説明

Bi2223酸化物超電導体

【課題】低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Bi、Pb、Sr、Ln、Ca、Cu、OからなるBi2223酸化物超電導体であって、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種以上であり、SrとLnとの組成比が以下の組成比である。
Sr:Ln=(1−x):x (但し、0.002≦x≦0.015)
前記Bi2223酸化物超電導体は、Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を溶液中でイオン化する工程と、高温雰囲気に溶液を噴射して溶媒除去と熱分解反応を行うことにより、酸化物超電導体を構成する原子を含む粉末を製造する工程とを備えるBi2223酸化物超電導体の製造方法により製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Bi2223酸化物超電導体及びその製造方法に関し、詳しくは、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、液体窒素温度(77K)の自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化物の焼結体が高い臨界温度で超電導特性を示すことが報告され、この超電導体を利用した超電導技術の実用化が促進されている。このような酸化物超電導体の中でも、高臨界電流密度を有する材料として、Bi(ビスマス)系酸化物超電導体が知られており、Bi系酸化物超電導体の内でも、(Bi,Pb)−Sr−Ca−Cuから構成されるBi2223酸化物超電導体が、高配向化により特に高臨界電流密度の線材が得られることから注目されている。
【0003】
しかし、このBi2223酸化物超電導体は、c軸方向への磁場印加により臨界電流密度が急激に低下するという問題があった。この問題に対し、LaなどのLn(ランタノイド)と元素置換を行うことにより、磁場中での臨界電流密度の向上を図ることが行われている。
【0004】
具体的には、特許文献1に示される通り、Bi系酸化物に10%以上の希土類元素を置換して得られたBi2223酸化物超電導体が開示されており、このような構成とすることにより磁場中での臨界電流密度の向上が図られている。しかし、このBi2223酸化物超電導体には、77K自己磁場中の臨界電流密度を低下させるという新たな問題がある。
【0005】
特許文献2にも、Lnと元素置換したBi系酸化物超電導体の技術が開示されている。しかし、この特許文献2が対象としているBi系酸化物超電導体は、Bi2212酸化物超電導体であるため、充分な臨界電流密度を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2749194号公報
【特許文献2】特開平05−319827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために、Lnと置換を行ったBi2223酸化物超電導体につき、種々の検討を行った。その結果、従来のLnと置換したBi2223酸化物超電導体は、置換量が10%以上と多いため、異相の凝集を招き易く、この異相の凝集が77K自己磁場中の臨界電流密度を低下させていることが分かった。
【0009】
そこで、さらに、適切なLnの置換量につき検討を行い、その結果、Lnの置換量を0.2〜1.5%とすることにより、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、請求項1に記載の発明は、
Bi、Pb、Sr、Ln、Ca、Cu、OからなるBi2223酸化物超電導体であって、
前記Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種以上であり、
前記Srと前記Lnとの組成比が以下の組成比であることを特徴とするBi2223酸化物超電導体である。
Sr:Ln=(1−x):x (但し、0.002≦x≦0.015)
【0011】
請求項1の発明においては、上記の通り、Lnの置換量が従来よりも少ないため、異相の凝集を招くことが抑制される。この結果、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体を提供することができる。
【0012】
しかし、上記のBi2223酸化物超電導体においては、一定の効果を有するものの、異相の凝集を完全に防止することはできない。
【0013】
そこで、本発明者は、さらに鋭意検討を行い、その結果、Ln置換のBi2223酸化物超電導体の製造方法として、Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を溶液中でイオン化する工程と、高温雰囲気に溶液を噴射して溶媒除去と熱分解反応を行うことにより、酸化物超電導体を構成する原子を含む粉末を製造する工程とを備える製造方法を採用することにより、異相の凝集を完全に防止することができ、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体を提供できることを見出した。
【0014】
即ち、Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を溶液中でイオン化することにより、溶液中で各元素のイオンレベルの微細混合を行なうことができる。そして、高温雰囲気に溶液を噴射して溶媒除去と熱分解反応を行うことにより、酸化物超電導体を構成する原子を含む粉末を製造することができる。この結果、各元素が分離凝集することなく均一に分散して、仮焼粉末で作製するBi2223酸化物結晶粒内にLnを存在させることができる。このBi2223酸化物結晶粒内に存在するLnは、Bi2223酸化物結晶粒内ピンとして機能させることができるため、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができる。
【0015】
請求項2の発明は、以上の発明を請求するものであり、
請求項1に記載のBi2223酸化物超電導体の製造方法であって、
前記Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を溶液中でイオン化する工程と、
高温雰囲気に溶液を噴射して溶媒除去と熱分解反応を行うことにより、酸化物超電導体を構成する原子を含む粉末を製造する工程と
を備えることを特徴とするBi2223酸化物超電導体の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、低温磁場中で高臨界電流密度を有すると共に、77Kの自己磁場中においても、高臨界電流密度を維持することができるBi2223酸化物超電導体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る酸化物超電導体の前駆体粉末製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係るBi2223酸化物超電導線材および標準組成線材の自己磁場および低温磁場中での臨界電流密度を示す図である。
【図3】本発明に係るBi2223酸化物超電導線材のLa添加濃度と臨界電流値の上昇率の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る酸化物超電導体の前駆体粉末(La添加組成)と標準組成の酸化物超電導体の前駆体粉末(La無添加)のX線回析図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0019】
1.前駆体粉末の製造方法
はじめに、前駆体粉末の製造方法について説明する。
(1)材料準備
まず、Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を準備する。即ち、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)およびSrの一部を置換するランタン(La)等のランタノイド(Ln)に含まれる元素を含む材料であり、具体的にはたとえばBi、PbO、SrCO、CaCO、CuO、Laの各材料粉末であってもよい。また、Bi、Pb、Sr、Ca、Cu、Laの固体金属でもよい。また、Bi(NO、Pb(NO、Sr(NO、Ca(NO、Cu(NO、La(NO、またはこれらの水和物であってもよい。
【0020】
そして、前記の材料を(Bi、Pb):(Sr、Ln):Ca:Cuの比率が2:2:2:3となるように秤量する。
【0021】
(2)溶液の作製
次に、準備した材料を溶解し、溶液を作成する。溶媒としては、材料の不動態を形成せず各材料を完全に溶解することができ、理論上炭素成分をゼロにできる、硝酸が好ましい。ただし溶媒は硝酸に限られるものではなく、硫酸、塩酸などの他の無機酸でもよいし、シュウ酸、酢酸などの有機酸であってもよい。さらに、酸だけでなく、材料を溶解させることが可能な成分であれば、アルカリ溶液であってもよい。
【0022】
そして、材料をたとえば硝酸に溶解させてイオン化させる。このときの溶液の温度は特に制限されず、Bi等の材料となる元素を十分に溶解させることができる温度であればよい。さらに、十分な溶解度を得るためには、攪拌装置を設けて、攪拌することが好ましい。
【0023】
このように、各材料を溶液中で完全に溶解させることによって、酸化物超電導体を構成する各元素(Bi、Pb、Sr、Ca、Cu、Ln)は、イオンレベルで微細に混合される。
【0024】
(3)前駆体粉末の作製
次に、図1に示す前駆体粉末製造装置を用いて、上記溶液より前駆体粉末を作製する。具体的には、まず、溶液11を噴霧用気体と共に噴射口21から噴射する。溶液11および噴霧用気体の噴射を矢印Aで示す。これによって噴霧12が形成される。一方、噴射口21から矢印Bで示す方向に搬送用気体を導入する。この搬送用気体によって噴霧12は電気炉13へ搬送される。そして、電気炉13内において、噴霧12に含まれる溶液11の溶媒は加熱されて蒸発する。
【0025】
このようにして、噴霧用気体と搬送用気体とによって構成される高温の雰囲気14に溶液を噴射し、溶媒を除去する。その結果、酸化物超電導体を構成する原子を含む原料粉末1aが得られる。電気炉13の出口における雰囲気15は、除去された溶媒の成分を含んでいる。
【0026】
電気炉13の温度は特に限定されるものではないが、電気炉13内で硝酸塩の熱分解を起こさせる場合には、電気炉13の温度を例えば700℃以上850℃以下とすることができる。また、電気炉13のうち、温度が700℃以上850℃以下の領域の長さを、例えば300mmとすることができる。
【0027】
続いて、冷却用気体を導入した雰囲気16で、粉末を冷却する。具体的には、冷却用気体導入口22から矢印Cで示す方向に冷却用気体を導入する。この冷却用気体が雰囲気15と混合されて雰囲気16を構成する。雰囲気16で原料粉末1aは冷却されながら、搬送用気体によって粉末回収器17へ搬送され、粉末回収器17の底部に配置された容器17aに収納される。これによって、原料粉末1が得られる。
【0028】
本実施の形態における噴霧用気体としては、乾燥した空気や、窒素などを用いることができる。また、搬送用気体としては、乾燥した空気などを用いることができる。噴霧用気体および搬送用気体は異なる気体であってもよく、同種の気体であってもよい。また、噴霧用気体および搬送用気体の流量比は適宜変更することが可能である。さらに、冷却用気体としては、二酸化炭素、窒素および水蒸気の濃度を雰囲気15よりも低減できる気体であって、雰囲気15よりも低温の気体が用いられる。
【0029】
(4)仮焼
次に、固体粉末の熱処理を行なう。具体的には、固体粉末を高温炉内に飛散させることによって酸化させ、Bi2223酸化物超電導体の前駆体粉末(仮焼粉末)を作製する。
【0030】
高温炉には、硝酸塩等の塩を完全に熱分解させるために必要な温度に加熱できる炉、具体的には、600℃以上850℃以下などの、固体粉末に含まれる全ての硝酸塩の分解温度以上に加熱することができる炉であって、たとえば周囲に熱源を備える電気炉などを用いることができる。高温炉内は、酸化反応の起こりやすい雰囲気に保つことが好ましく、たとえば低酸素雰囲気(たとえば、酸素濃度0体積%超21体積%以下)に保つことが好ましい。
【0031】
高温炉内を硝酸塩の分解温度以上に維持することで、硝酸塩の熱分解反応、および酸化反応を瞬時に起こさせる。このようにして、前記各元素を所定の比率で含有し、各元素の酸化物、特にLn酸化物の異相が分離凝集せず各元素が均一に分散した複合酸化物粉末からなる前駆体粉末を作製することができる。
【0032】
以上説明したように、酸化物超電導体の製造に際し、Bi2223酸化物超電導体を構成するBi、Pb、Sr、Ca、CuおよびLnを溶液中で各元素のイオンレベルの微細混合を行なう。そして、その溶液から溶媒を除去して、イオンレベルで混合された固体粉末を生成させる。生成させた固体粉末を高温炉で処理することによって、一瞬で前駆体粉末生成させる。このため、前記各元素の分離凝集のなく、各元素が均一に分散したBi2223酸化物超電導体の前駆体粉末を作製することができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。本実施例は、LnとしてLaを用いて、材料として酸化物超電導体を構成する各元素の硝酸塩水溶液を用い、酸溶解後に噴霧熱処理により作製した前駆体粉末を用いてBi2223酸化物超電導線材を作製した例である。
【0034】
1.前駆体粉末の作製
(1)材料
(Bi、Pb)、(Sr1−x、La)、Ca、Cuをモル比で2:2:2:3の比率で含有し、xが異なる5種類の材料を準備した。具体的には、x=0.002、0.005、0.0075、0.01、0.01、0.015の材料を準備し、それぞれ順に実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6とした。なお、実施例4と実施例5は同じ組成比であるが、以降の超電導線材の作製工程において相違があるため、別の実施例とした。
【0035】
(2)溶解および溶媒の除去
上記6種類の材料をそれぞれ硝酸に溶解して、硝酸塩水溶液を調整した。この6種類の硝酸塩水溶液をそれぞれ噴霧して、固体粉末を得た。
【0036】
(3)仮焼
次いで、温度800℃、酸素分圧0.008MPaの雰囲気で10時間の熱処理を行い、前駆体粉末を得た。
【0037】
2.Bi2223酸化物超電導線材の作製
(1)単芯線の作製
上記のようにして得た6種類の前駆体粉末を、それぞれ銀パイプに充填し、真空中において600℃の温度で10時間の熱処理を行なってガスを抜いた。そして、金属管の端末をロウ付けすることで前駆体粉末を真空封入した後、両端を封入したまま線引き加工して単芯線を作製した。
【0038】
(2)テープ線(テープ状多芯線)の作製
次に、作製した6種類の単芯線をそれぞれ121本を束ねて銀パイプに挿入し、再度真空中において600℃の温度で10時間の熱処理を行なってガスを抜いた。そして、銀パイプの端末をロウ付けすることで原料粉末を真空封入して多芯線を作製した。続いて、この多芯線の両端をロウ付けしたまま伸線加工および圧延加工を行ない、幅4mm、厚さ0.2mmのテープ線を作製した。
【0039】
(3)Bi2223酸化物超電導線材の作製
次に、作製した6種類のテープ線を820〜830℃、酸素分圧0.008MPaの雰囲気で30時間の熱処理を行なった。次に、中間圧延を行なった後で、さらに810〜820℃、酸素分圧0.008MPaの雰囲気で50時間の熱処理を行ない、Bi2223酸化物超電導体線材を製造した。
【0040】
3.Bi2223酸化物超電導体線材の性能テスト
(1)測定方法
作製したBi2223酸化物超電導体線材の臨界電流密度(kA/cm)を、77Kの自己磁場中、及び20Kでテープに垂直(c軸方向に垂直)に4Tの磁場を印加する2種類の条件の下で測定し、それぞれの測定値をJc(77K,s.f)、即ち自己磁場中での臨界電流密度とJc(20K,⊥4T)、即ち低温磁場中での臨界電流密度で表記した。また、それぞれの測定値に基づいてJc(20K,⊥4T)/Jc(77K,s.f)を算定し、up率とした。
【0041】
(2)測定結果
測定結果を表1、図2、図3に示す。また、Laを添加していない、即ちx=0のBi2223の複数種類の標準組成線材についての測定データを併せて表1、図2、図3に示す。なお、図3では臨界電流Icで表記した。
【0042】
【表1】

【0043】
表1、図3より、本発明により得られたBi2223酸化物超電導体線材は、標準組成線材に比べてup率が高い、すなわち、低温磁場中での臨界電流密度Jc(20K,⊥4T)が大きいことが分かる。
【0044】
本発明により得られたBi2223酸化物超電導体線材の場合は、添加したLaがイオンレベルで均一に分散されたため、Bi2223相結晶粒内に存在するLaがピン止め効果を発揮し、Laの添加濃度が低濃度であるにも拘わらず、このように、低温磁場中での臨界電流密度を向上させることができたものと考えられる。
【0045】
また、表1、図2より、本発明により得られたBi2223酸化物超電導体線材の自己磁場中での臨界電流密度Jc(77K,s.f)は、標準組成線材のJc(77K,s.f)と同等であることが分かる。即ち、La添加による自己磁場中における臨界電流密度の低下が抑制されていることが分かる。
【0046】
本発明により得られたBi2223酸化物超電導体線材の場合は、添加されたLaがBi2223粒子間に凝集してLa異相が生成することが抑制されたため、自己磁場中での高い臨界電流密度Jc(77K,s.f)が維持されたものと考えられる。
【0047】
La異相が生成していないことを確認するため、本発明により作製した前駆体粉末とLaを加えない前駆体粉末のX線回折測定を行なった。測定結果を図4に示す。図4に示した測定結果によれば、図4(a)に示す本発明により作製した前駆体粉末の回折図は、図4(b)に示す標準組成(La無添加)の回折図と回折ピークの回折角、回折強度がほぼ一致していて、本発明により作製した前駆体粉末の回折図にはLa異相の回折ピークが認められず、La異相が生成していないことが確認された。
【符号の説明】
【0048】
1、1a 原料粉末
11 溶液
12 噴霧
13 電気炉
14〜16 雰囲気
17 粉末回収器
17a 容器
18 フィルタ
21 噴射口
22 冷却用気体導入口
23 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bi、Pb、Sr、Ln、Ca、Cu、OからなるBi2223酸化物超電導体であって、
前記Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種以上であり、
前記Srと前記Lnとの組成比が以下の組成比であることを特徴とするBi2223酸化物超電導体。
Sr:Ln=(1−x):x (但し、0.002≦x≦0.015)
【請求項2】
請求項1に記載のBi2223酸化物超電導体の製造方法であって、
前記Bi2223酸化物超電導体を構成する元素を含む材料を溶液中でイオン化する工程と、
高温雰囲気に溶液を噴射して溶媒除去と熱分解反応を行うことにより、酸化物超電導体を構成する原子を含む粉末を製造する工程と
を備えることを特徴とするBi2223酸化物超電導体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−57484(P2011−57484A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207024(P2009−207024)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】