説明

CNS障害を治療するためのピリジルピペラジン

本発明は式(I)
【化1】


[式中、GはG1またはG2
【化2】


であり;破線は場合により2重結合であることを示し;nは1または2であり;そしてAr1、Ar2、…およびZは本明細書で定義された通りである]の化合物、並びに式(I)の化合物またはそのプロドラッグおよび薬学的に有効な担体を含有する医薬組成物に関する。本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において偏頭痛、頭痛、群発頭痛、不安症、うつ病、気分変調症、大うつ病性障害、偏頭痛、心的外傷後ストレス障害、回避性人格障害、境界性人格障害および恐怖症からなる群より選択される障害を含むセロトニンが媒介する神経伝達を変えることにより治療することができる障害または状態を治療または予防する方法に関する。さらに、本発明は式Iの化合物の合成において有用な中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセロトニン(5HT)受容体、特にセロトニン1B受容体(5HT1B)に対して親和性を有するピリジルピペラジン、およびセロトニン系の障害により引き起こされる疾患または状態の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
5−ヒドロキシトリプタミンとしても知られており、“5HT”と省略されるセロトニンは植物および動物に広く存在し、非常に多くの正常な、また病的な生理学的経路に関与する。それは末梢系、特に腸における、および中枢神経系(CNS)における、重要な神経伝達物質および局所ホルモンである。末梢系において、5HTは多くの平滑筋を収縮させ、酸化窒素の生成を通して内皮依存性血管拡張を引き起こし、蠕動運動を媒介し、血小板凝集および止血に関与する。CNSにおいて、5HTは食欲、気分、不安、幻覚、睡眠、嘔吐および疼痛知覚の抑制を含む広範囲の機能に関与すると考えられている(Watson, S.およびArkinstall, S.の「5−ヒドロキシトリプタミン」, The G Protein-Linked Receptor Factsbook, Academic Press, 第159〜180頁(1994年))。
【0003】
セロトニンは不安症、アルツハイマー病、うつ病、悪心・嘔吐、摂食障害および偏頭痛を含む多くの精神障害に関与する(Rasmussenらの「第1章:最近のセロトニン(5HT)受容体調節物質の進歩」, Ann. Rep. Med. Chem., 1, 30, 第1〜9頁, Academic Press(1995年))。セロトニンは統合失調症の陽性および陰性症状にもまた関与する(SharmaらのPsychiatric Ann., 26(2), 第88〜92頁(1996年))。
幾つかのセロトニン受容体サブタイプがそれらの5HTに対するアンタゴニスト感受性および親和性に従って分類されている。5HT1B受容体は最初にラットで確認され、明確な薬理学的プロフィールを示した。しかしながら、ヒトでは5HT1D受容体と殆んど同一の薬理作用を共有する。CNSにおいて、5HT1B受容体は線条体、髄質、海馬、前頭葉および扁桃体に存在する。末梢系において、それは血管平滑筋に存在する。したがって、ヒトではその受容体は“5HT1B/5HT1D受容体”と表示されることが多い。5HT1B/5HT1D受容体は抗偏頭痛薬スマトリプタンの治療基質である;5HT1B/5HT1D受容体はまた摂食行動、不安症、うつ病、心機能および運動にも関与する(Watson, S.およびArkinstall, S.の上記文献)。
【0004】
5HT1B受容体はその遺伝子が古典的な相同的組み換えにより不活性化された最初のサブタイプであった(Saudou, F.らのScience, 265, 1875〜1878(1994年))。5HT1B受容体は基底核、中心灰白質、海馬、扁桃体および縫線核で発現する。それらは主に5HTの放出を阻害することができるシナプス前終末に、他の神経伝達物質のヘテロセプター(heteroceptor)として存在する。これまで5HT1B受容体に対する選択的アゴニストおよびアンタゴニストは不足していたが、間接的な薬理学的証拠は5HT1Bの活性化が食物摂取、性活動、移動運動および攻撃性に影響を与えることを示唆している(Ramboz, S.らのBehav. Brain Res.,73:305312(1996年))。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は特定のピリジルピペラジンに関する。これらの化合物はセロトニン5HT1B受容体のアンタゴニストである。したがって、これらはセロトニン系の障害、例えばうつ病および関連する障害の治療において有効である。特に、本発明は式I
【化1】

[式中、GはG1またはG2
【化2】

であり;破線は場合により2重結合であることを示し;Ar1はフェニル、5−もしくは6−員のヘテロアリール環、または8−〜10−員の縮合したアリールもしくはヘテロアリール環系であり、前記ヘテロアリール環および前記ヘテロアリール環系のヘテロアリール部分は炭素と独立して酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される1〜4個の他の元素で構成される芳香族環からなり、Ar1は独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、R1、R2、R3、−OR4、−OC(=O)R5、−COOR6、NHR7、NR8R9、−NHC(=O)R10、N(R11)(C=O)R12、-C(=O)NHR13またはAr2で1回または多数回置換されてもよく;XはCH2、NHまたはOであり;V、WおよびYは独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはR7であり、R1〜R13は独立してC1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C8アルケノキシであり、前記アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケノキシは場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子、またはニトロ、シアノもしくはヒドロキシル基で置換されてもよく、前記アルキルまたはアルケニル基は直鎖状、分枝状または環状であり、アルコキシ−置換アルキル基は環状エーテルを形成することができ、または、NR8R9の場合、R8およびR9は互いに結合して追加の環を形成することができ;ZはC1−C6アルキルまたはC1−C6アルキルカルボニルであり;Ar2は5−もしくは6−員のアリールもしくはヘテロアリール環、または8−〜10−員の縮合したアリールもしくはヘテロアリール環系であり、Ar2は独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、R1、R2、R3、OR4、OC(=O)R5、COOR6、NHR7、NR8R9、NHC(=O)R10、N(R11)(C=O)R12、C(=O)NHR13で1回または多数回置換されてもよく;そしてnは1または2である]
のピリジルピペラジン化合物、並びにその薬学的に許容しうる塩およびプロドラッグに関する。
【0006】
本発明はまた、式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ、および薬学的に有効な担体を含有する医薬組成物に関する。
本発明はさらにヒトを含む哺乳動物においてセロトニンが媒介する神経伝達を変えることにより治療することができる障害または状態を治療または予防する方法に関する。
本発明はさらに治療の必要な哺乳動物またはヒトに治療的に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはプロドラッグを投与することからなるヒトを含む哺乳動物における不安症、うつ病、気分変調症、大うつ病性障害、偏頭痛、心的外傷後ストレス障害、回避性人格障害、境界性人格障害および恐怖症からなる群より選択される障害を治療する方法に関する。
【0007】
本発明はまた、式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩がセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)(例えばセルトラリン、フルオキセチン、フェンフルラミンまたはフルボキサミン)と組合せて投与される前記方法の何れかに関する。本明細書で使用される「と組合せて投与される」なる表現は式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩がSRIをさら
に含有する医薬組成物の形態で投与されること、あるいはそのような化合物または塩はSRIが含まれるものとは別の医薬組成物として投与されるが特定の障害または状態を治療するために両方の活性物質の投与を必要とする投与計画の一部であることを意味する。
【0008】
式Iの化合物の「薬学的に許容しうる塩」および「薬学的に許容しうる酸付加塩」なる用語は、妥当な医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、患者の組織と接触して使用するのに適した塩、さらに可能ならば本発明の化合物の両性イオン形態を意味する。式Iの化合物は本質的に塩基性であるため、様々な無機および有機酸と多種多様の塩を形成することができる。式Iの化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩を製造するために使用することができる酸は非毒性酸付加塩、すなわち薬理学的に許容しうるアニオンを含有する塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩を生成するものである(例えばBerge, S. M.らの「薬用塩」, J.Pharm.Sci., 第66巻, 第1〜19頁(1977年)を参照。それは参照により本明細書に加入される)。
【0009】
本明細書で使用される「1個またはそれ以上の置換基」なる用語は利用できる結合部位の数に基づいて可能な1個〜最大数の置換基を包含する。
本明細書で使用される「セロトニン系の障害」なる用語はセロトニンが媒介する神経伝達を変える(すなわち増加または減少させる)ことにより治療を実施または促進することができる障害を意味する。
本明細書で使用される「治療する」なる用語は「治療する」なる用語が適用される障害または状態、またはこのような障害もしくは状態の1種もしくはそれ以上の症状のいずれかの、その進行を遅らせるもしくは回復に向わせる、または軽減もしくは予防することを意味する。本明細書で使用される「治療」なる用語は上記で定義された「治療する」なる用語と同様に障害または状態を治療する行為を意味する。
【0010】
本明細書で使用される「治療的に有効な量」なる用語はセロトニン系の障害と関連する望ましくない状態または症状を検出可能な程度に治療する、改善する、予防するのに、またはその進行を検出可能な程度に遅らせるのに十分な量を意味する。
本明細書で使用される「セロトニン媒介神経伝達を変えるのに有効な量」なる用語はセロトニンにより制御される系の神経伝達を増加または減少させるのに十分な量を意味する。
【0011】
本明細書で使用される「プロドラッグ」なる用語は生体内の代謝過程により上記式の化合物に変換される化合物を意味する。このような代謝過程の例は血中の加水分解である。プロドラッグの徹底的な議論はT. HiguchiおよびV. Stellaの“Prodrugs as Novel Delivery Systems”, 第14巻, ACS Symposium Series、並びに Edward Roche編の“Bioreversible Carriers in Drug Design”, 米国薬剤師会, Pergamon Press(1987年)に記載されており、それらは共に参照により本明細書に加入される。
【0012】
通常の技術を有する化学者は式Iの範囲内に含まれる特定の置換基の組合せが化学的に不安定であることを理解するであろう。熟練した化学者はこれらの組合せを回避するか、または感受性基をよく知られている保護基で保護するであろう。
【0013】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アルキル」なる用語は1〜12個の炭素原子からなり、直鎖状、分枝状もしくは環状の部分、またはその組合せを有する一価の飽和
炭化水素基を包含する。「低級アルキル」なる用語は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。その例としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチルメチルおよびヘキシルが挙げられる。アルキル基は低級アルキルであることが好ましい。 好ましい環状アルキル基はシクロブチルおよびシクロペンチルである。好ましい低級アルキル基は1〜3個の炭素原子を含有する。最も好ましいアルキル基はメチルである。
【0014】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アルコキシ」なる用語は式−O−アルキル(式中、「アルキル」は上記で定義された通りである)を有する基を意味する。本明細書で使用される「低級アルコキシ」なる用語は1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。それは直鎖状もしくは分枝状であり、またはアルコキシ−置換アルキル基は環状エーテル、例えばテトラヒドロピランまたはテトラヒドロフランを形成することができる。環状アルコキシ基の例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシなどである。アルコキシは低級アルコキシであることが好ましい。アルコキシは1〜3個の炭素原子を含有することがより好ましい。最も好ましいアルコキシ基はメトキシである。最も好ましい置換アルコキシ基はトリフルオロメトキシである。
【0015】
本発明に包含されるハロゲン原子はF、Cl、BrおよびIである。塩素およびフッ素が好ましい。1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基にはクロロメチル、2,3−ジクロロプロピルおよびトリフルオロメチルがある。ハロ基は同一であることが好ましい。最も好ましいハロゲン−置換アルキル基はトリフルオロメチルである。
本明細書で使用される「アルケニル」なる用語は2〜8個の炭素原子および少なくとも1個の2重結合を有する炭化水素基を意味する。アルケニル基は直鎖状、分枝状または環状であり、ZまたはE形態の何れかであってもよい。その例はエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソプロペニル、イソブテニル、1−ペンテニル、(Z)−2−ペンテニル、(E)−2−ペンテニル、(Z)−4−メチル−2−ペンテニル、(E)−4−メチル−2−ペンテニル、1,3−ペンタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,3−ブタジエニル、シクロペンタジエニルなどである。好ましいアルケニル基はエテニルである。
本明細書で使用される「アルキニル」なる用語は2〜8個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素3重結合を有する炭化水素基を意味する。アルキニル基は直鎖状または分枝状である。その例は1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなどである。好ましいアルキニル基はエチニルである。
【0016】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アリール」なる用語はC6−C14芳香族炭化水素から1個またはそれ以上の水素を除去することにより誘導される有機基を包含する。その例としてフェニルおよびナフチルが挙げられる。フェニル基の好ましい置換パターンはパラ位である。
【0017】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「ヘテロアリール」なる用語は芳香族複素環化合物から1個またはそれ以上の水素原子を除去することにより誘導される有機基を包含する。「複素環化合物」なる用語は5〜14個の環原子からなり、炭素と酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも1個の他の元素で構成される環系を意味する。ヘテロアリール基の例にはベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、2H−1−ベンゾピラニル、ベンゾチアジアジン、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、フラザニル、フロピリジニル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、トリアジニルおよびトリアゾリルがある。好ましいヘテロアリール基はオキサゾリルおよびイソオキサゾリルである。
【0018】
式Iの化合物は1個またはそれ以上のキラル中心を含有し、そのため様々なエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在する。上記で定義されたような式Iは式Iの化合物のすべての光学異性体および他の立体異性体およびその混合物を包含し、また本発明はそれらの使用に関する。本発明の化合物が様々な互変異性体として存在する場合、本発明は式Iのすべての互変異性体に関する。
【0019】
好ましい本発明の化合物はV、WおよびYが水素であり、Zがメチルであり、そして式Iの破線が単結合である化合物である。
他の好ましい本発明の化合物はXがCH2またはOである化合物である。最も好ましいのはXがCH2である化合物である。
他の好ましい本発明の化合物はGが4−メチル−ピペラジン−1−イルである化合物である。
【0020】
特定の好ましい式Iの化合物は:
1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン;
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン;
1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン;
1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2−t−ブチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2−イソプロピル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2,5−ジメチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−2−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−4−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−5−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
【0021】
1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−メトキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−
1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−フェニル−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピペリジン−2−オン;
【0022】
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−1−ヒドロキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;および
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
である。
【0023】
本発明はまた、式Iの化合物の合成において有用な中間体に関し、その中間体は3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピロリジン−2−オンおよび3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オンから選択される。
【0024】
本発明の5HT受容体リガンドはセロトニンが媒介する生理学的経路に関連する多種多様の障害の治療において臨床的に使用される。したがって、本発明はヒトを含む哺乳動物にセロトニンが関与する神経伝達を変える(すなわち増加または減少させる)ことにより治療することができる障害または状態を治療するのに有効な量の上記で定義されたような式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することからなる前記哺乳動物のこのような障害または状態を治療する方法に関する。
【0025】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物に偏頭痛、頭痛または群発頭痛を治療するのに有効な量の上記で定義されたような式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することからなる前記哺乳動物のこのような状態を治療する方法に関する。
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物にうつ病(すなわち気分変調症、大うつ病性障害、
小児うつ病、反復性うつ病、単一エピソードうつ病、産後うつ病、パーキンソン病患者、ガン患者および心筋梗塞後患者のうつ病、ならびに亜症候群性うつ病)、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、回避性人格障害、境界性人格障害および恐怖症からなる群より選択される障害を治療するのに有効な量の上記で定義されたような式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することからなる前記哺乳動物のこのような障害を治療する方法に関する。
【0026】
上記式Iは1個またはそれ以上の原子(例えば水素、炭素またはフッ素原子)がその放射性同位体により置換されるという事実を除けば上記化合物と同一である化合物を包含する。このような放射性標識化合物は例えば代謝研究、薬物動態学的研究および結合アッセイにおいてリサーチおよび診断ツールとして有用である。
【0027】
本発明はまた、ポジトロン断層法(PET)のような、式Iの放射性標識化合物またはその
薬学的に許容しうる塩が投与されたヒトを含む哺乳動物の画像を得る方法に関する。このような画像検査法は上記のような、その中に5−HT1B受容体が存在する何れかの器官または系について使用することができる。直接的または間接的に体内の器官を可視化する場合の5HT受容体に対する親和性を有する放射性物質の有用性は文献で証明されている。例えばC. Y. ShiueらのSynapse, 25, 147(1997年)およびS. HouleらのCan. Nucl. Med. Commun., 18, 1130(1997年)はポジトロン断層法(PET)を使用してヒト脳内の5HT1A受容体を撮像するための5HT1A受容体リガンドの使用を開示している。前記文献は全体として参照により本明細書に加入される。
【0028】
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩は下記のようにして製造することができる。
1個またはそれ以上の原子が放射性である式Iの化合物は当業者に知られている方法により製造することができる。例えば、放射性原子がトリチウムである式Iの化合物はハロゲン化アリールAr−X(ここでハロゲンは塩素、臭素または沃素である)を低級アルコールのような適当な溶媒、好ましくはメタノールまたはエタノール中で3H2ガスおよび炭素上に分散させたパラジウムのような貴金属触媒と反応させることにより製造することができる。放射性原子が18Fである式Iの化合物はアリールトリアルキルスタンナンAr−SnR3(ここでRは低級アルキル、好ましくはメチルまたはn−ブチルである)を適当な不活性溶媒中で18Fが豊富なフッ素(F2)、OF2またはCF3COOHと反応させることにより製造することができる(M. NamavariらのJ. Fluorine Chem., 74, 113(1995年)を参照)。
【0029】
放射性原子が14Cである式Iの化合物はハロゲン化アリールAr−X(ここでXは好ましくは臭素または沃素である)またはアリールトリフルオロメタンスルホネート(Ar−OSO2CF3)を水またはテトラヒドロフランのような反応に不活性な溶媒、好ましくは水およびテトラヒドロフランの混合物中で[14C]シアン化カリウムまたは[14C]−シアン化カリウムおよび貴金属触媒、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムと反応させることにより製造することができる(Y. Andersson, B. LangstromのJ. Chem. Soc. Perkin Trans.1,1395(1994年)を参照)。
【0030】
本発明の方法で使用される治療化合物は経口的、口腔内、経皮的(例えばパッチを使用して)、非経口的または局所的に投与することができる。経口投与が好ましい。一般に、これらの化合物は治療される人の体重および状態や選択された特定の投与経路に応じて変わるが、最も望ましくは1日あたり約1mg〜約1000mgの範囲の用量で投与される。ある場合には前記範囲の下限より少ない投与量で十分すぎることもあり、また他方ではより多い投与量を有害な副作用を引き起こすことなく使用できる場合もあるが、但し、このような多量の用量は最初に幾つかの少用量に分割され、全期間中投与される。
【0031】
本発明の化合物はセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)と組合せて使用することができる
。SRIと同じ経口、非経口または口腔用医薬組成物中で使用される場合、式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩の1日量は単一の活性薬剤としてのこのような化合物または塩の投与用に上記で特定したものと同じ一般的な範囲内である。このような組成物中のSRIの1日量は一般に約1mg〜約400mgの範囲内になる。
【0032】
本発明の方法で使用される治療化合物は単独で、あるいは前記で挙げた2つの経路の何れかにより薬学的に許容しうる担体または希釈剤と組合せて投与することができ、このような投与は単回または反復投与で行なうことができる。さらに詳しくは、本発明の方法で使用される治療化合物は多種多様の異なる投与形態で投与することができ、すなわちそれらは錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、ハードキャンディ剤、散剤、スプレー剤、クリーム剤、サルブ(軟膏)剤、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形態で様々な薬学的に許容しうる不活性担体と組合せることができる。このような担体には例えば固体の希釈剤または充填剤、無菌の水性媒体および種々の非毒性有機溶剤がある。さらに、経口用医薬組成物は適切に甘味付与および/または着香することができる。.
【0033】
経口投与の場合、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンのような種々の賦形剤を含有する錠剤をスターチ(好ましくはコーン、ポテトまたはタピオカスターチ)、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩のような種々の崩壊剤とともに、並びにポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムのような造粒用結合剤と一緒に使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤は錠剤化するのに非常に有用であることが多い。同様のタイプの固体組成物はゼラチンカプセル剤の内容物として使用することもでき;これに関して好ましい物質にはラクトースまたは乳糖、さらに高分子量のポリエチレングリコールがある。経口投与用として水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が望ましい場合、活性成分は種々の甘味剤または着香料、色素または染料、さらに所望ならば乳化剤および/または懸濁化剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの混合物のような希釈剤と組合せることができる。
【0034】
非経口投与の場合、胡麻油または落花生油、あるいは水性プロピレングリコール中における本発明の方法で使用される治療化合物の液剤を使用することができる。水性液剤は必要に応じて適切に緩衝化し、液体希釈物は最初に等張にする必要がある。これらの水性液剤は静脈内注射に適している。油性液剤は関節内、筋肉内および皮下注射に適している。滅菌条件下でのすべてのこれらの液剤の製造は当業者によく知られている標準的な製薬技術により容易に達成される。
【0035】
生物学的アッセイ
5HT1B(以前は5HT1Dと呼ばれていた)結合能力に関する本発明の化合物の活性は文献に記載されているような標準的な放射性リガンド結合アッセイを使用して定量することができる。5−HT1A親和性はHoyerらの方法(Brain Res., 376, 85(1986年))を使用して測定することができる。5−HT1D親和性はHeuringおよびPeroutkaの方法(J. Neurosci., 7, 894(1987年))を使用して測定することができる。
【0036】
5−HT1D結合部位での本発明の化合物のインビトロ活性は次の手順に従って定量することができる。ウシの尾状核組織をホモジナイズし、20容の50mMトリス塩酸(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩)を含有する緩衝液(pH7.7)中に懸濁する。次にホモジネートを45,000Gで10分間遠心する。その上澄みを捨て、得られるペレットを約20容の50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.7)中で再び懸濁する。この懸濁液を37℃で15分間プレインキュベートした後、再び懸濁液を45,000Gで10分間遠心し、その上澄みを捨てる。得られたペレット(約1グラム)を最終pHが7.7の0.01%アスコルビン酸を含有し、さらに10μMパルジリンおよび4mM塩化カルシウム(CaCl2)を含有する15mMトリス塩酸緩衝液(150ml)中で再び懸濁する。この懸濁液は使用前に少なくとも30分間氷上で保持される。
【0037】
次に、阻害剤、対照またはビヒクルを次の手順に従ってインキュベートする。20%ジメチルスルホキシド(DMSO)/80%蒸留水の溶液50μlに、pHが7.7の0.01%アスコルビン酸を含有し、さらに10μMパルジリンおよび4μM塩化カルシウムを含有する50mMトリス塩酸緩衝液中の200μlのトリチウム化した5−ヒドロキシトリプタミン(2nM)と100nMの8−ヒドロキシ−DPAT(ジプロピルアミノテトラリン)および100nMのメスレルギン(mesulergine)を加える。この混合物にウシの尾状核組織750μlを加え、得られる懸濁液をボルテックスして確実に均質な懸濁液にする。その懸濁液を振盪する水浴中、25℃で30分間インキュベートする。インキュベーションが完了した後、懸濁液をガラスファイバーフィルター(例えばWhatman GF/B−フィルター(登録商標))を使用してろ過する。次に、ペレットをpH7.7の50mMトリス塩酸4mlで3回洗浄する。そのペレットを5mlのシンチレーション液(aquasol 2(登録商標))収容シンチレーションバイアルに入れて一晩放置する。阻害率(%)を各用量の化合物について計算することができる。IC50値は阻害率(%)の値から計算することができる。
【0038】
5−HT1A結合能に関する本発明の化合物の活性は次の手順に従って定量することができる。ラットの大脳皮質組織をホモジナイズし、1グラムロットの試料に分割し、そして10容の0.32Mスクロース溶液で希釈する。次に、懸濁液を900Gで10分間遠心し、その上澄みを分離し、再び70,000Gで15分間遠心する。その上澄みを捨て、ペレットを再び10容の15mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)中で懸濁する。この懸濁液を37℃で15分間インキュベートする。プレインキュベーションが完了した後、懸濁液を70,000Gで15分間遠心し、その上澄みを捨てる。得られる組織ペレットを再び4mMの塩化カルシウムおよび0.01%アスコルビン酸を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.7)中で懸濁する。組織は実験の準備ができるまで−70℃で保存される。組織は使用直前に解凍し、10μMパルジリンで希釈し、氷上で保持することができる。
【0039】
次に、組織を次の手順に従ってインキュベートする。対照、阻害剤またはビヒクル(最終濃度1%DMSO)50μlを種々の用量で調製する。この溶液に、4mM塩化カルシウム、0.01%のアスコルビン酸およびパルジリンを含有するpH7.7の50mMトリス塩酸緩衝液中の1.5nM濃度のトリチウム化DPAT(200μl)を加える。この溶液に750μlの組織を加え、得られる懸濁液をボルテックスして確実に均質にする。その懸濁液を振盪する水浴中、37℃で30分間インキュベートする。次に、溶液をろ過し、154mMの塩化ナトリウムを含有するpH7.5の10mMトリス塩酸4mlで2回洗浄する。阻害率(%)を各用量の化合物、対照またはビヒクルについて計算する。IC50値は阻害率(%)の値から計算する。
【0040】
5−HT1Aおよび5−HT1D受容体での本発明の化合物のアゴニストおよびアンタゴニスト活性は次の手順に従って単一の飽和濃度を使用して定量することができる。Hartley系の雄性モルモットの頭部を切断し、5−HT1A受容体を海馬から切除し、また5−HT1D受容体はMcllwainティッシュチョッパーで350mMにスライスし、適当なスライス片から黒質を切除することにより得られる。手動式のガラス−テフロン(登録商標)ホモジナイザーを使用して個々の組織を1mMのEGTA(pH7.5)を含有する5mMヘペス(HEPES)緩衝液中でホモジナイズし、4℃において35,000×gで10分間遠心する。ペレットを試験管1個あたりの最終タンパク質濃度が20mg(海馬)または5mg(黒質)のタンパク質になるまで1mMのEGTA(pH7.5)を含有する100mMヘペス緩衝液中で再懸濁する。次の物質を各試験管中の反応混合物が2.0mMのMgCl2、0.5mMのATP、1.0mMのcAMP、0.5mMのIBMX、10mMのホスホクレアチン、0.31mg/mLのクレアチンホスホキナーゼ、100μMのGTPおよび0.5〜1マイクロキュリーの[32P]−ATP(30Ci/ミリモル:NEG−003−New England Nuclear)を含むように加える。シリコン処理した微量遠心管(三連)に組織を30℃で15分間加えることによりインキュベーションを開始する。各試験管に20μLの組織、10μLの薬物または緩衝液(最終濃度の10倍)、10μLの32nMアゴニストまたは緩衝液(最終濃度の10倍)、20μLのホルスコリン(最終濃度3μM)および40μLの前記反応混合物を入れる。100μLの2%SDS、1.3mMのcAMP、カラムからのcAMPの回収を監視するための40,000dpmの[3H]−cAMP(30Ci/ミリモル:NET−275−New England Nuclear)を含有する45mMのATP溶液を加えてインキュベーションを終了させる。[32P]−ATPおよび[32P]−cAMPの分離はSalomonらの方法(Analytical Biochemistry, 58, 541〜548(1974年))を使用して行なわれる。放射能は液体シンチレーション計数により定量される。最大阻害は5−HT1A受容体については10μMの(R)−8−OH−DPAT、また5−HT1D受容体については320nMの5−HTにより定義される。次に、試験化合物による阻害率(%)を5−HT1A受容体については(R)−8−OH−DPAT、また5−HT1D受容体については5−HTの阻害効果と関連させて計算する。ホルスコリンが刺激するアデニル酸シクラーゼ活性のアゴニストが誘導する阻害の拮抗作用を32nMアゴニスト効果と関連させて計算する。
【0041】
本発明の化合物は次の手順に従ってモルモットの5−HT1Dアゴニストが誘導する低体温の拮抗作用についてインビボで試験することができる。体重が入手時250〜275グラム、試験時300〜600グラムのチャールス・リバー社のHartley系雄性モルモットを実験対象として使用する。実験前にモルモットを少なくとも7日間、午前7時から午後7時までの照明スケジュールにおいて標準的な実験室条件下で飼育する。餌および水は試験するまで自由に摂取させる。
【0042】
本発明の化合物は液剤として1ml/kgの容量で投与することができる。使用されるビヒクルは化合物の溶解性に応じて変わる。試験化合物は、典型的には[3−(1−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(3−ニトロピリジン−3−イル)−アミン(これは1993年6月10日に公開されたPCT国際公開WO93/11106(その内容は全体として参照により本明細書に加入される)に記載のようにして製造することができ、5.6mg/kgの用量で皮下投与(s.c.)される)のような5−HT1Dを投与する60分前に経口的(p.o.)に、または5−HT1D投与前0分時に皮下的に投与される。最初の体温の読み取りを行なう前に、各モルモットを木材チップおよび金属グリッドの床を含む透明なプラスチックのシューボックスに入れて30分間環境に順応させる。それぞれの体温を読み取った後に動物を同じシューボックスに戻す。それぞれの体温を測定する前に、各動物を片手で30秒間しっかり握る。体温測定に小動物プローブを有するデジタル体温計を使用する。プローブは先端がエポキシの半可撓性ナイロンでできている。体温プローブを直腸内に6cm挿入し、そこで30秒間または安定した記録が得られるまで保持する。その後体温を記録する。
【0043】
経口スクリーニング実験では「薬物投与前の」ベースライン体温の読み取りを−90分時に行ない、試験化合物を−60分時に与え、さらに−30分時に体温を測定する。次に、5−HT1Dアゴニストを0分時に投与し、温度を30、60、120および240分後に測定する。皮下スクリーニング実験では、薬物投与前のベースライン体温の読み取りを−30分時に行なう。試験化合物および5−HT1Dアゴニストを同時に与え、温度を30、60、120および240分後に測定する。
【0044】
データは2元配置分散分析を行ない、Newman−Keulsの事後(post hoc)分析で反復測定を行なって分析する。
【0045】
本発明の活性化合物はそれらが摘出したイヌの伏在静脈ストリップを収縮させるのにどの程度スマトリプタンと似た作用を示すかを試験することにより抗偏頭痛薬として評価することができる(P.P.A. HumphreyらのBr. J. Pharmacol., 94, 1128(1988年))。この作用は知られているセロトニンアンタゴニストであるメチオテピンにより阻止することができ
る。スマトリプタンは偏頭痛の治療において有用であることが知られており、麻酔をかけたイヌにおいて頚動脈血管抵抗の選択的な上昇をもたらす。スマトリプタンの効力の薬理学的な根拠についてはW. FenwickらのBr. J. Pharmacol., 96, 83(1989年)において検討されている。
【0046】
セロトニン5−HT1アゴニスト活性は、5−HT1Aの受容体源としてラットの皮質、放射性リガンドとして[3H]−8−OH−DPATを使用し、5−HT1A受容体について記載したように(D. HoyerらのEur. J. Pharm., 118, 13(1985年))、また5−HT1Dの受容体源としてウシの尾状核、放射性リガンドとして[3H]セロトニンを使用して5−HT1D受容体について記載したように(R. E. HeuringおよびS. J. PeroutkaのJ. Neuroscience, 7, 894(1987年))、インビトロの受容体結合アッセイにより定量することができる。
【0047】
スキーム1はXが炭素である式Iの化合物を製造するのに適した一般的な方法を示す。
【化3】

【0048】
1Cからのアルデヒド2の合成は1Cを約−100℃〜−30℃の温度、好ましくは−78℃においてエーテル溶媒、好ましくはジエチルエーテル中、アルキルリチウム塩基、好ましくはブチルリチウムと共に第3アミン、好ましくはN,N'−テトラメチルエチレンジアミンまたは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタンで処理することを含む。約−100℃〜−30℃(−78℃が好ましい)の反応温度でジメチルホルムアミドによりクエンチしてアルデヒド2を得る。
【0049】
ピリジルピペラジニルアルデヒド4は、化合物2の2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒドを、約40℃〜150℃の反応温度で、水、1,4−ジオキサン、n−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような溶媒中、トリアルキルアミンまたは炭酸アルカリ金属のような塩基(2、G1または、および溶媒に対して不活性な塩基)の存在下でG1*またはG2*と反応させることにより生成する。好ましい塩基は炭酸カリウムであり、好ましい溶媒は水であり、そして好ましい温度は約90℃〜約120℃である。
【0050】
アミンまたは金属水素化物塩基の存在下で4およびN−置換ラクタム8を縮合させて5を得る。N−置換基(R3)は、ビニルまたはC(=O)R(ここでR=直鎖状、分枝状または(C3−C8
らば)環状のC1−C8アルキル、またはアリールである)であり得る。R=t−ブチルが好ましい(Sasaki、H.らのJ. Med. Chem., 34, 628〜633(1991年))。塩基は水素化ナトリウムまたはナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)であり、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)が好ましい。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。反応温度は約−30℃〜100℃、好ましくは約−10℃〜約30℃である。5の炭素−炭素2重結合を還元して6を生成する反応は、5を低級アルコール(メタノールまたはエタノールが好ましい)のような反応不活性溶媒中に入れ、固体支持体上に分散させた白金またはパラジウムのような貴金属触媒(炭素上の10%パラジウムが好ましい)を加え、その混合物を約10℃〜100℃(40℃〜60℃が好ましい)の温度で約1気圧〜5気圧(約3〜約4気圧が好ましい)の水素雰囲気下に置き、そして混合物を振盪することにより行なうことができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当するNH誘導体(R6=H)が生成する。
【0051】
6の1a(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、6、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜約150℃(約80℃〜120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理することにより行なうことができる。別法として、6の1a(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、6およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0052】
式1aおよび1bの化合物を得るための他の経路はスキーム1に示されている。5の1b(R3は上記で定義されたようなAr1、場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、5、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜150℃(約80℃〜約120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理することにより行なうことができる。別法として、5の1b(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、5およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。1bの1aへの変換は、1bを低級アルコール(メタノールまたはエタノールが好ましい)のような反応不活性溶媒中に入れ、固体支持体上に分散させた白金またはパラジウムのような貴金属触媒(炭素上の10%パラジウムが好ましい)を加え、その混合物を約10℃〜約100℃(40℃〜60℃が好ましい)の温度で約1気圧〜5気圧(約3〜約4気圧が好ましい)の水素雰囲気下に置き、そして混合物を振盪することにより行なうことができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当する第2アミン誘導体(R6=H)が生成する。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0053】
1bへの他の経路はスキーム1に示されている。7の8(R3は上記および請求項1で定義されたようなAr1、場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、7、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜約150℃(約80℃〜120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理することにより行なうことができる。別法として、7の8への変換は、7およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。
【0054】
化合物8はまた、R3−NH2を約10℃〜120℃の温度(50℃〜80℃が好ましい)で水、アセトニトリル、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩のような塩基(炭酸セシウムが好ましい)の存在下または非存在下で8aと縮合させることにより製造することができ、ここで8aのB基はF、Cl、Br、I、OC1−C4アルキル、OH、または酸と標準的なカルボン酸活性化試薬、例えば限定されないがカルボジイミド(一般に“DCC”と略されるジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)または無水トリプロピルホスホン酸との反応から誘導される活性化カルボン酸基(B=Clが好ましい)であり、8aのA基はF、Cl、Br、I、またはアルキルもしくはアリールのスルホン酸塩(Clが好ましい)である。1bの合成は4および8を約−30℃〜約100℃、好ましくは−10℃〜30℃でテトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテルまたは1,4−ジオキサンのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)、カリウムビス(トリメチルシリルアミド)、リチウムビス(トリメチル−シリルアミド)もしくはリチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミン塩基または水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物(ナトリウムビス(ヘキサメチルシリルアミド)が好ましい)と共に反応させ、場合によりジエチルクロロホスホネートを加えることにより(その場合はリチウムジイソプロピルアミドが好ましい塩基である)行なうことができる。次に、化合物1bを上記のようにして化合物1aに変換することができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当するNH誘導体(R6=H)が生成する。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0055】
スキーム1に記載されている式1bの化合物を製造するための他の方法はピリジルアルデヒド2b(D=クロロまたはフルオロであり、フルオロが好ましい)から出発する。2bおよび8を約−30℃〜100℃、好ましくは−10℃〜30℃でテトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテルまたは1,4−ジオキサンのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)、カリウムビス(トリメチルシリルアミド)、リチウムビス(トリメチル−シリルアミド)もしくはリチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミン塩基、または水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物(ナトリウムビス(ヘキサメチルシリルアミド)が好ましい)と共に反応させ、場合によりジエチルクロロホスホネートを加えると(その場合はリチウムジイソプロピルアミドが好ましい塩基である)Fを得る。次に、Fを1bに変換し、1bを上記のようにして1aに変換することができる。
【0056】
スキーム2はXがOである式Iの化合物(下記式1e)を製造するのに適した一般的な方法を示す。
【化4】

【0057】
3−フルオロ−ピリジン−2−カルバルデヒド2およびG1*またはG2*の混合物を、約40℃
〜約150℃の反応温度(90℃〜120℃が好ましい)で水、1,4−ジオキサン、n−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルのような溶媒(水が好ましい)中、2、G1またはG2および溶媒に対して不活性な塩基、例えばトリアルキルアミンまたはアルカリ金属炭酸塩(炭酸カリウムが好ましい)と共に処理するとピリジルピペラジニルアルデヒド4を得る。4およびN−置換モルホリノン12(N−置換基はビニルまたはC(=O)Rであり、ここでR=直鎖状または分枝状のC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキルまたはアリールであり、またR=t−ブチルであるC(=O)Rが好ましい(Sasaki, HらのJ. Med. Chem.,34,628〜633(1991年))を、約−30℃〜約100℃、好ましくは約−10℃〜約30℃で不活性反応溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、アミンまたは金属水素化物塩基、例えば水素化ナトリウムまたはナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)(ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)が好ましい)と共に加えて9を得る。9の炭素−炭素2重結合を還元して10を生成する反応は、9を低級アルコール(メタノールまたはエタノールが好ましい)のような反応不活性溶媒中に入れ、固体支持体上に分散させた白金またはパラジウムのような貴金属触媒(炭素上の10%パラジウムが好ましい)を加え、その混合物を約10℃〜約100℃(40℃〜60℃が好ましい)の温度で約1気圧〜5気圧(約3〜約4気圧が好ましい)の水素雰囲気下に置き、そして混合物を振盪することにより行なうことができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当するNH誘導体(R6=H)が生成する。
【0058】
10の1e(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、10、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜150℃(約80℃〜約120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理することにより行なうことができる。別法として、10の1e(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、10およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0059】
式1dおよび1eの化合物を得るための他の経路はスキーム2に示されている。9の1d(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、9、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜約150℃(約80℃〜120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理することにより行なうことができる。別法として、9の1d(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、9およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。1dの1eへの変換は、1dを低級アルコール(メタノールまたはエタノールが好ましい)のような反応不活性溶媒中に入れ、固体支持体上に分散させた白金またはパラジウムのような貴金属触媒(炭素上の10%パラジウムが好ましい)を加え、その混合物を約10℃〜約100℃(40℃〜60℃が好ましい)の温度で約1気圧〜5気圧(約3〜約4気圧が好ましい)の水素雰囲気下に置き、そして混合物を振盪することにより行なうことができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当する第2アミン誘導体(R6=H)が生成する。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0060】
1dを得るための他の経路はスキーム2に示されている。13の12(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、13、アリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(炭酸カリウムが好ましい)、1,2−エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミンまたはシス−1,2−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン(N,N'−ジメチルエチレンジアミンが好ましい)、塩化第一銅、臭化第一銅または沃化第一銅(沃化第一銅が好ましい)、少量の水(約1〜4%が好ましい)を、約40℃〜約150℃(約80℃〜120℃が好ましい)で1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンのような反応不活性溶媒(トルエンが好ましい)中で処理して12を得ることにより行なうことができる。別法として、13の12(R3は場合により置換されるアリールまたはヘテロアリール基である)への変換は、13およびアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アミン塩基、アルカリ金属ホスホン酸塩またはアルカリ金属アルコキシドのような塩基(炭酸セシウムが好ましい)、ホスフィンリガンド(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。さらに、12はN−置換モルホリノン(R3基は、ビニルまたはC(=O)R(ここでR=直鎖状または分枝状のC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキルまたはアリールであり、またR=t−ブチルであるC(=O)Rが好ましい)として定義されたN−置換基と同様に定義することもできる)であり、RCOCl(Rは上記で定義された通りである)を−30℃〜50℃の温度(0℃が好ましい)で塩素化溶媒(塩化メチレンが好ましい)中のモルホリノン13および第3アミン塩基(トリエチルアミンが好ましい)に加えてモルホリノン12を得ることにより製造される。
【0061】
次に、モルホリノン13は文献に記載の方法(Pfeil, E.らのAngew.Chem., 79, 188(1967年);Lehn, J.M.らのHelv. Chim. Acta., 59, 1566〜1583(1976年);Sandmann, G.らのJ.
Agric. Food Chem., 49, 138〜141(2001年))を使用して製造した。13はまた、約10℃〜約120℃の温度(50℃〜80℃が好ましい)で水、アセトニトリル、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩のような塩基(炭酸セシウムが好ましい)の存在下または非存在下で14を縮合させることにより製造することができ、ここで14のD基はF、Cl、Br、I、OC1−C4アルキル、OH、または酸と標準的なカルボン酸活性化試薬、例えば限定されないがカルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)または無水トリプロピルホスホン酸との反応から誘導される活性化カルボン酸基(D=Clが好ましい)である。R9および/またはR10は、水素またはカルバメートまたはフタルイミドのような環化前に除去することができる当該技術分野で知られている適切に設計された基(フタルイミドが好ましく、ヒドラジンで環化前に除去することができる)であり得る。1dの合成は4および12を約−30℃〜100℃、好ましくは−10℃〜30℃でテトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテルまたは1,4−ジオキサンのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)、カリウムビス(トリメチルシリルアミド)、リチウムビス(トリメチル−シリルアミド)もしくはリチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミン塩基、または水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物(ナトリウムビス(ヘキサメチルシリルアミド)が好ましい)と共に反応させ、場合によりジエチルクロロホスホネートを加えることにより(その場合はリチウムジイソプロピルアミドが好ましい塩基である)行なうことができる。次に、1dを上記のようにして1eに変換することができる。R6=ベンジルまたは水素化条件下で不安定な他の基である場合、相当するNH誘導体(R6=H)が生成する。R6=Hである場合、第2アミンの他の官能基化を当業者に知られている標準的なアルキル化または還元的アミノ化条件下で行なうことができる。
【0062】
別法として、12は11を約25℃〜160℃の温度(30℃〜60℃が好ましい)で塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムのような塩素化溶媒(塩化メチレンが好ましい)中、過マンガン酸カリウムのような適切な酸化剤および第四アンモニウム塩(塩化ベンジルトリメチルアンモニウムが好ましい)で処理することにより製造することもできる。11の合成は、モルホリンをアリールまたはヘテロアリールの塩化物、臭化物、沃化物またはスルホン酸塩(臭化物が好ましい)を、約40℃〜約160℃の温度(80℃〜120℃が好ましい)で1,4−ジオキサンまたはトルエンのような不活性溶媒(1,4−ジオキサンが好ましい)中、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドのような塩基(ナトリウムt−ブトキシドが好ましい)、ホスフィンリガンド(BINAPまたはトリフェニルホスフィンが好ましい)、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)またはその相当するクロロホルム付加物のようなパラジウム種(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が好ましい)と共に処理することにより行なうことができる。
【0063】
スキーム2に記載されている式1dの化合物を合成するための他の方法はピリジルアルデヒド2b(D=クロロまたはフルオロであり、フルオロが好ましい)から出発する。2bおよび12を、約−30℃〜約100℃、好ましくは−10℃〜30℃でテトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテルまたは1,4−ジオキサンのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミド)、カリウムビス(トリメチルシリルアミド)、リチウムビス(トリメチル−シリルアミド)もしくはリチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミン塩基、または水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物(ナトリウムビス(ヘキサメチルシリルアミド)が好ましい)と共に反応させ、場合によりジエチルクロロホスホネートを加えると(その場合はリチウムジイソプロ
ピルアミドが好ましい塩基である)1dを得る。次に、1dを上記のようにして1eに変換することができる。カップリング反応で使用されるハロゲン化アリールは米国特許第5,612,359号(製造2−9);Guay, D.らのBiorg. Med. Chem. Lett., 12, 1457〜1461(2002年);Sall, D. J.らのJ. Med. Chem., 43, 649〜663(2000年)−olah, G. A.らのJ. Am. Chem. Soc., 93, 6877〜6887(1971年);Brown, H.C.らのJ. Am. Chem. Soc., 79, 1906〜1909(1957年);Nenitzescu, C. I.らのJ. Am. Chem. Soc., 72, 3483〜3486(1950年);Muci, A. R.およびBuchwald, S. L.のTop. Curr. Chem.;Springer−Verlag:Berlin Heidelberg, 219, 131〜209(2002年);DE 19650708;Howard, H. R.;EP 104860;EP 0501579A;Wang, X.らのTetrahedron Lett., 41, 第4335〜4338頁(2000年)に概説されている一般的な方法により製造される。ハロゲン化アリールにアルコールが存在する場合、アルコールを約−20℃〜約50℃の温度においてテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、アルカリ金属水素化物またはアルカリ金属水酸化物、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウム(水素化ナトリウムが好ましい)で処理し、次にハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキル(沃化アルキルが好ましい)を加えて相当するエーテルを得る。
特定の式1の化合物の例は次の通りである:
【実施例】
【0064】
〔実施例1〕1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−yl)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン
〔実施例2〕2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
〔実施例3〕1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例4〕2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
〔実施例5〕1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
【0065】
〔実施例6〕1−[4−(2−t−ブチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例7〕1−[4−(2−イソプロピル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例8〕1−[4−(2,5−ジメチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例9〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例10〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピロリジン−2−オン
【0066】
〔実施例11〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−2−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
〔実施例12〕[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−4−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
〔実施例13〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−5−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
〔実施例14〕1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メ
チル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
〔実施例15〕1−[4−(1−メトキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
【0067】
〔実施例16〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
〔実施例17〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
〔実施例18〕1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
〔実施例19〕1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
〔実施例20〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
【0068】
〔実施例21〕1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例22〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−フェニル−ピペリジン−2−オン
〔実施例23〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピペリジン−2−オン
〔実施例24〕11−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−ピペリジン−2−オン
〔実施例25〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
【0069】
製造例1:2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド
水(75mL)および1,4−ジオキサン(33mL)中の1−メチルピペラジン(12.8mL、120ミリモル)、炭酸カリウム(13.6g、99ミリモル)および2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド(9.3g、66ミリモル)の混合物を100℃で18時間加熱した。その溶液を室温まで冷却し、水に注ぎ、そして塩化メチレンで抽出した。合一した有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して13.2gの油状物(収率98%)を得た。MS(AP/CI) 206.2(M+1)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 46.3, 51.2, 55.2, 116.1, 119.6, 140.6, 152.7, 161.8, 190.1。
【0070】
製造例2:一般的なアルドール法
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピロリジン−2−オン
100mLのテトラヒドロフラン中の10.0g(49ミリモル)の2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドおよび6.2g(49ミリモル)のN−アセチルピロリジノンの溶液を100mLのテトラヒドロフラン中の6.45g(161ミリモル、60質量%)の水素化ナトリウムの懸濁液(0℃)に30分間ゆっくりと加えた。添加終了後、混合物を0℃で10分間撹拌し、次に室温で18時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して黄色の固体を得た。酢酸エチルから再結晶して4.9g(収率37%)の表題化合物を白色の固体として得た。MS(AP/CI) 273.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 26.3, 39.9, 46.3, 50.4, 55.3, 116.7, 121.7, 127.2, 130.8, 137.0, 147.7, 161.3, 172.6。
【0071】
製造例3:3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン
製造例2に記載の手順と同様にして表題化合物を製造した。MS(AP/CI) 287.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 23.2, 26.6, 42.5, 46.3, 50.0, 55.4, 116.1, 121.4, 129.0, 133.4, 138.4, 147.6, 161.0, 166.5。
【0072】
製造例4:1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン
製造例2に記載の手順と同様にして表題化合物を製造した。MS(AP/CI) 458.2(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 11.0, 11.8, 23.6, 27.1, 46.3, 49.9, 51.5, 55.4, 116.1, 116.3, 121.6, 126.6, 128.8, 129.3, 129.8, 134.0, 138.2, 143.1, 147.6, 158.8, 161.0, 164.9, 165.5。
【0073】
製造例5:モルホリノン類の一般的なアルドール法
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
10mlのテトラヒドロフラン中の2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(196mg、0.96ミリモル)および4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン(300mg、1.1ミリモル)の溶液を5mlのテトラヒドロフラン中の115mgのNaH(2.9ミリモル、60質量%)の懸濁液に加えた。得られた混合物を65℃で18時間加熱した。水でクエンチした後、混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合一した有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濃縮して油状物を得た。エーテルから再結晶して240mgの表題化合物を黄褐色の固体(収率56%)として得た。MS(AP/CI) 449.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 34.1, 41.4, 46.3, 49.3, 50.6, 55.5, 64.6, 68.5, 110.1, 117.1, 120.6, 125.3, 127.8, 138.4, 140.1, 144.8, 147.0, 159.8, 161.2。
【0074】
製造例6:一般的な水素化法
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン
200mLのエタノール中の4.4g(16.1ミリモル)の3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピロリジン−2−オンの溶液に、1.1gの10%Pd/Cを加えた。50℃で加熱しながら45psiで水素化を24時間行い完了した。反応混合物をセライト上でエタノールを使用してろ過し、濃縮して4.4g(収率99%)の表題化合物を油状物として得た。MS(AP/CI) 275.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 27.4, 32.3, 40.6, 41.4, 46.4, 50.6, 55.6, 118.8, 127.4, 138.5, 146.2, 162.3, 180.2。
【0075】
製造例7:3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
製造例6に記載の手順と同様にして表題化合物を製造した。MS(AP/CI) 289.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 21.3, 25.4, 32.8, 41.2, 42.3, 46.1, 50.4, 55.4, 118.8, 127.6, 138.7, 145.9, 162.2, 174.9。
【0076】
製造例8:1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
製造例6に記載の手順と同様にして表題化合物を製造した。MS(AP/CI) 460.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 11.1, 11.8, 22.3, 26.2, 33.8, 42.2, 46.4, 50.6, 51.7, 55.7, 116.3, 118.8, 126.7, 127.6, 128.9, 129.9, 139.1, 142.9, 146.2, 158.9, 162.3, 165.6, 172.7。
【0077】
製造例9:モルホリノン類の一般的な水素化法
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
40mLのエタノール中の2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル
メチレン]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン(140mg、0.31ミリモル)の溶液に、140mgの10%Pd/Cを加えた。40psiで水素化を18時間行なった後、さらに10%Pd/C(140mg)を加えた。40psiで水素化をさらに18時間行い完了した。混合物をセライト上でエタノールを使用してろ過し、濃縮して油状物を得た。シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(88:12のジクロロメタン:メタノール)により精製して25mgの表題化合物を油状物(収率18%)として得た。MS(AP/CI) 451.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 33.9, 34.1, 41.4, 46.3, 50.5, 50.6, 55.6, 62.9, 68.5, 77.6, 118.6, 125.9, 126.1, 127.9, 139.2, 140.0, 145.1, 146.4, 162.1, 168.9。
【0078】
製造例10:4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
工程1:4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン
Buchwaldらの文献に記載の方法と同様にして表題化合物を製造した。MS(APCI) 248.2(M+H)。診断用(Diagnostic)13C NMR(100MHz, CDCl3) 34.3, 40.8, 49.8, 67.2, 68.7, 116.1, 127.6。
工程2:4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン(2.37g、9.6ミリモル)、過マンガン酸カリウム(4.54g、29ミリモル)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(6.59g、29ミリモル)をジクロロメタン(60ml)中で化合させた。45℃で4時間加熱した後、冷却した反応混合物を水性重亜硫酸ナトリウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を白色の泡状物(600mg、収率24%)として得た。MS(APCI) 262.2(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 34.0, 41.4, 49.9, 64.3, 68.5, 68.8, 125.8, 127.9, 139.7, 145.0, 166.9。
【0079】
製造例11:1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン
1−(4−ヨード−フェニル)−ピペリジン−2−オン(1.1g、3.7ミリモル)、リン酸カリウム(1.57g、7.4ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(214mg、0.19ミリモル)および3,5−ジメチルオキサゾール−4−ボロン酸(780mg、5.5ミリモル)を25mLのジオキサン中で化合させた。90℃で18時間加熱した後、冷却した反応混合物を水性重炭酸ナトリウムに注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(4:96のメタノール:ジクロロメタン)により精製して340mgの表題化合物を油状物(収率34%)として得た。1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ1.88−1.94 (m, 4H), 2.23 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.53 (t, 2H, J = 6.2Hz), 3.62−3.65 (m, 2H), 7.22 (d, 2H, J = 8.4 Hz)および7.29 (d, 2H, J = 8.4 Hz)。MS(APCI) 271.2(M+1)。
【0080】
ハロゲン化アリール
ハロゲン化アリールにアルコールが存在する場合、アルコールを約−20℃〜約50℃の温度でテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中、アルカリ金属水素化物またはアルカリ金属水酸化物、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウム(水素化ナトリウムが好ましい)で処理し、次にハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキル(沃化アルキルが好ましい)を加えて相当するエーテルを得る。
【0081】
製造例12:2−(4−ブロモ−フェニル)−プロパン−2−オール
−30℃まで冷却したテトラヒドロフラン(14mL)中のメチルp−ブロモベンゾエート(3g、13.2ミリモル)の溶液を臭化メチルマグネシウム(1M、ジエチルエーテル中、105.5ミリモル、105.5mL)で滴加処理した。添加終了後、得られた懸濁液を室温まで加温させ、5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)をゆっくりと加え、その混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層および水層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合一した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、その溶媒を真空下で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(10:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して2.2g(収率79%)の2−(4−ブロモ−フェニル)−プロパン−2−オールを得た。13C NMR(100MHz, CDCl3) d 148.4, 131.4, 126.6, 120.8, 72.5, 31.9。MS(AP/CI) 197.1, 199.1 (M+H)+
【0082】
製造例13:2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール
エチル−5−ブロモ−2−カルボキシピリジンを使用することを除けば製造例12の一般手順に従って表題化合物を製造した。13C NMR(100MHz, CDCl3) d 165.1, 148.9, 139.7, 120.4, 118.9, 72.2, 30.7。MS(AP/CI) 216.0, 218.1(M+H)+
【0083】
製造例14:1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロペンタノール
製造例12で詳述した手順を使用して表題化合物を製造した。1H NMR(400MHz, CDCl3) d 7.44 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 1.9 (m, 6H), 1.8 (m, 2H), 1.75 (s, 1H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) d 146.4,131.4, 127.2, 120.8, 83.4, 42.2, 24.1。
【0084】
製造例15:1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロブタノール
製造例12で詳述した手順を使用して表題化合物を製造した。13C NMR(400MHz, CDCl3) d
145.5, 131.7, 127.1, 121.3, 76.8, 37.2, 13.2。MS(AP/CI) 209.0, 211.0(M+H−H2O)+
【0085】
製造例16:4−(4−ブロモ−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−オール
製造例12で詳述した手順を使用して表題化合物を製造した。13C NMR(100MHz, CDCl3) d
38.8, 63.9, 70.6, 121.3, 126.6, 131.7, 147.4。
【0086】
製造例17:4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロピラン
12mLのジクロロメタン中の4−(4−ブロモ−フェニル)−テトラヒドロピラン−4−オール(859mg、3.3ミリモル)およびトリエチルシラン(596μL、3.7ミリモル)の溶液を氷浴で冷却した。トリフルオロ酢酸(2.54mL、33ミリモル)を20分かけて滴加した。0℃で1時間後、反応混合物を室温で3時間撹拌した。1N NaOH水溶液を水溶液のpHが塩基性になるまで加え、混合物をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を合一し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油性固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(5:95の酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物を白色の固体(640mg、収率80%)として得た。13CNMR(100MHZ, CDCl3) 34.0, 41.3, 68.5, 120.2, 128.7, 131.8, 145.0。
【0087】
製造例18:1−ブロモ−4−(1−メトキシ−1−メチルエチル)−ベンゼン
テトラヒドロフラン(100mL)中の2−(4−ブロモ−フェニル)−プロパン−2−オール(製造例17、1.77g、8.2ミリモル)および沃化メチル(0.5mL、8.2ミリモル)を水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散、328mg、8.2ミリモル)で処理した。混合物を室温で24時間撹拌し、0.5M塩酸水溶液に注ぎ、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、その溶媒を真空下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(200:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して500mg(収率27%)の表題化合物を得た。13C NMR(100MHz, CDCl3) d 145.4, 131.5, 127.9, 121.0, 76.7, 50.9, 28.1。MS(AP/CI) 197.0, 199.0(M+H−OMe)+
【0088】
製造例19:1−ブロモ−4−(1−メトキシ−シクロブチル)−ベンゼン
製造例17で詳述した手順を使用して表題化合物を製造した。13C NMR(100MHz, CDCl3) d
142.5, 131.6, 128.4, 121.4, 81.3, 50.8, 33.0, 13.1。MS(AP/CI) 209.1, 211.1(M+H
−OMe)+
【0089】
製造例20:5−ブロモ−2−エトキシ−ピリジン
調製したばかりのナトリウムエトキシド(ナトリウム、4.9g、210ミリモル;無水エタ
ノール、100mL、室温)の溶液を2,5−ジブロモピリジン(10g、42ミリモル)で処理し、18時間加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、エーテル層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して7.5g(収率88%)の表題化合物を得た。13C NMR(100MHz, CDCl3) d
162.9, 147.7, 141.2, 112.9, 111.6, 62.3, 14.7。MS(AP/CI) 202.1, 204.1(M+H)+。
【0090】
製造例21:4−(4−ブロモ−フェニル)−4−メチル−テトラヒドロピラン
EP0501579A1に記載の方法と同様にして表題化合物を製造した。13C NMR(100MHz, CDCl3) 29.2, 35.8, 37.7, 37.8, 64.6, 119.9, 127.7, 127.8, 131.7。
【0091】
製造例22:3−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−オキセタン
工程1:2−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−マロン酸ジエチルエステル
ナトリウムメトキシド(5.96g、110.4ミリモル)をエタノール(200mL)中の2−(4−ブロモ−フェニル)マロン酸ジエチルエステル(29g、92ミリモル)の溶液(0℃)に加えた。15分後、ヨードメタン(6.9ml、110.4ミリモル)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温まで加温し、18時間撹拌した。さらにヨードメタン(1.1ml、22ミリモル)およびナトリウムメトキシド(1.0g、22ミリモル)を加え、その混合物を66時間撹拌した。水でクエンチした後、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、濃縮して16.8gの表題化合物を油状物(収率55%)として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) 1.23−1.25 (m, 6H), 1.83 (s, 3H), 4.19−4.25 (m, 4H), 7.25 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 7.46 (d, 1H, J = 7.4 Hz)。
【0092】
工程2:2−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−プロパン−1,3−ジオール
100mLのジエチルエーテル中の2−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−マロン酸ジエチルエステル(10g、30.3ミリモル)の溶液を200mLのジエチルエーテル中の1.0 M水素化アルミニウムリチウム(45mL、45ミリモル)の溶液(0℃)に滴加した。30分後、反応混合物を40℃まで加温し、4時間加熱した。0℃に冷却した後、飽和硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、セライトを通して反応混合物をろ過し、濃縮して濃厚な油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(1:1の酢酸エチル:ヘキサン)により精製して3.94gの表題化合物(収率53%)を得た。13C NMR(100MHz, CDCl3) 20.9, 44.3, 69.6, 120.8, 126.8, 128.8, 128.9, 131.8, 142.6。
【0093】
工程3:3−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−オキセタン
トリフェニルホスフィン(3.6g、13.8ミリモル)を57mLのトルエン中の2−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−プロパン−1,3−ジオール(1.69g、6.89ミリモル)の溶液に加えた。5分間撹拌した後、N,N−ジメチルジチアカルボネート(3.16g、10.34ミリモル)およびジエチルアゾジカルボキシレート(2.17mL、13.79ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。セライトを通してろ過した後、混合物を濃縮して固体を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1:19の酢酸エチル:ヘキサン)により精製して1.26gの表題化合物(収率81%)を得た。13C NMR(100MHz, CDCl3) 27.8, 43.3, 83.6, 120.3, 127.1, 131.8, 145.7。
【0094】
製造例23:本発明の化合物1を得るための銅触媒によるカップリング反応の一般手順
〔実施例26〕1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
トルエン(1.5mL)中の3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン(170mg、0.59ミリモル)、4−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール(281mg、1.2ミリモル)、沃化銅(I)(45mg、0.24ミリモル)、炭酸カリウム(166mg、1.2ミリモル)およびN,N'−ジメチルエチレンジアミン(51μl、0.48ミリモル)の混合物を100℃で24時間撹拌した。沃化銅(I)(45mg、0.24ミリモル)およびN,N'−ジメチルエチレンジアミン(51μl、0.48ミリモル)を加え、反応混合物をさらに24時間100℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して450mgの粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(12:88のメタノール:ジクロロエタン)により精製して107mg(収率41%)の表題化合物を得た。MS(AP/CI) 446.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 14.2, 22.3, 26.2, 33.7, 42.3, 46.3, 50.5, 51.7, 55.6, 118.8, 126.3, 126.5, 127.8, 129.7, 133.5, 139.1, 140.3, 143.2, 146.1, 162.1, 162.3, 172.5。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:65/35のヘプタン/エタノール;Chiralpak AD, 5cm×50cm;85mL/分)。おおよその保持時間:t1=23分;t2=33分。
【0095】
実施例26と同じ一般手順を使用して次の化合物を製造した。
〔実施例27〕1−[4−(2−t−ブチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 488.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.2, 28.8, 33.6, 34.0, 42.3, 46.4, 50.6, 51.7, 55.7, 118.8, 126.5, 127.8, 130.1, 133.1, 139.1, 139.9, 143.1, 146.1, 162.4, 171.8, 172.5。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:60/40のヘプタン/エタノール;Chiralpak AD, 5cm×50cm;75mL/分)。おおよその保持時間:t1=12分;t2=20分。
【0096】
〔実施例28〕1−[4−(2−イソプロピル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 474.2(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 20.7, 22.3, 26.1, 28.8, 33.6, 42.3, 46.4, 50.6, 51.7, 55.7, 118.8, 126.4, 126.5, 127.8, 129.9, 133.2, 139.1, 140.0, 143.1, 146.1, 162.3, 169.5, 172.5。
【0097】
〔実施例29〕1−[4−(2,5−ジメチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS (AP/CI) 460.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 12.0, 14.1, 22.3, 26.2, 33.7, 42.2, 46.4, 50.6, 51.7, 55.7, 118.8, 126.4, 127.4, 127.8, 131.0, 134.0, 139.1, 142.4, 143.8, 146.1, 159.3, 162.3, 172.5。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:60/40のヘプタン/エタノール;Chiralpak AD, 5cm×50cm;75mL/分)。おおよその保持時間:t1=13分;t2=26分。
【0098】
〔実施例30〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 449.5(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.2, 33.7, 34.1, 41.4, 42.2, 46.2, 50.4, 51.9, 55.5, 68.6, 118.8, 126.4, 127.7, 127.8, 139.2, 141.8, 144.5, 146.1, 162.3, 172.5。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:メタノール;Chiralpak AD, 10cm×50cm;250mL/分)。おおよその保持時間:t1=25分;t2=44分。
【0099】
〔実施例31〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 435.5(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.8, 32.9, 34.1, 41.2, 43.8, 46.4, 46.9, 50.6, 55.6, 68.5, 118.9, 120.1, 127.2, 127.3, 137.9, 138.7, 142.4, 146.3, 162.3, 175.4。
【0100】
〔実施例32〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−2−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 418.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.7, 33.0, 43.9, 46.4, 46.7, 50.7, 55.6, 118.9, 119.5, 123.5, 127.1, 127.2, 128.6, 138.7, 141.4, 146.4, 161.8, 162.2, 175.8。
【0101】
〔実施例33〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−4−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 418.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.8, 33.0, 43.9, 46.4, 46.8, 50.7, 55.6, 118.9, 119.9, 126.2, 127.0, 127.2, 133.7, 138.7, 139.5, 140.1, 146.4, 151.5, 162.3, 175.6。
【0102】
〔実施例34〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−5−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 418.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.7, 33.0, 43.9, 46.3, 46.7, 50.6, 55.5, 118.9, 119.9, 121.3, 123.9, 125.1, 127.1, 138.7, 139.9, 146.4, 150.5, 151.3, 162.2, 175.7。
【0103】
〔実施例35〕1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン:13C NMR(100MHz, CDCl3) 14.2, 24.8, 33.1, 43.9, 46.3, 46.8, 50.6, 55.6, 118.9, 119.9, 126.0, 127.2, 127.5, 133.2, 138.7, 139.3, 140.3, 146.4, 162.1, 162.2, 175.5。MS(AP/CI) 432.4(M+H)。
【0104】
〔実施例36〕1−[4−(1−メトキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 449.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 13.1, 22.3, 26.2, 33.0, 33.1, 33.8, 42.1, 46.4, 50.6, 50.8, 51.8, 55.8, 81.4, 118.7, 126.1, 127.3, 127.7, 139.1, 141.7, 142.6, 146.1, 162.3, 172.6。
【0105】
製造例24:本発明の化合物1を得るためのパラジウム触媒によるカップリング反応の一般手順
〔実施例37〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン(600mg、2.2ミリモル)、4−ブロモベンゾトリフルオリド(369μL、2.6ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(100mg、0.11ミリモル)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(191mg、0.33ミリモル)および炭酸セシウム(1.08g、3.3ミリモル)を4mlのジオキサン中で化合させ、100℃で18時間加熱した。次に、冷却した反応混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合一した有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(8:92のメタノール:ジクロロメタン)により精製して500mg(収率54%)の表題化合物を油状物として得た。MS(AP/CI) 419.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.7, 33.0, 43.8, 46.3, 46.6, 50.7, 55.6, 118.9, 119.2, 126.1, 126.2, 127.0, 138.7, 142.6, 146.5, 162.2, 176.0。
【0106】
実施例37と同じ一般手順を使用して次の化合物を製造した。
〔実施例38〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI)
435.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.0, 24.8, 33.0, 42.0, 43.8, 46.2, 46.9, 50.5, 55.5, 83.4, 118.9, 119.7, 125.9, 127.2, 138.2, 138.7, 143.6, 146.4, 162.2, 175.5。
【0107】
〔実施例39〕1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メ
チル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 409.3(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.8, 32.0, 32.9, 43.8, 46.3, 46.9, 50.5, 55.5, 72.2, 118.9, 119.7, 125.2, 127.2, 138.0, 138.7, 145.9, 146.3, 162.2, 175.5。50/50のヘプタン/エタノール;Chiralpak AD,5cm×50cm;75mL/分)。おおよその保持時間:t1=25分;t2=34分。
【0108】
〔実施例40〕1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン:MS(AP/CI) 407.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 24.8, 31.6, 32.9, 34.6, 43.8, 46.4, 46.9, 50.7, 55.6, 118.8, 119.7, 125.9, 127.3, 137.1, 138.6, 146.3, 147.7, 162.4, 175.3。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:75/25のヘプタン/イソプロパノール;Chiralpak AD, 5cm×50cm;75mL/分)。おおよその保持時間:t1=24分;t2=32分。
【0109】
〔実施例41〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI)
449.5(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 24.0, 26.2, 33.7, 42.1, 42.2, 46.4, 50.6, 51.9, 55.7, 83.5, 118.8, 126.1, 126.2, 127.8, 139.1, 142.3, 145.7, 146.1, 162.3, 172.6。
【0110】
〔実施例42〕1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 421.5(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.2, 31.6, 33.7, 34.7, 42.1, 46.4, 50.6, 51.8, 55.7, 118.7, 125.8, 126.3, 127.8, 139.1, 141.0, 146.1, 149.7, 162.3, 172.5。
【0111】
〔実施例43〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−フェニル−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 365.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.2, 33.7, 42.2, 46.3, 50.5, 51.9, 55.6, 118.8, 126.4, 126.9, 127.8, 129.4, 139.1, 143.7, 146.1, 172.5。
【0112】
〔実施例44〕3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 449.4(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.2, 33.7, 42.1, 46.4, 50.7, 51.8, 55.7, 118.8, 121.9, 127.6, 127.8, 139.1, 142.1, 146.2, 162.4, 172.7。
【0113】
〔実施例45〕1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 423.5(M+H)。13C NMR(100MHz, CDCl3) 22.3, 26.1, 31.9, 33.6, 42.2, 46.3, 50.5, 51.9, 55.6, 72.4, 118.9, 125.6, 126.0, 127.9, 139.2, 142.0, 146.1, 148.0, 162.3, 172.6。エナンチオマーはHPLCにより分離できた:70/30のヘプタン/イソプロパノール/0.1%トリフルオロ酢酸;Chiralpak AD, 5cm×50cm;75mL/分)。おおよその保持時間:t1=19分;t2=31分。オレフィンを除去するためにさらにシリカゲルクロマトグラフィーによる処理が必要であった:91.5:8:0.5のジクロロメタン:メタノール:水酸化アンモニウム。
【0114】
〔実施例46〕1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン:MS(AP/CI) 435.5(M+H)。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ1.42−1.57 (m, 1H), 1.63−1.91 (m, 3H), 1.92−2.03 (m, 2H), 2.15 (br, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.30−2.39 (m, 2H), 2.51−2.68 (m,
5H), 2.75 (dd, 1H, J = 14.1および10.2 Hz), 2.93−3.01 (m, 1H), 3.08−3.25 (m, 4H), 3.50 (dd, 1H, J = 14.2および3.7 Hz), 3.60−3.70 (m, 2H), 6.91 (dd, 1H, J = 7.1および4.6 Hz), 7.26 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 7.49 (dd, 1H, J = 7.5および1.7 Hz), 7.53 (d, 1H, J = 8.3 Hz)および8.20 (dd, 1H, J = 4.9および1.6 Hz)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式
【化1】

[式中、GはG1またはG2
【化2】

であり;破線は場合により2重結合であることを示し;Ar1はフェニル、5−もしくは6−員のヘテロアリール環、または8−〜10−員の縮合したアリールもしくはヘテロアリール環系であり、該ヘテロアリール環および該ヘテロアリール環系のヘテロアリール部分は炭素と、酸素、窒素および硫黄からなる群より独立して選択される1〜4個の他の元素で構成される芳香族環からなり、Ar1は独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、R1、R2、R3、−OR4、−OC(=O)R5、−COOR6、NHR7、NR89、−NHC(=O)R10、N(R11)(C=O)R12、−C(=O)NHR13またはAr2で1回または多数回置換されてもよく;XはCH2、NHまたはOであり;V、WおよびYは独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはR7であり、R1〜R13は独立してC1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C8アルケノキシであり、該アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケノキシは場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子、またはニトロ、シアノもしくはヒドロキシル基で置換されてもよく、前記アルキルまたはアルケニル基は直鎖状、分枝状または環状であり、アルコキシ−置換アルキル基は環状エーテルを形成することができ、または、NR89の場合、R8およびR9は互いに結合して追加の環を形成することができ;ZはC1−C6アルキルまたはC1−C6アルキルカルボニルであり;Ar2は5−もしくは6−員のアリールもしくはヘテロアリール環、または8−〜10−員の縮合したアリールもしくはヘテロアリール環系であり、Ar2は独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、R1、R2、R3、OR4、OC(=O)R5、COOR6、NHR7、NR89、NHC(=O)R10、N(R11)(C=O)R12、C(=O)NHR13で1回または多数回置換されてもよく;そしてnは1または2である]を有する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
VおよびYは水素であり、XはCH2であり、そしてGは4−メチル−ピペラジン−1−イルである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Ar1はフェニルである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Ar1はフェニルまたは単環式ヘテロアリール基で置換される請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Ar1はR1で置換され、そしてR1はシクロアルキルまたは飽和環状エーテル基である請求項3記載の化合物。
【請求項6】
化合物は、
1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン;
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン;
1−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−4−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−モルホリン−3−オン;
1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2−t−ブチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2−イソプロピル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(2,5−ジメチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−[4−(テトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−2−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−4−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−オキサゾール−5−イル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(2−メチル−オキサゾール−4−イル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−メトキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピロリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
1−(4−t−ブチル−フェニル)−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル
)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−フェニル−ピペリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピペリジン−2−オン;
1−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン;および
1−[4−(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−フェニル]−3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ピペリジン−2−オン
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
【請求項7】
薬学的に有効な量の請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩、および薬学的に有効な担体を含有する医薬組成物。
【請求項8】
治療の必要な哺乳動物にセロトニンが媒介する神経伝達を変えるのに有効な量の請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩、および薬学的に有効な担体を投与することからなる、哺乳動物のセロトニンが媒介する神経伝達を変えることにより治療することができる障害または状態を治療する方法。
【請求項9】
治療の必要な哺乳動物に治療的に有効な量の請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩、および薬学的に有効な担体を投与することからなる、哺乳動物における不安症、うつ病、気分変調症、大うつ病性障害、偏頭痛、心的外傷後ストレス障害、回避性人格障害、境界性人格障害および恐怖症からなる群より選択される障害を治療する方法。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物に偏頭痛、頭痛または群発頭痛を治療するのに有効な量の請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩を投与することからなるヒトを含む哺乳動物の該疾患を治療する方法。
【請求項11】
請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩はセロトニン再取り込み阻害剤と組合せて投与される請求項8記載の方法。
【請求項12】
請求項1記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩はセロトニン再取り込み阻害剤と組合せて投与される請求項9記載の方法。
【請求項13】
ヒトを含む哺乳動物に放射性形態の請求項1記載の化合物を投与し、放射性化合物の放射能を検出することを含む該哺乳動物の5−HT1Bを含有する器官を可視化する方法。
【請求項14】
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピロリジン−2−オン;
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−ピペリジン−2−オン;および
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−モルフィリン−2−オン
からなる群より選択される式Iの化合物を合成するための中間体。

【公表番号】特表2008−503559(P2008−503559A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517525(P2007−517525)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002074
【国際公開番号】WO2006/000912
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】