C−アリールグルコシドSGLT2インヒビターおよび方法

【課題】抗糖尿病薬として有用なSGLT2阻害活性を有する新規化合物を含有する医薬組成物および使用を提供する。
【解決手段】下記式を有する化合物またはその薬学上許容し得る塩を有効成分とする医薬組成物または該化合物の糖尿病等の治療用の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国仮出願第60/194615号(2000年4月5日出願)および米国仮出願第60/158773号(1999年10月12日出願)からの優先権を主張する米国出願第09/679027号(2000年10月4日出願)の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、腸および腎臓に見出されたナトリウム依存性グルコース輸送体(SGLT2)のインヒビターであるC-アリールグルコシド、ならびに、係るC-アリールグルコシドを単独で、または1、2もしくはそれ以上の他の型の抗糖尿病薬および/または1、2もしくはそれ以上の他の型の治療薬、例えば血中脂質低下薬と組み合わせて使用する、糖尿病、特にII型糖尿病、ならびに高血糖症、高インスリン血症、肥満症、高トリグリセリド血症、症候群X、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症および関連疾患を処置するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
全世界でおよそ1億人の人々がII型糖尿病(NIDDM)に罹患しているが、この疾患は、肝臓のグルコース産生過剰と末梢のインスリン抵抗性に起因する高血糖症を特徴としており、その根本原因は未だ分かっていない。高血糖症は糖尿病合併症の発症の主たる危険因子であると考えられており、進行したNIDDMに見られるインスリン分泌障害に直接寄与しているようである。NIDDM患者の血漿グルコースの正常化は、インスリンの作用を改善し、糖尿病合併症の発症を相殺すると予想できる。腎臓のナトリウム依存性グルコース輸送体SGLT2のインヒビターは、グルコース排泄を亢進することにより、血漿グルコースレベルおよび恐らくは体重の正常化を助けると予想される。
【0004】
スルホニル尿素類、チアゾリジンジオン類、メトホルミン、およびインスリンを包含する既存の治療を補完するため、そしてこれらその他の薬物の使用に伴う副作用の可能性を回避するため、新規な安全且つ経口活性な抗糖尿病薬の開発もまた望まれる。
【0005】
高血糖症はII型糖尿病(NIDDM)の特徴であり;糖尿病における血漿グルコースレベルの持続的制御は、進行した疾患に見られる糖尿病合併症とβ細胞不全の発現を相殺することができる。血漿グルコースは通常、腎糸球体で濾過され、近位尿細管で能動的に再吸収される。SGLT2は、この部位におけるグルコースの再取り込みを担う主たる輸送体であると思われる。SGLT特異的インヒビターであるフロリジンまたは密接に関連する類似体は、低血糖の副作用無しにグルコース排泄を促進することにより、糖尿病の齧歯類およびイヌにおいてこの再取り込みプロセスを阻害し、血漿グルコースレベルの正常化を導く。SGLT2インヒビターによるZucker糖尿病ラットの長期(6ヶ月)処置は、血糖へのインスリン応答を改善し、インスリン感受性を改善し、そして腎臓における検出可能な病変および血漿の電解質不均衡を起こすことなく、これらの動物における腎症と神経障害の発症を遅延させる。糖尿病患者におけるSGLT2の選択的阻害は、尿中グルコース排泄を亢進することによって血漿グルコースを正常化すると予想でき、それによりインスリン感受性を改善し、糖尿病合併症の発症を遅延させる。
【0006】
腎臓におけるグルコース再取り込みの90%は腎皮質近位尿細管の早期S1セグメントの上皮細胞で起こり、SGLT2がこの再取り込みを担う主たる輸送体のようである。SGLT2は、腎近位尿細管の早期S1セグメントで専ら発現される14の膜スパニングセグメントを含む672アミノ酸蛋白である。SGLT2の基質特異性、ナトリウム依存性、および局在は、かつてヒト腎皮質近位尿細管で特性決定された、高能力低親和性ナトリウム依存性グルコース輸送体の性質に一致している。さらに、ハイブリッド枯渇研究は、ラット腎皮質由来のmRNAにコードされている事実上全てのNa依存性グルコース輸送体活性が、ラットSGLT2に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害されることから、SGLT2は、近位尿細管のS1セグメントにある有力なNa+/グルコース共輸送体であると暗示している。SGLT2は、腎臓のグルコース再吸収が様々な程度で障害されている遺伝的異常である、或る形態の家族性糖尿の候補遺伝子である。現在までに研究されたこれら症候群のいずれも、第16染色体上にSGLT2座をマッピングする事はなかった。しかしながら、高度に相同性の齧歯類SGLTの研究は、SGLT2が主要な腎ナトリウム依存性グルコース輸送体である事を強く暗示しており、そして、マッピングされた糖尿の座がSGLT2調節因子をコードしていることを示唆している。SGLT2の阻害は、糖尿病患者においてグルコース排泄の亢進により血漿グルコースレベルを低下させると予想される。
【0007】
アミノ酸レベルでSGLT2と60%一致するもう一つのNa依存性グルコース共輸送体であるSGLT1は、小腸と、腎近位尿細管のより遠位のS3セグメントで発現される。それらの配列類似性にも拘わらず、ヒトSGLT1とSGLT2は生化学的に識別可能である。SGLT1では輸送されるグルコースに対するNa+のモル比は2:1であり、SGLT2ではその比率は1:1である。Na+についてのKmは、SGLT1およびSGLT2について各々32および250-300mMである。グルコースおよび非代謝性グルコース類似体α-メチル-D-グルコピラノシド(AMG)の取り込みについてのKm値は、SGLT1およびSGLT2について似通っており、即ち、SGLT1およびSGLT2輸送体について各々0.8および1.6mM(グルコース)ならびに0.4および1.6mM(AMG)である。しかしながら、この二つの輸送体は、SGLT1のみの基質であるガラクトースのような糖についての基質特異性が異なる。
【0008】
SGLT活性の特異的インヒビターであるフロリジンの投与は、幾つかの糖尿病齧歯類モデルおよび一例のイヌ糖尿病モデルにおいて、低血糖副作用無しに、グルコース排泄を促進し、空腹時および摂食時血漿グルコースを低下させ、そしてグルコース利用を促進することにより、インビボで概念の証明を提供した。2週間のフロリジン処置の結果、血漿イオン均衡、腎機能または腎形態に関する望ましくない作用は観察されていない。さらに、フロリジンを正常動物に投与する時、糖尿の存在にも拘わらず、低血糖またはその他の望ましくない作用は観察されていない。腎SGLTのインヒビターを6ヶ月間投与した(Tanabe Seiyaku)ところ、空腹時および摂食時血漿グルコースが改善し、肥満NIDDMラットモデルのインスリン分泌および利用が改善し、そして、低血糖または腎副作用無しに腎症および神経障害の発現が相殺される事が報告された。
【0009】
フロリジン自身は経口薬物として魅力的ではない。何故ならこれは、腸でそのアグリコンであるフロレチンに加水分解される非特異的SGLT1/SGLT2インヒビターであり、そのフロレチンはグルコース促進輸送の強力なインヒビターであるためである。このようなインヒビターは末梢のインスリン抵抗性を悪化させ同時にCNSの低血糖を促進すると予想されるため、グルコースの促進輸送体(GLUT)の同時阻害は望ましくない。SGLT1の阻害は、SGLT1共輸送体の突然変異が腸のグルコース取り込み障害および生命を脅かす下痢と脱水を導く遺伝性症候群グルコース/ガラクトース吸収不全症(GGM)によって例示されるように、重篤な望ましくない結果を招き得る。SGLT2とSGLT1の生化学的相違およびこれらの配列相違の程度は、選択的SGLT2インヒビターの同定を可能にする。
【0010】
家族性糖尿症候群は、腸のグルコース輸送ならびに他のイオンおよびアミノ酸の腎輸送が正常である状態である。家族性糖尿の患者は正常に発育し、正常な血漿グルコースレベルを有し、そして、時にかなり高い(110-114g/日)レベルのグルコースが排泄されるにも拘わらず、この疾患の結果として重大な健康上の欠落には見舞われないようである。この患者に明らかな主たる症状は、多食、多尿および多渇を包含し、腎臓は構造および機能の面で正常であるように見受けられる。したがって、現在までに入手できる証拠から、腎グルコース再取り込みの障害は、その他の点では正常な個体に、ごく小さな長期的な負の結果をもたらすように思われる。
【0011】
以下の参考文献は、糖尿病を処置するためのC-アリールグルコシドSGLT2インヒビターを開示するものである。
【0012】
WO01/27128は、構造:
【化1】

[式中、AはO、S、NH、または(CH2)n[式中、nは0-3である]であり;
R1、R2およびR2aは個別に水素、OH、OR5、アルキル、CF3、OCHF2、OCF3、SR5iまたはハロゲン等であり;
R3およびR4は個別に水素、OH、OR5a、Oアリール、OCH2アリール、アルキル、シクロアルキル、CF3、-OCHF2、-OCF3、ハロゲン等である]
で示される化合物を開示している。これらの化合物はSGLT2輸送体のインヒビターであると報告されており、したがって糖尿病およびその合併症の処置のための方法を表す。
【0013】
WO98/31697は、構造:
【化2】

[式中、Arはとりわけフェニル、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、およびジフェニルエーテルを包含し、そして、R1はグリコシドであり、R2はH、OH、アミノ、ハロゲン、カルボキシ、アルキル、シクロアルキル、またはカルボキサミドであり、そしてR3は水素、アルキル、またはアシルであり、そしてk、mおよびnは個別に1-4である]で示される化合物を開示している。WO98/31697に開示する化合物の部分集合は以下の構造
【化3】

[式中、AはOまたは(CH2)x[式中、x=0-3である]であり、
R3は水素、アルキルまたはアシル基[ここで、nは1-4である]であり、
R2は水素、アルキル、OH、NH2、ハロゲン、CO2Hまたはカルボキシイミド[ここで、kは1-4である]である]
で示される化合物を含み、これらは、とりわけ炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、癌、および癌の転移、再潅流障害、血栓症、潰瘍、創傷、骨粗鬆症、真性糖尿病およびアテローム性動脈硬化症の処置または予防に使用するために開示されている。
【0014】
発明の説明
本発明に従い、構造:
【化4】

I
を有するC-アリールグルコシド化合物ならびにその薬学上許容し得る塩、その全立体異性体、ならびにその全てのプロドラッグエステルを提供する。
【0015】
式Iの化合物は、哺乳動物の腸と腎臓に見出されるナトリウム依存性グルコース輸送体のインヒビターとしての活性を有し、糖尿病ならびに糖尿病の微小および大血管合併症、例えば網膜症、腎症、神経障害、ならびに創傷治癒の処置に有用である。
【0016】
本発明は、式Iの化合物、係る化合物を使用する医薬組成物、および係る化合物を使用する方法を提供する。
【0017】
さらに、本発明に従い、構造Iの化合物の治療的有効量を、処置を必要とする人間患者に投与する、糖尿病合併症(網膜症、神経障害、腎症および創傷治癒遅延を包含する)を包含する糖尿病、特にI型およびII型糖尿病、ならびに関連疾患、例えばインスリン抵抗性(グルコースホメオスタシス不全)、高血糖症、高インスリン血症、血中脂肪酸またはグリセロールレベル上昇、肥満症、高脂血症(高トリグリセリド血症を包含する)、症候群X、アテローム性動脈硬化症および高血圧症、ならびに高密度リポ蛋白レベル上昇の進行または発症を処置または遅延させる方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明に従い、構造Iの化合物と他の型の抗糖尿病薬および/または他の型の治療薬、例えば血中脂質低下薬の組み合わせの治療的有効量を、処置を必要とする人間患者に投与する、糖尿病ならびに上記および下記定義による関連疾患を処置する方法を提供する。
【0019】
集合的に「症候群X」(代謝症候群としても知られる)と称する状態、疾患および疾病は、Johannsson J. Clin. Endocrinol. Metab., 82, 727-34(1997)に詳説されている。
【0020】
本明細書で使用する「他の型の治療薬」という語は、1もしくはそれ以上の抗糖尿病薬(式IのSGLT2インヒビター以外)、1もしくはそれ以上の抗肥満薬、抗高血圧薬、抗血小板薬、抗アテローム性動脈硬化症薬、および/または1もしくはそれ以上の脂質低下薬(抗アテローム性動脈硬化症薬を包含する)を指す。
【0021】
上の本発明方法において、本発明に係る構造Iの化合物は、1、2またはそれ以上の抗糖尿病薬および/または1、2またはそれ以上の他の型の治療薬(その実施態様による)に対する重量比として、約0.01:1ないし約300:1、好ましくは約0.1:1ないし約10:1の範囲内で使用する。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明に係る式Iの化合物は、以下の反応式およびその説明に示すようにして製造するが、ここで、温度は摂氏で表現する。
【0023】
式Iの化合物は、式II:
【化5】

II
で示される化合物を、例えばH2O/THF/MeOHまたは水性MeOHまたは水性EtOHの1:2:3混合物のような溶媒中で、LiOHまたはNaOHのような塩基で処理することにより、図式1に示すようにして製造できる。
【0024】
式IIの化合物(これは容易に結晶化する新規中間体である)は、αおよびβアノマーの混合物として得られた式Iaで示される粗製化合物を簡単に精製する手段を提供する。
【0025】
式IIの化合物は、ピリジンおよびジメチルアミノピリジン(DMAP)のような触媒を含有するCH2Cl2のような溶媒中で式Iaの化合物をAc2Oで処理することによって製造できる。
【化6】

Ia
【0026】
式Iaの化合物は、BF3・Et2Oのようなルイス酸触媒の存在下に、1:1 CH2Cl2/MeCNのような溶媒中、-10゜で、式IIIで示される化合物をEt3SiHのような還元剤で還元することによって製造できる。
【化7】

III
【0027】
別法として、式IIの化合物は、まず、ヒューニッヒ塩基またはEt3Nのような塩基およびDMAPのような触媒を含有するトルエンまたはCH2Cl2のような溶媒中で、式IIIの化合物をAc2Oでアセチル化し、式IVで示される化合物を生成することによって製造できる。
【化8】

IV
【0028】
1当量のH2OおよびBF3・Et2Oのようなルイス酸触媒を含有するMeCNのような溶媒中で、Et3SiHのような還元剤による20゜での処理によって、式IVの化合物から式IIの化合物へのその後の変換を達成できる。
【化9】

図式1
【0029】
図式2に略記するように、式IIIで示される化合物を、1) トルエンのような溶媒中、-75゜で、式VIで示されるペルシリル化グルコノラクトンに、式Vで示されるアリールリチウムの冷THF溶液を添加することによって製造できる。続いて30分後にメタンスルホン酸(MSA)のようなプロトン性酸のメタノール溶液を加え、中間体ラクトールからIIIへの変換が完了するまで溶液を20゜で攪拌する。
【化10】

【0030】
N-メチルモルホリンのような塩基を含有するTHFのような溶媒中で、商業的に入手可能なD-グルコノラクトンをトリメチルシリルクロリドのようなシリル化剤で処理することにより、式VIで示される化合物が製造できる。
【0031】
THFのような溶媒中、-75゜でn-BuLiまたはt-BuLiのようなアルキルリチウムで式VIIで示される化合物を処理することにより、式Vで示される化合物が製造できる。
【化11】

VII
【0032】
1:1 CH2Cl2/MeCNのような溶媒中、BF3・Et2Oのようなルイス酸触媒の存在下に、式VIIIで示される化合物を0゜-20゜でEt3SiHのような還元剤で処理することにより、式VIIで示される化合物が容易に製造できる。
【化12】

VIII
【0033】
AlCl3またはAlBr3のようなルイス酸1当量を含有するCH2Cl2のような溶媒中、商業的に入手可能なエトキシベンゼン(フェネトール)を2-クロロ-5-ブロモベンゾイルクロリドでフリーデル-クラフトアシル化することにより、式VIIIで示される化合物が製造できる。
【0034】
触媒量のDMFを含有するCH2Cl2のような溶媒中で、商業的に入手可能な2-クロロ-5-ブロモ安息香酸を塩化オキサリルで処理することにより、2-クロロ-5-ブロモベンゾイルクロリドが容易に製造できる。
【化13】

図式2
【0035】
本発明の説明に使用した種々の用語の定義を下に列挙する。これらの定義を、(具体例において別途限定しない限り)個別的に、またはより大きな基の一部として、本明細書全編に使用する用語に適用する。
【0036】
本明細書中、以下の略語を使用する:
Ph = フェニル
Bn = ベンジル
t-Bu = 第三ブチル
Me = メチル
Et = エチル
TMS = トリメチルシリル
TBS = tert-ブチルジメチルシリル
THF = テトラヒドロフラン
Et2O = ジエチルエーテル
EtOAc = 酢酸エチル
DMF = ジメチルホルムアミド
MeOH = メタノール
EtOH = エタノール
i-PrOH = イソプロパノール
HOAcまたはAcOH = 酢酸
TFA = トリフルオロ酢酸
i-Pr2NEt = ジイソプロピルエチルアミン
Et3N = トリエチルアミン
DMAP = 4-ジメチルアミノピリジン
NaBH4 = 水素化硼素ナトリウム
n-BuLi = n-ブチルリチウム
Pd/C = 炭素上パラジウム
KOH = 水酸化カリウム
NaOH = 水酸化ナトリウム
LiOH = 水酸化リチウム
K2CO3 = 炭酸カリウム
NaHCO3 = 重炭酸ナトリウム
Ar = アルゴン
N2 = 窒素
min = 分
hまたはhr = 時間
L = リットル
mL = ミリリットル
μL = マイクロリットル
g = グラム
mg = ミリグラム
mol = モル
mmol = ミリモル
meq = ミリ当量
RT = 室温
satまたはsat'd = 飽和
aq. = 水性
TLC = 薄層クロマトグラフィー
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS = 高速液体クロマトグラフィー/質量分析
MSまたはMass Spec = 質量分析
NMR = 核磁気共鳴
mp = 融点
【0037】
別途指摘の無い限り、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「低級アルキル」という語は、1ないし8個の炭素を含む直鎖および分枝鎖炭化水素を包含し、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「アルキル」および「alk」という語は、1ないし20個の炭素、好ましくは1ないし10個の炭素、より好ましくは1ないし8個の炭素を含む直鎖および分枝鎖炭化水素の両者を包含し、直鎖では、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、それらの様々な分枝鎖異性体等、ならびに、例えばハロ、例えばF、Br、ClもしくはI、またはCF3、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)またはジアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、所望により置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、アルカノイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、シクロヘテロアルキル、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキルおよび/またはアルキルチオのような1ないし4個の置換基を含む基を包含する。
【0038】
別途指摘の無い限り、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「シクロアルキル」という語は、1ないし3個の環を含む飽和または部分的に不飽和の(1または2個の二重結合を含む)環状炭化水素基を包含し、合計3ないし20個の環形成炭素、好ましくは3ないし10個の環形成炭素を含む単環式アルキル、二環式アルキルおよび三環式アルキルを包含し、これらの環形成炭素は、アリールについて記載のように1または2個の芳香環と融合していてよく、それらはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシルおよびシクロドデシル、シクロへキセニル、
【化14】

を包含し、これらの基のうちいずれも所望により1ないし4個の置換基、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、オキソ、アシル、アリールカルボニルアミノ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオールおよび/またはアルキルチオおよび/または任意のアルキル置換基で置換されていてもよい。
【0039】
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「アルカノイル」という語は、カルボニル基に結合したアルキルを指す。
【0040】
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「ハロゲン」または「ハロ」という語は、塩素、臭素、弗素、および沃素を指し、塩素または弗素が好ましい。
【0041】
「金属イオン」という語は、ナトリウム、カリウムまたはリチウムのようなアルカリ金属イオン、および、マグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリ土類金属イオン、ならびに亜鉛およびアルミニウムを指す。
【0042】
別途指摘の無い限り、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「アリール(aryl)」または「アリール(Aryl)」という語は、環部分に6ないし10個の炭素を含む単環式および二環式芳香族基(例えばフェニルまたは1-ナフチルおよび2-ナフチルを包含するナフチル)を指し、所望により炭素環またはヘテロ環(例えば、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環、例えば、
【化15】

)と融合した1ないし3個のさらなる環を包含していてもよく、また、所望により、利用できる炭素原子を介して、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキル-アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルケニル、アミノカルボニルアリール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ[ここでこのアミノは1または2個の置換基(これは、アルキル、アリールまたは定義において述べた他のアリール化合物のうち任意のものである)を包含する]、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノおよびアリールスルホンアミノカルボニルおよび/または本明細書に開示のアルキル置換基のうち任意のものから選ばれる1、2または3個の基で置換されていてもよい。
【0043】
別途指摘の無い限り、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「低級アルコキシ」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」または「アラルコキシ」という語は、酸素原子に結合した上記アルキル、アラルキルまたはアリール基のうち任意のものを包含する。
【0044】
別途指摘の無い限り、本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用する「低級アルキルチオ」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」または「アラルキルチオ」という語は、硫黄原子に結合した上記アルキル、アラルキルまたはアリール基のうち任意のものを包含する。
【0045】
本明細書で使用する「ポリハロアルキル」という語は、2ないし9、好ましくは2ないし5個のハロ置換基、例えばFまたはCl、好ましくはFを含む上記定義による「アルキル」基、例えばCF3CH2、CF3またはCF3CF2CH2を指す。
【0046】
本明細書で使用する「ポリハロアルキルオキシ」という語は、2ないし9、好ましくは2ないし5個のハロ置換基、例えばFまたはCl、好ましくはFを含む上記定義による「アルコキシ」または「アルキルオキシ」基、例えばCF3CH2O、CF3OまたはCF3CF2CH2Oを指す。
【0047】
本明細書で使用する「プロドラッグエステル」という語は、式Iの化合物の1またはそれ以上のヒドロキシを当業者に周知の方法を用いてアルキル、アルコキシ、またはアリール置換アシル化剤と反応させてアセタート、ピバラート、メチルカルボナート、ベンゾアート等とすることにより製造したエステルおよびカルボナートを包含する。
【0048】
このようなプロドラッグエステルの例は、
【化16】

を包含する。
【0049】
構造Iの化合物が酸型である場合、これらは薬学上許容し得る塩、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属塩、カルシウムまたはマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩、ならびに亜鉛またはアルミニウムおよびその他のカチオン、例えばアンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、リジン(DまたはL)、エチレンジアミン、t-ブチルアミン、t-オクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N-メチルグルコサミン(NMG)、トリエタノールアミンおよびデヒドロアビエチルアミンとの塩を形成できる。
【0050】
本発明化合物の全ての立体異性体は、混合物または純粋なもしくは実質上純粋な形態で予想できる。本発明化合物はR置換基のうちいずれか1個を包含する炭素原子のいずれかに不斉中心を有することがある。したがって式Iの化合物は、エナンチオマーもしくはジアステレオマー型またはそれらの混合物で存在し得る。製造方法は、出発物質としてラセミ化合物、エナンチオマーまたはジアステレオマーを利用できる。ジアステレオマーまたはエナンチオマー生成物を製造する場合、これらは常法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶によって分離できる。
【0051】
所望により、構造Iの化合物は、1またはそれ以上の他の型の抗糖尿病薬および/または1またはそれ以上の他の型の治療薬と組み合わせて使用でき、これらは同じ剤型で経口的に、または別々の経口剤型で、または注射によって投与できる。
【0052】
所望により式IのSGLT2インヒビターと組み合わせて使用してもよい他の型の抗糖尿病薬は、インスリン分泌促進薬もしくはインスリン感作物質、またはその他の、好ましくはSGLT2阻害とは異なる作用メカニズムを持つ抗糖尿病薬を包含する、1、2、3またはそれ以上の抗糖尿病薬または抗高血糖薬であってよく、ビグアニド類、スルホニル尿素類、グルコシダーゼインヒビター、PPARγアゴニスト、例えばチアゾリジンジオン類、aP2インヒビター、PPARα/γ二重アゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)インヒビター、および/またはメグリチニド類、ならびにインスリン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、PTP1Bインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビターおよび/またはグルコース-6-ホスファターゼインヒビターを包含できる。
【0053】
所望により式IのSGLT2インヒビターと組み合わせて使用してもよい他の型の治療薬は、抗肥満薬、抗高血圧薬、抗血小板薬、抗アテローム性動脈硬化症薬および/または脂質低下薬を包含する。
【0054】
さらに式IのSGLT2インヒビターは、所望により糖尿病合併症を処置するための物質と組み合わせて使用できる。これらの物質は、PKCインヒビターおよび/またはAGEインヒビターを包含する。
【0055】
1、2、3またはそれ以上の他の抗糖尿病薬と組み合わせた構造Iの化合物の使用は、これらの医薬各々が単独でもたらすよりも大きな、そしてこれらの医薬がもたらす相加的合算効果より大きな抗高血糖結果をもたらすと考えられる。
【0056】
その他の抗糖尿病薬は、経口抗高血糖薬、好ましくはビグアニド類、例えばメトホルミンもしくはフェンホルミンまたはそれらの塩、好ましくはメトホルミンHClであってよい。
【0057】
その他の抗糖尿病薬がビグアニドである場合、構造Iの化合物を、ビグアニドに対する重量比として約0.01:1ないし約100:1、好ましくは約0.1:1ないし約5:1の範囲内で使用する。
【0058】
その他の抗糖尿病薬はまた、好ましくはスルホニル尿素、例えばグリブリド(グリベンクラミドとしても知られる)、グリメピリド(米国特許第4379785号に開示)、グリピジド、グリクラジドまたはクロルプロパミド、その他の既知のスルホニル尿素またはその他の、β細胞のATP依存チャネルに作用する抗高血糖薬(グリブリドおよびグリピジドが好ましい)であってよく、これらを同じまたは別々の経口剤型で投与することができる。
【0059】
構造Iの化合物は、スルホニル尿素に対する重量比として約0.01:1ないし約100:1、好ましくは約0.2:1ないし約10:1の範囲で使用する。
【0060】
経口抗糖尿病薬は、アカルボース(米国特許第4904769号に開示)またはミグリトール(米国特許第4639436号に開示)のようなグルコシダーゼインヒビターであってもよく、これらは同じまたは別々の経口剤型で投与できる。
【0061】
構造Iの化合物は、グルコシダーゼインヒビターに対する重量比として約0.01:1ないし約100:1、好ましくは約0.5:1ないし約50:1の範囲内で使用する。
【0062】
構造Iの化合物は、PPARγアゴニスト、例えばチアゾリジンジオン経口抗糖尿病薬またはその他のインスリン感作物質(NIDDM患者におけるインスリン感受性作用を有する)、例えばトログリタゾン(Warner-LambertのRezulin(登録商標)、米国特許第4572912号に開示)、ロシグリタゾン(SKB)、ピオグリタゾン(Takeda)、MitsubishiのMCC-555(米国特許第5594016号に開示)、Glaxo-WelcomeのGL-262570、エングリタゾン(CP-68722、Pfizer)またはダルグリタゾン(CP-86325、Pfizer)、イサグリタゾン(MIT/J&J)、JTT-501(JPNT/P&U)、L-895645(Merck)、R-119702(Sankyo/WL)、NN-2344(Dr.Reddy/NN)、またはYM-440(Yamanouchi)、好ましくはロシグリタゾンおよびピオグリタゾンと組み合わせて使用できる。
【0063】
構造Iの化合物は、チアゾリジンジオンに対する重量比として約0.01:1ないし約100:1、好ましくは約0.2:1ないし約10:1の範囲内の量で使用する。
【0064】
約150mg未満の量のスルホニル尿素およびチアゾリジンジオン経口抗糖尿病薬を、構造Iの化合物と共に1個の錠剤に含有させることができる。
【0065】
構造Iの化合物はさらに、インスリンのような抗高血糖薬と、またはGLP-1(1-36)アミド、GLP-1(7-36)アミド、GLP1(7-37)のようなグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(Habenerの米国特許第5614492号。この内容は引用により本明細書の一部とする)、およびAC2993(Amylen)およびLY-315902(Lilly)と組み合わせて使用でき、それらは注射、鼻内、または経皮もしくはバッカル手段によって投与できる。
【0066】
メトホルミン、スルホニル尿素類、例えばグリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミドおよびグリクラジド、ならびにグルコシダーゼインヒビターであるアカルボースもしくはミグリトール、またはインスリン(注射用、肺用、バッカル、または経口)が存在する場合、これらを上記のような調合で、且つPhysician's Desk Reference(PDR)に指示された量および投薬で使用できる。
【0067】
メトホルミンまたはその塩が存在する場合、これらは1日当たり約500ないし約2000mgの範囲内の量で使用でき、これを1回投与または1日に1ないし4回の分割投与で投与することができる。
【0068】
チアゾリジンジオン抗糖尿病薬が存在する場合、これは約0.01ないし約2000mg/日の範囲内の量で使用でき、これを1回投与または1日に1ないし4回の分割投与で投与することができる。
【0069】
インスリンが存在する場合、これはPhysician's Desk Referenceに指示された調合、量および投薬で使用できる。
【0070】
GLP-1ペプチドが存在する場合、これは経口バッカル製剤で、または鼻内投与によって、または米国特許第5346701号(TheraTech)、5614492号および5631224号(これらは引用により本明細書の一部とする)に記載のように非経口的に投与できる。
【0071】
その他の抗糖尿病薬は、AR-HO39242(Astra/Zeneca)、GW-409544(Glaxo-Wellcome)、KRP297(Kyorin Merck)のようなPPARα/γ二重アゴニスト、およびMurakami et al, "A Novel Insulin Sensitizer Acts As a Coligand for Peroxisome Proliferation - Activated Receptor Alpha (PPAR alpha) and PPAR gamma. Effect on PPAR alpha Activation on Abnormal Lipid Metabolism in Liver of Zucker Fatty Rats", Diabetes 47, 1841-1847(1998)、および1999年9月22日出願の米国仮出願第60/155400号 (代理人ファイルLA29)(これらの内容は引用により本明細書の一部とする)に開示されたものであってもよく、開示されている用量でそれらを使用し、好ましい化合物として指定された化合物は本発明における用途にとって好ましい。
【0072】
その他の抗糖尿病薬は、1999年9月7日出願の米国出願第09/391053号、および1999年4月5日出願の米国仮出願第60/127745号(代理人ファイルLA27*)であってよく、開示されている用量で使用する。上記出願で好ましい化合物として指定されている化合物が好ましい。
【0073】
その他の抗糖尿病薬は、WO99/38501、WO99/46272、WO99/67279(PROBIODRUG)、WO99/67278(PROBIODRUG)、WO99/61431(PROBIODRUG)に開示されているようなDP4インヒビター、Hughes et al, Biochemistry, 38(36), 11597-11603, 1999に開示のNVP-DPP728A(1-[[[2-[(5-シアノピリジン-2-イル)アミノ]エチル]アミノ]アセチル]-2-シアノ-(S)-ピロリジン)(Novartis)(好ましい)、TSL-225(トリプトフィル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Yamada et al, Bioorg. & Med. Chem. Lett. 8(1998) 1537-1540に開示されている)、Ashworth et al, Bioorg. & Med. Chem. Lett., Vol.6, No.22, pp1163-1166および2745-2748(1996)に開示されている2-シアノピロリジドおよび4-シアノピロリジドであってよく、これらを上記文献に開示されている用量で使用する。
【0074】
所望により本発明に係る式Iの化合物と組み合わせて使用できるメグリチニドは、レパグリニド、ナテグリニド(Novartis)またはKAD1229(PF/Kissei)であってよく、レパグリニドが好ましい。
【0075】
式IのSGLT2インヒビターは、メグリチニド、PPARγアゴニスト、PPARα/γ二重アゴニスト、aP2インヒビターまたはDP4インヒビターに対する重量比として約0.01:1ないし約100:1、好ましくは約0.2:1ないし約10:1の範囲内の量で使用する。
【0076】
所望により本発明に係る式Iの化合物と組み合わせて使用できる血中脂質低下薬または脂質低下薬は、1、2、3またはそれ以上のMTPインヒビター、HMG CoAレダクターゼインヒビター、スクアレンシンセターゼインヒビター、フィブリン酸誘導体、ACATインヒビター、リポオキシゲナーゼインヒビター、コレステロール吸収阻害薬、回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビター、LDLレセプター活性のアップレギュレーター、胆汁酸封鎖剤、および/またはニコチン酸およびその誘導体を包含する。
【0077】
本発明において使用するMTPインヒビターは、米国特許第5595872号、米国特許第5739135号、米国特許第5712279号、米国特許第5760246号、米国特許第5827875号、米国特許第5885983号および現在米国特許第5962440号である米国出願第09/175180号(1998年10月20日出願)に開示されているMTPインヒビターを包含する。上記特許および出願の各々に開示されている好ましいMTPインヒビターの各々が好ましい。上記米国特許および出願は全て引用により本明細書の一部とする。
【0078】
血中脂質低下薬はHMG CoAレダクターゼインヒビターであってよく、これらは、米国特許第3983140号に開示のメバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4231938号に開示のロバスタチン(メビノリン)および関連化合物、米国特許第4346227号に開示のようなプラバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4448784号および4450171号に開示のシンバスタチンおよび関連化合物を包含するがこれらに限定される訳ではない。血中脂質低下薬はさらに、米国仮出願第60/211594号および60/211595号に開示の化合物であってもよい。本発明で使用できるその他のHMG CoAレダクターゼインヒビターは、米国特許第5354772号に開示のフルバスタチン、米国特許第5006530号および5177080号に開示のセリバスタチン、米国特許第4681893号、5273995号、5385929号および5686104号に開示のアトルバスタチン、米国特許第5011930号に開示のアタバスタチン(Nissan/Sankyoのニスバスタチン(NK-104))、米国特許第5260440号に開示のShionogi-Astra/Zenecaビサスタチン(ZD-4522)、および米国特許第5753675号に開示の関連スタチン化合物、米国特許第4613610号に開示のメバロノラクトン誘導体のピラゾール類似体、PCT出願WO86/03488号に開示のメバロノラクトン誘導体のインデン類似体、米国特許第4647576号に開示の6-[2-(置換ピロール-1-イル)-アルキル)ピラン-2-オン類およびその誘導体、SearleのSC-45355(3-置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロアセタート、PCT出願WO86/07054号に開示のメバロノラクトンのイミダゾール類似体、フランス国特許第2596393号に開示の3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-プロパン-ホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025号に開示の2,3-二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4686237号に開示のメバロノラクトンのナフチル類似体、米国特許第4499289号に開示のようなオクタヒドロナフタレン類、欧州特許出願第0142146 A2号に開示のメビノリン(ロバスタチン)のケト類似体、ならびに米国特許第5506219号および5691322号に開示のキノリンおよびピリジン誘導体を包含するが、これらに限定される訳ではない。
【0079】
さらに、本発明での使用に好適なHMG CoAレダクターゼの阻害に有用なホスフィン酸化合物がGB2205837に開示されている。
【0080】
本発明での使用に好適なスクアレンシンセターゼインヒビターは、米国特許第5712396号に開示のα-ホスホノスルホナート、Biller et al, J. Med. Chem., 1988, Vol.31, No.10, pp1869-1871に開示のイソプレノイド(ホスフィニルメチル)ホスホナートを包含する物質、ならびにその他の既知スクアレンシンセターゼインヒビター、例えば米国特許第4871721号および4924024号、およびBiller, S.A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M.M., and Poulter, C.D., Current Pharmaceutical Design, 2, 1-40(1996)に開示のものを包含するが、これらに限定される訳ではない。
【0081】
さらに、本発明での使用に好適なその他のスクアレンシンセターゼインヒビターは、P. Ortiz de Montellano et al, J. Med. Chem., 1977, 20, 243-249に開示のテルペノイドピロホスファート、Corey and Volante, J. Am. Chem. Soc., 1976, 98, 1291-1293に開示のようなファルネシルジホスファート類似体Aおよびプロスクアレンピロホスファート(PSQ-PP)類似体、McClard, R.W. et al, J.A.C.S., 1987, 109, 5544の報告によるホスフィニルホスホナート類、およびCapson, T.L., PhD学位論文、June, 1987, Dept. Med. Chem. U of Utah, Abstract, Table of Contents, pp16, 17, 40-43, 48-51, Summaryの報告によるシクロプロパン類を包含する。
【0082】
本発明での使用に好適なその他の血中脂質低下薬は、フィブリン酸誘導体、例えばフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート等、米国特許第3674836号に開示のプロブコールおよび関連化合物(プロブコールおよびゲムフィブロジルが好ましい)、胆汁酸封鎖剤、例えばコレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE-Sephadex(Secholex(登録商標)、Policexide(登録商標))、ならびに、リポスタビル(Rhone-Poulenc)、Eisai E-5050(N-置換エタノールアミン誘導体)、イマニキシル(HOE-402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスチグマスタニルホスホリルコリン(SPC、Roche)、アミノシクロデキストリン(Tanabe Seiyoku)、Ajinomoto AJ-814(アズレン誘導体)、メリナミド(Sumitomo)、Sandoz 58-035、American Cyanamid CL-277082およびCL-283546(二置換尿素誘導体)、ニコチン酸、アシピモクス、アシフラン、ネオマイシン、p-アミノサリチル酸、アスピリン、米国特許第4759923号に開示のようなポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、米国特許第4027009号に開示のような第四アミン ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)およびイオネン類、ならびにその他の既知の血清コレステロール低下薬を包含するが、これらに限定されない。
【0083】
その他の血中脂質低下薬は、Drugs of the Future 24, 9-15(1999), (Avasimibe);"The ACAT inhibitor, C1-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters", Nicolosi et al, Atherosclerosis(Shannon, Irel).(1998), 137(1), 77-85;"The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein", Ghiselli, Giancarlo, Cardiovasc. Drug Rev. (1998), 16(1), 16-30;"RP 73163: a bioavailable alkylsulfinyl-diphenylimidazole ACAT inhibitor", Smith, C., et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. (1996), 6(1), 47-50;"ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals", Krause et al, Editor(s): Ruffolo, Robert R., Jr.; Hollinger, Mannfred A., Inflammation: Mediators Pathways (1995), 173-98, Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;"ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents", Sliskovic et al, Curr. Med. Chem. (1994), 1(3), 204-25;"Inhibitors of acyl-CoA: cholesterol O-acyl transferase(ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA: cholesterol acyltransferase(ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity", Stout et al, Chemtracts: Org. Chem. (1995), 8(6), 359-62に開示のようなACATインヒビター、またはTS-962(Taisho Pharmaceutical Co. Ltd)であってよい。
【0084】
血中脂質低下薬は、MD-700(Taisho Pharmaceutical Co. Ltd)およびLY295427(Eli Lilly)のようなLD2レセプター活性のアップレギュレーターであってよい。
【0085】
血中脂質低下薬は、コレステロール吸収阻害薬、好ましくはSchering-PloughのSCH48461ならびにAtherosclerosis 115, 45-63 (1995)およびJ. Med. Chem. 41, 973(1998)に開示のものであってよい。
【0086】
血中脂質低下薬は、Drugs of the Future, 24, 425-430(1999)に開示のような回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビターであってよい。
【0087】
好ましい血中脂質低下薬は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アタバスタチンおよびロスバスタチンである。
【0088】
上に述べた米国特許は引用により本明細書の一部とする。使用する量および投薬は、Physician's Desk Referenceおよび/または上に開示した特許に記載の通りである。
【0089】
本発明に係る式Iの化合物は、血中脂質低下薬(存在する場合)に対する重量比として約500:1ないし約1:500、好ましくは約100:1ないし約1:100の範囲内で使用する。
【0090】
投与量は、患者の年齢、体重および状態、ならびに投与経路、剤型および投薬計画および望ましい結果に従って注意深く調節しなければならない。
【0091】
血中脂質低下薬の投薬および製剤は、上に論じた様々な特許および出願に開示の通りである。
【0092】
使用するその他の血中脂質低下薬のための投薬および製剤は、適用可能ならばPhysicians' Desk Referenceの最新版に開示されている。
【0093】
経口投与については、約0.01mg/kgないし約500mg、好ましくは約0.1mgないし約100mgの範囲内の量のMTPインヒビターを1日に1ないし4回使用することで、満足できる結果が得られる。
【0094】
錠剤またはカプセル剤のような好ましい経口投与剤型は、約1ないし約500mg、好ましくは約2ないし約400mg、より好ましくは約5ないし約250mgの量でMTPインヒビターを含有し、1日に1ないし4回とする。
【0095】
経口投与については、HMG CoAレダクターゼインヒビター、例えばプラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはセリバスタチンをPhysician's Desk Referenceに記載の投薬量、例えば約1ないし2000mg、好ましくは約4ないし約200mgの範囲内の量で使用することで、満足できる結果が得られる。
【0096】
スクアレンシンセターゼインヒビターは約10mgないし約2000mg、好ましくは約25mgないし約200mgの範囲内の量で投与に使用できる。
【0097】
好ましい経口投与剤型、例えば錠剤またはカプセル剤は、約0.1ないし約100mg、好ましくは約5ないし約80mg、より好ましくは約10ないし約40mgの量のHMG CoAレダクターゼインヒビターを含有する。
【0098】
好ましい経口投与剤型、例えば錠剤またはカプセル剤は、約10ないし約500mg、好ましくは約25ないし約200mgの量のスクアレンシンセターゼインヒビターを含有する。
【0099】
その他の血中脂質低下薬は、15-リポオキシゲナーゼ(15-LO)インヒビターを包含するリポオキシゲナーゼインヒビター、例えば、WO97/12615に開示のベンズイミダゾール誘導体、WO97/12613に開示の15-LOインヒビター、WO96/38144に開示のイソチアゾロン、およびSendobry et al "Attenuation of diet-induced atherosclerosis in rabbits with a highly selective 15-lipoxygenase inhibitor lacking significant antioxidant properties, Brit. J. Pharmacology (1997) 120, 1199-1206、およびCornicelli et al, "15-Lipoxygenase and its Inhibition: A Novel Therapeutic Target for Vascular Disease", Current Pharmaceutical Design, 1999, 5, 11-20に開示の15-LOインヒビターであってもよい。
【0100】
式Iの化合物と血中脂質低下薬は、同じ経口投与剤型で一諸に、または別々の経口投与剤型で同時に使用することができる。
【0101】
上記の組成物は上に記載の剤型で、1日に1ないし4回、単一または分割用量で投与できる。低用量の組み合わせで開始し、徐々に高用量まで増量するのが賢明であろう。
【0102】
好ましい血中脂質低下薬は、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アタバスタチンおよびロスバスタチンである。
【0103】
所望により式IのSGLT2インヒビターと共に使用してもよい他の型の治療薬が1、2、3またはそれ以上の抗肥満薬である場合、これはβ3アドレナリン作動性アゴニスト、リパーゼインヒビター、セロトニン(およびドパミン)再取り込み阻害薬、甲状腺レセプターβ薬、食欲抑制薬、NPYアンタゴニスト、Leptin類似体および/またはMC4アゴニストを包含できる。
【0104】
所望により式Iの化合物と組み合わせて使用してもよいβ3アドレナリン作動性アゴニストは、AJ9677(Takeda/Dainippon)、L750355(Merck)、もしくはCP331648(Pfizer)、または米国特許第5541204号、5770615号、5491134号、5776983号および5488064号に開示のその他の既知β3アゴニストであってよく、AJ9677、L750355およびCP331648が好ましい。
【0105】
所望により式Iの化合物と組み合わせて使用してもよいリパーゼインヒビターは、オルリスタットまたはATL-962(Alizyme)であってよく、オルリスタットが好ましい。
【0106】
所望により式Iの化合物と組み合わせて使用してもよいセロトニン(およびドパミン)再取り込み阻害薬は、シブトラミン、トピラマート(Johnson & Johnson)またはアキソキン(Regeneron)であってよく、シブトラミンおよびトピラマートが好ましい。
【0107】
所望により式Iの化合物と組み合わせて使用してもよい甲状腺レセプターβ化合物は、WO97/21993(U. Cal SF)、WO99/00353(KaroBio)およびGB98/284425(KaroBio)に開示の甲状腺レセプターリガンドであってよく、KaroBioの出願に係る化合物が好ましい。
【0108】
所望により式Iの化合物と組み合わせて使用してもよい食欲抑制薬は、デキサアンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドールであってよく、デキサアンフェタミンが好ましい。
【0109】
上に述べた種々の抗肥満薬を、式Iの化合物と共に同じ剤型で、または異なる剤型で、当分野においてまたはPDRにおいて一般的に知られている用量および投与計画で使用することができる。
【0110】
所望により本発明に係る組み合わせで使用してもよい抗血小板薬の例は、アブシキシマブ、チクロピジン、エプチフィバチド、ジピリダモール、アスピリン、アナグレリド、チロフィバンおよび/またはクロピドグレルを包含する。
【0111】
所望により本発明に係る組み合わせで使用してもよい抗高血圧薬の例は、ACEインヒビター、カルシウム拮抗薬、α遮断薬、利尿薬、中枢作用薬、アンギオテンシン-IIアンタゴニスト、β遮断薬および血管ペプチダーゼインヒビターを包含する。
【0112】
ACEインヒビターの例は、リシノプリル、エナラプリル、キナプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル、ラミプリル、カプトプリル、エナラプリラート、モエキシプリル、トランドラプリルおよびペリンドプリルを包含し;カルシウム拮抗薬の例は、アムロジピン、ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニソルジピン、イスラジピンおよびニカルジピンを包含し;α遮断薬の例は、テラゾシン、ドキサゾシンおよびプラゾシンを包含し;利尿薬の例は、ヒドロクロロチアジド、トラセミド、フロセミド、スピロノラクトンおよびインダパミドを包含し;中枢作用薬の例は、クロニジンおよびグアンファシンを包含し;アンギオテンシンIIアンタゴニストの例は、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンおよびテルミサルタンを包含し;β遮断薬の例は、メトプロロール、プロプラノロール、アテノロール、カルベジロールおよびソタロールを包含し;そして血管ペプチドインヒビターの例は、オマパトリラートおよびゲモパトリラートを包含する。
【0113】
本発明方法の実施にあたり、他の抗糖尿病薬および/または抗高脂血症薬、またはその他の種類の治療薬を加えたまたは加えない構造Iの化合物を、薬用媒質または希釈剤と共に含有する医薬組成物を使用する。この医薬組成物は、常套的固体もしくは液体媒質または希釈剤および所望の投与方法に対して適切な種類の薬用添加物を用いて製剤化できる。この化合物は、人間、サル、イヌ等を包含する哺乳動物種に、経口経路で、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤または散剤の形態で投与でき、またはこれらは注射用剤型の形態で非経口経路により投与でき、またはこれらは鼻内もしくは経皮パッチで投与できる。成体に対する用量は、好ましくは1日当たり10ないし2000mgであり、これを1回投与で、または1日に1-4回の個別用量の形で投与できる。
【0114】
典型的な注射用調合物は、構造Iの化合物250mgを無菌的にバイアルに入れ、無菌的に凍結乾燥し密封することによって製造する。使用に際し、このバイアルの内容物を生理食塩水2mLと混合し、注射用調合物を作製する。
【0115】
本発明化合物のSGLT2インヒビター活性を、下に開示する検定系を用いて決定できる。
【0116】
SGLT2活性の検定
ヒトSGLT2のmRNA配列(GenBank #M95549)をヒト腎臓mRNAからの逆転写と増幅により標準的分子生物技術を用いてクローニングした。このcDNA配列をCHO細胞に安定にトランスフェクトし、クローンを、本質上Ryan et al. (1994)に記載のようにしてSGLT2活性について検定した。クローン選択したセルラインにおけるSGLT2活性阻害の評価を、本質上Ryan et al.に記載のようにして、以下の改変を施して実施した。細胞を、F-12栄養混合物(HamのF-12)、10%牛胎児血清、300ug/mlゲネチシンおよびペニシリン-ストレプトマイシン中、96ウェル平板で、ウェル当たり75000または30000細胞になるまで2-4日間増殖させた。密集状態において細胞を10mM Hepes/Tris、pH7.4、137mM N-メチル-D-グルカミン、5.4mM KCl、2.8mM CaCl2、1.2mM MgSO4で2回洗浄した。次に、10mM Hepes/Tris、pH7.4、137mM NaCl、5.4mM KCl、2.8mM CaCl2、1.2mM MgSO4に入れた10μM[14C]AMG、および10μMインヒビター(最終的DMSO = 0.5%)と共に細胞を37℃で1.5時間インキュベートした。0.5mMフロリジンを含有する氷冷1X PBSで取り込み検定を停止させ、次いで細胞を0.1%NaOHで溶解した。MicroScintシンチレーション液を添加した後、細胞を1時間振盪し、次いでTopCountシンチレーションカウンターで[14C]AMGを定量した。NaCl有りおよび無しで対照実験を行った。EC50値の決定のため、適当な反応範囲で2 log間隔にわたり10のインヒビター濃度を使用し、3枚の平板を、平板にまたがって平均した。
【0117】
Ryan MJ, Johnson G, Kirk J, Fuerstenberg SM, Zager RA and Torok-Storb B. 1994. HK-2: an immortalized proximal tubule epithelial cell line from normal adult human kidney. Kidney International 45: 48-57。
【0118】
以下の実施例は本発明の好ましい態様を表すものである。別途指摘の無い限り、温度は全て摂氏で表現する。
【0119】
実施例
【化17】

A. 5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシベンゾフェノン
塩化オキサリル(1.1mol)を含有するCH2Cl2 450mLに入れた市販の5-ブロモ-2-クロロ安息香酸(250g、1.06mol)の攪拌懸濁液にDMF 1.5mLを加えた。気体の活発な発生が止んだ後、反応を一夜攪拌し、次いでロータリーエバポレーターを用いて揮発成分を減圧除去した。この粗製5-ブロモ-2-クロロベンゾイルクロリドをCH2Cl2 200mLに溶解した後、この黄色溶液を、オーバーヘッドスターラーと内部温度計を取り付けた2Lの三頚フラスコに移した。攪拌した混合物を-3℃に冷却し、次いでフェネトール(130g、1.08mol)を加えた。温度が4゜を超えないよう、30分間かけて固体添加用漏斗からAlCl3(140g、1.07mol)を加えた。60%のAlCl3を加えた後に発生し始めた大量のHCl気体を、濃NaOH攪拌溶液中にこの気体を通すことによって捕捉した。添加終了の10分後にHPLCにより反応が95%完結していることが明らかとなった。混合物を4゜で1時間攪拌した後、氷上に注いで反応停止させた。続いてこの懸濁液をH2O(1L)で希釈し、CH2Cl2で3回抽出した。合した有機抽出物を1N HClで2回、H2Oで1回、1M NaOHで2回、そしてブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥した。揮発成分を除去した後、HPLCにより、残留物がオルト/パラ異性体の1:7混合物であることが分かった。無水EtOH 400mLから2回再結晶すると、5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシベンゾフェノン230g(64%)が得られた。
【化18】

【0120】
B. 5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシジフェニルメタン
1,2-ジクロロエタン/MeCNの1:2混合物900mLに入れたEt3SiH(400mL、2.51mol)および5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシベンゾフェノン(390g、1.15mol)の10℃の攪拌溶液に、温度が20℃を超えないような速度でBF3・Et2O(150mL、1.58mol)を加えた。添加中、穏やかな発熱が続くよう留意されたい。20℃で一夜攪拌した後、HPLCにより反応が90%完結したことが分かった。さらにEt3SiH 40mLおよびBF3・Et2O 15mLを加えた後、反応を3時間50゜に加熱した。(高温は、Ritter反応の生成物N-アセチル5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシジフェニルメチルアミンの生成を増加させることに注意)。冷却し、H2O 300mL中のKOH 120gで反応を停止させた。2時間攪拌した後、層を分離した。水層をCH2Cl2で2回抽出し;合した有機層を2M KOH 300mLで1回、相分離を助けるための10%ブラインを含有するH2Oで2回、そしてブラインで2回洗浄し、その後Na2SO4で乾燥した。揮発成分を除去した後、残留物を無水EtOH 400mLから再結晶すると、白色固体の5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシジフェニルメタン230gが得られた。
【0121】
C.
【化19】

C. 2,3,4,6-テトラ-O-トリメチルシリル-β-D-グルコラクトン
THF 2.4Lに入れたグルコノラクトン(239g、1.34mol)およびN-メチルモルホリン(1180mL、10.73mol)の-5℃の攪拌溶液に、Ar雰囲気下で、温度が5℃を超えないような速度で滴下漏斗からトリメチルシリルクロリド(1022mL、8.05mol)を加えた。1時間後、この攪拌反応物を5時間35℃に加熱し、反応を一夜攪拌しながらこれを20℃に冷却した。トルエン3.6Lで希釈した後、混合物を0-5℃に冷却し、次いで温度が10℃を超えないような速度でH2O 7Lを注意深く加えた。最初のH2Oを添加した際に激しい発熱が起こることに注意されたい。混合後、相を分離させ、分割した。有機相を水性NaH2PO4(2L)、H2O(1L)、およびブライン(1L)で洗浄した。次に有機層をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮し;得られた淡黄色油状物を2回トルエン250mLに溶解して再濃縮すると、標記化合物616gが得られた。
【0122】
D.
【化20】

1:2の乾燥THF/トルエン1.15Lに入れたB項の5-ブロモ-2-クロロ-4'-エトキシジフェニルメタン(150g、0.46mol)の-78゜の攪拌溶液に、Ar雰囲気下で、温度が-70゜より低く保たれるようにしてヘキサン中の2.5M n-BuLi 184mLを滴下した。添加後30分間攪拌した後、この溶液を、トルエン1.1Lに入れたC項の2,3,4,6-テトラ-O-トリメチルシリル-β-D-グルコラクトン(236g、0.51mol)の-78゜の攪拌溶液に、反応が-78℃より低く維持されるような速度でカニューレによって移した。この溶液を-78゜で30分間攪拌し、その後メタンスルホン酸(41.8mL、0.64mol)を含有するMeOH 1Lを添加して反応停止させた。反応を一夜攪拌すると温度は20℃に上昇した。予想されるO-メチルグルコシドの質量に相当する2個の新たなピークがHPLC分析により明らかとなり;その比率は典型的には95:5から80:20まで変動した。所望生成物は、より短い保持時間を持つ主要生成物に対応する。反応時間をより長くすると、またはメタンスルホン酸を50%多く添加すると、異性体生成物が全て所望のO-メチルグルコシドに変換することに留意されたい。反応が完結したならば、H2O 200mL中のNaHCO3(37g、0.37mol)を加えて反応停止させた。pHが弱塩基性でない場合はさらにNaHCO3を加え、H2Oで2倍に希釈し、EtOAcで3回抽出した。合したEtOAc画分をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した後、残留物を熱トルエン(150mL)に溶解した。得られた溶液を攪拌ヘキサン1リットルに注いだ。沈殿を減圧濾過で集め;得られた濾過ケーキをヘキサン500mLで2回洗浄し、次いで風乾すると、白色固体の形状の標記化合物171gが得られた。
【0123】
E.
【化21】

1:1のCH2Cl2/MeCN 1.2Lに入れたD項のO-メチルグルコシド(123g、0.28mol)の-10゜の攪拌溶液に、温度が-5゜--10゜に維持されるような速度でEt3SiH(65.27g、0.56mol)、続いてBF3・Et2O(59.75g、0.42mol)を加えた。この攪拌溶液を5時間かけて0゜に温めた。HPLC分析により反応が完結したことが明らかになったならば、飽和NaHCO3水(310mL)を添加して反応停止させた。有機揮発成分をロータリーエバポレーターを用いて減圧除去した。残留物をEtOAcとH2O各々2Lずつに分配した。相を分離した後、H2O層をEtOAc 2Lずつで2回抽出した。合した有機相をH2O(2L)およびブライン(2L)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、次いでロータリーエバポレーターを用いて濃縮すると、固化した黄色泡状物104.6gが得られた。この残留物をCH2Cl2(750mL)に溶解した後、ピリジン(200g、2.53mol)を加え、続いてAc2O(261.1g、2.56mol)を一度に加えた。温度を28゜から47゜に上昇させた発熱反応がおさまった後、DMAP(1.56g、13mmol)を加えた。HPLC分析が反応の完結を示したならば、1.5時間後にH2O(1.8L)を添加して反応停止させた。混合物をCH2Cl2で2回(総容量2.7L)抽出し;合した有機層を1N HCl(1.8L)で2回、ブライン(1.8L)で2回洗浄し、MgSO4で乾燥した。ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した後の残留物を無水EtOH(750mL)から再結晶すると、所望のテトラアセチル化β-C-グルコシド89.5gが白色固体で得られた。母液は対応するα-C-グルコシドおよびより極性の高いフラノース異性体を含有していた。
【0124】
F.
【化22】

別法として、以下の方法を用いてD項のO-メチルグルコシドをまずアセチル化し、次いで還元して、所望のテトラアセチル化C-アリールグルコシドを得ることができる。
【0125】
ジイソプロピルエチルアミン(6.9mL、40mmol)を含有するトルエン(45mL)に入れたD項のO-メチルグルコシド(3.0g、6.8mmol)の溶液を0゜に冷却し、その後無水酢酸(3.35mL、35.5mmol)とDMAP(84mg、0.68mmol)を加えた。この溶液を徐々に温めて20゜とし;6時間後、tlc分析がテトラアセタートの完全な変換を示した。20% H3PO4 50mLを添加して反応停止させた。層を分離した後、水相をトルエンで2回抽出した。合した有機相をH2O 50mLで1回洗浄し、その後減圧濃縮した。得られた油状物をトルエン20mLに溶解し、再濃縮すると粘稠な油状物(4.15g)が生成し、これをさらに精製することなく使用した。
【0126】
1当量のH2O(123mg、6.8mmol)を含有するMeCN(60mL)に入れた上記粗製油状物(4.15g、6.8mmol)の溶液を0゜に冷却し、その後Et3SiH(3.27mL、20.5mmol)、続いてBF3・Et2O(1.73mL、13.7mmol)を加えた。1時間攪拌した後、溶液を20゜まで温めた。4時間後、定期的なHPLC分析により、もはや反応が60%を超えて進行しないことが明らかとなったならば、さらなるEt3SiH 2mLおよびBF3・Et2O 1mLを加えた。2時間後、HPLC分析によれば出発物質は残存していなかった。NaHCO3水を添加して反応停止させた後、混合物を30分間攪拌し、EtOAcで3回抽出した。合した有機層をNaHCO3水とブラインで1回洗浄し、その後Na2SO4で乾燥した。減圧濃縮後に得られた油状物を熱25% EtOAc/ヘキサン70mLに溶解した。冷却後、所望のテトラアセチル化β-C-アリールグルコシド2.45gが結晶化し、続いてこれを濾過によって単離した。
【0127】
G.
【化23】


2:3:1のTHF/MeOH/H2O 480mLに入れたテトラアセチル化β-C-グルコシド(27.2g、49mmol)(E項に記載のようにして製造)の20゜の攪拌溶液にLiOH・H2O(2.3g、57mmol)を加えた。一夜攪拌した後、揮発成分をロータリーエバポレーターで除去した。残留物をEtOAc(300mL)に溶解した後、ブライン(150mL)で1回、5%水性KHSO4 10mLを含有するブライン(50mL)で1回、そして最後にブライン(50mL)で洗浄し、その後Na2SO4で乾燥した。揮発成分をロータリーエバポレーターを用いて除去し、得られた油状物を最少量のCH2Cl2に入れ減圧で泡状にすると、所望の標記C-アリールグルコシド20.4gが、0.11mol%のEtOAcを含有する硝子状オフホワイト色固体で得られた。
【0128】
HPLC保持時間:7.08分、94%純度、YMC S5 C-18 4.6x50mmカラム、2.5mL/分、220nMで検出;8分間の0-100% Bの勾配、100%Bで5分間維持。溶媒A:10% MeOH/H2O + 0.2% H3PO4。溶媒B:90% MeOH/H2O + 0.2% H3PO4
【0129】
1H NMR (500MHz, CD3OD)δ 7.33(d, 1H, J=6Hz)、7.31(d, 1H, J=2.2Hz)、7.31(dd, 1H, J=6Hz, J=2.2Hz)、7.07(d, 2H, J=8.8Hz)、6.78(d, 2H, J=8.8Hz)、4.07-3.90(m, 7H)、3.85(d, 1H, J=10.6Hz)、3.69(dd, 1H, J=5.3, 10.6Hz)、3.42-3.25(m, 4H)Hz)、1.34(t, 3H, J=7Hz)。
【0130】
13C NMR (125MHz, CD3OD)δ158.8、140.0、139.9、134.4、132.9、131.9、130.8、130.1、128.2、115.5、82.9、82.2、79.7、76.4、71.9、64.5、63.1、39.2、15.2。
【0131】
C21H25ClO6としての元素分析理論値 LC-MS [M+Na+] 431;実測値 431。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】

を有する化合物またはその薬学上許容し得る塩およびそのための薬学上許容し得る担体を含む医薬組成物。
【請求項2】
該化合物が、構造:
【化2】

を有する化合物である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、創傷治癒遅延、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、脂肪酸またはグリセロールの血中レベル上昇、高脂血症、肥満症、高トリグリセリド血症、症候群X、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症もしくは高血圧症の発症もしくは進行を処置もしくは遅延させるための、または、高密度リポ蛋白レベルを増大させるための、
構造:
【化3】

を有する化合物またはその薬学上許容し得る塩の使用。
【請求項4】
該化合物が、構造:
【化4】

を有する化合物である請求項3に記載の使用。

【公開番号】特開2012−207037(P2012−207037A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160579(P2012−160579)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2004−507493(P2004−507493)の分割
【原出願日】平成15年5月15日(2003.5.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】