C型肝炎ウイルスのNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤としての新規ペプチド
【課題】HCVプロテアーゼ阻害活性を有する新規ペプチド化合物および該化合物の製造方法を提供する。該化合物を含む医薬組成物およびHCVプロテアーゼに関連した疾患の処置におけるそれらの使用方法を提供する。
【解決手段】新規クラスのHCVプロテアーゼの阻害剤、1種以上の該化合物を含有する医薬組成物、1種以上の該化合物を含有する医薬処方物の製造方法、およびC型肝炎の症状の1つ以上を処置、予防または改善する方法、また、HCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物、P3からP2’までのアミノ酸配列を含むペプチド化合物を開示する。
【解決手段】新規クラスのHCVプロテアーゼの阻害剤、1種以上の該化合物を含有する医薬組成物、1種以上の該化合物を含有する医薬処方物の製造方法、およびC型肝炎の症状の1つ以上を処置、予防または改善する方法、また、HCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物、P3からP2’までのアミノ酸配列を含むペプチド化合物を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤、1種以上の該阻害剤を含有する医薬組成物、該阻害剤の製造方法ならびにC型肝炎および関連障害を処置するための該阻害剤の使用方法に関する。詳細には、本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての新規ペプチド化合物を開示する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)の主たる病原体として関連付けられている(+)−センス一本鎖RNAウイルスである(特許文献1および特許文献2参照)。NANBHは、他の型のウイルス誘発性肝臓疾患、例えばA型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ型肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプスタイン−バールウイルス(EBV)に誘発されるもの、ならびに他の形態の肝臓疾患、例えばアルコール中毒および原発性胆汁性肝硬変とは区別される。
【0003】
近年、ポリペプチドプロセシングおよびウイルス複製に必要なHCVプロテアーゼが同定され、クローン化され、発現された(例、特許文献3参照)。この約3000アミノ酸のポリタンパク質は、アミノ末端からカルボキシ末端へ、ヌクレオキャプシドタンパク質(C)、エンベロープタンパク質(E1およびE2)ならびにいくつかの非構造タンパク質(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は、HCVゲノムの約1893ヌクレオチドによりコードされる、約68kdaのタンパク質であり、2つの異なるドメイン:(a)N末端アミノ酸の約200個からなるセリンプロテアーゼドメイン;および(b)タンパク質のC末端のRNA依存性ATPaseドメインを有する。NS3プロテアーゼは、タンパク質配列、全体的三次元構造および触媒機構が類似していることから、キモトリプシンファミリーのメンバーであると考えられている。他のキモトリプシン様酵素は、エラスターゼ、第Xa因子、トロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部におけるポリペプチド(ポリタンパク質)のタンパク質分解を担っており、従ってウイルス複製中の4種のウイルスタンパク質の生成を担っている。このため、HCV NS3セリンプロテアーゼは抗ウイルス化学療法にとって魅力的な標的となっている。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4aタンパク質がNS3のセリンプロテアーゼ活性の補因子であることが決定されている。NS3/NS4aセリンプロテアーゼによるNS3/NS4a連結部の自己切断は分子内(すなわち、シス)で生じ、他の切断部位は分子間(すなわち、トランス)でプロセシングされる。
【0005】
HCVプロテアーゼの天然の切断部位の分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在ならびにこれらの残基がNS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部で厳密に保存されていることが明らかにされた。NS3/NS4a連結部は、P1においてスレオニンを、P1’においてセリンを含む。NS3/NS4aでのCys→Thrの置換は、この連結部におけるトランスではなくシスのプロセシングの要件の説明となると想定されている。例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。NS3/NS4a切断部位はまた、他の部位よりも突然変異誘発に寛容性である。例えば非特許文献3参照。また、切断部位の上流領域における酸性残基が効率的な切断に必要とされることが見出されている。例えば、非特許文献4参照。
【0006】
報告されたHCVプロテアーゼの阻害剤としては、抗酸化剤(特許文献4参照)、特定のペプチドおよびペプチドアナログ(特許文献5、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7参照)、70アミノ酸のポリペプチドであるエグリンcに基いた阻害剤(非特許文献8)、ヒト膵臓分泌性トリプシンインヒビター(hPSTI−C3)およびミニボディーレパートリー(MBip)から親和性選択された阻害剤(非特許文献9)、CVHE2(「ラクダ化(camelized)」可変領域抗体フラグメント)(非特許文献10)およびα1−アンチキモトリプシン(ACT)(非特許文献11)が挙げられる。C型肝炎ウイルスRNAを選択的に破壊するように設計されたリボザイムが近年開示された(非特許文献12参照)。
【0007】
また、PCT公開、特許文献5(1998年4月30日公開、ヴァーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド(Vertex Pharmaceuticals Incorporated))、特許文献6(1998年5月28日公開、エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチエンゲセルシャフト(F. Hoffmann-La Roche AG))、および特許文献7(1999年2月18日公開、ベーリンガー・インゲルハイム・カナダ・リミテッド(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.))も参照のこと。
【0008】
HCVは、肝硬変および肝細胞癌の誘発に関連付けられている。HCV感染に罹患した患者の予後は、現時点では芳しくない。HCV感染は、HCV感染に伴う免疫または緩解の欠如のために、他の形態の肝炎よりも処置が困難である。最新データは、硬変診断後4年目での生存率が50%未満であることを示している。切除可能な限局性肝細胞癌と診断された患者が10〜30%の5年生存率を有するのに対し、切除不能な限局性肝細胞癌の患者は5年生存率が1%未満である。
【0009】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環式アナログの合成を記載する非特許文献13を参照のこと。そこに記載される化合物は以下の式を有する:
【化1】
【0010】
特定のアリルおよびエチル官能基を含む特定のα−ケトアミド、α−ケトエステルおよびα−ジケトンの製造を記載する非特許文献14も参照のこと。
【0011】
また、式:
【化2】
で示されるペプチド誘導体を開示する特許文献8(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド(Boehringer Ingelheim Limited)、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化3】
また、式:
【化4】
で示されるペプチド誘導体を開示する特許文献9(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化5】
【0012】
C型肝炎の現行治療法としては、インターフェロン−α(INFα)およびリバビリンとインターフェロンとの併用療法が挙げられる。例えば、非特許文献15参照。これらの治療法には、低い持続応答率および頻繁な副作用という問題点がある。例えば、非特許文献16参照。現時点では、HCV感染に利用可能なワクチンは無い。
【0013】
継続および同時継続中の米国特許出願第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)および同第09/−−−号(−−−出願)は、C型肝炎ウイルスのNS−3セリンプロテアーゼの阻害剤としての種々の型のペプチドを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第WO89/04669号
【特許文献2】欧州特許出願公開第EP381216号
【特許文献3】米国特許第5712145号
【特許文献4】国際公開第WO98/14181号
【特許文献5】国際公開第WO98/17679号
【特許文献6】第WO98/17679号
【特許文献7】第WO98/22496号
【特許文献8】第WO99/07734号
【特許文献9】第WO00/09558号
【特許文献10】第WO00/09543号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Pizzi et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci (USA) 91:888-892
【非特許文献2】Failla et al. (1996) Folding & Design 1:35-42
【非特許文献3】Kollykhalov et al. (1994) J. Virol. 68:7525-7533
【非特許文献4】Komoda et al. (1994) J. Virol. 68:7351-7357
【非特許文献5】Landro et al. (1997) Biochem. 36:9340-9348
【非特許文献6】Ingallinella et al. (1998) Biochem. 37:8906-8914
【非特許文献7】Llinas-Brunet et al. (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1713-1718
【非特許文献8】Martin et al. (1998) Biochem. 37:11459-11468
【非特許文献9】Dimasi et al. (1997) J.Virol. 71:7461-7469
【非特許文献10】Martin et al.(1997) Protein Eng. 10:607-614
【非特許文献11】Elzouki et al. (1997) J. Hepat. 27:42-28
【非特許文献12】BioWorld Today 9(217): 4(1998年11月10日)
【非特許文献13】A. Marchetti et al, Synlett, S1, 1000-1002 (1999)
【非特許文献14】W. Han et al, Bioorganic & Medicinal Chem. Lett, (2000) 10, 711-713
【非特許文献15】Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98-112
【非特許文献16】Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
HCV感染のための新たな処置および治療法が要望されている。従って、本発明の目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善するのに有用な化合物を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善する方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、本明細書に提供される化合物を用いて、セリンプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性を調節する方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、本明細書に提供される化合物を用いてHCVポリペプチドのプロセシングを調節する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、その多くの実施態様において、新規クラスのHCVプロテアーゼの阻害剤、1種以上の該化合物を含有する医薬組成物、1種以上の該化合物を含有する医薬処方物の製造方法、およびC型肝炎の症状の1つ以上を処置、予防または改善する方法を提供する。また、HCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法も提供する。本明細書中に提供される化合物の中で、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。本願はP3からP2’までのアミノ酸配列を含むペプチド化合物を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
その第一の実施態様において、本発明は、式I:
【化6】
[式中、
G、JおよびYは独立してH、アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アルキル−アリールオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノまたはヘテロシクロアルキルアミノ部分から選択され、所望によりYはX11またはX12で置換されてもよく;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、所望によりX11はさらにX12で置換されてもよく;
X12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、アルキル、アルコキシおよびアリールは所望によりX12から選択される部分でさらに置換されてもよく;
R1はCOR5またはB(OR)2であり、R5はH、OH、OR8、NR9R10、CF3、C2F5、C3F7、CF2R6、R6またはCOR7であり、R7はH、OH、OR8、CHR9R10またはNR9R10であり、R6、R8、R9およびR10は独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、CH(R1’)COOR11、CH(R1’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)R’、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)COOR11およびCH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CONR12R13からなる群より選択され、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R11、R12、R13およびR’は独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アリール−アルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
Zは、O、NまたはCHから選択され;
Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSO2から選択され;
R、R2、R3およびR4は独立してH;C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ;酸素、窒素、硫黄およびリン原子(該酸素、窒素、硫黄またはリン原子の数は0〜6である);(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル(ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を含む);アリール;ヘテロアリール;アルキル−アリールおよびアルキル−ヘテロアリールからなる群より選択され;
ここでアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルホンアミド、スルホキシド、スルホン、スルホニルウレア、ヒドラジドおよびヒドロキシメートからなる群より選択される1個以上の部分での所望による化学的に適切な置換をいう]
で示される化合物を提供する。
【0022】
式Iの種々の部分についての上記の定義の中で種々の部分についての好ましい基は以下のとおりである:
R1についての好ましい定義はCOR5であり、R5がH、OH、COOR8またはCONR9R10であり、R8、R9、R10は上記で定義したとおりである。R1についての好ましい部分はCOCONR9R10であり、R9がHであり、R10がH、CH(R1’)COOR11、CH(R1’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13またはCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)である。これらの中で、R10についての好ましい部分はCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)であり、R1’はHまたはアルキル、ヘテロアルキルであり、R2’は、フェニル、置換フェニル、ヘテロ原子置換フェニル、チオフェニル、シクロアルキル、ヘテロ原子置換シクロアルキル、ピペリジルおよびピリジルである。より好ましい部分は以下のとおりである:R1’がHであり、R11がHまたはtert−ブチルであり;R’がヒドロキシメチルであり;R2’が以下からなる群より選択され:
【化7】
式中、
U1およびU2は同じでもよくまたは異なってもよく、H、F、CH2COOH、CH2COOMe、CH2CONH2、CH2CONHMe、CH2CONMe2、アジド、アミノ、ヒドロキシル、置換アミノ、置換ヒドロキシルからなる群より選択され;
U3およびU4は同じでもよくまたは異なってもよく、OまたはSであり;
U5はアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組合せからなる部分より選択され;
NR12R13は以下からなる群より選択され:
【化8】
式中、U6はH、OHまたはCH2OHである。
【0023】
R2についての好ましい部分は以下のとおりである:
【化9】
【0024】
R3についての好ましい部分は以下のとおりである:
【化10】
式中R31=OHまたはO−アルキルである。
【0025】
さらに、R3は以下によっても表され得る:
【化11】
Y19は以下の部分より選択される:
【化12】
さらに、R3は以下によって表され得る:
【化13】
Y20は以下の部分より選択される:
【化14】
【0026】
さらに好ましいR3についての部分は以下のとおりである:
【化15】
【0027】
さらに、R4が存在しない式I中の部分Z−C−R3は以下の構造によって表され得る:
【化16】
および
【化17】
【0028】
いくつかのその他の好ましい部分は以下のとおりである:ZがNであり、R4がHであり、WがC=OまたはSO2である。Yについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化18】
式中、Y11はH、COOH、COOEt、OMe、Ph、OPh、NHMe、NHAc、NHPh、CH(Me)2、1−トリアゾリル、1−イミダゾリルおよびNHCH2COOHから選択され;
Y12はH、COOH、COOMe、OMe、F、ClまたはBrから選択される。
【0029】
Yはまた以下によって表され得:
【化19】
式中、Y13は以下の部分から選択され:
【化20】
Y14はMeSO2、Ac、Boc、iBoc、CbzまたはAllocから選択される。
【0030】
Yについてのさらなる好ましい構造は以下のとおりである:
【化21】
式中、Y15およびY16は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してアルキル、アリールもしくはヘテロアルキルまたはヘテロアリールから選択される。
【0031】
Yについてのさらなる例は以下のとおりである:
【化22】
【化23】
【化24】
式中、Y17はCF3、NO2、CONH2、OH、COOCH3、OCH3、OC6H5、C6H5、COC6H5、NH2またはCOOHであり;
Y18はCOOCH3、NO2、N(CH3)2、F、OCH3、CH2COOH、COOH、SO2NH2またはNHCOCH3である。
【0032】
Jについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化25】
【0033】
Gについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化26】
【化27】
【0034】
特記しない場合、本明細書において用いる技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。従って、例えば、用語アルキル(アルコキシのアルキル部分を含む)は、1〜8個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、単一原子の除去により直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導される1価の基をいう。
【0035】
アリール − 6〜14個の炭素原子を有し、少なくとも1個のベンゼノイド環を有する炭素環式基を表し、炭素環式基の全ての利用可能な置換可能芳香族炭素原子が可能な結合点として意図される。好ましいアリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルおよびインダニル、特にフェニルおよび置換フェニルが挙げられる。
【0036】
アラルキル − 低級アルキルを介して結合したアリール基を含む部分を表す。
【0037】
アルキルアリール − アリール基を介して結合した低級アルキルを含む部分を表す。
【0038】
シクロアルキル − 所望により置換されてもよい、3〜8個、好ましくは5または6個の炭素原子を有する飽和炭素環式環を表す。
【0039】
複素環 − 下記で定義するヘテロアリール基に加えて、1個の環または2個の縮合した環からなる炭素環式環構造を中断する少なくとも1個のO、Sおよび/またはN原子を有する飽和および不飽和環式有機基であって、各環が5、6または7員環であり、非局在化パイ電子を欠く二重結合を有してもよく有しなくてもよく、環構造が2〜8個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する、例えば2−もしくは3−ピペリジニル、2−もしくは3−ピペラジニル、2−もしくは3−モルホリニル、または2−もしくは3−チオモルホリニルである基を表す。
【0040】
ハロゲン − フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0041】
ヘテロアリール − 炭素環式環構造を中断する少なくとも1個のO、Sおよび/またはN原子を有し、芳香族特性を与えるのに十分な数の非局在化パイ電子を有する環式有機基であって、芳香族複素環式基が2〜14個、好ましくは4または5個の炭素原子を有し、例えば2−、3−もしくは4−ピリジル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、2−もしくは4−イミダゾリル、2−、4−もしくは5−ピリミジニル、2−ピラジニル、または3−もしくは4−ピリダジニル等である基を表す。好ましいヘテロアリール基は、2−、3−および4−ピリジルである。そのようなヘテロアリール基はまた所望により置換されてもよい。さらに、特記しない場合、用語「置換もしくは非置換」または「所望により置換」は、主題の部分が所望により、化学的に適切に、R12またはR13に属する部分で置換されることをいう。
【0042】
また、式Iで示される化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の光学異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物および誘導体も本発明に包含される。
【0043】
本発明のさらなる特徴は、医薬上許容される担体または賦形剤と一緒に有効成分として式Iで示される化合物(またはその塩、溶媒和物もしくは異性体)を含有する医薬組成物である。
【0044】
本発明はまた、式Iで示される化合物の製造方法、ならびに例えばHCVおよび関連障害のような疾患の処置方法を提供する。これらの処置方法は、上記疾患(単数または複数)に罹患している患者に治療有効量の式Iで示される化合物、または式Iで示される化合物を含有する医薬組成物を投与する工程を包含する。
【0045】
また、HCVおよび関連障害処置用医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も開示する。
【0046】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
1つの実施態様において、本発明は、HCVプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての式Iで示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を開示する(式中、種々の部分は上記で定義したとおりである)。
【0047】
優れたHCVプロテアーゼ阻害活性を示す本発明の代表的な化合物を、その活性(nMでのKi*値の範囲)とともに表1に列挙する。
【0048】
表1:化合物およびHCVプロテアーゼ連続アッセイ結果
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
HCV連続アッセイKi*範囲:
カテゴリー A=0〜100;B=101〜1000;C=>1000nM。
【0049】
いくつかの型の本発明の化合物および式Iで示される種々の型の本発明の化合物の合成方法を以下に記載し、概説し、例示的な実施例を記載する。
【0050】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
R=Me
R=ベンジル
【化34】
X=OtBu
X=OH
X=NH2
X=NMeOMe
X=NMe2
【化35】
X=OtBu
X=OH
【化36】
【化37】
X=H、Y=tBu;X=tBu、Y=H
【化38】
R=プロパルギル
R=アリル
【化39】
X=Ot−ブチル
X=OH
【化40】
【化41】
X=Otブチル
X=OH
【化42】
X=Otブチル
X=OH
X=NMe2
【化43】
X=OtBu
X=OH
【化44】
R=tBu
R=H
R=Me
【化45】
X=H、Y=COOH
X=COOH、Y=H
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【0051】
構造に依存して、本発明の化合物は、有機もしくは無機酸、または有機もしくは無機塩基と医薬上許容される塩を形成し得る。そのような塩の形成に適切な酸の例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸が挙げられる。塩基との塩の形成については、適切な塩基は、例えば、NaOH、KOH、NH4OH、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどである。
【0052】
別の実施態様において、本発明は、本発明のペプチドを有効成分として含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、一般にさらに医薬上許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書において担体物質と総称する)を含む。それらのHCV阻害活性のために、そのような医薬組成物は、C型肝炎および関連障害の処置において有用性を有する。
【0053】
さらに別の実施態様において、本発明は、有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物の製造方法を開示する。本発明の医薬組成物および方法において、有効成分は、代表的には意図される投与形態、すなわち経口錠剤、カプセル(固体充填、半固体充填または液体充填)、構成用散剤、経口ゲル、エリキシル、分散性顆粒、シロップ、懸濁液などに関連して適切に選択され、通常の薬学の慣例に合致した適切な担体物質と混合して投与される。例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与については、活性薬物成分を、いずれかの経口用の非毒性の医薬上許容される不活性担体、例えばラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、滑石、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)などと組み合わせてもよい。さらに、所望または要求される場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み入れてもよい。散剤および錠剤は、本発明の組成物を約5〜約95%含み得る。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびロウが挙げられる。滑沢剤の中で、これらの投与形態に用いられるものとしては、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどに言及し得る。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、グアーガムなどが挙げられる。
【0054】
甘味料および着香料ならびに保存剤もまた、適切であれば含めてもよい。上記の用語のいくつか、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤などについては以下でより詳細に記載する。
【0055】
さらに、本発明の組成物を、いずれかの構成成分または有効成分の1種以上の速度制御放出を提供して、治療効果、すなわちHCV阻害活性などを最適化するように、持続放出形態で製剤化してもよい。持続放出に適切な投与形態としては、種々の崩壊速度の層または有効成分を含浸させた制御放出ポリマーマトリックスを含有し錠剤形態に成形された層状錠剤、またはそのような含浸または被包された多孔質ポリマーマトリックスを含有するカプセルが挙げられる。
【0056】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例として、非経口注射用の、または経口溶液、懸濁液およびエマルジョンの甘味料および鎮静物の添加用の水または水−プロピレングリコール溶液に言及し得る。液体形態調製物はまた、鼻腔内投与用溶液を包含し得る。
【0057】
吸入に適切なエーロゾル調製物は、溶液および粉末形態の固体を包含し得、これを不活性圧縮気体(例えば、窒素)のような医薬上許容される担体と組合せてもよい。
【0058】
坐剤の製造については、まず低融点ロウ、例えば脂肪酸グリセリドの混合物(例えば、ココアバター)を溶解し、そして攪拌または同様な混合によりそこに有効成分を均一に分散させる。次いで、融解した均一の混合物を好適な大きさの鋳型中に注ぎ、放冷することにより固化させる。
【0059】
また、使用直前に経口または非経口投与用液体形態調製物に変換することを意図した固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0060】
本発明の化合物はまた、経皮送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、ローション、エーロゾルおよび/またはエマルジョンの形態を取り得、この目的で当該分野において慣習的であるように、マトリックスまたはレザーバー型の経皮パッチに含めることができる。
【0061】
好ましくは、化合物は経口、静脈内または皮下投与される。
【0062】
好ましくは、医薬調製物は単位投与形態をとる。そのような形態では、調製物は、適量、例えば所望の目的を達成するのに有効な量の有効成分を含有する適切なサイズの単位用量に小分けされる。
【0063】
単位用量の調製物中の本発明の活性組成物の量は、特定の適用に従い、一般的には約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、好ましくは約1.0から約950ミリグラム、より好ましくは約1.0〜約500ミリグラム、そして代表的には約1〜約250ミリグラムの範囲で変動または調整し得る。用いられる実際の投与量は、患者の年齢、性別、体重および処置される病状の重篤さに依存して変動し得る。そのような技術は当業者に周知である。
【0064】
一般的に、有効成分を含有するヒト経口投与形態を、1日当たり1または2回投与し得る。投与の量および頻度は、主治医の判断に従って調節される。経口投与用に一般的に推奨される一日投与養生法は、単回または分割用量で、一日当たり約1.0ミリグラムから約1000ミリグラムの範囲であり得る。
【0065】
いくつかの有用な用語を以下に記載する。
【0066】
カプセル − 有効成分を含む組成物を保持または含有させるためのメチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンもしくはデンプンで作製された特殊な容器または封入物をいう。代表的には、硬カプセルは比較的高いゲル強度の骨およびブタ皮膚ゼラチンの混合物から作製される。カプセルそれ自体は小量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存剤を含んでもよい。
【0067】
錠剤 − 適切な希釈剤と共に有効成分を含有する圧縮または成形された固体投与形態をいう。錠剤は、湿式造粒、乾式造粒または圧縮により得られた混合物または造粒物の圧縮により製造することができる。
【0068】
経口ゲル − 親水性半固体マトリックス中に分散または可溶化された有効成分をいう。
【0069】
構成用散剤は、水またはジュース中に懸濁し得る有効成分および適切な希釈剤を含有する粉末混合物をいう。
【0070】
希釈剤 − 組成物または投与形態の主な部分を通常構成する物質をいう。適切な希釈剤としては、糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;ならびにセルロース(例えば、微晶性セルロース)が挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、全組成物重量に対し約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75重量%、より好ましくは約30〜約60重量%、よりさらに好ましくは約12〜約60重量%の範囲であり得る。
【0071】
崩壊剤 − 組成物に添加して、その分解(崩壊)を補助し、医薬を放出させる物質をいう。適切な崩壊剤としては、デンプン;「冷水可溶性」修飾デンプン(例えば、カルボキシメチルデンプンナトリウム);天然および合成ゴム(例えば、イナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);微晶性セルロースおよび架橋微晶性セルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム(sodium croscarmellose));アルギネート(例えば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム);粘土(例えば、ベントナイト);ならびに発泡性混合物が挙げられる。組成物中の崩壊剤の量は、組成物重量に対し約2〜約15重量%、より好ましくは約4〜約10重量%の範囲であり得る。
【0072】
結合剤 − 粉末を一緒に結合または「接着」させ、処方物中で顆粒を形成させ、従って「接着剤」として作用することによりそれらを粘着性にする物質をいう。結合剤は、既に希釈剤または増量剤において得られる粘着強度を追加する。適切な結合剤としては、糖類(例えば、スクロース);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;天然ゴム(例えば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント);海藻誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムアンモニウム);セルロース物質(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリビニルピロリドン;ならびに無機物(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)が挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物重量に対して約2〜約20重量%、より好ましくは約3〜約10重量%、さらに好ましくは約3〜約6重量%の範囲であり得る。
【0073】
滑沢剤 − 投与形態に添加して、圧縮後に、摩擦または摩損を低下させることにより、錠剤、顆粒などの鋳型またはダイからの放出を可能にする物質をいう。適切な滑沢剤としては、金属ステアレート(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ロウ;ならびに水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd'l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、顆粒の表面およびそれらの中間ならびにタブレット成形機のパーツに存在しなければならないので、通常は圧縮前の最終工程で加えられる。組成物中の滑沢剤の量は、組成物重量に対して約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%、より好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であり得る。
【0074】
滑剤 − 流れが円滑かつ一様になるように、ケーキングを防止し、造粒物の流動特性を改善する物質。適切な滑剤としては、二酸化珪素および滑石が挙げられる。組成物中の滑剤の量は、全組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であり得る。
【0075】
着色剤 − 組成物または投与形態に彩色を施す賦形剤。そのような賦形剤は、食品用色素、および適切な吸着剤(例えば、粘土または酸化アルミニウム)に吸着させた食品用色素を包含し得る。着色剤の量は、組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲で変動し得る。
【0076】
生物学的利用能 − 標準または対照と比較した場合の、活性薬物成分または治療的部分が投与された投与形態から全身的循環に吸収される速度および程度をいう。
【0077】
慣習的な錠剤の製造方法は公知である。そのような方法としては、乾式方法(例えば、直接圧縮および圧縮により生成された造粒物の圧縮)、または湿式方法もしくは他の特殊な手順が挙げられる。例えばカプセル、坐剤などの他の投与形態の慣習的な製造方法もまた周知である。
【0078】
本発明の別の実施態様は、例えばC型肝炎などの疾患の処置のための、上記医薬組成物の使用を開示する。この方法は、そのような疾患を有するかまたはそのような処置を必要とする患者に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与する工程を包含する。
【0079】
さらに別の実施態様において、本発明の化合物をヒトにおけるHCVの処置のために、単独療法様式または併用療法様式(例えば、リバビリンのような抗ウイルス剤および/またはα−インターフェロンのようなインターフェロンとの組合せなど)で使用し得る。
【0080】
上記のように、本発明はまた、化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の立体異性体を包含する。すなわち、当業者には理解されるように、本発明の化合物のいくつかは適切な異性体形態で存在し得る。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0081】
本発明の別の実施態様は、本明細書に開示される化合物の製造方法を開示する。これらの化合物は、当該分野において公知のいくつかの技術により製造され得る。代表的な例示的な手順を下記反応スキームで概説する。下記の例示的なスキームには、いくつかの代表的な本発明の化合物の製造が記載されているが、天然および非天然の両方のアミノ酸のいずれかの適切な置換により、そのような置換に基いた所望の化合物が形成されることを理解すべきである。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0082】
下記のスキーム、製造および実施例の記載で使用される略語は以下の通りである:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
DEC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1'−(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
PyBrOP:ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Bn:ベンジル
Bzl:ベンジル
Et:エチル
Ph:フェニル
iBoc:イソブトキシカルボニル
iPr:イソプロピル
tBuまたはBut:tert−ブチル
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cp:シクロペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
THP:テトラヒドロピラニル
iBoc:イソブチルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
【0083】
一般的製造スキーム
以下のスキームは中間体ビルディングブロックの合成方法を記載する:
【化54】
【化55】
【化56】
【実施例】
【0084】
中間体の製造:
製造例1
工程A:化合物(1.1)
【化57】
【0085】
−20℃で撹拌中のDMF(15mL)およびCH2Cl2(15mL)中の化合物(1.08)(3.00g、12.0mmol;Harbeson, S.L.; Albelleira, S.M.,; Akiyama, A.; Barrett, R.; Carroll, R.M.; et al.; J.Med.Chem.; 37 (18) 1994; 2918-2929;)の溶液に、HOOBt(1.97g、12.0mmol)、N−メチルモルホリン(4.0mL、36.0mmol)およびEDCl(2.79g、14.5mmol)を添加し、10分間撹拌し、次いでHCl・H2N−Gly−OBn(2.56g、13.0mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で2時間撹拌し、一晩冷蔵し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc(150mL)で希釈した。次いで、このEtOAc溶液を2回飽和NaHCO3、H2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.09)(4.5g、94%)を得た。LRMS m/z MH+=395.1。
【0086】
工程B:化合物(1.1)
【化58】
【0087】
無水エタノール(300mL)中の化合物(1.09)(7.00g、17.8mmol)の溶液を室温で、水素雰囲気下、Pd−C(300mg、10%)の存在下で撹拌した。反応の進行をtlcによってモニターした。2時間後、混合物をceliteパッドを通して濾過し、得られた溶液を真空下で濃縮して、化合物(1.1)(5.40g、定量的)を得た。LRMS m/z MH+=305.1。
【0088】
製造例2
工程A 化合物(1.3)
【化59】
【0089】
製造例1、工程Bからの化合物(1.1)(1当量)、化合物(1.2)(Novabiochem, No. 04-12-5147)(1.03当量)、HOOBt(1.03当量)、N−メチルモルホリン(2.2当量)およびジメチルホルムアミド(70mL/g)の混合物を−20℃で撹拌した。EDCl(1.04当量)を添加し、反応物を48時間撹拌した。反応混合物を5%KH2PO4水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2×)。合した有機物を冷5%K2CO3水溶液、次いで5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機相を無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、次いで蒸発させ、濾液を真空下で乾燥し、残渣をEt2O−ヘキサンで粉砕し、濾過して、表題化合物(1.3)を得た(86%、収率)C25H39N3O7(493.60)、質量スペクトル(FAB)M+1=494.3。
【0090】
工程B 化合物(1.4)
【化60】
【0091】
製造例2、工程Aからの化合物(1.3)(3.0g)を4N HCl/ジオキサン(36mL)で処理し、室温で7分間撹拌した。混合物を1.5Lの冷(5℃)ヘキサン中に注ぎ、撹拌し、次いで0℃で0.5時間放置した。混合物を乾燥雰囲気中で吸引濾過し、採集した固体をさらに乾燥して、表題化合物(1.4)を得た(2.3g、88%収率)、C20H31N3O5・HCl、H1 NMR(DMSO−d6/NaOD)δ7.38(m,5H)、5.25(m,1H)、4.3−4.1(m,1H)、3.8(m,2H)、3.4−3.3(m,HDOにより不明瞭)、1.7−1.1(m,4H)、1.35(s,9H)、0.83(m,3H)。
【0092】
製造例3
化合物(1.5)
【化61】
【0093】
製造例2、工程Aからの化合物(1.3)を下記製造例7、工程Aと本質的に同様に処理して、化合物(1.5)を得た。
【0094】
製造例4
化合物(1.6)
【化62】
【0095】
製造例3からの化合物(1.5)を製造例2、工程Bと本質的に同様に処理して、化合物(1.6)を得た。
【0096】
製造例5
工程A 化合物(2.09)
【化63】
【0097】
−20℃の無水DMF(200mL)およびCH2Cl2(150mL)中のジメチルアミンヒドロクロリド(1.61g、19.7mmol)、N−Boc−フェニルグリシン、化合物2.08(4.50g、17.9mmol、Bachem Co. # A-2225)、HOOBt(3.07g、18.8mmol)およびEDCl(4.12g、21.5mmol)の溶液に、NMM(5.90mL、53.7mmol)を添加した。この温度で30分間撹拌した後、反応混合物を冷凍庫中に一晩(18時間)維持した。次いで、これを室温に加温し、EtOAc(450mL)、ブライン(100mL)および5%H3PO4(100mL)を添加した。相を分離した後、有機相を5%H3PO4(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮して、化合物(2.09)(4.86g)を白色固体として得た。これをさらに精製せずに使用した。
【0098】
工程B 化合物(2.1)
【化64】
【0099】
製造例5、工程Aからの化合物(2.09)(4.70g、粗)を4N HCl(60mL、240mmol)に溶解し、得られた溶液を室温で撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターした。4時間後、溶液を真空下で濃縮して、化合物(2.1)を白色固体として得た。これを次の反応においてさらに精製せずに使用した。LRMS m/z MH+=179.0.
【0100】
製造例6
工程A 化合物(2.2)
【化65】
【0101】
製造例2、工程Aと本質的に同様にし、フェニルグリシンt−ブチルエステルヒドロクロリドの代わりにフェニルグリシンN,N−ジメチルアミドヒドロクロリドを使用して、化合物(2.2)を製造した。質量スペクトル(FAB)M+1=465.3。
【0102】
工程B 化合物(2.3)
【化66】
【0103】
工程Aからの化合物(2.2)(1.85g)を4N HCl/ジオキサン(50mL)と室温で1時間反応させた。混合物を真空下、20℃の水浴中で蒸発させ、イソプロピルエーテル下で粉砕し、濾過し、乾燥して、化合物(2.3)を得た(1.57g、98%収率)、C18H28N4O4・HCl、質量スペクトル(FAB)M+1=365.3。
【0104】
製造例7
工程A 化合物(2.4)
【化67】
【0105】
ジクロロメタン(60mL)中の製造例5、工程Aからの化合物(2.2)(2.0g)の溶液をジメチルスルホキシド(3.0mL)および2,2−ジクロロ酢酸(0.70mL)で処理した。撹拌中の混合物を5℃に冷却し、次いで1Mジシクロヘキシルカルボジイミド/ジクロロメタン溶液(8.5mL)を添加した。冷浴をはずし、混合物を22時間撹拌した。次いで、2−プロパノール(0.5mL)を添加し、さらに1時間撹拌した。混合物を濾過し、次いで氷冷0.1N NaOH(50mL)、次いで氷冷0.1N HCl(50mL)、次いで5%KH2PO4水溶液、次いで飽和ブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチルで溶出して、化合物(2.3)を得た(1.87g、94%収率)、C23H34N4O6、質量スペクトル(FAB)M+1=463.3。
【0106】
工程B 化合物(2.5)
【化68】
【0107】
製造例2、工程Bと本質的に同様にして、化合物(2.5)を製造した。
【0108】
製造例8
工程A 化合物(3.3)
工程A−1 化合物3.02
【化69】
【0109】
DMF(150mL)中の化合物3.01(4.6g、N−Boc−S−メチルシステイン(Bachem Biosciences Inc.)からBoger, J. Org. Chem., 1988, 53(3), 487の手順に従って製造)の溶液を、Cs2CO3(6.1g)、次いでベンジルブロミド(2.3mL)で処理し、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)に懸濁した。次いで、この混合物を5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機抽出物を無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、生成物3.02を得た(6.2g);[α]D−33.7(c 1.3、CHCl3)。
【0110】
工程A−2 化合物3.03
【化70】
【0111】
U.Larsson, et al., Acta Chem. Scan., 1994, 48(6), 517-525の手順に従って、水(90mL)中のオキソン(oxone(R))(16.4g、Aldrich Chemical Co.)の溶液を、MeOH(150mL)中の化合物3.02(6.1g)の0℃溶液に徐々に添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーターで1/2容量に濃縮し、冷水(100mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、生成物3.03を得た(5.9g);[α]D−26.3(c 0.9、CHCl3)。
【0112】
工程A−3 化合物3.2
【化71】
【0113】
上記工程の生成物3.03を4N HCl/ジオキサンで0.5時間処理して、生成物3.2を得た。C12H17NO4S・HCl(307.79);質量スペクトル(FAB)M+1=272.0。
【0114】
化合物3.3の製造
【化72】
【0115】
化合物(3.2)(S−メチルシステインスルホンベンジルエステルヒドロクロリド)および化合物(3.1)(N−Boc−シクロヘキシルグリシン)を、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(3.3)を得た。C25H38N2O7S(510.64)。
【0116】
工程B 化合物(3.4)
【化73】
【0117】
上記工程Aからの化合物(3.3)(0.7g)、10%Pd/C(0.05g)およびEtOH−ジオキサン(100mL)の混合物を3気圧H2下で5時間撹拌した。混合物を濾過し、真空下で蒸発乾固して、化合物(3.4)を得た(0.56g、97%収率)、C18H32N2O7S(420.52)質量スペクトル(FAB)M+1=421.2。
【0118】
工程C 化合物(3.5)
【化74】
【0119】
上記工程Bからの化合物(3.4)を、製造例2、工程Bからの化合物(1.4)と、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(3.5)を得た。C38H61N5O11S(795.98)、質量スペクトル(FAB)M+1=796.3。
【0120】
製造例9
化合物4.1
【化75】
【0121】
製造例8、工程Cからの化合物(3.5)を、本質的に製造例2、工程Bと同様に反応させて、化合物(4.1)を得る。C33H53N5O9S・HCl(732.33)。
【0122】
製造例10
化合物(4.2)
【化76】
【0123】
5℃の製造例9からの化合物(4.1)(0.7g)、ジメチルホルムアミド(15mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.38mL)の溶液を、イソブチルクロロホルメート(0.15mL)で処理する。冷浴をはずし、6時間撹拌する。反応混合物を5%KH2PO4水溶液(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。合した有機物を冷5%K2CO3水溶液、次いで5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機物を無水MgSO4で乾燥する。混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させ、残渣をEt2O−ヘキサンで粉砕し、濾過して、化合物(4.2)を得る。
【0124】
製造例11
化合物(4.3)
【化77】
【0125】
化合物(4.2)を、本質的に下記製造例14、工程Hと同様に反応させて、化合物(4.3)を得る。
【0126】
製造例12
化合物(4.4)
【化78】
【0127】
製造例11からの化合物(4.3)(約0.10g)を、無水トリフルオロ酢酸−ジクロロメタンの溶液(1:1、約10mL)で約2時間処理する。溶液をキシレン(約50mL)で希釈し、真空下で蒸発させる。残渣をEt2Oで粉砕し、濾過して、化合物(4.4)を得る。
【0128】
製造例13
化合物(4.5)
【化79】
【0129】
製造例12からの化合物(4.4)を、ジメチルアミンと、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(4.5)を得る。
【0130】
製造例14
工程A 化合物(5.2)
【化80】
【0131】
0℃の無水DMF(10mL)および無水CH2Cl2(10mL)中の化合物(5.01)(1.11g、7.0mmol)の撹拌、冷却中の溶液に、HOBT(1.19g、7.25mmol)、N−メチルモルホリン(2.3mL、21.0mmol)およびDEC(1.6g、8.4mmol)を添加した。得られた溶液を0℃で15分間撹拌し、次いでH−Val−O−tBu(1.54g、7.35mmol)を添加した。溶液を冷凍庫中で一晩維持した。多量の沈殿が観察され、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を5%H3PO4溶液、H2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、粗生成物5.1を得た(2.4g、98%収率)。
【0132】
4N HCl/ジオキサン中の粗生成物(上記で得た)の溶液を室温で7時間撹拌し、濃縮乾固して、化合物(5.2)を得た。
【0133】
工程B 化合物(5.4)
【化81】
【0134】
撹拌中の50%MeOH/50%H2O(300mL)中の化合物(5.3)(F. L. Bach, Jr. et al, J. Amer. Chem. Soc., (1995) 77, 6049)(17.5g、0.086mmol)の溶液に、Bocアンヒドリド(47.0g、0.215mol)を添加した。次いで、50%濃NaOH溶液を滴下することによって溶液をpH=9.5に調整した。得られた溶液を一晩室温で撹拌し、次いで濃HClでpH=8に中和し、クエン酸でpH=2.94まで酸性にし、次いでCH2Cl2で抽出した。合した有機相をMgSO4で乾燥して、化合物(5.4)を得た(27.16g、95%収率)。
【0135】
工程C 化合物(5.5)
【化82】
【0136】
0℃のDMF(3.59mL、0.046mol)中の塩化チオニル(3.37mL、0.046mmol)の溶液を室温に加温し、35分間撹拌した。次いで、溶液を0℃に冷却し、次いでCH3CN(150mL)およびピリジン(3.73mL、0.046mol)中の上記工程Bからの化合物(5.4)(15.0g、0.045mol)を添加した。得られた溶液を室温に加温し、一晩撹拌した。次いで、溶液を氷水(700mL)中に注ぎ、3回EtOAc(150mL)で抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(5.5)(10.8g)を得た。
【0137】
工程D 化合物(1.08)
【化83】
【0138】
撹拌中のCH2Cl2(130mL)中の下記製造例14、工程Dからの化合物(6.6)(6.5g、0.044mol)の溶液に、Bocアンヒドリド(9.65g、0.044mol)およびDMF(50mL)を添加した。得られた溶液を室温で週末の間撹拌し、濃縮乾固し、次いでH2O(120mL)および50%NaOHを添加して、pH=10〜11に調整した。次いで、溶液を2時間撹拌し、さらにBocアンヒドリド(1.93g、8.8mmol)を添加し、一晩室温で撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2で抽出し、水相を0℃で1N HClを用いてpH=4まで酸性にし、次いで3回CH2Cl2で抽出した。次いで、合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.08)を得た(4.50g、41%収率、M−t−ブチル +2=192)。
【0139】
工程E 化合物(5.7)
【化84】
【0140】
撹拌中のDMF(22mL)およびCH2Cl2(22mL)中の上記からの化合物(1.08)(4.5g、0.018mol)の溶液に、HOBT(2.7g、0.02mol)、N−メチルモルホリン(6mL、0.054mol)、DEC(4.17g、0.022mol)およびアリルグリシン.TsOH(6.1g、0.02mol)を添加した。得られた溶液を室温で週末の間撹拌し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を10%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、粗生成物(5.7g)を得た。4N HCl/ジオキサン(50mL)中のこの粗生成物の溶液を室温で50分間撹拌し、濃縮乾固して、化合物(5.7)を得た(4.79g、94%収率、MH+=245.1)。
【0141】
工程F 化合物(5.8)
【化85】
【0142】
撹拌中の無水CH2Cl2(55mL)中の上記工程Eからの化合物(5.7)(3.1g、0.011mol)の溶液に、TEA(1.69mL、0.012mol)を13分間にわたって滴下し、無水CH2Cl2(55mL)中の工程Cからの化合物(5.5)(2.83g、0.011mol)を滴下した。得られた溶液を室温で1.5時間撹拌した。次いで、有機相を飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、化合物(5.8)(4.67g、MH+=457.2)を得た。
【0143】
工程G 化合物(5.9)
【化86】
【0144】
0℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の工程Aからの化合物(5.2)(0.34g、1.31mmol)の溶液に、HOBT(0.214g、1.31mmol)、N−メチルモルホリン(0.43mL、3.9mmol)およびDEC(0.5g、1.09mmol)を添加した。混合物を室温で15分間撹拌し、次いで工程Fからの化合物(5.8)(0.5g、1.09mmol)を添加した。得られた溶液を冷凍庫中に一晩維持し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−H2Oで抽出した。合した有機相を2回飽和NaHCO3、5%H2PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで濾過し、濃縮乾固して、化合物(5.9)(0.65g、MH+=697.4)を得た。
【0145】
工程H 化合物(5.10)
【化87】
【0146】
撹拌中の無水CH2Cl2(8mL)中の工程Gからの化合物(5.9)(0.6g、0.8mmol)の溶液に、Dess−Martin試薬(0.732g、1.72mmol)を添加し、室温で1時間撹拌し、次いでH2O(0.031mL)およびCH2Cl2(12mL)中のDess−Martin試薬(0.373g、0.86mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で2.5時間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%飽和Na2S2O3(20mL)の溶液を添加し、迅速に1.5時間室温で撹拌した。次いで、溶液をH2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(5.10)(0.588g、100%収率、MH+=695.2)を得た。
【0147】
製造例15
工程A 化合物(6.2)
【化88】
【0148】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(20mL)およびDMF(10mL)中の化合物(6.1)(5.0g、19.89mmol)の溶液に、HOBT(3.25g、19.89mmol)、EDCl(4.58g、23.87mmol)およびN−メチルモルホリン(6.56mL、59.69mmol)を添加した。得られた溶液を室温で10分間撹拌し、次いでNH4Cl(1.38g)を添加し、0℃で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮し、EtOAc−H2Oで抽出した。合した有機相を2回NaHCO3、H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.5%MeOH/97.5%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.2)(1.95g、MH+=251.1)を得た。
【0149】
工程B 化合物(6.3)
【化89】
【0150】
4N HCl/ジオキサン(270mL、43.08mmol)中の工程Aからの化合物(6.2)(12.32g、49.28mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.3)(8.40g、100%収率)を得た。
【0151】
工程C 化合物(1.08)(代替合成)
【化90】
【0152】
0℃〜5℃で撹拌中のMeOH(122mL)中の1−ニトロブタン(16.5g、0.16mol)およびグリオキシル酸.H2O(28.1g、0.305mol)の溶液に、トリエチルアミン(93mL、0.667mol)を2時間にわたって滴下した。溶液を室温に加温し、一晩撹拌し、次いで濃縮乾固して油状物を得た。次いで、この油状物をH2Oと混合し、10%HClでpH−1まで酸性にし、次いでEtOAcで抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.5)(28.1g、99%収率)を得た。
【0153】
工程D 化合物(6.6)
【化91】
攪拌中の酢酸(1.25L)中の工程Cからの化合物(6.5)(240g、1.35mol)の溶液に、10%Pd/C(37g)を添加した。得られた溶液を、59psiで3時間次いで60psiで一晩水素化した。次いで、酢酸を蒸発させ、残渣をトルエンと3回共沸し、次いでMeOHおよびエーテルで粉砕した。次いで、溶液を濾過し、トルエンと2回共沸して、化合物(6.6)(131g、66%)を得た。
【0154】
工程E 化合物(1.08)
【化92】
【0155】
0℃で攪拌中のジオキサン(10mL)およびH2O(5mL)中の工程Dからの化合物(6.6)(2.0g、0.0136mol)の溶液に、1N NaOH水溶液(4.3mL、0.014mol)を添加した。得られた溶液を10分間攪拌し、次いでBocアンヒドリド(0.11g、0.014mol)を添加し、0℃で15分間攪拌した。この溶液を室温に加温し、45分間攪拌し、一晩冷蔵庫で維持し、次いで、濃縮乾固して、粗物質を得た。EtOAcおよび氷中のこの粗物質の溶液に、KHSO4(3.36g)およびH2O(32mL)を添加し、4〜6分間攪拌した。次いで、有機相を分離し、水相を2回EtOAcで抽出した。合した有機相をH2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.08)(3.0g、89.2%収率)を得た。
【0156】
工程F 化合物(1.09)
【化93】
【0157】
−20℃で攪拌中のDMF(15mL)およびCH2Cl2(15mL)中の工程Eからの化合物(1.08)(3.0g、0.012mol)の溶液に、HOBT(1.97g、0.012mol)、N−メチルモルホリン(4.0mL、0.036mol)およびEDCl(2.79g、0.0145mol)を添加した。反応物を10分間攪拌し、次いでH−Gly−OBZ.HCl(2.56g、0.013mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で2時間攪拌し、冷蔵庫に一晩維持し、濃縮乾固し、次いで、EtOAcで希釈した。次いで、このEtOAc溶液を2回飽和NaHCO3、H2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.09)(4.5g、94%収率、MH+=395.1)を得た。
【0158】
工程G 化合物(6.9)
【化94】
【0159】
4N HCl/ジオキサン(45mL)中の工程Fからの化合物(1.09)(4.5g、0.0114mol)の溶液を室温で45分間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.9)(4.5g、MH+=295.1)を得た。
【0160】
工程H 化合物(6.11)
【化95】
【0161】
−20℃で撹拌中の100mL丸底フラスコ中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中Boc−フェニル−グリシン化合物(6.1)(0.398g、1.58mmol)の溶液に、HOBT(0.258g、1.58mmol)、EDCl(0.364g、1.903mmol)およびN−メチルモルホリン(0.523mL、4.759mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで工程Gからの化合物(6.9)(0.5g、1.51mmol)およびCH2Cl2(5mL)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。反応物を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を2回5%H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.11)(0.75g、94%収率、MH+=528.1)を得た。
【0162】
工程J 化合物(6.12)
【化96】
【0163】
4N HCl/ジオキサン(21mL)中の工程Hからの化合物(6.11)(0.75g、1.423mmol)の溶液を室温で3時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.12)(0.68g、100%収率)を得た。
【0164】
工程K 化合物(6.14)
【化97】
【0165】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.13)(0.44g、1.725mmol)の溶液に、EDCl(0.39g、2.07mmol)、HOBT(0.18g、1.725mmol)およびN−メチルホルホリン(0.523mL、4.76mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いでCH2Cl2(7mL)中の工程Jからの化合物(6.12)(0.68、1.64mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、冷凍庫中で一晩維持し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO4、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.14)(0.59g、54%収率、MH+=667.3)を得た。
【0166】
工程L 化合物(6.15)
【化98】
【0167】
撹拌中のCH2Cl2(20mL)中の工程Kからの化合物(6.14)(0.593g、0.89mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(periodinane)(0.76g、1.784mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加した。混合物を45分間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3(10mL)を添加し、さらに1.5時間撹拌した。さらなるCH2Cl2を溶液に添加し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、2.5%MeOH/97.5%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.15)(0.48g、82%収率)を得た。
【0168】
工程M 化合物(6.16)
【化99】
【0169】
撹拌中の無水EtOH(10mL)中の工程Lからの化合物(6.15)(0.16g、0.24mmol)の溶液に、Pd/C(40.8mg)を添加した。得られた溶液を激しく撹拌し、次いで1滴のAcOHを添加した。次いで、溶液をH2ガス下で2時間撹拌し、次いでceliteを通して濾過して、化合物(6.16)(0.133g、95%収率、MH+=575.3)を得た。
【0170】
工程N 化合物(6.18)
【化100】
【0171】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.17)(0.5g、1.59mmol)の溶液に、HOBT(0.259g、1.59mmol)、NMM(0.48g、4.77mmol)およびEDCl(0.366g、1.91mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、工程Gからの化合物(6.9)(0.5g、1.51mmol)およびCH2Cl2(5mL)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、冷凍庫中で一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を2回5%H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.18)(0.95g、MH+=592.1)を得た。
【0172】
工程O 化合物(6.19)
【化101】
【0173】
4N HCl/ジオキサン(26mL)中の工程Nからの化合物(6.18)(0.93g、1.58mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.19)(0.96g、100%収率、MH+=492.1)を得た。
【0174】
工程P 化合物(6.20)
【化102】
【0175】
−20℃で冷却、撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.13)(0.51g、2.02mmol)の溶液に、HOBT(0.33g、2.02mmol)、N−メチルモルホリン(0.61g、6.06mmol)およびEDCl(0.46g、2.42mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで工程Oからの化合物(6.19)(0.94g、1.92mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで一晩冷蔵し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO3およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.20)(1.29g、87%収率)を得た。
【0176】
工程Q 化合物(6.21)
【化103】
【0177】
撹拌中の無水EtOH(50mL)中の工程Pからの化合物(6.20)(1.27g、1.74mmol)の溶液に、Pd/C(100mg)を添加した。得られた溶液を激しく撹拌し、次いで2滴のAcOHを添加した。次いで、溶液を2時間水素化し、celiteを通して濾過して、化合物(6.21)(1.07g、96%収率、MH+=641.1)を得た。
【0178】
工程R 化合物(6.22)
【化104】
【0179】
−25℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の工程Qからの化合物(6.21)(0.25g、0.39mmol)の溶液に、HOBT(0.06g、0.39mmol)、N−メチルモルホリン(0.12g、1.17mmol)、EDCl(0.089g、0.469mmol)を添加し、10分間撹拌し、次いで工程Bからの化合物(6.3)(0.069g、0.37mmol)を添加した。得られた溶液を−25℃で15分間撹拌し、一晩冷蔵し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H2PO4、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.22)を得た。
【0180】
工程S 化合物(6.23)
【化105】
【0181】
撹拌中のCH2Cl2(10mL)中の工程Rからの化合物(6.22)(0.23g、0.302mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.256g、0.60mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加し、さらに45分間撹拌した。次いで、反応物に50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3(10mL)を添加し、これを1.5時間撹拌した。溶液にさらにCH2Cl2を添加し、次いで有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、1%〜3%MeOH/99%〜97%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.23)(0.08g、34%収率、MH+=771.2)を得た。
【0182】
製造例16
工程A 化合物(7.2)
【化106】
【0183】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(60mL)およびDMF(60mL)中の化合物(7.1)(0.476g、1.51mmol)の溶液に、HOBT(0.246g、1.51mmol)、N−メチルモルホリン(0.458g、4.53mmol)およびEDCl(0.351g、1.81mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで製造例15、工程Fからの化合物(6.8)(0.5g、1.51mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で3時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を2回5%H3PO4、H2O、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(7.2)(0.82g、94%収率、MH+=592.1)を得た。
【0184】
工程B 化合物(7.3)
【化107】
【0185】
4N HCl/ジオキサン(20mL)中の工程Aからの化合物(7.2)(0.82g、1.39mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(7.3)(0.84g、100%収率、MH+=492.3)を得た。
【0186】
工程C 化合物(7.4)
【化108】
【0187】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(60mL)およびDMF(60mL)中の化合物(6.13)(0.36g、1.40mmol)の溶液に、HOBT(0.228g、1.40mmol)、NMM(0.425g、4.20mmol)およびEDCl(0.322g、1.68mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで工程Bからの化合物(7.3)(0.84g、1.40mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で3時間撹拌し、次いで冷凍庫中に一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO4、H2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(7.4)(0.57g、57%収率、MH+=731.3)を得た。
【0188】
工程D 化合物(7.5)
【化109】
【0189】
撹拌中のCH2Cl2(5mL)中の工程Cからの化合物(7.4)(0.55g、0.75mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.64g、1.50mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加した。混合物を45分間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3を添加し、さらに1.5時間撹拌した。さらにCH2Cl2を溶液に添加し、次いで有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(7.5)(0.24g、44%収率、MH+=729.5)を得た。
【0190】
工程E 化合物(7.6)
【化110】
【0191】
撹拌中の無水EtOH(20mL)中の工程Dからの化合物(7.5)(0.10g、0.14mmol)の溶液に、Pd/C(20mg)を添加した。得られた溶液を100ml丸底フラスコ中で激しく撹拌し、H2でパージし、H2雰囲気下で一晩撹拌した。次いで、溶液をceliteを通して濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮乾固して、化合物(7.6)(93mg、100%収率、MH+=639.1)を得た。
【0192】
製造例17
【化111】
【0193】
工程Aにおいて化合物(7.1)の代わりに化合物(8.1)を使用して、本質的に製造例16、工程A〜Eと同様にして、化合物(8.2)および(8.3)を製造した。
【0194】
製造例18
工程A 化合物(9.2)
【化112】
【0195】
撹拌中のベンゼン(350mL)中の(S)(+)−フェニルグリシン(9.1)(15.0g、0.099mol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸.H2O(20.76g、0.116mol)およびベンジルアルコール(30mL、0.29mol)を添加した。得られた溶液を還流温度で一晩加熱し、溶液はスラリーになった。次いで、溶液を室温に冷却し、次いでエーテルを添加した。固体を焼結漏斗を通して濾過し、2回Et2Oで洗浄し、次いで窒素雰囲気下で乾燥して、固体(35.4g)を得た。次いで、この固体をCH2Cl2に溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。合した有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、遊離アミン(18.1g、75.7%収率)を得た。次いで、この遊離アミンをエーテルに溶解し、1N HClを吹き込んで、白色沈殿を形成させた。沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して、化合物(9.2)(15.2g)を得た。
【0196】
工程B 化合物(9.4)
【化113】
【0197】
−20℃で撹拌中の無水DMF(100mL)および無水CH2Cl2(100mL)中のBoc−gly−OH(9.3)(11.35g、0.0648mol)の溶液に、HOBT(10.5g、0.065mol)、EDCl(13.6g、0.0712mol)およびN−メチルモルホリン(21.3mL、0.194mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Aからの化合物(9.2)(18.0g、0.065mol)を添加した。反応物を45分間−20℃で撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(9.4)(26.48g、100%収率、MH+=399.2)を得た。
【0198】
工程C 化合物(9.5)
【化114】
【0199】
4N HCl/ジオキサン(100mL)中の工程Bからの化合物(9.4)(26.4g、0.065mol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(9.5)(22.69g、100%収率、MH+=299.1)を得た。
【0200】
工程D 化合物(9.6)
【化115】
【0201】
−20℃で撹拌中のDMF(150mL)およびCH2Cl2(150mL)中の製造例15、工程Eからの化合物(1.08)(15.5g、0.0627mol)の溶液に、HOBT(10.22g、0.0626mol)、EDCl(13.2g、0.069mol)およびNMM(20.67g、0.188mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Cからの化合物(9.5)(21.0g、0.063mol)を添加した。反応物を1時間−20℃で撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(9.6)(30.3g、92%収率、MH+=528.1)を得た。
【0202】
工程E 化合物(9.7)
【化116】
【0203】
本質的に上記製造例18、工程Cと同様にして、化合物(9.7)を製造した(30.0g、100%収率、MH+=428.1)。
【0204】
工程F 化合物(9.9)
【化117】
【0205】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のBoc−His(Z)−OH(9.8)(0.5g、1.28mmol)の溶液に、HOBT(0.209g、1.28mmol)、EDCl(0.27g、1.41mmol)およびNMM(0.42mL、3.85mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Eからの化合物(9.7)(0.673g、1.28mmol)を添加し、−20℃で2時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、化合物(9.9)(0.858g、84%収率、MH+=799)を得た。
【0206】
工程G 化合物(9.11)
【化118】
【0207】
本質的に製造例18、工程Cと同様にして、化合物(9.11)を製造した(0.76g、100%収率、MH+=699.2)。
【0208】
工程H 化合物(9.12)
【化119】
【0209】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のN−Boc−シクロヘキシルグリシン(0.263g、1.026mmol)の溶液に、HOBT(0.167g、1.026mmol)、EDCl(0.216g、1.13mmol)およびNMM(0.338g、3.078mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Gからの化合物(9.11)(0.754g、1.03mmol)を添加した。反応物を−20℃で1時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(9.12)(0.735g、MH+=938.4)を得た。
【0210】
工程I 化合物(9.13)
【化120】
【0211】
撹拌中の無水CH2Cl2(10mL)中の工程Hからの化合物(9.12)(0.367g、0.377mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.32g、0.75mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2、飽和Na2SO4および飽和NaHCO3を溶液に添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、有機相を分離し、H2Oおよびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、粗生成物(340mg)を得た。次いで、粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2次いで4%MeOH/CH2Cl2で溶出して、化合物(9.13)(150mg、MH+=936.3)を得た。
【0212】
工程J 化合物(9.14)
【化121】
【0213】
撹拌中の無水EtOH(40mL)中の工程Iからの化合物(9.13)(0.15g、1.6mmol)の溶液に、50%H2O(w/w)中10%Pd/Cを添加した。溶液をN2でパージし、H2バルーン下で45分間撹拌した。次いで、触媒をceliteを通して濾過し、EtOH/CH2Cl2で洗浄し、次いで濃縮乾固して、化合物(9.14)(0.116g、MH+=712.2)を得た。
【0214】
製造例19
工程A 化合物(10.2)
【化122】
【0215】
無水EtOH(200mL)中のL−3−(1−ナフチル)アラニン(2.0g、9.34mmol)の懸濁液を500mlフラスコに充填した。次いで、この溶液に無水濃HCl(2mL)を吹き込み、全ての固体を溶解した。溶液を45分間にわたって室温に冷却し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOH(50mL)、10%Pd/C(300mg)および5%Rh/C(300mg)を添加した。得られた溶液をパーシェイカー(parr shaker)中に入れ、60psiで水素化した。次いで、反応物をceliteを通して濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮乾固して、粗物質(2.4g、MH+=254.2)を得た。粗生成物をCH2Cl2に溶解し、次いで飽和NaHCO3で洗浄した。合した有機相を濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、5%〜20%EtOAc/CH2Cl2で溶出して、化合物(10.2)(0.65g)を得た。
【0216】
工程B 化合物(10.3)
【化123】
【0217】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のN−Boc−シクロヘキシルグリシン(0.643g、2.5mmol)の溶液に、HOBT(0.407g、2.5mmol)、EDCl(0.527g、2.75mol)およびNMM(0.825mL、7.5mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Aからの化合物(10.2)およびCH2Cl2(3mL)を添加し、冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.3)(1.12g、92%収率)を得た。
【0218】
工程C 化合物(10.4)
【化124】
【0219】
撹拌中のMeOH(30mL)およびH2O(7.5mL)中の工程Bからの化合物(10.3)(1.1g、2.25mmol)の溶液に、LiOH(0.283g、6.75mmol)を添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、次いで5%H3PO4を添加した。沈殿が形成され、溶液を蒸発させて大部分のMeOHを除去した。さらにCH2Cl2を添加し、次いでCH2Cl2相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.4)(1.068g、100%収率、MH+=459.1)を得た。
【0220】
工程D 化合物(10.5)
【化125】
【0221】
撹拌中のDMF(10mL)およびCH2Cl2(10mL)中の工程Cからの化合物(10.4)(1.0g、2.17mmol)の溶液に、HOBT(0.353g、2.17mmol)、EDCl(0.457g、2.38mmol)およびNMM(0.715mL、6.51mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで製造例18、工程Eからの化合物(9.7)(1.13g、2.17mmol)を添加した。反応物を−20℃で0.5時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.5)(1.8g、M+Na=890.4)を得た。
【0222】
工程E 化合物(10.6)
【化126】
【0223】
撹拌中の無水CH2Cl2(40mL)中の工程Dからの化合物(10.5)(1.8g、2.07mmol)の溶液にDess−Martinペルヨージナン(1.76g、4.15mmol)を添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで無水CH2Cl2(40mL)およびH2O(0.074mL)を1.5時間にわたって滴下し、さらに2時間撹拌した。次いで、この溶液に40mLの50%飽和NaHCO3/50%飽和Na2S2O4を添加し、得られた溶液を半時間激しく撹拌した。次いで、有機相を分離し、H2Oで洗浄した。合した有機相を濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、2%〜3%MeOH/CH2Cl2で溶出して、化合物(10.6)(0.95g、MH+=866.2)を得た。
【0224】
工程F 化合物(10.7)
【化127】
【0225】
本質的に製造例18、工程Kと同様に、化合物(10.7)を製造した。
【0226】
実施例
製造例1、工程Aおよび製造例2、工程F(カップリング);製造例1、工程B、製造例1、工程F、製造例2、工程Dおよび製造例4、工程J(エステル脱保護);製造例2、工程Eおよび製造例4、工程J(アミン脱保護);ならびに製造例4、工程H(ヒドロキシアミドのケトアミドへの酸化)の手順を、上記実施例または市販または文献記載のα−アミノ酸とともに、必要な種々の組合せで使用して、添付の表2に列挙する化合物を製造した。
【0227】
固相合成
固相カップリング反応の一般的手順
合成を、底にポリプロピレンフリットを備えたポリプロピレンシリンジカートリッジから構築された反応容器中で実施した。Fmoc保護アミノ酸を、標準的な固相技術でカップリングした。各反応容器に100mgの出発Fmoc−Sieber樹脂(約0.035mmol)を負荷した。樹脂を2mLのDMFで洗浄した(2回)。Fmoc保護基をDMF中20%v/vピペリジン溶液2mLでの20分間の処理によって除去した。樹脂を2mLのDMFで洗浄した(4回)。カップリングをDMF(2mL)中で、0.12mmolのFmoc−アミノ酸、0.12mmolのHATU[O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]および0.24mmolのDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を使用して実施した。2時間撹拌後、反応容器を排出し、樹脂を2mLのDMFで洗浄した(4回)。カップリングサイクルを次のFmoc−アミノ酸またはキャッピング基を用いて反復した。
【0228】
固相Dess−Martin酸化の一般的手順
合成を、底にポリプロピレンフリットを備えたポリプロピレンシリンジカートリッジから構築された反応容器中で実施した。樹脂結合ヒドロキシ化合物(約0.035mmol)を、2mLのDCM中の0.14mmolのDess−Martinペルヨージナンおよび0.14mmolのt−BuOHの溶液で4時間処理した。樹脂を2mLのDCM中20%v/viPrOH溶液、THF、水中50%v/vTHF溶液(4回)、THF(4回)およびDCM(4回)で洗浄した。
【0229】
製造例20
N−Fmoc−2’,3’−ジメトキシフェニルグリシン 化合物(901)
【化128】
【0230】
水(15mL)中のシアン化カリウム(1.465g、22.5mmol)および炭酸アンモニウム(5.045g、52.5mmol)の溶液に、エタノール(15mL)中の2,3−ジメトキシベンズアルデヒド901A(2.5g、15mmol)の溶液を添加した。反応混合物を40℃で24時間加熱した。溶液の容量を減圧下で蒸発させることにより10mLに減じた。濃塩酸(15mL)を添加し、化合物901Bを白色沈殿として得た。化合物901Bを濾過によって単離した(2.2g、9.3mmol)。化合物901Bを10%w/w水酸化ナトリウム水溶液(15mL)に溶解し、得られた溶液を還流温度で24時間加熱した。濃塩酸を添加し、pHを中性(pH7)に調整した。化合物901Cを含有する得られた溶液を減圧下で蒸発させた。残渣を5%w/w重炭酸ナトリウム水溶液(150mL)に溶解した。溶液を氷浴中で0℃に冷却し、1,4−ジオキサン(30mL)および1,4−ジオキサン(30mL)中の9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(2.7g、8mmol)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温に加温し、室温で24時間撹拌した。1,4−ジオキサンを減圧下で蒸発させた。水溶液をジエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を添加し、pHを酸性(pH1)に調整した。酢酸エチルを添加し、有機相を水およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の化合物901を白色泡沫状固体として得た(3.44g、709mmol)。MS(LCMS−電子スプレイ)434.1 MH+。
【0231】
製造例21
化合物(801)
【化129】
【0232】
ドライアイス−アセトン浴中で−30℃に冷却した無水DCM(22mL)中のN−Fmoc−フェニルアラニン801A(5g、12.9mmol)の溶液に、N−メチルピロリジン(1.96mL、16.1mmol)およびメチルクロロホルメート(1.2mL、15.5mmol)を順次添加した。反応混合物を−30℃で1時間撹拌し、無水DCM(8mL)中のN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(1.51g、15.5mol)およびN−メチルピロリジン(1.96mL、16.1mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温に加温し、室温で一晩撹拌した。トルエンを添加し、有機相を希塩酸、重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、化合物801B(4g、9.29mmol)を得た。
【0233】
ドライアイス−アセトン浴中で−20℃に冷却した無水トルエン(8mL)中のRed−Al(6.28mL、21.4mmol)の溶液に、無水トルエン(12mL)中の化合物801B(4g、9.29mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−20℃で1.5時間撹拌した。有機相を希塩酸、重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物801Cをさらに精製せずに次の反応において使用した。
【0234】
ヘキサン(15mL)中の化合物801C(約9.29mmol)の溶液に、水(4mL)中のシアン化カリウム(24mg、0.37mmol)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(34mg、0.092mmol)の溶液ならびにアセトンシアノヒドリン(1.27mL、13.9mmol)を順次添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、有機相を水およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、化合物801D(2.4g、6.03mmol)を得た。
【0235】
1,4−ジオキサン(11mL)中の化合物801D(2.4g、6.03mmol)の溶液に濃塩酸(11mL)を添加した。反応混合物を80℃で3時間加熱した。酢酸エチル(25mL)および水(25mL)を添加した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の化合物801を白色泡沫状固体として得た(2g、4.8mmol)。MS(LCMS−電子スプレイ)418.1 MH+。
【0236】
実施例101J 化合物(101J):
【化130】
【化131】
【0237】
樹脂結合化合物101B、101C、101D、101E、101Fおよび101Gを、100mgのFmoc−Sieber樹脂(0.035mmol)を用いて開始して固相カップリング反応の一般的手順に従って製造した。樹脂結合化合物101Gを、固相Dess−Martin酸化の一般的手順に従って樹脂結合化合物101Hに酸化した。樹脂結合化合物101Hを、DCM中2%v/vTFA溶液4mLで5分間処理した。濾液を1mLのAcOHに添加し、溶液を真空遠心分離によって濃縮して、化合物J(0.011g、45%収率)を得た。MS(LCMS−電子スプレイ)703.2 MH+。
【0238】
本明細書中上記した固相合成技術を使用して、以下の部分を製造し、以下の式に従って使用した:
【化132】
【0239】
−X:
【化133】
【化134】
【化135】
【化136】
【化137】
【0240】
−P3:
【化138】
【化139】
【0241】
−X1:
【化140】
【0242】
−P2:
【化141】
【0243】
−P1aおよびP1bの一方は−Hであり、他方は以下から選択される:
【化142】
【0244】
−P1’:
【化143】
【0245】
−Z−:
【化144】
【0246】
−P2’:
【化145】
【化146】
【化147】
【0247】
上記の手順を使用して、その活性データとともに添付の表3に列挙する化合物を製造した。
【0248】
さらにその活性データとともに添付の表4に列挙する化合物を製造した。それらの製造を以下に記載する。
【0249】
固体支持体上での表4中の化合物の製造の一般的手順:
固相合成は本発明の特定の化合物の小量生産に有用である。従来のペプチドの固相合成に関して、ペプチジルケトアミドの固相合成用の反応器は、溶媒および溶解された試薬に対しては透過性であるが、選択したメッシュサイズの合成樹脂に対しては透過性ではない少なくとも1つの表面を有する反応容器から構成される。そのような反応器としては、焼結ガラスフリットを有するガラス固相反応容器、フリットを有するポリプロピレンチューブもしくはカラム、またはIrori Inc., San Diego CA製の反応器KansTMが挙げられる。選択する反応器の型は必要とされる固相樹脂の容量に依存し、合成の異なる段階において異なる型の反応器を使用し得る。以下の手順を下記実施例において参照する。
【0250】
手順A:カップリング反応:N−メチルピロリジン(NMP)10〜15mL/g樹脂)中に懸濁した樹脂に、N−FmocまたはN−Bocアミノ酸(2当量)、HOAt(2当量)、HATU(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4当量)を添加した。混合物を4〜48時間反応した。反応物を排出し、樹脂を連続的にジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル(10〜15mL溶媒/g樹脂使用)で洗浄した。次いで、樹脂を真空下で乾燥した。
【0251】
手順B:Fmoc脱保護:Fmoc保護樹脂をジメチルホルムアミド中20%ピペリジン(10mL試薬/g樹脂)で30分間処理した。試薬を排出し、樹脂を連続的にジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル(10mL溶媒/g樹脂使用)で洗浄した。
【0252】
手順C:Boc脱保護:Boc保護樹脂をジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸の1:1混合物で20〜60分間処理した(10mL溶媒/g樹脂)。試薬を排出し、樹脂を連続的にジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド中5%ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミド(10mL溶媒/g樹脂)で洗浄した。
【0253】
手順D:セミカルバゾン加水分解:樹脂をトリフルオロ酢酸:ピルビン酸:ジクロロメタン:水 9:2:2:1からなる切断混合物(10mL/g樹脂)中に2時間懸濁した。反応物を排出し、手順をさらに3回反復した。樹脂を連続的にジクロロメタン、水およびジクロロメタンで洗浄し、真空下で乾燥した。
【0254】
手順E:HF切断:乾燥したペプチド−nVal(CO)−G−O−PAM樹脂(50mg)を、小さなスターバーを含むHF容器中に入れた。アニソール(総容量の10%)を捕捉剤として添加した。グルタミン酸およびシステインアミノ酸の存在下、チオアニソール(10%)および1,2−エタンジチオール(0.2%)も添加した。次いで、HF容器をHF装置(Immuno Dynamics)に取り付け、システムを窒素で5分間フラッシュした。次いで、これをドライアイス/イソプロパノール浴を用いて−78℃に冷却した。20分後、HFを所望の容量まで蒸留した(10mL HF/g樹脂)。反応を1.5時間0℃で進行させた。ワークアップ(work up)は窒素を使用する全てのHFの除去からなった。次いで、ジクロロメタンを樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌した。次いで、水(4mL)中20%酢酸を添加した。20分間撹拌後、樹脂をガラス濾過器を使用して濾過し、ジクロロメタンを減圧下で除去した。残存する溶液をヘキサン(3×)で洗浄して捕捉剤を除去した。一方、樹脂を1mLのメタノールに浸した。水相(20%HOAc)を樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌し、次いで濾過した。メタノールを減圧下で除去し、水相を凍結乾燥した。次いで、ペプチドを10〜25%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸含有)に溶解し、逆相HPLCにより精製した。
【0255】
II)中間体の合成:
実施例I Boc−3−アルキルスルフィニルアラニンの合成:
【化148】
【0256】
0℃のテトラヒドロフラン(30mL)中の水素化ナトリウム(200mmol、800mgの油中60%、ヘキサンで洗浄)の混合物に、アルキルチオール(20mmol、R=Ph、R=1−ナフチル、R=2−ナフチル、R=PhCH2CH2またはR=Et)を10分間にわたって添加した。冷却浴をはずし、撹拌を10分間継続し、その時点でBoc−2S−アミノプロピオニルラクトン(参考文献:Synthetic Communications, (1995) 25(16), 2475-2482)(3.74g、20mmol)を添加した。氷浴を使用して温度が30℃を超えないようにした。反応混合物を室温で16時間撹拌し、濃縮し、次いで1M重硫酸カリウム水溶液(200mL)および1M HCl(40mL)に溶解した。混合物をジクロロメタンで抽出した(2×200mL)。合した有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。残渣を水(200mL)、メタノール(30mL)および炭酸カリウム(40mmol、5.5g)に溶解した。冷却して室温に維持しながらオキソン(21mmol、13.0g)を小分けして添加した。混合物を18時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、メタノールを除去した。溶液を2M重硫酸カリウムを用いて酸性にし(pH=1)、次いで酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合した有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。精製を逆相HPLCを使用して実施した。精製後、生成物を酸塩基抽出によってさらに精製して脱boc化(de-bocylated)物質を除去し、さらなる分解(Boc基の損失)を防止するためにジイソプロピルエチルアンモニウム塩として貯蔵した。
【0257】
実施例II 2−(1−メチルエチル)−7−メチル−オクト−4−エン酸の合成:
【化149】
【0258】
上記の中間体を公開された手順(Wuts, P.G.M.; Ritter, A.R.; Pruitt, L.E. J. Org. Chem. (1992) 57, 6696-6700)に従って合成した。
【0259】
実施例III Fmoc−nV−(dpsc)−Gly−OHの合成(下記工程1〜7)
【化150】
【0260】
工程1 アリルイソシアノアセテートの合成(下記工程a〜b)
a)イソシアノ酢酸カリウム塩の合成:
【化151】
【0261】
エチルイソシアノアセテート(96.6ml、0.88mol)をエタノール(1.5L)および水酸化カリウム(59.52g、1.0mol)の冷却した溶液に滴下した。反応物を徐々に室温に加温した。2時間後、沈殿した生成物を濾過によって採集し、冷エタノールで数回洗浄した。このようにして得られたイソシアノ酢酸のカリウム塩を真空下で乾燥して金褐色固体を得た(99.92g、91.8%)。
【0262】
b)アリルイソシアノアセテートの合成:
【化152】
【0263】
アセトニトリル(810ml)に溶解したaの生成物(99.92g、0.81mol)に、臭化アリル(92ml、1.05mol)を添加した。還流温度で4時間加熱した後、濃褐色溶液を得た。反応混合物を濃縮し、残渣をエーテル(1.5L)に溶解し、水で洗浄した(3×500ml)。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮して、濃褐色シロップを得た。粗物質を7mmHg(98℃)での真空蒸留によって精製して、透明油(78.92g、78%)を得た。NMR ppm(CDCl3):5.9(m,1H)、5.3(m,2H)、4.7(d,2H)、4.25(s,2H)。
【0264】
工程2 9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成(下記工程a〜c)
【化153】
【0265】
a)9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−ノルバリンメチルエステル(Fmoc−nVal−OMe)の合成:
【化154】
【0266】
冷却した無水メタノール(469ml)中の市販のFmoc−L−ノルバリン(25g、73.75mmol)の溶液に、塩化チオニル(53.76ml、737.5mmol)を1時間にわたって添加した。1時間後にとった酢酸エチルでのTLCによって反応の完了を確認した(Rf=0.85)。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム(3×200ml)、次いでブライン(200ml)で洗浄した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮して、Fmoc−norVal−OMeを白色固体として(26.03g)定量的収率で得た。NMR ppm(CD3OD):7.7(m,2H)、7.6(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、4.3(m,2H)、4.1(m,2H)、3.7(s,3H)、1.7(m,1H)、1.6(m,1H)、1.4(m,2H)、0.95(t,3H)。
【0267】
b)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリノール(Fmoc−nValinol)の合成:
【化155】
【0268】
テトラヒドロフラン(123ml)およびメタノール(246ml)中のFmoc−nVal−OMe(26.03g、73.75mmol)に、塩化カルシウム(16.37g、147.49mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ホウ水素化ナトリウム(11.16g、294.98mmol)を数バッチに分けて添加した。得られた濃ペーストに500mlのメタノールを添加し、反応物を室温で90分間撹拌した。2:3 酢酸エチル:ヘキサンでのTLCによって反応の完了を確認した。0℃の水100mlを徐々に添加して反応をクエンチングした。メタノールを減圧下で除去し、残存する水相を酢酸エチルで希釈した。有機相を水(3×500ml)、飽和重炭酸ナトリウム(3×500ml)およびブライン(500ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体を得た(21.70g、90.5%)。NMR ppm(CD3OD):7.8(m,2H)、7.7(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、4.3−4.5(m,2H)、4.2(m,1H)、3.6(s,1H)、3.5(s,2H)、1.5(m,1H)、1.3−1.4(m,3H)、0.99(m,3H)。
【0269】
c)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナール(Fmoc−nVal−CHO)の合成:
【化156】
【0270】
ジクロロメタン(668ml)中のFmoc−ノルバリノール(21.70g、66.77mmol)の溶液に、トリエチルアミン(37.23ml、267mmol)を添加し、溶液を0℃に冷却した。ジメチルスルホキシド(96ml)中のピリジン三酸化イオウ錯体(42.51g、267mmol)の懸濁液を冷却した溶液に添加した。1時間後、2:3 酢酸エチル:ヘキサンでのTLCによって反応の完了を確認した。ジクロロメタンを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水(2×50ml)、1N飽和重硫酸ナトリウム(2×50ml)、飽和重炭酸ナトリウム(2×50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相を濃縮して、白色固体を得た。理論収率(21.57g)を仮定し、反応物をさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0271】
工程3 ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成(下記工程a〜b)
a)Boc−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタンの合成
【化157】
【0272】
ジメチルホルムアミド(225ml)中のカルボニルジイミダゾール(16.2g、0.10mole)の溶液に、ジメチルホルムアミド(225ml)中のtert−ブチルカルバゼート(13.2g、0.100mol)の溶液を30分間にわたって滴下した。次に、ジフェニルメチルアミン(18.3g、0.10mol)を30分間にわたって添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物を減圧下で約150mLに濃縮した。この溶液を水(500mL)中に注ぎ、酢酸エチル(400mL)で抽出した。酢酸エチル相を1N HCl(2×75mL)、H2O(2×75mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×75mL)および塩化ナトリウム(2×75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合物を濾過し、溶液を濃縮して、29.5g(85%収率)の白色泡沫体を得た。この物質は酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって精製することができたが、次の工程に直接使用するに十分な純度であった:mp 142−143℃。1H NMR(CDCl3)d 1.45(s,9H)、6.10(dd,2H)、6.42(s,1H)、6.67(bs,1H)、7.21−7.31(m,10H)。C19H23N3O3についての計算分析値:C,66.84;H,6.79;N,12.31。実測値:C,66.46;H,6.75;N;12.90。
【0273】
b)ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成
【化158】
ジクロロメタン(12.5ml)中のBoc−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタン(3.43g、10mmol)の溶液を、室温でトリフルオロ酢酸(12.5ml)で処理し、30分間撹拌した。溶液を75mLのエーテルに滴下し、生じた固体(2.7g、80%)を濾過によって採集した。mp 182−184℃。1H NMR(CD3OD)d 6.05(s,1H)、7.21−7.35(m,10H)。13C NMR(CD3OD)d 57.6、118.3(q,CF3)、126.7、127.9、141.6、156.9、160.9(q,CH3CO2H)。
【0274】
工程4 Fmoc−nVal−(CHOH)−Gly−Oアリルの合成
【化159】
【0275】
ジクロロメタン(170ml)中のFmoc−nVal−CHO(実施例III、工程2c)(5.47g、16.90mmol)の溶液に、アリルイソシアノアセテート(実施例III、工程1b)(2.46ml、20.28mmol)およびピリジン(5.47ml、67.61mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(3.38ml、33.80mmol)を滴下した。反応物を0℃で1時間、次いで室温で48時間撹拌した。酢酸エチルでのTLCによって反応の完了を確認した。反応混合物を濃縮し、ヘキサン中20%〜70%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーに供した。所望の生成物を含有する画分をプールし、濃縮して、白色泡沫体を得た(6.88g、87.3%)。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによって1つのスポットが示された(Rf=0.37)。NMR ppm(CD3OD):7.8(m,2H)、7.65(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、5.9(m,1H)、5.1−5.4(m,2H)、4.55−4.65(m,2H)、4.3−4.4(m,2H)、4.15−4.25(m,1H)、4.01(s,1H)、3.9−4.0(m,3H)、1.5−1.6(m,2H)、1.35−1.45(m,3H)、0.9(m,3H)。
【0276】
工程5 Fmoc−nVal−(CO)−Gly−Oアリルの合成
【化160】
【0277】
ジメチルスルホキシド(100ml)およびトルエン(100ml)中のFmoc−nVal−(CHOH)−Gly−Oアリル(工程4)(5.01g、10.77mmol)の溶液に、EDC(20.6g、107.7mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ジクロロ酢酸(4.44ml、53.83mmol)を滴下した。反応物を15分間0℃で、1時間室温で撹拌した。水(70ml)を0℃で添加し、トルエンを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、数回飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いで1N 重硫酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。理論収率の4.99gを仮定し、反応物をさらに精製せずに次の工程に使用した。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによって1つのスポットが示された(Rf=0.73)。
【0278】
工程6 Fmoc−nVal−(dpsc)−Gly−Oアリルの合成
【化161】
【0279】
エタノール(130ml)および水(42ml)中のFmoc−nVal−(CO)−Gly−Oアリル(工程5)(4.99g、10.75mmol)の溶液に、ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩(実施例III、工程3b)(7.6g、21.5mmol)および酢酸ナトリウム・3H2O(1.76g、12.9mmol)を添加した。反応混合物を還流温度で90分間加熱した。反応の完了を1:1 酢酸エチル:ヘキサンでの薄層クロマトグラフィーによって確認した。エタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、1N 重硫酸ナトリウム(2×10mL)、飽和重炭酸ナトリウム(2×10mL)およびブライン(2×10mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をヘキサン中20%〜50%酢酸エチルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、白色固体を得た(5.76g、78%)。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによってRf=0.42および0.50の2つのスポット(シスおよびトランス異性体)が示された。
【0280】
工程7 Fmoc−nVal−(dpsc)−Gly−OHの合成
【化162】
【0281】
テトラヒドロフラン(300ml)中のFmoc−nVal−(dpsc)−Gly−Oアリル(実施例III、工程6)(4.53g、6.59mmol)の溶液に、ジメドン(4.62g、32.97mmol)、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)触媒(0.76g、0.66mmol)を添加した。90分後に、反応の完了をTLC(9:1 ジクロロメタン:メタノール)によって確認した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、0.1M 重リン酸カリウム(3×50mL)で洗浄した。次いで、有機相を50ml 重亜硫酸ナトリウムで処理し、2相系を15分間撹拌した。相を分離し、手順をさらに2回反復した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%〜100%酢酸エチル、次いで9:1 ジクロロメタン:メタノール)に供して、白色固体(3.99g、94%)を得た。9:1 ジクロロメタン:メタノールでのTLCによって2つのスポット(シスおよびトランス異性体)が示される。NMRδppm(CD3OD):7.75(m,2H)、7.6(m,3H)、7.2−7.4(m,14H)、6.1−6.2(m,1H)、4.25−4.4(m,2H)、4.1−4.2(m,2H)、3.85(s,2H)、1.6−1.8(m,2H)、1.3−1.5(m,2H)、0.95(t,3H)。
【0282】
実施例IV H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成(下記工程1〜2)
【化163】
工程1 H−Phg−MBHA樹脂の合成
【化164】
【0283】
市販のMBHA樹脂(2.6g、1.12mmol/g、2.91mmol)を、窒素入口を備えた250mLフリット化固相反応容器に移した。次いで、これを30mlのジクロロメタン、メタノール、ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで十分に洗浄し、18時間にわたって市販のFmoc−Phg−OH(2.17g、5.82mmol)に手順Aに従って99.82%の効率でカップリングした。次いで、樹脂を手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対する定性的ニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。
【0284】
工程2 H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化165】
【0285】
上記工程1において得られた樹脂(2.6g、0.8mmol/g、2.91mmol)を、手順Aに従ってFmoc−nVal−(dpsc)−Gly−OH(実施例III、工程7)(5.82mmol、3.77g)と反応させた。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって99.91%のカップリング効率が示された。樹脂を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対する定性的ニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。
【0286】
III)代表的なC型肝炎標的の固相組立て:
実施例V 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の固相合成(下記工程1〜5)
【化166】
【0287】
工程1 Fmoc−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化167】
【0288】
化合物H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(実施例IV、工程2)(1.5g、1.12mmol/g、1.68mmol)を、フリット化ポリプロピレンチューブに移し、手順Aに従ってN−Fmoc−Leu−OH(890mg、2.52mmol)にカップリングした。18時間後、定性的ニンヒドリン分析によって無色のビーズおよび溶液が示された。
【0289】
工程2 Fmoc−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化168】
【0290】
実施例V、工程1において得られた樹脂(Fmoc−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂、1.68mmol)を、手順Bに従ったFmoc脱保護手順に供した。次いで、市販のFmoc−G(Chx)−OH(0.956g、0.2.52mmol)を手順Aに従ってカップリングした。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって98%のカップリング効率が示された。
【0291】
工程3 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化169】
【0292】
実施例V、工程2において得られた樹脂(Fmoc−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対するニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。1mlのNMPに懸濁した樹脂(150mg、0.168mmol)に、3,6−ジフルオロフタル酸無水物(91mg、0.42mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.146ml、84mmol)を添加し、反応混合物を18時間室温で振盪した。定量的ニンヒドリン分析によって、97.8%のカップリング効率が示された。
【0293】
工程4 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化170】
【0294】
実施例V、工程3の化合物(2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(200mg)をセミカルバゾン加水分解手順Dに供した。
【0295】
工程5 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の合成
【化171】
【0296】
実施例V、工程4の樹脂(2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(100mg)を、HF切断条件(手順E)に供して、所望の粗生成物を得た。この物質を、300オングストロームのポアサイズの10ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する2.2×25cm逆相カラムを使用し、水中20〜50%アセトニトリルを使用するグラジエントを用いて溶出するHPLCによって精製した。300オングストロームのポアサイズの5ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する4.6×250mm逆相カラムを使用し、水中10〜60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)を用いて溶出する分析用HPLCによって、17.2分における1つのピークが示された。低解像度質量スペクトルによって所望の質量(MH+ 771.5)が確認された。
【0297】
実施例VI iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal−(CO)−Gly−Phg−NH2の固相合成(下記工程1〜5)
【化172】
工程1 Fmoc−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化173】
【0298】
化合物H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(実施例IV、工程2)(0.17g、0.8mmol/g、0.19mmol)を、フリット化ポリプロピレンチューブに移し、手順Aに従ってBoc−Cys((O2)Et)−OH(実施例I)(160mg、0.38mmol)にカップリングした。18時間後、定量的ニンヒドリン分析によって、カップリングが99.98%完了したことが示された。
【0299】
工程2 Fmoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化174】
【0300】
上記工程(実施例VI、工程1)において得られた樹脂(Boc−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂、0.19mmol)を、手順Cに従うBoc脱保護手順に供した。次いで、Fmoc−G(Chx)−OH(0.170g、0.45mmol)を手順Aに従ってカップリングした。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって、99.92%のカップリング効率が示された。
【0301】
工程3 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化175】
【0302】
上記工程(実施例VI、工程2)で得られた樹脂(Fmoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対するニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。1mlのNMPに懸濁した樹脂(170mg、0.19mmol)に、イソブチルクロロホルメート(0.06mL mg、0.45mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.16ml、0.90mmol)を添加し、反応混合物を18時間室温で振盪した。定量的ニンヒドリン分析によって、99.35%のカップリング効率が示された。
【0303】
工程4 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化176】
【0304】
上記工程(実施例VI、工程3)の化合物、iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(170mg)を、セミカルバゾン加水分解手順Dに供した。
【0305】
工程5 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の合成
【化177】
【0306】
上記工程(実施例VI、工程4)の樹脂(iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(170mg)をHF切断条件(手順E)に供して、所望の粗生成物を得た。この物質を、300オングストロームのポアサイズの10ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する2.2×25cm逆相カラムを使用し、水中20〜50%アセトニトリルを使用するグラジエントを用いて溶出するHPLCによって精製した。300オングストロームのポアサイズの5ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する4.6×250mm逆相カラムを使用し、水中10〜60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)を用いて溶出する分析用HPLCによって、16.94分における1つのピークが示された。低解像度質量スペクトルによって所望の質量(MH+ 737.5)が確認された。
【0307】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ:
分光光度アッセイ:HCVセリンプロテアーゼの分光光度アッセイを、R. Zhang et al, Analytical Biochemistry, 270 (1999) 268-275(出典明示で援用する)に記載の手順に従うことにより本発明の化合物に対して実施した。この色素原性エステル基質のタンパク質分解に基いたアッセイは、HCV NS3プロテアーゼ活性の連続的モニターに適切である。基質をNS5A−NS5B連結配列(Ac−DTEDVVX(Nva)、式中、X=AまたはP)のP側から誘導し、そのC末端カルボキシル基を4種の異なる発色団アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリンまたは4−フェニルアゾフェノール)のうちの1種によりエステル化した。これらの新規分光光度エステル基質の合成、特徴付けおよび高スループットスクリーニングへの適用ならびにHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な反応速度評価を以下に示す。
【0308】
材料および方法:
材料:アッセイ関連バッファー用化学試薬を、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス、ミズーリ)から入手した。ペプチド合成用試薬を、アドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ノヴァバイオケム(Novabiochem)(サンディエゴ、カリフォルニア)、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)(フォスター・シティー、カリフォルニア)およびパーセプティブ・バイオシステムズ(Perseptive Biosystems)(フラミンガム、マサチューセッツ)から入手した。ペプチドを、手動でまたは自動ABIモデル431A合成装置(アプライド・バイオシステムズ)で合成した。UV/VIS分光光度計モデルLAMBDA12を、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)(ノーウォーク、コネティカット)から入手し、96ウェルUVプレートを、コーニング(Corning)(コーニング、ニューヨーク)から入手した。予加温ブロックを、USAサイエンティフィック(USA Scientific)(オカラ、フロリダ)から入手し、96ウェルプレートボルテクサーを、ラブリン・インスツルメンツ(Labline Instruments)(メルローズ・パーク、イリノイ)から入手した。モノクロメータを備えたスペクトラマックスプラス(Spectramax Plus)マイクロタイタープレートリーダーを、モレキュラー・デヴァイス(Molecular Devices)(サニーヴェイル、カリフォルニア)から入手した。
【0309】
酵素の調製:組換えヘテロ二量体HCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)を、以前に公開された手順(D. L. Sali et al, Biochemistry, 37 (1998) 3392-3401)を用いることにより調製した。タンパク質濃度を、アミノ酸分析により事前に定量された組換えHCVプロテアーゼ標準品を用いてバイオラド(Biorad)色素法により測定した。アッセイ開始前に、酵素貯蔵バッファー(50mMリン酸ナトリウム、pH8.0、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシドおよび10mM DTT)を、バイオラドバイオ−スピンP−6プレパックカラム(Biorad Bio-Spin P-6 prepacked column)を利用して、アッセイバッファー(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)に交換した。
【0310】
基質の合成および精製:基質の合成を、R.Zhangら(前出)により報告されたように行い、標準プロトコル(K. Barlos et al, Int. J. Pept. Protein Res., 37 (1991), 513-520)を用いたFmoc−Nva−OHの2−クロロトリチルクロリド樹脂への固定により開始した。次いで、ペプチドをFmoc化学反応を用いて手動でまたは自動ABIモデル431ペプチド合成装置で組立てた。N−アセチル化し完全に保護したペプチドフラグメントを、30分間ジクロロメタン(DCM)中の10%酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)により、または10分間DCM中の2%トリフルオロ酢酸(TFA)により樹脂から切断した。濾液およびDCM洗浄液を合し、共沸蒸発(またはNa2CO3水溶液により反復抽出)して、切断に使用した酸を除去した。DCM相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。
【0311】
標準的な酸−アルコールカップリング手順(K. Holmber et al, Acta Chem. Scand., B33 (1979) 410-412)を用いてエステル基質を組立てた。ペプチドフラグメントを無水ピリジン(30〜60mg/ml)に溶解し、そこに10モル当量の発色団および触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3当量)を添加して、カップリング反応を開始した。生成物の形成をHPLCによりモニターし、室温で12〜72時間反応した後に完了することが見出された。ピリジン溶媒を真空下で蒸発させ、さらにトルエンとの共沸蒸発により除去した。ペプチドエステルを2時間DCM中の95%TFAにより脱保護し、無水エチルエーテルで3回抽出して、過剰の発色団を除去した。30%〜60%のアセトニトリル勾配(6カラム容量を使用)を用いるC3またはC8カラムでの逆相HPLCにより脱保護した基質を精製した。HPLC精製後の全体収率は約20〜30%であった。電子スプレイイオン化質量分光法により分子量を確認した。基質を乾燥下乾燥粉末形態で貯蔵した。
【0312】
基質および生成物のスペクトル:基質および対応する発色団生成物のスペクトルを、pH6.5アッセイバッファー中に得た。複数の希釈液を用いて1cmキュベット中での最適オフピーク波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光係数を決定した。最適オフピーク波長を、基質と生成物との間の吸光度差の分数の最大値(生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長として定義した。
【0313】
プロテアーゼアッセイ:HCVプロテアーゼアッセイを、96ウェルマイクロタイタープレート中で200μlの反応混合物を用いて30℃で実施した。アッセイバッファー条件(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)を、NS3/NS4Aヘテロ二量体用に最適化した(D.L.Sali et al.、前出)。代表的には、バッファー、基質および阻害剤の混合物150μlをウェルに入れ(DMSOの終濃度 4%(v/v))、約3分間30℃でプレインキュベートした。次いで、予加温したアッセイバッファー中のプロテアーゼ(12nM、30℃)50μlを使用して、反応を開始した(最終容量200μl)。モノクロメータを備えたスペクトロマックスプラスマイクロタイタープレートリーダーを用いて(カットオフフィルターを利用するプレートリーダーを用いて許容される結果を得ることができる)、適切な波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光度の変化についてアッセイ期間(60分間)にわたってプレートをモニターした。Nvaと発色団との間のエステル結合のタンパク質分解切断を、非酵素的加水分解についてのコントロールとしての無酵素ブランクに対し適切な波長でモニターした。基質反応速度パラメーターの評価を、30倍の基質濃度範囲(約6〜200μM)にわたって実施した。線形回帰を用いて初速度を測定し、非線形回帰分析(Mac Curve Fit 1.1、K.Raner)を用いてミカエリス−メンテンの式にデータを適合させることにより反応速度定数を得た。酵素が完全に活性であると想定して代謝回転数(kcat)を計算した。
【0314】
阻害剤および不活化剤の評価:競合阻害剤Ac−D−(D−Gla)−L−I−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHについての阻害定数(Ki)を、競合阻害反応速度用に再調整したミカエリス−メンテンの式:v0/vi=1+[I]0/(Ki(1+[S]0/Km))(式中、v0は非阻害初速度であり、viはいずれかの所定の阻害剤濃度([I]0)における阻害剤の存在下における初速度であり、[S]0は使用した基質濃度である)に従ってv0/vi対阻害剤濃度([I]0)をプロットすることにより、酵素および基質の固定濃度において実験的に決定した。得られたデータを線形回帰を用いて適合させ、得られた傾き、1/(Ki(1+[S]0/Km)を用いてKi*値を計算した。
【0315】
本発明の種々の化合物について得られたKi*値を上記の表に示す。表中、化合物はKi*値の範囲の順に配列されている。これらの試験結果から、当業者にとって、本発明の化合物がNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた有用性を有することは明らかである。
【0316】
本発明を上記の特定の実施態様に関して記載したが、その多くの改変、変形およびその他の変更は当業者にとって明白である。そのような全ての改変、変形および変更は、本発明の精神および範囲内に含まれるものとする。
【0317】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【0318】
【表27】
【表28】
【0319】
【表29】
【表30】
【表31】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤、1種以上の該阻害剤を含有する医薬組成物、該阻害剤の製造方法ならびにC型肝炎および関連障害を処置するための該阻害剤の使用方法に関する。詳細には、本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての新規ペプチド化合物を開示する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)の主たる病原体として関連付けられている(+)−センス一本鎖RNAウイルスである(特許文献1および特許文献2参照)。NANBHは、他の型のウイルス誘発性肝臓疾患、例えばA型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ型肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプスタイン−バールウイルス(EBV)に誘発されるもの、ならびに他の形態の肝臓疾患、例えばアルコール中毒および原発性胆汁性肝硬変とは区別される。
【0003】
近年、ポリペプチドプロセシングおよびウイルス複製に必要なHCVプロテアーゼが同定され、クローン化され、発現された(例、特許文献3参照)。この約3000アミノ酸のポリタンパク質は、アミノ末端からカルボキシ末端へ、ヌクレオキャプシドタンパク質(C)、エンベロープタンパク質(E1およびE2)ならびにいくつかの非構造タンパク質(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は、HCVゲノムの約1893ヌクレオチドによりコードされる、約68kdaのタンパク質であり、2つの異なるドメイン:(a)N末端アミノ酸の約200個からなるセリンプロテアーゼドメイン;および(b)タンパク質のC末端のRNA依存性ATPaseドメインを有する。NS3プロテアーゼは、タンパク質配列、全体的三次元構造および触媒機構が類似していることから、キモトリプシンファミリーのメンバーであると考えられている。他のキモトリプシン様酵素は、エラスターゼ、第Xa因子、トロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部におけるポリペプチド(ポリタンパク質)のタンパク質分解を担っており、従ってウイルス複製中の4種のウイルスタンパク質の生成を担っている。このため、HCV NS3セリンプロテアーゼは抗ウイルス化学療法にとって魅力的な標的となっている。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4aタンパク質がNS3のセリンプロテアーゼ活性の補因子であることが決定されている。NS3/NS4aセリンプロテアーゼによるNS3/NS4a連結部の自己切断は分子内(すなわち、シス)で生じ、他の切断部位は分子間(すなわち、トランス)でプロセシングされる。
【0005】
HCVプロテアーゼの天然の切断部位の分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在ならびにこれらの残基がNS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部で厳密に保存されていることが明らかにされた。NS3/NS4a連結部は、P1においてスレオニンを、P1’においてセリンを含む。NS3/NS4aでのCys→Thrの置換は、この連結部におけるトランスではなくシスのプロセシングの要件の説明となると想定されている。例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。NS3/NS4a切断部位はまた、他の部位よりも突然変異誘発に寛容性である。例えば非特許文献3参照。また、切断部位の上流領域における酸性残基が効率的な切断に必要とされることが見出されている。例えば、非特許文献4参照。
【0006】
報告されたHCVプロテアーゼの阻害剤としては、抗酸化剤(特許文献4参照)、特定のペプチドおよびペプチドアナログ(特許文献5、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7参照)、70アミノ酸のポリペプチドであるエグリンcに基いた阻害剤(非特許文献8)、ヒト膵臓分泌性トリプシンインヒビター(hPSTI−C3)およびミニボディーレパートリー(MBip)から親和性選択された阻害剤(非特許文献9)、CVHE2(「ラクダ化(camelized)」可変領域抗体フラグメント)(非特許文献10)およびα1−アンチキモトリプシン(ACT)(非特許文献11)が挙げられる。C型肝炎ウイルスRNAを選択的に破壊するように設計されたリボザイムが近年開示された(非特許文献12参照)。
【0007】
また、PCT公開、特許文献5(1998年4月30日公開、ヴァーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド(Vertex Pharmaceuticals Incorporated))、特許文献6(1998年5月28日公開、エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチエンゲセルシャフト(F. Hoffmann-La Roche AG))、および特許文献7(1999年2月18日公開、ベーリンガー・インゲルハイム・カナダ・リミテッド(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.))も参照のこと。
【0008】
HCVは、肝硬変および肝細胞癌の誘発に関連付けられている。HCV感染に罹患した患者の予後は、現時点では芳しくない。HCV感染は、HCV感染に伴う免疫または緩解の欠如のために、他の形態の肝炎よりも処置が困難である。最新データは、硬変診断後4年目での生存率が50%未満であることを示している。切除可能な限局性肝細胞癌と診断された患者が10〜30%の5年生存率を有するのに対し、切除不能な限局性肝細胞癌の患者は5年生存率が1%未満である。
【0009】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環式アナログの合成を記載する非特許文献13を参照のこと。そこに記載される化合物は以下の式を有する:
【化1】
【0010】
特定のアリルおよびエチル官能基を含む特定のα−ケトアミド、α−ケトエステルおよびα−ジケトンの製造を記載する非特許文献14も参照のこと。
【0011】
また、式:
【化2】
で示されるペプチド誘導体を開示する特許文献8(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド(Boehringer Ingelheim Limited)、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化3】
また、式:
【化4】
で示されるペプチド誘導体を開示する特許文献9(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化5】
【0012】
C型肝炎の現行治療法としては、インターフェロン−α(INFα)およびリバビリンとインターフェロンとの併用療法が挙げられる。例えば、非特許文献15参照。これらの治療法には、低い持続応答率および頻繁な副作用という問題点がある。例えば、非特許文献16参照。現時点では、HCV感染に利用可能なワクチンは無い。
【0013】
継続および同時継続中の米国特許出願第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)、同第09/−−−号(−−−出願)および同第09/−−−号(−−−出願)は、C型肝炎ウイルスのNS−3セリンプロテアーゼの阻害剤としての種々の型のペプチドを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第WO89/04669号
【特許文献2】欧州特許出願公開第EP381216号
【特許文献3】米国特許第5712145号
【特許文献4】国際公開第WO98/14181号
【特許文献5】国際公開第WO98/17679号
【特許文献6】第WO98/17679号
【特許文献7】第WO98/22496号
【特許文献8】第WO99/07734号
【特許文献9】第WO00/09558号
【特許文献10】第WO00/09543号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Pizzi et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci (USA) 91:888-892
【非特許文献2】Failla et al. (1996) Folding & Design 1:35-42
【非特許文献3】Kollykhalov et al. (1994) J. Virol. 68:7525-7533
【非特許文献4】Komoda et al. (1994) J. Virol. 68:7351-7357
【非特許文献5】Landro et al. (1997) Biochem. 36:9340-9348
【非特許文献6】Ingallinella et al. (1998) Biochem. 37:8906-8914
【非特許文献7】Llinas-Brunet et al. (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1713-1718
【非特許文献8】Martin et al. (1998) Biochem. 37:11459-11468
【非特許文献9】Dimasi et al. (1997) J.Virol. 71:7461-7469
【非特許文献10】Martin et al.(1997) Protein Eng. 10:607-614
【非特許文献11】Elzouki et al. (1997) J. Hepat. 27:42-28
【非特許文献12】BioWorld Today 9(217): 4(1998年11月10日)
【非特許文献13】A. Marchetti et al, Synlett, S1, 1000-1002 (1999)
【非特許文献14】W. Han et al, Bioorganic & Medicinal Chem. Lett, (2000) 10, 711-713
【非特許文献15】Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98-112
【非特許文献16】Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
HCV感染のための新たな処置および治療法が要望されている。従って、本発明の目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善するのに有用な化合物を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善する方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、本明細書に提供される化合物を用いて、セリンプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性を調節する方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、本明細書に提供される化合物を用いてHCVポリペプチドのプロセシングを調節する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、その多くの実施態様において、新規クラスのHCVプロテアーゼの阻害剤、1種以上の該化合物を含有する医薬組成物、1種以上の該化合物を含有する医薬処方物の製造方法、およびC型肝炎の症状の1つ以上を処置、予防または改善する方法を提供する。また、HCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法も提供する。本明細書中に提供される化合物の中で、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。本願はP3からP2’までのアミノ酸配列を含むペプチド化合物を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
その第一の実施態様において、本発明は、式I:
【化6】
[式中、
G、JおよびYは独立してH、アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アルキル−アリールオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノまたはヘテロシクロアルキルアミノ部分から選択され、所望によりYはX11またはX12で置換されてもよく;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、所望によりX11はさらにX12で置換されてもよく;
X12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、アルキル、アルコキシおよびアリールは所望によりX12から選択される部分でさらに置換されてもよく;
R1はCOR5またはB(OR)2であり、R5はH、OH、OR8、NR9R10、CF3、C2F5、C3F7、CF2R6、R6またはCOR7であり、R7はH、OH、OR8、CHR9R10またはNR9R10であり、R6、R8、R9およびR10は独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、CH(R1’)COOR11、CH(R1’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)R’、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)COOR11およびCH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CONR12R13からなる群より選択され、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R11、R12、R13およびR’は独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アリール−アルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
Zは、O、NまたはCHから選択され;
Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSO2から選択され;
R、R2、R3およびR4は独立してH;C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ;酸素、窒素、硫黄およびリン原子(該酸素、窒素、硫黄またはリン原子の数は0〜6である);(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル(ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を含む);アリール;ヘテロアリール;アルキル−アリールおよびアルキル−ヘテロアリールからなる群より選択され;
ここでアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルホンアミド、スルホキシド、スルホン、スルホニルウレア、ヒドラジドおよびヒドロキシメートからなる群より選択される1個以上の部分での所望による化学的に適切な置換をいう]
で示される化合物を提供する。
【0022】
式Iの種々の部分についての上記の定義の中で種々の部分についての好ましい基は以下のとおりである:
R1についての好ましい定義はCOR5であり、R5がH、OH、COOR8またはCONR9R10であり、R8、R9、R10は上記で定義したとおりである。R1についての好ましい部分はCOCONR9R10であり、R9がHであり、R10がH、CH(R1’)COOR11、CH(R1’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13またはCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)である。これらの中で、R10についての好ましい部分はCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)であり、R1’はHまたはアルキル、ヘテロアルキルであり、R2’は、フェニル、置換フェニル、ヘテロ原子置換フェニル、チオフェニル、シクロアルキル、ヘテロ原子置換シクロアルキル、ピペリジルおよびピリジルである。より好ましい部分は以下のとおりである:R1’がHであり、R11がHまたはtert−ブチルであり;R’がヒドロキシメチルであり;R2’が以下からなる群より選択され:
【化7】
式中、
U1およびU2は同じでもよくまたは異なってもよく、H、F、CH2COOH、CH2COOMe、CH2CONH2、CH2CONHMe、CH2CONMe2、アジド、アミノ、ヒドロキシル、置換アミノ、置換ヒドロキシルからなる群より選択され;
U3およびU4は同じでもよくまたは異なってもよく、OまたはSであり;
U5はアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組合せからなる部分より選択され;
NR12R13は以下からなる群より選択され:
【化8】
式中、U6はH、OHまたはCH2OHである。
【0023】
R2についての好ましい部分は以下のとおりである:
【化9】
【0024】
R3についての好ましい部分は以下のとおりである:
【化10】
式中R31=OHまたはO−アルキルである。
【0025】
さらに、R3は以下によっても表され得る:
【化11】
Y19は以下の部分より選択される:
【化12】
さらに、R3は以下によって表され得る:
【化13】
Y20は以下の部分より選択される:
【化14】
【0026】
さらに好ましいR3についての部分は以下のとおりである:
【化15】
【0027】
さらに、R4が存在しない式I中の部分Z−C−R3は以下の構造によって表され得る:
【化16】
および
【化17】
【0028】
いくつかのその他の好ましい部分は以下のとおりである:ZがNであり、R4がHであり、WがC=OまたはSO2である。Yについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化18】
式中、Y11はH、COOH、COOEt、OMe、Ph、OPh、NHMe、NHAc、NHPh、CH(Me)2、1−トリアゾリル、1−イミダゾリルおよびNHCH2COOHから選択され;
Y12はH、COOH、COOMe、OMe、F、ClまたはBrから選択される。
【0029】
Yはまた以下によって表され得:
【化19】
式中、Y13は以下の部分から選択され:
【化20】
Y14はMeSO2、Ac、Boc、iBoc、CbzまたはAllocから選択される。
【0030】
Yについてのさらなる好ましい構造は以下のとおりである:
【化21】
式中、Y15およびY16は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してアルキル、アリールもしくはヘテロアルキルまたはヘテロアリールから選択される。
【0031】
Yについてのさらなる例は以下のとおりである:
【化22】
【化23】
【化24】
式中、Y17はCF3、NO2、CONH2、OH、COOCH3、OCH3、OC6H5、C6H5、COC6H5、NH2またはCOOHであり;
Y18はCOOCH3、NO2、N(CH3)2、F、OCH3、CH2COOH、COOH、SO2NH2またはNHCOCH3である。
【0032】
Jについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化25】
【0033】
Gについての好ましい部分は以下のとおりである:
【化26】
【化27】
【0034】
特記しない場合、本明細書において用いる技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。従って、例えば、用語アルキル(アルコキシのアルキル部分を含む)は、1〜8個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、単一原子の除去により直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導される1価の基をいう。
【0035】
アリール − 6〜14個の炭素原子を有し、少なくとも1個のベンゼノイド環を有する炭素環式基を表し、炭素環式基の全ての利用可能な置換可能芳香族炭素原子が可能な結合点として意図される。好ましいアリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルおよびインダニル、特にフェニルおよび置換フェニルが挙げられる。
【0036】
アラルキル − 低級アルキルを介して結合したアリール基を含む部分を表す。
【0037】
アルキルアリール − アリール基を介して結合した低級アルキルを含む部分を表す。
【0038】
シクロアルキル − 所望により置換されてもよい、3〜8個、好ましくは5または6個の炭素原子を有する飽和炭素環式環を表す。
【0039】
複素環 − 下記で定義するヘテロアリール基に加えて、1個の環または2個の縮合した環からなる炭素環式環構造を中断する少なくとも1個のO、Sおよび/またはN原子を有する飽和および不飽和環式有機基であって、各環が5、6または7員環であり、非局在化パイ電子を欠く二重結合を有してもよく有しなくてもよく、環構造が2〜8個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する、例えば2−もしくは3−ピペリジニル、2−もしくは3−ピペラジニル、2−もしくは3−モルホリニル、または2−もしくは3−チオモルホリニルである基を表す。
【0040】
ハロゲン − フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0041】
ヘテロアリール − 炭素環式環構造を中断する少なくとも1個のO、Sおよび/またはN原子を有し、芳香族特性を与えるのに十分な数の非局在化パイ電子を有する環式有機基であって、芳香族複素環式基が2〜14個、好ましくは4または5個の炭素原子を有し、例えば2−、3−もしくは4−ピリジル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、2−もしくは4−イミダゾリル、2−、4−もしくは5−ピリミジニル、2−ピラジニル、または3−もしくは4−ピリダジニル等である基を表す。好ましいヘテロアリール基は、2−、3−および4−ピリジルである。そのようなヘテロアリール基はまた所望により置換されてもよい。さらに、特記しない場合、用語「置換もしくは非置換」または「所望により置換」は、主題の部分が所望により、化学的に適切に、R12またはR13に属する部分で置換されることをいう。
【0042】
また、式Iで示される化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の光学異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物および誘導体も本発明に包含される。
【0043】
本発明のさらなる特徴は、医薬上許容される担体または賦形剤と一緒に有効成分として式Iで示される化合物(またはその塩、溶媒和物もしくは異性体)を含有する医薬組成物である。
【0044】
本発明はまた、式Iで示される化合物の製造方法、ならびに例えばHCVおよび関連障害のような疾患の処置方法を提供する。これらの処置方法は、上記疾患(単数または複数)に罹患している患者に治療有効量の式Iで示される化合物、または式Iで示される化合物を含有する医薬組成物を投与する工程を包含する。
【0045】
また、HCVおよび関連障害処置用医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も開示する。
【0046】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
1つの実施態様において、本発明は、HCVプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての式Iで示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を開示する(式中、種々の部分は上記で定義したとおりである)。
【0047】
優れたHCVプロテアーゼ阻害活性を示す本発明の代表的な化合物を、その活性(nMでのKi*値の範囲)とともに表1に列挙する。
【0048】
表1:化合物およびHCVプロテアーゼ連続アッセイ結果
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
HCV連続アッセイKi*範囲:
カテゴリー A=0〜100;B=101〜1000;C=>1000nM。
【0049】
いくつかの型の本発明の化合物および式Iで示される種々の型の本発明の化合物の合成方法を以下に記載し、概説し、例示的な実施例を記載する。
【0050】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
R=Me
R=ベンジル
【化34】
X=OtBu
X=OH
X=NH2
X=NMeOMe
X=NMe2
【化35】
X=OtBu
X=OH
【化36】
【化37】
X=H、Y=tBu;X=tBu、Y=H
【化38】
R=プロパルギル
R=アリル
【化39】
X=Ot−ブチル
X=OH
【化40】
【化41】
X=Otブチル
X=OH
【化42】
X=Otブチル
X=OH
X=NMe2
【化43】
X=OtBu
X=OH
【化44】
R=tBu
R=H
R=Me
【化45】
X=H、Y=COOH
X=COOH、Y=H
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【0051】
構造に依存して、本発明の化合物は、有機もしくは無機酸、または有機もしくは無機塩基と医薬上許容される塩を形成し得る。そのような塩の形成に適切な酸の例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸が挙げられる。塩基との塩の形成については、適切な塩基は、例えば、NaOH、KOH、NH4OH、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどである。
【0052】
別の実施態様において、本発明は、本発明のペプチドを有効成分として含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、一般にさらに医薬上許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書において担体物質と総称する)を含む。それらのHCV阻害活性のために、そのような医薬組成物は、C型肝炎および関連障害の処置において有用性を有する。
【0053】
さらに別の実施態様において、本発明は、有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物の製造方法を開示する。本発明の医薬組成物および方法において、有効成分は、代表的には意図される投与形態、すなわち経口錠剤、カプセル(固体充填、半固体充填または液体充填)、構成用散剤、経口ゲル、エリキシル、分散性顆粒、シロップ、懸濁液などに関連して適切に選択され、通常の薬学の慣例に合致した適切な担体物質と混合して投与される。例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与については、活性薬物成分を、いずれかの経口用の非毒性の医薬上許容される不活性担体、例えばラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、滑石、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)などと組み合わせてもよい。さらに、所望または要求される場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み入れてもよい。散剤および錠剤は、本発明の組成物を約5〜約95%含み得る。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびロウが挙げられる。滑沢剤の中で、これらの投与形態に用いられるものとしては、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどに言及し得る。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、グアーガムなどが挙げられる。
【0054】
甘味料および着香料ならびに保存剤もまた、適切であれば含めてもよい。上記の用語のいくつか、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤などについては以下でより詳細に記載する。
【0055】
さらに、本発明の組成物を、いずれかの構成成分または有効成分の1種以上の速度制御放出を提供して、治療効果、すなわちHCV阻害活性などを最適化するように、持続放出形態で製剤化してもよい。持続放出に適切な投与形態としては、種々の崩壊速度の層または有効成分を含浸させた制御放出ポリマーマトリックスを含有し錠剤形態に成形された層状錠剤、またはそのような含浸または被包された多孔質ポリマーマトリックスを含有するカプセルが挙げられる。
【0056】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例として、非経口注射用の、または経口溶液、懸濁液およびエマルジョンの甘味料および鎮静物の添加用の水または水−プロピレングリコール溶液に言及し得る。液体形態調製物はまた、鼻腔内投与用溶液を包含し得る。
【0057】
吸入に適切なエーロゾル調製物は、溶液および粉末形態の固体を包含し得、これを不活性圧縮気体(例えば、窒素)のような医薬上許容される担体と組合せてもよい。
【0058】
坐剤の製造については、まず低融点ロウ、例えば脂肪酸グリセリドの混合物(例えば、ココアバター)を溶解し、そして攪拌または同様な混合によりそこに有効成分を均一に分散させる。次いで、融解した均一の混合物を好適な大きさの鋳型中に注ぎ、放冷することにより固化させる。
【0059】
また、使用直前に経口または非経口投与用液体形態調製物に変換することを意図した固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0060】
本発明の化合物はまた、経皮送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、ローション、エーロゾルおよび/またはエマルジョンの形態を取り得、この目的で当該分野において慣習的であるように、マトリックスまたはレザーバー型の経皮パッチに含めることができる。
【0061】
好ましくは、化合物は経口、静脈内または皮下投与される。
【0062】
好ましくは、医薬調製物は単位投与形態をとる。そのような形態では、調製物は、適量、例えば所望の目的を達成するのに有効な量の有効成分を含有する適切なサイズの単位用量に小分けされる。
【0063】
単位用量の調製物中の本発明の活性組成物の量は、特定の適用に従い、一般的には約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、好ましくは約1.0から約950ミリグラム、より好ましくは約1.0〜約500ミリグラム、そして代表的には約1〜約250ミリグラムの範囲で変動または調整し得る。用いられる実際の投与量は、患者の年齢、性別、体重および処置される病状の重篤さに依存して変動し得る。そのような技術は当業者に周知である。
【0064】
一般的に、有効成分を含有するヒト経口投与形態を、1日当たり1または2回投与し得る。投与の量および頻度は、主治医の判断に従って調節される。経口投与用に一般的に推奨される一日投与養生法は、単回または分割用量で、一日当たり約1.0ミリグラムから約1000ミリグラムの範囲であり得る。
【0065】
いくつかの有用な用語を以下に記載する。
【0066】
カプセル − 有効成分を含む組成物を保持または含有させるためのメチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンもしくはデンプンで作製された特殊な容器または封入物をいう。代表的には、硬カプセルは比較的高いゲル強度の骨およびブタ皮膚ゼラチンの混合物から作製される。カプセルそれ自体は小量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存剤を含んでもよい。
【0067】
錠剤 − 適切な希釈剤と共に有効成分を含有する圧縮または成形された固体投与形態をいう。錠剤は、湿式造粒、乾式造粒または圧縮により得られた混合物または造粒物の圧縮により製造することができる。
【0068】
経口ゲル − 親水性半固体マトリックス中に分散または可溶化された有効成分をいう。
【0069】
構成用散剤は、水またはジュース中に懸濁し得る有効成分および適切な希釈剤を含有する粉末混合物をいう。
【0070】
希釈剤 − 組成物または投与形態の主な部分を通常構成する物質をいう。適切な希釈剤としては、糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;ならびにセルロース(例えば、微晶性セルロース)が挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、全組成物重量に対し約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75重量%、より好ましくは約30〜約60重量%、よりさらに好ましくは約12〜約60重量%の範囲であり得る。
【0071】
崩壊剤 − 組成物に添加して、その分解(崩壊)を補助し、医薬を放出させる物質をいう。適切な崩壊剤としては、デンプン;「冷水可溶性」修飾デンプン(例えば、カルボキシメチルデンプンナトリウム);天然および合成ゴム(例えば、イナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);微晶性セルロースおよび架橋微晶性セルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム(sodium croscarmellose));アルギネート(例えば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム);粘土(例えば、ベントナイト);ならびに発泡性混合物が挙げられる。組成物中の崩壊剤の量は、組成物重量に対し約2〜約15重量%、より好ましくは約4〜約10重量%の範囲であり得る。
【0072】
結合剤 − 粉末を一緒に結合または「接着」させ、処方物中で顆粒を形成させ、従って「接着剤」として作用することによりそれらを粘着性にする物質をいう。結合剤は、既に希釈剤または増量剤において得られる粘着強度を追加する。適切な結合剤としては、糖類(例えば、スクロース);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;天然ゴム(例えば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント);海藻誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムアンモニウム);セルロース物質(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリビニルピロリドン;ならびに無機物(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)が挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物重量に対して約2〜約20重量%、より好ましくは約3〜約10重量%、さらに好ましくは約3〜約6重量%の範囲であり得る。
【0073】
滑沢剤 − 投与形態に添加して、圧縮後に、摩擦または摩損を低下させることにより、錠剤、顆粒などの鋳型またはダイからの放出を可能にする物質をいう。適切な滑沢剤としては、金属ステアレート(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ロウ;ならびに水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd'l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、顆粒の表面およびそれらの中間ならびにタブレット成形機のパーツに存在しなければならないので、通常は圧縮前の最終工程で加えられる。組成物中の滑沢剤の量は、組成物重量に対して約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%、より好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であり得る。
【0074】
滑剤 − 流れが円滑かつ一様になるように、ケーキングを防止し、造粒物の流動特性を改善する物質。適切な滑剤としては、二酸化珪素および滑石が挙げられる。組成物中の滑剤の量は、全組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であり得る。
【0075】
着色剤 − 組成物または投与形態に彩色を施す賦形剤。そのような賦形剤は、食品用色素、および適切な吸着剤(例えば、粘土または酸化アルミニウム)に吸着させた食品用色素を包含し得る。着色剤の量は、組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲で変動し得る。
【0076】
生物学的利用能 − 標準または対照と比較した場合の、活性薬物成分または治療的部分が投与された投与形態から全身的循環に吸収される速度および程度をいう。
【0077】
慣習的な錠剤の製造方法は公知である。そのような方法としては、乾式方法(例えば、直接圧縮および圧縮により生成された造粒物の圧縮)、または湿式方法もしくは他の特殊な手順が挙げられる。例えばカプセル、坐剤などの他の投与形態の慣習的な製造方法もまた周知である。
【0078】
本発明の別の実施態様は、例えばC型肝炎などの疾患の処置のための、上記医薬組成物の使用を開示する。この方法は、そのような疾患を有するかまたはそのような処置を必要とする患者に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与する工程を包含する。
【0079】
さらに別の実施態様において、本発明の化合物をヒトにおけるHCVの処置のために、単独療法様式または併用療法様式(例えば、リバビリンのような抗ウイルス剤および/またはα−インターフェロンのようなインターフェロンとの組合せなど)で使用し得る。
【0080】
上記のように、本発明はまた、化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の立体異性体を包含する。すなわち、当業者には理解されるように、本発明の化合物のいくつかは適切な異性体形態で存在し得る。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0081】
本発明の別の実施態様は、本明細書に開示される化合物の製造方法を開示する。これらの化合物は、当該分野において公知のいくつかの技術により製造され得る。代表的な例示的な手順を下記反応スキームで概説する。下記の例示的なスキームには、いくつかの代表的な本発明の化合物の製造が記載されているが、天然および非天然の両方のアミノ酸のいずれかの適切な置換により、そのような置換に基いた所望の化合物が形成されることを理解すべきである。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0082】
下記のスキーム、製造および実施例の記載で使用される略語は以下の通りである:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
DEC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1'−(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
PyBrOP:ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Bn:ベンジル
Bzl:ベンジル
Et:エチル
Ph:フェニル
iBoc:イソブトキシカルボニル
iPr:イソプロピル
tBuまたはBut:tert−ブチル
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cp:シクロペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
THP:テトラヒドロピラニル
iBoc:イソブチルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
【0083】
一般的製造スキーム
以下のスキームは中間体ビルディングブロックの合成方法を記載する:
【化54】
【化55】
【化56】
【実施例】
【0084】
中間体の製造:
製造例1
工程A:化合物(1.1)
【化57】
【0085】
−20℃で撹拌中のDMF(15mL)およびCH2Cl2(15mL)中の化合物(1.08)(3.00g、12.0mmol;Harbeson, S.L.; Albelleira, S.M.,; Akiyama, A.; Barrett, R.; Carroll, R.M.; et al.; J.Med.Chem.; 37 (18) 1994; 2918-2929;)の溶液に、HOOBt(1.97g、12.0mmol)、N−メチルモルホリン(4.0mL、36.0mmol)およびEDCl(2.79g、14.5mmol)を添加し、10分間撹拌し、次いでHCl・H2N−Gly−OBn(2.56g、13.0mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で2時間撹拌し、一晩冷蔵し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc(150mL)で希釈した。次いで、このEtOAc溶液を2回飽和NaHCO3、H2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.09)(4.5g、94%)を得た。LRMS m/z MH+=395.1。
【0086】
工程B:化合物(1.1)
【化58】
【0087】
無水エタノール(300mL)中の化合物(1.09)(7.00g、17.8mmol)の溶液を室温で、水素雰囲気下、Pd−C(300mg、10%)の存在下で撹拌した。反応の進行をtlcによってモニターした。2時間後、混合物をceliteパッドを通して濾過し、得られた溶液を真空下で濃縮して、化合物(1.1)(5.40g、定量的)を得た。LRMS m/z MH+=305.1。
【0088】
製造例2
工程A 化合物(1.3)
【化59】
【0089】
製造例1、工程Bからの化合物(1.1)(1当量)、化合物(1.2)(Novabiochem, No. 04-12-5147)(1.03当量)、HOOBt(1.03当量)、N−メチルモルホリン(2.2当量)およびジメチルホルムアミド(70mL/g)の混合物を−20℃で撹拌した。EDCl(1.04当量)を添加し、反応物を48時間撹拌した。反応混合物を5%KH2PO4水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2×)。合した有機物を冷5%K2CO3水溶液、次いで5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機相を無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、次いで蒸発させ、濾液を真空下で乾燥し、残渣をEt2O−ヘキサンで粉砕し、濾過して、表題化合物(1.3)を得た(86%、収率)C25H39N3O7(493.60)、質量スペクトル(FAB)M+1=494.3。
【0090】
工程B 化合物(1.4)
【化60】
【0091】
製造例2、工程Aからの化合物(1.3)(3.0g)を4N HCl/ジオキサン(36mL)で処理し、室温で7分間撹拌した。混合物を1.5Lの冷(5℃)ヘキサン中に注ぎ、撹拌し、次いで0℃で0.5時間放置した。混合物を乾燥雰囲気中で吸引濾過し、採集した固体をさらに乾燥して、表題化合物(1.4)を得た(2.3g、88%収率)、C20H31N3O5・HCl、H1 NMR(DMSO−d6/NaOD)δ7.38(m,5H)、5.25(m,1H)、4.3−4.1(m,1H)、3.8(m,2H)、3.4−3.3(m,HDOにより不明瞭)、1.7−1.1(m,4H)、1.35(s,9H)、0.83(m,3H)。
【0092】
製造例3
化合物(1.5)
【化61】
【0093】
製造例2、工程Aからの化合物(1.3)を下記製造例7、工程Aと本質的に同様に処理して、化合物(1.5)を得た。
【0094】
製造例4
化合物(1.6)
【化62】
【0095】
製造例3からの化合物(1.5)を製造例2、工程Bと本質的に同様に処理して、化合物(1.6)を得た。
【0096】
製造例5
工程A 化合物(2.09)
【化63】
【0097】
−20℃の無水DMF(200mL)およびCH2Cl2(150mL)中のジメチルアミンヒドロクロリド(1.61g、19.7mmol)、N−Boc−フェニルグリシン、化合物2.08(4.50g、17.9mmol、Bachem Co. # A-2225)、HOOBt(3.07g、18.8mmol)およびEDCl(4.12g、21.5mmol)の溶液に、NMM(5.90mL、53.7mmol)を添加した。この温度で30分間撹拌した後、反応混合物を冷凍庫中に一晩(18時間)維持した。次いで、これを室温に加温し、EtOAc(450mL)、ブライン(100mL)および5%H3PO4(100mL)を添加した。相を分離した後、有機相を5%H3PO4(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮して、化合物(2.09)(4.86g)を白色固体として得た。これをさらに精製せずに使用した。
【0098】
工程B 化合物(2.1)
【化64】
【0099】
製造例5、工程Aからの化合物(2.09)(4.70g、粗)を4N HCl(60mL、240mmol)に溶解し、得られた溶液を室温で撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターした。4時間後、溶液を真空下で濃縮して、化合物(2.1)を白色固体として得た。これを次の反応においてさらに精製せずに使用した。LRMS m/z MH+=179.0.
【0100】
製造例6
工程A 化合物(2.2)
【化65】
【0101】
製造例2、工程Aと本質的に同様にし、フェニルグリシンt−ブチルエステルヒドロクロリドの代わりにフェニルグリシンN,N−ジメチルアミドヒドロクロリドを使用して、化合物(2.2)を製造した。質量スペクトル(FAB)M+1=465.3。
【0102】
工程B 化合物(2.3)
【化66】
【0103】
工程Aからの化合物(2.2)(1.85g)を4N HCl/ジオキサン(50mL)と室温で1時間反応させた。混合物を真空下、20℃の水浴中で蒸発させ、イソプロピルエーテル下で粉砕し、濾過し、乾燥して、化合物(2.3)を得た(1.57g、98%収率)、C18H28N4O4・HCl、質量スペクトル(FAB)M+1=365.3。
【0104】
製造例7
工程A 化合物(2.4)
【化67】
【0105】
ジクロロメタン(60mL)中の製造例5、工程Aからの化合物(2.2)(2.0g)の溶液をジメチルスルホキシド(3.0mL)および2,2−ジクロロ酢酸(0.70mL)で処理した。撹拌中の混合物を5℃に冷却し、次いで1Mジシクロヘキシルカルボジイミド/ジクロロメタン溶液(8.5mL)を添加した。冷浴をはずし、混合物を22時間撹拌した。次いで、2−プロパノール(0.5mL)を添加し、さらに1時間撹拌した。混合物を濾過し、次いで氷冷0.1N NaOH(50mL)、次いで氷冷0.1N HCl(50mL)、次いで5%KH2PO4水溶液、次いで飽和ブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチルで溶出して、化合物(2.3)を得た(1.87g、94%収率)、C23H34N4O6、質量スペクトル(FAB)M+1=463.3。
【0106】
工程B 化合物(2.5)
【化68】
【0107】
製造例2、工程Bと本質的に同様にして、化合物(2.5)を製造した。
【0108】
製造例8
工程A 化合物(3.3)
工程A−1 化合物3.02
【化69】
【0109】
DMF(150mL)中の化合物3.01(4.6g、N−Boc−S−メチルシステイン(Bachem Biosciences Inc.)からBoger, J. Org. Chem., 1988, 53(3), 487の手順に従って製造)の溶液を、Cs2CO3(6.1g)、次いでベンジルブロミド(2.3mL)で処理し、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)に懸濁した。次いで、この混合物を5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機抽出物を無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、生成物3.02を得た(6.2g);[α]D−33.7(c 1.3、CHCl3)。
【0110】
工程A−2 化合物3.03
【化70】
【0111】
U.Larsson, et al., Acta Chem. Scan., 1994, 48(6), 517-525の手順に従って、水(90mL)中のオキソン(oxone(R))(16.4g、Aldrich Chemical Co.)の溶液を、MeOH(150mL)中の化合物3.02(6.1g)の0℃溶液に徐々に添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーターで1/2容量に濃縮し、冷水(100mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、生成物3.03を得た(5.9g);[α]D−26.3(c 0.9、CHCl3)。
【0112】
工程A−3 化合物3.2
【化71】
【0113】
上記工程の生成物3.03を4N HCl/ジオキサンで0.5時間処理して、生成物3.2を得た。C12H17NO4S・HCl(307.79);質量スペクトル(FAB)M+1=272.0。
【0114】
化合物3.3の製造
【化72】
【0115】
化合物(3.2)(S−メチルシステインスルホンベンジルエステルヒドロクロリド)および化合物(3.1)(N−Boc−シクロヘキシルグリシン)を、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(3.3)を得た。C25H38N2O7S(510.64)。
【0116】
工程B 化合物(3.4)
【化73】
【0117】
上記工程Aからの化合物(3.3)(0.7g)、10%Pd/C(0.05g)およびEtOH−ジオキサン(100mL)の混合物を3気圧H2下で5時間撹拌した。混合物を濾過し、真空下で蒸発乾固して、化合物(3.4)を得た(0.56g、97%収率)、C18H32N2O7S(420.52)質量スペクトル(FAB)M+1=421.2。
【0118】
工程C 化合物(3.5)
【化74】
【0119】
上記工程Bからの化合物(3.4)を、製造例2、工程Bからの化合物(1.4)と、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(3.5)を得た。C38H61N5O11S(795.98)、質量スペクトル(FAB)M+1=796.3。
【0120】
製造例9
化合物4.1
【化75】
【0121】
製造例8、工程Cからの化合物(3.5)を、本質的に製造例2、工程Bと同様に反応させて、化合物(4.1)を得る。C33H53N5O9S・HCl(732.33)。
【0122】
製造例10
化合物(4.2)
【化76】
【0123】
5℃の製造例9からの化合物(4.1)(0.7g)、ジメチルホルムアミド(15mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.38mL)の溶液を、イソブチルクロロホルメート(0.15mL)で処理する。冷浴をはずし、6時間撹拌する。反応混合物を5%KH2PO4水溶液(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。合した有機物を冷5%K2CO3水溶液、次いで5%KH2PO4水溶液、次いでブラインで洗浄し、有機物を無水MgSO4で乾燥する。混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させ、残渣をEt2O−ヘキサンで粉砕し、濾過して、化合物(4.2)を得る。
【0124】
製造例11
化合物(4.3)
【化77】
【0125】
化合物(4.2)を、本質的に下記製造例14、工程Hと同様に反応させて、化合物(4.3)を得る。
【0126】
製造例12
化合物(4.4)
【化78】
【0127】
製造例11からの化合物(4.3)(約0.10g)を、無水トリフルオロ酢酸−ジクロロメタンの溶液(1:1、約10mL)で約2時間処理する。溶液をキシレン(約50mL)で希釈し、真空下で蒸発させる。残渣をEt2Oで粉砕し、濾過して、化合物(4.4)を得る。
【0128】
製造例13
化合物(4.5)
【化79】
【0129】
製造例12からの化合物(4.4)を、ジメチルアミンと、本質的に製造例2、工程Aと同様に反応させて、化合物(4.5)を得る。
【0130】
製造例14
工程A 化合物(5.2)
【化80】
【0131】
0℃の無水DMF(10mL)および無水CH2Cl2(10mL)中の化合物(5.01)(1.11g、7.0mmol)の撹拌、冷却中の溶液に、HOBT(1.19g、7.25mmol)、N−メチルモルホリン(2.3mL、21.0mmol)およびDEC(1.6g、8.4mmol)を添加した。得られた溶液を0℃で15分間撹拌し、次いでH−Val−O−tBu(1.54g、7.35mmol)を添加した。溶液を冷凍庫中で一晩維持した。多量の沈殿が観察され、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を5%H3PO4溶液、H2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、粗生成物5.1を得た(2.4g、98%収率)。
【0132】
4N HCl/ジオキサン中の粗生成物(上記で得た)の溶液を室温で7時間撹拌し、濃縮乾固して、化合物(5.2)を得た。
【0133】
工程B 化合物(5.4)
【化81】
【0134】
撹拌中の50%MeOH/50%H2O(300mL)中の化合物(5.3)(F. L. Bach, Jr. et al, J. Amer. Chem. Soc., (1995) 77, 6049)(17.5g、0.086mmol)の溶液に、Bocアンヒドリド(47.0g、0.215mol)を添加した。次いで、50%濃NaOH溶液を滴下することによって溶液をpH=9.5に調整した。得られた溶液を一晩室温で撹拌し、次いで濃HClでpH=8に中和し、クエン酸でpH=2.94まで酸性にし、次いでCH2Cl2で抽出した。合した有機相をMgSO4で乾燥して、化合物(5.4)を得た(27.16g、95%収率)。
【0135】
工程C 化合物(5.5)
【化82】
【0136】
0℃のDMF(3.59mL、0.046mol)中の塩化チオニル(3.37mL、0.046mmol)の溶液を室温に加温し、35分間撹拌した。次いで、溶液を0℃に冷却し、次いでCH3CN(150mL)およびピリジン(3.73mL、0.046mol)中の上記工程Bからの化合物(5.4)(15.0g、0.045mol)を添加した。得られた溶液を室温に加温し、一晩撹拌した。次いで、溶液を氷水(700mL)中に注ぎ、3回EtOAc(150mL)で抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(5.5)(10.8g)を得た。
【0137】
工程D 化合物(1.08)
【化83】
【0138】
撹拌中のCH2Cl2(130mL)中の下記製造例14、工程Dからの化合物(6.6)(6.5g、0.044mol)の溶液に、Bocアンヒドリド(9.65g、0.044mol)およびDMF(50mL)を添加した。得られた溶液を室温で週末の間撹拌し、濃縮乾固し、次いでH2O(120mL)および50%NaOHを添加して、pH=10〜11に調整した。次いで、溶液を2時間撹拌し、さらにBocアンヒドリド(1.93g、8.8mmol)を添加し、一晩室温で撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2で抽出し、水相を0℃で1N HClを用いてpH=4まで酸性にし、次いで3回CH2Cl2で抽出した。次いで、合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.08)を得た(4.50g、41%収率、M−t−ブチル +2=192)。
【0139】
工程E 化合物(5.7)
【化84】
【0140】
撹拌中のDMF(22mL)およびCH2Cl2(22mL)中の上記からの化合物(1.08)(4.5g、0.018mol)の溶液に、HOBT(2.7g、0.02mol)、N−メチルモルホリン(6mL、0.054mol)、DEC(4.17g、0.022mol)およびアリルグリシン.TsOH(6.1g、0.02mol)を添加した。得られた溶液を室温で週末の間撹拌し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を10%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、粗生成物(5.7g)を得た。4N HCl/ジオキサン(50mL)中のこの粗生成物の溶液を室温で50分間撹拌し、濃縮乾固して、化合物(5.7)を得た(4.79g、94%収率、MH+=245.1)。
【0141】
工程F 化合物(5.8)
【化85】
【0142】
撹拌中の無水CH2Cl2(55mL)中の上記工程Eからの化合物(5.7)(3.1g、0.011mol)の溶液に、TEA(1.69mL、0.012mol)を13分間にわたって滴下し、無水CH2Cl2(55mL)中の工程Cからの化合物(5.5)(2.83g、0.011mol)を滴下した。得られた溶液を室温で1.5時間撹拌した。次いで、有機相を飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、化合物(5.8)(4.67g、MH+=457.2)を得た。
【0143】
工程G 化合物(5.9)
【化86】
【0144】
0℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の工程Aからの化合物(5.2)(0.34g、1.31mmol)の溶液に、HOBT(0.214g、1.31mmol)、N−メチルモルホリン(0.43mL、3.9mmol)およびDEC(0.5g、1.09mmol)を添加した。混合物を室温で15分間撹拌し、次いで工程Fからの化合物(5.8)(0.5g、1.09mmol)を添加した。得られた溶液を冷凍庫中に一晩維持し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−H2Oで抽出した。合した有機相を2回飽和NaHCO3、5%H2PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで濾過し、濃縮乾固して、化合物(5.9)(0.65g、MH+=697.4)を得た。
【0145】
工程H 化合物(5.10)
【化87】
【0146】
撹拌中の無水CH2Cl2(8mL)中の工程Gからの化合物(5.9)(0.6g、0.8mmol)の溶液に、Dess−Martin試薬(0.732g、1.72mmol)を添加し、室温で1時間撹拌し、次いでH2O(0.031mL)およびCH2Cl2(12mL)中のDess−Martin試薬(0.373g、0.86mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で2.5時間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%飽和Na2S2O3(20mL)の溶液を添加し、迅速に1.5時間室温で撹拌した。次いで、溶液をH2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(5.10)(0.588g、100%収率、MH+=695.2)を得た。
【0147】
製造例15
工程A 化合物(6.2)
【化88】
【0148】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(20mL)およびDMF(10mL)中の化合物(6.1)(5.0g、19.89mmol)の溶液に、HOBT(3.25g、19.89mmol)、EDCl(4.58g、23.87mmol)およびN−メチルモルホリン(6.56mL、59.69mmol)を添加した。得られた溶液を室温で10分間撹拌し、次いでNH4Cl(1.38g)を添加し、0℃で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮し、EtOAc−H2Oで抽出した。合した有機相を2回NaHCO3、H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.5%MeOH/97.5%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.2)(1.95g、MH+=251.1)を得た。
【0149】
工程B 化合物(6.3)
【化89】
【0150】
4N HCl/ジオキサン(270mL、43.08mmol)中の工程Aからの化合物(6.2)(12.32g、49.28mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.3)(8.40g、100%収率)を得た。
【0151】
工程C 化合物(1.08)(代替合成)
【化90】
【0152】
0℃〜5℃で撹拌中のMeOH(122mL)中の1−ニトロブタン(16.5g、0.16mol)およびグリオキシル酸.H2O(28.1g、0.305mol)の溶液に、トリエチルアミン(93mL、0.667mol)を2時間にわたって滴下した。溶液を室温に加温し、一晩撹拌し、次いで濃縮乾固して油状物を得た。次いで、この油状物をH2Oと混合し、10%HClでpH−1まで酸性にし、次いでEtOAcで抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.5)(28.1g、99%収率)を得た。
【0153】
工程D 化合物(6.6)
【化91】
攪拌中の酢酸(1.25L)中の工程Cからの化合物(6.5)(240g、1.35mol)の溶液に、10%Pd/C(37g)を添加した。得られた溶液を、59psiで3時間次いで60psiで一晩水素化した。次いで、酢酸を蒸発させ、残渣をトルエンと3回共沸し、次いでMeOHおよびエーテルで粉砕した。次いで、溶液を濾過し、トルエンと2回共沸して、化合物(6.6)(131g、66%)を得た。
【0154】
工程E 化合物(1.08)
【化92】
【0155】
0℃で攪拌中のジオキサン(10mL)およびH2O(5mL)中の工程Dからの化合物(6.6)(2.0g、0.0136mol)の溶液に、1N NaOH水溶液(4.3mL、0.014mol)を添加した。得られた溶液を10分間攪拌し、次いでBocアンヒドリド(0.11g、0.014mol)を添加し、0℃で15分間攪拌した。この溶液を室温に加温し、45分間攪拌し、一晩冷蔵庫で維持し、次いで、濃縮乾固して、粗物質を得た。EtOAcおよび氷中のこの粗物質の溶液に、KHSO4(3.36g)およびH2O(32mL)を添加し、4〜6分間攪拌した。次いで、有機相を分離し、水相を2回EtOAcで抽出した。合した有機相をH2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.08)(3.0g、89.2%収率)を得た。
【0156】
工程F 化合物(1.09)
【化93】
【0157】
−20℃で攪拌中のDMF(15mL)およびCH2Cl2(15mL)中の工程Eからの化合物(1.08)(3.0g、0.012mol)の溶液に、HOBT(1.97g、0.012mol)、N−メチルモルホリン(4.0mL、0.036mol)およびEDCl(2.79g、0.0145mol)を添加した。反応物を10分間攪拌し、次いでH−Gly−OBZ.HCl(2.56g、0.013mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で2時間攪拌し、冷蔵庫に一晩維持し、濃縮乾固し、次いで、EtOAcで希釈した。次いで、このEtOAc溶液を2回飽和NaHCO3、H2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(1.09)(4.5g、94%収率、MH+=395.1)を得た。
【0158】
工程G 化合物(6.9)
【化94】
【0159】
4N HCl/ジオキサン(45mL)中の工程Fからの化合物(1.09)(4.5g、0.0114mol)の溶液を室温で45分間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.9)(4.5g、MH+=295.1)を得た。
【0160】
工程H 化合物(6.11)
【化95】
【0161】
−20℃で撹拌中の100mL丸底フラスコ中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中Boc−フェニル−グリシン化合物(6.1)(0.398g、1.58mmol)の溶液に、HOBT(0.258g、1.58mmol)、EDCl(0.364g、1.903mmol)およびN−メチルモルホリン(0.523mL、4.759mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで工程Gからの化合物(6.9)(0.5g、1.51mmol)およびCH2Cl2(5mL)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。反応物を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を2回5%H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.11)(0.75g、94%収率、MH+=528.1)を得た。
【0162】
工程J 化合物(6.12)
【化96】
【0163】
4N HCl/ジオキサン(21mL)中の工程Hからの化合物(6.11)(0.75g、1.423mmol)の溶液を室温で3時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.12)(0.68g、100%収率)を得た。
【0164】
工程K 化合物(6.14)
【化97】
【0165】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.13)(0.44g、1.725mmol)の溶液に、EDCl(0.39g、2.07mmol)、HOBT(0.18g、1.725mmol)およびN−メチルホルホリン(0.523mL、4.76mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いでCH2Cl2(7mL)中の工程Jからの化合物(6.12)(0.68、1.64mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、冷凍庫中で一晩維持し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO4、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.14)(0.59g、54%収率、MH+=667.3)を得た。
【0166】
工程L 化合物(6.15)
【化98】
【0167】
撹拌中のCH2Cl2(20mL)中の工程Kからの化合物(6.14)(0.593g、0.89mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(periodinane)(0.76g、1.784mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加した。混合物を45分間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3(10mL)を添加し、さらに1.5時間撹拌した。さらなるCH2Cl2を溶液に添加し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、2.5%MeOH/97.5%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.15)(0.48g、82%収率)を得た。
【0168】
工程M 化合物(6.16)
【化99】
【0169】
撹拌中の無水EtOH(10mL)中の工程Lからの化合物(6.15)(0.16g、0.24mmol)の溶液に、Pd/C(40.8mg)を添加した。得られた溶液を激しく撹拌し、次いで1滴のAcOHを添加した。次いで、溶液をH2ガス下で2時間撹拌し、次いでceliteを通して濾過して、化合物(6.16)(0.133g、95%収率、MH+=575.3)を得た。
【0170】
工程N 化合物(6.18)
【化100】
【0171】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.17)(0.5g、1.59mmol)の溶液に、HOBT(0.259g、1.59mmol)、NMM(0.48g、4.77mmol)およびEDCl(0.366g、1.91mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、工程Gからの化合物(6.9)(0.5g、1.51mmol)およびCH2Cl2(5mL)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、冷凍庫中で一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相を2回5%H3PO4およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.18)(0.95g、MH+=592.1)を得た。
【0172】
工程O 化合物(6.19)
【化101】
【0173】
4N HCl/ジオキサン(26mL)中の工程Nからの化合物(6.18)(0.93g、1.58mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(6.19)(0.96g、100%収率、MH+=492.1)を得た。
【0174】
工程P 化合物(6.20)
【化102】
【0175】
−20℃で冷却、撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の化合物(6.13)(0.51g、2.02mmol)の溶液に、HOBT(0.33g、2.02mmol)、N−メチルモルホリン(0.61g、6.06mmol)およびEDCl(0.46g、2.42mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで工程Oからの化合物(6.19)(0.94g、1.92mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで一晩冷蔵し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO3およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.20)(1.29g、87%収率)を得た。
【0176】
工程Q 化合物(6.21)
【化103】
【0177】
撹拌中の無水EtOH(50mL)中の工程Pからの化合物(6.20)(1.27g、1.74mmol)の溶液に、Pd/C(100mg)を添加した。得られた溶液を激しく撹拌し、次いで2滴のAcOHを添加した。次いで、溶液を2時間水素化し、celiteを通して濾過して、化合物(6.21)(1.07g、96%収率、MH+=641.1)を得た。
【0178】
工程R 化合物(6.22)
【化104】
【0179】
−25℃で撹拌中のCH2Cl2(5mL)およびDMF(5mL)中の工程Qからの化合物(6.21)(0.25g、0.39mmol)の溶液に、HOBT(0.06g、0.39mmol)、N−メチルモルホリン(0.12g、1.17mmol)、EDCl(0.089g、0.469mmol)を添加し、10分間撹拌し、次いで工程Bからの化合物(6.3)(0.069g、0.37mmol)を添加した。得られた溶液を−25℃で15分間撹拌し、一晩冷蔵し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H2PO4、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(6.22)を得た。
【0180】
工程S 化合物(6.23)
【化105】
【0181】
撹拌中のCH2Cl2(10mL)中の工程Rからの化合物(6.22)(0.23g、0.302mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.256g、0.60mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加し、さらに45分間撹拌した。次いで、反応物に50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3(10mL)を添加し、これを1.5時間撹拌した。溶液にさらにCH2Cl2を添加し、次いで有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、1%〜3%MeOH/99%〜97%CH2Cl2で溶出して、化合物(6.23)(0.08g、34%収率、MH+=771.2)を得た。
【0182】
製造例16
工程A 化合物(7.2)
【化106】
【0183】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(60mL)およびDMF(60mL)中の化合物(7.1)(0.476g、1.51mmol)の溶液に、HOBT(0.246g、1.51mmol)、N−メチルモルホリン(0.458g、4.53mmol)およびEDCl(0.351g、1.81mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで製造例15、工程Fからの化合物(6.8)(0.5g、1.51mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で3時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を2回5%H3PO4、H2O、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(7.2)(0.82g、94%収率、MH+=592.1)を得た。
【0184】
工程B 化合物(7.3)
【化107】
【0185】
4N HCl/ジオキサン(20mL)中の工程Aからの化合物(7.2)(0.82g、1.39mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(7.3)(0.84g、100%収率、MH+=492.3)を得た。
【0186】
工程C 化合物(7.4)
【化108】
【0187】
−20℃で撹拌中のCH2Cl2(60mL)およびDMF(60mL)中の化合物(6.13)(0.36g、1.40mmol)の溶液に、HOBT(0.228g、1.40mmol)、NMM(0.425g、4.20mmol)およびEDCl(0.322g、1.68mmol)を添加した。反応物を5分間撹拌し、次いで工程Bからの化合物(7.3)(0.84g、1.40mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で3時間撹拌し、次いで冷凍庫中に一晩維持し、濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相を5%H3PO4、H2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(7.4)(0.57g、57%収率、MH+=731.3)を得た。
【0188】
工程D 化合物(7.5)
【化109】
【0189】
撹拌中のCH2Cl2(5mL)中の工程Cからの化合物(7.4)(0.55g、0.75mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.64g、1.50mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いでH2O/CH2Cl2の混合物を添加した。混合物を45分間撹拌し、次いで50%飽和NaHCO3/50%Na2S2O3を添加し、さらに1.5時間撹拌した。さらにCH2Cl2を溶液に添加し、次いで有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(7.5)(0.24g、44%収率、MH+=729.5)を得た。
【0190】
工程E 化合物(7.6)
【化110】
【0191】
撹拌中の無水EtOH(20mL)中の工程Dからの化合物(7.5)(0.10g、0.14mmol)の溶液に、Pd/C(20mg)を添加した。得られた溶液を100ml丸底フラスコ中で激しく撹拌し、H2でパージし、H2雰囲気下で一晩撹拌した。次いで、溶液をceliteを通して濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮乾固して、化合物(7.6)(93mg、100%収率、MH+=639.1)を得た。
【0192】
製造例17
【化111】
【0193】
工程Aにおいて化合物(7.1)の代わりに化合物(8.1)を使用して、本質的に製造例16、工程A〜Eと同様にして、化合物(8.2)および(8.3)を製造した。
【0194】
製造例18
工程A 化合物(9.2)
【化112】
【0195】
撹拌中のベンゼン(350mL)中の(S)(+)−フェニルグリシン(9.1)(15.0g、0.099mol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸.H2O(20.76g、0.116mol)およびベンジルアルコール(30mL、0.29mol)を添加した。得られた溶液を還流温度で一晩加熱し、溶液はスラリーになった。次いで、溶液を室温に冷却し、次いでエーテルを添加した。固体を焼結漏斗を通して濾過し、2回Et2Oで洗浄し、次いで窒素雰囲気下で乾燥して、固体(35.4g)を得た。次いで、この固体をCH2Cl2に溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。合した有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、遊離アミン(18.1g、75.7%収率)を得た。次いで、この遊離アミンをエーテルに溶解し、1N HClを吹き込んで、白色沈殿を形成させた。沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して、化合物(9.2)(15.2g)を得た。
【0196】
工程B 化合物(9.4)
【化113】
【0197】
−20℃で撹拌中の無水DMF(100mL)および無水CH2Cl2(100mL)中のBoc−gly−OH(9.3)(11.35g、0.0648mol)の溶液に、HOBT(10.5g、0.065mol)、EDCl(13.6g、0.0712mol)およびN−メチルモルホリン(21.3mL、0.194mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Aからの化合物(9.2)(18.0g、0.065mol)を添加した。反応物を45分間−20℃で撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮乾固して、化合物(9.4)(26.48g、100%収率、MH+=399.2)を得た。
【0198】
工程C 化合物(9.5)
【化114】
【0199】
4N HCl/ジオキサン(100mL)中の工程Bからの化合物(9.4)(26.4g、0.065mol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮乾固して、化合物(9.5)(22.69g、100%収率、MH+=299.1)を得た。
【0200】
工程D 化合物(9.6)
【化115】
【0201】
−20℃で撹拌中のDMF(150mL)およびCH2Cl2(150mL)中の製造例15、工程Eからの化合物(1.08)(15.5g、0.0627mol)の溶液に、HOBT(10.22g、0.0626mol)、EDCl(13.2g、0.069mol)およびNMM(20.67g、0.188mol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Cからの化合物(9.5)(21.0g、0.063mol)を添加した。反応物を1時間−20℃で撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(9.6)(30.3g、92%収率、MH+=528.1)を得た。
【0202】
工程E 化合物(9.7)
【化116】
【0203】
本質的に上記製造例18、工程Cと同様にして、化合物(9.7)を製造した(30.0g、100%収率、MH+=428.1)。
【0204】
工程F 化合物(9.9)
【化117】
【0205】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のBoc−His(Z)−OH(9.8)(0.5g、1.28mmol)の溶液に、HOBT(0.209g、1.28mmol)、EDCl(0.27g、1.41mmol)およびNMM(0.42mL、3.85mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Eからの化合物(9.7)(0.673g、1.28mmol)を添加し、−20℃で2時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、化合物(9.9)(0.858g、84%収率、MH+=799)を得た。
【0206】
工程G 化合物(9.11)
【化118】
【0207】
本質的に製造例18、工程Cと同様にして、化合物(9.11)を製造した(0.76g、100%収率、MH+=699.2)。
【0208】
工程H 化合物(9.12)
【化119】
【0209】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のN−Boc−シクロヘキシルグリシン(0.263g、1.026mmol)の溶液に、HOBT(0.167g、1.026mmol)、EDCl(0.216g、1.13mmol)およびNMM(0.338g、3.078mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Gからの化合物(9.11)(0.754g、1.03mmol)を添加した。反応物を−20℃で1時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。次いで、合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(9.12)(0.735g、MH+=938.4)を得た。
【0210】
工程I 化合物(9.13)
【化120】
【0211】
撹拌中の無水CH2Cl2(10mL)中の工程Hからの化合物(9.12)(0.367g、0.377mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.32g、0.75mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2、飽和Na2SO4および飽和NaHCO3を溶液に添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、有機相を分離し、H2Oおよびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、粗生成物(340mg)を得た。次いで、粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2次いで4%MeOH/CH2Cl2で溶出して、化合物(9.13)(150mg、MH+=936.3)を得た。
【0212】
工程J 化合物(9.14)
【化121】
【0213】
撹拌中の無水EtOH(40mL)中の工程Iからの化合物(9.13)(0.15g、1.6mmol)の溶液に、50%H2O(w/w)中10%Pd/Cを添加した。溶液をN2でパージし、H2バルーン下で45分間撹拌した。次いで、触媒をceliteを通して濾過し、EtOH/CH2Cl2で洗浄し、次いで濃縮乾固して、化合物(9.14)(0.116g、MH+=712.2)を得た。
【0214】
製造例19
工程A 化合物(10.2)
【化122】
【0215】
無水EtOH(200mL)中のL−3−(1−ナフチル)アラニン(2.0g、9.34mmol)の懸濁液を500mlフラスコに充填した。次いで、この溶液に無水濃HCl(2mL)を吹き込み、全ての固体を溶解した。溶液を45分間にわたって室温に冷却し、次いで濃縮乾固し、次いでEtOH(50mL)、10%Pd/C(300mg)および5%Rh/C(300mg)を添加した。得られた溶液をパーシェイカー(parr shaker)中に入れ、60psiで水素化した。次いで、反応物をceliteを通して濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮乾固して、粗物質(2.4g、MH+=254.2)を得た。粗生成物をCH2Cl2に溶解し、次いで飽和NaHCO3で洗浄した。合した有機相を濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、5%〜20%EtOAc/CH2Cl2で溶出して、化合物(10.2)(0.65g)を得た。
【0216】
工程B 化合物(10.3)
【化123】
【0217】
−20℃で撹拌中のDMF(5mL)およびCH2Cl2(5mL)中のN−Boc−シクロヘキシルグリシン(0.643g、2.5mmol)の溶液に、HOBT(0.407g、2.5mmol)、EDCl(0.527g、2.75mol)およびNMM(0.825mL、7.5mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで工程Aからの化合物(10.2)およびCH2Cl2(3mL)を添加し、冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.3)(1.12g、92%収率)を得た。
【0218】
工程C 化合物(10.4)
【化124】
【0219】
撹拌中のMeOH(30mL)およびH2O(7.5mL)中の工程Bからの化合物(10.3)(1.1g、2.25mmol)の溶液に、LiOH(0.283g、6.75mmol)を添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、次いで5%H3PO4を添加した。沈殿が形成され、溶液を蒸発させて大部分のMeOHを除去した。さらにCH2Cl2を添加し、次いでCH2Cl2相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.4)(1.068g、100%収率、MH+=459.1)を得た。
【0220】
工程D 化合物(10.5)
【化125】
【0221】
撹拌中のDMF(10mL)およびCH2Cl2(10mL)中の工程Cからの化合物(10.4)(1.0g、2.17mmol)の溶液に、HOBT(0.353g、2.17mmol)、EDCl(0.457g、2.38mmol)およびNMM(0.715mL、6.51mmol)を添加した。得られた溶液を−20℃で10分間撹拌し、次いで製造例18、工程Eからの化合物(9.7)(1.13g、2.17mmol)を添加した。反応物を−20℃で0.5時間撹拌し、次いで冷凍庫中で一晩維持した。次いで、溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc−飽和NaHCO3で抽出した。合した有機相をH2O、5%H3PO4、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、化合物(10.5)(1.8g、M+Na=890.4)を得た。
【0222】
工程E 化合物(10.6)
【化126】
【0223】
撹拌中の無水CH2Cl2(40mL)中の工程Dからの化合物(10.5)(1.8g、2.07mmol)の溶液にDess−Martinペルヨージナン(1.76g、4.15mmol)を添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで無水CH2Cl2(40mL)およびH2O(0.074mL)を1.5時間にわたって滴下し、さらに2時間撹拌した。次いで、この溶液に40mLの50%飽和NaHCO3/50%飽和Na2S2O4を添加し、得られた溶液を半時間激しく撹拌した。次いで、有機相を分離し、H2Oで洗浄した。合した有機相を濃縮乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、2%〜3%MeOH/CH2Cl2で溶出して、化合物(10.6)(0.95g、MH+=866.2)を得た。
【0224】
工程F 化合物(10.7)
【化127】
【0225】
本質的に製造例18、工程Kと同様に、化合物(10.7)を製造した。
【0226】
実施例
製造例1、工程Aおよび製造例2、工程F(カップリング);製造例1、工程B、製造例1、工程F、製造例2、工程Dおよび製造例4、工程J(エステル脱保護);製造例2、工程Eおよび製造例4、工程J(アミン脱保護);ならびに製造例4、工程H(ヒドロキシアミドのケトアミドへの酸化)の手順を、上記実施例または市販または文献記載のα−アミノ酸とともに、必要な種々の組合せで使用して、添付の表2に列挙する化合物を製造した。
【0227】
固相合成
固相カップリング反応の一般的手順
合成を、底にポリプロピレンフリットを備えたポリプロピレンシリンジカートリッジから構築された反応容器中で実施した。Fmoc保護アミノ酸を、標準的な固相技術でカップリングした。各反応容器に100mgの出発Fmoc−Sieber樹脂(約0.035mmol)を負荷した。樹脂を2mLのDMFで洗浄した(2回)。Fmoc保護基をDMF中20%v/vピペリジン溶液2mLでの20分間の処理によって除去した。樹脂を2mLのDMFで洗浄した(4回)。カップリングをDMF(2mL)中で、0.12mmolのFmoc−アミノ酸、0.12mmolのHATU[O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]および0.24mmolのDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を使用して実施した。2時間撹拌後、反応容器を排出し、樹脂を2mLのDMFで洗浄した(4回)。カップリングサイクルを次のFmoc−アミノ酸またはキャッピング基を用いて反復した。
【0228】
固相Dess−Martin酸化の一般的手順
合成を、底にポリプロピレンフリットを備えたポリプロピレンシリンジカートリッジから構築された反応容器中で実施した。樹脂結合ヒドロキシ化合物(約0.035mmol)を、2mLのDCM中の0.14mmolのDess−Martinペルヨージナンおよび0.14mmolのt−BuOHの溶液で4時間処理した。樹脂を2mLのDCM中20%v/viPrOH溶液、THF、水中50%v/vTHF溶液(4回)、THF(4回)およびDCM(4回)で洗浄した。
【0229】
製造例20
N−Fmoc−2’,3’−ジメトキシフェニルグリシン 化合物(901)
【化128】
【0230】
水(15mL)中のシアン化カリウム(1.465g、22.5mmol)および炭酸アンモニウム(5.045g、52.5mmol)の溶液に、エタノール(15mL)中の2,3−ジメトキシベンズアルデヒド901A(2.5g、15mmol)の溶液を添加した。反応混合物を40℃で24時間加熱した。溶液の容量を減圧下で蒸発させることにより10mLに減じた。濃塩酸(15mL)を添加し、化合物901Bを白色沈殿として得た。化合物901Bを濾過によって単離した(2.2g、9.3mmol)。化合物901Bを10%w/w水酸化ナトリウム水溶液(15mL)に溶解し、得られた溶液を還流温度で24時間加熱した。濃塩酸を添加し、pHを中性(pH7)に調整した。化合物901Cを含有する得られた溶液を減圧下で蒸発させた。残渣を5%w/w重炭酸ナトリウム水溶液(150mL)に溶解した。溶液を氷浴中で0℃に冷却し、1,4−ジオキサン(30mL)および1,4−ジオキサン(30mL)中の9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(2.7g、8mmol)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温に加温し、室温で24時間撹拌した。1,4−ジオキサンを減圧下で蒸発させた。水溶液をジエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を添加し、pHを酸性(pH1)に調整した。酢酸エチルを添加し、有機相を水およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の化合物901を白色泡沫状固体として得た(3.44g、709mmol)。MS(LCMS−電子スプレイ)434.1 MH+。
【0231】
製造例21
化合物(801)
【化129】
【0232】
ドライアイス−アセトン浴中で−30℃に冷却した無水DCM(22mL)中のN−Fmoc−フェニルアラニン801A(5g、12.9mmol)の溶液に、N−メチルピロリジン(1.96mL、16.1mmol)およびメチルクロロホルメート(1.2mL、15.5mmol)を順次添加した。反応混合物を−30℃で1時間撹拌し、無水DCM(8mL)中のN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(1.51g、15.5mol)およびN−メチルピロリジン(1.96mL、16.1mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温に加温し、室温で一晩撹拌した。トルエンを添加し、有機相を希塩酸、重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、化合物801B(4g、9.29mmol)を得た。
【0233】
ドライアイス−アセトン浴中で−20℃に冷却した無水トルエン(8mL)中のRed−Al(6.28mL、21.4mmol)の溶液に、無水トルエン(12mL)中の化合物801B(4g、9.29mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−20℃で1.5時間撹拌した。有機相を希塩酸、重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物801Cをさらに精製せずに次の反応において使用した。
【0234】
ヘキサン(15mL)中の化合物801C(約9.29mmol)の溶液に、水(4mL)中のシアン化カリウム(24mg、0.37mmol)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(34mg、0.092mmol)の溶液ならびにアセトンシアノヒドリン(1.27mL、13.9mmol)を順次添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、有機相を水およびブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、化合物801D(2.4g、6.03mmol)を得た。
【0235】
1,4−ジオキサン(11mL)中の化合物801D(2.4g、6.03mmol)の溶液に濃塩酸(11mL)を添加した。反応混合物を80℃で3時間加熱した。酢酸エチル(25mL)および水(25mL)を添加した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の化合物801を白色泡沫状固体として得た(2g、4.8mmol)。MS(LCMS−電子スプレイ)418.1 MH+。
【0236】
実施例101J 化合物(101J):
【化130】
【化131】
【0237】
樹脂結合化合物101B、101C、101D、101E、101Fおよび101Gを、100mgのFmoc−Sieber樹脂(0.035mmol)を用いて開始して固相カップリング反応の一般的手順に従って製造した。樹脂結合化合物101Gを、固相Dess−Martin酸化の一般的手順に従って樹脂結合化合物101Hに酸化した。樹脂結合化合物101Hを、DCM中2%v/vTFA溶液4mLで5分間処理した。濾液を1mLのAcOHに添加し、溶液を真空遠心分離によって濃縮して、化合物J(0.011g、45%収率)を得た。MS(LCMS−電子スプレイ)703.2 MH+。
【0238】
本明細書中上記した固相合成技術を使用して、以下の部分を製造し、以下の式に従って使用した:
【化132】
【0239】
−X:
【化133】
【化134】
【化135】
【化136】
【化137】
【0240】
−P3:
【化138】
【化139】
【0241】
−X1:
【化140】
【0242】
−P2:
【化141】
【0243】
−P1aおよびP1bの一方は−Hであり、他方は以下から選択される:
【化142】
【0244】
−P1’:
【化143】
【0245】
−Z−:
【化144】
【0246】
−P2’:
【化145】
【化146】
【化147】
【0247】
上記の手順を使用して、その活性データとともに添付の表3に列挙する化合物を製造した。
【0248】
さらにその活性データとともに添付の表4に列挙する化合物を製造した。それらの製造を以下に記載する。
【0249】
固体支持体上での表4中の化合物の製造の一般的手順:
固相合成は本発明の特定の化合物の小量生産に有用である。従来のペプチドの固相合成に関して、ペプチジルケトアミドの固相合成用の反応器は、溶媒および溶解された試薬に対しては透過性であるが、選択したメッシュサイズの合成樹脂に対しては透過性ではない少なくとも1つの表面を有する反応容器から構成される。そのような反応器としては、焼結ガラスフリットを有するガラス固相反応容器、フリットを有するポリプロピレンチューブもしくはカラム、またはIrori Inc., San Diego CA製の反応器KansTMが挙げられる。選択する反応器の型は必要とされる固相樹脂の容量に依存し、合成の異なる段階において異なる型の反応器を使用し得る。以下の手順を下記実施例において参照する。
【0250】
手順A:カップリング反応:N−メチルピロリジン(NMP)10〜15mL/g樹脂)中に懸濁した樹脂に、N−FmocまたはN−Bocアミノ酸(2当量)、HOAt(2当量)、HATU(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4当量)を添加した。混合物を4〜48時間反応した。反応物を排出し、樹脂を連続的にジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル(10〜15mL溶媒/g樹脂使用)で洗浄した。次いで、樹脂を真空下で乾燥した。
【0251】
手順B:Fmoc脱保護:Fmoc保護樹脂をジメチルホルムアミド中20%ピペリジン(10mL試薬/g樹脂)で30分間処理した。試薬を排出し、樹脂を連続的にジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル(10mL溶媒/g樹脂使用)で洗浄した。
【0252】
手順C:Boc脱保護:Boc保護樹脂をジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸の1:1混合物で20〜60分間処理した(10mL溶媒/g樹脂)。試薬を排出し、樹脂を連続的にジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド中5%ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミド(10mL溶媒/g樹脂)で洗浄した。
【0253】
手順D:セミカルバゾン加水分解:樹脂をトリフルオロ酢酸:ピルビン酸:ジクロロメタン:水 9:2:2:1からなる切断混合物(10mL/g樹脂)中に2時間懸濁した。反応物を排出し、手順をさらに3回反復した。樹脂を連続的にジクロロメタン、水およびジクロロメタンで洗浄し、真空下で乾燥した。
【0254】
手順E:HF切断:乾燥したペプチド−nVal(CO)−G−O−PAM樹脂(50mg)を、小さなスターバーを含むHF容器中に入れた。アニソール(総容量の10%)を捕捉剤として添加した。グルタミン酸およびシステインアミノ酸の存在下、チオアニソール(10%)および1,2−エタンジチオール(0.2%)も添加した。次いで、HF容器をHF装置(Immuno Dynamics)に取り付け、システムを窒素で5分間フラッシュした。次いで、これをドライアイス/イソプロパノール浴を用いて−78℃に冷却した。20分後、HFを所望の容量まで蒸留した(10mL HF/g樹脂)。反応を1.5時間0℃で進行させた。ワークアップ(work up)は窒素を使用する全てのHFの除去からなった。次いで、ジクロロメタンを樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌した。次いで、水(4mL)中20%酢酸を添加した。20分間撹拌後、樹脂をガラス濾過器を使用して濾過し、ジクロロメタンを減圧下で除去した。残存する溶液をヘキサン(3×)で洗浄して捕捉剤を除去した。一方、樹脂を1mLのメタノールに浸した。水相(20%HOAc)を樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌し、次いで濾過した。メタノールを減圧下で除去し、水相を凍結乾燥した。次いで、ペプチドを10〜25%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸含有)に溶解し、逆相HPLCにより精製した。
【0255】
II)中間体の合成:
実施例I Boc−3−アルキルスルフィニルアラニンの合成:
【化148】
【0256】
0℃のテトラヒドロフラン(30mL)中の水素化ナトリウム(200mmol、800mgの油中60%、ヘキサンで洗浄)の混合物に、アルキルチオール(20mmol、R=Ph、R=1−ナフチル、R=2−ナフチル、R=PhCH2CH2またはR=Et)を10分間にわたって添加した。冷却浴をはずし、撹拌を10分間継続し、その時点でBoc−2S−アミノプロピオニルラクトン(参考文献:Synthetic Communications, (1995) 25(16), 2475-2482)(3.74g、20mmol)を添加した。氷浴を使用して温度が30℃を超えないようにした。反応混合物を室温で16時間撹拌し、濃縮し、次いで1M重硫酸カリウム水溶液(200mL)および1M HCl(40mL)に溶解した。混合物をジクロロメタンで抽出した(2×200mL)。合した有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。残渣を水(200mL)、メタノール(30mL)および炭酸カリウム(40mmol、5.5g)に溶解した。冷却して室温に維持しながらオキソン(21mmol、13.0g)を小分けして添加した。混合物を18時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、メタノールを除去した。溶液を2M重硫酸カリウムを用いて酸性にし(pH=1)、次いで酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合した有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。精製を逆相HPLCを使用して実施した。精製後、生成物を酸塩基抽出によってさらに精製して脱boc化(de-bocylated)物質を除去し、さらなる分解(Boc基の損失)を防止するためにジイソプロピルエチルアンモニウム塩として貯蔵した。
【0257】
実施例II 2−(1−メチルエチル)−7−メチル−オクト−4−エン酸の合成:
【化149】
【0258】
上記の中間体を公開された手順(Wuts, P.G.M.; Ritter, A.R.; Pruitt, L.E. J. Org. Chem. (1992) 57, 6696-6700)に従って合成した。
【0259】
実施例III Fmoc−nV−(dpsc)−Gly−OHの合成(下記工程1〜7)
【化150】
【0260】
工程1 アリルイソシアノアセテートの合成(下記工程a〜b)
a)イソシアノ酢酸カリウム塩の合成:
【化151】
【0261】
エチルイソシアノアセテート(96.6ml、0.88mol)をエタノール(1.5L)および水酸化カリウム(59.52g、1.0mol)の冷却した溶液に滴下した。反応物を徐々に室温に加温した。2時間後、沈殿した生成物を濾過によって採集し、冷エタノールで数回洗浄した。このようにして得られたイソシアノ酢酸のカリウム塩を真空下で乾燥して金褐色固体を得た(99.92g、91.8%)。
【0262】
b)アリルイソシアノアセテートの合成:
【化152】
【0263】
アセトニトリル(810ml)に溶解したaの生成物(99.92g、0.81mol)に、臭化アリル(92ml、1.05mol)を添加した。還流温度で4時間加熱した後、濃褐色溶液を得た。反応混合物を濃縮し、残渣をエーテル(1.5L)に溶解し、水で洗浄した(3×500ml)。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮して、濃褐色シロップを得た。粗物質を7mmHg(98℃)での真空蒸留によって精製して、透明油(78.92g、78%)を得た。NMR ppm(CDCl3):5.9(m,1H)、5.3(m,2H)、4.7(d,2H)、4.25(s,2H)。
【0264】
工程2 9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成(下記工程a〜c)
【化153】
【0265】
a)9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−ノルバリンメチルエステル(Fmoc−nVal−OMe)の合成:
【化154】
【0266】
冷却した無水メタノール(469ml)中の市販のFmoc−L−ノルバリン(25g、73.75mmol)の溶液に、塩化チオニル(53.76ml、737.5mmol)を1時間にわたって添加した。1時間後にとった酢酸エチルでのTLCによって反応の完了を確認した(Rf=0.85)。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム(3×200ml)、次いでブライン(200ml)で洗浄した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮して、Fmoc−norVal−OMeを白色固体として(26.03g)定量的収率で得た。NMR ppm(CD3OD):7.7(m,2H)、7.6(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、4.3(m,2H)、4.1(m,2H)、3.7(s,3H)、1.7(m,1H)、1.6(m,1H)、1.4(m,2H)、0.95(t,3H)。
【0267】
b)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリノール(Fmoc−nValinol)の合成:
【化155】
【0268】
テトラヒドロフラン(123ml)およびメタノール(246ml)中のFmoc−nVal−OMe(26.03g、73.75mmol)に、塩化カルシウム(16.37g、147.49mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ホウ水素化ナトリウム(11.16g、294.98mmol)を数バッチに分けて添加した。得られた濃ペーストに500mlのメタノールを添加し、反応物を室温で90分間撹拌した。2:3 酢酸エチル:ヘキサンでのTLCによって反応の完了を確認した。0℃の水100mlを徐々に添加して反応をクエンチングした。メタノールを減圧下で除去し、残存する水相を酢酸エチルで希釈した。有機相を水(3×500ml)、飽和重炭酸ナトリウム(3×500ml)およびブライン(500ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体を得た(21.70g、90.5%)。NMR ppm(CD3OD):7.8(m,2H)、7.7(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、4.3−4.5(m,2H)、4.2(m,1H)、3.6(s,1H)、3.5(s,2H)、1.5(m,1H)、1.3−1.4(m,3H)、0.99(m,3H)。
【0269】
c)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナール(Fmoc−nVal−CHO)の合成:
【化156】
【0270】
ジクロロメタン(668ml)中のFmoc−ノルバリノール(21.70g、66.77mmol)の溶液に、トリエチルアミン(37.23ml、267mmol)を添加し、溶液を0℃に冷却した。ジメチルスルホキシド(96ml)中のピリジン三酸化イオウ錯体(42.51g、267mmol)の懸濁液を冷却した溶液に添加した。1時間後、2:3 酢酸エチル:ヘキサンでのTLCによって反応の完了を確認した。ジクロロメタンを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水(2×50ml)、1N飽和重硫酸ナトリウム(2×50ml)、飽和重炭酸ナトリウム(2×50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相を濃縮して、白色固体を得た。理論収率(21.57g)を仮定し、反応物をさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0271】
工程3 ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成(下記工程a〜b)
a)Boc−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタンの合成
【化157】
【0272】
ジメチルホルムアミド(225ml)中のカルボニルジイミダゾール(16.2g、0.10mole)の溶液に、ジメチルホルムアミド(225ml)中のtert−ブチルカルバゼート(13.2g、0.100mol)の溶液を30分間にわたって滴下した。次に、ジフェニルメチルアミン(18.3g、0.10mol)を30分間にわたって添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物を減圧下で約150mLに濃縮した。この溶液を水(500mL)中に注ぎ、酢酸エチル(400mL)で抽出した。酢酸エチル相を1N HCl(2×75mL)、H2O(2×75mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×75mL)および塩化ナトリウム(2×75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合物を濾過し、溶液を濃縮して、29.5g(85%収率)の白色泡沫体を得た。この物質は酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって精製することができたが、次の工程に直接使用するに十分な純度であった:mp 142−143℃。1H NMR(CDCl3)d 1.45(s,9H)、6.10(dd,2H)、6.42(s,1H)、6.67(bs,1H)、7.21−7.31(m,10H)。C19H23N3O3についての計算分析値:C,66.84;H,6.79;N,12.31。実測値:C,66.46;H,6.75;N;12.90。
【0273】
b)ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成
【化158】
ジクロロメタン(12.5ml)中のBoc−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタン(3.43g、10mmol)の溶液を、室温でトリフルオロ酢酸(12.5ml)で処理し、30分間撹拌した。溶液を75mLのエーテルに滴下し、生じた固体(2.7g、80%)を濾過によって採集した。mp 182−184℃。1H NMR(CD3OD)d 6.05(s,1H)、7.21−7.35(m,10H)。13C NMR(CD3OD)d 57.6、118.3(q,CF3)、126.7、127.9、141.6、156.9、160.9(q,CH3CO2H)。
【0274】
工程4 Fmoc−nVal−(CHOH)−Gly−Oアリルの合成
【化159】
【0275】
ジクロロメタン(170ml)中のFmoc−nVal−CHO(実施例III、工程2c)(5.47g、16.90mmol)の溶液に、アリルイソシアノアセテート(実施例III、工程1b)(2.46ml、20.28mmol)およびピリジン(5.47ml、67.61mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(3.38ml、33.80mmol)を滴下した。反応物を0℃で1時間、次いで室温で48時間撹拌した。酢酸エチルでのTLCによって反応の完了を確認した。反応混合物を濃縮し、ヘキサン中20%〜70%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーに供した。所望の生成物を含有する画分をプールし、濃縮して、白色泡沫体を得た(6.88g、87.3%)。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによって1つのスポットが示された(Rf=0.37)。NMR ppm(CD3OD):7.8(m,2H)、7.65(m,2H)、7.4(m,2H)、7.3(m,2H)、5.9(m,1H)、5.1−5.4(m,2H)、4.55−4.65(m,2H)、4.3−4.4(m,2H)、4.15−4.25(m,1H)、4.01(s,1H)、3.9−4.0(m,3H)、1.5−1.6(m,2H)、1.35−1.45(m,3H)、0.9(m,3H)。
【0276】
工程5 Fmoc−nVal−(CO)−Gly−Oアリルの合成
【化160】
【0277】
ジメチルスルホキシド(100ml)およびトルエン(100ml)中のFmoc−nVal−(CHOH)−Gly−Oアリル(工程4)(5.01g、10.77mmol)の溶液に、EDC(20.6g、107.7mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ジクロロ酢酸(4.44ml、53.83mmol)を滴下した。反応物を15分間0℃で、1時間室温で撹拌した。水(70ml)を0℃で添加し、トルエンを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、数回飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いで1N 重硫酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。理論収率の4.99gを仮定し、反応物をさらに精製せずに次の工程に使用した。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによって1つのスポットが示された(Rf=0.73)。
【0278】
工程6 Fmoc−nVal−(dpsc)−Gly−Oアリルの合成
【化161】
【0279】
エタノール(130ml)および水(42ml)中のFmoc−nVal−(CO)−Gly−Oアリル(工程5)(4.99g、10.75mmol)の溶液に、ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩(実施例III、工程3b)(7.6g、21.5mmol)および酢酸ナトリウム・3H2O(1.76g、12.9mmol)を添加した。反応混合物を還流温度で90分間加熱した。反応の完了を1:1 酢酸エチル:ヘキサンでの薄層クロマトグラフィーによって確認した。エタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、1N 重硫酸ナトリウム(2×10mL)、飽和重炭酸ナトリウム(2×10mL)およびブライン(2×10mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をヘキサン中20%〜50%酢酸エチルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、白色固体を得た(5.76g、78%)。1:1 酢酸エチル/ヘキサンでのTLCによってRf=0.42および0.50の2つのスポット(シスおよびトランス異性体)が示された。
【0280】
工程7 Fmoc−nVal−(dpsc)−Gly−OHの合成
【化162】
【0281】
テトラヒドロフラン(300ml)中のFmoc−nVal−(dpsc)−Gly−Oアリル(実施例III、工程6)(4.53g、6.59mmol)の溶液に、ジメドン(4.62g、32.97mmol)、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)触媒(0.76g、0.66mmol)を添加した。90分後に、反応の完了をTLC(9:1 ジクロロメタン:メタノール)によって確認した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、0.1M 重リン酸カリウム(3×50mL)で洗浄した。次いで、有機相を50ml 重亜硫酸ナトリウムで処理し、2相系を15分間撹拌した。相を分離し、手順をさらに2回反復した。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%〜100%酢酸エチル、次いで9:1 ジクロロメタン:メタノール)に供して、白色固体(3.99g、94%)を得た。9:1 ジクロロメタン:メタノールでのTLCによって2つのスポット(シスおよびトランス異性体)が示される。NMRδppm(CD3OD):7.75(m,2H)、7.6(m,3H)、7.2−7.4(m,14H)、6.1−6.2(m,1H)、4.25−4.4(m,2H)、4.1−4.2(m,2H)、3.85(s,2H)、1.6−1.8(m,2H)、1.3−1.5(m,2H)、0.95(t,3H)。
【0282】
実施例IV H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成(下記工程1〜2)
【化163】
工程1 H−Phg−MBHA樹脂の合成
【化164】
【0283】
市販のMBHA樹脂(2.6g、1.12mmol/g、2.91mmol)を、窒素入口を備えた250mLフリット化固相反応容器に移した。次いで、これを30mlのジクロロメタン、メタノール、ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで十分に洗浄し、18時間にわたって市販のFmoc−Phg−OH(2.17g、5.82mmol)に手順Aに従って99.82%の効率でカップリングした。次いで、樹脂を手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対する定性的ニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。
【0284】
工程2 H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化165】
【0285】
上記工程1において得られた樹脂(2.6g、0.8mmol/g、2.91mmol)を、手順Aに従ってFmoc−nVal−(dpsc)−Gly−OH(実施例III、工程7)(5.82mmol、3.77g)と反応させた。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって99.91%のカップリング効率が示された。樹脂を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対する定性的ニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。
【0286】
III)代表的なC型肝炎標的の固相組立て:
実施例V 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の固相合成(下記工程1〜5)
【化166】
【0287】
工程1 Fmoc−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化167】
【0288】
化合物H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(実施例IV、工程2)(1.5g、1.12mmol/g、1.68mmol)を、フリット化ポリプロピレンチューブに移し、手順Aに従ってN−Fmoc−Leu−OH(890mg、2.52mmol)にカップリングした。18時間後、定性的ニンヒドリン分析によって無色のビーズおよび溶液が示された。
【0289】
工程2 Fmoc−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化168】
【0290】
実施例V、工程1において得られた樹脂(Fmoc−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂、1.68mmol)を、手順Bに従ったFmoc脱保護手順に供した。次いで、市販のFmoc−G(Chx)−OH(0.956g、0.2.52mmol)を手順Aに従ってカップリングした。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって98%のカップリング効率が示された。
【0291】
工程3 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化169】
【0292】
実施例V、工程2において得られた樹脂(Fmoc−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対するニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。1mlのNMPに懸濁した樹脂(150mg、0.168mmol)に、3,6−ジフルオロフタル酸無水物(91mg、0.42mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.146ml、84mmol)を添加し、反応混合物を18時間室温で振盪した。定量的ニンヒドリン分析によって、97.8%のカップリング効率が示された。
【0293】
工程4 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化170】
【0294】
実施例V、工程3の化合物(2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(200mg)をセミカルバゾン加水分解手順Dに供した。
【0295】
工程5 2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の合成
【化171】
【0296】
実施例V、工程4の樹脂(2,5−ジフルオロ−6−ヒドロキシカルボニルフェニルカルボニル−G(Chx)−Leu−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(100mg)を、HF切断条件(手順E)に供して、所望の粗生成物を得た。この物質を、300オングストロームのポアサイズの10ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する2.2×25cm逆相カラムを使用し、水中20〜50%アセトニトリルを使用するグラジエントを用いて溶出するHPLCによって精製した。300オングストロームのポアサイズの5ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する4.6×250mm逆相カラムを使用し、水中10〜60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)を用いて溶出する分析用HPLCによって、17.2分における1つのピークが示された。低解像度質量スペクトルによって所望の質量(MH+ 771.5)が確認された。
【0297】
実施例VI iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal−(CO)−Gly−Phg−NH2の固相合成(下記工程1〜5)
【化172】
工程1 Fmoc−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化173】
【0298】
化合物H−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(実施例IV、工程2)(0.17g、0.8mmol/g、0.19mmol)を、フリット化ポリプロピレンチューブに移し、手順Aに従ってBoc−Cys((O2)Et)−OH(実施例I)(160mg、0.38mmol)にカップリングした。18時間後、定量的ニンヒドリン分析によって、カップリングが99.98%完了したことが示された。
【0299】
工程2 Fmoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化174】
【0300】
上記工程(実施例VI、工程1)において得られた樹脂(Boc−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂、0.19mmol)を、手順Cに従うBoc脱保護手順に供した。次いで、Fmoc−G(Chx)−OH(0.170g、0.45mmol)を手順Aに従ってカップリングした。18時間後に、定量的ニンヒドリン分析によって、99.92%のカップリング効率が示された。
【0301】
工程3 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化175】
【0302】
上記工程(実施例VI、工程2)で得られた樹脂(Fmoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂)を、手順Bに従ってFmoc脱保護に供した。少量のアリコートに対するニンヒドリンアッセイによって濃青色の樹脂および溶液が生じ、反応の成功が示された。1mlのNMPに懸濁した樹脂(170mg、0.19mmol)に、イソブチルクロロホルメート(0.06mL mg、0.45mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.16ml、0.90mmol)を添加し、反応混合物を18時間室温で振盪した。定量的ニンヒドリン分析によって、99.35%のカップリング効率が示された。
【0303】
工程4 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂の合成
【化176】
【0304】
上記工程(実施例VI、工程3)の化合物、iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(dpsc)−Gly−Phg−MBHA樹脂(170mg)を、セミカルバゾン加水分解手順Dに供した。
【0305】
工程5 iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−NH2の合成
【化177】
【0306】
上記工程(実施例VI、工程4)の樹脂(iBoc−G(Chx)−Cys((O2)Et)−nVal(CO)−Gly−Phg−MBHA樹脂)(170mg)をHF切断条件(手順E)に供して、所望の粗生成物を得た。この物質を、300オングストロームのポアサイズの10ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する2.2×25cm逆相カラムを使用し、水中20〜50%アセトニトリルを使用するグラジエントを用いて溶出するHPLCによって精製した。300オングストロームのポアサイズの5ミクロンサイズのゲル粒子から構成されるC−18樹脂を含有する4.6×250mm逆相カラムを使用し、水中10〜60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)を用いて溶出する分析用HPLCによって、16.94分における1つのピークが示された。低解像度質量スペクトルによって所望の質量(MH+ 737.5)が確認された。
【0307】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ:
分光光度アッセイ:HCVセリンプロテアーゼの分光光度アッセイを、R. Zhang et al, Analytical Biochemistry, 270 (1999) 268-275(出典明示で援用する)に記載の手順に従うことにより本発明の化合物に対して実施した。この色素原性エステル基質のタンパク質分解に基いたアッセイは、HCV NS3プロテアーゼ活性の連続的モニターに適切である。基質をNS5A−NS5B連結配列(Ac−DTEDVVX(Nva)、式中、X=AまたはP)のP側から誘導し、そのC末端カルボキシル基を4種の異なる発色団アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリンまたは4−フェニルアゾフェノール)のうちの1種によりエステル化した。これらの新規分光光度エステル基質の合成、特徴付けおよび高スループットスクリーニングへの適用ならびにHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な反応速度評価を以下に示す。
【0308】
材料および方法:
材料:アッセイ関連バッファー用化学試薬を、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス、ミズーリ)から入手した。ペプチド合成用試薬を、アドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ノヴァバイオケム(Novabiochem)(サンディエゴ、カリフォルニア)、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)(フォスター・シティー、カリフォルニア)およびパーセプティブ・バイオシステムズ(Perseptive Biosystems)(フラミンガム、マサチューセッツ)から入手した。ペプチドを、手動でまたは自動ABIモデル431A合成装置(アプライド・バイオシステムズ)で合成した。UV/VIS分光光度計モデルLAMBDA12を、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)(ノーウォーク、コネティカット)から入手し、96ウェルUVプレートを、コーニング(Corning)(コーニング、ニューヨーク)から入手した。予加温ブロックを、USAサイエンティフィック(USA Scientific)(オカラ、フロリダ)から入手し、96ウェルプレートボルテクサーを、ラブリン・インスツルメンツ(Labline Instruments)(メルローズ・パーク、イリノイ)から入手した。モノクロメータを備えたスペクトラマックスプラス(Spectramax Plus)マイクロタイタープレートリーダーを、モレキュラー・デヴァイス(Molecular Devices)(サニーヴェイル、カリフォルニア)から入手した。
【0309】
酵素の調製:組換えヘテロ二量体HCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)を、以前に公開された手順(D. L. Sali et al, Biochemistry, 37 (1998) 3392-3401)を用いることにより調製した。タンパク質濃度を、アミノ酸分析により事前に定量された組換えHCVプロテアーゼ標準品を用いてバイオラド(Biorad)色素法により測定した。アッセイ開始前に、酵素貯蔵バッファー(50mMリン酸ナトリウム、pH8.0、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシドおよび10mM DTT)を、バイオラドバイオ−スピンP−6プレパックカラム(Biorad Bio-Spin P-6 prepacked column)を利用して、アッセイバッファー(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)に交換した。
【0310】
基質の合成および精製:基質の合成を、R.Zhangら(前出)により報告されたように行い、標準プロトコル(K. Barlos et al, Int. J. Pept. Protein Res., 37 (1991), 513-520)を用いたFmoc−Nva−OHの2−クロロトリチルクロリド樹脂への固定により開始した。次いで、ペプチドをFmoc化学反応を用いて手動でまたは自動ABIモデル431ペプチド合成装置で組立てた。N−アセチル化し完全に保護したペプチドフラグメントを、30分間ジクロロメタン(DCM)中の10%酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)により、または10分間DCM中の2%トリフルオロ酢酸(TFA)により樹脂から切断した。濾液およびDCM洗浄液を合し、共沸蒸発(またはNa2CO3水溶液により反復抽出)して、切断に使用した酸を除去した。DCM相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。
【0311】
標準的な酸−アルコールカップリング手順(K. Holmber et al, Acta Chem. Scand., B33 (1979) 410-412)を用いてエステル基質を組立てた。ペプチドフラグメントを無水ピリジン(30〜60mg/ml)に溶解し、そこに10モル当量の発色団および触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3当量)を添加して、カップリング反応を開始した。生成物の形成をHPLCによりモニターし、室温で12〜72時間反応した後に完了することが見出された。ピリジン溶媒を真空下で蒸発させ、さらにトルエンとの共沸蒸発により除去した。ペプチドエステルを2時間DCM中の95%TFAにより脱保護し、無水エチルエーテルで3回抽出して、過剰の発色団を除去した。30%〜60%のアセトニトリル勾配(6カラム容量を使用)を用いるC3またはC8カラムでの逆相HPLCにより脱保護した基質を精製した。HPLC精製後の全体収率は約20〜30%であった。電子スプレイイオン化質量分光法により分子量を確認した。基質を乾燥下乾燥粉末形態で貯蔵した。
【0312】
基質および生成物のスペクトル:基質および対応する発色団生成物のスペクトルを、pH6.5アッセイバッファー中に得た。複数の希釈液を用いて1cmキュベット中での最適オフピーク波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光係数を決定した。最適オフピーク波長を、基質と生成物との間の吸光度差の分数の最大値(生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長として定義した。
【0313】
プロテアーゼアッセイ:HCVプロテアーゼアッセイを、96ウェルマイクロタイタープレート中で200μlの反応混合物を用いて30℃で実施した。アッセイバッファー条件(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)を、NS3/NS4Aヘテロ二量体用に最適化した(D.L.Sali et al.、前出)。代表的には、バッファー、基質および阻害剤の混合物150μlをウェルに入れ(DMSOの終濃度 4%(v/v))、約3分間30℃でプレインキュベートした。次いで、予加温したアッセイバッファー中のプロテアーゼ(12nM、30℃)50μlを使用して、反応を開始した(最終容量200μl)。モノクロメータを備えたスペクトロマックスプラスマイクロタイタープレートリーダーを用いて(カットオフフィルターを利用するプレートリーダーを用いて許容される結果を得ることができる)、適切な波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光度の変化についてアッセイ期間(60分間)にわたってプレートをモニターした。Nvaと発色団との間のエステル結合のタンパク質分解切断を、非酵素的加水分解についてのコントロールとしての無酵素ブランクに対し適切な波長でモニターした。基質反応速度パラメーターの評価を、30倍の基質濃度範囲(約6〜200μM)にわたって実施した。線形回帰を用いて初速度を測定し、非線形回帰分析(Mac Curve Fit 1.1、K.Raner)を用いてミカエリス−メンテンの式にデータを適合させることにより反応速度定数を得た。酵素が完全に活性であると想定して代謝回転数(kcat)を計算した。
【0314】
阻害剤および不活化剤の評価:競合阻害剤Ac−D−(D−Gla)−L−I−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHについての阻害定数(Ki)を、競合阻害反応速度用に再調整したミカエリス−メンテンの式:v0/vi=1+[I]0/(Ki(1+[S]0/Km))(式中、v0は非阻害初速度であり、viはいずれかの所定の阻害剤濃度([I]0)における阻害剤の存在下における初速度であり、[S]0は使用した基質濃度である)に従ってv0/vi対阻害剤濃度([I]0)をプロットすることにより、酵素および基質の固定濃度において実験的に決定した。得られたデータを線形回帰を用いて適合させ、得られた傾き、1/(Ki(1+[S]0/Km)を用いてKi*値を計算した。
【0315】
本発明の種々の化合物について得られたKi*値を上記の表に示す。表中、化合物はKi*値の範囲の順に配列されている。これらの試験結果から、当業者にとって、本発明の化合物がNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた有用性を有することは明らかである。
【0316】
本発明を上記の特定の実施態様に関して記載したが、その多くの改変、変形およびその他の変更は当業者にとって明白である。そのような全ての改変、変形および変更は、本発明の精神および範囲内に含まれるものとする。
【0317】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【0318】
【表27】
【表28】
【0319】
【表29】
【表30】
【表31】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
G、JおよびYは同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アルキル−アリールオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノおよびヘテロシクロアルキルアミノ部分からなる群より選択され、所望によりYはさらにX11またはX12で置換されてもよく;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分からなる群より選択され、所望によりX11はさらにX12で置換されてもよく;
X12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、アルキル、アルコキシおよびアリールは所望によりX12から独立して選択される部分でさらに置換されてもよく;
R1はCOR5であり、R5はCOR7であり、R7はNHR10であり、R10はCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)R’、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)COOR11およびCH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CONR12R13からなる群より選択され、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R11、R12およびR13は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アリール−アルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
Zは、O、NまたはCHから選択され;
Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSO2から選択され;
R、R’、R2、R3およびR4は独立してH;R2がC3−C10アルキルであることを除いては、C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ;酸素、窒素、硫黄またはリン原子(該酸素、窒素、硫黄またはリン原子の数は0〜6である);(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル(ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を含む);アリール;R2がC1−C2ヘテロアルキルであることを除いては、ヘテロアリール;アルキル−アリールおよびアルキル−ヘテロアリールからなる群より選択され;
ここでアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルホンアミド、スルホキシド、スルホン、スルホニルウレア、ヒドラジドおよびヒドロキシメートからなる群より選択される1個以上の部分での所望による化学的に適切な置換をいう]
で示される一般構造を有する化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体および互変異性体、ならびに該化合物の医薬上許容される塩または溶媒和物を含む、化合物;ただし、該化合物はバリン基を含まない。
【請求項2】
R1がCOR5であり、R5がCONHR10である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がCOCONHR10であり、R10がCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13およびCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R10がCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13またはCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)であり、R1’がHまたはアルキル、ヘテロアルキルであり、R2’がフェニル、置換フェニル、ヘテロ原子置換フェニル、チオフェニル、シクロアルキル、ピペリジルまたはピリジルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1’がHである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R11がHまたはtert−ブチルであり;
R’がヒドロキシメチルであり;
R2’が以下からなる群より選択され:
【化2】
式中、
U1およびU2は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、F、CH2COOH、CH2COOMe、CH2CONH2、CH2CONHMe、CH2CONMe2、アジド、アミノ、ヒドロキシル、置換アミノ、置換ヒドロキシルからなる群より選択され;
U3およびU4は同じでもよくまたは異なってもよく、OまたはSであり;
U5はアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組合せからなる部分より選択され;
NR12R13は以下からなる群より選択され:
【化3】
式中、U6はH、OHまたはCH2OHである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
R2が以下の部分からなる群より選択される、請求項2記載の化合物:
【化4】
【請求項8】
R3が以下からなる群より選択され:
【化5】
【化6】
および
【化7】
式中R31=OHまたはO−アルキルであり;
Y19は以下の部分より選択され:
【化8】
Y20は以下の部分より選択される:
【化9】
請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R3が以下の構造から選択される、請求項8記載の化合物:
【化10】
【請求項10】
Z=Nであり、R4=Hである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
WがC=OまたはSO2である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
Yが以下の部分より選択され:
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
Y11がH、COOH、COOEt、Ome、Ph、Oph、NHMe、NHAc、NHPh、CH(Me)2、1−トリアゾリル、1−イミダゾリルおよびNHCH2COOHから選択され;
Y12がH、COOH、COOEt、Ome、F、ClまたはBrから選択され;
Y13が以下の部分から選択され:
【化17】
Y14がMeSO2、Ac、Boc、iBoc、CbzまたはAllocから選択され;
Y15およびY16は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してアルキル、アリールもしくはヘテロアルキルまたはヘテロアリールから選択され;
Y17はCF3、NO2、CONH2、OH、COOCH3、OCH3、OC6H5、C6H5、COC6H5、NH2またはCOOHであり;
Y18はCOOCH3、NO2、N(CH3)2、F、OCH3、CH2COOH、COOH、SO2NH2またはNHCOCH3である、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
Yが以下からなる群より選択され:
【化18】
式中、Y17=CF3、NO2、CONH2、OH、NH2またはCOOHであり;
Y18=F、COOHである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
Jが以下からなる群より選択される、請求項13記載の化合物:
【化19】
【請求項15】
JがH、CH3またはBnである、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
Gが以下の部分から選択され:
【化20】
【化21】
である、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
Gが以下からなる群より選択される、請求項16記載の化合物:
【化22】
【請求項18】
R3がシクロヘキシルである、請求項7記載の化合物。
【請求項19】
Yが2−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル、3−テトラヒドロフリルメトキシおよび2−スルホフェニルからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項20】
Gがエチルスルホニルメチル、フェニルスルホニルメチル、2−フェニルエチルスルホニルメチルおよび1−ナフチルスルホニルメチルからなる群より選択される、請求項15記載の化合物。
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
G、JおよびYは同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アルキル−アリールオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノおよびヘテロシクロアルキルアミノ部分からなる群より選択され、所望によりYはさらにX11またはX12で置換されてもよく;
X11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分からなる群より選択され、所望によりX11はさらにX12で置換されてもよく;
X12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、アルキル、アルコキシおよびアリールは所望によりX12から独立して選択される部分でさらに置換されてもよく;
R1はCOR5であり、R5はCOR7であり、R7はNHR10であり、R10はCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)R’、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONR12R13、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)COOR11およびCH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CONR12R13からなる群より選択され、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R11、R12およびR13は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アリール−アルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
Zは、O、NまたはCHから選択され;
Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSO2から選択され;
R、R’、R2、R3およびR4は独立してH;R2がC3−C10アルキルであることを除いては、C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ;酸素、窒素、硫黄またはリン原子(該酸素、窒素、硫黄またはリン原子の数は0〜6である);(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル(ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を含む);アリール;R2がC1−C2ヘテロアルキルであることを除いては、ヘテロアリール;アルキル−アリールおよびアルキル−ヘテロアリールからなる群より選択され;
ここでアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルホンアミド、スルホキシド、スルホン、スルホニルウレア、ヒドラジドおよびヒドロキシメートからなる群より選択される1個以上の部分での所望による化学的に適切な置換をいう]
で示される一般構造を有する化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体および互変異性体、ならびに該化合物の医薬上許容される塩または溶媒和物を含む、化合物;ただし、該化合物はバリン基を含まない。
【請求項2】
R1がCOR5であり、R5がCONHR10である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がCOCONHR10であり、R10がCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13およびCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R10がCH(R1’)CONHCH(R2’)COOR11、CH(R1’)CONHCH(R2’)CONR12R13またはCH(R1’)CONHCH(R2’)(R’)であり、R1’がHまたはアルキル、ヘテロアルキルであり、R2’がフェニル、置換フェニル、ヘテロ原子置換フェニル、チオフェニル、シクロアルキル、ピペリジルまたはピリジルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1’がHである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R11がHまたはtert−ブチルであり;
R’がヒドロキシメチルであり;
R2’が以下からなる群より選択され:
【化2】
式中、
U1およびU2は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してH、F、CH2COOH、CH2COOMe、CH2CONH2、CH2CONHMe、CH2CONMe2、アジド、アミノ、ヒドロキシル、置換アミノ、置換ヒドロキシルからなる群より選択され;
U3およびU4は同じでもよくまたは異なってもよく、OまたはSであり;
U5はアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組合せからなる部分より選択され;
NR12R13は以下からなる群より選択され:
【化3】
式中、U6はH、OHまたはCH2OHである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
R2が以下の部分からなる群より選択される、請求項2記載の化合物:
【化4】
【請求項8】
R3が以下からなる群より選択され:
【化5】
【化6】
および
【化7】
式中R31=OHまたはO−アルキルであり;
Y19は以下の部分より選択され:
【化8】
Y20は以下の部分より選択される:
【化9】
請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R3が以下の構造から選択される、請求項8記載の化合物:
【化10】
【請求項10】
Z=Nであり、R4=Hである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
WがC=OまたはSO2である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
Yが以下の部分より選択され:
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
Y11がH、COOH、COOEt、Ome、Ph、Oph、NHMe、NHAc、NHPh、CH(Me)2、1−トリアゾリル、1−イミダゾリルおよびNHCH2COOHから選択され;
Y12がH、COOH、COOEt、Ome、F、ClまたはBrから選択され;
Y13が以下の部分から選択され:
【化17】
Y14がMeSO2、Ac、Boc、iBoc、CbzまたはAllocから選択され;
Y15およびY16は同じでもよくまたは異なってもよく、独立してアルキル、アリールもしくはヘテロアルキルまたはヘテロアリールから選択され;
Y17はCF3、NO2、CONH2、OH、COOCH3、OCH3、OC6H5、C6H5、COC6H5、NH2またはCOOHであり;
Y18はCOOCH3、NO2、N(CH3)2、F、OCH3、CH2COOH、COOH、SO2NH2またはNHCOCH3である、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
Yが以下からなる群より選択され:
【化18】
式中、Y17=CF3、NO2、CONH2、OH、NH2またはCOOHであり;
Y18=F、COOHである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
Jが以下からなる群より選択される、請求項13記載の化合物:
【化19】
【請求項15】
JがH、CH3またはBnである、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
Gが以下の部分から選択され:
【化20】
【化21】
である、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
Gが以下からなる群より選択される、請求項16記載の化合物:
【化22】
【請求項18】
R3がシクロヘキシルである、請求項7記載の化合物。
【請求項19】
Yが2−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル、3−テトラヒドロフリルメトキシおよび2−スルホフェニルからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項20】
Gがエチルスルホニルメチル、フェニルスルホニルメチル、2−フェニルエチルスルホニルメチルおよび1−ナフチルスルホニルメチルからなる群より選択される、請求項15記載の化合物。
【公開番号】特開2009−292832(P2009−292832A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183355(P2009−183355)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2002−514094(P2002−514094)の分割
【原出願日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願人】(500072714)デンドレオン コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2002−514094(P2002−514094)の分割
【原出願日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願人】(500072714)デンドレオン コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
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