説明

C5a受容体拮抗物質

【課題】C5a受容体拮抗物質の提供。
【解決手段】以下のC5a受容体拮抗物質。


〔1つの実施態様において、X1は質量約1〜300のラジカルであり、このラジカルは好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(R6)−C(NH)−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールおよび置換アリールを含む群から選択され、X2およびX6は、個別にかつ独立して芳香族アミノ酸、その誘導体または類似体であり、X5およびX7は、個別にかつ独立して疎水性アミノ酸、その誘導体または類似体である。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C5a受容体の拮抗物質およびその用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
適応免疫系(adaptive immune system)に加えて、感染に対する防御のための他の−発達上のずっと古い系がある。この系は補体系と呼ばれており、30個を超える溶解性で膜に結合したタンパク質よりなっている。補体系は、たとえば病原菌を排除する適用免疫系なしに、またはそれと共に活性化される。補体系の制御不能な活性化または不適切な調整は、敗血性ショック、再潅流障害、関節リュウマチ、移植拒否反応、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、全身性エリテマトーデス(SLE)および糸球体腎炎のような多数の炎症性疾患に関係する。補体系と疾患の関係に関して多数の概要書が刊行されている(たとえば、Kirschfink 1997 Immunopharmacology 38: 51-62; Markides 1998 Pharmacological Reviews 50: 59-87, Walport 2001 The New England Journal of Medicine 344: 1140-1144, Walport 2001 The New England Journal of Medicine 344: 1058-66)。
【0003】
補体系の活性化は、3つの異なる経路を介して起こる。それらは、古典的、代替的およびマンノース結合レクチン(MBL)経路と呼ばれている。すべての経路は順次的処理を介し、ついでプロテアーゼのプロフォーム(pro-form)の活性化に進む。各活性化されたプロテアーゼは次のプロフォームを切り離し、そして活性化するので、初期反応の増幅が得られる。これは凝血カスケードに似ている。補体系に関する概要はシム(Sim)とライチ(Laich)が与えている(2000 Biochemical Society Transactions 28: 545-550)。
【0004】
補体系に関して発生する最も重要なタンパク質のいくつかは、C3a,C3b,C5a,およびC5bである。これらのタンパク質を詳細に検討する。
【0005】
C3bは補体カスケード、C5変換酵素の中心的プロテアーゼの本質的部分である。C3bは補体活性化の古典的および代替的経路の両方からC5変換酵素の一部である。MLB経路もまた古典的経路の変換酵素を介して進む。C5変換酵素は補体カスケードの進行を担い、かつC5の切離しを触媒する。加えて、C3bはたとえばマクロファージによりさらに食細胞活動する傾向にあるバクテリアの表面に共有結合する。同様のプロセスは、免疫複合体クリアランス(immune complex clearance)に対しても記述されている。
【0006】
C3aは、C3の切離しの際にC3bに加えて生ずる小さい断片である。C3aは比較的弱いケモカインでありアナフィラトキシンに属する。
【0007】
C5bはC5の切離しによって形成される。この切離した産物は、膜攻撃複合体(MAC)の形成の出発点である。MACは孔を形成し、バクテリアと内在する細胞の原形質膜の両方に孔を開ける孔の形成により、孔が開けられた細胞は溶解し得る。
【0008】
C5aは血漿タンパク質C5のα−鎖の74個のアミノ酸N−末端切離し産物であり、C5変換酵素の活性により放出される。C5aはC5a受容体C5aR1またはCD88と呼ばれるその受容体により高い親和性で結合しており、多くの炎症促進(pro-inflammatory)効果を引き起こす。それは最も有効なケモカインの一つであり、C3aとしてアナフィラトキシンに属する。C5aRは多くの細胞に見出され得る。この受容体は特に、好中球、マクロファージ、平滑筋細胞および内皮細胞に見出される。
【0009】
C5aの放出は、多くの疾患に直接的または間接的な原因と考えられている。例示としては、敗血症(Huber-Lang et al. 2001 Faseb Journal 15: 568-570)、多発性硬化症、(Mullerladner et al. 1996 Journal of Neurological Science 144: 135-141)、再潅流障害(Riley et al. 2000 Journal of Thoriacic and Cardiovascular Surgery 120: 350-358)、乾癬(Bergh et al. 1993 Archives of Dermatological Research 285: 131-134)、関節リウマチ(Woodruff et al. 2002 Arthritis and Rheumattism 46: 2476-85) および一般的に免疫複合体が関連した疾患(Heller et al. 1999 Journal of Immunology 163: 985-994)である。C5a関連の疾患についての概要はケール(Koehl)(2001 Molecular Immunology 38: 51-62)に示されている。
【0010】
C5aが炎症性疾患の多くの症状の原因であることは明らかであるにもかかわらず、今日まで、受容体とそのリガンドの相互作用を直接目的とする医薬は承認されていなかった。C5aRは特に興味深い対象である。これは、受容体を欠くマウスが通常でない表現型を示さないという知見に基づく特段のケースである(Hopken et al. 1996 Nature 383: 86-89)。このことは、病原体(MAC形成)と免疫複合体クリアランスに対する防御のために有用な機能をもつ補体カスケードが、たとえ受容体が総合的に不活性化された場合でも、依然として阻害されない形で進められることを意味している。
【0011】
ここではC5aR拮抗物質とも称する特定のC5a受容体拮抗物質の開発は、これまでのプログラムの一部であった。そのほか、小さい分子が見出されている。そうした分子の例としては、L−156602(Merck)、RPR120033(Rhone-Poulenc)、W−54011(Mitsubishi Pharma)およびNGD 2000−1(Neurogen)がある。<500g/molの分子量をもつ近年公知の全ての阻害物質は以下の欠点の少なくとも一つを有している:低い特異性、作動(agonistic)性、低すぎる親和性、極く小さい溶解性、不適切な代謝安定性、またはP450酵素の阻害。
【0012】
C5aR阻害物質の開発の別の方法は、組替えタンパク質の使用に基づく。そうしたタンパク質に基づく拮抗物質の例は、CGS 32359(Ciba-Geigy, Pellas et al. 1998 Journal of Immunology 160: 5616-5621)、ΔpIII−A8(Heller et al. 1999 Journal of Immunology 163: 985-994)および抗体であり、それらは組替え物または非組み替え物起源であり得る(Huber-Lang et al. 2001 Faseb Journal 15: 568-570)。これらのC5aR拮抗物質はタンパク質であるから製造コストが高い。これらは比較的高い親和性と特異性を有するが、ハッキリした免疫原性という欠点を有している。加えて、タンパク質は、たとえば注射などの費用の掛かる処置でのみ有効な投与が可能である。
【0013】
C5aのC−末端配列情報成はペプチド性C5aR拮抗物質の開発に用いられていた。治療的に有用なC5aRの拮抗物質としてのペプチドは、その低い製造コスト、減ぜられた免疫原性および高い血漿安定性により、タンパク質治療を越えて有利である。加えて、それらは近年公知の小さい分子の多くよりもっと特異的である。多くのペプチド性拮抗物質は文献に記載されている。殆ど全てのC5aR拮抗物質の共通する特徴は、C5aのC−末端におけるそれらの起源である。ペプチド性C5aR拮抗物質または部分的作動物質(agonists)の例は、つぎの特許または特許出願に見出される:US 4,692,511、US 5,663,148、WO 90/09162、WO 92/11858、WO 92/12168、WO 92/21361、WO 94/07518、WO 94/07815、WO 95/25957、WO 96/06629、WO 99/00406およびWO 99/13899、WO 03/033528。デ・マルチノ(De Martino )ら(1995 Journal of Biological Chemistry 270: 15966-15969)において、ペプチド性C5aR拮抗物質におけるC−末端アルギニンの重要性の構造的説明の最初の試みがなされた。15967頁に、C−末端アルギニンは記載されたペプチドの親和性と活性に非常に重要であることが示されている。正に荷電されたグアニジニウム基と負に荷電されたカルボキシル基の両方が、アルギニンの親和性向上性に重要であることが指摘されている。グアニジニウム基が受容体とのエネルギー放出接触の原因であり、一方、遊離のカルボキシル基が受容体のArg−206との干渉を無効にするという、両方の残基の影響がさらに特徴付けられた(15966頁)。
【0014】
今日まで記載された殆ど全てのC5aR結合ペプチドはそのC−末端に正に荷電されたアミノ酸アルギニンを有している。これらのペプチドの配列は、科学文献(Finch et al. 1999 Journal of Medicinical Chemistry 42: 1965-1974; Wong et al. 1999 IDrugs 2: 686-693; Psczkowski et al. 1999 Pharmacology 128: 1461-1466)ならびに上記の特許出願および特許の両方で公開されている。
【0015】
WO90/09162では、38個のペプチド性阻害物質がそれらのIC50値と一緒に提示されている(例2, 13, 23, 31, 91, 106, 111, 117, 131, 150, 165, 182, 188, 202, 213, 220, 229, 245, 247, 249, 279, 282, 295, 296, 305, 316, 338, 348, 377, 402, 404, 409, 421, 424, 432, 445, 455, 460)。これらのペプチドのうち、37個のペプチドはC−末端アルギニンを有しており、またただ1個のペプチドは異なるC−末端アミノ酸(チロシン、例305)を有している。WO90/09162の例305のアミノ酸配列はAc−Phe−Lys−Ala−Cha−Ala−Leu−ala−Tyr−OHであり、結合として0.17μMのIC50値が示された。これは、C−末端Argをもつ他の記載されたペプチドに比べて親和性の点で1/10未満の低い値である。(たとえば、それぞれIC50値が0.012μMおよび0.011μMであるAc−Phe−Lys−Ala−Cha−Ala−Leu−N−Methyl(D)ala−Arg−OH(例296)および(N−Ethyl)Phe−Lys−Ala−Cha−Ala−Leu−N−Methyl(D)ala−Arg−OH(例402))。本出願で用いる機能的アッセイにおいて、チロシン含有化合物は1.3μMというIC50値を示す。機能的アッセイは一般に、結合アッセイよりも生体内活性をより予測させ得る。それゆえ、C−末端アミノ酸としてのチロシンの使用が、薬学的に有用なC5aR拮抗物質の開発のために用いられ得るペプチドへ導かないことが明らかである。これはまた、著者がそれ以上のチロシン含有ペプチドをそれらの活性値と共に記載していない理由でもあり得る。
【0016】
WO92/12168には、さらに20個のペプチドがそれらのIC50値(C5aRに対する)と一緒に記載されている。これらのうちの19個のペプチドは、D体でもL体でもあり得る末端アルギニンを有している。1個のペプチドは疎水性相互作用を介して作用し得るC−末端フェニルブタノイル残基を有している。このペプチド(例170)は(N−メチル)Phe−Lys−Pro−cha−Phe−フェニルブタノイル配列を有しており、わずか2.6μMというIC50値を有していると言われているが、この値は医薬としての使用には充分ではないと思われる。直接的に対比できる構造が記載されていないから、この出願からはC−末端アルギニルとフェニルブタノイルとを直ちに比較することは困難である。WO 92/12168 の例105((N−メチル)Phe−Lys−Pro−cha−Ψ{CH2−N(CH2CH265)}−Arg−OH)が例170との対比に最も適した化合物である。この6量体のIC50値は0.36μMである。これは、この例でもArgの置換が活性の減少につながることを意味している。
【0017】
WO94/07518のIC50値が示されている22個の例において、その全てがC−末端アルギニンを有している。
【0018】
WO 90/09162、WO 92/12168およびWO 94/07518 で示されているIC50値は、これらの実験がなされた時点ではC5a過剰発現細胞(C5a overexpressing cells)は発生されないので、多形核好中球性顆粒球から単離された膜(PMN膜)の測定に由来するものである。これらの測定の結果は全体の細胞(whole cells)に対する化合物の親和性を反映していない。これらの化合物は全体の細胞に関しては受容体への減少した親和性を有している(Kawai et a1. 1991 Journal of Medicinal Chemistry 34: 2068-71; Rollins et al. 1988 Journal of Biological Chemistry 263: 520-526)。しかしながら受容体に対する拮抗物質の結合よりも生物的な活性を測定することは、もっと意味あることである。このような機能的アッセイはしばしば、Gタンパク質結合受容体に使用されている。
【0019】
国際特許出願WO 95/25957とWO 96/06629で提示されたIC50値が知られた例は、例外なく、C−末端アルギニンを含むペプチドである。このことは、ウオン(Wong)ら(Wong et al. 1998 Journal of Medicinal Chemistry 41: 3417-3425)およびフィンチ(Finch)ら(Finch et al. 1999 Journal of Medicinal Chemistry 42: 1965-1974)の論文についても当てはまる。これらの論文には、それぞれ6個および31個の鎖状および環状の6または7−merペプチドが記載されている。
【0020】
WO99/00406には多数の環状および鎖状のペプチド性阻害物質が記載されている。それらに共通する特徴はC−末端アルギニンである。WO99/00406において概説されているファルマコフォル(pharmacophore)のモデルは、アルギニンによって実現されている必要な正の荷電を直接的に指し示している(WO 99/00406 12頁, 13行以下)。
【0021】
C−末端アルギニンは、自然に生ずるC5aにおける活性に対しても決定的な重要性をもつ。このアルギニンがカルボキシペプチダーゼによって切り離された場合(C5a−desArg)(ジェラード(Gerard)とジェラード(Gerard) 1994 Annual Reviews in Immunology 12: 775-808)、使用するアッセイ系にもよるが、作動的な効能はファクター10〜1000ほど減衰する。
【0022】
WO 03/033528には、Ac−Phe[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]分子(化合物1)における種々のアミノ酸の単独置換が報告されている。C5aRに対する親和性の減少および拮抗効果の減少が、Argのホモアルギニンによる置換(化合物44)、シトルリンによる置換(化合物45)、リジンによる置換(化合物47)またはカナバニンによる置換(化合物47)で記載されている。親和性の測定として報告されているIC50値は、それぞれ1.36μM(44)、6μM(45)および24μM(47)である。カナバニンについてはIC50値は報告されていない。これは、これらのアルギニン置換によりC5a受容体への親和性における顕著な現象を指摘している(1のIC50は0.45μMである)。荷電されたアルギニン置換(ホモアルギニンおよびリジン)の効果から離れて、特に、荷電されたアルギニン(0.45μM)の荷電されていないシトルリン(6μM)による交換の際の結合強度における強度低下は特記される。拮抗活性はもっと減衰する(Arg:0.028μM,Cit:0.690μM)。正電荷の顕著性は、それゆえ、グアニジニウム基(Arg)と尿素基(Cit)が生物学的に等電(bioisosteres)であるという事実、および対比できるスペースを必要とするという事実によって強調される。このことはまた、側鎖自体の大きさが活性の予測の基準として充分ではないことに反映する。前記のWO03/033528は、アルギニン(1)のシトルリン(45)への置換が主張されている顕著に拮抗性をもつ化合物となると述べている(p.44, line 28ff)。しかし、何が顕著であるかに対するカットオフレートが任意に選ばれており、また活性における24倍の顕著な低下についてはペプチド性C5aR拮抗物質における先行技術においてよく知られているC−末端アルギニンの重要性を強調している。ところでWO03/033528において、シトルリン含有ペプチド45は生理的条件下で正のネット電荷を有さず、結合値および拮抗活性が報告されている唯一のペプチドである。
【0023】
モリキス(Morikis)とランブリス(Lambris)のレビュー(2002 Biochemical Society Transactions 30: 1026-1036)において、作動物質および拮抗物質のC5a受容体への親和性にためにアルギニンの重要性が強調されている。
【0024】
先行技術が、顕著な抑制活性((IC50<200nM))をもつペプチド性および偽ペプチド性(peptidomimetic)C5aリガンドのためにC−末端に局在化した正電荷を要求していることは明らかである。この電荷は通常、アルギニンにより実現される。
【0025】
本出願における課題はC5aR拮抗物質の提供にある。本発明におけるもう1つの課題は、C5a受容体が原因となる間接的または兆候的な態様において含まれる疾患の処置のために用いることができる医薬を提供することにある。
【0026】
本発明の第1の観点において、前記課題は、次の構造:
【0027】
【化1】

【0028】
〔構造中、X1は、質量約1〜300のラジカルであり、X1は好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(N6)−SO2−、R5−N(R6)−、R5−N(R6)−CS−、R5−N(R6)−C(NH)−、R5−CS−、R5−P(O)OH−、R5−B(OH)−、R5−CH=N−O−CH2−CO−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、F、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、置換アシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキルおよび置換アリールオキシアルキルを含む群から選択され、
X2は、フェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3およびX4は、個別にかつ独立してスペーサーであり、このスペーサーは好ましくはアミノ酸、アミノ酸類似体およびアミノ酸誘導体を含む群から選択され、
X5は、シクロヘキシルアラニンまたはホモロイシン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X6は、トリプトファン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X7は、ノルロイシンまたはフェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3とX7の間に化学結合が形成されており、
式(I)中の線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、更に好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0029】
1つの実施態様において、X3およびX7は個別にアミノ酸、アミノ酸類似体またはアミノ酸誘導体であり、X3とX7の間の化学結合の形成にX3およびX7の部分の少なくとも1つが参加し、そのX3およびX7の部分は個別にかつ独立してC末端、N末端およびアミノ酸の各側鎖のを含む群から選択される。
【0030】
1つの実施態様において、X1は質量約1〜300のラジカルであり、このラジカルは好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(R6)−C(NH)−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールおよび置換アリールを含む群から選択され、
X2およびX6は、個別にかつ独立して芳香族アミノ酸、その誘導体または類似体であり、
X5およびX7は、個別にかつ独立して疎水性アミノ酸、その誘導体または類似体である。
【0031】
1つの実施態様において、X2、X5、X6およびX7は個別にかつ独立して次の構造:
【0032】
【化2】

【0033】
〔構造中、XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>S=O、>C=NH、>C=N−CN、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CH3、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
構造(III)がX1とX3、X4とX6、X5とX7、およびX6とX3の部分構造に結合するのは、好ましくはR1およびR2を介して行われ、
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは芳香族基を含み、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択され、および
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは脂肪族または芳香族基を含み、かつ好ましくはアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択される〕
を有する。
【0034】
好ましい実施態様では、環はR3およびR4の参加の下に形成される。
【0035】
1つの実施態様において、X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立してR3は、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、1,1−ジフェニルメチル、置換1,1−ジフェニルメチル、ナフチルメチル、置換ナフチルメチル、チエニルメチル、置換チエニルメチル、ベンゾチエニルメチル、置換ベンゾチエニルメチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インドリルメチルを含む群から選択される。
【0036】
1つの実施態様において、X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3は、C3〜C5アルキル、置換C3〜C5アルキル、CS〜C7シクロアルキル、置換C5〜C7シクロアルキル、C5〜C7シクロアルキルメチル、置換C5〜C7シクロアルキルメチル、シクロアルキルエチル、置換シクロアルキルエチル、ベンジル、置換ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、チエニルメチル、プロペニル、プロピニル、メチルチオエチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インダゾリルメチルを含む群から選ばれる。
【0037】
1つの実施態様において、X1は、H、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル、フルオロメチルカルボニル、ジフルオロメチルカルボニル、フェニル、オキシカルボニル、メチル−オキシカルボニル、フェニル−アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、フェニル−スルホニル、2,6−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボニルおよびメチル−スルホニルを含む群から選ばれる。
【0038】
1つの実施態様において、X2は、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;、
またはX2およびX1は一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5は、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7は、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である。
【0039】
1つの実施態様において、X1および/またはX4が水溶性を向上する1またはそれ以上の基を含み、該水溶性向上基はヒドロキシ、ケト、カルボキサミド、エーテル、尿素、カーバメート、アミノ、置換アミノ、グアニジノ、ピリジルおよびカルボキシルを含む群から選ばれる。
【0040】
本発明の第2の観点において、課題は次の構造:
【0041】
【化3】

【0042】
〔構造中、X1〜X3およびX5〜X7は第1の観点に従って定義されており、さらに構造中、
X4は環状または非環状アミノ酸であり、該環状アミノ酸はプロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、シス−Hypおよびトランス−Hypを含む群から選ばれ、また非環状アミノ酸はSer、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)、Arg、Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)、Hyp(CONH−CH2CH(OH)−CH2OH)およびそれらに対応する各誘導体およびそれらに対応する各類似体を含む群から選ばれ;かつ
式(I)中の線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、さらに好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質で解決される。
【0043】
1つの実施態様において、X4で示されるアミノ酸は好ましくは、プロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、Hyp、Ser、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)およびArgを含む群から選ばれる。
【0044】
1つの実施態様において、X2は、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
またはX2およびX1は一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5は、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7は、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である。
【0045】
本発明の第3の観点において、課題は次の構造:
【0046】
【化4】

【0047】
{構造中、X1〜X2およびX4〜X7は本発明の第1のおよび/または第2の観点で定義されており、また構造中、
X3は次の構造
【0048】
【化5】

【0049】
〔構造中、
XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO、>PO(OH)、>B(OH)、>CH、>CHCO、>CHFおよび>CFを含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CF、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
構造(IV)のX2およびX4部分への結合が好ましくはR1およびR2を介して行われ、
R3はラジカルであり、このラジカルはH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換ヘテロアリールアルキルを含む群から選択される、
Yは場合により存在し、存在する場合にはYはラジカルであって、−N(YB)、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−C=N−O−、−CO−N(YB)−および
【0050】
【化6】

【0051】
(式中、YB、YB1およびYB2は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択される)〕}
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質で解決される。
【0052】
1つの実施態様において、R3はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルおよび
【0053】
【化7】


を含む群から選択されるラジカルであり、
【0054】
Yは場合により存在し、存在する場合にはYはラジカルであって、−N(YB)、−O−、−S−および−S−S−を含む群から選択され、またYBは好ましくは第3の観点で定義される。
【0055】
1つの実施態様において、X2は、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
またはX2およびX1は一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5は、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7は、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である。
【0056】
本発明の第1ないし第3の観点のいずれかの1つの実施態様において、X3はアルファ−アミノ−グリシン、アルファ−ベータ−ジアミノプロピオン酸(Dap)、アルファ−ガンマ−ジアミノ酪酸(Dab)、オルニチン、リジン、ホモリジン、Phe(4−NH2)、2−アミノ−3−(4−ピペリジニル)プロピオン酸および2−アミノ−3−(3−ピペリジニル)プロピオン酸を含む群から選ばれたアミノ酸の誘導体であり、また該アミノ酸は側鎖で誘導体化されている。
【0057】
本発明の第4の観点において、課題は、好ましくは第1ないし第4の観点のいずれかに記載されており、次の構造:
【0058】
【化8】

【0059】
〔構造中、
AはH、NH2、NHアルキル、Nアルキル2、NHアシルおよびOHを含む群から選ばれ、
BはCH2(アリール)、CH(アリール)2、CH2(ヘテロアリール)、置換CH2(アリール)、アリール、置換アリールおよびヘテロアリールを含む群から選ばれ、
C1およびC2は個別にかつ独立してアルキルおよび置換アルキルを含む群から選ばれ、該C1とC2の間に場合により結合を形成してもよく、
Dはアルキル、シクロアルキル、CH2(シクロアルキル)、CH2CH2(シクロアルキル)、CH2Ph(2−Me)およびCH2−S−アルキルを含む群から選ばれ、
EはCH2(アリール)、置換CH2(アリール)およびCH2(ヘテロアリール)を含む群から選ばれ、
Fはアルキル、CH2−S−アルキル、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH−CCH、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2Ph、CH2ナフチル、CH2チエニルを含む群から選ばれ、
Z1はn=1、2、3、4の(CH2)nNH、(CH2)3O、(CH2)2O、(CH2)4、(CH2)3、CH2Ph(4−NH)およびCH2(4−ピペリジニル)を含む群から選ばれ、かつ
Z3は場合により存在し、存在する場合はZ3はCOおよびCH2を含む群から選ばれる〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質で解決される。。
【0060】
式(V)に記載された本発明の化合物のこの実施態様の個別の部分は、式(I)の本発明の化合物の部分と次:
【0061】
X1〜X2は、
【0062】
【化9】


であり、
【0063】
X3は、
【0064】
【化10】


であり、
【0065】
X4は、
【化11】


であり
X5は、
【0066】
【化12】


であり、
【0067】
X6は、
【0068】
【化13】


であり、
【0069】
およびX7は、
【0070】
【化14】


である
ように結合することができる。
【0071】
第4の観点の実施態様において、AはH、NH2、NHEt、NHAc、OHを含む群から選ばれ、
BはCH2Ph、CH2Ph(4−F)、CH(Ph)2、CH2チエニル、CH2ナフチル、フェニル、Ph(4−F)およびチエニルを含む群から選ばれ、
C1はHおよびメチルを含む群から選ばれ、C2はメチルおよびCH2OHを含む群から選ばれ、又は該C1とC2が結合により連結されている場合は、得られる構造は−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−および−CH2CH(OH)CH2−を含む群から選ばれ、
Dはアルキル、CH2CH2iPr、CH2iPr、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2CH2シクロヘキシル、CH2Ph(2−Me)、CH2−S−tBuおよびCH2−S−iPrを含む群から選ばれ、
EはCH2Ph、CH2Ph(2−Cl)、CH2Ph(3−Cl)、CH2Ph(4−Cl)、CH2Ph(2−F)、CH2Ph(3−F)、CH2Ph(4−F)、CH2インドリル、CH2チエニル、CH2ベンゾチエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
Fは(CH2)3CH3、(CH2)2CH3、(CH2)2−iPr、CH2−iPr、iPr、CH2−S−Et、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH2−CCHおよびシクロヘキシルを含む群から選ばれ、
Z1はn=1、2、3、4の(CH2)nNH、(CH2)3O、CH2Ph(4−NH)およびCH2(4−ピペリジニル)を含む群から選ばれ、かつ
Z3は場合により存在し、存在する場合はZ3はCOおよびCH2を含む群から選ばれる。
【0072】
本発明の第5の観点において、前記課題は、次の構造:
【0073】
【化15】

【0074】
〔構造中、d1、d2、d3およびd4は、該化合物のエネルギー的に到達可能な配座異性体の少なくとも1つにおけるA、B、CおよびDの距離を表し、次の値:
【0075】
【化16】


を有し、
【0076】
AおよびCは個別にかつ独立して疎水性ラジカルであり、この疎水性ラジカルはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールを含む群から選択され、
BおよびDは個別にかつ独立して芳香族またはヘテロ芳香族ラジカルであり、ここで芳香族ラジカルは好ましくはアリールであり、ヘテロ芳香族ラジカルは好ましくはヘテロアリールである〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0077】
1つの実施態様において、AおよびCは個別にかつ独立してC3〜C6アルキル、C5〜C7シクロアルキル、メチルチオエチル、メチルチオ−tert−ブチル、インドリル、フェニル、ナフチル、チエニル、プロペニル、プロピニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれ;
Bはフェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれ;かつ
Dはフェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、フラニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれる。
【0078】
本発明の第6の観点において、課題は、次の構造:
【0079】
【化17】

【0080】
〔構造中、
A、B、CおよびDはアミノ酸、アミノ酸類似体またはアミノ酸誘導体におけるC−アルファ原子を表し、
d1、d2、d3およびd4は、該化合物のエネルギー的に到達可能な配座変異体の少なくとも1におけるA、B、CおよびDの距離を表し、次の値:
【0081】
【化18】


を有し、
【0082】
前記構造中、アルファ原子がAおよびCで表されるアミノ酸は個別にかつ独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはメチルチオ−tert−ブチル基を含む疎水性アミノ酸側鎖を有し、
前記構造中、アルファ原子がBおよびDで表されるアミノ酸は個別にかつ独立して、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル基を含む芳香族またはヘテロ芳香族アミノ酸側鎖を有する〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0083】
1つの実施態様において、アルファ原子がAで表されるアミノ酸はC3〜C6アルキル、メチルチオエチル、プロペニル、プロピニル、R5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はC5〜C7シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ヒドロキシフェニル、インドリル、イミダゾリル、ナフチルおよびチエニルを含む群から選ばれたラジカルであり;
アルファ原子がBで表されるアミノ酸はR5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はフェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれたラジカルであり;
アルファ原子がCで表されるアミノ酸はC3〜C6アルキル、R5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はC5〜C7シクロアルキル、フェニル、1−メチル−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−フェニルおよびS−tBuを含む群から選ばれたラジカルであり;かつ
アルファ原子がDで表されるアミノ酸はR5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はフェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、フラニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれたラジカルである。
【0084】
本発明の第7の観点において、課題は、次の構造:
【0085】
【化19】

【0086】
〔構造中、X1は、質量約1〜300のラジカルであり、X1は好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(N6)−SO2−、R5−N(R6)−、R5−N(R6)−CS−、R5−N(R6)−C(NH)−、R5−CS−、R5−P(O)OH−、R5−B(OH)−、R5−CH=N−O−CH2−CO−を含む群から選択され、ここで好ましくはR5およびR6は個別にかつ独立してH、F、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、置換アシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキルおよび置換アリールオキシアルキルを含む群から選択され、
X2は、フェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3およびX4は、個別にかつ独立してスペーサーであり、このスペーサーは好ましくはアミノ酸、アミノ酸類似体およびアミノ酸誘導体を含む群から選択され、
X5は、シクロヘキシルアラニンまたはホモロイシン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X6は、トリプトファン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X7は、ノルロイシンまたはフェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X8はラジカルであり、該ラジカルは場合により構造(II)中に存在し、存在する場合は、H、NH2、OH、NH−OH、NH−Oアルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドラジノ、置換ヒドラジノ、アミノオキシ、置換アミノオキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、アミノ酸、アミノ酸誘導体およびアミノ酸類似体を含む群から選ばれ;
式(II)中の連結線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、更に好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0087】
1つの実施態様において、X1が、質量約1〜300のラジカルであり、このラジカルは好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO−、R5−N(R6)−C(NH)−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールおよび置換アリールを含む群から選択され、
X2およびX6は、個別にかつ独立して芳香族アミノ酸、その誘導体または類似体であり、
X5およびX7は、個別にかつ独立して疎水性アミノ酸、その誘導体または類似体である。
【0088】
1つの実施態様において、X2、X5、X6およびX7が、個別にかつ独立して次の構造:
【0089】
【化20】

【0090】
〔構造中、XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>S=O、>C=NH、>C=N−CN、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CH3、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
構造(III)がX1とX3、X4とX6、X5とX7、およびX6とX8の部分構造に結合するのは、好ましくはR1およびR2を介して行われ、
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは芳香族基を含み、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択され、および
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは脂肪族または芳香族基を含み、かつ好ましくはアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択される〕
を有する。
【0091】
1つの実施態様において、環はR3とR4を用いて形成される。
【0092】
1つの実施態様において、X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3は、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、1,1−ジフェニルメチル、置換1,1−ジフェニルメチル、ナフチルメチル、置換ナフチルメチル、チエニルメチル、置換チエニルメチル、ベンゾチエニルメチル、置換ベンゾチエニルメチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インドリルメチルを含む群から選ばれる。
【0093】
1つの実施態様において、X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3は、C3〜C5アルキル、置換C3〜C5アルキル、C5〜C7シクロアルキル、置換C5〜C7シクロアルキル、C5〜C7シクロアルキルメチル、置換C5〜C7シクロアルキルメチル、シクロアルキルエチル、置換シクロアルキルエチル、ベンジル、置換ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、チエニルメチル、プロペニル、プロピニル、メチルチオエチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インダゾリルメチルを含む群から選ばれる。
【0094】
先行する観点のいずれか、特に第7の観点のいずれかの実施態様において、X8は、H、OR1およびNR1R2を含む群から選ばれ、ここでR1およびR2は個別にかつ独立してH、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアリールアルキルを含む群から選ばれる。
【0095】
第7の観点の実施態様において、X1は、H、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル、フルオロメチルカルボニル、ジフルオロメチルカルボニル、フェニル、オキシカルボニル、メチル−オキシカルボニル、フェニル−アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、フェニル−スルホニル、2,6−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボニルおよびメチル−スルホニルを含む群から選ばれる。
【0096】
第7の観点の実施態様において、X1および/またはX4が水溶性を向上する1以上の基を含み、該水溶性向上基はヒドロキシ、ケト、カルボキサミド、エーテル、尿素、カルバメート、アミノ、置換アミノ、グアニジノ、ピリジルおよびカルボキシルを含む群から選ばれる。
【0097】
本発明の第8の観点において、課題は、次の構造:
【0098】
【化21】

【0099】
〔構造中、X1〜X3およびX5〜X8は本発明の第7の観点に定義されており、さらに構造中、
X4は環状または非環状アミノ酸であり、該環状アミノ酸はプロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、シス−Hypおよびトランス−Hypを含む群から選ばれ、また非環状アミノ酸はSer、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)、Arg、Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)、Hyp(CONH−CH2CH(OH)−CH2OH)およびそれらに対応する各誘導体およびそれらに対応する各類似体を含む群から選ばれ;かつ
式(I)中の連結線−は、化学結合を示し、好ましくはこの化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、さらに好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0100】
本発明の第8の観点の実施態様において、X4で示されるアミノ酸は好ましくは、プロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、Hyp、Ser、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)およびArgを含む群から選ばれる。
【0101】
本発明の第9の観点において、課題は、次の構造:
【0102】
【化22】

【0103】
{構造中、X1〜X2およびX4〜X8は本発明の第7および第8の観点で定義されており、また構造中、
X3は次の構造:
【0104】
【化23】

【0105】
〔構造中、
XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され;
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され;
構造(IV)のX2およびX4部分への結合が好ましくはR1およびR2を介して行われ;
R3は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アシル、置換アシル、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、置換アリールオキシアルキル、スルフィヒドリルアルキル、置換スルフィヒドリルアルキル、ヒドロキシアルキル、置換ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、置換カルボキシアルキル、カルボキシアミドアルキル、置換カルボキシアミドアルキル、カルボキシヒドラジノアルキル、ウレイドアルキル、アミノアルキル、置換アミノアルキル、グアニジノアルキルおよび置換グアニジノアルキルを含む群から選択されるラジカルであり;
Yは場合により存在し、存在する場合にはYはラジカルであって、H、−N(YB1)−CO−YB2、−N(YB1)−CO−N(YB2)(YB3)、−N(YB1)−C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)、−N(YB1)(YB2)、−N(YB1)−SO2−YB2、O−YB1、S−YB1、−CO−YB1、−CO−N(YB1)(YB2)および−C=N−O−YB1を含む群から選ばれ、ここでYB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CN、NO2、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択される〕}
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0106】
第9の観点の実施態様において、R3は、構造
−(CH2m−Y (VII)
または
−(CH2m−C64−Y (VIII)
を有するラジカルであり、
構造中、
mは1、2、3または4であり;
Yは、N(R3b)(R3c)または−N(YB1)−C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)であり、ここでR3b、R3c、YB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CNおよびアルキルを含む群から選ばれる。
【0107】
第9の観点の実施態様において、前記化合物の2つの部分間で環が形成され、該化合物の部分は個別にかつ独立してYB1、YB2、YB3およびYB4を含む群から選ばれる。
【0108】
第9の観点の実施態様において、環がYB2とYB3を用いて形成される。
【0109】
第9の観点の実施態様において、Yが−NH2または
【0110】
【化24】

【0111】
である。
【0112】
本発明の第7ないし第9の観点のいずれかの実施態様において、X2は、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
またはX2およびX1は一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5は、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7は、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である。
【0113】
本発明の第7ないし第9の観点のいずれかの実施態様において、X3はアミノ酸のアミノ酸誘導体であり、ここでアミノ酸はアルファ−アミノ−グリシン、アルファ−ベータ−ジアミノプロピオン酸(Dap)、アルファ−ガンマ−ジアミノブタン酸(Dab)、オルニチン、リジン、ホモリジン、Phe(4−NH2)、2−アミノ−3−(4−ピペリジニル)プロピオン酸および2−アミノ−3−(3−ピペリジニル)プロピオン酸を含む群から選ばれ、また該アミノ酸は側鎖で誘導体化されている。
【0114】
本発明の第10の観点において、課題は、好ましくは第7ないし第9の観点のいずれかに記載されており、次の構造:
【0115】
【化25】

【0116】
〔構造中、
AはH、NH2、NHアルキル、Nアルキル2、NHアシル、置換NHアシルおよびOHを含む群から選ばれ、
BはCH2(アリール)、CH(アリール)2、CH2(ヘテロアリール)および置換CH2(アリール)を含む群から選ばれ、
C1およびC2は個別にかつ独立してアルキルおよび置換アルキルを含む群から選ばれ、場合により該C1とC2の間に結合を形成してもよく、
Dはアルキル、シクロアルキル、CH2(シクロアルキル)、CH2CH2(シクロアルキル)、CH2Ph(2−Me)およびCH2−S−アルキルを含む群から選ばれ、
EはCH2(アリール)、置換CH2(アリール)およびCH2(ヘテロアリール)を含む群から選ばれ、
Fはアルキル、CH2−S−アルキル、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH−CCH、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2Ph、CH2ナフチル、CH2チエニルを含む群から選ばれ、
Z2は−R3−Yであり、R3はH、アルキル、アリールアルキルを含む群から選ばれ、Yは場合により存在し、存在する場合はYはH、N(YB1)(YB2)、N(YB1)C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)、
【0117】
【化26】

【0118】
を含む群から選ばれ、ここでYB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CNおよびアルキルを含む群から選ばれ、任意にYB1、YB2、YB3およびYB4の少なくとも2つを用いて環が形成されていてもよい、かつ
Gは、H、OR1およびNR1R2を含む群から選ばれ、R1およびR2は個別にかつ独立してH、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアリールアルキルを含む群から選ばれる〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質により解決される。
【0119】
第10の観点の実施態様において、AはH、NH2、NHEt、NHAc、OHを含む群から選ばれ、
BはCH2(Ph)、CH2Ph(4−F)、CH(Ph)2、CH2チエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
C1はHおよびメチルを含む群から選ばれ、C2はメチルおよびCH2OHを含む群から選ばれ、又は該C1とC2が結合により連結されている場合は、得られる構造は−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−および−CH2CH(OH)CH2−を含む群から選ばれ、
DはCH2CH2iPr、CH2iPr、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2CH2シクロヘキシル、CH2Ph(2−Me)、CH2−S−tBuおよびCH2−S−iPrを含む群から選ばれ、
EはCH2Ph、CH2Ph(2−Cl)、CH2Ph(3−Cl)、CH2Ph(4−Cl)、CH2Ph(2−F)、CH2Ph(3−F)、CH2Ph(4−F)、CH2インドリル、CH2チエニル、CH2ベンゾチエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
Fは(CH23CH3、(CH22CH3、(CH22−iPr、CH2−iPr、iPr、CH2−S−Et、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH2−CCHおよびシクロヘキシルを含む群から選ばれ、
Z2は−R3−Yであり、R3はCH2、(CH22、(CH23、(CH24およびCH2−C64を含む群から選ばれ、YはNH2、NHEt、N(Et)2、NH−C(NH)−NH2および
【0120】
【化27】

【0121】
を含む群から選ばれ、かつ
Gは、NH2、NHMe、OHおよびHを含む群から選ばれる。
【0122】
式(VI)に記載された本発明の化合物のこの実施態様の個別の部分は、式(II)の本発明の化合物の部分と次:
【0123】
X1〜X2は、
【0124】
【化28】


であり、
【0125】
X3は、
【0126】
【化29】


であり、
【0127】
X4は、
【0128】
【化30】


であり、
【0129】
X5は、
【0130】
【化31】


であり、
【0131】
X6は、
【0132】
【化32】


であり、
【0133】
X7は、
【0134】
【化33】


であり、
【0135】
およびX8はGである
のように結合することができる。
【0136】
本発明の第1〜第10の観点のいずれかの実施態様において、化合物は次の化合物の1つである:
【0137】
【表1】























【0138】
本発明の第11の観点において、前記課題は、先行する請求項のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物およびさらに薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物により解決される。
【0139】
本発明の第12の観点において、前記課題は、本発明の第1〜第10の観点のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物の医薬の製造のための使用により解決される。
【0140】
第12の観点の実施態様において、該医薬は、補体の活性化に伴う状況および/または補体系の抑制により症状が緩和する状況の予防および/または治療に使用される。
【0141】
第12の観点の実施態様において、該医薬は、単独にまたは他の治療剤と組み合わせてC5a受容体の阻害により症状が緩和する状況の予防および/または治療に使用される。
【0142】
第12の観点の実施態様において、該治療されるべき状況および/または症状が自己免疫疾患、急性炎症疾患、外傷、局所性炎症、ショックおよび火傷を含む群から選択される。
【0143】
第12の観点の実施態様において、該状況は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、類肉腫症、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、乾癬、敗血症性ショック、出血性ショック、全身炎症性応答症候群(SIRS)、多発性器官不全(MOF)、喘息、血管炎、心筋炎、皮膚筋炎、炎症性腸疾患(IBD)、天疱瘡、重症筋無力症、糸球体腎炎、急性呼吸不全、発作、心筋梗塞、再灌流傷害、神経知覚機能障害、抗リン脂質症候群、火傷、眼の炎症性疾患、全身性疾患の局所的発現、血管の炎症性疾患、および中枢神経系の急性障害を含む群から選択される。
【0144】
第12の観点の実施態様において、該眼の炎症性疾患がブドウ膜炎、加齢性黄斑変性、糖尿病性網膜症、糖尿病性斑点浮腫、眼の天疱瘡、角結膜炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、およびグレーブス眼症を含む群から選択される。
【0145】
第12の観点の実施態様において、該状況は、全身性疾患の局所的発現であり、全身性疾患が関節リウマチ、SLE、I型糖尿病、およびII型糖尿病を含む群から選択される。
【0146】
第12の観点の実施態様において、該発現が眼、脳、血管、心臓、肺臓、腎臓、肝臓、胃腸管、脾臓、皮膚、骨格系、リンパ系、および血液における発現を含む群から選択される。
【0147】
第12の観点の実施態様において、該血管の炎症性疾患が血管炎、血管漏出、および動脈硬化症を含む群から選択される。
【0148】
本発明の第13の観点において、前記課題は、本発明の第1〜第10の観点のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物の予防および/または手術の支援のための、特にそれらの目的の医薬の製造のための使用により解決される。
【0149】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が予防および/または手術の支援のために使用される。
【0150】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が予防および/または手術の支援および/または術後治療のために使用される。ここで手術はCABG、PACT、PTA、MidCAB、OPCAB、血栓溶解、器官移植、および脈管クランピングを含む群から選択される。
【0151】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が血栓溶解治療に使用される。
【0152】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が透析療法の設定において、場合によりその療法の前、中、および/または後に使用される。
【0153】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が移植した器官または移植する器官の器官損傷を予防するために使用される。
【0154】
本発明の第12および第13の観点の実施態様においては、該医薬が移植拒絶反応の予防または治療に使用される。
【0155】
さらなる観点において、本発明は患者の処置方法に関する。ここでその方法は、本発明の1個または数個の化合物の投与を含んでいる。この処置は狭義における治療でありうるが、また予防処置と二次的治療も含む。該方法の実施態様において、治療は、本発明の阻害物質の予防的投与によって神経認知(neurocognitive)機能障害から保護されるべきCPB(心肺バイパス)患者の処置である。
【0156】
治療される患者は、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくは家畜、競技用動物およびペット、および最も好ましくはヒトである。好ましい実施態様において、患者はそうした処置中の患者である。さらに好ましい実施態様において、患者は、前記の疾患の1つに侵され、その処置のために本発明の化合物を使用してもよい患者である。
【0157】
それゆえ本発明は第1に、正の電荷を含む先行技術の拮抗性ペプチドの固有的な薬学的欠点を克服したC5a受容体用の拮抗物質を提供する。
【0158】
本発明は、先行技術の技術的教示と対照的に、生理学的条件下、特にpH7.4において、正のネット電荷を有さず、および/または生理学的条件下でC−末端アミノ酸が正の電荷を保有しない、C5a受容体用の拮抗物質も得られるという驚くべき知見に基づく。
【0159】
本発明者らの理解によれば、薬理学的見地からペプチド中の正の電荷は非常に不利となり得る。正の電荷は、たとえばヒスタミン放出へと導き、膜の透過性の低下を引き起こし得る(例15参照)。したがって正の電荷を保有しないペプチド性の拮抗物質(以下においては、化合物という)の開発が特に望まれる。
【0160】
加えて、C−末端正電荷の回避はさらに前向きの効果を持ち得る:たとえば、受容体特異性、または薬物動力学、血漿タンパク質結合もしくは変異原性などの重要な生体内パラメータが前向きの影響を受け得る。
【0161】
本発明で開示されている化合物は、機能的アッセイシステムにおけるそれらのIC50値用の一次的アッセイにおいて試験された。好ましいことに、全ての化合物、ペプチドおよび偽ペプチド体が本発明でいう顕著な抑制活性、すなわち実施例1に記載した機能的アッセイシステムにおいて200nM未満のIC50値を有することが認められた。
【0162】
特に、本発明の化合物はC5a受容体拮抗物質である。さらにより好ましくは、それらはペプチドまたは偽ペプチド体である。さらにまた本発明は、本発明に従ってC5a受容体拮抗物質として使用される化合物は荷電されていないC−末端アミノ酸、アミノ酸誘導体またはアミノ酸類似体を保有しているという驚くべき知見に基づく。
【0163】
本発明の特に好ましい化合物及び拮抗物質は、つぎの環状化合物である。
【0164】
【表2】









【0165】
しかし本発明との関係において、鎖状、したがって構造的にフレキシブルであるペプチドが、構造的に固定された環状ペプチドと同様に有効な阻害物質になり得るという驚くべきことが見出された。この理由は、疎水性アミノ酸、アミノ酸誘導体またはアミノ酸類似体によるC−末端の荷電されたアルギニンの置換であり得る。本発明のそうした鎖状ペプチドの例は、特に以下の表に示される化合物である。
【0166】
【表3】















【0167】
フィンチ(Finch)ら1999 Journal of Medicinical Chemistry 42: 1965-1974; ウオン(Wong)ら1999 IDrugs 2: 686-693, US 4,692,511, US 5,663,148, WO 90/09162, WO 92/11858, WO 92/12168, WO 92/21361, WO 94/07518, WO 94/07815, WO 95/25957, WO 96/06629, WO 99/00406, and WO 99/13899などの先行技術で知られている鎖状のペプチドは、一般的に、WO 99/00406(たとえばAc−Phe−[Lys−Pro−cha−Trp−arg],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−arg],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg],Ac−Phe−[Lys−Pro−cha−Trp−Arg])に記載されている環状のペプチドに比べて、C5aの明確に悪い拮抗物質である。拮抗活性の点から、WO99/00406に記載された最も活性のある鎖状ペプチドは、Me−Phe−Lys−Pro−cha−Trp−argという配列と、0.085μMというIC50値(ヒトPMNsを用いた細胞性ミエロパーオキシダーゼ放出アッセイでの測定)を有している。対照的に、対比用の環状ペプチドであるAc−Phe−[Lys−Pro−cha−Trp−arg](これもまたWO 99/00406より)は0.012μMというIC50値を有している。WO 99/00406には、環状ペプチドの構造的フレキシビリティの減少がIC50を減少、すなわち向上に導くと記述している。このことが、Ac−Phe−[Lys−Pro−cha−Trp−arg]およびAc−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]のような環状−フレキシビチティが少ないことを意味する−阻害物質の開発に反映されている。
【0168】
それゆえ、本発明者らは本発明の少なくとも1つの観点に関して従来技術の認識から意図的に離れ、そしてC5aR拮抗物質として使用可能な化合物の新しい種類を提供する。
【0169】
まず本発明は、IC50s<200nMのペプチド性および偽ぺプチド体性のC5aR拮抗物質を記載する。これらは生理学的pH値(pH7.4)の下で正のネット電荷を担持せず、および/またはそのC−末端アミノ酸が正の電荷を担持しない。IC50値は、機能的アッセイ(Koehl 1997 The Anaphylatoxins. In: Dodds, A.W., Sim, R.B.(Eds.), Complement: A Practical Approach. Oxford, pp. 135-163)により決定する。この発明による化合物はしたがって、特に生理学的条件下でC5aR拮抗物質として用いることができる。
【0170】
この発明による化合物については、C5aR結合ペプチドのC−末端アルギニンを脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族種の適切な疎水性置換基で置き換えることができるという知見が強調される。
【0171】
この発明による化合物、特にペプチドおよび偽ペプチド体のもう一つの特徴は、細胞アッセイにおいて少なくとも1430nMの濃度まで作動活性が存在しないことである。例示としての実施例12は、本発明の選択されたペプチドでのC5aR作動活性決定法を用いた測定結果を示している。明らかに本発明の化合物は最も高い濃度まで作動活性を示さない。本発明の範囲内において、本発明の以下の化合物:HOCH2(CHOH)4−C=N−O−CH2−CO−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ph−CH2−CH2−CO−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Phe],H−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Phe],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Phe],Ac−Lys−Phe−
[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],H−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],H−Phe−[Orn−Ser−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Eaf],Ac−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2,Ac−Ebw−Orn−Pro−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Phe−Orn−cha−cha−Bta−Phe−NH2,Ac−Phe−Arg−Pro−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Phe−Orn−Pip−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Phe−Orn−Aze−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Phe−Trp−Pro−cha−Trp−Phe−NH2,Ac−Thi−Orn−Pip−cha−Bta−Phe−NH2,Ac−Phe−Orn−Pro−hle−Bta−Phe−NH2,Ac−Phe−Arg(CH2−CH2)−Pro−cha−Bta−Phe−NH2
が純粋な拮抗物質である本発明のよるペプチドの例である。
【0172】
C5aRの拮抗作用の詳細な分析および化合物Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]のファルマコフォアモデルの開発のために、アミノ酸Phe、TrpおよびArgがL−アラニンで置き換えられ、ProがNMe−アラニンで置き換えられ、さらにchaがD−アラニンで置き換えられた(単一置換)。得られたペプチドは、それらのC5aR拮抗活性に関して機能的アッセイにより分析された。このアプローチから、Trp、chaおよびPheのアミノ酸側鎖のメチル基での置換が活性の明確な損失(IC50値>30μM)に至ることが明らかである。対照的に、拮抗物質Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]の活性は、ProがNMeAlaで置き換えられた分子の活性に相当する(25nMに対しIC50=20nM)。ArgへのAlaの置換は、TrpおよびPheへの置換よりも目立たないが、活性の明確な損失に至る(IC50=20nM 対IC50=5.6μM)。
【0173】
ペプチドAc−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]および類似化合物における追加の置換はそれぞれ、驚くべきことに、特筆すべき活性を有する多数のペプチドおよび偽ペプチド体に至る(実施例11)。特に以下のペプチド:
Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Phe],Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Phe],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Paf],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Ecr],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Ppa],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Met],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nva],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Hle],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Eaf],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Ebd],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Eag],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Pmf],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−2Ni],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Thi],H−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Lys−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Ser−cha−Trp−Phe],HOCH2(CHOH)4−C=N−O−CH2−CO−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−[Orn−Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)−cha−Trp−Phe],Ac−Phe−[Orn−Hyp(CONHCH2COH(OH)CH2OH)−cha−Trp−Phe],フェニルプロピロニル−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle],Ac−Phe−Orn−Pro−hle−Bta−Phe−NH2,Ac−Phe−Arg(CH2−CH2)−Pro−cha−Bta−Phe−NH2
は特筆すべき阻害活性を示す。
【0174】
ペプチドの経口吸収は、大きさ、電荷および疎水性度のような種々のファクターに影響される。にもかかわらず、ペプチドの経口利用は演繹的に(priori)予測できない。一般に、ペプチドは経口利用性に馴染まないと看做されている(Burton et al. 1996 Journal of Pharmaceutical Sciences 85: 1337-1340)。経口吸収の評価のモデルは、腸の上皮細胞の単層を通してのAB透過度の測定である(たとえばCaCO2またはTC−7)(実施例15、Lennernaes 1997 Journal of Pharmacy and Pharmacology 49: 627-38)。C5aR拮抗物質として使用し得る本発明の化合物は、C−末端アルギニンの疎水性置換による顕著に増大したAB透過度を示す。たとえば、拮抗物質Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Phe]は、荷電された拮抗物質Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg]の0.52×10-6という悪い透過度に比べて、14.3×10-6cm/sという驚くべき高い透過度を有している。この高い透過度は、経口的に良好に利用できる化合物に近づいた範囲内の数値を意味している。経口的に良好に利用できる化合物の例は、Lennernasによるこの試験において31.1×10-6cm/sというAB透過度を示すプロパノロール(Propanolol)である。
【0175】
1つの実施態様において、本発明の化合物がX1および/またはX4に水溶性を向上する導入基を有することも、本発明の範囲内である。水溶性の向上のために特に有用なことは、水と強い相互作用を持つことができ、かつ強く可溶化される基の導入である。よく使用される基は:ヒドロキシ、ケト、カルボキシアミド、エーテル、尿素、カルバメート、アミノ、置換アミノ、グアニジノ、ピリジル、カルボキシルである。これらの開示された基は明示的にX1および/またはX4位の全てに導入され、1または数個の水溶性増大基が両方に導入され得る。数個の基の導入の例は、カルボハイドレイト残基およびエチレングリコールの付加である。
【0176】
したがって本発明はさらにまた、特に本発明にしたがって追加の修飾によって溶解性が向上したペプチド性および偽ぺプチド性のC5aR拮抗物質をも含む。そうした修飾は当業者に知られており、そして、たとえば前記の溶解性向上基の導入を含む。これが効率的な方法であること、そしてそれぞれ高度に活性な拮抗物質を導くことは、以下の実施例により示されるであろう。
【0177】
実施例13によれば、化合物1は水性HEPES緩衝液(pH7.4)中で8%の溶解性を示す。これに対し化合物40は、HEPS緩衝液中で94%の溶解性を有している。化合物1に比較して追加のOH基を有する化合物2は、13%の溶解性を示す。化合物4に示すようにさらに複雑な親水性基を付加することにより、溶解性は22%(化合物28)から84%(化合物4)に増大する。このことは、化合物4が荷電していなくとも真実である。それゆえ、疎水性の特徴にもかかわらず本発明のぺプチドおよび偽ペプチドが良好な水溶性の形態に変換され得ることが保証される。
【0178】
以下に、いくつかの用語について、本発明の実施態様で使用されるべき意味を、ここで特により詳細に記述する。これらの用語は定義として時折参照されるが、種々の用語の意味は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0179】
「含む(comprises)」という用語は、好ましい態様において、それぞれの構造的要素が含まれるが、構造はそれに限定されるものではないことを意味する。
【0180】
「置換された(substituted)」という用語は、好ましい態様において、ある基またはある化合物の1個または数個の水素原子が異なる原子、原子団、分子または分子団で置き換えられることを意味する。これに関連して、そうした原子、原子団、分子または分子団自身は置換基(substituents)または置換(substitutions)と称される。いずれの置換に必要な要件は、慣習的に通常の原子価を超えず、かつ置換により安定な化合物になることである。2個の水素原子の置換によって、カルボニル基(C=O)が発生し得る。カルボニル基は好ましくは芳香族部分には存在しない。
【0181】
置換基または置換は個別的にまたは組み合わせて、好ましくは、ヒドロキシル、アルコキシル、メルカプト、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、アリールアルコキシ、ヘテロアリール、アリールオキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アジド、アミノ、アミノアルキル、カルボキシアミド、−C(O)H、アシル、オキサゾリル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、トリアルキルシリル、スルホニル、スルホンアミドおよびスルフリルよりなる群から選ばれる。各置換基自身は、さらに1または数個のさらなる置換基で置換され得る。これは特にアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールおよびアリールオキシに適用される。さらにまた、ここで記述される如何なる定義もまた置換基に適用される。
【0182】
「アルキル」という用語は、本発明の好ましい態様において、炭素原子を1〜10個含む飽和脂肪族ラジカルまたは2〜12個の炭素原子と少なくとも1個の二重結合および3重結合を含むモノまたはポリ不飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。「アルキル」という用語は、分枝を有するおよび分枝を有しないアルキル基の両方を含む。分枝を有しない1〜8個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。分枝を有しない1〜6個の炭素原子を有するアルキル基および分枝を有する3〜6個の炭素原子を有するアルキル基が特に好ましい。「アルキル」という用語は、「alk」または「alkyl」の前に付ける結合語から組み立てられた如何なる類似物をも含むことを理解されたい。
【0183】
たとえば、「アルコキシ」または「アルキルチオ」という用語は、酸素または硫黄原子で結合されているアルキル基をいう。「アルカノイル」はカルボニル基(C=O)で結合しているアルキル基をいう。
【0184】
本発明の態様において、「シクロアルキル」という用語は、上記で定義したアルキル基の環状誘導体であり、場合により不飽和および/または置換されていてもよい。飽和シクロアルキル基、特に3〜8個の炭素原子を有しているものが好ましい。特に好ましいものは、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基である。
【0185】
本発明の態様において、「アリール」という用語は、炭素原子を6〜14個有する芳香族基をいい、「置換されたアリール」とは1個以上の置換基をもつアリール基をいう。
【0186】
前記に定義した「アルキル」、「シクロアルキル」および「アリール」はいずれもハロゲン化された誘導体を含む。ここでハロゲン化された誘導体は1個または数個のハロゲン原子を含んでいる。ハロゲン化された誘導体は以下に定義する任意のハロゲンラジカルを含んでいる。
【0187】
「ハロ」という用語は、本発明の好ましい態様において、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択されるハロゲンラジカルをいう。好ましいハロ基はフルオロ、クロロおよびブロモである。
【0188】
本発明の態様において、「ヘテロアリール」という用語は、安定な5〜8員環、好ましくは5員環もしくは6員環の単環型、または8〜11員環の2環型の芳香族複素環ラジカルをいい、ここで各複素環は炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄よりなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子より構成されていてもよい。複素環は環のいずれの原子と結合して安定な構造を形成してもよい。本発明の範囲内で好ましいヘテロアリールラジカルとしては、たとえばフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノザリニル、ナフタリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニルおよびフェノキザジニルである。
【0189】
本発明の態様において、「ヘテロシクリル」という用語は、安定な5〜8員環、好ましくは5員環もしくは6員環の単環型、または8〜11員環の2環型の複素環ラジカルをいい、飽和でも不飽和でもよいが、芳香族ではない。各複素環は炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄よりなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子の両方より構成されていてもよい。複素環は環のいずれの原子と結合して安定な構造を形成してもよい。本発明の範囲の好ましい複素環ラジカルには、たとえばピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、2,5−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−イル、2,6−ジオキソ−ピペリジン−4−イル、2−オキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−イル、2,6−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−イル、3,6−ジオキソ−ピペラジン−2−イル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルアミン、ジヒドロ−オキサゾリル、1,2−チアジナニル−1、1−ジオキシド、1,2,6−チアジアジナニル−1、1−ジオキシド、イソチアゾリジニル−1、1−ジオキシドおよびイミダゾリジニル−2,4−ジオンが含まれる。
【0190】
「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」および「アリール」という用語が他の表現または用語と共に使用されている場合、上記の定義がさらに適用され得る。たとえば、「アロイル」はカルボニル基(C=O)に結合したフェニルまたはナフチルをいう。
【0191】
各アリールまたはヘテロアリール化合物はまた、その一部または全部がハロゲン化された誘導体をも含む。たとえば、キノリニルはデカヒドロキノリニルおよびテトラヒドロキノリニルをも含み得る。ナフチルはテトラヒドロナフチルなどの水素化誘導体をも含み得る。
【0192】
本発明の範囲内で、「窒素」または「N」および「硫黄」または「S」という用語には、ニトロン(nitrones)やN−オキシドなどの窒素の酸化物誘導体またはスルホキサイドやスルホンなどの硫黄の酸化物誘導体、ならびに任意の窒素およびHCl−またはTFA−塩の4級形態が含まれる。
【0193】
ラジカルはモノ−、ジ−、トリ−およびテトラガジカルのいずれでもよい。これにより、様々な用語の意味の若干の変化が可能となる。たとえば「プロピル」と記載されたジ−ラジカルは必然的に「プロピレン」(たとえば−(CH23−)を意味する。
【0194】
たとえば「1〜5」というような範囲の限界を特定する記述はいずれも、1から5の整数、すなわち1、2、3、4および5を意味する。換言すれば、2個の整数で定義された範囲はいずれも、その限界を定義する2つの整数とその範囲に含まれるいずれの整数との両方を含む。
【0195】
本発明はまた、記載された化合物のすべての同位体原子を含む。同位体は同じ原子番号を持つが質量数が異なる原子である。たとえば、トリリウムおよびデウテリウムは水素の同位体である。炭素の同位体の例は11C、13Cおよび14Cである。
【0196】
「エネルギー的に到達可能な配座異性体」という用語は、最も低いエネルギー立体構造を超え約20kca/molウインドウ内に入る化合物の任意の配座異性体を意味する。これに関して、たとえばMacroModel(登録商標) v 7.0, Schroedinger Inc. Portland, Oregon, USA (http://www.schrodinger.com)などのような分子モデルソフトウェアに導入されたMM2、MM3またはMMFFフォースフィールド(force fields)を用いるMonte Carloまたは系統的立体構造検索が使用できる。
【0197】
アミノ酸は当業者に周知であり、アミノとカルボン酸基の両方を含む分子であることで定義される。天然および非天然アミノ酸の両方を意味する。例はα−、β−およびω−アミノ酸であり、ここで好ましくはα−アミノ酸、より好ましくはα−L−アミノ酸を用いる。アミノ酸がより詳細には特定されていない場合(たとえば「トリプトファン」)、L−およびD−体の両方を意味する。
【0198】
天然アミノ酸は、グリシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、システイン、メチオニン、アルギニン、リジン、プロリン、セリン、スレオニンおよびヒスチジンから選ばれたL−アミノ酸である。
【0199】
非天然アミノ酸は非蛋白新生(non protenogenic)アミノ酸であり、限定されないが、D−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸、ホモアミノ酸、α,α−2置換アミノ酸およびデヒドロアミノ酸を含む。
【0200】
アミノ酸誘導体はアミノ酸をそのC−および/またはN−末端を修飾することで得られる化合物である。非限定的な例は、カルボキシル基の塩、エステル、アシルヒドラジド、ヒドロキサム酸またはアミドへの変換、アミノ基のアミド、尿素、チオウレア、チオアミド、スルホンアミド、燐酸アミド、ホウ酸アミドまたはアルキルアミンへの変換である。アミノ酸のCおよび/またはN−末端での修飾で得られる化合物の部分もまた、アミノ酸ユニットという。さらにアミノ酸はその側鎖で誘導化されていてもよい。誘導化されたアミノ酸が側鎖が1回または数回誘導化されているアミノ酸であるなら、この種の誘導化は通常特段の記述をする。好ましい側鎖の誘導化は、特に側鎖が官能基をもつようにすることである。好ましい官能基は、たとえばアミノ基、カルボキシル基、チオ基またはアルコール基である。
【0201】
アミノ酸類似体は、アミノ酸のアミノ基および/またはカルボキシル基をそれらに類似させる他の基で置き換えることで得られる化合物である。非限定的な例は、チオアミド、尿素、チオウレア、アシルヒドラジド、エステル、アルキルアミン、スルホンアミド、燐酸アミド、ケトン、アルコール、ボロン酸アミド、ベンゾジアゼピンおよび他の芳香族または非芳香族複素環類である(概要書としてM. A. Estiarte, D. H. Rich in Burgers Medicinal Chemistry, 6th edition, volume 1, part 4, John Wiley & Sons, New York, 2002参照)。
【0202】
芳香族アミノ酸はアリールまたはヘテロアリール基を含むアミノ酸である。非限定的な例は、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロ−フェニルアラニン、3−クロロ−フェニルアラニン、4−クロロ−フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トロプトファン、ホモ−フェニルアラニン、ホモ−チロシン、ホモ−ヒシチジン、ホモ−トリプトファン、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、フリルアラニン、チアゾリルアラニン、ピリジルアラニン、テトラヒドロイソチノリン−2−カルボン酸、2−アミノインダン−2−カルボン酸、ビフェニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニンおよび相当するD−およびβ−アミノ酸である。
【0203】
疎水性アミノ酸は、疎水性アルキル−、シクロアルキル−、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基を含むアミノ酸である。非限定的な例は、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、システイン、システイン(iPr)、システイン(tBu)、メチオニン、プロリン、トリプトファン、ノルロイシン、ノルバリン、ホモロイシン、シクロヘキシルアラニン、シクロペンチルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、アリルグリシン、プロパギルグリシン、2−メチル−フェニルアラニン、3−メチル−フェニルアラニン、4−メチル−フェニルアラニン、ホモシクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、n−シクロヘキシルグリシン、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸およびおよび相当するD−およびβ−アミノ酸である。
【0204】
アミノ酸ユニットの生物学的結合特性は、生物学的分子との相互作用の間における各アミノ酸で示される結合特性である。生物学的分子は特に生物学的機能を発揮する分子である。そうした生物学的分子の非限定的な例は、タンパク質−またはペプチド−に基づく受容体である。
【0205】
アミノ酸の生物学的結合特性に模擬または模倣する基またはユニットは、受容体または相互作用パートナー(interacting partner)、好ましくは生物学的受容体または生物学的相互作用パートナー、アミノ酸自身と同一または類似する相互作用を達成する基として定義される。そうした基の選択のために、生物学的受容体と各アミノ酸の最も好ましい相互作用の観点から最も広範なものであることを考慮することが好ましい。たとえばアミノ酸のカルボキシル基の酸素原子は水素結合アクセプタとして機能することができ、一方、NHプロトンは水素結合ドナーとして相互作用を確立し得る。アミノ酸はその側鎖を介して受容体と追加的に相互に作用し得る。フェニルアラニンおよびトリプトファンはメチレン側鎖または芳香族基を介する疎水性相互作用と芳香族基を介するπ−π相互作用の両方を確立し得る。加えて、トリプトファンのインドール基はそのNH基を介して水素結合ドナーとして働き得る。シクロヘキシルアラニンおよびノルロイシンは原則的に、それらのアルキル側鎖および/またはシクロアルキル側鎖を介して生物学的受容体と疎水的な相互作用を確立し得る。アミノ酸の完全な側鎖だけではなく側鎖の部分もまた重要な相互作用を確立し得る。
【0206】
アミノ酸の生物学的結合特性に模擬もしくは模倣する、またはこの特性を発揮する基またはユニットが、各アミノ酸の前記相互作用の少なくとも1つを確立し得るなら、この基またはユニットはその生物学的結合特性を模擬することができる。
【0207】
基の定義に関連してここで使用されているように、「およびその各誘導体」という用語は、個々の化合物、化合物の基、分子の部分、各基におけるラジカルまたは化学基のすべての誘導体が誘導体としてそれぞれ存在し得ることをいう。
【0208】
ここで使用されているように、「個別にかつ独立して」という用語は、各パラグラフに記載されているように提示された2個以上の置換基がデザインされ得ることをいう。「個別にかつ独立して」という文言はただ不必要な繰り返しを避け、かつ提示された置換基のいずれかが記載された配置を示し得ることを開示しており、それによって各置換基の配置が個別的になり、または配置が個別的に存在し、また、他の置換基の1つもしくは数個の選択によって影響を受けない。
【0209】
本発明の範囲内において、本発明の個々の化合物のため、特に一般的構造のために記載されている置換基は、特に反対の断りがない限り、対応する置換基をもつ一般式の全てにも適用可能である。
【0210】
ここで使用されるスペーサは、好ましい態様において、分子量が約1〜300の有機ラジカルであり、個々のケースで特に反対の断りがない限り、異なる化学基の間で共有結合を可能とする。例としては、
【0211】
【化34】

【0212】
のような簡単な基、または
【0213】
【化35】

【0214】
(式中、Rは各置換基において、個別かつ独立して分子量約1〜300の残基)のようなもっと複雑なユニットである。好ましくは、Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アシル、置換アシル、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、置換アリールオキシアルキル、スルフヒドリルアルキル、置換スルフヒドリルアルキル、ヒドロキシアルキル、置換ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、置換カルボキシアルキル、カルボキサミドアルキル、置換カルボキサミドアルキル、カルボキシヒドラジノアルキル、ウレイドアルキル、アミノアルキル、置換アミノアルキル、グアニジノアルキルおよび置換グアニジノアルキルを含む群から選ばれたラジカルである。
【0215】
スペーサは好ましくは、
【0216】
【化36】

【0217】
(式中、Rは、好ましくはH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換ヘテロアリールアルキルを含む群から選ばれたラジカルである)を含む基から選ばれる。
【0218】
正のネット電荷をもつペプチドは、ヒスタミン放出を起こし得る(Jasani et al. 1979 Biochemical Journal 181: 623-632)。特に、皮下投与および/または皮下貯蔵の移植(implantation of subcutaneous depots)はそうした化合物ではできない。経口投与された医薬の場合、医薬の吸収は特に重要である。荷電された分子の吸収は、同一条件下でなければ、荷電されていない分子よりも通常は劣る(Veber et al. 2002 Journal of Medical Chemistry 45: 2615-2623)。本発明の化合物はネット電荷をもたないので、経口薬として好適に用いられ得る。
【0219】
本発明の化合物は医薬の製造のため、特に免疫炎症性疾患の予防および/または治療のために使用できる。特に以下の疾患:自己免疫疾患、急性炎症疾患、外傷、局所性炎症、敗決性ショックおよび出血性ショックが免疫炎症性疾患に属する。好ましい態様において、これらの疾患は、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、乾癬、敗血症性ショック、喘息、血管炎、皮膚筋炎、腸の炎症性疾患(IBD:炎症性腸疾患)、天疱瘡、重症筋無力症、糸球体腎炎、急性呼吸不全、脳卒中、心筋梗塞、再灌流傷害、神経知覚機能障害、抗リン脂質症候群、火傷、たとえばブドウ膜炎、加齢性黄斑変性、糖尿病性網膜症などの眼の炎症性疾患、関節リウマチ、SLE、眼、脳、血管、心臓、肺臓、腎臓、肝臓、胃腸管、脾臓、皮膚または他の臓器の糖尿病などの全身性疾患の局所的発現、たとえば血管炎、動脈硬化症といった血管の炎症性疾患、および中枢神経系の急性障害よりなる群から選ばれる。これらの疾患および/または臨床特性の全ては、それぞれ免疫炎症および炎症性疾患の群に主として由来し、そしてこれらの疾患の炎症応答は原因でもありまたは2次的反応でもある。
【0220】
本発明はまた、本発明の少なくとも1つの化合物を含む処方、特に医薬的処方に関する。輸送、品質保持期間、放出時間などの向上した効率を確実にするために、しばしば医薬的に活性な化合物は医薬的に許容し得る成分と組み合わされる。そうした適切な処方の種類は当業者によく知られている。そうした配合物の成分はなかでも、不活性希釈剤、カルシウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、ラクトース、燐酸カルシウム、燐酸ナトリウム、デンプン、アルギネート、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクである。医薬活性化合物の遅れた放出を許すためにある種の成分を加えても良い。各例は、モノステアリン酸グリセロールおよびジステアリン酸グリセロールである。経口適用には特にハードゼラチンカプセルが使用され、そして医薬活性成分はカルシウムカーボネート、燐酸カルシウムまたはカオリンと混合される。ソフトゼラチンカプセル用には、医薬活性化合物はたとえばオイル(ピーナッツオイル、液状パラフィン、オリーブオイル)と混合される。水溶液での適用には、医薬活性成分は、特につぎの成分:カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、レクチン、たとえばポリオキシエチレンステアレート、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートおよびポロオキシエチレンソルビタンモノオレエートのようなアルキレンオキシドと脂肪酸との重合生成物と混合され得る。予防の目的のためには、異なる添加物を用いても良い。各例は、エチルまたはn−プロピル−p−ヒドロキシベンゾエートである。
【0221】
特別な投与ルートを許すために、ある種の処方が使用される。本発明の化合物の投与ルートの例は、経口、皮下、静脈、局所、筋肉内、直腸および吸入投与である。本発明の化合物は医薬的に許容し得る塩として存在し得る。
【0222】
本発明を、さらなる利点、特徴および態様を取り得るつぎの図および例を参照してさらに述べる。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【図1】図1は、ビヒクルのみの投与と比べた化合物149の投与の際に、免疫複合体介在腹膜炎との関係で好中球の流入を多形核細胞の平均数/フィールドで示した棒グラフである。
【図2】図2は、ビヒクルのみの投与と化合物149の投与の際に、ラット内のC5a−誘発好中球減少を好中球の経時的な割合で示した棒グラフである。
【実施例】
【0224】
実施例1:材料および方法
つぎに記載される材料および方法、ならびに一般的手法は以下のさらなる実施例において使用された。
【0225】
溶媒:
すべての溶媒は、さらなる精製をせずに特定の品質において使用した。
【0226】
アセトニトリル(グラディエントグレード(gradient grade), J.T. Baker);ジクロロメタン(合成用,Merck Eurolab);ジエチルエーテル(合成用,Merck Eurolab);N,N−ジメチルホルミアミド(LAB,Merck Eurolab);ジオキサン(合成用,Aldrich);メタノール(合成用,Merck Eurolab)
【0227】
水は脱ミネラル化システム(Milli-Q Plus, Millipore)を用いて脱ミネラル化された。
【0228】
試薬:
使用した試薬はAdvanced ChemTech(Bamberg, Germany)、Sigma-Aldrich-Fluka(Deisenhofen, Germany)、Bachem(Heidelberg, Germany)、J.T. Baker(Phillipsburg, USA)、Lancaster(Muehlheim/Main, Germany)、Merck Eurolab(Darmstadt, Germany)、Neosystem(Strassburg, France)、Novabiochem(Bad Soden, Germany, from 2003 Merck Biosciences, Darmstadt, Germany)およびAcros(Geel, Belgium, distributor Fisher Scieritific GmbH, Schwerte, Germany)、Peptech(Cambridge, MA, USA)、Synthetech(Albany, OR, USA)、Pharmacore(High Point, NC, USA)、Anaspec(San Jose, CA, USA)から購入し、さらなる精製をせずに特別な品質において使用した。
【0229】
非天然アミノ酸またはN−末端改変用のカルボン酸は市販されておらず、標準的な手順で製造した。たとえば、Fmoc−cis−Hyp−OHはh−cis−Hyp−OHをFmoc Osuと反応させて製造した[Paquet et al. 1982 Canadian Journal of Chemistry 60: 976-980A]。Fmoc−Phe(4−STrt−amidino)−OHは公知の手順で製造した[Pearson et al. 1996 Journal of Medicinal Chemistry 39:1372-1382]。側鎖改変システイン誘導体は、アルキルハライドによるFmoc cystein−OHのアルキル化により製造した。
【0230】
異なる記載がない限り、濃度は容量%で与えられている。
【0231】
RP−HPLC−MS分析:
クロマトグラフィ分析にはHewlett Packardシリーズ1100システム(脱ガス器G1322A,クオータナリポンプG1311A,自動サンプル負荷器G1313A,カラムヒータG1316A,可変UV検出器G1314A)をESI−MS(Finnigan LCQ イオントラップマススペクトロメータ)と共に用いた。このシステムは「ナビゲータVer.1.1spl」ソフトウェア(Finnigan)で制御した。ヘリウムをイオントラップにおけるインパクトガスとして用いた。分離のために、RP−18−カラム(Vydac 218 TP5215, 2.1 x 150 mm, 5 μm, C18, 300 A プレ−カラム付き(Merck)) を、全クロマトグラム用に線形勾配(25分間内の5〜95%B、直線、ここでA:水中0.05%TFA及びB:CH3CN中0.05%TFA)を用い、30℃で0.3ml/minの流量で用いた。UV検出はλ=220nmで行った。保持時間(Rt)は10進法で表記し(たとえば、1.9min=1min 54s)、マススペクトロメータにおける検出に参照する。注入とUV検出(HPLC)の間のデッドタイムは1.65分間であり、UV検出と質量検出との間では0.21分間であった。マススペクトロメータの精度は約±0.2amuであった。
【0232】
HPLC/MSによる分析は、9.5分間で95:5から5:95に直線勾配を用いて5μlの注入により行った(A:水中0.05%TFAおよびB:アセトニトリル中0.05%TFA)、RPカラムはPhenomenex社のType Luna(C-18), 3μm, 50 x 2.00 mm, 流量0.3 ml, 室温でのHPLC;マススペクトロメータ:PDA検出器(210〜350nm)付きのThermoFinnigan Surveyor、MS;Advantage and/or LCQ Classic(いずれもイオントラップ)、ESIイオン化、ヘリウムをイオントラップ中のインパクトガスとして作用させた。Excalibur vers. 1.3 and 1.2をそれぞれソフトウェアとして用いた。保持時間(Rt)は10進法で表記する(たとえば、1.9min=1min54s)。
【0233】
調製用HPLC
調製用HPLC分離は、Vydac R18−RPカラムを用い、つぎの溶媒:H2O中0.05%TFAおよびB:CH3CN中0.05%TFAの勾配で行った。
【0234】
表1:略号
Fig. 図
AAV 一般的手法
Ac アセチル
Acm アセタミドメチル
Ac アセチル
d ダブレット
DCM ジクロロメタン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMEM Dulbecco's 改変イーグル培地
DMSO ジメチルスルホキシド
eq. 当量
Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート
HEPES N−2−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィ
m マルティプレット
Me メチル
min 分
ml ミリリッター
NMI N−メチルイミダゾール
NMP N−メチルピロリドン
NMR 核磁気共鳴
Ph フェニル
s シングレット
tBu tert−ブチル
THF テトラヒドロフラン
TFA テトラフルオロ酢酸
【0235】
【表4】

【0236】
表3:非タンパク新生アミノ酸用に3文字コードを使用し、最初の文字はC−アルファ原子の立体化学を示す。最初の大文字はL−体を表し、最初の小文字は相当するアミノ酸のD−体を表している。
【0237】
【表5】









【0238】
化合物の活性はつぎの仕様に基づいて簡略化された形式で記載された。
【0239】
IC50<5nM: A
5nM<IC50≦10nM: B
10nM<IC50≦20nM: C
20nM<IC50≦50nM: D
50nM<IC50≦200nM: E
200nM<IC50≦2000nM: F
2000nM<IC50: G
【0240】
一般的手順(AAV)1:鎖状ペプチドの合成
鎖状ペプチドはバッチモードでFmoc−Bu−方法を用いて合成された。合成は、フリット(frit)を用いるポリプロピレンシリンジ中で手作業で、または自動合成装置(Syro from Multisyntech, Witten or Sophas from Zinsser, Frankfurt)を介して行った。
【0241】
C−末端カルボン酸をもつペプチドの製造のために、C−末端アミノ酸はトリチルクロリド樹脂(約200mg樹脂;反応基の装填量約1.5mmol/g;CH2Cl2中で2時間0.8当量のFmoc−アミノ酸および3.0当量のDIPEAによりカップリングする;得られたアミノ酸装填量約0.2〜0.4mmol/g)、またはWang樹脂(200〜500mg樹脂;反応基の装填量0.6mmol/g;DMF中で3時間4当量のFmoc−アミノ酸、4当量のDICおよび3当量のNMIとの反応によりカップリングする;アミノ酸の装填量約0.2〜0.6mmol/g)のいずれかに付けられた。
【0242】
C−末端カルボキシアミドをもつペプチドの製造のために、第1のアミノ酸はFmoc−Rinkアミド樹脂からFmoc脱保護(約200mg樹脂;DMF中で20分間20%ピペリジンでFmoc脱保護)ついでFmocアミノ酸のカップリング(5当量のFmocアミノ酸;5当量のHBTUおよび15当量のDIPEAとのDMF中で30〜60分間の1回以上反応)を経由して樹脂に付けられた。
【0243】
第1のアミノ酸のカップリングの後、目的のペプチドの合成は、必要な時、要求されるFmocアミノ酸またはカルボン酸それぞれのFmoc脱保護およびカップリングよりなる一連の作業を繰り返すことで行われた。Fmoc脱保護のために、樹脂をDMF中で20分間20%ピペリジンと反応させた。カップリングは、30〜60分間DMF中で5当量のFmocアミノ酸、5当量のHBTUおよび15当量のDIPEAと単回または複数回反応を経由して行われた。N−末端アセチル基の導入のために、樹脂に結合したN−末端遊離のペプチドを10%無水酢酸および20%DIPEA溶液と20分間DMF中で反応させた。
【0244】
樹脂からペプチドの切離しおよび側鎖保護基の除去のために、95%TFA、2.5%H2O、2.5%TIPSの混合物または類似溶液を加えた。最後に、TFAをロータリエバポレータを用いて取り除くか、または得られたペプチドをメチルt−ブチルエーテルを0℃にて加えて沈殿させ、遠心分離または上澄み液を流出させることにより単離した。場合により得られたTFA−塩を対応するHCl塩に変換するために、ペプチドを2NのHClとMeCNの混合物に溶解し、凍結乾燥した。
【0245】
C−末端カルボン酸アミドをもつペプチドは直接HPLCにより精製した。しかしC−末端カルボン酸をもつペプチドは、AAV2に従って粗生成物として環化した。
【0246】
一般的手法(AAV)2:C−末端カルボン酸を有するペプチドの環化
【0247】
環化のために、AAV1で合成された鎖状ペプチドの約80mgを5mlDMFと5mlCH2Cl2に溶解した。つづいて、N−エチルモルホリンを用いてpHを約8の値に設定し、1当量のHOBtを10当量のDICと共に加えた。室温で2〜16時間撹拌した後、ロータリエバポレータにより溶媒を除去し、粗生成物をHPLCにより精製した。
【0248】
一般的手法(AAV)3:遊離のN−末端を有する樹脂結合ペプチドの還元的アルキル化
【0249】
AAV1に従って合成された遊離のN−末端をもつ鎖状ペプチドを、樹脂から切り離す前に、5%酢酸中の10当量の対応するアルデヒドおよびTHF中の5%トリメチルオルトホルミエートとインキュベートした。約4時間後、得られたイミンを5当量のナトリウムシアノボロヒドリドで1夜還元した。
【0250】
AAV1に従って完全に合成されたペプチドの樹脂からの切り離しの後、得られた粗生成物をAAV2に従って環化することができた。通常、目的とする環化とは別に望まないN−末端第2級アミンへの環化が生じる。この副生成物はHPLCにより容易に除去できた。
【0251】
実施例2:Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Phe](1)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成、AAV2に従った環化およびつづくHPLCによる精製の後、目的生成物Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Phe]を白色固体として50.9mg得た。
【0252】
MS(ESI):m/z=888.3[(M+H)
【0253】
実施例3:Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Phe](2)の合成
鎖状ペプチドAc−Phe−Orn−Hyp−cha−Trp−Phe−OHをAAV1に従った鎖状ペプチド合成により得てAAV2に従って環化した。アミンはアルコールに比べて求核性が高いので、目的とする環化生成物が、遊離のHyp−OH基のC−末端カルボン酸とのカップリングを通して副生成物なしに得られた。得られた粗生成物のHPLCでの精製により、目的の白色固体Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Phe](2)が26.9mg得た。
【0254】
MS(ESI):m/z=903.5[(M+H)
【0255】
実施例4:Ph−CH2−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle](56)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成により樹脂結合ペプチドH−Orn−Pro−cha−Trp−Nle−トリチル−樹脂を製造し、ついでベンズアルデヒドを用いて還元的アルキル化に供した。AVV2に従った環化およびつづくHPLCでの精製により、白色固体として目的生成物56を0.9mg得た。
【0256】
MS(ESI):m/z=753.4[(M+H)
【0257】
実施例5:HOCH2(CHOH)4−C=N−O−CH2−CO−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle](3)の合成
鎖状ペプチドH−Aoa−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−Nle−OHをAAV1に従って製造し、1:1MeCN/酢酸ナトリウムバッファ(0.2M、pH=4)24ml中に溶解し、D−グルコース58mg(10当量)とインキュベートした。5日間撹拌した後、未反応のアミノオキシ酢酸−ペプチドを停止させるためにアセトン2.4mlを加え、5分後に真空下に溶媒を蒸発させた。得られた粗生成物をHPLCで精製し、ついでAAV2に従って環化した。粗生成物のHPLCでの精製により、目的とする白色固体3を1.9mg得た。
【0258】
MS(ESI):m/z=1046.5[(M+H)
【0259】
実施例6:2−アセトアミノ−l−メチル−グルクロニル−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle](4)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成により樹脂結合ペプチドH−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−Nle−トリチル−樹脂を製造し、2−アセトアミノ−1−メチル−グルクロン酸(Schaemann et al. 2003 European Journal of Organic Chemistry: 351-358)39.8mg(2.0当量)、HATU60.8.mg(2.0当量)および2,4,6−コリジン105.7μl(10当量)と1.6mlのDMF中で反応させた。1.5時間撹拌した後、樹脂をDMF(5回)、MeOH(5回)およびCH2CL2(3回)で洗浄し、ペプチドを95%TFA、2.5%H2Oおよび2.5%TIPSで樹脂から切り離した。AAV2に従った環化およびHPLC精製により、目的生成物4を白色固体として29.0mg得た。
【0260】
MS(ESI):m/z=1043.0[(M+H)
【0261】
実施例7:Ac−Phe−[Orn−Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)−cha−Trp−Nle](5)の合成
AAV1に従って鎖状ペプチドAc−Phe−Orn−Hyp−cha−Trp−Nle−OHを製造し、AAV2に従って環化し、そして得られた環状ペプチドAc−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Nle]をHPLCで精製した。2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)酢酸を35.4μl(40当量)をチオニルクロリド50.3μl(120当量)と40℃で15分間反応させた。真空下で溶媒を除去した後、DIPEA78.8ml(80当量)、CH2Cl21mlおよび化合物Ac−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Nle]5.0mgを加えた。室温で3日間撹拌を続け、HPLCによる精製を行った。これにより目的とする白色固体5を1.6mg得た。
【0262】
MS(ESI):m/z=1029.6[(M+H)
【0263】
実施例8:Ac−Phe−[Orn−Hyp(CONH−CH2CH(OH)−CH2OH)−cha−Trp−Nle](6)の合成
AAV1に従って鎖状ペプチドAc−Phe−Orn−Hyp−cha−Trp−Nle−OHを製造し、AAV2に従って環化し、そして得られた環状ペプチドAc−Phe−[Orn−Hyp−cha−Trp−Nle]をHPLCで精製した。ついで、ペプチド5.0mgを4−イソシアナトメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン26.1mgおよびDIPEA1.88μl(2.0当量)と0.3mlのMeCN中で反応させた。3日間40℃で撹拌した後、溶媒をロータリエバポレータで除去し、得られた粗生成物をHPLCにより精製し、目的の白色固体6を0.22mg得た。
【0264】
MS(ESI):m/z=986.5[(M+H)
【0265】
実施例9:Ac−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Arg(CH2CH2)](7)の合成
AAV1に従って鎖状ペプチドAc−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−Orn−OHを製造し、AAV2に従って環化し、そして得られた環状ペプチドAc−Phe−[Orn−Pro−cha−Trp−Orn]をHPLCで精製した。ついで、ペプチド2.6mgを2−(メチルメルカプト)−2−イミダゾリン−ヒドロヨウ化物22.6mg(30当量)およびDIPEA29.7μl(60当量)と260μlのMeOH中で反応させた。2日間50℃で撹拌した後、溶媒をロータリエバポレータで除去し、得られた粗生成物をHPLCにより精製し、目的の白色固体7を0.86mg得た。
【0266】
MS(ESI):m/z=922.8[(M+H)
【0267】
実施例10:Ph−CH2−CH2−CO−[Orn−Pro−cha−Trp−Nle](41)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成によりペプチドPh−CH2−CH2−CO−Orn−Pro−cha−Trp−Nle−OHを製造した。ここでN−末端カルボン酸として3−フェニルプロピオン酸を使用した。AAV2に従って環化を実施し、粗生成物をHPLCにより精製して、目的の白色固体41を3.13mg得た。
【0268】
MS(ESI):m/z=796.5[(M+H)
【0269】
実施例11:酵素放出アッセイにおけるIC50値の決定
アッセイの手法はキュール(Koehl)(Koehl 1997 The Anaphylatoxins. In: Dodds, A.W., Sim, R.B.(Eds.), Complement: A Practical Approach. Oxford, pp. 135-163)に記載されている。ヒトC5aR(CD88)を発現している、ラット(RBL)からの好塩基球性白血病細胞を、10%ウシ胎仔血清、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび2mMグルタミン(培地の全ての成分はBiochrome, Berlinから入手)と共にDMEM中で、コンフルエンス(confluence)になるまで37℃10%CO2にて培養した。以下の仕様はすべて表面75cm2の細胞培養フラスコに関する。消費した培地を細胞から流し取った。細胞を10mlのPBS(Dulbecco's PBS, Biochrome)で洗浄し、ついで3mlのCell Dissociation Solution (CDS, Sigma)で覆った。細胞を室温で1分間インキュベートした。ついでCDSを取り除き、細胞を分離のために37℃で10〜15分間さらにインキュベートした。アッセイにおいて、供試化合物を含む溶液20μlを用いた。このアッセイ溶液は2.8%DMSOを超えて含んではならない。希釈プロセスのため、化合物を1/3または1/2希釈工程で希釈した。化合物溶液20μlにRBL−細胞75μlを加え、つぎのように処理した:分離後、細胞を強く叩いて取り出し、37℃にて10mlのHAG−CM(20mM HEPES;125mM NaCl,5mM KCl,1mM CaCl2,1mM MgCl2,0,5mM グルコース,0,25% BSA. HEPES−調製物:2.3g/l HEPES−塩+2.66g/l HEPES酸)に取り上げた。細胞を数え遠心分離した(200xg,10分間)。細胞ペレットを予め加熱されたHAG−CM(すなわち、カルシウムとマグネシウムを含むNaClおよびグルコースのHepes−緩衝液)に再懸濁させ、細胞密度を2×106細胞/mlに調整した。この細胞を37℃で5分間インキュベートした。サイトカラシンB−溶液27μlを細胞懸濁液ml当り加えた(DMSO中100μg/ml,Sigma)。細胞をさらに3分間37℃でインキュベートした。細胞懸濁液75μlを供試化合物を含む溶液20μlに加え、ウエル当り95μl容量とした。細胞を10分間37℃でインキュベートした後、ウエル当り10μlのhrC5a(HAG−CM中10.5nM,Sigma)を加えた。ついで細胞を5分間37℃でインキュベートした。その後、プレートを氷の上に置き、1200xgで4℃3分間遠心分離した。上澄液75μlを100μlの基質溶液(pH4.5のNaアセテート42.5mM中2.7mg/ml p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド(Sigma))に加えた。プレートをさらに1時間37℃でインキュベートした。ウエル当り、0.4MのグリシンpH10.4を75μlを加えた。ついでプレートを405nmにて記録計で測定することができる。IC50値は4パタメータ式y=((A−D)/(1+(x/C)))+Dを解くことで決定される。
【0270】
IC50値決定の結果を表4に示す。
【0271】
【表6】

























【0272】
実施例12:酵素放出アッセイにおけるEC50値の決定
EC50値の決定は、供試化合物30μlを実施例11に記載した細胞懸濁液75μlと混合したほかは実施例11に記載した手法と同様な方法で行った。酵素放出の刺激のためのC5aの添加または予備インキュベーションはしなかった。試験した化合物の結果を表5に示す。
【0273】
【表7】

【0274】
実施例13:選択されたC5aR−拮抗物質のための溶解性の決定
化合物の溶解性はつぎの手順で決定した:化合物の10mMの原液(DMSO中)20μlを供試溶媒の980μlに希釈した。サンプルを振とうさせながら24時間室温でインキュベートした後、サンプルをEppendorf遠心分離機中で11,000rpmで遠心分離した。上澄液を光度測定で調べた。溶解性の測定としてサンプルおよび対照の60%MeOHの光学的密度を用いた。供試溶媒に対照と類似した良好な溶解性を示した化合物について、つぎのようにその最大溶解性を試験した。そのために化合物を選択された溶媒系に10mg/mlで懸濁させた。溶解しなかった部分を24時間後に遠心分離で取り除いた。上澄液のUV吸収を測定し、対応する各参照値(60%MeOH)と比べた。本発明のいくつかの化合物の溶解性を表6に示す。
【0275】
【表8】

【0276】
実施例14:拮抗物質の基本をなすファルマコフォアモデルの開発
化合物40中のアルギニンのアラニン(39)による交換は、もしペプチドであるなら、阻害活性のこの位置における側鎖の重要性を説明している。正に荷電されたアミノ酸リジン(22)によるアルギニンの置換は、驚くべきことに、IC50値を増大する結果(20nMから8700nMへ)となる。これは、正の電荷単独で拮抗活性を引き起こすものではないことを意味している。4−アミノフェニルアラニン(Paf)14のC−末端位置への導入はIC50値を30nMにする結果となる。Paf中のアミノ基はリジン中のアミノ基と比べてCα−原子と類似した距離をもっている。化合物40中のアルギニンの荷電されていない非常に疎水性のフェニルアラニンによる交換は、化合物40の1つに匹敵する驚くべきIC50値(23nM)を示す化合物1となる。これは明らかに、驚くべきことに、ArgおよびPafのそれぞれの正に荷電された側鎖だけではなく、Paf、Pheおよびアルギニンの脂肪族側鎖のそれぞれの疎水性部分が、C5aRとの重要な相互作用の原因となっていることを示している。化合物40に比べてIC50値の顕著な増大なしに、アルギニンを他の疎水性置換基で置き換えることができる。置換基のこれらのタイプの例は、なかでも、化合物1、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38にみられる。
【0277】
40中のさらなるアミノ酸のAla、N−Me−Alaまたはd−Alaでの交換は、つぎのアミノ酸:Phe、cha、Trpの側鎖が拮抗活性に重要であることを明らかにした。
【0278】
ファルマコフォアモデルはこれらと追加のペプチドの構造的活性関係に基づいて開発された。活性に対する重要な残基(2つの疎水性基と2つ芳香族基)への距離はつぎの方法で予測される:
【0279】
ファルマコフォアモデルは、化合物28の2ns耐久分子動的シュミレーション(2 ns lasting molecular dynamic simulation)(2fsの増加分)に基づいて開発された。シュミレーションは周期的なフレームワーク(periodic frame work)の下、AMBER94−フォースフィールド(force field)および明白なWater−モデル(TIP3)を用いて行った。軌道の最後のナノ秒からのスナップショット(1000構造)の静的な分析は質量中心化されたファルマコフォアグループ間の距離を与えた(下記参照)。
【0280】
分子動的シュミレーション用の開始構造は、7個の環状ペプチドを用いる総合動的計算(ensemble-dynamic calculations)に基づいた。ペプチドは、相互に対比したとき、活性が高く(低ナノモル範囲でのIC50)、構造拘束性をもっていた。
【0281】
実施例15:TC−7ベースのアッセイ系でのAB−透過性の測定
供試化合物を100%DMSO中の10mM原液からHBSS−MES(5mM、pH6.5)中の50μM濃度に希釈する。14C−マンニトール(約4μM)をサンプルに加える。ついで、その溶液を遠心分離し、上澄液をTC−7細胞カルチャー(15代継代、24ウエルトランスウエルプレート中)の先端側に加え、最終DMSO濃度を1%にする。HBSS−HEPES(5mM,pH7.4)をバソラティラル(basolatheral)側に置く。ついで細胞を120分間37℃でインキュベートした。TC−7細胞層が無傷であることを加えたマンニトール(Papp<2.5 10-6cm/s)により試験した。透過性Papp[cm/s]は式(VRxCR120)/(ΔtxAx(CD,mid−CR,mid))から得られる。ここで、Vはレシーバー室の容量、CR120は120分後のレシーバー室中の供試化合物の濃度、Δtはインキュベーション時間、AはTC−7細胞層の面積、CD.midはドナー室中の供試化合物の中点濃度およびCR.midはレシーバー室中の供試化合物の濃度である。
【0282】
【表9】

【0283】
実施例16:Ac−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−Phe−NH2(51)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成によりペプチドを製造した。ついでHPLCにより精製し、白色固体として目的の生成物51を10.0mg得た。
【0284】
MS(ESI):m/z=904.5[(M+H)
【0285】
実施例17:Ac−Phe−Orn−Aze−cha−Bta−Phe−NH2(52)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成によりペプチドを製造した。ついでHPLCにより精製し、白色固体として目的の生成物52を10.5mg得た。
【0286】
MS(ESI):m/z=907.5[(M+H)
【0287】
実施例18:Ac−Phe−Orn−Pro−cha−Trp−NH−CHz−CHz−Ph(72)の合成
ブロモ−(4−メトキシフェニル)メチルポリスチレン樹脂200mgをフェニルエチルアミンの50%(v/v)THF溶液5mlを用いて室温で18時間インキュベートする。ついで樹脂を洗浄し(DMF;3x5.0ml,MeOH;3x5.0ml,DCM;3x5.0ml)、ペプチドをAAV1に従って合成する。HPLCによる精製の後、化合物72を白色固体として4.1mg得た。
【0288】
MS(ESI):m/z=861.8[(M+H)
【0289】
実施例19:Ac−Phe−Orn−Aze−cha−Bta−Phe−NH−Me(95)の合成
4−(4−ホルミル−3−メトキシ−フェノキシ)−ブチル−アシッド(acid)−ポリスチレン樹脂4.5gをTHF中で15分間膨潤した。樹脂を濾取し、メチルアミン−ハイドロクロリド3.04g(10当量)、酢酸2.7ml、トリメチルオルトホルミエート2.7mlおよびTHF90mlの混合物と反応させた。1時間撹拌後、ナトリウムシアノボロヒドリド2.83g(10当量)とDMF45mlを加えた。混合物を1夜室温で撹拌し、樹脂を濾取し、DMF(5回)、MeOH(5回)およびCH2Cl2(5回)で洗浄した。ついで、アミノ酸カップリングをFmoc−Phe−OH 968mg(5当量)、HATU950mg(5当量)およびDIPEA3.75mlを用いてDMF10ml中で2時間行った。樹脂を濾取し、DMF(5回)、MeOH(5回)およびCH2Cl2(5回)で洗浄した。得られた樹脂の200mgをさらにAAV1に従った鎖状ぺプチド合成に用いた。HPLCによる続く精製によって、白色固体として目的の生成物95を10.0mg得た。
【0290】
MS(ESI):m/z=921.6[(M+H)
【0291】
実施例20:CH3−SO2−Phe−Orn−Aze−cha−Bta−Phe−NH2(96)の合成
N−末端アミノ酸に代えてCH3−SO2−Clを用いて、AAV1に従った鎖状ペプチド合成によりペプチドを製造した。HPLCによる続く精製によって、白色固体として目的の生成物96を5.5mg得た。
【0292】
MS(ESI):m/z=943.9[(M+H)
【0293】
実施例21:H2N−CO−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(128)の合成
樹脂結合ペプチドH−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−Rink−アミド樹脂をAAV1に従って製造した。ついで、ジフェニルメチルイソシナネート(5当量)およびDIPEA(10当量)を加え、2時間撹拌した。95%TFA、2.5%水および2.5%TIPSの混合物を用いた樹脂から切り離した後、HPLCによる精製を行い、白色固体として化合物を0.92mg得た。
【0294】
MS(ESI):m/z=922.8[(M+H)
【0295】
実施例22:(−CO−CH2−NH−CO−)−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(130)の合成
樹脂結合ペプチドH−Gly−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−Rink−アミド樹脂をAAV1に従って製造した。ついで、ペプチドをジスクシニミジルカーボネート(3当量)を用いて3時間インキュベートし、DMF中のDIPEA(3当量)を加え、3時間撹拌した。ついで追加の3当量DIPEAを加え、室温でさらに5時間撹拌した。95%TFA、2.5%水および2.5%TIPSの混合物を用いた樹脂から切り離した後、HPLCによる精製を行い、白色固体として化合物を3.8mg得た。
【0296】
MS(ESI):m/z=962.9[(M+H)
【0297】
実施例23:(−CO−CH2−CH2−CO−)−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(133)の合成
樹脂結合ペプチドH−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−Rink −アミド樹脂をAAV1に従って製造した。ついで、コハク酸無水物(5当量)およびDMF中のDIPEA(10当量)を加え、反応を撹拌下に2時間行った。樹脂を濾取し、DMF(5回)、MeOH(5回)およびCH2Cl2(5回)で洗浄した。ついで樹脂をHBTU(5当量)およびDIPEA(10当量)を用いてDMF中で1日インキュベートした。ペプチドを95%TFA、2.5%水および2.5%TIPSの混合物を用いて樹脂から切り離し、HPLCによって精製を行い、白色固体として化合物を0.47mg得た。
【0298】
MS(ESI):m/z=961.9[(M+H)
【0299】
実施例24:FH2C−CO−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(142)の合成
N−末端アミノ酸に代えてフルオロ酢酸を用いてAAV1に従った鎖状ペプチド合成を行い、続くHPLCによる精製によって、目的の生成物142を白色固体として0.9mg得た。
【0300】
MS(ESI):m/z=939.8[(M+H)
【0301】
実施例25:Ac−Phe−Orn(Et2)−Pro−cha−Trp−Phe−NH2(143)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成を行い、続くHPLCによる精製によって、化合物51を10.0mg得た。この化合物5.0mgをTHFに溶解し、アセトアルデヒド1mlを加えた。(ポリスチレンメチル)トリメチル−アンモニウムシアノボロヒドリド100mg(3mmol/g)の添加の後、この懸濁液をゆっくり12時間室温で撹拌した。ついで樹脂を濾取し、混合物を蒸発乾固した。HPLCによる精製の後、目的化合物143を1.2mg得た。
【0302】
MS(ESI):m/z=960.9[(M+H)
【0303】
実施例26:Ac−Phe−N(Bu)−CH2−CO−Pro−cha−Trp−Phe−NH2(144)の合成
ペプチドH−Pro−cha−Trp−Phe−Rink−アミド樹脂の合成をAAV1に従って行った。無水ブロモ酢酸の0.4M溶液を4ml用いてDCM中で遊離のアミノ基をアシル化した(2×15分間)。この樹脂を(DMF;3x5.0ml,MeOH;3x5.0ml,DCM;3x5.0ml)で洗浄し、ついでn−ブチルアミンの5M溶液4ml中で2×30分間インキュベートした。この樹脂を(DMF;3x5.0ml,MeOH;3x5.0ml,DCM;3x5.0ml)で洗浄した後、ペプチドの残った合成をAAV1に従って行った。
【0304】
実施例27:Ac−Phe−Arg(CH2CH2)−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(150)の合成
AAV1に従った鎖状ペプチド合成の後、Ac−Phe−Orn−Pro−cha−Bta−Phe−NH2(62)を粗生成物として700mg得た。この粗生成物15mg(0.016mmol)に1mlのMeCN中の2−メチルチオ−2−イミダゾリン−ヒドロヨード39.7mg(10当量)およびDIPEA55.4μl(20当量)を加え、40℃で1日撹拌した。ロータリエバポレータを用いて溶媒を除去した後、HPLCで精製し、0.1NのHClを1mlおよびMeCNを0.5ml加えた後、凍結乾燥して白色固体として化合物150を0.7mg得た。
【0305】
MS(ESI):m/z=960.9[(M+H)
【0306】
実施例28:免疫複合体仲介腹膜炎モデルにおける化合物149の効率
免疫複合体仲介腹膜炎は、血管炎、腎炎、関節炎および農夫疾患(farmer's disease)などの免疫複合体関連疾患の病理学的状況の一部である。相当する動物モデルはHellerら(1999 Journal of Immunology 163: 985-994)に記載されており、抗原の静脈内投与および抗体の腹腔内投与からの免疫複合体形成の炎症促進効果を活用する。
【0307】
逆転受身Arthus反応(reverse passive Arthus reaction)の開始前15分に、BALB/cマウス(6〜8週令)を本発明の一つである化合物149(ベヒクル200μl中1mg/体重)で静脈内処理した。Arthus反応をOVA(200μlPBS中20mg/kg静脈内)およびポリクローナル抗体−OVA Ab(ラビット;800μg/マウス腹腔内)の投与により引き起こした。6時間後、腹腔内洗浄を2mlPBS0.1%BSAを用いて行った。集めたPE−細胞をDIFF−Quickで染色した。好中球の存在について、少なくとも20視野(倍率100倍)を分析した。
【0308】
図1は、化合物149の投与により炎症促進性細胞の腹腔への流入が低減していることを明確に示している。
【0309】
実施例29:C5a惹起好中球減少症モデルにおける化合物149の効率
C5a惹起好中球減少症はショックが引き起こす疾患(たとえば敗血性ショック)用のモデルであり、ここでは好中球減少症、血圧低下などのC5aの全身の役割は重要な役割を果たす。循環系における好中球の減少の理由は、それらのC5aが惹起する血管壁への結合である。この好中球の動員のプロセスはまた、再潅流障害のような多くの他の疾患においても重要な役割を果たしている。このモデルはまたショート(Short)ら(1999 British Journal of Pharmacology 125: 551-554)にも記載されている。
【0310】
雌性Wisterラットをケタミン(80mg/kg)およびキシラジン(12mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した。カテーテルを頚静脈に入れ、動物をつぎの手法に供した:
【0311】
1.ラットをベヒクルまたは本発明の化合物である化合物149で静脈内輸液により事前処理した。この1分前に血液サンプルを採取した。
【0312】
2.化合物を輸液した10分後に、ラットを2μg/kgのhrC5aで静脈内投与により処置した(1分間で2μg/kg)。
【0313】
血液サンプルを直前およびhrC5a投与後の種々の時間に採取した。
【0314】
3.頚静脈からのリチウム−ヘパリンバイエル瓶中の血液サンプル(約0.2ml)を分画血球数(differential blood count)に用いた。
【0315】
白血球数:
白血球数は血液学血球カウンターで測定した。
【0316】
分画血球数:
血液塗布標本はヘパリン化された血液サンプルから調製した。各サンプルは染色前にメタノールで脱水する。固定させた後、サンプルをMay Gruenwald染色により5分間染色する。ついで蒸留水(aqua dest.)により洗浄工程を行う。ついでGiemsa染色を2分間行い、サンプルを再度蒸留水で洗浄する。
【0317】
分画血球数は好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球の合計100球として決定する。ついで全白血球に対する好中球の割合を算出する。
【0318】
結果は図2に示されており、化合物149の投与によりC5a惹起好中球減少が顕著に低減され、この炎症性モデルにおいて目的とする抗炎症効果を有していることを示している。
【0319】
実施例30:異なるC−末端アミノ酸をもつぺプチドの活性の比較
実施例11に記載されているアッセイシステムを用いて化合物10と40のつぎの活性を調べた。
【0320】
【表10】

【0321】
荷電されたアルギニン(活性段階C;すなわち20nM以下)を荷電されていないシトルリン(活性段階F;すなわち>200nM)で置き換えたとき、活性にハッキリした低下が認められる。
【0322】
グアニジングループ(Arg)と尿素グループ(Cit)は生物的に等価であり類似した空間充填特性を有しているので、WO 03/033528などの先行技術にも記載されているように、正の電荷の重要性は明らかである。加えて、この例は、置換基の大きさが活性の予測のためには充分な基準ではないことを示している。
【0323】
もう一つの重要な観点は、シトルリンは生理学的条件下では荷電されないが、荷電されたグアニジンほどの極性ではないが、非常に極性であるという事実である。これは、以下に示すように、異なるアミノ酸のlogP値を算出したときに明らかになる。
【0324】
【化37】

【0325】
logP値は水相とn−オクタノール相の間の化合物の分布係数を示している。より極性の化合物は、より低いlogP値である。logP値はプログラムChemdraw (Cambridge Soft, Cambridge, UKより入手可能)により算出される。
【0326】
非常に極性であるグアニジングループが中間の極性の尿素グループで置き換えられたとき既に存在している活性の大幅な損失により、ずっと少ない活性が予想されるような状況下では、より一層非極性の、または一層疎水性の置換基を当業者はアルギニンに代えて使用しないであろう。
【0327】
上記の明細書、特許請求の範囲または図面に開示された本発明の特徴は、個別にまたは如何なる組合わせにおいても、種々の実施態様において本発明の実施の本質となり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造:
【化38】


〔構造中、X1は、質量約1〜300のラジカルであり、X1は好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(N6)−SO2−、R5−N(R6)−、R5−N(R6)−CS−、R5−N(R6)−C(NH)−、R5−CS−、R5−P(O)OH−、R5−B(OH)−、R5−CH=N−O−CH2−CO−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、F、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、置換アシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキルおよび置換アリールオキシアルキルを含む群から選択され、
X2は、フェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3およびX4は、個別にかつ独立してスペーサーであり、このスペーサーは好ましくはアミノ酸、アミノ酸類似体およびアミノ酸誘導体を含む群から選択され、
X5は、シクロヘキシルアラニンまたはホモロイシン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X6は、トリプトファン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X7は、ノルロイシンまたはフェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3とX7の間に化学結合が形成されており、
式(I)中の線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、更に好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項2】
X3およびX7が個別にアミノ酸、アミノ酸類似体またはアミノ酸誘導体であり、X3とX7の間の化学結合の形成にX3およびX7の部分のすくなくとも1が参加し、そのX3およびX7の部分が個別にかつ独立してC末端、N末端およびアミノ酸の各側鎖を含む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X1が、質量約1〜300のラジカルであり、このラジカルは好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(R6)−C(NH)−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールおよび置換アリールを含む群から選択され、
X2およびX6が、個別にかつ独立して芳香族アミノ酸、その誘導体または類似体であり、
X5およびX7が、個別にかつ独立して疎水性アミノ酸、その誘導体または類似体である請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
X2、X5、X6およびX7が、個別にかつ独立して次の構造:
【化39】


〔構造中、XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>S=O、>C=NH、>C=N−CN、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CH3、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
構造(III)がX1とX3、X4とX6、X5とX7、およびX6とX3の部分に結合するのは、好ましくはR1およびR2を介して行われ、
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは芳香族基を含み、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択され、および
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは脂肪族または芳香族基を含み、かつ好ましくはアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択される〕
を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
環がR3とR4の参加で形成されることを特徴とする請求項4記載の化合物。
【請求項6】
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3が、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、1,1−ジフェニルメチル、置換1,1−ジフェニルメチル、ナフチルメチル、置換ナフチルメチル、チエニルメチル、置換チエニルメチル、ベンゾチエニルメチル、置換ベンゾチエニルメチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インドリルメチルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項4または5記載の化合物。
【請求項7】
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3が、C3〜C5アルキル、置換C3〜C5アルキル、C5〜C7シクロアルキル、置換C5〜C7シクロアルキル、C5〜C7シクロアルキルメチル、置換C5〜C7シクロアルキルメチル、シクロアルキルエチル、置換シクロアルキルエチル、ベンジル、置換ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、チエニルメチル、プロペニル、プロピニル、メチルチオエチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インダゾリルメチルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
X1が、H、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル、フルオロメチルカルボニル、ジフルオロメチルカルボニル、フェニル、オキシカルボニル、メチル−オキシカルボニル、フェニル−アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、フェニル−スルホニル、2,6−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボニルおよびメチル−スルホニルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
X2が、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;、
またはX2およびX1が一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6が、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5が、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7が、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
X1および/またはX4が水溶性を向上する1以上の基を含み、該水溶性向上基はヒドロキシ、ケト、カルボキサミド、エーテル、尿素、カルバメート、アミノ、置換アミノ、グアニジノ、ピリジルおよびカルボキシルを含む群から選ばれる請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
次の構造:
【化40】


〔構造中、X1〜X3およびX5〜X7は請求項1〜10の1つに定義されており、さらに構造中、
X4は環状または非環状アミノ酸であり、該環状アミノ酸はプロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、シス−Hypおよびトランス−Hypを含む群から選ばれ、また非環状アミノ酸はSer、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)、Arg、Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)、Hyp(CONH−CH2CH(OH)−CH2OH)およびそれらに対応する各誘導体およびそれらに対応する各類似体を含む群から選ばれ;かつ
式(I)中の線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、さらに好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項12】
X4で示されるアミノ酸が好ましくは、プロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソチノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、Hyp、Ser、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)およびArgを含む群から選ばれることを特徴とする請求項11記載の化合物。
【請求項13】
X2が、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;、
またはX2およびX1が一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6が、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5が、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7が、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である
請求項11〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
次の構造:
【化41】


{構造中、X1〜X2およびX4〜X7は請求項1〜13のいずれか1項で定義されており、また構造中、
X3は次の構造
【化42】


〔構造中、
XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
構造(IV)のX2およびX4部分への結合は好ましくはR1およびR2を介して行われ、
R3はラジカルであり、このラジカルはH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換ヘテロアリールアルキルを含む群から選択され、
Yは場合により存在し、存在する場合にはYはラジカルであって、−N(YB)、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−C=N−O−、−CO−N(YB)−および
【化43】


(式中、YB、YB1およびYB2は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択される)〕}
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項15】
R3がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルおよび
【化44】


を含む群から選択されるラジカルであり、
Yが場合により存在し、存在する場合にはYがラジカルであって、−N(YB)、−O−、−S−および−S−S−を含む群から選択され、またYBが好ましくは請求項14で定義される
ことを特徴とする請求項14記載の化合物。
【請求項16】
X2が、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
またはX2およびX1が一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6が、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5が、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7が、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である
請求項14〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
X3がアルファ−アミノ−グリシン、アルファ−ベータ−ジアミノプロピオン酸(Dap)、アルファ−ガンマ−ジアミノ酪酸(Dab)、オルニチン、リジン、ホモリジン、Phe(4−NH2)、2−アミノ−3−(4−ピペリジニル)プロピオン酸および2−アミノ−3−(3−ピペリジニル)プロピオン酸を含む群から選ばれたアミノ酸の誘導体であり、また該アミノ酸は側鎖で誘導体化されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
好ましくは請求項1〜17のいずれか1項に記載されており、次の構造:
【化45】


〔構造中、
AはH、NH2、NHアルキル、Nアルキル2、NHアシルおよびOHを含む群から選ばれ、
BはCH2(アリール)、CH(アリール)2、CH2(ヘテロアリール)、置換CH2(アリール)、アリール、置換アリールおよびヘテロアリールを含む群から選ばれ、
C1およびC2は個別にかつ独立してアルキルおよび置換アルキルを含む群から選ばれ、該C1とC2の間に場合により結合を形成してもよく、
Dはアルキル、シクロアルキル、CH2(シクロアルキル)、CH2CH2(シクロアルキル)、CH2Ph(2−Me)およびCH2−S−アルキルを含む群から選ばれ、
EはCH2(アリール)、置換CH2(アリール)およびCH2(ヘテロアリール)を含む群から選ばれ、
Fはアルキル、CH2−S−アルキル、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH−CCH、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2Ph、CH2ナフチル、CH2チエニルを含む群から選ばれ、
Z1はn=1、2、3、4の(CH2)nNH、(CH2)3O、(CH2)2O、(CH2)4、(CH2)3、CH2Ph(4−NH)およびCH2(4−ピペリジニル)を含む群から選ばれ、かつ
Z3は場合により存在し、存在する場合はZ3はCOおよびCH2を含む群から選ばれる〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項19】
AがH、NH2、NHEt、NHAc、OHを含む群から選ばれ、
BがCH2Ph、CH2Ph(4−F)、CH(Ph)2、CH2チエニル、CH2ナフチル、フェニル、Ph(4−F)およびチエニルを含む群から選ばれ、
C1がHおよびメチルを含む群から選ばれ、C2がメチルおよびCH2OHを含む群から選ばれ、又は該C1とC2が結合により連結されている場合は、得られる構造は−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−および−CH2CH(OH)CH2−を含む群から選ばれ、
DがCH2CH2iPr、CH2iPr、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2CH2シクロヘキシル、CH2Ph(2−Me)、CH2−S−tBuおよびCH2−S−iPrを含む群から選ばれ、
EがCH2Ph、CH2Ph(2−Cl)、CH2Ph(3−Cl)、CH2Ph(4−Cl)、CH2Ph(2−F)、CH2Ph(3−F)、CH2Ph(4−F)、CH2インドリル、CH2チエニル、CH2ベンゾチエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
Fが(CH2)3CH3、(CH2)2CH3、(CH2)2−iPr、CH2−iPr、iPr、CH2−S−Et、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH2−CCHおよびシクロヘキシルを含む群から選ばれ、
Z1がn=1、2、3、4の(CH2)nNH、(CH2)3O、CH2Ph(4−NH)およびCH2(4−ピペリジニル)を含む群から選ばれ、かつ
Z3が場合により存在し、存在する場合はZ3がCOおよびCH2を含む群から選ばれる
ことを特徴とする請求項18記載の化合物。
【請求項20】
次の構造:
【化46】


〔構造中、d1、d2、d3およびd4は、該化合物のエネルギー的に到達可能な配座異性体の少なくとも1つにおけるA、B、CおよびDの距離を表し、次の値:
【化47】


を有し、
AおよびCは個別にかつ独立して疎水性ラジカルであり、この疎水性ラジカルはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールを含む群から選択され、
BおよびDは個別にかつ独立して芳香族またはヘテロ芳香族ラジカルであり、ここで芳香族ラジカルは好ましくはアリールであり、ヘテロ芳香族ラジカルは好ましくはヘテロアリールである〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項21】
AおよびCが個別にかつ独立してC3〜C6アルキル、C5〜C7シクロアルキル、メチルチオエチル、メチルチオ−tert−ブチル、インドリル、フェニル、ナフチル、チエニル、プロペニル、プロピニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれ;
Bがフェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれ;かつ
Dがフェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、フラニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれる
請求項20記載の化合物。
【請求項22】
次の構造:
【化48】


〔構造中、
A、B、CおよびDはアミノ酸、アミノ酸類似体またはアミノ酸誘導体におけるC−アルファ原子を表し、
d1、d2、d3およびd4は、該化合物のエネルギー的に到達可能な配座異性体の少なくとも1つにおけるA、B、CおよびDの距離を表し、次の値:
【化49】


を有し、
構造中、アルファ原子がAおよびCで表されるアミノ酸は個別にかつ独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはメチルチオ−tert−ブチル基を含む疎水性アミノ酸側鎖を有し、
構造中、アルファ原子がBおよびDで表されるアミノ酸は個別にかつ独立して、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル基を含む芳香族またはヘテロ芳香族アミノ酸側鎖を有する〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項23】
アルファ原子がAで表されるアミノ酸はC3〜C6アルキル、メチルチオエチル、プロペニル、プロピニル、R5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はC5〜C7シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ヒドロキシフェニル、インドリル、イミダゾリル、ナフチルおよびチエニルを含む群から選ばれたラジカルであり;
アルファ原子がBで表されるアミノ酸はR5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はフェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれたラジカルであり;
アルファ原子がCで表されるアミノ酸はC3〜C6アルキル、R5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はC5〜C7シクロアルキル、フェニル、1−メチル−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−フェニルおよびS−tBuを含む群から選ばれたラジカルであり;かつ
アルファ原子がDで表されるアミノ酸はR5、メチル−R5およびエチル−R5を含む群から選ばれ、ここでR5はフェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、フラニル、ヒドロキシフェニル、インドリルおよびイミダゾリルを含む群から選ばれたラジカルである
請求項22記載の化合物。
【請求項24】
次の構造:
【化50】


〔構造中、X1は、質量約1〜300のラジカルであり、X1は好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO2−、R5−N(N6)−SO2−、R5−N(R6)−、R5−N(R6)−CS−、R5−N(R6)−C(NH)−、R5−CS−、R5−P(O)OH−、R5−B(OH)−、R5−CH=N−O−CH2−CO−を含む群から選択され、ここでR5およびR6は個別にかつ独立してH、F、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、置換アシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキルおよび置換アリールオキシアルキルを含む群から選択され、
X2は、フェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X3およびX4は、個別にかつ独立してスペーサーであり、このスペーサーは好ましくはアミノ酸、アミノ酸類似体およびアミノ酸誘導体を含む群から選択され、
X5は、シクロヘキシルアラニンまたはホモロイシン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X6は、トリプトファン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X7は、ノルロイシンまたはフェニルアラニン単位の生物学的な結合特性を模擬するラジカルであり、
X8はラジカルであり、該ラジカルは場合により構造(II)中に存在し、存在する場合は、H、NH2、OH、NH−OH、NH−Oアルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドラジノ、置換ヒドラジノ、アミノオキシ、置換アミノオキシ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリール、置換アリール、アミノ酸、アミノ酸誘導体およびアミノ酸類似体を含む群から選ばれ;
式(II)中の連結線−は、化学結合を示し、この化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、更に好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項25】
X1が、質量約1〜300のラジカルであり、このラジカルは好ましくはR5−、R5−CO−、R5−N(R6)−CO−、R5−O−CO−、R5−SO−、R5−N(R6)−C(NH)−を含む群から選択され、ここで好ましくはR5およびR6は個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールおよび置換アリールを含む群から選択され、
X2およびX6が、個別にかつ独立して芳香族アミノ酸、その誘導体または類似体であり、
X5およびX7が、個別にかつ独立して疎水性アミノ酸、その誘導体または類似体である請求項24記載の化合物。
【請求項26】
X2、X5、X6およびX7が、個別にかつ独立して次の構造:
【化51】


〔構造中、XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され、
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>S=O、>C=NH、>C=N−CN、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CH3、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され、
そして、構造(III)がX1とX3、X4とX6、X5とX7、およびX6とX8の部分構造に結合するのは、好ましくはR1およびR2を介して行われ、
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは芳香族基を含み、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択され、および
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3はラジカルであり、このラジカルは脂肪族または芳香族基を含み、かつ好ましくはアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アルキルオキシアルキル、置換アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、置換アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクリル、置換アルキルオキシヘテロシクリル、アルキルオキシアリール、置換アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、置換アルキルオキシヘテロアリール、アルキルチオアルキル、置換アルキルチオアルキル、アルキルチオシクロアルキルおよび置換アルキルチオシクロアルキルを含む群から選択される〕
を有する請求項24〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
環がR3とR4を用いて形成されることを特徴とする請求項26記載の化合物。
【請求項28】
X2に対しおよびX6に対し個別にかつ独立して、R3が、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、1,1−ジフェニルメチル、置換1,1−ジフェニルメチル、ナフチルメチル、置換ナフチルメチル、チエニルメチル、置換チエニルメチル、ベンゾチエニルメチル、置換ベンゾチエニルメチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インドリルメチルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項26または27記載の化合物。
【請求項29】
X5に対しおよびX7に対し個別にかつ独立して、R3が、C3〜C5アルキル、置換C3〜C5アルキル、C5〜C7シクロアルキル、置換C5〜C7シクロアルキル、C5〜C7シクロアルキルメチル、置換C5〜C7シクロアルキルメチル、シクロアルキルエチル、置換シクロアルキルエチル、ベンジル、置換ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、チエニルメチル、プロペニル、プロピニル、メチルチオエチル、イミダゾリルメチル、置換イミダゾリルメチル、インドリルメチルおよび置換インドリルメチルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項24〜28のいずれか1項、特に請求項26〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
X8が、H、OR1およびNR1R2を含む群から選ばれ、ここでR1およびR2は個別にかつ独立してH、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアリールアルキルを含む群から選ばれる請求項1〜29のいずれか1項、特に請求項24〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
X1が、H、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル、フルオロメチルカルボニル、ジフルオロメチルカルボニル、フェニル、オキシカルボニル、メチル−オキシカルボニル、フェニル−アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、フェニル−スルホニル、2,6−ジオキソ−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボニルおよびメチル−スルホニルを含む群から選ばれることを特徴とする請求項24〜30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
X1および/またはX4が水溶性を向上する1以上の基を含み、該水溶性向上基はヒドロキシ、ケト、カルボキサミド、エーテル、尿素、カルバメート、アミノ、置換アミノ、グアニジノ、ピリジルおよびカルボキシルを含む群から選ばれる請求項24〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
次の構造:
【化52】


〔構造中、X1〜X3およびX5〜X8は請求項24〜32のいずれか1項に定義されており、さらに構造中、
X4は環状または非環状アミノ酸であり、該環状アミノ酸はプロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、シス−Hypおよびトランス−Hypを含む群から選ばれ、また非環状アミノ酸はSer、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)、Arg、Hyp(COCH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)、Hyp(CONH−CH2CH(OH)−CH2OH)およびそれらに対応する各誘導体およびそれらに対応する各類似体を含む群から選ばれ;かつ
式(I)中の連結線−は、化学結合を示し、好ましくはこの化学結合は個別にかつ独立して共有結合、イオン結合および配位結合を含む群から選択され、好ましくはこの結合は化学結合であり、さらに好ましくはこの化学結合はアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、オキシム結合およびアミノトリアジン結合を含む群から選択される結合である〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項34】
X4で示されるアミノ酸が好ましくは、プロリン、ピペコリン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、1−アザ−ビシクロ−[3.3.0]−オクタン−2−カルボン酸、4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸、Hyp、Ser、Gln、Asn、Cys(O2CH2CH2CONH2)およびArgを含む群から選ばれることを特徴とする請求項33記載の化合物。
【請求項35】
次の構造:
【化53】


{構造中、X1〜X2およびX4〜X8は請求項24〜34のいずれか1項で定義されており、また構造中、
X3は次の構造
【化54】


〔構造中、
XはC(R4)またはNであり、
R1は場合により存在し、存在する場合にはR1はラジカルであって、>N−R1B、>C(R1B)(R1D)および>Oを含む群から選択され、ここでR1BおよびR1Dは個別にかつ独立してH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択され;
R2は場合により存在し、存在する場合にはR2はラジカルであって、>C=O、>C=S、>SO2、>PO(OH)、>B(OH)、>CH2、>CH2CO、>CHFおよび>CF2を含む群から選択され、
R4はラジカルであり、このラジカルはH、F、CH3、CF3、アルキルおよび置換アルキルを含む群から選択され;
構造(IV)のX2およびX4部分への結合が好ましくはR1およびR2を介して行われ;
R3は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、アシル、置換アシル、アルコキシアルキル、置換アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、置換アリールオキシアルキル、スルフィヒドリルアルキル、置換スルフィヒドリルアルキル、ヒドロキシアルキル、置換ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、置換カルボキシアルキル、カルボキシアミドアルキル、置換カルボキシアミドアルキル、カルボキシヒドラジノアルキル、ウレイドアルキル、アミノアルキル、置換アミノアルキル、グアニジノアルキルおよび置換グアニジノアルキルを含む群から選択されるラジカルであり;
Yは場合により存在し、存在する場合にはYはラジカルであって、H、−N(YB1)−CO−YB2、−N(YB1)−CO−N(YB2)(YB3)、−N(YB1)−C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)、−N(YB1)(YB2)、−N(YB1)−SO2−YB2、O−YB1、S−YB1、−CO−YB1、−CO−N(YB1)(YB2)および−C=N−O−YB1を含む群から選ばれ、ここでYB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CN、NO2、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキルアルキルおよび置換シクロアルキルアルキルを含む群から選択される〕}
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項36】
R3が、構造
−(CH2−Y (VII)
または
−(CH2−C64−Y (VIII)
を有するラジカルであり、
構造中、
mは1、2、3または4であり;
Yは、N(R3b)(R3c)または−N(YB1)−C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)であり、ここでR3b、R3c、YB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CNおよびアルキルを含む群から選ばれる
ことを特徴とする請求項35記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物の2つの部分間で環が形成され、該化合物の部分が個別にかつ独立してYB1、YB2、YB3およびYB4を含む群から選ばれることを特徴とする請求項35または36記載の化合物。
【請求項38】
前記環がYB2とYB3を用いて形成されることを特徴とする請求項37記載の化合物。
【請求項39】
Yが−NH2または
【化55】


である請求項35〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
X2が、フェニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、3,3−ジフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよび対応するそれらの各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
またはX2およびX1が一緒になってPhCH2CH2CO−またはPhCH2−であり;
X6が、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、ベンゾチエニルアラニン、2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、2−フルオロ−フェニルアラニン、3−フルオロ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X5が、D−シクロヘキシルアラニン、D−シクロヘキシルグリシン、D−ホモ−シクロヘキシルアラニン、D−ホモロイシン、D−システイン(tBu)、D−システイン(iPr)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−メチル−D−フェニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体であり;
X7が、ノルバリン、ノルロイシン、ホモ−ロイシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、システイン(Me)、システイン(Et)、システイン(Pr)、メチオニン、アリルグリシン、プロパルギルグリシン、シクロヘキシルグリシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、1−ナフチルアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニンおよびそれらの対応する各誘導体を含む群から選ばれるアミノ酸の誘導体である
請求項24〜39のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
X3がアミノ酸のアミノ酸誘導体であり、ここでアミノ酸はアルファ−アミノ−グリシン、アルファ−ベータ−ジアミノプロピオン酸(Dap)、アルファ−ガンマ−ジアミノブタン酸(Dab)、オルニチン、リジン、ホモリジン、Phe(4−NH2)、2−アミノ−3−(4−ピペリジニル)プロピオン酸および2−アミノ−3−(3−ピペリジニル)プロピオン酸を含む群から選ばれ、また該アミノ酸は側鎖で誘導体化されていることを特徴とする請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
好ましくは請求項1〜41のいずれか1項に記載されており、次の構造:
【化56】


〔構造中、
AはH、NH2、NHアルキル、Nアルキル2、NHアシル、置換NHアシルおよびOHを含む群から選ばれ、
BはCH2(アリール)、CH(アリール)2、CH2(ヘテロアリール)および置換CH2(アリール)を含む群から選ばれ、
C1およびC2は個別にかつ独立してアルキルおよび置換アルキルを含む群から選ばれ、場合により、該C1とC2の間に結合を形成してもよく、
Dはアルキル、シクロアルキル、CH2(シクロアルキル)、CH2CH2(シクロアルキル)、CH2Ph(2−Me)およびCH2−S−アルキルを含む群から選ばれ、
EはCH2(アリール)、置換CH2(アリール)およびCH2(ヘテロアリール)を含む群から選ばれ、
Fはアルキル、CH2−S−アルキル、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH−CCH、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2Ph、CH2ナフチル、CH2チエニルを含む群から選ばれ、
Z2は−R3−Yであり、R3はH、アルキル、アリールアルキルを含む群から選ばれ、Yは場合により存在し、存在する場合、YはH、N(YB1)(YB2)、N(YB1)C(N−YB2)−N(YB3)(YB4)、
【化57】


を含む群から選ばれ、ここでYB1、YB2、YB3およびYB4は個別にかつ独立してH、CNおよびアルキルを含む群から選ばれ、場合によりYB1、YB2、YB3およびYB4の少なくとも2つを用いて環が形成されていてもよい、かつ
Gは、H、OR1およびNR1R2を含む群から選ばれ、R1およびR2は個別にかつ独立してH、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアリールアルキルを含む群から選ばれる〕
を有する化合物、好ましくはC5a受容体拮抗物質。
【請求項43】
AがH、NH2、NHEt、NHAc、OHを含む群から選ばれ、
BがCH2(Ph)、CH2Ph(4−F)、CH(Ph)2、CH2チエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
C1がHおよびメチルを含む群から選ばれ、C2がメチルおよびCH2OHを含む群から選ばれ、又は該C1とC2が結合により連結されている場合は、得られる構造は−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−および−CH2CH(OH)CH2−を含む群から選ばれ、
DがCH2CH2iPr、CH2iPr、シクロヘキシル、CH2シクロヘキシル、CH2CH2シクロヘキシル、CH2Ph(2−Me)、CH2−S−tBuおよびCH2−S−iPrを含む群から選ばれ、
EがCH2Ph、CH2Ph(2−Cl)、CH2Ph(3−Cl)、CH2Ph(4−Cl)、CH2Ph(2−F)、CH2Ph(3−F)、CH2Ph(4−F)、CH2インドリル、CH2チエニル、CH2ベンゾチエニルおよびCH2ナフチルを含む群から選ばれ、
Fが(CH23CH3、(CH22CH3、(CH22−iPr、CH2−iPr、iPr、CH2−S−Et、CH2CH2−S−Me、CH2CH=CH2、CH2−CCHおよびシクロヘキシルを含む群から選ばれ、
Z2が−R3−Yであり、R3がCH2、(CH22、(CH23、(CH24およびCH2−C64を含む群から選ばれ、YがNH2、NHEt、N(Et)2、NH−C(NH)−NH2および
【化58】


を含む群から選ばれ、かつ
Gが、NH2、NHMe、OHおよびHを含む群から選ばれる
ことを特徴とする請求項42記載の化合物。
【請求項44】
化合物が次の化合物群:
【表11】
























の1つである、請求項1〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
請求項1〜44のいずれか1項に記載の少なくとも1の化合物およびさらに薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項46】
医薬の製造のための、請求項1〜45のいずれか1項に記載の少なくとも1の化合物の使用。
【請求項47】
請求項46記載の使用であって、該医薬を補体の活性化に伴う状況および/または補体系の阻害により症状が緩和する状況の予防および/または治療に使用することを特徴とする使用。
【請求項48】
請求項46記載の使用であって、該医薬を単独にまたは他の治療剤と組み合わせてC5a受容体の阻害により症状が緩和する状況の予防および/または治療に使用することを特徴とする使用。
【請求項49】
治療されるべき状況および/または症状が自己免疫疾患、急性炎症疾患、外傷、局所性炎症、ショックおよび火傷を含む群から選択されることを特徴とする請求項46、47または48のいずれか1項に記載の使用。
【請求項50】
状況が関節リウマチ、強直性脊椎炎、類肉腫症、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、乾癬、敗血症性ショック、出血性ショック、全身炎症性応答症候群(SIRS)、多発性器官不全(MOF)、喘息、血管炎、心筋炎、皮膚筋炎、炎症性腸疾患(IBD)、天疱瘡、重症筋無力症、糸球体腎炎、急性呼吸不全、脳梗塞、心筋梗塞、再灌流傷害、神経知覚機能障害、抗リン脂質症候群、火傷、眼の炎症性疾患、全身性疾患の局所的発現、血管の炎症性疾患、および中枢神経系の急性障害を含む群から選択されることを特徴とする請求項49に記載の使用。
【請求項51】
眼の炎症性疾患がブドウ膜炎、加齢性黄斑変性、糖尿病性網膜症、糖尿病性斑点浮腫、眼の天疱瘡、角結膜炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、およびグレーブス眼症を含む群から選択されることを特徴とする請求項50記載の使用。
【請求項52】
状況が全身性疾患の局所的発現であり、全身性疾患が関節リウマチ、SLE、I型糖尿病、およびII型糖尿病を含む群から選択されることを特徴とする請求項50記載の使用。
【請求項53】
発現が眼、脳、血管、心臓、肺臓、腎臓、肝臓、胃腸管、脾臓、皮膚、骨格系、リンパ系、および血液における発現を含む群から選択されることを特徴とする請求項52記載の使用。
【請求項54】
血管の炎症性疾患が血管炎、血管漏出、および動脈硬化症を含む群から選択されることを特徴とする請求項50記載の使用。
【請求項55】
予防および/または手術の支援のための、特にそれらの目的の医薬の製造のための、請求項1〜54のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項56】
医薬が予防および/または手術の支援のために使用されることを特徴とする請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項57】
医薬を予防および/または手術の支援および/または術後処理のための使用であって、手術がCABG、PACT、PTA、MidCAB、OPCAB、血栓溶解、器官移植、および脈管クランピングを含む群から選択されることを特徴とする請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項58】
医薬を血栓溶解治療に使用する請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項59】
医薬を透析療法の設定において、場合によりその療法の前、中、およびまたは後に使用することを特徴とする請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項60】
医薬を移植した器官または移植する器官の器官損傷を予防するために使用することを特徴とする請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項61】
医薬を移植拒否の予防または治療に使用することを特徴とする請求項46〜55のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−57681(P2011−57681A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−230873(P2010−230873)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【分割の表示】特願2006−519897(P2006−519897)の分割
【原出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【出願人】(505100942)イエリニ・アクチェンゲゼルシャフト (10)
【氏名又は名称原語表記】JERINI AG
【Fターム(参考)】