説明

CB2受容体を選択的に調節する化合物

式 (I)
【化1】


(I)
の化合物が開示される。本発明の化合物はCB2 受容体に結合し、CB2 受容体のアゴニスト、アンタゴニスト又は逆アゴニストであり、炎症を治療するのに有益である。アゴニストであるこれらの化合物は更に痛みを治療するのに有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願データ
この出願は2009年6月15日に出願された米国仮特許出願第61/186920号の利益を主張する。
本発明はCB2受容体を調節する新規化合物及び薬物としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2008014199、WO2008039645はCB2 受容体、及びこれらの中に開示されたCB2 受容体アゴニスト化合物の治療上の使用を説明している。アゴニストによるCB2 受容体の高度に選択的な活性化は有益な効果を利用する手段を与えるとともに二重CB1/CB2 カンナビノイド受容体アゴニストで見られる不利な作用を避け得ると考えられる (例えば、Expert Opinion on Investigational Drugs (2005), 14(6), 695-703を参照のこと)。それ故、最小にされたCB1 活性を有するCB2 のアゴニストを提供することが望ましい。
PCT 出願第PCT/US09/34464 号はCB2 アゴニスト活性を有する化合物を開示している。本発明の化合物は先に開示された化合物とは構造を異にし、例えば、以下に開示される式 (I) 中に存在するR5の点で異なる。更に、本発明の化合物はその引用文献に開示された化合物よりも低いCB1 活性を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明はCB2 受容体に結合し、それを調節し、かつ一層低いCB1 受容体活性を有する新規化合物を提供する。また、本発明は治療量の本発明の化合物の投与により炎症を治療するための方法及び医薬組成物を提供する。最後に、本発明は治療量の本発明の化合物の投与により痛みを治療するための方法及び医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】蒸発光散乱検出器を使用する時間対有機物質 (B)の%の流量グラフである。
【図2】HPLC-MS 装置を使用する時間対有機物質 (B)の%の流量グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
最も広い一般実施態様1において、本発明は式
【化1】

(I)
の化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
式中、
環Aは5員ヘテロアリール環であり、
R1は水素、C1-10 アルキル又はC3-10 シクロアルキル(これは1-3 個のC1-10 アルキルで置換されていてもよい)であり、夫々のR1 又はその置換基はハロゲン化されていてもよく、
R2はC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、C1-10 アシル、C3-10 シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、ヘテロアリールカルボニル、複素環、ベンジル、フェネチル、アリール又はヘテロアリールであり、夫々が独立にC1-6 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6 アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、複素環、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、R2 の夫々の置換基が可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、アリール、オキソ又はヒドロキシルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒に単環式、二環式もしくはスピロ環式複素環又は単環式もしくは二環式ヘテロアリール環を形成し、夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、アリール、オキソ、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
【0006】
R3 及びR3'は独立に水素もしくはC1-6 アルキル(ハロゲン化されていてもよい)であり、但し、R3 及びR3'が同時に水素であり得ないことを条件とし、又はR3 及びR3' はそれらが結合されている炭素原子と一緒に3員〜6員シクロアルキル又は複素環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成し、
R4 は水素又はメチルであり、
R5 は下記の基から選ばれ、
【0007】
【化2】

【0008】
mは0、1、2又は3であり、
R6 は水素、C1-4 アルキル又はC1-4 アルコキシであり、
R7 及びR8 は夫々独立に水素、又はC1-4 アルキルであり、但し、R7 及びR8 が両方とも水素であり得ないことを条件とし、またR7 及びR8 は環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよく、
R9 はC1-6 アルキル又はアリールであり、
環Bは5-6 員複素環であり、
nは0、1又は2であり、
式 (I)のあらゆる炭素原子又は先にリストされたあらゆるR置換基は可能な箇所で部分又は完全ハロゲン化されていてもよい。
別の実施態様2において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【0009】
【化3】

【0010】
R2 がC1-6 アルキル、C3-7 シクロアルキル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニルカルボニル、フェニルスルホニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル又はピペリジニルであり、夫々が独立にC1-5 アルキル、C3-7 シクロアルキル、C1-5 アルコキシ、C1-5 アルキルチオ、C1-5 アルキルスルホニル、C1-5 アルコキシカルボニル、C1-5 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノ、C1-5 アルキルアミノカルボニル、C1-5 アシルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、フェニル及び複素環 (テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれる)から選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR2 置換基が可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-5 アルキル、C1-5 アシル、メチルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソもしくはヒドロキシルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ(dec)-2-イル, 1-アザ-スピロ[4.5]デカ-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン(non)-1-イル、2-アザ-スピロ[4.4]ノン-2-イル、2-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ(undec)-2-イル、1-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-1-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチル又はエチルであり、夫々がハロゲン化されていてもよく、又はR3 及びR4 はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル又はシクロブチル環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成する、直前の実施態様の一般式(I) の化合物を提供する。
【0011】
別の実施態様3において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【化4】

【0012】
R1 が水素又はC1-3 アルキル(ハロゲン化されていてもよい)であり、
R2 がC1-6 アルキル又はC3-7 シクロアルキルであり、独立に1〜3個のハロゲン、1個のC3-7 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ又は1個の複素環(テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれ、夫々ハロゲン化されていてもよく、又はC1-4 アルキルもしくはメチルスルホニルで置換されていてもよい)で置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-4 アルキル、C1-4 アルコキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチル又はエチルであり、又はR3 及びR4 はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル環又はシクロブチル環を形成し、
R6 が水素又はC1-2 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-2 アルキルである、直前に記載された実施態様の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様4において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【0013】
【化5】

【0014】
R2 がメチルであり、1個の複素環(テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれ、夫々ハロゲン化されていてもよく、又はC1-4 アルキルもしくはメチルスルホニルで置換されていてもよい)で置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキル、C1-3 アルコキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよい、直前の実施態様の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様5において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【0015】
【化6】

【0016】
R1 が水素、C1-6 アルキル又はC3-7 シクロアルキル(1〜3個のC1-6 アルキルで置換されていてもよい)であり、
夫々のR1 又はその置換基がハロゲン化されていてもよく、
R2 がシクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニルカルボニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルスルホニル、フェニルカルボニル、フェニル、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル又はチアゾリルであり、夫々が独立に1〜3個の置換基(C1-5 アルキル、C3-5 シクロアルキル、C1-5 アルコキシ、C1-5 アルキルチオ、C1-5 アルキルスルホニル、C1-5 アルコキシカルボニル、C1-5 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノ、C1-5 アルキルアミノカルボニル、C1-5 アシルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選ばれる)で置換されていてもよく、夫々のR2 置換基が可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-5 アルキルもしくはC1-5 アルキルスルホニルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にテトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イル、1-アザ-スピロ[4.5]デカ-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン-1-イル、2-アザ-スピロ[4.4]ノン-2-イル、2-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-2-イル、1-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-1-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチル(ハロゲン化されていてもよい)であり、又はR3 及びR3' はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル環又はシクロブチル環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成し、
R4 が水素であり、
R5が下記の基から選ばれ、
【0017】
【化7】

【0018】
R6が水素又はC1-3 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-3 アルキル又はC3-6 シクロアルキルである、実施態様1の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様6において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【0019】
【化8】

【0020】
R3 及びR3' がメチルであり、
R6 が水素又はC1-2 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-2 アルキルである、実施態様3の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様7において、本発明は
環Aが下記の環であり、
【0021】
【化9】

【0022】
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキル、C1-3 アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよい、実施態様6の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様8において、本発明は
環Aが下記の環である、直前に記載された実施態様の式(I) の化合物を提供する。
【0023】
【化10】

【0024】
別の実施態様9において、本発明は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にモルホリニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキルで置換されていてもよい、直前に記載された実施態様の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様10において、本発明は
R2 がシクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル又はピペリジニルであり、夫々が独立に1〜2個の置換基(C1-3 アルキル及びC1-2 アルキルスルホニルから選ばれる)で置換されていてもよい、実施態様2の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様11において、本発明は
R2 がCF3-CH2-CH2-CH2-、CH3-CH2-CH2(CH3)-、シクロプロピル-CH2-、ヒドロキシルシクロヘキシル、テトラヒドロフラニル-CH2-であり、
環Aが下記の環であり、
【0025】
【化11】

【0026】
R5が下記の基であり、
【化12】

【0027】
R7 及びR8 が環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよい、実施態様2の式(I) の化合物を提供する。
別の実施態様12において、本発明は
R2がヒドロキシルシクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ヒドロキシルピロリジニル又はメチルスルホニルピロリジニルであり、
環Aが下記の環であり、
【0028】
【化13】

【0029】
R5が下記の基であり、
【化14】

【0030】
R7 及びR8 が環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよく、
R1 及びR2 が環化してピペリジニル、メチルスルホニルピペリジニルを形成してもよい、実施態様2の式(I) の化合物を提供する。
本発明の別の局面において、式 (I)の上記実施態様1-10の夫々につき、R7 及びR6 が環化して4-6 員複素環を形成してもよい、一般実施態様の第二の組を提供する。
別の実施態様において、式(II)の化合物が提供される。
【0031】
【化15】

(II)
【0032】
式中、式(I) の下記の基が表I中の欄A1-A42から選ばれ、
【化16】

【0033】
かつ式(I) の下記の基が表I中の欄B1-B22から選ばれ、
【化17】

【0034】
但し、欄BがB3、B13 又はB22 である場合には、AがA20 、A23 、A38 、又はA42 である必要があることを条件とする。
表I
【表1】











【0035】
別の実施態様において、本発明は一般スキーム、実施例及び当業界で知られている方法に鑑みて製造し得る表II中の化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
表II
【表2】
















【0036】
上記化合物のうち、下記の化合物が好ましいCB2 アゴニストである。
表III
【表3】











【0037】
この出願で先に開示された全ての化合物において、命名法が構造と不一致である場合には、その化合物は構造により特定されることが理解されるべきである。
本発明はまた必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて、活性物質として式(I) の一種以上の化合物、又はその医薬上許される誘導体を含む、医薬製剤に関する。
本発明の化合物はまたそれらの同位元素標識された形態を含む。本発明の組み合わせの活性薬剤の同位元素標識された形態は前記活性薬剤の1個以上の原子が前記原子(これは通常自然に見られる)の原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する1個以上の原子により置換されていたという事実以外は前記活性薬剤と同じである。商業上直ぐに入手でき、しかも良く確立された操作に従って本発明の組み合わせの活性薬剤にとり込まれる同位元素の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位元素、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clが夫々挙げられる。上記同位元素及び/又はその他の原子のその他の同位元素の1個以上を含む本発明の組み合わせの活性薬剤、そのプロドラッグ、又はいずれかの医薬上許される塩が本発明の範囲内であると意図されている。
本発明はラセミ体及びラセミ混合物として生じ得る1個以上の不斉炭素原子を含む上記のあらゆる化合物、単一鏡像体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーの使用を含む。異性体は鏡像体及びジアステレオマーであると定義されるべきである。これらの化合物の全てのこのような異性体形態が本発明に明らかに含まれる。夫々の立体異性の炭素はRもしくはS配置、又はこれらの配置の組み合わせであってもよい。
式(I) の化合物の幾つかは一種より多い互変異性体形態で存在し得る。本発明は全てのこのような互変異性体を使用する方法を含む。
この明細書に使用される全ての用語は、特にことわらない限り、当業界で知られているようなそれらの通常の意味で理解されるべきである。例えば、“C1-4アルコキシ” は末端酸素を有するC1-4アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシである。全てのアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は構造上可能な場合また特に明記されない限り、分岐又は非分岐であると理解されるべきである。その他の一層特別な定義は以下のとおりである。
【0038】
炭素環は3個から12個までの炭素原子を含む炭化水素環を含む。これらの炭素環は芳香族環系又は非芳香族環系であってもよい。非芳香族環系はモノ不飽和又はポリ不飽和であってもよい。好ましい炭素環として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル及びベンゾシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルについての或る用語、例えば、シクロブタニル及びシクロブチルは互換可能に使用されるべきである。
“複素環”という用語は安定な非芳香族4-8員(しかし好ましくは、5員又は6員)単環式複素環基又は非芳香族8-11員二環式複素環基(これらは飽和又は不飽和であってもよい)を表す。夫々の複素環は炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個以上、好ましくは1個から4個までのヘテロ原子からなる。複素環はその環のあらゆる原子により結合されてもよく、これが好適な構造の形成をもたらす。
“ヘテロアリール”という用語は1-4個のヘテロ原子、例えば、N、O及びSを含む芳香族5-8員単環式環又は8-11員二環式環を意味すると理解されるべきである。
特にことわらない限り、複素環及びヘテロアリールとして、例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、プリニル、キノリニル、ジヒドロ-2H-キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル及びベンゾジオキソリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書に使用される“ヘテロ原子”という用語は炭素以外の原子、例えば、O、N、S及びPを意味すると理解されるべきである。
全てのアルキル基又は炭素鎖中で、1個以上の炭素原子がヘテロ原子:O、S又はNにより置換されてもよく、Nが置換されない場合、それがNHであることが理解されるべきであり、またヘテロ原子が末端炭素原子又は分岐炭素鎖もしくは非分岐鎖内の内部炭素原子を置換してもよいことが理解されるべきである。このような基は本明細書に上記されたようにオキソの如き基により置換されてアルコキシカルボニル、アシル、アミド及びチオキソの如き(これらに限定されないが)定義をもたらし得る。
本明細書に使用される“アリール”という用語は本明細書に定義された芳香族炭素環又はヘテロアリールを意味すると理解されるべきである。夫々のアリール又はヘテロアリールは、特に明記されない限り、その部分又は完全水素化誘導体を含む。例えば、キノリニルはデカヒドロキノリニル及びテトラヒドロキノリニルを含んでもよく、ナフチルはテトラヒドロナフチルの如きその水素化誘導体を含んでもよい。本明細書に記載されたアリール化合物及びヘテロアリール化合物のその他の部分又は完全水素化誘導体は当業者に明らかであろう。
【0040】
本明細書に使用される“窒素”及び“硫黄”は窒素及び硫黄のあらゆる酸化された形態並びにあらゆる塩基性窒素の四級化形態を含む。例えば、-S-C1-6 アルキル基について、特に明記されない限り、これは-S(O)-C1-6 アルキル及び-S(O)2-C1-6 アルキルを含むと理解されるべきである。
本明細書に使用される“ハロゲン”という用語は臭素、塩素、フッ素又はヨウ素、好ましくはフッ素を意味すると理解されるべきである。“部分又は完全ハロゲン化”、“部分又は完全フッ素化”、“1個以上のハロゲン原子により置換された”という定義は、例えば、1個以上の炭素原子についてのモノ、ジ又はトリハロ誘導体を含む。アルキルについて、非限定例は-CH2CHF2、-CF3 等であろう。
本発明の化合物は当業者により理解されるように“化学的に安定”であると意図される化合物のみである。例えば、“ダングリング原子価”又は“カルバニオン”を有する化合物は本明細書に開示された本発明の方法により意図される化合物ではない。
本発明は式(I) の化合物の医薬上許される誘導体を含む。“医薬上許される誘導体”はあらゆる医薬上許される塩もしくはエステル、或いは、患者への投与後に、本発明に有益な化合物を(直接又は間接に)与えることができるあらゆるその他の化合物、又はその薬理学上活性な代謝産物もしくは薬理学上活性な残渣を表す。薬理学上活性な代謝産物は酵素により、又は化学的に代謝し得る本発明のあらゆる化合物を意味すると理解されるべきである。これは、例えば、式(I)のヒドロキシル化又は酸化された誘導体化合物を含む。
医薬上許される塩として、医薬上許される無機及び有機の酸及び塩基から誘導された塩が挙げられる。好適な酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-硫酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。その他の酸、例えば、シュウ酸は、それら自体医薬上許されないが、化合物及びそれらの医薬上許される酸付加塩を得る際に中間体として有益な塩の調製に使用し得る。適当な塩基から誘導された塩として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩及びN-(C1-C4アルキル)4+ 塩が挙げられる。
加えて、本発明の範囲内に、式(I) の化合物のプロドラッグの使用がある。プロドラッグとして、簡単な化学変換後に、変性されて本発明の化合物を生成する化合物が挙げられる。簡単な化学変換として、加水分解、酸化及び還元が挙げられる。詳しくは、プロドラッグが患者に投与される場合、プロドラッグが先に開示された化合物に変換されて、それにより所望の薬理学的効果を付与し得る。
式Iの化合物は以下に記載される一般合成方法(これらはまた本発明の一部を構成する)を使用してつくられてもよい。
【0041】
一般合成方法
本発明はまた式(I) 又は式(II)の化合物の製造方法を提供する。全てのスキームにおいて、特に明記されない限り、下記の式中のR1、R2、R3、R3'、R4 、R5 及びAは上記された本発明の式(I) 又は式(II) 中のR1、R2、R3、R3'、R4 、R5 及びAの意味を有するべきである。
最適の反応条件及び反応時間は使用される特別な反応体に応じて変化してもよい。特に明記されない限り、溶媒、温度、圧力、及びその他の反応条件は当業者により直ぐに選ばれてもよい。特定の操作が合成実施例部分に提示される。典型的には、反応進行が、所望により、薄層クロマトグラフィー(TLC) により監視されてもよく、また中間体及び生成物がシリカゲルによるクロマトグラフィー及び/又は再結晶により精製されてもよい。
以下の実施例は例示であり、また当業者により認められるように、特別な試薬又は条件が無用の実験をしないでも個々の化合物に必要とされるように変更し得る。以下のスキームに、使用される出発物質及び中間体は、市販されており、又は市販の物質から当業者により容易に調製される。
式(I) 又は式(II)の化合物はスキーム1に従って合成されてもよい。
【0042】
【化18】

【0043】
スキーム 1
スキーム 1に示されるように、式(III) の酸を塩化チオニル又は塩化オキサリルの如き試薬と反応させて式(IV)の相当する酸クロリドを得る。この酸クロリド(IV)を、好適な溶媒中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの如き好適な塩基の存在下で式(V) のアミンと反応させて、式(VI)のアミドを得る。
また、上記式(III) の酸を、通常のカップリング条件下で、式(V) の相当するアミンとカップリングして、式(VI)の相当するアミドを得てもよい。当業界で知られている通常のペプチドカップリング反応 (例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照のこと) がこれらの合成に使用されてもよい。好適なカップリング条件の例はDMF の如き好適な溶媒中のカルボン酸の溶液のEDC 、HOBT、及びジイソプロピルエチルアミンの如き塩基、続いて所望のアミンによる処理である。
式(VI)の中間体を好適な溶媒中で、炭酸セシウムの如き好適な塩基の存在下で式 (VII) のアミンと反応させて、式(I) 又は式(II)の化合物を得る。
式(I) 又は式(II)の化合物はスキーム 2に従って調製されてもよい。
【0044】
【化19】

【0045】
スキーム 2
スキーム 2に概説されたように、式(VI)のアミドを、好適な溶媒中で、炭酸セシウムの如き好適な塩基の存在下で、式(VIII)のアミンと反応させて、式(IX)のアミンを得る。式(IX)の中間体アミンを、好適な溶媒中で、好適な塩基の存在下で、式(Xa)の酸クロリド又は式(Xb)のスルホニルクロリドと反応させて、式(I) 又は式(II)(式中、R2 = R-C(O)- 又はR-SO2-)の化合物を得る。
式(I) 又は式(II)の化合物はスキーム3に概説されたように合成されてもよい。
【0046】
【化20】

【0047】
スキーム 3
スキーム 3に示されたように、式(IX)のアミンを、好適な溶媒中で、炭酸セシウムの如き好適な塩基の存在下で、式(XI)の化合物と反応させて、式(I) 又は式(II)の化合物を得る。
また、式(IX)のアミンを、好適な溶媒中で、水酸化ナトリウムの如き好適な塩基の存在下で、式(XII) (式中、Hal = ブロモ又はヨード)の化合物と反応させて、式(I) 又は式(II)の化合物を得る。
式(I) 又は式(II)の化合物はスキーム 4に示されるように合成されてもよい。
【0048】
【化21】

【0049】
スキーム 4
スキーム 4に示されたように、式(XIII)のアミノ酸を、通常の還元アミン化条件下で、式(XIV) のアルデヒドと反応させて、式(XV)のアミンを得る。更に式(XV)のアミンを式 (XVI) のアルデヒドと反応させて式(XVII)の相当するアミンを得る。式(XVII)の中間体を、スキーム1のように、式(V) のアミンとカップリングして、式(I) 又は式(II)(式中、R1 = Ra- CH2- かつR2 = Rb-CH2-)の化合物を得る。
式(I) 又は式(II)の化合物はスキーム 5に従って合成されてもよい。
【0050】
【化22】

【0051】
スキーム 5
スキーム 5に先に示されたように、式(XVIII) のブロモエステルを、好適な溶媒中で、式(VIII)のアミンと反応させて、式(XIX) の相当するN置換生成物を得る。化合物 (XIX) を、好適な溶媒中で、好適な塩基の存在下で式(XII) のハライドと反応させて、式(XX)の三級アミンを得る。通常の条件下でエステル加水分解して式(XXI) の酸を得る。式(XXI) の酸を、スキーム1のように、式(V) のアミンとカップリングして、式(I) 又は式(II)の化合物を得る。
当業界で知られ、また以下の実施例に示される方法による、式(I) 又は式(II)の初期生成物の更なる変性が、本発明の追加の化合物を調製するのに使用されてもよい。
【実施例】
【0052】
方法 A
実施例 1の合成
【化23】

【0053】
工程 1:化合物 2の合成
窒素雰囲気下の2-ブロモ-2-メチル-プロピオン酸 (1) (0.6 g, 3.5 ミリモル) を含むフラスコに塩化チオニル (2 mL)を添加する。その反応混合物を70℃に加熱し、そこでそれを2時間維持する。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、減圧で濃縮する。その粗酸クロリドを更に精製しないで使用する。
その粗酸クロリドをジクロロメタン (DCM) (5 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (1 mL, 5.7 ミリモル) 、続いて3-(2-メトキシ-1,1-ジメチル-エチル)-イソオキサゾール-5-イルアミン (0.6 g, 3.5 ミリモル) を添加する。
その反応液を室温で16時間撹拌する。この時間後に、追加の2-ブロモ-2-メチル-プロピオン酸 (0.3 g, 1.7 ミリモル) を上記のようにその酸クロリドとして活性化し、その反応混合物に添加する。更に1.5 時間撹拌した後、その混合物を飽和NaHCO3 水溶液 (x 2) 、食塩水で洗浄し、有機層を分離し、乾燥させ (MgSO4)、減圧で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 20% 酢酸エチル) により精製して化合物 2 (0.6 g, 51%)を得る。
上記操作にしたがって、下記の中間体を合成する。
表 1:
【0054】
【表4】

【0055】
工程 2:実施例 1の合成
THF (2 mL) 中の4-アミノテトラヒドロピラン (0.1 g, 0.94 ミリモル) の溶液にCs2CO3 (0.6 g, 1.84 ミリモル) 及び化合物 2 (0.3 g, 0.94 ミリモル) を添加する。その反応を3時間にわたって50℃に加熱する。次いで溶媒を減圧で除去し、残渣をDCM と1M HCl 水溶液の間に分配する。酸性水層を5N NaOH 水溶液で塩基性にし、DCM (3 x 10 mL) で抽出する。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO4) 、濾過し、減圧で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 50% 酢酸エチル) により精製して実施例 1 (0.15 g, 41%)を得る。LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.40 分, m/z 340 [M+H]
表IV中に方法 Aの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 B
実施例 2の合成
【0056】
【化24】

【0057】
工程 1:化合物 3の合成
窒素雰囲気下の化合物 1 (3 g, 18 ミリモル) を含むフラスコに塩化チオニル (6.6 mL) を添加する。その反応混合物を70℃に加熱し、そこでそれを3時間維持する。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、減圧で濃縮する。その粗酸クロリドを更に精製しないで使用する。
その粗酸クロリドをTHF (11 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (3.1 mL , 18 ミリモル) 、続いて3-[1,1-ジメチル-2-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミン (4.3 g, 18 ミリモル) を添加する。その反応液を40℃で16時間撹拌する。その混合物を飽和NaHCO3 水溶液 (x 2) 、食塩水で洗浄し、有機層を分離し、乾燥させ (MgSO4) 、減圧で濃縮する。残渣をクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 20% 酢酸エチル) により精製して化合物 4 (0.9 g, 13%), LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 2.35 分, m/z 411/413 [M+Na+H]からの化合物 3 (1 g, 18%), m/z 305/307 [M+H+]の分離及び単離を可能にする。
工程 2:実施例 2の合成
THF (3 mL) 中の4-アミノテトラヒドロピラン (0.05 g, 0.5 ミリモル) の溶液にCs2CO3 (0.3 g, 1 ミリモル) 及び化合物 3 (0.15 g, 0.5 ミリモル) を添加する。その反応を18時間にわたって50℃に加熱する。次いで溶媒を減圧で除去し、残渣をDCM と1M HCl水溶液の間に分配する。その酸性水層を5N NaOH 水溶液で塩基性にし、DCM (3 x 10 mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO4)、濾過し、減圧で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 20% EtOAc) により2回精製し、続いてジオキサン中の1M HClですり砕いて実施例 2 の塩酸塩(0.04 g, 22%)を得る。LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.16 分, m/z 326 [M遊離塩基+H]
表IV中の方法 Bの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 C
実施例 3の合成
【0058】
【化25】

【0059】
工程 1:化合物 4の合成
窒素雰囲気下のDCM (150 mL) 中の化合物 1 (20.85 g, 125 ミリモル) を含むフラスコに塩化オキサリル (16.2 mL, 187.3 ミリモル) 、続いてDMF (5 滴) を添加する。その反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで減圧で濃縮する。その酸クロリド(更に精製しないで使用する)をトルエン (50 mL)に溶解し、50℃のトルエン (300 mL) 中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン (32.6 mL , 187 ミリモル) 及び3-[1,1-ジメチル-2-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミン (15 g, 62.4 ミリモル) の溶液に10分間にわたって滴下して添加する。その反応液を60℃で4時間撹拌する。その反応混合物を減圧で濃縮し、残渣をDCM (300 mL) と水(250 mL) の間に分配する。有機層を分離し、Na2SO4 で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。オレンジ色の粗油をジエチルエーテルに溶解し、n-ヘプタンの添加により沈澱させる。沈澱を濾過により単離し、ジエチルエーテル/ヘプタンでわずかに洗浄して化合物 4の第一のクロップ (9 g)をオフホワイトの固体として得る。母液を濃縮し、第二のクロップ (3.3 g)をジエチルエーテル/ヘプタンからの結晶化/沈澱により単離する。母液を減圧で濃縮し、オレンジ色の残留油をシリカ (溶離剤: ヘプタン, 20% 酢酸エチル) により濾過し、濾液を濃縮する。残渣をジエチルエーテルに溶解し、第三のクロップ (3.1 g)を上記されたジエチルエーテル/ヘプタン処理により単離する。クロップ1-3 の合わせた収量は15.4 gである。収率 63%; LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 2.35 分, m/z 411/413 [M+Na+H].
【0060】
工程 2:化合物 5の合成
THF (20 mL) 中のN-メチル-(テトラヒドロピラン-4-イル)-アミン (0.25 g, 2.17 ミリモル) 、Cs2CO3 (1.41 g, 4.34 ミリモル) 及び化合物 4 (0.85 g, 2.17 ミリモル) の溶液を室温で72時間撹拌する。その反応混合物をセライト(登録商標)により濾過し、固体を酢酸エチル及びDCM で洗浄し、濾液を減圧で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 50-100% 酢酸エチル) により精製して化合物 5 374 mgを得る。収率 41%;. LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.51 分, m/z 424 [M+H]
下記のアミンを注目すべき下記の変更による上記操作の適合により合成する。
中間体II及びIII につき、過剰の相当するアミン (2.5 当量) 及びCs2CO3 (2 当量) を使用し、処理操作が10 %クエン酸水溶液、続いて食塩水による有機層の洗浄を含み、生成物をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤 ヘプタン, 30% 酢酸エチル) により単離する。
中間体XIにつき、反応液を周囲温度で48時間撹拌する。
中間体XII 及びX につき、反応混合物をセライトにより濾過し、DCM で洗浄する。溶媒を減圧で除去し、生成物をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤; ヘプタン, 0 - 50% 酢酸エチル) により精製する。
上記操作に従って、下記の中間体を合成する。
表 2:
【0061】
【表5】







【0062】
a) n.d.# 中間体を更に精製しないで次の工程に進める) 中間体 VI: 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.26 (6H,s), 1.34 (3H,s), 1.37 (3H,s), 1.47-1.83 (11H,m), 2.18 (2H,d,7.2 Hz), 2.22 (3H,s), 3.36-3.50 (3H,m), 3.77-3.82 (3H,m), 3.99 (2H,m), 4.57 (1H,m), 6.32 & 6.38 (1H,2s), 9.4-9.8 (1H,br)
b) 中間体 VII: 1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δppm 1.07 (6H,d,J=6.4 Hz), 1.32-1.37 (12H,m), 1.46-1.84 (6H,m), 2.19 (3H,s), 2.98 (1H,q), 3.37 (1H,d,J=9.6 Hz), 3.45-3.50 (1H,m), 3.76-3.81 (2H,m), 4.57 (1H,t,J=6.8 Hz), 6.32 (1H,s), 10.10 (1H,br)
c) 中間体 VIII: 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.25 (12H,s), 1.31-1.76 (10H,m), 2.70 (2H,t,11.2 Hz), 2.80 (3H,s), 3.31-3.42 (6H,m), 3.62-3.66 (2H,m), 4.53 (1H,s), 6.25 (1H,s), 6.80 (1H,br)
【0063】
工程 3:実施例 3の合成
DCM/エタノール (1/1, 16 mL) 中の化合物 5 (806 mg, 1.9 ミリモル) の溶液にポリマー支持トシル酸 (MP-TsOH (65), 装填3.3 ミリモル/g, 1.74 g) を添加する。その混合物を室温で18時間にわたってオービタルシェーカーで振とうする。その樹脂を濾過により単離し、DCM 及びメタノールで洗浄する。次いで生成物をメタノール中のアンモニアの7M溶液で樹脂から放出する。更に樹脂をメタノール及びDCM ですすぐ。塩基性濾液を濃縮して透明な油を得、これをジエチルエーテル/ヘプタンですり砕いて実施例3 549 mg を白色の固体として得る。収率 85%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.17 分m/z 410 [M+H];, 融点129-131℃
表IV中の方法 Cの下にリストされる化合物を、実施例7-9 、及び20につき、下記の変更で、この操作に従って製造する。ピリジニウムp-トルエンスルホン酸塩(1.2 当量) をMP-TsOH に代えて使用し、反応をDCM/エタノールに代えてEtOH中で還流条件(4 h) 下で行なう。
実施例86-87 をキラル分取LCにより分離する。
実施例 4及び5 を50℃のエタノール中でシュウ酸 (1 当量) の存在下で撹拌し、続いて減圧で濃縮することによりシュウ酸塩に変換する。
実施例42、43、45、47、48、49、51、53、56、57、60、63、64、68、86、87を室温でジエチルエーテル中の1M HCl 溶液 (2 当量) の存在下で撹拌し、続いて減圧で濃縮することにより塩酸塩に変換する。
方法 D
実施例 6の合成
【0064】
【化26】

【0065】
THF (10 mL) 中の2-メチルピペリジン (40 mg, 0.33 ミリモル) 、Cs2CO3 (218 mg, 0.66 ミリモル) 及び化合物 4 (130 mg, 0.33 ミリモル) の溶液を加圧管中で3時間にわたって55℃に加熱する。室温に冷却した後、その反応混合物を酢酸エチル (40 mL) で希釈し、食塩水 (2 x 15 mL) で洗浄し、乾燥させ (MgSO4) 、濾過し、減圧で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 10% 酢酸エチル) により精製し、次いでフラッシュSCX-2 カートリッジ(Isolute(R)) (溶離剤: DCM, メタノール次いで5% NH3/MeOH) を使用してテトラヒドロピラニル保護基を除去する。最後にシリカ, 溶離剤: ヘプタン, 10% 酢酸エチル) を使用して精製して実施例6 23 mg を得る。収率 22%. LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.35 分, m/z 324 [M+H]
実施例6 の一部を室温のジエチルエーテル中の1M HCl 溶液 (2 当量)の存在下で撹拌し、次いで減圧で濃縮することによりその塩酸塩に変換する。
表IV中方法 Dの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 E
実施例10の合成
【0066】
【化27】

【0067】
実施例 12 (80 mg, 0.24 ミリモル,方法 Aに従って調製した) 及び三臭化アルミニウム600 mg (2.35 ミリモル) をエタンチオール (4 mL, 悪臭に注意) に溶解し、室温で3時間撹拌する。その反応を水 (8 mL) の添加により停止し、1 M HCl 水溶液の慎重な添加によりpH 4-5 に酸性にする。その反応混合物を酢酸エチル (3 x 10 mL) で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過する。濾液を減圧で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: DCM, 50% 酢酸エチル) により精製して実施例10 50 mg を得る。収率 65%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.14 分, m/z 326 [M+H]
表IV中方法Eの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 F
実施例46の合成
【0068】
【化28】

【0069】
THF (6 mL) 中の実施例 42 (0.34g, 1.01 ミリモル) 及びNaH (0.12 g, 3.04 ミリモル, 鉱油中60% の分散液) の溶液にヨウ化メチル (95 μL, 1.52 ミリモル) を添加する。その反応混合物を室温で18時間撹拌し、セライトにより濾過する。粗生成物を分取HPLC (中性方法) により精製して実施例46 53 mg を無色の油として得る。収率: 17%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.60 分, m/z 368 [M+H]
実施例46を室温のジエチルエーテル (1 mL) 中の塩化水素の2M溶液の存在下で撹拌し、続いて減圧で濃縮することによりその塩酸塩に変換する。
表IV中方法Fの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 G
実施例 50の合成
【0070】
【化29】

【0071】
工程 1:化合物 6の合成
THF (10 mL) 中のメチルアミン (2.89 mL, 23.1 ミリモル) 、Cs2CO3 (0.75 g, 2.3 ミリモル) 及び化合物 4 (0.45 g, 1.2 ミリモル) の溶液をシールした管中で3時間にわたって65℃に加熱する。その反応混合物を冷却し、酢酸エチル (20 mL) で希釈する。その混合物を食塩水 (8 mL) で洗浄する。有機層を乾燥させ (MgSO4) 、濾過し、濾液を減圧で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 0-50% 酢酸エチル) により精製して化合物6 0.29 g を得る。収率: 74%; LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.24 分, m/z 340 [M+H].
工程 2:化合物 7の合成
THF (8 mL) 中の化合物 6 (0.2 g, 0.59 ミリモル) 及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.2 mL, 1.18 ミリモル) の溶液に (テトラヒドロピラン-4-イル)-アセチルクロリド (0.11 g, 0.59 ミリモル) を添加する。その反応液を18時間にわたって60℃に加熱し、溶媒を減圧で除去する。残渣を酢酸エチル (20 mL)に溶解し、水 (2 x 5 mL) 及び食塩水 (2 x 5 mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ (MgSO4) 、濾過し、濾液を減圧で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 0-50% 酢酸エチル) により精製して化合物7 0.25 g を得る。収率: 94%, LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.90 分, m/z 464 [M-H].
上記方法に従って、下記の中間体を注目すべき下記の変更で合成する。
中間体XXX 及びXXXIIIにつき、相当する酸を室温で4時間にわたってDCM 塩化オキサリル (4 当量) 及びDMF (触媒) による処理によりその酸クロリドに変換する。その反応混合物を減圧で濃縮し、粗酸クロリドを更に精製しないで上記操作に使用する。
通常のアミドカップリング条件を使用して中間体XXXI及びXXXII を合成する。アセトニトリル中でEDC.HCl (3 当量) 及びDMAP (1 当量) を使用して1当量の化合物 6を相当する酸 (1 当量) とカップリングさせる。その反応混合物を室温で18時間撹拌し、減圧で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤:n-ヘプタン, 30% 酢酸エチル) により精製して所望の中間体を得る。
上記操作に従って、下記の中間体を合成する。
表 3:
【0072】
【表6】

【0073】
工程 3:実施例50の合成
化合物 7をポリマー支持トシル酸 (MP-TsOH (65), 装填3.3 ミリモル/g, 0.6 g) の存在下で18時間にわたってオービタルシェーカーで振とうすることにより脱保護する。その樹脂を濾過により除去し、DCM で洗浄する。生成物をメタノール中の7M アンモニアによる処理により樹脂から放出し、濾液を減圧で濃縮し、残渣を分取HPLC (中性方法) により精製して実施例50 40 mg を得る。収率 18%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 3.06 分, m/z 382 [M+H].
表IV中方法Gの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 H
実施例52の合成
【0074】
【化30】

【0075】
工程 1:化合物 9の合成
THF (3 mL) 中の化合物 6 (0.2 g, 0.59 ミリモル,方法 G, 工程 1に従って調製した) 及びCs2CO3 (0.38 g, 1.18 ミリモル) の溶液に化合物 8 (115 mg, 1.0 ミリモル, Gosh, A.K.ら. J. Med. Chem. 1993, 36, 2300-2310に記載されたように調製した) を添加する。その反応液をシールした管中で3時間にわたって65℃に加熱し、酢酸エチル (12 mL) 中で希釈する。有機層を食塩水 (8 mL) で洗浄し、乾燥させる (MgSO4) 。溶媒を減圧で除去し、カラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 0-50% 酢酸エチル) により精製して化合物9 0.2 gを得る。収率: 12%; LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.37 分, m/z 438 [M+H].
【0076】
工程 2:実施例52の合成
DCM/メタノール (1/1, 4 mL) 中の化合物 9の溶液にポリマー支持トシル酸 (MP-TsOH (65), 装填3.3 ミリモル/g, 0.28 g) を添加し、その反応混合物を18時間にわたってオービタルシェーカーで振とうする。樹脂を濾過により除去し、DCM で洗浄する。生成物をメタノール中の7Mアンモニア溶液による処理により樹脂から放出し、樹脂を更にメタノール及びDCM で洗浄する。濾液を減圧で濃縮する。樹脂を分取LC (中性方法) により精製して実施例52 69 mgを透明な油として得、収率 36%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.19 分, m/z 354 [M+H]、これをジエチルエーテル(0.12 mL) 中の2M HCl による処理によりその塩酸塩に変換し、減圧で濃縮する。粗物質を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶して実施例52の塩酸塩を白色の結晶性固体として得る。
表IV中方法 Hの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 I
実施例 54の合成
【0077】
【化31】

【0078】
工程 1:化合物10の合成
THF (10 mL) 中の(S)-sec-ブチルアミン (0.3 g, 4.1 ミリモル) 、Cs2CO3 (2.67 g, 8.2 ミリモル) 及び化合物 4 (1.59 g, 4.1 ミリモル) の溶液を室温で18時間撹拌する。その反応混合物を1時間にわたって50℃に加熱し、その反応液をセライトにより濾過する。固体をDCM 及び酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧で濃縮して黄色の油を得る。この残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 50% 酢酸エチル) により精製して化合物10 0.65 gを得る。収率: 42%, LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.38 分, m/z 382 [M+H]
下記の中間体を上記操作に従って製造する。
上記操作に従って、下記の中間体を合成する。
表 4:
【0079】
【表7】



【0080】
工程 2:化合物11の合成
THF (3 mL) 中の化合物 10 (392 mg, 1.02 ミリモル) の溶液に水素化ナトリウム (41 mg, 1.02 ミリモル, 鉱油中60% の分散液) 及びヨウ化メチル (64 μl, 1.02 ミリモル) を添加する。その反応混合物をマイクロウェーブ中で1時間にわたって70℃に加熱する。その反応混合物を減圧で濃縮し、残渣をメタノールに溶解し、濾過する。濾液を減圧で濃縮し、粗物質を分取HPLC (中性方法) により精製して化合物11 137 mg を透明な油として得る。収率: 34%, LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.25 分, m/z 396 [M+H].
下記の中間体を上記操作に従って製造する。
表 5:
【0081】
【表8】

【0082】
工程 3:実施例54の合成
DCM/メタノール (1/1, 10 mL) 中の化合物 11 (137 mg, 0.34 ミリモル) の溶液にポリマー支持トシル酸 (MP-TsOH (65), 装填3.3 ミリモル/g, 0.31 g)を添加する。その混合物を室温で18時間にわたってオービタルシェーカーで振とうする。樹脂を濾過により単離し、DCM で洗浄する。次いで生成物をメタノール中のアンモニアの2M溶液で樹脂から放出する。塩基性濾液を濃縮して実施例54 88 mgを得る。収率: 63%, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.35 分, m/z 312 [M+H].
表IV中の方法Iの下にリストされる化合物を注目すべき下記の変更でこの操作に従って製造する。
実施例54、55、84、85を室温でジエチルエーテル中の塩化水素 (2M, 1 mL) の存在下で撹拌することにより塩酸塩に変換し、続いて減圧で濃縮する。
方法 J
実施例27の合成
【0083】
【化32】

【0084】
工程 1:化合物13の合成
化合物 12 (2.5 g; 24.244 ミリモル) 及びテトラヒドロピラン-4-カルボアルデヒド (5.05 mL; 48.487 ミリモル) を含むHEL 100 システムの高圧容器に湿潤カーボン上の20%の水酸化パラジウム (3.405 g; 10 モル%; 2.424 ミリモル) 及びエタノール50 mL を添加する。その反応液を50℃で40時間にわたって28kg/cm2(400 psi)のH2 に暴露する。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過する。セライト(登録商標)をメタノール及び水ですすぐ。合わせた濾液を濃縮し、ジクロロメタン中でスラリーにし、次いで濾過して化合物13を白色の固体 (3.95g; 81%)として得る。LC-MS (LC 方法 h): 保持時間 0.32 分, m/z 202 [M+H]+
工程 2:化合物14の合成
化合物 13 (1g; 4.969ミリモル) 及び水中37% のホルムアルデヒド (0.74mL; 9.937ミリモル) を含むHEL 100 システムの高圧容器に湿潤カーボン上の20%の水酸化パラジウム (0.698g; 10mol%; 0.497ミリモル) 及びエタノール30mLを添加する。その反応液を100℃で27.5時間にわたって28kg/cm2(400 psi)のH2 に暴露する。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過する。セライト(登録商標)をメタノール及び水ですすぐ。合わせた濾液を濃縮して化合物 14 を無色の油 (1.364g; 定量的) として得る。LC-MS (LC 方法 h): 保持時間 0.32 分, m/z 216 [M+H]+
【0085】
工程 3:実施例27の合成
化合物 14 (0.2g; 0.929 ミリモル) を含むバイアルにO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート (0.530g; 1.394 ミリモル) 及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.579mL; 3.252ミリモル) を添加する。その溶液を室温で30分間撹拌する。3-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-1,1-ジメチル-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミン (0.199g; 0.929ミリモル) を含むバイアルにN,N-ジメチルホルムアミド (2mL) 及び水素化ナトリウム (0.093g; 2.323ミリモル) を0℃で添加する。この溶液にその活性化エステルを添加する。添加が一旦完結すると、冷浴を除去し、反応液を室温に温め、1時間撹拌する。その反応をメタノール/水で停止し、減圧で濃縮する。精製を逆相HPLCにより行なって実施例 27 (0.107g; 28%)を得る。LC-MS (LC 方法 c): 保持時間 0.97 分, m/z 412 [M+H]+.
表IV中の方法Jの下にリストされる化合物を注目すべき下記の変更でこの操作に従って製造する。実施例26、28、及び32につき、TBTU (O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) を工程3に記載されたHATUに代えてカップリング試薬として使用する。
表IV中方法Jの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
下記の中間体を上記操作に従って製造する。
表 6:
【0086】
【表9】

【0087】
方法 J1
方法 C 工程 3と同じ。
表IV中方法J1の下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 J2
実施例30の合成
【0088】
【化33】

【0089】
中間体 XLIX (0.127 g; 0.209 ミリモル) をメタノール3 mLで希釈し、HF ピリジン錯体 (0.130 ml; 1.045 ミリモル; 70%) を添加する。その反応液を7日間にわたってシールした管中で45℃に加熱し、HF ピリジン錯体のアリコートを毎日基準で添加する。濃縮し、分取HPLCにより精製する。溜めた生成物画分を濃縮する。メタノール中で希釈し、MP-カーボネート樹脂を含むカートリッジに通してHPLC移動相中に含まれたトリフルオロ酢酸から分子を中和して実施例 30 (0.024 g; 31.1%)を得る。LC-MS (LC 方法 c): 保持時間 0.40 分, m/z 371[M+H+]
表IV中方法J2の下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 K:
実施例38の合成
【0090】
【化34】

【0091】
工程 1:化合物16の合成
化合物 15 (6.4mL, 49.4ミリモル) を窒素雰囲気下でアセトニトリル100mL に溶解し、ヨウ化カリウム (739mg, 4.5ミリモル) を添加し、続いて炭酸カリウム (13.7g, 98.9ミリモル) 及び4-アミノテトラヒドロピラン (5g, 49.4ミリモル) を添加する。その反応混合物を90℃の油浴中で16時間加熱する。この時間後に、その反応混合物を室温に冷却し、メチル2-ブロモイソブチレート (1.6mL, 12.4ミリモル) 及びヨウ化カリウム (184.5mg, 1.11ミリモル) を添加し、その反応混合物を90℃の油浴中で18時間加熱する。この時間後に、その反応混合物を室温に冷却し、ガラスロートにより濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄する。濾液を減圧で濃縮する。酢酸エチル/ヘプタンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して化合物 16 (36%)を得る。LC-MS (LC 方法 d): 保持時間: 0.27 分, m/z 202 [M+H+].
上記操作に従って下記の中間体を製造する。
表 7:
【0092】
【表10】

【0093】
注:中間体 Iの出発物質はエチル2-ブロモイソブチレートである。
工程 2:化合物17の合成
ヨウ化メチル (2.5mL, 39.9ミリモル) をDMF 74mL中の化合物 16 (4.38g, 17.7ミリモル) 及び炭酸カリウム (10.94g, 79.1ミリモル) の混合物に滴下して添加する。その反応混合物を室温で18時間撹拌する。この時間後に、ヨウ化メチル(1mL, 16ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で65時間撹拌する。この時間後に、その反応混合物を濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄する。濾液を減圧で濃縮する。酢酸エチル/ヘプタンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して化合物 17 (78%) を得る。LC-MS (方法 d): 保持時間: 0.27 分, m/z 216 [M+H+].
上記操作に従って、下記の中間体を製造する。
表 8:
【0094】
【表11】

【0095】
工程 3:化合物18の合成
化合物 17 (3.24g, 13.8ミリモル) を加圧管中でメタノール14mLに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4N, 13.8mL, 55.3ミリモル) を添加し、その反応混合物を80℃の油浴中で3時間加熱する。この時間後に、その反応混合物を減圧で濃縮し、1N HCl水溶液を添加することにより残渣をpH約7に中和する。得られる溶液をアセトニトリルで希釈し、18時間にわたって凍結乾燥機中で乾燥させる。この時間後に、固体をアセトン中で懸濁させ、濾過する。濾液を減圧で濃縮して化合物 18 (100%) を得る。LC-MS (LC 方法 d): 保持時間: 0.29 分, m/z 202 [M+H+].
上記操作に従って、下記の中間体を製造する。
表 9:
【0096】
【表12】

【0097】
工程 4:実施例38の合成
DMF 1mL中の化合物 18 (142mg, 0.707ミリモル) を含むバイアルにO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート (272mg, 0.848ミリモル) 及びジイソプロピルエチルアミン (0.27mL, 1.55ミリモル) を添加する。その反応混合物を室温で1時間撹拌する。DMF 1.2mL 中の化合物 25 (149mg, 0.707ミリモル) を含むバイアルに鉱油中の水素化ナトリウム (60%, 62mg, 1.55ミリモル) を添加する。その混合物を室温で15分間撹拌する。この溶液にその活性化エステルを滴下して添加する。その反応混合物を室温で1.5 時間撹拌する。この時間後に、その反応混合物を減圧で濃縮して溶媒を除去する。残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルで2回抽出する。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。メタノール/塩化メチレンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して実施例 38 (17%)を得る。LC-MS (LC 方法 d): 保持時間 1.03 分, m/z 394 [M+H+].
表IV中方法 Kの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
また、この操作に従って、下記の中間体を製造する。
表 10:
【0098】
【表13】

【0099】
方法 K1
方法 C 工程 3と同じ。
この操作に従って、表IV中の方法K1の下にリストされる化合物を製造する。
方法 L
実施例36の合成
【0100】
【化35】

【0101】
工程 1:化合物19の合成
窒素雰囲気下の化合物 1 (1.25g, 7.49ミリモル) を含む加圧容器に塩化チオニル (2.5mL, 34.5ミリモル) 及び触媒量のDMF を添加する。その加圧容器をシールし、70℃に加熱し、そこで2時間維持する。この時間後に、その反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、その酸クロリド溶液を約1mL が残るまで真空で濃縮し、このプロセスを2回繰り返す。その粗酸クロリドを更に精製しないで使用する。その粗酸クロリドをトルエン2mL で希釈し、トルエン10mL中の3-[1-(2-メトキシ-エトキシ)-1-メチル-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミン (1g, 5.0ミリモル) 及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン (4.35mL, 24.98ミリモル) を含むバイアルに添加し、その反応混合物を18時間にわたって55℃で加熱する。この時間後に、その反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルで2回抽出する。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。酢酸エチル/ヘプタンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して化合物 19 (52%)を得る。m/z 350 [M+H+]
下記の表中の中間体にリストされる化合物を、注目すべき下記の変更でこの操作に従って製造する。LXIIにつき、塩化チオニルとの反応液を80℃で加熱し、LXIV-LXV につき、塩化チオニルとの反応液を60℃で加熱する。
表 11:
【0102】
【表14】



【0103】
工程 2:実施例36の合成
鉱油中の水素化ナトリウム (60%, 61.8mg, 1.55ミリモル) をTHF 2mL 中で懸濁させ、THF 1mL 中の4,4,4-トリフルオロ-ブチルアミン (81.9mg, 0.64ミリモル) の溶液を添加し、その混合物を5分間にわたって窒素雰囲気下で室温で撹拌し、その後にTHF 1.5mL 中の化合物 19 (180mg, 0.52ミリモル) の溶液を滴下して添加する。その反応混合物を室温で18時間撹拌する。この時間後に、その反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルで2回抽出する。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。酢酸エチル/ヘプタンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して実施例 36 (47%)を得る。LC-MS (LC 方法 d): 保持時間 1.05 分, m/z 396 [M+H+].
実施例14、31、及び76(これらにつき、最後の工程を方法B工程2に従って行ない、粗物質を分取HPLC又はシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する)を除いて、表IV中方法Lの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。更に表IV中の実施例15につき、鉱油中のNaH (4 当量) を使用する。
また、中間体LXVII-LXXI につき、鉱油中のNaH (4 当量) を使用する以外は、下記の中間体をこの操作に従って製造する。
表 12:
【0104】
【表15】

【0105】
方法 L1
方法 C 工程 3と同じ。
表IV中方法L1の下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 M
実施例22の合成
【0106】
【化36】

【0107】
塩化アルミニウム (188mg, 1.4ミリモル) をエタンチオール (1mL, 13.5ミリモル) 中の実施例 91 (33mg, 0.083ミリモル) の冷却(0℃)懸濁液に添加する。その反応混合物を室温で65時間撹拌する。塩化アルミニウム (100mg, 0.74ミリモル) を添加し、その反応混合物を24時間撹拌する。この時間後に、その反応混合物を水20mL及び5滴の濃塩酸水溶液で反応停止し、その混合物を室温で1時間撹拌する。その混合物を酢酸エチルで抽出し、層を分離する。4N水酸化ナトリウム水溶液を添加することによりその水層をpH約14に塩基性にし、得られる混合物を酢酸エチルで2回抽出する。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。メタノール/塩化メチレンを使用して残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して実施例 22 (88%)を得る。m/z 384 [M+H+].
表IV中方法 Mの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
方法 N
実施例90の合成
【0108】
【化37】

【0109】
工程 1:化合物20の合成
MeCN (500 mL) 中の化合物 1 (11.8 g, 71 ミリモル) を含むフラスコにEDC.HCl (37.7 g, 212 ミリモル) 及びDMAP (8.6 mg, 71 ミリモル) を室温で添加する。2-tert-ブチル-2H-テトラゾール-5-イルアミン (10 g, 71 ミリモル) を添加し、その反応混合物を室温で24時間撹拌する。水 (50 mL) を添加し、酢酸エチル (3 x 250 mL) で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ (Na2SO4) 、溶媒を減圧で濃縮する。その粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 0 - 50% 酢酸エチル) により精製して化合物20 9.4g を得る。収率: 45%, LC-MS (LC 方法 b): 保持時間: 1.71 分, m/z 290/292 [M+H]
工程 2:実施例90の合成
N-(シス-4-アミノシクロヘキシル)メタンスルホンアミド (0.22 g, 1.14 ミリモル)及び化合物 20 (0.32 g, 1.14 ミリモル) を加圧管に仕込む。固体が融解されるまで、その反応混合物を20分間にわたって150℃に加熱する。室温に冷却した後、残渣を酢酸エチル (10 mL) に溶解し、飽和NaHCO3 溶液 (10 mL)で洗浄する。水層を酢酸エチル (2 x 20 mL) で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過する。濾液を減圧で濃縮し、残渣を分取LC (中性方法) 、続いてカラムクロマトグラフィー (シリカ, 溶離剤: ヘプタン, 0-60% 酢酸エチル) により精製して実施例90 6 mgを得る。収率: 1.3 %, LC-MS (LC 方法 a): 保持時間: 2.36 分, m/z 402 [M+H]
化合物25の合成
【0110】
【化38】

【0111】
工程1:化合物22の合成
パラトルエンスルホニルクロリド (300.0 g, 1.58 モル) を0℃のピリジン800.0 mL 中の化合物 21 (100.0 g, 0.98 モル) の溶液に添加する。その反応混合物を室温で14時間撹拌した後、それを6N HCl の氷溶液に注ぐ。若干の沈澱が生成され、これを濾過し、ヘキサンですり砕く。真空で乾燥させた後、粗化合物22を更に精製しないで次の工程で使用する。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.70-1.89 (4H, m), 2.45 (3H, s), 3.44-3.50 (2H, m), 3.86 (2H, p), 4.70 (1H, m), 7.33 (2H, d, 8.4 Hz), 7.79 (2H, d, 8.0 Hz).
工程2: 化合物23の合成
n-BuLi (ヘキサン中の1.6M 溶液, 122.5 mL) を-78 ℃の乾燥THF (150 mL) 中のDIPAの撹拌溶液に徐々に添加する。その溶液を-78 ℃で1時間撹拌した後、イソ酪酸メチルエステル (10.0g, 98.0 ミリモル) を徐々に添加し、-78 ℃で3時間撹拌する。化合物 22 (25.1g, 98.0 ミリモル) をTHF に溶解し、その反応混合物に添加し、これを-78 ℃で1時間そして室温で14時間撹拌する。その反応混合物を水で反応停止し、酢酸エチルで抽出する。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮する。その粗物質をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィー (ヘプタン中30% の酢酸エチル) により精製して化合物23 7.0 gを淡黄色の油として得る。収率: 38%.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.13 (6H, s), 1.38-1.45 (4H, m), 1.78-1.85 (1H, m), 3.33-3.40 (2H, m), 3.66 (3H, s), 3.98 (2H, dd, 2.8 Hz).
【0112】
工程 3:化合物24の合成
CH3CN (2.2mL) 中の化合物23 (6.0g, 32.2ミリモル) の溶液を80℃のトルエン (60.0mL) 中のNaH (2.1g, 48.3ミリモル) の撹拌懸濁液に添加し、その反応混合物を更に還流温度で14時間維持する。その反応混合物を室温に冷却し、水を添加し、EtOAc で抽出する(3 回) 。水層を2N HCl 水溶液で酸性にし、EtOAc で抽出する。合わせたEtOAc 層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮して化合物 24 (4.2g) を得、これを更に精製しないで次の工程で使用する。
工程 4:化合物25の合成
ヒドロキシルアミン硫酸塩 (2.95 g, 17.9 ミリモル) 及び固体NaOH (2.16g, 53.77ミリモル)を水 (35.0 mL) 中の化合物 24 (3.5g, 17.9 ミリモル) の撹拌溶液に添加し、得られる反応混合物を14時間にわたって還流して撹拌する。その反応混合物を室温に冷却し、次いでEtOAc で抽出する(3 回) 。合わせたEtOAc 層を水、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。その粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン中50% の酢酸エチル) により精製して化合物 25 1.4 gを得る。収率: 37%, LC-MS (方法 d): 保持時間: 1.09 分, m/z 211 [M+H]
化合物28の合成
【0113】
【化39】

【0114】
濃HCl 中の化合物26及び化合物27の溶液を3時間にわたって100 ℃で加熱する。その反応混合物をNH3 水溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出する(2回) 。合わせたEtOAc 画分を食塩溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。その粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン中5%のメタノール) により精製して化合物28 0.85 gを得る。収率: 30%, LC-MS (方法 d): 保持時間: 0.74 分, m/z 186 [M+H]
方法 O:
実施例58の合成
【0115】
【化40】

【0116】
マイクロウェーブ反応容器にTHF (2 mL) 中の化合物 29 (120 mg, 0.37 ミリモル, ベーリンガー・インゲルハイムのWO2009105509 に従って調製した) の溶液を仕込み、NaH (鉱油中60% の分散液, 15mg, 0.37 ミリモル) を添加する。その混合物を室温で5分間撹拌し、メタンスルホニルクロリド (28 μL, 0.37 ミリモル) を添加する。その反応混合物をマイクロウェーブ中で1時間にわたって70℃に加熱する。その混合物を酢酸エチル (20 mL) で希釈し、1N HCl水溶液 (2 x 3 mL)及び食塩水 (3 mL) で洗浄する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧で濃縮する。残渣を酢酸エチルに溶解し、ヘプタンを添加する。得られる白色の沈澱を濾過により単離し、減圧で乾燥させて実施例58 18 mgを得る。収率: 12%; LC-MS (方法 a): 保持時間: 3.92 分, m/z 402 [M+H].
表IV中方法 Oの下にリストされる化合物をこの操作に従って製造する。
表 IV: 実施例
【0117】
【表16】





















【0118】
分析方法
LC 方法 a:
HPLC-MS 装置
HPLC ポンプ: アギレント G1312A
オートインジェクター: CTC PAL HTC
検出器:MS: ウォーターズZQ
UV: ウォーターズ2996光ダイオードアレイ
補助: ウォーターズ2420 蒸発光散乱検出器 (ELS)
医療化学サンプルスクリーニングに設計された高級仕様方法
【0119】
【表17】

【0120】
LC 方法 b:
HPLC-MS 装置:
シマズLCMS-2010EV システム: (MS, ポンプ, PDA)
オートインジェクター CTC PAL HTS オートサンプラー
ルーチンのハイスループット分析のための通常の方法
【0121】
【表18】

【0122】
LC 方法 c: カラム: アギレント SB-C18 1.8μm 3x50mm, 1.5mL/分の流量
【表19】

【0123】
LC 方法 d: カラム: アギレント SB-AQ 1.8μm 3x50mm, 1.5mL/分の流量
【表20】

【0124】
LC 方法 e: カラム: BEH C18, 1.7μm 2.1x50mm, 0.8mL/分の流量
【表21】

【0125】
LC 方法 f: カラム: アギレント・ゾルバックスC18 SB 3.5μm 4.6x30mm, 2.5mL/分の流量
【表22】

【0126】
LC 方法 g: カラム: アギレント・ゾルバックス・エクリプスXDB-C8 5.0μm 4.6x150mm, 1.5mL/分の流量
【表23】

【0127】
LC 方法 h: カラム: ゾルバックスXDB-C8 4.6x50 mm 3.5 μm, 2 mL/分の流量
【表24】

【0128】
生物学的性質の評価
下記のアッセイを使用して式Iの化合物の生物学的性質を評価する。
A.ヒトCB1及びCB2受容体結合:
実験方法:
CB2膜を購入し、ヒトCB2受容体cDNAで安定にトランスフェクトされたHEK293 EBNA細胞からつくる(パーキン・エルマー・ライフ・アンド・アナリティカル・サイエンシズ)。CB1膜をヒトCB1受容体及びGα16cDNAで安定に同時トランスフェクトされたHEK細胞から分離する。膜製剤を50mMトリス、pH7.5、2.5mM EDTA、5mM MgCl2、0.8%の無脂肪酸ウシ血清アルブミンを含むアッセイ緩衝液中で4時間にわたって室温でシンチレーションビーズ(Ysi-Poly-L-リシンSPAビーズ、GEヘルスケアー)に結合する。未結合膜をアッセイ緩衝液中で洗浄することにより除去する。膜-ビーズ混合物をウェル当り15μgの膜(CB2)又はウェル当り2.5μg(CB1)及びウェル当り1mgのSPAビーズの量で96ウェルアッセイプレートに添加する。化合物を1x10-5Mから1x10-10Mまでの範囲の用量-応答濃度で最終0.25%のDMSOとともに膜-ビーズ混合物に添加する。競合反応を1.5nM(CB2)又は2.5nM(CB1)の最終濃度の3H-CP55940(パーキン・エルマー・ライフ・アンド・アナリティカル・サイエンシズ)の添加で開始する。その反応液を室温で18時間インキュベートし、トップカウントNXTプレートリーダーで読み取る。全結合及び非特異的結合を1.25μMウィン55212(シグマ)の不在下及び存在下で測定する。XLFit4.1 4パラメーターロジスティックモデルを使用して夫々の化合物に関するIC50値を受容体への放射能標識リガンドの特異的結合を50%抑制する化合物の濃度として計算する。チェン-プルソフ式を使用してIC50値を抑制定数(Ki)値に変換する。
【0129】
B.cAMP合成のCR2R媒介調節
本発明の化合物を下記の実験方法に従ってそれらのCB2アゴニスト又は逆アゴニスト活性について評価する。上記結合アッセイによりCB2に結合すると示されるが、このアッセイによりcAMP合成のCB2R媒介調節を示すと示されない化合物をCB2アンタゴニストであると推定する。
実験方法:
ヒトCB2Rを発現するCHO細胞(ユーロスクリーン)を384ウェルプレートにウェル当り5000の細胞の密度で塗布し、37℃で一夜インキュベートする。培地を除去した後に、細胞を1mM IBMX、0.25%のBSA及び10μMフォルスコリンを含む刺激緩衝液中で希釈された試験化合物で処理する。そのアッセイを37℃で30分間インキュベートする。細胞を溶解し、製造業者のプロトコルに従って、ディスカバーX-XS cAMPキットを使用してcAMP濃度を測定する。このセッティングでは、アゴニストがcAMPのフォルスコリン誘発生成を減少し、一方、逆アゴニストがcAMPのフォルスコリン誘発生成を更に増大するであろう。アゴニストのEC50を以下のように計算する。1μM CP55940により抑制されるcAMPのレベルと較べてフォルスコリンにより生成されるcAMPの最大量を100%と定義する。夫々の試験化合物のEC50値を、フォルスコリン刺激cAMP合成の50%が抑制される濃度として測定する。4パラメーターロジスティックモデル(XLfit4.0のモデル205)を使用してデータを分析する。
【0130】
C.cAMP合成のCB1R媒介調節
本発明の化合物を下記の実験方法に従ってそれらのCB1アゴニスト又は逆アゴニスト活性について評価する。上記結合アッセイによりCB1に結合すると示されるが、このアッセイによりcAMP合成のCB1R媒介調節を示すと示されない化合物をCB1アンタゴニストであると推定する。
実験方法:
ヒトCB1Rを発現するCHO細胞(ユーロスクリーン)を384ウェルプレートにウェル当り5000の細胞の密度で塗布し、37℃で一夜インキュベートする。培地を除去した後に、細胞を1mM IBMX、0.25%のBSA及び10μMフォルスコリンを含む刺激緩衝液中で希釈された試験化合物で処理する。そのアッセイを37℃で30分間インキュベートする。細胞を溶解し、製造業者のプロトコルに従って、ディスカバーX-XS cAMPキットを使用してcAMP濃度を測定する。このセッティングでは、アゴニストがcAMPのフォルスコリン誘発生成を減少し、一方、逆アゴニストがcAMPのフォルスコリン誘発生成を更に増大するであろう。アゴニストのEC50を以下のように計算する。1μM CP55940により抑制されるcAMPのレベルと較べてフォルスコリンにより生成されるcAMPの最大量を100%と定義する。夫々の試験化合物のEC50値を、フォルスコリン刺激cAMP合成の50%が抑制される濃度として測定する。4パラメーターロジスティックモデル(XLfit4.0のモデル205)を使用してデータを分析する。
【0131】
アゴニスト活性を有する化合物
上記アッセイの使用により、化合物がアゴニスト活性を示し、こうして痛みの治療だけでなく、炎症の治療に特に良く適していることがわかる。本発明の好ましい化合物はCB2(<500nM)及びCB1(>20000)の活性範囲を有するであろう。
治療上の使用
上記アッセイにより実証し得るように、本発明の化合物はCB2受容体機能を調節するのに有益である。この事実のために、これらの化合物はCB2受容体機能により媒介される疾患状態及び症状を治療する際の治療上の使用又はCB2受容体機能の調節から利益を受ける治療上の使用を有する。
本発明の化合物はCB2受容体機能を調節するので、それらは非常に有益な抗炎症活性及び免疫抑制活性を有し、それらは疾患状態及び症状の治療のために、特に以下に示される医薬組成物の形態の、薬物として患者に使用し得る。
先に注目されたように、CB2アゴニストであるこれらの化合物はまた痛みの治療に使用し得る。
【0132】
本発明のアゴニスト化合物、アンタゴニスト化合物及び逆アゴニスト化合物は炎症プロセスにより伴われる下記の疾患状態又は指示の治療のための薬物として患者に使用し得る。
(i) 肺疾患:例えば、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、気腫、成人呼吸困難症候群(ARDS)、ハト愛好者肺、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性喘息を含む喘息(アトピー性又は非アトピー性)だけでなく、運動誘発気管支収縮、職業性喘息、喘息のウイルス又は細菌による悪化、その他の非アレルギー性喘息及び“喘鳴乳児症候群”、塵肺(アルミニウム肺、炭粉症、アスベスト肺、石粉症、睫毛脱落症、シデローシス、けい肺、たばこ症及び綿肺を含む);
(ii) リウマチ疾患もしくは自己免疫疾患又は筋骨格疾患:リウマチ疾患の全ての形態、特に慢性関節リウマチ、急性リウマチ熱、及びリウマチ性多筋痛;反応性関節炎;リウマチ性軟組織疾患;その他の発生の炎症性軟組織疾患;変性関節疾患における関節性症候(関節症);腱炎、滑液包炎、骨関節炎、トラウマ性関節炎;あらゆる発生の膠原症、例えば、全身性エリテマトーデス、硬皮症、多発筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スチル病、フェルティ症候群;並びに骨多孔症及びその他の骨吸収疾患;
(iii) アレルギー性疾患:アレルギー反応の全ての形態、例えば、血管神経性浮腫、枯草熱、虫刺され、薬物、血液誘導薬、造影剤等に対するアレルギー反応、アナフィラキシーショック(過敏症)、じんま疹、血管神経性浮腫、及び接触性皮膚炎;
(iv) 脈管疾患:結節性汎動脈炎、結節性多発動脈炎、結節性動脈周囲炎、側頭動脈炎、ウェーグナー肉芽腫症、巨細胞動脈炎、アテローム硬化症、再潅流障害及び結節性紅斑;
(v) 皮膚病:例えば、皮膚炎、乾癬;日焼け、火傷、湿疹;
【0133】
(vi) 腎疾患:例えば、ネフローゼ症候群;及び腎炎の全ての型、例えば、腎炎;膵臓炎;
(vii) 肝臓疾患:例えば、急性肝細胞崩壊;種々の発生の急性肝炎、例えば、ウイルス肝炎、毒物肝炎、薬物誘発肝炎;並びに慢性活動性肝炎及び/又は慢性間欠性肝炎;
(viii) 胃腸疾患:例えば、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、限局性腸炎(クローン病)、潰瘍性大腸炎;胃炎;アフタ性潰瘍、腹腔疾患、限局性回腸炎、胃食道逆流疾患;
(ix) 神経保護:例えば、卒中、心臓停止、肺バイパス、トラウマ性脳障害、脊髄障害等の後の神経変性の治療における;
(x) 眼疾患:アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、又は虹彩炎;結膜炎;眼瞼炎;視神経神経炎;脈絡膜炎;緑内障及び交感性眼炎;
(xi) 耳、鼻、及び喉(ENT)領域の疾患:例えば、耳鳴;アレルギー性鼻炎又は枯草熱;外耳炎(接触湿疹、感染症等により生じる);及び中耳炎;
(xii) 神経疾患:例えば、脳浮腫、特に腫瘍関連脳浮腫;多発性硬化症;急性脳脊髄炎;脳膜炎;急性脊髄損傷;トラウマ;痴呆、特に変性痴呆(老人性痴呆、アルツハイマー病;パーキンソン病及びクロイツフェルト-ヤコブ病;ハンチントン舞踏病、ピック病;運動神経疾患を含む)、血管性痴呆(多梗塞痴呆を含む)だけでなく、頭蓋内空間を占める病巣と関連する痴呆;感染症及び関連症状(HIV感染症を含む);ギラン・バレー症候群;重症筋無力症、卒中;及び眩暈の種々の形態、例えば、点頭痙攣;
(xiii) 血液疾患:後天性溶血性貧血;再生不良性貧血、及び特発性血小板減少症;
(xiv) 腫瘍疾患:急性リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;充実性悪性腫瘍;広範囲の転移;
【0134】
(xv) 内分泌疾患:内分泌性眼障害;内分泌性オルビトパチア(orbitopathia);甲状腺中毒発症;ド・ケルバン甲状腺炎;橋本甲状腺炎;バセドウ病;肉芽腫性甲状腺炎;リンパ性甲状腺腫;及びグレーブ病;型I糖尿病(インスリン依存性糖尿病);
(xvi) 臓器移植及び組織移植並びに移植片対宿主疾患;
(xvii) ショックの重度の状態、例えば、敗血症ショック、アナフィラキシーショック、及び全身性炎症反応症候群(SIRS);
(xviii) 急性の痛み、例えば、歯の痛み、術中、術後の痛み、トラウマ性痛み、筋肉痛、火傷の皮膚の痛み、日焼け、三叉神経痛、日焼け;胃腸道又は子宮の痙攣、仙痛;
(xix) 内臓痛、例えば、慢性骨盤痛、膵臓炎、消化性潰瘍、間質性膀胱炎、腎仙痛、アンギーナ、月経困難、月経、婦人科の痛み、刺激性腸症候群(IBS)、非潰瘍性消化不良、非心臓の胸の痛み、心筋虚血と関連する痛み;
(xx) 神経痛、例えば、下部背中痛、非ヘルペス性神経痛、ヘルペス後の神経痛、糖尿病性神経障害、神経損傷、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連神経痛、頭部トラウマ、痛みのあるトラウマ性単神経障害、毒素及び化学療法誘発痛み、四肢切断後遺痛、痛みのある多発神経障害、視床痛症候群、卒中後の痛み、中枢神経系損傷、術後痛、断端痛、反復運動痛、乳房切除後の症候群により誘発される痛み、多発性硬化症、歯根剥離、開胸後の症候群、痛覚過敏及び異痛と関連する神経痛
(xxi) 骨関節炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱滑膜炎、痛風、外陰部痛、筋筋膜痛(筋肉損傷、線維筋痛症)、滑液包炎、骨関節炎、若年性関節炎、脊椎炎、痛風関節炎、乾癬性関節炎、筋骨格痛、線維筋痛症、捻挫及び挫傷、交感神経により維持された痛み、筋炎、偏頭痛、歯痛、インフルエンザ及びその他のウイルス感染症、例えば、風邪と関連する痛み、リウマチ熱、全身性エリテマトーデスの如き疾患により誘発され、又はこれらと関連する炎症性/侵害受容の痛み;
(xxii) 腫瘍、例えば、リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;充実性悪性腫瘍;広範な転移により誘発され、又はこれらと関連する癌の痛み;
(xxiii) 頭痛、例えば、群発性頭痛、前兆を伴い、また伴わない偏頭痛、緊張型頭痛、異なる起源による頭痛、頭痛障害(予防の使用及び急の使用を含む);
(xxiv) 経皮の経腔の冠状血管形成後の再狭窄、急性及び慢性の痛み、アテローム硬化症、再潅流障害、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱損傷、トラウマに二次的な多発性臓器損傷、壊死性全腸炎並びに血液透析、白血球分離、及び顆粒球輸注と関連する症候群、サルコイドーシス、歯肉炎、発熱、火傷、捻挫又は破損と関連するトラウマから生じる浮腫、脳浮腫及び血管浮腫、糖尿病、例えば、糖尿病性血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、後毛細管抵抗又はインスリン炎と関連する糖尿病の症候(例えば、高血糖、利尿、蛋白尿並びに増大された亜硝酸塩及びカリクレイン尿排泄)を含む種々のその他の疾患状態又は症状。
【0135】
その他の指示として、癲癇、敗血症性ショック(例えば、抗血液量減少薬及び/又は抗低血圧薬として)、癌、敗血症、骨多孔症、良性前立腺過形成及び過敏性膀胱、かゆみ、白斑、一般の胃腸障害、呼吸領域、尿生殖器領域、胃腸領域又は血管領域における内臓運動の乱れ、傷、火傷、組織損傷並びに術後発熱、かゆみと関連する症候群が挙げられる。
ヒト治療に有益であることの他に、これらの化合物はまた随伴動物、外来動物及び家畜(哺乳類、げっ歯類等を含む)の獣医治療に有益である。
上記疾患及び症状の治療のために、治療有効用量は一般に本発明の化合物の投薬当り体重1kg当り約0.01mgから約100mgまで、好ましくは投薬当り体重1kg当り約0.1mgから約20mgまでの範囲であろう。例えば、70kgのヒトへの投与について、用量範囲は本発明の化合物の投薬当り約0.7mgから約7000mgまで、好ましくは投薬当り約7.0mgから約1400mgまでであろう。或る程度の常套用量最適化が最適の投薬レベル及びパターンを決めるのに必要とされるかもしれない。活性成分は1日1〜6回投与されてもよい。
【0136】
一般投与及び医薬組成物
医薬品として使用される場合、本発明の化合物は典型的には医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は医薬業界で公知の操作を使用して調製でき、本発明の少なくとも一種の化合物を含む。本発明の化合物はまた単独で投与されてもよく、又は本発明の化合物の安定性を高め、或る実施態様においてそれらを含む医薬組成物の投与を促進し、増大された溶解又は分散、増大された抑制活性を与え、補助療法を施す等のアジュバントと組み合わせて投与されてもよい。本発明の化合物はそれら自体で使用されてもよく、又は必要によりまたその他の薬理学上活性な物質と連係して、本発明のその他の活性物質と連係して使用されてもよい。一般に、本発明の化合物は治療又は医薬有効量で投与されるが、診断目的又はその他の目的のために一層少ない量で投与されてもよい。
純粋な形態での、又は適当な医薬組成物中の、本発明の化合物の投与は、医薬組成物の投与の受け入れられている様式のいずれかを使用して行ない得る。こうして、投与は、例えば、固体、半固体、凍結乾燥粉末の形態、又は液体投薬形態、例えば、錠剤、座薬、ピル、軟質弾性カプセル及び硬質ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、又はエアロゾール等の形態、好ましくは正確な用量の簡単な投与に適した単位投薬形態で経口、頬内(例えば、舌下)、鼻、非経口、局所、経皮、膣、又は直腸であってもよい。医薬組成物は一般に通常の医薬担体又は賦形剤及び活性薬剤としての本発明の化合物を含み、加えて、その他の医療薬、医薬物質、担体、アジュバント、希釈剤、ビヒクル、又はこれらの組み合わせを含むであろう。このような医薬上許される賦形剤、担体又は添加剤だけでなく、種々の投与の様式のための医薬組成物の製造方法が当業者に公知である。その技術水準が、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20編, A. Gennaro(編集), Lippincott Williams & Wilkins, 2000; Handbook of Pharmaceutical Additives, Michael & Irene Ash(編集), Gower, 1995; Handbook of Pharmaceutical Excipients, A.H. Kibbe(編集), American Pharmaceutical Ass’n, 2000; H.C. Ansel及びN.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,第5編, Lea and Febiger, 1990により証明され、これらの夫々がその技術水準を良く記載するために参考として本明細書にそのまま含まれる。
【0137】
当業者が予想するように、特別な医薬製剤中に利用される本発明の化合物の形態は製剤が有効であるのに必要とされる好適な物理的特性(例えば、水溶性)を有するように選ばれるであろう(例えば、塩)。
頬(舌下)投与に適した医薬組成物として、風味料入りのベース、通常蔗糖、及びアカシア又はトラガカント中に本発明の化合物を含むロゼンジ、並びに不活性ベース、例えば、ゼラチン及びグリセリン又は蔗糖及びアカシア中にその化合物を含む香錠が挙げられる。
非経口投与に適した医薬組成物は本発明の化合物の無菌の水性製剤を含む。これらの製剤は好ましくは静脈内投与されるが、投与はまた皮下注射、筋肉内注射、又は皮内注射により行ない得る。注射可能な医薬製剤は普通注射可能な無菌の食塩水、食塩加リン酸緩衝液、油性懸濁液、又は当業界で知られているその他の注射可能な担体をベースとし、一般に無菌かつ血液と等張にされる。それ故、注射可能な医薬製剤は、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液、固定油、例えば、合成モノグリセリド又はジグリセリド、脂肪酸、例えば、オレイン酸等を含む、無毒性の非経口上許される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射液又は懸濁液として提供されてもよい。このような注射可能な医薬製剤は好適な分散剤又は硬化剤及び懸濁剤を使用して既知技術に従って製剤化される。注射可能な組成物は一般に0.1〜5%w/wの本発明の化合物を含むであろう。
【0138】
化合物の経口投与のための固体投薬形態として、カプセル、錠剤、ピル、粉末、及び顆粒が挙げられる。このような経口投与のために、一種以上の本発明の化合物を含む医薬上許される組成物は通常使用される賦形剤、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、前ゼラチン化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロースエーテル誘導体、グルコース、ゼラチン、蔗糖、クエン酸塩、プロピルガレート等のいずれかの混入により生成される。このような固体医薬製剤は、あらゆる数のメカニズム(小腸の変化するpHに基づく投薬形態からのpH感受性放出、錠剤又はカプセルの遅い侵食、製剤の物理的性質に基づく胃中の保持、腸道の粘膜ライニングへの投薬形態の生物付着、又は投薬形態からの活性薬物の酵素的放出が挙げられるが、これらに限定されない)による胃腸道への薬物の延長又は持続された送出を与えるために、当業界で公知であるような、製剤を含んでもよい。
化合物の経口投与のための液体投薬形態として、必要により担体、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等の中に医薬アジュバントを含んでもよい、エマルション、ミクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤が挙げられる。これらの組成物はまた付加的なアジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、風味料、及び芳香剤を含んでもよい。
化合物の局所投薬形態として、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、眼軟膏、眼又は耳のドロップ、含浸包帯及びエアロゾールが挙げられ、これらは適当な通常の添加剤、例えば、防腐剤、薬物浸透を助けるための溶媒並びに軟膏及びクリーム中の皮膚軟化薬を含んでもよい。局所適用は通常の医療上の考慮に応じて毎日1回又は1回より多くてもよい。更に、本発明の好ましい化合物は好適な鼻内ビヒクルの局所使用により鼻内形態で投与し得る。製剤はまた適合性の通常の担体、例えば、クリームベース又は軟膏ベース及びローション用のエタノール又はオレイルアルコールを含んでもよい。このような担体は製剤の約1%から約98%までとして存在してもよく、更に通常それらは製剤の約80%までを形成するであろう。
【0139】
経皮投与がまた可能である。経皮投与に適した医薬組成物は時間の延長期間にわたってレシピエントの表皮と緊密に接触して留まるのに適した不連続のパッチとして提供し得る。経皮送出系の形態で投与されるために、投薬投与は、勿論、投薬養生法中に間欠ではなく連続であろう。このようなパッチは接着剤中に溶解され、かつ/又は分散され、又はポリマー中に分散された、必要により緩衝剤入りの、水溶液中に本発明の化合物を含むことが好適である。活性化合物の好適な濃度は約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。
吸入による投与について、本発明の化合物は噴射剤ガスを必要としないポンプスプレー装置又は好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素、又はその他の好適なガスの使用を伴う加圧パックもしくはネブライザーからエアロゾールスプレーの形態で都合良く送出される。いずれの場合にも、エアロゾールスプレー投薬単位は計量された量を送出するための弁を用意することにより決められてもよく、その結果、得られる計量投薬吸入器(MDI)が本発明の化合物を再現可能かつ制御された方法で投与するのに使用される。このような吸入器、ネブライザー、又はアトマイザー装置は従来技術で知られており、例えば、PCT国際公開WO 97/12687(特にその図6(これは市販のRESPIMAT(登録商標)ネブライザーの基礎である))、WO 94/07607、WO 97/12683、及びWO 97/20590に知られており、これらが参考にされ、これらの夫々が参考として本明細書にそのまま含まれる。
直腸投与は化合物が低融解性の水溶性又は水不溶性の固体、例えば、脂肪、ココアバター、グリセリン処理ゼラチン、水添植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等と混合される単位投薬座薬を利用して行ない得る。活性化合物は通常少量成分(しばしば約0.05質量%から10質量%まで)であり、残部がベース成分である。
【0140】
上記医薬組成物の全てにおいて、本発明の化合物は許される担体又は賦形剤とともに製剤化される。使用される担体又は賦形剤は、勿論、組成物のその他の成分と適合性であるという意味で許される必要があり、患者に有害であってはならない。担体又は賦形剤は固体もしくは液体、又はその両方であってもよく、0.05質量%から95質量%までの活性化合物を含み得る単位投薬組成物、例えば、錠剤として本発明の化合物とともに製剤化されることが好ましい。このような担体又は賦形剤として、不活性充填剤又は希釈剤、バインダー、滑剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、吸収剤、及び着色剤が挙げられる。好適なバインダーとして、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えば、グルコース又はβ-ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然及び合成のガム、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。滑剤として、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤として、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられる。
医薬上許される担体及び賦形剤は全ての先の添加剤等を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(I)
の化合物又はその医薬上許される塩。
[式中、
環Aは5員ヘテロアリール環であり、
R1は水素、C1-10 アルキル又はC3-10 シクロアルキル(これは1-3 個のC1-10 アルキルで置換されていてもよい)であり、夫々のR1 又はその置換基はハロゲン化されていてもよく、
R2はC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、C1-10 アシル、C3-10 シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、ヘテロアリールカルボニル、複素環、ベンジル、フェネチル、アリール又はヘテロアリールであり、夫々が独立にC1-6 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6 アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、複素環、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、R2 の夫々の置換基の可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、アリール、オキソ又はヒドロキシルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒に単環式、二環式もしくはスピロ環式複素環又は単環式もしくは二環式ヘテロアリール環を形成し、夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、アリール、オキソ、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3'は独立に水素もしくはC1-6 アルキル(ハロゲン化されていてもよい)であり、但し、R3 及びR3'が同時に水素であり得ないことを条件とし、又はR3 及びR3' はそれらが結合されている炭素原子と一緒に3員〜6員シクロアルキル又は複素環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成し、
R4 は水素又はメチルであり、
R5 は下記の基から選ばれ、
【化2】

mは0、1、2又は3であり、
R6 は水素、C1-4 アルキル又はC1-4 アルコキシであり、
R7 及びR8 は夫々独立に水素、又はC1-4 アルキルであり、但し、R7 及びR8 が両方とも水素であり得ないことを条件とし、またR7 及びR8 は環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよく、
R9 はC1-6 アルキル又はアリールであり、
環Bは5-6 員複素環であり、
nは0、1又は2であり、
式 (I)のあらゆる炭素原子又は先にリストされたあらゆるR置換基は可能な箇所で部分又は完全ハロゲン化されていてもよい]
【請求項2】
環Aが下記の環であり、
【化3】

R2 がC1-6 アルキル、C3-7 シクロアルキル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニルカルボニル、フェニルスルホニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル又はピペリジニルであり、夫々が独立にC1-5 アルキル、C3-7 シクロアルキル、C1-5 アルコキシ、C1-5 アルキルチオ、C1-5 アルキルスルホニル、C1-5 アルコキシカルボニル、C1-5 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノ、C1-5 アルキルアミノカルボニル、C1-5 アシルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、フェニル及び複素環 (テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれる)から選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR2 置換基が可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-5 アルキル、C1-5 アシル、メチルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソもしくはヒドロキシルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イル, 1-アザ-スピロ[4.5]デカ-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン-1-イル、2-アザ-スピロ[4.4]ノン-2-イル、2-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-2-イル、1-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-1-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチル又はエチルであり、夫々がハロゲン化されていてもよく、又はR3 及びR4 はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル又はシクロブチル環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
環Aが下記の環であり、
【化4】

R1 が水素又はC1-3 アルキル(ハロゲン化されていてもよい)であり、
R2 がC1-6 アルキル又はC3-7 シクロアルキルであり、独立に1〜3個のハロゲン、1個のC3-7 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ又は1個の複素環(テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれ、夫々ハロゲン化されていてもよく、又はC1-4 アルキルもしくはメチルスルホニルで置換されていてもよい)で置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-4 アルキル、C1-4 アルコキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチルもしくはエチルであり、又はR3 及びR4 はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル環又はシクロブチル環を形成し、
R6 が水素又はC1-2 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-2 アルキルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
環Aが下記の環であり、
【化5】

R2 がメチルであり、1個の複素環(テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選ばれ、夫々ハロゲン化されていてもよく、又はC1-4 アルキルもしくはメチルスルホニルで置換されていてもよい)で置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキル、C1-3 アルコキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよい、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
環Aが下記の環であり、
【化6】

R1 が水素、C1-6 アルキル又はC3-7 シクロアルキル(1〜3個のC1-6 アルキルで置換されていてもよい)であり、
夫々のR1 又はその置換基がハロゲン化されていてもよく、
R2 がシクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニルカルボニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、フェニルスルホニル、フェニルカルボニル、フェニル、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル又はチアゾリルであり、夫々が独立に1〜3個の置換基(C1-5 アルキル、C3-5 シクロアルキル、C1-5 アルコキシ、C1-5 アルキルチオ、C1-5 アルキルスルホニル、C1-5 アルコキシカルボニル、C1-5 アルキルアミノ、C3-6 シクロアルキルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノ、C1-5 アルキルアミノカルボニル、C1-5 アシルアミノ、C1-5 ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ及びニトロから選ばれる)で置換されていてもよく、夫々のR2 置換基が可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、又は1〜3個のC1-5 アルキルもしくはC1-5 アルキルスルホニルで置換されていてもよく、又は
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にテトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イル、1-アザ-スピロ[4.5]デカ-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン-1-イル、2-アザ-スピロ[4.4]ノン-2-イル、2-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-2-イル、1-アザ-スピロ[5.5]ウンデカ-1-イルから選ばれた環を形成し、
夫々が1〜3個のC1-6 アルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アシル、C1-6 アルキルスルホニル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよく、
R3 及びR3' が夫々メチル(ハロゲン化されていてもよい)であり、又はR3 及びR3' はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロプロピル環又はシクロブチル環(夫々ハロゲン化されていてもよい)を形成し、
R4 が水素であり、
R5が下記の基から選ばれ、
【化7】

R6が水素又はC1-3 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-3 アルキル又はC3-6 シクロアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
環Aが下記の環であり、
【化8】

R3 及びR3' がメチルであり、
R6 が水素又はC1-2 アルキルであり、
R7 及びR8 が夫々C1-2 アルキルである、請求項3記載の化合物。
【請求項7】
環Aが下記の環であり、
【化9】

R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にチオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、インドリル及び2-アザ-スピロ[4.5]デカ-2-イルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキル、C1-3 アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンで置換されていてもよく、夫々の環置換基が更に可能な箇所でハロゲン化されていてもよい、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
環Aが
【化10】

である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R1 及びR2 はそれらが結合されている窒素原子と一緒にモルホリニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選ばれた環を形成し、夫々が1〜3個のC1-3 アルキルで置換されていてもよい、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R2 がシクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル又はピペリジニルであり、夫々が独立に1〜2個の置換基(C1-3 アルキル及びC1-2 アルキルスルホニルから選ばれる)で置換されていてもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項11】
R2 がCF3-CH2-CH2-CH2-、CH3-CH2-CH2(CH3)-、シクロプロピル-CH2-、ヒドロキシルシクロヘキシル、テトラヒドロフラニル-CH2-であり、
環Aが
【化11】

であり、
R5
【化12】

であり、
R7 及びR8 が環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項12】
R2がヒドロキシルシクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ヒドロキシルピロリジニル又はメチルスルホニルピロリジニルであり、
環Aが
【化13】

であり、
R5
【化14】

であり、
R7 及びR8 が環化してC3-7 シクロアルキル環を形成してもよく、
R1 及びR2 が環化してピペリジニル、メチルスルホニルピペリジニルを形成してもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項13】
定義:環A、R1、R2、R3、R3'、R4、R5、R6、R7、R8、R9、m、環B、及びnが請求項1に定義されたとおりであり、かつR7 及びR6 が環化して4-6 員複素環を形成してもよい、一般式(I) の化合物。
【請求項14】
式(II)
【化15】

(II)
の化合物又はその医薬上許される塩。
[式中、式(II) の下記の基が表中の欄A1-A42から選ばれ、
【化16】

かつ、式(II) の下記の基が表中の欄B1-B22から選ばれ、
【化17】

但し、欄BがB3、B13 又はB22 である場合には、AがA20 、A23 、A38 又はA42 である必要があることを条件とする]
【化18】









【請求項15】
下記の化合物から選ばれた化合物又はその医薬上許される塩。
【化19】













【請求項16】
治療有効量の請求項1又は15記載の化合物及び一種以上の医薬上許される担体及び/又はアジュバントを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項17】
治療有効用量の請求項1又は15記載の化合物を投与することを特徴とする痛みの治療方法。
【請求項18】
治療有効用量の請求項1又は15記載の化合物を投与することを特徴とする肺疾患、リウマチ疾患、自己免疫疾患、筋骨格疾患、アレルギー性疾患、アレルギー反応、脈管疾患、皮膚疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、胃腸疾患、神経変性眼疾患、耳、鼻、及び喉の疾患、神経疾患、血液疾患、腫瘍、内分泌疾患、臓器及び組織の移植及び移植片対宿主疾患、ショックの重度の状態、急性の痛み、内臓痛、胃腸道又は子宮の痙攣、仙痛、神経痛、炎症性かつ痛覚の痛み、癌の痛み、頭痛、再狭窄、アテローム硬化症、潅流障害、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱損傷、トラウマに二次的な多発性臓器損傷、壊死性全腸炎並びに血液透析、ロイコフェレシス、及び顆粒球輸注と関連する症候群、サルコイドーシス、歯肉炎並びに発熱から選ばれた疾患又は症状の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−530138(P2012−530138A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516122(P2012−516122)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/037697
【国際公開番号】WO2010/147792
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】