説明

CRFアンタゴニストとしての置換されたピリミジノンおよびピリミジンチオン

本発明は、高い親和性でヒトCRF1受容体を包含するCRF1受容体に結合する置換されたピリミジノンおよびピリミジンチオン誘導体に関する。本発明はまた、CNS障害または疾患、特に不安障害、ならびにうつ病およびストレス関連障害のような、CRF受容体を拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害または状態を治療するために本発明の化合物を使用する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にCRF受容体に結合する化合物、特にCRF1受容体アンタゴニストとしての置換されたピリミジノンおよびピリミジンチオン誘導体、ならびにCRFまたはCRF1受容体に関連する障害に対する治療薬としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、プロオピオメラノコルチン(POMC)から誘導されるペプチドの下垂体前葉からの分泌の一次性生理的調節因子である41個のアミノ酸ペプチドである[J.Rivier外、Proc.Natl.Acad.Sci(USA)80:4851(1983);W.Vale外、Science 213:1394(1981)]。下垂体でのその内分泌の役割に加えて、CRFは、CNSにおける広い視床下部外分布を有し、そこで脳における神経伝達物質または神経修飾物質の役割と一致する広範囲の自律神経性の行動的および生理学的効果に寄与することが公知である[W.Vale外、Rec.Prog.Horm.Res.39:245(1983);G.F.Koob、Persp.Behav.Med.2:39(1985);E.B.De Souza外、J.Neurosci.5:3189(1985)]。CRFがうつ病、不安関連障害および摂食障害を包含する精神障害および神経疾患において、そしてアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、進行性核上麻痺および筋萎縮性側索硬化症(これらは中枢神経系におけるCRFニューロンの機能不全に関係する)の病因論および病態生理学において、生理学的、心理的および免疫学的ストレッサーに対する免疫系における反応を統合する際に重要な役割を演じる証拠がある[J.E.Blalock、Physiological Reviews 69:1(1989);J.E.Morley、Life Sci.41:527(1987);E.B.De Souze、Hosp.Practice 23:59(1988)]。
【0003】
情動障害、または大うつ病に苦しむ個体においては、脳脊髄液(CSF)中のCRFの濃度が有意に増大していることが示された[C.B.Nemeroff外、Science 226:1342(1984);C.M.Banki外、Am.J.Psychiatry 144:873(1987);R.D.France外、Biol.Psychiatry 28:86(1988);M.Arato外、Biol.Psychiatry 25:355(1989)]。さらに、CRF受容体の密度は、自殺犠牲者の前頭皮質において有意に減少し、CRFの分泌過多と一致する[C.B.Memeroff外、Arch.Gen.Psychiatry 45:577(1988)]。そのうえ、うつ病の患者においてCRF(静脈内投与した)に対する鈍化した副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)反応が観察される[P.W.Gold外、Am.J.Psychiatry 141:619(1984);F.Holsboer外、Psychoneuroendocrinology 9:147(1984);P.W.Gold外、New Engl.J.Med.314:1129(1986)]。ラットおよびヒト以外の霊長類における臨床前の研究は、CRFの分泌過多がヒトのうつ病において見られる症状に関係するであろうという仮説に対する付加的な支持を提供する[R.M.Sapolsky、Arch.Gen.Psychiatry 46:1047(1989)]。また、三環系抗うつ剤がCRF水準を変え、この結果脳内の受容体数を調節することができるという予備的証拠もある[Grigoriadis外、Neuropsychopharmacology 2:53(1989)]。
【0004】
CRFはまた、不安関連障害の病因論に関係しているとされてきた。不安障害は、恐怖障害、不安状態、心的外傷後ストレス障害および非定型不安障害を包含する、当技術分野で認められている疾患群である[The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第16版(1992)]。情動ストレスは、しばしば不安障害における増悪因子であり、そしてこのような障害は、一般にストレスに対する反応を低下させる薬剤に応答する。過剰水準のCRFは、動物モデルにおいて不安誘導性(anxiogenic)効果を生じることが公知である[例えばBritton外、1982;BerridgeおよびDunn、1986および1987参照]。ベンゾジアゼピン/非−ベンゾジアゼピン抗不安剤とCRFとの間の相互作用は、種々の行動的不安モデルにおいて証明された[D.R.Britton外、Life Sci.31:363(1982);C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn、Regul.Peptides 16:83(1986)]。種々の行動的パラダイムにおいて推定のCRF受容体アンタゴニストα−らせんヒツジCRF(9−41)を使用する研究は、このアンタゴニストがベンゾジアゼピンに質的に類似した“抗不安剤−様”効果を生じることを証明している[C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn、Horm.Behav.21:393(1987)、Brain Research Reviews 15:71(1990);G.F.KoobおよびK.T.Britton、Corticotropin−Releasing Factor中:Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide、E.B.De SouzaおよびC.B.Nemeroff編、CRC Press 第221ページ(1990)]。神経化学的、内分泌および受容体結合の研究は、すべてCRFとベンゾジアゼピン抗不安剤との間の相互作用を証明し、これらの障害におけるCRFの関与についてのさらに別の証拠を提供する。クロルジアゼポキシドは、ラットにおける、葛藤試験[K.T.Britton外、Psychopharmacology 86:170(1985);K.T.Britton外、Psychopharmacology 94:306(1988)]および音響驚愕試験[N.R.Swerdlow外、Psychopharmacology 88:147(1986)]の両方においてCRFの“不安誘導性(anxiogenic)”効果を弱める。ベンゾジアゼピン受容体アンタゴニストRo 15−1788(このものは、オペラント葛藤試験において行動活性だけを有していなかった)は、用量依存的にCRFの効果を逆転させ、一方ベンゾジアゼピンインバースアゴニストFG 7142は、CRFの作用を増強させた[K.T.Britton外、Psychopharmacology 94:396(1988)]。
【0005】
X症候群の治療のためのCRF1アンタゴニストの使用はまた、2000年10月26日出願の米国特許出願第09/696,822号および2000年10月26日出願のヨーロッパ特許出願第003094414号にも記載された。うっ血性心不全を治療するためのCRF1アンタゴニストの使用方法は、1999年2月10日出願の米国特許出願第09/248,073号、現在米国特許第6,043,260号(2000年3月28日)に記載されている。
【0006】
CRF1アンタゴニストが関節炎および炎症障害[E.L.Webster外、J.Rheumatol 29:1252(2002);E.P.Murphy外、Arthritis Rheum 44:782(2001)];ストレス関連胃腸障害[K.E.Gabry外、Molecular Psychiatry 7:474(2002)];および皮膚障害[C.C.Zouboulis外、Proc.Natl.Acad.Sci.99:7148(2002)];を治療するために有用であることもまた示唆された。
【0007】
最近、動物モデルにおいてストレスに誘発された慢性接触性皮膚炎の増悪が選択的CRF1アンタゴニストによって遮断され、CRF1がストレスに誘発された慢性接触性皮膚炎の増悪に関係することおよびCRF1アンタゴニストがこの障害を治療するために有用であり得ることを示唆していることが開示された[K.Kaneko外、Exp Dermatol、12:47(2003)]。
【0008】
WO 02/06242およびWO 01/68614には、高親和性および高選択性でCRF1受容体に結合することができる種々の化合物が開示されている。これらの化合物は、CNS−関連障害、特に情動障害および疾患、ならびに急性および慢性神経障害および疾患、を治療するために有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
CRF1受容体アンタゴニストである新規なピリミジノンおよびピリミジンチオン誘導体を提供することは、本発明の目的である。
【0010】
不安障害、うつ病、およびストレス関連障害のようなCRFまたはCRF1受容体に関連する障害または状態の治療法としての新規化合物を提供することは、本発明の別の目的である。
【0011】
不安障害、うつ病、およびストレス関連障害のようなCRFまたはCRF1受容体に関連する障害または状態を治療する方法を提供することは、本発明の別の目的である。
【0012】
不安障害、うつ病、およびストレス関連障害のようなCRFまたはCRF1受容体に関連する障害または状態を治療するために有用な医薬組成物を提供することは、本発明のさらに別の目的である。
【0013】
本出願の明細書中の本発明の説明から明白であるかまたは明らかであろう本発明のその他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、式I、
【化1】

{式中:
Xは、NR34、OR3、CR355、C(O)R3、S(O)m3、NR3C(O)R4、NR3S(O)m4、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキル(結合点は、窒素または炭素のいずれかである)から選択され;
Zは、−O、−Sおよび−NR2から選択され;
mは、0、1または2であり;
Arは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール;およびGから選択され;
【0015】
Gは、
【化2】

[ここでG基は各々、独立してハロゲン、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、−OR5、SR5、−NR55、−C(O)R5、−C(S)R5、−CN、−C(O)NR55、−C(S)NR55、−NR5C(O)R5、−NR5C(S)R5、−S(O)2NR55、−NR5S(O)25、−NO2、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールから選択される1−4個の置換基を有することができる]から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
1は、ハロゲン、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORaまたは−CRaaArから選択され;
2は、−Ra、−S(O)ma、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−C(O)ORaまたは−C(S)ORaから選択され;
【0016】
3、R4およびR5は、独立してRa、置換アルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール、置換アリール、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキルから選択され、ここでR3およびR4は、両者が存在するとき、一緒になって場合によりRsで置換されていてもよい単環式または二環式環(飽和または不飽和)を形成することができ;
sは、各々独立して置換アルキル、ORa、−NO2、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)Ra、−OC(S)Raまたは−OC(O)ORaから選択され;
aは各々、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル[ここで各々の場合にRaは、場合により1ないし5個のRt、−ORt、−S(O)mt、−NRtt、オキソ(=O)、チオン(=S)で置換されていてもよい]から選択され;そして
tは各々、H、ハロゲン、−NO2、−NH2、−OH、−SH、−CN、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−C(O)−NHアルキル、−C(S)−NHアルキル、−C(O)Nアルキルアルキル、−C(S)Nアルキルアルキル、−Oアルキル、NHアルキル、Nアルキルアルキル、−S(O)mアルキル、SO2NH2、SO2NHアルキル、SO2Nアルキルアルキル、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル(ここでフェニル、ベンジル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、場合によりアルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい)から選択される}
の化合物、その立体異性体、その薬学的に受容できる塩、またはそのプロドラッグ、またはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩を提供する。
【0017】
別の態様において本発明は、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に受容できる
塩、またはそのプロドラッグ、またはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩を含む医薬組成物を提供する。本組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サッシェ(sachets)、カシェ剤、エリキシル、懸濁剤、エマルジョン、液剤、シロップ剤、エーロゾルおよび軟膏のようないずれかの適当な形で製造することができる。
【0018】
本発明の化合物は、CRF1受容体アンタゴニストであり、そしてヒトCRF1受容体を包含するCRFまたはCRF1受容体と関連する障害または状態を治療するために有用である。
【0019】
こうして別の態様において本発明は、CRF1受容体を拮抗するために有効な量の本発明の化合物を温血動物に投与することを含む、温血動物においてCRF1受容体を拮抗する方法を提供する。
【0020】
さらに別の態様において本発明は、CRF1受容体に対するリガンドについてスクリーニングする方法を提供し、この方法は、a)CRF1受容体、検知可能な標識で標識した式Iの化合物、およびリガンド候補を用いて競合結合検定を実施すること;およびb)上記リガンド候補の上記標識リガンドに置き換わる能力を決定すること;を含む。
【0021】
さらに別の態様において本発明は、a)検知可能な標識で標識した式Iの化合物を、この化合物の組織への結合を許す条件下で組織と接触させること;およびb)組織に結合した標識化合物を検出すること;を含む、組織中のCRF1受容体を検出する方法を提供する。
【0022】
さらに別の態様において本発明は、本発明の化合物を、IMR32細胞のようなCRF1受容体を発現している細胞を含む溶液と接触させること(ここで本化合物は、CRFのCRF1受容体への結合を阻害するために十分な濃度でこの溶液中に存在する)を含む、インビトロでのCRFのCRF1受容体への結合を阻害する方法を提供する。
【0023】
本発明の化合物は、温血動物、特に哺乳類、さらに特定的にはヒト、においてCRFまたはCRF1受容体に関連する種々の障害、またはCRF1受容体を拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害を治療するために有用である。このような障害の例としては、不安関連障害(例えば不安症、全般性不安障害、社会的不安障害、うつ病を伴う不安症、パニック障害および強迫性障害);気分障害(例えば大うつ病、単一エピソードうつ病、再発性うつ病、小児虐待誘発性うつ病および分娩後うつ病を包含するうつ病ならびに情動障害);心的外傷後ストレス障害;核上麻痺;免疫抑制;薬物またはアルコール禁断症状;物質乱用障害(例えばニコチン、コカイン、エタノール、アヘン剤またはその他の薬物);炎症性障害(例えば慢性関節リウマチおよび変形性関節症);不妊症を包含する受胎能問題;疼痛;喘息;乾癬およびアレルギー;恐怖症;ストレスにより誘発される睡眠障害;疼痛知覚(例えば線維筋肉痛);気分変調(dysthemia);双極性障害;循環気質;疲労症候群;ストレス誘発性頭痛;ガン;ヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染;神経変性疾患(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病);胃腸疾患(例えば潰瘍、過敏性腸症候群、クローン病、痙攣性結腸、下痢、術後腸閉塞および精神病理学的障害またはストレスに伴う結腸過敏症);摂食障害(例えば食欲不振および神経性大食症およびその他の摂食障害);出血性ストレス;ストレス誘発性精神病性エピソード;甲状腺機能正常性病的症候群;抗利尿ホルモン(ADH,antidiarrhetic hormone)不適合症候群;肥満;頭部外傷;脊髄外傷;虚血性ニューロン損傷(例えば大脳海馬虚血のような大脳虚血);興奮毒性ニューロン損傷;てんかん;心臓血管および心臓関連障害(例えば高血圧、頻拍およびうっ血性心不全);卒中;ストレス誘発性免疫機能不全(例えばストレス誘発性熱、ブタのストレス症候群、ウシの船積熱、ウマの発作性線維攣縮、およびニワトリにおける分娩、ヒツジにおけるシアリング・ストレスまたはイヌにおけるヒト−動物相互作用に関連するストレスによって誘発される機能不全)を包含する免疫機能不全;筋肉痙攣;尿失禁;アルツハイマー型の老人性認知症;多発梗塞性認知症;筋萎縮性側索硬化症;薬物依存および嗜癖(例えばアルコール、コカイン、ヘロイン、ベンゾジアゼピンまたはその他の薬物への依存);骨粗鬆症;心理社会的小人症、低血糖症および皮膚障害(例えばにきび、乾癬、慢性接触性皮膚炎、およびストレス増悪性皮膚障害);がある。これらはまた、禁煙および育毛を促進するため、または脱毛症を治療するためにも有用である。
【0024】
こうして、さらに別の態様において本発明は、温血動物において、CRF1受容体を拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害を治療する方法を提供し、この方法は、治療の必要な患者に有効量の式Iの化合物を投与することを含む。特定の態様において、本発明は、CRFの分泌過多を顕現する障害の治療法を提供する。本発明の化合物で治療することができる障害の例としては、全般性不安障害;社会的不安障害;不安症;強迫性障害;うつ病を伴う不安症;パニック障害;および大うつ病、単一エピソードうつ病、再発性うつ病、小児虐待誘発性うつ病;分娩後うつ病を包含するうつ病のような気分障害、脱毛症;および接触性皮膚炎がある。温血動物が哺乳類であることが好ましく、そして動物がヒトであることがより好ましい。
【0025】
本発明は、上記の式Iの化合物を提供する。
【0026】
好ましい式Iの化合物には、式II
【化3】

の化合物が包含される。
【0027】
好ましい式IIの化合物には、式III
【化4】

(式III中、pは、1、2、3または4である)の化合物が包含される。
【0028】
好ましい式IIIの化合物には、式IV
【化5】

(式IV中、qは、0、1、2、3または4である)の化合物が包含される。
【0029】
好ましい式IIIの化合物には、さらに式V
【化6】

[式V中、rは、0、1、2、3、4または5であり;Rwは、各々独立して置換アルキル、ORa、−NO2、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)Ra、−OC(S)Raまたは−OC(O)ORaから選択される]
の化合物が包含される。
【0030】
下記のものは、本発明の特定の化合物の例であり、各化合物は、化学名およびその化学名のすぐ下の構造式の両方によって確認される:
【0031】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化7】

【0032】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化8】

【0033】
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化9】

【0034】
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化10】

【0035】
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化11】

【0036】
5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化12】

【0037】
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化13】

【0038】
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン
【化14】

【0039】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化15】

【0040】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化16】

【0041】
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化17】

【0042】
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化18】

【0043】
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化19】

【0044】
6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化20】

【0045】
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化21】

【0046】
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化22】

【0047】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化23】

【0048】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化24】

【0049】
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化25】

【0050】
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化26】

【0051】
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化27】

【0052】
3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化28】

【0053】
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化29】

【0054】
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン
【化30】

【0055】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化31】

【0056】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化32】

【0057】
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化33】

【0058】
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化34】

【0059】
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化35】

【0060】
5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化36】

【0061】
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化37】

【0062】
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン
【化38】

【0063】
本発明の化合物は、下に示すチャートA〜Eに図示する合成経路を使用して製造することができる。出発物質は、市販されているかまたは有機化学の当業者には公知の手順によって製造することができる。
【0064】
【化39】

【0065】
チャートAにおいて、Q=ブロモ、ヨードまたはクロロであり、R3およびR4は、式Iについて定義したとおりである。A−1のような化合物は、文献の手順(T.L.Cupps外、J.Org.Chem.1983、48、1060)に従って製造することができる。中間体A−1は、遷移金属触媒による金属アリール試薬(Ar−[M])とのカップリングによってA−2に変換することができる。通常使用する試薬/触媒対としては、アリールボロン酸/パラジウム(0)(N.MiyauraおよびA.Suzuki、Chem.Rev.1995、95、2457)、アリールトリアルキルスタンナン/パラジウム(0)(T.N.Mitchell、Synthesis 1992、803)、アリール亜鉛/パラジウム(0)およびアリールグリニャール/ニッケル(II)がある。パラジウム(0)は、種々の組み合わせの金属/リガンド対{これには、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)/トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)/トリ−tert−ブチルホスフィンおよびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウム(0)が包含されるが、これらに限定はされない}からできた触媒系を表す。ニッケル(II)は、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)および[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル(II)のようなニッケル含有触媒を表す。A−2中に存在するニトロ基は、水素および遷移金属触媒を使用する水素化または水溶液中のヒドロ亜硫酸ナトリウムの使用または水性エタノール中のZn/CaCl2の使用を包含する当技術分野で公知の種々の方法によって還元して、A−3を得ることができる。A−3は、不活性溶媒中でアルデヒドまたはケトンおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を使用する還元的アミノ化によってA−4に変形することができる。チャートAにおける工程の順序は、芳香族(Ar)基の置換に依って変えることができる。例えば、ジ置換された芳香族類似体については、A−1を最初にボロン酸とカップリングさせ、ニトロ基を還元し、そして得られたアミンをアルキル化して、一般構造A−4の化合物を得ることができる。A−4のA−5への変換は、例えばジクロロメタンまたはDMFのような溶媒中での塩酸、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、酢酸、臭化トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、または三臭化アルミニウムの使用を包含する、当技術分野で公知の多くの方法によって実施することができる。A−5の標的化合物A−6へのN−アルキル化は、THF、DMFまたはメチルスルホキシドのような(但しこれらに限定はされない)不活性溶媒中でアルカリ金属水素化物またはアルカリ金属アルコキシドのような(但しこれらに限定はされない)塩基を使用して達成することができる。アルキル化は、−78℃ないし100℃の範囲の温度でアルキルハロゲン化物、適当には臭化物、ヨウ化物、トシレートまたはメシレートを使用して実施することができる。
【0066】
【化40】

【0067】
ピリミジン(例えばB−1)の6位上のメチル基(または他のアルキル基)のアルキル化は、THF、DMFまたはメチルスルホキシドのような(但しこれらに限定はされない)不活性溶媒中でアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミドまたはアルカリ金属アルコキシドのような(但しこれらに限定はされない)強塩基を使用して達成することができる。アルキル化は、−78℃ないし100℃の範囲の温度でハロゲン化アルキル、適当には臭化物、ヨウ化物、トシレートまたはメシレートを使用して実施することができる。チャートAに記載した同一方法を使用して、式B−4の化合物もまたチャートBに略記したようにして製造することができる。
【0068】
【化41】

【0069】
ピリミジンチオンを製造するための経路をチャートCに略記している。化合物C−1は、チャートA−Bに略記した方法によって製造することができる。文献で周知の方法を使用すると、C−1は、P25またはロウエッソン(Lawesson's)試薬のような(但しこれらに限定はされない)試薬を使用して標的化合物C−2に変換することができる(K.Woerner外、Helv.Chim.Acta 1999、82、2094参照)。
【0070】
【化42】

【0071】
イミノピリミジンを製造するための経路をチャートDに示している。化合物D−1は、チャートA−Bに略記した方法によって製造することができる。文献で周知の方法を使用すると、D−1は、POCl3のような(但しこれに限定はされない)試薬を使用して標的化合物D−2に変換することができる。D−2をエタノールまたはトルエンのような(但しこれらに限定はされない)適当な溶媒中でアミンで処理して、D−3を得る(D.M.Brown、P.K.T.Lin、Carbohydr.Res.1991、216、129;H.Paulsen、U.Maass、Chem.Ber.1981、114、346−351参照)。チャートAに略記した同一方法を使用すると、式D−4の化合物もまたチャートDに略記したようにして製造することができる。
【0072】
式Iの化合物はまた、E−5としてチャートEに説明したようにして製造することもできる。化合物E−1は、チャートAに記載した方法によって製造することができる。E−1を亜硝酸(ブチル)およびハロゲン化銅(例えばCuBr)で処理すると、ハロゲン(I、Br、Cl)化合物E−2が得られる。Buchwald外のプロトコル(J.Org.Chem.2000、1158)に従って、所望のアミンE−3を製造することができる。チャートAに略記した同一方法を使用すると、式E−5の化合物もまたチャートEに略記したようにして製造することができる。
【0073】
【化43】

【0074】
本明細書において提供される化合物が1またはそれ以上の不斉中心または面を有することができ、そして本化合物のすべてのキラル(鏡像異性体およびジアステレオマー)およびラセミ形が本発明に包含されることは、理解されるべきである。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体もまた、本化合物において存在することができ、そしてすべてのこのような安定な異性体は、本発明において期待される。本発明の化合物は、例えば分割剤の存在下における結晶化もしくは、例えばキラルHPLCカラム、を使用するクロマトグラフィーのような一般的な方法によるラセミ形の分割によって、ラセミ形または光学的に純粋な形のいずれかで単離するか、または鏡像異性に富む物質の製造を可能にする不斉合成経路によって合成する。本発明は、式Iによって表される化合物のすべての可能な互変異性体を包含する。
【0075】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に受容できる塩をも包含する。薬学的に受容できる塩の例は、無機酸または有機酸から製造される塩、例えばアミンのような塩基性残基の無機および有機酸塩、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファ−スルホン酸(amphorsulfonic acid)、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、バーバリック酸(barbaric acid)、p−トルエンスルホン酸など、から製造される塩;ならびにカルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩、例えば下記の塩基:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、トリメチルアンモニア、トリエチルアンモニア、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、n−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど、から誘導されるアルカリおよびアルカリ土類金属塩;である。
【0076】
本発明の化合物の薬学的に受容できる塩は、一般の化学的方法によって製造することができる。一般にこのような塩は、例えばこれらの化合物の遊離酸または塩基形を水中または有機溶媒中またはこの2つのものの混合物中(一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい)で化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることによって製造される。適当な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア、1985、第1418ページに見出され、その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。
【0077】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物のプロドラッグを提供する。プロドラッグは、改善された化学的安定性、改善された患者受容性およびコンプライアンス、改善された生物学的利用能、延長された作用期間、改善された器官選択性(改善された脳浸透度を包含する)、改善された製剤(例えば増大した水溶性)、および/または減少した副作用(例えば毒性)の目的をもって製造される。例えばT.HiguchiおよびV.Stella、“Prodrugs as Novel Delivery Systems”、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;Bioreversible Carriers in Drug Design、編者Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、(1987)参照。プロドラッグには、もし存在するならばヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、患者に投与したとき開裂して各々遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している式Iの化合物から誘導される化合物があるが、これらに限定はされない。選択される例としては、生物加水分解性(biohydrolyzable)アミドおよび生物加水分解性エステルならびにアルコールおよびアミン官能基の生物加水分解性カルバメート、カーボネート、アセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体があるが、これらに限定はされない。
【0078】
プロドラッグは、当技術分野で公知の方法を用いて式Iの化合物から容易に製造することができる。例えばNotari,R.E.、“Theory and Practice of Prodrug Kinetics,”Methods in Enzymology、112:309−323(1985);Bodor,N.、“Novel Approaches in Prodrug Design,”Drugs of the Future、6(3):165−182(1981);およびBundgaard,H.、“Design of Prodrugs:Bioreversible−Derivatives for Various Functional Groups and Chemical Entities,” Design of Prodrugs(H.Bundgaard編)中、Elsevier、ニューヨーク(1985);Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Chemistry、第5版、第1巻、第172−178、949−982ページ(1995)参照。例えば式Iの化合物は、1またはそれ以上のヒドロキシまたはカルボキシ基をエステルに変換することによってプロドラッグに変形することができる。
【0079】
本発明はまた、1またはそれ以上の原子が自然界で通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除き、式Iにおいて列挙したものと同等である、同位体標識された化合物をも包含する。本発明の化合物中に組み入れることができる同位体の例としては、3H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iのような水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および
塩素の同位体がある。前記の同位体および/またはその他の原子の同位体を含有する式Iの化合物は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識された化合物、例えば3Hおよび14Cのような放射性同位体が組み入れられた化合物は、薬剤および/または基質組織分布検定において有用である。トリチウム、すなわち3H、および炭素−14、すなわち14Cの同位体は、PET(陽電子放射断層撮影法)において特に有用であり、そして125I同位体は、SPECT(単一光子放射コンピューター断層撮影法)において特に有用であって;すべて脳撮像において有用である。さらに、デューテリウム、すなわち2H、のような比較的重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性の結果生じる特定の治療上の有利性、例えば増大したインビボ半減期または減少した用量要求、を得ることができて、そしてこのことからいくつかの環境において好ましいものであることができる。同位体標識された本発明の式Iの化合物は、一般に、同位体標識していない試薬を同位体標識した試薬で置換することによって合成手順を実施することにより製造することができる。
【0080】
式Iの化合物は、CRFのCRF1受容体への特異的結合を阻害し、そしてCRF1受容体に関連する活性を拮抗することができる、CRF1受容体でのアンタゴニストである。化合物のCRF受容体アンタゴニストとしての効果は、種々の検定法によって決定することができる。式Iの化合物は、DeSouza外(J.Neuroscience 7:88、1987)およびBattaglia外、(Synapse 1:572、1987)によって開示された検定を包含する(但しこれらに限定はされない)、この目的のための一般的に受容された1またはそれ以上の検定によってCRFアンタゴニストとしての活性について評価することができる。CRF受容体親和性は、化合物が放射性標識CRF(例えば[125I]チロシン−CFR)のその受容体(例えばラットの大脳皮質膜から調製した受容体)への結合を阻害する能力を測定する結合研究によって決定することができる。DeSouza外(上記、1987)によって記載された放射リガンド結合検定は、CRF受容体に対する化合物の親和性を決定するための検定を提供する。このような活性は、典型的には、受容体から放射性標識リガンドの50%を置き換えるために必要な化合物の濃度としてのIC50から計算され、そして“Ki値”として報告される。IC50およびKi値は、非線型曲線−当て嵌めプログラム グラフパッド・プリズム(GraphPad Prism)[グラフパッド・ソフトウェアー(GraphPad Software)、サンディエゴ、カリフォルニア]を使用するような当技術分野で公知の標準法を用いて計算する。化合物は、もしそれがCRF1受容体の阻害について約10マイクロモル(μM)より小さいKiを有するならば、活性であると考えられる。Ki値として表される式Iの化合物の結合親和性は、一般に約0.5ナノモルないし約10マイクロモルの範囲である。好ましい式Iの化合物は、1マイクロモルまたはそれより小さいKi値を示し、より好ましい式Iの化合物は、100ナノモルより小さいKi値を示し、さらに好ましい式Iの化合物は、10ナノモルより小さいKi値を示す。
【0081】
CRFの受容体結合を阻害することに加えて、化合物のCRF受容体アンタゴニスト活性は、その化合物のCRFに関連する活性を拮抗する能力によって確立することができる。例えば、CRFは、アデニル酸シクラーゼ活性を包含する種々の生化学的プロセスを刺激することが公知である。そのため化合物は、例えばcAMP水準を測定することによって、CRF−刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性を拮抗するそれらの能力によってCRFアンタゴニストとして評価することができる。Battaglia外(上記、1987)によって記載されたCRF−刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性検定は、化合物のCRF活性を拮抗する能力を決定するための検定を提供する。別法として、アデニル酸シクラーゼ活性またはcAMP産生は、与えられたプロトコルに従ってApplied Biosystems(ベッドフォード、マサチューセッツ)からのcAMP競合ELISAシステムを使用する96/384−ウェルフォーマット中で評価することができる。簡単に言えば、固定量の希釈したcAMP−アルカリホスファターゼ抱合体(conjugate)(cAMP−AP)を、阻害剤の存在下または不在下においてCRFで刺激した細胞からの試料を含有する96または386−ウェル平板に加える。抗−cAMP抗体をこの混合物に加えて、1時間インキュベートする。連続した洗浄工程に続いて、化学発光性基質/エンハンサー溶液を加えると、このものは、その後パッカード・トップカウント(Packard TopCount)のようなミクロ平板シンチレーション・カウンターを使用して検出することができる光シグナルを生じる。細胞によって産生されたcAMPは、抗体からのcAMP−AP抱合体に置き換わって、検出可能なシグナルの減少をもたらすであろう。CRF−刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性検定の例を下記の実施例Cに示す。
【0082】
こうして別の態様において本発明は、CRF1受容体を拮抗するために有効な量で本発明の化合物を温血動物に投与することを含む、温血動物においてCRF1受容体を拮抗する方法を提供する。
【0083】
別の態様において本発明は、温血動物において、その動物に治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含む、CRFの分泌過多を顕現する障害またはCRF1受容体を拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害を治療する方法を提供する。温血動物は、好ましくは哺乳類であり、より好ましくはヒトである。
【0084】
別の態様において本発明は、CRF1受容体に対するリガンドについてスクリーニングする方法を提供し、この方法は、a)CRF1受容体、検知可能な標識で標識した式Iの化合物、およびリガンド候補を用いて競合結合検定を実施すること;およびb)上記リガンド候補の上記標識化合物に置き換わる能力を決定すること;を含む。競合結合検定のための検定手順は、当技術分野において周知であり、実施例Aで例示する。
【0085】
別の態様において本発明は、a)検知可能な標識で標識した式Iの化合物を、この化合物の組織への結合を許す条件下で組織と接触させること;およびb)組織に結合した標識化合物を検出すること;を含む、組織中のCRF1受容体を検出する方法を提供する。組織中の受容体を検出するための検定手順は、当技術分野において周知である。
【0086】
別の態様において本発明は、本発明の化合物を、CRF1受容体を発現している細胞を含む溶液と接触させること(ここで本化合物は、CRFのCRF1受容体への結合を阻害するために十分な濃度でこの溶液中に存在する)を含む、CRFのCRF1受容体への結合を阻害する方法を提供する。CRF1受容体を発現し、そしてインビトロ検定において使用することができる細胞系統の例は、当技術分野で公知のIMR32細胞である。
【0087】
式Iの化合物、またはその立体異性体、薬学的に受容できる塩またはプロドラッグは、温血動物において、CRFの分泌過多を顕現する障害またはCRF1受容体を拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害の治療のために有用である。このような障害の例は、本明細書中で上に記載している。これらはまた、禁煙を促進するためおよび育毛を促進するためにも有用である。
【0088】
こうして、さらに別の態様において本発明は、温血動物に治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含む、本明細書中で上に記載した障害を治療する方法を提供する。温血動物は、好ましくは哺乳類、特にヒトである。
【0089】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害には、好ましくは下記のもの:不安−関連障害(例えば全般性不安障害;社会不安障害;不安症;うつ病を伴う不安症、強迫性障害およびパニック障害);気分障害(例えば大うつ病、単一エピソードうつ病、再発性うつ病、小児虐待誘発性うつ病および分娩後うつ病を包含するうつ病);双極性障害;心的外傷後ストレス障害;物質乱用障害(例えばニコチン、コカイン、エタノール、アヘン剤またはその他の薬物);炎症性障害(例えば慢性関節リウマチおよび変形性関節症);胃腸疾患(例えば過敏性腸症候群、潰瘍、クローン病、痙攣性結腸、下痢、術後腸閉塞および精神病理学的障害またはストレスに伴う結腸過敏症);炎症性障害;および皮膚障害(例えばにきび、乾癬および慢性接触性皮膚炎);がある。
【0090】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害としては、より好ましくは下記のもの:不安関連障害;気分障害;炎症性障害;および慢性接触性皮膚炎;がある。
【0091】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害としては、さらに好ましくは不安−関連障害、特に全般性不安障害、および気分障害、特に大うつ病、がある。
【0092】
温血動物において上記の疾患または障害を治療するための本発明の化合物の治療上有効量は、当業者には公知の種々の方法で、例えば特定の状態で苦しむ動物に種々の量の特定の薬剤を投与した後、その動物に関する効果を決定することによって、決定することができる。典型的には、治療上有効量の本発明の化合物は、1日当たり活性成分0.002ないし200mg/kg体重の用量で経口投与することができる。通常は、1日に1回ないし4回分割用量でまたは持続放出製剤で、用量0.01ないし10mg/kgが所望の薬理効果を得るのに有効であろう。しかしながら、いずれかの特定患者に対する特定の用量水準は、使用する特定化合物の活性、年令、体重、全般的健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、および排泄の率、薬物の組み合わせおよび特定疾患の重篤性を包含する種々の因子に依存するであろう。投与の頻度もまた、使用する化合物および治療する特定疾患に依って変化するであろう。しかしながら、ほとんどのCNS障害の治療のためには、1日に4回またはそれより少ない薬剤投与計画が好ましい。ストレスおよびうつ病の治療のためには、1日に1回または2回の薬剤投与計画が特に好ましい。
【0093】
本発明の化合物は、経口、局所、皮膚、非経口、または直腸投与によるかまたは適当な剤形を使用する吸入または噴霧によるような、哺乳類の体内で活性薬剤とその薬剤の作用部位との接触を生じる手段によって上記の障害を治療するために投与することができる。本明細書中で使用するとき用語“非経口”には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術が包含される。本化合物は、単独で投与することができるが、一般には薬学的に受容できるキャリヤー、希釈剤または添加剤とともに投与されるであろう。
【0094】
こうしてさらに別の態様において本発明は、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に受容できる塩、またはそのプロドラッグ、またはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩を含む医薬組成物を提供する。一態様においては、この医薬組成物は、さらにそのための薬学的に受容できるキャリヤー、希釈剤または添加剤を含む。“薬学的に受容できるキャリヤー、希釈剤または添加剤”は、哺乳類、例えばヒト、への生物学的に活性な薬剤の送達のために当技術分野で一般的に受容された媒質である。このようなキャリヤーは、一般に、当業者が決定し、責任をもつ範囲内で、多くの要因に従って処方される。これらには、処方されている活性薬剤の型および性質;薬剤含有組成物が投与されるべき患者;意図する組成物の投与経路;および標的とする治療適応症;があるが、これらに限定はされない。薬学的に受容できるキャリヤーおよび添加剤には、水性および非水性液体媒質の両方、ならびに種々の固体および半−固体剤形が包含される。このようなキャリヤーは、活性薬剤に加えて多くの異なる成分および添加物を包含することができ、このような付加的な成分は、当業者には周知の種々の理由、例えば活性薬剤安定化、のために製剤中に包含される。適当な薬学的に受容できるキャリヤーおよびそれらの選択に関係する要因の説明は、種々の容易に入手できる出典、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア、1985(その内容は、参照によって本明細書中に組み込まれるものとする)中に見出される。
【0095】
経口使用を意図する組成物は、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁剤、分散性散剤または顆粒、エマルジョン、ハードまたはソフトカプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシルの形であることができ、当技術分野で公知の方法に従って製造することができる。このような組成物は、薬学的に洗練され、そして美味な製剤を提供するために甘味料、矯味矯臭剤、着色料および保存料から成る群から選択される1またはそれ以上の薬剤を含有することができる。
【0096】
錠剤は、錠剤の製造のために適当である無毒の薬学的に受容できる添加剤と混合した活性成分を含有する。これらの添加剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;顆粒化および崩解剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石;であることができる。この錠剤は、未被覆であっても、または胃腸管内での崩解および吸収を遅延させるために公知技術によって被覆されていてもよく、そしてモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような遅延物質を使用することができる。
【0097】
経口使用用の製剤はまた、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン、と混合しているハードゼラチンカプセル剤として、または活性成分を水または油媒質、例えば落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油、と混合しているソフトゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
【0098】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造のために適当な添加剤と混合した活性物質を含有する。このような添加剤は、沈殿防止剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり;分散または湿潤剤は、天然由来のホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールのようなエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシタール(hexital)から誘導される部分エステルとの縮合産物、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール(hexitol)無水物から誘導される部分エステルとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタン、であることができる。水性懸濁剤はまた、1種またはそれ以上の保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1種またはそれ以上の着色料、1種またはそれ以上のスクロースまたはサッカリンのような甘味料を含有することもできる。
【0099】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油、例えば落花生油、オリーブ油、大豆油、ゴマ油またはヤシ油中、または流動パラフィンのような鉱油中に懸濁させることによって製剤化することができる。この油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜ロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコール、を含有することができる。上記したもののような甘味料、および矯味矯臭剤を加えて、美味な経口用製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存することができる。
【0100】
水の添加による水性懸濁剤の調製に適する分散性散剤および顆粒は、分散または湿潤剤、沈殿防止剤および1種またはそれ以上の保存料と混合した活性成分を提供する。適当な分散または湿潤剤および沈殿防止剤は、すでに上述したものによって例示される。付加的な添加剤、例えば甘味料、矯味矯臭剤および着色料、もまた、存在することができる。
【0101】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形であることもできる。油性相は、植物油、例えばオリーブ油もしくは落花生油、または鉱油、例えば流動パラフィン、またはこれらの混合物であることができる。適当な乳化剤は、天然由来のゴム、例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然由来のホスファチド、例えば大豆、レシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、および上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、であることができる。エマルジョンもまた、甘味料および矯味矯臭剤を含有することができる。
【0102】
シロップ剤およびエリキシルは、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース、を用いて製剤化することができる。このような製剤もまた、粘滑剤、保存料ならびに矯味矯臭および着色剤を含有することができる。
【0103】
本発明の化合物の直腸投与用の坐剤は、本化合物を適当な非刺激性の添加剤(この添加剤は、通常の温度で固体であるが、直腸温度で液体であって、そのため直腸内で融解して薬剤を放出する)と混合することによって製造することができる。このような物質の例は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0104】
医薬組成物は、無菌の注射用水性または油性懸濁液の形であることができる。この懸濁液は、上述した適当な分散または湿潤剤および沈殿防止剤を使用して公知技術に従って製剤化することができる。無菌の注射用溶液または懸濁液は、無毒の非経口的に受容できる希釈剤または溶媒中で、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、製剤化することができる。使用することができる受容できる賦形剤および溶媒は、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁媒質として一般的に使用される。この目的のためには合成モノ−またはジグリセリドを包含するいずれかの無菌性の不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸を注射液の製造に使用することができる。
【0105】
投与に適する剤形は、一般に1単位当たり約1mgないし約100mgの活性成分を含有する。これらの医薬組成物においては、活性成分は、通常は組成物の総重量を基準にして重量で約0.5ないし95%の量で存在するであろう。本発明の化合物の投与のための剤形の例としては、下記のものがある:(1)カプセル剤。多数の単位カプセル剤は、標準的な2部分から成るハードゼラチカプセルの各々に粉末の活性成分100mg、ラクトース150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを充填することによって製造する;(2)ソフトゼラチンカプセル剤。大豆、綿実油またはオリーブ油のような食用油中の活性成分の混合物を製造し、そしてポジティブ・ディスプレースメント(positive displacement)によってゼラチン内に注入して、活性成分100mgを含有するソフトゼラチンカプセル剤を形成させる。このカプセル剤を洗浄し、乾燥させた;(3)錠剤。多数の錠剤を、その投与単位が活性成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶性セルロース275mg、デンプン11mgおよびラクトース98.8mgであるように一般的な手順で製造する。適当な被覆を適用して、美味性を増大させるかまたは吸収を遅延させることができる。
【0106】
さらに別の態様において、本発明は、a)包装材料;b)該包装材料内に含有される本発明の化合物を含む医薬;およびc)該医薬が上記障害を治療するために使用できることを指示するラベルまたは添付文書;を含む製品を提供する。
【0107】
下記の定義は、他に説明しないかぎり本出願を通して使用する。
【0108】
用語“ハロゲン”は、−F、−Cl、−Brまたは−Iから選択される基を意味する。
用語“アルキル”は、場合により1またはそれ以上の二重または三重結合を含有していてもよい、1−10個の炭素原子を有する直鎖−および分枝鎖−状炭化水素成分の両者を意味し;
用語“置換アルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するアルキル成分を意味し;
用語“ハロアルキル”は、独立して選択される1ないし(2v+1)個のハロゲン置換基(ここでvは、その成分中の炭素原子の数である)を有するアルキル成分を意味し;
【0109】
用語“シクロアルキル”は、場合により1ないし2個の二重結合を含有していてもよい、3−10個の炭素原子を有する単環式非芳香族炭化水素成分または4ないし10個の炭素原子を有する二環式非芳香族炭化水素成分を意味し;
用語“置換シクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するシクロアルキル成分を意味し;
【0110】
用語“アリール”は、フェニルまたはナフチルのいずれかを意味し;
用語“置換アリール”は、独立してハロゲン、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)Ra、OC(S)Ra、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基で置換されたアリール基を意味し;
【0111】
用語“ヘテロアリール”は、原子価要求を満たすための適当な結合を有する、炭素および各々ペルオキシドではないO、S、Nから成る群から選択される1ないし4個のヘテロ原子から成る5または6個の環原子を含有する単環式芳香環の基(ここで結合は、環炭素またはNが存在する場合は環Nによることができる)を意味する。用語“ヘテロアリール”はまた、原子価要求を満たすための適当な結合を有する、炭素および各々ペルオキシドではないO、S、Nから成る群から選択される1ないし6個のヘテロ原子から成る8ないし10個の環原子を有する縮合二環式複素芳香環の基(ここで結合は、環炭素またはNが存在する場合は環Nによることができる)をも包含する。ヘテロアリールの例としては、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、チアゾリル、キノリル、ピラジニル、ピリミジル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、およびベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イソキノリニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフトリジニル(naphthridinyl)およびフロピリジニルがある。
【0112】
用語“置換ヘテロアリール”は、独立してハロゲン、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するヘテロアリール基を意味し;
【0113】
用語“ヘテロシクロアルキル”は、他に特定しないかぎり、3ないし8員の単環式非芳香環または4ないし8員の二環式非芳香環を意味し、ここで少なくとも1個の炭素原子は、酸素、窒素、−NH−または−S(O)m−(ここでmは、ゼロ、1または2である)から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、場合により1ないし3個の二重結合を含有していてもよく、そしてここで環の結合は、炭素または窒素原子のいずれでも起こることができる。ヘテロシクロアルキルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[2.2.1]−アザ二環式環、[2.2.2]−アザ二環式環、[3.3.1]−アザ二環式環、キヌクリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキシインドリル、ジヒドロイミダゾリルおよびピロリジノニルがあり;
用語“置換ヘテロシクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するヘテロシクロアルキル基であり;
【0114】
用語“アリールシクロアルキル”は、一方の環がアリールであり、そして他方の環がこのアリール環に縮合していて、アリール環に縮合している環の部分において完全にまたは部分的に飽和していることができ、どちらの環でも結合点として作用することができる、8ないし14個の炭素原子を含有する二環式環系を意味し;
用語“置換アリールシクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するアリールシクロアルキル基を意味し;
【0115】
用語“ヘテロアリールシクロアルキル”は、一方の環がヘテロアリールであり、そして他方の環がこのヘテロアリール環に縮合していて、ヘテロアリール環に縮合している環の部分において完全にまたは部分的に飽和していることができ、どちらの環でも結合点として作用することができる、8ないし14個の原子を含有する二環式環系を意味し;
用語“置換ヘテロアリールシクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma
−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するヘテロアリールシクロアルキル基を意味し;
【0116】
用語“アリールヘテロシクロアルキル”は、一方の環がアリールであり、そして他方の環がヘテロシクロアルキルであり、どちらの環でも結合点として作用することができる、8ないし14個の原子を含有する二環式環系を意味し;
用語“置換アリールヘテロシクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するアリールヘテロシクロアルキル基を意味し;
用語“ヘテロアリールヘテロシクロアルキル”は、一方の環がヘテロアリールであり、そして他方の環がヘテロシクロアルキルであり、どちらの環でも結合点として作用することができる、8ないし14個の原子を含有する二環式環系を意味し;
【0117】
用語“置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキル”は、独立してハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−OC(O)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORa、OC(O)Ra、OC(S)Ra、NRaC(S)ORaおよびOC(S)NRaaから選択される1−5個の置換基を有するヘテロアリールヘテロシクロアルキル基を意味し;
用語“薬学的に受容できる”は、他に説明しないかぎり、信頼できる医学的判断の範囲内で、適正な損益比率と釣り合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症無しにヒトおよび動物の組織と接触して使用するために適当である化合物、物質、組成物、および/または剤形を指す。
【0118】
用語“薬学的に受容できる塩”は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、そして生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を指す。
【0119】
用語“立体異性体”は、同一結合によって結合した同一原子によってできているが、交換できない異なる三次元構造を有する化合物を指す。この三次元構造は、立体配置と呼ばれる。本明細書中で使用するとき、用語“鏡像異性体”は、その分子が互いに重ね合わせることのできない鏡像である2つの立体異性体を指す。用語“キラル中心”は、それに4個の異なる基が結合している炭素原子を指す。本明細書中で使用するとき、用語“ジアステレオマー”は、鏡像異性体ではない立体異性体を指す。さらに、1つだけのキラル中心での異なる立体配置を有する2つのジアステレオマーは、本明細書中で“エピマー”と呼ばれる。用語“ラセミ化合物”または“ラセミ混合物”は、等量の鏡像異性体の混合物を指す。
【0120】
用語“プロドラッグ”は、インビボで変形されて式Iの化合物を得る化合物を意味する。この変形は、血液中の加水分解によるような種々のメカニズムによって起こることができる。
【0121】
用語“治療上有効量”、“有効量”、“治療量”または“有効用量”は、所望の薬理または治療効果を引き出し、その結果疾患の有効な予防または治療を得るために十分な量を意味する。
【0122】
句“発明の化合物”、“本発明の化合物”、“本発明の化合物類”、または“ 式Iに従う化合物”などは、式Iの化合物、またはその立体異性体、その薬学的に受容できる塩、またはそのプロドラッグ、または式Iの化合物のプロドラッグの薬学的に受容できる塩を指す。
【0123】
用語“治療”、“治療する”、“治療すること”などは、障害の進行を遅延させるかまたは逆転させること、ならびにこの障害を治癒させることの両方を包含することを意味する。これらの用語はまた、たとえ障害または状態が実際に除去されなくても、そしてたとえ障害または状態の進行がそれ自体遅延または逆転されなくても、この障害または状態の1またはそれ以上の症状を緩和するか、改善するか、弱めるか、除去するかまたは減少させることをも包含する。用語“治療”および類似の用語はまた、防止的(例えば予防的)および待機的治療をも包含する。疾患の予防は、その疾患の症状の発現の延期または遅延によって証明される。
【実施例】
【0124】
さらに詳述することなく、当業者は、先の説明を使用して本発明をその最大の範囲まで実施することができると考えられる。下記の実施例は、本発明を具体的に説明するために示され、そして範囲または精神において本発明をそれらに記載された特定の手順に限定するものとして解釈されるべきではない。実施例A−Dは、本発明の化合物の生物学的特性を決定するために使用することができる生物学的検定を具体的に説明するために示す。当業者は、実施例に記載した手順から適当な変形をすぐに理解するであろう。
【0125】
実施例A:
生物学的活性の評価のためのインビトロCRF1受容体結合検定
下記のものは、CRF1受容体に関する試験化合物の生物学的活性の評価のための標準的なインビトロ結合検定の説明である。これは、De Souzaによって記載された変更されたプロトコル(De Souza、1987)に基づいている。
この結合検定は、通常はラットからの脳膜を使用する。結合検定用の脳膜を調製するためには、ラットの前頭皮質を氷冷組織緩衝液[10mM MgCl2、2mM EGTA、1μg/mLアプロチニン、1μg/mLロイペプチンおよび1μg/mLペプスタチンを含有する50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH 7.0]10mL中でホモジネートした。このホモジネートを48,000×gで10分間遠心分離して、得られたペレットを組織緩衝液10mL中で再ホモジネートした。48,000×gで10分間付加的な遠心分離を行った後、ペレットを再懸濁させて、タンパク質濃度300μg/mLにした。
【0126】
結合検定は、96ウェル平板中で最終体積300μLで実施した。検定は、125I−ヒツジ−CRF(最終濃度150pM)および種々の濃度の阻害剤を含有する検定緩衝液150μLに膜懸濁液150μLを添加することによって開始した。検定緩衝液は、0.1%オボアルブミンおよび0.15mMバシトラシンを添加した、膜調製について上記したものと同一のものである。放射リガンド結合は、室温で2時間後に、パッカード(Packard)セルハーベスターを用いてパッカード(Packard)GF/Cユニフィルター(unifilter)平板(0.3%ポリエチレンイミンで予備浸漬した)を通して濾過することによって停止させた。フィルターを0.01%トリトン(Triton)X−100を含有する氷冷リン酸緩衝食塩水 pH 7.0で3回洗浄した。フィルターをパッカード・トップカウント(Packard TopCount)中で放射能について評価した。
【0127】
別法として、IMR−32ヒト神経芽細胞腫細胞(ATCC;Hogg外、1996)のようなCRF受容体を自然に発現する組織および細胞を上記のものと類似の結合検定において使用することができた。
化合物は、もしそれがCRFの阻害について約10μMよりも小さいKi値を有するならば、活性であると考えられる。非特異結合は、過剰の(10μM)α−らせんCRFの存在下において決定した。
【0128】
実施例B:
生物学的活性の評価のためのエクスビボCRF1受容体結合検定
下記のものは、CRF1受容体に関する試験化合物の生物学的活性を評価するための典型的なエクスビボCRF1受容体結合検定の説明である。
絶食させたオスのハーレン種(Harlen−bred)のスプラーグ−ドーリー(Sprague−Dawley)ラット(170−210g)に、12:30と2:00PMとの間に、胃洗浄によって試験化合物または賦形剤を経口投与した。化合物は、賦形剤(通常はdH20中10%大豆油、5%ポリソルベート80)中で調製した。薬剤投与の2時間後に、ラットを断頭によって犠牲にして、前頭皮質を迅速に解剖して、ドライアイス上に置いた後、検定するまで−80℃で凍結させ;胴部の血液をヘパリン添加チューブ中に集め、血漿を遠心分離(2500RPMで20分間)によって分離し、そして−20℃で凍結させた。
【0129】
結合検定の日に、組織試料を重量測定し、氷冷50mM ヘペス(Hepes)緩衝液(10mM MgCl2、2mM EGTA、1μg/mLアプロチニン、1μg/mLロイペプチンヘミスルフェートおよび1μg/mLペプスタチンA、0.15mMバシトラシンおよび0.1%オボアルブミンを含有する、23℃でpH 7.0)中で解凍した後、設定5で30秒間ホモジネートした[キネマチカ(Kinematica)によるポリトロン(Polytron)]。ホモジネートを検定緩衝液(上記のとおり)またはDMP−904(10uM)の存在下において[125I]CRF(0.15nM、NEN)とともにインキュベートした(暗闇で2時間、23℃)。検定を濾過[パッカード・フィルターメイト(Packard FilterMate)、GF/Cフィルター平板]によって停止させ;平板をパッカード・トップカウント(Packard TopCount)LSC中で計数し;総および非特異的フェムトモル(fmoles)を毎分崩壊数(DPM’s)から計算した。データは、賦形剤対照の%[結合した特異的フェムトモル(fmoles)]として表した。統計的有為性は、スチューデントのt−検定を使用して決定した。
【0130】
実施例C:
CRF刺激したアデニル酸シクラーゼ活性の阻害
CRF刺激したアデニル酸シクラーゼ活性の阻害は、先に記載されたとおりに実施することができる[G.Battaglia外、Synapse 1:572]。簡単に言えば、検定は、100mM トリス(Tris)−HCl(37℃でpH7.4)、10mM MgCl2、0.4mM EGTA、0.1%BSA、1mMイソブチルメチルキサンチン(IBMX)、250ユニット/mLホスホクレアチンキナーゼ、5mMクレアチンリン酸、100mMグアノシン5’−三リン酸、100nM o−CRF、アンタゴニストペプチド(種々の濃度)および原湿量0.8mgの組織(ほぼ40−60mgのタンパク質)を含有する緩衝液200mL中で37℃で10分間実施した。反応は、1mM ATP/[32P]ATP(ほぼ2−4mCi/チューブ)の添加によって開始させ、そして50mM トリス(Tris)−HCl、45mM ATPおよび2%ドデシル硫酸ナトリウム 100mLの添加によって停止させた。cAMPの回収を監視するために、[3H]cAMP(ほぼ40,000dpm)1mLを分離の前に各チューブに加えた。[32P]ATPからの[32P]cAMPの分離は、ダウエックス(Dowex)およびアルミナカラム上の逐次溶離によって実施した。
【0131】
別法として、アデニル酸シクラーゼ活性は、提供されたプロトコルに従ってNEN Life Sciencesからのアデニリル・シクラーゼ・アクティベーション・フラッシュプレート・アッセイ(Adenylyl Cyclase Activation FlashPlate Assay)を使用して96−ウェルフォーマット中で評価することができた。簡単に言えば、固定量の放射性標識したcAMPを抗−サイクリックAMP抗体で予備被覆した96−ウェル平板に加えた。細胞または組織を加えて、阻害剤の存在下または不在下において刺激した。細胞によって産生された標識していないcAMPが、抗体からの放射性標識したcAMPに置き換わる。結合した放射性標識したcAMPは、パッカード・トップカウント(Packard TopCount)のようなミクロ平板シンチレーション・カウンターを使用して検出することができる光シグナルを生じる。標識していないcAMPの量が漸増した結果、設定したインキュベーション時間(2−24時間)にわたって検出可能なシグナルの減少が起こった。
【0132】
実施例D:
インビボ生物学的検定
本発明の化合物のインビボ活性は、当技術分野内で利用可能で受容されている生物学的検定のいずれか1つを使用して評価することができた。これらの試験の具体例としては、音響驚愕検定(Acoustic Startle Assay)、階段登り試験(Stair Climbing Test)および慢性投与検定(Chronic Administration Assay)がある。本発明の化合物を試験するために有用なこれらのものおよびその他のモデルは、C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Brain Research Reviews 15:71(1990)に概略が示された。化合物は、齧歯類または小哺乳類のいずれかの種において試験することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
Xは、NR34、OR3、CR355、C(O)R3、S(O)m3、NR3C(O)R4、NR3S(O)m4、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキル(結合点は、窒素または炭素のいずれかである)から選択され;
Zは、−O、−Sおよび−NR2から選択され;
mは、0、1または2であり;
Arは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール;およびGから選択され;
Gは、
【化2】

[ここでG基は各々、独立してハロゲン、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、−OR5、SR5、−NR55、−C(O)R5、−C(S)R5、−CN、−C(O)NR55、−C(S)NR55、−NR5C(O)R5、−NR5C(S)R5、−S(O)2NR55、−NR5S(O)25、NO2、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールから選択される0〜4個の置換基を有してもよい]から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
1は、ハロゲン、−NO2、−CN、−Ra、−ORa、−S(O)ma、−NRaa、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)ORaまたは−CRaaArから選択され;
2は、−Ra、−S(O)ma、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−C(O)ORaまたは−C(S)ORaから選択され;
3、R4およびR5は、独立してRa、置換アルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロアリール、置換アリール、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキルから選択され、ここでR3およびR4は、両者が存在するとき、一緒になって場合によりRsで置換さ
れる単環式または二環式環(飽和または不飽和)を形成してよく;
sは、各々独立して置換アルキル、ORa、−NO2、−C(O)NRaa、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)Ra、−OC(S)Raまたは−OC(O)ORaから選択され;
aは、各々H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル[ここで各々の場合にRaは、場合により1ないし5個のRt、−ORt、−S(O)mt、−NRtt、オキソ(=O)、チオン(=S)で置換されていてもよい]から選択され;そして
tは、各々H、ハロゲン、−NO2、−NH2、−OH、−SH、−CN、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−C(O)−NHアルキル、−C(S)−NHアルキル、−C(O)Nアルキルアルキル、−C(S)Nアルキルアルキル、−Oアルキル、NHアルキル、Nアルキルアルキル、−S(O)mアルキル、SO2NH2、SO2NHアルキルおよびSO2Nアルキルアルキル、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル(ここでフェニル、ベンジル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、場合によりアルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい)から選択される}
で表わされる化合物、その立体異性体、その薬学的に受容できる塩、またはそのプロドラッグ、またはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩。
【請求項2】
式II:
【化3】

で表わされる請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、その薬学的に受容できる塩、そのプロドラッグ、もしくはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩。
【請求項3】
式III:
【化4】

(式中、pは、1、2、3または4である)
で表わされる請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、その薬学的に受容できる塩、そのプロドラッグ、もしくはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩。
【請求項4】
式IV:
【化5】

(式IV中、qは、0、1、2、3または4である)
で表わされる請求項3に記載の化合物、またはその立体異性体、その薬学的に受容できる塩、そのプロドラッグ、もしくはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩。
【請求項5】
式V:
【化6】

[式V中、
rは、0、1、2、3、4または5であり;そして
wは、各々独立して置換アルキル、ORa、−NO2、−C(S)NRaa、−S(O)mNRaa、−NRaS(O)ma、−NRaC(O)ORa、−NRaC(S)ORa、−OC(O)NRaa、−OC(S)NRaa、−NRaC(O)NRaa、−NRaC(S)NRaa、−C(O)ORa、−C(S)ORa、−OC(O)Ra、−OC(S)Ra、または−OC(O)ORaから選択される]
で表わされる請求項3に記載の化合物、またはその立体異性体、その薬学的に受容できる塩、そのプロドラッグ、もしくはそのプロドラッグの薬学的に受容できる塩。
【請求項6】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジメチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−6−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−3−エチル−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
2−(2−トリフルオロメチル−4−ジメチルアミノフェニル)−5−[(2S,4R)−4−メトキシ−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピリミジン−4(3H)−オン;
から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物およびいずれかの薬学的に受容できるその塩。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項8】
治療上有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を哺乳類に投与することを含む、哺乳類においてCRF1受容体を拮抗する方法。
【請求項9】
a)CRF1受容体、検知可能な標識で標識した請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、およびリガンド候補を用いて競合結合検定を実施すること;および
b)上記リガンド候補の上記標識化合物に置き換わる能力を決定すること;
を含む、CRF1受容体に対するリガンドについてスクリーニングする方法。
【請求項10】
CRFを拮抗することによって治療を達成するかまたは促進することができる障害を治療するための、哺乳類用の薬剤としての請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
哺乳類がヒトであり、そして薬剤が不安関連障害;気分障害;心的外傷後ストレス障害;核上麻痺;免疫抑制;薬物またはアルコール禁断症状;炎症性障害;疼痛;喘息;乾癬およびアレルギー;恐怖症;ストレスにより誘発される睡眠障害;線維筋肉痛;気分変調;双極性障害;循環気質;疲労症候群;ストレス誘発性頭痛;ガン;ヒト免疫不全ウィルス感染;神経変性疾患;胃腸疾患;摂食障害;出血性ストレス;ストレス誘発性精神病性エピソード;甲状腺機能正常性病的症候群;抗利尿ホルモン不適合症候群;肥満;不妊症;頭部外傷;脊髄外傷;虚血性ニューロン損傷;興奮毒性ニューロン損傷;てんかん;心臓血管および心臓関連障害;免疫機能不全;筋肉痙攣;尿失禁;アルツハイマー型の老人性認知症;多発梗塞性認知症;筋萎縮性側索硬化症;薬物依存および嗜癖;心理社会的小人症、低血糖症および皮膚障害;および脱毛症;から選択される障害の治療用である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
障害が不安関連障害;気分障害;双極性障害;心的外傷後ストレス障害;炎症性障害;薬物依存および嗜癖;胃腸障害;および皮膚障害;から選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
障害が不安関連障害または気分障害から選択され、そしてここで不安関連障害が全般性不安であり、気分障害がうつ病である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
育毛の促進を必要とするヒトに有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、ヒトの育毛を促進する方法。
【請求項15】
禁煙の促進を必要とするヒトに有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、ヒトの禁煙を促進する方法。

【公表番号】特表2006−524223(P2006−524223A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506529(P2006−506529)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001265
【国際公開番号】WO2004/094408
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】