C型肝炎ウィルスNS5Bポリメラーゼの阻害薬
C型肝炎ウィルス(HCV)NS5Bポリメラーゼ阻害薬として使用される式(I)の化合物、そのような化合物の合成、ならびにHCV NS5Bポリメラーゼ活性を阻害、HCV感染を治療もしくは予防、そして細胞に基づく系でのHCVウィルス複製および/またはウィルス産生を阻害する上でのそのような化合物の使用が開示される。
【化1】
【化1】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式(I)を有する化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化1】
[式中、
各R1は、独立にハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(C1−C6ハロアルキル)および−CNからなる群から選択され;
nは0、1、2、3または4であり;
R2はC(O)NRaRbであり;
RaおよびRbは、独立に水素、C1−C6アルキル、O(C1−C6アルキル)および独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式芳香族環からなる群から選択され;
R3はArA、−C≡C−フェニルまたは15員もしくは16員四環式環系であり、
前記15員もしくは16員四環式環系は独立にC1−C6アルキル、フェニル、C3−C7シクロアルキルまたは6員ヘテロアリールから選択される0、1または2個の置換基によって置換されており、
ArAは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環
からなる群から選択される芳香族環系であり;
前記ArAは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rcによって置換されており;
各Rcは、独立に
a)ハロゲン、
b)OH、
c)C1−C6アルキル、
d)O(C1−C6アルキル)、
e)CN、
f)(CH2)0−3−ArB(各ArBは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する芳香族もしくは非芳香族であることができる8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)、
g)(CH2)0−3NRdC(O)Re、
h)(CH2)0−3NRdSO2Re、
i)(CH2)0−3C(O)NRdRe、
j)(CH2)0−3SO2Re、
k)−OSO2(C1−C6アルキル)、および
l)C2−C6アルキニル
からなる群から選択され;
各Rcのc)C1−C6アルキル、d)O(C1−C6アルキル)、およびf)(CH2)0−3−ArBは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rfによって置換されており;または
隣接する環炭素原子上のいずれかの2個のRc基が一体となって、−OC(O)−N−、−OCH2CH2O−、−OCH2O−、−OCH2CH2−から選択される基を形成していることができ、
各Rdは、独立に水素およびC1−6アルキルからなる群から選択され;
各Reは、独立に水素、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよび独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環からなる群から選択され、各ReC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよび5員もしくは6員単環式環は、独立にC1−C6アルキル、O(C1−C6アルキル)、ハロゲンおよびOHからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個の置換基によって置換されており;
各Rfは、独立に
a)ハロゲン、
b)C1−C6アルキル、
c)O(C1−C6アルキル)、
d)CN、
e)N(Rq)2、
f)OH、
g)C(O)H、
h)NHC(O)Rs、
i)NHS(O)2Rs、
j)C(O)NHRq、
k)C(O)ORq、
l)OS(O)2(C1−C6アルキル)、
m)(CH2)0−3−ArC(各ArCは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)
からなる群から選択され;
各Rfのb)C1−C6アルキル、c)O(C1−C6アルキル)およびm)(CH2)0−3−ArCは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rgによって置換されており;
各Rgは、独立にハロゲン、OH、N(Rq)2、CN、C1−6アルキル、O(C1−C6アルキル)、CF3およびC(O)OHからなる群から選択され;
R4は、NRhRiおよび独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環からなる群から選択され;
Rhは、
a)水素、
b)C1−6アルキル、
c)C(O)O(C1−6アルキル)、および
d)SO2Rj
からなる群から選択され;
Rjは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C3−7シクロアルキルおよびNRxRyからなる群から選択され、RxおよびRyは独立に水素およびC1−6アルキルからなる群から選択され;
Riは、
a)C1−6アルキル、
b)C2−6アルケニル、
c)C2−6アルキニル、
d)(CH2)0−3(C3−8シクロアルキル)、
e)(CH2)0−3(C3−8シクロアルケニル)、
f)C(O)C1−6アルキルおよび
g)複素環
からなる群から選択され、
Riは0、1、2、3もしくは4個のRk基によって置換されており;
各Rkは独立に、
a)ORL、
b)ハロゲン、
c)CN、
d)NRmRn、
e)OC(O)C1−6アルキル、
f)C(O)OC1−6アルキル、
g)−P(O)(O−C1−6アルキル)2、
h)−P(O)(OH)(O−C1−6アルキル)、
j)−P(O)(OH)2、
k)−C(O)C(C1−6アルキル)−NHC(O)−C1−6アルキル、
l)−NHC(O)C(C1−6アルキル)−NHC(O)−C1−6アルキル、
m)−C(O)OH、
n)(CH2)0−3−ArD(各ArDは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)
からなる群から選択され、
各Rkのe)OC(O)C1−6アルキル、f)C(O)OC1−6アルキル、およびn)(CH2)0−3−ArDは0、1、2、3もしくは4個のRo基によって置換されており;
RLは、水素、C1−6アルキルおよびフェニルからなる群から選択され;
Rmは、水素、C1−6アルキル、−CH2CNおよび(CH2)0−3(フェニル)からなる群から選択され;
Rnは、水素、C1−6アルキル、SO2(C1−6アルキル)、−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)O(C1−6アルキル)およびC(O)(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
またはRmとRnがそれらが結合しているNと一体となって、0、1、2もしくは3個のRpによって置換された5から7員環を形成しており;
Roは、独立にハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC(O)O(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
各Rpは、独立にハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、オキソおよびC(O)O(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
各Rqは、独立にHおよびC1−6アルキルからなる群から選択され;
各Rsは、独立にC1−6アルキル、複素環およびC6−10アリールからなる群から選択され、前記複素環基は環窒素または環炭素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基によって置換されていても良く;
各Rtは、独立にC1−6アルキルおよびC6−10アリールからなる群から選択され;
またはRhおよびRiがそれらが結合しているNと一体となって、5から7員環を形成している。]
【請求項2】
nが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が下記式(Ib)の化合物またはそれの医薬として許容される塩である請求項1から2のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化2】
【請求項4】
R1がフッ素、臭素および塩素からなる群から選択される請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1がフッ素である請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Raが水素である請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Rbが−CH3および−OCH3からなる群から選択される請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記ArAが0、1、2、3もしくは4個の置換基Rcによって置換されているフェニルである請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記各Rcが、独立に
a)フッ素、
b)OH、
c)C1−3アルキル、
d)OC1−3アルキル、
e)CN、
f)(CH2)0−1−ArB(ArBは独立に、
【化3】
からなる群から選択され、前記ArBは0、1、2、3または4個の置換基Rfによって置換されている。)、
g)(CH2)0−1N(CH3)SO2CH3、
h)(CH2)0−1N(H)SO2CH3、
i)(CH2)0−1N(CH3)SO2フェニル、
j)C(O)NHCH3、
k)(CH2)0−1N(H)C(O)CH3および
l)(CH2)0−1N(H)C(O)フェニル
からなる群から選択される請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
前記各Rcが独立に、
【化4】
からなる群から選択され、各前記Rc基が0、1、2、3または4個の置換基Rfによって置換されている請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Rhが水素、CH3およびSO2CH3から選択される請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
RhがSO2CH3である請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
R1がC1−6アルキルおよびC2−6アルケニルからなる群から選択される請求項1から12のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Rkが、
a)ORL、
b)ハロゲン、
c)CN、
d)NRmRn、
e)OC(O)C1−6アルキル、および
f)C(O)OC1−6アルキル
からなる群から選択される請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
RLがC1−6アルキルからなる群から選択される請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Rmが水素およびC1−6アルキルからなる群から選択される請求項1から15のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
RnがC1−6アルキルおよびSO2(C1−6アルキル)からなる群から選択される請求項1から16のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
下記式を有する請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化5】
[式中、
Zは、1個のR10基で置換され、さらにR20で置換されていても良いフェニル基であり;
R10は8から10員二環式ヘテロアリール基であり、前記8から10員二環式ヘテロアリール基は4個以下の基で置換されていても良く、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−C(O)H、−(CH2)t−N(R70)2、−(CH2)tOH、−(CH2)tO−(C1−C6アルキル)、−CF3、−NHC(O)−複素環、−NHC(O)−(C1−C6アルキル)、−C(O)NH−(C1−C6アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O−(C1−C6アルキル)、−NHC(O)−アリール、−NHSO2−アリール、−NHSO2−アルキル、−O−SO2−アルキル、−O−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され、前記−NHC(O)−複素環基の複素環部分は環炭素もしくは環窒素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基によって置換されていても良く;
R20は4個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、8から10員ヘテロアリール、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(CH2)tOH、−O−(CH2)t−複素環、−O−(C1−C6ハロアルキル)、−O−SO2−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され;
R30はHまたはC1−C6アルキルであり;
R40はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−(CH2)uOH、−(CH2)t−複素環,−(CH2)uN(R70)2、−(CH2)u−CN、−(CH2)uNHC(O)OR30および−(CH2)u−NHC(O)R30から選択され;
R50はC1−C6アルキル、C6−C10アリールまたはC3−C7シクロアルキルであり;
R60は4個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(C1−C6ハロアルキル)および−CNから選択され;
各場合のR70は独立にHまたはC1−C6アルキルであり;
各場合のtは独立に、0から6の範囲の整数であり;
各場合のuは独立に、1から6の範囲の整数である。]
【請求項19】
Zが
【化6】
であり、そのフェニル環上にて、同一でも異なっていても良い1個もしくは2個のR20基で置換されていても良い請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
R10が
【化7】
から選択され、R10が請求項18に記載のように置換されていても良い、請求項18または19のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R10が、請求項1に記載のように置換されていても良い下記のものである、請求項18から20のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化8】
【請求項22】
R30およびR50がそれぞれメチルである請求項18から21のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
R60が、それが結合しているフェニル環のパラ位における単一のF基を表す請求項18から22のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
R40がC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル−(CH2)t−OHまたは−(CH2)t−CNである請求項18から23のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
下記式を有する請求項18に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化9】
[式中、
Zは
【化10】
であり;
R10は9員二環式ヘテロアリール基であり、前記9員二環式ヘテロアリール基は2個以下の基で置換されていても良く、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−(CH2)tN(R70)2、−(CH2)t−OH、−(CH2)t−O−(C1−C6アルキル)、−CF3、−NHC(O)−複素環、−NHC(O)−(C1−C6アルキル)、−C(O)NH−(C1−C6アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O−(C1−C6アルキル)、−NHC(O)−アリール、−NHSO2−アリール、−NHSO2−アルキル、−O−SO2−アルキル、−O−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され、前記−NHC(O)−複素環基の複素環部分は環炭素もしくは環窒素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基で置換されていても良く;
R20は2個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(CH2)t−OH、−O−(CH2)t−複素環、−O−(C1−C6ハロアルキル)、−O−SO2−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され;
R40はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−(CH2)t−OHまたは−(CH2)t−CNであり;
各場合のtは独立に、0から6の範囲の整数である。]
【請求項26】
Zが下記のものから選択される請求項18から25のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化11】
(式中、各場合のR20は独立に、Cl、F、CN、−OCF3または−OCH3である。)
【請求項27】
Zが下記のものから選択される請求項18から26のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化12】
【請求項28】
R40が−CH3、−(CH2)3−CN、−CH2CH2Fまたは−CH2CH2C(CH3)2−OHである請求項18から27のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
下記のものからなる群から選択される請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化13】
【請求項30】
有効量の請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項31】
HCV抗ウィルス剤、免疫調節剤および抗感染薬からなる群から選択される第2の治療剤をさらに含む請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記第2の治療剤が、HCVプロテアーゼ阻害薬、HCV NS5A阻害薬およびHCVNS5Bポリメラーゼ阻害薬からなる群から選択される請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
処置を必要とする対象者におけるHCV NS5B活性を阻害またはHCVによる感染を予防および/または治療するための医薬製造における請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項34】
処置を必要とする対象者におけるHCVによる感染を予防および/または治療する上で有効な量の請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物を投与する段階を有する、HCV感染患者の治療方法。
【請求項35】
PEG化インターフェロンアルファおよびリボビリンを投与する段階をさらに有する請求項34に記載の方法。
【請求項1】
下記構造式(I)を有する化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化1】
[式中、
各R1は、独立にハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(C1−C6ハロアルキル)および−CNからなる群から選択され;
nは0、1、2、3または4であり;
R2はC(O)NRaRbであり;
RaおよびRbは、独立に水素、C1−C6アルキル、O(C1−C6アルキル)および独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式芳香族環からなる群から選択され;
R3はArA、−C≡C−フェニルまたは15員もしくは16員四環式環系であり、
前記15員もしくは16員四環式環系は独立にC1−C6アルキル、フェニル、C3−C7シクロアルキルまたは6員ヘテロアリールから選択される0、1または2個の置換基によって置換されており、
ArAは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環
からなる群から選択される芳香族環系であり;
前記ArAは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rcによって置換されており;
各Rcは、独立に
a)ハロゲン、
b)OH、
c)C1−C6アルキル、
d)O(C1−C6アルキル)、
e)CN、
f)(CH2)0−3−ArB(各ArBは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する芳香族もしくは非芳香族であることができる8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)、
g)(CH2)0−3NRdC(O)Re、
h)(CH2)0−3NRdSO2Re、
i)(CH2)0−3C(O)NRdRe、
j)(CH2)0−3SO2Re、
k)−OSO2(C1−C6アルキル)、および
l)C2−C6アルキニル
からなる群から選択され;
各Rcのc)C1−C6アルキル、d)O(C1−C6アルキル)、およびf)(CH2)0−3−ArBは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rfによって置換されており;または
隣接する環炭素原子上のいずれかの2個のRc基が一体となって、−OC(O)−N−、−OCH2CH2O−、−OCH2O−、−OCH2CH2−から選択される基を形成していることができ、
各Rdは、独立に水素およびC1−6アルキルからなる群から選択され;
各Reは、独立に水素、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよび独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環からなる群から選択され、各ReC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよび5員もしくは6員単環式環は、独立にC1−C6アルキル、O(C1−C6アルキル)、ハロゲンおよびOHからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個の置換基によって置換されており;
各Rfは、独立に
a)ハロゲン、
b)C1−C6アルキル、
c)O(C1−C6アルキル)、
d)CN、
e)N(Rq)2、
f)OH、
g)C(O)H、
h)NHC(O)Rs、
i)NHS(O)2Rs、
j)C(O)NHRq、
k)C(O)ORq、
l)OS(O)2(C1−C6アルキル)、
m)(CH2)0−3−ArC(各ArCは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)
からなる群から選択され;
各Rfのb)C1−C6アルキル、c)O(C1−C6アルキル)およびm)(CH2)0−3−ArCは0、1、2、3もしくは4個の置換基Rgによって置換されており;
各Rgは、独立にハロゲン、OH、N(Rq)2、CN、C1−6アルキル、O(C1−C6アルキル)、CF3およびC(O)OHからなる群から選択され;
R4は、NRhRiおよび独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環からなる群から選択され;
Rhは、
a)水素、
b)C1−6アルキル、
c)C(O)O(C1−6アルキル)、および
d)SO2Rj
からなる群から選択され;
Rjは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C3−7シクロアルキルおよびNRxRyからなる群から選択され、RxおよびRyは独立に水素およびC1−6アルキルからなる群から選択され;
Riは、
a)C1−6アルキル、
b)C2−6アルケニル、
c)C2−6アルキニル、
d)(CH2)0−3(C3−8シクロアルキル)、
e)(CH2)0−3(C3−8シクロアルケニル)、
f)C(O)C1−6アルキルおよび
g)複素環
からなる群から選択され、
Riは0、1、2、3もしくは4個のRk基によって置換されており;
各Rkは独立に、
a)ORL、
b)ハロゲン、
c)CN、
d)NRmRn、
e)OC(O)C1−6アルキル、
f)C(O)OC1−6アルキル、
g)−P(O)(O−C1−6アルキル)2、
h)−P(O)(OH)(O−C1−6アルキル)、
j)−P(O)(OH)2、
k)−C(O)C(C1−6アルキル)−NHC(O)−C1−6アルキル、
l)−NHC(O)C(C1−6アルキル)−NHC(O)−C1−6アルキル、
m)−C(O)OH、
n)(CH2)0−3−ArD(各ArDは、
i)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員もしくは6員単環式環、および
ii)独立にN、OまたはSからなる群から選択される0、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する8、9もしくは10員二環式環、からなる群から独立に選択される芳香族環系である。)
からなる群から選択され、
各Rkのe)OC(O)C1−6アルキル、f)C(O)OC1−6アルキル、およびn)(CH2)0−3−ArDは0、1、2、3もしくは4個のRo基によって置換されており;
RLは、水素、C1−6アルキルおよびフェニルからなる群から選択され;
Rmは、水素、C1−6アルキル、−CH2CNおよび(CH2)0−3(フェニル)からなる群から選択され;
Rnは、水素、C1−6アルキル、SO2(C1−6アルキル)、−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)O(C1−6アルキル)およびC(O)(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
またはRmとRnがそれらが結合しているNと一体となって、0、1、2もしくは3個のRpによって置換された5から7員環を形成しており;
Roは、独立にハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC(O)O(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
各Rpは、独立にハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、オキソおよびC(O)O(C1−6アルキル)からなる群から選択され;
各Rqは、独立にHおよびC1−6アルキルからなる群から選択され;
各Rsは、独立にC1−6アルキル、複素環およびC6−10アリールからなる群から選択され、前記複素環基は環窒素または環炭素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基によって置換されていても良く;
各Rtは、独立にC1−6アルキルおよびC6−10アリールからなる群から選択され;
またはRhおよびRiがそれらが結合しているNと一体となって、5から7員環を形成している。]
【請求項2】
nが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が下記式(Ib)の化合物またはそれの医薬として許容される塩である請求項1から2のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化2】
【請求項4】
R1がフッ素、臭素および塩素からなる群から選択される請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1がフッ素である請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Raが水素である請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Rbが−CH3および−OCH3からなる群から選択される請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記ArAが0、1、2、3もしくは4個の置換基Rcによって置換されているフェニルである請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記各Rcが、独立に
a)フッ素、
b)OH、
c)C1−3アルキル、
d)OC1−3アルキル、
e)CN、
f)(CH2)0−1−ArB(ArBは独立に、
【化3】
からなる群から選択され、前記ArBは0、1、2、3または4個の置換基Rfによって置換されている。)、
g)(CH2)0−1N(CH3)SO2CH3、
h)(CH2)0−1N(H)SO2CH3、
i)(CH2)0−1N(CH3)SO2フェニル、
j)C(O)NHCH3、
k)(CH2)0−1N(H)C(O)CH3および
l)(CH2)0−1N(H)C(O)フェニル
からなる群から選択される請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
前記各Rcが独立に、
【化4】
からなる群から選択され、各前記Rc基が0、1、2、3または4個の置換基Rfによって置換されている請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Rhが水素、CH3およびSO2CH3から選択される請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
RhがSO2CH3である請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
R1がC1−6アルキルおよびC2−6アルケニルからなる群から選択される請求項1から12のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Rkが、
a)ORL、
b)ハロゲン、
c)CN、
d)NRmRn、
e)OC(O)C1−6アルキル、および
f)C(O)OC1−6アルキル
からなる群から選択される請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
RLがC1−6アルキルからなる群から選択される請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Rmが水素およびC1−6アルキルからなる群から選択される請求項1から15のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
RnがC1−6アルキルおよびSO2(C1−6アルキル)からなる群から選択される請求項1から16のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
下記式を有する請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化5】
[式中、
Zは、1個のR10基で置換され、さらにR20で置換されていても良いフェニル基であり;
R10は8から10員二環式ヘテロアリール基であり、前記8から10員二環式ヘテロアリール基は4個以下の基で置換されていても良く、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−C(O)H、−(CH2)t−N(R70)2、−(CH2)tOH、−(CH2)tO−(C1−C6アルキル)、−CF3、−NHC(O)−複素環、−NHC(O)−(C1−C6アルキル)、−C(O)NH−(C1−C6アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O−(C1−C6アルキル)、−NHC(O)−アリール、−NHSO2−アリール、−NHSO2−アルキル、−O−SO2−アルキル、−O−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され、前記−NHC(O)−複素環基の複素環部分は環炭素もしくは環窒素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基によって置換されていても良く;
R20は4個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、8から10員ヘテロアリール、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(CH2)tOH、−O−(CH2)t−複素環、−O−(C1−C6ハロアルキル)、−O−SO2−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され;
R30はHまたはC1−C6アルキルであり;
R40はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−(CH2)uOH、−(CH2)t−複素環,−(CH2)uN(R70)2、−(CH2)u−CN、−(CH2)uNHC(O)OR30および−(CH2)u−NHC(O)R30から選択され;
R50はC1−C6アルキル、C6−C10アリールまたはC3−C7シクロアルキルであり;
R60は4個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(C1−C6ハロアルキル)および−CNから選択され;
各場合のR70は独立にHまたはC1−C6アルキルであり;
各場合のtは独立に、0から6の範囲の整数であり;
各場合のuは独立に、1から6の範囲の整数である。]
【請求項19】
Zが
【化6】
であり、そのフェニル環上にて、同一でも異なっていても良い1個もしくは2個のR20基で置換されていても良い請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
R10が
【化7】
から選択され、R10が請求項18に記載のように置換されていても良い、請求項18または19のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R10が、請求項1に記載のように置換されていても良い下記のものである、請求項18から20のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化8】
【請求項22】
R30およびR50がそれぞれメチルである請求項18から21のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
R60が、それが結合しているフェニル環のパラ位における単一のF基を表す請求項18から22のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
R40がC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル−(CH2)t−OHまたは−(CH2)t−CNである請求項18から23のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
下記式を有する請求項18に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化9】
[式中、
Zは
【化10】
であり;
R10は9員二環式ヘテロアリール基であり、前記9員二環式ヘテロアリール基は2個以下の基で置換されていても良く、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−(CH2)tN(R70)2、−(CH2)t−OH、−(CH2)t−O−(C1−C6アルキル)、−CF3、−NHC(O)−複素環、−NHC(O)−(C1−C6アルキル)、−C(O)NH−(C1−C6アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O−(C1−C6アルキル)、−NHC(O)−アリール、−NHSO2−アリール、−NHSO2−アルキル、−O−SO2−アルキル、−O−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され、前記−NHC(O)−複素環基の複素環部分は環炭素もしくは環窒素原子上において−C(O)O−(C1−C6アルキル)基で置換されていても良く;
R20は2個以下の存在しても良い置換基を表し、その置換基は同一でも異なっていても良く、ハロ、C1−C6アルキル、−O−(C1−C6アルキル)、−O−(CH2)t−OH、−O−(CH2)t−複素環、−O−(C1−C6ハロアルキル)、−O−SO2−(C1−C6アルキル)および−CNから選択され;
R40はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−(CH2)t−OHまたは−(CH2)t−CNであり;
各場合のtは独立に、0から6の範囲の整数である。]
【請求項26】
Zが下記のものから選択される請求項18から25のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化11】
(式中、各場合のR20は独立に、Cl、F、CN、−OCF3または−OCH3である。)
【請求項27】
Zが下記のものから選択される請求項18から26のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【化12】
【請求項28】
R40が−CH3、−(CH2)3−CN、−CH2CH2Fまたは−CH2CH2C(CH3)2−OHである請求項18から27のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
下記のものからなる群から選択される請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化13】
【請求項30】
有効量の請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項31】
HCV抗ウィルス剤、免疫調節剤および抗感染薬からなる群から選択される第2の治療剤をさらに含む請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記第2の治療剤が、HCVプロテアーゼ阻害薬、HCV NS5A阻害薬およびHCVNS5Bポリメラーゼ阻害薬からなる群から選択される請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
処置を必要とする対象者におけるHCV NS5B活性を阻害またはHCVによる感染を予防および/または治療するための医薬製造における請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項34】
処置を必要とする対象者におけるHCVによる感染を予防および/または治療する上で有効な量の請求項1から29のうちのいずれか1項に記載の化合物を投与する段階を有する、HCV感染患者の治療方法。
【請求項35】
PEG化インターフェロンアルファおよびリボビリンを投与する段階をさらに有する請求項34に記載の方法。
【公表番号】特表2013−521237(P2013−521237A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555284(P2012−555284)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000332
【国際公開番号】WO2011/106992
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・エルレ・エルレ (90)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000332
【国際公開番号】WO2011/106992
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・エルレ・エルレ (90)
【Fターム(参考)】
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