説明

CCR9活性の阻害剤

N−(ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(ここで、インドールがシアノ、カルボキシまたはアルキルカルボニルオキシで置換されている)、および治療剤としてのそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCR9活性の阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
胸腺発現ケモカイン(TECK)と元々呼ばれていたCCケモカインリガンド25(CCL25)は、CCケモカイン受容体9(CCR9)を介するシグナル伝達を介した、小腸へのT細胞帰巣に重要な役割を有する。CCL25は、小腸内で、とりわけ上皮性腺窩で構成的に発現されているが、弱くまたは全てではないが、結腸および他の粘膜表面で発現されている。CCR9は、TECK/CCL25に対する唯一既知の受容体である。CCR9の発現は、末梢Tリンパ球が小腸に帰巣する能力と強く相関する。腸内上皮内リンパ球(IEL)および固有層Tリンパ球(LPL)の大部分はCCR9であり、一方、血中を循環しているT細胞がはるかに少ない割合でCCR9である。末梢血に見られるCCR9T細胞は、ほとんど排他的に腸内帰巣受容体αβを示す。TECK/CCL25に対する抗体でのCCR9の遮断は、Tリンパ球の小腸への帰巣を顕著に阻害する。加えて、TECK/CCL25およびCCR9LPLの大腸よりむしろ小腸への厳密な局在化があり、胃腸管の異なる切片におけるリンパ球動員の異なる機構を示唆する。
【0003】
研究は、炎症を起こしている腸内粘膜のTリンパ球−内皮相互作用におけるTECK/CCL25の役割も示唆している。TNFα刺激後にTECK/CCL25発現の増加および小腸内粘膜への増加したLPL接着がある。CCR9または抗TECK/CCL25の脱感作は、リンパ球の小腸微小血管への動員を減弱する。故に、CCL25−CCR9相互作用の標的化遮断は、免疫仲介疾患、例えば腸内障害、例えば自己免疫性および炎症性疾患または状態の有効な治療的処置を提供し得る。小腸および結腸へのTリンパ球(T細胞)浸潤は、セリアック病、食物アレルギー、リウマチ性関節炎、例えば潰瘍性直腸炎を含むクローン病および潰瘍性大腸炎を含むヒト炎症性腸疾患(IBD)の病因と特異的に関連している。CCR9が仲介するとまた言える疾患は、例えば、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、繊維性疾患、移植が起源のまたはそれが仲介する障害および疾患、例えば移植片拒絶、および癌、例えば白血病(急性リンパ性白血病)、固形腫瘍、胸腺腫、胸腺癌腫を含む。
【発明の開示】
【0004】
本発明により、CCR9阻害剤としての驚くべき活性を示す化合物が発見された。
【0005】
一つの局面において、本発明は、式
【化1】

〔式中、
は水素、アルキル、例えば(C1−6)アルキル、例えばtert.ブチル、ハロアルキル、例えばハロ(C1−4)アルキル、アルコキシ、例えば(C1−4)アルコキシ、ハロアルキル(alky)オキシ、例えばハロ(C1−4)アルコキシ、またはハロゲン、例えばF、Cl、Brであり、好ましくはRは(C1−6)アルキル、例えばtert.ブチルであり;
は置換または非置換フェニル、
例えば
−アルキル、例えば(C1−6)アルキル、例えばtert.ブチル、
−ハロアルキル、例えばハロ(C1−4)アルキル、
−アルコキシ、例えば(C1−4)アルコキシ、
−ハロアルキル(alky)オキシ、例えばハロ(C1−4)アルコキシ、または
−ハロゲン
の1個以上で置換されているフェニルであり;
好ましくはRは非置換フェニルまたはハロゲンで置換されているフェニルであり、そして
はカルボキシ(−COOH)、アルコキシカルボニル、例えば(C1−4)アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、またはシアノである。〕
の化合物を提供する。
【0006】
式Iの化合物において、各単一の定義された置換基が、例えば、定義された他の置換基と独立に、好ましい置換基であり得る。
【0007】
他の局面において、本発明は
1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル、
1−(4−tert.ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
5−ブロモ−1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル、および
5−ブロモ−1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸
から成る群から選択される化合物を提供する。
【0008】
本発明により提供される化合物は、以後“本発明の(に従う)化合物”と記載する。本発明の化合物は、全ての形の化合物、例えば遊離形、塩の形、溶媒和物の形および塩の溶媒和物の形を含む。
【0009】
他の局面において、本発明は、塩の形の本発明の化合物を提供する。
このような塩は、好ましくは薬学的に許容される塩であるが、例えば製造/単離/精製目的で薬学的に許容されない塩を含み得る。
【0010】
本発明は、全ての異性体形および全ての異性体混合物の本発明の化合物を含む。本発明はまた、互変異性体が存在できるとき、本発明により提供される化合物の互変異性体も含む。
【0011】
他の局面において、本発明は、式Iの化合物の製造方法であって
a. 式
【化2】

〔式中、RおよびRは上記で定義の通りである。〕
の化合物と、式
Cl−SO−R III
〔式中、Rは上記で定義の通りである。〕
の化合物を反応させ、
b) 得られた式Iの化合物を反応混合物から単離する
工程を含む、方法を提供する。
【0012】
式IIまたは式IIIの中間体(出発物質)において、存在するならば、官能基は所望により保護された形でよく、または、塩形成基が存在するならば、塩の形でよい。所望により存在する保護基は、適当な段階で、慣用の方法に例えば従い、例えば準じて、除去できる。
【0013】
このようにして得た本発明の化合物を、本発明の他の化合物に変換でき、例えば遊離形で得た本発明の化合物を本発明の化合物の塩に変換でき、そして逆も可能である。
【0014】
上記反応は、アミンスルホニル化反応であり、適当に、例えば慣用法に、準じて、またはここに記載の通り、行い得る。式IIおよび式IIIの中間体(出発物質)は既知であるか、または慣用の方法に従って、例えば準じて、または準じて、またはここに記載の通り、製造できる。ここに記載の何れかの化合物、例えば本発明の化合物および式IIおよびIIIの中間体は、適当に、例えば、慣用の方法に、または例えば本明細書に具体的の方法に、例えば従って、例えば準じて製造できる。
【0015】
例えば、式Iの化合物のフェニルがカルボキシで置換されている場合、式IIの化合物における該カルボキシ基の、例えば対応するアルコキシカルボニル誘導体を得るためのエステル化による保護は、オプションであり得る。アリールがアルキルカルボニルオキシで置換されている式IIの化合物を、式IIIの化合物と反応させて、アリールがアルコキシカルボニルで置換されている式Iの化合物を得て、このようにして得たカルボン酸エステルを鹸化して、アリールがカルボキシで置換されている対応する式Iの化合物を得ることができる。
【0016】
本発明の化合物は薬理学的活性を示し、故に、医薬として有用である。本発明の化合物は、例えば慣用の通りの条件下の、例えばここに記載の条件下の
−シンチレーション近接アッセイ(SPAアッセイ)
−Eu−GTP−結合アッセイ
−カルシウム流動アッセイ(FLIPRアッセイ)
において、例えばナノモルから低マイクロモル範囲のIC50で、用量依存的阻害を示す。
【0017】
炎症性腸疾患処置における活性は、例えば炎症性腸疾患のSCIDマウスモデルにおいて決定できる。
【0018】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)
SPAの原理
ケモカインは、それらの作用を、標的細胞上の7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体(GPCR)を介して仲介する。GPCRに対するリガンド結合は、α、β、およびγサブユニットから成るヘテロ三量体Gタンパク質でのGTP/GDP交換を刺激する。アゴニスト結合GPCRは、αサブユニットからのGDPの解離を触媒することによりグアニンヌクレオチドサイクルを開始させ、内因性GTPの結合、およびβγ複合体の解離を可能にする。Gα−GTPおよびGβγサブユニットは、各々アデニリルサイクラーゼ、ホスホリパーゼCおよびイオンチャネルのようなエフェクターを活性化できる(例えばNeer EJ, Cell;80:249-57(1995)参照)。Gα−GTPは、GTPをGDPに加水分解する内因性GTPase活性により不活性化され;その後GDP含有Gタンパク質は次の活性化サイクルのための準備ができる。この工程は、インビトロで、加水分解耐性GTPアナログ、例えば5'−O−(3−[35S]チオホスフェート([35S]−GTPγS)の、目的の受容体を含む細胞膜への結合の測定によりモニターできる。GTPγSシンチレーション近接アッセイ(SPA)は、TECKによるCCR9の活性化のモニターのための有用な機能的アッセイであることが示される。
【0019】
SPAは、広範な生物学的過程の急速で感受性のアッセイのための均質で融通のきくアッセイ技術である。アッセイ形態は分離工程を必要とせず、自動化しやすい。受容体を担持する膜は、糖タンパク質部分を介して蛍光小麦胚芽アグルチニン被覆ビーズ(Amersham Bioscience, #RNPQ 0001)と結合する。固定化されたら、本受容体はビーズに十分に近く、それ故、アゴニスト結合GPCRがグアニンヌクレオチドサイクルを開始し、[35S]GTPγS(Amersham Bioscience, # SJ1308)が膜に結合する。放射活性分子は十分に近接に保持され、それ故、崩壊粒子が、ビーズ内のシンチラントが発光し、次いで、それをPMTベースのシンチレーションカウンターで検出する。非結合放射性リガンドは、エネルギーを伝達するためにはビーズから遠すぎ、それ故検出されない。
【0020】
細胞および細胞培養
ヒトCCR9受容体でトランスフェクトしたマウス・プレB細胞300−19を、細胞培養フラスコの懸濁液(162cm細胞培養フラスコ中100ml細胞懸濁液)中、 ペニシリン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(0.1mg/ml)、L−グルタミン(最終濃度4.5mMまで)、10%FBS、1mM ピルビン酸ナトリウム、0.05μM 2−メルカプトエタノール、1.5μg/ml ピューロマイシンおよび20mM HEPESを添加したRPMI 1640培地中、5%CO含有加湿雰囲気中、37℃でインキュベートする。細胞は、膜調製のために〜12継代まで(すなわちCCR9受容体密度が許容可能に十分高い)使用不可能である。CCR9の発現は、Alexa Fluor 647接合マウス抗ヒトCCR9抗体を使用したFACS分析によりモニターする。CCR9発現は、Alexa Fluorアイソタイプコントロールに対して、FACSを介して、50%以上正細胞でなければならない。近似のために、1:30−1:50希釈を使用して10×10細胞/mlの培養を分け、2−3日後(スピナーフラスコ培養については〜4−5日間)に出発細胞密度に到達できる。細胞を300−1000gで10分の遠心により8−10×10細胞/mlの密度で回収する。一般に、1×1010細胞をもたらすために、細胞を培養し、拡大する。組み合わせた細胞ペレットを一度冷PBS(カルシウムおよびマグネシウム無し)で洗浄し、ピペット輸送を介して約2×10細胞/mlで冷膜緩衝液に再懸濁し、ドライアイスで凍結させ、−80℃で貯蔵する。
【0021】
膜緩衝液
膜緩衝液pH=7.5(1000ml):7.5mM Tris、12.5mM MgCl2、0.3mM EDTA、1mM EGTA、250mM スクロース、滅菌濾過し、+4℃で貯蔵。
均質化緩衝液(50ml):
膜緩衝液45ml+10%グリセロール
【0022】
膜の調製
細胞懸濁液溶液を頑丈なチューブにピペット輸送し、各溶液を均質化する。該ホモジェネートを遠心チューブに移し、10分、1000gで遠心する。上清を回収する。20mlの新規膜緩衝液を各ペレットに添加し、元の頑丈なチューブに移し、もう1回均質化および遠心する。上清を集める。合わせた上清を40000gで30分遠心する。各ペレットを3mlの冷均質化緩衝液にダウンス型ホモゲナイザーを使用して再懸濁する。均質懸濁液中のタンパク質濃度を決定する(BIO RADアッセイ、参照BSA)。Bradford法(マイクロアッセイ法)。近似のために、1×1010細胞は、10−20mgタンパク質の膜収量をもたらす。アリコートを−80℃で貯蔵する。
【0023】
化合物試験のための最適化緩衝液および溶液
HEPES/BSA緩衝液:50mM HEPES(pH7.4)、50μg/ml BSA
2.5×アッセイ緩衝液:50mM HEPES pH7.4、50μg/ml BSA、25mM MgCl、25μM GDP、250mM NaCl、375μg/ml サポニン
TECK:TECKの希釈物をPBS中0.1%BSAで調製し、GTP結合アッセイのための20倍TECK溶液を産生する。試験する化合物について、7.4μM TECKの濃度を使用して、反応中0.37μMの最終濃度とする。
【0024】
化合物希釈:試験化合物を、アッセイの最終濃度の100倍高濃度でDMSOに溶解する。これらの濃縮化合物溶液の連続希釈をDMSOで成し、それを20%(v/v)の濃度のDMSOを含む20倍濃縮化合物溶液を産生するためにHEPES/BSA緩衝液で5倍に希釈する。アッセイ中のDMSOの最終濃度は1%(v/v)である。
【0025】
膜希釈:使用前に、膜(2.4mg/ml貯蔵;バッチCCR9−1)をHEPES/BSA緩衝液に希釈して、60μg/mlとする。50μlのこの膜を各ウェルに添加する。(膜バッチCCR9−1について3μg/ウェル最終アッセイ濃度)。
試験する化合物のための最終アッセイ条件:50mM HEPES pH7.4、50μg/ml BSA、100mM NaCl、10mM MgCl、10μM GDP、150μg/ml サポニン、0.37μM TECKおよび3μg/ウェル 膜。
【0026】
アッセイプロトコール
本アッセイをゼロ時間形態で行い、それは何もプレインキュベーションなく、連続添加としての試験サンプル、膜、放射性−リガンドおよびビーズの連続的添加を含む。
簡単に言うと、膜をアゴニストおよび化合物の存在下、[35S]GTPγSおよびシンチレーションビーズと1時間、室温で振動しているミキサー上でインキュベートする。液体処理ロボットを使用して、以下の試薬を96ウェル白色&透明Isoplate(Wallac, #1450-515)に、以下の順番で送る:
40μlアッセイ緩衝液(20mM HEPES pH7.5、100mM NaCl、10mM MgCl、1μ MGDP、10μg/ml サポニン、50μg/ml BSA)。
10μlアゴニスト ヒトTECK/CCL25、25μg/ml(R&D Systems, #334-TK-025)
10μl サンプル、50%DMSO溶液
50μl 膜、アッセイ緩衝液中60μg/ml
50μl [35S]GTPγS、アッセイ緩衝液中1nM
40μl ビーズ懸濁液 18.75mg/mlアッセイ緩衝液。
インキュベーション後、プレートを5分、1000xgで遠心し、ParaLux SPA計測モードでMicroBeta Counter(EG&G Wallac)で計測する。
【0027】
データ分析
データ分析を、エクセル・フィット4.0ソフトウエアパッケージ(Microsoft)で行う。アッセイの実験窓の質を決定するために、Z'因子をデータのみを使用して計算する(基底値および刺激値)。このアッセイについて、Z'は0.73と概算され、これは大きな分離バンドの存在および全体的に優れたアッセイの質を示す。
【0028】
Eu−GTP結合アッセイ
Eu−GTP結合アッセイの原理
非放射活性、非加水分解可能ユーロピウム標識GTPアナログ、Eu−GTPを使用する、G−タンパク質活性化の測定のための時間分解蛍光定量的方法。
【0029】
材料
RPMI 1640培地と(粉末から製造、Gibco #074-01800)
ペニシリン/ストレプトマイシン溶液、液体(Gibco #15140-122)
FBS(Gibco [#16000]から得た保証された、そして熱不活性化した)
ピルビン酸ナトリウム(Gibco #11360-039)
ピューロマイシン(選択マーカーとして使用;Sigma #P-8833)
Completeプロテアーゼ阻害剤(Roche #1697498)
Alexa Fluor 647接合マウス抗ヒトCCR9抗体(Pharmingen #557975)
Alexa Fluor 647接合IgG2アイソタイプコントロール(BD Pharmingen #557715)
TECK(aa24−150−his6、BMPツールタンパク質データベース#BTP04-005213、−80℃で貯蔵したTECK貯蔵溶液の一定量(5mg/ml;〜350μM)。
BSA(Roche Diagnostics GmbH #775827)
以下の成分を含むEu−GTP(Perkin-Elmer Life Sciences, Wallac, Turku, Finland;product code:AD0260)キット:
Eu−GTP(1.65nmol)
凍結乾燥Eu−GTPを蒸留水で再構成して、10μMのEu−GTP濃度とした。再構成したEu−GTPのアリコートを−20℃で貯蔵した。
GDP(2.3μmol)
凍結乾燥したGDPを蒸留水で再構成して、2mMのGDP濃度とした。再構成したGDPのアリコートを−20℃で貯蔵する。
VICTOR2TM V Multilabel Counter(Perkin-Elmer Life Sciences, Wallac, Turku, Finland)
MultiScreen Vacuum Manifold(Millipore #MAVM 096OR)
【0030】
細胞および細胞培養
“シンチレーション近接アッセイ(SPA)”における“細胞および細胞培養”の下に記載の通り行う
膜緩衝液および均質化緩衝液
“シンチレーション近接アッセイ(SPA)”における“膜緩衝液および均質化緩衝液”に記載の通り行う
膜の調製
“シンチレーション近接アッセイ(SPA)”における“膜の調製”の通りに行う
【0031】
化合物試験のための最適化緩衝液および溶液
“シンチレーション近接アッセイ(SPA)”における“化合物試験のための最適化緩衝液および溶液”の通りに行う
Eu−GTPに関して:Eu−GTP貯蔵溶液を使用前にHEPES/BSA緩衝液で100nMに希釈する。GTP洗浄溶液:10×GTP洗浄溶液を蒸留水で1:10に希釈し、氷で冷やす。
【0032】
化合物試験のためのEu−GTP結合アッセイプロトコール
Eu−GTP結合アッセイを、Acro-Wellフィルタープレート中100μlの最終容量で行う。アッセイ成分を、以下の順番でウェルに添加する:
40μlアッセイ緩衝液(2.5×)を各ウェルに添加(ウェルB2からG12)。5μl TECK(7.4μM)をカラム2−11に添加し、アッセイ中のTECKの最終濃度は0.37μMである。5μlの0.1%BSAのカラム12のウェルへの添加(これは基底コントロールとして働く)。5μlの各化合物濃度(20%DMSO中最終濃度の20倍)のトリプリケートでのカラム3−11への添加(すなわち1濃度あたり3ウェル)。5μlの20%DMSOのカラム2および12への添加(これは各々基底および刺激コントロールである)。全ウェルの最終DMSO濃度は1%(v/v)である。50μl 膜(3μg/サンプル)の全ウェルへの添加、およびマイクロタイタープレートシェーカー(MS1 Minishaker)での800rpmの短い混合。プレートを、30分、300rpmで軌道プレートシェーカー(MTS 2/4デジタルマイクロタイターシェーカー)でゆっくり撹拌しながらインキュベートする。ウェルあたり10μlの100nM Eu−GTPの添加により最終濃度10nMとする。プレートを、さらに30分、300rpmで軌道プレートシェーカーでゆっくり撹拌しながらインキュベートする。反応を真空濾過により停止させ、濾紙を、ウェルあたり300μlの氷冷GTP洗浄緩衝液で濾過の真空濾過を介して2回洗浄する。フィルター上に保持されたEu−GTPをVICTOR2TM V Multilabel Counter(340nm励起/615nm放出、0.4ms 遅延、0.4ms 窓)で、洗浄工程30分以内に測定する。
【0033】
【表1】

【0034】
データ分析
アゴニスト刺激により引き起こされる実際のEu−GTP結合シグナル(=a)を基底結合(=b)と比較し、最終結果を基底結合を超えるパーセントとして計算する[基底を超えるパーセント=(a/b×100)−100]。
【0035】
各試験化合物についての基底結合を超える刺激を、Excelアドオン・プログラムXLfitTM(ID Business solutions, Guilford, Surrey, UK)を使用して、4パラメータロジスティック方程式(Model 205)に適合させる:
y=A+((B−A)/(1+((C/x))))
(式中xは、
濃度値であり、基底結合を超えるy刺激%がx値に対応する。)。
適合パラメータは:
A:曲線の底プラトー、B:曲線の頂上プラトー、C:曲線の真ん中のx値(すなわち低および頂上プラトーの間)、D:傾斜計数(ヒル係数としても既知)。
【0036】
本アッセイのIC50を、TECK含有溶媒コントロールと刺激不含有溶媒コントロールの間の途中の点として定義する。
Z'値を、各実験についてデータ点のみを使用して計算する(6基底値および6刺激値)。全アッセイでZ'は0.56から0.79の間で変化する。
【0037】
他の局面において、本発明は、CCR9阻害剤の同定のための方法における、SPAアッセイの使用またはEu−GTP結合アッセイの使用を提供する。
【0038】
SPAおよびEu−GTP結合アッセイをここに記載の通り使用する。これらのアッセイの使用により同定され得るCCR9阻害剤は、抗体および化学化合物、例えば低分子量化合物を含む。
【0039】
カルシウム流動アッセイ
a)カルシウム流動アッセイの原理
ケモカイン受容体は、百日咳毒素(PTX)感受性Gαiタンパク質共役7回膜貫通型受容体である。多くの研究が、細胞質性細胞内カルシウム濃度([Ca2+])の上昇を含む、種々のシグナル伝達経路の活性化を、ほとんどのケモカイン類および複数の細胞型について証明している。この過程は、インビトロで、蛍光定量的造影プレートリーダー(FLIPR)を使用する、カルシウム感受性蛍光色素を介した[Ca2+]レベルの測定によりモニターできる。FLIPR技術で測定して、MOLT−4細胞の細胞内カルシウム流動は、TECKによるCCR9の活性化をモニターするのに有用な機能的アッセイであることが示される。
【0040】
b)細胞および細胞培養
ヒトT細胞白血病株MOLT−4を、American Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA)から得た。MOLT−4細胞を、10%FCS、2mM L−グルタミン、100 U/ml ペニシリンおよび100μg/ml ストレプトマイシンを添加したRPMI−1640である培地で、37℃で5%COを用いて培養する。ヒト血清アルブミン(HSA)をZLB Behring(Vienna, Austria)から得て20%溶液として得る。
【0041】
c)カルシウム流動アッセイプロトコール
以下の溶液を調製する:
・HPSS:7.01g NaCl、0.4g KCl、0.2g MgSO.7HO、4.76g HEPES、2g グルコース。HO(1L中)
・作業緩衝液(WB):600ml HPSS+0.9ml 1M CaCl+12ml 1M HEPES。
・%BSA/WB:60ml WB+0.06g ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma A7906)。
・プロベネシド貯蔵溶液:356mg プロベネシド+2.5ml 1N NaOH+2.5ml WB。
・プロベネシド緩衝液:350ml WB+3.5ml プロベネシド貯蔵溶液。
・Fluo-4溶液:50μg Fluo-4、AM+0.025ml DMSO+0.025ml Pluronic F-127(Invitrogen/Molecular Probes # P3000MP;supplied as 20%in DMSO)。
・色素溶液:105ml培地+1.05ml プロベネシド貯蔵溶液+2.1mlの1M HEPES+0.21ml Fluo-4溶液。
・TECK:0.1%BSA/WB中に調製。
【0042】
MOLT−4細胞を回収し、製造者の指示に従い、Fluo-4/アセトキシメチルエステル(Fluo-4/AM)と共に充填する(Invitrogen/Molecular Probes, Eugene, OR)。簡単に言うと、細胞を、60分、37℃および5%COで色素溶液中、インキュベートする(3mlあたり1×10細胞)。その後、細胞をプロベネシド緩衝液で2回洗浄し、96ウェルアッセイプレート(透明底、黒色ポリスチレンプレート;Corning Costar #3603)に、ウェルあたり2×10細胞かつ0.075mlでピペット輸送し、次いで1200回転/分で3−4分遠心し、細胞をプレート底に均一に分散させる。プレートを、60分、暗所で室温(RT)でインキュベートし、細胞内AMエステルの脱エステル化をさせる。試験化合物を最初にDMSOに溶解し、0.006mlのこれらのDMSO貯蔵溶液を0.194ml WB(±HSA)中に希釈し、その後細胞プレートに注入する(0.025ml/ウェル)。暗所でRTの30分のインキュベーション後、細胞内Ca2+流動を、FLIPR装置(Molecular Devices, Ismaning/Munich, Germany)を使用して、TECK注入後に測定する(少なくともEC80のほぼ最大有効濃度を得るため)。TECK(0.025ml/ウェル)注入25秒前にベースライン記録を集め(3.5秒間隔)、その後TECK注入の後1秒間隔で80秒集める。蛍光記録を標準設定で行い、全データを以下の式を使用して標準化する。
【0043】
d)計算
カルシウム応答=[Fmax−Fmin]/Fmin
(式中、Fmaxは最大蛍光応答およびFminは最少、ベースライン、蛍光である)。各試験化合物についてのカルシウム応答データを、Excelアドオン・プログラムXLfitTM(ID Business Solutions, Guilford, Surrey, UK)を使用して、4パラメータロジスティック方程式(Model 205)に適合させ、IC50値を得る。
【0044】
本発明の化合物は、ここに記載のアッセイで活性を示し、本発明の化合物は、CCR9活性が仲介する障害の処置における治療活性を示す傾向にある。
CCR9活性が仲介し、CCR9阻害剤での処置が成功しそうである障害は、例えばCCR9の活性が原因的または寄与的役割を有する障害、例えばCCR9のCCL25への結合が関連する障害、例えば、対象における白血球のCCR9仲介帰巣が仲介する障害を含む。
ここで使用する障害は疾患を含む。
【0045】
CCR9活性が仲介しそうである障害は、例えば以下を含む:
− 炎症が関連する障害
例えば(慢性)炎症性障害、気管支(例えば気管支炎を含む)、子宮頸(例えば子宮頸炎)、結膜(例えば結膜炎)、食道(例えば食道炎)、心筋(例えば心筋炎)、直腸(例えば直腸炎)、強膜(例えば強膜炎)、歯肉(骨を含む)、肺炎症(肺胞炎)、気道、例えば喘息(例えば気管支喘息、急性呼吸器窮迫症候群(ARDS)、炎症性皮膚障害(例えば接触性過敏症、アトピー性皮膚炎)の炎症が関連する障害;繊維性疾患(例えば、肺線維症)、脳炎(encephilitis)、炎症性骨溶解を含む、
【0046】
− 免疫系の状態が関連する障害
免疫、例えば自己免疫性障害、例えば、グレーブス病、橋本病(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、関節炎、痛風、骨関節症、強皮症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、乾癬、炎症性腸疾患(クローン病、大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎を含む);敗血症、敗血症性ショック、自己免疫性溶血性貧血(AHA)、自己抗体誘引蕁麻疹、天疱瘡、腎炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、強直性脊椎炎、ライター症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、サイトカイン仲介毒性、インターロイキン−2毒性、円形脱毛症、ブドウ膜炎、扁平苔癬、類天疱瘡、重症筋無力症、I型真性糖尿病、免疫仲介不妊症(例えば早期卵巣機能不全、多腺性機能不全、甲状腺機能低下症、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡(pemphigus I-oliaceus)、腫瘍随伴性天疱瘡、自己免疫性肝炎(B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)が関与するものを含む)、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患(例えば、乾癬、疱疹状皮膚炎、表皮水疱症、直線状IgA水疱性皮膚症、後天性表皮水疱症、小児の慢性水疱疾患、悪性貧血、溶血性貧血、白斑症、I型、II型およびIII型自己免疫性多腺性症候群、自己免疫性副甲状腺機能低下症、自己免疫性下垂体炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、妊娠性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、混合型必須クリオグロブリン血症(mixed essential cryoglobulinemia)、免疫性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、自己免疫性好中球減少症、イートン・ランバート筋無力症症候群、スティッフマン症候群、脳脊髄炎、急性播種性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、小脳変性、網膜症、原発性胆汁性肝硬変(primary biliary sclerosis)、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、グルテン感受性腸疾患、活動性関節症(arthritides)、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合型結合組織疾患、ベーチェット症候群(Bechet's syndrome)、結節性多発性動脈炎 アレルギー性血管炎(anguitis)および肉芽腫症(チャーグ・ストラウス病)、多発性血管炎重複症候群(過敏症)脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、側頭動脈炎 川崎病、サルコイドーシス、寒冷症、セリアック病、
【0047】
− サイトカイン仲介毒性が関連する障害、
例えばインターロイキン−2毒性を含む、
【0048】
− 骨が関連する障害、
例えば骨粗鬆症、骨関節症を含む、
【0049】
− 脳および神経が環玲する障害、
− 例えば中枢神経系の障害ならびに末梢神経系の障害を含む、神経変性障害、例えば中枢神経感染、脳損傷、脳血管障害を含むCNS障害およびそれらの続発症、パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、運動神経疾患、ALSを含む認知症、多発性硬化症、外傷性障害(外傷および外傷の炎症性続発症を含む)、外傷性脳傷害、卒中、卒中後、外傷後脳傷害、小血管脳血管疾患、摂食障害を含む;さらなる認知症(例えばアルツハイマー病、血管性認知症、レヴィ小体を伴う認知症、前頭側頭骨性認知症および第17染色体に関連したパーキンソン病、前頭側頭骨性認知症(ピック病を含む)、進行性核上麻痺(progressive nuclear palsy)、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、視床退行、クロイツフェルド・ヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、コルサコフ精神病、認知関連障害、例えば軽度の認知の障害、加齢性記憶障害、加齢性認知低下、欠陥性の認知の障害、注意欠損障害、注意欠損過活動障害、および小児の学習障害を伴う記憶障害を含む);視床下部・下垂体・副腎系軸と関連する状態、
− 神経障害、例えば、神経移動障害、筋緊張低下(低下した筋肉緊張)、筋肉弱化、発作、発育遅延(肉体的および精神的発育困難)、精神遅滞、成長障害、摂食困難、リンパ浮腫、小頭症、頭および脳に影響する症状、運動機能障害を含む;
【0050】
− 眼が関連する障害、
例えば網膜ぶどう膜炎(uveoritinitis)、硝子体網膜症、角膜疾患、虹彩炎、虹彩毛様体炎、白内障(cateracts)、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、結膜炎(conjunctivits)、角膜炎、
【0051】
− 胃腸管が関連する障害
例えば大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、胃炎、食道炎(oseophagitis)を含む、
【0052】
− 心臓および血管状態が関連する障害
− 例えば心血管障害、例えば心不全、心臓の梗塞、心肥大、心不全、例えば、根底の原因と無関係に、高拍出性および低拍出性の、急性および慢性の、右側または左側の、収縮期または拡張期の、を含む心臓ポンプ機能不全の全ての形態;心筋梗塞(MI)、MI予防(最初のおよび二次性の予防)、MIの急性処置、合併症の予防;心臓障害、増殖性血管障害、脈管炎、結節性多発性動脈炎、虚血の炎症性続発症、虚血性心臓疾患、心筋梗塞、卒中、末梢血管疾患、肺高血圧、虚血性障害(例えば心筋虚血、例えば安定型狭心症、不安定型狭心症を含む)、狭心症、気管支炎;無症候性不整脈、例えば、全ての形態の心房性および心室性不整頻搏、心房性頻脈、心房粗動、心房細動、房室心リエントリ性頻脈、興奮前症候群、心室性頻脈、心室粗動、心室性細動、不整脈の徐拍性形態;不整脈、慢性閉塞性肺疾患、高血圧(例えば収縮期または拡張期高血圧、例えば本態性および二次性高血圧、例えば高血圧性血管障害、例えば、原発性、ならびに全ての種類の二次性高血圧、腎臓、内分泌、神経性およびその他を含む);
動脈および/または静脈流が低下し、血液供給と組織酸素要求のアンバランスをもたらす末梢血管障害、例えばアテローム性動脈硬化(artherosclerosis)、慢性末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、急性動脈血栓症および塞栓症、炎症性血管障害、レイノー現象および静脈障害;アテローム性動脈硬化症、血管壁がリモデルされた疾患(例えば血管壁の内膜への、細胞、平滑筋細胞および単球/マクロファージ炎症性細胞両方の蓄積を含む);
低血圧を含む、
【0053】
− 肝臓および腎臓が関連する障害、
例えば腎臓障害(renal disorder)、腎臓障害(kidney disorder)、例えば急性腎臓不全、急性腎臓疾患、肝臓障害、例えば硬変、肝炎、肝臓不全、胆汁鬱滞、急性/慢性肝炎、硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、急性/慢性間質性/糸球体腎炎、肉芽腫症疾患を含む、
【0054】
− 胃または膵臓状態が関連する障害
例えば胃障害、例えば胃潰瘍、消化器潰瘍、膵臓障害、膵臓疲労を含む、
【0055】
− 呼吸管および肺が関連する障害
例えば肺障害、慢性肺疾患、急性(成人)呼吸器窮迫症候群(ARDS)、喘息、喘息 気管支炎、気管支拡張症、びまん性間質性肺障害、塵肺症、線維化肺胞炎(fibrosing aveolitis)、肺線維症、
【0056】
− 皮膚および結合組織状態が関連する障害
例えば湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、アクネ、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、チャーグ・ストラウス症候群、日焼け、皮膚癌、創傷治癒、蕁麻疹、中毒性表皮壊死症を含む、
【0057】
− アレルギー性状態が関連する障害、
例えば遅延型過敏症、アレルギー性結膜炎、薬物アレルギー、鼻炎、アレルギー性鼻炎、脈管炎、接触性皮膚炎;
− 血管形成が関連する障害、
例えば血液供給を動員する不十分な能力、改変された(odified)血管形成により特徴付けられる障害、腫瘍関連血管形成を含む、
− 癌および細胞過増殖が関連する障害、
例えば前悪性状態、過増殖性障害、原発性または転移性の癌、子宮頸のおよび転移性の癌、未制御の細胞増殖由来の癌、固形腫瘍(例えばWO02066019に記載のもの、非小細胞肺癌、子宮頸の癌を含む);腫瘍増殖、リンパ腫、B細胞またはT細胞リンパ腫、良性腫瘍、良性異常増殖性(dysproliferative)障害、腎臓癌腫、食道癌、胃癌、腎臓癌腫、膀胱癌、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、鼻咽頭癌、骨肉腫(osteocarcinoma)、卵巣癌、子宮癌;前立腺癌、皮膚癌、白血病、腫瘍新血管形成、血管腫、骨髄異形成障害、正常細胞死誘発シグナルへの不応性(不死化)、増加した細胞運動性および侵襲性、遺伝的不安定性、脱制御された遺伝子発現、(神経)内分泌癌(カルチノイド)、血液の癌、リンパ球性白血病、神経芽腫;軟組織癌、転移の予防を含む、
【0058】
− 糖尿病性状態が関連する障害、
例えば糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病)、糖尿病性網膜症(retiropathy)、インスリン依存性糖尿病、真性糖尿病、妊娠性糖尿病、インスリン分泌過少、肥満を含む;
【0059】
− 子宮内膜症(endiometriosis)、精巣機能障害が関連する障害、
【0060】
− 感染性障害、例えば慢性感染状態が関連する障害、
例えば細菌性障害、中耳炎、ライム病、甲状腺炎(thryoditis)、ウイルス性障害、寄生虫性障害、真菌性障害、マラリア、例えばマラリア貧血症、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、例えば内毒素誘発敗血症性ショック、外毒素誘発毒素ショック、感染性(真の肺血症)ショック、グラム陰性細菌が原因の敗血症性ショック、骨盤炎症性疾患、AIDS、腸炎、肺炎;髄膜炎、脳炎、リンパ管フィラリア症を含む、
【0061】
− 重症筋無力症が関連する障害、
− 腎炎が関連する障害、
例えば糸球体腎炎、間質性腎炎、ウェゲナー肉芽腫症、線維症を含む、
− 疼痛が関連する障害、
例えばCNS障害、例えば多発性硬化症、脊髄傷害、坐骨神経痛、脊椎手術の失敗症候群、外傷性脳傷害、癲癇、パーキンソン病、卒中後、および脳および脊髄における血管病変(例えば、梗塞、出血、血管奇形)と関連する;
非中枢神経障害性疼痛、例えば乳房切除後疼痛、幻影感覚、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、三叉神経根障害、術後疼痛、HIV/AIDS関連疼痛、癌性疼痛、代謝性ニューロパシー(例えば、糖尿病性ニューロパシー、結合組織疾患に二次的な血管炎性ニューロパシー)、例えば、肺の癌腫、または白血病、またはリンパ腫、または前立腺、結腸もしくは胃の癌腫と関連する腫瘍随伴性ポリニューロパシー、三叉神経痛、頭側神経痛、およびヘルペス後神経痛;
末梢神経損傷と関連する疼痛、中枢疼痛(すなわち大脳虚血が原因)および種々の慢性疼痛、すなわち、腰痛、背部疼痛(背下部疼痛)、炎症性および/またはリウマチ性疼痛;
頭痛疼痛(例えば、前兆有りの偏頭痛、前兆無しの偏頭痛、および他の偏頭痛障害)、偶発性および慢性緊張型頭痛、緊張型様頭痛、群発性頭痛、および慢性発作性片側頭痛;
内臓痛、例えば膵炎、腸内膀胱炎、月経困難症、過敏性腸症候群、クローン病、胆道仙痛、尿管疝痛、心筋梗塞および骨盤腔の疼痛症候群、例えば、外陰部痛、精巣痛、尿道症候群15および前立腺痛(protatodynia);
急性疼痛、例えば術後疼痛、および外傷後疼痛;
【0062】
− リウマチ性障害が関連する障害、
例えば関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬性関節炎、結晶性関節症、痛風、偽痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、硬化症、強皮症(sclerodema)、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化(artherosclerosis)、動脈硬化症、脊椎関節症、全身性硬化症、活動性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、多発性筋炎を含む、
【0063】
− サルコイドーシスが関連する障害、
− 移植が関連する障害、
例えば移植拒絶クリーゼおよび移植後の他の障害、例えば臓器または組織(異種)移植片拒絶反応、例えば心臓、肺、心肺複合、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚、角膜移植のレシピエントの処置のため、例えば、骨髄移植後のような移植片対宿主病、虚血再灌流傷害、
【0064】
− 避妊(排卵の阻害を介する)。
排卵の阻害は障害ではないが、避妊(排卵の阻害を介する)は、また、本発明による“CCR9活性が仲介しそうである障害”の定義に入る。
【0065】
CCR9が仲介しそうである障害は、例えば、好ましくは
− 自己免疫性障害、
− 炎症性障害、
− アレルギー性障害、
− 移植後障害、
− 癌;
より好ましくは自己免疫性障害、炎症性障害、移植後障害;
例えば
セリアック病、食物アレルギー、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、繊維性疾患、移植後疾患、GVH拒絶、癌、白血病(急性リンパ性白血病)、固形腫瘍、カルチノイド、胸腺腫、胸腺癌腫、
好ましくはIBD、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎(例えば潰瘍性直腸炎を含む)
である。
【0066】
他の局面において、本発明は、
例えばCCR9活性が仲介する障害の処置のための
− 医薬として使用するための本発明の化合物、
− 医薬としての本発明の化合物の使用、
− 医薬の製造のための本発明の化合物の使用;
例えばCCR9活性が仲介する障害の処置のための本発明の化合物、例えば、CCR9とCCL25の結合の妨害が関連する障害、例えば、対象におけるCCR9が仲介する白血球帰巣が仲介する障害の処置のための、CCR9活性が仲介する障害の処置のための本発明の化合物を提供する。
【0067】
他の局面において、本発明は、炎症性腸疾患の処置用薬剤の製造のための本発明の化合物を提供する。
【0068】
医薬使用のために、1種以上の本発明の化合物を使用でき、例えば2種以上の本発明の化合物、好ましくは1種の本発明の化合物を使用する。
【0069】
本発明の化合物は、医薬組成物の形で、医薬として使用できる。
【0070】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物を、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、滑剤、糖類または甘味剤、香料、防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝液を含む、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば適当な担体および/または希釈剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0071】
他の局面において、本発明は、
− CCR9活性が仲介する障害の処置に使用するための本発明の医薬組成物。
− CCR9活性が仲介する障害の処置のための本発明の医薬組成物の使用;
− 炎症性腸疾患の処置のための本発明の化合物を含む医薬組成物の使用。
− CCR9活性が仲介する障害の処置のための本発明の化合物を含む医薬組成物の使用。
【0072】
ここで使用する障害(疾患)の処置は、予防(防御)も含む。このような処置のために、適当な投与量は、もちろん、例えば、使用する本発明の化合物の化学的性質および薬物動態学的データ、個々の宿主、投与形態および処置する状態の性質および重症度に依存して変化する。しかしながら、一般に、大型哺乳類、例えばヒトでの満足行く結果のために、指示される1日量は
− 約0.0001gから約1.5g、例えば0.001gから1.5g、
− 約0.001mg/kg体重から約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重から20mg/kg体重
の本発明の化合物の範囲を含み、
例えば分割量で1日4回まで投与する。
【0073】
本発明の化合物は、大型哺乳動物、例えばヒトに、CCR9活性の他のメディエーター、例えば低分子量阻害剤で通常使用されているものと類似の投与形式で投与できる。
【0074】
さらなる局面において、本発明は、例えば上記で特記した障害を含む、CCR9活性が仲介する障害の処置方法であって、そのような処置を必要とする対象に治療的有効量の本発明の化合物を;例えば医薬組成物の形で投与することを含む、方法を提供する。
【0075】
他の局面において、本発明は、
CCR9活性が仲介する障害の処置のための、
− 医薬の製造のための本発明の化合物、
− 医薬の製造のための本発明の化合物の使用
を提供する。
【0076】
さらなる局面において、本発明は、炎症性腸疾患の処置方法であって、そのような処置を必要とする対象に、治療的有効量の本発明の化合物を;例えば医薬組成物で投与することを含む、方法を提供する。
【0077】
本発明の化合物は、任意の慣用の経路で、例えば経腸的に(例えば経鼻、バッカル、直腸、経口投与を含む);非経腸的に(例えば静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内輸液、経皮(無傷の皮膚を介した拡散)、経粘膜(粘膜を介した拡散)、吸入投与を含む);局所的に(例えば皮膚上、鼻腔内、気管内投与を含む);腹腔内(腹腔への注射または輸液);硬膜外(硬膜外の)(硬膜外空間への注射または輸液);くも膜下腔内(脳脊髄液内への注射または輸液);硝子体内(眼を介した投与)に;または例えば局所送達のための、医療デバイス、例えばステントを介して、例えば被覆または非被覆錠剤、カプセル、(注射可能)溶液、輸液溶液、固体溶液、懸濁液、分散、固体分散の形で;例えばアンプル、バイアルの形で、クリーム、ゲル、ペースト、吸入用粉末、泡、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレーの形で、または坐薬の形で投与できる。
【0078】
例えば眼への投与を含む局所使用のために、満足行く結果は、1日数回、例えば1日2〜5回の0.5−10%例えば1−3%濃度の活性物質の局所投与で得ることができる。
【0079】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩、例えば酸付加塩または金属塩の形で;または遊離形で;所望により溶媒和物の形で投与できる。塩の形の本発明の化合物は、所望により溶媒和物の形の、遊離形の本発明の化合物と同程度の活性を有する。
【0080】
本発明の化合物は、ここに記載の全ての方法または使用のために、単独で、または少なくとも1種の、他の第二医薬物質との組合せで使用し得る。
【0081】
他の局面において、本発明は
− 本発明の化合物と少なくとも1種の第二医薬物質の組合せ;
− 本発明の化合物を少なくとも1種の第二医薬物質と組み合わせて含む、医薬組合せ;
− 本発明の化合物を、少なくとも1種の第二医薬物質および1種以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物;
− ここに定義の方法のいずれかに使用するための、例えば医薬組合せまたは組成物の形の、少なくとも1種の第二医薬物質と組み合わせた本発明の化合物、例えば
− 医薬として使用するための、本発明の化合物および少なくとも1種の第二医薬物質を含む組合せ、医薬組合せまたは医薬組成物;
− 例えば医薬組合せまたは組成物の形の、少なくとも1種の第二医薬物質と組み合わせた本発明の化合物の医薬の使用;
− 例えばここに示す治療的処置のいずれかのために、第二医薬物質と組み合わせて使用するための医薬の製造のための本発明の化合物の使用;
− 処置を必要とする対象におけるCCR9活性が仲介する障害の処置方法であって、治療的有効量の本発明の化合物および少なくとも1種の第二医薬物質を、例えば医薬組合せまたは組成物のかたちで、同時にまたは連続的に併用投与することを含む、方法;
− CCR9活性が仲介する障害において使用するための医薬の製造において使用するための、少なくとも1種の第二医薬物質と組み合わせた、例えば医薬組合せまたは組成物の形の、本発明の化合物
を提供する。
【0082】
組合せは、本発明の化合物および少なくとも1種の第二医薬物質が同じ製剤である固定された組合せ;別々の製剤の本発明の化合物および少なくとも1種の第二医薬物質が同じ包装内に、例えば併用投与の指示書と共に提供されるキット;および本発明の化合物および少なくとも1種の第二医薬物質が別々に包装されているが、同時のまたは連続的投与のための指示が成される自由な組合せを含む。
【0083】
他の局面において、本発明は、
− 本発明の化合物である第一薬剤および少なくとも1種の第二医薬物質と、組合せ投与の指示書を含む、医薬包装物;
− 本発明の化合物と、少なくとも1種の第二医薬物質との組合せ投与の指示書を含む、医薬包装物;
− 少なくとも1種の第二医薬物質と、本発明の化合物との組合せ投与の指示書を含む、医薬包装物。
【0084】
本発明の組合せに従う処置は、単剤処置と比べて改善を提供し得る。
【0085】
他の局面において、本発明は、
− 一定量の本発明の化合物および一定量の第二医薬物質を含む医薬組合せ(ここで、外量は相乗的治療効果を生ずるのに適当である);
− 治療的有効量の本発明の化合物および第二医薬物質の例えば同時のまたは連続的な併用投与を含む、本発明の化合物の治療的有用性を改善する方法。
− 治療的有効量の本発明の化合物および第二医薬物質の例えば同時のまたは連続的な併用投与を含む、第二医薬物質の治療的有用性を改善する方法
を提供する。
【0086】
本発明の組合せおよび組合せパートナーとしての第二医薬物質は、慣用の経路で、例えば本発明の化合物について上記の通り、投与できる。第二医薬は、適当な投与量で、例えば、単剤処置で使用するのと類似であるか、または、例えば、相乗作用の場合、慣用の投与範囲より低い投与量の範囲で投与できる。
【0087】
本発明の医薬組成物は、慣用の方法に従い、例えば準じて、例えば混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥工程により製造できる。単位投与形態は、例えば、約0.1mgから約1500mg、例えば1mgから約1000mgを含み得る。本発明の組合せを含む医薬組成物およびここに記載の通りの第二医薬を含む医薬組成物は、適当に、慣用の方法に、例えば従い、例えば準じて、または本発明の医薬組成物についてここに記載の通り、提供できる。
【0088】
用語“第二医薬物質”は、本発明の薬剤以外の化学療法医薬(chemotherapeutic drug)、とりわけ全ての化学療法剤(chemotherapeutic agent)を意味する。
例えば、ここで使用する第二医薬物質は、
− 例えば抗体および低分子量化合物を含む本発明の化合物以外のCCR9阻害剤、
− 抗炎症剤および/または免疫調節剤、
− 抗アレルギー剤
− 抗癌剤
− 麻酔剤
− 止瀉剤
を含む。
【0089】
IBD処置のために、用語“第二医薬物質”は、抗炎症剤および/または免疫調節剤(例えばIBD予防または処置に活性な薬剤および/またはIBDの顕在化、例えばIBD症状の処置に活性な薬剤を含む)、例えば麻酔剤または止瀉剤を含む。
【0090】
本発明の化合物との組合せで有用そうである抗炎症性および/または免疫調節剤は、例えば、以下を含む
− 式
【化3】

のラパマイシンおよび、例えば40−O−アルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−ヒドロキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−(2−ヒドロキシ)−エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、
32−デオキソ−ラパマイシン誘導体および32−ヒドロキシ−ラパマイシン誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、
16−O−置換ラパマイシン誘導体、例えば16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
40位の酸素基がアシル化されているラパマイシン誘導体、例えば40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシン(別名CCI779)、
40位をヘテロシクリルで置換されているラパマイシン誘導体、例えば40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(別名ABT578)、
例えば、WO9802441、WO0114387およびWO0364383に記載されているような、いわゆるラパログ、例えばAP23573、および
TAFA−93、AP23464、AP23675、AP23841およびバイオリムス(例えばバイオリムスA9)の名の下に開示されている化合物を含む、ラパマイシン誘導体を含む、mTOR活性のメディエーター、例えば阻害剤。
【0091】
− カルシニューリンのメディエーター、例えば阻害剤、例えばシクロスポリンA、FK 506;
− 免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981;
− コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;レフルノミド;ミゾルビン;
− ミコフェノール酸または塩;例えばナトリウム、ミコフェノール酸モフェチル;
− 15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制性相同体、類似体または誘導体;
− bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばGleevec(イマチニブ);
− p38 MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 例えばWO0238561またはWO0382859に記載されている、例えば実施例56または70の化合物のようなPKC活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばN−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(チロホスチン AG 490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4'−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形、例えば一クエン酸塩の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(別名CP−690,550)、またはWO2004052359またはWO2005066156に開示の化合物;
− S1P受容体活性のメディエーター、例えばアゴニストまたはモジュレーター、例えば所望によりリン酸化されているFTY720またはその類似体、例えば所望によりリン酸化されている2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
【0092】
− 免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、Blys/BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;
− 他の免疫調節性化合物、例えばCTLA4の少なくとも細胞外ドメインの部分またはその変異体を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合したCTLA4の少なくとも細胞外部分またはその変異体を有する、組み換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えばATCC68629と命名)またはその変異体、例えばLEA29Y;
− 接着分子活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
− MIF活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 5−アミノサリチレート(5−ASA)剤、例えばスルファサラジン、Azulfidine(登録商標)、Asacol(登録商標)、Dipentum(登録商標)、Pentasa(登録商標)、Rowasa(登録商標)、Canasa(登録商標)、Colazal(登録商標)、例えばメサラミン含有薬剤;例えば、ヘパリンと組み合わせたメサラジン;
− 例えばTNF−アルファに結合する抗体を含む、TNF−アルファ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばインフリキシマブ(Remicade(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、
− 例えばCOX阻害性NO供与性薬剤(CINOD)を含む、酸化窒素遊離非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);
− ホスホロジエステラーゼ、例えばPDE4B活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− カスパーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− Gタンパク質共役受容体GPBAR1のメディエーター、例えばアゴニスト、
− セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− ‘多機能性抗炎症性'薬剤(MFAID)、例えば細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えば糖アミノグリカンに結合した膜固定ホスホリパーゼA2阻害剤;
− 抗生物質、例えばペニシリン類、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、例えばスルファジアジン、スルフイソキサゾール;スルホン、例えばダプソン;プレウロムチリン、フルオロキノロン、例えばメトロニダゾール、キノロン、例えばシプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌例えばLactobacillus、Lactobacillus reuteri;
− 抗ウイルス剤、例えばリバビリン(ribivirin)、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、オセルタミビルホスフェート、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ジダノシン、エファビレンツ、フォスカーネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ジドブジン。
【0093】
本発明の化合物との組合せで有用そうである抗アレルギー剤は、例えば、抗ヒスタミン(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えばブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、および非ステロイド性抗喘息剤、例えばβ2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロマイド、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY−1005);気管支拡張剤、抗喘息剤(肥満細胞安定化剤)を含む。
【0094】
本発明の化合物との組合せで有用そうである抗炎症剤は、例えば、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム類(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン)、サリチレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン類(アパゾン、ビズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばセレコキシブ;ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害剤;ケモカイン受容体、とりわけCCR1、CCR2、およびCCR3のアンタゴニスト;コレステロール低下剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、および他のスタチン)、捕捉剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベザフィブラート(benzafibrate))、およびプロブコール;抗コリン作動剤、例えばムスカリンアンタゴニスト(イプラトロピウムブロマイド);他の化合物、例えばテオフィリン、スルファサラジンおよびアミノサリチレート、例えば5−アミノサリチル酸およびそれらのプロドラッグ、抗リウマチ剤を含む。
【0095】
本発明の化合物との組合せパートナーとして有用そうである抗癌剤は、例えば以下を含む
i. ステロイド;例えばプレドニゾン。
ii. 核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とし、減少させ、または阻害するアデノシン−キナーゼ−阻害剤;例えば5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、5−ヨード−7−β−D−リボフラノシルとしても既知)。
iii. 5−FU−TS結合を増強するアジュバント;ならびにアルカリホスファターゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物、例えばロイコボリン、レバミソール。
iv. 17−ヒドロキシコルチコステロイドの減少をもたらす、副腎皮質活性を標的とし、減少させ、または阻害するおよびコルチコステロイドの末梢代謝を変化させる、副腎皮質アンタゴニスト;例えばミトタン。
v. AKT経路阻害剤;例えばAkt(タンパク質キナーゼB(PKB)としても既知)を標的とし、減少させ、または阻害する化合物、例えばデグエリン(3H−ビス[1]ベンゾピランo[3,4−b:6',5'−e]ピラン−7(7aH)−オン、13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−、(7aS、13aS)としても既知);およびトリシリビン(1,4,5,6,8−ペンタアザアセナフチレン−3−アミン、1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシルとしても既知)。
vi. DNAのアルキル化を引き起こし、DNA分子の破壊ならびに双子鎖の連結をもたらし、故に、DNA複製およびRNA転写を妨害するアルキル化剤;例えばナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、エストラムスチン(Emcyt(登録商標));ニトロソウレア、例えばカルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(streptozotocin)、STZ、Zanosar(登録商標))、BCNU;Gliadel;ダカルバジン、メクロレタミン(例えば塩酸塩の形)、プロカルバジン(例えば塩酸塩の形)、チオテパ、テモゾロミド(TEMODAR(登録商標))、マイトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラマスチン(uramustine)。シクロホスファミドは、例えば、CYCLOSTIN(登録商標)の商品名の下に市販の形で;およびイホスファミドはHOLOXAN(登録商標)として、例えば、投与できる。
【0096】
vii. 新規血管の産生をを標的とし、減少させ、または阻害する、例えばメチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1アルファ)、CCL5、TGF−ベータ、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびトポイソメラーゼを標的とする、またはp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成を間接的に標的とする血管形成阻害剤;例えばフマギリン(2,4,6,8−デカテトラエンジオイック酸、モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクト−6−イル]エステル、(2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても既知);シコニン(1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても既知);トラニラスト(安息香酸、2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]としても既知);ウルソール酸;スラミン;ベンガミドまたはそれらの誘導体、サリドマイド、TNP−470。
viii. 副腎および精巣起源のアンドロゲンの作用を遮断し、前立腺組織の正常および悪性増殖を刺激する抗アンドロゲン;例えばニルタミド;ビカルタミド(CASODEX(登録商標))(US4636505に記載の通り製剤できる)。
ix. 例えばエストロゲン産生、すなわち、基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからエストロンおよびエストラジオールへの変換を各々阻害するアロマターゼ阻害剤を含む、エストロゲンの作用をエストロゲン受容体レベルで拮抗する抗エストロゲン;
例えばアタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、タモキシフェンシトレート;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、ラロキシフェンヒドロクロライドを含む。タモキシフェンは、例えばNOLVADEX(登録商標)として市販されている形で、例えば投与する;およびラロキシフェンヒドロクロライドはEVISTA(登録商標)として市販されている。フルベストラントはUS4659516に開示の通り製剤でき、FASLODEX(登録商標)として市販されている。
【0097】
x. 高カルシウム血症の処置に使用される抗高カルシウム血症剤;例えば硝酸ガリウム(III)水和物;およびパミドロン酸二ナトリウム。
xi. DNAの合成を阻害または破壊し細胞死をもたらす、代謝拮抗剤;例えば葉酸、例えばメトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド;プリン類、例えば6−メルカプトプリン、クラドリビン、クロファラビン;フルダラビン、チオグアニン(チオグアニン)、6−チオグアニン、ペントスタチン(デオキシコホルマイシン);シタラビン;フロクスウリジン(flexuridine);フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ゲムシタビン;ゲムシタビンヒドロクロライド;ヒドロキシウレア(例えばHydrea(登録商標));DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;エダトレキサート。カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えば、市販の形、例えばXELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)で、投与できる。
xii. 細胞における、その死に至る正常な一連の事象を誘発する、例えば選択的にアポトーシスタンパク質XIAPのX関連哺乳動物阻害剤を誘発する、または例えばdBCL−xLを下方制御するアポトーシス誘発剤;例えばエタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ];ガンボグ酸;エンベリン(2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシル−(9CI)としても既知);三酸化ヒ素。
xiii. 有糸分裂チェックポイントおよび後期有糸分裂を通る全ての未知での、細胞サイクルのG2/Mチェックポイントからの後期の段階を標的とし、減少させ、または阻害するオーロラキナーゼ阻害剤;例えばビヌクレイン(binucleine)2(メタンイミドアミド、N'−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾル−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても既知)。
【0098】
xiv. ヒトおよびマウスB細胞発育を標的とし、減少させ、または阻害するBruton'sチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;例えばテレ酸。
xv. T細胞活性化経路を標的とし、減少させ、または阻害するカルシニューリン阻害剤;例えばシペルメトリン(シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−,シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても既知);デルタメトリン(シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(1R,3R)としても既知);フェンバレレート(ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−,シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても既知);およびチロホスチン8;シクロスポリンまたはFK506を除く。
xvi. CaMキナーゼを標的とし、減少させ、または阻害するCaMキナーゼII阻害剤;ホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関連する酵素のファミリーを構成する;例えば5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。
xvii. Src−ファミリータンパク質−チロシンキナーゼの脱リン酸化調節性pTyr残基を標的とし、減少させ、または阻害するCD45チロシンホスファターゼ阻害剤;炎症性および免疫性障害の治療の助けとなる;例えばホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]。
xviii. 腫瘍における脱リン酸化サイクリン依存性キナーゼ過剰発現を標的とし、減少させ、または阻害するCDC25ホスファターゼ阻害剤;例えば1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロyエチル)チオ]。
【0099】
xix. 抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的とし、減少させ、または阻害するCHKキナーゼ阻害剤;例えばデブロモヒメニアルジシン。CHKキナーゼ阻害剤の標的はCHK1および/またはCHK2である。
xx. ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチロホスチン;例えばダイゼイン(4H−1−ベンゾピラン−4−オン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)としても既知);イソオロモウシン、およびチロホスチン 1。
xxi. 酵素Cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的とし、減少させ、または阻害する;例えばCox−2阻害剤を含む;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えば1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2'−クロロ−6'−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
xxii. TNFにより誘発されるE−セレクチンおよび血管接着分子−1の上方制御を標的とし、減少させ、または阻害するcRAFキナーゼ阻害剤;例えば3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドル−2−オン;およびベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]。Rafキナーゼは、細胞分化、増殖、およびアポトーシスにおける細胞外細胞シグナル調節性キナーゼとして重要な役割を有する。cRAFキナーゼ阻害剤の標的は、RAF1を含むが、これらに限定されない。
xxiii. 哺乳動物細胞サイクルの制御に役割を有するサイクリン依存性キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害するサイクリン依存性キナーゼ阻害剤;例えばN9−イソプロピル−オロムシン;オロモウシン;プルバラノールB(安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても既知);ロスコビチン(roascovitine);インデイルビン(2H−インドル−2−オン、3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドル−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても既知);ケンパウロン(インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン、9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても既知);プルバラノール A(1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−、(2R)−(9CI);インデイルビン−3'−モノオキシムとしても既知)。細胞サイクル進行は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdks)およびサイクリンの活性化およびその後の不活性化を含む一連の連続事象により制御される。Cdksは、それらの調節性サブユニット、サイクリンに結合することにより活性ヘテロ二量体複合体を形成するセリン/スレオニンキナーゼのグループである。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例は、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3beta、およびERKを含むが、これらに限定されない。
【0100】
xxiv. 哺乳動物細胞ターンオーバーおよびアポトーシスにおいて重要な役割を有するシステインプロテアーゼを標的とし、減少させ、または阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤;例えば4−モルホリンカルボキサミド,N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]。
xxv. DNAに結合し、DNA、RNA、およびタンパク質合成を阻害するDNAインターカレーター;例えばプリカマイシン、ダクチノマイシン。
xxvi. DNA鎖分離の原因となり、DNA合成の阻害、RNAおよびタンパク質合成の阻害をもたらすDNA鎖破壊剤;例えばブレオマイシン。
xxvii. ユビキチン鎖のタンパク質への移動を阻害し、プロテアソーム中でそれらの破壊をさせる、E3リガーゼを標的とし、減少させ、または阻害するE3リガーゼ阻害剤;例えばN−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
xxviii. 主に下垂体上で作用し、男性においてホルモンの抑制をもたらし(正味の効果は去勢レベルまでのテストステロンの減少である);女性においては卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン合成両方が阻害される内分泌ホルモン;例えばリュープロリド;メゲストロール、メゲストロールアセテート。
【0101】
xxix. 受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例えばEGF受容体チロシンキナーゼファミリー、例えばEGF受容体、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するまたはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、特にWO9702266(例えば実施例39の化合物)、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983および、とりわけ、WO9630347に一般的におよび具体的に開示の化合物(例えばCP 358774として既知の化合物)、WO9633980(例えばZD 1839として既知の化合物);およびWO9503283(例えばZM105180として既知の化合物、例えば、二重作用性チロシンキナーゼ阻害剤(ErbB1およびErbB2)ラパチニブ(GSK572016)、例えばラパチニブジトシレートを含む)に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;パニズツマブ、トラスツマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、例えばWO03013541に開示の7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、エルロチニブ、ゲフィチニブ。エルロチニブは、市販の形、例えばTARCEVA(登録商標)で投与でき、ゲフィチニブはIRESSA(登録商標)として投与でき、上皮細胞増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体はABX−EGFRを含む。
【0102】
xxx. EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えばチロホスチン23、チロホスチン25、チロホスチン47、チロホスチン51およびチロホスチンAG 825を含むEGFRキナーゼ阻害剤;2−プロペンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E);チロホスチンAg 1478;ラベンダスティンA;3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、例えばチロホスチン46を含む。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤はチロホスチン46を含む。EGFRキナーゼ阻害剤の標的は、グアニリルサイクラーゼ(GC−C)HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンを含む。
xxxi. Rasタンパク質を標的とし、減少させ、または阻害するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;例えばa−ヒドロキシファルネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−,1−メチルエチルエステル、(2S);マニュマイシンA;L−744,832またはDK8G557、ティピファニブ(R115777)、SCH66336(ロナファルニブ)、BMS−214662、
xxxii. Flk−1チロシンキナーゼ活性を標的とし、減少させ、または阻害するFlk−1キナーゼ阻害剤;例えば2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的は、KDRを含むが、これに限定されない。
【0103】
xxxiii. グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を標的とし、減少させ、または阻害するグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)阻害剤;例えばインデイルビン−3'−モノオキシム。グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)、非常に保存された、普遍的に発現するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼは、複数の細胞過程のシグナル伝達カスケードに関与する。これは、タンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管集合/分解、およびアポトーシスを含む、細胞機能の多くのアレイの制御に関与することが示されているタンパク質キナーゼである。
xxxiv. ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有するヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;例えばWO0222577に開示の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよび薬学的に許容されるその塩;スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;酪酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシン;トラポキシン、HC毒素(シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(αS,2S)−□−アミノ−□−オキソオキシランオクタノイル−D−プロリル](9CI)としても既知);ナトリウムフェニルブチレート、スベロイルビス−ヒドロキサム酸;トリコスタチンA、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロ酸。
【0104】
xxxv. HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、減少させ、または阻害する;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解し、標的とし、減少させるHSP90阻害剤。HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコール(radicicol)およびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例は、ゲルダナマイシン,17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)を含む。HSP90阻害剤の可能性のある間接的標的は、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2である。ニロチニブは、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤の例である。
xxxvi. NF−カッパBを標的とし、減少させ、または阻害するI−カッパB−アルファキナーゼ阻害剤(IKK);例えば2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)。
xxxvii. ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質、およびS6キナーゼの活性を調節するインスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;例えばヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
【0105】
xxxviii. Jun N−末端キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害するc−Jun N−末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;例えばピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガレート。Jun N−末端キナーゼ(JNK)、セリン指向性タンパク質キナーゼは、c−JunおよびATF2のリン酸化および活性化に関与し、代謝、増殖、細胞分化、およびアポトーシスに顕著な役割を有する。JNKキナーゼ阻害剤の標的は、DNMTを含むが、これに限定されない。
xxxix 有糸分裂および静止期細胞機能に必須である微小管ネットワークの妨害により作用する微小管結合剤;例えばビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンブラスチンスルフェート;ビンクリスチン、ビンクリスチンスルフェート;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン類、例えばタキサン類、例えばドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモライド;コルヒチン(cochicine)、エポチロンおよびそれらの誘導体、例えばエポチロンBまたはそれらの誘導体。パクリタキセルはタキソール(登録商標)として;ドセタキセルはタキソテール(登録商標)として;ビンブラスチンスルフェートはVINBLASTIN R.P(登録商標)として;およびビンクリスチンスルフェートはFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また包含されるのは、パクリタキセルの一般的な形態ならびにパクリタキセルの種々の投与形態である。パクリタキセルの一般的形態は、ベタキソロールヒドロクロライドを含むが、これに限定されない。パクリタキセルの種々の投与形態は、ABRAXANE(登録商標);ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)として市販のアルブミンナノ粒子パクリタキセルを含むが、これらに限定されない。ディスコデルモライドは、例えば、US5010099に記載の通り得ることができる。また包含されるのは、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に開示のエポチロン誘導体である。とりわけ好ましいのはエポチロンAおよび/またはBである。
【0106】
xl. マイトージェン−活性タンパク質を標的とし、減少させ、または阻害するマイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;例えばベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼは、種々の細胞外刺激に応答して活性化され、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループである。それらは、炎症、アポトーシス細胞死、発癌性形質転換、腫瘍細胞侵襲、および転移を含む、いくつかの生理学的および病理学的細胞現象を調節する。
xli. MDM2とp53腫瘍サプレッサーの相互作用を標的とし、減少させ、または阻害するMDM2阻害剤;例えばtrans−4−ヨード、4'−ボラニル−シャルコン。
xlii. MAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的とし、減少させ、または阻害するMEK阻害剤;例えばソラフェニブ、例えばNexavar(登録商標)(ソラフェニブトシレート)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]。MEK阻害剤の標的は、ERKを含むが、これに限定されない。MEK阻害剤の間接的標的は、サイクリンD1を含むが、これに限定されない。
【0107】
xliii:腫瘍周囲の組織構造の損失の促進ならびに腫瘍増殖、血管形成、および転移の促進に関与する、酵素MMP−2およびMMP−9を含む、ポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラスを標的とし、減少させ、または阻害するマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;例えばアクチノニン(ブタンジアミド、N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI)としても既知);エピガロカテキンガレート;コラーゲンペプチド模倣性および非ペプチド模倣性阻害剤;テトラサイクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣性阻害剤バチマスタット;およびその経口で生体利用可能なアナログマリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、BMS−279251、BAY 12−9566、MMI270BまたはAAJ996。MMP阻害剤の標的は、ポリペプチドデホルミラーゼを含むが、これに限定されない。
xliv. 神経増殖因子依存性p140c−trkチロシンリン酸化を標的とし、減少させ、または阻害するNGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤;例えばチロホスチンAG 879。NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤の標的は、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCを含むが、これらに限定されない。間接的標的は、RAF1の発現を阻害する。
【0108】
xlv. SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、MAPKファミリーメンバーであるp38−MAPKを標的とし、減少させ、または阻害するp38 MAPキナーゼ阻害剤;例えばフェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾル−2−イル]。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例は、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]を含むが、これらに限定されない。MAPKファミリーメンバーは、チロシンおよびスレオニン残基のリン酸化により活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼは、多くの細胞ストレスおよび炎症性刺激によりリン酸化および活性化され、重要な細胞応答、例えばアポトーシスおよび炎症性反応に関与すると考えられている。
xlvi. T細胞発育および活性化に必須のリンパ特異的srcファミリーチロシンキナーゼである酵素である、p56チロシンキナーゼを標的とし、減少させ、または阻害するp56チロシンキナーゼ阻害剤;例えばダムナカントール(2−アントラセンカルボクスアルデヒド,9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ、チロホスチン46としても既知)。p56チロシンキナーゼ阻害剤の例は、Lckを含むが、これに限定されない。LckはCD4、CD8の細胞質ドメインおよびIL−2受容体のベータ鎖と関連し、TCR仲介T細胞活性化の初期段階に関与すると考えられる。
xlvii. C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とし、低下させ、または阻害する、例えば、c−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害するとりわけc−Kit受容体を阻害するPDGFRチロシンキナーゼ阻害剤。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、PDGFR、FLT3および/またはc−KITを含むが、これに限定されず;例えばチロホスチンAG 1296;チロホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル,2−アミノ−4−(1H−インドル−5−イル);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、IRESSA(登録商標)である。PDGFは、正常細胞ならびに種々の疾患状態、例えば癌、アテローム性動脈硬化症、および繊維性疾患における細胞増殖、走化性、および生存の制御に中心的役割を有する。PDGFファミリーは、二量体アイソフォーム(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、およびPDGF−DD)から成り、それはそれらの細胞効果を、2種の受容体チロシンキナーゼに異なって結合することにより発揮する。PDGFR−αおよびPDGFR−βは、各々170および180kDaの分子量を有する。
【0109】
xlviii. PI 3−キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害するホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;例えばワートマニン(3H−フロ[4,3,2−de]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン、11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−、(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても既知);8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;ケルセチン、ケルセチン二水和物。PI 3−キナーゼ活性は、インスリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮細胞増殖因子、コロニー−刺激因子、および肝細胞増殖因子を含む、多くのホルモンおよび増殖因子刺激に応答して増加することが示されており、細胞増殖および形質転換に関連した過程に関連している。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的は、Pi3Kを含むが、これに限定されない。
xlix. ホスファターゼを標的とし、減少させ、または阻害するホスファターゼ阻害剤;例えばカンタリド酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。ホスファターゼは、ホスホリル基を除き、タンパク質を、その本来の脱ホスホリル化状態にする。故に、リン酸化−脱リン酸化サイクルが、分子“オン−オフ”スイッチとして見なされ得る。
l. 白金を含み、DNA分子鎖間および鎖内架橋を形成することによりDNA合成を阻害する、白金剤;例えばカルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラスチン;サトラプラチンおよび白金剤、例えばZD0473、BBR3464。カルボプラチは、例えば、その市販の形で、例えばCARBOPLAT(登録商標)として;およびオキサリプラチンはELOXATIN(登録商標)として投与できる。
【0110】
li. タンパク質ホスファターゼを標的とし、減少させ、または阻害する、PP1およびPP2阻害剤およびチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤。PP1およびPP2A阻害剤の例は、カンタリド酸および/またはカンタリジンを含む。チロシンホスファターゼ阻害剤の例は、L−P−ブロモテトラミソールオキザレート;2(5H)−フラノン、4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−、(5R);およびベンジルホスホン酸。
ここで使用する用語“PP1またはPP2阻害剤”は、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。PP1を含むI型ホスファターゼは、阻害剤−1(I−1)および阻害剤−2(I−2)として既知の2種の熱安定タンパク質により阻害できる。それらは、主にホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを脱リン酸化する。II型ホスファターゼは、自発性に活性(PP2A)、CA2+依存性(PP2B)、およびMg2+依存性(PP2C)クラスのホスファターゼに細分される。
ここで使用する用語“チロシンホスファターゼ阻害剤”は、チロシンホスファターゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は、ホスファターゼファミリーに比較的最近追加された。それらは、タンパク質のホスホリル化チロシン残基からホスフェート基を除去する。PTPは様々な構造特性を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動性、および細胞骨格機能の制御に重要な役割を有する。チロシンホスファターゼ阻害剤の標的の例は、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPase、および/または前立腺酸ホスファターゼを含むが、これらに限定されない。
【0111】
lii. PKC阻害剤およびPKCデルタキナーゼ阻害剤:ここで使用する用語“PKC阻害剤”は、タンパク質キナーゼCならびにそのアイソザイムを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。偏在性の、リン脂質依存性酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化、およびアポトーシスに関連するシグナル伝達に関与する。PKC阻害剤の標的の例は、MAPKおよび/またはNF−カッパBを含むが、これらに限定されない。PKC阻害剤の例は、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドル−3−イル]−4−(1H−インドル−3−イル);ビスインドリルマレイミドIX;スフィンゴシン(4−オクタデセン−1,3−ジオール、2−アミノ−、(2S,3R,4E)−(9CI)としても既知);スタウロスポリン(9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3',2',1'−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとしても既知)、EP0296110に記載のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−、(9S,10R,11R,13R)−(9CI);チロホスチン51;およびヒペリシン(フェナンスロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−、立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)、UCN−01,サフィンゴール、BAY 43−9006、ブリオスタチン1、ペリホシンとしても既知);リモフォシン(llmofosine);RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196を含むが、これらに限定されない。ここで使用する用語“PKCデルタキナーゼ阻害剤”は、PKCのデルタアイソザイムを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。デルタアイソザイムは、一般的なPKCアイソザイムであり、Ca2+依存性である。PKCデルタキナーゼ阻害剤の例は、ロッテルリン(2−プロペン−1−オン、1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−、(2E)−(9CI)としても既知)を含むが、これに限定されない。
【0112】
liii. ポリアミンスペルミジンを標的とし、減少させ、または阻害するポリアミン合成阻害剤;例えばDMFO((−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても既知);N1、N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖に極めて重要であるが、それらの厳密な作用機機序は明らかではない。腫瘍細胞は、生合成酵素の上昇した活性および増加したポリアミンプールにより反映される、変えられたポリアミンホメオスタシスを有する。
liv. プロテアソームを標的とし、減少させ、または阻害するプロテオソーム阻害剤;例えばアクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN 341;ボルテゾミブ;ベルケイド。プロテオソーム阻害剤の標的は、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファルネシルトランスフェラーゼ、一般的トランスフェラーゼIを含むが、これらに限定されない。
lv. PTP1Bを標的とし、減少させ、または阻害するPTP1B阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;例えばL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−,(E)。
【0113】
lvi. SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;およびJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
ここで使用する用語“タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤”は、タンパク質チロシンキナーゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、細胞増殖、分化、代謝、移動、および生存の制御に重要な役割を有する。それらは、受容体PTKおよび非受容体PTKに分類される。受容体PTKは、一ポリペプチド鎖と経膜セグメントを含む。このセグメントの細胞外末端は、高親和性リガンド−結合ドメインを含み、一方細胞質末端は、触媒コアおよび調節配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、ERK1、ERK2、Bruton'sチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3を含むが、これらに限定されない。間接的な標的の例は、TNFアルファ、NO、PGE2、IRAK、iNOS、ICAM−1、および/またはE−セレクチンを含むが、これらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、チロホスチンAG 126;チロホスチンAg 1288;チロホスチンAg 1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインを含むが、これらに限定されない。
非受容体チロシンキナーゼは、Src、Tec、JAK、Fes、Abl、FAK、Csk、およびSykファミリーのメンバーを含む。それらは細胞質ならびに核に位置する。それらは、異なるキナーゼ調節、基質リン酸化、および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御がまたいくつかのヒト疾患と関連する。
ここで使用する用語“SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤”は、SRCを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例は、PP1(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても既知);およびPP2(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても既知)を含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“Sykチロシンキナーゼ阻害剤”は、Sykを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、Syk、STAT3、および/またはSTAT5を含むが、これらに限定されない。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例は、ピシアタンノール(1,2−ベンゼンジオール、4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても既知)を含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語“ヤヌス(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤”は、ヤヌスチロシンキナーゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物に関する。ヤヌスチロシンキナーゼ阻害剤は、抗血栓性、抗アレルギー性および免疫抑制性特性を備えた抗白血病性薬剤である。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、JAK2、JAK3、STAT3を含むが、これらに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的標的は、CDK2を含むが、これらに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例は、チロホスチンAG 490;および2−ナフチルビニルケトンを含むが、これらに限定されない。
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物の活性を標的とし、減少させ、または阻害する化合物は、例えばPD180970;AG957;またはNSC 680410を含む。
【0114】
lvii. レチノイド依存性受容体を標的とし、減少させ、または阻害するレチノイド;例えばイソトレチノイン、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテン。
lviii. CHO細胞におけるインスリン刺激核および細胞質p70S6キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害する;RNAポリメラーゼII転写を標的とし、減少させ、または阻害する、そしてまたカゼインキナーゼIIに依存性であり得る;そしてウシ卵母細胞における胚胞分解を標的とし、減少させ、または阻害するRNAポリメラーゼII伸長阻害剤;例えば5,6−ジクロロ−1−ベータ−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
lvix. セリン/スレオニンキナーゼを阻害するセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;例えば2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例は、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)を含むが、これに限定されない。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的標的の例は、MCP−1、NF−カッパB、elF2アルファ、COX2、RANTES、IL8,CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポエチン、および/またはCYP1A1を含むが、これらに限定されない。
lx. ステロール、例えばコレステロールの生合成を阻害するステロール生合成阻害剤;例えばテルビナジン(terbinadine)。ステロール生合成阻害剤の標的の例は、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6を含むが、これらに限定されない。
lxi. トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含むトポイソメラーゼ阻害剤。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテカンおよびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン接合PNU−166148(WO9917804)の化合物A1;10−ヒドロキシカンプトテシン、例えば酢酸塩;イダルビシン、例えばヒドロクロライド;イリノテカン、例えばヒドロクロライド;エトポシド;テニポシド;トポテカン、トポテカンヒドロクロライド;ドキソルビシン;エピルビシン、エピルビシンヒドロクロライド;ミトキサントロン、ミトキサントロン、例えばヒドロクロライド;ダウノルビシン、ダウノルビシンヒドロクロライド、バルルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)を含むが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば、CAMPTOSAR(登録商標)の商品名の下に市販の形で、例えば、投与できる。トポテカンは、例えば、HYCAMTIN(登録商標)の商品名の下に市販の形で、例えば、投与できる。ここで使用される用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン類、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えば、CAELYX(登録商標)を含む)、ダウノルビシン(リポソーム製剤、例えば、DAUNOSOME(登録商標)を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin);アントラキノン類、ミトキサントロンおよびロソキサントロン;およびポドフィロトキシン類、エトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM 26-BRISTOL(登録商標)として;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはアドリアマイシン(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として、イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;およびミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として市販されている。
【0115】
lxii. 正常および病理学的血管形成の調節に関与する既知の血管新生増殖因子およびサイトカインを標的とし、減少させおよび/または阻害するVEGFRチロシンキナーゼ阻害剤。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は、血管新生およびリンパ脈管新生過程の多くの面の制御に卓越したおよび絶対必要な役割を有する。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンを含む。VEGFRの活性を標的とし、減少させ、または阻害する化合物は、とりわけ、VEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体もしくはVEGFへの結合を阻害する化合物、タンパク質または抗体、特にWO9835958(例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたは医薬許容されるその塩、例えばコハク酸塩)、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばM. Prewett et al in Cancer Research 59(1999)5209-5218, by F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996, by Z. Zhu et al in Cancer Res. 58,1998,3209-3214, およびby J. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999に記載のもの;WO0037502およびWO9410202に記載のもの;M. S. O'Reilly et al, Cell79,1994,315-328により記載のアンジオスタチン;M. S. O'Reilly et al, Cell88,1997,277-285により記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474(バンデタニブ);SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMab(ベバシズマブ)である。抗体は、望む生物学的活性を示す限り、完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の完全な抗体から形成された多特異性抗体、および抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例は、例えばアクシチニブを含む。
【0116】
lxiii. ゴナドレリンアゴニスト、例えばアバレリクス、ゴセレリン、ゴセレリンアセテート。
lxiv. 細胞分化過程を誘発する化合物、例えばレチノイン酸、アルファ−、ガンマ−または8−トコフェロールまたはアルファ−、ガンマ−または8−トコトリエノール。
lxv. 例えばエチドロン、クロドロン、チルドロン、パミドロン、アレンドロン、イバンドロン、リセドロンおよびゾレドロン酸を含む、ビスホスホネート。
lxvi. 硫酸ヘパラン分解を防止するヘパラナーゼ阻害剤、例えばPI−88。
lxvii. 生物学的応答修飾剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンアルファ。
lxviii. テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
lxix. カテコール−O−メチルトランスフェラーゼのメディエーター、例えば阻害剤、例えばエンタカポン、
lxx:イスピネシブ(ispinesib)、ペメトレキセド(permetrexed)(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、ジエチルスチルベストロール(DES)、BMS224818(LEA29Y)。
lxxi ソマトスタチンまたはソマトスタチンアナログ、例えばオクトレオチド(Sandostatin(登録商標)またはSandostatin LAR(登録商標))。
lxxii. 増殖ホルモン−受容体アンタゴニスト、例えばペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチム、またはインターフェロンアルファ:
lxxiii. 例えば白血病(AML)処置に有用なモノクローナル抗体、例えばアレムツズマブ(Campath(登録商標))、リツキシマブ/リツキサン(登録商標))、ゲムツズマブ(オゾガマイシン、Mylotarg(登録商標))、エピラツズマブ。
lxxiv. アルトレタミン、アムサクリン、アスパラギナーゼ(Elspar(登録商標))、デニロイキンジフチトクス、マソプロコール、ペガスパルガーゼ。
lxxv. ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばアナグレリド(Agrylin(登録商標)、Xagrid(登録商標))。
lxxvi. 癌ワクチン、例えばMDX−1379。
【0117】
所望により、例えばここに示す抗癌剤と組み合わせた本発明の化合物での癌処置は、放射性療法と組合せ得る。所望により抗癌剤と組み合わせた本発明の化合物での癌処置は、例えば他の抗癌剤もしくは他の癌治療での処置後の第二選択処置であり得る。
【0118】
本発明の化合物との組合せパートナーとして有用そうである麻酔剤は、例えばエタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、マーカイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾカイン、ジブカイン、エチルクロライド、キシロカイン、およびフェナゾピリジンを含む。
【0119】
本発明の薬剤またはIBD剤との組合せパートナーとして有用そうである止瀉医薬物質は、例えばジフェノキシレート、ロペラミド、コデインを含む。
【0120】
本発明の化合物を、他の医薬物質と組み合わせて投与するとき、併用第二医薬物質の投与量は、もちろん、本発明の化合物の場合と同様、用いる併用剤のタイプ、用いる具体的薬剤、処置する状態に依存して、変化する。一般に、第二医薬の供給者により提供されるものと同様の投与量が適当であり得る。
【0121】
ここに示す本発明の化合物の化学名は、ISIS, version 2.5(AutoNom 2000 Name)のコピーである。第二医薬物質および他の物質の化学名はインターネットから、例えばSCI FINDERのような検索プログラムを介してもたらされ得る。
【0122】
以下の実施例において、全ての温度は摂氏度である。
以下の略語を使用する:
【表2】

【実施例】
【0123】
4−tert.ブチル−N−(4−クロロ−2−シアノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
0.15gの2−アミノ−5−クロロ−ベンゾニトリルおよび0.23gの4−tert.ブチル−ベンゼンスルホニルクロライドを2mlのNMP(N−メチル2−ピロリドン)に溶解し、氷浴で5°に冷却する。得られた混合物に、2.5mlのカリウム−tert.ブチレート(THF中1N)を添加し、得られた混合物を30分撹拌し、水でクエンチし、混合物から得られた溶媒を蒸発させる。蒸発残渣をEtAcに溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥させる。溶媒を蒸発させ、蒸発残渣を逆相カラムのクロマトグラフィーに付す。4−tert.ブチル−N−(4−クロロ−2−シアノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミドを得る。
1H-NMR(DMSO):1.27(s, 9 H), 7.06(d, J=8.5 Hz, 1H), 7.57-7.70(m, 5 H), 7.99(d, J=2 Hz, 1H), 10.6(broad s, 1H, NH)。
【0124】
上記実施例に記載の方法に準じるが、適当な出発物質(中間体)を使用して、以下の表1に定義のm.p.(℃)を有する、式
【化4】

〔式中、R、RおよびRは以下の表1に定義の通りである。〕
の化合物を得る。
【表3】

表1中、“CP”は“化合物番号”を意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
は水素、(C1−6)アルキル、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロアルキル(alky)オキシ、またはハロゲン、
は、
−(C1−6)アルキル、
−ハロ(C1−4)アルキル、
−(C1−4)アルコキシ、
−ハロ(C1−4)アルコキシ、または
−ハロゲン
の1個以上で置換されているフェニルであり;そして
はカルボキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、またはシアノである。〕
の化合物。
【請求項2】
が、(C1−6)アルキルであり、
が、非置換フェニルまたはハロゲンで置換されているフェニルであり、そして
が、(C1−4)アルコキシカルボニルである
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル、
1−(4−tert.ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
5−ブロモ−1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル、および
5−ブロモ−1−(4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸
から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
塩の形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
医薬として使用するための、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項7】
CCR9活性が仲介する障害の処置用薬剤の製造のための、請求項1から4のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の化合物、または請求項6に記載の医薬組成物、およびさらに第二医薬物質を含む、医薬組合せ。
【請求項9】
CCR9活性が仲介する障害の処置方法であって、そのような処置を必要とする対象に治療的有効量の請求項1から5のいずれかに記載の化合物または請求項6に記載の医薬組成物を、所望により第二医薬物質と組み合わせて投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2009−519990(P2009−519990A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546282(P2008−546282)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012475
【国際公開番号】WO2007/071442
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】