説明

CCR5阻害剤としてのピペリジン誘導体

記載されているのは、CCR5阻害剤として、例えば、ケモカインレセプターとそのリガンドの相互作用により介在される疾患の予防または処置に有用な、遊離形または塩形の、式I:
【化1】


〔式中、R、R、RおよびXは本明細書で定義の通りである。〕
の化合物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ピペリジン誘導体、その製造法、その使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
より具体的に、本発明は、遊離形または塩形の式I
【化1】

〔式中、
1)Rは式
【化2】

の残基であり、そして
a)Rはチエニル、フリル、チアゾリルまたは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
はベンゾ[1,3]ジオキソール−イルまたは所望によりハロゲンで一置換されているフェニルであるか、
または
b)Rは−SOCHまたはCNで置換されているフェニルであり、
Xは−CH−であり、そして
はフェニルであるか、
または
c)Rはフェニルであり、
Xは直接結合であり、そして
はピリジルであるか、
または
【0003】
2)Rは式
【化3】

の残基であり、そして
a)Rはピリジル、所望によりカルボキシもしくはC1−4アルコキシカルボニルで置換されているフェニル、2−メチルチアゾリル、インドリルまたはベンズイミダゾール−2−イルであり、
は−CH−または−CH−CH−であり、そして
は所望によりHalで置換されているフェニルであるか、
または
b)Rはフェニルであり、
Xは直接結合であり、
はピリジルであるか、
または
c)Rは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
は1−メチル−インドリルであるか、
または
【0004】
3)Rは式
【化4】

の残基であり、そして
a)Rは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
はハロゲンで置換されているフェニルであるか、
または
b)Rはピリジルであり、
Xは直接結合であり、そして
はフェニルであるか、
または
【0005】
4)Rは式
【化5】

(式中、HalはFまたはClであり、
Zは−C=または−N=である)
の残基であり、そして
a)Rはフェニルであり、Xは直接結合であり、そしてRはピリジルであるか、
または
b)Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
【0006】
5)Rは式
【化6】

(式中、Yは−C=または−N=である)
の残基であり、そして
はピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
【0007】
6)Rは式
【化7】

の残基であり、Xは直接結合であり、RとRの一方がフェニルであり、他方がピリジルであるか、
または
【0008】
7)Rは式
【化8】

(式中、RおよびRの各々は独立してH、CHまたはCである)
の残基であり、RおよびRはフェニルであり、そしてXは直接結合であるか、
または
【0009】
8)Rは式
【化9】

の残基であり、Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
9)Rはインドール−4−イルであり、Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルである。〕
の化合物を提供する。
【0010】
ハロゲンはF、Cl、BrまたはIである。ハロゲンにより一置換されているフェニルは、好ましくはパラ置換されている。
【0011】
フェニルがカルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されている場合、それは好ましくはメタの位置である。インドリルは好ましくは3−インドリルである。
【0012】
式Iの化合物は遊離形または塩形で、例えばR、R、および/またはRが、例えば付加塩を形成できる所望により置換されたアミノ基またはヘテロ環式残基を含む場合、例えば有機または無機酸、例えば、塩酸、酢酸との酸付加塩で存在し得る。式Iの化合物は分子中に1個またはそれ以上の不斉中心を有し、本発明は種々の光学異性体ならびにラセミ体、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物を包含すると理解されるべきである。
【0013】
本発明はまた式Iの化合物の製造法を含み、該方法は
a)式II
【化10】

〔式中、R、RおよびXは上記で定義の通りである。〕
の化合物を、式III
−CO−A III
〔式中、Rは上記で定義の通りであり、Aは脱離基、例えばClまたはBrである。〕
の化合物でアミド化するか;または
b)式IV
【化11】

〔式中、RおよびRは上記で定義の通りである。〕
の化合物を、式V
【化12】

〔式中、RおよびXは上記で定義の通りである。〕
の化合物と反応させ;
そして、必要な場合、遊離形で得られた式Iの化合物を所望の塩形に変換し、またはその逆を行うことを含む。
【0014】
反応ステップa)またはb)は、当分野で既知の方法にしたがい、または下記実施例のように行い得る。
【0015】
出発物質として使用するIIの化合物は、下記のように製造し得る:
【化13】

〔式中、X、RおよびRは上記で定義の通りであり、HalはCl、BrまたはIである。〕。上記式中、Bocは、tert.−ブチルオキシカルボニルを意味する保護基である。この保護基は、上記スキーム中、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”, T. W. Greene, J. Wiley & Sons NY, 2nd ed., Chapter 7, 1991およびその中の引用文献に記載のような任意のアミノ保護基に、例えばベンジルオキシカルボニルまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルに置換し得る。
【0016】
あるいは、式IIの化合物は、下記のように製造し得る:
【化14】

〔式中、R、R、XおよびHalは本明細書で定義の通りであり、そしてBnはベンジルである。〕。
【0017】
出発物質として使用する式IVの化合物は、下記のように製造し得る:
【化15】

〔式中、R、R、YおよびBnは上記で定義の通りである。〕。
【0018】
上記の反応は、当分野で既知の方法にしたがって、または下記の記載にしたがって行い得る。
【0019】
出発物質の製造を特に記載していない限り、その化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法と類似にまたは下記のように製造し得る。
以下の実施例は、本発明を、限定することなく説明する。
【0020】
実施例1:(2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル)−[4'−メチル−4−(フェニル−ピリジン−3−イル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノン
【化16】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−3−イル−アミンおよび2,4−ジメチル−ニコチン酸から、国際特許出願PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造する、MS/ESI 484 [M+H]+。出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−3−イル−アミンは、tert−ブチル4−フェニルアミノピペリジン−1−カルボキシレートおよび3−ブロモピリジンから、PCT/EP02/03871の実施例1a−1dに記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 351 [M+H]+
【0021】
実施例1に記載の方法にしたがい、式X
【化17】

〔式中、Rは表1に示す意味を有する。〕
の化合物を製造し得る。
【0022】
【表1】

【0023】
実施例12:(2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[4'−メチル−4−(フェニル−ピリジン−2−イル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノン
【化18】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−2−イル−アミンおよび2,4−ジメチル−1−オキシ−ニコチン酸から、上記実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 500 [M+H]+
【0024】
出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−2−イル−アミンは、tert−ブチル4−(フェニル−ピリジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレートから、PCT/EP02/03871の実施例1b−1dに記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 351 [M+H]+
【0025】
tert−ブチル4−(フェニル−ピリジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレートは、下記のように製造し得る:
tert−ブチル4−フェニルアミノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(0.8g;3mmol)、2−ブロモピリジン(0.3ml;3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジ−パラジウム(0)(0.27g、0.3mmol)、9,9−ジメチル−ビ(ジフェニルホスフィン)キサンテン(0.26g、0.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(3ml、THF中1mol溶液)のトルエン(30ml)中の混合物を、110℃で15時間加熱する。冷却した混合物を濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈する。濾液を炭酸水素ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を除去し、残渣をアセトニトリルから再結晶して、表題化合物を茶色固体として得る。MS/ESI 354 [M+H]+
【0026】
実施例13:(2,6−ジメチル−フェニル)−[4'−メチル−4−(フェニル−ピリジン−4−イル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノン
【化19】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−4−イル−アミンおよび2,6−ジメチル−安息香酸から、上記実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 483 [M+H]+。出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−4−イル−アミンは、tert−ブチル4−フェニルアミノピペリジン−1−カルボキシレートおよび4−ブロモピリジン塩酸塩から、PCT/EP02/03871の実施例1a−1dに記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 351 [M+H]+
【0027】
実施例13に記載の方法にしたがい、式X
【化20】

〔式中、Rは、表2に示す意味を有する。〕
の化合物を製造し得る。
【0028】
【表2】

【0029】
実施例20:(4−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−イル)−(4−ジフェニルアミノ−4'−メチル[1,4']ビピペリジニル−1'−イル)−メタノン
【化21】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−ジフェニル−アミンおよび4−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−カルボン酸から、上記実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 547 [M+H]+。出発物質として使用する4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−ジフェニル−アミンは、PCT/EP02/03871の実施例1a−1dに記載の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 350 [M+H]+
【0030】
実施例21:
実施例20に記載の方法にしたがい、式
【化22】

の化合物を製造し得る。MS/ESI(M+H)+ 519。
【0031】
実施例22:4−({[1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル]−フェニル−アミノ}−メチル)−安息香酸メチルエステル
【化23】

これは(2,6−ジメチル−フェニル)−(4'−メチル−4−フェニルアミノ−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル)−メタノンおよび4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステルから、PCT/EP02/03871の実施例52の記載を使用して製造する。MS/ESI 554 [M+H]+。出発物質として使用する(2,6−ジメチル−フェニル)−(4'−メチル−4−フェニルアミノ−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル)−メタノンは、PCT/EP02/03871の実施例51a−eに記載のものと類似の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 406 [M+H]+
【0032】
実施例22に記載の方法にしたがい、式X
【化24】

〔式中、−X−Rは、表3に示す意味を有する。〕
の化合物を製造し得る。
【0033】
【表3】

【0034】
実施例28:4−({[1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル]−フェニル−アミノ}−メチル)−安息香酸
【化25】

4−({[1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル]−フェニル−アミノ}−メチル)−安息香酸メチルエステル(180mg、0.325mmol)、メタノール(10ml)、水(3ml)およびLiOH(200mg、8.33mmol)の混合物を、2時間還流下加熱した。pHを、2N HClで1に調節し、次いでNaHCOでpH7に調節した。混合物を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発し、残渣をメタノール/水から結晶化して、4−({[1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル]−フェニル−アミノ}−メチル)−安息香酸を得た。MS/ESI 540 [M+H]+
【0035】
実施例29:
実施例28に記載の方法にしたがい、式
【化26】

の化合物を製造し得る。MS/ESI(M+H)+ 540。
【0036】
実施例30:{4−[(4−クロロ−フェニル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル}−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル)−メタノン
【化27】

これは、(4−クロロ−フェニル)−(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミンおよび2,4−ジメチル−ニコチン酸から、PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 552 [M+H]+。出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−ピリジン−3−イル−アミンを、4−クロロ−フェニルアミン、4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび4−クロロメチル−2−メチル−チアゾールから、PCT/EP02/03871の実施例51e、52、1b、1cおよび1dに記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 419 [M+H]+
【0037】
実施例30に記載の方法にしたがい、対応する4−ハロゲノ−フェニルアミン、対応する4−クロロメチル−チアゾールおよび対応するカルボン酸を使用して、式X
【化28】

〔式中、X−R、RおよびHalは、表4に示す意味を有する。〕
の化合物を製造し得る。
【0038】
【表4】

【0039】
実施例36:(2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[4'−メチル−4−(フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノン
【化29】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミンおよび2,4−ジメチル−1−オキシ−ニコチン酸から、PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 519 [M+H]+
【0040】
出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミンは、下記のように製造する:
a)4−(ベンジル−フェニル−アミノ)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルを、ベンジル−フェニル−ピペリジン−4−イル−アミンおよび4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから、PCT/EP02/03871の実施例1cに記載の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 464 [M+H]+
【0041】
b)4'−メチル−4−フェニルアミノ−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルを、4−(ベンジル−フェニル−アミノ)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.50g、9.70mmol)、ギ酸アンモニウム(2.60g、41.3mmol)、Pd(OH)(炭素上20%;1.0g)およびメタノール(100ml)の混合物を、3時間、還流下加熱することにより製造する。触媒を濾取し、酢酸エチルで洗浄する。溶液を塩水、NaSOで洗浄し、溶媒を蒸発する。MS/ESI 374 [M+H]+
【0042】
c)4'−メチル−4−(フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルを、4'−メチル−4−フェニルアミノ−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび3−クロロメチル−チオフェンから、PCT/EP02/03871の実施例52に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 470 [M+H]+
【0043】
d)(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミンを、4'−メチル−4−(フェニル−チオフェン−3−イルメチル−アミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルから、PCT/EP02/03871の実施例1bに記載のものと類似の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 406 [M+H]+
【0044】
実施例36に記載の方法にしたがい、式X
【化30】

〔式中、X−Rは、表5に示す意味を有する。〕
を製造し得る。
【0045】
【表5】

【0046】
実施例43:(2,6−ジメチル−フェニル)−{4'−メチル−4−[(1−メチル−1H−インドール−7−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル}−メタノン
【化31】

これは、(2,6−ジメチル−フェニル)−[4'−メチル−4−(1−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノンおよび4−クロロメチル−2−メチル−チアゾールから、PCT/EP02/03871の実施例52に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 570 [M+H]+。出発物質として使用する(2,6−ジメチル−フェニル)−[4'−メチル−4−(1−メチル−1H−インドール−7−イルアミノ)−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−メタノンは、1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−オンおよび1−メチル−1H−インドール−7−イルアミンから、PCT/EP02/03871の実施例51eに記載の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 459 [M+H]+。1'−(2,6−ジメチル−ベンゾイル)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−オンは、PCT/EP02/03871の実施例51a−dに記載の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 329 [M+H]+
【0047】
実施例44:[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ベンジル−アミノ)−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル]−(2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−メタノン
【化32】

これは、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ベンジル−(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−アミンおよび2,4−ジメチル−1−オキシ−ニコチン酸から、PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 557 [M+H]+。出発物質として使用するベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ベンジル−(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−アミンは、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルアミン、4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび塩化ベンジルから、PCT/EP02/03871の実施例51e、52、1b、1cおよび1dに記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 408 [M+H]+
【0048】
実施例45:{4−[ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル}−(2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−メタノン
【化33】

これは、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミンおよび2,4−ジメチル−1−オキシ−ニコチン酸から、PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 557 [M+H]+。出発物質として使用するベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−アミンは、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルアミン、4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび4−クロロメチル−2−メチル−チアゾールから、PCT/EP02/03871の実施例51e、52、1b、1cおよび1dに記載の方法を使用して製造できる。MS/ESI 429 [M+H]+
【0049】
実施例46:(4,6−ジメチル−2−フェニル−ピリミジン−5−イル)−{4'−メチル−4−[(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−フェニル−アミノ]−[1,4']ビピペリジニル−1'−イル}−メタノン
【化34】

これは、(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−フェニル−アミンおよび4,6−ジメチル−2−フェニル−ピリミジン−5−カルボン酸から、PCT/EP02/03871の実施例1に記載の方法を使用して製造する。MS/ESI 595 [M+H]+。出発物質として使用する(4'−メチル−[1,4']ビピペリジニル−4−イル)−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−フェニル−アミンは、PCT/EP02/03871の実施例83に記載の方法を使用して製造し得る。MS/ESI 385 [M+H]+
【0050】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えばインビトロ試験で示されるように、例えば、CCR5アンタゴニストとして、価値のある薬理学的特性を示し、したがって、治療に適応される。
【0051】
a)CCR5膜結合アッセイ
ヒトCCR5を、CHO K1細胞に安定な形質移入体を産生するために使用する。これらのCCR5形質移入体から調製した膜を、125−I MIP−1αをリガンドとして使用する放射性リガンド結合アッセイに使用し、式Iの化合物の阻害活性について試験する。データはIC50として、すなわち、[I−125]MIP−1α結合の50%阻害を達成するのに必要な化合物の濃度として報告する。このアッセイにおいて、式Iの化合物は、IC501μMを有する。実施例32および39の化合物は、各々0.5nMのIC50を有する。
【0052】
b)CCR5機能的アッセイ−Ca2+流動
ヒトCCR5を、CHO K1細胞に安定な形質移入体を産生するために使用する。これらのCCR5形質移入体を、CCR5リガンドMIP−1α、MIP−1β、HCC−1(9−74)またはRANTESによる刺激に応答した、Ca2+流入の評価に使用する。アッセイのために、細胞をCa2+−感受性蛍光色素(Fluo3またはFluo4)で負荷する。0.01−100nMの間のリガンド濃度を使用し、Ca2+流入を誘発して、それを適当な設定のフルオロメーターでモニターする。
【0053】
試験する化合物の活性を評価するために、基底蛍光記録を取り、その後所望の濃度の化合物を細胞に添加し、蛍光をさらに一定時間記録して、化合物がアゴニスト作用を示すか否か評価する。次に、アゴニストを混合物に添加し、蛍光をモニターする。試験する化合物の存在下でのCa2+流動の阻害を、アゴニストにより誘導された最大蛍光の阻害から計算する。IC50値を化合物で得た用量応答曲線から計算する。このアッセイにおいて、式Iの化合物はIC501μMを有する。例えば、実施例12および36の化合物は、各々29nMおよび8nMのIC50値を有する。
【0054】
c)CCR5機能的アッセイ−走化性
CCR5形質移入体を、ジャーカットT細胞またはマウス・プレB細胞系L1.2に産生する。CCR5形質移入体の移動を、1−100nMの濃度のCCR5アゴニストMIP−1αで、トランスウェル組織チャンバー挿入システムで試験する。緩衝液コントロールと比較してアゴニストに反応して移動した細胞は、フロー・サイトメーターで定量する。試験する化合物を細胞およびアゴニスト区画に添加する。IC50値を、MIP−1αの存在下で化合物から得た濃度反応曲線から計算する。このアッセイで、式Iの化合物はIC501μMを有する。
【0055】
d)マウス動物モデルで行った実験は、実験的傷害(例えば同種移植により誘導)後の血管壁リモデリングが、CCR5の非存在下で有意に阻害することを示す。
【0056】
式Iの化合物は、したがって、例えば移植中の、臓器、組織または細胞の同種または異種移植片の急性または慢性拒絶反応または移植片機能の遅延、自己免疫性疾患、例えばリウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型またはII型糖尿病およびそれに合併する障害、脈管炎、悪性貧血、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、乾癬、円形脱毛症など、アレルギー性疾患、例えばアレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎/結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、所望により根底をなす異所反応を伴う炎症性疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、内因性喘息、炎症性肺損傷、炎症性肝臓損傷、炎症性糸球体損傷、アテローム性動脈硬化症、骨関節症、刺激性接触性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、免疫介在疾患の皮膚症状、炎症性眼疾患、角結膜炎、心筋炎または肝炎、虚血/再潅流傷害、例えば心筋梗塞、卒中、腸虚血、腎不全または出血性ショック、外傷性ショックなど、癌、例えば固形腫瘍またはT細胞リンパ腫またはT細胞白血病のようなリンパの癌、転移または血管形成、感染症、例えば毒素性ショック(例えば超抗原誘発)、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群またはウイルス感染、例えばAIDSのような、ケモカインレセプター、例えばCCR5とそのリガンドの間の相互作用により介在される疾患または障害の予防および/または処置に有用である。移植は、細胞、組織または固形臓器、例えば膵臓島、幹細胞、骨髄、角膜組織、神経組織、心臓、肺、複合心肺、腎臓、肝臓、大腸、膵臓(pabcreas)、気管または食道の同種もしくは異種移植片を意味する。慢性拒絶反応はまた移植後動脈硬化(graft vessel disease)と名付けられている。
【0057】
上記の使用に関して、必要な投与量はもちろん投与の形態、処置する具体的な状態および望む効果に依存して変化する。一般に、十分な結果が、約0.01から10mg/体重kgの全身的な一日投与量で得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトで適応される一日投与量は、約0.5mgから約1000mgであり、簡便には、例えば、1日4回までの分割投与量で、または遅延形で投与する。経口投与に適当な単位投与量形は、約1から500mg活性成分を含む。
【0058】
式Iの化合物は、任意の慣用の経路で、特に、経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えばローション、ジェル、軟膏またはクリームの形で、または点鼻または坐薬の形で投与し得る。遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を、少なくとも一つの薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用法で製造し得る。
【0059】
式Iの化合物は遊離形または例えば上に示すような薬学的に許容される塩形で投与し得る。このような塩は慣用法で製造し得、遊離化合物と同じ程度の活性を示し得る。
【0060】
前記にしたがい、本発明はさらに以下のものを提供する:
1.1 処置を必要とする対象における、例えば上記のような、ケモカインレセプターとそのリガンドの間の相互作用により介在される障害または疾患の予防または処置法であり、該方法は、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容される塩を投与することを含む;
【0061】
1.2 処置を必要とする対象における、例えば、上記のような、急性もしくは慢性移植拒絶反応または炎症性もしくは自己免疫性疾患の予防または処置法であり、該方法は、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容される塩を投与することを含む;
【0062】
2. 薬剤として、例えば、上記1.1または1.2に示す任意の方法において、使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0063】
3. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、例えば、上記1.1または1.2に示す任意の方法に使用するための、医薬組成物。
【0064】
4. 上記1.1または1.2に示す任意の方法に使用するための医薬組成物の製造に使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0065】
5. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、例えば、上記のような、ケモカインレセプターとそのリガンドの間の相互作用により介在される障害または疾患の予防または処置における使用。
【0066】
6. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、例えば、上記のような、急性または慢性移植拒絶反応または炎症性または自己免疫性疾患の予防または処置における使用。
【0067】
7. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、例えば、上記のような、ケモカインレセプターとそのリガンドの間の相互作用により介在される障害または疾患の予防または処置用薬剤の製造における使用。
【0068】
8. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、例えば、上記のような、急性または慢性移植拒絶反応または炎症性または自己免疫性疾患の予防または処置用薬剤の製造における使用。
【0069】
式Iの化合物は、唯一の活性成分として、または、例えば免疫抑制性または免疫調節性レジメンにおいて、例えばアジュバントとして他の薬剤と、または、例えば同種もしくは異種移植片急性もしくは慢性拒絶反応または炎症性もしくは自己免疫性疾患の処置のために他の抗炎症性剤と、化学療法剤または抗感染剤、例えば抗レトロウイルス剤または抗生物質のような例えば抗ウイルス剤と組み合わせて投与し得る。例えば、式Iの化合物は、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリンA、ISA247またはFK506;免疫抑制特性を有する大環状ラクトン、例えばTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、CCI779またはABT578;免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981など;コルチコステロイド;カテプシンS阻害剤;シクロホスファミド;アザチオプリン;メトトレキサート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制ホモログ、アナログまたは誘導体;スフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターアゴニスト、例えばFTY720またはY−36018;例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD11a/CD18、CD25、CD27、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86、CD137、ICOS、CD150(SLAM)、OX40、4−1BBに対するまたはそのリガンド、例えばCD154に対するモノクローナル抗体、またはそのアンタゴニスト;他の免疫調節性化合物、例えばCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部子、例えば非CTLA4配列に結合したCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部を有する組み換え結合分、例えばCTLA4Ig(例えば、ATCC 68629と命名)またはその変異体、例えばLEA29Y;接着分子阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、例えばナタリズマブ(ANTEGREN(登録商標));または抗ケモカイン抗体または抗ケモカインレセプター抗体または低分子量ケモカインレセプターアンタゴニスト、例えば抗MCP−1抗体と組み合わせて使用し得る。
【0070】
式Iの化合物を他の免疫抑制性/免疫調節性、炎症性または化学療法的治療と組み合わせて投与する場合、併用する免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤の投与量は、もちろん、用いる併用剤のタイプ、例えば、ステロイドかまたはカルシニューリン阻害剤か、用いる具体的薬剤、処置する状態などに依存して変化する。前記にしたがい、本発明は別の態様で以下のものを提供する:
5. 治療的に有効な非毒性量の式Iの化合物と、少なくとも一つの第二薬剤物質、例えば、上記のような、例えば、免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤、抗感染剤または化学療法剤を、例えば、同時にまたは連続して、併用投与することを含む、上記の方法。
【0071】
6. a)CCR5アンタゴニスト、例えば、本明細書に記載の、遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物、およびb)少なくとも一つの併用剤、例えば免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症性、抗感染剤または化学療法剤を含む、医薬的組み合わせ、例えば、キット。キットは、投与のための指示書を含み得る。
【0072】
本明細書で利用されている限り、“併用投与”または“組み合わせ投与”などは、選択した治療剤を一人の患者に包括的投与することを意味し、薬剤が同じ投与経路で、または同時に投与する必要性のない処置レジメンを含むことを意図する。
【0073】
本明細書で使用する限り、“薬学的組み合わせ”なる用語は、1つ以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する生成物を意味し、活性成分の固定されたまたは固定されていない組み合わせの両方を含む。“固定された組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方、患者に一つの物としてまたは用量として同時に投与することを意味する。“固定されていない組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方、患者に、別々の物として、同時に、一緒に、または制限時間なく連続して投与することを含み、このような投与は、患者の体内で2つの化合物の治療的有効なレベルを提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3つまたはそれ以上の成分の投与にも適用する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形または塩形の、式I
【化1】

〔式中、
1)Rは式
【化2】

の残基であり、そして
a)Rはチエニル、フリル、チアゾリルまたは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
はベンゾ[1,3]ジオキソール−イルまたは所望によりハロゲンで一置換されているフェニルであるか、
または
b)Rは−SOCHまたはCNで置換されているフェニルであり、
Xは−CH−であり、そして
はフェニルであるか、
または
c)Rはフェニルであり
Xは直接結合であり、そして
はピリジルであるか、
または
2)Rは式
【化3】

の残基であり、そして
a)Rはピリジル、所望によりカルボキシもしくはC1−4アルコキシカルボニルで置換されているフェニル、2−メチルチアゾリル、インドリルまたはベンズイミダゾールベンズイミダゾール−2−イルであり、
は−CH−または−CH−CH−であり、そして
は所望によりHalで置換されているフェニルであるか、
または
b)Rはフェニルであり
Xは直接結合であり
はピリジルであるか、
または
c)Rは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
は1−メチル−インドリルであるか、
または
3)Rは式
【化4】

の残基であり、そして
a)Rは2−メチル−チアゾリルであり、
Xは−CH−であり、そして
はハロゲンで置換されているフェニルであるか、
または
b)Rはピリジルであり、
Xは直接結合であり、そして
はフェニルであるか、
または
4)Rは式
【化5】

(式中、HalはFまたはClであり、
Zは−C=または−N=である)
の残基であり、そして
a)Rはフェニルであり、Xは直接結合であり、そしてRはピリジルであるか、
または
b)Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
5)Rは式
【化6】

(式中、Yは−C=または−N=である)
の残基であり、そして
はピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
6)Rは式
【化7】

の残基であり、Xは直接結合であり、RとRの一方はフェニルであり、他方はピリジルであるか、
または
7)Rは式
【化8】

(式中、RおよびRの各々は独立してH、CHまたはCである)
の残基であり、RおよびRはフェニルであり、そしてXは直接結合であるか、
または
8)Rは式
【化9】

の残基であり、Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルであるか、
または
9)Rはインドール−4−イルであり、Rはピリジルであり、Xは直接結合であり、そしてRはフェニルである。〕
の化合物。
【請求項2】
請求項1記載の式Iの化合物の製造法であり、
a)式II
【化10】

〔式中、R、RおよびXは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物を、式III
−CO−A III
〔式中、Rは、請求項1で定義の通りであり、Aは脱離基、例えばClまたはBrである。〕
の化合物でアミド化するか;または
b)式IV
【化11】

〔式中、RおよびRは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物と、式V
【化12】

〔式中、RおよびXは上記で定義の通りである。〕
の化合物を反応させ;
そして、必要な場合、遊離形で得られた式Iの化合物を所望の塩形に変換し、またはその逆を行うことを含む、方法。
【請求項3】
医薬として使用するための、請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項5】
ケモカインレセプターとそのリガンドの間の相互作用により介在される障害または疾患の予防用または処置用医薬の製造のための、請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項6】
a)遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1記載の式Iの化合物である、第一剤、およびb)少なくとも一つの併用剤を含む、薬学的組み合わせ。
【請求項7】
処置を必要とする対象におけるケモカインレセプターとそのリガンドの間の相互作用により介在される障害または疾患を予防または処置する方法であり、請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を該対象に投与することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1記載の式Iの化合物の治療的に有効な非毒性量と、少なくとも一つの第二薬剤物質を併用投与することを含む、請求項7記載の方法。


【公表番号】特表2006−503856(P2006−503856A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540789(P2004−540789)
【出願日】平成15年10月6日(2003.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011035
【国際公開番号】WO2004/031172
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】