説明

CCR5アンタゴニストとしてのシクロヘキシル化合物類

本発明は、CCR5関連の疾患および障害の治療に有用な、たとえば、HIV複製の阻害、HIV感染症の予防または治療、および結果として生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用な、式(I)で示される化合物または製薬上許容されるその誘導体に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)は、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)(日和見感染症に付随的に罹患しやすくする免疫系の破壊(とくにCD4+ T細胞の破壊)により特性付けられる疾患)およびその前駆症のAIDS関連複合症(「ARC」)(持続性全身性リンパ節腫、発熱、および体重減少のような症候により特性付けられる症候群)に対する原因因子である。
【0002】
HIVが標的細胞に侵入するには、CD4のほかにコレセプターが必要である。ケモカインレセプターは、CD4と共にHIVに対するコレセプターとして機能する。ケモカインレセプターCXCR4およびCCR5は、HIV-1に対する主要なコレセプターとして同定されている。CCR5は、マクロファージ向性HIVが宿主細胞と融合してそれに侵入するための主要なコレセプターとして作用する。これらのケモカインレセプターは、HIV感染症の成立および播種に本質的な役割を果たすと考えられる。したがって、CCR5アンタゴニストは、HIVに対して効力を有する治療剤として有用であると考えられる。
【0003】
我々は、このたび、HIV複製の阻害剤として有用な一連の小分子非ペプチド化合物を見いだした。
【発明の開示】
【0004】
発明の簡単な説明
本発明は、製薬上許容される塩としても医薬組成物の成分としても、HIV複製の阻害、HIV感染症の予防、HIV感染症の治療、ならびにAIDSおよび/またはARCの治療に有用な化合物を特徴とする。本発明は、単独療法として、または他の抗ウイルス剤、抗感染症剤、免疫調節剤、抗生物質、もしくはワクチンと併用して、AIDSを治療する方法、HIV感染症を予防する方法、およびHIV感染症を治療する方法をさらに特徴とする。本発明はまた、CCR5関連の疾患および症状の予防または治療に好適な上述の化合物を含む医薬組成物を特徴とする。本発明は、上述の化合物の製造方法をさらに特徴とする。
【0005】
発明の概要
本発明は、式(I)
【化1】

【0006】
で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体を包含する:ただし、上記式中、
Xは、C1〜5アルキレン鎖であり(ここで、該Xは、1つ以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンにより場合により置換されていてもよく、かつ該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を場合により有していてもよい);
環Aは、1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の3〜7員単環式または8〜10員二環式の環であり;
R1は、
(a)1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の4〜7員単環式または8〜10員二環式の環(C1〜6アルキレン鎖を介して場合により結合されていてもよく、かつ1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
(b)
【化2】

【0007】
(c)
【化3】

【0008】
(d)
【化4】

【0009】
(e)
【化5】

【0010】
および
(f)
【化6】

【0011】
よりなる群から選択され;
Qは、炭素、酸素、または-S(O)tであり;
wは、1または2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、および1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルよりなる群から選択され;かつ環A上の隣接する2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する縮合型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよいか;またはジェミナル位にある2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有するスピロ型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよく(ここで、該縮合型の環もしくは該スピロ型の環は、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい);
aは、0〜3であり;
bは、0または1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり(ここで、該R+は、1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
dは、0〜1であり;
mは、0または1であり;
nは、0〜5であり;
各R3は、独立して、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、-CF3、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキニル、シクロアルキルもしくはカルボシクリル(1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい)、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0〜4-C(O)-、-(CH2)0〜4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]-、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]-、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、Hであるか、またはR7により場合により置換されていてもよいアルキル、R7により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7により場合により置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、-H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R6、R6により場合により置換されていてもよいアリール、またはR6により場合により置換されていてもよいヘテロアリールよりなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1または2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-(CH2)1〜6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6NHC(O)R0、または-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1〜6-SR0、R6により場合により置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)よりなる群から選択され;
R9は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、もしくは1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであるか;または
-(Y)m-R3およびR9は、それらが結合されている窒素原子と組み合わさって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を場合により含有していてもよい飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜7員単環式もしくは8〜10員二環式の環を形成していてもよく(ここで、該環は、1つ以上のR8で場合により置換されていてもよい);
R10は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルよりなる群から選択され(ここで、H以外のR0の各メンバーは、1つ以上の-R*、-OR*、-N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、-CF3、-NO2、-CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、-SO2N(R*)2により場合により置換されていてもよく、同一の窒素上の2つのR*は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);そして
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0012】
一実施形態では、R10は、場合により置換されていてもよいアリール、たとえば、場合により置換されていてもよいフェニルである。
【0013】
一実施形態では、R1は以下のとおりである:
【化7】

【0014】
一実施形態では、R9はアルキルであり、好ましくはR9はメチルである。
【0015】
一実施形態では、-(Y)m-R3は好適には以下のとおりである:
【化8】

【0016】
より好適には、-(Y)m-R3は以下のとおりである:
【化9】




【0017】
他の実施形態では、-(Y)m-R3および-R9は、それらが結合されている窒素原子と組み合わされて、以下の構造を形成する:
【化10】

【0018】
一実施形態では、R1は以下の構造から選択される:
【化11】

【0019】
一実施形態では、Xは、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、または-(CH2-CH2-CH2)-である。好適には、Xは、1つ以上のハロゲンまたはオキソにより場合により置換されていてもよい。さらに、Xは、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を場合により有していてもよい。
【0020】
一実施形態では、A環は以下の構造から選択される(ここで、アスタリスク(*)は好ましい置換箇所(複数箇所可)を示すが、これに限定されるものではない):
【化12】

【0021】
好適には、各R2(ここで、アスタリスク(*)は、環Aからの好ましい置換箇所(複数箇所可)を示すが、これに限定されるものではない)は、独立して、以下の構造から選択される:
【化13】




【0022】
一実施形態では、ジェミナル位の2つのR2を有する環Aは、以下の構造から選択される:
【化14】

【0023】
好適には、A環は、トロパンまたはピペリジン(1つまたはそれ以上のR2で場合により置換されていてもよい)である。好ましくは、R2と組み合わされたA環は、次の構造のうちの1つで構成される:
【化15】





【0024】
一実施形態では、A環は少なくとも1個の追加の窒素原子を含有し、かつ該A環は場合によりN-置換されていてもよい。好適には、A環は-(CH2)a-(Vb-R+)でN-置換されている。
【0025】
本発明の一態様は、式(I):
【化16】

【0026】
で示される化合物を包含する。上記式中、XはC2〜C3アルキレン鎖であり、そしてR3およびR9はそれぞれ本明細書中に定義されているとおりである。
【0027】
本発明の一態様は、哺乳動物においてウイルス感染症を治療(予防を含む)する方法であって、該哺乳動物に抗ウイルス有効量の本発明の化合物を投与することを含む、上記方法を提供する。好ましくは、ウイルス感染症はHIV感染症である。
【0028】
本発明の一態様は、哺乳動物において細菌感染症を治療(予防を含む)する方法であって、該哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを含む、上記方法を提供する。好ましくは、細菌はYersinia pestisである。
【0029】
本発明の一態様は、哺乳動物において、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性障害、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、および免疫媒介障害を治療(予防を含む)する方法であって、該哺乳動物に製薬上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む、上記方法をを提供する。
【0030】
本発明の一態様は、薬物療法に使用するための本発明の化合物を包含する。
【0031】
本発明の一態様は、ウイルス感染症を治療(予防を含む)するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。好ましくは、ウイルス感染症はHIV感染症である。
【0032】
本発明の一態様は、細菌感染症を治療(予防を含む)するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。好ましくは、細菌はYersinia pestisである。
【0033】
本発明の一態様は、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性障害、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、および免疫媒介障害を治療(予防を含む)するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。
【0034】
本発明の一態様は、製薬上有効な量の本発明の化合物を製薬上許容される担体と共に含む医薬組成物を包含する。好ましくは、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、または液剤の形態である。
【0035】
本発明の一態様は、哺乳動物においてウイルス感染症を治療(予防を含む)する方法であって、該哺乳動物に本発明の化合物と他の治療剤とを含む組成物を投与することを含む、上記方法を包含する。好ましくは、組成物は、次の物質よりなる群から選択される他の治療剤を含む:(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド類〔アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル〕、非環式ヌクレオシドホスホネート類〔(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)〕、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類〔2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア〕、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤類〔3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(phosphophonate)(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン 5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブト-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G) リバビリン〕、プロテアーゼ阻害剤類〔インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、フォサムプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)〕、インターフェロン類〔α-インターフェロン〕、腎排泄阻害剤類〔プロベネシド〕、ヌクレオシド輸送阻害剤類〔ジピリダモール〕、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調節剤類〔インターロイキンII、チモシン〕、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子類、エリトロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子工学的誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)類〔ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)〕、糖タンパク質120アンタゴニスト類〔PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)〕、サイトカインアンタゴニスト類〔レチクロース(プロダクト-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)〕、インテグラーゼ阻害剤類、ならびに融合阻害剤類。
【0036】
本発明の一態様は、哺乳動物においてウイルス感染症を治療(予防を含む)する方法であって、該哺乳動物に本発明の化合物とリトナビルとを含む組成物を投与することを含む、上記方法を包含する。
【0037】
発明の詳細な説明
「場合により置換されていてもよい」という表現は、「置換もしくは無置換」という表現または「(無)置換」という用語と同義的に用いられる。とくに明示されていないかぎり、場合により置換されていてもよい基は、基の各置換可能位置に置換基を有していてもよく、各置換は他とは独立している。
【0038】
「アルキル」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、指定数の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、n-ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
「シクロアルキル」、「カルボシクリル(carbocylyl)」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」、または「カルボシクロ」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは3〜10個の炭素原子を有する単環式または多環式の非芳香族炭化水素環基を意味する。多環式のとき、とくに明示されていないかぎり、カルボシクリル(carbocylyl)基中の各環は非芳香族である。カルボシクリル(carbocylyl)基は、完全飽和であるかまたは芳香族ではないが1つ以上の不飽和単位を含有するかのいずれかである。不飽和は、存在する場合、化学的に安定な立体配置を生じるのであれば環中の任意の箇所に存在可能である。「シクロアルキル」、「カルボシクリル(carbocylyl)」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」、または「カルボシクロ」という用語は、テトラヒドロナフチルの場合のように、1つ以上の芳香環に縮合された炭化水素環をも意味する。ただし、結合基または結合箇所は非芳香環上に存在する。
【0040】
とくに明示されていないかぎり、「シクロアルキル」、「カルボシクリル(carbocylyl)」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」、または「カルボシクロ」という用語は、1-デカヒドロナフチル、2-デカヒドロナフチル、1-テトラヒドロナフチル、および2-テトラヒドロナフチルの場合のように、非芳香族炭化水素基のそれぞれの可能性のある位置異性体をも包含する。好適なシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、デカヒドロナフチル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
「アルケニル」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘキサジエニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
「アルキニル」という用語は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどのように、鎖に沿った任意の安定な箇所に存在しうる1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直線状または分枝状のいずれかの立体配置の炭化水素基を意味する。
【0043】
「アルコキシ」という用語は、アルキルエーテル基を意味する。ただし、「アルキル」という用語は先に定義したとおりである。好適なアルキルエーテル基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
「アリール」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、5〜20個の炭素原子、好ましくは6〜14個の炭素原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する芳香族の単環式または多環式の炭化水素環基を意味する。本明細書中で使用される「アリール」という用語の範囲内に同様に包含されるのは、インダニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルの場合のように、1つ以上の非芳香族の炭素環式環またはヘテロ原子含有環に芳香族炭化水素環が縮合されている基である。ただし、結合基または結合箇所は芳香族炭化水素環上に存在する。
【0045】
とくに明示されていないかぎり、「アリール」という用語は、1-ナフチル、2-ナフチル、5-テトラヒドロナフチル、6-テトラヒドロナフチル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニル、および10-フェナントリジニルの場合のように、芳香族炭化水素基のそれぞれの可能性のある位置異性体をも包含する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナントリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
さらに、「アラルキル」という用語は、-RaRbで示される基を意味する。ただし、Raは本明細書に定義されるアルキレンであり、Rbは本明細書に定義されるアリールである。
【0047】
「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、および「ヘテロシクリル」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、単環式のとき3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜7個の炭素原子、二環式のとき8〜11個の炭素原子を含有しかつ1個以上、好ましくは1〜4個の環炭素がそれぞれN、O、およびSのようなヘテロ原子と置き換えられている非芳香族の単環式または多環式の環基を意味する。多環式のとき、とくに明示されていないかぎり、ヘテロシクリル基中の各環は非芳香族である。ヘテロ環式環は、完全飽和であってもよいし、または芳香族ではないが1つ以上の不飽和単位を含有していてもよい。不飽和は、存在する場合、化学的に安定な立体配置を生じるのであれば環中の任意の箇所に存在可能である。ヘテロ環式環は、安定な構造の形成をもたらす炭素またはヘテロ原子で結合可能である。好ましいヘテロ環としては、5〜7員単環式ヘテロ環および8〜10員二環式ヘテロ環が挙げられる。
【0048】
「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、または「ヘテロシクリル」という用語の範囲内に同様に包含されるのは、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルの場合のように、1つ以上の芳香環に非芳香族ヘテロ原子含有環が縮合されている基である。ただし、結合基または結合箇所は非芳香族ヘテロ原子含有環上に存在する。とくに明示されていないかぎり、「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、または「ヘテロシクリル」という用語は、1-デカヒドロキノリン、2-デカヒドロキノリン、3-デカヒドロキノリン、4-デカヒドロキノリン、5-デカヒドロキノリン、6-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、8-デカヒドロキノリン、4a-デカヒドロキノリン、8a-デカヒドロキノリン、1-インドリニル、2-インドリニル、3-インドリニル、1-テトラヒドロキノリン、2-テトラヒドロキノリン、3-テトラヒドロキノリン、および4-テトラヒドロキノリンの場合のように、ヘテロ環式基のそれぞれの可能性のある位置異性体をも包含する。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルにより置換されたアルキル基を意味する。
【0049】
ヘテロ環式基の例としては、イミダゾリニル、2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、イミダゾリジニル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピロリニル、ピロリジニル、4H-ピラゾリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、アゼピニル、テトラヒドロフラニル、オキソアゼピニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、ジチオラニル、テトラヒドロチオフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、テトラヒドロフロフラニル(tetradyrofurofuranyl)、テトラヒドロピラノフラニル、ジアゾロニル、フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル、およびベンゾチアニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
「ヘテロアリール」という用語は、単独の場合または任意の他の用語と組み合わされた場合、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含有しかつ1個以上、好ましくは1〜4個の環炭素がそれぞれN、O、およびSのようなヘテロ原子と置き換えられている芳香族の単環式または多環式の環基を意味する。好ましいヘテロアリール基としては、5〜6員単環式ヘテロアリールおよび8〜10員二環式ヘテロアリールが挙げられる。
【0051】
「ヘテロアリール」という用語の範囲内に同様に包含されるのは、1つ以上の芳香環または非芳香環にヘテロ芳香環が縮合されている基である。ただし、結合基または結合箇所はヘテロ芳香環上に存在する。例としては、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、7,8-ジヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジン、および5,6,7,8-テトラヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。とくに明示されていないかぎり、「ヘテロアリール」という用語は、2-ピリド[3,4-d]ピリミジニルおよび4-ピリド[3,4-d]ピリミジニルの場合のように、ヘテロアリール基のそれぞれの可能性のある位置異性体をも包含する。
【0052】
ヘテロアリール基の例としては、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキサリル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル(isoxozolyl)、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニル、およびベンゾイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
さらに、「ヘテロアラルキル」という用語は、-RaRbで示される基を意味する。ただし、Raは本明細書に定義されるアルキレンであり、Rbは本明細書に定義されるヘテロアリールである。
【0054】
「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、リン、または硫黄を意味し、それらの任意の酸化形、たとえば、限定されるものではないが、N(O){N+-O-}のような窒素の酸化形、S(O)およびS(O)2のような硫黄の酸化形、ならびに任意の塩基性窒素の第四級形を包含する。
【0055】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0056】
「製薬上有効な量」という用語は、単独療法または他の薬剤との併用のいずれかで患者においてウイルス感染症(たとえばHIV感染症)のようなCCR5関連疾患を治療するのに有効である本発明の化合物の量を意味する。本明細書中で使用される「治療」という用語は、患者において特定の障害の症候を軽減することまたは特定の障害に関連付けられる確認可能な測定値を改善することを意味し、ウイルス感染症が潜伏状態になっている患者のような無症候患者において症候再発を抑制することを包含しうる。「予防」という用語は、患者において疾患または症状を予防することまたはそのような疾患または症状の発症を予防することを意味する。
【0057】
本明細書中で使用する場合、「患者」という用語は、哺乳動物(ヒトを含む)を意味する。「製薬上許容される担体」という用語は、本発明の化合物と共に患者に投与可能でありかつその薬理活性を損なうことがなくしかも治療用量の治療剤を送達するのに十分な用量で投与したときに無毒である担体を意味する。
【0058】
「製薬上許容される誘導体」という用語は、レシピエントに投与したときに本発明の化合物またはその阻害活性代謝産物もしくは阻害活性残基を(直接的または間接的に)提供することのできる本発明の化合物の任意の製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。とりわけ好ましい誘導体およびプロドラッグは、そのような化合物を哺乳動物に投与したときに本発明の化合物の生物学的利用能を増大させるか(たとえば、経口投与された化合物を血液中により容易に吸収されるようにすることにより)または親種と対比して生物内の区画(たとえば、脳もしくはリンパ系)への親化合物の送達を促進する化合物である。
【0059】
本発明に係る化合物の製薬上許容される塩は、製薬上許容される無機および有機の酸および塩基から誘導される塩を包含する。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸(salicyclic)、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。シュウ酸のような他の酸は、それ自体は製薬上許容されるものではないが、本発明の化合物およびその製薬上許容される酸付加塩を取得するときの中間体として有用な塩を製造するのに利用可能である。
【0060】
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(たとえばナトリウム)、アルカリ土類金属(たとえばマグネシウム)、アンモニウム、NW4+(ここで、WはC1〜4アルキルである)、および他のアミンの塩が挙げられる。水素原子またはアミノ基の生理学的に許容される塩としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、およびコハク酸のような有機カルボン酸の塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸のような有機スルホン酸の塩、ならびに塩酸、硫酸、リン酸、およびスルファミン酸のような無機酸の塩が挙げられる。ヒドロキシ基を有する化合物の生理学的に許容される塩としては、Na+、NH4+、およびNW4+(ここで、WはC1〜4アルキル基である)のような好適なカチオンと組み合わされた該化合物のアニオンが挙げられる。
【0061】
以上の化合物のいずれかが言及されている場合、いずれの場合においても、製薬上許容されるその塩についても言及されているものとする。
【0062】
本発明の化合物の塩は、当業者に公知の方法により生成可能である。たとえば、適切な溶媒中で適切な塩基または酸で本発明の化合物を処理すれば、対応する塩が得られるであろう。
【0063】
本発明の化合物のエステルは、次の基から独立して選択される:(1)ヒドロキシ基のエステル化により得られるカルボン酸エステル、ただし、エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖状または分枝鎖状のアルキル(たとえば、アセチル、n-プロピル、t-ブチル、またはn-ブチル)、アルコキシアルキル(たとえばメトキシメチル)、アラルキル(たとえばベンジル)、アリールオキシアルキル(たとえばフェノキシメチル)、アリール(たとえばフェニル、場合により、たとえば、ハロゲン、C1〜4アルキル、もしくはC1〜4アルコキシ、またはアミノにより置換されていてもよい)から選択される;(2)アルキルスルホニルまたはアラルキルスルホニルのようなスルホネートエステル(たとえばメタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(たとえば、L-バリルまたはL-イソロイシル);(4)ホスホネートエステル;および(5)モノ、ジ、またはトリホスフェートエステル。ホスフェートエステルは、たとえば、C1〜20アルコールもしくはその反応性誘導体により、または2,3-ジ(C6〜24)アシルグリセロールにより、さらにエステル化可能である。
【0064】
そのようなエステルでは、とくに指定されていないかぎり、存在するアルキル部分はいずれも、有利には1〜18個の炭素原子、特定的には1〜6個の炭素原子、より特定的には1〜4個の炭素原子を含有する。そのようなエステル中に存在するシクロアルキル部分はいずれも、有利には3〜6個の炭素原子を含有する。そのようなエステル中に存在するアリール部分はいずれも、有利にはフェニル基を含む。
【0065】
本発明に係る化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有するので、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマーの混合物、ならびに個別のジアステレオアイソマーとして存在する。これらの化合物のそのような異性体形はすべて、本発明に明示的に包含されるものとする。各ステレオジェン炭素は、R配置であってもS配置であってもよい。本出願に例示されている特定の化合物は特定の立体化学配置で示すことが可能であるが、任意の所与のキラル中心において反対の立体化学を有する化合物またはそれらの混合物もまた想定される。
【0066】
とくに記載がないかぎり、本明細書に示される構造は、1個以上の同位体富化原子の存在のみが異なる化合物をも包含するものとみなれさる。たとえば、ジュウテリウムやトリチウムによる水素の交換も13C富化炭素や14C富化炭素による炭素の交換も除いて本発明の構造を有する化合物は、同様に本発明の範囲内にある。
【0067】
本発明の特定の化合物は、別の互変異性形で存在することが可能である。本発明の化合物のそのような互変異性形はすべて、本発明の範囲内にある。とくに明示されていないかぎり、一方の互変異性体の表示は、他方の互変異性体を包含するものとみなされる。
【0068】
本発明は、医薬療法に使用するための、たとえば、HIV感染症のようなウイルス感染症および関連症状を治療(予防を含む)するための、本発明に係る化合物を特徴とする。本明細書中で治療が言及されている場合、成立した感染症、症候、および関連臨床症状(たとえば、AIDS関連複合症(ARC)、カポジ肉腫、およびエイズ痴呆症)の治療だけでなく予防にまで拡張される。
【0069】
本発明は、CCR5関連疾患または症状(たとえばHIV感染症のようなウイルス感染症)を治療(予防を含む)するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を特徴とする。
【0070】
他の態様によれば、本発明は、感染動物(たとえば、ヒトを含む哺乳動物)においてウイルス感染症の症候または影響を治療(予防を含む)する方法であって、製薬上有効な量の本発明に係る化合物で該動物を治療することを含む、上記方法を提供する。本発明の一態様によれば、ウイルス感染症は、レトロウイルス感染症、とくにHIV感染症である。本発明のさらなる態様は、HBV感染症の症候または影響を治療(予防を含む)する方法を包含する。
【0071】
本発明に係る化合物はまた、HIV感染症またはHIV関連の症候もしくは影響(たとえばカポジ肉腫)の治療における補助療法に使用することも可能である。
【0072】
本発明の化合物はまた、他のCCR5関連の疾患および症状、たとえば、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、免疫媒介障害の治療(予防を含む)に使用することも可能である。
【0073】
本発明はさらに、動物(たとえば、ヒトを含む哺乳動物)において臨床症状(先に本明細書で論述した臨床症状を含む)を治療する方法であって、製薬上有効な量の本発明に係る化合物で該動物を治療することを含む、上記方法を提供する。本発明はまた、前述の疾患または症状のいずれかを治療(予防を含む)するための方法をも包含する。
【0074】
このほかのさらなる態様において、本発明は、以上に記載のウイルス感染症または症状のいずれかを治療(予防を含む)するための医薬の製造における本発明に係る化合物の使用を提供する。
【0075】
本発明に係る以上の化合物およびそれらの製薬上許容される誘導体は、以上の感染症または症状を治療すべく他の治療剤と組み合わせて利用することが可能である。本発明に係る併用療法は、本発明の化合物または製薬上許容されるその誘導体と他の医薬活性剤とを投与することを含む。活性成分および医薬活性剤は、同一のもしくは異なる医薬組成物に組み込んで同時に投与するかまたは任意の順序で逐次的に投与することが可能である。活性成分および医薬活性剤の量および投与の相対的タイミングは、所望の併用治療効果が達成されるように選択されるであろう。
【0076】
そのような治療剤の例としては、ウイルス感染症または関連症状の治療に有効な薬剤が挙げられる。これらの薬剤に包含されるのは、次のとおりである:(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド類〔たとえば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、およびペンシクロビル〕、非環式ヌクレオシドホスホネート類〔たとえば、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)〕、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類〔たとえば、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア〕、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤類〔たとえば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(phosphophonate)(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン 5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブト-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、およびリバビリン〕、プロテアーゼ阻害剤類〔たとえば、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、フォサムプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)〕、インターフェロン類〔たとえば、α-インターフェロン〕、腎排泄阻害剤類〔たとえば、プロベネシド〕、ヌクレオシド輸送阻害剤類〔たとえば、ジピリダモール〕;ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、さらには免疫調節剤類〔たとえば、インターロイキンIIもしくはチモシン〕、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子類、エリトロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子工学的誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)類〔たとえば、ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)〕、糖タンパク質120アンタゴニスト類〔たとえば、PRO-2000、PRO-542、および1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)〕、サイトカインアンタゴニスト類〔たとえば、レチクロース(プロダクト-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)〕、インテグラーゼ阻害剤類、または融合阻害剤類〔たとえば、T-20およびT-1249〕。
【0077】
本発明はさらに、先に本明細書に定義したような少なくとも他の治療剤と同時にまたは逐次的に投与するための医薬の製造における本発明に係る化合物の使用を包含する。
【0078】
本発明の化合物は、化合物の代謝を阻害または低減することが知られている薬剤(たとえばリトナビル)と共に投与することが可能である。したがって、本発明は、代謝阻害剤と組み合わされて本発明の化合物を投与することにより先に記載したような疾患を治療(予防を含む)する方法を特徴とする。そのような併用剤は、同時にまたは逐次的に投与可能である。
【0079】
一般的には、上述の症状のそれぞれに好適な用量は、1日につきレシピエント(たとえばヒト)の体重1キログラムあたり0.01〜250mgの範囲、好適には1日につき体重1キログラムあたり0.1〜100mgの範囲、最も好適には1日につき体重1キログラムあたり0.5〜30mgの範囲、特定的には1日につき体重1キログラムあたり1.0〜20mgの範囲であろう。とくに明示されていないかぎり、活性成分の全重量は、式(I)で示される親化合物として算出され;その塩またはエステルでは、重量は比例して増大されるであろう。所望の用量は、終日にわたり適切な間隔で投与される1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のサブ用量として提示されうる。いくつかの場合には、所望の用量は、別の日にわたり与えられうる。これらのサブ用量は、たとえば、1ユニット製剤あたり10〜1000mgまたは50〜500mg、好適には20〜500mg、最も好適には50〜400mgの活性成分を含有するユニット製剤で投与可能である。
【0080】
活性成分を単独で投与することもできるが、医薬組成物として提示することが好ましい。本発明の組成物は、先に規定したような少なくとも1種の活性成分を、1種以上の許容しうる担体および場合により他の治療剤と共に含有する。各担体は、組成物の他の成分と適合しかつ患者に有害でないという意味で許容しうるもでなければならない。
【0081】
医薬組成物としては、経口投与、経直腸投与、経鼻投与、局所投与(経真皮投与、頬腔内投与、および舌下投与を含む)、経膣投与、または非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与、および硝子体内投与を含む)に好適な組成物が挙げられる。組成物は、ユニット製剤の状態で便利に提示可能であり、製薬技術分野で周知の任意の方法により調製可能である。そのような方法は、本発明のさらなる特徴をなし、1種以上の副成分を構成する担体と活性成分とを一体化させる工程を含む。一般的には、組成物は、液体担体もしくは微細分割固体担体またはその両方と活性成分とを均一かつ十分に一体化させてから所要により生成物を造形することにより調製される。
【0082】
本発明はさらに、本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体と他の治療剤とがキットの一部分としてそれぞれ別々に提示される先に規定したような医薬組成物を包含する。
【0083】
経真皮投与に好適な組成物は、長期間にわたりレシピエントの表皮と密接した状態に保持するのに適合した個別の貼付剤として提示可能である。そのような貼付剤は、好適には、1)場合により緩衝化されていてもよい水溶液の状態、または2)接着剤中に溶解および/もしくは分散された状態、または3)ポリマー中に分散された状態で、活性化合物を含有する。活性化合物の好適な濃度は、約1%〜25%、好適には約3%〜15%である。可能性のある1つの特定例として、Pharmaceutical Research 3 (6), 318 (1986)に概説されているようなエレクトロトランスポートまたはイオントホレシスにより活性化合物をパッチから送達することが可能である。
【0084】
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル剤、キャプレット剤、カシェ剤、もしくは錠剤のような個別ユニットとして;粉末剤もしくは顆粒剤として;水性もしくは非水性の液体中の溶液剤もしくはサスペンジョン剤として;または水中油型液状エマルジョン剤もしくは油中水型液状エマルジョン剤として提示しうる。活性成分はまた、ボーラス剤、舐剤、またはパスタ剤として提示することも可能である。
【0085】
錠剤は、場合により1種以上の副成分と共に、圧縮または成形により作製可能である。圧縮錠剤は、結合剤(たとえば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(たとえば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋型ポビドン、架橋型ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤、または分散剤と場合により混合されていてもよい自由流動性形態(たとえば、粉末または顆粒)の活性成分を好適な機械で圧縮することにより、調製可能である。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤された粉末状化合物の混合物を好適な機械で成形することにより、作製可能である。錠剤は、場合により、コーティングを施したり切込みを設けたりすることが可能であり、さらには所望の放出プロファイルを提供すべくさまざまな割合でヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いて含まれる活性成分の徐放または制御放出が行われるように製剤化することが可能である。錠剤は、場合により、胃以外の消化管の一部分で放出が行われるように腸溶コーティングを施すことも可能である。
【0086】
口内局所投与に好適な医薬組成物としては、香味基剤(通常はスクロースとアカシアまたはトラガカント)中に活性成分を含むロゼンジ剤;ゼラチンとグリセリンまたはスクロースとアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;および好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
【0087】
直腸内投与に供される医薬組成物は、たとえば、ココアバターまたはサリチレートまたは当技術分野で一般に使用される他の材料を含む好適な担体を備えた坐剤として提示しうる。坐剤は、軟化または融解した担体との活性組合せ物を混合してから成形型中で冷却および造形を行うことにより、便利に形成しうる。
【0088】
非経口投与に好適な医薬組成物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および医薬組成物に対象のレシピエントの血液との等張性を付与する溶質を含有しうる水性および非水性の等張無菌注射溶液剤;ならびに懸濁化剤および粘稠化剤を含有しうる水性および非水性の無菌サスペンジョン剤;さらには血液成分または1つ以上の器官に化合物が標的化されるようにデザインされたリポソームまたは他の微粒子系が挙げられる。医薬組成物は、アンプルやバイアルなどの単位用量または複数回用量の密閉容器に入れて提示可能であり、使用直前に無菌液体担体(たとえば注射用水)の添加だけが必要となるフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保存可能である。即時注射用の溶液剤およびサスペンジョン剤は、先に記載した種類の滅菌された粉末剤、顆粒剤、および錠剤から調製可能である。
【0089】
ユニット用量の医薬組成物としては、先に本明細書に列挙したような一日用量もしくは1日サブ用量またはそれらの適切な部分用量の活性成分を含有する医薬組成物が挙げられる。
【0090】
当然のことながら、先に特記した成分に加えて、本発明の医薬組成物は、対象の医薬組成物のタイプを考慮して当技術分野で慣用される他の薬剤を含有しうる。たとえば、経口投与に好適なの医薬組成物は、甘味剤、増粘剤、および香味剤のようなさらなる薬剤を含有しうる。
【実施例】
【0091】
実施例
以下の実施例は、単に例示を目的としたものにすぎず、本発明の範囲をなんら限定しようとするものではない。
【0092】
ESIポジティブ/ネガティブモードまたはAPCIポジティブ/ネガティブモードのいずれかを用いて0.5秒/スキャンで100〜1100amuにわたって走査することにより、低分解能オープンアクセスLC-MSデータを取得した。LC条件:流量0.8mL/分。6分間で85% H2O(0.1%ギ酸)→100% MeOH(0.075%ギ酸)。Phenomenex Max-RPカラム, 2.0×50mm。
【0093】
フローインジェクション方式Micromass LCT質量分析計(飛行時間型)(FIA-MS)を用いて、0.3mL/分の100% MeOH(0.1%ギ酸)、2分間のランタイム、ESI+モード、100〜1100amu走査、0.5秒/スキャンの条件で、高分解能質量スペクトルを取得した。レセルピンをロックマス(m/z 609.2812)として使用し、質量スケールを調整した。
【0094】
当業者であればわかるであろうが、本発明の化合物の製造時、以下のスキームに従った。本明細書に示されるスキーム内に描かれた変化はいずれも、特定のスキームに限定されるべきものであり、必ずしも本明細書の残りの部分全体にわたって拡張されるべきものとは限らない。さらに、本発明に係る化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有するので、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、ならびに個別のジアステレオアイソマーとして存在する。これらの化合物のそのような異性体形はすべて、本発明に明示的に包含されるものとする。スキームには特定の立体化学配置が示されることもあろうが、任意の所与のキラル中心において反対の立体化学を有する化合物またはそれらの混合物もまた想定され、同様にして製造される。
【0095】
一般的スキーム
二炭素リンカーを有するシスおよびトランスシクロヘキシルアミン誘導体の合成
スキーム1:
【化17】

【0096】
スキーム1に示されたのと同様な方法で、対応するN-メチルおよびn-プロピルシクロヘキシルアミノアルデヒド(N-propyl cyclohexyamino aldehydes)を製造し、還元的アミノ化によるアミンと結合に使用した。
【0097】
スキーム2
【化18】

【0098】
三炭素リンカーを有するシクロヘキシルアミン
スキーム3:
【化19】

【0099】
先に述べたように、当業者であればわかるであろうが、対応するトランス類似体の製造時、同様に以上のスキームに従いうる。
【0100】
製剤例1
トランス&シス-ベンジルベンジル(4-シアノ-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化20】

【0101】
ジクロロメタン(400mL)中の4-フェニル-4-シアノシクロヘキサノン(cyanocyclohexnone)(63g, 316mmol)およびベンジルアミン(34g, 316mmol)の攪拌混合物にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(100.5 g. 474mmol)を5時間かけて少しずつ添加した。反応系を一晩攪拌した後、飽和重炭酸ナトリウム溶液で注意深くクエンチングした。相を分離し、水性相をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させ、薄黄色の固体(90g, 98%)として1-フェニル-4-[(フェニルメチル)アミノ]シクロヘキサンカルボニトリルを得た。
【0102】
0℃で、混合THF/NaHCO3(120mL/140mL)中の1-フェニル-4-[(フェニルメチル)アミノ]シクロヘキサン-カルボニトリル(29g, 100mmol)の攪拌溶液にCbzCl(20.5g, 120mmol)を滴下した。氷水浴上でさらに2.5時間攪拌した後、反応混合物をエチルアセテート(500mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させた。粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、2種の異性体:シス異性体(第1の画分)、25.5g(白色の固体)を単離した;H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.46-7.44 (m, 2 H), 7.40-7.33 (m, 3 H), 7.32-7.20 (m, 10 H), 5.24-5.17 (m, 2 H), 4.56 (s, 2 H), 4.31 (br, + 3.96 (br), 1 H, 回転異性体), 2.19-2.17 (m, 2 H), 2.05-1.65 (m, 6 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 425.2229, 測定値 425.2202. トランス異性体 (第2の画分): 12.6g, H1NMR (400 MHz, CDCl3) 7.42-7.26 (m, 8 H), 7.21-7.19 (m, 5 H), 7.03 (s, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 4.27 (s, 2 H), 4.10 (m, 1 H), 2.67 (d, J=13 Hz, 2 H), 2.14 (t, J=13.5 Hz, 2 H), 1.67-1.49 (m, 4 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 425.2229, 測定値 425.2204。
【0103】
製剤例2
シス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化21】

【0104】
-78℃で、ジクロロメタン(200mL)中のシス-ベンジルベンジル(4-シアノ-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(18.5g, 43.4mmol)の攪拌溶液にDibal-H(67mL, ヘキサン中1.0M)を30分間かけて徐々に添加した。5時間攪拌した後、反応混合物を注意深くメタノールでクエンチングし、次に、室温まで上昇させた。約400mLの飽和クエン酸溶液を添加した。次に、混合物を一晩攪拌した。層を分離し、水性層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させた後、粗製アルデヒドをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 6:1)により精製し、白色の固体(12.8g, 69%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.31 (s, 1 H), 7.44-7.17 (m, 15 H), 5.22-5.13 (m, 2 H), 4.42 (br, 2 H), 4.15 (br, + 3.87 (br), 1 H, 回転異性体), 2.56 (d, J=11.3 Hz, 2 H), 1.78-1.26 (m, 6 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 428.2226, 測定値 428.2245。
【0105】
製剤例3
トランス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化22】

【0106】
製剤例2に概説されている手順に従って、トランス-ベンジルベンジル(4-シアノ-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(9.6g, 22.6mmol)およびDibal-H(34mL, ヘキサン中1.0M)から、白色の固体としてトランス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(7.1g, 73%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.32 (s, 1 H), 7.46-7.03 (m, 15 H), 5.13 (br, 2 H), 4.27-3.91 (m, 3 H), 2.51-2,47 (m, 2 H), 1.69-1.54 (m, 6 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 428.2226, 実測値 428.2245。
【0107】
製剤例4
シス-ベンジルベンジル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化23】

【0108】
ステップ1:
-78℃でTHF(60mL)中のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(13.7g, 40 mmol)の攪拌懸濁液にKHMDS(60mL, トルエン中0.5M)をシリンジにより添加した。混合物を3時間攪拌した後、THF(60mL)中のシス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(8.5g, 20mmol)のあらかじめ冷却された(0℃)攪拌溶液中にカニューレで導入した。反応系を0℃で6時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウムでクエンチングした。得られた混合物を原体積の約半分まで濃縮してTHFを除去し、粗生成物をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、Z/E異性体の混合物(油, 4.3g, 67%)を得た。H1NMRは、可撓性シクロヘキシル環だけでなくZ/E混合物にも起因して乱雑に見えた。HRMS m/z (M+H)+ 計算値 456.2539, 実測値 452.2538。
【0109】
ステップ2:
ステップ1から製造されたZ/E異性体の混合物(4.3g, 9.5mmol)を10mLの90%ギ酸中で激しく6時間攪拌した後、攪拌重炭酸ナトリウム溶液中に徐々に注いだ。水溶液をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させることにより白色の固体を取得し、それを精製することなく次のステップに直接使用した。
【0110】
ステップ3:
ステップ2から製造されたアルデヒド(aldahyde)(約9.5mmol)と1-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾールジヒドロクロリド(3.5g, 10mmol)とのあらかじめ冷却された(0℃)攪拌溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.2g, 15mmol)を添加した。反応混合物を4時間攪拌した後、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチングした。層を分離し、水性層をジクロロメタン(dichlormethane)(2×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、白色のフォームとしてシス-ベンジルベンジル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート)(5.33g, 二段階で84%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.67 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.31-7.13 (m, 18 H), 5.15 (br, 2 H), 4.57 (br, 3 H), 3.89 (br, 1 H), 3.18 (br, 2 H), 2.55 (s, 3 H), 2.37-2.29 (m, 2 H), 2.13-2.05 (m, 2 H), 1.96-1.80 (m, 9 H), 1.72-1.55 (m, 7 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 667.3990, 実測値667.4012。
【0111】
製剤例5
トランス-ベンジルベンジル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化24】

【0112】
製剤例4に概説されている手順に従って、トランス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(0.89g, 2.1mmol)および1-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(340mg, 1.4mmol)から、白色の固体としてトランス-ベンジルベンジル (4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(787mg, 3ステップで52%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.67 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.36-7.12 (m, 16 H), 7.00 (br, 2 H), 5.10 (br, 2 H), 4.63 (m, 1 H), 4.30-4.15 (m, 3 H), 3.24 (br, 2 H), 2.56 (s, 3 H), 2.44-2.33 (m, 4 H), 1.92-1.86 (6 H), 1.63-1.42 (m, 10 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 667.3990, 実測値 667.4009。
【0113】
製剤例6
シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン
【化25】

【0114】
エタノール(80mL)中のシス-ベンジルベンジル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(4.67g, 7mmol)を、大過剰のアンモニウムホルメート(8.8g, 140mmol)および触媒量のPd(OH)2(0.46g)の存在下で加熱して2時間還流させた。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をCH2Cl2/水(200mL/100mL)間で分配させた。水性相をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させることにより、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(2.0g, フォーム, 63%)を取得し、それをアシル化に直接使用した。
【0115】
同一の方法で、対応するトランス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミンを製造した。
【0116】
製剤例7
シス3-(アミノスルホニル)-4-クロロN-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GW 877017X (u19394-101-8))
【化26】

【0117】
DMF(3mL)中のシス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(44mg, 0.1mmol)および3-(アミノスルホニル)-4-クロロ安息香酸(24mg, 0.1mmol)の攪拌混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(13mg, 0.1mmol)およびHATU(38mg, 0.1mmol)を添加した。得られた混合物を2時間攪拌した後、エチルアセテートで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィーによる精製を行うことにより、フォーム(40mg, 61%)としてシス-3-(アミノスルホニル)-4-クロロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミドを得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.38 (s, 1 H), 7.57-7.52 (m, 2 H), 7.32-7.13 (m, 9 H), 4.60 (br, 1 H), 4.00 (br, 1 H), 3.32 (br, 2 H), 2.48 (s, 3 H), 2.30 (br, 3 H), 2.04-1.80 (m, 19 H), 1.54 (br, 3 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 660.2775, 実測値 660.2762。
【0118】
製剤例8
シスN-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド GW 877015X (u19394-102-2)
【化27】

【0119】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(44mg, 0.1mmol)および1H-ピラゾール-4-カルボン酸(11.2mg, 0.1mmol)およびHATU(38mg, 0.1mmol)から、フォームとしてシスN-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(28mg, 52%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.09 (br, 1 H), 7.53 (d, J=6.4 Hz, 1 H0, 7.42-7.40 (m, 3 H), 7.35-7.31(m, 2 H), 7.21-7.15 (m, 3 H), 4,86 (s, 2 H), 4.81-4.76 (m, 1 H), 3.88 (br, 1 H), 3.34-3.30 (m, 3 H), 2.55 (s, 3 H0, 2.48-2.40 (m, 2 H), 2.19-2.16 (m, 2 H), 2.07-2.05 (m, 2 H), 1.99-1.86 (m, 8 H0, 1.83-1.67 (m, 6 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 537.3344, 実測値 537.3354。
【0120】
製剤例9
シス-4-(アミノスルホニル)-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319128A (u19911-67-1)
【化28】

【0121】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、4-アミノスルホニル安息香酸(10mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-4-(アミノスルホニル)-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(21mg, 65%)を得た。H1NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ7.92 (br, 4 H), 7.52 (s, 1 H), 7.33 (br, 5 H), 7.15 (br, 3 H), 4.82 (br, 1 H), 4.72-4.39 (m, 4 H), 3.92 (br, 1 H), 3.33 (br, 2 H), 2.50 (s, 3 H), 2.39 (br, 2 H), 2.08 (br, 2 H), 1.97-1.91 (m, 9 H), 1.76 (br, 4 H), 1.63 (br, 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 626.3165, 実測値 626.3165。
【0122】
製剤例10
シス-4-(アミノスルホニル)-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319129A (u19911-67-2)
【化29】

【0123】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、2-フルオロ-(4-アミノスルホニル安息香酸(12mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-4-(アミノスルホニル)-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(18mg, 56%)を得られた。H1NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ7.83 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.73-7.63 (m, 2 H), 7.51-7.48 (m, 1 H), 7.34-7.23 (m, 5 H), 7.18-7.12 (m, 3 H), 4.73-4.67 (m, 1 H), 4.52 (br, 2 H), 3.92 (br, 1 H), 3.28 (br, 2 H), 2.48 (s, 3 H), 2.41-2.33 (m, 2 H), 2.10-2.05 (m, 2 H), 1.96-1.72 (m, 14 H), 1.69-1.63 (m, 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 644.3077, 実測値 644.3084。
【0124】
製剤例11
シス-4-(アミノスルホニル)-2-クロロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319130A (u19911-67-3)
【化30】

【0125】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、2-クロロ-(4-アミノスルホニル)安息香酸(12mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-4- (アミノスルホニル)-2-クロロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(15mg, 45%)を得た。H1NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ7.82 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.58-7.53 (m, 2 H), 7.36-7.31 (m, 6 H), 7.21-7.14 (m, 3 H), 4.71-4.66 (m, 1 H), 3.97 (br, 2 H), 3.30 (br, 2 H), 2.50 (s, 3 H), 2.42 -2.34 (m, 2 H), 2.06-2.03 (m, 2 H), 1.99-1.71 (m, 14 H), 1.62-1.59 (m 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 660.2791, 実測値 660.2775。
【0126】
製剤例12
シス-2-クロロ4-フルオロ5-[(メチルアミノ)スルホニル]-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319131A (u19911-67-4))
【化31】

【0127】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン (22mg, 0.05mmol)、2-クロロ-4-フルオロ5-[(メチルアミノ)スルホニル]安息香酸(14mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-2-クロロ-4-フルオロ-5-[(メチルアミノ)スルホニル]-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(28mg, 80%)を得た。H1NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ7.98 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.58-7.56 (m, 1 H), 7.38-7.33 (m, 6 H), 7.24-7.15 (m, 3 H), 4.73-4.68 (m, 1 H), 3.99-3.94 (m, 1 H), 3.60 (br, 2 H), 3.33 (br, 2 H), 2.66 (s, 3 H), 2.53 (s, 3 H), 2.44-2.36 (m, 2 H), 2.08-2.05 (m, 2 H), 1.99-1.73 (m. 14 H), 1.66-1.64 (m, 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 692.2839, 実測値 692.2837。
【0128】
製剤例13
シス-4-クロロ-2-フルオロ5-{[(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゼンスルホン酸 GSK319165A (u19911-67-5)
【化32】

【0129】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン)(22mg, 0.05mmol)、2-クロロ-4-フルオロ-5-スルホ安息香酸(13mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゼンスルホン酸(10mg, 27%)を得た 。H1NMR (400 MHz, CD3OD) δ7.90 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.53-7.51 (m, 1 H), 7.43-7.33 (m, 6 H), 7.20-7.15 (m, 3 H), 4.81-4.74 (m, 1 H), 3.91 (br, 1 H), 3.39 (br, 2 H), 2.55 (s, 3 H), 2.47-2.38 (m, 2 H), 2.14-2.12 (m, 2 H), 1.97-1.70 (m, 16 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 679.2532, 実測値 679.2521。
【0130】
製剤例14
シス-3-(アミノスルホニル)-4-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319166A (u19911-67-6))
【化33】

【0131】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、4-フルオロ-(3-アミノスルホニル安息香酸(12mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-3-(アミノスルホニル)-4-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(20mg, 62%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.23-8.21 (m, 1 H), 8.11-8.08 (m, 1 H), 7.58 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 7.35-7.30 (m, 4 H), 7.24-7.20 (m, 4 H), 7.19-7.10 (m, 2 H), 6.80 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 4.63 (br, 1 H), 3.99 (br, 1 H), 3.25 (br, 2 H), 2.49 (s, 3 H), 2.37-2.29 (m, 2 H), 2.09-2.03 (m, 2 H), 1.98-1.72 (m, 15 H), 1.57-1.55 (m, 12 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 644.3091, 実測値 644.3071。
【0132】
製剤例15
シス-4-クロロ-5-[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK319469A (u19911-67-8)
【化34】

【0133】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、4-クロロ-5-[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]2-フロ安息香酸(15mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol))から、白色の固体としてシス-4-クロロ-5-[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(24mg, 67%))を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.16 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.64 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 7.38-7.30 (m, 5 H), 7.28-7.26 (m, 1 H), 7.24-7.12 (m, 3 H), 6.34 (d, J=7.7 Hz, 1 H), 4.64-4.59 (m, 1 H), 4.04 (br, 1 H), 3.26 (br, 2 H), 2.55 (s, 3 H), 2.40-2.28 (m, 4 H), 2.10 (br, 3 H), 1.91-1.73 (m, 13 H), 1.60-1.59 (m, 2 H), 0.68-0.64 (m, 4 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 718.2979, 実測値 718.2994。
【0134】
製剤例16
シス-メチル3-{[(4-{2-[3-(2-メチル1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8つのアザビシクロ[3.2.1]オクト8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゾエート GSK319470A (u19911-67-9)
【化35】

【0135】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、3-(メトキシカルボニル)安息香酸(9mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-メチル3-{[(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル}ベンゾエート(21mg, 70%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.36 (s, 1 H), 8.16 (d, J=7.7 Hz, 1 H), 8.08 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.54 (t, J=7.7 Hz, 1 H), 7.35-7.31 (m, 4 H), 7.29-7.26 (m, 1 H), 7.24-7.12 (m, 3 H), 6.31 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 4.65 (br, 1 H), 4.09-4.04 (m, 1 H), 3.94 (s, 3 H), 3.28 (br, 2 H), 2.57 (s, 3 H), 2.42-2.34 (m, 2 H), 2.08-2.05 (m, 3 H), 1.93-1.73 (m, 12 H), 1.62-1.60 (m, 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 605.3488, 実測値 605.3492。
【0136】
製剤例17
シス-2,6-ジフルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-3-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド GSK332376A (u19911-71-1)
【化36】

【0137】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、2,6-ジフルオロ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸(13mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-2,6-ジフルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-3-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(14mg, 36%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.62 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.54-7.49 (m, 1 H), 7.35-7.30 (m, 4 H), 7.23-7.11 (m, 4 H), 6.90 (t, J=8.4 Hz, 1 H), 6.76 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 4.67 (br, 1 H), 4.04 (br, 1 H), 3.29 (br, 2 H), 2.93 (s, 3 H), 2.48 (s, 3 H), 2.38-2.30 (m, 2 H), 2.03-1.82 (m, 14 H), 1.76-1.68 (m, 2 H), 1.61-1.59 (m, 2 H), HRMS m/z (M+H)+ 計算値 676.3141, 実測値 676.3133。
【0138】
製剤例18
シス-4-クロロ-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-5-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド GSK332377A (u19911-71-2)
【化37】

【0139】
製剤例7に概説した手順に従って、シス-4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8つのアザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(22mg, 0.05mmol)、2-クロロ-4 -フルオロ-5-[(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸(14mg, 0.05mmol)、およびHATU(19mg, 0.05mmol)から、白色の固体としてシス-4-クロロ-2-フルオロ-N-(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)-5-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(20mg, 57%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.25 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.65 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.37-7.27 (m, 6 H), 7.23-7.12 (m, 3 H), 6.66 (t, J=8.9 Hz, 1 H), 4.70-4.65 (m, 1 H), 4.02 (br, 1 H), 3.30 (br, 2 H), 3.08 (s, 3 H), 2.57 (s, 3 H), 2.44-2.37 (m, 2 H), 1.98-1.88 (m, 15 H), 1.73-1.61 (m, 4 H), HRMS m/z (M+H)+ 計算値 692.2828, 実測値 692.2837。
【0140】
類似の手順を用いて、式
【化38】

【0141】
で示される化合物を製剤例した。ただし、Rは以下の表に規定されているとおりである:
【表1】

【0142】
類似の手順を用いて、式
【化39】

【0143】
で示される化合物を製造した。ただし、Rは以下の表に規定されているとおりである:
【表2】

【0144】
製剤例19
シス-ベンジルメチル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート GSK259211A (u19911-14-39)
【化40】

【0145】
2mLのジクロロメタン中のシス-ベンジルメチル[4-(2-オキソエチル)-4-フェニルシクロヘキシル]カルバメート(18.6mg, 0.05mmol)および1-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(14mg, 0.05mmol)の攪拌溶液にMP-トリアセトキシボロヒドリド樹脂(50mg, 0.1mmol)を添加した。反応系を一晩振盪した後、ポリマービーズを濾別した。溶媒を蒸発させることにより、フォーム(14mg, 48%)としてシス-ベンジルメチル(4-{2-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]エチル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート)を得た。LC-MSによる純度は>95%であった。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.70 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.35-7.29 (m, 9 H), 7.24-7.14 (m, 4 H), 5.14 (s, 2 H), 4.98 (br, 2 H), 4.02 (br, 1 H), 3.53 (br, 2 H), 2.93-2.88 (m, 3 H), 2.59 (s, 3 H), 2.18-2.00 (m, 9 H), 1.97-1.82 (m, 4 H), 1.71-1.69 (m, 6 H). LCMS m/z (M+H)+ 計算値 591.4, 実測値 591.4。
【0146】
類似の手順を用いて、以下の化合物を製造した:
【表3】




【0147】
製剤例20
シス-メチル(2E)-3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロプ-2-エノエート
【化41】

【0148】
0℃で、THF(25mL)中のメチルジエチルホスホノアセテート(methyl diethylphosponacetate)(1.83g, 8.7mmol)の攪拌溶液にNaH(348mg, 60%油サスペンジョン, 8.7mmol)を少しずつ添加した。水素ガスの溶離が観察された。混合物を室温で10分間攪拌した後、THF(25mL)中のシス-ベンジルベンジル(4-ホルミル-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(2.48g, 5.8mmol)の溶液を添加した。4時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液で反応系をクエンチングし、原体積の半分まで濃縮した。残存混合物をジクロロメタン(dichlormethane)(100mL)で希釈し、層を分離した。水性層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 4/1)を行うことにより、油(0.86g, 46%)としてシス-メチル(2E)-3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロプ-2-エノエートを得た(回収された出発物質, 0.84g)。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.46-7.18 (m, 15 H), 6.92 (d, J=16.3 Hz, 1 H), 5.81 (d, J=16.3 Hz, 1 H), 5.20-5.14 (m, 2 H), 4.45 (br, 2 H), 4.24 (br, +3.93 (br, 1 H, 回転異性体), 3.75 (s, 3 H), 2.24 (d, J=12.6 Hz, 2 H), 1.90-1.66 (m, 6 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 484.2503, 実測値 484.2488。
【0149】
製剤例21
シス-メチル3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロパノエート
【化42】

【0150】
水素雰囲気下、触媒量の10% Pd/Cの存在下、混合EtOH/THF(15mL/5mL)中で、シス-メチル(2E)-3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロプ-2-エノエート(0.86g, 1.78mmol)を5時間攪拌した。濾過により触媒を除去し、濾液を濃縮させて油を取得し、それを製剤例1に例示されるようにCbz保護処理に付した。油(510mg, 60%)としてシスメチル3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロパノエートを得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.46-7.44 (m, 1 H), 7.38-7.22 (m, 12 H), 7.20-7.16 (m, 2 H), 5.16 (br, 2 H), 4.53 (br, 2 H), 4.03 (br, 1 H), 3.56 (s, 3 H), 2.06-1.93 (m, 4 H), 1.87-1.81 (m, 4 H), 1.68 (br, 4 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 486.2641, 実測値 486.2644。
【0151】
製剤例22
シス-ベンジルベンジル(Menzyl)(4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート
【化43】

【0152】
-78℃で、ジクロロメタン(20mL)中のシスメチル3-(4-{ベンジル[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-フェニルシクロヘキシル)プロパノエート(510mg, 1.05mmol)の攪拌溶液に、Dibal-H(2mL, トルエン中1.0M)を添加した。反応系をこの温度で5時間攪拌した後、メタノールでクエンチングした。混合物を室温まで上昇させた後、10mLの飽和ロッシェル塩溶液を添加し、混合物をさらに2時間攪拌した。層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を蒸発させることにより、油(470 mg, quant.)を取得し、それを次のステップに使用した。
【0153】
製剤例5に概説した手順に従って、アルデヒド(470mg, 1mmol, 以上で製造)および1-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾールジヒドロクロリド(368mg, 1.05mmol)から、フォームとしてシス-ベンジルベンジル (4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(498mg, 73%)を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.67 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 7.38-7.16 (m, 14 H), 7.25-7.13 (m, 4 H), 5.30 (br, 2 H), 4.71-4.53 (m, 3 H), 3.84 (br, 1 H), 3.19 (br, 2 H), 2.58 (s, 3 H), 2.38-2.30 (m, 2 H), 2.06 -2.00 (m, 5 H), 1.97-1.63 (m, 13 H), 1.01 (br, 2 H). HRMS m/z (M+H)+ 計算値 681.4164, 実測値 681.4169。
【0154】
製剤例23
4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン
【化44】

【0155】
製剤例6に概説した手順に従って、シス-ベンジルベンジル(4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキシル)カルバメート(497mg, 0.73mmol))から、固体(330 mg, quant.)としてシス-4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキサンアミンを得た。所望の生成物をなんら精製することなく使用した。
【0156】
製剤例24
シス-3-(アミノスルホニル)-4-クロロ-N-(4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド GSK164326A (u19394-109-6))
【化45】

【0157】
製剤例7に概説した手順に従って、シス4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキサンアミン(46mg, 0.1mmol)、3-(アミノスルホニル)-4-クロロ安息香酸(24mg, 0.1mmol)およびHATU(38mg, 0.1mmol) から、固体としてシス-3-(アミノスルホニル)-4-クロロ-N-(4-{3-[3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]プロピル}-4-フェニルシクロヘキシル)ベンズアミド(56mg, 83%))を得た。H1NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.20 (s, 1 H), 7.94 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.50 (t, J=9.0 Hz, 2 H), 7.48-7.29 (br, 1 H), 7.14-7.10 (m, 2 H), 6.63 (d, J=6.9 Hz, 1 H), 4.70 (m, 1 H), 3.93 (br, 1 H), 3.27 (br, 2 H), 2.53 (s, 3 H), 2.40-2.32 (m, 2 H), 2.10-2.00 (m, 9 H), 1.90-1.79 (m, 6 H), 1.74-1.64 (m, 4 H), 1.05 (br, 2 H).◎
HRMS m/z (M+H)+ 計算値 674.2932, 実測値 674.2928。
【0158】
類似の手順を用いて、式で
【化46】

【0159】
示される化合物を製造した。ただし、Rは以下の表に規定されているとおりである:
【表4】

【0160】
生物学的データ
次の定義を適用する:
【表5】

【0161】
シンチレーション近接アッセイによるCCケモカインレセプター-5の結合(CCR5 SPA)
ヒトCCケモカインレセプターCCR-5に対するシンチレーション近接アッセイ
このプロトコールは、ヒトCCR5ケモカインレセプターへの125I-MIP1αの結合を阻害する化合物を同定するためのSPA結合を用いたハイスループットスクリーンを記述する。
【0162】
CCR5は、天然のケモカインリガンド(MIP1α、MIP1-β、およびRANTES)に結合するGタンパク質共役レセプターである。CCR5は、ヒトT細胞および単球へのHIV-1の侵入に対してCD4と共にコレセプターとして作用する。ケモカインはまた、急性および慢性の炎症過程にも関与する。ケモカインは、生体に侵入する外来性物質に対する宿主応答の初期段階で多種多様な細胞タイプにより産生放出される可溶性タンパク質である。
【0163】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(登録番号12025)中でヒトCCR5レセプターを発現させた。細胞を懸濁状態で増殖させ、50〜80mlのCCR5細胞ペレットを作製した。膜の作製:1)ペレットを秤量する;2)0.0025mg/mlペファブロック、0.0001mg/mlペプスタチンA、0.0001mg/mlロイペプチン、0.0001mg/mlアプロチニンを含有する氷冷された50mM HEPES緩衝液を製造する(プロテアーゼ阻害剤カクテル), pH7.4;3)5体積のHEPES緩衝液中にペレットをホモジナイズする;4)ガラスホモジナイザーを用いて10〜20ストロークで再びホモジナイズする;5)Sorvall RC26 PlUS冷却遠心機を用いてF28/36ローターにより18,000rpmでホモジネートを30分間遠心する;6)上清を廃棄し、3体積のHEPES緩衝液中にペレットを再懸濁させる;7)ステップ4〜6をさらに2回用いて再びホモジナイズし遠心する;8)ペレットを再秤量し、3倍の重量対体積比でHEPES緩衝液中にホモジナイズする;9)膜調製物を0.5〜1.5mlのアリコートに分けて小さいバイアルに入れ、摂氏-80度で貯蔵する;10)Bio-Rad法またはBCA法を用いて膜調製物のタンパク質濃度を決定する;11)アッセイ条件a.)タンパク質濃度;b.)SPAにおける最適なタンパク質対ビーズ比;およびc.)SPAでKdおよびBmaxを決定するための飽和曲線に関して膜ホモジネートの特性付けが必要であろう。
【0164】
最適のタンパク質/ビーズ比から選択された濃度で膜およびビーズにさまざまな量の[125I]MIP1α(0〜8.5nM)を添加することにより、飽和曲線結合実験を行う。非線形カーブフィッティングプログラムを用いてデータを解析する。曲線からKdおよびBmaxを誘導する。
【0165】
バシトラシン50mg/mlを脱イオン水に溶解させ、5分間煮沸状態にし(プロテアーゼ活性を破壊する)、そして冷却する。1mlアリコートを作製し、-80℃で貯蔵する。
【0166】
100% DMSO中に25mg/mlのペファブロック、1mg/mlのロイペプチン、1mg/mlのアプロチニン、および1mg/mlのペプスタチンAを溶解させることにより、プロテアーゼ阻害剤カクテルを調製する。カクテルをアリコートに分けて、必要になるまで-20℃で凍結貯蔵することが可能である。
【0167】
Sigmacote:放射性リガンドに接触する試薬ビンおよびレザバーをSigmacoteで処理し、付着を減少させるようにする。無希釈Sigmacoteで容器をすすぎ;脱イオン水で数回すすぎ、そして空気乾燥させてから使用に供する。
【0168】
カラークエンチアッセイ- [125I] SPA PVTカラークエンチキット, Cat. No. RPAQ 4030, Amersham Ltd.各Packard TopCountに対してカラークエンチ曲線を作成し、アッセイに特異的な計数プロトコールごとに保存する。これは着色化合物がシンチレーションカウントをクエンチングするのを防止するために行われる。
【0169】
化合物の準備:単一濃度決定(ワンショット)用の化合物は、100% DMSO中の化合物の溶液1μlをカラムA1〜H10に含む96ウェルPackard Optiplatesで供給される(80種の化合物/プレート)。カラムA11〜H11は、全結合(Bo)(適切なDMSO濃度の媒体-5μl)に使用し、カラムA12〜D12は、非特異的結合の決定に使用する。それ以上の準備は必要でない。
【0170】
濃度応答曲線(10点)用の化合物は、100% DMSO中の化合物の溶液1μlをカラムA1〜H10に含む96-Packard Optiplatesで供給される。各化合物に対して30μMの初期高濃度を用いる10点濃度応答曲線が望ましい(アッセイの最後で)。カラムA11〜H11は、全結合(Bo)(適切なDMSO濃度の媒体-5μl)に使用し、カラムA12〜D12は、非特異的結合の決定に使用する。それ以上の準備は必要でない。
【0171】
材料:
1M HEPES, pH 7.4, Gibco, Cat. No. 15360-080
バシトラシン, Sigma Catalog. Number. B-0125
ウシ血清アルブミン, Sigma, Cat. No. A-7888
MgCl2, J.T. Baker 2444-01
CaCl2, Sigma, Cat. No. C5080
MIP1α, Peprotech, Cat. No. 300-08
Sigmacote, Sigma, Cat. No. SL2
シンチレーション近接ビーズ, 小麦胚芽凝集素, Amersham, Cat No. RPNQ 0001
[125I]MIP1α, NEN (#NEX298)
Packard 96ウェル平底Optiplate, Cat. No. 6005190
Falcon 96ウェル丸底プレート, Cat. No. 3077
TOPSEAL-S, Packard, Cat. No. 6005161
ジメチルスルホキシド, EM Science, Cat. No. MX1458-6
シリコナイズドピペットチップ, Accutip, 容量200〜1300μL, Cat. No. P5048-85
シリコナイズドピペットチップ, Bio Plas, Inc., 容量1〜200μL, Cat. No. 60828-908
試薬リザーバー, Elkay, Cat. No. 175-RBAS-000
【0172】
アッセイ緩衝液の調製:
50mM HEPES緩衝液pH7.4、1mM CaCl2、5mM MgCl2(これは、100倍ストック液として事前に作製しておくことができる)、1% BSA、0.5mg/ml バシトラシン、プロテアーゼ阻害剤カクテル(前述の調製を参照されたい)100μL/100ml、所要によりDMSOが1ウェルあたり2%の最終濃度(化合物用のDMSOの%を含む)になるように添加される。
【0173】
実験の詳細:
[125I] MIP1αの準備:
Sigmacoteで処理された容器中に放射性リガンド希釈液を調製した。
0.5mlの脱イオン水で各50μCiバイアルを再構成し、4℃で貯蔵する。
比放射能=2,000Ci/mmol◎
各アッセイウェルに50μLで約60,000cpm(0.17nM)を添加する。
【0174】
Bo:
20% DMSO溶液を作製し、この5μlをカラムA11〜H11の各ウェルに添加する。これにより、アッセイ緩衝液中の1%に添加したとき、ウェルは最終的に2% DMSO濃度になる。
【0175】
NSB:
脱イオン水を用いて100μMでMIP1αのストック希釈液を作製し;アリコートに分けて凍結する。先に使用したのと同一の20% DMSO溶液でMIP-1αストック溶液を2μMの濃度に希釈し、5μlをカラムA12〜D12のウェルに添加し、100nMの最終アッセイ濃度になるようにする。Sigmacoteで処理された容器中にこれを作製する。
【0176】
膜およびSPAビーズの準備:
膜の最終アッセイ濃度は、1ウェルあたり15μgである。5mlのアッセイ緩衝液を500mgバイアルに添加することにより、SPAビーズを準備する。アッセイにおけるSPAビーズの最終濃度は、0.25mg/ウェルである。膜およびビーズを1:1(膜:ビーズ)混合物として前混合し、一定した攪拌を行いながら混合物を4℃に保持する。50μlの混合物を各アッセイウェルに添加する。すべての試薬をプレートに添加した後(全アッセイ体積100μl)、プレートを室温で4時間振盪する。4時間後、TopCountにプレートを配置し、適切なプログラム(すなわち、アッセイの条件に合わせて設定されたクエンチ曲線を有するプログラム)を用いて1ウェルあたり30秒間でTopCountによりプレートを計数する。
【0177】
データ処理:
Microsoft Excel Addins RobofitまたはRobosageを用いてデータ処理を行う。
単一濃度アッセイ(ワンショット)では、次式:100*(1-(U1-C2)/(C1-C2))を用いて各試験ウェルの結果を阻害%として表現する。式中、U1は、特定のウェルで観測されたcpm単位の未知サンプルの値であり、C1は、いずれの添加阻害剤も存在させずに観測されたカラム12のcpmの平均であり、そしてC2は、1μMのMIP1αの存在下で観測されたカラム11のcpmの平均である。
【0178】
濃度応答アッセイでは、次式:100*(U1-C2)/C1-C2)を用いて各試験ウェルの結果を%B/Bo(全特異的結合%)として表現する。%B/Bo vs濃度をプロットすることにより曲線を作成した。IC50は、式y=Vmax*(1-(x^n/(k^n+x^n)))を用いて誘導される。
【0179】
対照および標準:
各プレートには、全結合用の12ウェルが含まれる(A11〜H11カラム)。cpm/ウェルの平均を求めて、C1値としてデータ処理に使用する。各プレートには、非特異的結合用の4ウェルも含まれる(ウェルA12-D12)。これらのウェルのカウント数の平均を求めて、C2値としてデータ処理に使用する。
【0180】
各実験には標準プレートが含まれる。このプレートには、1μMの開始濃度の標準化合物MIP1αの14点濃度応答曲線(三重反復試験方式)が含まれる。MIP1αを用いて得られる平均既存pKiは7.6である。
【0181】
単一濃度(ワンショット)に適合した生物学的応答要素は、阻害%である。>40%または>50%の阻害値を陽性応答とみなした。
濃度応答実験に適合した生物学的応答要素は、pKIである。
【0182】
HOSアッセイ(HOS-LTR-ルシフェラーゼアッセイとも呼ばれる)
材料
DMEM (GibcoBRL # 10564-011)
トリプシン(Trpsin)-EDTA (GibcoBRL #25300-054)
熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS) (Hyclone # SH30070.03)
96ウェル黒色壁透明底組織培養処理プレート(Costar # 3904)
96ウェル透明壁透明底組織培養処理プレート(Costar # 3598)
リン酸緩衝食塩水(PBS) (GibcoBRL #14190-144)
ジメチルスルホキシド(DMSO) (Sigma # D2650)
Lucliteルシフェラーゼレポーターアッセイ(Packard#6016911)
HO-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ(Bioresource Registration # 21164):ヒトCD4およびヒトCCR5を過剰発現するように工学的に操作されかつHIV-1-LTR-ルシフェラーゼレポーターが安定にトランスフェクトされているヒト骨肉腫細胞系(AIDS Repository cat# 3318)。
【0183】
事前準備
HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ細胞系の増殖および維持:
2% FBSを含有するDMEM中で細胞を増殖させた。集密度が80%に達した時(ほぼ2〜3日ごと)、標準的なトリプシン処理により細胞を開裂させた。
【0184】
ウイルスストックの力価測定:
単位体積あたりの感染性粒子の数(RLU/mlとして記述される)の推定値を得るために、アッセイ系でHIV-1ウイルスストックの力価を測定した。2% FBSを含有するDMEM中にウイルスストックを希釈し、以下の「手順」の項に記載されているようにアッセイした。
【0185】
手順
2% FBSを含有する50μl DMEM中のHOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼを1ウェルあたり0.6〜1.2×103細胞で黒色壁96ウェル組織培養プレートに接種し、37℃、5% CO2の加湿インキュベーター中に一晩配置した。翌日、DMEM+2% FBS+0.2% DMSO中において最終濃度の2倍の濃度で4重反復試験方式で試験化合物を滴定した。50μlの滴定された化合物をHOS細胞に移し、そして37℃、5% CO2の加湿インキュベーター中にプレートを1時間配置した。さらなる60μlの2倍濃度で滴定された化合物を透明壁96ウェル組織培養プレートに移し、60μlのHIV(適切な感染多重度に希釈)を各ウェルに添加し、そして十分に混合した。100μlのHIV/化合物混合物を100μlの細胞/化合物の入った黒色壁プレートに移した。プレートを37℃、5% CO2の加湿インキュベーター中に72時間配置した。72時間インキュベートした後、150μlの上清を除去し、50μlの再構成LUCLITE(キット試薬)を各ウェルに添加した。各プレートを密封し、Topcount(Packard)照度計により1秒/ウェルで読み取った。
【0186】
データ処理
相対光単位(RLU)を次のような対照基準%として表した。
(薬剤[ ]のときのRLU/薬剤なしのときのRLU)*100=対照基準%◎
次の4つの非線形回帰モデルのいずれか1つによりIC50値を決定した:
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))+Y2
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))+Y2
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))
式中、KはIC50であり、Y2はベースラインであり、そしてNはヒル係数である。
【0187】
本発明の各化合物は、上述のアッセイのいずれで試験したときにも少なくとも5のpIC50値を提供すると考えられる。
試験化合物は遊離形または塩形で利用される。
研究はすべて、実験動物管理の原則(NIH publication No. 85-23, 1985年改訂)および動物使用に関する標準的医薬品業界指針に適合するものであった。
【0188】
本発明の特定の実施形態について例を示して詳細に説明してきたが、本発明はそれらに限定されるものではない。好ましい実施形態に関する以上の詳細な説明は、例として提供されているにすぎず、なんら本発明を限定しようとするものではない。当業者であれば変更形態は自明であろう。また、本発明の精神から逸脱することのない変更形態はすべて、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体:ただし、上記式中、
Xは、C1〜5アルキレン鎖であり(ここで、該Xは、1つ以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンにより場合により置換されていてもよく、かつ該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を場合により有していてもよい);
環Aは、1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の3〜7員単環式または8〜10員二環式の環であり;
R1は、
(a)1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の4〜7員単環式または8〜10員二環式の環(C1〜6アルキレン鎖を介して場合により結合されていてもよく、かつ1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
(b)
【化2】

(c)
【化3】

(d)
【化4】

(e)
【化5】

および
(f)
【化6】

よりなる群から選択され;
Qは、炭素、酸素、または-S(O)tであり;
wは、1または2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、および1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルよりなる群から選択され;かつ環A上の隣接する2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する縮合型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよいか;またはジェミナル位にある2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有するスピロ型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよく(ここで、該縮合型の環もしくは該スピロ型の環は、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい);
aは、0〜3であり;
bは、0または1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり(ここで、該R+は、1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
dは、0〜1であり;
mは、0または1であり;
nは、0〜5であり;
各R3は、独立して、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、-CF3、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキニル、シクロアルキルもしくはカルボシクリル(1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい)、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0〜4-C(O)-、-(CH2)0〜4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]-、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]-、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、Hであるか、またはR7により場合により置換されていてもよいアルキル、R7により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7により場合により置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、-H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R6、R6により場合により置換されていてもよいアリール、またはR6により場合により置換されていてもよいヘテロアリールよりなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1または2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-(CH2)1〜6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6NHC(O)R0、または-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1〜6-SR0、R6により場合により置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)よりなる群から選択され;
R9は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、もしくは1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであるか;または
-(Y)m-R3およびR9は、それらが結合されている窒素原子と組み合わさって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を場合により含有していてもよい飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜7員単環式もしくは8〜10員二環式の環を形成していてもよく(ここで、該環は、1つ以上のR8で場合により置換されていてもよい);
R10は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルよりなる群から選択され(ここで、H以外のR0の各メンバーは、1つ以上の-R*、-OR*、-N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、-CF3、-NO2、-CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、および-SO2N(R*)2により場合により置換されていてもよく、同一の窒素上の2つのR*は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);そして
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。
【請求項2】
R10が、場合により置換されていてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R10が、場合により置換されていてもよいフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、
【化7】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R9がアルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R9がメチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
-(Y)m-R3が、
【化8】

よりなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
-(Y)m-R3が、
【化9】




よりなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項9】
-(Y)m-R3および-R9が、それらが結合されている窒素原子と組み合わされて、
【化10】

を形成している、請求項4に記載の化合物。
【請求項10】
R1が、
【化11】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Xが、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、または-(CH2-CH2-CH2)-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Xが、1つ以上のハロゲンまたはオキソにより場合により置換されていてもよい、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
Xが、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を場合により有していてもよい、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
前記A環が、
【化12】

よりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
環Aからの置換箇所を示すアスタリスクを有する各R2が、独立して、
【化13】



から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
ジェミナル位の2つのR2を有する環Aが、
【化14】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記A環が、トロパンまたはピペリジン(いずれも1つ以上のR2で場合により置換されていてもよい)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R2と組み合わされた前記A環が、
【化15】




である、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
前記A環が、少なくとも1個の追加の窒素原子を含有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
前記A環が、場合によりN-置換されていてもよい、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
前記A環が、-(CH2)a-(Vb-R+)でN-置換されている、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
式(I)で示される化合物が、
【化16】

〔式中、XはC2〜C3アルキレン鎖であり、そしてR3およびR9はそれぞれ請求項1に定義されているとおりである〕
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
哺乳動物においてウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に抗ウイルス有効量の請求項1〜20に記載の化合物を投与することを含む、上記方法。
【請求項24】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
哺乳動物において細菌感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に有効量の請求項1〜20に記載の化合物を投与することを含む、上記方法。
【請求項26】
前記細菌がYersinia pestisである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
哺乳動物において、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性障害、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、ならびに免疫媒介障害を治療する方法であって、該哺乳動物に製薬上有効な量(pharmceutically effective amount)の請求項1〜20に記載の化合物を投与することを含む、上記方法。
【請求項28】
医薬療法に使用するための、請求項1〜20に記載の化合物。
【請求項29】
ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1〜20に記載の化合物の使用。
【請求項30】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項27に記載の使用。
【請求項31】
細菌感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1〜20に記載の化合物の使用。
【請求項32】
前記細菌がYersinia pestisである、請求項29に記載の使用。
【請求項33】
多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性障害、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、ならびに免疫媒介障害を治療するための医薬の製造における、請求項1〜20に記載の化合物の使用。
【請求項34】
製薬上有効な量の請求項1〜20に記載の化合物を製薬上許容される担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項35】
錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項36】
液剤の形態である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項37】
哺乳動物においてウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に請求項1〜20に記載の化合物と他の治療剤とを含む組成物を投与することを含む、上記方法。
【請求項38】
前記組成物が、(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド類〔アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル〕、非環式ヌクレオシドホスホネート類〔(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)〕、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類〔2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア〕、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤類〔3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(phosphophonate)(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン 5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブト-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G) リバビリン〕、プロテアーゼ阻害剤類〔インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、フォサムプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)〕、インターフェロン類〔α-インターフェロン〕、腎排泄阻害剤類〔プロベネシド〕、ヌクレオシド輸送阻害剤類〔ジピリダモール〕、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調節剤類〔インターロイキンII、チモシン〕、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子類、エリトロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子工学的誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)類〔ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)〕、糖タンパク質120アンタゴニスト類〔PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)〕、サイトカインアンタゴニスト類〔レチクロース(プロダクト-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)〕、インテグラーゼ阻害剤類、ならびに融合阻害剤類よりなる群から選択される他の治療剤を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
哺乳動物においてウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に請求項1〜20に記載の化合物とリトナビルとを含む組成物を投与することを含む、上記方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体:ただし、上記式中、
Xは、C1〜5アルキレン鎖であり(ここで、該Xは、1つ以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンにより場合により置換されていてもよく、かつ該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を場合により有していてもよい);
環Aは、1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の3〜7員単環式または8〜10員二環式の環であり;
R1は、
(a)1個の環窒素と、酸素、リン、硫黄、または窒素から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子と、を有する飽和、部分飽和、または芳香族の4〜7員単環式または8〜10員二環式の環(C1〜6アルキレン鎖を介して場合により結合されていてもよく、かつ1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
(b)
【化2】

(c)
【化3】

(d)
【化4】

(e)
【化5】

および
(f)
【化6】

よりなる群から選択され;
Qは、炭素、酸素、または-S(O)tであり;
wは、1または2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、および1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルよりなる群から選択され;かつ環A上の隣接する2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する縮合型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよいか;またはジェミナル位にある2つのR2は、一緒になって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有するスピロ型の飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜6員環を場合により形成していてもよく(ここで、該縮合型の環もしくは該スピロ型の環は、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい);
aは、0〜3であり;
bは、0または1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり(ここで、該R+は、1つ以上のR8により場合により置換されていてもよい);
dは、0〜1であり;
mは、0または1であり;
nは、0〜5であり;
各R3は、独立して、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、-CF3、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7もしくは-S-アリール(-(CH2)1〜6-N(R0)SO2(R0)により場合により置換されていてもよい)から選択される1つ以上の基により場合により置換されていてもよいアルキニル、シクロアルキルもしくはカルボシクリル(1つ以上のR8により場合より置換されていてもよい)、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリール、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0〜4-C(O)-、-(CH2)0〜4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]-、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]-、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、Hであるか、またはR7により場合により置換されていてもよいアルキル、R7により場合により置換されていてもよいアルケニル、R7により場合により置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、-H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R6、R6により場合により置換されていてもよいアリール、またはR6により場合により置換されていてもよいヘテロアリールよりなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1または2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-(CH2)1〜6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6NHC(O)R0、または-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1〜6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1〜6-SR0、R6により場合により置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1〜6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1〜6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0〜6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1〜6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0〜6-SO2N(R0)2、-(CH2)1〜6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2よりなる群から選択され(ここで、同一の窒素上の2つのR0は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)よりなる群から選択され;
R9は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、もしくは1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであるか;または
-(Y)m-R3およびR9は、それらが結合されている窒素原子と組み合わさって、酸素、リン、硫黄、もしくは窒素から選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を場合により含有していてもよい飽和、部分飽和、もしくは芳香族の5〜7員単環式もしくは8〜10員二環式の環を形成していてもよく(ここで、該環は、1つ以上のR8で場合により置換されていてもよい);
R10は、水素、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルケニル、1つ以上のR7により場合より置換されていてもよいアルキニル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいシクロアルキル、1つ以上のR8により場合より置換されていてもよいヘテロシクリル、1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいヘテロアリール、または1つ以上のR6により場合より置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルよりなる群から選択され(ここで、H以外のR0の各メンバーは、1つ以上の-R*、-OR*、-N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、-CF3、-NO2、-CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、および-SO2N(R*)2により場合により置換されていてもよく、同一の窒素上の2つのR*は、一緒になって、酸素、リン、窒素、または硫黄から選択される追加の0〜4個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和、または芳香族の環を場合により形成していてもよい);そして
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。
【請求項2】
式(I)で示される化合物が、
【化7】

〔式中、XはC2〜C3アルキレン鎖であり、そしてR3およびR9はそれぞれ請求項1に定義されているとおりである〕
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
医薬療法に使用するための、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項5】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項に記載の使用。
【請求項6】
細菌感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項7】
前記細菌がYersinia pestisである、請求項に記載の使用。
【請求項8】
多発性硬化症、リウマチ様関節炎、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶反応、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性紅斑性狼瘡、移植片拒絶反応、皮膚または器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性障害、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、ならびに免疫媒介障害を治療するための医薬の製造における、請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項9】
製薬上有効な量の請求項1または2に記載の化合物を製薬上許容される担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項10】
錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
液剤の形態である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1または2に記載の化合物と他の治療剤とを含む、哺乳動物においてウイルス感染症を治療するための医薬組成物
【請求項13】
前記組成物が、(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド類〔アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル〕、非環式ヌクレオシドホスホネート類〔(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)〕、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類〔2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア〕、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤類〔3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(phosphophonate)(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン 5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブト-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G) リバビリン〕、プロテアーゼ阻害剤類〔インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、フォサムプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)〕、インターフェロン類〔α-インターフェロン〕、腎排泄阻害剤類〔プロベネシド〕、ヌクレオシド輸送阻害剤類〔ジピリダモール〕、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調節剤類〔インターロイキンII、チモシン〕、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子類、エリトロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子工学的誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)類〔ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E]-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)〕、糖タンパク質120アンタゴニスト類〔PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)〕、サイトカインアンタゴニスト類〔レチクロース(プロダクト-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)〕、インテグラーゼ阻害剤類、ならびに融合阻害剤類よりなる群から選択される他の治療剤を含む、請求項12に記載の医薬組成物
【請求項14】
請求項1または2に記載の化合物とリトナビルとを含む、哺乳動物においてウイルス感染症を治療するための医薬組成物。

【公表番号】特表2006−514646(P2006−514646A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560857(P2004−560857)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/039732
【国際公開番号】WO2004/054581
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】