説明

Bax媒介性アポトーシスを調節する方法及び組成物

細胞のアポトーシス及び細胞の寿命を調節する方法及び組成物をここに提供する。これらは、加齢に関係する異常や癌を治療又は防止するために用いられよう。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸残基K317、K338、K539、K542、K544、K553 又は K556から成る群より選択されるアミノ酸残基を含む単離されたKu70たんぱく質又はその部分と、単離された脱アセチル化酵素又はその生物学的活性部分とを含む、組成物。
【請求項2】
前記脱アセチル化酵素がクラスI/II ヒストンデアセチラーゼである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脱アセチル化酵素がサーチュインである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記サーチュインがSIRT1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記Ku70たんぱく質又はその部分がアミノ酸残基K539 又は K542を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記アミノ酸残基がアセチル化している、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミノ酸残基K539 又はK542 がアセチル化しており、前記脱アセチル化酵素がSIRT1である、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記Ku70たんぱく質又はその部分と、前記脱アセチル化酵素又はその生物学的活性部分とが複合体を形成する、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記Ku70たんぱく質又はその部分がアミノ酸残基K539 又は K542 を含み、そして前記脱アセチル化酵素がSIRT1である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
Ku70たんぱく質と脱アセチル化酵素との間の相互作用を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項6に記載の組成物を、検査化合物に、Ku70たんぱく質又はその部分と脱アセチル化酵素又はその生物学的活性部分との間の相互作用が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)Ku70たんぱく質又はその部分と脱アセチル化酵素又はその生物学的活性部分との間の相互作用のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのKu70たんぱく質又はその部分と脱アセチル化酵素又はその生物学的活性部分との間の相互作用のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質と脱アセチル化酵素との間の相互作用を調節することの指標である、ステップとを含む、方法。
【請求項11】
前記脱アセチル化酵素がクラス I/II ヒストンデアセチラーゼである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記脱アセチル化酵素がサーチュインである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記サーチュインがSIRT1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項14】
Ku70たんぱく質の脱アセチル化を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項6に記載の組成物を、検査化合物に、前記Ku70たんぱく質又はその部分の脱アセチル化が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)Ku70たんぱく質又はその部分の脱アセチル化のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのKu70たんぱく質又はその部分の脱アセチル化のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質の脱アセチル化を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項15】
Ku70たんぱく質のアミノ酸残基K539又はK542の脱アセチル化を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項7に記載の組成物を、検査化合物に、K539又はK542の脱アセチル化が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)K539又はK542の脱アセチル化のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのK539又はK542の脱アセチル化のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質のアミノ酸残基K539又はK542の脱アセチル化を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項16】
アポトーシスを調節する作用物質を特定するための、請求項10乃至15のいずれかに記載の方法であって、細胞のアポトーシスに対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの、前記作用物質の存在下でのアポトーシスの増加又は減少は、前記作用物質がアポトーシスを調節することの指標である、方法。
【請求項17】
腫瘍の成長又は腫瘍のサイズを阻害する又は減少させる作用物質を特定するための、請求項10乃至15のいずれかに記載の方法であって、腫瘍に対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの、前記作用物質の存在下での腫瘍の成長又はサイズの減少は、前記作用物質が腫瘍の成長又は腫瘍のサイズを阻害する又は減少させることの指標である、方法。
【請求項18】
寿命伸長を調節する作用物質を特定するための、請求項10乃至15のいずれかに記載の方法であって、細胞の寿命に対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの、前記作用物質の存在下での寿命の増加又は減少は、前記作用物質が細胞の寿命を調節することの指標である、方法。
【請求項19】
アミノ酸残基K317、K338、K539、K542、K544、K553 又は K556から成る群より選択されるアミノ酸残基を含む単離されたKu70たんぱく質又はその部分と、単離されたアセチルトランスフェラーゼ又はその生物学的活性部分とを含む、組成物。
【請求項20】
前記アセチルトランスフェラーゼがCREB結合たんぱく質(CBP)又はp300/CBP-関連因子 (PCAF)である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記Ku70たんぱく質又はその部分がアミノ酸残基K539 又はK542を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記Ku70たんぱく質又はその部分と、前記アセチルトランスフェラーゼ又はその生物学的活性部分とが複合体を形成する、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
Ku70たんぱく質とアセチルトランスフェラーゼとの間の相互作用を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項19に記載の組成物を、検査化合物に、Ku70たんぱく質又はその部分とアセチルトランスフェラーゼ又はその生物学的活性部分との間の相互作用が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)Ku70たんぱく質又はその部分とアセチルトランスフェラーゼ又はその生物学的活性部分との間の相互作用のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのKu70たんぱく質又はその部分とアセチルトランスフェラーゼ又はその生物学的活性部分との間の相互作用のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質とアセチルトランスフェラーゼとの間の相互作用を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項24】
前記アセチルトランスフェラーゼがCBP 又はPCAFである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
Ku70たんぱく質のアセチル化を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項19に記載の組成物を、検査化合物に、Ku70たんぱく質のアセチル化が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)Ku70たんぱく質又はその部分のアセチル化のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのKu70たんぱく質又はその部分のアセチル化のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質のアセチル化を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記アセチルトランスフェラーゼがCBP 又はPCAFである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
Ku70のアミノ酸残基K539又はK542のアセチル化を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項21に記載の組成物を、検査化合物に、K539又はK542のアセチル化が前記検査化合物の非存在下でも可能な条件下で、接触させるステップと、
(ii)アミノ酸残基K539又はK542のアセチル化のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのアミノ酸残基K539又はK542のアセチル化のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質のアミノ酸残基K539又はK542のアセチル化を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項28】
Ku70たんぱく質のアミノ酸残基K539又はK542のアセチル化を調節する作用物質を特定する方法であって、
(i)請求項19に記載の組成物を含む細胞を、検査化合物及びアポトーシス性刺激に、前記アポトーシス性刺激が、Ku70たんぱく質又はその部分のK539又はK542のアセチル化を前記検査化合物の非存在下でも誘導する条件下で、接触させるステップと、
(ii)Ku70たんぱく質又はその部分のK539又はK542のアセチル化のレベルを判定するステップであって、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下でのK539又はK542のアセチル化のレベルの違いは、前記検査化合物が、Ku70たんぱく質のアミノ酸残基K539又はK542のアセチル化を調節することの指標である、ステップと
を含む、方法。
【請求項29】
前記アポトーシス性刺激が紫外線暴露、電離性放射線、又はスタウロスポリンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アポトーシスを調節する作用物質を特定するための、請求項23乃至29のいずれかに記載の方法であって、細胞のアポトーシスに対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの前記作用物質の存在下でのアポトーシスの増加又は減少は、前記作用物質がアポトーシスを調節することの指標である、方法。
【請求項31】
腫瘍の成長又は腫瘍のサイズを阻害する又は減少させるための作用物質を特定するための、請求項23乃至29のいずれかに記載の方法であって、腫瘍に対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの前記作用物質の存在下での腫瘍の成長又はサイズの減少は、前記作用物質が腫瘍の成長又は腫瘍のサイズを阻害する又は減少させることの指標である、方法。
【請求項32】
寿命の伸長を調節する作用物質を特定するための、請求項23乃至29のいずれかに記載の方法であって、細胞の寿命に対する前記作用物質の効果を判定するステップを更に含み、この場合、前記作用物質の非存在下に比較したときの前記作用物質の存在下での寿命の増加又は減少は、前記作用物質が細胞の寿命を調節することの指標である、方法。
【請求項33】
アミノ酸残基K317、K338、K539、K542、K544、K553 又は K556から成る群より選択されるアセチル化アミノ酸残基を含む、単離されたアセチル化Ku70たんぱく質又はその部分。
【請求項34】
SEQ ID NO: 2に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の単離されたKu70たんぱく質であって、アセチル化していないときにはBax又はアセチルトランスフェラーゼと、あるいはアセチル化しているときには脱アセチル化酵素と、相互作用する、単離されたKu70たんぱく質。
【請求項35】
SEQ ID NO: 2を含む、請求項34に記載の単離されたKu70たんぱく質。
【請求項36】
アセチル化残基K539 又は K542を含む、請求項34に記載の単離されたKu70たんぱく質又はその部分。
【請求項37】
アミノ酸残基K317、K338、K539、K542、K544、K553 又は K556から成る群より選択されるアセチル化したアミノ酸を含むKu70たんぱく質又はその部分に特異的に結合する抗体。
【請求項38】
Ku70たんぱく質又はその部分がアセチル化した残基K539 又は K542を含む、請求項37に記載の抗体。
【請求項39】
モノクローナル抗体である、請求項38に記載の抗体。
【請求項40】
K539、K542、K544、K553、及びK556 から成る群より選択されるリジン残基のアルギニンとの置換を含む変異型Ku70たんぱく質又はその部分をコードする核酸。
【請求項41】
リジン残基K539 及び/又は K542 のアルギニンとの置換を含む変異型Ku70たんぱく質又はその部分をコードする核酸。
【請求項42】
請求項40に記載の核酸にコードされた変異型Ku70たんぱく質又はその部分。
【請求項43】
請求項40に記載の核酸を含む細胞。
【請求項44】
請求項43に記載の細胞を、変異型Ku70たんぱく質又はその部分が前記細胞で発現するような条件下で培養するステップと、前記変異型Ku70たんぱく質又はその部分を培養物から単離するステップとを含む、変異型Ku70たんぱく質又はその部分を調製する方法。
【請求項45】
アセチル化Ku70たんぱく質、その変異型、又はその部分、あるいはそれに特異的に結合する抗体、を含む、キット。
【請求項46】
細胞内でKu70たんぱく質のK539 又は K542 のアセチル化を誘導する、又は、脱アセチル化を阻害する、ステップを含む、細胞内でアポトーシスを誘導する方法。
【請求項47】
Ku70たんぱく質のK539 又はK542 の脱アセチル化を阻害するステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
クラスI/IIデアセチラーゼのたんぱく質又は活性レベルを減少させるステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
サーチュインのたんぱく質又は活性レベルを減少させるステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
細胞を、サーチュインの活性を阻害する作用物質に接触させるステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記作用物質が、式15−24から成る群より選択される式を有する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
クラスI/IIデアセチラーゼのたんぱく質又は活性レベルを減少させる作用物質に細胞を接触させるステップを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
細胞内のCBP 又は PCAF のたんぱく質又は活性レベルを増加させるステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
Ku70たんぱく質のK539又はK542のアセチル化を誘導する、又は、脱アセチル化を阻害する、作用物質を、必要のある対象に投与するステップを含む、対象の腫瘍の成長又はサイズを減らす方法。
【請求項55】
サーチュインのたんぱく質レベル又は活性を減らす作用物質を対象に投与するステップを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
クラスI/II デアセチラーゼのたんぱく質レベル又は活性を減らす作用物質を対象に投与するステップを更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
対象の細胞内のKu70たんぱく質のK539 又は K542 のアセチル化のレベルを判定するステップを更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
細胞内のKu70たんぱく質のK539又はK542のアセチル化を阻害する、又は、脱アセチル化を誘導する、ステップを含む、細胞のアポトーシスを阻害する方法。
【請求項59】
細胞内のKu70たんぱく質のK539又はK542の脱アセチル化を誘導するステップを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
サーチュインのたんぱく質レベル又は活性を増加させる作用物質に細胞を接触させるステップを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
作用物質が、式26乃至27及び30乃至37から成る群より選択される式を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
細胞内のCBP 又はPCAF のたんぱく質又は活性レベルを減らすステップを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
クラスI/IIデアセチラーゼのたんぱく質レベル又は活性を増す作用物質に細胞を接触させるステップを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
Ku70たんぱく質のK539又はK542のアセチル化を阻害する、又は、脱アセチル化を誘導する、作用物質に細胞を接触させるステップを含む、哺乳動物細胞の寿命を伸長する方法。
【請求項65】
サーチュインのたんぱく質レベル又は活性を増す作用物質、及び、クラスI/IIデアセチラーゼのたんぱく質レベル又は活性を増す作用物質、に細胞を接触させるステップを含む、細胞の寿命を伸長する方法。
【請求項66】
Ku70たんぱく質のK539又はK542のアセチル化を誘導する、又は、脱アセチル化を阻害する、作用物質に細胞を接触させるステップを含む、哺乳動物細胞の寿命を減らす方法。
【請求項67】
サーチュインのたんぱく質レベル又は活性を減らす作用物質、及び、クラスI/IIデアセチラーゼのたんぱく質レベル又は活性を減らす作用物質、に細胞を接触させるステップを含む、細胞の寿命を減らす方法。
【請求項68】
サーチュイン阻害剤及びクラスI/IIデアセチラーゼ阻害剤を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−503479(P2008−503479A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516755(P2007−516755)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/021372
【国際公開番号】WO2006/007411
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(592257310)プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ (31)
【Fターム(参考)】