説明

CB2受容体モジュレーターとしてのピリジン誘導体

本発明は新規ピリジン誘導体、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびカンナビノイド受容体の活性の増加または減少によって直接または間接的に起こる疾患、特に、疼痛の治療におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は新規ピリジン誘導体、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびカンナビノイド受容体の活性の増加または減少によって直接または間接的に起こる疾患、特に、疼痛の治療におけるそれらの使用に関する。
【0002】
カンナビノイドは、約60種類の異なる分子を包含するインド大麻(Cannabis sativa)に存在する特定のクラスの精神活性化合物であり、最も代表的なものは、カンナビノール、カンナビジオールおよびテトラヒドロカンナビノールの数種類の異性体である。大麻の治療活性についての知見は、5000年前の中国の古代王朝に遡り、そこでは、大麻が喘息、片頭痛およびいくつかの婦人科障害の治療に用いられていた。これらの使用は後に確立されてきて、1850年頃には大麻抽出物が米国薬局方に収載され、1947年までそのまま収載されていた。
【0003】
カンナビノイドは種々の系および/または器官に異なる影響を引き起こすことが知られており、最も重要なものは中枢神経系および心血管系に対するものである。これらの影響としては記憶および認識における変化、多幸感および鎮静が挙げられる。カンナビノイドはまた心拍数を増加させ、全身の動脈圧を変化させる。気管支収縮、免疫調節および炎症に関連する末梢の影響もまた観察されている。カンナビノイドの眼内圧減少能ならびに呼吸器系および内分泌系に影響を及ぼす能力もよく報告されている。例えば、L.E. Hollister, Health Aspects of Cannabis, Pharmacological Reviews, Vol. 38, pp. 1-20, (1986)を参照。より最近では、カンナビノイドが細胞性および体液性免疫応答を抑制し、抗炎症性を示すことが見出された。Wirth et al., Antiinflammatory Properties of Cannabichrome, Life Science, Vol. 26, pp. 1991-1995, (1980)を参照。
【0004】
上記の利益にもかかわらず、大麻の治療的使用はその精神活性的な作用(依存症および耽溺を引き起こす)のためおよび未だ完全には解明されていない多種多様な副作用のために議論の余地がある。この分野における研究は1940年代から継続されてきたが、カンナビノイドの末梢作用は直接媒介されるのであってCNS作用に二次的なものではないということを示す証拠は、受容体の特徴付け不足および内在性カンナビノイドリガンドに関する情報不足によって、ならびに最近までは受容体サブタイプ選択的化合物の不足によって制限されていた。
【0005】
第1のカンナビノイド受容体は、主に、脳、神経細胞系、およびより低い程度ではあるが末梢レベルに位置することが見出された。その位置を考慮して、それは中枢受容体(「CB1」)と呼ばれた。Matsuda et al.,“Structure of a Cannabinoid Receptor and Functional Expression of the Cloned cDNA,”Nature, Vol. 346, pp. 561-564 (1990)を参照。第2のカンナビノイド受容体(「CB2」)は、脾臓において同定され、カンナビノイドの非精神活性作用を調節すると想定された。Munro et el., “Molecular Characterization of a Peripheral Receptor for Cannabinoids,”Nature, Vol. 365, pp. 61-65 (1993)を参照。
【0006】
最近、どちらのカンナビノイド受容体に対してもアゴニストとして作用する能力を有するいくつかの化合物が調製されてきた。例えば、緑内障の治療におけるジヒドロキシピロール−(1,2,3−d,e)−1,4−ベンゾオキサジンの誘導体の使用および種々の神経病理、片頭痛、癲癇、緑内障などの治療における免疫調節薬または向精神薬としての1,5−ジフェニル−ピラゾールの誘導体の使用が知られている。各々、米国特許第5,112,820号およびEP576357を参照。しかしながら、これらの化合物はCB1およびCB2受容体のどちらに対する活性もあるので、それらは深刻な精神活性作用を引き起こす可能性がある。
【0007】
上記の記載および免疫系におけるCB2受容体の優先的な局在性は、異なる供給源の刺激に対する免疫および抗炎症応答の調節におけるCB2の特異的な役割を確かなものとする。
【0008】
疼痛をわずらっている患者集団の全体の大きさは膨大(ほとんど3億人)であり、背痛、変形性関節症痛および術後痛をわずらっている患者が優位を占める。神経因性疼痛(糖尿病、HIV、ヘルペス感染または脳卒中発作によって誘発されるようなニューロン病変と関連)は癌痛と同様に低いが、依然としてかなりの罹患率で起こっている。
【0009】
疼痛症状を起こす発病メカニズムは2つの主要なカテゴリー:
炎症性組織応答の成分であるもの(炎症性疼痛);
ある形態のニューロン病変に起因するもの(神経因性疼痛)
に分類することができる。
【0010】
慢性炎症性疼痛は主に変形性関節症、慢性腰痛および関節リウマチからなる。疼痛は急性および進行性の傷害および/または炎症に起因する。自然発生的疼痛および誘発性疼痛のどちらもあり得る。
【0011】
生理学的過剰興奮性およびさらにこの過剰興奮性を増強する炎症媒介物質の放出の結果として、根本的な病理学的過敏性がある。CB2受容体は、炎症細胞(T細胞、B細胞、マクロファージ、マスト細胞)において発現され、細胞相互作用/炎症媒介物質放出の阻害を介して免疫抑制を媒介する。CB2受容体はまた知覚神経終末において発現されることもあり、したがって、痛覚過敏を直接阻害することもある。
【0012】
免疫調節、炎症、骨粗鬆症、心血管疾患、腎疾患および他の疾患症状におけるCB2の役割は現在研究されている。カンナビノイドが異なる機能的作用を調節する能力を有する受容体に対して作用するという事実を考えて、そして、CB2とCB1との間のホモロジーの低さを考慮すると、特異的受容体サブタイプに選択的な薬物のクラスを開発することの重要性は明らかである。現在入手可能な天然または合成カンナビノイドはどちらの受容体に対する活性もあるのでこの機能を満足しない。
【0013】
上記に基づいて、カンナビノイドに対する受容体を選択的に調節する能力、および、したがって、かかる受容体に関連する病態を選択的に調節する能力を有する化合物が必要とされている。かくして、CB2モジュレーターは、免疫障害、炎症、骨粗鬆症、腎虚血および他の病態生理学的症状の薬物療法に対する独特のアプローチを提供する。
【0014】
本発明は、式(I)で示される新規なピリジン誘導体およびその医薬上許容される誘導体、これらの化合物または誘導体を含有する医薬組成物、および種々の障害の治療に有用なCB2受容体モジュレーターとしてのその使用を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、ヒトを包含する動物におけるCB2受容体によって媒介される疾患を治療する方法であって、かかる治療を必要とする動物に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む、方法を含む。
【0016】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
Yは置換されていないかまたは1、2もしくは3個の置換基で置換されているフェニルであり;
1は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキルから選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって置換されていてもよい4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
3は4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル基、C3−8シクロアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖状C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、C2−10アルキニル、またはC3−8シクロアルキニル(これらはいずれも置換されていないかまたは置換されていてもよい)であるか、またはR5であり;
4は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化2】

(ここで、pは0、1または2であり、XはCH2、O、またはSである)であり;
6は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R10は水素であるか、またはR10は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R6は水素であり;
7はOH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR9、NHSO29またはSOq9であり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
9はC1−6アルキルであり;
qは0、1または2である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0017】
一の特定の実施態様において、Yは置換フェニルである。一の特定の実施態様において、Yは1または2個の置換基によって置換されている。一置換されている場合、一の特定の実施態様において、置換基は3位にある。
【0018】
Yが置換されている場合、置換基は好ましくはC1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロ、C1−6アルキルスルホニル基、−CONH2、−NHCOCH3または−COOHから選択される。また、置換基はハロ置換C1−6アルコキシ、SO2NR8a8b(ここで、R8aおよびR8bは上記にて定義したとおりである)またはC1−6アルキニルから選択され得る。一の特定の実施態様において、Yはハロ、シアノ、メトキシ、トリフルオロメトキシまたはメチルによって置換されている。
【0019】
本発明のさらなる態様は式(Ia):
【化3】

[式中、
1は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキルから選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニル、アザピン、オキサピン、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルおよびアザチアシクロオクタニル(これらはいずれも置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3およびNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)から選択される非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
3は2−もしくは3−アゼチジニル、オキセタニル、チオオキセタニル、チオオキセタニル−s−オキシド、チオオキセタニル−s,s−ジオキシド、ジオキサアラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシド、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル−s,s−ジオキシド、テトラヒドロピリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロ−チオピラン−1,1−ジオキシド、アザピン、オキサピン、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニル、アザチアシクロオクタニル、オキサシクロオクタニル、チアシクロオクタニル、C3−8シクロアルキル基、直鎖または分枝鎖状C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、C2−10アルキニル、またはC3−8シクロアルキニルであるか、またはR5であり;これらはいずれも置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3およびNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
4は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化4】

(ここで、pは0、1または2であり、XはCH2、OまたはSである)であり;
6は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R10は水素であるか、またはR10は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R6は水素であり;
7はOH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR9、NHSO29またはSOq9であり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
9はC1−6アルキルであり;
11はC1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、C1−6アルキルスルホニル基、−CONH2、−NHCOCH3、−COOH、ハロ置換C1−6アルコキシ、SO2NR8a8bまたはC1−6アルキニルであり;
qは0、1または2であり;
dは0、1、2、または3である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体である。
【0020】
一の特定の実施態様において、R1は水素である。
【0021】
一の特定の実施態様において、R4はC1-6アルキルまたは水素であり、より好ましくは、メチルまたは水素であり、さらにより好ましくは水素である。
【0022】
一の特定の実施態様において、XはCH2またはOである。
【0023】
1およびR2が、それらが結合しているNと一緒になって、置換されている4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル環を形成する場合、または、R3が置換されている場合、それらは、好ましくはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロまたはスルホニル基から選択される1、2または3個の置換基で置換され得る。加えて、任意の置換基はメチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3またはNHSO2CH3(ここで、R8aおよびR8bは式(I)について定義したとおりである)から選択され得る。
【0024】
6またはR10が置換アルキル基である場合、それらはヒドロキシ、C1−6アルコキシ、シアノ、ハロ、NR8a8b、CONR8a8b、SO2NR8a8b、NR8aCOR8bまたはNR8aSO28b、好ましくはヒドロキシまたはフッ素から選択される1、2または3個の置換基で置換され得る。
【0025】
一の特定の実施態様において、R1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって置換されていてもよい5員または6員非芳香族ヘテロサイクリル環を形成する。
【0026】
一の特定の実施態様において、R6は置換もしくは非置換(C1−6)アルキル、クロロまたはCHxn(ここで、nは1、2、または3であり、xは0、1または2であり、nとxの和は3である)であり、R10は水素であるか、またはR10は置換もしくは非置換(C1−6)アルキル、クロロまたはCHxn(ここで、nは1、2、または3であり、xは0、1または2であり、nとxの和は3である)であり、R6は水素である。
【0027】
一の特定の実施態様において、R6はt−ブチル、イソプロピルまたはCHxnであり、より好ましくは、R6はイソプロピルまたはCHxnであり、さらにより好ましくは、イソプロピルまたはCF3であり、R10は水素であるか、またはR10はt−ブチル、イソプロピルまたはCHxnであり、より好ましくは、R10はイソプロピルまたはCHxnであり、より好ましくは、イソプロピルまたはCF3であり、R6は水素である。
【0028】
一の特定の実施態様において、R10は水素である。
【0029】
一の特定の実施態様において、R7はOHである。
【0030】
一の特定の実施態様において、R5
【化5】

(ここで、pは0、1または2である)である。
【0031】
一の特定の実施態様において、R3が置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基または置換されていてもよい4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリルである場合、mは1である。
【0032】
一の特定の実施態様において、R3は置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基または置換されていてもよい4員もしくは6員非芳香族ヘテロサイクリルである。
【0033】
一の特定の実施態様において、R1およびR2が、それらが結合しているNと一緒になって、置換されていてもよいヘテロサイクリル環を形成する場合、該環はピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニルおよびテトラヒドロピリジニルから選択され得る。
【0034】
一の特定の実施態様において、R3が置換されていてもよい非芳香族ヘテロサイクリル基である場合、ジオキサアラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシド、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキサニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、チオモルホリニル−s,s−ジオキシドおよびテトラヒドロピリジニルから選択される。
【0035】
本発明のさらなる態様は、式(Ib):
【化6】

[式中、
1は水素から選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になってピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニル(これらはいずれも置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3およびNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)を形成し;
3はジオキサアラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシド、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル−s,s−ジオキシド、ジオキサニル、テトラヒドロピリジニル、C3−8シクロアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖状C1−10アルキル(これらはいずれも置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3またはNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)であるか;またはR5であり;
4は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化7】

であり;
6は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
11はC1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、C1−6アルキルスルホニル基、−CONH2、−NHCOCH3、−COOH、ハロ置換C1−6アルコキシ、SO2NR8a8bまたはC1−6アルキニルであり;
dは0、1、2、または3である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体である。
【0036】
別法として、式(I)で示される化合物は式(Ic):
【化8】

[式中、
Yは1、2または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
1は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキルから選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって置換されていてもよい5員または6員非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
3は置換されていてもよい4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル基、置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖状C1−10アルキルまたはR5であり;
4は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化9】

(ここで、pは0、1または2である)であり;
6は(C1−6)アルキル、クロロまたはCHxn(ここで、nは1、2、または3であり、xは0、1または2であり、nとxの和は3である)であり、R10は水素であるか、またはR10は(C1−6)アルキル、クロロまたはCHxn(ここで、nは1、2、または3であり、xは0、1または2であり、nとxの和は3である)であり、R6は水素であり;
7はOH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR9、NHSO29、SOq9であり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
9はC1−6アルキルであり;
qは0、1または2である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体から選択され得る。
【0037】
一の特定の実施態様において、該化合物はCB1に対するよりもCB2に対して選択的である。好ましくは、該化合物は100倍選択的であり、すなわち、式(I)で示される化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値がクローン化ヒトカンナビノイドCB1受容体でのEC50値の少なくとも100倍であるか、またはCB1受容体での有効性が10%未満である。
【0038】
本発明は、特記しない限り、以下の定義を用いて記載される。
【0039】
「医薬上許容される誘導体」なる語は、式(I)で示される化合物のいずれもの医薬上許容される塩、エステル、かかるエステルの塩もしくは溶媒和物、またはレシピエントにの投与されると式(I)で示される化合物またはその活性な代謝産物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供することのできるいずれもの他の化合物を意味する。
【0040】
式(I)で示される化合物が該化合物における官能基のいずれかにおいてその医薬上許容される誘導体を提供するように修飾されてもよいこと、および式(I)で示される化合物が2つ以上の位置で誘導体化されてもよいことは、当業者に明らかであろう。
【0041】
医薬的使用については、上記の塩は生理学上許容される塩であるが、他の塩は例えば式(I)で示される化合物およびその生理学上許容される塩の調製に有用であることは明らかであろう。医薬上許容される塩としては、Berge, Bighley and Monkhouse, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19によって記載されるものが挙げられる。「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩基および有機塩基を包含する医薬上許容される非毒性の塩基から調製される塩を表す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛などが挙げられる。医薬上許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン、自然発生の置換アミンを包含する置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトロメタミンなどの塩が挙げられる。本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機酸および有機酸を包含する医薬上許容される非毒性の酸から調製されうる。かかる酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0042】
医薬上許容される塩の好ましい例としては、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩、ならびにマレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモン酸、コハク酸、塩酸、硫酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アルパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、リン酸および硝酸から形成される塩が挙げられる。
【0043】
「ハロゲンまたはハロ」なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示すために使用される。
【0044】
「アルキル」なる用語は、基または基の一部として、直鎖もしくは分枝鎖アルキル基またはその組み合わせ、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、1,1−ジメチルエチル、またはその組み合わせを意味する。
【0045】
「アルコキシ」なる用語は、基または基の一部として、鎖と結合した酸素原子を有する直鎖、分枝鎖または環状鎖アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ基、ペントキシ、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシまたはシクロヘキシルオキシ基を意味する。
【0046】
「シクロアルキル」なる用語は閉環非芳香族炭素環、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル、またはシクロオクチルを意味する。
【0047】
「アルケニル」なる用語は、基または基の一部として、1つまたはそれ以上の二重結合を含有する直鎖または分枝鎖状の炭素鎖またはその組み合わせ、例えば、エテニル、n−プロペニル、i−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルまたはその組み合わせを意味する。
【0048】
「シクロアルケニル」なる用語は1つまたはそれ以上の二重結合を含有する閉環非芳香族炭素環、例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルまたはシクロヘプテニル、またはシクロオクテニルを意味する。
【0049】
「アルキニル」なる用語は、基または基の一部として、1つまたはそれ以上の三重炭素結合を含有する直鎖状または分枝鎖状の炭素鎖またはその組み合わせ、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルまたはその組み合わせを意味する。
【0050】
「シクロアルキニル」なる用語は1つまたはそれ以上の三重結合を含有する閉環芳香族炭素環、例えば、シクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニルまたはシクロヘプチニル、またはシクロオクチニルを意味する。
【0051】
1およびR2が、それらが結合しているNと一緒に結合して、置換されていてもよいヘテロサイクリル環を形成する場合、該環は1、2、3または4個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよい。該環は飽和であってもまたは不飽和であってもよい。好ましくは、さらなるヘテロ原子は酸素、窒素または硫黄から選択される。4員ヘテロサイクリル環の例はアゼチジニルである。5員ヘテロサイクリル環の例としてはピロリジニルが挙げられる。6員ヘテロサイクリル環の例はモルホリニル、ピペラジニルまたはピペリジニルである。さらなる例はテトラヒドロピリジニルである。7員ヘテロサイクリル環の例はアザピンまたはオキサピンである。8員ヘテロサイクリル環の例はアザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルまたはアザチアシクロオクタニルである。
【0052】
3が置換されていてもよい非芳香族ヘテロサイクリル基である場合、該環は1、2、3、または4個のヘテロ原子を含有してもよい。好ましくは、該ヘテロ原子は酸素、窒素または硫黄から選択される。4員の基の例は2−もしくは3−アゼチジニル、オキセタニル、チオオキセタニル、チオオキセタニル−s−オキシドおよびチオオキセタニル−s,s−ジオキシドである。この場合の5員ヘテロサイクリル基の例としてはジオキサアラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチオフェニルが挙げられる。加えて、それはテトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシドであり得る。6員ヘテロサイクリル基の例はモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニルおよびチオモルホリニル−s,s−ジオキシドである。さらなる例はテトラヒドロピリジニル、ジオキサニル、およびテトラヒドロ−チオピラン−1,1−ジオキシドである。7員ヘテロサイクリル環の例はアザピンまたはオキサピンである。8員の基の例はアザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルまたはアザチアシクロオクタニル、オキサシクロオクタニル、またはチアシクロオクタニルである。
【0053】
一の特定の実施態様において、本発明の化合物は
6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(3−ブロモ−フェニル−アミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−6−(3−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ニコチンアミド;
4−tert−ブチル−6−(2,4−ジ−クロロ−フェニルアミノ)−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(3−クロロ−4−シアノ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(3,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(2−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(3,5−ジフルオロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド;
6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド;および
その医薬上許容される誘導体
から選択され得る。
【0054】
式(I)で示される化合物はスキーム1に記載されるように製造され得る:
スキーム1
【化10】

ここで、Lは脱離基、例えば、ハロであり、PGは保護基、例えば、メチル、エチルまたはベンジルであり、R1、R3、R4、R6、R10、mおよびYは式(I)で示される化合物について定義したとおりである。
【0055】
別法として、式(I)で示される化合物はスキーム2に示されるように製造され得る。
スキーム2
【化11】

ここで、Lは脱離基、例えば、ハロ、例えば、クロロであり、R1、R2、R4およびYは式(I)で示される化合物について定義したとおりである。
【0056】
さらにまた、式(I)で示される化合物は、R10が非置換もしくは置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R6が水素である場合、スキーム3に示されるように製造され得る。
スキーム3
【化12】

ここで、Lは脱離基、例えば、ハロゲン、例えば、クロロであり、R1、R2、Y、R4は式(I)で示される化合物について定義したとおりである。
【0057】
さらにまた、式(I)で示される化合物は、R10が非置換もしくは置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R6が水素である場合、スキーム4に示されるように製造され得る。
スキーム4
【化13】

ここで、Lは脱離基、例えば、ハロゲン、例えば、クロロであり、R1、R2、Y、R4は式(I)で示される化合物について定義したとおりである。
【0058】
本発明は、式(I)で示される化合物の全ての異性体およびその医薬上許容される誘導体を包含し、全ての幾何、互変および光学形態およびその混合物(例えば、ラセミ混合物)を包含することが理解されるべきである。付加的なキラル中心が式(I)で示される化合物に存在する場合、本発明はその範囲内に全ての可能なジアステレオマー(その混合物を包含)を包含する。常法によって異なる異性形態の一つを他から分離または分割してもよく、または通常の合成方法または立体特異的合成もしくは不斉合成によって、所定の異性体を得てもよい。
【0059】
本発明はまた、1個またはそれ以上の原子が天然において通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されているという事実を除けば式Iおよびそれ以降の式で示される化合物と同一である、同位体で標識した化合物を包含する。本発明の化合物中に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、3H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0060】
上記の同位体および/または他の原子の同位体を含有する本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩は本発明の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば、3H、14Cのような放射性同位体がその中に組み込まれた化合物は薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、3H、および炭素−14、すなわち、14C同位体はそれらの調製し易さおよび検出能力のために特に好ましい。11Cおよび8F同位体はPET(陽電子放射型断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体はSPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影法)において特に有用であり、全て、脳画像化において有用である。さらに、ジュウテリウム、すなわち、2Hのようなより重い同位体での置換はより大きな代謝安定性に起因するある特定の治療的利益、例えば、イン・ビボ半減期の増加または必要な投与量の減少を提供することができ、したがって、ある状況では望ましいことがある。本発明の式Iおよびそれ以降の式で示される同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって、スキームおよび/または下記の実施例に記載される方法を行うことによって調製できる。
【0061】
式(I)で示される化合物は結晶または非結晶形態で調製されてもよく、結晶の場合、所望により、水和化または溶媒和化されてもよい。本発明は、その範囲内に、化学量論量の水和物または溶媒和物ならびに可変量の水および/または溶媒を含有する化合物を包含する。
【0062】
本発明の化合物は、CB2受容体に選択的に結合し、したがって、CB2受容体媒介疾患を治療するのに有用である。
【0063】
それらのCB2受容体との結合能を考慮すると、本発明の化合物は下記の障害の治療に有用でありうる。かくして、式(I)で示される化合物は鎮痛剤として有用でありうる。例えば、それらは疾患修飾および関節構造保存の特性を包含する慢性炎症性疼痛(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎に関連した疼痛)の治療;筋骨格疼痛;腰および頚の疼痛;捻挫および挫傷;神経因性疼痛;交感神経性に維持される疼痛;筋炎;癌および線維筋痛症に関連した疼痛;片頭痛に関連した疼痛;インフルエンザまたは感冒のような他のウイルス感染症に関連した疼痛;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良のような機能的腸障害、非心臓性胸痛および過敏性大腸症候群に関連した疼痛;心筋虚血に関連する疼痛;術後疼痛;頭痛;歯痛;および月経困難症、慢性痛、歯の痛覚(dental pain algesia)、骨盤痛、脳卒中発作後痛および月経痛の治療において有用でありうる。
【0064】
本発明の化合物はまた、多発性硬化症、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎における疾患修飾または関節構造保存にも有用でありうる。
【0065】
本発明の化合物は神経因性疼痛の治療に特に有用でありうる。神経因性疼痛症候群はニューロン損傷に続いて発症することがあり、結果として起こる疼痛は何ヶ月もまたは何年もの間、本来の損傷が治癒した後であっても持続することがある。ニューロン損傷は末梢神経、後根、脊髄、または脳における特定領域において起こりうる。神経因性疼痛症候群は伝統的にはそれらを引き起こした疾患または事象にしたがって分類される。神経因性疼痛症候群としては、糖尿病性ニューロパシー;坐骨神経痛;非特異性腰痛;多発性硬化症疼痛;線維筋痛;HIV関連ニューロパシー;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;および物理的外傷、切断、癌、毒素または慢性炎症症状に起因する疼痛が挙げられる。これらの症状は治療が困難であり、限られた効力を有するいくつかの薬物が知られているが、完全な疼痛管理が達成されることはめったにない。神経因性疼痛の徴候は信じられないほど不均一であり、しばしば、自然発生的な激痛および電撃痛、または継続している灼熱痛として描写される。さらに、「しびれの直りかけのピリピリ感(pins and needles)」のような通常の無痛性感覚に関連する疼痛(知覚異常および感覚不全)、接触に対する感受性増大(知覚過敏症)、非侵害性刺激後の有痛性感覚(動的、静的または熱的異痛症)、侵害刺激に対する感受性増大(熱的、寒冷的、機械的痛覚過敏)、刺激除去後の痛覚の継続(痛覚過敏)または選択的感覚経路の不在もしくは該経路における欠損(痛覚鈍麻)がある。
【0066】
式(I)で示される化合物はまた発熱の治療においても有用でありうる。
【0067】
式(I)で示される化合物はまた炎症の治療、例えば、皮膚症状(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);眼病、例えば、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎および眼組織に対する急性傷害(例えば、結膜炎);肺障害(例えば、喘息、気管支炎、気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸困難症候群、鳩飼病、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD));咳、胃腸管障害(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、痘瘡状胃炎(gastritis varialoforme)、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性大腸症候群、炎症性腸疾患、胃食道逆流症嘔吐、食道炎、臓器移植;炎症要素を伴う他の症状、例えば、血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性エリテマトーデス、腱炎、滑液包炎、およびシェーグレン症候群の治療においても有用でありうる。
【0068】
式(I)で示される化合物はまた膀胱炎後の膀胱反射亢進の治療においても有用であり得る。
【0069】
式(I)で示される化合物はまた、免疫疾患、例えば、自己免疫疾患、免疫不全症の治療または臓器移植においても有用である。式(I)で示される化合物はまた、HIV感染の潜伏期間を長くするのにも有用である。
【0070】
式(I)で示される化合物はまた、異常な血小板機能の疾患(例えば、閉塞性血管疾患)の治療においても有用である。
【0071】
式(I)で示される化合物はまた、神経炎、胸焼け、嚥下障害、骨盤過敏症、尿失禁、膀胱炎または掻痒症の治療においても有用である。
【0072】
式(I)で示される化合物はまた、利尿作用を有する薬物の調製にも有用である。
【0073】
式(I)で示される化合物はまた、性交不能症または勃起不全の治療においても有用である。
【0074】
式(I)で示される化合物はまた、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID's)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の血行力学的副作用を緩和するのにも有用である。
【0075】
式(I)で示される化合物はまた、神経変性疾患および神経変性、例えば、認知症、特に変性認知症(老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト−ヤコブ病、運動ニューロン疾患を包含);血管性認知症(多発梗塞性認知症を包含);ならびに頭蓋内空間占有性病変に関連した認知症;外傷;感染および関連症状(HIV感染を包含);パーキンソン病における認知症;代謝;毒素;無酸素症およびビタミン欠乏症;および加齢に関連した軽度認知障害、特に、年齢関連記憶障害の治療においても有用である。該化合物はまた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および神経炎の治療にも有用である。
【0076】
式(I)で示される化合物はまた、神経防護において、および脳卒中発作、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷または脊髄損傷などに続いて起こる神経変性の治療においても有用である。
【0077】
式(I)で示される化合物はまた耳鳴の治療においても有用である。
【0078】
式(I)で示される化合物はまた、精神病、例えば、統合失調症、うつ病(本明細書において、精神病性特徴、緊張病性特徴、うつ病性特徴、非定型特徴もしくは産後発症を伴うかまたは伴わない、双極性うつ病、単極性うつ病、単発性もしくは反復性大うつ病エピソード、季節性情動障害、非定型特徴を伴うかまたは伴わない早発性または遅発性の気分変調障害、神経症うつ病および社会恐怖症、例えばアルツハイマー型の認知症に付随的なうつ病、うつ病型分裂情動性障害、および心筋梗塞、糖尿病、流産または堕胎などを包含するがそれらに限定されるものではない一般的な医学的症状に起因する抑うつ性障害を包含するものとして使用される)、不安障害(汎発性不安障害および社会的不安障害を包含)、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害、認知症、健忘性障害および年齢関連記憶障害を包含する記憶障害、神経性食欲不振症および神経性大食症を包含する摂食行動の障害、性的機能不全、睡眠障害(概日リズムの妨害、睡眠異常、不眠症、睡眠時無呼吸およびナルコレプシーを包含)、コカイン、エタノール、ニコチン、ベンゾジアゼピン、アルコール、カフェイン、フェンシクリジン(フェンシクリジン様化合物)、アヘン剤(例えば、大麻、ヘロイン、モルヒネ)、アンフェタミンまたはアンフェタミン関連薬物(例えば、デキストロアンフェタミン、メチルアンフェタミン)またはその組み合わせのような薬物の乱用からの離脱の治療においても有用である。
【0079】
式(I)で示される化合物はまた、依存症誘発性薬剤に対する依存の予防または軽減、または該薬剤に対する耐性または逆耐性の予防または軽減にも有用である。依存症誘発性薬剤の例としては、オピオイド(例えば、モルヒネ)、CNS抑制剤(例えば、エタノール)、覚醒剤(例えば、コカイン)およびニコチンが挙げられる。
【0080】
式(I)で示される化合物はまた、腎不全(腎炎、特に、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能不全(肝炎、肝硬変)、胃腸障害(下痢)および大腸癌の治療においても有用である。
【0081】
式(I)で示される化合物は膀胱炎後の膀胱反射亢進の治療に有用であり得る。
【0082】
治療に対する言及は、特に他に明記されない限り、確立された徴候の治療および予防的治療の両方を包含すると理解されるべきである。
【0083】
本発明のさらなる態様によると、発明者らはヒトまたは獣医学用医薬において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0084】
本発明の別の態様によると、発明者らはカンナビノイド2受容体の活性によって媒介される症状の治療において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0085】
本発明のさらなる態様によると、発明者らはカンナビノイド2受容体の活性によって媒介される症状をわずらっているヒトまたは動物対象の治療方法であって該対象に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0086】
本発明のさらなる態様によると、発明者らは免疫障害、炎症性障害、疼痛、関節リウマチ、多発性硬化症、変形性関節症または骨粗鬆症をわずらっているヒトまたは動物対象の治療方法であって該対象に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法を提供する。好ましくは、疼痛は、炎症性疼痛、内臓痛、癌痛、神経障害性疼痛、腰痛、筋骨格疼痛、術後疼痛、急性痛および片頭痛から選択される。より好ましくは、炎症性疼痛は関節リウマチまたは変形性関節症に関連した疼痛である。
【0087】
本発明の別の態様により、免疫障害、炎症性障害、疼痛、関節リウマチ、多発性硬化症、変形性関節症または骨粗鬆症のような症状の治療または予防のための治療薬の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0088】
好ましくは、疼痛は炎症性疼痛、内臓痛、癌痛、神経因性疼痛、腰痛、筋骨格疼痛、術後疼痛、急性痛および片頭痛から選択される。より好ましくは、炎症性疼痛は関節リウマチまたは変形性関節症に関連した疼痛である。
【0089】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体をヒトおよび他の哺乳動物の治療に使用するために、それは通常、標準的な製薬習慣にしたがって医薬組成物として処方される。したがって、本発明の別の態様において、ヒトまたは獣医学用医薬において使用するのに適応した式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物が提供される。
【0090】
本明細書で用いられる場合、「モジュレーター」なる語は、アンタゴニスト、完全または部分アゴニストおよびインバースアゴニストのいずれもを意味する。一の具体例において、該モジュレーターはアゴニストである。
【0091】
本明細書で用いられる場合、「治療」または「治療する」なる用語は、確立した障害の治療を含み、また、その予防も含む。「予防」なる用語は、本明細書において、すでに罹患した対象の症状の予防または罹患した対象の症状の再発の予防を意味し、罹患の完全な予防に限定されるものではない。
【0092】
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体は、示された疾患の治療のための標準的な方法において、例えば、経口、非経口、舌下、皮膚、鼻腔内、経皮、直腸、吸入またはバッカル投与によって投与されうる。
【0093】
経口により投与される場合に活性である式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の組成物は、シロップ剤、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として処方することができる。シロップ製剤は、一般に、例えばフレーバー剤もしくは着色料を含有する、エタノール、落花生油、オリーブ油、グリセリンまたは水のような液体担体中における化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の剤形である場合、固形製剤を調製するのに慣用的に使用されるいずれの医薬担体を用いてもよい。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、白土、タルク、ゼラチン、アカシア、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびシュークロースが挙げられる。組成物がカプセル剤の剤形である場合、いずれの慣用的なカプセル封入も適当であり、例えば、上記の担体を用いてハードゼラチンカプセルシェルに封入する。組成物がソフトゼラチンカプセル剤の剤形である場合、分散液または懸濁液の調製に慣用的に使用されるいずれかの医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、珪酸塩または油が考えられ、ソフトゼラチンカプセルシェルに配合される。
【0094】
典型的な非経口組成物は、非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油を含有していてもよい滅菌水性または非水性担体中における化合物または誘導体の溶液または懸濁液からなる。
【0095】
吸入のための典型的な組成物は、乾燥粉末として、またはジクロロジフルオロメタンもしくはトリクロロフルオロメタンのような慣用の噴霧剤を用いるエアゾール剤の剤形で投与されうる溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態である。
【0096】
典型的な坐剤製剤は、この方法で投与した場合に活性な式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体ならびに結合剤および/または滑沢剤、例えば、グリコール重合体、ゼラチン、カカオ脂または他の低融点植物性ワックスもしくは脂肪またはその合成アナログを含む。
【0097】
典型的な皮膚および経皮製剤は慣用的な水性または非水性ビヒクルを含むものであり、例えば、クリーム、軟膏、ローションまたはペーストであるか、または薬用硬膏剤、パッチ剤または膜剤の剤形である。
【0098】
好ましくは、組成物は単位投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤または定量型エアゾール剤であり、それにより患者は単一投与量を投与できる。
【0099】
経口投与のための各投与単位は、適当には、遊離酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を0.01mg/kg〜500mg/kg、例えば0.1mg〜500mg/kg、好ましくは0.01mg〜100mg/kg、例えば1mg/kg〜100mg/kgを含有し、非経口投与のための各投与量単位は、適当には、0.1mg〜100mg/kgを含有する。鼻腔内投与のための各投与量単位は、一人あたり適当には、1〜400mg、好ましくは、10〜200mgを含有する。局所製剤は、適当には、式(I)で示される化合物を0.01〜5.0%含有する。
【0100】
経口投与のための一日の投与方針は、適当には、遊離酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が約0.01mg/kg〜40mg/kgである。非経口投与のための一日の投与方針は、適当には、遊離の酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が約0.001mg/kg〜40mg/kgである。鼻腔内投与および経口吸入のための一日の投与方針は、適当には、約10〜約500mg/人である。活性成分は所望の活性を示すのに十分な、一日に1〜6回投与されてもよい。
【0101】
本発明の化合物をナノ粒子として調製することは有益でありうる。これにより化合物の経口バイオアベイラビリティーが改善されうる。本発明の目的の場合、「ナノ粒子」は粒子の50%が1μm未満、より好ましくは0.75μm未満の粒度を有する固形粒子として定義される。
【0102】
式(I)で示される化合物の固形粒子の粒度はレ−ザー回析によって測定されうる。レーザー回析による粒度の測定に適当な機械はQUIXEL分散ユニットを装着したHELOS光学ベンチを用いるLecotracレーザー粒度分析器である。
【0103】
ナノ粒子形態の固形粒子の合成法は数多く知られている。典型的には、これらの方法は、微粉砕法、好ましくは、いったん形成されたナノ粒子の凝集および/または結晶成長を阻害する表面修飾剤の存在下における湿式微粉砕法を含む。別法では、これらの方法は、沈殿法、好ましくは、薬物の非水性溶媒中溶液から水性媒体中に沈殿させる方法を含みうる。
【0104】
したがって、さらなる態様において、本発明は、微粉砕または沈殿を含む、上記で定義されたようなナノ粒子形態の化合物(I)の調製法を提供する。
【0105】
ナノ粒子形態の固形粒子の調製のための代表的な方法は下記の特許および公報において記載される。
Violanto & Fischerの米国特許第4,826,689号、Liversidge et alの米国特許第5,145,684、
Na & Rajagopalanの米国特許第5,298,262号、Liversidge et alの米国特許第5,302,401号、
Na & Rajagopalanの米国特許第5,336,507号、Illig & Sarpotdarの米国特許第5,340,564号、
Na Rajagopalanの米国特許第5,346,702号、Hollister et alの米国特許第5,352,459号、
Lovrecichの米国特許第5,354,560号、Courteille et alの米国特許第5,384,124号、Juneの米国特許第5,429,824号、Ruddy et alの米国特許第5,503,723号、Bosch et alの米国特許第5,510,118号、Bruno et alの米国特許第5,518号、Eickhoff et alの米国特許第5,518,738号、De Castroの米国特許第5,534,270号、Canal et alの米国特許第5,536,508号、Liversidge et alの米国特許第5,552,160号、Eickhoff et alの米国特許第5,560,931号、Bagchi et alの米国特許第5,560,932号、Wong et alの米国特許第5,565,188号、Eickhoff et alの米国特許第5,571,536号、Desieno & Stetskoの米国特許第5,573,783号、Ruddy et alの米国特許第5,580,579号、Ruddy et alの米国特許第5,585,108号、Wongの米国特許第5,587,143号、Franson et alの米国特許第5,591456号、Wongの米国特許第5,622,938号、Bagchi et alの米国特許第5,662,883号、Bagchi et alの米国特許第5,665,331号、Ruddy et alの米国特許第5,718,919号、Wiedmann et alの米国特許第5,747,001号、WO93/25190、WO96/24336、WO 97/14407、WO 98/35666、WO 99/65469、WO 00/18374、WO 00/27369、WO 00/30615 および WO 01/41760。
【0106】
かかる方法はナノ粒子形態の化合物(I)の調製に容易に適応させることができる。かかる方法は本発明のさらなる態様を形成する。
【0107】
本発明の方法は、好ましくは、化合物のナノ粒子形態を製造するために、分散ミルのようなミルにて行われる湿式微粉砕工程を用いる。本発明は、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, Chapter 2,“Milling”p.45 (1986)において記載されるような慣用の湿式微粉砕技術を用いて実行してもよい。
【0108】
さらなる精製において、WO02/00196(SmithKline Beecham plc)には、ナノ粒子形態の薬物物質の固形粒子の調製において使用するための、表面の少なくとも一部が1種類またはそれ以上の内部滑沢剤を含むナイロン(ポリアミド)でできているミルを用いる湿式微粉砕法が記載されている。
【0109】
別の態様において、本発明は、WO02/00196に記載のように、少なくとも1つのチャンバーおよび攪拌手段を有するミル中において化合物の懸濁液を湿式微粉砕することを含む、ナノ粒子形態の本発明の化合物の調製法であって、該チャンバーおよび/または攪拌手段が潤滑化されたナイロンを含むものである、ナノ粒子形態の本発明の化合物の調製法を提供する。
【0110】
湿式微粉砕において使用するための本発明の化合物の懸濁液は、典型的には、液体媒体中における粗粒化合物の懸濁液である。「懸濁液」なる語は化合物が本質的には液体媒体に溶解しないことを意味する。代表的な液体媒体としては水性媒体が挙げられる。本発明の方法を用いると、本発明の粗粒化合物の平均粒度は直径1mmまでであり得る。これにより、有利には、化合物を前処理する必要が回避される。
【0111】
本発明のさらなる態様において、微粉砕に付すべき水性媒体は、化合物(I)を約1%〜約40%w/w、好ましくは約10%〜約30%w/w、より好ましくは約20%w/w含む。
【0112】
水性媒体は、さらに、立体安定化およびその後の微粉砕後の化合物(I)の医薬組成物への例えばスプレー乾燥による加工に適当な1種類またはそれ以上の医薬上許容される水溶性担体を含んでいてもよい。立体安定化およびスプレー乾燥に最も適当な医薬上許容される賦形剤は、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートなどのような界面活性剤;セルロース、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような安定剤;および炭水化物、例えば、マンニトールのような担体である。
【0113】
本発明のさらなる態様において、微粉砕に付すべき水性媒体は、さらに、約0.1〜約10%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいてもよい。
【0114】
本発明の方法は、その後に、粉末を得るために本発明の化合物を乾燥する工程を含んでいてもよい。
【0115】
したがって、さらなる態様において、本発明は、ナノ粒子形態の式(I)で示される化合物を製造し、次いで、所望により、乾燥させて粉末を得ることを含む、本発明の化合物を含有する医薬組成物の調製法を提供する。
【0116】
本発明のさらなる態様は、ナノ粒子形態の固形粒子において存在する式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を1種類またはそれ以上の医薬上許容される担体または賦形剤と混合して含む医薬組成物である。
【0117】
「乾燥」とは、式(I)で示される化合物を液体懸濁液または溶液に維持するための工程の間に使用されたいずれかの水または他の液体ビヒクルの除去を意味する。この乾燥工程は凍結乾燥、スプレー造粒またはスプレー乾燥を包含する当該技術分野で知られているいずれの乾燥法であってもよい。これらの方法のうちスプレー乾燥が特に好ましい。これらの技術の全ては当該分野でよく知られている。微粉砕した組成物のスプレー乾燥/流動床造粒は、最も適当には、Mobile Minor Spray Dryer[デンマーク国のNiro]のようなスプレー乾燥器、またはドイツ国のGlattによるもののような流動床乾燥器を用いて行われる。
【0118】
さらなる態様において、本発明は、式(I)で示される化合物の固形粒子を湿式微粉砕し、次いで、得られた懸濁液をスプレー乾燥することによって得ることができる、乾燥粉末形態の、上記にて定義した医薬組成物を提供する。
【0119】
好ましくは、上記にて定義した医薬組成物は、さらに、15%w/w未満、好ましくは0.1〜10%w/wの範囲のHPMCを含む。
【0120】
本発明において用いるためのCB2受容体化合物は、他の治療薬、例えば、COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、デラコキシブ(deracoxib)、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブまたはCOX−189;5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAID's、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトンまたはイブプロフェン;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARD's、例えば、メトトレキサート;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネル遮断剤、例えば、ラモトリジン;NMDA受容体モジュレーター、例えば、グリシン受容体アンタゴニスト;ガバペンチンおよび関連化合物;三環式抗うつ剤、例えば、アミトリプチリン;ニューロン安定性抗癲癇薬;モノアミン作動性取り込み阻害剤、例えば、ベンラファキシン;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔薬;5HT1アゴニスト、例えば、トリプタン、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタン;EP1受容体リガンド;EP4受容体リガンド;EP2受容体リガンド;EP3受容体リガンド;EP4アンタゴニスト;EP2アンタゴニストおよびEP3アンタゴニスト;ブラジキニン受容体リガンドおよびバニロイド受容体リガンド、抗関節リウマチ薬、例えば、抗TNF薬、例えば、エンブレル、レミケード、抗IL−1薬、またはDMARDS、例えば、レフルナミド(leflunamide)と組み合わせて使用してもよい。該化合物を他の治療薬と組み合わせて使用する場合、該化合物は、いずれかの好都合な経路によって連続的または同時に投与すればよい。
【0121】
付加的なCOX−2阻害剤は、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,633,272号;米国特許第5,466,823号、米国特許第6,310,099号および米国特許第6,291,523号;およびWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374において開示される。
【0122】
本発明の化合物は、5HT3アンタゴニスト、NK−1アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環式抗うつ剤および/またはドーパミン作動性抗うつ剤のような他の活性物質と組み合わせて投与することができる。
【0123】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当な5HT3アンタゴニストとしては、例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミドが挙げられる。
【0124】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なセロトニンアゴニストとしては、スマトリプタン、ロウウォルスシン(rauwolscine)、ヨヒンビン、メトクロプラミドが挙げられる。
【0125】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なSSRIsとしては、フロキセチン、シタロプラム、フェモキセチン(femoxetine)、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン(indalpine)、セルトラリン、ジメルジン(zimeldine)が挙げられる。
【0126】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なSNRIsとしては、ベンラファキシンおよびレボキセチンが挙げられる。
【0127】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当な三環式抗うつ剤としては、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミンおよびノルトリプチリンが挙げられる。
【0128】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なドーパミン作動性抗うつ剤としては、ブプロピオンおよびアミネプチンが挙げられる。
【0129】
上記の組み合わせまたは組成物の化合物を同時に(同じまたは異なる医薬処方において)、別々にまたは逐次的に投与してもよいことは明らかであろう。
【0130】
かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体とさらなる治療剤とを含む組み合わせを提供する。
【0131】
上記の組み合わせは、好都合には、医薬処方の形態における使用のために提供されてもよく、かくして、上記の組み合わせと医薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬処方は本発明のさらなる態様を構成する。かかる組み合わせの個々の成分は、別々または一緒にした医薬処方において、連続的または同時に投与してもよい。
【0132】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が同じ病態に対する活性がある第二の治療剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の投与量は、該化合物の単独使用の場合と異なっていてもよい。当業者であれば適当な投与量は容易に明らかであろう。
【0133】
カンナビノイドCB1受容体アゴニスト活性の測定
下記の実験方法に従って式(I)で示される化合物のカンナビノイドCB1受容体アゴニスト活性を測定した。
【0134】
実験方法
ヒトカンナビノイドCB1受容体を発現している酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))細胞を、酵母MMY23株のura3染色体座中への発現カセットの組み込みによって作成した。このカセットは、酵母GPDプロモーターがCB1の5’末端側に隣接し、酵母転写ターミネーター配列がCB1の3’末端側に隣接するヒトCB1受容体をコードしているDNA配列から構成された。MMY23は、Gpa1のC末端5アミノ酸がヒトGαi3のC末端5アミノ酸に置き換わっている酵母/哺乳動物キメラG−タンパク質アルファサブユニットを発現する(Brown et al. (2000), Yeast 16:11-22に記載のように)。ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠く液体Synthetic Complete(SC)酵母培地(Guthrie and Fink (1991), Methods in Enzymology, Vol. 194)中にて30℃で細胞を後期対数期まで増殖させた(約6OD600/ml)。
【0135】
アゴニストをDMSO中10mMストックとして調製した。DMSO中3〜5倍希釈(BiomekFX、Beckman)を用いてEC50値(50%最大応答を生じるのに必要な濃度)を概算した。DMSO中におけるアゴニスト溶液(1%最終アッセイ容量)をNUNCからの黒色透明底マイクロタイタープレート(96ウェルまたは384ウェル)中に移した。10mM 3−アミノトリアゾール、0.1Mリン酸ナトリウムpH7.0および20μMフルオレセインジ−β−D−グルコピラノシド(FDGlu)を加えた、ヒスチジン、ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠くSC培地中に細胞を0.2OD600/ml密度で懸濁させた。該混合物(384ウェルプレートの場合は50μl/ウェル、96ウェルの場合は200μl/ウェル)をアッセイプレート(Multidrop 384、Labsystems)中のアゴニストに加えた。30℃で24時間インキュベートした後、アゴニスト刺激性細胞増殖の間に生じた内在性酵母酵素であるエキソグルカナーゼによるFDGluのフルオレセインへの分解に起因する蛍光を、Spectrofluorマイクロタイタープレートリーダー(Tecan;励起波長:485nm;発光波長:535nm)を用いて測定した。蛍光を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・フィットを用いて曲線の当て嵌めを繰り返し行って濃度効果値を得た。効力(Emax)は、方程式:
Emax=Max[化合物X]−Min[化合物X]/Max[HU210]−Min[HU210]×100%
[式中、Max[化合物X]およびMin[化合物X]は、それぞれ、化合物Xの濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値であり、Max[HU210]およびMin[HU210]は、それぞれ、(6aR,10aR)−3−(1,1'−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール(HU210;Tocrisから入手可能)の濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値である]
から算出された。等有効モル比(EMR)値は、方程式:
EMR=EC50[化合物X]/EC50[HU210]
[式中、EC50[化合物X]は化合物XのEC50であり、EC50[HU210]はHU210のEC50である]
から算出された。
この方法に従って試験された実施例の化合物はクローン化ヒトカンナビノイドCB1受容体でのEC50値が>30,000nMであった。
【0136】
カンナビノイドCB2受容体アゴニスト活性の測定
下記の実験方法に従って式(I)で示される化合物のカンナビノイドCB2受容体アゴニスト活性を測定した。
【0137】
実験方法
ヒトカンナビノイドCB2受容体を発現している酵母(サッカロミセス・セレビシエ)細胞を、酵母MMY23株のura3染色体座中への発現カセットの組み込みによって作成した。このカセットは、酵母GPDプロモーターがCB2の5'末端側に隣接し、酵母転写ターミネーター配列がCB2の3'末端側に隣接するヒトCB2受容体をコードしているDNA配列から構成された。MMY23は、Gpa1のC末端5アミノ酸がヒトGαi3のC末端5アミノ酸に置き換わっている酵母/哺乳動物キメラG−タンパク質アルファサブユニットを発現する(Brown et al. (2000), Yeast 16:11-22に記載のように)。ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠く液体Synthetic Complete(SC)酵母培地(Guthrie and Fink (1991), Methods in Enzymology, Vol. 194)中にて30℃で細胞を後期対数期まで増殖させた(約6OD600/ml)。
【0138】
アゴニストをDMSO中10mMストックとして調製した。DMSO中3〜5倍希釈(BiomekFX、Beckman)を用いてEC50値(50%最大応答を生じるのに必要な濃度)を概算した。DMSO中におけるアゴニスト溶液(1%最終アッセイ容量)をNUNCからの黒色透明底マイクロタイタープレート(96ウェルまたは384ウェル)中に移した。10mM 3−アミノトリアゾール、0.1Mリン酸ナトリウムpH7.0および20Mフルオレセインジ−β−D−グルコピラノシド(FDGlu)を加えた、ヒスチジン、ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠くSC培地中にて細胞を0.2OD600/ml密度で懸濁した。該混合物(384ウェルプレートの場合は50μl/ウェル、96ウェルの場合は200μl/ウェル)をアッセイプレート(Multidrop 384、Labsystems)中のアゴニストに加えた。30℃で24時間インキュベートした後、アゴニスト刺激性細胞増殖の間に生じた内在性酵母酵素であるエキソグルカナーゼによるFDGluのフルオレセインへの分解に起因する蛍光を、Spectrofluorマイクロタイタープレートリーダー(Tecan;励起波長:485nm;発光波長:535nm)を用いて測定した。蛍光を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・フィットを用いて曲線の当て嵌めを繰り返し行って濃度効果値を求めた。効力(Emax)は、方程式:
【0139】
Emax=Max[化合物X]−Min[化合物X]/Max[HU210]−Min[HU210]×100%
[式中、Max[化合物X]およびMin[化合物X]は、それぞれ、化合物Xの濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値であり、Max[HU210]およびMin[HU210]は、それぞれ、(6aR,10aR)−3−(1,1'−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール(HU210;Tocrisから入手可能)の濃度効果曲線から当てはめられた最大および最小値である]
から算出された。等有効モル比(EMR)値は、方程式:
【0140】
EMR=EC50[化合物X]/EC50[HU210]
[式中、EC50[化合物X]は化合物XのEC50であり、EC50[HU210]はHU210のEC50である]
から算出された。
【0141】
この方法に従って試験された実施例1〜38、50〜55、69〜93、104〜172、204、208〜220、223、224、234〜279、293、295〜297の化合物はクローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値が<300nMであり、効力値が>50%であった。
【0142】
この方法に従って試験された実施例39〜45、56〜62、94〜102、173〜177、280〜292、294および298〜304の化合物はクローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値が<1000nMであり、効力値が>50%であった。
【0143】
この方法に従って試験された実施例46〜49、63〜68、103、178〜203、205〜207、222、225〜233および305の化合物はクローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値が>1000nMであり、および/または効力値が<50%であった。
【0144】
この方法に従って試験された実施例221の化合物はクローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値が300〜1000nMであり、効力値が<30%であった。
【0145】
以下の実施例は例示的なものであり、本発明の実施態様を制限するものではない。
【0146】
本明細書において以下のように表す略語を使用する。
MDAPは質量特異的自動精製を表す;
THFはテトラヒドロフランである;
DCMはジクロロメタンを表す;
DMSOはジメチルスルホキシドを表す;
TFAはトリフルオロ酢酸を表す。
【0147】
全てのNMR実験データは特記しない限り400MHzで記録された。
【0148】
質量特異的自動精製に使用された条件、ハードウェアおよびソフトウェア
ハードウェア
Waters 600勾配ポンプ、Waters 2700サンプルマネージャー、Waters Reagent Manager、Micromass ZMD質量分析計、Gilson 202−フラクションコレクター、Gilson Aspec−廃液コレクター
【0149】
ソフトウェア
Micromass Masslynxバージョン3.5
【0150】
カラム
使用カラムは、典型的には、内径10mm×長さ100mmの寸法のSupelco ABZ+カラムである。固定相粒度は5μmである。
【0151】
溶媒
A.水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B.有機溶媒=MeCN:水(95:5)+0.05%ギ酸
メイクアップ溶媒=MeOH:水(80:20)+50mMol酢酸アンモニウム
針リンス溶媒=MeOH:水:DMSO(80:10:10)
【0152】
方法
目的化合物の分析保持時間に依存する5つの方法を用いる。
それらは全て流速が20ml/分であり、実行時間が10分の勾配に次ぐ5分のカラム洗浄および再平衡化工程からなる15分である。
方法1 MDAP 1.5−2.2 = 0−30%B
方法2 MDAP 2.0−2.8 = 5−30%B
方法3 MDAP 2.5−3.0 = 15−55%B
方法4 MDAP 2.8−4.0 = 30−80%B
方法5 MDAP 3.8−5.5 = 50−90%B
【0153】
Biotage Horizon Systemを用いる精製に用いた方法
カラム:Biotage C18HS 25+S
フラクション体積:9ml; UV閾値:0.03AU
溶媒A=水、B=アセトニトリル;勾配:
体積(ml) A B
0 70% 30%
240 0% 100%
【0154】
記載例1: 6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル
6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル(0.7g、Fluorochemから)および3−クロロアニリン(0.62mL)の混合物を120℃で6時間加熱した。反応混合物を固化し、粗製結晶をそれ以上精製せずに次工程に用いた。
LC−MS(ESI+):t=10.20分、(MH+)331および333。
【0155】
記載例2: 6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸・塩酸塩
6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル(記載例1)(1.0g)のエタノール(5mL)中懸濁液に水酸化カリウム(510mg)の水(5mL)中溶液を添加し、該溶液を還流下にて30分間撹拌した。エタノールを減圧除去した後、該混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタンで2回洗浄した。濃塩酸を添加してpHを1に調節し、沈殿した固体を濾過し、60℃で真空乾燥させて6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸をその塩酸塩として得た(0.62g)。
LC−MS(ESI+):t=8.51分、(MH+)317および319。
【0156】
記載例3: 6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド
【化14】

窒素下にて0℃で6−クロロニコチノイルクロリド(1.5g、Lancasterから)の乾燥ジクロロメタン(15ml)中溶液にシクロヘキサンメタンアミン(1.11ml、Lancasterから)およびトリエチルアミン(1.5ml)の乾燥ジクロロメタン(15ml)中溶液を1時間にわたって滴下した。該溶液を0℃で1時間攪拌した。ジクロロメタンを減圧除去し、酢酸エチル(30ml)を添加した。該溶液を水(3×20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミドを得た(1.96g)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.54(1H,m)、1.55−1.75(5H,m)、3.11(2H,t)、7.64(1H,d)、8.23(1H、d of d)、8.69(1H,t)、8.82(1H,s)。
LC/MS t=2.9分、観察された分子イオン[MH+] 253、分子式C131735ClN2Oと一致
【0157】
記載例4: 6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化15】

0℃で窒素下にて6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド(記載例3)(0.89g)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリドの2M溶液(5.3ml、Aldrichから)を滴下し、該溶液を室温で15時間攪拌した。それを0℃に冷却し、乾燥メタノール(0.86ml)を滴下し、該溶液を15分間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(0.88g)を添加し、該混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、約6mlに減圧蒸発させた。残留液体を50℃に加温し、t−ブチルメチルエーテル(20ml)を添加した。該混合物を還流下にて1時間攪拌し、次いで、室温で1時間攪拌し、濾過した。濾液を蒸発させ、残留物を、酢酸エチル:イソヘキサン(1:4)を用いるBiotageクロマトグラフィー(Merck 9385シリカゲル)処理により精製して6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミドを得た(886mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.19(6H,d)、1.50(1H,m)、1.55−1.75(5H,m)、3.08(2H,t)、3.22(1H,m)、7.53(1H,s)、8.24(1H,s)、8.57(1H,t)。
LC/MS、t=3.2分、観察された分子イオン[MH+]=295、分子式C162335ClN2Oと一致。
【0158】
記載例5: 6−クロロ−N−シクロブチルメチル−ニコチンアミド
【化16】

記載例3と同様の方法で6−クロロニコチノイルクロリド(1.9g、Lancasterから)、C−シクロブチル−メチルアミン・塩酸塩(1.52g)、およびトリエチルアミン(3.4ml)から製造して標記化合物を得た(2.02g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.71(2H,m)、1.82(2H,m)、1.99(2H,m)、2.52(1H,m 過剰)、3.31(2H,t)、7.64(1H,d)、8.22(1H,d of d)、8.71(1H,t)、8.81(1H,d)。
LC/MS t=2.51分、観察された分子イオン[MH+]=225、分子式C111335ClN2Oと一致
【0159】
記載例6: 6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化17】

記載例4と同様の方法で6−クロロ−N−シクロブチルメチル−ニコチンアミド(記載例3)(2.00g)、およびTHF中2.0Mイソプロピルマグネシウムクロリド(13.5ml)から製造して標記化合物を得た(1.31g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.19(6H,d)、1.72(2H,m)、1.82(2H,m)、1.98(2H,m)、2.50(1H,m 過剰)、3.20(1H,m)、3.27(2H,t)、7.53(1H,s)、8.23(1H,s)、8.58(1H,t)。
LC/MS t=3.07分、[MH+]=267、分子式C141935ClN2Oと一致
【0160】
記載例7: 6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化18】

記載例5と同様の方法で6−クロロニコチノイルクロリド(1.90g)およびC−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メチルアミン(1.65g)から標記化合物を得た(1.46g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.1−1.25(2H,m)、1.60(2H,d)、1.79(1H,m)、3.17(2H,t)、3.26(2H,t)、3.83(2H、d of d)、7.64(1H,d)、8.23(1H、d of d)、8.75(1H,t)、8.82(1H,s)。
LC/MS t=2.1分、[MH+] 255、分子式C121535ClN22と一致
【0161】
記載例8: 6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化19】

記載例4と同様の方法で、6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例7)(1.46g)およびテトラヒドロフラン中2.0Mイソプロピルマグネシウムクロリド(8.5ml)から標記化合物を得た(624mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.1−1.25(2H,m)、1.19(6H,d)、1.60(2H,d)、1.75(1H,m)、3.14(2H,t)、3.21(1H,m)、3.27(2H,t)、3.85(2H、d of d)、7.54(1H,d)、8.26(1H,s)、8.63(1H,t)。
LC/MS t=2.4分、[MH+] 297、分子式C152135ClN22と一致
【0162】
記載例9: 6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−ニコチンアミド
【化20】

記載例3と同様の方法で、6−クロロニコチノイルクロリド(0.50g)およびシクロペンタンメチルアミン・塩酸塩(385mg)から標記化合物を得た(534mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.2−1.3(2H,m)、1.45−1.65(4H,m)、1.65−1.75(2H,m)、2.13(1H,m)、3.20(2H,t)、7.64(1H,d)、8.23(1H、d of d)、8.74(1H,t)、8.82(1H,s)。
LC/MS t=2.7分、[MH+] 239、分子式C121535ClN2Oと一致
【0163】
記載例10: 6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化21】

記載例4と同様の方法で、6−クロロ−N−シクロペンチル−ニコチンアミド(記載例9)(532mg)およびテトラヒドロフラン中2.0Mイソプロピルマグネシウムクロリド(3.4ml)から標記化合物を得た(166mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.19(6H,d)、1.2−1.3(2H,m)、1.45−1.65(4H,m)、1.65−1.75(2H,m)、2.10(1H,m)、3.17(2H,t)、3.21(1H,m)、7.53(1H,s)、8.23(1H,s)、8.61(1H,t)。
LC/MS t=3.1分、[MH+] 281、分子式C152135ClN2Oと一致。
【0164】
記載例11: 1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−1−モルホリン−4−イル−メタノン
【化22】

記載例4と同様の方法で、1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−1−モルホリン−4−イル−メタノン(534mg、参考文献:米国特許出願2002183309 (2002))、およびテトラヒドロフラン中2.0Mイソプロピル−マグネシウムクロリド(3.6ml)から標記化合物を得た(169mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.19(6H,t)、2.89(1H,m)、3.1−3.25(2H,m)、3.45(1H,m)、3.55−3.75(5H,m)、7.60(1H,s)、8.26(1H,s)。
LC/MS t=2.3分、[MH+] 269、分子式C131735ClN22と一致
【0165】
記載例12: 6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸
【化23】

0℃で窒素下にて6−クロロニコチン酸(Aldrich)(6.0g)の乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中溶液にテトラヒドロフラン中2Mイソプロピルマグネシウムブロミド(48ml)を1時間にわたって滴下し、該溶液を0℃で3時間攪拌し、次いで、室温で15時間攪拌した。それを−60℃に冷却し、酢酸(48ml)、テトラヒドロフラン(40ml)および酢酸マンガン(III)・二水和物(20.4g)を連続的に添加した。該混合物を−70℃で30分間撹拌し、次いで、室温で1時間攪拌した。該懸濁液をCeliteで濾過し、濾液を減圧蒸発させた。残留物をジクロロメタン(150ml)と水(120ml)との間で分配させ、水性層を分取し、ジクロロメタン(2×50ml)で洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、減圧蒸発させ、イソヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィー処理した後、6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸を得た(2.31g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.21(6H,d)、3.76(1H,m)、7.60(1H,s)、8.67(1H,s)、13.55(1H,br s)。
LC/MS t=2.6分、[MH+] 200、分子式C91035ClNO2と一致
【0166】
記載例13: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸
【化24】

6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(記載例12)(0.50g)および3−クロロアニリン(265mg)の混合物を120℃で1.5時間撹拌した。イソプロパノールを添加し、該混合物を冷却した。不溶性固体を濾去し、イソプロパノールおよびエーテルで連続的に洗浄し、50℃で真空乾燥させて6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸を得た(0.51g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.19(6H,d)、3.93(1H,m)、6.85(1H,s)、6.99(1H,d)、7.31(1H,t)、7.53(1H,d)、8.00(1H,s)、8.64(1H,s)、9.73(1H,s)、12.6(1H,br s)。
LC/MS t=3.63分、[MH+] 291、分子式C151535ClNO2と一致
【0167】
記載例14: 4−tert−ブチル−6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド
【化25】

−70℃で窒素下にて6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例4)(0.50g)の乾燥テトラヒドロフラン(3ml)中撹拌溶液にヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(2.7ml)を滴下した。該溶液を15分間撹拌し、次いで、0℃に加温し、ヨウ化メチル(0.11ml)の乾燥テトラヒドロフラン(2ml)中溶液を添加し、次いで、さらに30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル(10ml)を添加した。該溶液を水(10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧蒸発させた。残留物を、イソヘキサン:酢酸エチル(17:3)を用いるシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製し、さらにMDAPにより精製して標記化合物を得た(83mg)。
NMR(CDCl3)δ 0.95−1.05(2H,m)、1.15−1.3(4H,m)、1.42(9H,s)、1.65−1.8(5H,m)、3.28(2H,t)、5.81(1H,br s)、7.36(1H,s)、8.21(1H,s)。
LC/MS t=3.6分、[MH+] 309、C172535ClN2Oと一致
【0168】
記載例15: 4−tert−ブチル−6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化26】

記載例14と同様の方法で、6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(1.0g)、ヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(2.7ml)およびヨウ化メチル(0.22ml)から、シリカゲルクロマトグラフィー処理し、イソヘキサン:酢酸エチル(1:1)で溶離し、MDAP精製した後、標記化合物を得た(116mg)。
NMR(CDCl3)δ 1.3−1.45(2H,m)、1.42(9H,s)、1.68(2H,d)、1.91(1H,m)、3.34(2H,t)、3.40(2H,t)、4.00(2H、d of d)、6.04(1H,br s)、7.36(1H,s)、8.18(1H,s)。
LC/MS t=2.4分、[MH+] 311、分子式C162335ClN22と一致
【0169】
記載例16: 4−アミノメチルテトラヒドロピラン−4−オール・塩酸塩
【化27】

窒素雰囲気下にてテトラヒドロフラン中1.0M水素化リチウムアルミニウムの溶液(20ml)に4−ヒドロキシテトラ−ヒドロピラン−4−カルボニトリル(0.50g、Eiden et al., Arch. Pharm., 320, 348, (1987)に記載されているように製造)のテトラヒドロフラン(2ml)中溶液を添加し、該溶液を還流下にて6時間攪拌した。水(1ml)および2N水酸化ナトリウム溶液(1ml)を注意深く添加し、得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄した。濾液を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ、残留物をエタノール(3ml)に溶解し、濃塩酸(0.5ml)を添加した。溶媒を減圧除去し、得られた固体をエーテルで洗浄し、40℃で真空乾燥させて標記化合物を得た(234mg)。
NMR(DMSO−d6)1.45−1.6(4H,m)、2.78(2H,q)、3.61(4H,m)、5.07(1H,br s)、7.89(3H,br s)。
【0170】
記載例17: 6−(2,3−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステル
【化28】

6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル(2.0g、8.37mmol、Fluorochemから)および2,3−ジクロロアニリン(4.06g、25mmol)の混合物を130℃で18時間加熱して標記化合物を得た。
MSm/z(ESI+):365、367および369(異性体性ピーク)(MH+)。
【0171】
記載例18: 6−(2,3−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸
【化29】

記載例17からの粗製混合物にKOH(1.4g、25mmol)のEtOH/H2O(1:1)20mL中溶液を添加し、得られた混合物を還流下にて3時間攪拌した。該溶液を真空濃縮し、水で希釈し、ジエチルエーテルで3回(3×15mL)洗浄した。水性層を37%HClでpH1に酸性化すると、標記化合物が塩酸塩として沈殿し、これを濾過し、真空乾燥させた。次いで、該固体(2.7g、7mmol)をPS−ジイソプロピルエチルアミン(1.80g、7mmol、負荷3.88mmol/g、Argonaut Technologiesから)の存在下にてジクロロメタン(20mL)に懸濁し、室温で30分間撹拌した。樹脂を濾過し、溶媒を真空蒸発させた後、標記化合物を白色固体として単離した(2.45g)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:13.17(s br,1H);9.61(s,1H);8.68(s,1H);7.88(dd,1H);7.44(dd,1H);7.42(s,1H);7.37(dd,1H)。
MS m/z(ESI+):351、353および355(異性体性ピーク)(MH+)。
【0172】
記載例19: 6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステル
【化30】

6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル(2.0g、8.37mmol、Fluorochemから)および2,4−ジクロロアニリン(4.05g、25mmol)の混合物を130℃で15時間加熱して標記化合物を得た。
MS m/z(ESI+):365、367および369(異性体性ピーク)(MH+)。
【0173】
記載例20: 6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸
【化31】

記載例19の生成物から記載例18と類似の方法で標記化合物を製造し、白色固体として単離した(2.62g)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:13.16(s br,1H);9.49(s,1H);8.67(s,1H);7.94(d,1H);7.67(d,1H);7.43(dd,1H);7.40(s,1H)。
MS m/z(ESI+):351、353および355(MH+)。
【0174】
記載例21: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステル
【化32】

6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル(2.5g、10.5mmol)および3−クロロアニリン(2.2mL、20.1mmol)の混合物を120℃で18時間加熱して標記化合物を得た。
MS m/z(ESI+):331(MH+)。
【0175】
記載例22: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸
【化33】

記載例21の生成物から記載例18と類似の方法で標記化合物を製造し、白色固体として単離した(1.5g)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:13.16(s br,1H);10.28(s,1H);8.80(s,1H);8.01(dd,1H);7.58(ddd,1H);7.35(dd,1H);7.28(s,1H);7.06(ddd,1H)。
MSm/z(ESI+):317(MH+)。
【0176】
記載例23: 4−アミノメチル−ピロリジン−2−オン
【化34】

−50℃で4−アミノメチル−1−ベンジル−ピロリジン−2−オン(0.3g、1.47mmol、CAS登録番号:97205−34−0)の液体アンモニア10mL中溶液にナトリウム(0.1g、4.34mmol)を滴下し、該混合物を−50℃で1時間攪拌した。EtOH(10mL)をゆっくりと添加し、反応混合物を室温に到達させ、室温で1時間攪拌した。溶媒を真空蒸発させて標記化合物を得(0.21g)、これをそれ以上は精製せずに上記酸とのカップリングに使用した。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:3.28(dd,1H);2.89(dd,1H);2.45(m,2H);2.18−1.93(m,2H);1.68(m,1H)。
【0177】
記載例25: 6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【化35】

4,4,4−トリフルオロアセト酢酸エチル(14.7mL、0.1mol、1.6当量)、アクリルアミド(4.5g、0.063mol、1.0当量)およびp−トルエンスルホン酸(0.156g、0.82mmol、0.013当量)のトルエン(60mL)中混合物を、水を共沸除去(ディーン−スターク条件)しながら38時間還流した。次いで、大気圧下にてトルエンをゆっくりと蒸留することにより反応混合物を少量に濃縮した。トルエン(60mL)を添加し、再度、トルエンをゆっくりと蒸留しながら反応混合物を濃縮した。この操作を3回繰り返した後、反応混合物を真空濃縮し、固体残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離勾配:ヘキサン/酢酸エチル(9:1)からヘキサン/酢酸エチル(8:2))により精製した。標記化合物を茶色がかった固体として得た(3.8g、収率=25%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:238、210、190。
【0178】
記載例26: 6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
【化36】

6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(記載例25)(4.7g、19.8mmol、1当量)およびN−ブロモスクシンイミド(3.51g、19.8mmol、1当量)の四塩化炭素15mL中溶液を還流下にて20時間加熱した。得られた沈澱物を濾過し、濾液を減圧濃縮して茶色がかった固体を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離勾配:ヘキサン/酢酸エチル(9:1)からヘキサン/酢酸エチル(8:2))により精製した。標記化合物を白色固体として得た(4.3g、収率=92%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:236。
【0179】
記載例27: 6−クロロ−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
【化37】

6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(記載例26)(2.6g、11.0mmol、1.0当量)およびジクロロリン酸フェニル(2.47mL、16.5mmol、1.5当量)の混合物をマイクロ波照射下にて30分間加熱した(170℃、仕事率=70W)。反応混合物を氷中に注ぎ、20分間撹拌し、酢酸エチル(50mL)で希釈した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(50mL)を添加することによりpHを10に調節し、次いで、有機層を分取し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。得られた固体残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離勾配:ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル(98:2))により精製して標記化合物1.7gを得た(収率=61%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:254および256。
【0180】
記載例28: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
【化38】

6−クロロ−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(記載例27)(1.4g、5.53mmol、1.0当量)および3−クロロアニリン(2.91mL、27.6mmol、5.0当量)の混合物を160℃で52時間加熱して黒色固体を得、これをそれ以上は精製せずに次工程に用いた。
LC−MS(ESI+)、MH+:345および347。
【0181】
記載例29: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸・塩酸塩
【化39】

粗製6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(記載例28)のエタノール(25mL)中混合物にKOH(1.18g)の水(25mL)中溶液を添加し、8時間還流した。エタノールを減圧蒸発させた後、反応混合物を水(35mL)で希釈し、ジエチルエーテル(200mL×5回)で繰り返し洗浄した。水性層を濃HClで処理してpHを3に調節し、塩酸塩として沈殿した標記化合物を濾過し、オーブン中にて40℃で乾燥させた(1.71g、記載例28および29の収率=87%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:317および319。
【0182】
記載例30: 3−アミノ−4−メチル−ペンタ−2−エン酸エチルエステル
【化40】

4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル(1.0g、6.32mol、1当量)のメタノール(10mL)中溶液に酢酸アンモニウム(2.44g、31.6mol、5当量)を添加し、該混合物を室温で3日間撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、固体残留物をジクロロメタン(20mL)と一緒にトリチュレートし、濾過した。次いで、濾液を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮して標記化合物を黄色油状物として得た(0.85g、収率=85%)。
【0183】
記載例31: 4−(1−アミノ−2−メチル−プロピリデン)−ペンタ−2−エン二酸5−エチルエステル1−メチルエステル
【化41】

3−アミノ−4−メチル−ペンタ−2−エン酸エチルエステル(記載例30)(5.0g、31.84mmol、1当量)およびメチルプロピオレート(3.08mL、36.8mmol、1.15当量)の乾燥DMSO(20mL)中溶液をマイクロ波照射下にて170℃で加熱した(1回目:20分、2回目:10分)。反応混合物を水(140mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL)で2回抽出した。有機相をNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、次いで、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して黄色固体9.5gを得、これをそれ以上は精製せずに次工程に用いた。
LC−MS(ESI+)、MH+:242、196。
【0184】
記載例32: 6−ヒドロキシ−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル
【化42】

粗製4−(1−アミノ−2−メチル−プロピリデン)−ペンタ−2−エン二酸5−エチルエステル1−メチルエステル(記載例31)(9.5g)の無水エタノール(100mL)中懸濁液に触媒量のナトリウムtert−ブトキシド(100mg)を添加し、得られた混合物を28時間還流した。溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチルに溶解し、次いで、NaHCO3(水溶液)で洗浄し、次いで、食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空濃縮して赤色がかった樹脂を得た。該樹脂をヘキサン/ジエチルエーテル(1:1)と一緒にトリチュレートして標記化合物を固体として得、これを濾過し、オーブン中にて乾燥させた(1.97g)。母液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離勾配:ヘキサン/酢酸エチル(9:1)からヘキサン/酢酸エチル(7:3))により精製して二回目の純粋な標記化合物を得た(1.6g、記載例31および32の合計収率=54%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:210。
【0185】
記載例33: 6−クロロ−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル
【化43】

6−ヒドロキシ−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル(記載例32)(1.0g、4.78mmol、1.0当量)およびジクロロリン酸フェニル(1.13mL、7.56mmol、1.5当量)の混合物をマイクロ波照射下にて170℃で1分間加熱した。反応混合物を氷水(25mL)中に注ぎ、20分間撹拌し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(50mL)を添加することによりpHを10に調節し、次いで、有機層を分取し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮して粗製標記化合物1.11gを黒色樹脂として得た(収率=99%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:228および230。
【0186】
記載例34: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル
【化44】

6−クロロ−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル(記載例33)(1.1g、4.84mmol、1.0当量)および3−クロロアニリン(1.54mL、14.5mmol、3.0当量)の混合物を120℃で4時間加熱して固体残留物を得、これをそれ以上は精製せずに次工程に用いた。
LC−MS(ESI+)、MH+:319および321。
【0187】
記載例35: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−ニコチン酸・塩酸塩
【化45】

粗製6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−ニコチン酸エチルエステル(記載例34)のエタノール(10mL)中混合物にKOH(1.08g)の水(10mL)中溶液を添加し、4時間還流した。エタノールを減圧蒸発させた後、反応混合物を水(15mL)で希釈し、ジエチルエーテル(40mL×4回)で繰り返し洗浄した。水性層を濃HClで処理してpHを1に調節し、塩酸塩として沈殿した標記化合物を濾過し、オーブン中にて40℃で乾燥させた(0.68g)。水性母液をNaCl(s)で処理し、酢酸エチル(30mL×3回)で繰り返し抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空蒸発させた。残留物を濃HClで処理し、沈殿した標記化合物を濾過し、オーブン中にて乾燥させた(0.681g、記載例34および35の合計収率=85%)。
LC−MS(ESI+)、MH+:291および293。
【0188】
記載例36: 6−クロロ−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−16−チオフェン−3−イルメチル)−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化46】

6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(記載例12)(100mg)のジメチルホルムアミド(7ml)中溶液にN−エチルモルホリン(0.22ml)、C−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−16−チオフェン−3−イルメチル)−メチルアミン・塩酸塩(111mg、参考文献:Argyle et al., J. Chem. Soc., (C), 2156, (1967))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(120mg)および1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(120mg)を連続的に添加した。該溶液を5時間攪拌し、一夜放置した。ジメチルホルムアミドを減圧除去し、酢酸エチル(20ml)を添加した。該溶液を5%重炭酸ナトリウム溶液(12ml)、水(12ml)および食塩水(2×12ml)で連続的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて標記化合物を得た(150mg)。
LC/MS t=2.1分、[MH+] 331、分子式C141935ClN23Sと一致。
【0189】
以下のとおりアミンの合成が文献に記載されているかまたは上記されている場合を除いて、実施例で用いた全てのアミンは商業的に入手可能である。
【0190】
文献公知のアミン
【表1】

【0191】
実施例1: 2−(3−クロロフェニルアミノ)−4−トリフルオロメチルピリジン−5−カルボン酸シクロヘキシルメチルアミド
【化47】

6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸・塩酸塩(記載例2)(0.2g)のジメチルホルムアミド(5mL)中溶液にN−メチルモルホリン(283μL)、4−アミノメチルシクロヘキサン(80μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(104mg)、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(118mg)を添加した。室温で6時間攪拌した後、ジメチルホルムアミドを減圧蒸発させ、ジクロロメタンを添加した。該溶液を炭酸カリウムの5%水溶液(5mL)で洗浄し、次いで、食塩水(2×3mL)で洗浄し、減圧蒸発させた。クロマトグラフィー精製(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル(8:2))により標記化合物を得た(35mg)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ 9.85(1H,s)、8.45(2H,m)、8.05(1H,s)、7.5(1H,d)、7.35(1H,t)、7.15(1H,s)、7.02(1H,d)、3.1(2H,t)、0.85−1.8(11H,m)。
MS m/z(EI+):411および413(MH+.)、328、315、299。
IR(KBr):3412cm-1、3309、2925、2852、1648。
【0192】
実施例2: 6−(3−クロロフェニルアミノ)−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピルニコチンアミド
【化48】

6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例4)(50mg)および3−クロロアニリン(90μl)の混合物をマイクロ波条件下にて190℃で20分間加熱した。酢酸エチル(5ml)を添加し、該溶液を希炭酸カリウム溶液(3ml)および水(3ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をイソヘキサンと一緒トリチュレートして標記化合物を得た(60mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.16(6H,d)、1.51(1H,m)、1.6−1.8(5H,m)、3.06(2H,t)、3.41(1H,m)、6.78(1H,s)、6.92(1H,d)、7.27(1H,t)、7.46(1H,d)、8.06(1H,t)、8.12(1H,s)、8.33(1H,t)、9.41(1H,s)。
LC/MS、t=3.7分、観察された分子イオン[MH+]=386、分子式C222835ClN3Oと一致。
【0193】
実施例3: N−シクロヘキシルメチル−6−(3,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化49】

6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例4)(50mg)、3,4−ジクロロアニリン(Aldrich)(33mg)、ナトリウムt−ブトキシド(46mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(3.2mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(2.6mg)およびジメトキシエタン(1ml)の混合物にマイクロ波条件下にて150℃で30分間照射した。溶媒を減圧蒸発させ、酢酸エチル(5ml)を添加した。該混合物を水(3ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物を質量特異的自動精製技法により精製して標記化合物を得た(12.0mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.16(6H,d)、1.51(1H,m)、1.6−1.8(5H,m)、3.06(2H,t)、3.41(1H,m)、6.80(1H,s)、7.50(2H,m)、8.13(1H,s)、8.25(1H,s)、8.35(1H,t)、9.62(1H,s)。
LC/MS t=3.9分、[MH+] 420、分子式C222735Cl23Oと一致
【0194】
実施例4: 6−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化50】

6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例4)(60mg)および3−ブロモアニリン(Aldrich)(0.5ml)の混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。該混合物をジクロロメタンに溶解し、10g SepPakカラムに通して過剰の3−ブロモアニリンを除去した。ジクロロメタン:エーテル(9:1)で溶離して粗製生成物を取り出し、これをMDAPによってさらに精製して標記化合物を得た(13.6mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.17(6H,d)、1.52(1H,m)、1.6−1.8(5H,m)、3.06(2H,t)、3.42(1H,m)、6.78(1H,s)、7.06(1H,d)、7.22(1H,t)、7.52(1H,d)、8.13(1H,s)、8.19(1H,s)、8.33(1H,t)、9.40(1H,s)。
LC/MS t=3.95分、[MH+] 430、分子式C222879BrN3Oと一致
【0195】
実施例5: N−シクロヘキシルメチル−6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化51】

6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例4)(50mg)、2,4−ジクロロアニリン(33mg)、ナトリウムt−ブトキシド(23mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(1.6mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(1.3mg)およびジメトキシエタン(1ml)の混合物を還流下にて18時間攪拌した。溶媒を減圧蒸発させ、酢酸エチル(5ml)を添加した。該混合物を水(3ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をMDAPによって精製して標記化合物を得た(12mg)。
NMR(DMSO−d6) δ 0.8−1.0(2H,m)、1.1−1.3(3H,m)、1.17(6H,d)、1.50(1H,m)、1.6−1.8(5H,m)、3.05(2H,t)、3.38(1H,m)、7.08(1H,s)、7.40(1H,d)、7.65(1H,s)、8.01(1H,s)、8.07(1H,d)、8.37(1H,t)、8.93(1H,br s)。
LC/MS t=3.8分、[MH+] 420、分子式C222735Cl23Oと一致
【0196】
実施例6: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化52】

6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例6)(80mg)および3−クロロアニリン(0.5ml)の混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。該混合物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、シリカゲルクロマトグラフィー処理した。ジクロロメタンで溶離し、次いで、ジクロロメタン/エーテル(5:1)で溶離することにより過剰のアニリンを除去して標記化合物を得た(38mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16(6H,m)、1.74(2H,m)、1.82(2H,m)、2.00(2H,m)、2.52(1H,m 過剰)、3.23(2H,t)、3.40(1H,m)、6.78(1H,s)、6.92(1H,d)、7.27(1H,t)、7.46(1H,d)、8.04(1H,s)、8.10(1H,s)、8.33(1H,t)、9.41(1H,s)
LC/MS t=3.65分、[MH+] 358、分子式C202435ClN3Oと一致
【0197】
表1
製造法A:表中に挙げられた反応温度および時間ならびに他のバリエーションを用いて、実施例2についてと同様。
製造法B:表中に示された反応温度および時間ならびに他のバリエーションを用いて、実施例3についてと同様。
製造法C:表中に示された反応温度および時間ならびに他のバリエーションを用いて、実施例6についてと同様。
精製法E:質量特異的自動精製技法により精製。
精製法F:粗製生成物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、該溶液をシリカゲルのSep−Packカラムに負荷した。これを、まず、ジクロロメタンで溶離し、次いで、ジクロロメタン/エーテル(5:1)で溶離して純粋な生成物を得た。
【0198】
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】


【表2−4】


【表2−5】

【0199】
表2
表2の実施例39〜45は、表中に示した反応温度および時間を用いて実施例2と同様の方法で製造された。第4欄のアスタリスクは製造法が実施例46で用いた方法と同一であったことを示しており、生成物を第5欄に示した方法により精製した。
精製法E:質量特異的自動精製技法による精製
精製法F:粗製生成物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、該溶液をシリカゲルのSep−Packカラムに負荷した。これを、まず、ジクロロメタンで溶離し、次いで、ジクロロメタン/エーテル(5:1)で溶離して純粋な生成物を得た。
【0200】
【表3−1】


【表3−2】

【0201】
実施例46: 6−[(3−フルオロ−フェニル)−メチル−アミノ]−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化53】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(89mg)、3−フルオロ−N−メチルアニリン(75mg)およびメタンスルホン酸(72mg)のジオキサン(1ml)中混合物をマイクロ波にて180℃で2時間加熱した。該混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液(20ml)および水(2×20ml)で洗浄し、油状物に蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン、次いで、ジクロロメタン/メタノール(10:1))により精製して固体を得、これをエーテル/イソヘキサン(1:1)と一緒にトリチュレートして標記化合物を得た(63mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.05(6H,d)、1.15(2H,m)、1.60(2H,d)、1.74(1H,m)、3.10(2H,t)、3.26(2H,m)、3.34(1H,m 過剰)、3.42(3H,s)、3.84(2H,m)、6.64(1H,s)、7.02(1H,m)、7.14(2H,m)、7.43(1H,q)、8.11(1H,s)、8.35(1H,t)。
LC/MS t=2.97分、観察された分子イオン[MH+]=386、分子式C2228FN32と一致
【0202】
表3
表3で製造した全ての実施例は、表中に示した反応時間のバリエーションおよび精製法を用いて実施例46について示したと同様の方法によって製造された。
精製法E:質量特異的自動精製技法による精製
精製法F:粗製生成物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、該溶液をシリカゲルのSep−Packカラムに負荷した。これを、まず、ジクロロメタンで溶離し、次いで、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶離して純粋な生成物を得た。
【0203】
【表4】

【0204】
実施例50: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化54】

6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸(記載例13)(48mg)のジメチルホルムアミド(2.5ml)中溶液にN−エチルモルホリン(69μl)、シクロブチルアミン(17μl)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(40mg)および1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(40mg)を連続的に添加した。該溶液を3時間攪拌し、一夜放置した。ジメチルホルムアミドを減圧除去し、酢酸エチル(8ml)を添加した。該溶液を5%重炭酸ナトリウム溶液(5ml)、水(5ml)および食塩水(2×5ml)で順次洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて標記化合物を得た(40mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16(6H,d)、1.65(2H,m)、1.99(2H,m)、2.2(2H,m)、3.40(1H,m)、4.35(1H,m)、6.77(1H,s)、6.92(1H,d)、7.28(1H,t)、7.46(1H,d)、8.06(1H,t)、8.13(1H,s)、8.56(1H,d)、9.42(1H,s)。
LC/MS t=3.51分、[MH+] 344、分子式C192235ClN3Oと一致
【0205】
表4、5、および6中の化合物を実施例50の製造に使用した方法により合成した。。
【0206】
表4
【表5】

【0207】
表5
【表6−1】


【表6−2】

【0208】
表6
【表7−1】


【表7−2】

【0209】
実施例69: 4−tert−ブチル−6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド
【化55】

4−tert−ブチル−6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド(記載例14)(41mg)、3−クロロアニリン(21μl)およびメタンスルホン酸(17μl)のジオキサン(0.5ml)中溶液にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。溶媒を減圧蒸発させ、残留物をMDAPにより精製して標記化合物を得た(35mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 0.85−1.0(2H,m)、1.1−1.25(3H,m)、1.35(9H,s)、1.55(1H,m)、1.6−1.8(5H,m)、3.03(2H,t)、6.87(1H,s)、6.92(1H,d)、7.27(1H,t)、7.46(1H,d)、7.95(1H,s)、8.03(1H,t)、8.36(1H,t)、9.39(1H,s)。
LC/MS t=4.20分、[MH+]、分子式C233035ClN3Oと一致
【0210】
表7
表7で製造した化合物は、表7に示された反応時間を用いて記載例14または記載例15の中間体から実施例69と同様の方法で製造された。
【0211】
【表8−1】


【表8−2】

【0212】
実施例75: 6−(3,5−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化56】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)、3,5−ジクロロアニリン(Aldrichから、109mg)、メタンスルホン酸(44μl)の1,4−ジオキサン(1ml)中混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。粗製混合物を、MDAPを使用して精製して6−(3,5−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミドを得た(50mg)。
NMR(CDCl3)δ 1.21−1.29(6H,m)、1.35−1.48(2H,m)、1.35−1.49(2H,m)、1.71(2H,d)、1.86−1.99(1H,m)、3.34−3.49(4H,m)、3.50−3.61(1H,m)、4.03(2H,d)、6.10(1H,bs)、6.75(1H,bs)、7.08(1H,bs)、7.10−7.16(1H,m)、7.41−7.45(2H,m)、8.26(1H,s)
【0213】
表8
製造法B:実施例3の製造法についてと同様
製造法G:実施例75の製造法についてと同様
精製法A:実施例2についてと同様のトリチュレーションによる精製
精製法E:質量特異的自動調製技法による精製
精製法H:実験セクションの始めに詳述したBiotage Horizonシステムを使用する精製
【0214】
【表9−1】


【表9−2】


【表9−3】


【表9−4】


【表9−5】

【0215】
表9
表9の全ての化合物は、実施例75についてと同様に製造され、表中に示された技法によって精製された。
精製法E:質量特異的自動調製技法による精製
精製法H:実験セクションの始めに詳述したBiotage Horizonシステムを用いる精製
【0216】
【表10−1】


【表10−2】

【0217】
実施例103: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−(4−ヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化57】

これは実施例50の製造に使用した同一の方法によって記載例16から製造された。
LC/MS t=2.89分、[MH+] 404、C212635ClN33
【0218】
実施例104: 6−(2,3−ジクロロ−フェニルアミノ)−N−(シクロブチル)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化58】

6−(2,3−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチルニコチン酸(記載例18)(50mg、0.14mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)中溶液にN−メチルモルホリン(48uL、0.43mmol)、シクロブチルアミン(13mg、0.18mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(30mg、0.22mmol)、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(32mg、0.17mmol)を添加した。室温で6時間攪拌した後、ジメチルホルムアミドを減圧蒸発させ、ジクロロメタンを添加した。該溶液をNaHCO3の5%水溶液(5mL)で洗浄し、水(10mL)で洗浄し、次いで、食塩水(2×3mL)で洗浄し、減圧蒸発させた。粗製残留物をジエチルエーテルと一緒にトリチュレートし、濾過し、真空乾燥させて標記化合物を得た(46mg、収率=81%)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.27(s br,1H);8.66(d br,1H);8.27(s,1H);7.90(dd,1H);7.42−7.31(m,3H);4.30(m,1H);2,21(m,2H);1.97(m,2H);1.66(m,2H)。
MS m/z(EI+);TSQ 700;source 180℃;70V;200uA:403(M+.)、375、332。
【0219】
実施例105: 6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化59】

6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチルニコチン酸(記載例20)(75mg、0.21mmol)のジクロロメタン3mL中溶液に1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(33mg、0.24mmol)、テトラヒドロピラン−4−イルメチルアミン(17mg、0.14mmol)およびPS−カルボジイミド(218mg、0.28mmol、負荷1.31mmol/g、Argonaut Technologiesから)を添加した。室温で一夜オービタル振盪した後、樹脂を濾過し、ジクロロメタンで繰り返し洗浄し;濾液をNaHCO3の5%水溶液で処理した。有機層をPhase Separatorカートリッジで分取し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空蒸発させた。固体残留物をアセトニトリルと一緒にトリチュレートし、濾過し、真空乾燥させて標記化合物を得た(44mg、収率=46%)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.18(s,1H);8.48(t br,1H);8.27(s,1H);7.98(d,1H);7.66(d,1H);7.42(dd,1H);7.37(s,1H);3.84(dd,2H);3.26(dd,2H);3.10(dd,1H);1.74(m,1H);1.60(d br,2H);1.18(m,2H)。
MS m/z(EI+);TSQ 700;source 180℃;70V;200uA:447(M+.)、412、333、314。
【0220】
実施例106: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化60】

6−(3−クロロフェニルアミノ)−4−トリフルオロメチルニコチン酸(記載例22)(0.35g、1mmol)の乾燥ジクロロメタン(15mL)中溶液にPS−カルボジイミド(1.6g、2mmol、負荷1.31mmol/g、Argonaut Technologiesから)および1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(0.2g、1.5mmol)を添加し、該混合物を室温で一夜撹拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで繰り返し洗浄し、次いで、溶媒を減圧除去した。固体残留物を無水テトラヒドロフラン(3.5mL)に溶解し、PS−ジイソプロピルエチルアミン(300mg、1.16mmol、負荷3.88mmol/g、Argonaut Technologiesから)、(1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)メチルアミン(0.185g、1mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(72uL、0.35mmol)を添加した。該混合物を封管中にてマイクロ波照射下にて140℃で40分間加熱し(仕事率=25〜30W)、次いで、樹脂を濾過し、THF(15mL)およびジクロロメタン(15mL)で洗浄し、濾液を減圧蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、K2CO3の10%水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧蒸発させた。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(初期溶離液:DCM、最終溶離液:DCM/MeOH(98:2))により精製して標記化合物を得た(210mg、収率=47%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.41(s,1H);8.38(s,1H);7.73(dd,1H);7.37(d br,1H);7.36(t br,1H);7.21(dd,1H);7.04(s,1H);6.98(d br,1H);3.60−3.39(m,2H);3.24−3.12(m,2H);3.02(ddd,1H);2.90−2.70(m,2H);2.38−2.26(m,1H);2.09−1.87(m,1H)。
MS m/z(EI+);TSQ 700;source 180℃;70V;200uA:447(M+.);299;236。
【0221】
表10
表10に記載される実施例107〜172の化合物は、実施例104(方法A)、実施例105(方法B)および実施例106(方法C)に記載したように製造された。使用した方法は第3欄に示されている。
【0222】
【化61】


【表11−1】


【表11−2】


【表11−3】


【表11−4】


【表11−5】


【表11−6】


【表11−7】


【表11−8】


【表11−9】


【表11−10】


【表11−11】


【表11−12】

【0223】
表11
表11に記載した実施例173〜177の化合物は、実施例104(方法A)、実施例105(方法B)および実施例106(方法C)に記載したように製造された。使用した方法は第3欄に示されている。
【0224】
【化62】


【表12】

【0225】
実施例196: N−(5−オキソ−ピロリジン−3−イルメチル)−6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化63】

6−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)−4−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸(記載例20)(0.08g、0.22mmol)の乾燥ジクロロメタン(5mL)中溶液にPS−カルボジイミド(0.305g、0.4mmol、負荷1.31mmol/g、Argonaut Technologiesから)および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.046g、0.34mmol)を添加し、該混合物を室温で一夜撹拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで繰り返し洗浄し、次いで、溶媒を真空除去した。固体残留物を無水N−メチルピロリドン(1mL)に溶解し、4−アミノメチル−ピロリジン−2−オン(23mg、0.20mmol)を添加した。該溶液を封管中にてマイクロ波照射下にて140℃で30分間加熱した(仕事率=50W)。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、K2CO3の10%水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧蒸発させた。
水/TFA(99.9:0.1)(A)およびCH3CN/TFA(99.9:0.1)(B)の溶媒系を用いて以下の勾配:5%B(3分);5%B→95%B(11分);95%B(1分);95%B→5%B(2分)で勾配溶離することにより分取HPLC(Symmetry C18カラム)にてクロマトグラフィー精製を行い、標記化合物をそのトリフルオロ酢酸塩として得、それをジクロロメタンに懸濁させ、0.5N NaOHで処理した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧蒸発させて標記化合物(42mg、収率=47%)を得た。
ESI Pos:AQA;Spray 3.5kV;Skimmer 30V;Probe 250℃:447(MH+)。
【0226】
表12
表12に記載した実施例178〜201の化合物は、実施例104(方法A)、実施例105(方法B)および実施例196(方法D)に記載したように製造された。使用した方法は第3欄に示されている。
【0227】
【化64】


【表13−1】


【表13−2】


【表13−3】


【表13−4】

【0228】
実施例202: N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化65】

N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(実施例191)(30mg、0.07mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、Et2O/HCl(3mL)の存在下にて周囲温度で一夜撹拌した。溶媒を真空蒸発させて標記化合物を白色固体として得た(27mg、収率=99%)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.90(s,1H);8.45(s,1H);8.41(t br,1H);8.02(dd,1H);7.50(ddd,1H);7.34(dd,1H);7.17(s,1H);7.03(ddd,1H);3.65−3.30(m,7H);3.14(ddd,1H)。
MS m/z(ESI+):AQA;Spray 3.5kV;Skimmer 30V;Probe 250℃:390(MH+)。
【0229】
実施例203: N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化66】

N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(実施例199)(40mg、0.09mmol)から出発し、実施例202に記載した方法と同様の方法で標記化合物を製造し、標記化合物を白色固体として得た(35mg、収率=96%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.36(s,1H);8.02(d,1H);7.66(s br,1H);7.35(d,1H);7.18(dd,1H);7.11(t br,1H);7.05(s,1H);3.89(s br,1H);3.77(s br,1H);3.59−3.47(m,3H);3.42(ddd,1H)。
MS m/z(ESI+):AQA;Spray 3.5kV;Skimmer 30V;Probe 250℃:424(MH+)。
【0230】
実施例204: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
【化67】

6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸・塩酸塩(180mg、0.51mmol、1.0当量)の無水DCM(12mL)中溶液にN−メチルモルホリン(0.14mL、1.27mmol、2.5当量)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(110mg、0.76mmol、1.5当量)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩(120mg、0.61mmol、1.2当量)およびテトラヒドロピラン−4−イルメチルアミン(77mg、0.66mmol、1.3当量)を続いて添加し、周囲温度で12時間攪拌した。溶媒を真空蒸発させた後、該混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、NaHCO3の飽和水溶液(20mL×2回)および食塩水(25mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して黒色残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離勾配:ヘキサン/酢酸エチル(1:9)から純粋な酢酸エチル)により精製した。標記化合物を茶色の固体として得た(130mg、収率=61%)。
EI;TSQ 700;source 180 C;70V;200uA:413(M+.);315;299。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.80(s,1H);8.48(t br,1H);8.02(dd,1H);7.72(d,1H);7.51(dd,1H);7.31(dd,1H);7.09(d,1H);7.00(dd,1H);3.89(m,2H);3.27(m,2H);3.09(dd,2H);1.75(m,1H);1.60(m,2H);1.20(m,2H)。
【0231】
表13
実施例205〜209の化合物は、適当な出発物質から、記載例25〜29に記載した中間体と同様の方法で製造した類似の中間体を経由して実施例204に記載したように製造された。
【0232】
【化68】


【表14−1】


【表14−2】

【0233】
実施例208: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化69】

6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−ニコチン酸・塩酸塩(記載例35)(0.16g、0.49mmol、1.0当量)の無水DCM(5mL)中溶液にN−メチル モルホリン(0.14mL、1.27mmol、2.5当量)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(100mg、0.74mmol、1.5当量)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩(115mg、0.6mmol、1.2当量)を続いて添加した。室温で1時間攪拌した後、テトラヒドロピラン−4−イルメチルアミン(77mg、0.66mmol、1.3当量)を添加し、得られた溶液を室温で一夜撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、NaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、食塩水で洗浄した:有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空濃縮して固体を得、これをヘキサン/ジエチルエーテル(9:1)と一緒にトリチュレートし、濾過した。標記化合物を白色固体として得た(170mg、収率=89%)。
EI;TSQ 700;source 180 C;70 V;200uA:387(M+.)、289、273、243。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.39(s,1H);8.29(dd,1H);8.21(t br,1H);7.50(d,1H);7.46(dd,1H);7.27(dd,1H);6.91(dd,1H);6.65(d,1H);3.86(m,2H);3.45(m,1H);3.27(m,2H);3.10(dd,2H);1.76(m,1H);1.60(m,2H);1.22(d,6H);1.29−1.12(m,2H)。
【0234】
実施例209: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イルメチル)−2−イソプロピル−ニコチンアミド
【化70】

6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−2−イソプロピル−ニコチン酸・塩酸塩(記載例35)(166mg、0.5mmol、1.0当量)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(100mg、0.74mmol、1.5当量)、PS−ジシクロヘキシルカルボジイミド(760mg、1.0mmol、2.0当量、負荷=1.31mmol/g)およびPS−ジイソプロピルエチルアミン(154mg、0.6mmol、1.2当量、負荷=3.88mmol/g)の混合物を室温で一夜撹拌した。樹脂を濾過し、DCMおよびテトラヒドロフラン(30mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮した。残留物を無水THF 2.5mLに溶解し、次いで、C−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1l6−チオフェン−3−イルメチルアミン(108mg、0.72mmol、1.44当量)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(53uL)を添加した。該混合物をマイクロ波照射下にて140℃で20分間加熱し、溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(30mL)および5%Na2CO3(水溶液)(20mL)で希釈した。次いで、有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、真空蒸発させて固体を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:DCM/MeOH/NH4OH(97:3:0.3))により精製した。標記化合物を固体として得た(140mg、収率=66%)。
EI;TSQ 700;source 180 C;70 V;200uA:421(M+.);273。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:9.41(s,1H);8.36(t br,1H);8.28(dd,1H);7.55(d,1H);7.45(dd,1H);7.27(dd,1H);6.91(dd,1H);6.67(d,1H);3.49−3.15(m,5H);3.07(m,1H);2.85(dd,1H);2.63(m,1H);2.23(m,1H);1.86(m,1H);1.09(d,6H)。
【0235】
表14
表14に記載した全ての実施例は、適当な出発物質から、記載例30〜35に記載した中間体と類似の方法で製造した類似の中間体を経由して実施例208および209について記載したように製造された。特に、実施例210〜214および216〜218の化合物は、実施例208について記載したと同様の実験法に従って製造し、実施例215および219の化合物は実施例210について記載したと同様の実験法に従って製造した。
【0236】
【化71】


【表15−1】


【表15−2】


【表15−3】


【表15−4】

【0237】
実施例220: 6−(4−シアノ−2−メチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化72】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)、4−アミノ−3−メチルベンゾニトリル(2当量)、炭酸セシウム(168mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(Pd2(dba)3)(3.4mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)(2.3mg)の1,4−ジオキサン(1ml)中混合物にマイクロ波条件下にて150℃で30分間照射した。さらに炭酸セシウム(168mg)、Pd2(dba)3(3.4mg)およびXantphos(2.3mg)を添加し、該混合物に再度マイクロ波条件下にて150℃で30分間照射した。酢酸エチルを添加し、該混合物を水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧除去した。残留物を、MDAPを用いて精製して標記化合物を得た(20mg)。
NMR(MeOD)δ 1.25(6H,d)、1.29−1.43(2H,m)、1.70(2H,d)、1.81−1.93(1H,m)、2.3393H,s)、3.21−3.50(5H,m)、3.98(2H,dd)、7.01(1H,s)、7.49(1H,dd)、7.55(1H,bs)、8.02(1H,d)、8.09(1H,s)
LC/MS、t=2.89分、観察された分子イオン[MH+]=393、分子式C232842と一致
【0238】
実施例221: 6−(5−クロロ−2−シアノ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化73】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)、2−アミノ−4−クロロベンゾニトリル(61mg)、炭酸セシウム(154mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(3.2mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)(2.2mg)およびジオキサン(1ml)の混合物を窒素下にて乾留下で24時間攪拌した。該混合物を冷却し、不溶物質を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧蒸発させ、残留物をエーテルと一緒にトリチュレートし、次いで、メタノールから再結晶することにより精製して標記化合物を黄色固体として得た(53mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.2−1.3(2H,m)、1.21(6H,d)、1.62(2H,d)、1.77(1H,m)、3.15(2H,t)、3.29(2H,t)、3.33(1H,m)、3.86(2H,d)、7.05(1H,s)、7.36(1H,d)、7.46(1H,s)、8.36(1H,d)、8.79(1H,t)、9.00(1H,s)、9.74(1H,s)。
LC/MS t=2.3分、[MH+] 413、分子式C222535ClN42と一致。
【0239】
実施例222: 6−(2−シアノ−5−メチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化74】

実施例221と同様の方法で、6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および2−アミノ−4−メチルベンゾニトリル(44.5mg)から標記化合物を得た(38mg)。
LC/MS t=1.9分、[MH+] 393、分子式C232842と一致。
【0240】
実施例223: 6−(3−クロロ− フェニルアミノ)−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1l6−チオフェン−3−イルメチル)−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化75】

実施例50に記載した方法と同様の方法で、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸(記載例13)(30mg)およびC−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1l6−チオフェン−3−イル)−メチルアミン・塩酸塩(Argyle et al, J Chem Soc(C), 1967, 2156)(23mg)から標記化合物を得た(32mg)。
LC/MS t=3.0分、[MH+] 422、C202435ClN33Sと一致
【0241】
実施例224: N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−6−(3−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ニコチンアミド
【化76】

実施例6と同様の方法で、6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例6)(80mg)および3−トリフルオロメトキシアニリン(0.5ml)から標記化合物を得た(41mg)。
LC/MS、t=3.73分、観察された分子イオン[MH+]=408、分子式C2124332と一致
【0242】
表15
実施例225〜233は、第4欄に記載した方法によって製造され、第5欄に記載した方法によって精製された。
製造法G:実施例75の製造についてと同様
製造法J:実施例46の製造についてと同様
精製法E:質量特異的自動調製技法
精製法H:Biotage Horizon
【0243】
【表16−1】


【表16−2】

【0244】
表16:
この表中の実施例234〜279は、第4欄に記載した方法および反応時間によって製造され、第5欄に記載した方法によって精製された。
方法G:実施例は実施例75についてと同様に製造された。
方法K:実施例は実施例221についてと同様に製造された。
精製法E:質量特異的自動調製技法
精製法H:Biotage Horizon
精製法L:反応を蒸発させ、DCM/MeOH(1:1)に溶解し、濾過し、蒸発させ、残留物をMeOHと一緒にトリチュレートした。
【0245】
【表17−1】


【表17−2】


【表17−3】


【表17−4】


【表17−5】


【表17−6】


【表17−7】


【表17−8】


【表17−9】

【0246】
表17
この表中の実施例は、第4欄に記載した方法および反応時間によって製造され、第5欄に記載した方法によって精製された。
方法G:実施例は実施例75についてと同様に製造された。
方法K:実施例は実施例221についてと同様に製造された。
精製法E:質量特異的自動調製技法
精製法H:Biotage Horizon
【0247】
【表18−1】


【表18−2】


【表18−3】

【0248】
実施例293: 6−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化77】

6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(記載例10)および4−シアノ−2−フルオロ−アニリンから実施例221と同様の方法で製造して標記化合物を得た(16mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.16(6H,d)、1.23(2H,m)、1.51−1.68(6H,m)、2.11(1H,m)、3.17(2H,s)、4.11(1H,s)、7.25(1H,s)、7.61(1H,d)、7.80(1H,d)、8.12(1H,s)、8.43(1H,s)、8.72(1H,t)、9.37(1H,s)。
LC/MS t=3.4分、[MH+] 381、分子式C2225FN4Oと一致
【0249】
実施例294: 6−(4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化78】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)、4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−(Lancasterから、162mg)、メタンスルホン酸(44μl)の1,4−ジオキサン(1ml)中混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。1,4−ジオキサンを減圧除去した後、該混合物を酢酸エチル(5ml)と食塩水(2ml)との間で分配させ、水性層を分取した。有機層を減圧蒸発させ、残留物をBiotage Horizonシステムを用いて精製した。精製により標記化合物を白色固体として得た(47mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.16−1.23(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.75(1H,m)、3.10(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.80(1H,s)、7.73(1H,d)、7.83(1H,d)、8.16(1H,s)、8.38−8.42(2H,m)、9.70(1H,s)。
LC/MS t=3.5分、[MH+] 500、分子式C222579BrF332と一致
【0250】
実施例295: 6−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)− 4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化79】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)および4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−アニリン(Lancasterから、120mg)から実施例294と同様の方法で製造した。エーテルと一緒にトリチュレートすることにより精製して標記化合物を白色固体として得た(121mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.09−1.24(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.76(1H,m)、3.10(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.78(1H,s)、7.42(1H,t)、7.86(1H,d)、8.13(1H,s)、8.30(1H,d)、8.40(1H,t)、9.60(1H,s)。
LC/MS t=3.3分、[MH+] 440、分子式C2225432と一致
【0251】
実施例296: 6−(3,4−ジブロモ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化80】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)および3,4−ジブロモアニリン(169mg)から実施例294と同様の方法で製造した。Biotage Horizonシステムを用いて精製して標記化合物を白色固体として得た(76mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.09−1.23(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.76(1H,m)、3.10(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.78(1H,s)、7.48(1H,d)、7.59(1H,d)、8.15(1H,s)、8.38(2H,t)、9.52(1H,s)。
LC/MS t=3.5分、[MH+] 510、分子式C212579Br232と一致
【0252】
実施例297: 6−(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化81】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)および4−ブロモ−3−フルオロ−アニリン(128mg)から実施例294と同様の方法で製造した。エーテルと一緒にトリチュレートして標記化合物を白色固体として得た(88mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.15−1.25(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.76(1H,m)、3.10(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.81(1H,s)、7.30(1H,d)、7.54(1H,t)、8.04(1H,d)、8.15(1H,s)、8.40(1H,t)、9.64(1H,s)。
LC/MS t=3.3分、[MH+] 450、分子式C212579BrN32と一致
【0253】
実施例298: 6−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化82】

6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミドおよび2−クロロ−4−トリフルオロメチルアニリンから実施例294と同様の方法で製造して標記化合物を得た(30mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.18(8H,m)、1.50−1.68(6H,m)、2.11(1H,m)、3.16(2H,s)、3.37(1H,s)、7.29(1H,s)、7.64(1H,d)、7.83(1H,s)、8.09(1H,s)、8.43(1H,s)、8.52(1H,d)、8.80(1H,s)。
LC/MS t=4.0分、[MH+] 440、分子式C222535ClF33Oと一致
【0254】
実施例299: 6−(3,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)− 4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化83】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)、3,4−ジフルオロアニリン(Lancasterから、87mg)、メタンスルホン酸(44μl)の1,4−ジオキサン(1ml)中混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。該固体をメタノールに溶解し、次いで、減圧蒸発させた。該混合物を酢酸エチル(5ml)と食塩水(2ml)との間で分配させ、これにより固体が界面に維持された。固体を濾過し、水および酢酸エチルで洗浄して標記化合物を得た(43mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16−1.25(8H,d,m)、1.60−1.62(2H,d)、1.75(1H,m)、3.10(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.85(1H,s)、7.29(1H,d)、7.37(1H,q)、7.97(1H,s)、8.08(1H,s)、8.45(1H,t)、9.80(1H,s)。
LC/MS t=3.0分、[MH+] 390、分子式C2125232と一致
【0255】
実施例300: 6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化84】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および4−クロロ−3−トリフルオロメチル−アニリン(Lancasterから、131mg)から実施例291と同様の方法で製造した。エーテルと一緒にトリチュレートすることにより精製して標記化合物を白色固体として得た(79mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16−1.24(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.76(1H,m)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.80(1H,s)、7.58(1H,d)、7.91(1H,d)、8.16(1H,s)、8.39(1H,s)、8.41(1H,t)、9.70(1H,s)。
LC/MS t=3.5分、[MH+] 456、分子式C222535ClF332と一致
【0256】
実施例301: 6−(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化85】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および4−メチル−3−トリフルオロメチルアニリン(Lancasterから、118mg)から実施例291と同様の方法で製造した。エーテルと一緒にトリチュレートすることにより精製して標記化合物を白色固体として得た(105mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.15−1.24(8H,d,m)、1.60−1.63(2H,d)、1.76(1H,m)、2.36(3H,s)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.41(1H,m)、3.85(2H,d)、6.76(1H,s)、7.31(1H,d)、7.76(1H,d)、8.13(1H,s)、8.18(1H,s)、8.37(1H,t)、9.45(1H,s)。
LC/MS t=3.2分、[MH+] 436、分子式C2328332と一致
【0257】
実施例302: 6−(2−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化86】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および2−クロロ−4−トリフルオロメトキシアニリン(Acrosから、142mg)から実施例291と同様の方法で製造した。実験セクションの始めに詳述したBiotage Horizonシステムを用い、エーテルと一緒にトリチュレートすることにより精製して標記化合物を白色固体として得た(20mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16−1.23(8H,d,m)、1.59−1.62(2H,d)、1.75(1H,m)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.37(1H,m)、3.84(2H,d)、7.09(1H,s)、7.34(1H,d)、7.58(1H,s)、8.04(1H,s)、8.20(1H,d)、8.38(1H,t)、8.66(1H,s)。
LC/MS t=3.4分、[MH+] 472、分子式C222535ClF333と一致
【0258】
実施例303: 6−(2−シアノ−3−メチル−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化87】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および2−シアノ−3−メチルアニリン(Flukaから、44mg)から実施例221と同様の方法で製造して標記化合物を得た(60mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.16−1.23(8H,d,m)、1.59−1.62(2H,d)、1.75(1H,m)、2.46(3H,s)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.37(1H,m)、3.84(2H,d)、6.96(1H,s)、7.07(1H,d)、7.48(1H,t)、7.67(1H,d)、8.03(1H,s)、8.39(1H,t)、9.13(1H,s)。
LC/MS t=2.7分、[MH+] 393、分子式C232842と一致
【0259】
実施例304: 6−(3−クロロ−2−シアノ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化88】

6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(記載例8)(100mg)および3−クロロ−2−シアノアニリン(Lancasterから、51mg)から実施例221と同様の方法で製造して標記化合物を得た(64mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.17−1.23(8H,d,m)、1.59−1.62(2H,d)、1.75(1H,m)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.37(1H,m)、3.85(2H,d)、7.03(1H,s)、7.32(1H,d)、7.60(1H,t)、7.87(1H,d)、8.07(1H,s)、8.42(1H,t)、9.41(1H,s)。
LC/MS t=2.8分、[MH+] 413、分子式C222535ClN42と一致
【0260】
実施例305: 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−(1−ヒドロキシ−メチル−エチル)−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【0261】
1) 6−クロロ−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン
【化89】

窒素下にて−55℃で2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(Aldrichから、13.44g)のテトラヒドロフラン(90ml)中溶液にヘキサン中1.6Mブチルリチウム(Aldrichから、80ml)を滴下した。30分後、6−クロロニコチン酸(Aldrichから、5g)のテトラヒドロフラン(40ml)中溶液を滴下し、該溶液を−71℃で2時間攪拌した。
該溶液をアセトン(23ml)で処理し、次いで、室温に加温した。溶媒を減圧除去し、残留物を水(100ml)に溶解し、濃塩酸でpH3に酸性化した。沈殿した白色固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて標記化合物を得た(4.42g)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.65(6H,s)、8.11(1H,s)、8.91(1H,s)
LC/MS t=2.0分、[MH+] 198、分子式C9835ClNO2と一致
【0262】
2) 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン
【化90】

6−クロロ−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン(100mg)、3−クロロアニリン(Lancasterから、318mg)、メタンスルホン酸(65μl)の1,4−ジオキサン(1ml)中混合物にマイクロ波条件下にて180℃で30分間照射した。該固体をメタノールに溶解し、次いで、減圧蒸発させ、残留物を酢酸エチル(5ml)と水(2ml)との間で分配させ、水性層を分取した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧蒸発させた。エーテルと一緒にトリチュレートすることにより精製して標記化合物を白色固体として得た(30mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.61(6H,s)、6.91(1H,s)、7.04(1H,d)、7.34(1H,t)、7.55(1H,d)、7.93(1H,t)、8.69(1H,s)、9.96(1H,s)。
LC/MS t=3.3分、[MH+] 289、分子式C151335ClN22と一致
【0263】
3) 6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−(1−ヒドロキシ−メチル−エチル)−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化91】

窒素下にて4−アミノメチルテトラヒドロピラン(Combi-Blocks,Inc.から、60mg)の乾燥ジクロロメタン(2ml)中溶液にヘキサン中2.0Mトリメチルアルミニウム(Aldrichから、280μl)を滴下し、該溶液を15分間撹拌した。次いで、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン(70mg)の乾燥ジクロロメタン(2ml)中溶液を添加し、該混合物を40℃で一夜撹拌した。さらに乾燥ジクロロメタン(3ml)中の4−アミノメチルテトラヒドロピラン(80mg)およびヘキサン中2.0Mトリメチルアルミニウム(380μl)を添加し、該混合物を48時間攪拌した。
溶媒を減圧蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10ml)と水(5ml)との間で分配させ、水性層を分取した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧蒸発させた。実験セクションの始めに詳述したBiotage Horizonシステムを用いて精製して標記化合物を白色固体として得た(40mg)。
NMR(DMSO−d6)δ 1.18−1.23(2H,m)、1.47(6H,s)、1.62−1.65(2H,d)、1.80(1H,m)、3.11(2H,t)、3.28(2H,t)、3.85(2H,d)、6.06(1H,s)、6.93(1H,d)、7.05(1H,s)、7.28(1H,t)、7.48(1H,d)、8.07(1H,s)、8.17(1H,s)、8.67(1H,t)、9.53(1H,s)。
LC/MS t=3.0分、[MH+] 404、分子式C212635ClN33と一致
【0264】
実施例306
記載例15の中間体から実施例75についてと同様に下記化合物を製造した。
【0265】
【表19】

【0266】
本発明の化合物を配合する医薬製剤を種々の剤形で、多くの賦形剤を用いて製造することができる。かかる製剤の例を以下に記載する。
【0267】
実施例308:吸入処方
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体(1mg〜100mg)を定量型吸入器から噴霧して使用1回あたり所望の量の薬物を送達する。
【0268】
実施例308:錠剤処方
錠剤/成分 錠剤1個につき
1.活性成分 40mg
(式(I)で示される化合物または医薬上許容される誘導体)
2.コーンスターチ 20mg
3.アルギン酸 20mg
4.アルギン酸ナトリウム 20mg
5.ステアリン酸マグネシウム 1.3mg
【0269】
錠剤処方のための方法
成分1、2、3および4を適当なミキサー/ブレンダーにてブレンドする。塊が湿顆粒に変わることができるようなコンシステンシーを有するまで、該ブレンドに十分量の水を何回かに分けて添加し、各添加の後に注意深く混合する。湿塊を、No.8メッシュ(2.38mm)スクリーンを使用して振動式グラニュレーターに通して顆粒に変える。次いで、湿顆粒をオーブン中にて140°F(60℃)で乾燥するまで乾燥させる。乾燥顆粒を成分5で潤滑化し、潤滑化した顆粒を適当な錠剤プレスにて圧縮する。
【0270】
実施例309:非経口処方
加熱しながら適当な量の式(I)で示される化合物をポリエチレングリコールに溶解することにより非経口投与用医薬組成物を調製する。次いで、この溶液をヨーロッパ薬局方注射用水で(100mlに)希釈する。次いで、該溶液を0.22ミクロン膜フィルターで濾過することにより滅菌し、滅菌容器中に密封する。
【0271】
本発明は上記した特定のおよび好ましい群の全ての組み合わせを網羅するものと解すべきである。
明細書および特許請求の範囲が一部をなす本願はいかなる後願に関しても優先権の基礎として使用され得る。かかる後願の特許請求の範囲は本明細書に記載されているいかなる特徴および特徴の組み合わせにも関するものであり得る。それらはプロダクトクレーム、組成物クレーム、方法クレーム、またはユースクレームの形態をとり得、一例として、制限を伴わずに、本願の特許請求の範囲を包含し得る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Yは置換されていないかまたは1、2もしくは3個の置換基で置換されているフェニルであり;
1は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはハロ置換C1-6アルキルから選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって置換されていてもよい4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
3は4員〜8員非芳香族ヘテロサイクリル基、C3-8シクロアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖状C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C3-8シクロアルケニル、C2-10アルキニル、またはC3-8シクロアルキニル(これらはいずれも置換されていないかまたは置換されていてもよい)であるか、またはR5であり;
4は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはハロ置換C1-6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化2】

(ここで、pは0、1または2であり、XはCH2、O、またはSである)であり;
6は置換もしくは非置換(C1-6)アルキルまたはクロロであり、R10は水素であるか、またはR10は置換もしくは非置換(C1-6)アルキルまたはクロロであり、R6は水素であり;
7はOH、C1-6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR9、NHSO29またはSOq9であり;
8aはHまたはC1-6アルキルであり;
8bはHまたはC1-6アルキルであり;
9はC1-6アルキルであり;
qは0、1または2である]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項2】
式(Ia):
【化3】

[式中、
1は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはハロ置換C1-6アルキルから選択され;
2は(CH2)m3(ここで、mは0または1である)であるか;または
1およびR2はそれらが結合しているNと一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニル、アザピン、オキサピン、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルおよびアザチアシクロオクタニル(これらはいずれも置換されていないかまたはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3およびNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)から選択される非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
3は2−もしくは3−アゼチジニル、オキセタニル、チオオキセタニル、チオオキセタニル−s−オキシド、チオオキセタニル−s,s−ジオキシド、ジオキサアラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシド、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル−s,s−ジオキシド、テトラヒドロピリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロ−チオピラン−1,1−ジオキシド、アザピン、オキサピン、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニル、アザチアシクロオクタニル、オキサシクロオクタニル、チアシクロオクタニル、C3−8シクロアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖状C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、C2−10アルキニル、またはC3−8シクロアルキニルであるか、またはR5であり;これらはいずれも置換されていないかまたはC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、メチルスルホニル、NR8a8b、CH2フェニル、NHCOCH3、(=O)、CONHCH3およびNHSO2CH3から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
4は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCH3、またはSO2Meから選択され;
5
【化4】

(ここで、pは0、1または2であり、XはCH2、OまたはSである)であり;
6は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R10は水素であるか、またはR10は置換もしくは非置換(C1−6)アルキルまたはクロロであり、R6は水素であり;
7はOH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR9、NHSO29またはSOq9であり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
9はC1−6アルキルであり;
11はC1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、C1−6アルキルスルホニル基、−CONH2、−NHCOCH3、−COOH、ハロ置換C1−6アルコキシ、SO2NR8a8bまたはC1−6アルキニルであり;
qは0、1または2であり;
dは0、1、2、または3である」
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1が水素である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
4がC1-6アルキルまたは水素である、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
6がt−ブチル、イソプロピルまたはCF3である、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物。
【請求項7】
さらに、医薬担体または希釈剤を含む、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
カンナビノイド2受容体の活性により媒介される症状をわずらっているヒトまたは動物対象体の治療方法であって、該対象体に請求項1〜5いずれか1項記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の治療上有効量を投与することを含む、方法。
【請求項9】
症状が免疫障害、炎症性障害、疼痛、関節リウマチ、多発性硬化症、変形性関節症または骨粗鬆症である、請求項8記載の治療方法。


【公表番号】特表2006−503845(P2006−503845A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539056(P2004−539056)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010930
【国際公開番号】WO2004/029026
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】