説明

CATVシステム用線路機器のレベル設定方法とCATVシステム用線路機器

【課題】 線路機器のレベル設定や周波数特性等を一度設定すれば、線路機器のベースユニットやステータス通信部を交換しても、交換前の設定値を利用できるようにする。
【解決手段】 管理端末器又はヘッドエンドから送信される設定値に基づいて、線路機器の上りレベル設定回路と下りレベル設定回路を自動調整して線路機器の入/出力レベルを自動的に設定し、それら設定データを線路機器のベース記憶領域とステータス記憶領域の双方に記憶させ、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときはステータス記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行し、ステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときはベース記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行し、移行後の設定データに基づいて線路機器を運用するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCATVシステムの伝送路に挿入(敷設)される光ノード、幹線増幅器(TA)、幹線分岐増幅器(TBA)、幹線分配増幅器(TDA)、延長増幅器(EA)等のCATVシステム用線路機器(以下単に「線路機器」という。)の利得、減衰量、周波数特性を調整して、CATVシステムにおける上り信号と下り信号の双方又はいずれか一方の信号レベルを設定する方法と、それら信号レベルを設定可能なCATVシステム用線路機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(周波数特性)
CATVシステムの伝送ロスは敷設された同軸ケーブルの長さ、CATV線路に挿入された線路機器(例えば分岐・分配器等)の数、分配数等との関係から周波数によって異なるため、線路機器から上り回線を使用してセンター(ヘッドエンド)に送られる上り信号のレベルは低い周波数と高い周波数で異なり、両周波数間のレベルの傾き(周波数特性)が異なる。同様に、線路機器から下り回線を使用して下流の機器に送られる下り信号のレベルも周波数によって異なり、周波数特性が異なる。
【0003】
(線路機器のレベル調整)
CATV線路には不特定長の同軸ケーブルと、不特定数の線路機器が敷設されても、線路機器から送られてセンターに到着する上り信号のレベルは一定であることが望ましい。同様に、センターから下り回線に送られて中継機器や端末機器に到着する下り信号のレベルも一定であることが望ましい。このため、線路機器は、工場での生産時(出荷前)に標準値に合わせてレベル調整されているが、CATVシステムに敷設する前に、その敷設箇所で必要とされている値(必要値)に合わせて上り信号/下り信号の入/出力レベルを調整し、更に、線路機器へ敷設(新設、増設、改修、交換等)して運用開始する前に、敷設した線路の伝送ロスとの関係で、上り信号/下り信号の入/出力レベル及び周波数特性が所定の特性になるようにレベル調整しているのが実情である。しかし、線路機器には利得、減衰量、周波数特性等(以下「機器特性」という。)が固定のものと、可変のものがある。
【0004】
(入出力特性固定の線路機器:レベル調整不可)
機器特性の固定の線路機器は、CATVシステムの上り信号と下り信号の入/出力レベルを同軸ケーブルの特性に応じてシステム設計しているが次のような難点があった。
1.同一メーカー品(線路機器)であっても、線路機器群が異なると入/出力レベルが異なり、線路機器が同一でも他メーカーの線路機器では入/出力レベルが異なることから、一旦、CATVシステム用伝送路の設計を行ってCATVシステムを構築すると、その後は容易にシステム変更ができなかった。また、新たな機種を採用することも入/出力レベルが異なり難しかった。
2.線路機器の故障や不具合の発生により線路機器を交換する必要が生じても、線路機器の交換ができず対応が困難になる。この場合、敷設中の線路機器と同一入/出力レベルの線路機器を在庫しておくことが考えられるが、線路機器には前記のように多種類の機器があるため、それら線路機器を在庫すると膨大な数量になり、広い保管場所が必要になり、管理が面倒である。メーカーで後継機種の生産を行っていない場合は、交換用の線路機器が存在せず交換できず、CATVシステムの運営上、大きな問題となっていた。
【0005】
(入出力可変式線路機器1:レベル調整可能)
可変式の線路機器のレベル調整は、一般的には、ATTやEQを差し替えるプラグイン方式で行われている。プラグイン方式のレベル調整方法として図8に示すシステムを使用する方法がある。図8のシステムは線路(同軸ケーブル)Aに接続される分岐・分配器等の線路機器Bに、周波数の異なる2波以上の上り帯域の信号を発振できる信号発振器SGを接続し、信号発振器SGから発振される2波以上の信号を、線路機器Bを通して上り回線に送出する。ここで、2波以上の信号を発振できる信号発振器SGを使用するのは、線路に使用される同軸ケーブルA、線路に接続される線路機器Bにより生じる周波数毎のロスが、同軸ケーブルAの長さや線路機器Bの使用数、分配数等により異なるため、低い周波数と高い周波数の信号を端末側から挿入してセンター(ヘッドエンド)HEに到達するレベルを確認するためである。
【0006】
図8の信号発振器SGから発振された周波数の異なる2つの信号(いずれも上り周波数帯域の信号)は、線路機器B内の増幅器D1(図9)、上り調整回路E1(図9)に入力され、それらから出力された信号は同軸ケーブルAを通って光ノードF(図8)に入力される。光ノードFに入力された電気信号は、光ノードFにおいて光信号に変換されて出力され、その光信号は上り光伝送路G1を通り、ヘッドエンドHEの「O/E」にて電気信号に戻されて、ヘッドエンドHEにあるスペクトラムアナライザー(スペアナ)Hに入力される。スペアナHは両信号の絶対レベルとレベル差を波形で確認することができる。スペアナHはその波形をビデオ信号で出力する。このビデオ信号はヘッドエンドHEのテレビ変調器Iで下りの空きチャンネルに変調され、ヘッドエンドHEの「E/O」にて光信号に変換されて下り光伝送路G2に送出される。この光信号は、光ノードFで電気信号に変換されてから同軸ケーブルAに出力される。線路機器B側では前記テレビ信号をテレビ受信機TVで受信し、TVの画面を見て、ヘッドエンドHEに到着する信号のレベルを確認しながら、線路機器Bの上り調整回路E1、例えば、プラグイン方式のATT(減衰器)、イコライザー、利得調整回路(GC回路:Gain Control回路)やスロープ回路等を手動操作して、上り回線を伝送される上り信号のレベルや周波数特性を調整する。
【0007】
(プラグイン方式の信号調整方法の難点)
図8のシステムを使用した上り信号調整方法は次のような難点があった。
1.上り線路調整時に、上り帯域の異なる周波数の2波以上を発振可能な信号発振器SGを、線路機器側に運搬する必要があるため運搬作業が大変である。
2.ビデオ出力のある高価なスペクトラムアナライザーが必要である。
3.周波数帯域に限りある下りチャンネルを使用するため、下りチャンネルに空きがない場合は使用できない。
4.マニュアル調整であるため、調整作業が面倒であり、調整者によってバラツキが出る。
5.デジタル放送に移行後は、受像機もデジタル対応になり高価なデジタル変調器が必要になる。
6.調整に先立って、システム計算を行って最適値のATTやEQを用意しなければならない。
7.線路機器を敷設する伝送路の場所によってATTやEQの値が異なる。
8.線路機器とは別に様々な種類や値のATTやEQを管理しなければならない。
【0008】
(特許文献1)
双方向CATVシステムにおける上りTV変調信号の自動レベル調整方法として、特許文献1もある。しかし、その調整方法は、インカム(通話機)を利用して、センターとテレビ変調器間で通話しながら調整する方法である。この自動レベル調整方法は通話器を利用するものであるため通話可能区間でしか使用できないという難点がある。
【0009】
(特許文献2)
CATV用線路機器として、特許文献2の発明もある。これは出力レベル調整機能のないCATV用線路機器(増幅器)において、信号入力端子と信号出力端子間に信号レベルを調整できる信号減衰器を設け、減衰器を使用して適切な出力レベルを確保できるようにしたものであるが、信号減衰器の減衰量を手動操作で調整するものであり、自動的に調整できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−222136
【特許文献2】特開2002−300552
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上り信号や下り信号のレベル設定や周波数特性等の設定を自動的に行うことができ、一度設定すれば、その後に、線路機器のベースユニット又はステータス通信部を交換しても、交換した新たな線路機器のレベルや周波数特性を設定し直す必要がなく、交換前の設定値をそのまま利用できるようにするレベル設定方法とその設定が可能な線路機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号のレベル(入/出力レベル)が所定値になるように、線路機器のレベルを調整する方法において、管理端末器から線路機器に設定値を送信し、線路機器の電子制御部は受信した設定値に基づいて上りレベル設定回路と下りレベル設定回路を自動調整して線路機器の入/出力レベルを前記設定値に応じて設定し、上りレベル設定回路と下りレベル設定回路の設定パラメータ(設定データ)を線路機器のベースユニットの記憶領域(ベース記憶領域)と線路機器のステータス通信部の記憶領域(ステータス記憶領域)の双方に記憶させ、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときに、ステータス記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行し、又はステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときに、ベース記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行し、前記いずれの移行後も、その移行された設定データに基づいて線路機器を運用させるものである。
【0013】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号のレベル(入/出力レベル)が所定値になるように、線路機器のレベルを調整する方法において、CATVシステムのヘッドエンドからCATVシステムに敷設された線路機器に設定値を送信し、線路機器の電子制御部は受信した設定値に基づいて上りレベル設定回路と下りレベル設定回路を自動調整して線路機器の入/出力レベルを前記設定値に応じて設定し、上りレベル設定回路と下りレベル設定回路の設定パラメータ(設定データ)を線路機器のベースユニットの記憶領域(ベース記憶領域)と線路機器のステータス通信部の記憶領域(ステータス記憶領域)の双方に記憶させ、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときに、ステータス記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行し、又はステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときに、ベース記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行し、前記いずれの移行後も、その移行された設定データに基づいて線路機器を運用させるものである。
【0014】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、前記レベル設定方法において、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときは、ステータス記憶領域に交換前のベースユニットの調整データがあること、交換後のベースユニットのレベルが未調整であることを確認してから、ステータス記憶領域に記憶されている設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に記憶させるのがよい。
【0015】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、前記レベル設定方法において、ステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときは、ベース記憶領域に交換前のステータス通信部の調整データがあること、交換後のステータス通信部のレベルが未調整であることを確認してから、ベース記憶領域に記憶されている設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に記憶させるのがよい。
【0016】
本発明のCATVシステム用線路機器は、レベル設定回路と、レベル設定回路を制御可能な電子制御部とを備え、線路機器のレベル設定回路を電子制御して、CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号(入/出力信号)のレベルが所定のレベルになるように入/出力レベルの設定を自動的に行うことができるCATVシステム用線路機器において、線路機器にベースユニット、定電源装置(AVR)、ステータス通信部(ステータス子機)が設けられ、ベースユニットとステータス通信部とは別々に交換可能であり、ベースユニットは下り信号のレベル設定可能な下り調整回路(下りレベル設定回路)と、上り信号のレベル設定可能な上り調整回路(上りレベル設定回路)と、夫々の調整回路(レベル設定回路)を自動的に制御してレベル設定可能な電子制御部と、下りレベル設定回路と、記憶領域(ベース記憶領域)を備え、ステータス通信部はステータス子機と、記憶領域(ステータス記憶領域)を備え、それらベース記憶領域とステータス記憶領域の夫々には、下りレベル設定回路に設定された設定パラメータ(設定データ)と上りレベル設定回路に設定されたレベル設定値を記憶でき、ステータス記憶領域に記憶されたレベル設定値は、既設のベースユニットと交換された交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行でき、ベース記憶領域に記憶されたレベル設定値は、既設のステータス通信部と交換された交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行できるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号(入/出力信号)が所定レベルになるように設定した線路機器のレベル設定値を、線路機器のベース記憶領域とステータス記憶領域の夫々に記憶させるので、ベースユニットの交換時に、ステータス記憶領域に記憶されているレベル設定値を交換後のベース記憶領域に移行して、移行された設定値でCATVシステムを運用することができ、交換後に改めてレベル設置をし直す必要がなく、交換後のシステム運用開始を迅速且つ容易に行うことができる。
【0018】
本発明のCATVシステム用線路機器は、線路機器のステータス通信機器は交換せずにベースユニットだけを交換可能であるため、下りレベル設定回路の設定レベルと上りレベル設定回路の設定レベルをベース記憶領域とステータス記憶領域の双方に記憶しておき、異常発生や規格変更等によりベースユニットを交換した時に、ステータス記憶領域に記憶されている設定値を、交換後のベースユニットのユニット記憶領域に移行して、移行された設定値でCATVシステムを運用することができるので、交換後に改めて下りレベル設定回路と上りレベル設定回路のレベルを設定し直す必要がなく、交換後のCATVシステム運用開始を迅速且つ容易に行うことができ、ステータス通信部が無駄にならず、有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法の概要説明図。
【図2】本発明のCATVシステム用線路機器の一例を示す概要図。
【図3】本発明のCATVシステム用線路機器の一例を示すブロック図。
【図4】本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法の第二の例の概要説明図。
【図5】図4の線路機器の構成を示すブロック図。
【図6】図4におけるレベル測定器の一例を示すブロック図。
【図7】本発明のCATVシステム用線路機器の一例を示すブロック図。
【図8】従来の上り回線のレベル及び周波数特性自動調整装置の一例を示すブロック図。
【図9】図1のブロック図における線路機器の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法は、双方向CATVシステムに設置(敷設)する前も、敷設後も行うことができる。設置前は図1のように管理端末器(例えばパソコン:PC)Cと接続して行うことができ、設置後は図4のようにCATVシステムのヘッドエンド50と通信して行うことができる。
【0021】
(実施形態1)
図1はCATVシステム用の線路機器Bに管理端末器C、例えばパソコン(PC)を接続して、CATVシステムの上り回線のレベルや周波数特性等を自動設定する場合の一例である。
【0022】
図1の管理端末器Cには、下り/上りの入力レベル、出力レベル、チルト量などを設定できるようにするため、入/出力レベル、利得、チルト量等の標準設定値をはじめとして、それらの設定に必要な各種データ(設定値)が登録されており、登録してある機器に対応した設定値を選択して線路機器Bに入力することで、線路機器B内の電子制御部(マイコン等)を制御し、その電子制御部により線路機器Bの下り調整回路、上り調整回路を自動的に制御して、下り/上りの入力レベル、出力レベル、チルト量などの設定値を入力せずに自動的に設定(レベル設定)を行うことができ、設定値の保存、管理等も行うことができるようにしてある。図1の管理端末器Cは敷設現場の事務所やCATV事業者内で線路機器Bに接続することで、線路機器BをCATVシステムに敷設する前にレベル設定することができる。
【0023】
図1の線路機器Bとしては各種のものを使用可能であるが、その一例を図2に示す。図2に示す線路機器Bは機器本体部(本体)1と、機器蓋部(蓋)2を備え、本体1の下り入力/上り出力端子4と、下り出力/上り入力端子5の間に、下り信号と上り信号を分波する下り/上り分波フィルター(HPF、LPF)6a、6b、下り調整回路7、上り調整回路8、記憶領域(ベース記憶領域)9、電子制御部10、下り増幅器(AMP)11、上り増幅器12、下りステータス信号を分岐する下り分岐器13、上り信号を分岐する上り分岐器14、上り/下り分波フィルター(HPF、LPF)15a、15bが設けられている。蓋2には定電源回路(AVR)16、ステータス通信部(ステータス子機)17が設けられ、ステータス子機17にステータス記憶素子(ステータス記憶領域)18が設けられている。
【0024】
図2の下り調整回路7には、下り信号到達レベルを調整可能な下り入力レベル調整減衰器(例えば、電子可変式ATT)、下り入力レベルを調整可能な下り入力レベル調整等価器(例えば、調整回路やスロープ回路)、下り出力レベルを任意に変更することのできる下り出力レベル設定減衰器(例えば、電子可変式ATT)、下り出力レベルを任意に変更することのできる下り出力レベル設定等価器(例えば、調整回路やスロープ回路)等を使用することができる。
【0025】
図2の上り調整回路8には、センターへの上り信号の到達レベルを調整可能な上り出力レベル調整減衰器(例えば、電子可変式ATT等)、センターへの上り信号の到達レベルを調整する上り出力レベル調整等価器(例えば、電子可変式の等価器やスロープ回路等)を使用することができる。
【0026】
図2の電子制御部10には、例えば、パソコンが使用される。この電子制御部10は図1の管理端末器Cから線路機器Bに下り/上りの入力レベル、出力レベル、チルト量などが入力されると、線路機器内の下り調整回路7の前記下り入力レベル調整減衰器や下り入力レベル調整等価器、上り調整回路8の前記上り入力レベル調整減衰器や上り入力レベル調整等価器を電子的に自動制御して、下り/上りの入力レベル、出力レベル、チルト量などを自動的に所定値に設定し、設定値の保存、管理等を行うことができるものである。
【0027】
図2のベース記憶領域9とステータス記憶領域18は、前記下り調整回路7、上り調整回路8で設定された設定値を記憶可能なものであり、記憶素子を使用することができ、それら記憶領域への記憶、設定値の変更、ステータス記憶領域に記憶されている設定値のベース記憶領域への移行等を、前記電子制御部10で行うことができるようにしてある。
【0028】
図1のように、管理用機器Cと線路機器Bを接続して、CATVシステムの上り回線のレベルや周波数特性等を自動設定する場合、線路機器Bには各種構成の線路機器を使用することができるが、例えば、図3に示す線路機器Bを使用することができる。
【0029】
図3に示す線路機器Bは、下り入力信号及び上り出力信号を外部と接続する下り入力/上り出力端子4と、下り出力信号及び上り入力信号を外部と接続する下り出力/上り入力端子5の間に、下り信号と上り信号を分波する下り/上り分波フィルター(HPF、LPF)6a、6b、下り信号到達レベルを調整する下り入力レベル調整減衰器(例えば、電子可変式ATT等)7a、下り信号到達レベルを調整する下り入力レベル調整等価器(例えば、電子可変式の等価器やスロープ回路等)7bを備えた下り調整回路7、下り信号を増幅する下り初段増幅器(例えば、IC等)11a、同軸ケーブルなどの温度変化による減衰量変化を吸収する回路(TWlST GC)20、下り信号入力レベルを任意に変更することができる入力レベル設定減衰器(電子可変式ATT等)21、AGC回路に信号を分岐する分岐器22、分岐された信号からAGCパイロット信号を取り出す検波フィルター(例えば、バンドパスフィルタ等)23、AGCパイロット信号を検波するAGC検波器(例えば、IC等)24、下りステータス信号を分岐する分岐器25、下り出力レベルを任意に変更することができる下り出力レベル設定減衰器(電子可変式のATT等)26、下り出力レベルを任意に変更することのできる下り出力レベル設定等価器(例えば、調整回路やスロープ回路)27、下り信号を増幅する下り最終段増幅器(例えば、IC等)28、下り信号と上り信号を分波する下り/上り分波フィルター(HPF、LPF)15a、15bを備えている。また、上り信号入力レベルを任意に変更することができる上り入力レベル設定減衰器(電子可変式のATT等)30、上り初段増幅器(IC等)31、上りステータス信号を混合する混合器32、上り最終段増幅器(IC等)33、上り信号のセンター到達レベルを調整する上り出力レベル調整減衰器(電子可変式のATT等)8a、上り信号のセンター到達レベルを調整する上り出力レベル調整等価器(電子可変式の等価器やスロープ回路等)8bを備えた上り調整回路8、ステータスモニター(STM)34、マイコン(電子制御部)10、その他の設定回路35が設けられている。電子制御部10には管理端末機Cを接続(連結)可能な端末機接続端子36が設けられている。その他の設定回路35としては、例えば流合雑音検出回路、流合雑音を遮断或いは通過させるゲートを開閉制御するゲート制御回路、上り帯域切り替え回路等がある。
【0030】
前記線路機器Bは下り/上りの入力レベル、出力レベル、チルト量などの設定の他に、ステータスモニターセンターソフトの監視アドレスや線路機器Bのその他の設定回路35の状態等も同時に設定することができるようにしてある。
【0031】
(実施形態2)
本発明では、CATVシステムの伝送線路に敷設した線路機器を、運用開始前にレベル調整して、上り回線のレベル及び周波数特性自動設定することもできる。その自動設定方法の一例を図4〜図6の自動設定システムに基づいて説明する。
【0032】
本発明の自動設定方法は、HFC方式以外の双方向CATVシステムでも調整可能であるが、図4に示した双方向CATVシステムはHFC方式であり、センター(ヘッドエンド)50と光ノード51の間が光線路52で結ばれ、光ノード51と線路機器Bの間が同軸ケーブル53結ばれている場合である。
【0033】
図4のヘッドエンド50にはレベル測定器54、コンピュータ(パソコン)55、RFモデム56が設置されている。レベル測定器54は図6に示すように、上り入力端60とマイコン61の間に、線路機器B(図4)からの信号(F1)が通過可能なバンドパスフィルタ(BPF1)−信号F1用の信号増幅器62−局部信号発振器63−周波数変換用のミキサー64−変換後周波数が通過可能なバンドパスフィルタ(BPF3)−変換後信号増幅器65−検波器66が挿入された信号伝送路(F1用)67と、線路機器Bからの信号(F2)が通過可能なバンドパスフィルタ(BPF2)−信号F2用の信号増幅器68−局部信号発振器69−周波数変換用のミキサー70−変換後周波数が通過可能なバンドパスフィルタ(BPF4)−変換後信号増幅器71−検波器72が挿入された信号伝送路(F2用)73が並列に配置されている。
【0034】
図6のレベル測定器54では、線路機器Bの信号発振器(SG)82(図5)から送られる周波数の異なる2以上の信号のレベルを測定し、受信したレベルと基準値とを比較して、差分値を求めて、差分値をコンピュータに出力可能なものである。レベル測定器54はレベルを測定するが、差分値は求めずに、そのレベルをコンピュータ55(図4)に出力し、差分値はコンピュータ55で求めることもできる。
【0035】
図4の線路機器Bには図5に示す線路機器Bを使用することができる。図5に示す線路機器Bには、マイコン(CPU:電子制御部)10、RFモデム81、信号発振器(SG)82、下り調整回路7、上り調整回路8が搭載(内蔵)されている。マイコン10はRFモデム81、信号発振器(SG)82、下り調整回路7、上り調整回路8を制御可能なものであり、RFモデム81はヘッドエンド50(図4)と通信を行うための変・復調器であり、信号発振器(SG)82は周波数の異なる2以上の信号を発振可能なものであり、電子制御部10は信号発振器(SG)82から発振される信号の周波数、レベル等を調整可能なものである。
【0036】
図5の上り調整回路8には減衰器、利得調整回路、等価器、スロープ回路等のいずれか一つ又は二以上が使用され、減衰器の場合は減衰量が、利得調整回路の場合は増幅器の利得が、等価器の場合は等価量が、スロープ回路の場合は上り回線を伝送される2以上の信号のレベルが電子制御部10で電気的に自動調整されて、信号レベル、周波数特性(F1、F2の傾き)が調整されるようにしてある。
【0037】
図5の構成の線路機器Bが図4の伝送線路に挿入され、図6の構成のレベル測定器54がヘッドエンド50に装備されたCATVシステムの上り回線のレベル及び周波数特性を自動調整する場合の一例を以下に示す。
【0038】
(1)線路機器Bにて自動調整開始の操作を行うと、線路機器B内の電子制御部(マイコン)10からの指示により信号発振器(SG)82の出力がオンする。
【0039】
(2)線路機器Bの信号発振器(SG)82から発振された周波数の異なる二以上の信号は、図5の線路機器B内の分岐・分配器83を通して信号増幅器85、上り調整回路8に入力される。入力された信号はローパスフィルタ(LPF2)を通過してCATV線路を通って光ノード51(図4)に入力される。
【0040】
(3)光ノード51に入力された電気信号は光信号に変換されて出力される。その光信号は光線路を通り、ヘッドエンド50の光・電気変換器O/Eにて電気信号に変換される。
【0041】
(4)前記周波数の異なる2以上の電気信号はヘッドエンド50のレベル測定器54で受信されてレベル測定器54でレベル測定される。レベル測定器54は前記2以上の信号の着信と、各々の信号の測定レベルとレベル調整規格値との差分値を求め、その差分値をヘッドエンド50のコンピュ−タ55(図4)に出力する。この場合、差分値を求めずに、測定レベルそのものをコンピュ−タ55に出力することもできる。
【0042】
(5)ヘッドエンド50のコンピュ−タ55は、レベル測定器54から読み込んだ差分値を、RFモデム81(図5)を通して線路機器Bに送る。この場合、コンピュータ55において、レベル測定器54での測定レベルとレベル調整規格値との差分値を求め、その差分値を、RFモデム56を通して線路機器Bに送ることもできる。
【0043】
(6)前記差分値を線路機器Bに送るとき、CATV線路上のどの線路機器Bが上り信号を出力したか不明であるため、CATV線路上の全ての線路機器Bに対するグローバルアドレスで送出する。
【0044】
(7)線路機器BはRFモデム56から受信した差分値に基づいて、線路機器Bの上り調整回路8(図5)の減衰量、利得、等価量、スロープ等を自動的に調整して、上り回線を伝送される信号のレベルや周波数特性を調整する。
【0045】
(8)ヘッドエンド50に到着する信号のレベル及び周波数特性が規格値に入るまで前記(2)〜(7)の操作を自動的に繰返し行って上り回線の自動調整を終了する。
【0046】
(9)前記自動調整が完了したら、ヘッドエンド50のコンピュータ55は線路機器Bにアドレスの要求を出力する。
【0047】
(10)線路機器Bのマイコン10(図5)は前記アドレス要求に応じて、対象線路機器Bが初めてヘッドエンド50にアドレスを応答する。
【0048】
(11)ヘッドエンド50のコンピュータ55は線路機器Bのアドレス判明後、その線路機器Bに信号発信器(SG)82(図5)からの上り信号の出力停止命令を送る。
【0049】
(12)線路機器B側のマイコン10は前記出力停止命令の受信により信号発信器(SG)82の出力を停止する。
【0050】
前記(9)では、自動調整完了後にアドレス要求を出力するようにしてあるが、本発明におけるアドレス要求の出力は自動調整完了後ではなく、調整の途中(調整前)においても行うことができる。
【0051】
(実施形態3)
本発明では、線路機器Bとして図7の機器を使用することもできる。この線路機器Bは下り調整回路7の部分だけを示したものである。図7において、4は下り入力/上り出力端子、5は下り出力/上り入力端子、7は下り調整回路、11は減衰器(ATT)下り信号増幅器、9はベース記憶領域、10は電子制御部(マイコン)、90は下りパイロット信号検波器、12は上り信号増幅器である。
【0052】
図7の線路機器Bを使用する場合は、ヘッドエンド50(図4)から送られる下り信号を分岐器13で分岐し、分岐信号から検波器90で下りパイロット信号2波(73MHz、451.25MHz)のレベルを検波し、A/D変換し、2波のレベルが等しくなるように下り調整回路7のEQ、SLOPE、BONの回路を電子制御部マイコン10(図5)で制御して周波数特性を調整する。2波のレベルが前記設定値になるように下り調整回路7のATT回路をマイコン10で制御して利得を調整する。この自動制御の繰り返しにより、2波のレベルが前記設定値になるように調整して、下り信号の周波数特性、利得を調整する。
【0053】
本発明では、前記いずれの方法でレベル調整した場合も、そのレベル設定データをベース記憶領域9(図1)と、ステータス記憶領域18(図2)に保存する(記憶させる)。
【0054】
本発明の線路機器Bでは、ベースユニット3(図2)を交換する必要が生じた時は、ステータス通信部17(図2)もステータス記憶領域9(図2)も交換せず、ベースユニット3だけを交換する。この場合、電子制御部10(図2)により、交換後のベースユニット3のベース記憶領域9に何のデータも記憶されていないこと、元のステータス通信機器17のステータス記憶領域18に元の設定データが記憶されていることを確認してから、ステータス記憶領域18に記憶されている設定データを、前記交換後のベースユニット3のベース記憶領域9に移行し、その設定データを使用して、線路機器を運用する。
【0055】
本発明の線路機器Bにおいて、ステータス通信部17(図2)を交換する必要が生じた時は、ベースユニット3(図2)もベース記憶領域9(図2)も交換せず、ステータス通信部17だけを交換する。この場合、電子制御部10(図2)により、交換後のステータス通信部17のステータス記憶領域18に何のデータも記憶されていないこと、元のベースユニット3のベース記憶領域9に元の設定データが記憶されていることを確認してから、ベース記憶領域9に記憶されている設定データを、交換後のステータス通信部17のステータス記憶領域18に移行し、その設定データを使用して、線路機器を運用する。
【符号の説明】
【0056】
1 機器本体部(本体)
2 機器蓋部(蓋)
3 ベースユニット
4 下り入力/上り出力端子
5 下り出力/上り入力端子
6a、6b 下り/上り分波フィルター(HPF、LPF)
7 下り調整回路(下りレベル設定回路)
7a 下り入力レベル調整減衰器
7b 下り入力レベル調整等価器
8 上り調整回路(上りレベル設定回路)
8a 上り出力レベル調整減衰器
8b 上り出力レベル調整等価器
9 記憶領域(ベース記憶領域)
10 電子制御部(マイコン)
11 下り増幅器(AMP)
11a 初段増幅器
12 上り増幅器
13 下りステータス信号分岐用の下り分岐器
14 上り信号分岐用の上り分岐器
15a、15b 上り/下り分波フィルター(HPF、LPF)
16 定電源回路(AVR)
17 ステータス通信部(ステータス子機)
18 ステータス記憶素子(ステータス記憶領域)
20 TWlST GC
21 入力レベル設定減衰器
22 分岐器
23 AGCパイロット信号を取り出す検波フィルター
24 AGCパイロット信号を検波するAGC検波器
25 分岐器
26 下り出力レベル設定減衰器
27 下り出力レベル設定等価器
28 下り最終段増幅器
30 上り入力レベル設定減衰器
31 上り初段増幅器
32 混合器
33 上り最終段増幅器
34 ステータスモニター(STM)
35 その他の設定回路
36 端末機接続端子
50 センター(ヘッドエンド)
51 光ノード
52 光線路
53 同軸ケーブル
54 レベル測定器
55 コンピュータ(パソコン)
56 RFモデム
60 上り入力端
61 マイコン
62 信号F1用の信号増幅器
63 局部信号発振器
64 周波数変換用のミキサー
65 変換後信号増幅器
66 検波器
67 信号伝送路(F1用)
68 信号F2用の信号増幅器
69 局部信号発振器
70 周波数変換用のミキサー
71 変換後信号増幅器
72 検波器
73 信号伝送路(F2用)
81 RFモデム
82 信号発振器(SG)
83 分岐・分配器
84 分岐・分配器
85 信号増幅器
90 下りパイロット信号検波器
A 線路(同軸ケーブル)
B 線路機器
C 管理端末器
D1、D2 増幅器
E1 上り調整回路
E2 下り調整回路
F 光ノード
G1 上り光伝送路
G2 下り光伝送路
H スペクトラムアナライザー
HE ヘッドエンド
I テレビ変調器
SG 信号発信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号のレベル(入/出力レベル)が所定値になるように、線路機器のレベルを調整する方法において、
管理端末器から線路機器に設定値を送信し、線路機器の電子制御部は受信した設定値に基づいて上りレベル設定回路と下りレベル設定回路を自動調整して線路機器の入/出力レベルを前記設定値に応じて設定し、上りレベル設定回路と下りレベル設定回路の設定パラメータ(設定データ)を線路機器のベースユニットの記憶領域(ベース記憶領域)と線路機器のステータス通信部の記憶領域(ステータス記憶領域)の双方に記憶させ、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときに、ステータス記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行し、又はステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときに、ベース記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行し、前記いずれの移行後も、その移行された設定データに基づいて線路機器を運用させることを特徴とするCATVシステム用線路機器のレベル設定方法。
【請求項2】
CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号のレベル(入/出力レベル)が所定値になるように、線路機器のレベルを調整する方法において、
CATVシステムのヘッドエンドからCATVシステムに敷設された線路機器に設定値を送信し、線路機器の電子制御部は受信した設定値に基づいて上りレベル設定回路と下りレベル設定回路を自動調整して線路機器の入/出力レベルを前記設定値に応じて設定し、上りレベル設定回路と下りレベル設定回路の設定パラメータ(設定データ)を線路機器のベースユニットの記憶領域(ベース記憶領域)と線路機器のステータス通信部の記憶領域(ステータス記憶領域)の双方に記憶させ、ベースユニットを他のベースユニットと交換したときに、ステータス記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行し、又はステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときに、ベース記憶領域に記憶されている先の設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行し、前記いずれの移行後も、その移行された設定データに基づいて線路機器を運用させることを特徴とするCATVシステム用線路機器のレベル設定方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法において、
ベースユニットを他のベースユニットと交換したときは、ステータス記憶領域に交換前のベースユニットの調整データがあること、交換後のベースユニットのレベルが未調整であることを確認してから、ステータス記憶領域に記憶されている設定データを交換後のベースユニットのベース記憶領域に記憶させることを特徴とするCATVシステム用線路機器のレベル設定方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のCATVシステム用線路機器のレベル設定方法において、ステータス通信部を他のステータス通信部と交換したときは、ベース記憶領域に交換前のステータス通信部の調整データがあること、交換後のステータス通信部のレベルが未調整であることを確認してから、ベース記憶領域に記憶されている設定データを交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に記憶させることを特徴とするCATVシステム用線路機器のレベル設定方法。
【請求項5】
レベル設定回路と、レベル設定回路を制御可能な電子制御部とを備え、線路機器のレベル設定回路を電子制御して、CATVシステムの上り信号と下り信号の双方又は一方の信号のレベル(入/出力レベル)が所定のレベルになるように入/出力レベルの設定を自動的に行うことができるCATVシステム用線路機器において、
線路機器にベースユニット、定電源装置(AVR)、ステータス通信部(ステータス子機)が設けられ、ベースユニットとステータス通信部とは別々に交換可能であり、ベースユニットは下り信号のレベル設定可能な下り調整回路(下りレベル設定回路)と、上り信号のレベル設定可能な上り調整回路(上りレベル設定回路)と、夫々の調整回路(レベル設定回路)を自動的に制御してレベル設定可能な電子制御部と、下りレベル設定回路と、記憶領域(ベース記憶領域)を備え、ステータス通信部はステータス子機と、記憶領域(ステータス記憶領域)を備え、それらベース記憶領域とステータス記憶領域の夫々には、下りレベル設定回路に設定された設定パラメータ(設定データ)と上りレベル設定回路に設定されたレベル設定値を記憶でき、ステータス記憶領域に記憶されたレベル設定値は、既設のベースユニットと交換された交換後のベースユニットのベース記憶領域に移行でき、ベース記憶領域に記憶されたレベル設定値は、既設のステータス通信部と交換された交換後のステータス通信部のステータス記憶領域に移行できることを特徴とするCATVシステム用線路機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−5058(P2013−5058A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131606(P2011−131606)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000114226)ミハル通信株式会社 (38)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】