説明

CGRP受容体拮抗薬

本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用な、ならびにCGRPが関与する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用な、式IおよびII(式中の可変項R1、R2、R3、R4、R6、A、B、G、J、W、XおよびYは、本明細書で定義するとおりである)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関与するこうした疾病の予防および治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的代替プロセッシングによって生み出される天然37アミノ酸ペプチドであり、中枢および抹消神経系に広く分布している。CGRPは、感覚求心性および中枢性ニューロンに主として局在しており、血管拡張を含む幾つかの生体活動を媒介する。CGRPは、ラットおよびヒトにおいて、それぞれ、1個および3個のアミノ酸が異なるアルファ形およびベータ形で発現される。CGRP−アルファおよびCGRP−ベータは、類似した生物学的特性を示す。細胞から放出されると、CGRPは特異的細胞表面受容体に結合することによりこの生体応答を開始し、主として、それが、アデニリルシクラーゼの活性化につながる。CGRP受容体は、脳、心臓血管、内皮および平滑筋由来のものを含む幾つかの組織および細胞において同定および薬理評価されている。
【0002】
CGRPは、偏頭痛および群発性頭痛などの脳血管疾患の病理に関係している強力な血管拡張薬である。臨床研究において、偏頭痛の発作中に頚静脈においてCGRPのレベル上昇が発生することが判明した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化し、それが血管拡張増大を導く。これが、偏頭痛発作中の頭痛の主因であると考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。中硬膜動脈、硬膜内の主動脈、は、CGRPを含む幾つかの神経ペプチドを有する三叉神経からの感覚線維によって刺激される。ネコでの三叉神経刺激は、結果としてCGRPレベルを上昇させ、ヒトでは、三叉神経の活性化に起因して顔面が潮紅し、外頚静脈中CGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットでは硬膜の電気刺激により中硬膜動脈の径が増大し、この効果はCGRP(8−37)、ペプチドCGRP拮抗薬の事前投与により阻害された(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットでは三叉神経刺激により顔面の血流が増加し、それはCGRP(8−37)によって抑制された(Escottら,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットでの三叉神経の電気刺激は、顔面血流の増加をもたらし、これは、非ペプチドCGRP拮抗薬BIBN4096BSにより阻害することができた(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管作用は、CGRP拮抗薬によって減弱、予防または反転させることができる。
【0003】
ラット中硬膜動脈のCGRP媒介血管拡張は、尾部三叉神経核のニューロンを感作することが証明された(Williamsonら,「CGRPファミリー:カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、アミリンおよびアドレノメデュリン(The CGRP Family: Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin)」,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の拡張は、三叉神経を感作し得る。頭蓋外疼痛および顔面異痛を含む偏頭痛の随伴症状には、感作された三叉神経によってもたらされるものもある(Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の影響の減弱、予防または反転に有益であり得る。
【0004】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本発明の化合物を、ヒトおよび動物(しかし特にヒト)におけるCGRPが関与する疾患に有用な薬物にする。こうした疾患には、偏頭痛および群発性頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268; Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経原性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768; Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538; Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管疾患;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265)、関節炎、気管支反応亢進、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404; Schiniら,Ann.J.Physio.,1994,267,H2483−H2490; Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性のぼせ(Chenら,Lancet,1993,342,49; Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇、および神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚病(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性皮膚発赤、皮膚ローゼイシャスネス(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)ならびに膀胱炎が挙げられる。特に重要なのは、偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療である。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特にCGRP受容体の拮抗薬として有用である化合物、それらの調製プロセス、治療におけるそれらの使用、それらを含む医薬組成物、およびそれらを使用する治療方法に関する。
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用な、ならびにCGRPが関与する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用な、式Iおよび式II:
【0007】
【化19】

(これらの式中、R、R、R、R、R、A、B、G、J、W、XおよびYは、本明細書で定義するとおりである)
の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関与するような疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。
【0008】
本発明は、式I:
【0009】
【化20】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から独立して選択され、または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
10およびR11は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wは、O、NRまたはC(Rであり、
Xは、CまたはSであり、
Yは、O、(R、NCN、NSOCH、NCONHであり、またはYは、XがSであるときには、Oであり、
は、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され、
G−Jは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N;C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、OR、N(RおよびCOから独立して選択され、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され、
pは、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1であり、
mは、0、1または2であり、
nは、0または1であり、
sは、1、2または3である)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々のジアステレオマーを含む、CGRP拮抗薬に関する。
【0010】
本発明のさらなる実施態様は、式Ia:
【0011】
【化21】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1であり、
、R、R、W、R、R、およびG−Jは、式Iにおいて定義したとおりであり、
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体
を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0012】
本発明のなお、さらなる実施態様は、式Ib:
【0013】
【化22】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1であり、
、R、R、W、R、R、およびG−Jは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0014】
本発明の追加の実施態様は、式Ic:
【0015】
【化23】

(式中、R、R、R、W、R、R、およびG−Jは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0016】
本発明の追加の実施態様は、式Id:
【0017】
【化24】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり、
、R、R、W、R、R、およびG−Jは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体も含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0018】
本発明の追加実施態様は、式Ie:
【0019】
【化25】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり、
、R、R、W、R、R、およびG−Jは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0020】
本発明のさらなる実施態様は、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
10およびR11が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11が一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wが、O、NRまたはC(Rであり、
G−Jが、
G−Jが次の構造形:
【0021】
【化26】

のように定義されるときのような、N、
G−Jが次の構造形:
【0022】
【化27】

のように定義されるときのような、N−C(R
G−Jが次の構造形:
【0023】
【化28】

のように定義されるときのような、C=C(R)、
G−Jが次の構造形:
【0024】
【化29】

のように定義されるときのような、C=N、
G−Jが次の構造形:
【0025】
【化30】

のように定義されるときのような、C=C(R)−C(R
G−Jが次の構造形:
【0026】
【化31】

のように定義されるときのような、C(R)−C(R)=C(R)、
G−Jが次の構造形:
【0027】
【化32】

のように定義されるときのような、N−C(R−C(R、および
G−Jが次の構造形:
【0028】
【化33】

のように定義されるときのような、N−C(R)=C(R
から選択され、
が、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択され、
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、CN、OR、N(RおよびCOから独立して選択され、
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され、
pが、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1であり、
mが、0から2であり、
sが、1から3である
式IaからIeのCGRP拮抗薬ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体である。
【0029】
本発明のなお、さらなる実施態様は、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているフェニル(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているフェニル(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンズイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンズイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
10およびR11が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wが、NRまたはC(Rであり、
G−Jが、
G−Jが次の構造形:
【0030】
【化34】

のように定義されるときのような、N、
G−Jが次の構造形:
【0031】
【化35】

のように定義されるときのような、N−C(R
G−Jが次の構造形:
【0032】
【化36】

のように定義されるときのような、C=C(R)、
G−Jが次の構造形:
【0033】
【化37】

のように定義されるときのような、C=N、
G−Jが次の構造形:
【0034】
【化38】

のように定義されるときのような、C=C(R)−C(R
G−Jが次の構造形:
【0035】
【化39】

のように定義されるときのような、C(R)−C(R)=C(R)、
G−Jが次の構造形:
【0036】
【化40】

のように定義されるときのような、N−C(R−C(R、および
G−Jが次の構造形:
【0037】
【化41】

のように定義されるときのような、N−C(R)=C(R
から選択され、
が、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択され、
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、CN、OR、N(RおよびCOから独立して選択され、
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され、
pが、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1であり、
mが、0から2であり、
sが、1から3である、
式IaからIeのCGRP拮抗薬ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々の立体異性体である。
【0038】
本発明のもう1つの実施態様は、式II:
【0039】
【化42】

(式中、B、G、J、W、X、Y、R、R、R、RおよびRは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにそれらの医薬適合性の塩および個々のジアステレオマーを含むCGRP拮抗薬を含む。
【0040】
上に挙げた構造または下位構造のうちの1つまたはそれ以上が、同じ名称を有する複数の置換基を挙げている場合、こうした各可変項は、同じであってもよいし、同じ様に表されている各可変項と異なっていてもよい。例えば、Rは、式Iにおいて4回挙げられており、式IにおけるRは、各々独立して、Rのもとに定義された構造のいずれであってもよい。本発明は、各Rが、所定の構造に対して同じでなければならない構造および下位構造に限定されない。構造または下位構造に複数回出現するどの可変項についても同じことが言える。
【0041】
本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の不斉中心を有することがあり、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単独のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生ずる可能性がある。この分子上の様々な置換基の性質によっては、追加の不斉中心が存在することもある。こうした各不斉中心が、独立して2つの光学異性体を生じさせることとなり、混合物で、および純粋なまたは軽度に精製された化合物として、可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲に包含されると解釈する。本発明は、これらの化合物のこうしたすべての異性体形を包含するものとする。
【0042】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン性二重結合を含有する。特にそれ以外の指定がない限り、EとZ両方の幾何異性体を包含するものとする。
【0043】
これらのジアステレオマーの独立した合成またはそれらのクロマトグラフ分離は、本明細書に記載する方法論を適切に変形することにより、当該技術分野において公知のとおり達成することができる。それらの絶対立体化学は、絶対配置が判っている不斉中心を有する試薬を必要な場合には用いて誘導される結晶質生成物または結晶質中間体のX線結晶学によって判定することができる。
【0044】
所望の場合には、化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物をカップリングさせてジアステレオマー混合物を作り、次に、標準法、例えば分別結晶またはクロマトグラフィーにより個々のジアステレオマーに分離するなどの、当該技術分野では公知の方法によって行うことができる。多くの場合、このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、それらのジアステレオマー誘導体は、付加しているキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに転化させることができる。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法によって直接分離することもでき、それらの方法は、当該技術分野では公知である。
【0045】
また、化合物のあらゆるエナンチオマーは、当該技術分野では公知の方法による、立体配置が判っている光学的に純粋な出発原料または試薬を使用する立体選択的合成によって得ることができる。
【0046】
当業者には理解されるように、すべてのR10およびR11置換基が、環構造を形成することができるとは限らない。さらに、環を形成することができる置換基であっても、環構造を形成することもあり、しないこともある。
【0047】
同様に、当業者には理解されるように、ここで用いるハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含むと解釈する。
【0048】
ここで用いる「アルキル」は、二重および三重結合を有さない直鎖、分枝鎖および環状構造を意味すると解釈する。従って、C1−6アルキルは、この基を直鎖または分枝鎖配置にある1、2、3、4、5または6個の炭素を有するものと特定するために定義されており、例えば、具体的には、C1−6アルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「シクロアルキル」は、この一部またはすべてが、原子数3個またはそれ以上の環を形成しているアルキルである。CまたはCアルキルは、直接共有結合の存在を特定するために定義されている。
【0049】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−対−炭素二重結合を有する、指示された炭素原子数の直鎖または分枝鎖構造およびそれらの組合せを意味し、この場合、水素が、さらなる炭素−炭素二重結合で置換されていてもよい。C2−6アルケニルには、例えば、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどが挙げられる。
【0050】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−対−炭素三重結合を有する、指示された炭素原子数の直鎖または分枝鎖構造およびそれらの組合せを意味する。従って、C2−6アルキニルは、この基を直鎖または分枝鎖配置にある2、3、4、5または6個の炭素を有するものと特定するために定義されており、例えば、具体的には、C2−6アルキニルには、2−ヘキシニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0051】
ここで用いる「アリール」は、各環の員数が7以下のあらゆる安定な単環式または二環式炭素環(この場合、少なくとも1方の環は、芳香族である)を意味すると解釈する。こうしたアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられる。
【0052】
ここで用いる用語「複素環」または「複素環式」は、注記がある場合を除き、飽和しているか、不飽和であり、炭素原子ならびにN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子から成る(この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、前記窒素へテロ原子は、場合により四級化されていることがある)、安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式複素環式環構造を表し、また、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環に融合しているあらゆる二環式の基を包含する。複素環は、結果的に安定な構造を作るいずれのヘテロ原子または炭素原子でも結合することができる。こうした複素環基の例には、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびそれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
ここで用いる用語「ヘテロアリール」は、注記がある場合を除き、芳香族環を含有し、それらのうちのいずれかの環が、飽和していることがあり(例えば、ピペリジニル)、一部飽和していることがあり、または不飽和であり(例えば、ピリジニル)、炭素原子ならびにN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子から成る(この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、前記窒素へテロ原子は、場合により四級化されていることがある)、安定な5から7員単環式または9から10員融合二環式環構造を表し、また、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環に融合しているあらゆる二環式の基を包含する。前記複素環は、結果的に安定な構造を作るいずれのヘテロ原子または炭素原子でも結合することができる。こうしたヘテロアリール基の例には、ベンズイミダゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール、およびそれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
−Cアルコキシの場合のような用語「アルコキシ」は、直鎖、分枝鎖および環状配置の炭素原子1から6個のアルコキシ基を含むことを指すものと解釈する。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0055】
「医薬適合性」という言い回しは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる用途に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な損益比に見合っている化合物、物質、組成物および/または投与形態を指すためにここでは用いる。
【0056】
ここで用いる用語「医薬適合性の塩」は、この親化合物が、この酸または塩基の塩を作ることにより変性されている誘導体を指す。医薬適合性の塩の例には、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残留物のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬適合性の塩は、例えば非毒性無機または有機酸から作られた、親化合物の通常の非毒性塩または第四アミン塩を包含する。例えば、こうした通常の非毒性塩には、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導されたもの。有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセト安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから調製された塩が挙げられる。
【0057】
一定の例の中に存在する一定の可変項の数は、存在する炭素の数によって定義されている。例えば、可変項「p」は、時には次のように定義される:「pは、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1である」。この置換基が、「(F)pC1−3アルキル」である場合、これは、1個の炭素があるとき、2(1)+1=3のフッ素があるという意味である。2個の炭素があるときには、2(2)+1=5のフッ素があり、3個の炭素があるときには、2(3)=1=7のフッ素がある。
【0058】
本発明の化合物が塩基性である場合、無機および有機酸を含む医薬適合性の非毒性酸から塩を調製することができる。こうした酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの側面において、塩は、クエン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、フマル酸塩および酒石酸塩である。ここで用いる場合、式Iの化合物への言及は、この医薬適合性の塩も包含する意味を持つことは、理解されよう。
【0059】
本発明のよりよい例となるのは、本実施例および本明細書において開示する化合物の使用である。本発明の範囲内の具体的な化合物には、以下の実施例において開示する化合物から成る群より選択された化合物ならびにこの医薬適合性の塩およびこの個々のジアステレオマーが挙げられる。
【0060】
本主題化合物は、患者のCGRP受容体の拮抗方法に有用であり、この場合、前記患者は、例えばこうした拮抗が必要な哺乳類であり、前記方法は、本化合物の有効量の投与を含む。本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として本明細書に開示する化合物の使用に関する。霊長類、特にヒト、に加えて、様々な他の哺乳類を本発明の方法に従って治療することができる。
【0061】
本発明のもう1つの実施態様は、患者におけるCGRP受容体が関与する疾病または疾患を治療する、制御する、改善する、またはこうした疾病または疾患のリスクを低減するための方法に関し、この方法は、CGRP受容体の拮抗薬である化合物の治療有効量を前記患者に投与することを含む。
【0062】
さらに、本発明は、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体活性に対する拮抗用の薬物を製造するための方法に関し、この方法は、本発明の化合物を製薬用担体または希釈剤と併せることを含む。
【0063】
一般に、本方法での治療を受ける被験者は、CGRP受容体活性の拮抗が望まれる哺乳類、例えばヒト、男性または女性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家によって探求されている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する主題化合物の量を意味する。ここで用いる用語「治療」は、上述の状態についての、特に、こうした疾病または疾患に罹患しやすい患者における、治療と予防または予防的治療の両方を指す。
【0064】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびにこの特定の成分をこの特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関連して、前述の用語は、活性成分(複数を含む)、および担体を形成する不活性成分(複数を含む)を含む製品、ならびにいずれか2つまたはそれ以上の前記成分の組合せ、錯化もしくは凝集から、または1つまたはそれ以上の前記成分の解離から、または1つまたはそれ以上の前記成分の他のタイプの反応もしくは相互作用から、直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含すると解釈する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬適合性担体を混合することによって製造されるあらゆる組成物を包含する。「医薬適合性の」とは、この担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、この受容者に対して有害であってはならないことを意味する。
【0065】
化合物「の投与」およびまたは「を投与すること」という用語は、治療の必要がある個体に本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを与えること意味すると理解すべきである。
【0066】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明の化合物の有用性は、当該技術分野において公知である方法論によって実証することができる。受容体への125I−CGRPの結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗は、次のように判定した。
【0067】
天然受容体結合アッセイ: SK−N−MC細胞膜において、受容体への125I−CGRPの結合を、本質的には記載されているとおり(Edvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)行った。簡単に言えば、膜(25μg)を、10pMの125I−CGRPを含有する1mLの結合バッファ[10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgClおよび0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、このアッセイを、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしたGFBガラス繊維フィルタプレート(Millipore)による濾過によって、終了させた。フィルタを氷冷アッセイバッファで3回洗浄し、次いで、プレートを空気乾燥させた。シンチレーション液(50μL)を添加し、この放射能をTopcount(Packard Instrument)でカウントした。Prismを使用してデータ分析を行い、Cheng−Prusoff方程式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を使用してこのKを決定した。
【0068】
天然受容体機能アッセイ: 10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM 可欠アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、100単位/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補足した最小必須培地(MEM)中、37℃、湿度95%、CO 5%で、SK−N−MC細胞を増殖させた。cAMPアッセイのために、細胞を、96ウエルのポリ−D−リシン被覆プレート(Becton−Dickinson)に細胞数5x10/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に、〜18時間、培養した。細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで、無血清MEM中、300μMのイソブチルメチルキサンチンと共に、30分間、37℃でプレインキュベートした。拮抗薬を添加し、細胞を10分間インキュベートした後、CGRPを添加した。インキュベーションをさらに15分間継続し、次いで、細胞をPBSで洗浄し、製造業者推奨のプロトコルに従ってcAMPを判定するために処理した。100nM CGRPを使用して基底細胞に対する最大刺激を定義した。Prismを使用して用量反応曲線を作成した。用量比(DR)を計算し、全Schildプロット(Arunlakshana & Schild(1959)Br.J.Pharmacol.14,48−58)を作成するために使用した。
【0069】
組換え受容体: ヒトCRLR(ゲンバンク・アクセッション番号L76380)を発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)に5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとしてサブクローニングした。ヒトRAMP1(ゲンバンク・アクセッション番号AJ001014)を発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)に5’NheIおよび3’NotIフラグメントとしてサブクローニングした。10%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mL ペニシリンおよび100ug/mL ストレプトマイシンを補足し、37℃、湿度95%に維持し、4.5g/L グルコース、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM グルタミン酸を含有するDMEM中で、293細胞(ヒト胎児腎細胞;ATCC #CRL−1573)を培養した。HBSS中、0.1% EDTAを含有する0.25%トリプシンでの処理により、細胞を二次培養した。75cmフラスコ内での10ugのDNAと30ugのLipofectamine 2000(Invitrogen)のコトランスフェクションにより、安定な細胞株の生成を達成した。CRLRおよびRAMP1発現構成体は、等量でコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を希釈し、翌日、選択培地(増殖培地 + 300ug/mL ヒグロマイシンおよび1ug/mL ピューロマイシン)を添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を使用して、単一細胞析出により、クローン細胞株を生じさせた。増殖培地は、細胞増殖のために、150ug/mL ヒグロマイシンおよび0.5ug/mL ピューロマイシンに調整した。
【0070】
組換え受容体結合アッセイ: 組換えヒトCRLR/RAMP1を発現している細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTAおよびComplete protease inhibitor(Roche)を含有するハーベストバッファに回収した。この細胞浮遊液を実験室用ホモジナイザーで粉砕し、48,000gで遠心分離して、膜を単離した。それらのペレットをハーベストバッファ+250mM スクロースに再び浮遊させ、−70℃で保管した。結合アッセイのために、10ugの膜を、10pM 125I−hCGRP(Amersham Biosciences)および阻害剤を含有する1mLの結合バッファ(10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgCl、および0.2%BSA)中、3時間、室温でインキュベートした。アッセイを、0.05%ポリエチレンイミンでブロックした96ウエルGFBガラス繊維フィルタプレート(Millipore)による濾過によって、終了させた。フィルタを氷冷アッセイバッファ(10mM HEPES(pH7.4))で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、このプレートをTopcount(Packard)でカウントした。非特異的結合を判定し、ならびに結合したCPMのデータを下の方程式:
【0071】
【数1】

【0072】
(式中、Yは、実測CPM結合であり、Ymaxは、全結合数であり、Yminは、非特異的結合数であり、(Ymax−Ymin)は、特異的結合数であり、%Imaxは、最大阻害率であり、%Iminは、最小阻害率であり、放射性標識は、プローブであり、Kは、Hot飽和実験によって決定されるようなこの受容体の放射性リガンドについての見掛けの解離定数である)
に当てはめる非線最小二乗法の使用により決定した見掛けの解離定数(K)を用いてデータを分析した。
【0073】
組換え受容体機能アッセイ: 完全培養培地中の細胞を、96ウエルのポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に細胞数85,000/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に、〜19時間、培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、L−グルタミンおよび1g/L BSAを含有するCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein medium(Mediatech,Inc.)中、37℃、湿度95%で30分間、阻害剤と共にインキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度でそれらの細胞に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。ヒトα−CGRPを0.3nMの濃度でそれらの細胞に添加し、37℃で5分間、インキュベートしておいた。α−CGRP刺激後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者推奨のプロトコルに従って二段階アッセイ法(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)を使用して、cAMPを判定するために処理した。用量反応曲線をプロットし、方程式 y=((a−d)/(1+(x/c))+d[式中、y=反応、x=用量、a=最大反応、d=最小反応、c=変曲点、およびb=勾配]によって定義されるような4変数論理計算の当てはめからIC50値を決定した。
【0074】
特に、以下の実施例の化合物は、一般に約50μM未満のKまたはIC50値で、上述のアッセイにおいてCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有した。こうした結果は、CGRP受容体の拮抗薬としての使用における本化合物の固有活性を示している。
【0075】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本発明の化合物を、ヒトおよび動物(しかし特にヒト)におけるCGRPが関与する疾患に有用な薬物にする。
【0076】
本発明の化合物は、次の状態または疾病の1つまたはそれ以上の治療、予防、改善、制御、またはそれらのリスクの低減に有用である:頭痛、偏頭痛、群発性頭痛、慢性緊張型頭痛、疼痛、慢性疼痛、神経原性炎症および炎症性疼痛、神経障害性疼痛、眼痛、歯痛、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、血管疾患、炎症、関節炎、気管支反応亢進、喘息、ショック、敗血症、アヘン剤禁断症候群、モルヒネ耐性、男性および女性のぼせ、アレルギー性皮膚炎、乾癬、脳炎、脳の外傷、癲癇、神経変性疾患、皮膚病、神経性皮膚発赤、皮膚ローゼイシャスネス(skin rosaceousness)および紅斑、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎、ならびにCGRP受容体の拮抗により治療または予防することができる他の状態。特に重要なのは、偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療である。
【0077】
さらに、本主題化合物は、本明細書において特に言及されている疾病、疾患および状態を予防、治療、制御、改善、またはそれらのリスクの低減する方法において有用である。
【0078】
さらに、本主題化合物は、他の薬剤と併用で、上述の疾病、疾患および状態を予防、治療、制御、改善、またはそれらのリスクの低減する方法において有用である。
【0079】
本発明の化合物は、式Iの化合物または他の薬物が有用であり得る疾病または状態を治療、予防、制御、改善、またはそれらのリスクの低減する際、1つまたはそれ以上の他の薬物と併用することが、前記薬物との併用がいずれの薬物の単独使用よりも安全であるか、有効である場合、できる。こうした他の薬物(複数を含む)は、それ(ら)が通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時に、または逐次的に投与することができる。式Iの化合物を1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用する場合、こうした他の薬物および式Iの化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし、この併用療法は、部分的に重なる別スケジュールで式Iの化合物と1つまたはそれ以上の他の薬物を投与する療法も包含する。1つまたはそれ以上の他の活性成分と併用すると、本発明の化合物および他の活性成分を各々単独で使用するときより低い用量で使用することができるということも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて、1つまたはそれ以上の他の活性成分を含有するものを包含する。
【0080】
例えば、本化合物は、抗炎症薬、抗アレルギー薬もしくは抗偏頭痛薬、例えば、エルゴタミンもしくは5−HT作動薬、特に5−HT1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症薬もしくはサイトカイン抑制性抗炎症薬、例えば、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロロノキシカム、ケトロラク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェニム酸、フルフェニム酸、トルフェニアム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジンもしくはスルファサラジンなどの化合物を伴うもの;またはステロイド性鎮痛薬と併用することができる。同様に、本化合物は、疼痛寛解薬、例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、コデイン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドン、ブプレノルフィンまたはモルヒネと共に投与することができる。
【0081】
加えて、本化合物は、インターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体拮抗薬、例えばアプレピタント;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作動薬;ナトリウムチャネル遮断薬、例えばラモトリジン;アヘン剤作動薬、例えば酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体拮抗薬、例えばインドラミン;アルファ受容体作動薬;バニロイド受容体拮抗薬;mGluR5作動薬、拮抗薬または強化剤;GABA A受容体モジュレータ、例えば、アカンプロセートカルシウム;ニコチンを含む、ニコチン性拮抗薬または作動薬;ムスカリン性作動薬または拮抗薬;選択的セロトニン再取り込み阻害剤、例えばフルオロキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;三環系抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエン拮抗薬、例えばモンテルカストまたはザフィルルーカスト;酸化窒素阻害剤または酸化窒素合成抑制剤と併用することができる。
【0082】
また、本化合物は、麦角アルカロイド、例えばエルゴタミン、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、エルゴロイドメシレート、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴドルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセルギドと併用することができる。
【0083】
加えて、本化合物は、ベータ−アドレナリン作動性拮抗薬、例えばチモロール、プロパノロール、アテノロールもしくはナドロールなど;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えばフルナリジン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジンもしくはガバペンチン;神経弛緩薬、例えばオランザピンおよびキエチアピン;抗痙攣薬、例えばトピラメート、ゾニサミド、トナベルサット、カラベルサットもしくはジバルプロエックスナトリウム;アンギオテンシンII拮抗薬、例えばロサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル;アンギオテンシン変換酵素阻害物質、例えばリシノプリル;またはボツリヌス毒素A型と併用することができる。
【0084】
本化合物は、強化剤、例えばカフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム;うっ血除去薬、例えばフェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿薬;運動促進薬、例えばメトクロプラミドまたはドンペリドン、鎮静性および非鎮静性抗ヒスタミン薬と併用することができる。
【0085】
特に好ましい実施態様において、本化合物は、抗偏頭痛薬:例えば、エルゴタミン;5−HT作動薬、とりわけ5−HT1B/1D作動薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン;およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用される。
【0086】
上記併用は、本発明の化合物と1つの他の活性化合物との併用ばかりでなく、2つまたはそれ以上の他の活性化合物との併用も包含する。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾病または状態を予防する、治療する、制御する、改善する、またはそれらのリスクを低減する際に使用される他の薬物と併用することができる。こうした他の薬物は、それらが通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時に、または逐次的に投与することができる。本発明の化合物を1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用するときは、本発明の化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1つまたはそれ以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0087】
本発明の化合物の他の活性成分(複数を含む)に対する化合物の重量比は変化させることができ、それは各成分の有効用量に依存するであろう。一般に、各々の有効用量が使用されるであろう。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用するとき、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、一般に約1000:1から約1:1000、または約200:1から約1:200の範囲であろう。本発明の化合物と他の活性成分の併用も一般には上述の範囲内であろうが、各場合、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0088】
こうした併用において、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に投与してもよいし、一緒に投与してもよい。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤(複数を含む)の投与の前であってもよいし、同時であってもよいし、後であってもよく、同じ投与経路によってもよいし、異なる投与経路によってもよい。
【0089】
本発明の化合物は、経口投与経路、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)投与経路、吸入スプレーによる投与経路、経鼻投与経路、経膣投与経路、直腸内投与経路、舌下投与経路または局所投与経路により投与することができ、ならびに単独でまたは一緒に、各投与経路に適する通常の非毒性医薬適合性担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適する投薬単位調合物に調合することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に有効である。
【0090】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、通常、投薬単位形で提供することができ、調剤技術分野では公知の方法のいずれによって調製してもよい。すべての方法が、1つまたはそれ以上の補助成分を構成する担体と活性成分を会合させる段階を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を、液体単体もしくは微紛固体担体またはそれら両方と均一および密接に会合させること、次いで、必要な場合には、この生成物を所望の調合物に成形することによって調製される。医薬組成物中には、活性化合物が、疾病の経過または状態に望ましい影響をもたらすために充分な量で含まれている。ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびにこの特定の成分の特定の量での組合せから直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含すると解釈する。
【0091】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口用途に適する形であり得る。経口用途のための組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野に公知であるいずれの方法に従って調製してもよく、こうした組成物は、医薬品として上品で味のよい製剤を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つまたはそれ以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性医薬適合性賦形剤との混合物で、活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど);顆粒化および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム;ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーチングされていなくてもよいし、胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長時間にわたる持続作用をもたらす公知の技法によってコーチングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を利用することができる。米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技法によりそれらをコーチングして、制御放出用の浸透圧治療薬を形成することもできる。経口錠は、ファーストメルト錠もしくはオブラート、急速溶解錠または急速溶解フィルムなど、即時放出用に調合することもできる。
【0092】
経口用途のための調合物は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、水または油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブオイルと混合されている軟質ゼラチンカプセルとして、提供することもできる。
【0093】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物で、活性材料を含有する。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。水性懸濁液は、1つまたはそれ以上の保存薬、例えばエチルもしくはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の着香剤、および1つまたはそれ以上の甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリンを含有することもできる。
【0094】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブオイル、ごま油もしくは椰子油に、または鉱物油、例えば液体パラフィンに懸濁させることによって調合することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。味のよい経口製剤を提供するために、上に挙げたものなどの甘味剤、および着香剤を添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により、保存することができる。
【0095】
水の添加により水性懸濁液を調製することに適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたはそれ以上の保存薬との混合物で活性成分をもたらす。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤の例は、既に上で言及したものである。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。
【0096】
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であることもできる。この油相は、植物油、例えばオリーブオイルもしくは落花生油、または鉱物油、例えば液体パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。適する乳化剤は、天然ゴム、例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば大豆、レシチン、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されたエステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。乳剤は、甘味剤および着香剤も含有することができる。
【0097】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。こうした調合物は、保存薬、着香剤および着色剤も含有することができる。
【0098】
本医薬組成物は、無菌注射用水性または油性懸濁液の形態であることもできる。この懸濁液は、上で言及した適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技法に従って調合することができる。無菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性非経口投与適合性の希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であることもできる。水を利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、リンガー溶液および等張食塩水などがある。加えて、溶媒または懸濁媒体として、無菌固定油が通常利用される。このために、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌性固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用の製剤に使用されている。
【0099】
本発明の化合物は、薬物の直腸内投与用の座薬の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、従って、直腸内で溶融して薬物を放出する適切な無刺激性賦形剤と混合することにより、調製することができる。こうした材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0100】
局所用途には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などが利用される。同様に、経皮パッチも局所投与に使用することができる。
【0101】
本発明の医薬組成物および方法は、上述の病的状態の治療に通常適用される、本明細書で特に言及するような他の治療活性化合物を、さらに含むことができる。
【0102】
CGRP受容体活性の拮抗を必要とする状態を治療、予防、制御、改善、またはこうした状態のリスクを低減する際に適切な投薬レベルは、一般には1日に患者の体重のkgあたり約0.01から500mgであり、これを1回量でまたは複数回用の用量で投与することができる。適する投薬レベルは、1日に約0.01から250mg/kg、1日に約0.05から100mg/kg、または1日に約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日に0.05から0.5mg/kgであってもよいし、0.5から5mg/kgであってもよいし、または5から50mg/kgであってもよい。経口投与のための組成物は、1.0から1000ミリグラムの活性成分、特に、治療をすべき患者の投薬量を対症的に調整するために、1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日に1から4回の投与計画で投与してもよいし、1日に1回または2回投与してもよい。
【0103】
頭痛、偏頭痛、群発性頭痛、または本発明の化合物が指示される他の疾病を治療する、予防する、制御する、改善する、またはそれらのリスクを低減する際、本発明の化合物が、単一の日用量として、または1日2回から6回の分割量で、または持続放出形で与えられる、動物の体重のkgあたり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与されると、一般に、満足な結果が得られる。最も大きな哺乳類については、一日あたりの全投薬量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、または約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、この全日用量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムであろう。この薬剤投与計画は、最適な治療応答を生じさせるように調整することができる。
【0104】
しかし、個々のいずれの患者についてもこの具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変化させることができ、利用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の方式および回数、排泄率、薬物の組合せ、個々の状態の重症度、ならびにこの宿主が受けている治療法を含む様々な要因に依存するであろう。
【0105】
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を以下の図式および実施例において説明する。出発原料は、当該技術分野において公知である、または本明細書において説明する手順に従って製造する。
【0106】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料、試薬および通常の合成手順を使用し、以下の図式および具体的な実施例、またはそれらの変型に従って容易に調製することができる。これらの反応において、それ自体、通常の当業者に知られているが、然程詳細には言及しない異形を使用することも可能である。本発明の特許請求の範囲に記載の化合物を製造するための一般的な手順は、以下の図式を見ることにより当業者には容易に理解し、正しく認識することができる。
【0107】
カプロラクタムベンズイミダゾロン中間体の合成は、図式1から12に記載するとおり、行うことができる。
【0108】
最終化合物の調製は、式IIIおよび式IVのものなどの中間体を通して進行する。各中間体の合成を本明細書に記載する。
【0109】
【化43】

【0110】
一般に、式IIIおよびIVの中間体は、図式1に示すような尿素結合によってカップリングさせることができる。アミン中間体1は、反応性カルバメート、例えばp−ニトロフェニルカルバメート2に転化させることができ、これを、次に、中間体3のものようなアミンと反応させて、尿素4を生成させる。当業者に公知である他の活性中間体を使用して、4のような化合物を調製することができる。例えば、アミン1は、適切な塩化カルボニルで直接アシル化することができる。
【0111】
【化44】

【0112】
中間体3は、図式2で説明する、Takaiらが記載した(Chem.Pharm.Bull.1985,33,1116−1128)一般法に従って、調製することができる。塩化カルバモイル10は、アミンをホスゲンと反応させることによって作ることができる。
【0113】
【化45】

【0114】
一般式15の4−ピペリジニル−1−ベンズイミダゾロンの合成は、Henningら,J.Med.Chem.,1987,30,814−819およびこれに引用されている文献に記載されているものに類似した手順によって、遂行することができる。また、図式3の11などのアントラニル酸誘導体を12などのケトンで還元アルキル化して、モノアルキル化生成物13を得ることができる。閉環が同時に生じるクルチウス転位により、イミダゾロン14が生じる。標準条件下での最終的な脱保護により、最終生成物15が得られる。
【0115】
【化46】

【0116】
類似の合成戦略を用いて、式23の関連ベンゾジアゼピノンを構成することができる。出発アルコール16は、市販されており、または当業者に公知の手順に従って調製することができる。標準条件、例えばトリフェニルホスフィンおよび臭素を用いて、アルコール16をハロゲン化物に転化させて、臭化物17を調製することができる。このハロゲン化物をアジド求核試薬で置換し、このアジド18を標準条件下で還元して、第一アミン19を得る。適切に保護された4−ピペリジノンでこのアミンを還元アルキル化して、化合物20を得ることができる。このニトロ基の還元は、様々な条件を用いて容易に遂行され、次に、カルボニルジイミダゾールとの環化を果たして、環状尿素22を生じさせることができる。次いで、脱保護により、アミン23を遊離させる。
【0117】
【化47】

【0118】
キノリン28は、2−クロロキノリンおよびリチウムジイソプロピルアミドから誘導されたアニオンとピペリドン25を反応させることにより、調製することができる(図式5)。塩酸水溶液を用いて第三アルコールの除去とクロロキノリンの加水分解を同時に遂行することができる。接触水素化によるピペリジンN−ベンジル保護基の除去は、前段階で作られたオレフィンも還元し、この結果、アミン28が生じる。
【0119】
【化48】

【0120】
ラクタム29(図式6)は、公知の手順(J.Med.Chem.,1988,31,422−428)に従って調製することができる(図式7)。臭素化およびアジ化ナトリウムでの置換後、標準条件化での水素化により、アミン32が生じる。この第一アミンの保護により、様々な求電子試薬、例えば臭化アルキルでアミド窒素を選択的にアルキル化することができる。この第一アミンの脱保護は、酸性条件下で果たすことができ、これによって一般式35の化合物が生じる。
【0121】
【化49】

【0122】
ラクタム29は、公知の手順(J.Med.Chem.,1988,31,422−428)に従って調製することができる。塩基として水素化ナトリウムを使用し、様々な求電子試薬、例えば臭化アルキルでこのアミドをアルキル化することができる。五塩化リンおよび液体臭素での臭素化により対応する臭化物が得られる。これをアジ化ナトリウムと反応させ、標準的な水素化条件下で最終的な還元を行うことにより、一般式39のアミン化合物が生じる。
【0123】
【化50】

【0124】
また、図式8に概略を示すオレフィンメタセシス戦略に従って、カプロラクタムを組み立てることができる。塩酸2,4−ジメトキシベンジルアミンを弱塩基性条件下、2,3−ジブロモプロペンでアルキル化して、アミン41を得る。公知の手順(J.Chem.Soc.,1962,3963−3968)に従って市販のD−アリルグリシンから一段階で調製した(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペント−4−エン酸42を、様々な条件下でアミン41とカップリングさせて、アミド43を得ることができる。臭化ビニルを用いて、様々な遷移金属触媒クロスカップリング、例えばフェニルボロン酸と炭酸ナトリウムのパラジウム媒介アリール化を行って、スチレン誘導体44を生じさせることができる。ジクロロメタン中、グラブス第二世代ルテニウム触媒の存在下で穏やかに加熱すると閉環メタセシスが発生して、ラクタム45が生じる。このジメトキシベンジル基を除去し、インサイチューでこの第一アミンを脱保護して水素化することにより、対応する飽和ラクタム47が得られる。このアミド窒素を、様々な求電子試薬、例えば臭化アルキルで、選択的にアルキル化した後、酸性条件下で脱保護することにより、一般式49の化合物が生じる。
【0125】
【化51】

【0126】
図式9に従って、オキサゼパノンを調製することができる。イソプロパノール溶媒中での様々な第一アミンとの反応により、(S)−(−)−スチレンオキシド(または置換誘導体)を開環して、対応するアミノアルコール51を生じさせることができる。選択的N−保護、続く三フッ化ホウ素エーテラートを触媒とする53(公知の手順:J.Chem.Soc.,Perkins Trans.1,1994,7,807−816に従って調製したもの)のアジリジン開環によって、エーテル54が生じる。このメチルエステルの加水分解、選択的アミン脱保護、およびアジ化ジフェニルホスホリルでのアミド結合形成により56が得られ、次いで、標準水素化条件によってアミン57が生じる。
【0127】
【化52】

【0128】
親カプロラクタムのジアゼパノン類似体は、次の図式10のとおり調製する。トランス−β−ニトロスチレン(または置換誘導体)への塩酸3−アミノプロパン酸エチルのマイケル付加、および酸性亜鉛懸濁液での即時ニトロ基還元により、ジアミン59が得られる。様々なアルデヒドおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて、この第一アミンの選択的還元アルキル化を行うことができる。エステル加水分解および閉環によりジアゼパノン61が生じる。アミン保護後、リチウムジイソプロピルアミドでのエノレート生成および低温での液体臭素による反応停止により臭素化を果たす。アジ化ナトリウムでのこの臭化物の置換および標準条件下での水素化により一般式65のアミンが生じる。
【0129】
【化53】

【0130】
様々な求電子試薬、例えば臭化アルキルで、市販のラクタム66を選択的にアルキル化して、アミド67を得ることができる。酸性条件下での保護基の除去により一般式68のアミンが生じる。
【0131】
【化54】

【0132】
硫酸マグネシウムの存在下でアルキル置換カプロラクタム69をベンズアルデヒドと縮合させて、イミンを作ることができる。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドでの脱保護、続く求電子試薬、例えば臭化アルキルでの反応停止、および酸を触媒とするイミン加水分解により、一般式71の置換カプロラクタムが得られる。
【0133】
【化55】

【0134】
最終生成物は、場合によっては、例えば置換基の操作によってさらに変性することができる。これらの操作には、当業者に一般に公知である、還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
場合によっては、上記反応図式を行う順序を変えて、反応を促進することができ、または望ましくない反応生成物を回避することができる。本発明をより完全に理解することができるように、以下の実施例を提供する。これらの実施例は、単に実例となるものであり、いかなる点においても本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0136】
中間体1
【0137】
【化56】

【0138】
塩酸3−(4−ピペリジニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2(1H)−オン
表題化合物は、H.TakaiらがChem.Pharm.Bulletin 1985,33(3)1116−1128に記載した手順に従って調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ9.31(s,1H),8.79(br s,1H),8.58(br s,1H),7.13(t,J=8Hz,2H),6.88(t,J=8Hz,1H),6.77(d,J=8Hz,1H),4.37(tt,J=12,4Hz,1H),4.29(s,2H),3.00(q,J=11Hz,2H),2.06(dq,J=4,12Hz,2H),1.73(d,J=12Hz,2H)。
【0139】
中間体2
【0140】
【化57】

【0141】
3−(1−クロロカルボニル−4−ピペリジニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2(1H)−オン
中間体1(493mg、1.84mmol)を飽和炭酸ナトリウム(10mL)に懸濁させ、塩化メチレン(3x40mL)で抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。このようにして得た遊離塩基(422mg、1.82mmol)を塩化メチレン(50mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.32mL、1.82mmol)を添加し、この溶液をアルゴン下で0℃に冷却した。トルエン中のホスゲンの20%溶液(4.8mL、9.1mmol)を10分かけてゆっくりと添加した。この反応混合物を室温に温め、2.5時間攪拌した。溶媒および過剰な試薬を真空下で除去し、得られた白色の固体を塩化メチレンと塩化ナトリウム半飽和溶液とで分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。表題化合物を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.19(t,J=8Hz,1H),7.08(d,J=8Hz,1H),6.97(t,J=8Hz,1H),6.86(br s,1H),6.68(d,J=8Hz,1H),4.70(pentet,J=2Hz,1H),4.48(t,J=2Hz,2H),3.20(m,1H),3.00(m,1H),1.83(s,4H)。
【0142】
中間体3
【0143】
【化58】

【0144】
4−クロロ−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン
段階A.2−{[1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−6−クロロ安息香酸
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.09g、14.6mmol)を、室温でジクロロエタン(20mL)中の2−アミノ−6−クロロ安息香酸(1.00g、5.83mmol)およびN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(2.32g、11.7mmol)の溶液に添加した。5時間後、塩化アンモニウム飽和水溶液で反応を停止させた。この混合物を分離し、酢酸エチルで抽出した(3x)。硫酸ナトリウムで乾燥後、この溶液を濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0から15%のメタノールの傾斜溶離)によって精製し、これにより、多少のケトン出発原料で汚染された表題化合物を得た。MS 335.1(M+1)。
【0145】
段階B.4−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
アジ化ジフェニルホスホリル(1.71g、6.20mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.80g、6.20mmol)を、室温でトルエン(20mL)中の段階Aからの材料の一部(2.00g、5.64mmol未満)の溶液に添加した。30分後、この溶液を80℃に加熱した。2時間後、トルエンを真空下で蒸発させ、残留物を水と酢酸エチルとで分配し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0から10%のメタノールの傾斜溶離)によって精製し、これにより表題化合物を得た(2.17g)。MS 374.1(M+Na)。
【0146】
段階C.4−クロロ−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン
段階Bからの4−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(2.17g、6.17mmol未満)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、室温でトリフルオ酢酸(5mL)を添加した。5時間後、追加のトリフルオ酢酸(5mL)を添加し、この反応混合物を一晩攪拌した。この溶液にメタノール中2.0Mのアンモニアを添加し、この混合物を濾過して、真空下で揮発成分を蒸発させた。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中1から25%のメタノール(1% NHを含有)の傾斜溶離)によって精製し、これにより表題化合物を得た(1.12g)。MS 352.2(M+1)。
【0147】
中間体4
【0148】
【化59】

【0149】
塩酸3−(4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアゼピン−2−オン
段階A.2−(2−ブロモエチル)ニトロベンゼン
トリフェニルホスフィン(39.2g、0.150mol)および四臭化炭素(49.5g、0.150mol)を、0℃で塩化メチレン(400mL)中の2−(2−ヒドロキシエチル)−ニトロベンゼン(25.0g、0.150mol)の溶液に順次添加した。反応混合物を一晩攪拌し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で反応を停止させた。塩化メチレン相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物を酢酸エチルで処理し、沈殿した酸化トリフェニルホスフィンを濾過によって除去した。(シリカゲル、ヘキサン中0から10%の酢酸エチルの傾斜溶離)によるフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製によって表題化合物を生成させた(27.9g)。
【0150】
段階B.2−(2−アジドエチル)ニトロベンゼン
水(60mL)中のアジ化ナトリウム(22.8、0.351mol)を、アセトニトリル(120mL)中の2−(2−ブロモエチル)−ニトロベンゼン(27.9g、0.121mol)の溶液に添加した。反応混合物を4時間還流させて、冷却し、塩化メチレンと水とで分配した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。油として表題化合物を得た(22.8g)。
【0151】
段階C.2−(2−アミノエチル)ニトロベンゼン
トリフェニルホスフィン(31.1g、0.118mol)および炭酸カルシウム(50mg、0.5mmol)を、ベンゼン(500mL)中の2−(2−アジドエチル)ニトロベンゼン(22.8g、0.118mol)の溶液に添加した。この反応混合物を、反応が完了するまで、室温で攪拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物を100℃で1時間、酢酸(100mL)および48%臭化水素(100mL)で処理した。反応混合物を冷却し、濃縮した。水を添加し、この溶液を塩化メチレンで抽出した。5%水酸化ナトリウム水溶液の添加により水性相を塩基性にし、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。油として表題化合物を得た(8.0g)。MS 167(M+1)。
【0152】
段階D.4−{[2−(2−ニトロフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
メタノール(100mL)中の2−(2−アミノエチル)ニトロベンゼン(8.00g、48.1mmol)および1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジノン(9.59g、48.1mmol)の溶液を、酢酸の添加により、pH5にした。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.53g、72.2mmol)を添加し、この反応混合物を3時間攪拌した。真空下でメタノールを除去し、残留物を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム飽和水溶液とで分配した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。油として表題化合物を得た(19.27g)。MS 350(M+1)。
【0153】
段階E.4−{[2−(2−アミノフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
4−{[2−(2−ニトロフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルおよび10%パラジウム/炭素(1.9g)を、1気圧の水素のもと、一晩、エタノール(250mL)中で攪拌した。この溶液から触媒を濾過し、真空下で溶媒を除去して、表題化合物を生じさせた(17.2g)。MS 320(M+1)。
【0154】
段階F.3−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン
カルボニルジイミダゾール(8.73g、53.8mmol)をジメチルホルムアミド(200mL)中の4−{[2−(2−アミノフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(17.2g、53.8mmol)の溶液に添加し、室温で2時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水で抽出し、次いで、飽和ブラインで抽出した。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0から30%の酢酸エチルの傾斜溶離)によって精製した。暗色の固体として表題化合物を得た(4.8g)。
【0155】
段階G.塩酸3−(4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアゼピン−2−オン
酢酸エチル(300mL)中の3−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン(4.80g、13.9mmol)の溶液を0℃で塩化水素ガスにより飽和させた。この反応混合物を放置して室温に温め、一晩攪拌した。固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。第二収量のためにこの酢酸エチル濾液を濃縮した。油として表題化合物を得た(2.94g)。MS 246(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ7.10(m,2H),6.94(d,J=8Hz,1H),6.91(t,J=8Hz,1H),4.35(tt,J=10,1Hz,1H),3.52(m,4H),3.12(t,J=12Hz,2H),3.05(m,2H),2.07(qd,J=12,4Hz,2H),1.99(m,2H)。
【0156】
中間体5
【0157】
【化60】

【0158】
3−(4−ピペリジニル)キノリン−2(1H)−オン
段階A.3−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)−2−クロロキノリン
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(1.6M、38.2mL、61.1mmol)を、アルゴン下、−78℃で、テトラヒドロフラン(140mL)中のジイソプロピルアミン(8.6mL、61.1mmol)の溶液に添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(30mL)中の2−クロロキノリン(10.00g、61.1mol)の溶液を注射器により添加した。1時間後、1−ベンジル−4−ピペリジノンの溶液(11.3mL、61.1mmol)を添加して、反応混合物を−78℃でさらに40分間攪拌し、次いで、放置して室温に温めた。この反応混合物を−20℃に冷却し、水で反応を停止させた。この反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。クロマトグラフ精製(シリカゲル、塩化メチレン中0から10%の{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の傾斜溶離)により表題化合物、11.3gを得た。MS353(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.33(s,1H),8.00(d,J=8Hz,1H),7.82(d,J=8Hz,1H),7.72(dt,J=1,10Hz,1H),7.57(dt,J=1,8Hz,1H),7.39−7.26(m,5H),3.61(s,2H),2.85(d,J=11Hz,2H),2.59(t,J=12Hz,2H),2.48(dt,J=4,13Hz,2H),2.13(d,J=12Hz,2H)。
【0159】
段階B.3−(1−ベンジル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)キノリン−2−(1H)−オン
3−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)−2−クロロキノリン(11.0g、31.1mmol)を6Nの塩酸中で8時間還流させた。この溶液を冷却し、水(100mL)を添加した。沈殿した固体を回収し、乾燥させて、表題化合物、7.9gを得た。MS 317(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ7.97(s,1H),7.70(d,J=7Hz,1H),7.60(m,2H),7.55(m,4H),7.35(d,J=9Hz,1H),7.27(t,J=8Hz,1H),6.50(m,1H),4.49(ABq,J=13Hz,Δν=16Hz,2H),3.92(m,2H),3.76(dt,J=12,4Hz,1H),3.40(m,1H),2.96(m,2H)。
【0160】
段階C.3−(4−ピペリジニル)キノリン−2(1H)−オン
メタノール(500mL)中の3−(1−ベンジル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)キノリン−2−(1H)−オン(4.00g、12.6mmol)の溶液をアルゴンで脱気し、10%パラジウム/炭素(1.2g)を添加した。この反応混合物を1気圧の水素のもとに置き、5.5時間、50℃に加熱した。反応混合物を冷却し、セライトに通して濾過した。濃縮により、表題化合物、2.7gを得た。MS 229(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ7.80(s,1H),7.67(d,J=8Hz,1H),7.51(t,J=8Hz,1H),7.33(d,J=8Hz,1H),7.25(t,J=8Hz,1H),3.52(t,J=12Hz,2H),3.17(dt,J=3,13Hz,2H),3.15(m,δ3.17 ピークとの重なり,1H),2.18(d,J=14Hz,2H),1.91(dq,J=3,12Hz,2H)。
【0161】
中間体6
【0162】
【化61】

【0163】
(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
段階A.3−ブロモ−7−フェニルアゼパン−2−オン
五塩化リン(4.95g、23.8mmol)を0℃でジクロロメタン(75mL)中の7−フェニルアゼパン−2−オン(4.50g、23.8mmol)の溶液に添加した。1時間後、ヨウ素(0.060g、0.24mmol)、およびジクロロメタン(10mL)中の臭素(1.22mL、23.8mmol)の溶液を順次添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。1.5時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応を停止させた。この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(4.91g)。MS 268(M+1)。
【0164】
段階B.(3R,7R)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オン
アジ化ナトリウム(8.73g、134mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中の3−ブロモ−7−フェニルアザパン−2−オンの溶液(40mL)に添加し、この混合物を60℃に加熱した。2時間後、この反応混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮して、水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水(3x)および飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、シスおよびトランスラセミ化合物を得た。シスエナンチオマーを、100%メタノールでの溶離によりChiralpak ADカラムで分離して、表題化合物を得た(1.09g)。MS 231(M+1)。
【0165】
段階C.(3R,7R)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
10%パラジウム/炭素(0.90g)を、エタノール(10mL)中の(3R,7R)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オン(0.89g、3.87mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素(3x)を充填しなおし、次いで、水素(1気圧)を充填しなおした。18時間後、この混合物を濾過し、濃縮した。トリエチルアミン(0.61mL、4.41mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のこの粗製アミンおよびジ−t−ブチルジカーボネート(0.96g、4.41mmol)の溶液に添加した。1時間後、この混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製によって、表題化合物を得た(0.79g)。
【0166】
段階D.(3R,7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%の分散物;14.4mg、0.36mmol)を、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の(3R,7R)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(100mg、0.33mmol)および臭化シクロプロピルメチル(0.08mL、0.82mmol)の溶液に添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。6時間後、水で反応を停止させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(82mg)。MS 359(M+1)。
【0167】
段階E.(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
トリフルオロ酢酸(2.5mL)を、ジクロロメタン(5mL)中の(3R,7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(82mg、0.23mmol)の溶液に添加した。1時間後、この混合物を濃縮し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加した。この混合物をジクロロメタン(2x)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(53mg)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.40−7.37(m,2H),7.34−7.31(m,3H),4.97(dd,J=9.3,3.7Hz,1H),4.05(dd,J=9.8,4.2Hz,1H),3.24(dd,J=14.4,7.1Hz,1H),2.69(dd,J=14.2,7.1Hz,1H),2.16−2.10(m,2H),2.03−1.97(m,1H),1.92−1.85(m,2H),1.65−1.56(m,1H),0.69−0.63(m,1H),0.34−0.23(m,2H),0.09−0.04(m,1H),−0.10−−0.15(m,1H)。
【0168】
中間体7
【0169】
【化62】

【0170】
(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
段階A.1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
水素化ナトリウム(鉱物油中60%の分散物;0.793g、19.8mmol)を、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の6−フェニルアゼパン−2−オン(2.50g、13.2mmol)および臭化シクロプロピルメチル(1.92mL、19.8mmol)の溶液に添加し、次に、この混合物を放置して周囲温度に温めた。18時間後、この混合物を、水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3x)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(2.33g)。MS 244(M+1)。
【0171】
段階B.(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
五塩化リン(1.99g、9.57mmol)を0℃でジクロロメタン(55mL)中の1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(2.33g、9.57mmol)の溶液に添加した。1時間後、ヨウ素(0.024g、0.096mmol)、およびジクロロメタン(5mL)中の臭素(0.49mL、9.57mmol)の溶液を順次添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。18時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応を停止させた。この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。アジ化ナトリウム(5.60g、86.2mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中のこの粗製臭化物の溶液(50mL)に添加し、この混合物を50℃に加熱した。4時間後、反応混合物を放置して室温に冷却し、濃縮して、水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、水(3x)および飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮した。10%パラジウム/炭素(0.50g)を、エタノール(50mL)中のこの粗製アジドの溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素(3x)を充填しなおし、次いで、水素(1気圧)を充填しなおした。18時間後、この混合物を濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、ラセミアミンを得た。Chiralcel ODカラムを使用して、5% 2−プロパノール/90%(0.1%ジエチルアミンを伴うヘキサン)/5%メタノールで溶離することにより、これらのシスおよびトランスエナンチオマー、両者を分離して、表題化合物を得た(247mg)。MS 259(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.34(t,J=7.6Hz,2H),7.26−7.23(m,1H),7.17(d,J=7.6Hz,2H),3.86−3.81(m,2H),3.62(dd,J=13.9,6.8Hz,1H),3.32(d,J=11.1Hz,1H),3.08(dd,J=13.9,7.3Hz,1H),2.79−2.74(m,1H),2.14−2.12(m,1H),2.02−1.97(m,2H),1.77−1.67(m,1H),1.03−0.99(m,1H),0.55−0.49(m,2H),0.28−0.25(m,2H)。
【0172】
中間体8
【0173】
【化63】

【0174】
(3R,6S)−3−アミノ−1−(2−メトキシエチル)−6−フェニルアザパン−2−オン
段階A.2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロプ−2−エン−1−アミン
トリエチルアミン(16.0mL、114mmol)を、ジクロロメタン(200mL)中の塩酸2,4−ジメトキシベンジルアミン(11.1g、54.5mmol)および2,3−ジブロモプロペン(10.9g、54.5mmol)の溶液に添加した。18時間後、水を添加し、この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出した。併せた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(7.85g)。
【0175】
段階B.(1R)−1−{[(2−ブロモプロプ−2−エニル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エニルカルバミン酸ベンジル
塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(55mg、0.285mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロプ−2−エン−1−アミン(73mg、0.256mmol)および(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペント−4−エン酸(71mg、0.285mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(77mg)。MS 517(M+1)。
【0176】
段階C.(1R)−1−{[(2,4−ジメトキシベンジル)(2−フェニルプロプ−2−エニル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エニルカルバミン酸ベンジル
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.11g、0.962mmol)を、テトラヒドロフラン(54mL)および水(20mL)中の(1R)−1−{[(2−ブロモプロプ−2−エニル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エニルカルバミン酸ベンジル(2.49g、4.81mmol)、フェニルボロン酸(0.65g、5.29mmol)および炭酸ナトリウム(水中2M;4.81mL、9.63mmol)の溶液に添加し、この混合物を60℃に加熱した。1時間後、混合物を放置して周囲温度に冷却し、ジクロロメタン(3x)で抽出した。併せた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(2.02g)。MS 515(M+1)。
【0177】
段階D.(3R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−6−フェニル−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル
[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム](グラブス第二世代触媒)(0.68g、0.79mmol)を、ジクロロメタン(395mL)中の(1R)−1−{[(2,4−ジメトキシベンジル)(2−フェニルプロプ−2−エニル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エニルカルバミン酸ベンジル(2.02g、3.93mmol)の溶液に添加し、40℃に加熱した。40時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(1.00g)。MS 487(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.39−7.31(m,5H),7.26−7.19(m,3H),7.17(d,J=8.3Hz,1H),6.99(d,J=7.1Hz,2H),6.41(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),6.33(s,1H),6.22(d,J=6.4Hz,1H),5.77−5.76(m,1H),5.16−5.09(m,3H),4.82(d,J=14.7Hz,1H),4.65(dd,J=17.6,2.7Hz,1H),4.54(d,J=14.4Hz,1H),3.93(d,J=17.6Hz,1H),3.77(s,3H),3.64(s,3H),2.91−2.86(m,1H),2.42−2.36(m,1H)。
【0178】
段階E.(3R)−2−オキソ−6−フェニル−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル
トリフルオロ酢酸(15mL)中のL−メチオニン(2.56g、17.2mmol)の溶液を、ジクロロメタン(20mL)中の(3R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−6−フェニル−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル(0.84g、1.72mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を濃縮し、水を添加した。この混合物を酢酸エチルで抽出して、水(2x)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(2x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(0.44g)。MS 337(M+1)。
【0179】
段階F.(3R,6S)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
10%パラジウム/炭素(75mg)を、酢酸エチル(30mL)中の(3R)−2−オキソ−6−フェニル−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル(596mg、1.77mmol)およびジ−t−ブチルジカーボネート(773mg、3.54mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を充填しなおし(3x)、次いで、水素(1気圧)を充填しなおした。2時間後、混合物を濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(289mg)。
【0180】
段階G.(3R,6S)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;6.2mg、0.158mmol)を、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の(3R,6S)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(40mg、0.131mmol)および2−ブロモエチルメチルエーテル(0.013mL、0.138mmol)の溶液に添加した。添加後、この混合物を放置して周囲温度に温めた。4時間後、水で反応を停止させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(41mg)。MS 363(M+1)。
【0181】
段階H.(3R,6S)−3−アミノ−1−(2−メトキシエチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
トリフルオロ酢酸(2.5mL)を、ジクロロメタン(5mL)中の(3R,6S)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(41mg、0.113mmol)の溶液に添加した。1時間後、この溶液を濃縮した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。MS 263(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.32(t,J=7.3Hz,2H),7.25−7.22(m,1H),7.18(d,J=8.3Hz,2H),3.83−3.76(m,3H),3.56−3.49(m,3H),3.35(s,3H),3.34−3.30(m,1H),2.77−2.72(m,1H),2.13−2.10(m,1H),2.03−1.94(m,2H),1.74−1.68(m,1H)。
【0182】
中間体9
【0183】
【化64】

【0184】
(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オン
段階A.シクロプロピルメチル[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル
(S)−スチレンオキシド(4.83g、40.3mmol)およびシクロプロパンメチルアミン(4.00g、56.4mmol)をイソプロピルアルコール(100mL)に溶解し、加熱して還流させた。8時間後、反応混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。トリエチルアミン(5.61mL、40.3mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中のこの粗製アミンおよびジ−t−ブチルジカーボネート(8.78g、40.3mmol)の溶液に添加した。18時間後、水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(5.48g)。
【0185】
段階B.N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(t−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン酸メチル
三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.10mL、0.84mmol)を、クロロホルム(20mL)中のシクロプロピルメチル[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]カルバミン酸t−ブチル(2.45g、8.39mmol)および(2R)−アジリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(1.97g、8.39mmol)の溶液に添加した。3時間後、この反応混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(1.21g)。
【0186】
段階C.N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(t−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン
水酸化ナトリウム水溶液(1N;3.81mL、3.81mmol)を、テトラヒドロフラン(20mL)中のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(t−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン酸メチル(1.30g、2.46mmol)の溶液に添加した。18時間後、塩酸水溶液(1N;3.81mL、3.81mmol)を添加した。この混合物をジクロロメタンで抽出し(3x)、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(1.27g)。MS 535(M+Na)。
【0187】
段階D.(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イルカルバミン酸ベンジル
トリフルオロ酢酸(5.0mL)を、ジクロロメタン(15mL)中のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(t−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン(1.27g、2.47mmol)の溶液に添加した。2時間後、この混合物を濃縮し、トルエンと共沸させて(3x)、粗製アミンを得た。アジ化ジフェニルホスホリル(1.07mL、4.95mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中のこの粗製アミンおよび4−メチルモルホリン(0.82mL、7.41mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を濃縮し、水を添加した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水(2x)および飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(0.426g)。MS 395(M+1)。
【0188】
段階E.(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オン
10%パラジウム/炭素(20mg)をエタノール(15mL)中の(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オン(179mg、0.454mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を充填しなおし(3x)、次いで、水素(1気圧)を充填しなおした。18時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(113mg)。MS 261(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.40−7.31(m,5H),4.53(d,J=8.5Hz,1H),4.10−4.03(m,2H),3.90(dd,J=15.9,7.1Hz,1H),3.80−3.65(m,2H),3.36(d,J=15.9Hz,1H),3.03(dd,J=13.9,6.6Hz,1H),1.06−1.01(m,1H),0.64−0.53(m,2H),0.33−0.25(m,2H)。
【0189】
中間体10
【0190】
【化65】

【0191】
シス(2R,6Rおよび2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル
段階A.3−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]プロパン酸エチル
トランス−β−ニトロスチレン(4.04g、27.1mmol)を、アセトニトリル(70mL)中の塩酸3−アミノプロパン酸エチル(4.16g、27.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.43mL、54.2mmol)の溶液に添加した。15分後、酸性になるまで無水塩酸ガスをこの溶液中でバブリングした。この混合物を濃縮し、エタノール(60mL)および塩酸水溶液(12M;30mL)に再び溶解して、0℃に冷却した。亜鉛末(8.80g、134mmol)を5分かけて少しずつ添加した。0.5時間後、この混合物を濃縮してエタノールを除去し、炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加した。この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(9.5g)。MS 237(M+1)。
【0192】
段階B.N−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−ベータ−アラニン酸エチル
ジクロロエタン(200mL)中の3−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]プロパン酸エチル(6.38g、27.0mmol)、硫酸マグネシウム(10g、83.1mmol)およびシクロプロパンカルボキシアルデヒド(2.02mL、27.2mmol)の混合物を酢酸でpH6に調整した。1時間後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.72g、27.0mmol)を添加した。さらに30分後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出した。併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(3.14g)。MS 291(M+1)。
【0193】
段階C.4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−5−オン
水酸化ナトリウム(1M;6.53mL、6.53mmol)を、メタノール(10mL)中のN−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−ベータ−アラニン酸エチル(1.81g、6.22mmol)の溶液に添加した。1時間後、この混合物を濃縮し、トルエンと共沸させて(3x)、粗製の酸を得た。アジ化ジフェニルホスホリル(2.68mL、12.43mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(124mL)中のこの粗製酸(1.77g、6.22mmol)および4−メチルモルホリン(1.37mL、12.4mmol)の溶液に添加した。18時間後、この反応混合物を濃縮し、水で希釈した。この混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/10%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(1.38g)。MS 245(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.47−7.30(m,5H),3.89−3.88(m,2H),3.65(dd,J=13.9,6.6Hz,1H),3.31−3.26(m,1H),3.24−3.21(m,1H),3.02−2.93(m,3H),2.70−2.65(m,1H),1.02−0.97(m,1H),0.58−0.49(m,2H),0.28−0.21(m,2H)。
【0194】
段階D.4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル
トリエチルアミン(0.53mL、3.79mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中の4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−5−オン(0.925g、3.79mmol)およびジ−t−ブチルジカーボネート(0.826g、3.79mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を水で希釈した。混合物をジクロロメタンで抽出し、飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製によって、表題化合物を得た(1.38g)。MS 345(M+1)。
【0195】
段階E.6−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル
リチウムジイソプロピルアミド(THF中1M;2.13mL、2.13mmol)を、−78℃でテトラヒドロフラン(5mL)中の4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル(0.489g、1.42mmol)に添加した。30分後、このエノレート溶液を、−78℃でテトラヒドロフラン(3mL)中の臭素(0.36mL、7.10mmol)の溶液に、カニューレで5分間かけて一滴ずつ移した。15分後、この混合物を硫酸ナトリウム飽和水溶液で反応停止させ、放置して周囲温度に温めた。この混合物を酢酸エチルで抽出し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液および飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮した。MS 423(M+1)。
【0196】
段階F.シスおよびトランス6−アジド−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル
アジ化ナトリウム(0.841g、12.9mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の6−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル(0.609g、1.43mmol)の溶液に添加し、70℃に温めた。1時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、水を添加した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、水(3x)、飽和ブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン→50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、170mgのトランス異性体および30mgのシス異性体を得た。MS 386(M+1)。
【0197】
段階G.シス(2R,6Rおよび2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル
10%パラジウム/炭素(20mg)を、エタノール(15mL)中のシス6−アジド−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル(165mg、0.428mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素(3x)を充填しなおし、次いで、水素(1気圧)を充填しなおした。2時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(20mg)。
【0198】
中間体11
【0199】
【化66】

【0200】
(3R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;30mg、1.24mmol)を、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(3R)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(258mg、1.13mmol)および臭化シクロプロピルメチル(0.27mL、2.83mmol)の溶液に添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。6時間後、この反応混合物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(257mg)。MS 283(M+1)。
【0201】
中間体12
【0202】
【化67】

【0203】
3−アミノ−1−ベンジル−3−[4−(ベンジルオキシ)ベンジル]アゼパン−2−オン
硫酸マグネシウム(5.0g、41.5mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中の市販の3−アミノ−1−ベンジルアゼパン−2−オン(940mg、4.31mmol)、トリエチルアミン(0.60mL、4.31mmol)およびベンズアルデヒド(0.46mL、4.52mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、粗製イミンを得た。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M;1.42mL、1.42mmol)を、テトラヒドロフラン(4mL)中のこの粗製イミン(363mg、1.19mmol)の溶液に添加した。2時間後、この混合物を0℃に冷却した。塩化4−ベンジルオキシベンジル(290mg、1.24mmol)を添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。さらに18時間後、この混合物を1Nの塩酸(10mL)で反応停止させた。30分後、この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/10%メタノール(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(109mg)。MS 415(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.44−7.36(m,4H),7.34−7.23(m,6H),7.03(d,J=8.6Hz,2H),6.81(d,J=8.6Hz,2H),5.29(s,2H),4.64−4.52(m,2H),3.31−3.26(m,1H),3.22−3.18(m,1H),3.02(d,J=13.4Hz,1H),2.86(d,J=13.7Hz,1H),1.90−1.75(m,4H),1.72−1.60(m,2H),1.49−1.42(m,2H)。
【実施例1】
【0204】
【化68】

【0205】
N−[(3R,7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(0.010mL、0.075mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(2mL)中の(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン(26mg、0.148mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(16mg、0.080mmol)の溶液に添加した。30分後、塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジニウム(20mg、0.075mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.030mL、0.19mmol)および1,2−ジクロロエタン(3mL)を添加し、この混合物を加熱して還流させた。18時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物(29mg)を得た。MS 516(M+1)。
【実施例2】
【0206】
【化69】

【0207】
[(3R,7R)−2−オキソ−3−({[4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−7−フェニルアゼパン−1−イル]酢酸t−ブチル
表題化合物は、実施例1と類似の手順を用い、[(3R,7R)−3−アミノ−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−1−イル]酢酸t−ブチルおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 576(M+1)。
【実施例3】
【0208】
【化70】

【0209】
[(3R,7R)−2−オキソ−3−({[4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−7−フェニルアゼパン−1−イル]酢酸t−ブチル
表題化合物は、実施例1と類似の手順を用い、[(3R,7R)−3−アミノ−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−1−イル]酢酸t−ブチルおよび塩化4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジニウムを用いて調製した。MS 590.3351(M+1)。
【実施例4】
【0210】
【化71】

【0211】
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.90mmol)を、1,2−ジクロロエタン(10mL)中の(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(116mg、0.45mmol)および塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニル(132mg、0.45mmol)の溶液に添加し、この混合物を加熱して還流させた。1時間後、混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(32mg)。MS 516(M+1)。
【実施例5】
【0212】
【化72】

【0213】
N−[(3S,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例4と類似の手順を用い、(3S,6R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 516(M+1)。
【実施例6】
【0214】
【化73】

【0215】
シス−N−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例4と類似の手順を用い、シス−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 516(M+1)。
【実施例7】
【0216】
【化74】

【0217】
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例4と類似の手順を用い、(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジニウムを用いて調製した。MS 530(M+1)。
【実施例8】
【0218】
【化75】

【0219】
4−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−[(3R,6S)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
乾燥テトラヒドロフラン(2mL)中の(3R,6S)−3−アミノ−1−(2−メトキシエチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(0.015g、0.057mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(0.012g、0.057mmol)の溶液をアルゴン下で0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.006g、0.057mmol)を添加し、この反応混合物を1時間攪拌した。固体4−クロロ−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(0.057mmol)を添加し、続いてトリエチルアミン(0.055g)を添加した。この反応混合物を放置して室温にし、1時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機層の黄色い色が消えるまで1NのNaOHで抽出した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮し、順相クロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0から7%のメタノールの傾斜溶離)により精製し、これによって表題化合物を得た(9mg)。MS 540.2370(M+1)。
【実施例9】
【0220】
【化76】

【0221】
N−[(3R,6S)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例8と類似の手順を用いて、(3R,6S)−3−アミノ−1−(2−メトキシエチル)−6−フェニルアゼパン−2−オンおよび4−メチル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを用いて調製した。MS 520.2927(M+1)。
【実施例10】
【0222】
【化77】

【0223】
N−[(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(0.011mL、0.081mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(1mL)中の(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オン(21mg、0.081mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(16mg、0.081mmol)の溶液に添加した。30分後、ジイソプロピルエチルアミン(0.042mL、0.242mmol)、塩化4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジニウム(23mg、0.081mmol)およびジクロロメタン(1mL)を添加し、この混合物を50℃に加熱した。1時間後、混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製によって、表題化合物を得た(34mg)。MS 532(M+1)。
【実施例11】
【0224】
【化78】

【0225】
N−[(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例10と類似の手順を用い、(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オンおよび1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを用いて調製した。MS 504.2591(M+1)。
【実施例12】
【0226】
【化79】

【0227】
N−[(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(6−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例10と類似の手順を用い、(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オンおよび6−フルオロ−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを用いて調製した。MS 522.2521(M+1)。
【実施例13】
【0228】
【化80】

【0229】
N−[(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例10と類似の手順を用い、(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オンおよび3−(4−ピペリジニル)キノリン−2−(1H)−オンを用いて調製した。MS 515(M+1)。
【実施例14】
【0230】
【化81】

【0231】
N−[(2S,6Rおよび2R,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミドおよびN−[(2S,6Sおよび2R,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例10と類似の手順を用い、シス−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オンとトランスシス−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキサゼパン−5−オンの両方(ラセミ酸化スチレンおよびラセミ2−メチル−アジリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジルを用いて得られたもの)および塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 518(M+1)。
【実施例15】
【0232】
【化82】

【0233】
シスN−[(3S,6Sおよび3R,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
ジイソプロピルエチルアミン(0.020mL、0.11mmol)を、1,2−ジクロロエタン(5mL)中のシス(2R,6Sおよび2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸t−ブチル(20mg、0.060mmol)および塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニル(17mg、0.060mmol)の溶液に添加し、この混合物を加熱して還流させた。18時間後、混合物を放置して周囲温度に冷却し、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。1時間後、この混合物を濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(0.1%トリフルオロ酢酸を伴うアセトニトリル))による精製によって、表題化合物を得た(9mg)。MS 517(M+1)。
【実施例16】
【0234】
【化83】

【0235】
N−[(3R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリフルオロ酢酸(5mL)を、ジクロロメタン(10mL)中の(3R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(257mg、0.91mmol)の溶液に添加した。1時間後、この混合物を濃縮し、ジクロロメタン(3x)と共沸させて、粗製アミンを得た。ジイソプロピルエチルアミン(0.070mL、0.40mmol)を、1,2−ジクロロエタン(2mL)中のこの粗製アミン(39mg、0.13mmol)および塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニル(39mg、0.13mmol)の溶液に添加し、この混合物を加熱して還流させた。1時間後、この反応混合物を放置して周囲温度に冷却した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(32mg)。MS 440(M+1)。
【実施例17】
【0236】
【化84】

【0237】
N−[(3R)−1−ベンジル−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16に類似の手順を用い、(3R)−3−アミノ−1−ベンジルアゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 476.2645(M+1)。
【実施例18】
【0238】
【化85】

【0239】
N−(1−ベンジル−2−オキソアゼパン−3−イル)−4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16に類似の手順を用い、3−アミノ−1−ベンジルアゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル)ピペリジニウムを用いて調製した。MS 490.2822(M+1)。
【実施例19】
【0240】
【化86】

【0241】
N−[(3R)−1−(4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16に類似の手順を用い、(3R)−3−アミノ−1−(4−ヒドロキシベンジル)アゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 492.2591(M+1)。
【実施例20】
【0242】
【化87】

【0243】
N−[(3R)−1−(3−メトキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16に類似の手順を用い、(3R)−3−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)アゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 528.2578(M+Na)。
【実施例21】
【0244】
【化88】

【0245】
N−[(3R)−1−(3−ヒドロキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16に類似の手順を用い、(3R)−3−アミノ−1−(3−ヒドロキシベンジル)アゼパン−2−オンおよび塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボニルを用いて調製した。MS 492.2599(M+1)。
【実施例22】
【0246】
【化89】

【0247】
N−[1−ベンジル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0248】
段階A.N−{1−ベンジル−3−[4−(ベンジルオキシ)ベンジル]−2−オキソアゼパン−3−イル}−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
ホスゲン(トルエン中20重量%;0.49mL、0.92mmol)を、0℃でジクロロメタン(2mL)中の3−アミノ−1−ベンジル−3−[4−(ベンジルオキシ)ベンジル]アゼパン−2−オン(76mg、0.18mmol)およびトリエチルアミン(0.80mL、0.55mmol)の溶液に添加した。30分後、この混合物を濃縮し、アセトニトリル(5mL)に再び溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(0.060mL、0.37mmol)および塩化4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジニウム(49mg、0.18mmol)を添加し、この混合物を加熱して還流させた。1時間後、混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(114mg)。MS 672(M+1)。
【0249】
段階B.N−[1−ベンジル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
10%パラジウム/炭素(23mg)を、エタノール(5mL)中のN−{1−ベンジル−3−[4−(ベンジルオキシ)ベンジル]−2−オキソアゼパン−3−イル}−4−(2−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(67mg、0.100mmol)の溶液に添加した。この反応溶液を排気し、窒素(3x)を充填しなおし、次いで、水素(1気圧)充填しなおした。32時間後、この混合物を濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(43mg)。MS 582(M+1)。
【実施例23】
【0250】
【化90】

【0251】
N−[3−(4−メトキシベンジル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
表題化合物は、実施例22と類似の手順を用い、3−アミノ−3−(4−メトキシベンジル)アゼパン−2−オンおよび1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを用いて調製した。MS 492.2602(M+1)。
【0252】
本発明を、本発明のある特定の実施態様を参照しながら記載し、説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、手順およびプロトコルの様々な適応、変更、変形、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解されるだろう。例えば、上に示した本発明の化合物でいずれかの適応症についての治療を受けた哺乳類の反応の変化の結果として、本明細書において上述したような特定の投薬量以外の有効な投薬量を適用できることもある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、ならびに
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、ならびに
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から独立して選択され、または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
10およびR11は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wは、O、NRまたはC(Rであり、
Xは、CまたはSであり、
Yは、O、(R、NCN、NSOCH、NCONHであり、またはYは、XがSであるときには、Oであり、
は、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され、
G−Jは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N;C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、CN、OR、N(RおよびCOから独立して選択され、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され、
pは、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1であり、
mは、0、1または2であり、
nは、0または1であり、
sは、1、2または3である)
の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々のジアステレオマー。
【請求項2】
式:
【化2】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1であり;および
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHである)
の、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項3】
式:
【化3】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1である)
の、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項4】
式:
【化4】

の、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項5】
式:
【化5】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項6】
式:
【化6】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項7】
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、ならびに
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
G−Jが、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C=C(R)−C(R)、C(R)−C(R)=C(R)、N−C(R−C(RおよびN−C(R)=C(R)から選択され、
が、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される、
請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項8】
式:
【化7】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1であり;および
Yは、O、(R、NCN、NSOCH、またはNCONHである)
の、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項9】
式:
【化8】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1である)
の、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項10】
式:
【化9】

の、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項11】
式:
【化10】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項12】
式:
【化11】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項13】
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているフェニル(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、
が、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているフェニル(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンズイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンズイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
10およびR11が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
が、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wが、NRまたはC(Rであり、
G−Jが、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、N−C(R−C(R、およびN−C(R)=C(R)から選択され、
が、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)pC1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択される、
請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項14】
式:
【化12】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1であり、
Yは、O、(R、NCN、NSOCH、またはNCONHである)
の、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項15】
式:
【化13】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり、
Bは、(C(Rであり、
nは、0または1である)
の、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項16】
式:
【化14】

の、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項17】
式:
【化15】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項18】
式:
【化16】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
の、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々の立体異性体。
【請求項19】
式:
【化17】

(式中、
Bは、(C(Rであり、
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、ならびに
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から選択され、ならびに
は、
1)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキルおよび複素環、ならびに
2)非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている、アリールまたはヘテロアリール
から独立して選択され;または
同じ原子もしくは隣接原子上のいずれか2個の独立したRが一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していることがあり、
10およびR11は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、非置換であるか、1から5個の置換基(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)で置換されている、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していることがあり、
は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている、H、C−Cアルキル、(F)pC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから独立して選択され、
Wは、O、NR、またはC(Rであり、
Xは、CまたはSであり、
Yは、O、(R、NCN、NSOCH、NCONHであり、またはYは、XがSであるときには、Oであり、
は、Hおよび
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されているヘテロアリール(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
e)非置換であるか、1から5個の置換基で置換されている複素環(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され、
G−Jは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N;C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され、
Q、T、UおよびVは、各々独立して、CまたはNであり、この場合、Q、T、UおよびVのうちの少なくとも1つ、しかし3つ以下はNであり、ならびにQ、T、UまたはVのうちのいずれかがCであるとき、これは非置換であるか、置換されており(この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、CN、OR、N(RおよびCOから独立して選択され、
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され、
pは、0から(q個の炭素を有する置換基については)2q+1であり、
mは、0、1または2であり、
nは、0または1であり、
sは、1、2または3である)
の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々のジアステレオマー。
【請求項20】
【化18】








から選択される化合物ならびにこの医薬適合性の塩および個々のジアステレオマー。
【請求項21】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
頭痛、偏頭痛または群発性頭痛の治療において有用な薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−525450(P2007−525450A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509941(P2006−509941)
【出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/011254
【国際公開番号】WO2004/091514
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】