説明

CMC修復剤、毛髪化粧料およびCMC修復方法

【課題】毛髪のCMC(細胞間複合体)を修復して、毛髪保護効果及びその持続性に優れ、且つ毛髪にしっとり感とやわらかさ、なめらかさを付与するCMC修復剤およびCMC修復方法を提供する。
【解決手段】N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩のようなアミノ酸誘導体を含むものとする。またこのアミノ酸誘導体を0.0001〜1質量%含み、CMCを修復する毛髪化粧料とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCMC修復剤に関し、さらに詳しくは、毛髪のダメージによる強度低下を防ぎ、CMC(細胞間複合体)の修復を行うCMC修復剤およびそれを含む毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、毛髪はヘアカラー、ブリーチ剤や、ドライヤーによる熱、過度のブラッシング等が原因で損傷し、枝毛、切れ毛、乾燥等が起こることが知られている。そこで上述の毛髪損傷に対する保護・修復を目的に、シャンプー、リンス、スタイリング剤等の毛髪化粧料にはシリコーン油、パラフィン系オイル等の油分、低分子の多価アルコール、グリセリン等の保湿剤、天然物から抽出した各種原料例えばタンパク質、多糖、抽出エキス、天然高分子またはこれらを構成している単体もしくはオリゴ体、例えばアミノ酸、リン脂質、蛋白質、蛋白質加水分解物、デンプン、デンプン加水分解物およびそれらの誘導体、ビタミン類、セレシン等が配合されている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、上記毛髪化粧料に配合される高分子シリコーン油やリン脂質、蛋白質、蛋白質加水分解物等は、毛髪補修効果が十分でなく、毛髪保護効果の持続性の点で必ずしも満足できるものではなかった。
また特許文献4には、毛髪、皮膚などに対して低刺激性であり、かつ起泡性、洗浄性にも優れ、使用時、すすぎ時において指どおりが良く、さらさらとした感触を与えうる洗浄剤組成物が開示されている。この洗浄剤組成物には、分子内にアシル基と親水基とを2個以上ずつ有する化合物(アシル化合物)の1種以上とシリコーン誘導体の1種以上とが含有されている。さらに特許文献5には、毛髪、皮膚などに対して低刺激性であり、かつすすぎ時のぬめり感がなく、使用後のさっぱり感を与えうる洗浄剤組成物が開示されている。この洗浄剤組成物には、分子内にアシル基と親水基とを2個以上ずつ有する化合物(アシル化合物)の1種以上と高級脂肪酸またはその塩の1種以上とが含有されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−926号公報
【特許文献2】特開平5−4907号公報
【特許文献3】特開2005−232113号公報
【特許文献4】特開2005−281455号公報
【特許文献5】特開2005−281456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、毛髪はコア部のコルテックス領域と外郭部のキューティクル領域とからなり、キューティクル領域は、無色透明な鱗状のキューティクル(毛表皮)と、キューティクルとキューティクルの間に存在してキューティクル同士を接着するCMC(細胞膜複合体)とからなっている。このCMC(細胞膜複合体)は、キューティクル同士を接着すると同時に外部からの物理的・化学的刺激からキューティクルを守って毛髪成分の流出を防ぐと共に、水分を保持し、水の通り道ともなるものである。
したがって、このCMCの損傷を防止し、あるいは損傷を修復してCMCの状態を健全なものにすることのできる成分を見出すことが、望まれていた。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、毛髪の優れたCMC修復作用を有するCMC修復剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、以下の化合物が優れたCMC修復効果を有し、CMC修復剤として機能することを見出し本発明に至った。
【0006】
即ち本発明は、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体を含むことを特徴とするCMC修復剤である。
【0007】
【化1】

【0008】
(ここで、XはNaまたはHである)
また本発明は、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体を0.0001〜1質量%含み、CMCを修復することを特徴とする毛髪化粧料である。
【0009】
【化2】

【0010】
(ここで、XはNaまたはHである)
そして本発明は、上記いずれかに記載のCMC修復剤を用いてCMCを修復することを特徴とするCMC修復方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のCMC修復剤およびCMC修復方法は、毛髪キューティクル間のCMCを修復する効果があり、しかもその効果が持続して得られるものである。そのため、このCMC修復剤を配合した毛髪化粧料は、毛髪補修効果に優れ、毛髪保護効果の持続性も良いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のCMC(Cell Membrane Complex;細胞間複合体)修復剤は上記したように毛髪のキューティクルとキューティクルの間に存在してキューティクル同士を接着する役目を担うと共に、外部からの物理的・化学的刺激からキューティクルを守って毛髪成分の流出を防ぎ、水分を保持し、水の通り道ともなるものであり、このCMCの損傷を防止・修復することで、毛髪の状態を整え、健康な髪を維持することができる。
従来より、このようなCMCの作用については分かっていたものの、具体的にCMCの厚みを客観的に測定する方法が確立されていなかったため、CMCの修復に直接関与する化合物を見出すことはなされていなかった。本願出願人は、小角X線散乱法を用いればCMC厚みの測定が可能で、CMC修復剤としての評価が可能であることを新たに見出し、本発明に至ったものである。
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
尚、以下の実施の形態において本発明のCMC修復剤は、毛髪化粧料に配合されて用いられるが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの態様に限られるものではない。
【0014】
<アミノ酸誘導体>
本発明のCMC修復剤の有効成分であるアミノ酸誘導体は、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるものである。ただし一般式(1)〜(4)中、Xは、NaまたはHである。
【0015】
【化3】

【0016】
本発明に用いられる上記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム・カリウム・リチウム等のアルカリ金属、カルシウム・マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、モノエタノールアミン・ジエタノールアミン・トリエタノールアミン・トリイソプロパノールアミン・2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の有機アミン、アルギニン・リジン等の塩基性アミノ酸から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が好ましい。また市販品としては、例えばペリセアL−30(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物のナトリウム塩、旭化成ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
【0017】
本発明のCMC修復剤は、好ましくは上記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体からなるものであるが、その他の成分を含むものであっても良い。
【0018】
本発明におけるアミノ酸誘導体は、毛髪化粧料中に用いる場合には、その配合量は、毛髪化粧料全量中の0.0001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.1質量%である。0.001質量%未満では十分なCMC修復効果が得られず、1質量%を超えると製剤安定性が悪くなる傾向があり、使用感触にも劣るようになる。
【0019】
本発明においては、上記アミノ酸誘導体を0.0001〜1質量%含み、CMCを修復することを特徴とする毛髪化粧料が提供される。ここで、該毛髪化粧料には、下記一般式(5)で表される第4級アンモニウム塩の1種又は2種以上を0.1〜10.0質量%含むことが好ましく、さらにシリコーン油分を含むことが好ましい。
【0020】
<第4級アンモニウム塩>
本発明の毛髪化粧料は、下記一般式(5)で表される第4級アンモニウム塩を1種又は2種以上配合することにより、毛髪への吸着性を一層良くし、毛髪に滑らかさや光沢を付与し、櫛通りを良くすることができる。
(NR783) …(5)
(式中、R7は炭素数14〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R8はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基である。)
【0021】
炭素数14〜22のアルキル基としては、例えばセチル基、ステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。炭素数14〜22のヒドロキシアルキル基としては、例えば12−ヒドロキシステアリル基等が挙げられる。R7として、特に好ましいものとしてはステアリル基及びベヘニル基が挙げられる。R8としては、好ましい基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が挙げられる。Xは、好ましくは塩素原子又は臭素原子である。
【0022】
前記一般式(5)で示される第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、及びセチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等を挙げることができる。その中でも特に、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、及び塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム並びにこれらの混合物が好ましい。
【0023】
第4級アンモニウム塩の配合量は、毛髪化粧料全体の0.1〜10.0質量%の範囲、好ましくは0.6〜5.0質量%の範囲である。0.1質量%未満では、添加効果が充分に得られず、5.0質量%を超えると、毛髪化粧料の粘度が高くなりすぎるので、好ましくない。
【0024】
<シリコーン油>
本発明の毛髪化粧料においては、アミノ酸誘導体にカチオン活性剤を加えると、毛髪が柔軟になり、コンディショニング効果が得られるが、毛髪表面のなめらかさを付与するためには、更にシリコーン油を毛髪化粧料中に配合することが好ましい。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0025】
本発明の毛髪化粧料においては、さらに保湿剤を配合することが好ましい。
保湿剤としては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、グルコース、マルトース、蔗糖、フラクトース、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉、分解糖還元アルコール等の単糖、2糖もしくはオリゴ糖及びそれらの誘導体、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、イソプレングリコール、ポリグルタミン酸ナトリウム、アルキレンオキシド誘導体(例えばPOE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(25)POP(40)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(45)POP(34)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略である。
【0026】
本発明の毛髪化粧料は、さらにレシチン、加水分解タンパクとその誘導体、グルタミン酸、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、プロリン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸、ビタミン類、セレシン等の毛髪補修成分を配合することにより、さらに毛髪の修復・保護効果に優れ、且つその効果が長時間持続する毛髪化粧料が得られる。
【0027】
本発明の毛髪化粧料には上記の必須構成成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で、さらに流動パラフィン,スクワラン,ラノリン誘導体,高級アルコール,各種エステル油,アボガド油,パーム油,牛脂,ホホバ油,ポリアルキレングリコールポリエーテル及びそのカルボン酸オリゴエステル化合物,テルペン系炭化水素油等の油分、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、アクリル系樹脂,シリコーン樹脂,ポリビニルピロリドン等の樹脂類、大豆蛋白,ゼラチン,コラーゲン,絹フィブロイン,エラスチン等の蛋白又は蛋白分解物、エチルパラベン,ブチルパラベン等の防腐剤、ビオチン,パントテン酸誘導体等の賦活剤、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、ビタミンE誘導体、ニコチン酸誘導体等の血行促進剤、硫黄,チアントール等の抗脂漏剤、エタノール,イソプロパノール,テトラクロロジフルオロエタン等の希釈剤、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、薬剤、香料、色剤等を必要に応じて敵宜配合してもよい。
【0028】
本発明の剤型は任意であり、可溶化系、乳化系、粉末分散系、油−水の2層系、油−水−粉末の3層系等いずれでも構わない。乳化系の場合は、油相を界面活性剤で乳化して用いる。あるいは、界面活性剤を水溶性多価アルコールに溶解し、油分を添加し乳化して乳化組成物を作り、その組成物を水で希釈して乳化物を作ることもできる。
界面活性剤としては、上記一般式(5)で表される第4級アンモニウム塩を使用してもよいが、以下に記載するようなその他の界面活性剤を使用することもできる。
【0029】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0030】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0031】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0032】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0033】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0034】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に使用する任意の化粧料を意味し、シャンプー等のいわゆる毛髪洗浄剤や、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、スタイリング剤等のいわゆる毛髪処理剤等を広く含むものである。また、その使用形態も、毛髪に塗布し全体によくなじませた後に洗い流す(すすぐ)ものや、洗い流さないもの等、いずれも含み得る。
【実施例】
【0035】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0036】
試験例1
健常毛(1)、ブリーチ処理したブリーチ毛(2)、およびN−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩(ペリセアL−30)の0.01質量%水溶液を用いてブリーチ毛を処理したペリセア処理毛(3)を用い、以下の方法でX線散乱像の測定、およびCMC幅の測定を行った。毛髪のブリーチ処理およびペリセア処理については、後述する実施例1〜3の引っ張り強度回復率の測定におけると同様に行った。
【0037】
(X線散乱像の測定)
(1)、(2)および(3)の小角X線散乱像を測定した。その結果、(2)については散乱が弱かったが、(1)、(3)については散乱が強かった。
【0038】
(CMC幅の測定)
毛髪のキューティクル間に存在する細胞間複合体(CMC)の幅をNoboru Ohta, Ichiro Hatta, et al., J. Appl. Cryst. (2005). 38, 274−279に記載されている方法を用いて測定を行った。
図1は、CMC幅について、健常毛(1)と、ブリーチ毛(2)と、ペリセア処理毛(3)とを比較した結果を示すグラフである。図1から明らかなように、CMC幅はブリーチ処理することにより減少するが、本発明のペリセアで処理することで回復することが確認された。
【0039】
試験例2
健常毛(1)、ブリーチ処理したブリーチ毛(2)、およびブリーチ処理とパーマ処理したブリーチ+パーマ毛(3)の各毛髪をN−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩(ペリセア)の0.01質量%水溶液で5回処理した時の処理前後における毛髪の引っ張り強度回復試験を以下の方法で行った。
【0040】
(引っ張り強度回復試験)
上記各毛髪をそれぞれ引張試験機(島津オートグラフ AGS−H)で引っ張り、20%の伸びが得られたときの応力を引っ張り強度として測定し、ペリセア処理前の健常毛の引っ張り強度を100としたときの値を引張り強度回復率として求めた。
【0041】
図2は、ペリセア処理前の引っ張り強度(A)と5回ペリセア処理後の引っ張り強度(B)を、各毛髪((1)〜(3))で比較した結果を示すグラフである。
図2から明らかなように、ブリーチ処理あるいはブリーチ処理とパーマ処理によって損傷した引張り強度が、ペリセア処理によって回復されることが確認された。
【0042】
試験例3
ブリーチ処理したブリーチ毛、およびブリーチ処理とパーマ処理したブリーチ+パーマ毛の各毛髪をN−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩(ペリセア)の0.01質量%水溶液で1〜5回処理した時の各回毎の引っ張り強度の変化を引っ張り強度改善効果(%)として図3に示す。引っ張り強度測定は上記試験例2と同様にして行った。
図3から明らかなように、ペリセアには、ブリーチ毛およびブリーチ+パーマ毛は処理回数に伴い引っ張り強度が改善される効果が認められ、トリートメント剤として蓄積効果があることが確認された。
【0043】
実施例1〜3、比較例1〜2
表1に記載の処方で毛髪化粧料(ヘアウォーター)を以下の方法で調製し、評価1〜評価3を下記評価基準に基づき評価を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0044】
(製法)
(1)〜(5)を混合したものに(6)〜(10)を溶解して加え、その後(11)を加えて毛髪化粧料を調製した。
【0045】
〔評価1:うるおい感、柔らかさ、まとまりの良さ〕
3gの各試料を塗布後の毛髪の柔らかさ、うるおい感、柔らかさ、まとまりの良さについて、20名の専門パネラーにて官能評価を行った。判定基準は以下の通りである。
(評価基準)
A:20名中17名以上が、柔らかであると回答。
B:20名中13〜16名が、柔らかであると回答。
C:20名中8〜12名が、柔らかであると回答。
D:20名中7名以下が、柔らかであると回答。
【0046】
〔評価2:引張り強度回復率の測定〕
各種成分による毛髪内相互作用の強さを引張り強度回復率として評価した。
(供試料)
毛髪としてビューラックス製黒髪健常毛を用いて、市販の3剤式ブリーチ剤(資生堂社製マシェリハイブリーチ)による処理(30℃,1時間)を行い、水洗し、各成分をそれぞれ合計で0.01質量%配合した各水溶液に15分間浸漬した後に、引張り強度測定、キューティクルCMC(キューティクル間にある細胞間複合体)幅の測定に供した。
【0047】
(引張り強度回復率の測定)
上記各成分1%水溶液処理前後の毛髪をそれぞれ引張試験機(島津オートグラフ AGS−H)で引張り、20%の伸びが得られたときの応力を引張り強度として測定し、(処理後の引張り強度)/(処理前の引張り強度)の比を%で示し引張り強度回復率として求めた。
【0048】
(CMC幅の測定)
毛髪のキューティクル間に存在する細胞間複合体(CMC)の幅をNoboru Ohta, Ichiro Hatta, et al., J. Appl. Cryst. (2005). 38, 274−279に記載されている方法を用い、測定を行った。(処理後のCMC幅)/(処理前のCMC幅)の比を%で示した。
【0049】
【表1】

【0050】
(※1)Silwet 10-E(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
(※2) ペリセアL−30(旭化成ケミカルズ社製)
【0051】
表1より、本発明の毛髪化粧料である実施例1〜3は、毛髪の引張り強度回復が見られ、更にCMC幅の回復率も確認された。
【0052】
実施例4 窒素ガスヘアスプレー
(処方)
(1)イオン交換水 残余
(2)乳酸 適量
(3)乳酸ナトリウム 適量
(4)グリセリン 1 質量%
(5)1,3−ブチレングリコール 1
(6)アルコール 5
(7)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.3
(8)フェノキシエタノール 0.3
(9)ジメチコンコポリオール 0.5
(10)香料 適量
(11)アミノ酸誘導体 0.011
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩)
(12)窒素 適量
【0053】
(製法)
(1)〜(11)を攪拌混合し、(12)と共に容器に充填して毛髪化粧料を調製した。
【0054】
実施例5 ヘアスプレー
(処方)
(1)揮発性イソパラフィン 16 質量%
(2)ジメチルポリシロキサン 7
(3)アミノ変性高分子シリコーン 4
(4)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体 4
(5)香料 適量
(6)プロピレングリコール 5
(7)エタノ―ル 適量
(8)精製水 2
(9)アミノ酸誘導体 0.01
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物のトリエタノールアミン塩)
(10)LPG 残余
【0055】
(製法)
(6)〜(9)を混合した中に(1)〜(5)を混合したものを加えて乳化した後に(10)と共に容器に充填して毛髪化粧料を調製した。
【0056】
実施例6 ヘアスプレー
(処方)
(1)揮発性イソパラフィン 3 質量%
(2)ジメチルポリシロキサン(20cs) 2
(3)高分子シリコーン 2
(4)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体 0.2
(5)香料 適量
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(7)プロピレングリコール 5
(8)エタノ―ル 適量
(9)精製水 残余
(10)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物のアミノメチルプロパノール塩)
(11)ジメチルエーテル 40
【0057】
(製法)
(1)〜(5)を混合し、(6)および(7)を混合したものに加えて乳化する。(8)〜(10)を混合したものに乳化物を入れ、(11)と共に容器に充填して毛髪化粧料を調製した。
【0058】
実施例7 ヘアムース(エアゾール)
(処方)
(1)エタノール 5 質量%
(2)ジメチルポリシロキサン 5
(3)アミノ変性シリコーン 5
(4)揮発性イソパラフィン 25
(5)1,3−ブチレングリコール 5
(6)イソステアリン酸 1
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
(8)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 6
(9)フェノキシエタノール 適量
(10)精製水 残余
(11)アミノ酸誘導体 0.01
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物のL−アルギニン塩)
(12)香料 適量
【0059】
(製法)
(5)〜(11)を混合したものに(1)〜(4)および(12)を混合したものを加えて乳化し、毛髪化粧料を調製した。得られた液状混合物とLPGを90:10でエアゾール容器に充填し、目的となるヘアムースを得た。
【0060】
実施例8 ヘアクリーム
(処方)
(1) 揮発性イソパラフィン 10 質量%
(2) ジメチルポリシロキサン 1
(3) アミノ変性シリコーン 2
(4) 1,3−ブチレングリコール 5
(5) イソステアリン酸 0.5
(6) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
(7) 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 1
(8) 精製水 残余
(9) POE(14)POP(7)ジメチルエーテル 1
(10)カルボキシビニルポリマー 0.8
(11)エタノール 10
(12)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(13)エデト酸3ナトリウム 適量
(14)アミノ酸誘導体 0.05
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物Na塩)
(15)水酸化ナトリウム 0.3
(16)香料 適量
【0061】
(製法)
(4)〜(7)を混合して均一にしたものに(1)〜(3)および(16)を混合したものを加えて乳化物を作成する。(8)〜(14)を混合し、先に作成した乳化物を加えた後、(11)にて中和し、さらに攪拌して均一にして毛髪化粧料を調製した。
【0062】
実施例9 ヘアクリーム
(処方)
(1) 流動パラフィン 5 質量%
(2) ワセリン 2
(3) ジメチルポリシロキサン 5
(4) アンモニウム変性シリコーン 1
(5) セタノール 4
(6) ステアリルアルコール 1
(7) 1,3−ブチレングリコール 10
(8) ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンジメチルエーテル 2
(9) ポリオキシプロピレングリセリルエーテル 2
(10)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
(11)親油型モノステアリン酸グリセリン 2
(12)ポリマーJR−400 TM (東邦化学工業社製) 0.5
(13)加水分解コムギタンパク 0.1
(14)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(15)精製水 残余
(16))アミノ酸誘導体 0.001
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
(17)香料 適量
(製法)
(1)〜(6)の油層、(7)〜(16)の水層をそれぞれ加温により溶解して混合し、(17)を油層に添加して均一とした後、2層を混合して乳化し、毛髪化粧料を調製した。
【0063】
実施例10 ヘアクリーム
(処方)
(1)精製水 残余
(2)エデト酸3ナトリウム 適量
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
(4)カルボキシビニルポリマー 0.4
(5)エタノール 10
(6)プロピレングリコール 5
(7)POE(36)POP(41)ジメチルエーテル 1
(8)キサンタンガム 0.1
(9)酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体 0.5
(10)アミノ酸誘導体 0.001
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物L−リジン塩)
(11)ポリアクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体 0.1
(12)ジメチルポリシロキサン 15 質量%
(13)SILWET 236−L TM (日本ユニカー) 0.1
(14)ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体 0.2
(15)香料 適量
(16)2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 適量
【0064】
(製法)
(1)〜(11)を混合した水相に、(12)〜(15)を混合した油相を添加して乳化する。(16)で中和し、さらに攪拌して均一として毛髪化粧料を調製した。
【0065】
実施例11 ヘアクリーム
(処方)
(1) 流動パラフィン 10 質量%
(2) ワセリン 3
(3) ジメチルポリシロキサン 2
(4) アミノ変性シリコーン 1
(5) プロピレングリコール 10
(6) ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 2
(7) テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3
(8) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2
(9) カルボキシビニルポリマー 0.3
(10)ポリアクリル酸ヒドロキシエチル・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体 0.1
(11)精製水 残余
(12)アミノ酸誘導体 0.001
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
(13)香料 適量
(14)水酸化カリウム 0.1
【0066】
(製法)
(1)〜(6)および(13)を混合したものを(7)〜(12)を混合したものに添加して乳化する。(14)で中和し、さらに攪拌して均一として毛髪化粧料を調製した。
【0067】
実施例12 ヘアクリーム
(処方)
(1) メチルポリシロキサン 10 質量%
(2) アミノ変性シリコーン 1
(3) ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 0.1
(4) ポリ(オキシエチレン・オキシプロプレン)メチルポリシロキサン共重合体 0.1
(5) 揮発性イソパラフィン 2
(6) 架橋型ポリエーテル変性シリコーン 2.5
(7) デキストリンエステル 1
(8) ポリアスパラギン酸 0.1
(9) グリシン 0.1
(10)エタノール 5
(11)パラベン 0.25
(12)香料 適量
(13)色素 適量
(14)水 残余
(15)アミノ酸誘導体 0.01
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物カリウム塩)
【0068】
(製法)
(1)〜(7)、(12)および(13)を混合して均一としたものに(8)〜(11)、(14)および(15)を混合したものを添加して乳化し、毛髪化粧料を調製した。
【0069】
実施例13 ヘアローション
(処方)
(1) 軽質イソパラフィン 15 質量%
(2) アミノ変性シリコーン 3
(3) ジメチルシリコーン 6
(4) 1,3-ブチレングリコール 2
(5) ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油エステル 2
(6) 酸化チタンゾル 10
(7) エタノール 15
(8) 精製水 残余
(9) アミノ酸誘導体 0.01
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物トリエタノールアミン塩)
(10)香料 適量
【0070】
(製法)
(1)〜(3)および(10)を混合したものを(4)および(5)に添加して乳化したパーツを(6)〜(9)を混合したものに配合し、攪拌して均一にして毛髪化粧料を調製した。
【0071】
実施例14 ヘアミスト
(処方)
(1) アミノ変性シリコーン 0.2 質量%
(2) ジメチルポリシロキサン 1
(3) ステアリルアルコール 0.1
(4) ベヘニルアルコール 0.2
(5) グリセリン 2
(6) ジプロピレングリコール 1
(7) 1,3−ブチレングリコール 1
(8) エタノール 5
(9) 塩化アルキルトリメチルアンモニウム(77%) 0.5
(10)ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体 2.5
(11)アルギニン 0.1
(12)レシチン 0.1
(13)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(14)精製水 残余
(15)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
(16)香料 適量
(17)オクチルメトキシシンナメート 0.1
【0072】
(製法)
(1)〜(4)を混合した油層および(5)〜(15)を混合した水層を加熱溶解し、前者を後者に添加して乳化する。さらに(16)および(17)を添加して均一とし、毛髪化粧料を調製した。
【0073】
実施例16 リンス
(処方)
(1) ジメチルポリシロキサン 10 質量%
(2) アミノ変性シリコーン 1
(3) 硬化ナタネ油アルコール 3
(4) セタノール 1.5
(5) グリセリン 10
(6) 2−エチルヘキサン酸セチル 2
(7) 塩化アルキルトリメチルアンモニウム 1.5
(8) 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.3
(9) ソルビトール 2
(10)グルタミン酸 0.5
(11)アルギニン 0.1
(12)グリシン 0.1
(13)クエン酸 0.01
(14)酢酸トコフェロール 0.05
(15)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(16)フェノキシエタノール 適量
(17)ヒドロキシエチルセルロース 0.05
(18)精製水 残余
(19)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
(20)香料 適量
【0074】
(製法)
水溶性成分を混合して加熱溶解し、均一とする。これに油溶性成分を混合して加熱溶解したものを添加して乳化する。さらに(20)を加えて均一にした後、冷却して毛髪化粧料を調製した。
【0075】
実施例16 シャンプー
(処方)
(1) ジメチルポリシロキサン 1.5 質量%
(2) アミノ変性シリコーン 0.2
(3) ジプロピレングリコール 3
(4) ジステアリン酸エチレングリコール 2
(5) ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2
(6) ラウロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
(7) ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 7.5
(8) ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン 3.5
(9) ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.5
(10)マーコート550 TM (カルゴン社製) 7.5
(11)クエン酸 0.01
(12)L−グルタミン酸 0.2
(13)塩化ナトリウム 1
(14)安息香酸ナトリウム 適量
(15)エデト酸2ナトリウム 適量
(16)水酸化ナトリウム 0.01
(17)精製水 残余
(18)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
(19)香料 適量
【0076】
(製法)
(17)に(10)を添加して加熱溶解する。均一になった後、成分(1)〜(9)を加えて攪拌し、均一とする。加温をとめた後、成分(11)〜(16)、(18)および(19)を加えて均一に混合して毛髪化粧料を調製した。
【0077】
実施例17 ヘアコンディショナー
(処方)
(1) イソペンチルジオール 5.0 質量%
(2) ソルビトール 5.0
(3) ジメチコン(100万cSt) 1.5
(4) ジメチコン(20cSt) 2.0
(5) ステアリルアルコール 3.0
(6) ベヘニルアルコール 2.0
(7) ステアリルトリモニウムクロリド 1.5
(8) イソオクタン酸セチル 1.0
(9) アミノプロピルジメチコン 0.2
(10)アルギニン 0.01
(11)PEG−90M 0.02
(12)ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 0.05
(13)クエン酸 0.07
(14)フェノキシエタノール 適量
(15)調合香料 適量
(16)大豆レシチン 0.1
(17)加水分解小麦タンパク・加水分解小麦でんぷん 0.02
(18)N−ラウグルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル) 0.1
(19)精製水 残余
(20)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
【0078】
(製法)
水溶性成分を加熱溶解して均一とする。これに油溶性成分を混合して加熱溶解したものを添加し、乳化した後、冷却して毛髪化粧料を調製した。
【0079】
実施例18 ヘアトリートメント
(処方)
(1) 1,3−ブチレングリコール 10.0 質量%
(2) ジメチコン(100万cSt) 3.5
(3) ジメチコン(100cSt) 5.0
(4) ソルビトール 7.0
(5) 水素添加ナタネ油アルコ−ル 6.0
(6) ベヘントリモニウムクロリド 3.0
(7) オレイン酸グリセリル 1.5
(8) アミノプロピルジメチコン 0.5
(9) グルタミン酸 0.25
(10)クレアチン 0.1
(11)タウリン 0.1
(12)N−メチルタウリン 0.1
(13)紅藻BG抽出液 0.01
(14)PEG−70M 0.02
(15)オクチルドデカノール 0.1
(16)セタノール 0.1
(17)エタノール 1.0
(18)フェノキシエタノール 1.0
(19)調合香料 適量
(20)ハチミツエキス 0.01
(21)L−メントール 0.15
(22)トウガラシチンキ 0.1
(23)大豆レシチン 0.01
(24)加水分解小麦タンパク・加水分解小麦でんぷん 0.02
(25)N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル) 0.1
(26)トレハロース 1.0
(27)アルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩
0.2
(28)スクワラン 1.0
(29)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.1
(30)ピロリドンカルボン酸 0.2
(31)ローヤルゼリーエキス 0.01
(32)精製ゴマ油 0.1
(33)ポリクオタニウム−64 0.5
(34)クオタニウム−80 3.0
(35)ラベンダー抽出液 0.01
(36)精製水 残余
(37)アミノ酸誘導体 0.005
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
【0080】
(製法)
水溶性成分を加熱溶解して均一とする。これに油溶性成分を混合して加熱溶解したものを添加し、乳化した後、冷却して毛髪化粧料を調製した。
【0081】
実施例19 毛髪化粧料
(処方)
(1)イオン交換水 81.7 質量%
(2)エタノール 10.0
(3)乳酸ナトリウム 0.09
(4)乳酸 0.01
(5)フェノキシエタノール 適量
(6)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2
(7)アミノ酸誘導体 0.003
(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・リジン縮合物ナトリウム塩)
【0082】
(製法)
(1)〜(7)を攪拌溶解し、目的の化粧料を得た。この液状化粧料を霧状ディスペンサーまたは窒素ガスエアゾールに充填する。
【0083】
実施例5〜19で調製された毛髪化粧料は、CMC修復能に優れると共にその持続性に優れ、且つ毛髪にしっとり感とやわらかさ、なめらかさを付与することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】CMC幅について、健常毛と、ブリーチ処理毛と、CMC修復剤処理後とを比較した結果を示すグラフである。
【図2】本発明のCMC修復剤の処理前の引っ張り強度と5回処理後の引っ張り強度を比較した結果を示すグラフである。
【図3】本発明のCMC修復剤を1〜5回処理した場合の引っ張り強度改善効果(%)の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体を含むことを特徴とするCMC修復剤。
【化1】


(ここで、XはNaまたはHである)
【請求項2】
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸誘導体を0.0001〜1質量%含み、CMCを修復することを特徴とする毛髪化粧料。
【化2】


(ここで、XはNaまたはHである)
【請求項3】
下記一般式(5)で表される第4級アンモニウム塩の1種又は2種以上を0.1〜10.0質量%含むことを特徴とする請求項2に記載の毛髪化粧料。
(NR783) …(5)
(式中、R7は炭素数14〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R8はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基である。)
【請求項4】
さらにシリコーン油分を含むことを特徴とする請求項2に記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
請求項1に記載のCMC修復剤を用いて毛髪のCMCを修復することを特徴とするCMC修復方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−290987(P2008−290987A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140026(P2007−140026)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】