説明

BSTREPTOCOCCUSの高度に病原性のST−17クローンの迅速な検出

【課題】B Streptococcusの高度に病原性のST-17クローンの迅速、単純かつ特異的な検出を可能とするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチド、前記ポリペプチドに対する抗体、および前記ポリヌクレオチド、前記ポリペプチドまたは前記抗体を用いて特異的に検出するためのキットおよび方法を提供する。
【解決手段】特定の配列からなるST−17クローンの株の表面タンパク質Gbs2018をコード化しているB群連鎖球菌遺伝子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、B Streptococcusの高度に病原性のST-17クローンの迅速, 単純かつ特異的な検出を可能とするポリヌクレオチドに関する。
【0002】
また、本発明は、前記ポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチドに、同様に前記ポリペプチドに対する抗体に関する。
【0003】
また、本発明は、B STREPTOCOCCUSの高度に病原性のST-17クローンを本発明のポリヌクレオチド, ポリペプチドまたは抗体を用いて特異的に検出するためのキットおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
[背景 / 従来技術]
Streptococcus agalactiae〔B群レンサ球菌(GBS; Group B Streptococcus)としても知られる〕は、40%の健常成人の胃腸および尿生殖器の管に見出すことが可能な莢膜形成グラム陽性菌(capsulated Gram-positive bacterium)です。この共生生物体(commensal organism)は、先進国の新生児の罹病率(morbidity)および死亡率の主要な原因と考えることができる(Schrag et al., 2002)。
【0005】
GBSによる新生児感染の最も予測的な要因は、母から新生児へのS. agalactiaeの伝染に関する。この汚染は、一般に汚染した羊水液(amniotic liquid)の吸入 および 摂取を介して生殖器官を横断して発生する。GBSに暴露された少なくとも50%の新生児にコロニーを形成し、2%に感染を発生することが推測される(Schuchat, 1999)。新生児における浸潤性(Invasive)のGBS感染は、頻繁に肺炎および菌血症(約80%のケース)に、より低い頻度で髄膜炎(10%)に、稀なケース(4%)では死に至る(Schuchat, 1999)。GBS誘発性の髄膜炎によって、有意な罹病率へと至り、重篤な神経学的ダメージを生じる。
【0006】
約 80% のGBS新生児感染は、第一週以内に発生し、早発性疾患(EOD;early-onset diseases)と称される。EODの大抵のケースは、出生日に又は最初の72 時間内に臨床的に明らかである。遅発性疾患(LOD;Late-onset diseases)は、通常1 週 および 3 月齢の間の乳児で発生する。
【0007】
現在まで、九つの莢膜血清型(capsular serotypes)のGBSが記載されている(Ia, Ib, および II からVIII)。これらのなかで血清型 IIIのGBS株は、特に重要である。というのも、彼等は、北アメリカ および ヨーロッパの大多数の浸潤性の新生児感染及びほとんど全ての新生児の髄膜炎の原因であるからである。
【0008】
また、研究によって、僅か限られた数の株の血清型III(「高度に病原性のクローン(highly-virulent clones)」)が、非常に大多数の新生児の浸潤性の疾患, 及びほとんど全ての髄膜炎ケースの原因となりえることが示唆された。最近、分子疫学的研究によって、次の事項が実証された;つまり、浸潤性の新生児感染の原因である大抵のGBS株が、ST-17と称される均質な血清型 III クローンに属することである(Jones et al, 2003; Luan et al, 2005)。
【0009】
GBSによる新生児感染の減少させるためにセットアップされた戦略の中で、スクリーニング戦略または危険分析に基づいて、選択的な分娩時の抗菌(antimicrobial)的な予防を行なうことによって、米国および他の西側世界におけるEODの発生率を低下させたが、LODの発生率は低下させていない(Schrag, 2004)。EODの予防においてなされた進歩は継続しており、LODは現在全てのGBS新生児感染の増加割合(growing proportion)を示している(Schrag, 2004)。そのうえ、予防的なガイドラインの履行によって、抗生物質の使用が増加し、GBSおよび他の出生時の病原体の両方において抗菌耐性(antimicrobial resistance)が出現する結果となった。
【0010】
代替的な戦略は、標的を定めて抗菌的な予防をセットアップするために高度に病原性のGBSを早期に同定することであろう。
【0011】
B群連鎖球菌性の疾患を阻止するための現在の推奨される事項は、34〜38 週の妊娠期間で妊婦におけるGBSコロニー形成に関してスクリーニングして、分娩時の抗生物質予防(antibioprophylaxis)のための候補を同定することである。しかしながら、培養法は、膣分泌物中のGBSの存在を検出する「最も基準になる検査(gold standard)」技術のままである。前記培養法によってGBSメンバーの効率的な同定が許容されるが、潜在的に高い病原性クローンを他のものから区別することには失敗している。
【0012】
最近の疫学的な分子技術は、同じ血清型に属しているGBS単離体中での系統発生を分析する強力な技術であることが証明されている。これらの技術のなかで、多座シークエンシング分類(MLST;multilocus sequencing typing), 多座酵素電気泳動法 (MLEE;multilocus enzyme electrophoresis), パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE), 制限消化パターン(restriction digest pattern)および制限断片長多型(RFLP;restriction fragment length polymorphism)は、特に使用されている技術である。
【0013】
しかしながら、これらの技術は、培養困難(fastidious)で時間がかかり、妊娠の間に又は送達の時間に病原性のST-17株の存在に関する検査に対する産科の医療において日常的に使用することはできない。
【0014】
従って、高度に病原性のGBS株に特異的な遺伝子は、抗生物質の使用の限界のみならず、このように高度に病原性の株がコロニーを形成した新生児を追跡することに関しても、主要な臨床上の重要性を有するものであろう。
【発明の概要】
【0015】
本発明の課題は、遺伝子gbs2018のST-17特異的な対立遺伝子を同定して、高度に病原性の血清型IIIのGBS株による感染の迅速で効率的な検出を可能とすることに関する。
【0016】
特に、本発明は、前記遺伝子又はその断片からなるポリヌクレオチドに関する。
【0017】
また、本発明は、本明細書中で規定されたポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチドに関する。
【0018】
また、本発明は、本明細書中で規定されたポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチドに対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体に関する。
【0019】
さらに、本発明は、生物学的サンプル中のST-17株の存在を検出する方法を包含する。
【0020】
本発明の別の側面は、生物学的サンプルからGBS ST-17株を検出するためのキットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1a】図1は、ST-17 株 NEM318のgbs2018 遺伝子の核酸配列および対応するアミノ酸配列である。第一のラインは、コドンでグループ分けされたヌクレオチド配列を指摘している;第二のラインは、三文字コードの上記コドンに対応するアミノ酸配列を指摘している。第一コドンの翻訳は、太字で示される(終止コドンも同様)。核酸の番号は第一のラインの右端に、他方でアミノ酸の番号はアミノ酸残基の下(第三のライン)に指摘される。gbs2018-NEM318 遺伝子のコード配列の(配列番号1の)核酸配列は、1569 ヌクレオチドを含有し、522 アミノ酸の(配列番号 2の)ポリペプチド配列をコードする。
【図1b】図1は、ST-17 株 NEM318のgbs2018 遺伝子の核酸配列および対応するアミノ酸配列である。第一のラインは、コドンでグループ分けされたヌクレオチド配列を指摘している;第二のラインは、三文字コードの上記コドンに対応するアミノ酸配列を指摘している。第一コドンの翻訳は、太字で示される(終止コドンも同様)。核酸の番号は第一のラインの右端に、他方でアミノ酸の番号はアミノ酸残基の下(第三のライン)に指摘される。gbs2018-NEM318 遺伝子のコード配列の(配列番号1の)核酸配列は、1569 ヌクレオチドを含有し、522 アミノ酸の(配列番号 2の)ポリペプチド配列をコードする。
【図2】図2は、ST-17株のgbs2018 遺伝子のセグメント S1 (図2a), S6 (図2b) および S7 (図2c)の核酸配列および対応するアミノ酸配列である。第一のラインは、コドンでグループ分けされたヌクレオチド配列を指摘している;第二のラインは、三文字コードの上記コドンに対応するアミノ酸配列を指摘している。核酸の番号は第一のラインの右端に、他方でアミノ酸の番号はアミノ酸残基の下(第三のライン)に指摘される。セグメント S1の(配列番号 3の)核酸配列は、99ヌクレオチドを含有し、33アミノ酸の(配列番号 4の)ポリペプチド配列をコードする。セグメント S6の(配列番号 7の)核酸配列は、291ヌクレオチドを含有し、97アミノ酸の(配列番号 8の)ポリペプチド配列をコードする。セグメント S7の(配列番号 9の)核酸配列は、180ヌクレオチドを含有し、60アミノ酸の(配列番号 10の)ポリペプチド配列をコードする。
【図3】図3は、ST-17 株のgbs2018 遺伝子のセグメント S8 (図 3a) および S10 (図 3b)の核酸配列および対応するアミノ酸配列である。第一のラインは、コドンでグループ分けされたヌクレオチド配列を指摘している;第二のラインは、三文字コードの上記コドンに対応するアミノ酸配列を指摘している。核酸の番号は第一のラインの右端に、他方でアミノ酸の番号はアミノ酸残基の下(第三のライン)に指摘される。セグメント S8の(配列番号 11の)核酸配列は、192ヌクレオチドを含有し、63アミノ酸の(配列番号 12の)ポリペプチド配列をコードする。セグメント S10の(配列番号 5の)核酸配列は、570ヌクレオチドを含有し、190アミノ酸の(配列番号 6の)ポリペプチド配列をコードする。
【図4】図4は、ST-17株のgbs2018 遺伝子のS11a (図4a)およびS11b (図4b)の核酸配列および対応するアミノ酸配列である。第一のラインは、コドンでグループ分けされたヌクレオチド配列を指摘している;第二のラインは、三文字コードの上記コドンに対応するアミノ酸配列を指摘している。核酸の番号は第一のラインの右端に、他方でアミノ酸の番号はアミノ酸残基の下(第三のライン)に指摘される。セグメント S11aの(配列番号 13の)核酸配列は、216ヌクレオチドを含有し、72アミノ酸の(配列番号 14の)ポリペプチド配列をコードする。(配列番号 15の)セグメント S11bの核酸配列は、237ヌクレオチドを含有し、79アミノ酸の(配列番号 16の)ポリペプチド配列をコードする。
【図5】図 5は、本発明の異なるプライマーセットで得られた増幅産物の核酸配列に対応する。ST-17S/ST-17AS (208 ヌクレオチド)(配列番号 35の)核酸配列は、配列番号 33のプライマー ST-17Sおよび配列番号 34のST-17AS(図 5a)で得られた増幅産物に対応する。O13/ST-17AS (101 ヌクレオチド)(配列番号 36の)核酸配列は、配列番号 29のプライマー O13および配列番号 34のST-17AS(図 5b)で得られた増幅産物に対応する。O13/O12 (107 ヌクレオチド)(配列番号 37の)核酸配列は、配列番号 29のプライマー O13および配列番号 28のO12 (図 5c)で得られた増幅産物に対応する。ST-17S/O12 (214 ヌクレオチド)(配列番号 38の)核酸配列は、配列番号 33のプライマー ST-17Sおよび配列番号 28のO12 (図 5d)で得られた増幅産物に対応する。O11/ST-17AS (543 ヌクレオチド)(配列番号 39の)核酸配列は、配列番号 27のプライマー O11および配列番号 34のST-17AS(図 5e)で得られた増幅産物に対応する。O11/O12 (549 ヌクレオチド)(配列番号 40の)核酸配列は、配列番号 27のプライマー O11および配列番号 28のO12 (図 5f)で得られた増幅産物に対応する。
【図6】図 6は、異なる配列型(ST)に属している31のGBS単離体におけるGbs2018 表面 タンパク質の異なるキメラ形態をコード化している遺伝子の系統樹である。GBS単離体のDNA配列のアラインメントおよび比較によって、三方の系統(three-ways lineage)が明らかとなり、三つのクラスター(A, B および C)のgbs2018 対立遺伝子型が分類される。配列分岐のパーセンテージは、系統樹の下に指摘される。
【図7】図 7は、表面 タンパク質 Gbs2018の三つの対立遺伝子型をコード化している遺伝子のモザイク構造を表す。各系統発生クラスター(A, B, および C;図 5に規定された)の代表的なメンバーが、提示される。
【図8】図 8は、GBS単離体のなかのST-17の特異的な検出を表す。GBS株は、プライマーペア dltRS/dltRAS (dltRに特異的, 234-pbの単位複製配列)を用いたPCR増幅によって同定された。プライマー ST-17S/ST-17AS(gbs2018-ST-17に特異的, 210-bpの単位複製配列)を使用して、ST-17株を識別した。パネルAにおいて、試験した10のサンプルは、ST-17 クローン複合体:1, BM110 ; 2, COH1; 3, NEM318; 4, CCH56; 5, CCH63; 6, CCH80; 7, CCH76; 8, CCH77; 9, CCH81; 10, CCH82に属している血清型 IIIのGBS株であった。パネルBにおいて、試験した10のGBS株は、異なる血清型のものであり、多様な ST: 1, NEM316 (血清型III, ST-23); 2, GBS 2603V/R (血清型V, ST-19*); 3, CCH178 (血清型V, ST-1); 4, CCH75 (血清型III, ST-2); NEM1573 (血清型Ia, ST-6); CCH53 (血清型Ib, ST-8); NEM1010 (血清型II, ST-9); CCH179 (血清型II, ST-10); CCH180 (血清型I, ST-23); CCH72 (血清型III, ST-41)に属していた。分子量 マーカー 1 kb ラダー-プラス (Gibco-BRL)は、レーンMに添加された。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[詳細な説明]
本発明は、以下の群から選択されたポリヌクレオチドに関する:
a) ST-17 クローンの株の表面タンパク質Gbs2018をコード化しているB群レンサ球菌遺伝子であって、配列番号 5の配列 S10 (図 3b)を有している核酸配列を具備し、さらに少なくとも一つの配列番号 13の配列 S11a (図 4a)および/または配列番号 15の配列 S11b (図 4b)を有している少なくとも一つの核酸配列からなる(consisting in)ドメインを具備する遺伝子;
b) ストリンジェントな条件下でa)の遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチド;
c) a)で規定したB群レンサ球菌遺伝子に由来(derived from)する断片又はストリンジェントな条件下でa)に規定した遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチドに由来する対応する断片であって、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードする断片;
d) a)で規定した遺伝子の又はb)で規定したポリヌクレオチドの又はc)で規定した断片の断片と実質的に相補的なポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
e) 但し、前記ポリヌクレオチドは、配列番号 1のgbs2018-NEM318 (図 1)と称されるコード配列を有している遺伝子ではない。
【0023】
本発明の特定のポリヌクレオチドは、以下の群から選択されるものである:
a) ST-17クローンの株の表面タンパク質Gbs2018をコード化しているB群レンサ球菌遺伝子であって、配列番号 5の配列 S10 (図 3b)を有している核酸配列を具備し、さらに少なくとも二つのコピーの配列番号 13の核酸配列 S11a (図 4a)または配列番号 15の核酸配列 S11b (図 4b)または少なくとも一つのコピーの各核酸配列S11a および S11bを有している少なくとも一つの核酸配列からなるドメインを具備する遺伝子;
b) ストリンジェントな条件下でa)の遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチド(S10セグメントおよびS11aセグメントおよびS11bセグメントの群のなかから選択される同一の又は異なる二つのセグメントとハイブリダイズするものを含んでいる);
c) a)で規定したB群レンサ球菌遺伝子に由来する断片又はストリンジェントな条件下で前記遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチドに由来する断片であって、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードする断片;
d) a)で規定した遺伝子の又はb)で規定したポリヌクレオチドの又はc)で規定した断片の断片と実質的に相補的なポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【0024】
特定の態様において、本発明の規定の断片は、検出のための方法における使用に適切である(特に、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出に適切である)。
【0025】
本明細書中に使用される「実質的に相補的(substantially complementary)」の表現は、考慮したポリヌクレオチドが、参照のポリヌクレオチドと完全に相補的であること又は幾つかのポジションで文字が異なるが(それでも実質的に同じ長さである)、ストリンジェントな条件下で参照のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることを意味する。
【0026】
そこで使用される「ポリヌクレオチド」は、S. agalactiaeのゲノムとは異なる核酸を意味する。特定の態様において、係るポリヌクレオチドは、S. agalactiaeのゲノムから由来する、特にS. agalactiaeの遺伝子または遺伝子の断片である。その場合において、そのポリヌクレオチドは、単離または精製される(即ち、ゲノム中のその天然の環境から分離される)。S. agalatiaeのゲノムから由来するといわれる本発明のポリヌクレオチドは、前記ゲノム中の対応物である配列に含まれる遺伝情報を具備する又は特にそれから反映(reflects)される。
【0027】
本発明のポリヌクレオチドはそれが由来する又は実質的に対応するS. agalactiaeのゲノム中の正確な対応物を有する配列を有し、そのヌクレオチド組成が、ゲノムにおける前記配列に関連して、その配列中の修飾が、ストリンジェントな条件下でそれが由来するゲノム配列とハイブリダイズする得られたポリヌクレオチドの性質に本質的に影響しない範囲まで変動しえることを意味している。
【0028】
それ故、gbs2018 遺伝子に由来するポリヌクレオチドは、オリジナルの遺伝子の幾つかのヌクレオチドの置換, 付加または欠失を有することができる。
【0029】
本発明のポリヌクレオチドは任意の利用可能な方法により調製することができ、これにはゲノムからの抽出が含まれ、制限酵素および/または合成の使用などが関与し、化学合成および/または組換え技術が含まれる。
【0030】
任意のエクスビボ(ex vivo)生産法など(同様にその組み合わせ)は、係る調製に適切である。特定の態様において、これらの方法には、制限酵素での加水分解、所望のポリヌクレオチドの増幅および/または合成(特に、化学合成)などのその天然の環境からの核酸の抽出が含まれてもよい。
【0031】
「ポリヌクレオチド」の用語は、「核酸」および「オリゴヌクレオチド」と交換可能(interchangeably)に使用される。この用語には、DNA、RNA、二つのヌクレオチドを超えるDNA および RNA 配列の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本発明のポリヌクレオチドは、二本鎖(double stranded)または一本鎖(single stranded)である。
【0032】
「遺伝子」によって、ヌクレオチド配列がポリペプチドをコード化している配列を含む又はからなる核酸分子が意味される、つまり、ORF (オープンリーディングフレーム)を含む又はからなる核酸分子が意味される。それ故、本発明による遺伝子は、通常コード配列の上流または下流に配置されるプロモーター配列または制御配列を具備しない核酸分子を包含する。このようなケースにおいて、前記遺伝子は、コード配列に限定された分子である。また、「遺伝子」の表現は、プロモーターおよび/またはターミネーター配列を含んでいるポリペプチド および 制御配列に関する両方のコード配列を有している分子を包含する。前記制御配列は、S. agalactiaeの参照ゲノムに存在する本来の配列であってもよい又は異種性の配列(即ち、ゲノム中のコード配列と天然で関連しない配列)であってもよい。
【0033】
特定の態様において、「遺伝子」の用語は、ST-17クローンのB群レンサ球菌のgbs2018遺伝子を意味する。特にgbs2018遺伝子は、配列番号 1のポリヌクレオチド gbs21018-NEM318 (図 1)によって説明できる。
【0034】
本明細書中に使用される「ST-17クローン」は、Streptococcus agalactiae株〔B群レンサ球菌(GBS)としても知られている〕に属している細菌株、より具体的には「III型」GBS血清型に属している、特に高病原性株の系統に属している細菌株を意味する[Jones N et al., 2003; Luan SL et al., 2005]。配列型(sequence type)の同定および特徴は、例えば、多座酵素電気泳動法(MLEE), パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE), 制限消化パターンおよび制限断片長多型(RFLP)、同様にその組み合わせなどの培養法または分子法を含む既知の方法を意味するが、これらに限定されない。本発明者は、多様な配列型のGBS株における遺伝的な研究を行い、三つのクラスター(即ち、クラスターA, B および Cであり、ここでクラスターCは配列型17の株のみを表し、含む)を含んでいる系統樹を作成した。ST-17は、特に次の株 CCH56, CCH63, CCH76, CCH71, CCH77, CCH60, CCH80, CCH81, CCH69, CCH73, CCH82, BM110 [Musser JM et al., 1989; Stalhammar-Carlemalm M, 1993], NEM623, COH1 [Wessels MR and al., 1989] および NEM318 [Gaillot et al., 1997]を含む。
【0035】
ST-17株の一つの具体例は、Collection Nationale de Cultures de Microorganismes (C.N.C.M.), INSTITUT PASTEUR, 25 rue du Docteur Roux, F-75724 PARIS CEDEX 15に2005年12月2日に受託番号CNCM I-3537で寄託されたStreptococcus agalactiae NEM318である。NEM318は、ST-17 型クローンの血清型III, テトラサイクリン耐性株である[Gaillot et al., 1997]。NEM318は、37°CでTodd Hewitt 培地で振盪した液体培養または寒天プレートで成長される。
【0036】
本願に使用される「セグメント S10」または「S10」の用語は、配列型17のGBS株の遺伝子gbs2018の対立遺伝子型の特定型(specific)であるポリヌクレオチドまたはセグメントを意味する(即ち、ST-17株ではない血清型IIIの株には見出されない)。前記「セグメント S10」または「S10」は、gbs2018遺伝子のN末端配列に続くgbs2018遺伝子の内部領域として規定でき、GBS株によって共有される。S10セグメントに対応する特定のポリヌクレオチドは、例えば、570 ヌクレオチドを有し、配列番号 5のヌクレオチド配列 S10 (図 3b)を有する〔これは配列番号 1の配列 gbs2018-NEM318 (C.N.C.M I-3537 および 図 1)のgbs2018 遺伝子のST-17 対立遺伝子型の配列におけるヌクレオチドポジション100 および 669の間に含まれる〕。
【0037】
本願に使用される「セグメント S11」または「S11」の用語は、配列型17のGBS株の遺伝子gbs2018の対立形質の特定型であるポリヌクレオチド(またはセグメント)を意味する(即ち、ST-17株ではない血清型IIIの利用可能な株には見出されない)。前記「セグメント S11」または「S11」は、gbs2018遺伝子の内部領域として規定できる。ST-17株に応じて、遺伝子 gbs2018のST-17 対立遺伝子型は一つ又は二つのコピーのS11 セグメントを含むことができる。コピーによって、同一又は異なっているが、相同的である二つのS11配列が意味される。S11 セグメントに関する特定の相同的なポリヌクレオチドは、例えば、配列番号 13の配列 S11a (図 4a)および配列番号 15の配列 S11b (図 4b)である。
【0038】
一態様において、本発明は、配列番号 13の一コピー(one copy)の配列 S11a (図 4a)および配列番号 15の一コピーの配列 S11b (図 4b)を含んでいるST-17 クローンの株のgbs2018遺伝子であるポリヌクレオチドに関する。特に、本発明のgbs2018 遺伝子は、近接(contiguous)するS11a および S11b セグメントを有するドメインを含む。
【0039】
また、本発明は、二コピー(two copies)のS11a セグメントまたは二コピーのS11b セグメント(前記遺伝子において近接する又は近接していない)を含んでいるST-17 クローンの株のgbs2018遺伝子であるポリヌクレオチドに関する。
【0040】
また、本発明は、一コピーのS11 セグメントのみが存在するST-17クローンの株のgbs2018遺伝子であるポリヌクレオチドの使用に関する。
【0041】
しかし、特定の態様において、本発明は、配列番号 1の配列 gbs2018-NEM318に対応するTettelin H et al, 2005中でCOH-1株に関して開示された配列を有している特定の遺伝子を包含しない。それでも、本発明は、本出願中で規定した前記遺伝子の断片、本出願中で規定した前記遺伝子及びその断片の使用を含む。
【0042】
本発明者によって、次の事項が示された;その事項とは、gbs2018遺伝子中のS10 および S11 セグメントが、GBS株の分類においてST-17 株としての決定要因であることである(図 6を参照)。また、本発明者によって、次の事項が示された;その事項とは、S10 および/または一以上(特に、2)のコピーのS11 セグメントの存在(本明細書中に開示されるS11a又はS11b又はその組み合わせ)によって、一方で株BM110(前記株に関して、二つのコピーのS11 セグメントを有している)および他方で株COH-1または株NEM318 (前記株に関して、一つのS11セグメントの一つのコピーのみを有している)で表されるST-17株の二つの亜系統の間の識別が許容されることである。
【0043】
本発明の特定の態様において、前記ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示されるgbs2018 遺伝子又は本出願中で規定したその断片とハイブリダイズする能力に関連して開示された。
【0044】
特定の態様において、gbs2018 遺伝子(これに対するハイブリダイゼーション能力が決定される)は、CNCMに番号I-3537で寄託された株NEM318の遺伝子の一つの鎖である。
【0045】
特定の態様において、ハイブリダイゼーション能力が決定される断片は、CNCMに番号I-3537で寄託された株NEM318の遺伝子のS10 断片またはS11 断片又はその相補的な断片である。
【0046】
特定の態様において、本出願において規定されるgbs2018 遺伝子から由来する断片は、検出のための方法における使用(特に、ST-17クローンのGBS株の特異的な検出に)に適切であるように規定される。
【0047】
この態様によると、前記株それ自体は必ずしも検出されないが、前記方法によって、係る株による感染のインビトロ検出が可能となる(特に、そのDNAまたはそのポリペプチド性の産物または前記産物に対する抗体の直接的または間接的な検出によって可能となる)。
【0048】
本明細書中に使用される、「ストリンジェントな条件(stringent conditions)」は、例えば、Sambrook等(Sambrook et Russel. 2001. Molecular cloning : a laboratory manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y)に規定された当業者の知識の範囲のハイブリダイゼーションの条件を意味する。本発明の実施に適切な係る条件の説明に関して、「ストリンジェントな条件」は、一つの「洗浄工程」の後に二つの一本鎖のDNA分子の特異的なハイブリダイゼーションが許容される条件と一致する。一例を挙げると、前記ハイブリダイゼーションは、SSC 6X, SDS 0.5%, デンハルト溶液5X および 100 μ gの非特異的なDNAを含んでいる溶液, または任意の均等(equivalent)なイオン強度の他の溶液などの塩溶液を用いて約35〜65°Cで行うことができる。少なくとも一つの洗浄を含んでいる「洗浄工程」は、例えば、最大(at max) 0.2XのSSCおよび最大0.1%のSDSを含んでいる溶液または任意の均等なイオン強度の他の溶液において約 65°Cで行うことができる。しかしながら、当業者は、例えば、ポリヌクレオチド配列の長さ, 塩基組成, 存在するイオンの型などの変動する因子を考慮するための適切な条件を変動させることができる。
【0049】
検出のための(特にST-17 株の特異的な検出のための)方法において適切な断片の使用には、例えば、検出の標的である断片、または伸長または増幅のためのプライマー、または検出のためのプローブ、または標的とした遺伝子配列の増幅または伸長産物を用いること、同様に少なくとも 6 アミノ 酸のポリペプチドをコードする断片(前記ポリペプチドは本発明による抗体で認識される)を用いることが関与しえる。
【0050】
「に適切(suitable for)」の表現は、前記断片が、S. agalactiaeの配列型17株を特徴づけるGBS 株の遺伝子gbs2018の特定の領域から選択される及び由来する或いは前記遺伝子又はその断片とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド又は前記遺伝子又はその断片と相補的なポリヌクレオチドから選択される及び由来するポリヌクレオチドに関することを意味する。特定の態様において、前記領域は、ST-17株ではない血清型IIIの株または以下の表S2で説明される株などの他の株にはみいだされない。従って、ST-17株を検出するための方法に適切なポリヌクレオチド(特にgbs2018 遺伝子の断片)は、検出の特異的な方法において、ST-17株および血清型IIIの他のGBS株の間の識別を可能にするものである。係るポリヌクレオチドによって、ST-17株による感染の診断のための又は決定のための必要性と一致した感受性および特異性を有している検出方法を設計するための道具が提供される。特定の態様において、係る適切なポリヌクレオチドによって、ST-17クローンの独占的(exclusive)な検出が可能となる。
【0051】
一態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、配列番号 5のセグメント S10 (図 3b)の核酸配列の全体または一部、または配列番号 13のセグメント S11a (図 4a)および/または配列番号 15のセグメント S11b (図 4b)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0052】
特定の態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、ST-17S および ST-17ASからなるプライマーセットで取得された、配列番号 33のオリゴヌクレオチド ST-17S (表 S1)の核酸配列の全体または一部、配列番号 34のオリゴヌクレオチド ST-17AS (表 S1)の核酸配列の全体または一部、又は配列番号 35の増幅産物 ST-17S/ST-17AS (図 5a)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0053】
別の特定の態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、配列番号 27のオリゴヌクレオチド O11 (表 S1)の核酸配列の全体または一部、配列番号 28のオリゴヌクレオチド O12 (表 S1)の核酸配列の全体または一部または配列番号 29のオリゴヌクレオチド O13 (表 S1)の核酸配列の全体または一部を含んでいる断片に関連する。
【0054】
さらなる特定の態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、O13および ST17-ASからなるプライマーセットで取得された、配列番号 36の増幅産物 O13/ST-17AS (図 5b)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0055】
別の態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、O13およびO12からなるプライマーセットで取得された、配列番号 37の増幅産物 O13/O12 (図 5c)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0056】
さらなる態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、ST-17SおよびO12からなるプライマーセットで取得された、配列番号 38の増幅産物 ST-17S/O12 (図 5d)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0057】
別の特定の態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、O11およびST17-ASからなるプライマーセットで取得された、配列番号 39の増幅産物 O11/ST-17AS (図 5e)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0058】
さらなる態様において、「に適切(suitable for)」の表現は、O11およびO12からなるプライマーセットで取得された、配列番号 40の増幅産物 O11/O12 (図 5f)の核酸配列の全体または一部、又はこれらの配列に相補的な配列または任意のこれらの配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含んでいる断片に関連する。
【0059】
本明細書中に使用される「特異的(specific)」の用語は、本発明において詳細に説明された手段を用いて、配列型17のGBS株を検出する能力に関連する。本発明の別の特定の態様によると、生物学的サンプル中のST-17のGBS株の特異的な検出によって、細菌、ウイルスまたは寄生生物(parasites)などが含まれる他の微生物から前記株を識別することが可能となる。更なる特定の態様において、ST-17のGBS株は検出されるが、他のStreptococcus株は検出されない。好ましくは、前記検出は、他のGBS株が前記サンプル中で検出されることを排除する。
【0060】
本発明を実施するために適切な特定のポリヌクレオチドは、配列番号 1を有している配列 gbs2018-NEM318 (図 1)のgbs2018 遺伝子または上記で規定したその断片である(特に、ST-17 クローンのGBS株の特異的な検出などの検出のための方法に使用する適切な断片である)。
【0061】
本発明の別のポリヌクレオチドは、ST-17 クローン株のgbs2018 遺伝子中のS10 セグメントに由来する断片である。
【0062】
特定の態様において、前記ポリヌクレオチドは、配列番号5の配列 S10 (図 3b)を有しているS10 セグメントに由来する断片である。特に、この断片は、検出のための方法における使用に適切である(特に、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出に適切である)ような様式で選択される。
【0063】
本発明の特定のポリヌクレオチドは、本出願で規定された遺伝子から由来し、少なくとも 10, 特に 10〜30, 特に 少なくとも 15、例えば、 15〜30, 特に 少なくとも 20、例えば、 20〜30, または20〜25ヌクレオチドを有しているDNA断片である。上記で規定された範囲内の特定のサイズが、本発明の骨組み又は図面から構築される任意の範囲内に包含される。
【0064】
本発明の別の特定のポリヌクレオチドは、前記遺伝子から由来し、10〜700, 特に 少なくとも 50、例えば、 50〜700 または少なくとも 100, 特に 100〜500, 特に 少なくとも 200、例えば、 200〜500, または200〜300 ヌクレオチドを有しているDNA断片である。上記で規定された範囲内の特定のサイズが、本発明の骨組み(frame)又は図面から構築される任意の範囲内に包含される。係るポリヌクレオチドは、特に本発明に開示されたオリゴヌクレオチド(増幅プライマーとして使用された)で得られた増幅産物である。
【0065】
本発明は、特に以下の配列から選択される断片に関する:
a) 配列番号33を有しているポリヌクレオチド;
b) 配列番号34を有しているポリヌクレオチド;
c) 配列番号27を有しているポリヌクレオチド;
d) 配列番号28を有しているポリヌクレオチド;
e) 配列番号29を有しているポリヌクレオチド;
f) GBS株のDNAを配列番号 33 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 35からなるポリヌクレオチド);
g) GBS株のDNAを配列番号 29 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 36からなるポリヌクレオチド);
h) GBS株のDNAを配列番号 29 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 37からなるポリヌクレオチド);
i) GBS株のDNAを配列番号 33 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 38からなるポリヌクレオチド);
j) GBS株のDNAを配列番号 27 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 39からなるポリヌクレオチド);
k) GBS株のDNAを配列番号 27 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 40からなるポリヌクレオチド);
l) ポリヌクレオチド a)〜k)のうちの一つの一鎖(one strand)と実質的に相補的であるポリヌクレオチド;
m) ストリンジェントな条件下でl)のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチド;
n) ST-17クローンのgbs2018 遺伝子又はその断片を標的とすることにおいて適切なポリヌクレオチドであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントを含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントからなる配列を増幅および/または検出するためのポリヌクレオチド。
【0066】
本発明の特定のポリヌクレオチド断片は、ST-17 クローン株のgbs2018 遺伝子中のS11と称されるセグメントに由来する。
【0067】
本発明の特定の側面において、前記S11 領域は、配列番号 13の配列 S11a (図 4a)および/または配列番号 15の配列 S11b (図 4b)である。
【0068】
また、本発明は、ST-17 クローンのGBS 株のDNAの検出のための又は係るDNAに由来する産物の検出のための方法に使用するために適切なプライマーセットであって、以下のプライマーペアを含む又は以下のプライマーペアからなるプライマーセットに関する:
a) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
b) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 28の配列を有しているO12;
c) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 28の配列を有しているO12;
d) 配列番号 28の配列を有しているO12および配列番号 29の配列を有しているO13;
e) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
f) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
g) a)〜f)におけるプライマーに実質的に相補的なプライマーペア;
h) 各ポリヌクレオチドがST-17クローンのgbs2018 遺伝子又はその断片を標的とすることにおいて適切なプライマーペアであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントを含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントからなる配列を増幅するためのプライマーペア。
【0069】
特定の態様において、前記プライマーペアは、配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17ASからなる。
【0070】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 28の配列を有しているO12からなる。
【0071】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 28の配列を有しているO12からなる。
【0072】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 28の配列を有しているO12および配列番号 29の配列を有しているO13からなる。
【0073】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 34の配列を有しているST-17ASからなる。
【0074】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 34の配列を有しているST-17ASからなる。
【0075】
更なる態様において、前記プライマーペアは、配列番号 27の配列を有しているO13および配列番号 24の配列を有しているO8からなる。
【0076】
「プライマー(primers)」の用語は、増幅反応に使用でき、増幅を可能とする短いポリヌクレオチドを意味する。通常、プライマーは、増幅されるポリヌクレオチド配列の先端(extremities)に相補的な配列を所有する。一般的に言えば、センスプライマーのケースにおいて、多数の変異が、プライマーの3’端よりも5’端で許容される(3’端は増幅させる配列のためのヌクレオチド配列の特異的な鎖と完全にハイブリダイズすることが要求される)。アンチセンスプライマーのケースにおいて、耐性が許容されるのは3’端である。特定の態様において、増幅は、多くの非特異的(aspecific)なバンドの存在を生じない。プライマーの長さを増加させること及び増幅を強い条件を用いることによって、ハイブリダイゼーションの特異性が増加し、寄生的なバンドの排除が可能となる。
【0077】
特定の態様において、プライマーは、ST-17 クローンのGBS 株(特に、CNCM番号I-3537で寄託されたもの)の遺伝子gs2018の全体または一部において選択される。好ましくはプライマーはこの株の遺伝子gbs2018の断片であり、より好ましくは前記遺伝子のセグメント S10またはセグメント S11の断片である。通常、プライマーは、10〜30、好ましくは 15 〜30, より好ましくは 20 〜30 および 更により好ましくは 20 〜25 ヌクレオチドの範囲のサイズを有する。本発明の好適な態様において、プライマーは、配列番号 33のST-17S、配列番号 34のST-17AS、配列番号 27のO11、配列番号 28のO12、および配列番号 29のO13から選択される。
【0078】
また、本発明は、ST-17 クローンのGBS株のDNAを本発明のプライマーセットで増幅させた産物からなる又は前記産物を含んでいる増幅産物(アンプリマーまたは単位複製配列)に関する。
【0079】
そこで使用される「増幅産物(amplification product)」は、任意の化学的な方法、任意の合成法、任意の組換え的な方法、任意のex vivo法などを、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の既知の方法によって得られるポリヌクレオチドを意味する。特定の態様において、これらの方法は、クローニング、増幅、または化学合成を含んでもよい。
【0080】
特定の態様において、「増幅産物」は、以下のものから選択されるポリヌクレオチドを意味する:
配列番号 33のST-17Sおよび配列番号 34のST-17ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 35の配列 ST-17S/ST-17AS (図 5a)のポリヌクレオチド;
配列番号 29のO13および配列番号 34のST17-ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 36の配列 O13/ST-17AS (図 5b)のポリヌクレオチド;
配列番号 29のO13および配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 37の配列 O13/O12 (図 5c)のポリヌクレオチド;
配列番号 33のST-17Sおよび配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 38の配列 ST-17S/O12 (図 5d)のポリヌクレオチド;
配列番号 27のO11および配列番号 34のST17-ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 39の配列 O11/ST-17AS (図 5e)のポリヌクレオチド;
配列番号 27のO11および配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 40の配列 O11/O12 (図 5f)のポリヌクレオチド;
好適な態様において、「増幅産物」は、配列番号 33のST-17Sおよび配列番号 34のST-17ASのオリゴヌクレオチドでPCR増幅後に得られる配列番号 35の配列 ST-17S/ST-17AS (図 5a)のポリヌクレオチドを意味する。
【0081】
また、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドおよび異種性の ポリヌクレオチドを含む組換え型の又はキメラのポリヌクレオチドに関する。異種性のポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドと天然で関連していないものである。それは特にgbs2018 遺伝子の別の領域から又はGBS 株の別の遺伝子から、又は別の供給源から由来するポリヌクレオチドである。
【0082】
前記ポリヌクレオチドは、彼等の認識を可能にする適切な任意の様式で標識できる。また、標識化の手段には、検出のためのヌクレオチドの挿入が含まれる。
【0083】
また、本発明は、生物学的サンプルにおけるGBS 株による感染のインビトロ検出のためのキットに関し、これは規定されたプライマーセットおよび前記プライマーセットで得られた増幅産物を検出するための手段を含む。
【0084】
本発明の特定のキットは、さらにGBS株のDNAの増幅に適切なプライマーセットを含み、前記プライマーセットは少なくとも二つのオリゴヌクレオチドを含んでいる又は少なくとも二つのオリゴヌクレオチドからなり、ここで少なくとも一つのオリゴヌクレオチドはセンスプライマーであり、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドはアンチセンスプライマーであり、前記オリゴヌクレオチドは以下のものから選択される:
配列番号 31の配列を有しているdltRS;
配列番号 32の配列を有しているdltRAS;
配列番号 17の配列を有しているO1;
配列番号 18の配列を有しているO2;
配列番号 19の配列を有しているO3;
配列番号 20の配列を有しているO4;
配列番号 21の配列を有しているO5;
配列番号 22の配列を有しているO6;
配列番号 23の配列を有しているO7;
配列番号 24の配列を有しているO8;
配列番号 25の配列を有しているO9;
配列番号 26の配列を有しているO10;
配列番号 30の配列を有しているO14;
本明細書中に使用される「キット」の用語は、生物学的サンプル中のST-17 クローンのGBS 株による感染の検出に適切である要素のセットを意味する。特に、本発明によるキットは、少なくともST-17 GBS株の検出を許容するために必要で十分な全ての要素を具備する(例えば、本発明による一以上の単離されたポリヌクレオチド配列および検出操作の実行に必要とされる適切な試薬)。
【0085】
特定の態様において、検出は増幅操作を介して達成され、前記試薬にはDNAポリメラーゼ、四つの異なるヌクレオシド三リン酸および反応媒体が含まれるが、これらに限定されない。好適な態様において、前記キットは、上記で規定したものに対応する本発明の少なくとも一つのセットのプライマーを具備する。
【0086】
別の態様において、前記キットは本発明のポリヌクレオチドに対応する少なくとも一つのプローブを具備し、このプローブはコールドプローブ(cold probe)であってもよく又は標識(特に、放射能による)されてもよく、検出される核酸配列(s)と標識または非標識の形態で特異的にハイブリダイズする能力がある。
【0087】
特定の態様において、前記プローブは、ST-17 クローンのGBS 株のgbs2018 遺伝子の全体または一部から選択される。前記プローブは、ST-17 クローンのGBS 株のgbs2018 遺伝子の断片であり、より好ましくは前記遺伝子のセグメント S10またはセグメント S11の断片である。通常、前記プローブは、10 〜700, 特に 50 〜700, または代わりに 10 〜50 または10 〜100, または100 〜500, または200 〜500 または更に200 〜300 ヌクレオチドの範囲のサイズを有する。
【0088】
本発明の特定の態様において、前記プローブは、次のポリヌクレオチド:つまり、配列番号 33のST-17S、配列番号 34のST-17AS、配列番号 27のO11、配列番号 28のO12、および配列番号 29のO13から選択される。
【0089】
好適な態様において、前記キットは、利用者に検出結果の妥当性の点検を認容させる少なくとも一つの陽性および/または一つの陰性の対照を具備してもよい。一例を挙げると、陰性対照には、水, 緩衝剤, または任意の非-ST-17 GBSの微生物、例えば、細菌, ウイルスまたは寄生生物, 又はその核酸配列が含まれえるが、これらに限定されない。「非-ST-17生物体(non-ST-17 organism)」によって、培養方法および分子技術(例えば、多座酵素電気泳動法(MLEE), 多座シークエンシング分類 (MLST), パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE), 制限消化パターン, 制限断片長多型(RFLP)などと、それらの組み合わせ)を含んでいる既知の検出法を用いてST-17 クローンのGBS 株として同定されない生物体が意味される。
【0090】
陽性対照には、任意の上記で規定した本発明のポリヌクレオチドおよび任意の本発明のポリヌクレオチドを含んでいる生物体が含まれえるが、これらに限定されない。
【0091】
自由選択で(Optionally)、前記キットは、さらに生物学的サンプルの標本抽出に必要な要素を具備しえる(例えば、針およびシリンジのような抽出の道具、採集容器、及びそれらの組み合わせ、及びおそらくは使用の説明書)。生物学的サンプルによって、任意の生物学的な有機体(好ましくは哺乳類の生物, より好ましくはヒトおよび最も好ましくは妊娠中の女性または新生児)から採取されたサンプルが意味される。好適な態様において、生物学的サンプルは、体液、例えば、血清、血液、または粘膜の分泌物、例えば、粘膜(例えば、鼻の, 口の, 胃腸の, 膣の又は肛門の膜)が起源の分泌物である。
【0092】
自由選択で、前記キットは、さらにPCR増幅産物の検出に必要な要素を具備しえる。一例を挙げると、PCR産物は、アガロースゲル電気泳動による分離後に、BETまたはSYBRグリーンなどの標準のインターカラント(intercalant)剤を使用することで検出できる[Huang et al., 2005]。更なる一態様において、増幅産物は、リアルタイムPCRで得られ、非特異的な蛍光インターカラント剤(例えば、SYBRグリーン)で検出される[Whitcombe D et al., 1999]。別の態様において、増幅産物は、リアルタイムPCRで得られ、特異的な蛍光プローブ、例えば、Taqman 系[Holland PM et al., 1991], Molecular Beacon 系 [Tyagi S et al., 1996], またはFRET (蛍光共鳴エネルギー移動)系[Wittwer CT et al., 1997]の使用により検出される。
【0093】
また、本発明は、ST-17 クローンの高病原性GBS株をインビトロ検出するための方法に関し、該方法は生物学的サンプルにおけるgbs2018遺伝子又はその断片、又は前記遺伝子から由来するDNA産物を検出することを備える。特定の態様において、前記方法は、gbs2018 遺伝子のS10 セグメント および/または S11 セグメントを検出することを備える。
【0094】
前記検出のための特定の方法は、gbs2018 遺伝子を又はその特異的な断片を又は前記遺伝子に由来するDNA 産物を増幅する工程を備えるものである。
【0095】
前記検出のための特定の方法は、gbs2018 遺伝子を又はその特異的な断片を又は前記遺伝子に由来するDNA 産物を伸長(elongation)する工程を備えるものである。
【0096】
係る方法において、増幅の工程または伸長の工程には、プライマーセットを用いることが関与し、好ましくは少なくとも一つの以下のプライマーペアを含んでいる又は少なくとも一つの以下のプライマーペアからなる:
a) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
b) 配列番号 17の配列を有しているO1および配列番号 28の配列を有しているO12;
c) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 28の配列を有しているO12;
d) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 24の配列を有しているO8;
e) 配列番号 25の配列を有しているO9および配列番号 30の配列を有しているO14;
f) 配列番号 25の配列を有しているO9および配列番号 18の配列を有しているO2;
g) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 28の配列を有しているO12;
h) 配列番号 28の配列を有しているO12および配列番号 29の配列を有しているO13;
i) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
j) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
k) a)〜j)におけるプライマーに実質的に相補的なプライマーペア;
h) 各ポリヌクレオチドがST-17クローンのgbs2018 遺伝子又はその断片を標的とすることにおいて適切なプライマーペアであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントまたは前記セグメントの断片を含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントまたは前記セグメントの断片からなる配列を増幅するためのプライマーペア。
【0097】
前記方法の特定の態様において、増幅の工程または伸長の工程には、配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17ASからなるプライマーセットを用いることが関与する。
【0098】
本発明の特定の側面において、増幅は、PCRで行われる。他の増幅法が使用でき、例えば、SDA, SSSR, LCR, TMA, NASBAなどである。
【0099】
ここで使用される「増幅(amplification)」は、任意の化学的な方法、任意の合成法、任意の組換え的な方法、任意のex vivo法などを、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の既知の方法による標的ポリヌクレオチド配列の複製(multiplication)を意味する。特定の態様において、これらの増幅の方法は、クローニング、PCR増幅、または化学合成を含んでもよい。
【0100】
好適な態様において、増幅は、標的のポリヌクレオチド配列のPCR増幅を意味する。前記PCR 増幅は、以下の工程を備えているサイクルに基づく:
検出された二本鎖核酸の変性(これによって、一本鎖核酸の形成に至る)、
前の変性工程の間に得られた核酸の鎖の各々と本発明による少なくとも一つのプライマーとのハイブリダイゼーション(前記核酸の鎖を本発明のプライマーの少なくとも一つのセットとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下での接触に配置することによって行われる)、
プライマーが重合剤(DNAポリメラーゼ)および四つの異なるヌクレオシド三リン酸(dNTPs)の存在下でハイブリダイズする鎖に相補的なDNAの(前記プライマーから開始される)形成。
【0101】
上記のサイクルの連続的な反復によって、検出される二本鎖核酸の前の変性工程よりも多数の形成へと至る。前記サイクルは、増幅された標的のポリヌクレオチド配列を検出が許容される十分な量で得るために規定の数で反復される。
【0102】
前記サイクルの伸長工程に使用された重合剤は、耐熱性のDNAポリメラーゼ(特に、Taqポリメラーゼまたは任意の商業的に利用可能なポリメラーゼ)である。
【0103】
例において言及される条件が、生物学的サンプルの起源、プライマーの長さ及び配列、または反応混合物の最終的な容量などに応じて修飾しえることは明らかである。
【0104】
検出のための方法には、ST-17 クローンの高病原性GBS株のDNAの同定又はそのDNA断片の同定、又は本発明の検出のための方法の実行の結果として前記DNAから由来する産物の同定が必要とされる。ST-17 株に特異的な遺伝子 gbs2018の対立遺伝子型を含んでいる生物(又はその核酸)、および他の株および/または生物(又はその核酸)の間の正確な識別を可能とする手段が、好適である。本発明の特定の態様において、「検出(detection)」の用語は、生物学的サンプルからのST-17 クローンのGBS株が原因の感染の特異的な同定を意味する。また、より特定の態様において、検出によって、ST-17 クローンの株を他の連鎖球菌株(好ましくは血清型IIIの他のGBS株のなかから)から識別することが可能である。さらにより好適な態様において、ST-17 クローンのGBS株は、独占的(exclusively)に検出され、他の連鎖球菌株でも他の微生物でもない他の配列型のGBS株の検出が認容されることはない。
【0105】
本発明の特定の態様において、検出は、ST-17 クローンのGBS株から特異的なgbs2018 遺伝子の対立遺伝子型の全体または一部〔例えば、特に、配列番号 5の配列 S10 (図 3b)のセグメント S10、配列番号 13の配列 S11a (図 4a)のS11aおよび/または配列番号 15の配列 S11b (図 4b)のS11b、又はその断片の核酸配列〕の増幅操作を備えてもよい。係る増幅操作は、任意の化学的な方法、任意の合成法、任意の組換え的な方法、任意のex vivo法などを、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の既知の方法を備えてもよい。特定の態様において、これらの増幅の方法は、クローニング、PCR増幅、または化学合成を含んでもよい。
【0106】
別の態様において、検出は、本発明のポリヌクレオチド又はそれに由来するものから作出されたプローブでのハイブリダイゼーション操作を備えてもよい。特に、プローブは、ST-17 クローンのGBS株から特異的なgbs2018 遺伝子の対立遺伝子型の全体または一部〔例えば、特に、配列番号 5の配列 S10 (図 3b)のセグメント S10、配列番号 13の配列 S11a (図 4a)のS11aまたは配列番号 15の配列 S11b (図 4b)のS11b、又はその断片、又は前記S10 および/または S11 セグメントを含んでいる遺伝子の断片又は前記セグメントの断片の核酸配列〕から調製できる。前記ハイブリダイゼーション操作は、主に次の工程を備える:つまり、検出される標的の核酸を変性させること、前記プローブを変性した核酸と接触させること、得られたハイブリッドを回収すること(例えば、非特異的な会合を除去するための洗浄工程によって)を備える。ハイブリダイゼーションの条件は、本出願で規定されるものであり、上記のまたは例に記載されるものである。
【0107】
また、検出のための方法は、増幅操作の又はハイブリダイゼーション操作の結果を視覚化するための手段および工程を備えてもよい。前記視覚化手段は、当業者に周知であり、化学的な、酵素的な又は生物学的な標識手段および化学的な、酵素的な又は生物学的な標識を同定する能力がある手段、例えば、コールド標識(cold labelling), 放射性標識および蛍光標識が含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
本発明の特定の態様において、検出方法は、自由選択で生物学的サンプルの抽出, 分離, 調製, 精製などを備えてもよい。特に、検出は、生物学的サンプルに含有される検出される核酸の抽出が関与する工程を任意で備えてもよい。適切な場合、抽出/精製工程は、前記核酸と逆転写酵素(後者がRNAの形態である場合)とのインキュベーションが関与してもよい。
【0109】
また、本発明は、本明細書中で規定された本発明のポリヌクレオチドの一つによってコード化されたポリペプチドに関する。本発明の特定の態様において、このポリペプチドは、配列番号 2の配列 Gbs2018-NEM318 (図 1)を有しているものではない。それでも、本発明は、本出願で規定したとおり、本発明のポリヌクレオチドの一つによってコード化されたポリペプチドの断片及び前記ポリペプチドの又はその断片の使用を含む。
【0110】
特定のポリペプチドは、少なくとも 6 アミノ酸残基を有している断片、特にST-17 クローンの株のGbs2018 表面タンパク質のエピトープを含んでいる断片である。特定の態様において、前記断片は、配列番号 2の配列 Gbs2018-NEM318 (図 1)を有しているST-17 クローンの株のGbs2018 表面タンパク質の断片である。
【0111】
一つの態様によると、前記ポリペプチドは、ST-17 クローンのGBS株のGbs2018 タンパク質のS10と称されるポリペプチド領域から由来し、以下のもののなかから選択される:
ポリペプチド S10 セグメント〔特に、配列番号 6の配列 S10 (図 3b)を有しているポリペプチド〕;
その断片〔特に、少なくとも 6 アミノ酸残基を有しており、エピトープを含んでいる断片〕;
前記S10 セグメントを含んでおり、少なくとも 190 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド。
【0112】
配列番号 6の配列 S10 (図 3b)を有するS10ポリペプチド領域の特定の断片は、Gbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識されるものである。
【0113】
一つの態様によると、前記ポリペプチドは、ST-17 クローンのGBS株のGbs2018 タンパク質のS11と称されるポリペプチド領域から由来し、以下のもののなかから選択される:
ポリペプチド S11a セグメント〔特に、配列番号 14の配列 S11a (図 4a)を有しているポリペプチド〕;
ポリペプチド S11b セグメント〔特に、配列番号 16の配列 S11b (図 4b)を有しているポリペプチド〕;
その断片〔特に、少なくとも 6 アミノ酸残基を有しており、エピトープを含んでいる断片〕;
前記S11a セグメントを含んでおり、少なくとも 72 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド;
前記S11b セグメントを含んでおり、少なくとも 79 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド。
【0114】
配列番号 14の配列 S11a (図 4a)を有するS11a ポリペプチド領域の特定の断片は、Gbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識されるものである。
【0115】
配列番号 16の配列 S11b (図 4b)を有するS11b ポリペプチド領域の特定の断片は、Gbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識されるものである。
【0116】
本発明のポリペプチドは、エピトープを具備でき、6 〜50, または6 〜30, または6 〜15のアミノ酸を有しえる(このポリペプチドは、Gbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識される能力を有している)。
【0117】
特定の態様において、前記ポリペプチドは、ST-17 クローンの株から由来し、GBSの血清型IIIの他の株のGbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識されない。
【0118】
また、本発明は、本明細書中で規定したポリペプチドを含んでいる組換え型の又はキメラのポリペプチドおよび異種性のポリペプチドに関する。異種性のポリペプチドは、本発明のポリペプチドと天然で関連していないものである。それは特にGbs2018 表面タンパク質の別の領域から又はGBS 株の別の表面タンパク質から、又は別の供給源から由来するポリペプチドである。
【0119】
本発明のポリペプチドは、担体分子と関連(in association with)してもよい。
【0120】
また、本発明は、GBS株のST-17 クローンのGBS 表面タンパク質〔特に、配列番号 2の配列 Gbs2018-NEM318 (図 1)を有している前記表面タンパク質、又はS10 セグメント および/または S11 セグメントを含んでいるその断片〕を認識することを特徴とする抗体に関する。係る断片は、上記で規定されている。特に,これらの抗体は、他のGBS株の他のGBS表面タンパク質よりも高い親和性を有する上記ポリペプチドを認識する又はこのような他のGBS表面タンパク質を認識しない。
【0121】
また、本発明は、本明細書中で規定したポリペプチドに対する抗体を調製するための方法に関し、該方法は動物を前記ポリペプチドで免疫することと、前記ポリペプチドに対して産生された抗体を回収することとを備える。
【0122】
また、本発明は、本明細書中で規定したポリペプチドに対するモノクローナル抗体に関し、該モノクローナル抗体はGBS株のクローン ST-17のGBS 表面 タンパク質および特にS10 セグメント および/または S11 (S11a および/または S11b) セグメントの全体または一部を含んでいるその断片を特異的に認識する。係る断片は、上記で規定されている。
【0123】
また、本発明は、本明細書で規定される抗体の断片に関し、前記GBS 表面タンパク質を認識する及び結合するために十分に可変性のドメインの全体または一部を含んでいる又はそれからなる断片が含まれる。
【0124】
また、本発明は、本明細書で規定されるポリペプチドの使用に関し、本明細書で規定される適用のための、特に生物学的サンプル中の特にST-17 クローンのGBS 株による感染のインビトロ検出のためのGbs2018-NEM318 (図 1) ポリペプチド及びその使用が含まれる。
【0125】
本発明のポリペプチドまたは本発明による抗体又はその断片を含んでいる生物学的サンプル中のGBS 株による感染をインビトロ検出するためのキット、および前記ポリペプチド又は前記抗体又はその断片および前記生物学的サンプルで得られる抗原/抗体複合体を検出するための手段も、本発明に包含される。
【0126】
本発明によるポリヌクレオチド, ポリペプチド, 抗体及びその断片, 方法, キットは、哺乳類および/またはヒトにおけるST-17 クローンの株の検出における使用に適切である。
【0127】
本発明によるポリヌクレオチド, ポリペプチド, 抗体及びその断片, 方法, キットは、特に妊娠中の女性, 胚, 胎児, 新生児および/または小児(child)におけるST-17 クローンの株の検出における使用に適切である。
【0128】
本発明に開示されたポリヌクレオチド, ポリペプチド, 抗体及びその断片, 方法, キットは、GBS株のST-17 クローンの株により生じた新生児の浸潤性感染(invasive infections), 新生児の死亡率または新生児の罹病率の検出における使用のための手段である。
【0129】
本発明によるポリヌクレオチド, ポリペプチド, 抗体及びその断片, 方法, キットは、GBS株のST-17 クローンの株により生じた新生児の肺炎, 菌血症または髄膜炎の検出における使用に適切である。
【0130】
本発明の他の特性は、例および図面から明らかであり、上記の本発明の開示された要素に個々に又は組み合わせて適用される。
【0131】
本願の図面は、説明のために提供され、本発明の対象を限定しない。
【0132】
[例]
以下の例および対応する図面は、本発明を説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものではない。同様の様式で、例に開示される特定の手段は、上記の要素に適用するために適切である。
【0133】
例 1: GBS株の同定、血清型判別およびDNA抽出。
【0134】
gbs2018 遺伝子のgbs2018 遺伝子を特徴づけるために、三つの配列決定された株NEM316 血清型III, 2603V/R 血清型V, 株A909 血清型Ib (http://www.tigr.org/tdb/mdb/mdbinprogress.html), 部分的に配列決定された 血清型III 株COH1 および特性を決定した血清型III株BM110を含む181の無関係のGBS株を研究した。
【0135】
以下に記載される表 1に詳細に示されるように、コレクションには、1990 および 2005の間に単離された様々なフランスの地理的な起源からの155のヒトの株、様々なUKの地理的な起源からの8の株および13のウシ乳腺炎の株が含まれる。
【0136】
GBS 株の同定を、市販の ラテックス凝集試験 (bio Merieux, Marcy l'Etoile, France)を用いて実現した。そして、前記株は、Essum 社 (Umea, Sweden)の市販のキットを用いる凝集により血清型判別された。全てのGBS株を、5%のウマ血液を含有しているColumbia 寒天で37°C で5%のCO2大気で培養した。そして、対応する保存していた培養物を、10% グリセロールを含有しているTodd-Hewitt ブロス中で-80°Cで凍結し、貯蔵した。
【0137】
DNAを、異なるSTを代表する十六の臨床的な単離体の細菌培養物および臨床サンプルから抽出した。
【0138】
一晩の細菌コロニーからのトータルDNAの抽出を、InstaGene TM Matrix(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いることによって行った。
【0139】
膣サンプルからのDNAを、Reglier-Poupet等, 2005に記載のとおり抽出した。要約すると、膣の下部三分の一の粘膜の分泌物を、綿棒で得た。同じ検体を、標準培養およびPCRアッセイに使用した。前記綿棒を、500μlの無菌のPBS中で放出され、ボルテックスした。GBSの微生物学的な培養および同定のために、100μlを、Columbia ウマ血液寒天プレートに播種し、37°Cで5% CO2 で18hインキュベーションした。β溶血性コロニーおよび疑われる非溶血性コロニーを、市販のラテックス凝集試験 (bioMerieux)を用いることによってGBSと同定した。PCRアッセイに関して、残っている400μlを、抽出するまで-80°Cですぐに凍結した。百マイクロリッターの凍結したサンプルを、製造者のプロトコール (QIAamp DNA minikits, Qiagen Courtaboeuf, France)によって市販のDNA 抽出キットを用いて粗製ライセートとして調製した。
【表1】

【0140】
例2: gbs2018多形性の同定および特性決定
抽出したDNAを、PCR増幅のマトリックス(matrix)として使用した。gbs2018の全ての対立遺伝子型の完全長の遺伝子を、プライマーペアO1-O2 (以下の表 S1 を参照されたい)を用いて増幅した(それぞれ前記遺伝子の上流および下流に局在する)。
【表S−1】

【0141】
PCR産物のSau3A-RFLP分析によって、gbs2018 座位の構造上のかなりの不均一性が明らかとなり、これは単純にNEM316に存在するKPEA反復セグメント内の分子内再配列(欠失/増幅)が原因ではない。
【0142】
gbs2018対立遺伝子の遺伝的多様性を理解するために、全ての十六のPCR断片を、両方の鎖を対応するPCRプライマー(表 S1のプライマー O1〜O14を参照されたい)で全体的にシーケンスした。生じるDNA配列を、「Codoncode Aligner version 1.3.4」ソフトウェアを用いて組立て、全長gbs2018遺伝子を得た。DNA配列を、次に「DNA Strider version 1.4f3」および「Clustal X version 1.83」で分析し、比較した。最終的に、系統樹を、「TreeEdit version 1.01a10」ソフトウェアで近隣接合法(neighbour-joining method)を用いてgbs2018 配列のアラインメントから作成した。
【0143】
図 6に示したとおり、結果としての系統樹には、配列決定された株NEM316, 2603V/R, および A909のgbs2018 遺伝子が含まれていた。後者の株において、gbs2018-様の配列は、挿入配列 IS1381で中断されていた。異常な系統樹が生じることを回避するために、挿入配列を、この分析から除外した。それ故、配列A909デルタは、インシリコで再構成した。その上、スターST-19*は、参照配列と比較したときに分析される七つの遺伝子の一つにおける一つの変異を意味する。各クラスター(A, B, および C)に割当られたDNA配列は、異なる特性を有する。他方で、所与のクラスター内の配列バリエーションは、主に反復配列を含んでいるセグメント内の再配列による(図 6を参照されたい)。
【0144】
得られた系統樹は、A, B, および Cと称される三つの主要なクラスターの存在を明らかとした、つまり:
クラスター Aは、4つの亜系統に分けられ、ST-19 および ST-23に属している株からのgbs2018 配列、特に配列決定された株2603 V/R および NEM316からのgbs2018 配列を含む。
【0145】
クラスター Bは、8つの異なるSTs (ST-1, ST-2, ST-7, ST-6, ST-8, ST-9, ST-10, および ST-41)に属している株からの配列を含み、その中で3つの亜系統が同定された。
【0146】
重要なこととして、クラスター C(2つの亜系統が含まれる)は、独占的にST-17 配列から構成されることが示された。この観察を確認するために、11の付加的なST-17のGBS株からのgbs2018バリアントは、配列決定されて、クラスター Cに属することが証明された。
【0147】
gbs2018 遺伝子バリアントの構造は、クラスターA (NEM316), B (NEM1010) および C (BM110)の代表を原型の配列として用いることによって詳細に分析された(図 7を参照されたい)。配列分析に基づいて、表面 タンパク質 Gbs2018の三つの対立遺伝子型をコード化している、各々の系統発生のクラスターA, B, および Cの代表的なメンバーは、十一のセグメント(S1〜S11と番号づけした)に分けられた。
【0148】
規定された十一のセグメントのなかで、三つは全ての配列中に存在する:
5' セグメント S1(シグナルペプチドをコードする);
3' セグメント S8(「LPXTG」モチーフに疎水性ドメインおよび陽性に 荷電した尾部が続いたものからなる局在化シグナルをコードする)および;
セグメント S7〔配列「KPEA」に基づく4-アミノ酸長のモチーフをコード化している反復の可変数(n)を含む;nは、クラスターA および Bで54 および 126の間に範囲し、クラスター Cにおいてn = 45である〕。
【0149】
所与のクラスター内の配列バリエーション(Sequence variations)は、主に反復配列を含んでいる部分の再配列によることが証明された。従って、クラスター A内の配列不均一性(sequence heterogeneity)は、S7 (CCH180, NEM1002)におけるKPEA反復の数におけるバリエーションに又はS6 セグメントを除去している欠失にリンクされていると思われる。実際、セグメント 6は、驚くことに本研究で分析された三つのST-19株(クラスター A)のgbs2018遺伝子に非存在であった(2603V/R, NEM940, NEM1560)。この欠失は、36 bpをこえる84%の同一性を共有するセグメント S5 および S7の間の組換えイベントが原因であるようだ。
【0150】
クラスター Bにおいて、配列多様性は、セグメント S7のサイズ変異と相関するようにおもわれる。他方で、クラスター Cにおいて観察された二つの亜系統は、おそらくgbs2018におけるS11反復の数による。
【0151】
最終的に、各クラスターは、少なくとも一つの特有(distinctive)のセグメントを含むことが見出された、つまり:
セグメント S3は、クラスター Aの特有であるようにみえる;
セグメント S9(配列「IKAESINT/K」に基づいた8-アミノ酸長のモチーフをコード化している9つの反復を含んでいる)は、クラスター Bのみに見出された;
セグメント S10 および S11は、クラスター Cに特異的とおもわれる。驚くことに、二つのコピーのセグメント S11(セグメント S11a に続くセグメント S11bからなる)は、全てに見出されるが、クラスター Cに属している二つのST-17株(COH1 および NEM318)には見出されない。
【0152】
例 3: 臨床サンプル中のGBS株およびST17バリアントの特異的に検出するためのリアルタイムPCRアッセイの開発
特異的な プライマー dltRS および dltRASを、PCRによりGBS株を検出するために設計した。実際、このカップルのプライマーによって、dltRの存在下で234-bp 断片の増幅が認容される〔S. agalactiaeにおいて特異的に遭遇する単コピーの調節遺伝子〕[Poyart C. et al., 2001]。
【0153】
前述の例 2で観察されるgbs2018の多形性に基づいて、C クラスター特異的S10ドメインの配列を使用して、ST-17 特異的な プライマー ST-17A および ST-17ASを設計した(これによってgbs2018特異的なセグメント S10から210-bp 単位複製配列断片を産生されるだろう)。
【0154】
双方のケースにおいて、至適化されたプライマー配列を、「Beacon Designer 4.01」で設計した。そして、その配列は、Genbank データベースに対しBLASTサーチを用いて比較して、偶然類似性(serendipitous similarities)の非存在を検証した。
【0155】
単離されたコロニーから又は臨床サンプルからプライマーペア ST-17A/ST-17AS および dltRS/dltRASを用いてGBS株s および ST-17 variantの検出を可能とするリアルタイムPCRアッセイを、別々の反応で行った。
【0156】
PCRアッセイを、LightCycler(登録商標)2.0 機器(Roche Molecular Diagnostics)で5 μl の抽出されたDNAまたは蒸留水(負の対照), 0.45 mMのセンスおよびアンチセンスプライマー, 2 μl の10X LightCycler-DNA Master SYBRグリーンI(Roche Molecular Biochemicals, Mannheim, Germany), および4.0 mMのMgCl2を含有している最終容量25μlで行った。
【0157】
PCR混合物を、95°C 、10 minのプレサイクル(precycle)に供試した。増幅を、40 サイクルの95°C を10 sec, 5 sec を55°C および 72°Cで10 secを用いて行った。40の増幅サイクルの終了時に、反応物を、95°Cで熱し、次に35°Cに冷却した。反応産物を、ポストPCR融解サイクル(post-PCR melting cycle)に供試するか又はアガロースゲル電気泳動で分析した。
【0158】
融解プロフィール(melting profile)を、LightCycler 機器(Version 4.0)に提供されたソフトウェアプログラムを用いて行った。LightCyclerにおいて、ST-17 GBS株に関する陽性の結果によって、それぞれ融解温度(Tm)79.5 + 0.4 (dltR) および 78.5 + 0.3 (ST-17)を有する二つの曲線を生じた。他方で、非ST-17 GBS株によって、Tm 79.5 + 0.4を有するただ1つの融解曲線を生じた。
【0159】
陽性及び陰性の対照を、全ての実験に含ませた:
参照株 S. agalactiae BM110から抽出されたDNAを、陽性対照として使用した;前記方法の分析感受性を、BM110のゲノムDNAの連続的な10倍希釈で評価した。標準物質/陽性対照は、103 および 101のGBS細菌ゲノムに相当する二つの希釈であった。
【0160】
陰性対照として、水を、DNAの代わりに添加した。
【0161】
全ての陰性のPCRサンプル中のインヒビターの非存在を、内部標準を用いて点検した〔ここで、プラスミドDNAは、特異的なプライマー Vlac1 および Vlac2 (上記の表 S1 を参照されたい)の存在下で125-bpのDNA断片の増幅を許容する10コピー/PCR反応の終濃度で添加された〕。
【0162】
そのうえ、厳密な予備的措置をとり、相互汚染を予防した:従って、PCR操作の前後で行う処置を、別々の部屋で行った。
【0163】
また、PCRアッセイの特異性を、発明者の研究コレクションの種々のグラム陽性 および グラム陰性細菌の種の純粋な培養物から抽出されたDNAを用いて検証した。これらには、多数の正常な腸および生殖器官のフローラの連鎖球菌および他の微生物、同様に生殖器感染の原因となる細菌が含まれる(以下の表 S2に認められる)。
【表S2−1】

【表S2−2】

【0164】
最終的に、181のGBS株の細菌コレクションが、同じ 反応で両方の プライマーペア dltRS/dltRAS および ST-17S/ST-17ASを用いたPCRで特性が調べられた。この分析において、前にST-17株と同定された8つの浸潤性のクローンを、陽性対照として存在させた。そして、配列決定された株NEM316 (ST-23) および 2603V/R (ST-19*)を、陰性対照として使用した。予想どおり、プライマーdltRS/dltRASによって、全ての181のGBS株で予想されたPCR 断片が生じた。他方で、プライマー ST-17A および ST-17ASによって、50の臨床ヒト単離体と陽性反応が生じた。二つのカップルのプライマーで得られた増幅パターンの例は、図 8に示される。
【0165】
また、ST-17 プライマーでPCR陽性とスクリーニングされた全ての株は、血清型 IIIに属していることが示され、一つだけ除いて全部がヒトの浸潤性の感染から単離されたことを示した(以下の表 2を参照されたい)。増幅によって得られた結果を評価するために、MLSTを42の株で行ったところ、全てがST-17と確認された(表 2)。同様に、MLSTを、61の残りの131のST-17のPCR陰性株で行った。その中で、19の新生児の浸潤性の株(EODからの11株, LODからの7株, および3歳の子供から単離された一つの株)、19の成体の浸潤性の株, 11の保因株(carriage strains), および12のウシ乳腺炎からの株によって、これらがST-17に属さないことが確認された。
【表2】

【0166】
表 2に示されたとおり、ヒトの株の中で最も頻繁に発見されたSTは、ST-23 (14 株)であり、続いてST-19 (10 株), ST-1 (6 株), ST-8 (5 株), ST-10 (6 株), および ST-2 (3 株)であった;全ての他のSTは、一つの株で代表されていた。
【0167】
最終的に、1月の期間(2004年12月)に対して採取された妊婦からの85の膣サンプルを、GBS検出の従来の直接平板培養法(direct plate culture method)および本発明のリアルタイム PCR アッセイを用いて比較して分析され:
前記平板培養法によって、24 hで37°Cの後に13(15.2%)のGBS陽性の培養物が同定された。血清型の分布(株の数)は、III (5), Ia (2), および Ib (6)であった。
【0168】
膣サンプルから直接的に抽出されたDNAで行ったリアルタイム PCR アッセイによって、13サンプル中にGBSが存在し、およびST-17 株の存在は2サンプルであることが確認された。これらの結果は、さらにMLSTによって確認された。そのうえ、前記PCR アッセイは、72の残りのサンプルに関して陰性であった。インヒビターの非存在を、全例で陽性のシグナルを生じた内部PCR プラスミドDNA対照を用いて評価した。
【0169】
従って、我々は、細菌の培養物または直接的に膣分泌物の「高度に病原性」のGBS ST-17系統の急速, 単純, 確実, および正確な検出が可能なリアルタイム PCR アッセイを開発した。この技術を用いて、ST-17がコロニーを形成した女性および新生児の正確な同定が、二時間未満で容易に達成できる。
【0170】
例 4: B群レンサ球菌の疫学報告
フランスの異なる地理的な領域からの浸潤性感染の原因の58の株を研究した〔即ち、28の無関係の新生児の浸潤性株および成人の浸潤性の感染から単離された30の非重複性(non-redundant)の株〕。受け取った全ての株を、さらに割当られた同定および抗菌感受性の特徴の確認、PCRに基づく分子的な血清型判別(Poyart など, 2006)による莢膜血清型の決定、およびリアルタイム PCRによる超病原性ST-17 クローンの検出(上記 および in Lamy など, 2006)で特性を調べた。
【0171】
I. 新生児の浸潤性感染
研究した58単離体のなかで、28の非重複性の株を新生児の浸潤性疾患から単離した。これらの株の16 および 12は、それぞれ早発性疾患(EOD;即ち、disease occurring up to 6 days 出生後6日までに生じている疾患)および遅発性疾患(LOD,即ち、7 日から3 月齢に生じている疾患)(表 3を参照されたい)。
【0172】
EOD株: 16のEOD株の10(62.5%)が、血液培養から単離された。そのうち2つは血液培養および脳脊髄液から単離された。そして、残りの6株は、新生児の感染の症状(呼吸 困難, ショック, および肺炎)を伴う新生児の胃のサンプルからであった。分子的な莢膜血清型判別によって、16のEOD単離体が血清型 III (n=8; 50%), Ia (n=6; 37.5%), II (n=1; 6.25%), またはV (n=1; 6.25%)に属することが明らかとなった。血液培養から単離された10株は、血清型Ia (n=5, 50%), III (n=4, 40%), および V (n=1, 10%)のものであった。これらの株のなかで、髄膜炎の原因である二つの株は、血清型 Ia および IIIのものであった。胃液からの6つの株は、血清型III (n=4, 66.6%) および Ia (n=2; 33.3%)に属していた。ST-17 超病原性クローンのPCR検出は、5つの血液単離体(髄膜炎の原因である一つの単離体を含んでいる)、および胃液からの3つの単離体を含む8つの血清型 IIIのEOD株に対して陽性であった。
【0173】
LOD株: 全て12のLOD株は、血液培養から単離され、血清型 IIIに属し、CT-17 クローンと同定された。また、これら12の単離体のうち九つ(75%)は、CSFから回収され、髄膜炎の原因であった。
【表3】

【0174】
これらの結果は、株の浸潤性およびLODの新生児のST-17系統の間の関連が、高度に有意(p<.0001)であることを実証した(というのも、研究した全て12の浸潤性の株がST-17であったからである)。EODにおいて、ST-17 クローン複合体は研究した16株のうち8つ(50%) (p<.01)とされたが、血清型 III 株の100%(n=8)に相当していた。これによってフランスの新生児の浸潤性感染の原因である大多数のGBS単離体がST-17であることが確認された。類似する結果は、他の国々において報告されている(Bisharat et al, 2004; Bohnsack et al, 2004; ジョーンズ et al, 2006; Lin et al, 2006)。
【0175】
II. 成人の浸潤性感染
30の非重複の株を、成人の浸潤性感染(二つの主な臨床上の総合的症状である敗血症および関節炎)から単離した。
【0176】
これらの株の特性は、表4に示される。
【表4】

【0177】
最も蔓延した莢膜血清型は、III (33.3%), Ia (26.6 %), および V (26.6%)であった。30株のうち十五(50%)は血液培養から単離され、九つ(30%)は関節炎の原因であり、関節穿刺(articular punction)から単離された。莢膜血清型の優勢性は、菌血症および関節炎の原因である株のなかで認められなかった。研究した30 株のうち三つは、髄膜炎 (2つの血清型 III および 1つの血清型 Ia 株)の原因であった。このコレクションの10の血清型 III単離体のなかで、二つのみがST-17 (20%)と同定されたが、いずれも髄膜炎の原因ではなかった。
【0178】
これらの結果によって、成人の浸潤性感染の原因であるGBS株の疫学が新生児で観察されたものとは劇的に異なることが実証された。
【0179】
III. 膣のサンプルから単離された血清型IIIのなかの超病原性(hypervirulent)のST-17クローンの有病率(Prevalence)
妊婦の膣にコロニーを形成したGBSのなかの超病原性ST-17 クローンの有病率を研究するために、一年の期間(1/06/05から1/06/06)の間にCochin病院での妊婦から採取された膣サンプルから単離された全てのGBS株が研究された。凝集法で検出された全ての血清型 III GBSは、分子的な血清型判別で確認した。ST-17 クローンのPCR検出を、血清型判別が分子技術で確認された全ての血清型 III株に関して行った。得られた結果を、表5に示す。
【0180】
全体で3235の非重複性の膣サンプルを、分析した。325は、GBSに関して陽性であり、これらのうちで113株は血清型 III (35%)であった。113の血清型 III株のうち四十七(41.6%)は、ST-17であった。結論として、GBS保因(GBS carriage)が、研究された妊婦の10%で検出された。そして、血清型 III 株は、コロニーが形成された女性の34.76%に存在していた。この血清型 IIIのGBS集団のST-17 クローンのパーセンテージは、41.6%であった。
【表5】

【0181】
妊婦およびEODのGBS株の疫学的な特性(血清型 および ST-17の有病率)が、ほとんど同一であることが注目される(表 3 および 表 5を参照されたい)。この観察によって、膣サンプルの高病原性クローンST-17の検出はこのクローンがコロニーを形成した乳児の正確な追跡を保証するために行うべきであるとの我々の提案へのさらなる指示が得られた。
【0182】
[参照文献]
Bisharat, N., Crook, D.W., Leigh, 1, Harding, RM., Ward, P.N., Coffey, T.J., Maiden, M.C., Peto, T., and Jones, N. (2004) Hyperinvasive neonatal group B streptococcus has arisen from a bovine ancestor. J Clin Microbiol 42: 2161-2167.
Bohnsack, J.F., Whiting, A.A., Martinez, G., Jones, N., Adderson, E.E., Detrick, S., Blaschke-Bonkowsky, A.J., Bisharat, N., and Gottschalk, M. (2004) Serotype III Streptococcus agalactiae from bovine milk and human neonatal infections. Emerg Infect Dis 10: 1412-1419.
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Lamy, M.C., Dramsi, S., Billoet, A., Reglier-Poupet, H., Tazi, A., Raymond, J., Guerin, F., Couve, E., Kunst, F., Glaser, P., Trieu-Cuot, P., and Poyart, C. (2006) Rapid detection of the "highly virulent" group B streptococcus ST-17 clone. Microbes Infect 8: 1714-1722.
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Schrag, S.J., Zell, E.R., Lynfield, R., Roome, A., Arnold, K.E., Craig, A.S., Harrison, L.H., Reingold, A., Stefonek, K., Smith, G., Gamble, M., and Schuchat, A. (2002) A population-based comparison of strategies to prevent early-onset group B streptococcal disease in neonates. NEnglJMed 347: 233-239.
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Wittwer CT, Ririe KM, Andrew RV, et al. The LightCycler: a microvolume multisample fluorimeter with rapid temperature control. Biotechniques 1997;22:176-81.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の群から選択されるポリヌクレオチド:
a) ST-17 クローンの株の表面タンパク質Gbs2018をコード化しているB群レンサ球菌遺伝子であって、配列番号 5の配列 S10を有している核酸配列を具備し、さらに少なくとも一つの配列番号 13の配列 S11aおよび/または配列番号 15の配列 S11bを有している少なくとも一つの核酸配列からなるドメインを具備する遺伝子;
b) ストリンジェントな条件下でa)の遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチド;
c) a)のB群レンサ球菌遺伝子に由来する断片又はストリンジェントな条件下でa)に規定した遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチドに由来する対応する断片であって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記Gbs2018表面タンパク質のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードする断片;
d) a)で規定した遺伝子の又はb)で規定したポリヌクレオチドの又はc)で規定した断片の断片と実質的に相補的なポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記Gbs2018表面タンパク質のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
e) 但し、前記ポリヌクレオチドは、配列番号 1のコード配列を有しているポリヌクレオチドからなる(consist in)ものではない。
【請求項2】
請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、以下の群から選択されるポリヌクレオチド:
a) ST-17クローンの株のGbs2018 表面 タンパク質をコード化しているB群レンサ球菌遺伝子であって、前記遺伝子は、配列番号 5を有しているS10セグメントの核酸配列を具備し、さらに少なくとも二つのコピーの配列番号 13のS11aセグメントの核酸配列または配列番号 15のS11bセグメントの核酸配列、または少なくとも一つのコピーの配列番号 13 および 配列番号 15の各核酸配列を有している少なくとも一つの核酸配列からなるドメインを具備する遺伝子;
b) ストリンジェントな条件下でa)の遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチド(S10セグメントおよびS11aセグメントおよびS11bセグメントの群のなかから選択される同一の又は異なる二つのセグメントとハイブリダイズするものを含んでいる);
c) a)で規定したB群レンサ球菌遺伝子に由来する断片又はストリンジェントな条件下で前記遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチドに由来する断片であって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記Gbs2018表面タンパク質のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードする断片;
d) a)で規定した遺伝子の又はb)で規定したポリヌクレオチドの又はc)で規定した断片の断片と実質的に相補的なポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記Gbs2018表面タンパク質のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切な配列番号 1を有しているgbs2018 遺伝子の断片であるポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の断片であり、ST-17 クローンの株のgbs2018 遺伝子における配列番号 5のヌクレオチド配列を有しているS10 セグメントから由来し、前記断片は少なくとも 10 ヌクレオチドを有しているポリヌクレオチド。
【請求項5】
配列番号 5の配列を有するS10 セグメントから由来する断片であり、該断片はST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のポリヌクレオチドであって、10〜30, 特に15〜30, 特に20〜30, または20〜25ヌクレオチドを有している前記遺伝子から由来するDNA断片であるポリヌクレオチド。
【請求項7】
10〜700, 特に50〜700または100〜500, 特に200〜500, または200〜300ヌクレオチドを有している前記遺伝子から由来するDNA断片である、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項6に記載のポリヌクレオチドであって、以下から選択されるポリヌクレオチド:
a) 配列番号33を有しているポリヌクレオチド;
b) 配列番号34を有しているポリヌクレオチド;
c) 配列番号27を有しているポリヌクレオチド;
d) 配列番号28を有しているポリヌクレオチド;
e) 配列番号29を有しているポリヌクレオチド;
f) GBS株のDNAを配列番号 33 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 35からなるポリヌクレオチド);
g) GBS株のDNAを配列番号 29 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 36からなるポリヌクレオチド);
h) GBS株のDNAを配列番号 29 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 37からなるポリヌクレオチド);
i) GBS株のDNAを配列番号 33 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 38からなるポリヌクレオチド);
j) GBS株のDNAを配列番号 27 および 配列番号 34から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 39からなるポリヌクレオチド);
k) GBS株のDNAを配列番号 27 および 配列番号 28から構成されるプライマーセットで増幅した場合に得られる増幅産物であるポリヌクレオチド(特に配列番号 40からなるポリヌクレオチド);
l) 実質的にポリヌクレオチド a)〜k)の一つの相補鎖であるポリヌクレオチド;
m) ストリンジェントな条件下でl)のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチド;
n) ST-17クローンのgbs2018 遺伝子又はその断片を標的とすることにおいて適切であるポリヌクレオチドであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントを含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントからなる配列を増幅するためのポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1〜3の何れか1項に記載の断片であり、ST-17 クローンの株のgbs2018 遺伝子におけるS11aと称されるセグメントのコピーまたはS11bと称されるセグメントのコピーから由来するポリヌクレオチド。
【請求項10】
請求項9に記載のポリヌクレオチドであって、S11a セグメントのコピーが配列番号 13の配列を有するか又はS11b セグメントのコピーが配列番号 15の配列を有するポリヌクレオチド。
【請求項11】
ST-17 クローンのGBS 株のDNAの検出のための又は係るDNAに由来する産物の検出のための方法に使用するために適切なプライマーセットであって、以下のプライマーペアを含む又は以下のプライマーペアからなるプライマーセット:
a) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
b) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 28の配列を有しているO12;
c) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 28の配列を有しているO12;
d) 配列番号 28の配列を有しているO12および配列番号 29の配列を有しているO13;
e) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
f) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
g) a)〜f)におけるプライマーに実質的に相補的なプライマーペア;
h) 各ポリヌクレオチドがST-17クローンのgbs2018 遺伝子又はその断片を標的とすることにおいて適切なプライマーペアであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントを含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントからなる配列を増幅するためのプライマーペア。
【請求項12】
請求項11に記載のプライマーペアであって、配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17ASからなるプライマーペア。
【請求項13】
ST-17 クローンのGBS株のDNAの請求項11または12に記載のプライマーセットでの増幅産物からなるアンプリマー。
【請求項14】
請求項13に記載のアンプリマーであって、前記増幅産物は以下のものから選択されるアンプリマー:
配列番号 33のST-17Sおよび配列番号 34のST-17ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 35の配列 ST-17S/ST-17AS (図 5a)のポリヌクレオチド;
配列番号 29のO13および配列番号 34のST17-ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 36の配列 O13/ST-17AS (図 5b)のポリヌクレオチド;
配列番号 29のO13および配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 37の配列 O13/O12 (図 5c)のポリヌクレオチド;
配列番号 33のST-17Sおよび配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 38の配列 ST-17S/O12 (図 5d)のポリヌクレオチド;
配列番号 27のO11および配列番号 34のST17-ASからなるプライマーセットで得られる配列番号 39の配列 O11/ST-17AS (図 5e)のポリヌクレオチド;
配列番号 27のO11および配列番号 28のO12からなるプライマーセットで得られる配列番号 40の配列 O11/O12 (図 5f)のポリヌクレオチド。
【請求項15】
標識された請求項1〜14の何れか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載のポリヌクレオチドおよび異種性の ポリヌクレオチドを具備する組換え型の又はキメラのポリヌクレオチド。
【請求項17】
生物学的サンプルにおけるGBS 株による感染のインビトロ検出のためのキットであって、請求項11または12の何れか1項に記載のプライマーセットおよび前記プライマーセットで得られた増幅産物を検出するための手段を含むキット。
【請求項18】
生物学的サンプルにおけるGBS 株による感染のインビトロ検出のためのキットであって、各プライマーが請求項6または7の何れか1項に記載のポリヌクレオチド配列であるプライマーセットおよび前記プライマーセットで得られた増幅産物を検出するための手段を含むキット。
【請求項19】
請求項17または18に記載のキットであって、さらにGBS株のDNAの増幅に適切なプライマーセットを含み、前記プライマーセットは少なくとも二つのオリゴヌクレオチドを含んでいる又は少なくとも二つのオリゴヌクレオチドからなり、ここで少なくとも一つのオリゴヌクレオチドはセンスプライマーであり、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドはアンチセンスプライマーであり、前記オリゴヌクレオチドは以下のものから選択されるキット:
配列番号 31の配列を有しているdltRS;
配列番号 32の配列を有しているdltRAS;
配列番号 17の配列を有しているO1;
配列番号 18の配列を有しているO2;
配列番号 19の配列を有しているO3;
配列番号 20の配列を有しているO4;
配列番号 21の配列を有しているO5;
配列番号 22の配列を有しているO6;
配列番号 23の配列を有しているO7;
配列番号 24の配列を有しているO8;
配列番号 25の配列を有しているO9;
配列番号 26の配列を有しているO10;
配列番号 30の配列を有しているO14。
【請求項20】
クローンST-17の高病原性GBS株のインビトロ検出のための方法であって、ST-17 クローンの高病原性GBS株をインビトロ検出するための方法に関し、該方法は生物学的サンプルにおけるgbs2018遺伝子又はその断片、又は前記遺伝子から由来するDNA産物を検出することを備える方法。
【請求項21】
クローンST-17の高病原性GBS株のインビトロ検出のための請求項20に記載の方法であって、生物学的サンプルにおけるセグメント S10 および/または the セグメント S11、又はその断片を検出することを備える方法。
【請求項22】
請求項20または21に記載の方法であって、gbs2018 遺伝子又はその特異的な断片又は前記遺伝子に由来するDNA 産物の増幅の工程を備える方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記増幅の工程は、各プライマーが請求項6, 7 または8の何れか1項に記載のポリヌクレオチド配列を含む又はその配列からなるプライマーセットを用いることを含む方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、前記増幅の工程は、少なくとも一つの以下のプライマーペアを含んでいる又は少なくとも一つの以下のプライマーペアからなるプライマーセットを用いることを含む方法。
a) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
b) 配列番号 27の配列を有しているO1および配列番号 28の配列を有しているO12;
c) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 28の配列を有しているO12;
d) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 24の配列を有しているO8;
e) 配列番号 25の配列を有しているO9および配列番号 30の配列を有しているO14;
f) 配列番号 25の配列を有しているO9および配列番号 18の配列を有しているO2;
g) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 28の配列を有しているO12;
h) 配列番号 28の配列を有しているO12および配列番号 29の配列を有しているO13;
i) 配列番号 27の配列を有しているO11および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
j) 配列番号 29の配列を有しているO13および配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
k) a)〜j)におけるプライマーに実質的に相補的なプライマーペア;
l) 各ポリヌクレオチドがgbs2018 遺伝子 ST-17クローン又はその断片を標的とすることにおいて適切なプライマーペアであって、前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントを含んでいる配列又は前記遺伝子のS10および/またはS11セグメントからなる配列を増幅するためのプライマーペア。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、前記増幅の工程は、以下のものからなるプライマーセットを用いることを含む方法:
a) 配列番号 33の配列を有しているST-17Sおよび配列番号 34の配列を有しているST-17AS;
【請求項26】
請求項22〜25の何れか1項に記載の方法であって、前記増幅は、PCRによって行われる方法。
【請求項27】
請求項20〜26の何れか1項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルは、哺乳類、特にヒト患者から得られる方法。
【請求項28】
請求項20〜27の何れか1項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルは、妊婦, 胚, 胎児, 新生児および/または小児から由来する方法。
【請求項29】
新生児の浸潤性感染の検出における使用のための請求項20〜28の何れか1項に記載の方法であって、感染がGBS株のST-17 クローンの株によって生じる方法。
【請求項30】
GBS株のST-17 クローンの株によって生じる新生児の肺炎, 菌血症または髄膜炎の検出における使用のための請求項20〜29の何れか1項に記載の方法。
【請求項31】
以下の群から選択されるポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチド:
a) ST-17 クローンの株の表面タンパク質Gbs2018をコード化しているB群レンサ球菌遺伝子であって、配列番号 5の配列 S10を有している核酸配列を具備し、さらに少なくとも一つの配列番号 13の配列 S11aおよび/または配列番号 15の配列 S11bを有している少なくとも一つの核酸配列からなるドメインを具備する遺伝子;
b) ストリンジェントな条件下でa)の遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチド;
c) a)のB群レンサ球菌遺伝子に由来する断片又はストリンジェントな条件下でa)に規定した遺伝子とハイブリダイズするポリヌクレオチドに由来する対応する断片であって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記Gbs2018表面タンパク質のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードする断片;
d) a)で規定した遺伝子の又はb)で規定したポリヌクレオチドの又はc)で規定した断片の断片と実質的に相補的なポリヌクレオチドであって、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切である又は前記表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
e) 但し、前記ポリヌクレオチドは、配列番号 1のコード配列を有している遺伝子ではない。
【請求項32】
少なくとも 6 アミノ酸残基を有し、ST-17 クローンの株の表面タンパク質Gbs2018のエピトープを含んでいる断片である、請求項31に記載のポリペプチド。
【請求項33】
請求項32に記載のポリペプチドであって、前記表面タンパク質は、配列番号 2の配列を有するポリペプチド。
【請求項34】
請求項31〜33の何れか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、ST-17 クローンのGBS株のGbs2018 タンパク質のS10と称されるポリペプチド領域から由来し、以下のもののなかから選択されるポリペプチド:
ポリペプチド S10 セグメント;
その断片;
前記セグメントを含んでおり、少なくとも 190 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド。
【請求項35】
請求項31〜33の何れか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、ST-17 クローンのGBS株のGbs2018 タンパク質のS11と称されるポリペプチド領域から由来し、以下のもののなかから選択されるポリペプチド:
ポリペプチド S11a セグメント;
ポリペプチド S11b セグメント;
その断片;
前記セグメントS11aを含んでおり、少なくとも 72 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド
前記セグメントS11bを含んでおり、少なくとも 79 アミノ酸残基を有し且つ550未満または300未満または250未満のアミノ酸残基を有しているポリペプチド。
【請求項36】
請求項34に記載のポリペプチドであって、ST-17 クローンのGbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識される配列番号 6を有するS10ポリペプチド領域の断片であるポリペプチド。
【請求項37】
請求項35に記載のポリペプチドであって、ST-17 クローンのGbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識される配列番号 14または配列番号16を有するS11ポリペプチド領域の断片であるポリペプチド。
【請求項38】
エピトープを含んでおり、請求項31〜37の何れか1項に記載のポリペプチドから選択され、6 〜50, または6 〜30, または6 〜15のアミノ酸を含んでおり、ST-17 クローンのGbs2018 表面タンパク質に対する抗体によって認識される能力を有するポリペプチド。
【請求項39】
ST-17 クローンの株のものであり、GBSの血清型 IIIの他の株に認識されない、請求項38に記載のポリペプチド。
【請求項40】
請求項31〜39の何れか1項に記載のポリペプチドおよび異種性のポリペプチドを含んでいる組換え型の又はキメラのポリペプチド。
【請求項41】
担体分子と関連する請求項31〜40の何れか1項に記載のポリペプチド。
【請求項42】
GBS株のクローン ST-17のGBS 表面タンパク質を特異的に認識することを特徴とする抗体。
【請求項43】
請求項42に記載の抗体であって、前記表面タンパク質は、ST-17クローンのGBS系統の特異的な検出のための方法における使用に適切な配列番号 2の配列又はその断片を有する抗体。
【請求項44】
請求項31〜39の何れか1項に記載のポリペプチドに対する抗体を調製するための方法であって、動物を前記ポリペプチドで免疫することと、および前記ポリペプチドに対して産生された抗体を回収することとを備える方法。
【請求項45】
生物学的サンプルにおけるGBS 株による感染のインビトロ検出のためのキットであって、請求項31〜41の何れか1項に記載のポリペプチドまたは請求項42〜44に記載の抗体又はその断片、および前記ポリペプチド又は前記抗体又はその断片および前記生物学的サンプルで得られる抗原/抗体複合体を検出するための手段を具備しているキット。
【請求項46】
ST-17クローンの高病原性GBS株のインビトロ検出のための方法であって、生物学的サンプルにおけるST-17 クローンのGbs2018 表面 タンパク質又はその断片を検出すること又はST-17 クローンのGbs2018 表面 タンパク質又はその断片を標的とすることを備える方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法であって、請求項 31〜41に記載のポリペプチドまたは請求項42または43に記載の抗体又はその断片を前記生物学的サンプルと接触させることと及び抗原/抗体の複合体の形成を検出することとを備える方法。
【請求項48】
請求項44, 46 および47の何れか1項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルは、哺乳類、特にヒトから得られる方法。
【請求項49】
請求項44および46〜48の何れか1項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルは、妊婦, 胚, 胎児, 新生児および/または小児から由来する方法。
【請求項50】
新生児の浸潤性感染の検出における使用のための請求項44および46〜49の何れか1項に記載の方法であって、感染がGBS株のST-17 クローンの株によって生じる方法。
【請求項51】
GBS株のST-17 クローンの株によって生じる新生児の肺炎, 菌血症または髄膜炎の検出における使用のための請求項44および46〜50の何れか1項に記載の方法。
【請求項52】
GBS株のST-17 クローンの株によって生じる新生児の浸潤性感染、新生児の死亡率または新生児の罹病率の検出における使用のための請求項1〜15の何れか1項に記載のポリヌクレオチドまたは請求項17〜19の何れか1項に記載のキット。
【請求項53】
GBS株のクローンST-17の株によって生じる新生児の肺炎、菌血症または髄膜炎の検出における使用のための請求項1〜16の何れか1項に記載のポリヌクレオチドまたは請求項17〜19の何れか1項に記載のキット。
【請求項54】
哺乳類および/またはヒトにおけるGBS株のST-17 クローンの株の検出における使用のための請求項1〜16の何れか1項に記載のポリヌクレオチドまたは請求項17〜19の何れか1項に記載のキット。
【請求項55】
妊娠中の女性, 胚, 胎児および/または新生児におけるGBS株のST-17 クローンの株の検出における使用のための請求項1〜16の何れか1項に記載のポリヌクレオチドまたは請求項17〜19の何れか1項に記載のキット。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−81467(P2013−81467A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−268710(P2012−268710)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2008−546688(P2008−546688)の分割
【原出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(596009674)アンスティテュ・パストゥール (23)
【出願人】(503400455)ユニベルシテ・ルネ・デカルト・パリ 5 (6)
【出願人】(500174661)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク−セ・エン・エール・エス− (54)
【Fターム(参考)】