説明

CGRP受容体アンタゴニストとしての分岐状3−及び6−置換キノリン

本発明は、CGRP受容体のアンタゴニストであり、CGRPが関与する疾患(例えば、偏頭痛)の治療または予防において有用である新規な分岐状3−及び6−置換キノリン誘導体に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のCGRPが関与する前記疾患の予防または治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセシングにより生じる天然に存在する37アミノ酸ペプチドであり、中枢及び末梢神経系中に広く分布している。CGRPは主に感覚性求心性中枢ニューロンに局在しており、血管拡張を含めた幾つかの生物学的作用を媒介する。CGRPは、ラット及びヒトにおいてそれぞれ1個及び3個のアミノ酸だけ異なるα−及びβ−形態で発現する。CGRP−α及びCGRP−βは類似の生物学的特性を示す。細胞から遊離すると、CGRPは主にアデニリルシクラーゼの活性化にカップリングされる特定の細胞表面受容体に結合することによりその生物学的応答を開始する。CGRP受容体は同定されており、脳、心血管、内皮及び平滑筋起源のものを含めた幾つかの組織及び細胞において薬理学的に評価されている。
【0002】
薬理学的特性に基づいて、上記受容体はCGRP及びCGRPと称される少なくとも2つのサブタイプに分けられる。7個のN末端アミノ酸残基を欠くCGRPの断片であるヒトα−CGRP−(8−37)はCGRPの選択的アンタゴニストであり、ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)であるCGRPの線状アナログはCGRPの選択的アゴニストである。CGRPは、偏頭痛や群発頭痛のような脳血管障害の病理に関与する強力な神経調節物質である。臨床研究で、偏頭痛の発作中は頸静脈中のCGRPレベルが高いことが判明しており(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)、CGRPの唾液レベルは偏頭痛被験者において発作の間上昇しており(Bellamyら,Headache,2006,46,24−33)、CGRPそれ自体は偏頭痛様頭痛をトリガーすることが判明している(Lassenら,Cephalalgia,2002,22,54−61)。臨床トライアルで、CGRPアンタゴニストのBIBN4096BSは偏頭痛の急性発作を治療するのに有効であることが判明しており(Olesenら,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110)、対照群においてCGRP注入により誘導される頭痛を予防することができた(Petersenら,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213)。
【0003】
三叉神経血管系におけるCGRP媒介活性化は偏頭痛病因において重要な役割を果たし得る。加えて、CGRPは頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して、血管拡張を高める。これが偏頭痛発作中の頭痛疼痛の原因となると考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。硬膜中の主要動脈である中硬膜動脈は、CGRPを含めた幾つかのニューロペプチドを含む三叉神経節から感覚線維により神経支配されている。ネコにおいて三叉神経節を刺激するとCGRPレベルが上昇し、ヒトにおいて三叉神経系を活性化すると顔面が紅潮し、外頸静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて硬膜を電気刺激すると中硬膜動脈の直径が大きくなる。この作用はペプチドCGRPアンタゴニストであるCGRP(8−37)を前投与するとブロックされた(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて三叉神経節を刺激すると顔面血流が増加し、これはCGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.,1995,669,93−99)。マーモセットにおいて三叉神経節を電気刺激すると顔面血流が増加するが、これは非ペプチドCGRPアンタゴニストBIBN4096BSによりブロックされ得た(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。よって、CGRPの血管作用はCGRPアンタゴニストにより減衰、防止または逆転され得る。
【0004】
ラット中硬膜動脈のCGRP媒介血管拡張が尾部の三叉神経核のニューロンを感作することが判明した(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。また、偏頭痛中の硬膜血管の膨張は三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛や顔面異疼痛を含めた偏頭痛の関連症状の幾つかは感作された三叉神経ニューロンの結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.,2000,47,614−624)。CGRPアンタゴニストはニューロン感作の影響を減衰、防止または逆転させるのに有効であり得る。
【0005】
本発明の化合物がCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、該化合物はヒト及び動物、特にヒトにおけるCGRPが関与する障害に対する有用な薬物となる。前記障害には偏頭痛及び群発頭痛(Doods,Curr.Opin.Inves.Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症及び炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.,1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管障害;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265)、関節炎、気管支過敏症、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血性(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1799);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358)、モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性及び女性の顔面潮紅(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳外傷、虚血、卒中、てんかん及び神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease,1999,6,15−34);皮膚疾患(Geppetti and Holzer編,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性皮膚発赤、酒さ及び紅斑;耳鳴り(Herzog,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4),414−422)及び膀胱炎が含まれる。偏頭痛及び群発頭痛を含めた頭痛の急性的または予防的治療が特に重要である。
【0006】
本発明は、CGRP受容体に対するリガンド、特にCGRP受容体に対するアンタゴニストとして有用な新規な分岐状3−及び6−置換キノリン誘導体、前記化合物の治療における使用、前記化合物を含む医薬組成物、及びこれらを用いる治療方法に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187
【非特許文献2】Bellamyら,Headache,2006,46,24−33
【非特許文献3】Lassenら,Cephalalgia,2002,22,54−61
【非特許文献4】Olesenら,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110
【非特許文献5】Petersenら,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213
【非特許文献6】Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9
【非特許文献7】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196
【非特許文献8】Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531
【非特許文献9】Escottら,Brain Res.,1995,669,93−99
【非特許文献10】Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423
【非特許文献11】Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247
【非特許文献12】Bursteinら,Ann.Neurol.,2000,47,614−624
【非特許文献13】Doods,Curr.Opin.Inves.Drugs,2001,2(9),1261−1268
【非特許文献14】Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327
【非特許文献15】Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340
【非特許文献16】Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282
【非特許文献17】Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175
【非特許文献18】Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768
【非特許文献19】Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.,1992,146,537−538
【非特許文献20】Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献21】Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196
【非特許文献22】Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36
【非特許文献23】Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265
【非特許文献24】Zhangら,Pain,2001,89,265
【非特許文献25】Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404
【非特許文献26】Schiniら,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490
【非特許文献27】Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791
【非特許文献28】Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1799
【非特許文献29】Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献30】Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351
【非特許文献31】Chenら,Lancet,1993,342,49
【非特許文献32】Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723
【非特許文献33】Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143
【非特許文献34】Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease,1999,6,15−34
【非特許文献35】Geppetti and Holzer編,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL
【非特許文献36】Herzog,J.Membrane Biology,2002,189(3),225
【非特許文献37】Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4),414−422
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、CGRP受容体のアンタゴニストであり、CGRP受容体が関与する疾患(例えば、偏頭痛)の治療または予防において有用である新規な分岐状3−及び6−置換キノリン誘導体に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のCGRPが関与する前記疾患の予防または治療における使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、式I:
【0010】
【化1】

[式中、
及びEは独立して
(1)=N−、
(2)=N(O)−、及び
(3)=C(R)−
から選択され、E及びEの少なくとも1つは窒素原子を含有するように選択されなければならず;
各Qは独立して
(1)=N−、
(2)=N(O)−、及び
(3)=C(R)−
から選択され;

【0011】
【化2】

(式中、k=0のとき、これは窒素とGまたはG間の結合を表す)
から選択され;
及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(b)−OR
(c)−CO
(d)ハロ、及び
(e)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)ハロ、及び
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジニル
から選択され;
各Rは独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(3)ハロ、
(4)−OR、及び
(5)−CN
から選択され;

(1)非置換であるかまたは独立してR、R、R、R及びRから選択される1〜5個の置換基で置換されているオキサタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル及びテトラヒドロチエニル、及び
(2)−COで置換されており、場合により独立して
(a)フェニル、
(b)OR
(c)ハロ、
(d)−CN、及び
(e)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているC1−6アルキル
から選択される1〜3個の基で置換されているピロリジニル
から選択され;

(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)−C1−4アルキル、(ii)−O−C1−6アルキル、(iii)ハロ、(iv)トリフルオロメチル、及び(v)−OCFから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜6個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシル、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(e)フェニル
から選択される1〜6個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)オキソ、
(f)−CN、
(g)ヒドロキシ、及び
(h)フェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピロリジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロフリル、キノキサリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、及び
(5)Gから選択される基
から選択され;

(1)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)−CO
(f)オキソ、及び
(g)フェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されているテトラヒドロピラニル、
(2)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に各々独立して
(a)−SR
(b)−S(O)
(c)−NR
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−OBn、
(e)−OC(=O)R
(f)−CO
(g)−C(=O)NR
(h)−C(=O)R
(i)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−OR
(j)−N(R)−C(=O)NR、及び
(k)−N(R)−CO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−6アルキル、
(3)各々独立して
(a)−C(=O)R
(b)−OC(=O)R
(c)−C(=O)NR、及び
(d)−S(O)
から選択される1〜4個の置換基で置換されているピペリジニルまたはピロリジニル
から選択され;

(1)非置換であるかまたは独立してR、R、R、R及びRから選択される1〜5個の置換基で置換されているC3−10シクロアルキル、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、アゼパニル、アゼピニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、2−オキソアゼピニル、4−オキソナフチリジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピリジル、2−オキソキノリニル、フタラジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、トリアゾリル及びトリアゾリニル、及び
(2)Gから選択される基
から選択され;

(1)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル−フェニル、
(2)場合により1〜5個のハロで置換で置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル−ヘテロ環(ここで、ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル及びインダゾリルから選択される)、及び
(3)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル
から選択され;

(1)水素、
(2)非置換であるかまたは独立して
(a)ハロ、
(b)OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル、
から選択される1〜5個の基で置換されている−C1−6アルキル、及び
(3)非置換であるかまたは独立して
(a)ハロ、
(b)OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル
から選択される1〜5個の基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
から選択され;
、R、R、R及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはベンゾジオキソリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル及びオキサゾリルから選択されるヘテロ環、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、及び
(p)−C(=O)R
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)−OR、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)−OR、(ii)ハロ、(iii)−CN、及び(iv)非置換であるか1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(1)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R、及び
(p)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダニル、インドリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、テトラゾリル及びチアゾリルから選択されるヘテロ環、
(5)ハロ、
(6)オキソ、
(7)−OR
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−C(=O)R
(11)−NR
(12)−S(O)
(13)−C(=O)NR
(14)−O−(C=O)R
(15)−O−CO
(16)−N(R)CO
(17)−O−(C=O)−NR
(18)−NR−(C=O)−NR
(19)−SONR、及び
(20)−N(R)SO
から選択され;
とR及びこれらが結合している原子が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−C3−6シクロアルキル、(iv)−CO、(v)−NR、(vi)−S(O)、(vii)−C(=O)NR、及び(viii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されており、場合により環に縮合されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル及びオキサゾリルから選択されるヘテロ環、
(c)−OR
(d)ハロ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−(C=O)R
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR
(p)−C(=O)R、及び
(q)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されているアゼチジニル、アジリジニル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロペンチル、シクロプロピル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、ジオキサニル、ジオキソアラニル、インダニル、インデニル、インドリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル及びチエタニル(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択される環を形成し得;
PG
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(3)−CHOR
(4)−CH−O−CHCHSi(CH
(5)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されているC1−6アルキル
から選択される1〜3個の置換基で置換されている−(CH−フェニル
から選択され;
Jは
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、及び
(4)−N(R)−
から選択され;
Yは
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、
(4)=N−、及び
(5)−N(R16b)−
から選択され;
17及びR18は各々独立して
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−OR
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)−OR、(ii)ハロ、(iii)−CN、(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜4個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(5)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR
(d)ニトロ、
(e)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択され;
17とR18及びこれらが結合している原子と連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロ置換されているフェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されており、場合によりN、O及びS(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択されるヘテロ原子を含有している4、5または6員環を形成し得;
16a及びR16bは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−CN、及び(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−4アルキル、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(4)ハロ、
(5)−OR
(6)−CN、
(7)−CO
(8)−NR、及び
(9)−C(=O)NR
から選択され;
16aとR16b及びこれらが結合している原子が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)非置換であるかまたは各々独立して(I)−OR、(II)ハロ、(III)−CN、及び(IV)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(v)−CO
(vi)−NR
(vii)−S(O)
(vii)−C(=O)NR
(ix)−N(R)CO、及び
(x)−N(R)SO
から選択される1〜3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)非置換であるかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、及び
(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(c)ハロ、
(d)−S(O)
(e)−OR
(f)−CN、
(g)−C(=O)R
(h)−NR
(i)−C(=O)NR
(j)−CO
(k)−(NR)CO
(1)−O−(C=O)−NR
(m)−(NR)−(C=O)−NR
(n)オキソ、及び
(o)−(NR)SO
から選択される1〜5個の置換基で置換されているシクロペンテニル、シロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル及びジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し得;
各Rは独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(c)ヒドロキシル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C(=O)−O−C1−6アルキル、
(e)−CN、及び
(f)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、(iii)−CN、(iv)ニトロ、(v)ヒドロキシル、及び(vi)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)ニトロ、
(e)ヒドロキシル、及び
(f)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、インドリル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、及び
(4)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)−CO
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iv)ニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(e)−CN、及び
(f)−CO
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、
(4)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
とR及びこれらが結合している窒素が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(d)フェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されており、場合によりN、O及びS(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択される追加のヘテロ原子を含有している4、5または6員環を形成し得;
各Rは独立して
(1)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CO
(d)−CN、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−CN、(iv)ニトロ、及び(v)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(e)ニトロ、
(f)−CN、及び
(g)−CO
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、
(3)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
mは1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
vは0、1または2である
kは0、1または2である]
を有する化合物の属及びその医薬的に許容され得る塩を包含する。
【0012】
上記属の中に、本発明は、式I(式中、mは1であり、nは1である)を有する化合物
の第1亜属を包含する。
【0013】
上記属の中に、本発明は、式Ia:
【0014】
【化3】

を有する化合物の第2亜属及びその医薬的に許容され得る塩をも包含する。
【0015】
上記属の中に、本発明は、式Ib:
【0016】
【化4】

を有する化合物の第3亜属及びその医薬的に許容され得る塩をも包含する。
【0017】
上記属の中に、本発明は、式Ic:
【0018】
【化5】

を有する化合物の第4亜属及びその医薬的に許容され得る塩をも包含する。
【0019】
上記属の中に、本発明は、式Id:
【0020】
【化6】

を有する化合物の第5亜属及びその医薬的に許容され得る塩をも包含する。
【0021】
第5亜属の中に、木発明は、式Id(式中、A
【0022】
【化7】

である)を有する化合物の第1クラスを包含する。
【0023】
第5亜属の中に、本発明は、式Id(式中、A
【0024】
【化8】

である〉を有する化合物の第2クラスをも包含する。
【0025】
第5亜属の中に、本発明は、式Id(式中、A
【0026】
【化9】

である)を有する化合物の第3クラスをも包含する。
【0027】
上記属の中に、本発明は、式Ie:
【0028】
【化10】

を有する化合物の第6亜属及びその医薬的に許容され得る塩も包含する。
【0029】
第6亜属の中に、本発明は、式Ie(式中、A
【0030】
【化11】

である)を有する化合物の第4クラスを包含する。
【0031】
第6亜属の中に、本発明は、式Ie(式中、A
【0032】
【化12】

である)を有する化合物の第5クラスをも包含する。
【0033】
第6亜属の中に、本発明は、式Ie(式中、A
【0034】
【化13】

である)を有する化合物の第6クラスをも包含する。
【0035】
本発明は、以下の実施例及びその医薬的に許容され得る塩をも包含する。
【0036】
本発明は、不活性担体及び式Iを有する化合物を含む医薬組成物をも包含する。
【0037】
本発明は、有効量の式Iを有する化合物を投与すること含む哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法をも包含する。
【0038】
本発明は、頭痛、偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、改善またはリスク軽減を要する哺乳動物患者に対して治療有効量の式Iを有する化合物を投与することを含む前記患者における頭痛、偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、改善またはリスク軽減方法をも包含する。
【0039】
本発明は、偏頭痛、群発頭痛及び頭痛の治療また予防を要するヒトに対して治療有効量の式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩、及び治療有効量のセロトニンアゴニスト、鎮痛剤、抗炎症剤、降圧剤及び抗痙攣剤から選択される第2物質を共投与することを含む前記患者における偏頭痛、群発頭痛及び頭痛の治療または予防方法をも包含する。
【0040】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含み得、よってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在することがある。各不斉中心により独立して2つの光学異性体が生じ、混合物の形態及び純粋もしくは部分的に精製された化合物としての考えられる光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれると意図される。具体的立体化学が特定されていない本明細書中に記載されている化合物の式、構造及び名前は、上記した存在する異性体のすべて及び任意の比率でのその混合物を包含することを意味する。立体化学が特定されている場合、本発明は純粋な形態、または他の異性体との任意の比率での混合物の一部としての特定異性体を包含することを意味する。
【0041】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかはオレフィン性二重結合を含み、他の方法で特定されていない限りE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0042】
本発明は、1個以上の水素原子が重水素で置換されている式Iを有する化合物を包含する。
【0043】
式Iで定義されている化合物の互変異性体も本発明の範囲に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(=O)−基(ケト体)を含めた化合物はヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール体)を形成すべく互変異性を受け得る。ケト体及びエノール体のいずれもが本発明の範囲に含まれる。
【0044】
ジアステレオマーの独立合成またはそのクロマトグラフ分離は当業界で公知のように本明細書中に開示されている方法を適当に修飾することにより達成され得る。絶対立体化学は、所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により調べられ得る。
【0045】
所望により、化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離され得る。この分離は当業界で公知の方法により実施され得、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後、標準的方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離し得る。カップリング反応は多くの場合エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。その後、ジアステレオマー誘導体は付加されたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。また、化合物のラセミ混合物は当業界で公知の方法であるキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法によっても直接分離され得る。
【0046】
或いは、化合物のエナンチオマーは、当業界で公知の方法により公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質または試薬を用いる立体選択的合成により得られ得る。
【0047】
当業者には自明のように、本明細書中で使用されているハロまたはハロゲンはクロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含むと意図される。
【0048】
本明細書中で使用されている「アルキル」は、炭素−炭素二重結合も三重結合も持たない線状、分岐状及び環状構造を意味すると意図される。よって、C1−6アルキルは、該基が線状または分岐状配置で1、2、3、4、5または6個の炭素を有するとして同定するように定義されており、C1−6アルキルの具体例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。「シクロアルキル」は、その一部及び全部が3個以上の原子を有する環を形成しているアルキルである。「シクロアルキル」にはアダマンタニルのような架橋構造を含めた単環、二環または三環構造が含まれる。CまたはCアルキルは直接共有結合の存在を同定すると定義される。
【0049】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を持つ指定の炭素原子数を有する線状または分岐状構造及びその組合せを意味し、水素が追加の炭素−炭素二重結合で置換されていてもよい。C2−6アルケニルの例にはエテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニル等が含まれる。
【0050】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を持つ指定の炭素原子数を有する線状または分岐状構造及びその組合せを意味する。よって、C2−6アルキニルは、該基が線状または分岐状範囲で2、3、4、5または6個の炭素原子を有するとして同定するように定義されており、C2−6アルキニルの具体例には2−ヘキシニル及び2−ペンチニルが含まれる。
【0051】
本明細書中で使用されている「アリール」は、各環が最高7個の員を有し、少なくとも1つの環が芳香族である安定な単環式または二環式炭素環を意味すると意図される。アリール基の例にはフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが含まれる。
【0052】
注釈されている場合を除いて、本明細書中で使用されている用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」は、飽和または不飽和であり、炭素原子及び1〜6個のN、O、S、P及びSiからなる群から選択されるヘテロ原子から構成されている安定な4〜8員単環式または安定な8〜12員二環式ヘテロ環式環系を表し、前記した窒素、硫黄及びリンヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、前記した窒素ヘテロ原子は場合により4級化されていてもよい。この用語には上記したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合している二環式基も含まれる。ヘテロ環式環がヘテロ原子または炭素原子で結合して安定な構造を生じさせてもよい。ヘテロ環式基の例にはアゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリン、並びにそのN−オキシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
注釈されている場合を除いて、本明細書中で使用されている用語「ヘテロアリール」は、芳香族核を含む安定な5〜7員単環式または安定な9〜10員縮合二環式ヘテロ環式系を表し、前記環は飽和(例えば、ピペリジニル)、部分飽和または不飽和(例えば、ピリジニル)であってもよく、炭素原子及びN、O、S、P及びSiからなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子から構成され得、前記した窒素、硫黄及びリンヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、前記窒素ヘテロ原子は場合により4級化されていてもよい。この用語には上記したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合している二環式基も含まれる。ヘテロ環式環がヘテロ原子または炭素原子で結合して安定な構造を生じさせてもよい。ヘテロアリール基の例にはベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾ―ル、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール、並びにそのN−オキシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
−Cアルコキシのような用語「アルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐状及び環状配置のアルコキシ基を含むように指すと意図される。その例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれる.
複数回現れる一般的記載中に見られる変数は個々の基から独立して選択される.例えばA及びAは共にその定義中に−S(O)−を含み、vは0、1または2として定義されている。よって、Aは−S(O)−であり得、Aは−S(O)−であり得る。変数vは両方の場合で同一である必要はない。
【0055】
フレーズ「医薬的に許容され得る」は、しっかりした医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題または合併症を呈することなくヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比で釣り合う化合物、物質、組成物及び/または剤形を指すために本明細書中で使用されている。
【0056】
本明細書中で使用されている「医薬的に許容され得る塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を作成することにより修飾されている誘導体を指す。医薬的に許容され得る塩の例には塩基性残基(例えば、アミン)の無機または有機酸塩;酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリまたは有機塩;等が含まれるが、これらに限定されない。医薬的に許容され得る塩には、例えば非毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の慣用の非毒性の塩または第4級アンモニウム塩が含まれる。例えば、前記した慣用の非毒性塩には無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導される塩;及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等)から製造される塩が含まれる。
【0057】
本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機酸及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。本発明の1つの態様では、塩はクエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸の塩である。本明細書中で使用されている場合、式Iを有する化合物の言及は医薬的に許容され得る塩をも含むことを意味すると理解される。
【0058】
本発明の具体化は実施例及び本明細書中に開示されている化合物の使用である。本発明の範囲内の具体的化合物には下記実施例に開示されている化合物からなる群から選択される化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のジアステレオマーが含まれる。
【0059】
本発明の化合物は、有効量の当該化合物を投与することを含むCGRP受容体の拮抗を要する患者(例えば、哺乳動物)におけるCGRP受容体の拮抗方法において有用である。本発明は、本明細書中に開示されている化合物のCGRP受容体のアンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、各種の他の哺乳動物が本発明の方法に従って治療され得る。
【0060】
本発明の別の実施態様は、患者に対して治療有効量のCGRP受容体のアンタゴニストである化合物を投与することを含む前記患者におけるCGRP受容体が関与する疾患または障害の治療、コントロール、回復またはリスク軽減方法に関する。
【0061】
本発明は更に、本発明の化合物を医薬用担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒト及び動物におけるCGRP受容体活性の拮抗用薬剤の製造方法に関する。
【0062】
本発明の方法で治療される被験者は通常、CGRP受容体活性を拮抗したい哺乳動物、例えば男性または女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す本発明の化合物の量を意味する。本明細書中で使用されている用語「治療」は、挙げられている状態の特に前記疾患または障害の素因を有する患者における治療及び予防または予防的治療の両方を指す。
【0063】
本明細書中で使用される用語「組成物」は、特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連してこの用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物を包含する。「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0064】
本発明は、その範囲に本発明の化合物のプロドラッグを含む。通常、プロドラッグは、インビボで所要の化合物に容易に変換され得る本発明の化合物の官能誘導体である。よって、本発明の治療方法において、用語「化合物の投与」または「化合物を投与する」は、具体的に開示されている化合物、または具体的に開示されていないかもしれないが患者に投与した後インビボで具体的化合物に変換する化合物を用いた本明細書中に記載されている各種状態の治療を包含する。適当なプロドラッグ誘導体の選択及び製造についての一般的方法は、例えば“Design of Prodrugs”,H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載されている。これらの化合物の代謝物は、本発明の化合物を生体環境に導入すると生ずる活性物質を含む。
【0065】
本発明の化合物のCGRP受容体活性のアンタゴニストとしての有用性は当業界で公知の方法により立証され得る。125I−CGRPの受容体への結合の抑制及びCGRP受容体の機能性拮抗を以下のように調べた。
【0066】
天然受容体結合アッセイ
125I−CGRPのSK−N−MC細胞膜中の受容体に対する結合は本質的にEdvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.,415,39−44に記載されているように実施した。簡単に説明すると、膜(25μ)を、10pM 125I−CGRP及びアンタゴニストを含有する結合緩衝液[10mM HEPES,pH7.4、5mM MgCl及び0.2% ウシ血清アルブミン(BSA)](1ml)中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、予め0.5% ポリエチレンイミンで3時間ブロックしたGFBガラス繊維フィルタープレート(PerkinElmer)を介して濾過することによりアッセイを停止した。フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(10mM HEPES,pH7.4及び5mM MgCl)で3回洗浄した後、プレートを風乾した。シンチレーション流体(50μl)を添加し、放射能をTopcount(Packard Instrument)を用いてカウントした。データ分析はPrismを用いて実施し、Kはチェン−プルソフ式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.,22,3099−3108)を用いて測定した。
【0067】
組換え受容体
ヒトCL(Genbank寄託番号L76380)を5’NheI及び3’PmeI断片として発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローン化した。ヒトRAMP1(Genbank寄託番号AJ001014)を5’NheI及び3’NotI断片として発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローン化した。HEK 293細胞(ヒト胚腎臓細胞;ATCC #CRL−1573)を、10% ウシ胎児血清(FBS)、100単位/mL ペニシリン及び100ug/ml ストレプマイシンを補充した4.5g/L グルコース、1mM ピルビン酸ナトリウム及び2mM グルタミンを含むDMEMにおいて培養し、37℃及び湿度95%で維持した。HBSS中で0.1% EDTAを含む0.25% トリプシンで処理することにより細胞を継代培養した。75cm フラスコにおいて10ugのDNAに30ug リポフェクタミン2000(Invitrogen)をコトランスフェクトすることにより安定な細胞株を作成した。CL受容体及びRAMP1発現構築物を等量ずつコトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、細胞を希釈し、翌日選択培地(増殖培地+300ug/ml ハイグロマイシン及び1ug/ml プロマイシン)を添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる1回細胞沈着によりクローン細胞株を作成した。細胞増殖のために増殖培地を150ug/ml ハイグロマイシン及び0.5ug/ml プロマイシンに調節した。
【0068】
組換え受容体結合アッセイ
組換えヒトCL受容体/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTA及び完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する収集緩衝液中で収集した。細胞懸濁液を実験室ホモジナイザーを用いて破壊し、48,000×gで遠心して、膜を単離した。ペレットを収集緩衝液+250mM スクロース中に再懸濁させ、−70℃で保存した。結合アッセイのために、20ugの膜を10pM 125I−h−CGRP(GE Healthcare)及びアンタゴニストを含有する結合緩衝液(10mM HEPES,pH7.4、5mM MgCl及び0.2% BSA)(1ml)中、室温で3時間インキュベートした。予め0.05% ポリエチレンイミンでブロックした96ウェルのGFBガラス繊維フィルタープレート(PerkinElmer)を介して濾過することによりアッセイを停止した。フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(10mM HEPES,pH7.4及び5mM MgCl)で3回洗浄した。シンチレーション流体を添加し、プレートをTopcount(Packard)を用いてカウントした。非特異的結合を測定し、データ分析は以下の式に対して結合CPMデータをフィッティングさせる非線形最小二乗法を用いることにより求めた見かけ解離定数(K)を用いて実施した。
【0069】
【数1】

1+([薬物]/K(1+[放射標識]/K)nH
上記式中、Yは観察された結合CPMであり、Ymaxは総結合カウントであり、Yminは非特異的結合カウントであり、(Ymax−Ymin)は特異的結合カウントであり、%Imaxは最大抑制%であり、%Iminは最小抑制%であり、放射標識はプローブであり、KはHot飽和実験により求めた受容体に対する放射リガンドについての見かけ解離定数である。
【0070】
組換え受容体機能アッセイ
細胞を96ウェルのポリ−D−リシン被覆したプレート(Corning)において完全増殖培地中で85,000細胞/ウェルで平板培養し、アッセイ前〜19時間培養した。細胞をPBSで洗浄した後、L−グルタミン及び1g/L BSAを含むCellgro完全無血清/低タンパク質培地(Mediatech,Inc.)において37℃及び湿度95%で阻害剤と一緒に30分間インキュベートした。細胞にイソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で添加し、37℃で30分間インキュベートした。細胞にヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で添加し、37℃で5分間インキュベートした。α−CGRP刺激後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;GE Healthcare)に従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP測定のためにプロセシングした。用量応答曲線をプロットし、IC50値を式
y=((a−d)/(1+(x/c))+d
(ここで、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、b=勾配)
により規定される4パラメーターロジスティックフィットから求めた。
【0071】
特に、実施例1〜37を上記アッセイの1つ以上でCGRP受容体のアンタゴニストとしての活性について試験し、立証し、通常KまたはIC50値は約50μM未満であった。この結果は、CGRP受容体のアンタゴニストとしての使用における化合物の固有活性を示している。選択した化合物についての代表的データは実施例に含まれている。
【0072】
本発明の化合物のCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、本発明の化合物はヒト及び動物、特にヒトにおいてCGRPが関与する障害に対する有用な薬物となる。
【0073】
本発明の化合物は、1つ以上の以下の状態または疾患、すなわち頭痛;偏頭痛;群発頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症及び炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気道過敏症、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性及び女性の顔面潮紅;アレルギー性皮膚炎;乾せん;脳炎;脳外傷;てんかん;神経変性疾患;皮膚疾患;神経性皮膚発赤、酒さ及び紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;及びCGRP受容体の拮抗により治療または予防され得る他の状態;の治療、予防、回復、コントロールまたはリスク軽減において有用である。偏頭痛や群発頭痛を含めた頭痛の急性的または予防的治療が特に重要である。
【0074】
更に、本発明の化合物は本明細書中に挙げられている疾患、障害及び状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスク軽減方法において有用である。
【0075】
更に、本発明の化合物は他の薬物との併用で上記した疾患、障害及び状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスク軽減方法において有用である。
【0076】
本発明の化合物は、式Iを有する化合物または他の薬物が使用され得る疾患または状態の治療、予防、コントロール、回復またはリスク軽減において1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物の組合せはいずれかの薬物単独の場合に比してより安全であるかまたはより有効である。前記した他の薬物は通常使用されているルート及び量で式Iを有する化合物と同時または順次投与され得る。式Iを有する化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、他の薬物及び式Iを有する化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用治療には式Iを有する化合物及び1つ以上の他の薬物を異なる重複スケジーュールで投与する治療も含まれ得る。また、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用するとき、本発明の化合物及び他の活性成分は各成分を単独で使用する場合よりも低い用量で使用され得ると考えられる。従って、本発明の医薬組成物には式Iを有する化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。
【0077】
例えば、本発明の化合物は抗偏頭痛剤、例えばエルゴタミン及びジヒドロエルゴタミン、または他のセロトニンアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト(例:スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン及びリザトリプタン)、5−HT1Dアゴニスト(例:PNU−142633)及び5−HT1Fアゴニスト(例:LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例:ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパレコキシブ);非ステロイド系抗炎症剤またはサイトカイン抑制性抗炎症剤(例:イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジンまたはスルファサラジン等のような化合物);またはグルココルチコイドと一緒に使用され得る。また、本発明の化合物は鎮痛剤、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルヒネと一緒に投与され得る。
【0078】
更に、本発明の化合物はインターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体アンタゴニスト、例えばアプレピタント及びフォサプレピタン;NMDAアンタゴニスト;NR2Bアンタゴニスト;ブラジキニン−1受容体アンタゴニスト;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネルブロッカー、例えばラモトリギン;アヘン剤アゴニスト、例えば酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体アンタゴニスト、例えばインドラミン;アルファ受容体アゴニスト;バニロイド受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;エンドセリンアンタゴニスト;ノルエピネフリン前駆体;抗不安剤、例えばジアゼパム、アルプラゾラム、クロロジアゼポキシド及びクロラゼパート;セロトニン5HT受容体アンタゴニスト;オピオイドアゴニスト、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェン及びフェンタニル;mGluR5アゴニスト、アンタゴニストまたは増強剤;GABA A受容体モジュレーター、例えばアカムプロセートカルシウム;ニコチンを含めたニコチンアンタゴニストまたはアゴニスト;ムスカリン様アゴニストまたはアンタゴニスト;選択的セロトニン再取り込み阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ剤、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエンアンタゴニスト、例えばモンテルカストまたはザフィルルカスト;一酸化窒素抑制剤または一酸化窒素合成抑制剤と一緒に使用され得る。
【0079】
また、本発明の化合物はギャップ結合阻害剤;ニューロンカルシウムチャネルブロッカー、例えばシバミド;AMPA/KAアンタゴニスト、例えばLY293558;シグマ受容体アゴニスト;及びビタミンB2と一緒に使用され得る。
【0080】
また、本発明の化合物はエルゴタミン及びジヒドロエルゴタミン以外のエルゴットアルカロイド、例えばエルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチルセルジドと一緒に使用され得る。
【0081】
加えて、本発明の化合物はβ−アドレナリン作動性アンタゴニスト、例えばチモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロール等;MAC阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばフルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロルペラジン;神経遮断剤、例えばオランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジン及びクエチアピン;抗痙攣剤、例えばトピラメート、ゾニサミド、トナベルサト、カラベルサット、レベチラセタム、ラモトリギン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバルプロエクスナトリウム;降圧剤、例えばアンギオテンシンIIアンタゴニスト(例:ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例:リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル及びトランドラプリル);或いはA型またはB型ボツリヌス毒素と一緒に使用され得る。
【0082】
本発明の化合物は増強剤、例えばカフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去剤、例えばオキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボデスオキシエフェドリン;抗組織剤、例えばカラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿剤;プロカイネティック剤、例えばメトクロプラミドまたはドンペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン剤、例えばアクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロロフェニラミン、クレマスチン、デキスブロムフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメサジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはシュウドエフェドリンと一緒に使用され得る。本発明の化合物を制吐剤と一緒に使用してもよい。
【0083】
特定の実施態様では、本発明の化合物は抗偏頭痛剤、例えばエルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HTアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト(具体的には、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタン及びリザトリプタン)及び他のセロトニンアゴニスト;及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(具体的には、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパレコキシブ)と一緒に使用される。
【0084】
上記した組合せは、本発明の化合物と1つの他の活性化合物の組合せのみならず、本発明の化合物と2つ以上の活性化合物の組合せを含む。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、コントロール、回復またはリスク軽減において使用される他の薬物と一緒に使用され得る。この他の薬物は通常使用されているルート及び量で、本発明の化合物と同時または順次投与され得る。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えて前記した他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分をも含有するものが含まれる。
【0085】
本発明の化合物:他の活性成分の重量比は変更可能であり、各成分の有効量に依存する。通常、各成分の有効量が使用される。よって、例えば本発明の化合物を別の物質と組み合わせるとき、本発明の化合物:他の物質の重量比は通常約1000:1〜約1:1000または約200:1〜約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分の組合せも通常上記範囲内であるが、いずれの場合も各活性成分の有効量を使用すべきである。
【0086】
上記組合せにおいて、本発明の化合物と他の活性物質を別々に投与しても、または一緒に投与してもよい。また、1つの成分を他の物質の投与前、投与と同時または投与後に同一または異なる投与ルートを介して投与してもよい。
【0087】
本発明の化合物は経口により、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸内、舌下または局所投与ルートにより投与され得、単独でまたは一緒に各投与ルートに適した慣用の非毒性で医薬的に許容され得る担体、佐剤及びビヒクルを含む適当な投与単位製剤に製剤化され得る。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトに使用するのに効果的である。
【0088】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は有利には投与単位形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。いずれの方法も活性成分を1つ以上の補助成分からなる担体と混合するステップを含む。通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細な固体担体と均一及び均密に混合した後、所要により生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には病気の進行または状態に対して所望の効果を与えるのに十分な量の活性化合物が含まれている。本明細書中で使用されている用語「組成物」は特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を含むと意図される。
【0089】
活性成分を含有する医薬組成物は錠剤、トローチ剤、口内錠、水性または油性懸濁液剤、分散性散剤または顆粒剤、エマルション剤、溶液剤、硬または軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤のような経口用に適した形態をとり得る。経口用に意図されている組成物は医薬組成物を製造するために当業界で公知の方法に従って製造され得、医薬的に上品で口に合う製剤を提供するために前記組成物に甘味剤、着香剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の物質を配合してもよい。錠剤は活性成分を錠剤の製造に適している非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングが被せられていなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて長時間にわたり持続作用を与えるために公知の技術によりコーティングを被せてもよい。例えば、徐放性材料(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル)が使用され得る。米国特許4,256,105、4,166,452及び4,265,874に記載されている技術によりコーティングして、制御放出用浸透圧性治療錠剤を形成してもよい。即時放出用に経口錠剤、例えばファーストメルトタブレットまたはウェファー、即効性タブレットまたはファーストディゾルブフィルムも製剤化され得る。
【0090】
経口用製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されている硬ゼラチンカプセル剤;または活性成分が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されている軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。
【0091】
水性懸濁液剤は、活性物質を水性懸濁液を製造するのに適した賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤は、懸濁剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム)である。分散または湿潤剤は、天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液剤は1つ以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤及び1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)をも含有し得る。
【0092】
油性懸濁液剤は、活性成分を植物油(例えば、アラキス油、オリーブ油、ゴマ油または落花生油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。この油性懸濁液剤は増粘剤(例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコール)も含有し得る。口に合う経口製剤を提供するために上記したような甘味剤及び着香剤を配合してもよい。抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)を添加することにより上記組成物を保存することができる。
【0093】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散または湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤と混合して活性成分を含む。適当な分散または湿潤剤及び懸濁剤の例は既に上記されている。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤及び着色剤を存在させてもよい。
【0094】
本発明の医薬組成物は水中油型エマルション剤の形態もとり得る。油相は植物油(例えば、オリーブ油またはアラキス油)及び/または鉱油(例えば、流動パラフィン)であり得る。適当な乳化剤は天然に存在するガム(例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム)、天然に存在するリン脂質(例えば、大豆レシチン)、脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。エマルション剤は甘味剤及び着香剤をも含み得る。
【0095】
シロップ剤及びエリキシル剤は甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて製剤化され得る。前記製剤は粘滑剤、保存剤、着香剤及び着色剤をも含み得る。
【0096】
医薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態をとり得る。この懸濁液は、上に挙げた適当な分散または湿潤剤及び懸濁剤を用いて当業界で公知の方法に従って製剤化され得る。滅菌注射剤は非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)でもあり得る。許容され得るビヒクル及び溶媒として水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液が使用され得る。加えて、滅菌の固定油が通常溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的で、合成モノ−またはジグリセリドを含めた無刺激性固定油が使用され得る。加えて、注射剤の製造に脂肪酸(例えば、オレイン酸)が使用される。
【0097】
本発明の化合物は薬物を直腸内投与するための座剤の形態でも投与され得る。前記組成物は、常温では固体であるが直腸温で液体であり、よって直腸中で溶融して薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤と薬物を混合することにより製造され得る。前記賦形剤はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0098】
局所用に、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、溶液剤または懸濁液剤等が使用される。局所適用のために、経皮パッチも使用され得る。
【0099】
本発明の医薬組成物及び方法は更に、上記した病的状態の治療に通常使用されている本明細書中に記載されている他の治療活性化合物を含み得る。
【0100】
CGRP受容体活性の拮抗を要する状態の治療、予防、コントロール、回復またはリスク軽減において、適切な用量レベルは通常約0.01〜500mg/患者の体重kg/日であり、これを1回でまたは複数回で投与し得る。適当な用量レベルは約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日または約0.1〜50mg/kg/日であり得る。この範囲内での用量は0.05〜0.5、0.5〜5または5〜50mg/kg/日であり得る。経口投与のためには、治療対象の患者に対する用量を症状に合わせて調節するために組成物は1.0〜1000mgの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。化合物は1日1〜4回、好ましくは1日1〜2回のレジメンで投与され得る。
【0101】
頭痛、偏頭痛、群発頭痛、或いは本発明の化合物が適応される他の疾患を治療する、予防する、コントロールする、回復させるまたはリスク軽減させる際、本発明の化合物を約0.1mg〜約100mg/動物の体重kgの1日用量で投与したときに通常満足な結果が得られ、この用量を1日1回用量として、1日2〜6回の分割用量で、または持続放出形態で投与する。多くの大型哺乳動物に対する1日総用量は約1.0mg〜約1000mgまたは約1mg〜約50mgである。70kgの成人の場合の1日総用量は通常約7〜約350mgである。この投与レジメンは最適の治療応答が得られるように調節され得る。
【0102】
しかしながら、特定患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用する具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード、投与時間、排泄率、薬物の組合せ、特定状態の重症度及び治療を受ける宿主を含めた各種要因に依存する。
【0103】
本発明の化合物を製造するための幾つかの方法を以下のスキーム及び実施例において説明する。出発物質は当業界で公知であるかまたは本明細書中に説明する手順に従って製造される。
【0104】
本発明の化合物は、容易に入手し得る出発物質、試薬及び一般的な合成手順を用いて以下のスキーム及び具体的実施例またはその改変に従って容易に製造され得る。これらの反応において、当業者に公知であるが詳細に記述されていない別のものを用いることもできる。本発明において特許請求されている化合物の一般的製造方法は以下のスキームにてらして当業者には容易に理解され、認識され得る。
【0105】
【化14】

【0106】
スキーム1に従って、アミンをクロロホルム中、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム及びトリエチルアミンを用いてアルデヒド(中間体1)で還元アルキル化すると、第2級アミンが生ずる。次いで、このアミンをDCM中、塩基としてトリエチルアミンを用いて各種酸クロリド(この場合、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニルクロリド)でアシル化すると、特許請求されている化合物が得られ得る。或いは、中間体に類似の変換を施すと、本発明の化合物が得られ得る。
【0107】
【化15】

【0108】
アルデヒド(中間体1)はギ酸中、−20〜0℃の低温で過酸化水素(30%wt)を用いてカルボン酸まで酸化され得る。次いで、この酸をDMF中、HATU(N−[(ジメチルアミノ)(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート)及びトリエチルアミンを用いてアミンにペプチドカップリングすると、特許請求されている化合物が得られ得る。
【0109】
上記スキームに示した方法は本発明の範囲を限定することを意味せず、代表的な例及び中間体を挙げているにすぎない。各種の置換基を有する関連中間体及び実施例は、適切に置換されている出発物質を使用することにより、または中間体及び/または最終生成物を当業界で公知の方法により所望するように誘導体化することにより製造され得る。分割は分別結晶またはジアステレオマー塩のような他の方法により生起され得、他の合成中間体または最終生成物に対して実施され得る。或いは、重要な中間体の不斉合成を使用すると、エナンチオマー的に濃縮された最終生成物が得られ得る。
【0110】
本発明の化合物を製造するために使用され得る方法、試薬及び条件をより一般的な用語で記載している以下のスキームに示されている構造はより一般的な範囲である。
【0111】
【化16】

【0112】
スキーム3は、アルデヒド100が溶媒(例えば、DCE、クロロホルムまたはDCM)中、場合により一般的な酸触媒(例えば、HOAc)の存在下で適当な還元剤(例えば、NaHB(OAc)またはシアノホウ水素化ナトリウム)を用いて一般構造101を有するアミンを還元アルキル化して、第2級アミン102を得る方法を示している。102を適当な溶媒(例えば、DMFまたはDCM)中、所要により塩基(例えば、トリエチルアミン)を用いて一般構造103を有する各種求電子試薬(酸ハライド:X=F、Cl、BrまたはI;活性エステル:X=HOBt、HOAt等)でアシル化すると、特許請求されている化合物104が得られ得る。同様に、スキーム11は別の特許請求されている化合物(108)を同様に製造し得る方法を示している。
【0113】
【化17】

【0114】
或いは、スキーム4に従って、アルデヒド100を適当な溶媒(例えば、水性ギ酸)中、−50〜30℃の範囲の温度で適当な酸化剤(例えば、過酸化水素)を用いて酸化すると、カルボン酸109が得られ得る。この酸を溶媒(例えば、DMFまたはDCM)中、所要により塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下で標準のペプチドカップリング技術(例えば、HATUまたはEDCI/HOBt)下で一般構造110を有する各種アミンにペプチドカップリングすると、特許請求されている化合物111が得られ得る。
【0115】
【化18】

【0116】
各種保護基戦略、先行技術の適用、並びに上記スキームに記載されている以外の出発物質及び試薬の使用を含めたこれらのルートの簡単な修飾を用いて、他の中間体及び本発明化合物を得てもよい。
【0117】
幾つかの場合には、最終生成物を例えば置換基を操作することにより更に修飾してもよい。これらの操作には、いずれも当業者に一般的に公知の還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0118】
幾つかの場合には、上記反応スキームを実施する順序は、反応を促進するためまたは望ましくない反応生成物を避けるために変更してもよい。以下の実施例は本発明がより十分に理解されるように提示されている。これらの実施例は例示に過ぎず、本発明を限定するものと決して解釈してはならない。
【0119】
中間体1
【0120】
【化19】

【0121】
2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルバルデヒド
標記化合物を公知文献(Bell,I.M.ら,WO 2007/061677 A2 20070531)方法に従って製造し、所要によりエナンチオマーまたはラセミ混合物を得た。
【0122】
中間体2
【0123】
【化20】

【0124】
(2S)−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルバルデヒド
ステップA.1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
7−アザインドール(39.8g,0.337mol)をDMF(200mL)中に含む溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物;16.2g,0.404mol)を25分間かけて少しずつ添加し、混合物を1時間攪拌した。次いで、反応混合物の温度を10℃以下に維持しながら、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(71.8mL,0.404mol)を15分間かけてゆっくり添加した。1時間後、反応物を水(500mL)でクエンチし、混合物をCHCl(5×300mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空中で乾燥して、標記化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0125】
ステップB.3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
ステップAからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(43.1g,0.1735mol)をジオキサン(300mL)中に含む溶液をピリジンヒドロブロミドペルブロミド(277g,0.8677mol)をジオキサン(300mL)中に含む懸濁液に30分間かけて1滴ずつ添加した。反応物を頭上攪拌機を用いて周囲温度で攪拌すると、二層が生じた。60分後、反応物を水(300mL)でクエンチし、EtOAc(500mL)で抽出した。水性層を更にEtOAc(2×300mL)で抽出し、合わせた有機層をHO(4×300mL;最終洗浄液のpHは5〜6)で洗浄し、次いでブライン(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物を直ちにCHCl中に溶解し、溶液をシリカプラグを介して濾過し、暗赤色がプラグから完全に溶離されるまでCHClで溶離させた。濾液を飽和水性NaHCO(400mL)、次いでブライン(400mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=423(M+1)。
【0126】
ステップC.1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(65g,0.154mol)をTHF(880mL)及び飽和水性NHCl(220mL)中に含む溶液に亜鉛(100g,1.54mol)を添加した。3時間後、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣をEtOAcとHOに分配すると、白色沈殿が形成された。両層をセライトパッドを介して濾過し、層を分離した。水性層をEtOAc(2×500mL)で洗浄し、合わせた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗な生成物をCHCl:EtOAc−90:10で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=265(M+1)。
【0127】
ステップD.3,3−ジアリル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
ステップCからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(1.00g,3.78mmol)及び炭酸セシウム(3.70g,1.4mmol)をDMF(10mL)中に含む溶液に臭化アリル(0.720mL,8.32mmol)の溶液を添加した。6時間後、混合物を飽和NaHCO(50mL)に注ぎ、CHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=345(M+1)。
【0128】
ステップE.1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}スピロ[シクロペンタ−3−エン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ステップDからの3,3−ジアリル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(1.02g,2.96mmol)及びグラブス第2世代触媒(37mg,0.045mmol)をDCE(60mL)中に含む混合物を3.5時間還流加熱した。混合物を真空中で濃縮し、ヘキサン:EtOAc−100:0→75:25の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。MS:m/z=317(M+1)。
【0129】
ステップF.(1S)−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−3H−スピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン
ステップEからの1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}スピロ[シクロペンタ−3−エン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(208mg,0.656mmol)をTHF(3mL)中に含む溶液に0℃でボラン−硫化メチル複合体(0.984mL,1.97mmol,THF中2M)を一滴ずつ添加し、溶液を3.5時間かけてゆっくり室温まで加温した。水素発生が止むまで水をゆっくり添加することにより反応物を注意深くクエンチした後、真空中で濃縮した。生じた固体をDMF(1mL)及びDCE(0.5mL)中に溶解し、PDC(740mg,1.97mmol)をDCE(5mL)中に含む懸濁液に周囲温度で一滴ずつ添加した。反応混合物を65℃で21時間加熱し、18時間後に追加のPDC(500mg)を添加した。塊が生ずるまで反応混合物にセライトを添加した後、EtO(50mL)で希釈した。混合物をセライトプラグを介して濾過し、追加のEtO(4×50mL)で濯ぎ、濾液を真空中で濃縮した。粗な生成物をヘキサン:EtOAc−100:0→50:50の勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。このラセミ混合物をSFCを用い、CO(l)/EtOHで溶離させて分割して、標記化合物を得た。MS:m/z=333(M+1)。
【0130】
ステップG.(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルボン酸メチル
ステップFからの(1S)−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−3H−スピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン(375mg,1.13mmol)及び4−アミノ−3−ホルミル安息香酸メチル(202mg,1.13mmol)をMeOH(5mL)中に含む溶液にピペリジン(192mg,2.26mmol)を添加した。次いで、混合物を大気に曝されている75℃浴中に置き、乾燥まで煮沸させた。LCMS分析のためにアリコートを取り出す前にMeOH(〜3mL)を添加することにより反応の進行を時々チェックした。22時間加熱した後、反応物を冷却し、次いでDCM(最小量)で希釈し、シリカゲルカラムにかけ、ヘキサン:EtOAc−80:20→30:70(60:40で休止)の勾配で溶離させて、標記化合物を得た。MS:m/z=476(M+1)。
【0131】
ステップH.(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルボヒドラジド
ステップGからの(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルボン酸メチル(317mg,0.667mmol)をMeOH(1mL)中に含む溶液にヒドラジン(1.0mL,32mmol)を添加した。反応物を密封した後、70℃に18時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、溶媒の大部分を真空中で除去した。残渣をDCM(50mL)及び水(20mL)で希釈した。次いで、有機物を水、半飽和ブライン及びブラインで順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、有機物を濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=476(M+1)。
【0132】
ステップI.(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルバルデヒド
ステップHからの(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルボヒドラジド(317mg,0.667mmol)をDCM(6.8mL)中に含む溶液を迅速に攪拌し、ここに水(2.7mL)と濃水性NHOH(0.6mL)、最後にフェリシアン化カリウム(549mg,1.67mmol)を添加した。4.5時間後、反応物を水(20mL)及びDCM(40mL)で希釈した。水性層をDCM(20mL)で1回抽出した。合わせた有機物を水及び半飽和ブラインで順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、有機物を濾過し、真空中で濃縮し、精製のためにシリカゲルカラムにかけ、CHCl:MeOH−99:1→90:10の勾配で溶離させた。精製した生成物含有画分をプールし、真空中で濃縮して、標記化合物を得た。MS:m/z=446(M+1)。
【0133】
ステップJ.(2S)−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルバルデヒド
ステップIからの(2S)−2’−オキソ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]キノリン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−カルバルデヒド(142mg,0.320mmol)をMeOH(17mL)中に含む溶液に、MeOHが飽和され、適度に加温されるまでガス状無水塩化水素を通気することによりガスを導入した。このHClでの飽和を3時間後もう1回繰り返した後、密封した反応物を周囲温度で19時間放置した。次いで、溶液に窒素流を20〜30分間パージした後、真空中で濃縮した。MeOH(50mL)を添加した後、真空中で除去し、この添加/濃縮を2回繰り返して過剰のHClを除去した。残渣をMeOH(17mL)中に溶解した後、濃水性NHOH(0.7mL)を添加した。20分後、MeOHを真空中で除去し、新しいMeOH(50mL)を添加し、次いで真空中で除去すると、残渣が生じた。この残渣を水(1.35mL)+濃HSO(4滴)中に溶解させた。この水性溶液を水(3mL)及び濃HSO(更に2滴)を用いて三角フラスコに移した。水性NaOH(1M,〜2.5mL)でゆっくり中和すると、固体が生じた。この固体を濾過し、水で洗浄し、風乾して、標記化合物を得た。MS:m/z=316(M+1)。
【0134】
中間体3
(7S)−2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸
【0135】
【化21】

【0136】
(7S)−2−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルバルデヒド(0.20g,0.634mmol,中間体1)をギ酸(0.36mL)中に含む0℃まで冷却した溶液に過酸化水素(0.158mL,30%水性溶液,1.903mmol)を添加した。この溶液を密封し、−15℃で5日間保持した。次いで、反応物を水(5mL)で希釈して、沈殿を誘発させた。この沈殿を濾過して、標記化合物を得た。MS:m/z=332(M+1)。
【0137】
実施例1
【0138】
【化22】

【0139】
N−[(1R)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エチル]−N−{[(7S)−2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド
ステップA.(7S)−3−({[(1R)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エチル]アミノ}メチル)−6,8−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン]−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルバルデヒド(0.50g,1.6mmol,中間体1)及びHOAc(192μL,3.33mmol)を乾燥クロロホルム(5mL)中に含む懸濁液を攪拌し、ここに(1R)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エタンアミン塩酸塩(0.461g,2.38mmol)及びヒューニッヒ塩基(0.415mL,2.38mmol)を乾燥クロロホルム(2mL)中に含む溶液を添加した。10分後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.706g,3.33mmol)を添加した。周囲温度で18時間攪拌した後、混合物をDCM及び飽和炭酸水素ナトリウムで希釈した。層を分離し、水性層をDCMで1回抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、残渣が生じた。次いで、この残渣を精製のためにシリカゲルカラムにかけ、DCM中1〜10% メタノールの勾配で溶離させて、標記化合物を得た。MS:m/z=457(M+1)。
【0140】
ステップB.N−[(1R)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エチル]−N−{[(7S)−2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド
ステップAからの(7S)−3―({[(1R)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)エチル]アミノ}メチル)−6,8−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン]−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(40mg,0.088mmol)をDCM(1mL)中に含む0℃まで冷却した溶液を攪拌し、ここにテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニルクロリド(26mg,0.18mmol)及びトリエチルアミン(31μL,0.22mmol)を添加した。反応を−15℃で18時間進行させた。反応物を水でクエンチし、濃縮すると、残渣が生じた。この残渣を逆相クロマトグラフィーにかけ、MeCN/水(0.1% TFA)の混合物で溶離させた。生成物含有画分を凍結乾燥して、標記化合物をTFA塩として得た。ヒトCGRP受容体結合K=0.050nM。MS:m/z=569(M+1)。HRMS:m/z=569.2346;計算値m/z=569.2359(C3331)。
【0141】
実施例2
【0142】
【化23】

【0143】
(ベンジル{[(7S)−2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−イル]カルボニル}アミノ)酢酸エチル
(7S)−2’−オキソ−1’,2’,6,8−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[g]−キノリン−7,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸(50mg,0.151mmol,中間体3)及びN−ベンジルグリシンエチルエステル(44.0mg,0.226mmol)をDMF(2mL)中に含む溶液にO−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(86mg,0.226mmol,HATU)及びトリエチルアミン(42μL,0.30mmol)を添加した。周囲温度で1時間攪拌した後、溶液を逆相クロマトグラフィーにかけ、MeCN/水(0.1% TFA)の混合物で溶離させた。生成物含有画分を凍結乾燥して、標記化合物をTFA塩として得た。MS:m/z=507(M+1)。ヒトCGRP受容体結合K=60nM。HRMS:m/z=507.2040;計算値m/z=507.2027(C3027)。
【0144】
本質的に実施例1に概説されている手順に類似の手順に従って、中間体1または2を用いて、以下の実施例を製造した。必要な出発物質は市販されており、文献に記載されており、または有機合成の業界の当業者により容易に合成された。幾つかの場合には、直接的な保護基戦略を用い、またはキラル分割を実施した。
【0145】
【化24】

【0146】
【表1】



【0147】
本質的に実施例2に概説されている手順に類似の手順に従って、以下の実施例を製造した。必要な出発物質は市販されており、文献に記載されており、または有機合成の業界の当業者により容易に合成された。幾つかの場合には、直接的な保護基戦略を用い、またはキラル分割を実施した。
【0148】
【化25】

【0149】
【表2】


【0150】
具体的エナンチオマー及びジアステレオマーが上記実施例及び中間体に記載されているが、反応条件及び試薬に修飾を加える(非限定例として、出発物質に対して反対のキラルを用いる;別の触媒;試薬に対して反対のキラルを用いる;キラル分割後に別のエナンチオマー及びジアステレオマーを使用するための選択が挙げられる)と代替のエナンチオマー及びジアステレオマーが得られ、これらのすべてが本発明の趣旨及び範囲に含まれることを当業者は十分に理解している。混合物の形態及び純粋もしくは部分的に精製した化合物としての考えられる光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれると意図される。本発明はこれらの化合物のすべての異性体を包含すると意味する。
【0151】
本発明を特定の具体的実施態様を参照して記載し、説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコルに各種改変、変化、修飾、置換、削除または付加を加え得ることを認識している。例えば、上記した本発明の化合物を用いる適応症に対する治療対象の哺乳動物の応答性が異なる結果として本明細書中に上記した具体的用量以外の有効量を適用してもよい。また、観察された具体的薬理応答は、選択した特定の活性化合物または医薬用担体の存在の有無、使用する製剤のタイプ及び投与モードに従って及びこれらに応じて異なり得、予想される結果の違いまたは差は本発明の目的及び実施に従って考えられる。従って、本発明は以下の特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲は合理的に広く解釈されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
及びEは独立して
(1)=N−、
(2)=N(O)−、及び
(3)=C(R)−
から選択され、E及びEの少なくとも1つは窒素原子を含有するように選択されなければならず;
各Qは独立して
(1)=N−、
(2)=N(O)−、及び
(3)=C(R)−
から選択され;

【化2】

(式中、k=0のとき、これは窒素とGまたはG間の結合を表す)
から選択され;
及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(b)−OR
(c)−CO
(d)ハロ、及び
(e)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)ハロ、及び
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジニル
から選択され;
各Rは独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(3)ハロ、
(4)−OR、及び
(5)−CN
から選択され;

(1)非置換であるかまたは独立してR、R、R、R及びRから選択される1〜5個の置換基で置換されているオキサタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル及びテトラヒドロチエニル、及び
(2)−COで置換されており、場合により独立して
(a)フェニル、
(b)OR
(c)ハロ、
(d)−CN、及び
(e)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているC1−6アルキル
から選択される1〜3個の基で置換されているピロリジニル
から選択され;

(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)−C1−4アルキル、(ii)−O−C1−6アルキル、(iii)ハロ、(iv)トリフルオロメチル、及び(v)−OCFから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜6個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシル、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(e)フェニル
から選択される1〜6個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)オキソ、
(f)−CN、
(g)ヒドロキシ、及び
(h)フェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピロリジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロフリル、キノキサリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、及び
(5)Gから選択される基
から選択され;

(1)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)−CO
(f)オキソ、及び
(g)フェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されているテトラヒドロピラニル、
(2)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に各々独立して
(a)−SR
(b)−S(O)
(c)−NR
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−OBn、
(e)−OC(=O)R
(f)−CO
(g)−C(=O)NR
(h)−C(=O)R
(i)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−OR
(j)−N(R)−C(=O)NR、及び
(k)−N(R)−CO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−6アルキル、
(3)各々独立して
(a)−C(=O)R
(b)−OC(=O)R
(c)−C(=O)NR、及び
(d)−S(O)
から選択される1〜4個の置換基で置換されているピペリジニルまたはピロリジニル
から選択され;

(1)非置換であるかまたは独立してR、R、R、R及びRから選択される1〜5個の置換基で置換されているC3−10シクロアルキル、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、アゼパニル、アゼピニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、2−オキソアゼピニル、4−オキソナフチリジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピリジル、2−オキソキノリニル、フタラジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、トリアゾリル及びトリアゾリニル、及び
(2)Gから選択される基
から選択され;

(1)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル−フェニル、
(2)場合により1〜5個のハロで置換で置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル−ヘテロ環(ここで、ヘテロ環はピリジル、ピリミジニル及びインダゾリルから選択される)、及び
(3)場合により1〜5個のハロで置換されているが、更に独立して
(a)−CO
(b)−C(=O)R
(c)−OC(=O)R
(d)−C(=O)NR
(e)−SR
(f)−S(O)、及び
(g)−N(R)SO
から選択される1〜4個の置換基で置換されていなければならない−C1−4アルキル
から選択され;

(1)水素、
(2)非置換であるかまたは独立して
(a)ハロ、
(b)OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル、
から選択される1〜5個の基で置換されている−C1−6アルキル、及び
(3)非置換であるかまたは独立して
(a)ハロ、
(b)OR
(c)−CN、及び
(d)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニル
から選択される1〜5個の基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
から選択され;
、R、R、R及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはベンゾジオキソリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル及びオキサゾリルから選択されるヘテロ環、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、及び
(p)−C(=O)R
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)−OR、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)−OR、(ii)ハロ、(iii)−CN、及び(iv)非置換であるか1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C3−6シクロアルキル、
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(1)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R、及び
(p)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダニル、インドリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、テトラゾリル及びチアゾリルから選択されるヘテロ環、
(5)ハロ、
(6)オキソ、
(7)−OR
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−C(=O)R
(11)−NR
(12)−S(O)
(13)−C(=O)NR
(14)−O−(C=O)R
(15)−O−CO
(16)−N(R)CO
(17)−O−(C=O)−NR
(18)−NR−(C=O)−NR
(19)−SONR、及び
(20)−N(R)SO
から選択され;
とR及びこれらが結合している原子が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−C3−6シクロアルキル、(iv)−CO、(v)−NR、(vi)−S(O)、(vii)−C(=O)NR、及び(viii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されているフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されており、場合により環に縮合されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル及びオキサゾリルから選択されるヘテロ環、
(c)−OR
(d)ハロ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−(C=O)R
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR
(p)−C(=O)R、及び
(q)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されているアゼチジニル、アジリジニル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロペンチル、シクロプロピル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、ジオキサニル、ジオキソアラニル、インダニル、インデニル、インドリニル、イソインドリニル、モルホリニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル及びチエタニル(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択される環を形成し得;
PG
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(3)−CHOR
(4)−CH−O−CHCHSi(CH
(5)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されているC1−6アルキル
から選択される1〜3個の置換基で置換されている−(CH−フェニル
から選択され;
Jは
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、及び
(4)−N(R)−
から選択され;
Yは
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、
(4)=N−、及び
(5)−N(R16b)−
から選択され;
17及びR18は各々独立して
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−OR
(4)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)−OR、(ii)ハロ、(iii)−CN、(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜4個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(5)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR
(d)ニトロ、
(e)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択され;
17とR18及びこれらが結合している原子と連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロ置換されているフェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されており、場合によりN、O及びS(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択されるヘテロ原子を含有している4、5または6員環を形成し得;
16a及びR16bは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−CN、及び(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜5個の置換基で置換されている−C1−4アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−4アルキル、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iii)−ORから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニル
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(4)ハロ、
(5)−OR
(6)−CN、
(7)−CO
(8)−NR、及び
(9)−C(=O)NR
から選択され;
16aとR16b及びこれらが結合している原子が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)非置換であるかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)非置換であるかまたは各々独立して(I)−OR、(II)ハロ、(III)−CN、及び(IV)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(v)−CO
(vi)−NR
(vii)−S(O)
(vii)−C(=O)NR
(ix)−N(R)CORa、及び
(x)−N(R)SO
から選択される1〜3個の置換基で置換されている−C1−6アルキル、
(b)非置換であるかまたは各々独立して
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、及び
(iv)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル及びモルホリニルから選択されるヘテロ環、
(c)ハロ、
(d)−S(O)
(e)−OR
(f)−CN、
(g)−C(=O)R
(h)−NR
(i)−C(=O)NR
(j)−CO
(k)−(NR)CO
(1)−O−(C=O)−NR
(m)−(NR)−(C=O)−NR
(n)オキソ、及び
(o)−(NR)SO
から選択される1〜5個の置換基で置換されているシクロペンテニル、シロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル及びジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し得;
各Rは独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(c)ヒドロキシル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C(=O)−O−C1−6アルキル、
(e)−CN、及び
(f)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、(iii)−CN、(iv)ニトロ、(v)ヒドロキシル、及び(vi)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(d)ニトロ、
(e)ヒドロキシル、及び
(f)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、インドリル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、及び
(4)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
及びRは各々独立して
(1)水素、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)−CO
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び(iv)ニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(3)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(e)−CN、及び
(f)−CO
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、
(4)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
とR及びこれらが結合している窒素が連結して、非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、及び
(d)フェニル
から選択される1〜4個の置換基で置換されており、場合によりN、O及びS(ここで、硫黄原子は場合によりスルホンまたはスルホキシドに酸化されている)から選択される追加のヘテロ原子を含有している4、5または6員環を形成し得;
各Rは独立して
(1)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CO
(d)−CN、及び
(e)非置換であるかまたは各々独立して(i)ハロ、(ii)−OR、(iii)−CN、(iv)ニトロ、及び(v)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環
から選択される1〜7個の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(2)非置換であるかまたは各々独立して
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C1−6アルキル、
(d)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル、
(e)ニトロ、
(f)−CN、及び
(g)−CO
から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピラジニルから選択されるヘテロ環、
(3)非置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されている−C3−6シクロアルキル
から選択され;
mは1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
vは0、1または2である
kは0、1または2である]
を有する化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
mは1であり、nは1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式Ia:
【化3】

を有する請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
式Ib:
【化4】

を有する請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
式Ic:
【化5】

を有する請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
式Id:
【化6】

を有する請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項7】

【化7】

である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】

【化8】

である請求項6に記載の化合物。
【請求項9】

【化9】

である請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
式Ie:
【化10】

を有する請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩。
【請求項11】

【化11】

である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】

【化12】

である請求項10に記載の化合物。
【請求項13】

【化13】

である請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
【化14】

【表1】



から選択される請求項1に記載の化合物及び前記化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項15】
【化15】

【表2】

から選択される請求項1に記載の化合物及び前記化合物の医薬的に許容される塩。
【請求項16】
不活性担体及び請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項17】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項18】
頭痛、偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、改善またはリスク軽減を要する哺乳動物患者に対して治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む前記患者における頭痛、偏頭痛または群発頭痛の治療、コントロール、改善またはリスク軽減方法。
【請求項19】
偏頭痛、群発頭痛及び頭痛の治療または予防を要するヒトに対して治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、及び治療有効量のセロトニンアゴニスト、鎮痛剤、抗炎症剤、降圧剤及び抗痙攣剤から選択される第2物質を共投与することを含む偏頭痛、群発頭痛及び頭痛の治療または予防方法。

【公表番号】特表2011−523958(P2011−523958A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513578(P2011−513578)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/046107
【国際公開番号】WO2009/152010
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】