説明

BWRジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのための方法および装置

【課題】BWRジェットポンプインレットミキサの流体励起振動(FIV)およびスリップジョイントの漏洩を軽減する方法、装置を提供する。
【解決手段】インレットミキサのコンプライアントストッパは、BWRジェットポンプアセンブリのライザー管とインレットミキサとの間のポケット領域内に設置することができる。コンプライアントストッパは、本体22および、本体および脚部を連結するために使用される1つまたは複数のジャッキングボルト30を締結することによって離間される、脚部を含む。本体に取り付けられたコールドスプリング22aは、インレットミキサがライザー管の中心線から離れるように、インレットミキサに加えられる横力を提供する。本体の前面の対向するボス間の隙間の幅およびコールドスプリング22aの遠位端を測定することによって、正確な横力をインレットミキサに加えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は一般に原子炉に関し、より詳細には、インレットミキサに制御された横力を加える、沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパクランプアセンブリのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は通常は全体的に円筒形であり、(例えば、底部ヘッドおよび脱着可能な上部ヘッドによって)両端が閉じられている。上部ガイドは通常はRPV内のコアプレートの上方に離れて置かれている。コアシュラウドまたはシュラウドが、通常はコアを包囲し、シュラウド支持構造によって支持される。特に、シュラウドは全体的に円筒形であり、コアプレートおよび上部ガイドを包囲している。円筒状の原子炉圧力容器と円筒形のシュラウドとの間には、空間または環状部がある。
【0003】
BWRでは、シュラウド環状部内に配置された中空管状のジェットポンプが、必要な原子炉炉心水流を提供する。インレットミキサとして知られているジェットポンプの上側部分は、横方向に配置され、ジェットポンプ拘束具ブラケット内の2つの対向する剛性の接点に対して、重力式ウェッジによって支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,463,114号明細書
【発明の概要】
【0005】
従来、主ウェッジまたはインレットミキサの動きによって止めねじの隙間が形成されることがある。さらに、振動が主ウェッジおよび/または止めねじを摩耗させることもある。止めねじの隙間によって、インレットミキサに流体励起振動(FIV)が生じ、ジェットポンプ構成部品を過剰に摩耗させる。さらに、従来のジェットポンプアセンブリはまた、スリップジョイントの漏洩(すなわち、インレットミキサとディフューザとの間の機械的連結の漏洩)を起こすこともある。
【0006】
例示的な実施形態は、インレットミキサを安定させるために、インレットミキサの側面に、制御され減少した水平力を加えることができる、BWRジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのための方法および装置を提供する。インレットミキサのコンプライアントストッパは、2つの他のノンコンプライアントストッパとともに、インレットミキサの流体励起振動(FIV)およびスリップジョイントの漏洩を軽減する3点接触を提供することができる。3点接触は、既存の(すなわち、従来の)主ウェッジおよび止めねじとともに使用することができ、あるいは既存の主ウェッジおよび止めねじの代わりに使用することができる(すなわち、既存の主ウェッジおよび/または既存の止めねじを排除することができる)。
【図面の簡単な説明】
【0007】
例示的な実施形態の上記および他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによって、より明らかになるであろう。添付の図面は、例示的な実施形態を示すものであり、特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではない。添付の図面は、明確な記載がない限り、等縮尺で描かれているとはみなされない。
【図1】従来の沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプアセンブリの斜視図である。
【図2】従来のBWRジェットポンプ拘束具ブラケットアセンブリの拡大図である。
【図3】従来のBWRジェットポンプアセンブリ拘束具ブラケットアセンブリの拡大側面図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの詳細な図である。
【図4A】本発明の例示的な実施形態による、図4のジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの後面図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態による、BWR拘束具ブラケットアセンブリに設置されたインレットミキサのコンプライアントストッパの詳細な図である。
【図5A】本発明の例示的な実施形態による、(図5に示す)BWR拘束具ブラケットアセンブリに設置されたジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの上面図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパをC型クランプなしで示す、詳細な図である。
【図6A】本発明の例示的な実施形態による、図6のジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの分解図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのラチェット保持器の詳細な図である。
【図8】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの本体の詳細な図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのスイベル接触パッドの後面図である。
【図10】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの(図9に示す)スイベル接触パッドの詳細な図である。
【図11】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの脚部の後面図である。
【図11A】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの(図11に示す)脚部の詳細な図である。
【図12】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのボルト保持器の詳細な図である。
【図13】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのジャッキングボルトの詳細な図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパのC型クランプの詳細な図である。
【図14A】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの(図14に示す)C型クランプフレームの詳細な図である。
【図14B】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの(図14に示す)C型クランプ本体の詳細な図である。
【図15】本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、詳細な例示的な実施形態が開示されている。しかし、本明細書で開示される特定の構造および機能の詳細は、例示的な実施形態を説明するためのものに過ぎない。しかし、例示的な実施形態は、多くの変形形態で実施することができ、本明細書で説明される実施形態だけに制限されると解釈されるべきではない。
【0009】
したがって、例示的な実施形態には様々な修正および代替形態が可能であるが、その実施形態は図面では例を使用して示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態は開示された特定の形態に制限されるものではなく、それどころか、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲に含まれるすべての修正、均等物、および代替を対象とするものであることが理解されよう。図の説明を通して、同様の番号は同様の要素を示す。
【0010】
様々な要素を説明するために、本明細書では第1、第2等の用語が使用されているが、これらの要素はこれらの用語によって制限されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、要素を互いに区別するために使用されるに過ぎない。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともでき、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連するリスト項目の1つまたは複数のいずれか、およびすべての組み合わせを含む。
【0011】
ある要素が別の要素と「連結されている」または「結合されている」というとき、他の要素と直接連結または接続されている、あるいは介在する要素が存在することもできることが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素と「直接連結されている」または「直接結合されている」というとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の用語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「の間に」と「の間に直接」、「隣接する」と「直接隣接する」等)。
【0012】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、例示的な実施形態を制限するものではない。本明細書で使用される単数形は、別段の記載がない限り、複数形も含む。さらに、「を含む」、「を含み」、「を有する」および/または「を有し」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成部品の存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことが理解されよう。
【0013】
いくつかの代替実装形態では、記載された機能/作用は、図に記載された以外の順序で起き得ることも理解されよう。例えば、連続して示される2つの図は、使用される機能/作用によって、実際は実質的に同時に実行することができ、または場合によっては、逆の順序で実行することができる。
【0014】
図1は従来の沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプアセンブリの斜視図である。ジェットポンプアセンブリは、2つのインレットミキサ2の間に大型のライザー管1を含む。インレットミキサ2は、ディフューザ4内へと水を噴射する。従来、インレットミキサ2の動きおよび振動を抑制するために拘束具ブラケットアセンブリ6を使用することができる。拘束具ブラケットアセンブリ6はまた、従来、インレットミキサ2とディフューザ4との間の境界に起きるスリップジョイントの漏洩を軽減するために使用することもできる。
【0015】
図2は、従来のBWRジェットポンプ拘束具ブラケットアセンブリ6の拡大図である。従来の拘束具ブラケットアセンブリ6は一般に、インレットミキサを取り囲み、ライザー管1の側壁を押圧する拘束具ブラケットを含む。拘束具ブラケットは、主ウェッジ8および2つの止めねじ14を介して各インレットミキサ2に3つの接点を提供する(各インレットミキサ2の2つの止めねじ14の位置を示す、図5Aを参照)。ガイド耳部12は、各止めねじ14の位置で拘束具ブラケット10から垂直に突出する。
【0016】
図3は、従来のBWRジェットポンプアセンブリ拘束具ブラケットアセンブリ6の拡大側面図である。止めねじ14がインレットミキサ2を取り囲むベリーバンド18に接触することに留意されたい(図5Aにも示す)。拘束具ブラケット輪郭壁10aが、ライザー管1の側壁に沿っている。従来、ポケット16は、ライザー管1とインレットミキサ2との間に存在する(より詳細には、ポケット16は、拘束具ブラケット10の輪郭壁10aとベリーバンド18との間に存在する)。
【0017】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の詳細な図である。コンプライアントストッパ20は、2つのC型クランプフレーム28によって囲まれた本体22を含むことができる。本体22の後面を長手方向に延びる脚部24を設けることができる(図4Aにより詳細に示す)。本体22は、本体22に取り付けられたアーチ形のコールドスプリング22a構造を含むことができる。コールドスプリング22aは、本体22の中間部に向けて配置することができ、本体22の前面を越えて突出することができる。コールドスプリング22aは、コールドスプリング22aの遠位端に取り付けられたスイベル接触パッド32を含むことができる。スイベル接触パッド32は、肩つきねじ50によってコールドスプリング22aの遠位端に保持することができる。少なくとも1つのジャッキングボルト30が、本体22および脚部24を通って延びることができる(図6および15により詳細に示す)。好ましくは、コールドスプリング22aのいずれの側にも1つのジャッキングボルト30を配置することができる。ジャッキングボルト30のねじ山は、本体のねじ連結部と噛み合うことができ、ジャッキングボルト30の締結によって脚部24を本体22から離れるようにすることができる(本明細書でより詳細に説明する)。脚部24の上面に、ラチェット保持器26を設けることができる(図6Aにより詳細に示す)。
【0018】
本体22の一方の端部のC型クランプは、外側C型クランプフレーム28および内側C型クランプ本体34を含むことができる。C型クランプ本体34は、ソケットヘッドキャップねじ36を介して、C型クランプフレーム28内の定位置に保持することができる(本明細書でより詳細に説明する)。C型クランプフレーム28の傾斜面28aは、本体22の傾斜面22bに接触し、2つのC型クランプの間で本体22を垂直および水平に安定させることに留意されたい(本明細書でより詳細に説明する)。傾斜角度は、例えば17度の傾斜など、水平面から緩やかな角度とすることができる(水平面は本体22または脚部24の平坦な上面とすることができる)。
【0019】
図4Aは、本発明の例示的な実施形態による、図4のジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の後面図である。図4Aは、脚部24の上面に沿って延びるラチェット保持器26を示す(ラチェット保持器26の目的は本明細書で説明する)。図4Aはまた、図5に示すように、脚部24が拘束具ブラケット10の輪郭壁10aの形状にいくらか従うことができるようにする、脚部24の内面24aの形状も示す。脚部24には傾斜面24hも設けることができ、C型クランプフレーム28の傾斜面28aが脚部24を垂直および水平に安定させることができるようにする(図4に示す、C型クランプフレーム28の傾斜面28aが本体22の傾斜面22bに係合するのと同様の方法である)。脚部24の傾斜面24hは、(図4の説明と同様に、)例えば17度の傾斜など、水平面から緩やかな角度とすることができる。
【0020】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、BWR拘束具ブラケットアセンブリ6に設置されたインレットミキサのコンプライアントストッパ20の詳細な図である。C型クランプフレーム28およびC型クランプ本体34を拘束具ブラケット10に取り付け、ポケット16内の定位置にコンプライアントストッパ20を保持することができる(図3に示すポケット16を参照)。ジャッキングボルト30を使用して、コールドスプリング22aがインレットミキサ2のベリーバンド18に加える力を調整することができる。ジャッキングボルト30を締結することによってコールドスプリング22aの所望の力が達成されると(本明細書でより詳細に説明する;特に、図15に関する説明を参照)、ラチェット保持器26を介してジャッキングボルト30を定位置に保持することができる。脚部24の全体的な形状は、ポケット16内に嵌合するように、拘束具ブラケット10の輪郭壁10aに全体的に一致することに留意されたい。
【0021】
ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20は、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20構造に3つの接点を提供するように、2つのノンコンプライアントストッパ38とともに設置することができる(追加のノンコンプライアントストッパ38の位置は、図5Aに最も良く示されている)。ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20は、インレットミキサ2をライザー管1から離間させる反力(すなわち、コンプライアントストッパ20がライザー管2に横力を加えるとき、ライザー管2に押し付けられる堅固な接点)を提供することができ、それにより、ガタつきおよび損傷を起こすことがある止めねじの隙間(ベリーバンド18と止めねじ14との間の隙間)の有害な衝撃を低減する。コンプライアントストッパ20がライザー管2に加える横力は、既存のウェッジ8によって提供することができる力とは反対方向とすることができる。言い換えると、従来の拘束具ブラケットアセンブリ6によってインレットミキサに既にかかっているインレットミキサ2の流体荷重に、コンプライアントストッパ20によって提供される横力を追加することができる。しかし、コンプライアントストッパ20によって加えられる横力は、ウェッジ8によって生成される力の反対方向とすることができるため、インレットミキサ2(インレットミキサ2の流体励起振動など)および拘束具ブラケットアセンブリ6の構成部品(重力ウェッジ8および/または止めねじ14のガタつきなど)の望ましくない動きを排除することができ、それにより、構成部品の損傷の可能性が低減される。コンプライアントストッパ20の横力と組み合わされた硬性のストッパ38の調節可能な特徴によって、スリップジョイント流体励起振動(SJFIV)を防ぐことが可能な、正確に制御された予荷重を提供することができ、スリップジョイントクランプまたは望ましくない構成部品の振動を軽減するために使用される他の従来の構造の必要性を排除することができる。
【0022】
ノンコンプライアントストッパ38を使用する場合、適宜、ウェッジ8および/または止めねじ14を除去することができる。また、2つのノンコンプライアントストッパ38を使用する代わりに、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20を既存のウェッジ8および止めねじ14とともに使用することもできる。2つのノンコンプライアントストッパ38は調節可能な硬性のストッパとすることができ(米国出願第12/980,010号で開示されているADJUSTABLE HARD STOPS FOR NUCLEAR REACTOR RESTRAINER BRACKETS AND METHODS OF USING THE SAMEなど)、参照によってその全体を援用する。ノンコンプライアントストッパ38はウェッジ8の位置のいずれの側にも反力を提供することができる。2つのノンコンプライアントストッパ38は拘束具ブラケット10とインレットミキサ2との間に水平拘束を提供することができ、それにより、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20および2つのノンコンプライアントストッパ38が3つの接点を提供し、基本的に、従来はウェッジ8および止めねじ14によって提供することができる3つの接点の位置とすることができる。2つのノンコンプライアントストッパ38はまた、止めねじ、または拘束具ブラケット10をインレットミキサ2から離れるように押圧する(または、水平に拘束する)ことができる他の構造とすることもでき、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20を接点の1つとして含む、3つの接点を可能にする。
【0023】
図5Aは、本発明の例示的な実施形態による、(図5に示す)BWR拘束具ブラケットアセンブリ6に設置されたジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の上面図である。図5Aは、インレットミキサ2に制御された横力を加えるように(すなわち、コールドスプリング22aが、インレットミキサ2の中心線に向かって、かつライザー管1の中心線から離れるように横力を加えることができる)、ベリーバンド18に接触するコールドスプリング22aの遠位端のスイベル接触パッド32を示す。図5Aはまた、インレットミキサ2の動きを安定させるように、(ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20とともに)3点接触を提供するように使用することができるノンコンプライアントストッパ38の位置も示す。スイベル接触パッド32がインレットミキサ2と接触する位置およびノンコンプライアントストッパ38がインレットミキサ2と接触する位置は、インレットミキサ2上で互いに約120度離れるように、離間することができる。
【0024】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20をC型クランプなしで示す、詳細な図である。隙間G(図15にも示す)が本体22と脚部24との間に存在することができることに留意されたい。この隙間Gによって、(コールドスプリング22aを介して)インレットミキサ2に加えられる横力を、ジャッキングボルト30の締結によって微細に調整することができる。具体的には、ジャッキングボルト30が締結されるとき、隙間Gが広がり、本体22が脚部24から離れるように動き、次いで(スイベル接触パッド32がインレットミキサ2を押圧するとき)コールドスプリング22aの圧縮が増加し、それにより、制御された横力がインレットミキサ2に加えられる。
【0025】
図6Aは、本発明の例示的な実施形態による、図6のジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の分解図である。各ジャッキングボルトの遠位端をボルト保持器42によって定位置に保持することができるため、ジャッキングボルト30は脚部24内で自由に回転する。ボルト保持器42を、保持ピン44aを含むことができる平頭ねじを介して、脚部24の定位置に保持することができる(保持ピン44aを挿入して、平頭ねじ44の位置を所望の位置に固定することができる)。上記で説明したように、ジャッキングボルト30を締結することによって、(本体22のねじ連結部22eの使用によって)本体が脚部24から離れるようにすることができ、インレットミキサ2に横力を加えるコールドスプリング22aを最終的に圧縮させる。ジャッキングボルト30は、ラチェット保持器26を介して定位置に固定することができる。具体的には、(ラチェット保持器26の各端部の)ラチェット歯46が、ジャッキングボルト30のラチェット歯30a(図13に示す)に係合することができ、各ジャッキングボルトを所望の位置に保持する回転防止構造を提供する。平頭ねじ40を使用してラチェット保持器26を脚部24の定位置に保持することができ、ラチェット保持器26が脚部24の定位置に保持されるようにねじ40が十分に締結されると、保持ピン40aを使用して平頭ねじ40を定位置に固定することができる。
【0026】
図7は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のラチェット保持器26の詳細な図である。平頭ねじ40がラチェット保持器26を脚部24の上面の定位置に保持することができるように、タップ穴40bを設けることができる。ラチェット歯26は、(ジャッキングボルト30の所望の位置を脚部24内に維持することができるように)回転防止のために、ラチェット保持器26のいずれの端部に設けることもできることに留意されたい。
【0027】
図8は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の本体22の詳細な図である。コールドスプリング22aの遠位端の外面に、球面座22cを設けることができる。球面座22cはスイベル接触パッド32の凸球面32a(図9に示す)を、コールドスプリング22aの遠位端で枢動するように、受けることができる。凹球面座22cは、ジャッキングボルト30(少なくとも図6に示す)が締結され、コールドスプリング22aに圧縮力がかかる時点(それにより、コールドスプリング22aの遠位端にいくらかの移動および動きが生じ、この調整/設置期間を通してスイベル接触パッド32の微細な位置変更が必要になることがある)を含む、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の設置を通して、スイベル接触パッド32の位置を再調整できるようにする。ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の遠隔設置および使用中に、スイベル接触パッド32の実際の回転を抑えるように、スイベル接触パッド32の自己整合リブ32b(図9に示す)を捕える整合溝22dを設けることもできる。
【0028】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のスイベル接触パッド32の後面図である。スイベル接触パッド32をコールドスプリング22aに固定するように、肩つきねじ穴32cが肩つきねじ50(少なくとも図6に示す)を受ける。図8に関連して説明したように(上記参照)、凸球面32aによって、スイベル接触パッド32は図8の凹球面座22c内で枢動することができる。自己整合リブ32bは(図8の)整合溝22dと整合して、設置および使用中、スイベル接触パッド32が回転に抵抗するようにする。
【0029】
図10は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の(図9に示す)スイベル接触パッド32の詳細な図である。肩つきねじポケット32c1は、肩つきねじ50の頭部(少なくとも図6に示す)を受け、維持することができる。スイベル接触パッド32がインレットミキサ2のベリーバンド18の外側の丸みをおびた表面に従うことができるように、凹円筒面32dを設けることができる。
【0030】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の脚部24の後面図である。平頭ねじ40(図6Aに示す)を受けるように、タップ穴24bを設けることができる。ラチェット保持器26のラチェット歯46(同様に少なくとも図6Aに示す)を受けるように、ラチェット歯スロット24cを設けることができる。球面パッド48(図15に示す)がジャッキングボルト保持穴24g(図11Aに示す)内の定位置にあることを確認する方法として、検査ポート24dを設けることができる。
【0031】
図11Aは、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の(図11に示す)脚部24の詳細な図である。ボルト保持器42(図6Aに示す)を受けるように、ポケット24eを設けることができる。平頭ねじ44(同様に図6Aに示す)を受けるように、タップ穴24fを設けることができる。上記のように、ジャッキングボルト30(図6Aに示す)が脚部24内で自由に回転できるように、ジャッキングボルト保持穴24gを脚部24の前面(脚部の本体22に向いている面)に設けることができる(図6Aに示すボルト保持器42を、各ジャッキングボルト30の遠位端を単に維持するように設けることができる)。
【0032】
図12は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のボルト保持器42の詳細な図である。ボルト保持器42のアーチ形部分42bは、ジャッキングボルト30の側面(図6Aに示す)に沿っており、ジャッキングボルト30の遠位端をジャッキングボルト保持穴24g(図11Aに示す)内に維持することに留意されたい。穴42aは、図6Aに示すように、平頭ねじ44を受けることができる。
【0033】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のジャッキングボルト30の詳細な図である。ラチェット保持器26のラチェット歯46(図6Aに示す)が回転防止のために歯30aに係合することができるように、ジャッキングボルト30にラチェット歯30aを設けることができる。ラチェット歯30aはジャッキングボルト30の残りの部分の直径より大きく、それにより、ジャッキングボルト30の遠位端30cを脚部24のジャッキングボルト保持穴24g(保持穴24gは図11Aを参照)内に維持することができる物理的ストッパを提供していることに留意されたい。具体的には、ボルト保持器42のアーチ形部分42b(図12を参照)は、例えば図6Aに示すように、ジャッキングボルト30を脚部24内に維持するように、ジャッキングボルト30の拡大径(ラチェット歯30aを含む)に接触することができる物理的ストッパを提供する。(図6の説明に関連して上記で説明したように)コールドスプリング22aに圧縮力を効果的に加えるために必要なトルクをジャッキングボルト30に加えるように、ジャッキングボルト30に外側六角部30bを設けることができる。
【0034】
図14は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のC型クランプの詳細な図である。張り出し部28cが拘束具ブラケット10の上面の上を延び、本体22に接触することができるように、C型クランプフレーム28に空洞部28bを設けることができる。具体的には、C型クランプフレーム28の傾斜面28aが、本体22の傾斜面22bに接触することができる(図4に示す)。傾斜面28aおよび22bが傾斜しているので、(ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の両方の側の)C型クランプフレーム28が、現場設置されるとき、本体22をポケット16内で垂直および水平に安定させる(図3のポケット16を参照)。
【0035】
C型クランプ本体34は、C型クランプフレーム28およびC型クランプ本体34を拘束具ブラケット10に適合させることができるように(図5の設置されたジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパを参照)、(図14Aに示す、雌型蟻溝部分28eと係合する)雄型蟻溝部分34aの使用を介して、C型クランプフレーム28の内外に摺動することができる。C型クランプ本体34が拘束具ブラケット10の底部分を受けることができるようにC型クランプ本体の上向き突起部分34cおよびアーチ形部分34bを設けることができ、C型クランプフレーム28およびC型クランプ本体34を拘束具ブラケットに堅固に締結する。ソケットヘッドキャップねじ36がC型クランプフレーム28およびC型クランプ本体34を貫通することができ、C型クランプ本体34の位置をフレーム28内の定位置に固定することができるようにする。C型クランプ本体34の所望の位置が決定されると、キャップねじ36のラチェット歯36bおよびラチェット保持器36aを回転防止のために使用して、キャップねじ36を定位置に固定することができる。
【0036】
図14Aは、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の(図14に示す)C型クランプフレーム28の詳細な図である。キャップねじ36(図14に示す)を受けるように、貫通穴28dを設けることができる。C型クランプフレーム28の雌型蟻溝34a(図14に示す)に係合するように雌型蟻溝28eを設けることができ、C型クランプのC型クランプ本体34がC型クランプフレーム28の内外に摺動することができる。ラチェット保持器36aを受けるように、穴28dの上側部分にねじを切ることができる。
【0037】
図14Bは、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の(図14に示す)C型クランプ本体34の詳細な図である。キャップねじ36(図14に示す)を受けるように、タップ穴34dを設けることができる。図14Bは、図14Aの雌型蟻溝28eと係合することができ、図14に示すように、C型クランプ本体がC型クランプフレーム28の内外に摺動することができるようにする、雌型蟻溝34aをより詳細に示す。
【0038】
図15は、本発明の例示的な実施形態による、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の断面図である。この断面図は、(本体22の前面にある)突起ボス22fと(コールドスプリング22aの遠位端の内面にある)突起ボス22a1との間の隙間Tを示す。コンプライアントストッパ30を設置するとき、ジャッキングボルト30を締結して脚部24と本体22との間の隙間Gを増加し、スイベル接触パッド32がインレットミキサ2(図5Aに示す)を押圧するとき、コールドスプリング22aに圧縮力を加えるようにすることができる。したがって、ジャッキングボルト30が締結されるとき、(隙間Gは増加し、)隙間Tは減少する。(ジェットポンプアセンブリの通常動作温度より低い温度で)コンプライアントストッパ20の初期設置中、隙間Tはほぼ0、または0に近い値とするべきである(例えば、隙間Tを0.1インチとすることができる)。隙間Tを0、または0に近い値とするとき、コールドスプリング22aの幅および厚さの選択は、インレットミキサで生じることがある流体励起振動(FIV)に対抗する予荷重(すなわち、「ばね荷重」)を、コールドスプリング22aが提供するようにすることができる。例えば、コールドスプリング22aの予荷重は2,000〜4,000ポンドの範囲とすることができる。コールドスプリング22aの実際の予荷重は、プラントによって異なり得るFIV荷重に基づいて設定することができる。より幅の広い(相対ばね定数が高い)コールドスプリング22aを選択することによって、より大きい予荷重(および、動作中、より大きい横力)をコールドスプリング22aによって加えることができる。より幅の狭い(相対ばね定数が低い)コールドスプリングを選択することによって、より小さい予荷重(および、動作中、より小さい横力)をコールドスプリング22aによって加えることができる。したがって、所望の予荷重力を提供することができるコールドスプリング22aを選択することによって(および、初期動作中、隙間Tが0、または0に近い値と仮定して)、コンプライアントストッパ20によってインレットミキサ2に正確な横力を最終的に加えることができる。
【0039】
通常のプラント動作中(および、通常のプラント動作中に起きるジェットポンプアセンブリの加熱中)、コンプライアントストッパ20が加熱されると、コンプライアントストッパ20の熱膨張によって隙間Tがわずかに増加することができる(構成部品を構成する材料のより詳細な説明、およびこれらの部品の関連する熱膨張が、本明細書に含まれる)。小さい隙間T(3/1000インチとすることができる)があることによって、大きなシステム振動中、コールドスプリング22aが穏やかな緩衝器として作用することができる。小さい隙間Tがあることによって、システム振動中、突起ボス22fおよび22a1が水平方向にわずかに移動することもできる。
【0040】
ジャッキングボルト保持穴24g(図11Aにも示す)は、1つの保持穴24gには球面バックストップ24g2を設けることができ、別の保持穴24gには平坦なバックストップ24g3を設けることができるという点において、異なるものとすることができる。球面バックストップ24g2の形状はジャッキングボルト30の遠位端の形状と一致し、ジャッキングボルト30の遠位端は球面バックストップ24g2と嵌まり合うことができる。球面バックストップ24g2および平坦なバックストップ24g3の使用によって、トルクをジャッキングボルト30に加えている間、拘束の可能性を軽減することができる。具体的には、球面パッド48が、パッド48のいずれの側にも小さい隙間Pを有して、平坦なバックストップ24g3に嵌まることができる(すなわち、パッド48の直径は保持穴24gの直径より小さい)。パッド48の球面はまた、ジャッキングボルト30の遠位端に一致することもでき、球面パッド48がジャッキングボルト30の遠位端と嵌まり合うことができる。不均一なトルクを各ジャッキングボルト30に加えることができるとき、図15の右側のジャッキングボルト30の遠位端30cは、ジャッキングボルト保持穴24g内でわずかに枢動することができ、球面パッド48を保持穴24gの平坦なバックストップ24g3に沿ってわずかに移動させる(パッド48の移動は、パッド48のいずれの側にも隙間Pがあることによって起きることができる)。この意味で、2つのジャッキングボルト30の間の不均一なトルクによる拘束の可能性を避けることができる。球面バックストップ24g2および球面パッド48は、設置および動作中、ボルト30の曲がりを軽減し、または回避する助けとなることも理解されよう。
【0041】
図15はまた、脚部24内のボルト保持器42の位置も示す。ボルト保持器42は、ジャッキングボルト30の遠位端30cが保持穴24gの内部に留まることができるように、(ジャッキングボルト30のラチェット歯30aに当接することによって)物理的ストッパとして作用する。上記のように、遠位端30cは、保持穴24g内で自由に回転する。したがって、ジャッキングボルト30が締結されるとき、各ジャッキングボルト30のねじ山によって本体22が脚部24から離れるようにしながら、各ジャッキングボルト30の遠位端30cが保持穴24g内の定位置に留まる(それにより、隙間Gのサイズが増加し、図5Aに示すように、スイベル接触パッド32がインレットミキサ2に対して押圧されるとき、隙間Tのサイズが最終的に減少する)。
【0042】
ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20の構成部品を構成する材料(コールドスプリング22aを除く)およびノンコンプライアントストッパ38は、300シリーズステンレス鋼またはXM−19ステンレス鋼とすることができる。より具体的には、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20のすべての構成部品(コールドスプリング22aを除く)およびノンコンプライアントストッパ38は、主ウェッジ8および拘束具ブラケット10など、既存の拘束具ブラケットアセンブリ構成部品を構成する材料と一致することができる(多くの場合、300シリーズステンレス鋼またはXM−19である)。これは、ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ20およびノンコンプライアントストッパ38の熱膨張の可能性が、既存の拘束具ブラケットアセンブリ構成部品の熱膨張と、ある程度一致することを保証する。しかし、コールドスプリング22aの構成部品を構成する材料は、好ましくはX−750合金、または、300シリーズステンレス鋼またはXM−19のいずれかよりも膨張の少ない、別の適切な高降伏強度および高温のばね材料である。コールドスプリング22aのより少ない熱膨張によって、予荷重制限ボス22a1/22f間に小さい隙間Tが生じる(図15参照)。小さい隙間Tによって、コールドスプリング22aは、動作中、上記のように機能する(動く)ことができる。
【0043】
以上、例示的な実施形態を説明したが、多くの方法で変形が可能であることが明らかであろう。そのような変形例は、例示的な実施形態の目的とする趣旨および範囲から逸脱するとみなされるものではなく、そのような修正はすべて、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 ライザー管
2 インレットミキサ
4 ディフューザ
6 拘束具ブラケットアセンブリ
8 主ウェッジ
10 拘束具ブラケット
10a 拘束具ブラケット輪郭壁
12 ガイド耳部
14 止めねじ
16 ポケット
18 ベリーバンド
20 ジェットポンプインレットミキサコンプライアントストッパ
22 本体
22a コールドスプリング部分
22a1 コールドスプリングの遠位端の突起ボス
22b 傾斜面
22c 凹球面座
22d 隣接溝
22e ねじ連結部
22f 本体の突起ボス
24 脚部
24a 脚部の内面
24b タップ穴
24c ラチェット歯スロット
24d 検査ポート
24e (ボルト保持器用の)ポケット
24f タップ穴
24g ジャッキングボルト保持穴
24g1 拡大部
24g2 球面バックストップ
24g3 平坦なバックストップ
24h 傾斜面
26 ラチェット保持器
28 C型クランプフレーム
28a 傾斜面
28b 空洞部
28c 張り出し部
28d 貫通穴
28e 蟻溝の雌型部分
30 ジャッキングボルト
30a ラチェット歯
30b 外側六角部
30c ジャッキングボルトの遠位端
32 スイベル接触パッド
32a 凸球面
32b 自己整合リブ
32c 肩つきねじ穴
32c1 肩つきねじポケット
32d 凹円筒面
34 C型クランプ本体
34a 蟻溝の雄型部分
34b C型クランプ本体のアーチ形部分
34c 上向き突起部分
34d タップ穴
36 ソケットヘッドキャップねじ
36a コイルばねラチェット保持器
36b ラチェット歯
38 コンプライアント硬性ストッパ
40 平頭ねじ
40a 保持ピン
40b タップ穴
42 ボルト保持器
42a タップ穴
42b ボルト保持器のアーチ形部分
44 平頭ねじ
44a 保持ピン
46 ラチェット歯
48 球面パッド
50 肩つきねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ(20)であって、
前面および後面を有する本体(22)と、
前記本体の前記後面に沿って長手方向に延びる脚部(24)と、
前記本体に取り付けられ、前記本体の前記前面を越えて突出するコールドスプリング(22a)と、
前記本体を前記脚部に連結する、少なくとも1つのジャッキングボルト(30)とを含むコンプライアントストッパ。
【請求項2】
前記コールドスプリングが前記本体の中間部付近にあり、
前記少なくとも1つのジャッキングボルトが第1のジャッキングボルトおよび第2のジャッキングボルトを含み、前記第1および第2のジャッキングボルトが前記コールドスプリングのいずれの側にもある、請求項1記載のコンプライアントストッパ。
【請求項3】
第1および第2のジャッキングボルト保持穴(24g)であって、各ジャッキングボルト保持穴が前記脚部の前面にあり、ジャッキングボルトの遠位端(30c)を維持するように構成されている、第1および第2のジャッキングボルト保持穴(24g)と、
前記本体にある第1および第2のねじ穴(22e)であって、前記ジャッキングボルトが締結されるとき、前記本体が前記脚部から離れるように、各ねじ穴が各ジャッキングボルトのねじ山に係合するように構成されている、第1および第2のねじ穴(22e)をさらに含む、請求項2記載のコンプライアントストッパ。
【請求項4】
前記本体の前記前面の第1にある突起ボス(22f)と、
前記コールドスプリングの遠位端の内面にある第2の突起ボス(22a1)とをさらに含み、前記第1および第2の突起ボスが、前記ボス間に隙間(T)を画成するように互いに直接対向している、請求項3記載のコンプライアントストッパ。
【請求項5】
前記コールドスプリングの遠位端の外面にある凹球面座(22c)と、
凹円筒外面(32d)を有するスイベル接触パッド(32)であって、前記凹球面座と嵌まり合うように構成された内側凸球面(32a)を有するスイベル接触パッド(32)と、
前記スイベル接触パッドの前記内側凸球面から延びる自己整合リブ(32b)であって、前記コールドスプリングの前記遠位端の前記外面の整合溝(22d)内に挿入可能な自己整合リブ(32b)とをさらに含む、請求項3記載のコンプライアントストッパ。
【請求項6】
前記脚部および前記本体の2つの側面のそれぞれにC型クランプをさらに含み、各C型クランプが、
垂直な下向きに突出する張り出し部(28c)を有するC型クランプフレーム(28)であって、前記張り出し部が前記脚部(24h)および前記本体(22b)の前記2つの側面の傾斜面に嵌まり合うように構成された傾斜面(28a)を有するC型クランプフレーム(28)と、
垂直な上向きに突出する上向き部分(34c)を有するC型クランプ本体(34)であって、前記C型クランプフレームの内外に摺動するように構成されたC型クランプ本体(34)と、
前記C型クランプ本体を前記C型クランプフレーム内の所望の位置へと固定するように構成されたキャップねじ(36)とを含む、請求項3記載のコンプライアントストッパ。
【請求項7】
沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプインレットミキサのコンプライアントストッパ(20)をBWRジェットポンプアセンブリ(6)に設置する方法であって、
前記インレットミキサのコンプライアントストッパを、BWRジェットポンプアセンブリの拘束具ブラケット(10)、インレットミキサ(2)およびライザー管(1)によって画成されるポケット(16)内に設けるステップであって、前記インレットミキサのコンプライアントストッパが、
前面および後面を有する本体(22)と、
前記本体の前記後面に沿って長手方向に延びる脚部(24)と、
前記本体に取り付けられ、前記本体の前記前面を越えて突出するコールドスプリング(22a)と、
前記本体を前記脚部に連結する、少なくとも1つのジャッキングボルト(30)とを含むステップと、
2つの硬性のストッパ(38)を前記拘束具ブラケットに取り付けるステップであって、前記硬性のストッパ(38)が、前記拘束具ブラケットを前記インレットミキサから離れるように押圧するように構成されたステップとを含む方法。
【請求項8】
各ジャッキングボルトの脚部の前面にジャッキングボルト保持穴(24g)を穿設するステップと、
各ジャッキングボルトの遠位端(30c)をそれぞれの保持穴に維持するステップであって、前記ジャッキングボルトが前記保持穴で自由に回転することができるようにするステップと、
各ジャッキングボルトの前記本体にねじ穴(22e)を設けるステップであって、前記ねじ連結部がそれぞれのジャッキングボルトのねじ山と噛み合うように構成されたステップと、
前記少なくとも1つのジャッキングボルトを締結することによって、前記本体が前記脚部から離れるように、前記インレットミキサに横力を加えるステップ、および前記インレットミキサに前記横力を加える前記コールドスプリングに張力を加えるステップをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記本体の前面に第1の突起ボス(22f)を形成するステップと、
前記コールドスプリングの遠位端の内面に第2の突起ボス(22a1)を形成するステップであって、前記第1および第2の突起ボスが、前記ボス間に隙間(T)を画成するように互いに直接対向しているステップとをさらに含み、
前記インレットミキサに横力を加えるステップが、前記隙間の幅がごくわずかになるまで前記少なくとも1つのジャッキングボルトを締結するステップをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
インレットミキサのコンプライアントストッパ(20)を有する沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプアセンブリであって、
ライザー管(1)と、
前記ライザー管に隣接するインレットミキサ(2)と、
前記ライザー管と前記インレットミキサとの間に堅固に締結されたインレットミキサのコンプライアントストッパ(20)とを含み、前記コンプライアントストッパが、
前記インレットミキサに横力を加えるように構成されたコールドスプリング(22a)を含み、前記横力が前記インレットミキサの中心線に向かって、かつ前記ライザー管の中心線から離れるように方向付けられている、沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプアセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−237755(P2012−237755A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−108070(P2012−108070)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC