説明

COPD用併用療法

本発明は、臭化グリコピロニウムをホルモテロールと組み合わせて含む、加圧型定量投与吸入器(pMDI)によりCOPD患者に投与するのに適したエアロゾル製剤に関する。製剤は、さらに、HFA推進剤、共溶媒、および、臭化グリコピロニウムおよびホルモテロール成分の両方を安定化させるのに充分な所定量の無機酸を含む。任意に、製剤は、さらに、ジプロピオン酸ベクロメタゾンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧型定量吸入器で用いることを意図した、臭化グリコピロニウムおよびホルモテロールまたはその塩を含む医薬エアロゾル溶液製剤に関する。本発明は、さらに、COPDを含む呼吸器疾患の予防および治療におけるそのような製剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
臭化グリコピロニウム(グリコピロレート(glycopyrrolate)としても知られている)は、特定の麻酔の投与に係わる唾液分泌を減少させるために、および消化性潰瘍の補助療法として用いられるムスカリン様M3抗コリン剤である。これは、喘息症状の治療において有効であることも報告されている(Hansel et al.,Chest 2005;128:1974−1979(非特許文献))。
【0003】
WO2005/107873は、小児喘息の治療のためのグリコピロレートの使用に関する。
WO01/76575(特許文献1)は、グリコピロレートの肺送達のための放出制御製剤を開示している。この製剤は、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療における使用を意図している。この出願は、乾燥粉末吸入器(DPI)による送達に適した乾燥粉末製剤に重点を置いている。
WO2005/074918(特許文献2)は、グリコピロレートとグルココルチコイド薬剤との組み合わせ、および気道の疾患を治療するためのその使用を開示している。
WO2005/110402は、炎症性または閉塞性気道疾患の治療のための、インダンまたはベンゾチアゾール−2−オン誘導体型のβ−2作動薬とグリコピロレートとの組み合わせに関する。
WO2006/105401は、呼吸器、炎症性または閉塞性気道疾患の予防および治療のための、抗コリン薬、コルチコステロイドおよび長時間作用型β−2作動薬の組み合わせに関する。抗コリン薬は、グリコピロレートであってよい。
WO2007/057223およびWO2007/057222によれば、臭化グリコピロニウムと抗炎症性ステロイド、特にフロ酸モメタゾンとの組み合わせが、炎症性および閉塞性気道疾患の治療において治療的利益を提供する。
WO2007/057221およびWO2007/057219は、グリコピロニウム塩と、インダニル誘導体であるβ−2作動薬(または類似体)および抗炎症性ステロイド、特に、フロ酸モメタゾンとの組み合わせに関する。
【0004】
ホルモテロールは、気管支における平滑筋を弛緩させて気道を開いて喘鳴症状を低減させることができるβ−2作動薬である。これは、喘息および他の呼吸器症状の管理において一般的に用いられる。
【0005】
最近、フマル酸ホルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾン(コルチコステロイド)とを含む効果的併用療法が、Forter(登録商標)の商品名で利用できるようになった。Foster(登録商標)は、加圧型定量投与吸入器(pMDI)を用いて、エアロゾルにより肺に送達されるように設計されている。フマル酸ホルモテロールのエアロゾル溶液は、比較的不安定であり、準最適の条件下に貯蔵したときの保存期間が短いことが以前から知られている。Foster(登録商標)製剤は、ホルモテロール成分を安定化させるために所定量の無機酸を取り込んでいる(EP 1157689に記載)。
【0006】
ホルモテロールと臭化グリコピロニウムの治療的利益を組み合わせていると共に、任意にジプロピオン酸ベクロメタゾンを併用する、臨床的に有用な組み合わせエアロゾル産物を提供することが望ましいであろう。そのような産物は、個々の医薬活性成分が、長い産物寿命に渡って効果的かつ一貫した量で肺に送達され、理想的には温度および湿度の特別の条件下に貯蔵する必要がないように調製されることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/76575号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/074918号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Hansel et al.,Chest 2005;128:1974−1979
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、HFA推進剤に溶解された
(a)臭化グリコピロニウムおよび
(b)ホルモテロールまたはその塩、
および共溶媒を含む医薬エアロゾル製剤であって、安定化剤としての無機酸も含んでいる医薬エアロゾル製剤を提供する。任意に、製剤は、さらに、ジプロピオン酸ベクロメタゾンを含む。
【0010】
もう一つの局面において、本発明は、COPDおよび他の呼吸器疾患の予防または治療のための、臭化グリコピロニウムおよびホルモテロールまたはその塩を含む組み合わせ産物の使用を提供する。
【0011】
さらにもう一つの局面において、本発明は、HFA推進剤に溶解された
(a)臭化グリコピロニウムおよび
(b)ホルモテロールまたはその塩、
および共溶媒を含んでなると共に安定化剤としての無機酸も含んでなる、pMDIで用いるためのキャニスターを提供する。
【0012】
(好ましい態様の詳細な説明)
臭化グリコピロニウムおよびホルモテロールの両方を含む組み合わせ溶液製剤産物を調製しようとしたときに、驚くべきことに、ホルモテロール成分が、高い温度および高い相対湿度の条件下に貯蔵したときに、産物を臨床的かつ商業的に使用不能にする程度に、著しく分解することを発見した。このことは、製剤中における酸の存在には係わらず、通常は、ホルモテロール成分を安定化させることが適切である。
【0013】
臭化グリコピロニウムが、HFAおよび共溶媒に基づくエアロゾル溶液製剤中において通常は不安定であるが、製剤中に酸を含ませることにより安定化することも分かった。
【0014】
さらなる分析により、臭化グリコピロニウムの存在下、ホルモテロール成分の一部が異なる産物の範囲まで分解することが示された。非最適条件下においては、DP3と呼ばれる分解産物の量が、新規薬剤産物の同定および適格性について報告されている閾値(ICHガイドラインQ3B(R2)に定義)を超え得る。すなわち、ホルモテロール安定性を向上させると共にDP3および他の不要分解産物の水準を低下させるように製剤を変化させる必要があることが分かった。
【0015】
その後の実験により、これらの安定性の問題を回避する一つの成功した手段は、ホルモテロールおよび臭化グリコピロニウム成分の両方が安定化するように製剤中に最適量の酸を含ませることであると示された。特に、本発明者らは、溶液中に0.1〜0.3μg/μl、好ましくは0.15〜0.28μg/μl、より好ましくは0.18〜0.26μg/μl、さらにより好ましくは0.19〜0.245μg/μlの範囲の所定量の1M HClを含ませることが、非最適貯蔵の長期間に渡って臭化グリコピロニウムおよびホルモテロールの好ましい安定化に充分であり、それにより溶液製剤を含むpMDIの作動毎に臭化グリコピロニウムおよびホルモテロールの一貫した投与量が確保されることを発見した。製剤中に含まれる酸の量は、得られるpHよりも加えられる酸の量で定義するのが都合良い。何故なら、pHは、推進剤系溶液のような非水性系においてはうまく定義されないからである。
【0016】
さらなる有意義な発見は、キャニスターヘッドスペースからの酸素の除去が、臭化グリコピロニウムとの組み合わせ溶液製剤中においてホルモテロールをさらに安定化させることである。
【0017】
3−[(シクロペンチルヒドロキシフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロミドと化学的に定義される臭化グリコピロニウムは、配置(3R,2'R)−、(3S,2'R)−、(3R,2'S)−および(3S,2'S)−の4つの潜在的に異なる立体異性体に対応する2つのキラル中心を有する。これらの純粋なエナンチオマーもしくはジアステレオマーまたはこれらの任意の組み合わせのいずれかの状態の臭化グリコピロニウムを、本発明の実施において用いてよい。本発明の一つの態様において、グリコピロレートとしても知られている(3S,2'R),(3R,2'S)−3−[(シクロペンチルヒドロキシフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロミドラセミ混合物が好ましい。臭化グリコピロニウムは、0.005〜0.14%(w/w)、好ましくは0.010〜0.13%(w/w)、より好ましくは0.015〜0.04%(w/w)の範囲の量で製剤中に存在し、ここで、%(w/w)は、組成物の合計重量に対するパーセントで表される成分の重量による量を意味する。
【0018】
グリコピロレートは市販されており、US2,956,062またはFranko BV and Lunsford CD,J Med Pharm Chem 2(5),523−540,1960に記載の方法に従って合成することができる。
【0019】
組成物の推進剤成分はいかなる加圧液化推進剤であってもよく、好ましくはヒドロフルオロアルカン(HFA)または異なるHFAの混合物、より好ましくは、HFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFA227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)およびそれらの混合物からなる群より選択される。好ましいHFAはHFA134aである。HFAは、75〜95%(w/w)、好ましくは85〜90%(w/w)の範囲の量で製剤中に存在してよい。
【0020】
製剤のホルモテロール成分は、遊離塩基として、または塩もしくは溶媒和物として存在し得る。好ましくは、ホルモテロールはフマル酸ホルモテロールとして提供される。フマル酸ホルモテロールは、例えば、0.005〜0.07% w/w、好ましくは0.01〜0.02% w/wの量で製剤中に用いることができる。
【0021】
本発明の製剤中に混入される共溶媒は、推進剤より高い極性を有し、医薬的に許容されるアルコール、特にエタノール、またはプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールのようなポリオールのような一または複数種の物質が挙げられる。
【0022】
エタノールおよびイソプロピルアルコールのような低級分岐または直鎖アルキル(C1−C4)アルコールの群から共溶媒が選択されることが有利である。好ましくは、共溶媒はエタノールである。
【0023】
共溶媒の濃度は、製剤中の活性成分の最終濃度により、および推進剤のタイプにより変わる。例えば、エタノールを、5〜25%(w/w)、好ましくは8〜20%(w/w)、より好ましくは10〜15%(w/w)の範囲の濃度で用いてよい。好ましい態様の一つにおいて、エタノールの濃度は12%(w/w)である。
【0024】
製剤中における推進剤と共溶媒との比率は、50:50〜95:5(w/w)の範囲である。
【0025】
本発明の製剤中において1M HClの代わりに異なるモル濃度のHClまたは別の無機酸(鉱酸)を用いることが考えられる。例えば、別の酸は、(限定はされないが)ハロゲン化水素(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、リン酸、硝酸、硫酸およびハロゲンオキソ酸のような医薬的に許容される一塩基または多塩基酸であり得る。
【0026】
組成物の医薬活性成分は、推進剤と共溶媒との混合物中に実質的に完全にかつ均質に溶解されていることが好ましい、すなわち、組成物は好ましくは溶液製剤である。
【0027】
溶液製剤組成物は、当該分野で知られている他の医薬賦形剤または添加剤を任意に含んでよい。特に、本発明の組成物は、一または複数種の低揮発性成分を含んでいてよい。低揮発性成分は、吸入器の作動時にエアロゾル粒子の空力学的重量中位径(MMAD)を増加させる、および/または、推進剤/共溶媒混合物中での活性成分の溶解性を高めるために有用である。
【0028】
低揮発性成分は、存在する場合、25℃における蒸気圧が0.1kPa未満、好ましくは0.05kPa未満である。低揮発性成分は、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸アスコルビル、トコフェロールエステルのようなエステル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールのようなグリコール、および、飽和有機カルボン酸(すなわち、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸)もしくは不飽和カルボン酸(すなわち、オレイン酸またはアスコルビン酸)のような界面活性剤である。
【0029】
低揮発性成分の量は、0.1〜10% w/w、好ましくは0.5〜5%(w/w)、より好ましくは1〜2%(w/w)で変化してよい。
【0030】
もう一つの態様において、作動時にエアロゾル液滴のNMADを増加させることなく活性成分の溶解性に好ましい影響を与えるために、0.005〜0.3%(w/w)の所定量の水を、任意に製剤に添加してよい。
【0031】
本発明の製剤は、共溶媒、推進剤および安定化量の酸以外の賦形剤(例えば界面活性剤)を含まないことが有利である。
【0032】
本発明の医薬組成物は、さらに、個別、連続または同時使用のための他の更なる医薬活性成分を含んでいてよい。組成物の任意の更なる医薬活性成分としては、呼吸器疾患およびそれらの症状の予防または治療のための当該分野で知られている任意の成分が挙げられる。これらの活性成分は、例えば、サルブタモール、フェノテロール、カルモテロール(TA 2005)、インダカテロール、ミルベテロール、ビランテロール(GSK642444)、テルブタリン、サルメテロール、ビトルテロール、およびメタプロテレノール(全て、単独の立体異性体またはそれらの混合物およびそれらの塩の状態である)のようなβ−2−作動薬、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブチキソコルト、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニドおよびその22R−エピマー、シクレソニド、フルニソリド、ロテプレドノールおよびロフレポニドのようなコルチコステロイド、メトスコポラミン、イプラトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミドおよびチオトロピウムブロミドのような他の抗ムスカリン様薬剤、シロミラスト、ロフルミラストおよびテトミラストのようなホスホジエステラーゼIV阻害剤である。
【0033】
好ましい態様において、本発明の組成物は、ホルモテロールおよび臭化グリコピロニウム成分に加えて、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)を活性成分として含む。この態様において、BDPは、0.07〜0.41%w/w、好ましくは0.1〜0.3%w/wの量で製剤中に存在することが好ましい。
【0034】
本発明の組成物は、任意の適当な既知の加圧型MDI装置から吸入することができる。製剤の個々の医薬活性成分の所望の投与量は、成分の条件、および病状の型および重症度に依存するが、1回または2回の作動で活性成分の治療量が送達されることが好ましい。一般的には、活性成分の投与量は、作動当たり約0.5μg〜1000μgの範囲、例えば、約1〜100μg/作動、場合により約5〜50μg/作動である。当業者は、個々の医薬活性成分の適切な投与量を決める方法に精通している。
【0035】
ホルモテロールについて、好ましい投与量は、作動当たり約0.5〜50μg、好ましくは作動当たり約1〜25μg、より好ましくは作動当たり約5〜15μgである。特定の態様において、フマル酸ホルモテロールの投与量は6または12μg/作動である。
【0036】
臭化グリコピロニウムについて、好ましい投与量は作動当たり約0.5〜100μg、好ましくは作動当たり約1〜40μg、より好ましくは作動当たり約5〜26μgである。一つの特定の態様において、臭化グリコピロニウムの投与量は約25μg/作動である。
【0037】
任意成分であるジプロピオン酸ベクロメタゾンについて、好ましい投与量は、作動当たり約10〜2000μg、好ましくは作動当たり約20〜1000μg、より好ましくは作動当たり約50〜250μgである。特定に態様において、ジプロピオン酸ベクロメタゾンの投与量は約50、100、200μg/作動である。
【0038】
本発明の医薬組成物は、当該分野で知られているpMDI装置に充填される。この装置は、計量弁が取り付けられたキャニスターを含む。計量弁の作動により、スプレー産物の少量が放出される。
【0039】
キャニスターの一部または全体が、金属、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチールまたは陽極酸化アルミニウムからなることができる。あるいは、キャニスターはプラスチック缶またはプラスチック被覆ガラス瓶であってよい。
【0040】
金属キャニスターは、内側表面の一部または全体が、不活性有機被覆材により内張りされていてよい。好ましい被覆材は、例えば、エポキシ−フェノール樹脂、過フッ化ポリマー、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロアルコキシアルキレン、パーフルオロアルキレン、例えば、ポリ−テトラフルオロエチレン(Teflon)、フッ化−エチレン−プロピレン(FEP)、ポリエーテルスルホン(PES)、フッ化−エチレン−プロピレン・ポリエーテルスルホン(FEP−PES)混合物またはそれらの組み合わせである。他の適当な被覆材は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィドまたはそれらの組み合わせであり得る。
【0041】
特定の態様において、FEP−PESまたはテフロン(登録商標)で内張りされた内側表面を有するキャニスターを用いることができる。
【0042】
他の特別の態様において、ステンレススチール製のキャニスターを用いることができる。
【0043】
容器は、活性成分の治療有効日用量を送達するための計量弁で閉鎖されている。通常、計量弁アセンブリーは、その中に開口部を有する口金、計量チャンバーを収納する口金に取り付けられた成形本体、コアおよびコア延長部からなる幹部(stem)、計量チャンバーの周りの内側および外側密閉材、コアの周りのバネ、および弁を通した推進剤の漏出を防止するガスケットを含む。
【0044】
ガスケット密閉材および計量弁の周りの密閉材は、EPDM、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、ブチルゴムまたはネオプレンのような弾性材料を含む。EPDMゴムが特に好ましい。計量チャンバー、コアおよびコア延長部は、ステンレススチール、ポリエステル(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT))またはアセタールのような適当な材料を用いて製造される。バネは、チタンを含むことがあるステンレススチールで製造される。口金は、金属、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチールまたは陽極酸化アルミニウムから作製することができる。適当な弁は、Valois,Bespak plcおよび3M−Neotechnic Ltd.のような製造者から入手できる。
【0045】
pMDIは、作動当たり25〜100μl、好ましくは40〜70μl、および任意に約50μlまたは約63μlの体積を送達することができる計量弁により作動される。
【0046】
充填された各キャニスターは、使用前に適当なチャネリング装置内に取り付けて、薬剤を患者の肺内に投与するための定量吸入器を作成するのが都合よい。適当なチャネリング装置は、例えば、弁アクチュエーターおよび、そこを通して薬剤を充填キャニスターから計量弁を介して患者の口に送達し得る円筒形または円錐様通路を含み、例えば、マウスアクチュエーターを含む。
【0047】
典型的配置において、弁幹部は、延長チャンバーにつながるオリフィスを有するノズルブロック中内に配される。延長チャンバーは、マウスピース内に延びる出口オリフィスを有する。0.15〜0.45mmの範囲の直径および0.30〜1.7mmの長さを有するアクチュエーター(出口)オリフィスが、通常、適している。好ましくは、直径が0.2〜0.44mm、例えば、直径が0.22、0.25、0.30、0.33または0.42mmのオリフィスが用いられる。
【0048】
本発明の特定の態様において、WO03/053501に記載されているもののような、0.10〜0.22mmの範囲、特に0.12〜0.18mmの直径を有するアクチュエーターオリフィスを利用することが有用であり得る。この細かなオリフィスの使用により、霧発生の持続時間を延ばし、その結果、患者がゆっくり吸気することにより霧発生を調整することが容易になり得る。
【0049】
製剤中への水の侵入を避けるべき場合、水侵入に抵抗することができるフレキシブルパッケージ内にMDI産物を包装することが望ましいことがある。キャニスターから漏出し得る推進剤および共溶媒を吸着することができる包装材料(例えば分子篩)内に材料を取り込むことが望ましいこともある。
【0050】
任意に、本発明の製剤を充填したMDI装置を、吸入器の正確な使用に好ましい適当な補助装置と共に利用してよい。この補助装置は市販されており、その形状および寸法により「スペーサー」、「貯蔵器」または「拡張チャンバー」として知られている。例えば、Volumatic(登録商標)が、最も広く知られ使用されている貯蔵器の一つであり、Aerochamber(登録商標)が、最も広く使用され知られているスペーサーの一つである。適当な拡張チャンバーが、例えばWO01/49350に報告されている。
【0051】
本発明の製剤は、Easi−Breathe(登録商標)およびAutohaler(登録商標)のような登録名で知られているもののような一般的加圧型呼吸作動吸入器と共に用いることができる。
【0052】
MDI装置の効率は、肺内の適切な部位に付着した投与量の関数である。付着は、試験管内で幾つかのパラメーターにより特徴付けられる製剤の空力学的粒径分布により影響される。
【0053】
本発明の製剤の空力学的粒径分布は、欧州薬局方6−th edition,2009(6.5),part 2.09.18に記載の手順に従ってCascade Impactorを用いて特徴付けられ得る。30l/分〜100l/分の範囲の流速で操作される装置E、または28.3l/分の流速で操作される装置D(Andersen Cascade Impactor(ACI))。各ACIプレート上への薬剤の付着は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により決められる。
【0054】
加圧型MDIにより放出される粒子の以下の直径を決めることができる
i) 空力学的重量中位径(MMAD)は、放出された粒子の空力学的重量直径がその前後に均一に分布する直径である
ii) 送達投与量は、ACIにおける累積付着から計算され、実験当たりの作動数により割ったものである
iii) 呼吸性投与量(微粒子投与量=FPD)は、4.7ミクロン未満の直径の粒子に対応する、ACIのフィルター(AF)へのステージ3(S3)からの付着により得られ、実験当たりの作動数により割ったものである
iv) 呼吸性比率(微粒子比率=FPF)は、呼吸性投与量と送達投与量とのパーセント比率である
v) 「超微小」投与量は、1.1ミクロン以下の直径の粒子に対応する、フィルターへのステージ6(S6)からの付着により得られ、実験当たりの作動数により割ったものである
本発明の溶液は、それが含まれるpMDI装置の作動時に、40%を超える、好ましくは50%を超える、より好ましくは60%を超える合計FPFを提供することができる。
【0055】
さらに、本発明の製剤は、作動時に、Andersen Cascade ImpactorのステージS3−AFにおいて集められた合計微粒子投与量に対する、Andersen Cascade Impactorに含まれるステージS6−AFより定められる1.1ミクロン以下の直径の放出粒子の30%以上の比率を提供することができる。1.1ミクロン以下の直径の放出粒子の比率は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%を超える、さらにより好ましくは60%を超える、最も好ましくは70%を超える。
【0056】
本発明のさらなる局面によれば、エアロゾル吸入器に本発明の組成物を充填する方法が提供される。充填されたキャニスターの商業的生産用の大規模バッチの調製のために、医薬エアロゾル製造の分野において良く知られている従来の大量生産法および機械類を用いてよい。
【0057】
第一の方法は、以下の操作を含む
a) 任意の共溶媒(例えば、エタノール)中の臭化グリコピロニウムおよびフマル酸ホルモテロールおよび任意のジプロピオン酸ベクロメタゾン、鉱酸、HFAを含む推進剤、および任意の低揮発性成分の溶液を、製剤が気化しない−50〜−60℃の温度において調製する;
b) 吸入器に、調製された溶液を冷時充填する;および
c) 弁を空の缶上に配して圧着する。
【0058】
別の方法は、以下の操作を含む
a) 共溶媒(例えばエタノール)中の臭化グリコピロニウムおよびフマル酸ホルモテロールおよび任意のジプロピオン酸ベクロメタゾン、鉱酸、および任意の低揮発性成分の溶液を調製する;
b) 開いた缶にバルク溶液を充填する;
c) 弁を缶上に配して圧着する;および
d) 缶に、弁を通してHFA推進剤を加圧充填する。
【0059】
さらなる別の方法は、以下の操作を含む
a) 任意の共溶媒(例えばエタノール)中の臭化グリコピロニウム、フマル酸ホルモテロール(および任意にジプロピオン酸ベクロメタゾン)および鉱酸、任意の低揮発性成分、およびHFA推進剤の溶液を加圧容器を用いて調製する;
b) 弁を空の缶上に配して圧着する;および
c) 缶に、弁を通して最終溶液製剤を加圧充填する。
【0060】
本発明の一つの態様において、特に高い酸濃度において、ホルモテロール成分をさらに安定化させるために、従来技術を用いてエアロゾルキャニスターのヘッドスペースから酸素を実質的に除去する。これは、容器を充填する方法に依存して、異なる方法で達成することができる。パージングは、例えば、真空圧着により、または推進剤を用いることにより達成することができる。好ましい態様において、前述の第2の充填方法を改良して、真空圧着により工程(C)に酸素パージを組み込む。
【0061】
本発明の包装製剤は、温度および湿度の普通の条件下に貯蔵したとき、長期間安定である。好ましい態様において、包装製剤は、25℃および60%RHにおいて少なくとも6か月安定であり、より好ましくは少なくとも1年間、最も好ましくは少なくとも2年間安定である。安定性は、残留活性成分の含量を測定することにより調べられる。ここに定められる「安定」製剤は、HPLC−UV VISにより測定して、所定の時点に、各活性成分の残留含量の少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%を保持するものを意味する。
【0062】
最適化安定製剤は、薬剤登録が目的の薬剤産物安定性試験に係わるICH Guideline Q1BまたはCPMP/QWP/122/02 Rev.1により要求される仕様を満たす。
【0063】
本発明の組み合わせ産物組成物は、広範囲の症状の予防目的もしくは治療目的または症状軽減のために用いてよく、従って、一つの局面において、本発明は、これらの医薬組成物のいずれかを医薬として用いることに関する。特に、本発明の組み合わせ産物は、全ての型の喘息および慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)のような多くの呼吸器疾患の予防または治療において有用である。
【0064】
すなわち、もう一つの局面において、本発明は、COPDのような呼吸器疾患を予防または治療する方法であって、そのような治療を必要としている患者に、本発明の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0065】
本発明は、呼吸器疾患およびそれらの症状の治療、緩和治療または予防のための、本発明の医薬組成物の使用も提供する。
【0066】
本発明の医薬組成物の使用が有益でもある呼吸器疾患は、慢性閉塞性細気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫、急性肺損傷(ALI)、嚢胞性線維症、鼻炎、および成人型または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のような、炎症および粘液の存在の結果としての抹消気道の閉塞により特徴付けられるものである。
【実施例】
【0067】
(実施例1)
A)シングル、ダブルおよびトリプル組み合わせエアロゾル溶液製剤の安定性
種々の貯蔵条件下におけるキャニスターパッケージ内のエアロゾル溶液製剤中のフマル酸ホルモテロール(FF)、臭化グリコピロニウム(GLY)およびジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)のトリプル組み合わせの安定性を調べるための研究を行った。
【0068】
活性成分間の潜在的相互作用が薬物安定性に影響を与えるかどうか評価するための研究には、トリプル組み合わせに加えて、ダブル組み合わせ(FF+BDP、FF+GLY)およびシングル薬剤(GLY)が含まれた。シングル薬剤としてのGLYは、酸の安定化効果を評価するために1M HClを添加しておよび添加しないで調製した。
【0069】
バッチ組成を表1に要約する。
【0070】
【表1】

【0071】
以下の条件下にサンプルバッチを逆さまに貯蔵し、2つのキャニスターについて内容を各チェックポイントにおいて分析した(貯蔵の1、2および3か月後)
+5℃
+25℃/60%相対湿度(加速貯蔵条件)
+30℃/75%相対湿度
+40℃/75%相対湿度
活性成分の残留含量を、標準的クロマトグラフィープロトコールを用いて測定した。
【0072】
結果
【0073】
【表2】

【0074】
トリプル組み合わせについては、BDPおよびGLYの缶含量は、時間および温度によりあまり影響されなかった。これに対し、フマル酸ホルモテロール缶含量は、貯蔵条件に大きく依存しており、0時間に対する残留%は、時間および温度と共に減少する。+30℃/75%RHで3か月後、残留%は92.5%に達し、+40℃/75%RHで3か月後、88.6%に減少した。
【0075】
FF+GLYのダブル組み合わせについては、表3を参照されたい。
【0076】
【表3】

【0077】
GLY成分は、全ての試験条件下に安定を維持した。トリプル組み合わせにおけるように、フマル酸ホルモテロール缶含量は時間および温度に強く依存しており、+30℃/75%RHで3か月後、91.5%に低下し、+40℃/75%RHで3か月後、88.1%に低下した。
【0078】
これに対し、FF+BDPダブル組み合わせにおけるホルモテロール含量は、異なる貯蔵条件のいずれにおいても時間と共に迅速に減少することは無かった。これらの対照的観察により、GLYがフマル酸ホルモテロールと共に存在するとフマル酸ホルモテロールを不安定化する効果があるという結論に至った。
【0079】
GLYを含むシングル薬剤製剤は、1M HClの存在下に一定含量を維持するが、酸を除くと貯蔵の時間および温度に大きく依存することが分かった。
【0080】
B)不純物/分解産物の分析
40℃/75%RHで保存した全ての製剤を、非キラル不純物および活性成分の分解産物について、標準的HPLC/UV VIS法により試験した。FF+BDPおよびFF+GLY+BDPの缶において見られる検出不純物/分解産物の分子量を確認するために、MS検出器を用いた。
【0081】
結果
HPLC/UV法により分析すると、FFおよびGLYの両方を含むこれらの製剤は、フマル酸ホルモテロールに対して分解産物の水準が高かった。各分解産物の量が温度と共に増加することも観察された。
【0082】
3種の主な分解産物であるDP1、DP2および未知の分解産物(DP3と称する)が認識された。これらの分解産物の2種(DP1、DP2)は、低水準の酸しか含まないFoster(登録商標)様製剤中に存在することが以前から分かっていた。
【0083】
C)酸含量の滴定
安定性および純度の試験結果は、臭化グリコピロニウムの存在下におけるフマル酸ホルモテロールの安定化のための製剤中における酸の重要性を指摘したので、0.191μg/μl〜0.254μg/μlの間で変化する1M HClを加えて一連のトリプル組み合わせ製剤を調製した。サンプルの各試験対において、分解プロセスへの酸素の影響力を調べるために真空圧着により酸素を除去することができる。
【0084】
25℃/60%RHで3か月後、サンプルを、活性成分および主要不純物/分解産物の残留缶含量について分析した。GLYおよびBDP成分は、3か月に渡って安定であり、ほとんど分解しなかった。フマル酸ホルモテロール成分についての結果を表4に示す。
【0085】
【表4】

【0086】
酸素を除去したこれらのサンプルを比較すると、酸含量が0.191μg/μlから0.222および0.234μg/μlに上昇するときにFF分解産物%の一貫した減少が観察される。これらの酸値における全体および個々の分解産物%は、各々の場合に1%を大きく下回り、従って、薬剤登録のための同定/適格性水準を充分に下回っている。
【0087】
これらの結果は、酸素パージングの不存在下では、約0.22μg/μlを超える酸濃度は、FFの安定化において実際には逆効果であることも示している。
【0088】
最新の結果に基づき要約すると、臭化グリコピロニウムおよびフマル酸ホルモテロール(および任意にジプロピオン酸ベクロメタゾン)を含むダブルまたはトリプル組み合わせ産物は、酸素をパージングした溶液製剤中に0.191〜0.234μg/μl、好ましくは0.19〜0.23μg/μlの量で1M HClを含ませることにより、臨床および商業的目的で最適に安定化することができる。
【0089】
(実施例2)トリプル組み合わせエアロゾル溶液製剤の安定性
種々の条件(すなわち、真空圧着により酸素を除去するまたは除去しない)下において圧着した標準的EPDM弁を備える従来のアルミニウム製キャニスターにおいて、酸の安定化効果を評価するために、異なる水準の1M HClを含むエアロゾル溶液製剤中における、フマル酸ホルモテロール(FF)、臭化グリコピロニウム(GLY)およびジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)のトリプル組み合わせの安定性を調べる研究を行った。
【0090】
バッチ組成を表5に要約する。
【0091】
【表5】

【0092】
+25℃/60%相対湿度(加速貯蔵条件)でサンプルバッチを逆さまに貯蔵し、2つのキャニスターについて内容を各チェックポイントにおいて分析した(貯蔵の1、2および3か月後)。
【0093】
各活性成分の残留含量を、標準的クロマトグラフィープロトコールを用いて測定した。
【0094】
3か月貯蔵後の結果を以下の表6に報告する。表において、各組成について、各参照番号以外に、真空圧着に対するコードVおよび通常圧着に対するコードN(酸素除去無し)を挿入している。
【0095】
【表6】

【0096】
実験は、通常圧着製剤においては、0.230を超える1M HClの濃度が、分解産物および特にDP3の形成を増加させることを示した。真空圧着では、0.243の1M HCl濃度まで、分解産物および特にDP3の形成が回避される。
【0097】
要約すると、最新の結果により、酸素を除去せずに圧着した溶液製剤においては0.19〜0.243μg/μl、好ましくは0.19〜0.230μg/μlの量で、および酸素を除去して圧着した場合は0.19〜0.243μg/μlの量で1M HClを含ませることにより、臭化グリコピロニウム、フマル酸ホルモテロールおよび任意にジプロピオン酸ベクロメタゾンを含むトリプル組み合わせ産物を、臨床および商業的目的のために最適に安定化させ得ることが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HFA推進剤に溶解された
(a)臭化グリコピロニウムおよび
(b)ホルモテロールまたはその塩、
および共溶媒を含んでなる医薬組成物であって、0.1〜0.3μg/μlの1M HClを含む医薬組成物。
【請求項2】
前記1M HClの範囲が0.15〜0.28μg/μlである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記共溶媒がエタノールである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
β−2作動薬、コルチコステロイド、抗ムスカリン様剤およびホスホジエステラーゼ(IV)阻害薬からなる群より選択される一または複数種の医薬活性成分をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記コルチコステロイドがジプロピオン酸ベクロメタゾンである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(a)臭化グリコピロニウムの濃度が0.005〜0.14%(w/w)である、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
(b)ホルモテロールまたはその塩の濃度が0.005〜0.07%w/wである、請求項1から6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
酸素が実質的にパージングされた請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の医薬組成物を含むエアロゾルキャニスター。
【請求項10】
ヘッドスペース酸素が実質的に除去された、請求項9に記載のキャニスター。
【請求項11】
(a)最終溶液に対して0.1〜0.3μg/μlの量で1M HClが加えられた、臭化グリコピロニウム、フマル酸ホルモテロールおよび任意にジプロピオン酸ベクロメタゾンを共溶媒中に含む溶液を調製する工程、
(b)エアロゾルキャニスターに前記溶液を充填する工程、
(c)弁を缶の上に配して(真空)圧着する工程、および
(d)容器に弁を通してHFA推進剤を加圧充填する工程
を含む、請求項9または10に記載のキャニスターを充填する方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物を含むと共に個別、連続または同時投与用の一または複数種の医薬活性成分をさらに含んでなるキット・オブ・パーツであって、医薬活性成分が、β作動薬、コルチコステロイド、抗ムスカリン様剤およびホスホジエステラーゼ(IV)阻害薬からなる群より選択されるキット・オブ・パーツ。
【請求項13】
COPDの予防または治療において用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2013−515696(P2013−515696A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545323(P2012−545323)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070479
【国際公開番号】WO2011/076843
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(304037234)シエシー ファルマセウティチィ ソシエタ ペル アチオニ (24)
【Fターム(参考)】