説明

CAESシステムおよびこれを有する発電プラント

【課題】 発電効率を改善して高効率を実現し得るばかりでなく、ガスタービンシステムと圧縮空気貯蔵手段とのベストマッチングを実現でき、さらに立地場所の自由度も増すCAESシステムを提供する。
【解決手段】圧縮手段IAで圧縮された空気を加湿する加湿手段IBを備えるとともに加湿手段IBで加湿された空気をタービン5の排ガスで加熱した後、燃焼器に供給する再生サイクルを構成しているガスタービンシステムIと、圧縮されて貯蔵されている空気を加湿手段IBに供給する圧縮空気貯蔵手段IIとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCAESシステムおよびこれを有する発電プラントに関する。ここで、CAESシステムとは、ガスタービンシステムと、このガスタービンシステムで圧縮した空気、再生可能エネルギーを利用した圧縮手段または両方の圧縮手段でそれぞれ圧縮した空気を貯蔵する圧縮空気貯蔵手段とを組み合わせたシステムをいう。
【背景技術】
【0002】
電力需要は季節、曜日、時間によって絶えず変動するが、電力を貯蔵することは困難であるため、供給側では最大負荷に合わせて設備を用意しておく必要がある。そのため、通常時には過剰な設備を保有することになり、結果として設備費の増大ひいては発電コスト増大の一因となっている。
【0003】
さらに、CO排出量削減のため太陽光や風力などの自然エネルギーの導入が考えられているが、これらによる発電電力は気象条件によって大きく変動すること、また電圧や周波数も変動しやすいことなどが導入の障壁となっている。そこで、電力貯蔵と組み合わせることでこの信頼性の問題を改善でき、これらの導入が促進されることも考えられる。つまり、電力貯蔵技術の導入によりCO排出量削減にも貢献できると考えられる。
【0004】
電力貯蔵技術として、すでに揚水発電が実用化されている。しかしながら、揚水発電では、落差のある2地点に広大な貯水池を必要とすることから、将来的には新規立地点の確保が困難になることが予想される。また、中小規模の電力貯蔵システムとしては、フライホイールの他、蓄電池、超電導コイル等の研究開発が進められているが、そのコスト、信頼性評価も含めて多くの課題が残されている。
【0005】
かかる現状の中で、中容量規模以上の電力貯蔵技術として、圧縮空気貯蔵 (Compressed Air Energy Storage /CAES)手段とガスタービン(GT)発電システムとを組み合わせたCAESシステムが提案されている(例えば非特許文献1参照)。この種のCAESシステムは、上述の如き中小規模の電力貯蔵システムに比べると貯蔵密度は小さいものの、土木工事で設備を作ることができるため、比較的安価に建設できるメリットがあり、条件によっては揚水発電設備より安価に建設できる可能性もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】保苅伸広, 土田正義, 小椋文雄; 圧縮空気貯蔵ガスタービン発電パイロットプラントの試運転および実証運転, 火力原子力発電, Vol.53, No.9, Sep. (2002), 79-86.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術に係るCAESシステムは圧縮空気貯蔵手段とガスタービン発電システムとを単に組み合わせただけのものであり、高々40%程度の発電効率しか得られておらず、効率向上のための改善の余地が残るシステムとなっていた。さらに、圧縮空気貯蔵手段と組み合わせるガスタービン発電システムは、通常圧縮機で圧縮した空気を燃焼器に直接供給する構造となっているので、圧縮空気貯蔵手段と組み合わせるガスタービン発電システムの圧縮機から燃焼器に向かう圧縮空気の供給管路の途中を切り離して一方側の管路を圧縮空気貯蔵手段の入口側の管路と接続するとともに、他方側の管路を圧縮空気貯蔵手段の出口側の管路と接続する必要があり、大きな構造変更を伴うものとなる。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑み、発電効率を改善して高効率を実現し得るばかりでなく、ガスタービンシステムと圧縮空気貯蔵手段とのベストマッチングを実現でき、さらに立地場所の自由度も増すCAESシステムおよびこれを有する発電プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を備えるとともに前記加湿手段で加湿された空気をタービンの排ガスで加熱した後、燃焼器に供給する再生サイクルを構成しているガスタービンシステムと、
圧縮されて貯蔵されている空気を前記加湿手段に供給する圧縮空気貯蔵手段とを有することを特徴とするCAESシステムにある。
【0010】
本態様によれば、ガスタービンシステムが高湿分の湿り空気を利用する再生サイクルを構築しているガスタービンシステムと圧縮空気貯蔵手段とを組み合わせているので、ガスタービンシステムの加湿手段の上流側に圧縮空気貯蔵手段からの圧縮空気を供給することができる。この結果、例えば再生可能な自然エネルギーや夜間の余剰電力等を利用して圧縮して貯蔵しておいた圧縮空気を利用してガスタービンシステムの圧縮機を駆動させることなく任意の必要な時間帯にガスタービンシステムを駆動させることができる。ここで、前記ガスタービンシステムにおいては、圧縮手段で圧縮した空気を加湿手段で加湿すべく圧縮手段から一旦外部に取り出す配管が設けられており、加湿手段を通した後、燃焼器に圧縮空気を供給するような構成となっているので、圧縮手段と燃焼器との途中に圧縮空気貯蔵手段からの圧縮空気を良好に供給することができる。すなわち、ガスタービンシステムの大きな構造変化を伴うことなく圧縮空気貯蔵手段をガスタービンシステムと一体化させることが容易に可能となり、所望のCAESシステムを容易に構築することができる。
【0011】
また、本態様のCAESシステムでは、圧縮空気が加湿されているので、燃焼器に供給される圧縮空気の質量流量を増大させ、比熱も大きくすることができる。さらに、再生サイクルとすることでタービンの排熱回収も行えることとも相俟って全体としての効率も向上させることができる。
【0012】
さらに、圧縮空気貯蔵手段に圧縮空気を貯蔵するために利用するエネルギーとして太陽光や風力等の再生可能エネルギーも含ませることができる。
【0013】
このように、多種多様のエネルギーを利用して貯蔵しておいた圧縮空気で、貯蔵した時間帯とは全く異なる任意の時間帯に加湿空気を作動流体とする再生サイクルのガスタービンシステムを高い効率で駆動させることができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記圧縮空気貯蔵手段は、前記圧縮手段で圧縮された空気を貯蔵するように構成されていることを特徴とするCAESシステムにある。
【0015】
本態様によれば、圧縮手段で圧縮した空気を圧縮空気貯蔵手段に貯蔵する一方、圧縮空気貯蔵手段に貯蔵している圧縮空気を必要に応じ取り出してガスタービンシステムの駆動に供している。ここで、圧縮手段と燃焼器との途中から圧縮手段で圧縮した圧縮空気を取り出して圧縮空気貯蔵手段に貯蔵するとともに、圧縮空気貯蔵手段から取り出した圧縮空気をガスタービンシステムの加湿手段の上流側に供給することができるので、かかる構成をガスタービンシステムの大きな構造的変更を伴うことなく実現させることができる。
【0016】
この結果、圧縮空気貯蔵手段と高湿分空気を利用した再生サイクルを構築しているガスタービンシステムとを一体化させたCAESシステムを容易に構築することができる。
【0017】
同時に、燃焼器の排気ガスの熱は加湿空気で回収するように構成してある。すなわち、熱回収のための蒸気系統がなく冷却用の大量の水(海水)を必要としない。この結果、臨海部に限らず、例えば内陸部に立地することも可能となり、その分当該CAESシステムの立地場所の自由度も増大させることができる。すなわち、ガスタービンシステムと空気貯蔵手段との組み合わせによる相乗効果を最も顕著に発揮させることができる。
【0018】
本発明の第3の態様は、
第2の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記圧縮手段で圧縮された空気を、さらに圧縮して前記圧縮空気貯蔵手段に貯蔵させるとともに、前記圧縮空気貯蔵手段の空気を燃焼器に供給してタービンを駆動し、該タービンの排気ガスを前記加湿手段に供給する他のガスタービンシステムを有することを特徴とするCAESシステムにある。
【0019】
本態様によれば、ガスタービンシステムで圧縮した圧縮空気を他のガスタービンシステムでさらに圧縮しているので圧縮空気貯蔵手段に貯蔵させる圧縮空気の体積をさらに縮小することができる。この結果、圧縮空気貯蔵手段の単位容積当たりの貯蔵量を増大させることができ、安価なコストで大量の圧縮空気を貯蔵する圧縮空気貯蔵手段を提供することができる。また、より高圧に圧縮するために要した圧縮動力は、圧縮空気貯蔵手段から供給される圧縮空気で他のガスタービンシステムを駆動することで回収することができ、全体的な効率向上にも寄与させることができる。
【0020】
本発明の第4の態様は、
第1または第2の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記ガスタービンシステムは、前記圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステムにある。
【0021】
本態様によれば、低圧圧縮機、中間冷却器および高圧圧縮機で構成した圧縮手段と加湿手段とを組み合わせて高湿分空気を利用した再生サイクル型のガスタービンシステム(以下、Humid Air Gas Turbine(HAT)という )を構築することができ、かかるHATにおけるタービンの作動流体として圧縮空気貯蔵手段から取り出した圧縮空気を利用することができる。
【0022】
本発明の第5の態様は、
第1または第2の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記ガスタービンシステムは、前記圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステムにある。
【0023】
本態様によれば、加湿噴霧手段および加湿噴霧された供給空気を圧縮する圧縮機を有する圧縮手段と加湿手段とを組み合わせて高湿分空気を利用した再生サイクル型のガスタービンシステム(以下、Advanced Humid Air Gas Turbine(AHAT)という )を構築することができ、かかるAHATのタービンの作動流体として圧縮空気貯蔵手段から取り出した圧縮空気を利用することができる。
【0024】
本発明の第6の態様は、
第3の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、前記圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステムにある。
【0025】
本態様によれば、HAT、高圧側の他のガスタービンシステムおよび圧縮空気貯蔵手段とを組み合わせてCAESシステムを構築することができる。この結果、高効率のCAESシステムを構築することができる。
【0026】
本発明の第7の態様は、
第3の態様に記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、前記圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステムにある。
【0027】
本態様によれば、AHAT、高圧側の他のガスタービンシステムおよび圧縮空気貯蔵手段とを組み合わせてCAESシステムを構築することができる。この結果、高効率のCAESシステムを構築することができる。
【0028】
本発明の第8の態様は、
第3、第6または第7の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、再生サイクル型のガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステムにある。
【0029】
本態様によれば、高圧側の他のガスタービンシステムを再生サイクル型のガスタービンとしたので、高効率の二段燃焼を実現でき、圧縮空気貯蔵手段に貯蔵するために要した圧縮動力を良好に回収して全体の効率を向上させることができる。
【0030】
本発明の第9の態様は、
第3、第6または第7の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有するとともに、前記圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を有して高湿分再生システムを構成したガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステムにある。
【0031】
本態様によれば、高圧側の他のガスタービンシステムをHATとしたので、高効率の二段燃焼を実現できる。
【0032】
本発明の第10の態様は、
第3、第6または第7の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有するとともに、前記圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を有して高湿分再生システムを構成したガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステムにある。
【0033】
本態様によれば、高圧側の他のガスタービンシステムをAHATとしたので、高効率の二段燃焼を実現できる。
【0034】
本発明の第11の態様は、
第3、第6または第7の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮機、燃焼器およびタービンを有するガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステムにある。
【0035】
本態様によれば、高圧側の他のガスタービンシステムを通常のガスタービンシステムとしたので、安価なコストで所定の二段燃焼を実現できる。
【0036】
本発明の第12の態様は、
第1〜第11の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記燃焼器で燃焼された排気ガスの熱を回収するとともに前記加湿手段で空気を加湿する冷媒液を循環させる液体回収システムを有することを特徴とするCAESシステムにある。
【0037】
本態様によれば、加湿等に使用する液体、例えば水を循環させて利用することができるので、当該CAESシステムのランニングコストを安価なものとすることができる。
【0038】
本発明の第13の態様は、
第1〜第12の態様の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
再生可能エネルギーで駆動される他の圧縮手段を追加し、該圧縮手段で圧縮した空気を前記圧縮空気貯蔵手段に貯蔵するように構成したことを特徴とするCAESシステムにある。
【0039】
本態様によれば、風力、太陽光等のエネルギーを利用して空気を圧縮することができるので、再生可能エネルギーの有効利用を促進することができる。ちなみに、風力、太陽光等を利用した再生可能エネルギーを利用した発電電力は気象条件によって大きく変動すること、また電圧や周波数も変動しやすいことなどが導入の障壁となっている。これに対し、本態様では、圧縮空気の貯蔵と組み合わせることでこの信頼性の問題を改善でき、再生可能エネルギーの導入を促進させることもでき、またこれによる電力貯蔵技術の一態様としてCO排出量削減にも貢献させることができる。
【0040】
本発明の第14の態様は、
第1〜第13の態様に記載する何れか1つのCAESシステムのタービンを原動機とする発電機と組み合わせたことを特徴とする発電プラントにある。
【0041】
本態様によれば、余剰エネルギーを有効に利用しながら全体として高効率の発電を行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、ガスタービンシステムは、圧縮空気貯蔵手段から供給される空気に加湿手段で水分を含ませて比熱の大きい高湿分の湿り空気として燃焼器に供給しているので、空気の質量流量が増大するとともに、比熱も大きくなる結果、圧縮動力を変えることなくタービンの出力を向上させることができる。
【0043】
また、圧縮手段と燃焼器との途中に圧縮空気貯蔵手段からの圧縮空気の供給管路を接続することができるので、ガスタービンシステムの大きな構造変化を伴うことなく圧縮空気貯蔵手段をタービン手段と一体化したCAESシステムを容易に構築することができる。
【0044】
同時に、燃焼器の排ガスの熱は再生サイクルを構成して加湿空気で回収するように構成してあるので、熱回収のための蒸気系統がなく冷却用の大量の水(海水)を必要としない結果、CAESシステムの立地場所の自由度が増大する。
【0045】
かくしてガスタービンシステムと圧縮空気貯蔵手段とのベストマッチングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である(圧縮空気の貯蔵モード)。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である(圧縮空気貯蔵手段から圧縮空気を供給しての発電モード)。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である(通常の発電モード)。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0048】
<第1の実施の形態>
図1〜図3は本発明の第1の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である。ここで、図1が圧縮空気の貯蔵モード、図2が圧縮空気貯蔵手段から圧縮空気を供給しての発電モード、図3が通常の発電モードをそれぞれ示している。
【0049】
図1〜図3に示すように、本形態に係るCAESシステムは、ガスタービンシステムI、圧縮空気貯蔵手段IIおよび他のガスタービンシステムIIIを有している。
【0050】
ガスタービンシステムIは、供給空気を圧縮する圧縮手段IAと、圧縮手段IAで圧縮された圧縮空気を増湿させる加湿手段IBおよび加湿手段IBで増湿させた圧縮空気をタービン5の排気ガスと熱交換させて昇温させる再生熱交換器6とを有している。ここで、本形態における圧縮手段IAは、吸気を加湿する加湿噴霧器1と、加湿された空気を圧縮する圧縮機2とを有している。また、加湿手段IBは、圧縮機2で圧縮された圧縮空気を冷却する空気冷却器3で冷却された圧縮空気を増湿させる増湿器4を有している。かくして、再生熱交換器6で昇温された高温で高湿分の湿り空気とともに燃焼器33で燃料を燃焼させ、燃焼により形成される高温・高圧の燃焼ガスをタービン5に供給して膨張させることによりタービン5を駆動させて大きな出力を得る。すなわち、本形態におけるガスタービンシステムIは、高湿分空気を利用した再生サイクルガスタービンシステムであるAHATである。
【0051】
ここで、空気冷却器3で圧縮空気と熱交換した冷却水は、排気ガス再加熱器8およびエコノマイザ7で排気ガスと熱交換した水とともに増湿器4内に供給される。エコノマイザ7は再生熱交換器6の下流側で排気ガスの熱を回収している。一方、排気ガス再加熱器8はエコノマイザ7の下流側で排気ガスを加熱し、煙突9を介して外部に排出している。
【0052】
このときの熱回収効率を向上させるためには、ポンプ15で循環される増湿器4の出口における冷却水の温度を可及的に低下させることが肝要である。
【0053】
さらに、ガスタービンシステムIは水回収システムICを有する。本形態における水回収システムICは、水回収器10と、水回収器10との間でポンプ11により循環される水を冷却する冷却器12とを有している。ここで、水回収器10からはポンプ13の駆動により加湿噴霧器1に対し冷却水を供給する。また、ポンプ14の駆動により空気冷却器3に供給されて圧縮空気と熱交換された冷却水を増湿器4に供給する。さらに、ポンプ15の駆動により排気ガス再加熱器8およびエコノマイザ7で排気ガスと熱交換された冷却水を増湿器4に供給する。
【0054】
圧縮機2とタービン5との間には、クラッチ17,18を介して発電・電動機16が接続されている。発電・電動機16は、クラッチ17のみの接続時(図1に示す状態)で圧縮機2を駆動する電動機として駆動され、クラッチ17の状態の如何にかかわらずクラッチ18の接続時(図2および図3に示す状態)に発電機として駆動される。この点に関しては後に詳述する。
【0055】
圧縮空気貯蔵手段IIは、ガスタービンシステムIに供給する圧縮空気を貯蔵するもので、例えば地中に大きな空間として形成されている。ここで、単位容積当たりに貯蔵される圧縮空気の量を増大させるためには貯蔵される圧縮空気の圧力を高圧にすることが肝要である。
【0056】
そこで、本形態では、ガスタービンシステムIの圧縮機2で圧縮して所定の高圧にした圧縮空気をさらに高圧に圧縮して圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵させるとともに、圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵されている圧縮空気で燃料を燃焼させて動力を得るとともに、その排気ガスをガスタービンシステムIに供給して二段燃焼させるための他のガスタービンシステムIIIが設置されている。他のガスタービンシステムIIIはガスタービンシステムIの空気冷却器3の下流側から供給される圧縮空気をさらに圧縮する高圧側圧縮機19、二段燃焼させるための高圧側タービン20および高圧側タービン20の排気ガスの熱を回収するための高圧側再生熱交換器21を有する再生サイクル型のガスタービンシステムである。
【0057】
高圧側圧縮機19と高圧側タービン20との間には、クラッチ23,24を介して発電・電動機22が接続されている。発電・電動機22は、クラッチ23のみの接続時(図1に示す状態)に高圧側圧縮機19を駆動する電動機として駆動され、クラッチ23の状態の如何にかかわらずクラッチ24の接続時(図2および図3に示す状態)に発電機として駆動される。この点に関しても後に詳述する。
【0058】
前述の如く、本形態に係るCAESシステムは、圧縮空気貯蔵手段IIに対する圧縮空気の貯蔵モード、圧縮空気貯蔵手段IIから圧縮空気を供給しての発電モード、通常の発電モードの三種類のモードで運転される。このため各モードを切替えるための五個の開閉弁25,26,27,28,29を有している。ここで、開閉弁25は空気冷却器3と増湿器4との間に配設され、以下開閉弁26は開閉弁25の上流側で空気冷却器3の下流側と高圧側圧縮機19の入口側との間、開閉弁27は開閉弁25の下流側で増湿器4の上流側と高圧側再生熱交換器21の出口側との間、開閉弁28は高圧側圧縮機19の出口側と圧縮空気貯蔵手段IIとの間、開閉弁29は圧縮空気貯蔵手段IIと高圧側再生熱交換器21の入口側との間にそれぞれ配設されている。
【0059】
本形態に係るCAESシステムにおいて、圧縮空気貯蔵手段IIに対する圧縮空気の貯蔵モードでは、図1に示すようにクラッチ18を切り離し、クラッチ17を接続して発電・電動機16を電動機として駆動させるとともに、クラッチ24を切り離し、クラッチ23を接続して発電・電動機22を電動機として駆動させる。また、開閉弁25〜29の開閉モードは図1に示す通りの状態とする。
【0060】
かかる貯蔵モードにおいて、発電・電動機16を電動機として駆動することにより供給空気を圧縮する。ここで供給空気には加湿噴霧器1により水分が噴霧される。この結果、供給空気は水分の蒸発潜熱で冷却されることとなり、圧縮動力を低下させることができる。
【0061】
圧縮機2で圧縮された圧縮空気は空気冷却器3で冷却され、開閉弁26を介して高圧側圧縮機19に至る。高圧側圧縮機19にはクラッチ23を介して発電・電動機22が連結されているので、電動機としての機能する発電・電動機22で高圧側圧縮機19が駆動される。この結果、供給された圧縮空気がさらに圧縮されて高圧となり開閉弁28を介して圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵される。ここで、高圧側圧縮機19に供給される圧縮空気は空気冷却器3で冷却されているので、高圧側圧縮機19における圧縮動力低減を図ることができる。また、圧縮機2および高圧側圧縮機19の駆動電力としては夜間等の余剰電力を利用するのが望ましい。電力使用量の平準化を図り合理的な電力使用を実現することができるからである。
【0062】
本形態に係るCAESシステムにおける圧縮空気貯蔵手段IIから供給される圧縮空気を利用した発電モードでは、図2に示すようにクラッチ17を切り離し、クラッチ18を接続して発電・電動機16を発電機として駆動させるとともに、クラッチ23を切り離し、クラッチ24を接続して発電・電動機22を発電機として駆動させる。また、開閉弁25〜29の開閉モードは図2に示す通りの状態とする。
【0063】
かかる発電モードにおいて、圧縮空気貯蔵手段IIから供給される圧縮空気は開閉弁29および高圧側再生熱交換器21を介して燃焼器34で燃料と混合される。このことにより燃料が燃焼され高温・高圧の燃焼ガスとなって高圧側タービン20に供給される結果、高圧側タービン20が駆動され、クラッチ24を介して接続されている発電・電動機22が駆動されて発電が行われる。かくして高圧側圧縮機19で要した圧縮動力が電気エネルギーとして回収される。一方、高圧側タービン20の排気ガスは高圧側再生熱交換器21で燃焼器34に供給される圧縮空気と熱交換される結果、圧縮空気を加熱する。すなわち、排気ガスの熱エネルギーが燃焼器34に供給される圧縮空気に回収される。したがって、これによってもシステム効率を向上させることができる。
【0064】
高圧側再生熱交換器21から排出された排気ガスは、開閉弁27を介して増湿器4に供給され、増湿されることにより高湿度の湿り空気として再生熱交換器6でタービン5から排出される排気ガスの熱を回収して燃焼器33に供給されることにより二段燃焼される。
【0065】
ここで本形態においてはガスタービンシステムIはAHATで構築されているので、増湿器4で水分を含ませ、比熱の大きい高湿分の湿り空気として高圧側タービン20の排気ガスを燃焼器33に供給することができる。この結果、作動流体の質量流量が増大するとともに、比熱も大きくなる結果、圧縮動力を変えることなくタービン5の出力を向上させることができる。
【0066】
なお、再生熱交換器6で熱回収された排気ガスは、エコノマイザ7、水回収器10および排気ガス再加熱器8を介してそれぞれ循環水と熱交換した後、煙突9から外部に排気される。
【0067】
本形態に係るCAESシステムにおける通常の発電モードでは、図3に示すようにクラッチ17、18を接続して発電・電動機16を発電機として駆動させる。また、開閉弁25〜29の開閉モードは図3に示す通りの状態とする。すなわち、当該発電モードはAHATであるガスタービンシステムIから他のガスタービンシステムIIIおよび圧縮空気貯蔵手段IIを切り離してAHATを単独運転させて発電するモードである。
【0068】
当該発電モードでは、タービン5で圧縮機を駆動することにより加湿噴霧器1により水分が噴霧された供給空気を圧縮するとともに、圧縮された空気を空気冷却器3で冷却する。その後、増湿器4で水分を含ませ、再生熱交換器6で熱交換して高温度となった比熱の大きい高湿分の湿り空気を燃焼器33に供給して発電・電動機16の原動機であるタービン5を駆動させることになるので、高効率の発電を行うことができる。
【0069】
<第2の実施の形態>
図4は本発明の第2の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態は、第1の実施の形態のCAESシステムに、再生可能エネルギーを利用した圧縮空気の製造システムを追加したものである。本形態では、再生可能エネルギーを利用した太陽電池30の電力で電動機32を駆動するとともに、電動機32の駆動により圧縮機31を駆動して空気を圧縮するようになっている。圧縮機31で圧縮した圧縮空気も開閉弁37を介して、ガスタービンシステムIおよび他のガスタービンシステムIIIで圧縮した圧縮空気とともに圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵するように構成した。
【0070】
本形態によれば、天候に左右される太陽光発電による電力を圧縮空気という異なる形態のエネルギーに変換して貯蔵しておくことができる。したがって、供給が不安定となる点が大きな欠点である再生可能エネルギーの前記欠点を除去してその利用の促進を円滑に図ることが可能となる。さらに、圧縮空気が太陽光発電を利用した電力によっても得られるため、その分発電電力量を大きくすることができ、または圧縮機2および高圧側圧縮機19での使用動力を低減することが可能になる。
【0071】
<第3の実施の形態>
図5は本発明の第3の実施の形態に係るCAESシステムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態は、第1および第2の実施の形態におけるガスタービンシステムIであるAHATと、再生可能エネルギーを利用して形成する圧縮空気を貯蔵する圧縮空気貯蔵手段IIとを組み合わせたものである。なお、本形態における圧縮機2は電動機36で駆動される。
【0072】
本形態では、再生可能エネルギーを利用した太陽電池30の電力で電動機32を駆動するとともに、電動機32の駆動により圧縮機31を駆動して空気を圧縮し、圧縮した空気を圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵するとともに、貯蔵している圧縮空気をガスタービンシステムIの空気冷却器3の上流側に供給するように構成している。ここで、圧縮機31を駆動して圧縮した空気を圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵する際には圧縮機31と圧縮空気貯蔵手段IIとの間に配設された開閉弁37を開状態とし、圧縮空気貯蔵手段IIとガスタービンシステムIとの間に配設された開閉弁38を閉状態としておく。また、圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵している圧縮空気をガスタービンシステムIに供給する際には、逆に、開閉弁37を閉状態とし、開閉弁38を開状態としておく。
【0073】
本形態によれば、天候に左右される太陽光発電による電力を圧縮空気という異なる形態のエネルギーに変換して貯蔵しておき、必要に応じて圧縮空気を取り出すことにより再度電気エネルギーに変換することが可能となる。この結果、再生可能エネルギーを安定的に利用することができる。
【0074】
<他の実施の形態>
上述の如く本発明の第1〜第3の実施の形態を説明したが、本発明は、勿論第1〜第3の実施の形態に限定されるものではない。例えば次のような他の実施の形態が考えられる。
【0075】
1) 第1〜第3の実施の形態におけるガスタービンシステムIはAHATとして説明したが、これに限るものではない。高湿分空気を利用した再生サイクル型のガスタービンシステムであれば他のガスタービンシステムでも構わない。例えば、圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有するとともに、前記圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を有して高湿分再生システムを構成したガスガスタービンシステム、すなわちHATでも良い。
【0076】
2) また、第1〜第3の実施の形態における加湿手段IBは、空気冷却器3と増湿器4で構成しているが、これに限定するものではない。この種の加湿手段は圧縮機2で圧縮された空気に湿分を噴霧する噴霧器で構成することもできる。
【0077】
3) 第1および第2の実施の形態において、他のガスタービンシステムIIIは必ずしも必要ではない。再生サイクルを構成して加湿空気を燃焼器33に供給するようにガスタービンシステムIを構成しているので、圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵される空気の圧力をより高圧にできない場合でも、また圧縮空気貯蔵手段IIから供給される空気を直接ガスタービンシステムIに供給した場合でも、流量質量と比熱が大きい空気を燃焼器33に供給することができるので、従来に比べ、充分効率を向上させることは可能になる。ただ、他のガスタービンシステムIIIを設けた場合、ガスタービンシステムIで圧縮した空気をさらに高圧に圧縮して体積を縮小させることができるので、その分多くの圧縮空気を圧縮空気貯蔵手段IIに貯蔵させることができる。
【0078】
4) 第1および第2の実施の形態において、他のガスタービンシステムIIIは再生サイクル型のガスタービンシステムで構成したが、これに限るものではない。ガスタービンシステムIで圧縮した空気をさらに圧縮する際の圧縮動力を回収し得るよう圧縮機のみならず、圧縮空気貯蔵手段IIからガスタービンシステムIに供給される圧縮空気でタービン発電機を駆動させるガスタービンシステムであれば、その形式に制限はない。すなわち、AHATやHATのみならず、圧縮機、燃焼器およびタービンを有するものであれば通常のガスタービンシステムであっても良い。ただ、他のガスタービンシステムIIIを再生サイクル型のガスタービンシステム,AHAT,HAT等で形成した場合の方が効率はより良好なものとなる。
【0079】
5) 第2および第3の実施の形態において再生可能エネルギーとしては太陽光を利用した太陽電池30により電動機32を駆動して圧縮機31で空気を圧縮する場合を示したが、勿論太陽電池30に限るものではない。風力、波力、潮汐、地熱等、全ての再生可能エネルギーを対象とすることができる。中でも天候に影響されて供給が特に不安定となる風力、波力のエネルギーを圧縮空気として蓄積する場合に顕著な効果が得られる。また、再生可能エネルギーを利用すれば良く、必ずしも電気エネルギーに変換する必要はない。例えば風力エネルギーを利用した風車により直接圧縮機を駆動させるシステムであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は余剰電力や自然エネルギーの貯蔵を行う必要がある産業分野において有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
I ガスタービンシステム
II 圧縮空気貯蔵手段
III 他のガスタービンシステム
IA 圧縮手段
IB 加湿手段
IC 水回収システム
1 加湿噴霧器
2 圧縮機
3 空気冷却器
4 増湿器
5 タービン
6 再生熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を備えるとともに前記加湿手段で加湿された空気をタービンの排ガスで加熱した後、燃焼器に供給する再生サイクルを構成しているガスタービンシステムと、
圧縮されて貯蔵されている空気を前記加湿手段に供給する圧縮空気貯蔵手段とを有することを特徴とするCAESシステム。
【請求項2】
請求項1に記載するCAESシステムにおいて、
前記圧縮空気貯蔵手段は、前記圧縮手段で圧縮された空気を貯蔵するように構成されていることを特徴とするCAESシステム。
【請求項3】
請求項2に記載するCAESシステムにおいて、
前記圧縮手段で圧縮された空気を、さらに圧縮して前記圧縮空気貯蔵手段に貯蔵させるとともに、前記圧縮空気貯蔵手段の空気を燃焼器に供給してタービンを駆動し、該タービンの排気ガスを前記加湿手段に供給する他のガスタービンシステムを有することを特徴とするCAESシステム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載するCAESシステムにおいて、
前記ガスタービンシステムは、前記圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載するCAESシステムにおいて、
前記ガスタービンシステムは、前記圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステム。
【請求項6】
請求項3に記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、前記圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステム。
【請求項7】
請求項3に記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、前記圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有していることを特徴とするCAESシステム。
【請求項8】
請求項3、請求項6または請求項7の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、再生サイクル型のガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステム。
【請求項9】
請求項3、請求項6または請求項7の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮手段として低圧圧縮機、該低圧圧縮機で圧縮された空気を冷却する中間冷却器および該中間冷却器で冷却された空気をさらに圧縮する高圧圧縮機を有するとともに、前記圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を有して高湿分再生システムを構成したガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステム。
【請求項10】
請求項3、請求項6または請求項7の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮手段として吸気を加湿する加湿噴霧手段および該加湿噴霧手段で加湿された空気を圧縮する圧縮機を有するとともに、前記圧縮手段で圧縮された空気を加湿する加湿手段を有して高湿分再生システムを構成したガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステム。
【請求項11】
請求項3、請求項6または請求項7の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記他のガスタービンシステムは、圧縮機、燃焼器およびタービンを有するガスタービンシステムであることを特徴とするCAESシステム。
【請求項12】
請求項1〜請求項11の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
前記燃焼器で燃焼された排気ガスの熱を回収するとともに前記加湿手段で空気を加湿する冷媒液を循環させる液体回収システムを有することを特徴とするCAESシステム。
【請求項13】
請求項1〜請求項12の何れか一つに記載するCAESシステムにおいて、
再生可能エネルギーで駆動される他の圧縮手段を追加し、該圧縮手段で圧縮した空気を前記圧縮空気貯蔵手段に貯蔵するように構成したことを特徴とするCAESシステム。
【請求項14】
請求項1〜請求項13に記載する何れか一つのCAESシステムのタービンを原動機とする発電機と組み合わせたことを特徴とする発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−29091(P2013−29091A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167548(P2011−167548)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000173809)一般財団法人電力中央研究所 (1,040)