説明

BACE阻害薬としてのイミノチアジアジンジオキシド化合物、組成物およびその使用

多くの実施形態において、本発明は、特定のイミノチアジアジンジオキシド化合物、例えば、式(I):(I)の化合物を提供し、その立体異性体、および前記化合物 立体異性体の薬学的に許容され得る塩を包含し、式中、R、R、R、R、R、R、環A、環B、m、n、p、−L−、L−およびL−は各々、独立して選択され、本明細書において定義したとおりである。本発明の新規なイミノチアジアジンジオキシド化合物は、驚くべきことに、BACE阻害薬として、および/またはβ−アミロイド(Aβ)生成に関連している種々の病態の処置および予防に好都合となることが予測される特性を示すことがわかった。また、1種類以上のかかる化合物を(単独で、および1種類以上の他の活性薬剤との組合せで)含む医薬組成物、ならびにその調製方法およびアミロイドβ(Aβ)タンパク質と関連している病態(例えば、アルツハイマー病)の処置における使用も開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】

(式中、
−L−は、結合を表すか、または−アルキル−、−ハロアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルケニル−、および−アルキニル−からなる群から選択される二価の部分を表し;
−L−は、結合を表すか、または−アルキル−、−ハロアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルケニル−、および−アルキニル−からなる群から選択される二価の部分を表し;
各−L−は、独立して、結合を表すか、または独立して−アルキル−、−ハロアルキル−、−ヘテロアルキル−、−アルケニル−、−アルキニル−、−N(R)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHS(O)−、−S(O)NH−、−O−アルキル−、−アルキル−O−、−N(R)−アルキル−、−アルキル−N(R)−、−ハロアルキル−NH−、および−NH−ハロアルキル−からなる群から選択される二価の部分を表し;
m、nおよびpは各々、独立して、整数から選択され、ここで:
mは、0以上であり;
nは、0以上であり;
pは、0以上であり、
このとき、mとnの和の最大値は、環A上の利用可能な置換可能な水素原子の最大数であり、pの最大値は、環B上の利用可能な置換可能な水素原子の最大数であり;
は、H、アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル−、アリール、アリールアルキル−、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択され、
の前記アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル−、アリール、アリールアルキル−、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル−は各々、非置換であるか、または1つ以上の独立して選択されるR10基で置換されており;
は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、およびヘテロアルキルからなる群から選択され、Rの前記アルキルおよび前記ハロアルキルは各々、非置換であるか、または1つ以上の独立して選択されるR10基で置換されており;
は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、およびヘテロアルキルからなる群から選択され、Rの前記アルキルおよび前記ハロアルキルは各々、非置換であるか、または1つ以上の独立して選択されるR10基で置換されており;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルケニルからなる群から選択され、
の前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルケニルは各々、非置換であるか、または1つ以上の独立して選択されるR10基で置換されており;
環Aは、単環式アリール、単環式ヘテロアリール、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式ヘテロシクロアルキル、単環式ヘテロシクロアルケニル、および多環式基からなる群から選択され;
各環B(存在する場合)は、独立して、単環式アリール、単環式ヘテロアリール、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式ヘテロシクロアルキル、単環式ヘテロシクロアルケニル、および多環式基からなる群から選択され;
各R(存在する場合)は、独立して、ハロ、−CN、−SF、−OSF、−NO、−Si(R、−P(O)(OR、−P(O)(OR)(R)、−N(R、−NRC(O)R、−NRS(O)、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、−C(O)R、−C(O)、−C(O)N(R、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−OR、−SR、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、
(存在する場合)の前記アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは各々、独立して、非置換であってもよく、または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級へテロアルキル、ハロ、−CN、−SF、−OSF、−NO、−N(R、−OR、−C(O)N(Rおよびシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の独立して選択される基でさらに置換されていてもよく;
各R(存在する場合)は、独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル−、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択され;
各R(存在する場合)は、独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキル−からなる群から選択され;
各R(存在する場合)は、独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アリール、アリールアルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキル−からなる群から選択され;
各R(存在する場合)は、独立して、ハロゲン、−CN、−SF、−OSF、−NO、−Si(R、−P(O)(OR、−P(O)(OR)(R)、−N(R、−NRC(O)R、−NRS(O)、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、−C(O)R、−C(O)、−C(O)N(R、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−OR、−SR、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル−、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、およびヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
各R10(存在する場合)は、独立して、ハロ、−CN、−NO、−Si(R、−P(O)(OR、−P(O)(OR)(R)、−N(R、−NRC(O)R、−NRS(O)、−NRC(O)N(R、−NRC(O)OR、−C(O)R、−C(O)、−C(O)N(R、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−OR、−SR、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、
10(存在する場合)の前記アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、およびシクロアルキルは各々、独立して、非置換であってもよく、または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級へテロアルキル、ハロ、−CN、−NO、−N(R、−OR、および−C(O)N(Rからなる群から選択される1つ以上の独立して選択される基でさらに置換されていてもよい)
を有する化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
が、H、低級アルキルおよびシクロプロピルからなる群から選択される、
請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
がHである、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
が、H、アルキル、ハロアルキル、およびヘテロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
構造式(II):
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
環Aが、フェニル、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、およびチエノピラゾリルからなる群から選択され;
mが、0以上であり;
各R基(存在する場合)が、独立して、ハロゲン、−CN、−SF、−N(R、−OR、−SR、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級へテロアルキル、低級アルキニル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
nが1であり;
−L−が、結合を表すか、または−NHC(O)−および−C(O)NH−からなる群から選択される二価の部分を表し;
環Bが、フェニル、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、インドリル、ピロロピリジル、およびピロロピリミジニルからなる群から選択され;
pが、0以上であり;
各R基(存在する場合)が、独立して、ハロゲン、−CN、−SF、−N(R、−OR、−SR、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級へテロアルキル、低級アルキニル、フェニル、ベンジル、およびシクロアルキルからなる群から選択される、
請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
nが0であり;
mが1以上であり;
−L−が、結合、−CH−、または−CHCH−を表し;
環Aが、フェニル、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、インドリル、およびチエノピラゾリルからなる群から選択され;
各R基(存在する場合)が、独立して、ハロゲン、−CN、−SF、−N(R、−OR、−SR、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級へテロアルキル、低級アルキニル、およびシクロアルキルからなる群から選択される、
請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
【表1】
































からなる群から選択される、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項9】
【表2】



からなる群から選択される、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項10】
【化3】



からなる群から選択される、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
構造:
【表3】

を有する、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
構造:
【表4】

を有する、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
構造:
【表5】

を有する、化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
請求項1〜13いずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩、および薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜13いずれか1項に記載の化合物もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは前記互変異性体の立体異性体、またはその薬学的に許容され得る塩とともに少なくとも1種類のさらなる治療用薬剤、および薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1種類のさらなる治療用薬剤が、
アゴニスト;mアンタゴニスト;コリンエステラーゼ阻害薬;ガランタミン;リバスチグミン;N−メチル−D−アスパラギン酸受容体アンタゴニスト;コリンエステラーゼ阻害薬とN−メチル−D−アスパラギン酸受容体アンタゴニストの組合せ;γセクレターゼモジュレーター;γセクレターゼ阻害薬;非ステロイド系抗炎症剤;神経炎症を低減させ得る抗炎症剤;抗アミロイド抗体;ビタミンE;ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト;CB1受容体インバースアゴニスト;CB1受容体アンタゴニスト;抗生物質;成長ホルモン分泌促進因子;ヒスタミンH3アンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE4阻害薬;GABAインバースアゴニスト;アミロイド凝集阻害薬;グリコゲンシンターゼキナーゼβ阻害薬;αセクレターゼ活性促進因子;PDE−10阻害薬;Tauキナーゼ阻害薬;Tau凝集阻害薬;RAGE阻害薬;抗Aβワクチン;APPリガンド;インスリンを上方調節する薬剤、コレステロール降下剤;コレステロール吸収阻害薬;HMG−CoA還元酵素阻害薬とコレステロール吸収阻害薬の組合せ;フィブラート;フィブラートとコレステロール降下剤および/またはコレステロール吸収阻害薬の組合せ;ニコチン性受容体アゴニスト;ナイアシン;ナイアシンとコレステロール吸収阻害薬および/またはコレステロール降下剤の組合せ;LXRアゴニスト;LRP模倣物;H3受容体アンタゴニスト;ヒストンデアセチラーゼ阻害薬;hsp90阻害薬;5−HT4アゴニスト;5−HT6受容体アンタゴニスト;mGluR1受容体の調節因子またはアンタゴニスト;mGluR5受容体の調節因子またはアンタゴニスト;mGluR2/3アンタゴニスト;プロスタグランジンEP2受容体アンタゴニスト;PAI−1阻害薬;Aβ流出を誘導し得る薬剤;金属タンパク質減弱化合物;GPR3調節因子;ならびに抗ヒスタミン薬から選択される少なくとも1種類の薬剤である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項1〜13いずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とする患者に前記病態が処置されるのに有効な量で投与することを含む、アミロイドβ病態(「Aβ病態」)および/または前記病態の1つ以上の症状を処置、予防する、および/またはその発症を遅延させる方法。
【請求項18】
前記Aβ病態が、アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、記憶力の低下、アルツハイマー病と関連している記憶力の低下、パーキンソン病と関連している記憶力の低下、注意欠陥症状、アルツハイマー病、パーキンソン病および/またはダウン症候群と関連している注意欠陥症状、痴呆、脳卒中、小神経膠細胞症および脳の炎症、初老期痴呆、老人性痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病および/またはダウン症候群と関連している痴呆、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、神経変性、嗅覚障害、アルツハイマー病、パーキンソン病および/またはダウン症候群と関連している嗅覚障害、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、軽度認知障害(「MCI」)、緑内障、アミロイドーシス、II型糖尿病、糖尿病関連アミロイド形成、血液透析の合併症(βミクログロブリンのため、およびそれに起因する血液透析患者における合併症)、スクレイピー、牛海綿状脳炎、外傷性脳損傷(「TBI」)、クロイツフェルト−ヤコブ病、ならびに外傷性脳損傷から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記Aβ病態がアルツハイマー病である、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2013−507368(P2013−507368A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533260(P2012−533260)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/051553
【国際公開番号】WO2011/044181
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(596129215)メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション (785)
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
【住所又は居所原語表記】One Merck Drive,Whitehouse Station,New Jersey 08889,U.S.A.
【Fターム(参考)】