説明

CGRP受容体アンタゴニスト

CGRP受容体のアンタゴニストとして有用であり、CGRP受容体が関与する疾患、例えば片頭痛、詳細には片頭痛および群発頭痛の治療または予防に有用である、式(I)の化合物(式中、可変要素A、A、A、A、A、A、A、A、J、Q、R、E、E、E、R、R、R、R、RPG、YおよびZは、本明細書において記載されるとおりである)。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRP受容体が関与するそのような疾患の予防または治療におけるこれら化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(Calcitonin Gene−Related Peptide:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、アミノ酸37個からなる天然のペプチドである。このペプチドは、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的改変プロセシングで産生され、中枢および末梢神経系に広く存在している。CGRPは、主に感覚求心ニューロンおよび中枢ニューロンに局在し、血管拡張をはじめとするいくつかの生体作用を媒介する。CGRPは、α型およびβ型で発現するが、α型とβ型は、ラットでは1個、ヒトでは3個、アミノ酸が異なっている。CGRP−αとCGRP−βは、類似した生物学的特徴を示す。CGRPは、細胞から放出されると、アデニリルシクラーゼの活性化と優先的に共役した特異的細胞表面受容体に結合することでその生物学的応答を引き起こす。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮、および平滑筋由来のものをはじめとする複数の組織および細胞で、同定および薬理学的な評価がなされている。
【0002】
これらの受容体は、薬理学的性質に基づいて、CGRPおよびCGRPと称される少なくとも2種のサブタイプに分けられる。ヒトα−CGRP−(8−37)は、N−末端アミノ酸残基7個を欠いたCGRPフラグメントであるが、これはCGRPの選択的アンタゴニストであり、一方CGRPの直鎖類似体、ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)は、CGRPの選択的アゴニストである。CGRPは、強力な神経調節物質であり、脳血管障害症状(片頭痛および群発頭痛など)に関連づけられてきた。臨床研究では、片頭痛発作中に、頸静脈中のCGRPレベルが上昇することが見出され(Goadsby et al.,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)、CGRPの唾液中レベルは、片頭痛の患者で発作中に上昇し(Bellamy et al.,Headache,2006,46,24−33)、またCGRP自体が片頭痛性頭痛(migrainous headache)の引き金となることが示されている(Lassen et al.,Cephalalgia,2002,22,54−61)。臨床試験では、CGRPアンタゴニストBIBN4096BSが、片頭痛の急性発作の治療に有効であることが示されており(Olesen et al.,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110)、このアンタゴニストは、対照群でCGRP注入により誘導された頭痛を防ぐことができた(Petersen et al.,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213)。
【0003】
CGRPを介した三叉神経血管系の活性化は、片頭痛発生において重要な役割を果たしている可能性がある。さらに、CGRPは頭蓋内血管の平滑筋の受容体を活性化して、血管拡張の増大を導き、これが片頭痛発作中の頭痛による痛みに寄与していると思われる(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptide,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。硬膜中の主要動脈である中硬膜動脈は、CGRPをはじめとする複数の神経ペプチドを含有する三叉神経節からの知覚繊維により神経支配される。ネコで三叉神経節を刺激するとCGRPレベルの上昇がもたらされ、ヒトでは、三叉神経系の活性化により、顔面の紅潮および外頸静脈でのCGRPレベルの上昇が引き起こされた(Goadsby et al.,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットで硬膜を電気刺激すると、中硬膜動脈の直径が増加したが、この効果はペプチドCGRPアンタゴニストであるCGRP(8−37)の事前投与により遮断された(Williamson et al.,Cephalalgia,1997,17,525−531)。三叉神経節刺激は、ラットで顔面血流を増加させたが、これはCGRP(8−37)により阻害された(Escott et al.,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットでの三叉神経節の電気刺激は顔面血流を増加させるが、これは非ペプチドCGRPアンタゴニストBIBN4096BSにより遮断することができた(Doods et al.,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管効果は、CGRPアンタゴニストにより減弱、防止、または反転され得るものである。
【0004】
ラット中硬膜動脈のCGRP介在性血管拡張は、三叉神経核尾側のニューロンを過敏にすることが示された(Williamson et al.,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、片頭痛中の硬膜血管膨張は三叉神経ニューロンを過敏にする可能性がある。頭蓋外痛および顔面アロディニアをはじめとする片頭痛の随伴症の中には、過敏になった三叉神経ニューロンの結果と思われるものもある(Burstein et al.,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRPアンタゴニストは、ニューロンの過敏化の効果を減弱、防止、または反転するのに有益である可能性がある。
【0005】
本発明の化合物は、そのCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、ヒトおよび動物で、特にはヒトで、CGRPが関与する障害に対する有用な薬理学的作用剤となる。そのような障害として、以下が挙げられる:片頭痛および群発頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinsson et al.,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashina et al.,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yu et al.,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulsebosch et al.,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyet et al.,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538;Salmon et al.,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(May et al.Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdeh et al.,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molina et al.,Diabetes,1990,39,260−265);血管障害;炎症(Zhang et al.,Pain,2001,89,265)、関節炎、気管支過敏症、喘息、(Foster et al.,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schini et al.,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490;Zheng et al.,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beer et al,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン禁断症状(Salmon et al.,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menard et al.,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性でののぼせ(Chen et al.,Lancet,1993,342,49;Spetz et al.,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、頭部外傷、虚血、脳卒中、癲癇、および神経変性性疾患(Rohrenbeck et al.,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚疾患(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogegnic Inflammation,1996,CRC Press,BocaRaton,FL)、神経原性皮膚発赤、皮膚の赤み(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzog et al.,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、(Hoffman et al.Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)、および膀胱炎。特に重要であるのは、片頭痛および群発頭痛をはじめとする頭痛の迅速なまたは予防的治療である。
【0006】
本発明は、CGRP受容体リガンドとして、詳細にはCGRP受容体アンタゴニストとして有用な化合物、その化合物の調製プロセス、その化合物の治療用途、その化合物を含む医薬組成物、およびその化合物を用いた治療法に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Goadsby et al.,Ann.Neurol.,1990,28,183−187
【非特許文献2】Bellamy et al.,Headache,2006,46,24−33
【非特許文献3】Lassen et al.,Cephalalgia,2002,22,54−61
【非特許文献4】Olesen et al.,New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110
【非特許文献5】Petersen et al.,Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213
【非特許文献6】Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptide,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9
【非特許文献7】Goadsby et al.,Ann.Neurol.,1988,23,193−196
【非特許文献8】Williamson et al.,Cephalalgia,1997,17,525−531
【非特許文献9】Escott et al.,Brain Res.1995,669,93−99
【非特許文献10】Doods et al.,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423
【非特許文献11】Williamson et al.,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247
【非特許文献12】Burstein et al.,Ann.Neurol.2000,47,614−624
【非特許文献13】Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinsson et al.,Cephalalgia,1994,14,320−327
【非特許文献14】Ashina et al.,Neurology,2000,14,1335−1340
【非特許文献15】Yu et al.,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282
【非特許文献16】Hulsebosch et al.,Pain,2000,86,163−175
【非特許文献17】Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768
【非特許文献18】Delay−Goyet et al.,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538
【非特許文献19】Salmon et al.,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献20】May et al.Cephalalgia,2002,22,195−196
【非特許文献21】Awawdeh et al.,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36
【非特許文献22】Molina et al.,Diabetes,1990,39,260−265
【非特許文献23】Zhang et al.,Pain,2001,89,265
【非特許文献24】Foster et al.,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404
【非特許文献25】Schini et al.,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490
【非特許文献26】Zheng et al.,J.Virol.,1993,67,5786−5791
【非特許文献27】Beer et al,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798
【非特許文献28】Salmon et al.,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献29】Menard et al.,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351
【非特許文献30】Chen et al.,Lancet,1993,342,49
【非特許文献31】Spetz et al.,J.Urology,2001,166,1720−1723
【非特許文献32】Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143
【非特許文献33】Rohrenbeck et al.,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34
【非特許文献34】Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogegnic Inflammation,1996,CRC Press,BocaRaton,FL
【非特許文献35】Herzog et al.,J.Membrane Biology,2002,189(3),225
【非特許文献36】Hoffman et al.Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、CGRP受容体のアンタゴニストであり、CGRPが関与する疾患(片頭痛など)の治療または予防に有用である、以下の式I:
【化1】

【0009】
(式中、可変要素A、A、A、A、A、A、A、A、J、Q、R、E、E、E、R、R、R、R、RPG、およびYは、本明細書において記載されるとおりである)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関与する疾患の予防または治療におけるこれら化合物および組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下の式I:
【化2】

【0011】
式中:
は、以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、このアルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、ここで、この各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(5)−CR−、
(6)−N(R)−、
(7)−(C=O)−、
(8)−C(R)(R)−、
(9)−C(N(R)−SO)(R)−、
(10)−C(N(R)(C=O)R)(R)−、
(11)−C(N(R)(C=O)OR)(R)−、
(12)−CR1011−、および
(13)−N(R11)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−CR1011−、および
(3)−(C=O)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−N(R)−、
(3)−CR1011−、および
(4)−N(R11)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−(C=O)−、
(3)−N(R)−、
(4)−CR1011−、
(5)−N(R11)−、および
(6)AとAの間の結合;
およびAは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、このアルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、この各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−、
(5)−CR15a15b−;
(6)−CR15aH、
(7)−CH−、
(8)−N(R)−、
(9)−(C=O)−、および
(10)結合、ならびに
およびAは、独立して以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、このアルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、ここで、この各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−、
(5)−CR15a15b−、
(6)−CR15aH、
(7)−CH−、
(8)−N(R)−、および
(9)−(C=O)−、
ただし、A、A、A、およびAの少なくとも1つは、以下から選択され:
(a)−CR15a15b−、
(b)−CR15aH−、
(c)−O−、
(d)−S(O)−、
(e)−N(R)−、
(f)−(C=O)−、
(g)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、このアルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(h)−Si(C1−4アルキル)、ここで、この各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−;
、E、およびEは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−C(R)=、
(2)−N=、および
(3)−(N−O)=;
またはEは、以下から選択され:
(1)−C(R)=、
(2)−N=、および
(3)−(N−O)=、
および−E=E−は、一緒になって以下から選択され:
(1)−S−、
(2)−O−、
(3)−N(R)−;
Qは、以下から選択され:
(1)−(C=O)−、
(2)−SO−、
(3)−SO−、および
(4)−C(R−;
は、以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−C3−6シクロアルキル、
(c)−CF、および
(d)−O−R
(3)−C3−6シクロアルキル、
(4)ベンジル、および
(5)フェニル;
は、以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)ハロ、
(4)−OR、および
(5)−CN;
およびRは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(iii)−OR
(iv)−NR
(v)−CN、および
(vi)オキソ;
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、および
(p)−C(−O)R
(3)−C3−8シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−C1−4アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜3個のハロで置換されており、および
(d)−OR
(4)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R
(p)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(q)オキソ;
(5)ハロ、
(6)−OR
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−N(R)C(=O)R
(10)−NR
(11)−C(=O)NR、および
(12)−O(C=O)R
または、RおよびRは、それらが連結する炭素原子と一緒になって、以下から選択される環を形成し:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インダニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、オキセタニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル;ここで、硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O)NR、および
(viii)フェニル、
(b)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該C3−6シクロアルキル基は前記環と場合により縮合し、このC3−6シクロアルキル基は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O)NR、および
(viii)フェニル、
(c)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、イミダゾリル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され;さらに、当該フェニルまたは複素環は環と場合により縮合し、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(iii)−OR
(iv)−CO
(v)−O(C=O)R
(vi)−CN、
(vii)−NR
(viii)オキソ、
(ix)−C(=O)NR
(x)−N(R)C(=O)R
(xi)−N(R)CO
(xii)−O(C=O)NR、および
(xiii)−S(O)
(d)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)ハロ、
(j)−NR
(k)−N(R)C(=O)R
(l)−N(R)SO
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR
(p)−C(=O)R、および
(q)オキソ;
は、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C(=O)R
(3)−CO
(4)−S(=O)R
(5)−SO
(6)−C(=O)NR
(7)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環はピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(iv)−NR
(v)−C(=O)R、および
(vii)オキソ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、および
(p)−C(O)R
(8)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR、および
(d)C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、四員、五員、六員、または七員のアルキルまたはヘテロアルキル環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される追加の複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)フェニル、ここで、これは無置換であるか、または、ハロ、OR、CN、および−C(=O)ORからそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、
(c)−OR、および
(d)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
10は、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)フェニル、および
(e)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
11は、以下からなる群より独立して選択され:
フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、アゼピニル、アゼパニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、4−オキソナフチリジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピリジル、2−オキソキノリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、オキセタニル、テトラヒドロチアピラニル、およびチエタニル;ここで、当該R11は無置換であるか、または、R12、R13、R14、R15a、およびR15bからそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
12、R13、R14、R15a、およびR15bは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル(piperdinyl)、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、および
(p)−C(=O)R
(2)−C1−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(d)−OR、および
(e)フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個の置換基で置換されており、当該置換基はそれぞれ独立して以下から選択され:
(i)−OR
(ii)ハロ、
(iii)−CN、および
(iv)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル(piperdinyl)、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R、および
(p)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)−OR
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−C(=O)R
(10)−NR
(11)−S(O)
(12)−C(=O)NR
(13)−O−CO
(14)−N(R)CO
(15)−O−(C=O)−NR
(16)−NR−(C=O)−NR
(17)−SONR
(18)−N(R)SO
または、R15aおよびR15bは、それらが連結する原子と一緒になって、以下から選択される環を形成し:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル;ここで、硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O))NR、および
(viii)フェニル、
(b)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(c)−OR
(d)ハロ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR、および
(o)−C(=O)R
PGは以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(3)−CHOR
(4)−CH−O−CHCHSi(CH
(5)−CHOP(O)(OR
(6)−(CH−フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、および
(d)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
Jは以下から独立して選択され:
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、
(4)−N(R)−;
Yは以下から独立して選択され:
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、
(4)=N−、および
(5)−N(R16b)−;
17およびR18は、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−OR
(4)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)−OR
(ii)ハロ、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(5)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR
(d)ニトロ、
(e)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、R17およびR18は、それらが連結する原子と一緒になって、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
16aおよびR16bは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、複素環は、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、およびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、および
(iv)C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環はイミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、およびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−C1−4アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(e)フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(4)ハロ、
(5)−OR
(6)−CN、
(7)−CO
(8)−NR
(9)−C(=O)NR、および
(10)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、R16aおよびR16bは、それらが連結する原子と一緒になって、以下から選択される環を形成し:シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、およびジヒドロチオピラニル;ここで、当該環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、およびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(I)−OR
(II)ハロ、
(III)−CN、および
(IV)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(v)−CO
(vi)−NR
(vii)−S(O)
(viii)−C(=O)NR
(ix)−N(R)CO、および
(x)−N(R)SO
(b)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、およびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、および
(iv)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(c)ハロ、
(d)−S(O)
(e)−OR
(f)−CN、
(g)−C(=O)R
(h)−NR
(i)−C(=O)NR
(j)−CO
(k)−(NR)CO
(l)−O−(C=O)−NR
(m)−(NR)−(C=O)−NR
(n)オキシド、
(o)オキソ、および
(p)−(NR)SO
は以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜7個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(c)ヒドロキシル、
(d)−CN、および
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−O−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(iii)−CN、
(iv)ニトロ、
(v)ヒドロキシル、および
(vi)−C1−6アルキル、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−O−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)ニトロ、
(e)ヒドロキシル、および
(f)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(4)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
およびRは以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜7個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)−CO
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iv)ニトロ、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(e)−CN、および
(f)−CO
(4)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する窒素と一緒になって、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される追加の複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR、および
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
は以下から独立して選択され:
(1)C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CO
(d)−CN、および
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iv)ニトロ、
(2)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(e)−CN、および
(f)−CO、および
(3)−C3−6シクロアルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
およびRは、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニル、および
(4)ベンジル;
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、三員、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
vは、0、1、または2であり;
kは、0、1、または2である;
化合物、ならびにその医薬的に許容される塩、およびそれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーに関する。
【0012】
特定の実施形態において、Aは、以下から選択される:
(1)−O−、
(2)−S(O)−(例えば、vは0である)、
(3)−CR−、または
(4)−N(R)−。
【0013】
特定の実施形態において、Aは、以下から選択される:
(1)−CR−、または
(2)−CR1011−。典型的には、Aが−CR−であり、Aが結合であるならば、RおよびRはそれぞれ水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、他方がA基のRまたはRと結合して一緒に以下から選択される環を形成する:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インダニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、オキセタニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル、ここで、この環の硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、当該環は上記のとおり場合により置換される。
【0014】
特定の実施形態において、Aは、以下から選択される:
(1)−CR−、または
(2)−CR1011−。典型的には、Aが−CR−であり、Aが結合であるならば、RおよびRの一方は水素であり、他方はA基のRまたはRと結合して一緒に以下から選択される環を形成する:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インダニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、オキセタニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル、ここで、この環の硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、当該環は上記のとおり場合により置換される。
【0015】
が−CR1011−である場合、典型的には、R10は水素であり、R11は場合により置換され得るフェニルである。
【0016】
特定の実施形態において、Aは、以下から選択される:
(1)−CR−、
(2)−CR1011−、または
(3)結合。
【0017】
本発明の特定の実施形態において、Aは結合である。
【0018】
特定の実施形態において、AおよびAは、それぞれ独立して以下から選択される:
(1)−CH−、または
(2)結合。
【0019】
特定の実施形態において、AおよびAは、それぞれ結合である。
【0020】
特定の実施形態において、AおよびAは、独立して以下から選択される:
(1)−O−、
(2)−CR15aH、
(3)CR15a15b、または
(4)−CH−。典型的には、AおよびAの一方が−CR15a15bであるならば、R15aおよびR15bの一方または両方がハロゲンである。
【0021】
特定の実施形態において、E、E、およびEは、それぞれ独立して以下から選択される:
(1)−C(R)=、または
(2)−N=。典型的には、E、E、およびEのいずれかが−C(R)=であるならば、Rは水素である。ある実施形態において、EおよびEはそれぞれCHであり、EはNである。他の実施形態において、EおよびEはそれぞれCHであり、EはNである。
【0022】
特定の実施形態において、Qは、以下から選択される:
(1)−(C=O)−。
【0023】
特定の実施形態において、Rは、以下から選択される:
(1)水素、または
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−C3−6シクロアルキル、
(c)−CF、および
(d)−O−R
【0024】
特定の実施形態において、RPGは、以下から選択される:
(1)水素、または
(2)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている。
【0025】
特定の実施形態において、Jは、以下から選択される:
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、または
(3)−N(R)−。
【0026】
特定の実施形態において、Yは、以下から選択される:
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、または
(3)−C(=O)−。
【0027】
特定の実施形態において、Jは=C(R16a)−であり、Yは=C(R16b)−であり、R16aおよびR16bは、それらが連結する原子と一緒になって以下から選択される環を形成する:シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、およびジヒドロチオピラニル;ここで当該環は上記のとおり場合により置換される。
【0028】
特定の実施形態において、RおよびRは独立して以下から選択される:
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、三員、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、これは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル。
【0029】
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の式(II):
【化3】

【0030】
{式中、A、A、A、A、A、A、A、J、R、E、E、E、R、R、R、R、RPG、およびYは、式(I)の化合物について上記で記載されるとおりである};
の化合物、およびその医薬的に許容される塩、およびそれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーである。
【0031】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、AおよびAはそれぞれ結合であり、AおよびAは両方が−CH−であることはない。
【0032】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、E、E、およびEは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−C(R)=、または
(2)−N=。典型的には、E、E、およびEのいずれかが−C(R)=であるならば、Rは水素である。ある実施形態において、EおよびEはそれぞれCHであり、EはNである。他の実施形態において、EおよびEはそれぞれCHであり、EはNである。
【0033】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、Aは−CR1011−であり、その場合典型的にはR10は水素であり、R11は場合により置換され得るフェニルである。
【0034】
本発明は、さらに式(I)の代表化合物1〜7:
2−(10−オキソ−8−フェニル−6,9−ジアザスピロ[4.5]デシ−9−イル)−N−(2’−オキソ−1,1,2’,5−テトラヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−イル)アセトアミド(実施例1);
N−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−(3−オキソ−2,3,9,9a−テトラヒドロインデノ[2,1−b][1,4]オキサジン−4(4aH)−イル)アセトアミド(実施例2);
N−(3,3−ジフルオロ−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−{3,3−ジメチル−2−オキソ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル}アセトアミド(実施例3);
2−[3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソ−9−オキサ−2−アザスピロ[5.5]ウンデシ−2−イル]−N−(3,3’−ジメチル−2,5−ジオキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−5’−イル)アセトアミド(実施例4Aおよび実施例4B);
およびそれらの医薬的に許容される塩に関する。
【0035】
本発明は、CGRPが関与している疾患または障害(片頭痛など)を治療するための医薬または医薬組成物にも関し、当該医薬または医薬組成物は、式(I)または式(II)のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む。
【0036】
本発明は、CGRPが関与している疾患または障害(片頭痛など)を治療するための式(I)または式(II)のいずれかの化合物の使用にも関する。
【0037】
本発明はさらに、CGRPが関与している疾患または障害(片頭痛など)を治療するための医薬または組成物の製造法に関し、当該製造法は、式(I)または式(II)のいずれかの化合物を1種以上の医薬的に許容される担体と組み合わせることを含む。
【0038】
上記に列挙される1つ以上の構造または部分構造が、同じ記号を有する複数の置換基を列挙する場合、そのような可変要素それぞれは、同様な記号の可変要素それぞれと同一であっても異なっていてもよいことが理解されるはずである。例えば、Rは、式I中で複数回列挙されるが、式I中のRはそれぞれ独立してRに対して定義された部分構造のいずれかのもので有り得る。本発明は、各Rが所定の構造に対して同一でなければならない構造および部分構造に限定されない。構造または部分構造で複数回登場する任意の可変要素に関しても同様である。
【0039】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがってラセミ体およびラセミ混合物、単独のエナンチオマー(鏡像異性体)、ジアステレオマー混合物、ならびに個々のジアステレオマーとして生じ得る。分子の様々な置換基の性質に依存して、さらに不斉中心が存在することができる。そのような不斉中心はそれぞれ、独立して2種の光学異性体を生成することができ、混合物でのならびに純粋または一部純粋な化合物としての光学異性体およびジアステレオマーで可能なもの全てが本発明の範囲に含まれるものとする。本発明は、これらの化合物のそうした異性体形全てを包含するものとする。
【0040】
本明細書において記載される化合物のなかにはオレフィン二重結合を含有するものがあり、特に記載がない限り、それらはE幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むものとする。
【0041】
本発明は、1個以上の水素原子が重水素に置き換えられている式Iの化合物を含む。
【0042】
式(I)または式(II)のいずれかに定義される化合物の互変異性体も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト形)を含む化合物は、互変異性を起こしてヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール形)を形成する可能性がある。ケト形およびエノール形の両方が本発明の範囲内に含まれる。
【0043】
これらのジアステレオマーの個別合成またはこれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書において開示される方法論の適切な変更により、当分野で既知のとおり達成することができる。これらの完全な立体化学は、結晶生成物または結晶中間体(この中間体は、必要であれば、既知の完全配座の不斉中心を含有する試薬で誘導体化されている)のX線結晶構造解析により決定することができる。
【0044】
所望であれば、個々のエナンチオマーを単離するために、化合物のラセミ混合物を分離することができる。この分離は、当分野で既知である方法、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマーとして純粋な化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を形成し、続いて標準法(分別再結晶またはクロマトグラフィーなど)により個々のジアステレオマーを分離する方法により行うことができる。カップリング反応は、エナンチオマーとして純粋な酸または塩基を用いた塩形成であることが多い。次いで、付加したキラル残基の開裂により、ジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することができる。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法により直接分離することもでき、そうした方法は当分野で既知である。
【0045】
あるいは、化合物の任意のエナンチオマーは、立体配置が既知の光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて、当分野で既知である方法により、立体選択合成により得ることができる。
【0046】
当業者に明らかであるとおり、環構造を形成できる置換基が開示されている(例えば、RはRと環を形成できる)としても、置換基の組み合わせの全てが環形成しやすいわけではない。そのうえ、こうした置換基は、環形成し得るとしても、環構造を形成することもしないこともある。
【0047】
同じく当業者に明らかであるとおり、本明細書において用いられるとおりのハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードを含むものとする。
【0048】
本明細書において使用される場合、「アルキル」は、炭素炭素二重結合または三重結合を持たない直鎖構造および分岐鎖構造を意味するものとする。したがって、C1−6アルキルは、炭素1、2、3、4、5、または6個を直鎖または分岐鎖の配置で有する基を同定するために定義される。そのようなC1−6アルキルとして具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。CまたはCアルキルは、直接共有結合の存在を同定するために定義される。
【0049】
「シクロアルキル」は、その一部または全体で3個以上の原子の環を形成しているアルキルである。
【0050】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有する、表示した数の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の構造およびそれらの組み合わせを意味し、アルケニル中の水素はさらに炭素炭素二重結合で置換することができる。C2−6アルケニルは、例えば、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどを含む。
【0051】
本明細書において使用される場合、「アリール」は、任意の安定な単環式または二環式で、各環は上限七員までであり、少なくとも1つの環は芳香環である炭素環を意味するものとする。そのようなアリール要素の例として、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびビフェニルが挙げられる。
【0052】
「複素環」または「複素環の」という用語は、本明細書において使用される場合、特に記載がない限り、安定な五員〜七員の単環式複素環系または安定な八員〜十一員の二環式複素環系を表し、複素環系は飽和か不飽和のいずれかであって、炭素原子ならびにN、O、S、P、およびSiからなる群より選択される1〜6個の複素原子からなり、複素環系中、窒素、硫黄、およびリンの複素原子は場合により酸化されてもよく、窒素複素原子は場合により四級化されてもよく、複素環系には上記で定義される複素環のいずれかがベンゼン環と縮合した任意の二環式基が含まれる。複素環は任意の複素原子または炭素原子で結合することができ、その結果安定な構造を形成する。そのような複素環基の例として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリン、およびそれらのN−オキシド。
【0053】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において使用される場合、特に記載がない限り、安定な五員〜七員の単環式複素環系または安定な九員〜十員の縮合二環式複素環系を表し、複素環系は芳香環を含み、複素環系の任意の環は飽和(ピペリジニルなど)、部分飽和、または不飽和(ピリジニルなど)であってもよく、複素環系は炭素原子ならびにN、O、S、P、およびSiからなる群より選択される1〜6個の複素原子からなり、複素環系中、窒素、硫黄、およびリンの複素原子は場合により酸化されてもよく、窒素複素原子は場合により四級化されてもよく、複素環系には上記で定義される複素環のいずれかがベンゼン環と縮合した任意の二環式基が含まれる。複素環は任意の複素原子または炭素原子で結合することができ、その結果安定な構造を形成する。そのようなヘテロアリール基の例として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール、およびそれらのN−オキシド。
【0054】
「アルコキシ」という用語は、C−Cアルコキシの場合、直鎖、分岐鎖、および環状配置の炭素原子1〜6個のアルコキシ基を含むことを示すものとする。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0055】
「医薬的に許容される」という語句は、本明細書中、正しい医薬判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触させて用いるのに適した、理にかなった損益比に見合った、これらの化合物、材料、組成物、および/または剤形を示すのに用いられる。
【0056】
本明細書において使用される場合、「医薬的に許容される塩」は、親化合物を酸または塩基塩形成で修飾した誘導体を示す。医薬的に許容される塩の例として以下が挙げられるがこれらに限定されない:塩基性残基(アミンなど)の鉱酸または有機酸塩;酸性残基(カルボン酸など)のアルカリ塩または有機塩など。医薬的に許容される塩は、親化合物が、例えば、非毒性の無機酸または有機酸と形成した従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩として、以下が挙げられる:無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など)に由来するもの;および有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸など)から調製される塩など。
【0057】
ある例に存在する特定の可変要素の数字は、存在する炭素数に関して定義される。例えば、可変要素「p」は、以下のとおり定義されることがある:「q個の炭素を有する置換基について、pは0〜2q+1である」。置換基が「(F)1−3アルキル」である場合、これは、炭素が1個あるならば、フッ素は上限2(1)+1=3個まで存在することを意味する。炭素が2個あるならば、フッ素は上限2(2)+1=5個まで存在し、炭素が3個あるならば、フッ素は上限2(3)+1=7個まで存在する。
【0058】
本発明の化合物が塩基性の場合、塩は、無機酸および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸で調製することができる。そのような酸として、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸(粘液酸)、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの態様において、塩はクエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸のものである。本明細書において使用される場合、式Iの化合物に対する記述は医薬的に許容される塩も含むものとすることが理解されるだろう。
【0059】
本化合物は、CGRP受容体の拮抗作用を必要としている哺乳類などの患者におけるそのような拮抗方法に有用であり、当該方法は本化合物を有効量で投与することを含む。本発明は、本明細書において開示される化合物のCGRP受容体アンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトの他にも、様々な哺乳類を本発明の方法に従って治療することができる。
【0060】
本発明の別の実施形態は、患者においてCGRP受容体が関与する疾患または障害の危険性を治療、制御、寛解、または減少する方法に関し、当該方法は、患者にCGRP受容体アンタゴニストである化合物を治療上有効量で投与することを含む。
【0061】
本発明はさらに、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体活性への拮抗用医薬の製造法に関し、当該方法は本発明の化合物を薬学的担体または希釈剤と組み合わせることを含む。
【0062】
本発明の方法で治療される対象は、一般に、哺乳類、例えば、ヒトで、CGRP受容体活性の拮抗作用が望まれる男性または女性である。「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、またはその他臨床医によって探索される、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医薬的反応を惹起するであろう本化合物の量を意味する。本明細書において使用される場合、「治療」という用語は、特にそのような疾患または障害の素因を有する患者での、言及の症状の治療および予防または予防的治療の両方を示す。
【0063】
「組成物」という用語は、本明細書において使用される場合、指定の成分を指定の量で含む生成物、ならびに指定の成分の指定の量での組み合わせから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。そのような用語は、医薬組成物に関連して、活性成分、および担体となる不活性成分を含む生成物、ならびに任意の2種以上の成分の組み合わせ、複合化、もしくは会合から、または1種以上の成分の乖離から、または1種以上の成分のその他の種類の反応または相互作用から、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することにより作られる任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」により、担体、希釈剤、または賦形剤が配合物のその他の成分と適合性を持たなければならず、投与される対象(recipient)に有害ではないことを意味する。
【0064】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで所望の化合物に直ちに変換され得る、本発明の化合物の機能性誘導体であるだろう。したがって、本発明の治療法において、化合物「の投与」または化合物「を投与する」という用語は、具体的に開示される化合物で、または具体的に開示されていないかもしれないが患者への投与後にインビボで指定の化合物に変換する化合物で、記載される様々な症状を治療することを包含するものとする。適したプロドラッグ誘導体の選択および調製の従来手順は、例えば、「Design of Prodrugs」ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載される。これらの化合物の代謝産物は、本発明の化合物を生物学的環境に導入した際に産生される活性種を含む。
【0065】
本発明の化合物は、そのCGRPアンタゴニストとして作用する能力により、ヒトおよび動物において、特にはヒトにおいて、CGRPが関与する障害の薬理学的作用剤として有用である。
【0066】
本発明の化合物は、以下の症状または疾患1つ以上の危険性を治療、予防、寛解、制御、または減少させるのに有用である:頭痛;片頭痛;群発頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経原性炎症および炎症痛;神経因性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気管支過敏症、喘息;ショック;敗血症;アヘン禁断症状;モルヒネ耐性;男性および女性でののぼせ;アレルギー性皮膚炎;乾癬;脳炎;頭部外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚疾患;神経原性皮膚発赤、皮膚の赤み(skin rosaceousness)、および紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRP受容体の拮抗作用により治療または予防できるその他の症状。特に重要なものは、片頭痛および群発頭痛をはじめとする頭痛の迅速なまたは予防的治療である。
【0067】
本化合物はさらに、本明細書において記載される疾患、障害、および症状の危険性の予防、治療、制御、寛解、または減少法に有用である。
【0068】
本化合物はさらに、他の作用剤と組み合わせて、上記疾患、障害、および症状の危険性の予防、治療、制御、寛解、または減少法に有用である。
【0069】
本発明の化合物は、式(I)または(II)のいずれかの化合物またはその他の薬物が有用となり得る疾患または症状の危険性の治療、予防、制御、寛解、または減少において、1種以上の他の薬物と組み合わせて用いることができ、薬物を1つに組み合わせることで、各薬物単独の場合よりも安全であるかより有効である。そのような他の薬物は、通常それに対して用いられる経路および量で、式(I)または(II)のいずれかの化合物と同時にまたは順次に投与することができる。式(I)または(II)のいずれかの化合物が1種以上の他の薬物と同時に用いられる場合、そのような他の薬物と式(I)または(II)のいずれかの化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用療法は、式(I)または(II)のいずれかの化合物と1種以上の他の薬物が、重なっているが異なるスケジュールで投与される治療も含むことができる。1種以上の他の活性成分と組み合わせて用いられる場合、本発明の化合物と他の活性成分は、それぞれが単独で用いられる場合よりも少ない用量で用いることができることも考えられる。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)または(II)のいずれかの化合物の他に1種以上の他の活性成分を含有するものを含む。
【0070】
例えば、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:片頭痛薬(エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミンなど)、または他のセロトニンアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、およびリザトリプタン)、5−HT1Dアゴニスト(PNU−142633など)、および5−HT1Fアゴニスト(LY334370など);選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症剤またはサイトカイン抑制抗炎症剤(例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、またはスルファサラジンなどの化合物と);または糖質コルチコイド。同様に、本化合物は、鎮痛剤(アスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メサドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィン、またはモルヒネなど)とともに投与できる。
【0071】
さらに、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:インターロイキン阻害剤(インターロイキン−1阻害剤など);NK−1受容体アンタゴニスト(例えば、アプレピタント);NMDAアンタゴニスト;NR2Bアンタゴニスト;ブラジキニン−1受容体アンタゴニスト;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャンネル遮断薬(例えば、ラモトリギン);アヘンアゴニスト(酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジルなど);リポキシゲナーゼ阻害剤(5−リポキシゲナーゼ阻害剤など);α受容体アンタゴニスト(例えば、インドラミン);α受容体アゴニスト;バニロイド受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;P物質アンタゴニスト;エンドセリンアンタゴニスト;ノルエピネフリン前駆体;抗不安剤(ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、およびクロラゼプ酸(chlorazepate)など);セロトニン5HT受容体アンタゴニスト;オピオイド(opiod)アゴニスト(コデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェン、およびフェンタニル(febtanyl)など);mGluR5アゴニスト、アンタゴニスト、または増強剤;GABA A受容体修飾薬(例えば、アカンプロセートカルシウムなど);ニコチンをはじめとするニコチンアンタゴニストまたはアゴニスト;ムスカリンアゴニストまたはアンタゴニスト;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラム、またはシタロプラムなど);抗鬱薬(例えば、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、またはイミプラミンなど);ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカストまたはザフィルルカストなど);一酸化窒素の阻害剤または一酸化窒素合成の阻害剤。
【0072】
同じく、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:ギャップ結合阻害剤;ニューロンのカルシウムチャンネル遮断薬(neuronal calcium channel blocker)(シバミド(civaminde)など);AMPA/KAアンタゴニスト(LY293558など);σ受容体アゴニスト;およびビタミンB2。
【0073】
同じく、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン以外の麦角アルカロイド(例えば、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチン、またはメチセルギドなど)。
【0074】
さらに、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:β−アドレナリン遮断薬(チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロール、またはナドロールなど);MAO阻害剤(例えば、フェネルジン);カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソルジピン(nisolipine)、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、またはプロクロルペラジンなど);神経遮断薬(オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、およびクエチアピンなど);抗痙攣薬(トピラマート、ゾニサミド、トナベルサト(tonabersat)、カラベルサト(carabersat)、レベチラセタム、ラモトリギン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリン、またはジバルプロエクスナトリウムなど);降圧薬、例えばアンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルチン(irbesartin)、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、およびカンデサルタンシレキセチルなど)、アンジオテンシンIアンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルなど);またはA型またはB型ボツリヌス毒素。
【0075】
本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:増強剤(カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウム、または水酸化マグネシウムなど);うっ血除去薬(オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボデゾキシエフェドリン(levo−desoxy−ephedrine)など);鎮咳薬(カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファンなど);利尿薬;消化管運動改善薬(メトクロプラミドまたはドンペリドンなど);鎮静型または非鎮静型抗ヒスタミン薬(アクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、またはプソイドエフェドリンなど)。本化合物は制吐薬と組み合わせて用いることもできる。
【0076】
特に好適な実施形態において、本化合物は、以下と組み合わせて用いることができる:片頭痛薬(エルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミンなど);5−HTアゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト、詳細には、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタン、およびリザトリプタン、およびその他のセロトニンアゴニスト;ならびにシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、詳細にはロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはパラコキシブ。
【0077】
上記の組み合わせは、本発明の化合物と1種の他の活性化合物の組み合わせだけではなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせも含む。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用な疾患または症状の危険性の予防、治療、制御、寛解、または減少に用いられる他の薬物と組み合わせて用いることができる。そのような他の薬物は、通常それに対して用いられる経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは順次に投与することができる。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に用いられる場合、本発明の化合物の他にそのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の他に1種以上の他の活性成分も含有するものを含む。
【0078】
本発明の化合物対その他の活性成分の重量比は、様々で有り得、個々の成分の有効量に依存する。一般に、それぞれが有効量で用いられることとなる。したがって、例えば、本発明の化合物を別の作用剤と組み合わせる場合、本発明の化合物対その他の作用剤の重量比は、一般に、約1000:1〜約1:1000、または約200:1〜約1:200の範囲であるだろう。本発明の化合物と他の活性成分(複数)の組み合わせも一般に上記の範囲内になるだろうが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分が有効量で用いられるはずである。
【0079】
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物と他の活性剤は、別々に、またはまとめて、投与することができる。また、1つの要素の投与は他の要素の投与の前、同時、または後に続くものが可能であり、同じ、または異なる投与経路を介することができる。
【0080】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは輸液、皮下注射、または移植)、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸、舌下、または外用の投与経路により投与することができ、各投与経路に適切な従来の非毒性の医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する適した投薬単位配合物中に、単独または一緒になって配合することができる。温血動物の治療の他に、本発明の化合物はヒトでの使用にも有効である。
【0081】
本発明の化合物の投与用医薬組成物は、好ましくは投薬単位中に存在することができ、薬学の当分野で既知である方法のいずれかにより調製することができる。方法は全て、活性成分を1種以上のアクセサリー成分を構成する担体と結びつける工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体または微細化固体担体またはその両方と均一および密接に結びつけ、次いで必要であれば、生成物を所望の配合物に成形することにより調製される。医薬組成物において、活性化合物は、疾患の過程または症状に所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。本明細書において使用される場合、「組成物」という用語は、指定の成分を指定の量で含む生成物、ならびに指定の成分の指定の量の組み合わせから、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0082】
活性成分を含有する医薬組成物は、経口用に適した形(例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、水和剤もしくは顆粒、乳濁液、溶液、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップもしくはエリキシル剤)であることが可能である。経口用組成物は、医薬組成物の製造の当分野で既知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された口に合う製剤を提供する目的で、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される1種以上の作用剤を含むことができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の医薬的に許容される賦形剤と混合して含有する。こうした賦形剤として、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど);顆粒化剤および崩壊剤(例えば、コーンデンプン、またはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、またはアカシアガム);および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)が可能である。錠剤は被覆されていなくてもよいが、既知の技法で被覆することで胃腸管での消化吸収を遅らせてそれにより長期にわたる作用の持続をもたらすこともできる。例えば、時間遅延材料(モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなど)を用いることができる。錠剤は、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号、および同第4,265,874号に記載される技法で被覆して放出制御を目的とする浸透治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、即時放出されるように配合することもできる(迅速溶融(fast melt)錠剤またはウェハ、急速溶解(rapid dissolve)錠剤、または迅速溶解(fast dissolve)フィルムなど)。
【0083】
経口用配合物は、活性成分を不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンなど)と混合した硬ゼラチンカプセル剤として、または活性成分を水または油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油など)と混合した軟ゼラチンカプセル剤としても存在することができる。
【0084】
水性懸濁液は、活性材料を水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムなど);分散または湿潤剤、これは天然のホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸とヘキシトールに由来する部分エステルの縮合物(ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなど)、またはエチレンオキシドと脂肪酸とヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアート)が可能である。水性懸濁液は、1種以上の保存料(例えば、エチル、またはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾアート)、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤、および1種以上の甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)も含有することができる。
【0085】
油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油など)または鉱物油(流動パラフィンなど)に懸濁させることにより配合することができる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、ミツロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコールなど)を含有できる。上記に記載されるような甘味剤、および香味剤を添加して口に合う経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、抗酸化剤(アスコルビン酸など)の添加により保存することができる。
【0086】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した水和剤および顆粒は、活性成分を分散または湿潤剤、懸濁剤、および1種以上の保存料と混合して提供する。適した分散または湿潤剤および懸濁剤は、すでに上記に記載されている。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤も、存在することができる。
【0087】
本発明の医薬組成物は、水中油乳濁液の形であることもできる。油相は、植物油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)、または鉱物油(例えば、流動パラフィン)、またはそれらの混合物が可能である。適した乳化剤は、天然のガム(例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム)、天然のホスファチド(例えば、大豆、レシチン)、および脂肪酸とヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート)、およびこの部分エステルとエチレンオキシドの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)が可能である。乳濁液は、甘味剤および香味剤も含有することができる。
【0088】
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロース)を用いて配合することができる。そのような配合物は、粘滑薬、保存料、香味剤、および着色剤も含有することができる。
【0089】
医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性(oleagenous)懸濁液の形であることができる。この懸濁液は、上記で記載した、適したこれらの分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて当分野にしたがって配合することができる。滅菌注射製剤は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒による滅菌注射液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)であることもできる。許容可能なビヒクルおよび溶媒のうち、用いることができるものは、水、リンガー溶液、および等張食塩水である。また、滅菌不揮発性油が、溶媒または分散媒として従来から用いられている。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドをはじめとする任意の非刺激性不揮発油を用いることができる。また、脂肪酸(オレイン酸など)を注射液の調製に用いることができる。
【0090】
本発明の化合物は、薬物の直腸投与用坐剤の形で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸で溶融して薬物を放出するのに適した無刺激の賦形剤と混合することにより調製することができる。そのような材料は、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0091】
局所使用では、本発明の化合物を含有する、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液などが用いられる。同様に、局所投与のため経皮パッチも用いることができる。
【0092】
本発明の医薬組成物および方法はさらに、上記の病状の治療に通常用いられる、本明細書において記載されるとおりのその他の治療活性化合物を含むことができる。
【0093】
CGRP受容体活性の拮抗作用を必要とする症状の危険性の治療、予防、制御、寛解、または減少において、適切な投薬レベルは、一般に一日あたり患者の体重1kgあたり約0.01〜500mgとなるだろう。この量は単独または複数回の用量で投与することができる。適した投薬レベルは、一日あたり約0.01〜250mg/kg、一日あたり約0.05〜100mg/kg、または一日あたり約0.1〜50mg/kgが可能である。この範囲内で、投薬量は一日あたり0.05〜0.5、0.5〜5、または5〜50mg/kgが可能である。経口投与については、治療すべき患者に対し症候に合わせて投薬を調節するため、組成物は、活性成分1.0〜1000ミリグラム、特に活性成分1.0、5.0、10.0、15.0.20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムを含有する錠剤の形で提供することができる。化合物は一日あたり1〜4回のレジメンで投与されてもよく、一日あたり1回または2回投与されてもよい。
【0094】
頭痛、片頭痛、群発頭痛、または本発明の化合物が示唆される他の疾患の危険性を治療、予防、制御、寛解、または減少させる場合、一般的に満足のいく結果は、一日量を1回で、または一日あたり2回〜6回に分割した用量で、または放出持続型として、本発明の化合物を動物の体重1キログラムあたり約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムの一日量で投与すると得られる。最も大きな哺乳類については、合計一日投薬量は約1.0ミリグラム〜約1000ミリグラム、または約1ミリグラム〜約50ミリグラムである。70kgの成人のヒトの場合、合計一日量は、一般に約7ミリグラム〜約350ミリグラムとなるだろう。この投薬レジメンは、最適な治療反応を提供するために調整することができる。
【0095】
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルおよび投薬頻度は様々であり、用いる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与様式および時間、排出速度、薬物組み合わせ、特定の症状の重篤度、および治療を受ける対象主(host)を含む様々な要因に依存するだろうということが理解されるだろう。
【0096】
反応スキーム
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質、試薬、および従来の合成手順を用いて、以下のスキームおよび具体例に従って容易に調製することができる。これらの反応において、当業者に既知であるが詳細には記載されていない改変形態を使用することも可能である。本発明で請求される化合物を作る一般手順は、以下のスキームを見ることで当業者に容易に理解され得るとともに明らかにできる。
【0097】
異なる保護基戦略、先例が十分ある方法論の応用、ならびに上記スキームに記載されるもの以外の出発物質および試薬の使用を含む、これらの経路の簡単な修飾を用いて、他の中間体および請求の化合物を提供することができる。
【0098】
場合によっては、最終生成物を、例えば置換基の操作により、さらに修飾することができる。こうした操作として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:還元、酸化、アルキル化、アシル化、および加水分解反応、これらは一般に当業者に既知である。
【0099】
場合によっては、上記反応スキームを実行する順序は、反応を促進するため、または望ましくない反応生成物を回避するため、改変することができる。
【0100】
本発明がより十分に理解できるように以下の実施例を提供する。これらの実施例は、例示にすぎず、いかなる方法でも本発明を制限するものと判断されるべきではない。
【0101】
スキーム1
【化4】

【0102】
スキーム1は、カルボン酸AをアミンBとカップリングしてアミドCとすることによる、本発明の化合物の合成の一般的戦略を示す。この反応では、標準的なカップリング条件(EDCおよびHOBT、塩基としてDIEA、および溶媒としてDMFを用いる、など)を、首尾よく用いることができる。他の標準的なカップリング条件をそのようなアミドの合成に用いることができ、そのような他の条件として、代替カップリング試薬(BOP、HATU、またはPyCLUなど)の使用、またはカルボン酸を酸無水物または酸クロリドとして活性化することが挙げられる。場合によっては、有機合成の当業者に馴染みのある様々な保護基戦略を用いて特定の本発明の化合物の調製を可能にすることができる。
【0103】
本発明の化合物を作るのに用いられる酸Aのほとんどは容易に入手可能である。これらの酸Aは、市販品を得ることも可能であるし、当業者に馴染みのある方法により化学文献に記載されるとおりに合成することもできる。目的の酸Aの多くは、Wood et al,US2007/0265225にも記載されている。
【0104】
本発明の化合物を作るのに用いられるアミンBは、容易に入手可能な出発物質、試薬、および従来の合成手順を用いて、以下のスキームおよび具体例またはその修飾物に従って容易に調製することができる。
【0105】
スキーム2
【化5】

【0106】
スキーム2に示すとおり、イサチン類似体1(Kagi(1941)HeIv.Chim,Acta 24,141Eに記載されるとおりに調製)をジオール2と縮合してスピロベンゾジオキセピン3とすることができる。標準的なパラジウム触媒条件下、3のニトロ基を還元してアミン4を得、アミン4を、上記の条件下、酸Aとカップリングして本発明の化合物とすることができる。さらに、有機合成の当業者に既知である方法および化学文献に記載される方法を用いて、他のジオール、ジチオール、または混合ヒドロキシチオールを調製し、他の適した1のようなケト誘導体と縮合して、本発明に記載される化合物の調製に用いるための3のような関連スピロ複素環中間体とすることができる。
【0107】
スキーム3
【化6】

【0108】
ベンゾフラノン5をクロロギ酸エチルおよび3−フルオロ−2−ニトロピリジンと連続して縮合してアザオキシインドール前駆体7を得る(スキーム3)。穏やかな還元条件下でアザオキシインドール8を生成させ、例えば、Wolfe et al(1997)Tetrahedron Lett.38,6367に記載されるとおりの標準Buchwald法を用いてアミン官能基を導入する。酸性メタノール中、水素50psi下でPearlman’s触媒を用いて、9のケトンを還元しアミン10とする。さらに、従来の合成手順(還元またはフッ素化などがあるがこれらに限定されない)を用いて、ケトン8または9をさらに誘導体化し、本発明に記載される化合物の調製に用いるためのさらなる中間体とすることができる。そのような誘導体を調製するために、様々な保護基戦略またはスキームの他の修飾物が必要になり得るが、そうした修飾物は当業者に既知であるだろう。
【0109】
スキーム4
【化7】

【0110】
スキーム4に示すとおり、ブロモメチルニトロ塩化ベンゾイル11(例えば、R=Hについて、Pifferi et al.(1966)Tetrahedron 22,2107を参照)を中間体12(アザオキシインドールについてWood et al.US2007/0265225など)と縮合しケトン13とする。DASTで処理して、ジフルオロ誘導体14を得、これのニトロ基の還元によりアミン15を得る。さらに、ケトン中間体13をさらに他の中間体(アルコールまたはチオンが挙げられるがこれらに限定されない)に変換することができ、この中間体は本発明に記載される化合物の調製に用いることができる。様々な保護基戦略およびスキーム中の工程の他の修飾物を用いることができ、そうした修飾物は当業者に既知であるだろう。
【0111】
スキーム5
【化8】

【0112】
スキーム6に示すとおり標準Bucherer−Bergs法を用いて、ケトン16(例えば、1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オン)をヒダントイン17に変換する。ニトロ化および還元によりアミン19を得、これを本発明の化合物の調製に用いることができる。様々な保護基戦略およびスキーム中の他の修飾物を用いることができ、そうした修飾物は当業者に既知であるだろう。
【0113】
これらのスキームに示される方法論は、本発明の範囲を制限することを意味せず、代表的な例示物および中間体を示すにすぎない。適切に置換された出発物質を用いることにより、または当分野で既知の方法により任意の中間体および/または最終生成物を所望のとおりに誘導体化することにより、様々な置換基を有する関連する中間体および例示物を調製することができる。他の方法論(分別再結晶またはジアステレオマー塩など)によりラセミ体分割を行うことができ、分割は他の合成中間体で、または最終生成物で行うことができる。あるいは、重要な中間体の不斉合成を用いてエナンチオマーの一方が増えた最終生成物を得ることができる。
【0114】
場合によっては、例えば、置換基の操作により、最終生成物をさらに修飾することができる。こうした操作として、還元、酸化、アルキル化、アシル化、および加水分解反応が挙げられるがこれらに限定されず、これらは一般に当業者に既知である。そのうえ、場合によっては、上記反応スキームを実行する順序は、反応を促進するため、または望ましくない反応生成物を回避するため、改変することができる。
【0115】
中間体および実施例
本発明がより十分に理解できるように以下の実施例を提供する。これらの実施例は、例示にすぎず、いかなる方法でも本発明を制限するものと判断されるべきではない。
【0116】
中間体1
【化9】

【0117】
7−アミノ−1,5−ジヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程A.1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,3−ジオン
Kagi(1941)HeIv.Chim.Acta 24,141Eに記載の手順に従って、7−アザオキシインドール(Marfat et al.(1987)Tetrahedron Lett.28,4027)を表題化合物に変換する。
【0118】
工程B.7−ニトロ−1,5−ジヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程Aからの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,3−ジオン(1.48g、10mmol)、(4−ニトロ−1,2−フェニレン)ジメタノール(1.83g、10mmol)[Wood et al.US2007/0265225]、およびp−トルエンスルホン酸(0.1当量)をトルエン(15mL)に加えた混合物を、水を共沸除去(ディーンスターク装置)しながら加熱還流する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcと飽和NaHCO水溶液で分配する。層を分離し、有機層をブラインで洗い、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して表題化合物を得る。
【0119】
工程C.7−アミノ−1,5−ジヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
上記工程Bからの7−ニトロ−1,5−ジヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(1.55g、5mmol)および10%パラジウム担持炭素(75mg)をMeOH(10mL)に加えた混合物を、水素雰囲気下で18時間撹拌する。混合物をセライトパッドでろ過し、ろ液を減圧濃縮して表題化合物を得る。
【0120】
中間体2
【化10】

【0121】
5−アミノ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程A.エチル5−ブロモ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−カルボキシラート
5−ブロモ−1−ベンゾフラン−3(2H)−オン(2.13g、10mmol)のアセトン(25mL)溶液に、炭酸カリウム(1.66g、12mmol)を加える。混合物を撹拌しながら、これにクロロギ酸エチル(1.05mL、11mmol)を滴下して処理する。次いで混合物を18時間還流する。固体をろ別し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をEtOAcと飽和NaHCO水溶液で分配する。層を分離し、有機層を、ブラインで洗い、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAcで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【0122】
工程B.エチル5−ブロモ−2−(2−ニトロピリジン−3−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−カルボキシラート
工程Aからのエチル5−ブロモ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−カルボキシラート(1.42g、5.0mmol)、2−ニトロ−3−フルオロピリジン(0.71g、5mmol)、および炭酸カリウム(0.83g、6.0mmol)をDMSO(15mL)に加えた混合物を、18時間85〜90℃に加熱する。混合物を室温に冷却し、EtOAcとブラインで分配する。層を分離し、水層をさらにEtOAcで抽出する。有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAcで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【0123】
工程C.5−ブロモ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン
工程Bからのエチル5−ブロモ−2−(2−ニトロピリジン−3−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−カルボキシラート(305mg、0.75mmol)を酢酸(2mL)に溶解する。鉄粉(0.21g、3.8mmol)を加え、混合物を1時間100℃に加熱する。酢酸を減圧除去し、残渣をEtOAcに取る。固体をろ別し、ろ液を1NのHCl(×3)およびブラインで洗う。有機層を脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮して表題化合物を得る。
【0124】
工程D.5−アミノ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン
Wolfe et al.(1997)Tetrahedron Lett.38,6367に記載される方法を適用して、表題化合物を以下のとおり調製する:乾燥フラスコにPd(dba)(1mg、0.001mmol)およびBINAP(2mg、0.003mmol)を入れ、アルゴンパージして、これに工程Cからの5−ブロモ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン(0.33g、1.0mmol)を加える。ベンゾフェノンイミン(0.217g、1.2mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.134g、1.4mmol)、およびトルエン(4mL)を加え、混合物を80℃に加熱し、LCMS分析でそれ以上変換が観測されなくなるまで加熱を続ける。次いで、混合物を室温に冷却し、エーテル(40mL)で希釈し、ろ過し、減圧濃縮する。粗イミン付加物をTHF(3mL)に取り、2NのHCl水溶液(0.15mL)で処理する。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで0.5NのHClと2:1ヘキサン−EtOAcで分配する。層を分離し、水層に固体NaHCOを注意しながら加えてアルカリ性にする。混合物をCHClで抽出し、有機抽出物を脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜10%のMeOH−CHClで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【0125】
工程E.5−アミノ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程Dからの5−アミノ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’,3(1’H)−ジオン(0.534g、2.0mmol)、メタンスルホン酸(0.142mL、2.2mmol)、および20%水酸化パラジウム担持炭素(50%水湿潤品、140mg)をMeOH(4mL)に加えた混合物を、水素雰囲気(50psi)下で数時間撹拌する。次いで、反応液をセライトパッドでろ過し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をCHClと飽和NaHCO水溶液で分配する。層を分離し、水層をさらにCHCl(×2)で抽出する。有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮して表題化合物を得る。
【0126】
中間体3
【化11】

【0127】
6−アミノ−1,1−ジフルオロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程A.6−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}スピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1,2’(1’H,3H)−ジオン
1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(2.64g、10mmol)[Wood et al.US2007/0265225]のTHF(75mL)溶液を室温で撹拌しながら、これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.64mL、22mmol)を加える。混合物を撹拌しながら、これに2−(ブロモメチル)−5−ニトロベンゾイルクロリド(3.06g、11mmol)[Pifferi et al.(1966)Tetrahedron 22,2107]のTHF(75mL)溶液を滴下して処理し、混合物を室温で18時間撹拌する。次いで、混合物をEtOAcと飽和NaHCO水溶液で分配する。層を分離し、水層をさらにEtOAcで抽出する。有機抽出物を1つにまとめ、ブラインで洗い、脱水し(NaSO)、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAcで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【0128】
工程B.1,1−ジフルオロ−6−ニトロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程Aからの6−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}スピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1,2’(1’H,3H)−ジオン(0.85g、2.0mmol)のCHCl(10mL)溶液を0℃に冷却し、DAST(0.80mL、6.5mmol)で処理する。次いで、混合物を室温まで昇温させ、次いで18時間穏やかに還流する。次いで、混合物を冷却し、氷冷した飽和NaHCO水溶液を激しく撹拌しながらこれに混合物を注意して滴下する。クエンチが完了したら(混合物のpHは約8)、層を分離し、水層をさらにCHClで抽出する。有機抽出物を1つにまとめ、減圧濃縮し、残渣をMeOH(20mL)に取り、10NのNaOH水溶液を加えてアルカリ性(pH10)にし、エチレンジアミン(0.14mL、2.0mmol)で処理する。30分撹拌後、溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcに取る。酢酸を滴下してpHを約6に調整し、次いで混合物をブラインで洗う。水層をさらにEtOAcで抽出し、有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0〜10%MeOHを含むCHClで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【0129】
工程C.6−アミノ−1,1−ジフルオロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
工程Bからの1,1−ジフルオロ−6−ニトロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3’−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(320mg、1.0mmol)および10%パラジウム担持炭素(20mg)をMeOH(5mL)に加えた混合物を、水素雰囲気下で18時間撹拌する。混合物をセライトパッドでろ過し、ろ液を減圧濃縮して表題化合物を得る。
【0130】
中間体4A&4B
【化12】

【0131】
6’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(中間体4A)および5’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(中間体4B)
工程A.1−(1H−インデン−2−イル)ピロリジン
2−インダノン(2.0g、15.1mmol)とピロリジン(1.6mL、19.7mmol)を無水トルエン(61mL)に加えた混合物を、窒素下で水を共沸除去(ディーンスターク装置)しながら2時間還流した。次いで、混合物を冷却し、減圧濃縮して褐色固体として表題化合物を得、これを高真空下で一晩さらに乾燥させた。MS:m/z=186.2(M+1)。
【0132】
工程B.1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オン
上記工程からの1−(1H−インデン−2−イル)ピロリジン(1.00g、5.40mmol)の無水2−メチルテトラヒドロフラン(13.3mL)溶液を−55℃に冷却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液、4.0mL、6.4mmol)を滴下して処理した。次いで混合物を−55℃で15分間撹拌した。ヨードメタン(0.4mL、6.3mmol)を加えて5分間撹拌後、混合物に1NのHCl(6.7mL)を加えてクエンチした。溶媒を減圧除去し、水(17mL)を加え、混合物を10分間還流した。次いで、混合物を室温に冷却し、エーテルで抽出した。有機層をブラインで洗い、水層を1つにまとめて、NaClを加えて飽和させ、さらにエーテルで2回抽出した。有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して暗色油状物とし、これを1:1のTFAとCHCl混合物(5mL)で5分間処理した。混合物を濃縮し、残渣を、逆相分取HPLCにかけ、90:10から0:100へのA:Bの勾配(A=0.1%TFAを含むHOおよびB=0.1%TFAを含むCHCN)で溶出させて精製した。生成物を含む画分を1つにまとめ、濃縮して水性残渣を得、これにNaClを加えて飽和させ、EtOAc(×3)で抽出した。有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して油状物として表題化合物を得た。MS:m/z=147.1(M+1)。
【0133】
工程C.1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン
上記のとおり調製した1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オン(260mg、1.78mmol)、シアン化ナトリウム(261mg、5.34mmol)、および炭酸アンモニウム(1.71g、17.8mmol)をエタノール(4.5mL)および水(4.5mL)に加えた混合物を、70℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、固体をろ別した。ろ液にNaClを加えて飽和させ、EtOAcで抽出した。飽和と抽出のサイクルをさらに2回繰り返し、有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して緑色膜状物を得た。逆相分取HPLC(C18カラム)を用い、95:5から10:90へのA:Bの勾配(A=0.1%TFAを含むHOおよびB=0.1%TFAを含むCHCN)で溶出させて精製し、生成物を同一質量の2つのピークに分離した:先に溶出するピーク(5分のLCMS勾配でRT=1.37分)はMS:m/z217.1(M+1)を示した;後から溶出するピーク(5分のLCMS勾配でRT=1.43分)はMS:m/z217.1(M+1)を示した。2つの生成物ピークを濃縮して、表題化合物の異性体の2組を固体として得た。
【0134】
工程D.1’,3−ジメチル−6’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンおよび1’,3−ジメチル−5’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン
上記工程Cからの1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンの異性体の先に溶出する組(21mg、0.1mmol)を濃硝酸(1mL)に溶解し、溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を砕いた氷に注ぎ、EtOAcで抽出した。水層にNaClを加えて飽和させ、再びEtOAcで抽出し、有機抽出物を1つにまとめ、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して表題化合物を固体として得た(位置異性体および立体異性体の混合物)。MS:m/z=262.1(M+1)。工程Cからの異性体の後から溶出する組(46mg、0.21mmol)を濃硝酸(1mL)で同様に処理して表題化合物の異性体の2つ目の組とした。これも固体であった。MS:m/z=262.1(M+1)。
【0135】
工程E.6’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンおよび5’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン
上記工程Dで生成した1’,3−ジメチル−6’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンと1’,3−ジメチル−5’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンの異性体の最初の混合物(27mg、0.10mmol)を1:1のEtOAc:MeOH(3mL)および1MのHCl水溶液(0.21mL)に溶解した。10%パラジウム担持炭素(6mg)を加え、混合物を、水素雰囲気(風船)下、室温で1時間撹拌した。次いで混合物をセライトでろ過し、フィルターケーキをMeOHで十分に洗い、ろ液を濃縮して表題化合物の混合物を塩酸塩として得た。これは減圧乾燥により固化した。MS:m/z=232.2(M+1)。上記工程Dからの異性体の2つ目の組(75mg、0.29mmol)を同様な水素化条件で処理して、表題化合物の残りの異性体を塩酸塩として得た。これも減圧乾燥により固化した。MS:m/z=232.1(M+1)。
【実施例1】
【0136】
【化13】

【0137】
2−(10−オキソ−8−フェニル−6,9−ジアザスピロ[4.5]デシ−9−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,5−テトラヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−イル)アセトアミド
(10−オキソ−8−フェニル−6,9−ジアザスピロ[4.5]デシ−9−イル)酢酸塩酸塩(168mg、0.55mmol)[Wood et al.US2007/0265225]、7−アミノ−1,5−ジヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(中間体1、142mg、0.50mmol)、HOBT(84mg、0.55mmol)、およびEDC(105mg、0.55mmol)をDMF(5mL)に加えた混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加えてpH8に調整する。混合物を室温で18時間撹拌し、次いでCHClと飽和NaHCO水溶液で分配する。層を分離し、水層をさらにCHClで抽出し、有機抽出物を1つにまとめ、ブラインで洗い、脱水し(NaSO)、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜10%MeOHを含むCHClで勾配溶出)で精製して表題化合物を得る。
【実施例2】
【0138】
【化14】

【0139】
N−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−(3−オキソ−2,3,9,9a−テトラヒドロインデノ[2,1−b][1,4]オキサジン−4(4aH)−イル)アセトアミド
(3−オキソ−2,3,9,9a−テトラヒドロインデノ[2,1−b][1,4]オキサジン−4(4aH)−イル)酢酸(75mg、0.30mmol)[Wood et al.US2007/0265225]、5−アミノ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(中間体2、80mg、0.30mmol)、BOP試薬(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)[トリス(ジメチルアミノ)]−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート)(133mg、0.30mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.050mL、0.30mmol)をDMF(3mL)に加えた混合物を室温で18時間撹拌する。次いで、反応液を、逆相Cl8カラムを用いHO:CHCN:CFCOHの90:10:0.1から5:95:0.1への勾配で溶出させて、HPLCにより直接精製する。純粋な、生成物含有画分を1つにまとめて凍結乾燥して表題化合物を得る。
【実施例3】
【0140】
【化15】

【0141】
N−(3,3−ジフルオロ−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−{3,3−ジメチル−2−オキソ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル}アセトアミド
{3,3−ジメチル−2−オキソ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル}酢酸(132mg、0.40mmol)[Wood et al.US2007/0265225]、6−アミノ−1,1−ジフルオロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(中間体3、145mg、0.50mmol)、PyCLU(1−[クロロ(ピロリジン−1−イル)メチレン]ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート)(266mg、0.80mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、2mmol)をTHF(4mL)に加えた混合物を室温で18時間撹拌する。次いで、反応液を、逆相C18カラムを用いHO:CHCN:CFCOHの90:10:0.1から5:95:0.1への勾配で溶出させて、HPLCにより直接精製する。純粋な、生成物含有画分を1つにまとめて凍結乾燥して表題化合物を得る。
[実施例4Aおよび4B]
【0142】
【化16】

【0143】
2−[3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソ−9−オキサ−2−アザスピロ[5.5]ウンデシ−2−イル]−N−(3,3’−ジメチル−2,5−ジオキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−5’−イル)アセトアミド
6’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンと5’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(上記のとおりの1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンの異性体の先に溶出する組に由来する中間体4Aおよび4B、26mg、0.10mmol)を無水DMF(0.5mL)に加えた混合物を、[3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソ−9−オキサ−2−アザスピロ[5.5]ウンデシ−2−イル]酢酸(46mg、0.14mmol)[Wood et al.US2007/0265225]の無水DMF(0.6mL)溶液、HATU(44mg、0.12mmol)、およびN−メチルモルホリン(0.06mL、0.54mmol)で順次処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで逆相C18カラムを用いHC:CHCN:CFCOHの90:10:0.1から5:95:0.1への勾配で溶出させて、HPLCにより直接精製した。純粋な、生成物含有画分を1つにまとめ、濃縮して表題化合物を得た。HRMS(ESI):(C2930+H)に対する計算値553.2257;実測値553.2264。ヒトCGRP組換え受容体結合アッセイK=5nM。
【0144】
6’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンと5’−アミノ−1’,3−ジメチル−1’,3’−ジヒドロ−2H,5H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオンの異性体の2つ目の組(上記のとおり調製)を同様な様式で変換し、逆相分取HPLCにより、表題化合物異性体を得た。HRMS(ESI):(C2930+H)に対する計算値553.2257;実測値553.2253。ヒトCGRP組換え受容体結合アッセイK=1nM。
【0145】
本発明による化合物のCGRP受容体活性アンタゴニストとしての有用性は、当分野で既知の方法論により実証することができる。受容体への125I−CGRP結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗作用を以下のとおり求めた:
未変性受容体結合アッセイ:SK−N−MC細胞膜の受容体への125I−CGRP結合を、基本的には記載のとおりに行った(Edvinsson et al.(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)。簡単には、膜(25μg)を、10pMの125I−CGRPおよびアンタゴニストを含有する結合緩衝液[10mMのHEPES(pH7.4)、5mMのMgCl、および0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]1mL中で温置した。室温で3時間温置後、あらかじめ0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしたGFBグラスファイバーフィルタープレート(PerkinEImer)でろ過してアッセイを停止した。フィルターを、氷冷したアッセイ緩衝液(10mMのHEPES(pH7.4)および5mMのMgCl)で3回洗浄し、次いでプレートを風乾した。シンチレーション液(50μL)を添加し、Topcount(Packard Instrument)で放射活性を計数した。Prismを用いてデータ分析を行い、Cheng−Prusoff方程式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を用いてKを求めた。
【0146】
組換え受容体:ヒトCL受容体(Genbankアクセッション番号L76380)を、5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとして発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。ヒトRAMP1(Genbankアクセッション番号AJ001014)を、5’NheIおよび3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。HEK293細胞(ヒト胚性腎臓細胞;ATCC#CRL−1573)を、DMEM中、10%のウシ胎児血清(FBS)、100単位/mLのペニシリン、および100μg/mLのストレプトマイシンを補充して、4.5g/Lのグルコース、1mMのピルビン酸ナトリウム、および2mMのグルタミンを用い、37℃および湿度95%に維持して培養した。細胞を0.25%のトリプシンおよび0.1%のEDTAを含むHBSSで処理して継代培養した。75cmフラスコ中、DNA10μgをLipofectamine 2000(Invitrogen)30μgと同時導入することにより、安定した細胞株発生を達成した。CL受容体およびRAMP1発現構築物を同じ量で同時導入した。導入の24時間後、細胞を希釈し、翌日、選択培地(増殖培地+300μg/mLのハイグロマイシンおよび1μg/mLのピューロマイシン)を添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を利用した単独細胞沈着(single cell deposition)によりクローン細胞株を発生させた。増殖培地は、細胞繁殖のため150μg/mLのハイグロマイシンおよび0.5μg/mLのピューロマイシンに調整した。
【0147】
組換え受容体結合アッセイ:組換えヒトCL受容体/RAMP1を発現する細胞を、PBSで洗浄し、50mMのHEPES、1mMのEDTA、および完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する収穫緩衝液に収穫した。細胞懸濁液を実験用ホモジナイザーで破壊し、48,000gで遠心して膜を単離した。ペレットを収穫緩衝液+250mMのスクロースに再懸濁させ、−70℃で貯蔵した。結合アッセイのため、膜20μgを、10pMの125I−hCGRP(GE Healthcare)およびアンタゴニストを含有する結合緩衝液(10mMのHEPES(pH7.4)、5mMのMgCl、および0.2%BSA)1ml中、室温で3時間温置した。あらかじめ0.05%ポリエチレンイミンでブロックした96−ウェルGFBグラスファイバーフィルタープレート(PerkinEImer)でろ過してアッセイを停止した。フィルターを、氷冷したアッセイ緩衝液(10mMのHEPES(pH7.4)および5mMのMgCl)で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、プレートをTopcount(Packard)で計数した。非特異的結合を求め、結合したCPMのデータを以下の方程式にフィッティングする非線形最小二乗法によって決定した解離定数(K)を用いてデータ分析を行った:
obsd=(Ymax−Ymin)(%Imax−%Imin/100)+Ymin+(Ymax−Ymin)(100−%Imax/100)/
(1+([薬剤]/K(1+[放射標識]/KnH
式中、Yは観測された結合CPM、Ymaxは結合の計数合計、Yminは非特異的な結合の計数、(Ymax−Ymin)は特異的な結合の計数、%Imaxは最大阻害割合、%Iminは最少阻害割合、放射標識はプローブ、Kは熱飽和(Hot saturation)実験により求められた受容体に対する放射性リガンドの見かけの解離定数である。
【0148】
組換え受容体機能アッセイ:細胞を、96−ウェルポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に、完全増殖培地中85,000個/ウェルで播種し、アッセイ前に19時間培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いでL−グルタミンおよび1g/LのBSAを加えたCellgro完全無血清/低タンパク質培地(Mediatech,Inc.)中、阻害剤とともに37℃および湿度95%で30分間培養した。細胞に、イソブチル−メチルキサンチンを濃度300μMで添加し、37℃で30分間温置した。細胞に、ヒトα−CGRPを濃度0.3nMで添加し、37℃で5分間温置した。α−CGRP刺激後、細胞をPBSで洗浄し、製造者が推奨するプロトコルに従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP測定用に処理した(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイ系;RPA 559;GE Healthcare)。用量反応曲線をプロットし、方程式y=((a−d)/(1+(x/c))+d(式中、y=反応、x=用量、a=最大反応、d=最少反応、c=変曲点、およびb=勾配)により定義されるとおりの4パラメーターロジスティックフィッティングからIC50値を求めた。
【0149】
詳細には、実施例4Aおよび4Bの化合物を試験し、組換え受容体結合アッセイにおいて、概してKまたはIC50値が10nM未満として、CGRP受容体のアンタゴニストとしての活性が実証された。そのような結果は、CGRP受容体のアンタゴニストとしての使用における化合物の固有活性を示す。代表的なデータは実施例に含まれている。
【0150】
本文全体を通じて以下の略称を用いる:
Me:メチル
Et:エチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Ac:アセチラート
OAc:アセタート
BOC:t−ブチルオキシカルボニル
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
DIEA:N,N−ジイソプロピル−エチルアミン
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
NaOt−Bu:ナトリウムtert−ブトキシド
n−BuLi:n−ブチルリチウム
HATU:2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートメタンアミニウム
PyCIU:1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート
TsOH:p−トルエンスルホン酸
Dba:ジベンジリデンアセトン
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
DMF:ジメチルホルムアミド
HMDS:ヘキサメチルジシラザン
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMEM:ダルベッコ修飾イーグル培地(高グルコース)
FBS:ウシ胎児血清
BSA:ウシ血清アルブミン
PBS:リン酸緩衝食塩水
HEPES:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸
rt:室温
h:時間
aq:水性
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー−質量分析
本発明は、ある特定の実施形態に関連して記載および例示されてきたものの、本発明の精神および範囲から逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、修飾、置換、削除、または付加を行い得ることが、当業者に明らかであるだろう。例えば、上記で示される本発明の化合物で例示した投薬量のいずれかについて、治療される哺乳類の反応性における多様性の結果として、本明細書中上記に記載されるとおりの特定の投薬量以外の有効量を用いることができる。同様に、観測される具体的な薬理学的反応は、選択した特定の活性化合物、薬学的担体が存在するかどうか、ならびに配合物の種類および用いる投与様式に従っておよび依存して、変化し得るものであり、結果において予想されるそのような多様性または差異は、本発明の目的および実施に従って予定されるものである。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲により定義され、そのような特許請求の範囲は合理的な限りにおいて最大限広く理解されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩、ならびにそれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー:
【化1】

{式中:
は、以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、このアルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、ここで、この各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(5)−CR−、
(6)−N(R)−、
(7)−(C=O)−、
(8)−C(R)(R)−、
(9)−C(N(R)−SO)(R)−、
(10)−C(N(R)(C=O)R)(R)−、
(11)−C(N(R)(C=O)OR)(R)−、
(12)−CR1011−、および
(13)−N(R11)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−CR1011−、および
(3)−(C=O)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−N(R)−、
(3)−CR1011−、および
(4)−N(R11)−;
は、以下から選択され:
(1)−CR−、
(2)−(C=O)−、
(3)−N(R)−、
(4)−CR1011−、
(5)−N(R11)−、および
(6)AとAの間の結合;
およびAは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、ここで、各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−、
(5)−CR15a15b−;
(6)−CR15aH、
(7)−CH−、
(8)−N(R)−、
(9)−(C=O)−、および
(10)結合;
およびAは、独立して以下から選択され:
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(4)−Si(C1−4アルキル)、ここで、各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−、
(5)−CR15a15b−、
(6)−CR15aH、
(7)−CH−、
(8)−N(R)−、および
(9)−(C=O)−;
ただし、A、A、A、およびAの少なくとも1つは、以下から選択され:
(a)−CR15a15b−、
(b)−CR15aH−、
(c)−O−、
(d)−S(O)−、
(e)−N(R)−、
(f)−(C=O)−、
(g)−Si(OR)−C1−4アルキル−、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(h)−Si(C1−4アルキル)、ここで、各アルキルは独立して無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており−;
、E、およびEは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−C(R)=、
(2)−N=、および
(3)−(N−O)=;
またはEは、以下から選択され:
(1)−C(R)=、
(2)−N=、および
(3)−(N−O)=、
および−E=E−は、一緒になって以下から選択され:
(1)−S−、
(2)−O−、
(3)−N(R)−;
Qは、以下から選択され:
(1)−(C=O)−、
(2)−SO−、
(3)−SO−、および
(4)−C(R−;
は、以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−C3−6シクロアルキル、
(c)−CF、および
(d)−O−R
(3)−C3−6シクロアルキル、
(4)ベンジル、および
(5)フェニル;
は、以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)ハロ、
(4)−OR、および
(5)−CN;
およびRは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(iii)−OR
(iv)−NR
(v)−CN、および
(vi)オキソ;
(i)−CO
(j)−C(=O)NR
(k)−S(O)
(l)−CN、
(m)−NR
(n)−N(R)C(=O)R
(o)−N(R)SO
(p)−CF
(q)−O−CO
(r)−O−(C=O)−NR
(s)−NR−(C=O)−NR、および
(t)−C(−O)R
(3)−C3−8シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−C1−4アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜3個のハロで置換されており、および
(d)−OR
(4)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニル、ここで、当該フェニルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R
(p)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(q)オキソ;
(5)ハロ、
(6)−OR
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−N(R)C(=O)R
(10)−NR
(11)−C(=O)NR、および
(12)−O(C=O)R
または、RおよびRは、それらが連結する炭素原子と一緒になって以下から選択される環を形成し:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インダニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアピラニル、オキセタニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル;ここで、硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、当該環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O)NR、および
(viii)フェニル、
(b)−C3−6シクロアルキル、ここで当該C3−6シクロアルキル基は前記環と場合により縮合し、さらに、当該C3−6シクロアルキル基は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O)NR、および
(viii)フェニル、
(c)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、イミダゾリル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに当該フェニルまたは複素環は前記環と場合により縮合し、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(iii)−OR
(iv)−CO
(v)−O(C=O)R
(vi)−CN、
(vii)−NR
(viii)オキソ、
(ix)−C(=O)NR
(x)−N(R)C(=O)R
(xi)−N(R)CO
(xii)−O(C=O)NR、および
(xiii)−S(O)
(d)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)ハロ、
(j)−NR
(k)−N(R)C(=O)R
(l)−N(R)SO
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR
(p)−C(=O)R、および
(q)オキソ;
は、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C(=O)R
(3)−CO
(4)−S(=O)R
(5)−SO
(6)−C(=O)NR
(7)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、さらに、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(iv)−NR
(v)−C(=O)R、および
(vii)オキソ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、および
(p)−C(O)R
(8)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR、および
(d)C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、四員、五員、六員、または七員のアルキルまたはヘテロアルキル環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される追加の複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)フェニル、ここで当該フェニルは無置換であるか、または、ハロ、OR、CN、および−C(=O)ORからそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、
(c)−OR、および
(d)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
10は、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)フェニル、および
(e)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
11は、以下からなる群より独立して選択され:
フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、アゼピニル、アゼパニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、4−オキソナフチリジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピリジル、2−オキソキノリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、オキセタニル、テトラヒドロチアピラニル、およびチエタニル;ここで、当該R11は無置換であるか、または、R12、R13、R14、R15a、およびR15bからそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
12、R13、R14、R15a、およびR15bは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−CF
(m)−O−CO
(n)−O−(C=O)−NR
(o)−NR−(C=O)−NR、および
(p)−C(=O)R
(2)−C1−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(d)−OR、および
(e)フェニル、ここで、当該フェニルは無置換であるかまたは1〜5個の置換基で置換されており、当該置換基はそれぞれ独立して以下から選択され:
(i)−OR
(ii)ハロ、
(iii)−CN、および
(iv)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニル、ここで、当該フェニルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR
(o)−C(=O)R、および
(p)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)−OR
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−C(=O)R
(10)−NR
(11)−S(O)
(12)−C(=O)NR
(13)−O−CO
(14)−N(R)CO
(15)−O−(C=O)−NR
(16)−NR−(C=O)−NR
(17)−SONR
(18)−N(R)SO
または、R15aおよびR15bは、それらが連結する原子と一緒になって、以下から選択される環を形成し:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チエタニル、およびテトラヒドロチエニル;ここで、硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)−CO
(v)−NR
(vi)−S(O)
(vii)−C(=O))NR、および
(viii)フェニル、
(b)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、モルホリニル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(c)−OR
(d)ハロ、
(e)−CO
(f)−C(=O)NR
(g)−S(O)
(h)−CN、
(i)−NR
(j)−N(R)C(=O)R
(k)−N(R)SO
(l)−O−CO
(m)−O−(C=O)−NR
(n)−NR−(C=O)−NR、および
(o)−C(=O)R
PGは以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されており、
(3)−CHOR
(4)−CH−O−CHCHSi(CH
(5)−CHOP(O)(OR
(6)−(CH−フェニル、ここで、これは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、および
(d)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
Jは以下から独立して選択され:
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、および
(4)−N(R)−;
Yは以下から独立して選択され:
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、
(3)−C(=O)−、
(4)=N−、および
(5)−N(R16b)−;
17およびR18は、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−OR
(4)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)−OR
(ii)ハロ、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(5)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−OR
(d)ニトロ、
(e)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、R17およびR18は、それらが連結する原子と一緒になって、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
16aおよびR16bは、それぞれ独立して以下から選択され:
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、およびモルホリニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、および
(iv)C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、およびモルホリニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)−C1−4アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(e)フェニル、ここで、当該フェニルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iii)−OR
(4)ハロ、
(5)−OR
(6)−CN、
(7)−CO
(8)−NR
(9)−C(=O)NR、および
(10)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、R16aおよびR16bは、それらが連結する原子と一緒になって、以下から選択される環を形成し:シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、およびジヒドロチオピラニル;ここで、当該環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(a)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C3−6シクロアルキル、
(iv)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、およびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(I)−OR
(II)ハロ、
(III)−CN、および
(IV)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(v)−CO
(vi)−NR
(vii)−S(O)
(viii)−C(=O)NR
(ix)−N(R)CO、および
(x)−N(R)SO
(b)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニル、およびモルホリニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−CN、および
(iv)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(c)ハロ、
(d)−S(O)
(e)−OR
(f)−CN、
(g)−C(=O)R
(h)−NR
(i)−C(=O)NR
(j)−CO
(k)−(NR)CO
(l)−O−(C=O)−NR
(m)−(NR)−(C=O)−NR
(n)オキシド、
(o)オキソ、および
(p)−(NR)SO
は以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜7個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(c)ヒドロキシル、
(d)−CN、および
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−O−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(iii)−CN、
(iv)ニトロ、
(v)ヒドロキシル、および
(vi)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−CN、
(c)−O−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)ニトロ、
(e)ヒドロキシル、および
(f)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(4)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
およびRは以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜7個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CN、
(d)−CO
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iv)ニトロ、
(3)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(e)−CN、および
(f)−CO
(4)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する窒素と一緒になって、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される追加の複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR、および
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
は以下から独立して選択され:
(1)C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−CO
(d)−CN、および
(e)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(i)ハロ、
(ii)−OR
(iii)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(iv)ニトロ、
(2)フェニルまたは複素環、ここで、当該複素環は、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、ピリダジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラジニルから選択され、当該フェニルまたは複素環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(d)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(e)−CN、および
(f)−CO、および
(3)−C3−6シクロアルキル、ここで、当該シクロアルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており;
およびRは、以下から独立して選択され:
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
(3)フェニル、および
(4)ベンジル;
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、三員、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル;
vは、0、1、または2であり;
kは、0、1、または2である}。
【請求項2】
は、
(1)−O−、
(2)−S(O)−、
(3)−CR−、または
(4)−N(R)−;
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
は、
(1)−CR−、または
(2)−CR1011−;
から選択される、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
は、
(1)−CR−、または
(2)−CR1011−;
から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
は、
(1)−CR−、
(2)−CR1011−、または
(3)結合;
から選択される、請求項1から4のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
およびAは、それぞれ独立して
(1)−CH−、または
(2)結合;
から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
およびAは、独立して
(1)−O−、
(2)−CR15aH、または
(3)−CH−;
から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
、E、およびEは、それぞれ独立して
(1)−C(R)=、または
(2)−N=;
から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
Lは、
(1)−C(=O)−、または
(2)−C(=S)−;
から選択される、請求項1から8のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
Qは、−C(=O)−である、請求項1から9のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
は、
(1)水素、または
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換される:
(a)ハロ、
(b)−C3−6シクロアルキル、
(c)−CF、および
(d)−O−R
から選択される、請求項1から10のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
PGは、
(1)水素、または
(2)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜5個のハロで置換されている;
から選択される、請求項1から11のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
Jは、
(1)=C(R16a)−、
(2)−CR1718−、または
(3)−N(R)−;
から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
Yは、
(1)=C(R16b)−、
(2)−CR1718−、または
(3)−C(=O)−;
から選択される、請求項1から13のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
Jは=C(R16a)−であり、Yは=C(R16b)−であり、ならびにR16aおよびR16bは、それらが連結する原子またはその医薬的に許容される塩と一緒になって以下から選択される環を形成する:シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、およびジヒドロチオピラニル;
請求項1から12のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
Wは、
(1)結合、または
(2)−O−;
から選択される、請求項1から15のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
Zは、
(1)結合、または
(2)−O−;
から選択される、請求項1から16のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
およびRは独立して
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、
または、RおよびRは、それらが連結する原子と一緒になって、三員、四員、五員、または六員環を形成し、当該環はN、O、およびSから選択される複素原子を場合により含有し、ここで、当該硫黄は場合により酸化されてスルホンまたはスルホキシドになり、さらに、前記環は無置換であるかまたは以下からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)−OR
(c)−C1−6アルキル、ここで、当該アルキルは無置換であるかまたは1〜6個のハロで置換されており、および
(d)フェニル、
から選択される、請求項1から17のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項19】
式(I)の化合物は、以下の式(II):
【化2】

{式中、A、A、A、A、A、A、A、J、R、E、E、E、R、R、R、R、RPG、およびYは、請求項1に定義されるとおりである}
の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、およびそれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項20】
2−(10−オキソ−8−フェニル−6,9−ジアザスピロ[4.5]デシ−9−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,5−テトラヒドロスピロ[2,4−ベンゾジオキセピン−3,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−7−イル)アセトアミド;
N−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−(3−オキソ−2,3,9,9a−テトラヒドロインデノ[2,1−b][1,4]オキサジン−4(4aH)−イル)アセトアミド;
N−(3,3−ジフルオロ−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−{3,3−ジメチル−2−オキソ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル}アセトアミド;
2−[3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソ−9−オキサ−2−アザスピロ[5.5]ウンデシ−2−イル]−N−(3,3’−ジメチル−2,5−ジオキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−5’−イル)アセトアミド;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項21】
不活性担体と、請求項1から20のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩とを含む、医薬組成物。
【請求項22】
哺乳動物の患者における頭痛を治療するための方法であって、当該治療を必要とする患者に、請求項1から20のいずれかに記載の化合物またはその個々の立体異性体を治療上有効量で投与することを含む当該方法
【請求項23】
前記頭痛は、片頭痛または群発頭痛である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
頭痛の治療用医薬を製造するための、請求項1から20のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、またはその個々の立体異性体、ならびに、医薬的に許容される担体の使用。
【請求項25】
前記頭痛は、片頭痛または群発頭痛である、請求項24に記載の使用。

【公表番号】特表2012−505217(P2012−505217A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531066(P2011−531066)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/058925
【国際公開番号】WO2010/042356
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】