説明

CD20に対するヒトモノクローナル抗体

【課題】ヒトBリンパ球表面抗原CD20に結合して阻害するヒトモノクローナル抗体と、該抗体の利用法を提供する。
【解決手段】V-D-J組換え及びアイソタイプ・スイッチングを起こすことにより、複数のアイソタイプのヒト抗体を産生することができる、トランスフェクトーマや非ヒトトランスジェニック動物において産生させた、ヒト抗CD20モノクローナル抗体。また、該抗体を産生するトランスジェニック動物及びハイブリドーマ、さらに該抗体を含む医薬組成物、並びに該抗体を用いる治療法及び診断法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトCD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項2】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌性IgA、IgD、及びIgE抗体から成る群より選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体がIgG1抗体である、請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
前記抗体がIgG3抗体である、請求項2に記載の抗体。
【請求項5】
前記抗体がIgG4抗体である、請求項2に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体がIgA1又はIgA2抗体である、請求項2に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体がヒトCD20から、約10-5-1以下の解離速度定数(kd)で解離する、上記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体がヒトCD20に、約5nM以下の親和性定数(KD)で解離する、上記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体が、以下:
(i)補体の存在下でCD20発現細胞の補体依存的細胞傷害性(CDC)を誘導することができる;
(ii)補体の存在下で、CD20及び高レベルのCD55及び/又はCD59を発現する細胞の補体依存的細胞傷害性(CDC)を誘導することができる;
(iii)CD20発現細胞のアポトーシスを誘導することができる;
(iv)エフェクタ細胞の存在下で、CD20発現細胞の抗体依存的細胞傷害性(ADCC)を誘導することができる;
(v)CD20を発現する細胞の同型接着を誘導することができる;
(vi)CD20に結合すると、脂質ラフトに転位することができる;
(vii)CD20を発現する腫瘍細胞を有する対象の生存期間を延長することができる;
(viii)CD20を発現する細胞を枯渇させることができる;及び
(ix)低レベルのCD20を発現する細胞(CD20low細胞)を枯渇させることができるのうちから選択される特徴の一つ以上を有する、上記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項10】
以下:
(i)少なくとも20%、そして好ましくは少なくとも30%、10μg/mlの抗体濃度で37℃で3時間以内に、33 vol/vol %の血漿中B-CLL細胞のCDC媒介性溶解を誘導することができる;
(ii)少なくとも20%、そして好ましくは少なくとも30%、10μg/mlの抗体濃度で37℃で3時間以内に、33 vol/vol %の全血中B-CLL細胞のCDC媒介性溶解を誘導することができる;
(iii)20μgの用量で、30%を越えるDaudi細胞を注射されたSCIDマウスの50%生存率を延長することができる;及び
(iv)連続4日間1日当たり6.25mg/kgの投薬量でカニクイザルにおいて、低レベルのCD20を発現する末梢B細胞(CD20lowB細胞)を検出不能なレベルまで、50日間を越えて枯渇させることができる、
から成る群より選択される特徴を一つ以上、有する、請求項9に記載の抗体。
【請求項11】
少なくとも20%、そして好ましくは少なくとも30%、10μg/mlのCD20抗体濃度で37℃で3時間以内に、33 vol/vol %の血漿存在下でB-CLL細胞のCDC媒介性溶解を誘導することができる、請求項10に記載の抗体。
【請求項12】
それぞれ配列番号1及び配列番号3に記載された通りのヌクレオチド配列及びその保存的配列改変、をそれらの可変領域に含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされた、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項13】
それぞれ配列番号5及び配列番号7に記載された通りのヌクレオチド配列及びその保存的配列改変、をそれらの可変領域に含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされた、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項14】
それぞれ配列番号9及び配列番号11に記載された通りのヌクレオチド配列及びその保存的配列改変、をそれらの可変領域に含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされた、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項15】
それぞれ配列番号2及び配列番号4に記載された通りのアミノ酸配列及びその保存的配列改変を含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項16】
それぞれ配列番号2及び配列番号4に記載された通りのアミノ酸配列に少なくとも90%相同、好ましくは少なくとも95%相同、そしてより好ましくは少なくとも98%相同、又は少なくとも99%相同なヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項17】
それぞれ配列番号6及び配列番号8に記載された通りのアミノ酸配列及びその保存的配列改変を含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項18】
それぞれ配列番号6及び配列番号8に記載された通りのアミノ酸配列に少なくとも90%相同、好ましくは少なくとも95%相同、そしてより好ましくは少なくとも98%相同、又は少なくとも99%相同なヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項19】
それぞれ配列番号10及び配列番号12に記載された通りのアミノ酸配列及びその保存的配列改変を含むヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項20】
それぞれ配列番号10及び配列番号12に記載された通りのアミノ酸配列に少なくとも90%相同、好ましくは少なくとも95%相同、そしてより好ましくは少なくとも98%相同、又は少なくとも99%相同なヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖可変領域を有する、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項21】
(i)配列番号2、4、6、8、10、又は12;及び
(ii)上記(i)に記載されたとおりのアミノ酸配列のいずれか一つに少なくとも90%相同、好ましくは少なくとも95%相同、そしてより好ましくは少なくとも98%相同、又は少なくとも99%相同な配列、
から成る群より選択される少なくとも1つのヒト可変領域を含む、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項22】
請求項12乃至21のいずれか1つの抗体に規定されたヒトCD20上のエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項23】
(i)位置172のアミノ酸残基プロリンを含まない又は必要としない;
(ii)位置170のアミノ酸残基アラニン又は位置172のプロリンを含まない又は必要としない;
(iii)位置163のアミノ酸残基アスパラギン及び位置166のアスパラギンを含む又は必要とする;
(iv)位置172のアミノ酸残基プロリンを含まない又は必要としないが、位置163のアミノ酸残基アスパラギン及び位置166のアスパラギンを含む又は必要とする;
(v)位置170のアミノ酸残基アラニン又は位置172のプロリンを含まない又は必要としないが、位置163のアミノ酸残基アスパラギン及び位置166のアスパラギンを含む又は必要とする、
CD20上のエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項24】
CD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体であって、以下の特徴:
(i)変異型 P172S
CD20 (位置172のプロリンがセリンに変異した)に、少なくともヒトCD20に対するのと同じ親和性で結合する;
(ii)変異型AxP(位置170のアラニンがセリンに変異し、位置172のプロリンがセリンに変異した)に、少なくともヒトCD20に対するのと同じ親和性で結合する;
(iii)10μg/mlの抗体濃度のときに、変異型N166D(位置166のアスパラギンがアスパラギン酸に変異した)に対して、ヒトCD20に比較して50%以上少ない結合を示す;又は
(iv)10μg/mlの抗体濃度のときに、変異型N163D(位置163のアスパラギンがアスパラギン酸に変異した)に対して、ヒトCD20に比較して50%以上少ない結合を示す;
のうちの一つ以上を有する、抗体。
【請求項25】
ヒトCD20の小型第一細胞外ループ中のエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項26】
CD20上の不連続なエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項27】
CD20上の不連続なエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体であって、前記エピトープが、第一小型細胞外ループの部分と、第二細胞外ループの部分とを含む、単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項28】
CD20上の不連続なエピトープに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体であって、前記エピトープが、小型第一細胞外ループの残基AGIYAPと、第二細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIとを含む、単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項29】
請求項11乃至28のいずれか1つに記載された抗体の結合特徴を有する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項30】
(i)配列番号13、14、15、16、17、又は18;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、ヒトCD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項31】
配列番号15を含む、請求項30に記載の抗体。
【請求項32】
(i)配列番号13、14、15、16、17、又は18;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも4つのCDR配列を含む、請求項30に記載された単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項33】
配列番号13、14、15、16、17、及び18を含む、請求項30に記載の抗体。
【請求項34】
(i)配列番号19、20、21、22、23、又は24;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、ヒトCD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項35】
(i)配列番号19、20、21、22、23、又は24;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも4つのCDR配列を含む、請求項34に記載された単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項36】
配列番号19、20、21、22、23、及び24を含む、請求項34に記載された抗体。
【請求項37】
(i)配列番号25、26、27、28、29、又は30;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、ヒトCD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項38】
配列番号27を含む、請求項37に記載の抗体。
【請求項39】
(i)配列番号25、26、27、28、29、又は30;
(ii)(i)に記載された配列の保存的配列改変;及び
(iii)ヒトCD20への結合能を保持した、(i)又は(ii)に規定された配列のいずか1つのフラグメント
から成る群より選択される少なくとも4つのCDR配列を含む、請求項37に記載された抗体。
【請求項40】
配列番号25、26、27、28、29、及び30を含む、請求項39に記載の抗体。
【請求項41】
(i)配列番号13、19、又は25、あるいは、配列番号13、19又は25の配列の1つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(ii)配列番号14、20、又は26、あるいは、配列番号14、20、又は26の配列の1乃至4つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(iii)配列番号15、又は27、あるいは、配列番号15又は27の配列の1乃至4つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(iv)配列番号16、あるいは、配列番号16の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(v)配列番号17、あるいは、配列番号17の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;及び
(vi)配列番号18又は30、あるいは、配列番号18又は30の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
から成る群より選択される少なくとも1つのCDRを含む、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の抗体。
【請求項42】
(i)配列番号13、19、又は25、あるいは、配列番号13、19又は25の配列の1つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(ii)配列番号14、20、又は26、あるいは、配列番号14、20、又は26の配列の1乃至4つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(iii)配列番号15、又は27、あるいは、配列番号15又は27の配列の1乃至4つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(iv)配列番号16、あるいは、配列番号16の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
(v)配列番号17、あるいは、配列番号17の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;及び
(vi)配列番号18又は30、あるいは、配列番号18又は30の配列の1乃至2つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列;
から成る群より選択される少なくとも4つのCDRを含む、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
配列番号15、又は27、及び、配列番号15又は27の配列の1乃至4つのアミノ酸置換、欠失又は追加を有する配列
から成る群より選択される1つのCDRを含む、請求項41に記載の抗体。
【請求項44】
インタクト IgG1抗体、インタクト IgG2抗体、インタクト IgG3抗体、インタクト IgG4抗体、インタクト IgM抗体、インタクト IgA1抗体、インタクト IgA2抗体、インタクト 分泌性 IgA抗体、インタクト IgD抗体、及びインタクト IgE抗体から成る群より選択されるインタクト抗体である、上記請求項のいずれか1つに記載された抗体であって、真核細胞では糖付加されている、抗体。
【請求項45】
抗体フラグメント又は一本鎖抗体である、上記請求項のいずれか1つに記載の抗体。
【請求項46】
(i)免疫グロブリン・ヒンジ領域ポリペプチドに融合された、請求項24に定義された通りの重鎖可変領域又は軽鎖可変領域の形の、結合ドメインポリペプチド、(ii)前記ヒンジ領域に融合された免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、及び(iii)CH2定常領域に融合された免疫グロブリン重鎖CH3定常領域を含む、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である、上記請求項のいずれか一つに記載された抗体。
【請求項47】
V-(D)-J遺伝子セグメント再編成の結果、機能的ヒト重鎖導入遺伝子及び機能的ヒト軽鎖導入遺伝子が形成された、非ヒトトランスジェニック動物から得られたB細胞を、不死化細胞に融合させて含有するハイブリドーマにより産生される、上記請求項のいずれか1つに記載された抗体。
【請求項48】
V-(D)-J遺伝子セグメント再編成の結果、機能的ヒト重鎖導入遺伝子及び機能的ヒト軽鎖導入遺伝子が形成された、非ヒトトランスジェニック動物から得られたB細胞を、不死化細胞に融合させて含むハイブリドーマであって、上記請求項のいずれか1つに記載されたモノクローナル抗体を検出可能な量、産生する、ハイブリドーマ。
【請求項49】
それぞれ配列番号1、5、又は9及び配列番号3、7、又は11に記載された通りのヌクレオチド配列、及び、その保存的配列改変、をそれらの可変領域に含むヒトIgG重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされたヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
【請求項50】
それぞれ配列番号2、6、又は10及び配列番号4、8、又は12に記載された通りのアミノ酸配列、及び、その保存的配列改変、を含むIgG重鎖及びカッパ軽鎖可変領域を有するヒトモノクローナルを産生するハイブリドーマ。
【請求項51】
ヒト重鎖及びヒト軽鎖をコードする核酸を含むトランスフェクトーマにより産生される、請求項1乃至45のいずれか1つに記載された抗体。
【請求項52】
ヒト重鎖及びヒト軽鎖をコードする核酸を含むトランスフェクトーマであって、請求項1乃至45のいずれか1つに記載された抗体を検出可能な量、産生する、トランスフェクトーマ。
【請求項53】
それぞれ配列番号1、5、又は9及び配列番号3、7、又は11に記載された通りのヌクレオチド配列、及び、その保存的配列改変、をそれらの可変領域に含むヒトIgG重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされたヒトモノクローナル抗体を産生するトランスフェクトーマ。
【請求項54】
それぞれ配列番号2、6、又は10及び配列番号4、8、又は12に記載された通りのアミノ酸配列、及び、その保存的配列改変、を含むIgG重鎖及びカッパ軽鎖可変領域を有するヒトモノクローナルを産生するトランスフェクトーマ。
【請求項55】
それぞれ配列番号2、6、又は10及び配列番号4、8、又は12に記載された通りのアミノ酸配列、及び、その保存的配列改変、を含む重鎖及び軽鎖可変領域を有するヒトモノクローナルを産生する真核性又は原核性ホスト細胞。
【請求項56】
それぞれ配列番号2、6、又は10及び配列番号4、8、又は12に記載された通りのアミノ酸配列、及び、その保存的配列改変、を含む重鎖及び軽鎖可変領域を有するヒトモノクローナルを産生する非ヒトトランスジェニック動物又は植物。
【請求項57】
非ヒトトランスジェニック動物のB細胞に抗体を産生させるように、ヒト重鎖導入遺伝子及びヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する前記動物を、ヒトCD20又はヒトCD20発現細胞で免疫処理するステップと、
前記B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に対して特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を形成するステップと、
前記ハイブリドーマ、又はこのようなハイブリドーマを由来とするトランスフェクトーマからの培養上清から、CD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離するステップと、
を含む、ヒトCD20に結合するヒトモノクローナル抗体を作製する方法。
【請求項58】
前記免疫処理が、ヒトCD20をトランスフェクトしてある細胞で行われる、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
非ヒトトランスジェニック動物のB細胞に抗体を産生させるように、ヒト重鎖導入遺伝子及びヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する前記動物を、ヒトCD20をトランスフェクトしてある細胞で免疫処理するステップと、
前記動物のB細胞を単離するステップと、
前記B細胞を骨髄腫細胞に融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成するステップと、
前記ハイブリドーマ、又はこのようなハイブリドーマを由来とするトランスフェクトーマからの培養上清から、CD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離するステップと、
により得られる、ヒトCD20に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項60】
ヒトVH3-13/DP-44 生殖細胞系配列(配列番号54)を由来とする重鎖可変領域アミノ酸配列と、ヒトL6/JK4-CK (配列番号55)生殖細胞系配列を由来とする軽鎖可変領域アミノ酸配列と、を含む、単離されたヒト抗体であって、ヒトCD20に結合する、単離されたヒト抗体。
【請求項61】
ヒトVH3-09/JH6b 生殖細胞系配列(配列番号56)を由来とする重鎖可変領域アミノ酸配列と、ヒトVL-L6/JK5 (配列番号57)生殖細胞系配列を由来とする軽鎖可変領域アミノ酸配列と、を含む、単離されたヒト抗体であって、ヒトCD20に結合する、単離されたヒト抗体。
【請求項62】
請求項1乃至45のいずれか1つに記載のヒト抗体と、薬学的に許容可能な担体とを含む組成物。
【請求項63】
補完的な機能活性を有する、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の2つ以上のヒト抗体の組合せを含む組成物。
【請求項64】
請求項15に記載の第一の抗体と、請求項19に記載の第二の抗体とを含む、請求項61に記載の組成物。
【請求項65】
治療薬をさらに含む請求項62乃至64のいずれかに記載の組成物。
【請求項66】
放射性同位体を付着させるためのキレート・リンカをさらに含む、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体。
【請求項67】
細胞傷害性作用薬、放射性同位体、又は薬物に連結させた、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体を含む免疫複合体。
【請求項68】
請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体と、ヒトエフェクタ細胞への結合特異性部分とを含む二重特異的分子。
【請求項69】
請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体と、ヒトFc受容体への結合特異性部分、又は、CD3などのT細胞受容体への結合特異性部分と、を含む二重特異的分子。
【請求項70】
細胞の成長が阻害されるように、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体の有効量に前記細胞を接触させるステップを含む、CD20発現細胞の成長を阻害する方法。
【請求項71】
CD20発現細胞の致死が起きるように、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体に前記細胞を接触させるステップを含む、CD20発現細胞を致死させる方法。
【請求項72】
前記細胞がBリンパ球又は腫瘍細胞である、請求項70又は71のいずれか1つに記載の方法。
【請求項73】
請求項1乃至45又は60乃至69のいずれか1つに記載のヒト抗体、組成物、免疫複合体、又は二重特異的分子、請求項94乃至97のいずれか1つに記載の発現ベクタ、を、CD20発現細胞が関与する疾患又は異常を治療又は予防するために有効量、対象に投与するステップを含む、前記疾患を治療又は予防する方法。
【請求項74】
前記疾患がB細胞リンパ腫である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記疾患がB細胞非ホジキンリンパ腫である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記疾患が、前駆B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫及び成熟B細胞新生物、例えばB細胞慢性リンパ球性白血病 (CLL)/小リンパ球性リンパ腫 (SLL)、B細胞プロリンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫 (MCL)、 濾胞性リンパ腫 (FL)、皮膚濾胞中心リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫 (MALT型、結節性及び脾性)、ヘアリーセル白血病、 びまん性大B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞骨髄腫、移植後リンパ増殖異常、ワルデンストレーム大グロブリン血症、及び異形成性大細胞リンパ腫 (ALCL)、から成る群より選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記疾患が濾胞性リンパ腫 (FL)である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記疾患が、B細胞慢性リンパ球性白血病 (CLL)/小リンパ球性リンパ腫 (SLL)である、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記疾患が、リンパ腫様肉芽腫症、原発性浸出リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、縦隔大B細胞リンパ腫、重鎖疾患(γ、μ及びα疾患を含む)、免疫抑制剤による治療で誘導されるリンパ腫、例えばシクロスポリン誘導性リンパ腫、及びメトトレキセート誘導性リンパ腫、である、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
請求項1乃至45又は60乃至67のいずれか1つに記載の抗体、組成物、免疫複合体、又は二重特異的分子、請求項94乃至97のいずれか1つに記載の発現ベクタ、を、CD20発現免疫細胞が関与する免疫疾患を治療又は予防するために有効量、対象に投与するステップを含む、前記免疫疾患を治療又は予防する方法。
【請求項81】
治療法が、自己抗原に対する抗体を産生するB細胞の致死を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記疾患又は異常が、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症及び硬化症、炎症性腸疾患 (IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、呼吸窮迫症候群、髄膜炎、脳炎、ブドウ膜炎、腎炎、湿疹、喘息、アテローム性硬化症、白血球接着不全、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症性糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体腎炎、IgAニューロパチー、IgM多発性神経炎、免疫媒介血小板減少症、例えば急性特発性血小板減少性紫斑病及び慢性特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブズ病、橋本甲状腺炎、ウェグナー肉芽腫症、オーメン症候群、慢性腎不全、急性感染性単核細胞症、HIV、及び疱疹ウィルス関連疾患、から成る群より選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項83】
前記自己免疫疾患がリウマチ性関節炎(RA)である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記疾患が、潰瘍性大腸炎、クローン病、若年発症性糖尿病、多発性硬化症、免疫媒介性血小板減少症、例えば急性特発性血小板減少紫斑病及び慢性特発性血小板減少紫斑病、溶血性貧血、筋無力症、全身性硬化症、及び尋常性天疱瘡から選択される炎症性、免疫及び/又は自己免疫異常である、請求項73に記載の方法。
【請求項85】
前記疾患が、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性結腸炎、クローン病、及び多発性硬化症から選択される炎症性、免疫及び/又は自己免疫異常である、請求項73に記載の方法。
【請求項86】
別の治療薬を対象に別々に投与するステップをさらに含む、請求項70乃至85のいずれか1つに記載の方法。
【請求項87】
前記治療薬が細胞傷害性作用薬又は放射毒性作用薬である、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記治療薬が免疫抑制剤である、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記治療薬が、例えばサイトカイン又はケモカインなど、免疫調節性作用薬である、請求項86に記載の方法。
【請求項90】
前記治療薬が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、クロラムブシル、及びシクロホスファミドから成る群より選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
前記治療薬が、抗CD25抗体、抗CD19抗体、抗CD21抗体、抗CD22抗体、抗CD37抗体、抗CD38抗体、抗IL6R抗体、抗IL8抗体、抗IL15抗体、抗IL15R抗体、抗CD4抗体、抗CD11a抗体、抗アルファ-4/ベータ-1 インテグリン (VLA4) 抗体、 CTLA4-Ig及び抗C3b(i)抗体から成る群より選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項92】
試料中のCD20抗原又はCD20発現細胞の存在を検出するためのin vitro法であって、
前記試料を、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体に、前記抗体とCD20との間の複合体形成が可能な条件下で接触させるステップと、
複合体の形成を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項93】
試料中のCD20抗原又はCD20発現細胞の存在を検出するための、請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体を含む、キット。
【請求項94】
対象においてCD20抗原又はCD20発現細胞の存在を検出するためのin vivo法であって、
請求項1乃至45のいずれか1つに記載の抗体を、前記抗体とCD20との間の複合体形成が可能な条件下で投与するステップと、
形成された複合体を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項95】
ヒトCD20に結合するヒト抗体の軽鎖、重鎖、又は軽鎖及び重鎖の両方の可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクタ。
【請求項96】
ヒトCD20に結合するヒト抗体の軽鎖、重鎖、又は軽鎖及び重鎖の両方の定常をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項95に記載の発現ベクタ。
【請求項97】
配列番号1、5、及び9に記載された通りのヌクレオチド配列から成る群より選択されるヌクレオチドを含む重鎖可変領域と、配列番号3、7、及び11に記載された通りのヌクレオチド配列から成る群より選択されるヌクレオチド配列を含む軽鎖可変領域とをコードするヌクレオチド配列、及び、それらの保存的改変を含む発現ベクタ。
【請求項98】
配列番号2、6、及び10に記載された通りのアミノ酸配列から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4、8、及び12に記載された通りのアミノ酸配列から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とをコードするヌクレオチド配列、及び、それらの保存的配列改変を含む発現ベクタ。
【請求項99】
請求項95乃至98のいずれか1つに記載の発現ベクタと、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項100】
請求項1乃至45のいずれか1つの抗体に結合する抗イディオタイプ抗体。
【請求項101】
2F2、11B8 又は7D8に結合する抗イディオタイプ抗体。
【請求項102】
試料中において、CD20に対するヒトモノクローナル抗体のレベルを検出するための、請求項100又は101に記載の抗イディオタイプ抗体の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図33D】
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【図33E】
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【図33F】
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【図33G】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48A】
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【図48B】
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【図48C】
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【図48D】
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【図48E】
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【図49A】
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【図49B】
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【図49C】
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【図49D】
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【図49E】
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【図49F】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公開番号】特開2012−5485(P2012−5485A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148994(P2011−148994)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【分割の表示】特願2009−193670(P2009−193670)の分割
【原出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ペンティアム
【出願人】(507316398)ゲンマブ エー/エス (18)
【Fターム(参考)】