説明

B7−H3と反応性のある抗体、その免疫学的に活性なフラグメントおよびその使用

本発明は、哺乳類、より詳しくは、ヒトB7−H3受容体と免疫反応性のある抗体およびそれらのフラグメント、ならびに特に癌および炎症の治療におけるそれらの使用に関する。よって、本発明は特に、様々なヒト癌に関連する癌細胞に対する免疫系の活性化を媒介し得る、より好ましくは増強し得る、ヒト化B7−H3反応性抗体およびそれらの免疫反応性フラグメントに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
B7−H3の細胞外ドメインと特異的に結合する可変ドメインを含み、該B7−H3との結合に関して抗体:BRCA69D、BRCA84DまたはPRCA157のいずれかと競合する単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項2】
(A)BRCA69Dの軽鎖のCDR1(配列番号21)、CDR2(配列番号23)およびCDR3(配列番号25)と、BRCA69Dの重鎖のCDR1(配列番号29)、CDR2(配列番号31)およびCDR3(配列番号33);
(B)BRCA84Dの軽鎖のCDR1(配列番号5)、CDR2(配列番号7)およびCDR3(配列番号9)と、BRCA84Dの重鎖のCDR1(配列番号13)、CDR2(配列番号15)およびCDR3(配列番号17);または
(C)PRCA157の軽鎖のCDR1(配列番号37)、CDR2(配列番号39)およびCDR3(配列番号41)と、PRCA157の重鎖のCDR1(配列番号45)、CDR2(配列番号47)およびCDR3(配列番号49)
を含む可変ドメインを含む、請求項1に記載の単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項3】
癌細胞の表面で内因的に発現されたB7−H3と結合する、請求項1又は2に記載の単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項4】
癌細胞の表面で発現されたB7−H3と結合した際に内部移行を受けるB7−H3と結合する、請求項1又は2に記載の単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項5】
ヒト化モノクローナル抗体である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項6】
変異型ヒトIgG1 Fc領域を含む改変抗体であり、前記変異型ヒトIgG1 Fc領域が前記抗体の親のFc領域に関して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記アミノ酸改変が、FcγRとの結合に関する該変異型Fc領域の親和性または結合力を変更するアミノ酸改変を含み、その結果、前記改変抗体が前記親抗体に関してエフェクター機能の増強を示す、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項7】
前記Fc領域改変が、
(A)
(1)F243L;
(2)D270E;
(3)R292P;
(4)S298N;
(5)Y300L;
(6)V305I;
(7)A330V;および
(8)P396L
からなる群から選択される少なくとも1つの置換;
(B)
(1)F243LとP396L;
(2)F243LとR292P;および
(3)R292PとV305I
からなる群から選択される少なくとも1つの、2つのアミノ酸残基の置換;
(C)
(1)F243LとR292PとY300L;
(2)F243LとR292PとV305I;
(3)F243LとR292PとP396L;および
(4)R292PとV305IとP396L
からなる群から選択される少なくとも1つの、3つのアミノ酸残基の置換;
(D)
(1)F243LとR292PとY300LとP396L;および
(2)F243LとR292PとV305IとP396L
からなる群から選択される少なくとも1つの、4つのアミノ酸残基の置換;または
(E)少なくとも、5つのアミノ酸残基:F243LとR292PとY300LとV305IとP396の置換
を含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
(A)F243LとR292PとY300L;
(B)L235VとF243LとR292PとY300LとP396L;または
(C)F243LとR292PとY300LとV305IとP396L
の置換を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
(A)BRCA84Dの軽鎖のCDR1(配列番号5)、CDR2(配列番号7)およびCDR3(配列番号9)と、BRCA84Dの重鎖のCDR1(配列番号13)、CDR2(配列番号15)およびCDR3(配列番号17)とを含む可変ドメイン、ならびに
(B)置換:L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lを含むFc領域改変
を含む、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
キメラ抗体である、請求項9に記載の抗体。
【請求項11】
ヒト化抗体である、請求項9に記載の抗体。
【請求項12】
(A)hBRCA84D−2 VLの前記アミノ酸配列(配列番号89)を有する可変軽鎖と、
(B)hBRCA84D−2 VHの前記アミノ酸配列(配列番号99)を有する可変重鎖と、
(C)置換:L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lを有するFc領域
とを含む、請求項1に記載の単離された抗体、またはその免疫反応性フラグメント。
【請求項13】
B7−H3の細胞外ドメインと特異的に結合し、前記B7−H3との結合に関して抗体:BRCA69D、BRCA84DまたはPRCA157のいずれかと競合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ。
【請求項14】
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の前記単離された抗体、または請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記免疫反応性フラグメントをコードする核酸分子。
【請求項15】
(A)B7−H3との結合に特異的な免疫グロブリンVLエピトープ結合ドメイン、およびB7−H3以外の分子との結合に特異的なVHエピトープ結合ドメインを含む、ポリペプチド鎖Iと、
(B)B7−H3との結合に特異的な免疫グロブリンVHエピトープ結合ドメイン、および前記B7−H3以外の分子との結合に特異的なVLエピトープ結合ドメインを含む、ポリペプチド鎖II
とを含み、前記ポリペプチド鎖IとIIがともに会合して、B7−H3および前記B7−H3以外の分子と結合可能な機能的エピトープ結合ドメインを形成する、二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項16】
前記DART(商標)が結合し得る前記B7−H3以外の分子がハプテンである、請求項15に記載の二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項17】
前記ハプテンがフルオレセインイソチオシアネートである、請求項16に記載の二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項18】
前記DART(商標)が結合し得る前記B7−H3以外の分子がT細胞受容体またはNKG2D受容体である、請求項15に記載の二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項19】
前記DART(商標)が結合し得る前記B7−H3以外の分子が腫瘍関連抗原である、請求項15に記載の二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項20】
前記腫瘍関連抗原がA33;ADAM−9;ALCAM;BAGE;β−カテニン;CA125;カルボキシペプチダーゼM;CD103;CD19;CD20;CD22;CD23;CD25;CD27;CD28;CD36;CD40/CD154;CD45;CD46;CD5;CD56;CD79a/CD79b;CDK4;CEA;CTLA4;サイトケラチン8;EGF−R;EphA2;ErbB1;ErbB3;ErbB4;GAGE−1;GAGE−2;GD2/GD3/GM2;gp100;HER−2/neu;ヒト乳頭腫ウイルス−E6;ヒト乳頭腫ウイルス−E7;インテグリンα−V−Β−6;JAM−3;KID3;KID31;KSA(17−1A);LUCA−2;MAGE−1;MAGE−3;MART;MUC−1;MUM−1;N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ;オンコスタチンM;p15;PIPA;PSA;PSMA;ROR1;sTn;TNF−β受容体;TNF−α受容体;TNF−γ受容体;トランスフェリン受容体;およびVEGF受容体からなる群から選択される、請求項19に記載の二重親和性再標的化試薬(DART(商標))。
【請求項21】
請求項15ないし20のいずれか一項に記載の前記二重親和性再標的化試薬(DART(商標))のポリペプチド鎖をコードする核酸分子。
【請求項22】
(i)治療上有効な量の請求項1〜12のいずれか一項に記載の前記単離された抗体、または請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記免疫反応性フラグメント、または請求項15〜20のいずれか一項に記載の前記二重親和性再標的化試薬(DART(商標))と、(ii)薬学上許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項23】
前記抗体が、
(A)BRCA84Dの軽鎖のCDR1(配列番号5)、CDR2(配列番号7)およびCDR3(配列番号9)と、BRCA84Dの重鎖のCDR1(配列番号13)、CDR2(配列番号15)およびCDR3(配列番号17)とを含む可変ドメイン、ならびに
(B)置換:L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lを含むFc領域改変
を含むヒト化抗体である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記抗体が、
(A)hBRCA84D−2 VLの前記アミノ酸配列(配列番号89)を有する可変軽鎖と、
(B)hBRCA84D−2 VHの前記アミノ酸配列(配列番号99)を有する可変重鎖と、
(C)置換:L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lを有するFc領域
とを含むヒト化抗体である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
1種以上の付加的抗癌薬をさらに含む、請求項22ないし24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記付加的抗癌薬が化学療法薬、放射線療法薬、ホルモン療法薬、毒素または免疫療法薬である、請求項22ないし24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記付加的抗癌薬がタキサン、メイタンシノイド、オーリスタチン、カリケアマイシン、アントラサイクリン、CC−1065類似体、ドセタキセル、カテプシン、リシン、ゲロニン、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、RNアーゼおよび有毒放射性同位元素からなる群から選択される毒素である、請求項22ないし24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
癌の診断における請求項1ないし12のいずれか一項に記載の前記単離された抗体、または請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記免疫反応性フラグメント、または請求項15〜20のいずれか一項に記載の前記二重親和性再標的化試薬(DART(商標))の使用であって、前記単離された抗体、免疫反応性フラグメントまたはDART(商標)が検出可能に標識されている、使用。
【請求項29】
前記癌が、副腎腫瘍、AIDS関連癌、胞状軟部肉腫、星状細胞系腫瘍、膀胱癌、骨癌、脳および脊髄癌、転移性脳腫瘍、乳癌、頚動脈小体腫瘍、子宮頚癌、軟骨肉腫、脊索腫、嫌色素性腎細胞癌、明細胞癌腫、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚良性線維性組織球腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、脳室上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、骨外性粘液性軟骨肉腫、線維形成不全骨、線維性骨形成異常、胆嚢または胆管癌、胃癌、妊娠性絨毛性疾患、生殖細胞腫瘍、頭頚部癌、肝細胞癌、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓癌、白血病、脂肪腫/良性脂肪性腫瘍、脂肪肉腫/悪性脂肪性腫瘍、肝臓癌、リンパ腫、肺癌、髄芽細胞腫、黒色腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、神経芽腫、神経内分泌腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺乳頭癌、副甲状腺腫瘍、小児癌、末梢神経鞘腫瘍、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、前立腺癌、後部ブドウ膜黒色腫、稀な血液疾患、転移性腎臓癌、ラブドイド腫瘍、横紋筋肉腫、肉腫、皮膚癌、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、胸腺腫、転移性甲状腺癌および子宮癌の細胞からなる群から選択される癌細胞の存在を特徴とする、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
患者の癌治療のための薬剤の製造における、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の前記単離された抗体、または請求項1ないし5のいずれか一項に記載の前記免疫反応性フラグメント、または請求項15ないし20のいずれか一項に記載の前記二重親和性再標的化試薬(DART(商標))、または請求項22ないし27のいずれか一項に記載の前記医薬組成物の使用。
【請求項31】
前記癌が、副腎腫瘍、AIDS関連癌、胞状軟部肉腫、星状細胞系腫瘍、膀胱癌、骨癌、脳および脊髄癌、転移性脳腫瘍、乳癌、頚動脈小体腫瘍、子宮頚癌、軟骨肉腫、脊索腫、嫌色素性腎細胞癌、明細胞癌腫、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚良性線維性組織球腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、脳室上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、骨外性粘液性軟骨肉腫、線維形成不全骨、線維性骨形成異常、胆嚢または胆管癌、胃癌、妊娠性絨毛性疾患、生殖細胞腫瘍、頭頚部癌、肝細胞性癌腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓癌、白血病、脂肪腫/良性脂肪性腫瘍、脂肪肉腫/悪性脂肪性腫瘍、肝臓癌、リンパ腫、肺癌、髄芽細胞腫、黒色腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、神経芽腫、神経内分泌腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺乳頭癌、副甲状腺腫瘍、小児癌、末梢神経鞘腫瘍、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、前立腺癌、後部ブドウ膜黒色腫、稀な血液疾患、転移性腎臓癌、ラブドイド腫瘍、横紋筋肉腫、肉腫、皮膚癌、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、胸腺腫、転移性甲状腺癌および子宮癌の細胞からなる群から選択される癌細胞の存在を特徴とする、請求項29ないし30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法および手術からなる群から選択される1以上の付加的癌療法の投与をさらに含む、請求項29ないし31のいずれか一項に記載の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図5R】
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【図5S】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34】
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【公表番号】特表2013−520994(P2013−520994A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556173(P2012−556173)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2011/026689
【国際公開番号】WO2011/109400
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】