppm):δ4.21-4.09 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.69-3.57 (m, 1H), 3,64 (m, 1H), 3,10 (m, 1H), 2.02-1.02 (m, 17H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 3H), 0.77 (s, 3H), 0.06 (s, 6H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H)、および3β,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンおよび3α,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(90/10の混合比、203mg、28%)1H-NMR (300 MHz, アセトン-d6, TMSからのppm):δ4.48 (m, 1H), 3.72-3.60 (m, 1H), 3,65 (m, 1H), 2.64-2.53 (m, 1H), 2.34-2.25 (m, 1H), 2.602-1.00 (m, 17H), 0.90 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.76 (s, 3H), 0.07 (s, 6H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H) を得た。
【0164】
THF(15mL)中の3β,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、680mg)の攪拌溶液に、THF(7.40mL)中の1M TBAFの溶液を加えた。48時間後、混合物を5%Na2HPO4水溶液でクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出液をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/アセトン 80/20)で精製し、3β,17β-ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、390mg、98%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.56 (bb, 1H), 4.52 (bb, 1H), 4.14 (m, 1H), 3.83 (bb, 1H), 3.46-3.36 (m, 1H), 3.31 (m, 1H), 3.03 (m, 1H), 1.93-0.87 (m, 17H), 0.74 (s, 3H), 0.63 (s, 3H)。
【0165】
7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-アンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、調製例12)の調製方法により、3β,17β-ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、390mg)から収率84%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン80/20)で精製し、7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,6,17-トリオン(II-m、330mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.31 (bb, 1H), 4.05 (bb, 1H), 3.60 (m, 1H), 2.84 (bb,1H), 2.47-1.10 (m, 16H), 0.94 (s, 3H), 0.82 (s, 3H)。
【0166】
3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンおよび3α,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(90/10の混合比)を、上述した3β,17β-ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3β,17β-ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、調製例12)の調製方法により、3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンおよび3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(90/10の混合比、1.32g)から収率96%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン 60/40)で精製し、3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンおよび3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(90/10の混合比、740mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.72 (bb, 1H), 4.51 (bb, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.46-3.36 (m, 1H), 3.32 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 2.13 (m, 1H), 1.96-0.81 (m, 17H), 0.76 (s, 3H), 0.62 (s, 3H)。
【0167】
6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)-アンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、調製例12)の調製方法により、3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンおよび3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(90/10の混合比、620mg)から収率70%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン/CH2Cl2 50/25/25)で精製し、表題化合物II-n(440mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, アセトン-d6, TMSからのppm):δ4.81 (m, 1H), 2.87-2.67 (m, 2H), 2.57-2.40 (m, 4H), 2.33-2.22 (m, 1H), 2.17-1.21 (m, 12H), 01.15 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
【0168】
調製例13
7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-o)
3β,17β-ジヒドロキシアンドロスタン-7-オンを、上述した3,3:17,17-ビス(エチレンジオキシ)アンドロスタン-7-オン(調製例9)の調製方法により、3β,17β-ジヒドロキシアンドロスト-5-エン-7-オン(700mg)から収率96%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン/CH2Cl2 10/10/10)で精製し、3β,17β-ジヒドロキシアンドロスタン-7-オン(670mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.53 (bb, 1H), 4.44 (bb, 1H), 3.47-3.27 (m, 2H), 2.45-2.31 (m, 2H), 2.05-1.91 (m, 1H), 1.89- 0.78 (m, 17H), 0.99(s, 3H), 0.59 (s, 3H)。
【0169】
3β,17β-ジヒドロキシ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、調製例12)の調製方法により、3β,17β-ジヒドロキシアンドロスタン-7-オン(730mg)から収率86%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン/CH2Cl2 40/30/30)で精製し、3β,17β-ジヒドロキシ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(660mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.55 (bb, 2H), 4.40 (bb, 1H), 3.54-3.43 (m, 1H), 3.32 (m, 1H), 2.99 (m, 1H), 1.93-0.94 (m, 18H), 0.91(s, 3H), 0.61 (s, 3H)。
【0170】
7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtertブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オン(90/10の混合比、調製例12)の調製方法により、3α,17β-ジヒドロキシ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(300mg)から収率81%で調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/アセトン/CH2Cl2 50/25/25)で精製し、表題化合物II-o(240mg)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.73 (m, 1H), 3.16 (m, 1H), 2.47-2.27 (m, 3H), 2.13 (m, 1H), 2.08-1.33 (m, 13H), 1.22 (m, 1H), 1.16 (s, 3H), 0.80 (s, 3H)。
【0171】
調製例14
6-オキサ-5β-アンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-p)
60℃で激しく攪拌している、t-BuOH(385mL)と0.25M K2CO3水溶液(97.5mL)中の3β-ヒドロキシアンドロスト-5-エン-7,17-ジオンの攪拌溶液に、0.37M NaIO4水溶液(63.4mL)および0.05M KMnO4水溶液(7.3mL)を加えた。15分後、0.05M MnO4水溶液(5mL)を加え、次いで0.37M NaIO4水溶液(253.6mL)を30分かけて滴加した。5分後、0.05M KMnO4水溶液(3mL)を加えた。60℃で1時間30分置いた後、懸濁液を氷浴で冷却し、10%NaHSO3水溶液を慎重に加えてクエンチした。濃縮した水溶液にNaCl(100g)を加えた後、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出液をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥して蒸発乾固させ、3β-ヒドロキシ-5,17-ジオキソ-5,7-セコ-B-ノルアンドロスト-7-酸(4.16g、78%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm): δ12.17 (bb, 1H), 4.65 (bb, 1H), 4.17 (bb, 1H), 3.05 (bb, 1H), 2.44-2.13 (m, 3H), 2.13-1.18 (m, 10H), 0.90 (s, 3H), 0.76 (s, 3H)。
【0172】
トルエン(2.9mL)およびMeOH(4mL)中の3β-ヒドロキシ-5,17-ジオキソ-5,7-セコ-B-ノルアンドロスト-7-酸(200mg)の攪拌溶液に、ヘキサン(0.412mL)中の2M(トリメチルシリル)ジアゾメタンの溶液を、0℃で滴加した。2時間後、SiO2を加え、混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2 /MeOH 90/10)で精製し、メチル3β-ヒドロキシ-5,17-ジオキソ-5,7-セコ-B-ノルアンドロスト-7-オアート(180mg、88%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.66 (bb, 1H), 4.19 (bb, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.98 (m, 1H), 2.43-2.24 (m, 3H), 2.11-1.95 (m, 2H), 1.91-1.19 (m, 11H), 0.87 (s, 3H), 0.77 (s, 3H)。
【0173】
THF(9mL)中のメチル3β-ヒドロキシ-5,17-ジオキソ-5,7-セコ-B-ノルアンドロスト-7-オアート(900mg)の攪拌溶液に、N2雰囲気下0℃でNaBH4(306mg)を15分かけて一部ずつ加えた。室温で1時間半攪拌した後、混合物に酸性pHになるまで1N HClを慎重に加えてクエンチし、CH2Cl2/tBuOH 9/1で抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥して蒸発乾固させ、3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-5β-アンドロスタン-7-オン(800g、94%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.61 (bb, 1H), 4.49 (bb, 1H), 4.24 (bb, 1H), 3.57 (bb, 1H), 3.45 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 2.08-1.11 (m, 14H), 1.04 (m, 1H), 0.97-0.85 (m, 1H), 0.93 (s, 3H), 0.64 (s, 3H)。
【0174】
H2O(9mL)中のNaBrO3(664mg)の攪拌溶液に、RuO2二水和物(24mg)およびEtOAc(18mL)を加えた。10分後、3β,17β-ジヒドロキシ-6-オキサ-5β-アンドロスタン-7-オン(450mg)を加えた。室温で15分攪拌した後、混合物にi-PrOHを慎重に加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。粗生成物をヘキサン/Et2O 1/1により処理して沈殿物をろ過し、表題化合物II-p(360mg、80%)を得た。1H-NMR (300 MHz, アセトン-d6, TMSからのppm):δ4.61 (bb, 1H), 2.98-2.87 (m, 1H), 2.83-2.73 (m, 2H), 2.64-2.18 (m, 5H), 1.94-1.46 (m, 8H), 1.32-1.18 (m, 1H), 1.25 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
【0175】
調製例15
3-N-メチルアミノエトキシアミン二塩酸塩(III-a)
激しく攪拌している、DMSO(200mL)中の水酸化カリウム(19.7g)の懸濁液に、ベンゾフェノンオキシム(20.2g)を加えた。DMSO(40mL)中のN-メチル-2-クロロエチルアミン塩酸塩(5.2g)の溶液を滴加した。室温で2時間30分置いた後、反応物を氷/水(400mL)に注ぎ込み、37%HClでpH2.5まで酸性化し、Et2Oで洗浄した。水層を粉末状KOHでpH10まで処理してEt2Oで3回抽出し、合わせた有機層を水、鹹水で洗浄してNa2SO4で乾燥し、その溶媒を蒸発乾固させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:MeOH:AcOH 9:1:0.1から7:3:0.3)の精製物から、ベンゾフェノンO-(2-N-メチルアミノエチル)オキシム(4.65g、62%)を粘性油として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm): δ7.51-7.25 (10H, m), 4.13 (2H, t), 2.72 (2H, t), 2.26 (3H, s), 1.60 (1H, bb)。
【0176】
ベンゾフェノンO-(2-N-メチルアミノエチル)オキシム(4.65g)を6N HCl(24mL)中に懸濁し、混合物を2時間還流させた。反応物を冷却し、Et2Oで抽出した。水層を蒸発乾固させて、表題化合物III-a(1.78g、80%)を吸湿性の白色固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ10.5 (5H, bb), 4.26 (2H, t), 3.22 (2H, t), 2.55 (3H, s)。
【0177】
調製例16
3-N-メチルアミノプロポキシアミン二塩酸塩(III-b)
ベンゾフェノンO-(3-N-メチルアミノプロピル)オキシムを、上述したベンゾフェノンO-(2-N-メチルアミノエチル)オキシム(調製例15)の調製方法により、ベンゾフェノンオキシムおよびN-メチル-3-クロロプロピルアミン塩酸塩から収率62%で調製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ9.20 (2H, bb), 7.37 (10H, m), 4.14 (2H, t), 2.70 (2H, t), 2.36 (3H, s), 1.87 (2H, m), 1.83 (3H, s)。
【0178】
表題化合物III-bを、上述した2-N-メチルアミノエトキシアミン二塩酸塩(III-a、調製例15)の調製方法により、ベンゾフェノンO-(3-N-メチルアミノプロピル)オキシムから収率80%で調製した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ11.08 (3H, bb), 9.10 (2H, bb), 4.10 (2H, t), 2.91 (2H, m), 2.50 (3H, s), 1.96 (2H, m)。
【0179】
0℃のMeOH(150mL)中の(S)-3-ヒドロキシピロリジン塩酸塩(15.0g)およびトリエチルアミン(37.3mL)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(29.2g)を加えた。室温で3時間攪拌した後、溶媒を蒸発させた。残渣をCH2Cl2で希釈して水で洗浄し、有機相を蒸発乾固させてN-tertブトキシカルボニル-(S)-ピロリジノール(21.4g、収率95%)を得て、精製せずに次の工程で使用した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.87 (1H, d), 4.19 (1H, m), 3.30-3.00 (4H, m), 1.90-1.60 (2H, m), 1.37 (9H, s)。
【0180】
調製例17
3(R)-ピロリジニルオキシアミン二塩酸塩(III-c)
0℃のMeOH(150mL)中の(S)-3-ヒドロキシピロリジン塩酸塩(15.0g)およびトリエチルアミン(37.3mL)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(29.2g)を加えた。室温で3時間攪拌した後、溶媒を蒸発させた。残渣をCH2Cl2で希釈して水で洗浄し、有機相を蒸発乾固させてN-tertブトキシカルボニル-(S)-ピロリジノール(21.4g、収率95%)を得て、精製せずに次の工程で使用した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.87 (1H, d), 4.19 (1H, m), 3.30-3.00 (4H, m), 1.90-1.60 (2H, m), 1.37 (9H, s)。
【0181】
0℃のCH2Cl2(150mL)中のN-tert-ブトキシカルボニル-(S)-ピロリジノール(10.0g)およびトリエチルアミン(8.2mL)の溶液に、塩化メタンスルホニル(4.34mL)を加えた。室温で3時間攪拌した後、反応混合物を氷/水に注ぎ込み、CH2Cl2で抽出した。有機相を5%水性NaHCO3、水、鹹水で洗浄し、乾燥して蒸発乾固させて油を得、冷蔵庫で一晩保管して凝固させた。凝固させた油をEt2Oにより処理し、N-tert-ブトキシカルボニル-(S)-3-ピロリジニルメタンスルホン酸塩(13.0g、92%)を淡黄色の固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ5.23 (1H, m), 3.60-3.10 (4H, m), 3.23 (3H, s), 2.11 (2H, m), 1.39 (9H, s)。
【0182】
激しく攪拌している、DMSO(250mL)中のKOH粉末(4.86g)の懸濁液に、ベンゾフェノンオキシム(7.86g)を加えた。室温で30分攪拌した後、DMSO(70mL)中のN-tert-ブトキシカルボニル-(S)-3-ピロリジニルメタンスルホン酸塩(10g)の溶液を加えた。室温で18時間置いた後、反応物を氷水(900mL)に注ぎ込み、Et2Oで抽出した。合わせた有機層を水、鹹水で洗浄して乾燥し、その溶媒を蒸発させた。ベンゾフェノンO-[(R)-3-ピロリジニル]オキシム(13.0g、96%)を白色固体として得、精製せずに次の工程で使用した。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.50-7.20 (10H, m), 4.84 (1H, m), 3.50-3.00 (4H, m), 2.01 (2H, m), 1.38 (9H, s)。
【0183】
ベンゾフェノンO-[(R)-3-ピロリジニル]オキシム(13.0g)を6N HCl(250mL)中で懸濁し、混合物を2時間還流させた。冷却した後、反応物をEt2Oで抽出した。水層を蒸発させ、粗褐色固体を得、無水EtOH(255mL)中の活性炭0.34gで還流下で2時間処理した。蒸発させて得た固体を96%EtOH(40mL)で結晶化して、表題化合物III-c(2.98g、72%)をオフホワイトの固体として得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ11.22 (3H, bb), 9.74 (1H, bb), 9.54 (1H, bb), 4.98 (1H, m), 3.60-3.00 (4H, m), 2.40-2.00 (2H, m)。
【0184】
調製例18
3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-q)および
3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-r)
表題化合物の混合物を、上述した3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-c)および3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-メチル-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-d、調製例3)の調製方法により、(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩(I-aa、実施例1、1.24g)から調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/iPrOH/CH2Cl2 50/5/45)で精製し、3(Z)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-r、820mg、46%)および3(E)-[2-(9H-フルオレン-9-イルメチルカルボニル)-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン(II-q、830mg、47%)を得た。II-r: 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm): δ7.88 (m, 2H), 7.77 (m, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.37 (bb, 1H), 7.31 (m, 2H), 7.17 (bb, 2H), 4.10 (m, 3H), 3.93 (t, 2H), 3.35 (m, 1H), 3.22 (m, 2H), 3.06 (m, 1H), 2.50-0.70 (m, 18H), 0.78 (s, 3H), 0.76 (s, 3H)。II-q: 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.88 (m, 2H), 7.67 (m, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.34 (bb, 1H), 7.31 (m, 2H), 7.17 (bb, 1H), 4.25 (m, 3H), 3.93 (t, 2H), 3.39 (m, 1H), 3.21 (m, 3H), 2.85 (m, 1H), 2.50-0.80 (m, 18H), 0.79 (s, 3H), 0.75 (s, 3H)。
【0185】
調製例19
6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-s)
N2雰囲気下、0℃のTHF(14mL)中のLiAlH4(165mg)の攪拌懸濁液に、THF(14mL)中の3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-オン(調製例12、240mg)およびBF3・Et2O(1.96mL)の溶液を滴加し、45分後、混合物を1時間還流させた。懸濁液を氷浴で冷却した後、THF/H2O 1/1溶液、次いで2N HClを慎重に加えてクエンチした。混合物をEt2Oで3回抽出し、その後CH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出液を5%水性NaHCO3で洗浄してNa2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/CH2Cl2/アセトン 1/1/1)で精製し、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3β,17β-ジオール(50mg、25%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.51 (d, 1H), 4.30 (d, 1H), 3.70-3.20 (m, 5H), 1.87-0.60 (m, 19H), 0.76 (s, 3H), 0.62 (s, 3H)。
【0186】
6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オン(調製例12)の調製方法により、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオールから調製した。混合物を2時間攪拌した後、SiO2を加えた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/アセトン 85/15)で精製し、6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(35%)を得た。1H-NMR (300 MHz, アセトン-d6, TMSからのppm):δ3.90-3.50 (m, 3H), 2.06-0.90 (m, 19H), 1.11 (s, 3H), 0.88 (s, 3H)。
【0187】
調製例20
7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(II-t)
7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3β,17β-ジオールを、上述した6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3β,17β-ジオール(調製例19)の調製方法により、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,7,17-トリオン(調製例13)から調製した。混合物を2時間攪拌した後、SiO2を加えた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/アセトン/CH2Cl2 1/1/1)で精製し、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオール(65%)を得た。1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ4.45 (d, 1H), 4.41 (d, 1H), 3.57-3.01 (m, 5H), 1.90-0.75 (m, 19H), 0.79 (s, 3H), 0.60 (s, 3H)。
【0188】
7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオンを、上述した6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオン(調製例19)の調製方法により、7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-3,17-ジオールから調製した。混合物を2時間攪拌した後、SiO2を加えた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/アセトン/CH2Cl2 70/15/15)で精製し、表題化合物II-t(85%)を得た。1H-NMR (300 MHz, アセトンd6, TMSからのppm):δ3.75-3.50 (m, 3H), 2.15-1.15 (m, 19H), 1.18 (s, 3H), 0.87 (s, 3H)。
【0189】
調製例21
6-アザアンドロスタン-3,7,17-トリオン(II-u)
3β-ヒドロキシ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオンを、上述した3β,17β-ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジヒドロキシ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6-オン(調製例12)の調製方法により、3β-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン(Heterocycles, 38(1994)5, 1053-1060)から調製した。混合物を2時間攪拌した後、SiO2を加えた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/EtOH/CH2Cl2 50/10/40)で精製し、3β-ヒドロキシ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン(83%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.25 (s, 1H), 446 (d, 1H), 3.39 (m, 1H), 2.91 (dd, 1H), 2.40-0.90 (m, 17H), 0.80 (s, 3H), 0.78 (s, 3H)。
【0190】
6-アザアンドロスタン-3,7,17-トリオンを、上述した3β,17β-ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オンおよび3α,17β−ジ(ジメチルtert-ブチルシリルオキシ)アンドロスタン-6-オン(調製例12)の調製方法により、3β-ヒドロキシ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオンから調製した。混合物を35分攪拌した後、SiO2を加えて蒸発乾固させた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、アセトン/トルエン 1/1)で精製し、6-アザアンドロスタン-3,7,17-トリオン(75%)を得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, TMSからのppm):δ7.34 (s, 1H), 3.31 (dd, 1H), 2.57-1.07 (m, 17H), 0.99 (s, 3H), 0.83 (s, 3H)。
【0191】
生物学的研究および結果
本発明の化合物はNa+,K+-ATPアーゼに対して親和性を示し、その酵素活性を阻害するものである。活性の阻害を評価するために、Jorghensen(Jorghensen P., BBA, 1974, 356, 36)およびErdmann(Erdmann E.他, Arzneim.Forsh., 1984, 34, 1314)に従ってNa+,K+-ATPアーゼを精製し、阻害作用を試験化合物が存在する場合および存在しない場合の32P-ATPの加水分解の割合(%)として測定した(Mall F.他., Biochem. Pharmacol., 1984, 33, 47; 表1参照)。既にS. De Munari他により、J. Med. Chem. 2003, 46(17), 3644-3654に記載されている化合物22b((EZ)3-(2-アミノエトキシイミノ)アンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩)を参照化合物として報告する。
【0192】
【表1】

【0193】
これら化合物の血圧降下能は、遺伝性の動脈性高血圧の動物モデル、具体的には、Milan高血圧自然発生ラット(MHS)(「Handbook of hypertension(高血圧ハンドブック)」第4巻:「Experimental and genetic models of hypertension(高血圧の実験的および遺伝性モデル)」W. de jong編-Elsevier Science Publishers B.V., 1984: 328-349のBianchi G., Ferrari P., Barber B.「The Milan Hypertensive strain(ミラン高血圧系)」)およびウアバインを慢性的に注入して高血圧の状態にしたラットを用いて、Ferrari P.,他 J. Pharm. Exp. Ther. 1998, 285, 83-94に従って評価した。
【0194】
前記モデルにおける化合物の血圧降下作用の評価に採用した方法は以下の通りである:収縮期血圧(SBP)および心拍数(HR)を、間接テール−カフ法で測定した。
【0195】
MHS モデルにおける化合物の評価のために、生後1カ月の高血圧ラット(MHS)を、それぞれ少なくとも7匹ずつの2つのグループに分け、一方には化合物を与え、もう一方の対照群には媒体だけを与えた。メトセル(Methocel)0.5%(w/v)に懸濁した化合物を、5週間に渡って毎日経口投与した。収縮期血圧および心拍数は、毎週処置後6時間の時点で測定した。
【0196】
本発明の化合物は、S. De Munari他による、J. Med. Chem. 2003, 46(17), 3644-3654に記載の化合物22b((EZ)3-(2-アミノエトキシイミノ)アンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩)と比較して、より高い力価と効果を有する。高血圧自然発生MHSラットの血圧降下における参照化合物22bと新規化合物の活性を次表に示し、5週間の処置期間終了時の収縮期血圧の減少(mmHgとパーセンテージの両方の減少として表す)および心拍数の変動(分毎の心拍数)として、媒体だけを与えた対照群と比較して表す。
【0197】
【表3】

【0198】
ウアバイン感受性の高血圧ラットにおける血圧降下作用に関するさらなる実験として、メトセル0.5%(w/v)に懸濁した化合物を、1日10μg/kgで4週間に渡り毎日経口投与した。収縮期血圧および心拍数を、毎週処置後6時間の時点で測定した。
【0199】
【表4】

【0200】
さらに本発明の化合物は、Cerri他(Cerri A.他., J. Med. Chem. 2000, 43, 2332)に従った、麻酔下のモルモットへの遅い速度での静脈内注入により示される陽性変力作用を有し、標準の強心ステロイド(例えば、ジゴキシン)に比べて毒性が低い。本発明の化合物は、S. De Munari他による、J. Med. Chem. 2003, 46(17), 3644-3654に記載の化合物22b((EZ)3-(2-アミノエトキシイミノ)アンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩)を凌ぐ高い力価および/または治療可能比および/または長い作用時間を有する。
【0201】
上述の試験における化合物I-baおよびI-bkの活性を、次表2に示す。変力作用を次のように示す:収縮力の最大増加率(+dP/dTmaxとして測定したEmax)、最大の陽性変力作用を誘発する投与量(EDmax)、変力力価(ED80、+dP/dTmaxを80%まで増加させる投与量);致死量と変力力価の比から得た毒性(死亡した動物において算出);生存動物に注入した最大投与量;注入終了後20分の時点で測定したEDmaxからの効果の減少としての変力作用の持続時間。
【0202】
【表2】

【0203】
表2から分かるように、化合物I-baおよびI-bk は、ジゴキシンおよび化合物22bと比較して、より高い安全性を持つ陽性変力作用を示す。実際は、死亡した動物がいなかったため、致死量/ED80比を決定することはできなかった。さらにI-baおよびI-bk は、注入を中止した後の変力作用の持続性が示すように、持続性作用を有する。I-baおよびI-bkのより多い投与量に関しては、収縮力の最大増加率がジゴキシンと化合物22bを上回ったため、試験しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)を有する化合物:
【化1】


[式中、
Aは、
【化2】

から選択される2価の基であり、ここで、
【化3】

は、アンドロスタン骨格の5位または8位にA基を連結するαまたはβ単結合を表し;
Bは酸素またはNR4を表し;
R3はHまたはC1-C6アルキル基を表し;
Xは酸素、硫黄またはNOR5を表し;
Aが
【化4】

であり、BがNR4である場合、R4はH、C1-C6アルキル基、またはホルミルを表し;
R5はHまたはC1-C6アルキル基を表し;
アンドロスタン骨格の17位の結合
【化5】

が単結合の場合、R1はH、C1-C6アルキル基またはC2-C6アシル基を表し;または、
17位の結合
【化6】

が二重結合を表す場合、R1は存在せず;
R2はDNR6R7であるか、または
【化7】

であり、D基またはZ基は酸素原子と連結し;
Dは、C2-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたはC3-C6シクロアルキレンであり、必要に応じてフェニル環を含有し;
R6およびR7は互いに同一または異なって、H、C1-C6アルキル、フェニル-C1-C4アルキルを表し、またはR6が水素である場合;または
R7はC(=NR9)NHR10を表し;または
R6およびR7は、それらが連結する窒素原子と一緒になって、必要に応じて酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される別のヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の置換または非置換モノ4、5もしくは6員複素環を形成し;R6およびR7は、必要に応じて1以上のヒドロキシ、メトキシ、エトキシ基で置換され;
R8は、H、必要に応じて1以上のヒドロキシ、メトキシ、エトキシで置換されたC1-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキル、またはC(=NR9)NHR10を表し;
R9およびR10は互いに同一または異なって、H、C1-C6直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し;または
R9およびR10は、窒素原子およびグアニジン炭素原子と一緒になって、必要に応じて酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される別のヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の置換または非置換モノ5もしく6員複素環を形成し;
Zは、C1-C4直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたは単結合を表し;
Yは、CH2、酸素、硫黄またはNR11を表し;
R11は、H、C1-C6アルキル基を表し;
nは、0、1、2または3の数字を表し;
mは、0、1、2または3の数字を表し;
17位の
【化8】

は、独立して単結合または二重結合であり、17位の環外単結合である場合、αまたはβ単結合を表す]。
【請求項2】
Aが
【化9】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R6およびR7が互いに同一または異なって、HおよびC1-C6アルキルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
以下からなる群から選択される、上記いずれかの請求項に記載の化合物:
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-チオキソアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン二塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-6-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-ヒドロキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
3-(E,Z)-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザ-7a-ホモ-7-(Z)-メトキシイミノアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホモアンドロスタン-17-オンジフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-アザ-7a-ホルミル-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-6,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7-17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-5β-アンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-B-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-(3-N-メチルアミノプロポキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩;
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)-3-(2-アミノエトキシイミノ)-7a-オキサ-7a-ホモアンドロスタン-17-オン塩酸塩;
(E,Z)3-(2-アミノエトキシイミノ)-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオン塩酸塩;および
(E,Z)3-[3-(R)-ピロリジニル]オキシイミノ-6-アザアンドロスタン-7,17-ジオンフマル酸塩。
【請求項5】
極性溶媒中、0℃から還流温度までの範囲内の温度にて、一般式(II)の化合物
【化10】

II
[式中、A、R1および
【化11】

は請求項1に規定の意味である]を、一般式(III)の化合物
R2ONH2 (III)
[式中、R2は請求項1に規定の意味である]と反応させる工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の調製法。
【請求項6】
医薬を調製するための、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項7】
医薬が心臓血管系疾患の処置に有用である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
心臓血管系疾患が心不全および/または高血圧である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
内因性ウアバインの血圧上昇作用に起因する疾患を処置するための医薬を調製するための、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
内因性ウアバインの血圧上昇作用に起因する疾患が、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、子癇前症性高血圧および蛋白尿症における腎不全の進行、およびアデューシン多型の患者における腎不全の進行を含む、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
血圧上昇剤としての、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1または4に記載の1以上の化合物を、賦形剤および/または薬理学的に許容可能な希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれかに記載の1以上の化合物を、適切な賦形剤、安定剤および/または製薬的に許容可能な希釈剤と混合することを含む、請求項12に記載の医薬組成物の調製法。
【請求項14】
心臓血管系疾患に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、治療上有効量の請求項1〜4のいずれかに記載の1以上の化合物を投与することを含む方法。
【請求項15】
内因性ウアバインの血圧上昇作用に起因する疾患に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、治療上有効量の請求項1〜4のいずれかに記載の1以上の化合物を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−541410(P2009−541410A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517074(P2009−517074)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055366
【国際公開番号】WO2007/147713
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】