説明

CRF変調剤としてのピラジン化合物

開示されるのは、ピラジン誘導体、それらを含有する医薬組成物、及び、不安関連障害又は感情障害のような、CRF受容体に拮抗することによって治療が奏効又は促進され得る障害又は状態を治療するためにそれらを使用する方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、ピラジン誘導体、それらを含有する医薬組成物、及び、不安異常症、うつ病及びストレス関連障害のような、CRF受容体に拮抗することによって治療が奏効又は促進され得る障害又は状態を治療するためにそれらを使用する方法に関する。
【0002】
背景技術
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチド分泌の主要な生理学的レギュレーターである、41アミノ酸のペプチドである[J. Rivier et al., Proc. Natl. Acad. Sci (USA) 80: 4851 (1983); W. Vale et al., Science 213: 1394 (1981)]。CRFの免疫組織化学的な位置決定により、下垂体でのその内分泌の役割に加えて、このホルモンが中枢神経系において広汎な視床下部外の分布を有し、脳における神経伝達物質又は神経変調剤の役割に一致した、広範囲の自律的、電気生理学的及び行動上の諸効果をもたらすことが証明された[W. Vale et al., Rec. Prog. Horm. Res. 39: 245 (1983); F. Koob, Persp. Behav. Med. 2: 39 (1985); E. B. De Souza et al., J. Neurosci. 5: 3189 (1985)]。生理学的、心理学的、及び免疫学的ストレス因子に対する免疫系での応答を統合するのにCRFが重要な役割を担うという証拠もある[J. E. Blalock, Physiological Reviews 69:1 (1989); J. E. Morley, Life Sci. 41: 527 (1987)]。
【0003】
うつ病、不安関連障害及び摂食障害が含まれる精神障害及び神経学的疾患においてCRFがある役割を担うという証拠がある。CRFの役割は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、進行性核上麻痺及び筋萎縮性側索硬化症の病因及び病態生理においても仮定されているが、これはそれらが中枢神経系におけるCRFニューロンの機能不全に関連するからである[概説については、E. B. De Souze, Hosp. Practice 23: 59 (1988) を参照のこと]。
【0004】
不安異常症は、当該技術分野で認知されている、一群の疾患であり、恐怖異常症、不安状態、外傷後ストレス障害及び非定型不安異常症が含まれる[「診断及び治療のメルクマニュアル(The Merck Manual of Diagnostics and Therapy)」第16版(1992)]。不安異常症においては感情ストレスがしばしば促進要因となり、そのような障害は、ストレスへの応答を低下させる医薬品に対して概して応答する。CRFは、不安関連障害の病因にも関連があるとされ、動物において不安産生効果をもたらすことが知られている。ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン不安寛解剤とCRFの間の相互作用が多様な行動不安モデルにおいて証明されている[D. R. Britton et al., Life Sci. 31: 363 (1982); C. W. Berridge and A. J. Dunn Regul. Peptides 16: 83 (1986)]。推定のCRF受容体アンタゴニストである、α−らせんのヒツジCRF(9−41)を多様な行動パラダイムにおいて使用する予備試験により、このアンタゴニストがベンゾジアゼピンに定性的に類似した「不安寛解様」効果をもたらすことが証明されている[C. W. Berridge and A. J. Dunn Horm. Behav. 21: 393 (1987), Brain Research Reviews 15: 71 (1990)]。
【0005】
情緒異常症としても知られている感情障害には、主要うつ病、双極性異常(躁うつ病としても知られている)、気分変調、及び循環気質のような数種の障害が含まれる。主要うつ病では、薬物のない個体の脳脊髄液(CSF)においてCRFの濃度が有意に増加している[C. B. Nemeroff et al., Science 226: 1342 (1984); C. M. Banki et al., Am. J. Psychiatry 144: 873 (1987); R. D. France et al., Biol. Psychiatry 28: 86 (1988); M, Arato et al., Biol. Psychiatry 25: 355 (1989)]。さらに、自殺犠牲者の前頭皮質においてはCRF受容体の密度が有意に減少していて、CRFの分泌過多と一致している[C. B. Memeroff et al., Arch. Gen. Psychiatry 45: 577 (1988)]。加えて、うつ病患者では、CRF(静脈内投与)に対する副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)応答の鈍いことが観察されている[P. W. Gold et al., Am. J. Psychiatry 141: 619 (1984); F. Holsboer et al., Psychoneuroendocrinology 9: 147 (1984); P. W. Gold et al., New Engl. J. Med. 314: 1129 (1986)]。ラットと非ヒト霊長動物における前臨床試験は、ヒトのうつ病に見られる症状にCRFの分泌過多が関与している可能性があるという仮説へのさらなる裏付けを提供する[R. M. Sapolsky, Arch. Gen. Psychiatry 46: 1047 (1989)]。三環系抗うつ薬は、CRFレベルを改変させ、それにより脳中の受容体の数を変調させることができるという予備証拠もある[Grigoriadis et al., Neuropsychopharmacology 2: 53 (1989)]。
【0006】
神経化学、内分泌、及び受容体結合の試験は、いずれもCRFとベンゾジアゼピン不安寛解剤の間の相互作用を証明し、上記の障害におけるCRFの関与のさらなる証拠を提供する。クロルジアゼポキシドは、ラットにおけるコンフリクト試験[K. T. Britton et al., Psychopharmacology 86: 170 (1985); K. T. Britton et al., Psychopharmacology 94: 306 (1988)]と聴覚刺激試験[N. R. Swerdlow et al., Psychopharmacology 88: 147 (1986)]の両方でCRFの「不安産生」効果を弱める。ベンゾジアゼピン受容体アンタゴニストのRo15−1788は、オペラントコンフリクト試験において単独では行動上の活性がないが、ベンゾジアゼピン逆アゴニストのFG7142がCRFの作用を高めたのに対し、CRFの効果を用量依存的なやり方で逆転させた[K. T. Britton et al., Psychopharmacology 94: 396 (1988)]。慣用の不安寛解剤及び抗うつ薬がその治療効果をもたらす作用の機序及び部位は依然として解明されていない。CRF受容体アンタゴニストペプチド(α−らせんCRF9−41)の効果を多様な行動パラダイムにおいて検証する予備試験により、このCRFアンタゴニストがベンゾジアゼピンに定性的に類似した「不安寛解様」効果をもたらすことが証明されている[概説については、G. F. Koob and K. T. Britton,「副腎皮質刺激ホルモン放出因子:神経ペプチドの基礎及び臨床研究(Corticotropin-Releasing Factor: Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide)」E. B. De Souza and C. B. Nemeroff 監修、CRCプレス中、p.221(1990)を参照のこと]。
【0007】
X症候群の治療へのCRFアンタゴニストの使用についても、参照により本明細書にそのまま組み込まれる、米国特許出願番号09/696,822(2000年10月26日出願)とヨーロッパ特許出願番号003094414(2000年10月26日出願)に記載されている。うっ血性心不全を治療するためにCRFアンタゴニストを使用する方法が、やはり参照により本明細書にそのまま組み込まれる、米国特許出願番号09/248,073(1999年2月10日出願、現在、米国特許第6,043,260号(2000年3月28日)に記載されている。
【0008】
CRFは、CNSにおいて広汎な視床下部外の分布を有することが知られていて、そこにおいて広範囲の自律性、行動上及び生理学的な効果に貢献する[例えば、Vale et al., 1983; Koob, 985; 及び E. B. De Souze et al., 1985 を参照のこと]。例えば、CRF濃度は、感情障害又は主要うつ病に罹患した患者の脳脊髄液において有意に増加している[例えば、Nemeroff et al., 1984; Banki et al., 1987; France et al., 1988; Arato et al., 1989 を参照のこと]。さらに、過剰レベルのCRFは、動物モデルにおいて不安産生効果をもたらすことが知られていて[例えば、Britton et al., 1982; Berridge and Dunn, 1986 及び 1987 を参照のこと]、CRFアンタゴニストは、不安寛解効果をもたらすことが知られていて、故に、本明細書に提供される化合物の治療有効量を、例えば、該化合物の様々な量の不安寛解効果をそのような動物モデルにおいて評価することによって決定する。
【0009】
以下の特許又は特許出願は、化合物をCRF受容体のアンタゴニストとして開示する:WO0160806、WO9735901、WO9829119、WO9736886、WO9736898、及び米国特許第5872136、5880140、及び5883105号。上記化合物は、CNS関連障害、特に感情障害と急性及び慢性の神経学的障害を治療するのに有用である。しかしながら、上記の参考文献の中で本発明の化合物を開示するものはない。
【0010】
発明の要約
我々は、式Iの化合物、並びにその立体異性体、その製剤的に許容される塩、及びそのプロドラッグがCRFアンタゴニストであり、CNS関連の障害及び疾患、特に精神障害、不安異常症、うつ病及びストレス関連障害のような感情障害、並びに急性及び慢性の神経学的障害及び疾患が含まれる、CRF受容体に関連した障害及び疾患の治療に有用であることを見出した。本化合物は、禁煙プログラムにおいても有用である。
【0011】
このように、第一の側面において、本発明は、CRF受容体のアンタゴニストとして、又は社会不安異常症;恐怖異常症;強迫異常症;うつ病を併発した不安症;感情障害;不安症;及びうつ病のような、哺乳動物、特にヒトにおけるCRF受容体に関連した障害又は疾患、又はCRFに拮抗することによってその治療が奏効又は促進され得る障害の治療薬として有用である、式Iの化合物、その立体異性体、その製剤的に許容される塩、又はそのプロドラッグを提供する。
【0012】
別の側面において、本発明は、社会不安異常症;恐怖異常症;強迫異常症;うつ病を併発した不安症;感情障害;不安症;及びうつ病のような、哺乳動物、特にヒトにおけるCRF受容体に関連した障害又は疾患、又はCRFに拮抗することによってその治療が奏効又は促進され得る障害を治療するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0013】
なお別の側面において、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける、本明細書において上記に開示する障害の治療に有用な、本発明の化合物を含んでなる組成物を提供する。
なお別の側面において、本発明は、1以上の化合物を標識へ結合する場合があり、標識は直接的又は間接的に検出可能シグナルを提供することができる、結合アッセイにおける本発明の化合物の使用を提供する。様々な標識には、放射性核種、蛍光剤、化学発光剤、特異結合分子、粒子(例えば、磁気粒子)、等が含まれる。
【0014】
なお別の側面において、本発明は、本発明の化合物(特に、本発明の標識化合物)の、細胞及び組織中の受容体の位置決定のためのプローブとして、そして試験化合物の受容体結合特性を決定するときに使用の標準品及び試薬としての使用に関する。
【0015】
本発明の標識化合物は、組織切片のオートラジオグラフィーのような in vitro 試験に、又は in vivo 方法(例えば、PET又はSPETスキャニング)に使用することができる。特に、本発明の化合物は、CRF受容体へ結合する潜在的な医薬品の能力を決定するときの標準品及び試薬として有用である。
【0016】
発明の詳細な説明
第一の側面において、本発明は、式I:
【0017】
【化1】

【0018】
の化合物、その立体異性型、その立体異性型の混合物、その製剤的に許容される塩、又はそのプロドラッグを提供する[式中、式Iにおいて:
Xは、修飾単環式基、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキルより選択され(付加点は、窒素又は炭素のいずれかである);
修飾単環式基は、Y又は(CRZで置換される、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールより選択され、ここで、
Yは、CN、NO、C(O)R、C(S)R、C(O)OR、C(S)OR、C(O)NR、C(S)NR、NRC(O)R、NRC(S)R、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、OC(O)R、OC(S)R、OC(O)NR、OC(S)NR、S(O)NR、NRS(O)、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、OR、及びNHRより選択され;
Zは、Y、OR、NR、及びS(O)より選択され;
は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
nは、1〜6より選択され;そして
mは、0、1、及び2より選択され;
Arは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールより選択され;
、Rは、H、ハロゲン、−NO、−CN、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、S(O)、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、及び−OC(O)NR、−OC(O)R、OC(O)OR、CRZ、Rより独立して選択され;
は、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、R、ハロゲン、−NO、−NR、−OR、−SR、−CN、−C(O)NR、−C(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−S(O)、−NRS(O)、−S(O)NR、−NRS(O)NRより独立して選択され;そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、又は複素環より独立して選択される(ここで、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、アルキル又はハロゲンで随意に置換されてよい)]。
【0019】
本発明の好ましい化合物には:
式Iにおいて、Xが修飾単環式基である、式Iの化合物;
式Iにおいて、Xが、(CRZで置換されるピロリジン又はピペリジンである修飾単環式基である、式Iの化合物;そして
式Iにおいて、Xが、(CRZ(ここでRは水素であり、nは1である)で置換されるピペリジンである修飾単環式基である、式Iの化合物が含まれる。
【0020】
本発明の特別な化合物の例には:
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3R)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3S)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン;及び
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[4−(メトキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピラジンが含まれる。
【0021】
本明細書に提供する化合物は、1以上の不斉中心又は面を有する場合があり、該化合物のすべてのキラル(鏡像異性及びジアステレオ異性)及びラセミ型が本発明に含まれる。本発明の化合物は、ラセミ型で、又は、例えば分割剤の存在下での結晶化、又は例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィーのような慣用法によるラセミ型の分割によって光学的に純粋な型において単離するか、又は鏡像異性的に濃縮された材料の製造を可能にする不斉合成経路によって合成する。本発明には、式(I)により表される化合物のすべての可能な互変異性体が含まれる。
【0022】
本発明の化合物は、チャートAに概略する合成経路を使用して製造することができる。本発明の化合物の製造の手順の具体例を以下の実施例5及び6に提供する。出発材料は、市販されているか、又は有機化学の当業者によく知られた手順によって製造することができる。チャートAに例示するように、Xの付加点が窒素であるピラジンA−2は、好適に官能化した(functionalized)ハロピラジンA−Iより、限定されないがトルエン、DMF、ジオキサンのような溶媒中の遷移金属触媒(例、酢酸パラジウム(II)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、塩基(例、ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシド)の存在下での環式アミンとの反応によって製造することができる(例えば、Buchwald, S. L. J. Org. Chem. 2000, 1158 を参照のこと)。多様な環式アミンが市販されているか、又は当業者により合成することができる。アリール又はヘテロアリールのような、Xの付加点が炭素であるピラジンA−2は、遷移金属触媒カップリング反応とアリールボロン酸(例えば、Miyaura, N., et al. Chem. Rev. 1995, 95, 2457 を参照のこと)、アリールスタンナン(例えば、Mitchell, T. N. Synthesis 1992, 803 を参照のこと)、又はアリールグリニャール試薬(例えば、Miller, J. A. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 7275 を参照のこと)のような適切な金属アリール試薬によって製造することができる。A−2のハロゲン化は、ジクロロメタン、酢酸、DMF、等のような溶媒中のN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、臭素、ヨウ素、三臭化ピリジニウム及びトリフルオロアセチル次亜ヨウ素酸塩のような試薬を利用する、当業者によく知られたいくつかの方法によって達成して、ハロピラジンA−3を得ることができる。特許請求する式Iの化合物の生成は、遷移金属触媒カップリング反応A−3と上記のようなアリールボロン酸、アリールスタンナンのような適切な金属アリール試薬によって達成する。あるいは、A−1を上記のような好適な金属アリール試薬とカップリングさせて、アリールピラジンA−4を提供してよい。立体障害がより少ない窒素の酸化は、多様な既知の酸化剤(例、MCPBA、過酸化水素)を使用することによって実効することができて、生じるN−オキシドをオキシ塩化リンで処理して、クロロピラジンA−5を提供することができる。上記のような環式アミン、アリール又はヘテロアリールで塩素を置き換えることによって、所望の化合物を得る。
【0023】
【化2】

【0024】
別の側面において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物においてCRF受容体に拮抗する方法を提供する。
別の側面において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を哺乳動物へ投与することを含んでなる、CRFの分泌過多を症状とする障害を該動物において治療する方法を提供する。
【0025】
別の側面において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物においてCRF受容体に拮抗することによって治療が奏効又は促進され得る障害の治療の方法を提供する。
【0026】
別の側面において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を哺乳動物又はヒトへ投与することを含んでなる、不安症又はうつ病を哺乳動物、特にヒトにおいて治療する方法を提供する。
【0027】
別の側面において、本発明は、CRF受容体のリガンドをスクリーニングするための方法を提供し、該方法は:a)CRF受容体、検出可能な標識で標識する本発明の化合物、及び候補リガンドを用いた競合結合アッセイを行うこと;並びにb)前記標識化合物に置き換わる前記候補リガンドの能力を決定することを含む。
【0028】
別の側面において、本発明は、CRF受容体を組織において検出するための方法を提供し、該方法は:a)検出可能な標識で標識する本発明の化合物を、該化合物の組織への結合を許容する条件の下で組織と接触させること;並びにb)組織へ結合した標識化合物を検出することを含んでなる。
【0029】
別の側面において、本発明は、CRFのCRF受容体への結合を阻害する方法を提供し、該方法は、CRF受容体を発現する細胞を含んでなる溶液と本発明の化合物を接触させることを含んでなり、ここで該化合物は、CRFのCRF受容体への結合を阻害するのに十分な濃度で溶液中に存在する。
【0030】
別の側面において、本発明は、a)包装材料;b)本発明の化合物;及びc)本明細書において上記に記載される予め選択された障害を治療するのに前記化合物が有効であることを示す、前記包装材料中に含まれるラベル又は包装インサートを含んでなる製造の製品を提供する。
【0031】
本発明の化合物は、社会不安異常症;恐怖異常症;強迫異常症;うつ病を併発した不安症;感情障害;不安症;うつ病;過敏性腸管症候群;外傷後ストレス障害;核上麻痺;免疫抑制;胃腸系疾患;神経性食欲不振や他の摂食障害;薬物又はアルコール禁断症状;物質乱用障害(例、ニコチン、コカイン、エタノール、オピエート、又は他の薬物);炎症障害;不妊問題;限定されないがCRFによって誘発又は促進される障害が含まれる、CRFに拮抗することによってその治療が奏効又は促進され得る障害;慢性関節リウマチ及び骨関節炎のような炎症障害、疼痛、喘息、乾癬及びアレルギーより選択される障害;一般的不安異常症;パニック、恐怖、強迫異常症;外傷後ストレス障害;ストレスに起因する睡眠障害;線維筋肉症のような疼痛知覚;主要うつ病、単エピソードうつ病、再発性うつ病、小児乱用起因性うつ病、及び分娩後うつ病が含まれる、うつ病のような情緒障害;気分変調;双極性異常;循環気質;疲労症候群;ストレス起因性頭痛;癌;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症;アルツハイマー病、パーキンソン病及びハンチントン病のような神経変性疾患;潰瘍、過敏性腸管症候群、クローン病、痙攣結腸、下痢、及び術後イレウスと精神病理障害又はストレスに関連した結腸過敏症のような胃腸系疾患;神経性食欲不振及び過食症のような摂食障害;出血性ストレス;ストレス起因性精神病エピソード;甲状腺機能正常患者症候群;不適正抗下痢ホルモン(ADH)症候群;肥満;不妊;頭部外傷;脊髄外傷;虚血性ニューロン損傷(例、脳海馬虚血のような脳虚血);興奮毒性ニューロン損傷;てんかん;高血圧、頻脈及び鬱血性心不全が含まれる心臓血管系及び心臓関連障害;卒中;ストレス起因性免疫機能不全が含まれる免疫機能不全(例、ストレス起因性発熱、ブタのストレス症候群、ウシの船積熱、ウマの発作性細動、及び、ニワトリにおいて拘束により誘発される機能不全、ヒツジの剪毛ストレス、又はヒト−動物相互作用に関連したイヌのストレス);筋肉痙攣;尿失禁;アルツハイマー型の老人性痴呆症;多発梗塞性痴呆症;筋萎縮性側索硬化症;化学物質依存症及び嗜癖症(例、アルコール、コカイン、ヘロイン、ベンゾジアゼピン、又は他の薬物への依存症);骨粗鬆症;社会心理学的こびと症及び低血糖症のような、哺乳動物、特にヒトにおける様々な障害を治療するのに有用である。
【0032】
このように、別の側面において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を哺乳動物又はヒトへ投与することを含んでなる、本明細書の上記に記載の障害を哺乳動物、特にヒトにおいて治療する方法を提供する。
【0033】
本発明の方法により治療し得る特別な障害には、好ましくは以下が含まれる:感情障害;不安症;うつ病;過敏性腸管症候群;外傷後ストレス障害;核上麻痺;強迫異常症;うつ病を併発した不安症;アルツハイマー病;胃腸系疾患;皮膚障害(例、にきび、乾癬);神経性食欲不振;社会不安異常症;神経性過食症や他の摂食障害;薬物(例、コカイン、ヘロイン、ベンゾジアゼピン、ニコチン又は他の薬物への依存症)又はアルコール禁断症状;物質乱用障害(例、ニコチン、コカイン、エタノール、オピエート、又は他の薬物);炎症障害;限定されないがCRFによって誘発又は促進される障害が含まれる、CRFに拮抗することによってその治療が奏効又は促進され得る障害;慢性関節リウマチ及び骨関節炎のような炎症障害、疼痛、喘息、乾癬及びアレルギーより選択される障害;一般的不安異常症;パニック異常症;恐怖症;強迫異常症;ストレスに起因する睡眠障害;線維筋肉症のような疼痛知覚;主要うつ病、単エピソードうつ病、再発性うつ病、小児乱用起因性うつ病、及び分娩後うつ病が含まれるうつ病のような情緒障害;気分変調;双極性異常;循環気質;疲労症候群;ストレス起因性頭痛;癌;パーキンソン病及びハンチントン病のような神経変性疾患;潰瘍、クローン病、痙攣結腸、下痢、及び術後イレウスと精神病理障害又はストレスに関連した結腸過敏症のような胃腸系疾患;ストレス起因性精神病エピソード;不適正抗下痢ホルモン(ADH)症候群;高血圧、頻脈及び鬱血性心不全が含まれる心臓血管系及び心臓関連障害;卒中;アルツハイマー型の老人性痴呆症;多発梗塞性痴呆症;筋萎縮性側索硬化症。
【0034】
本発明の方法により治療し得る特別な障害には、より好ましくは以下が含まれる:感情障害;不安症;うつ病;一般的不安異常症;社会不安異常症;不安症;強迫異常症;うつ病を併発した不安症;パニック異常症;主要うつ病、単エピソードうつ病、再発性うつ病、小児乱用起因性うつ病、及び分娩後うつ病が含まれるうつ病のような情緒障害;双極性異常;及び外傷後ストレス障害。
【0035】
本発明の方法により治療し得る特別な障害には、なおより好ましくは、感情障害、不安症、及びうつ病が含まれる。
本発明の化合物は、上記の異常性を哺乳動物又はヒトにおいて治療するために、哺乳動物又はヒトの体内にある有効成分の作用部位と該有効成分の接触をもたらす手段、経口、局所、非経口、直腸投与、又は吸入若しくはスプレーにより投与することができる。本明細書に使用する用語「非経口」には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内の注射又は注入の技術が含まれる。本化合物は、個別の治療薬剤として、又は治療薬剤の組合せにおいて、医薬品に関連した使用に利用可能などの慣用手段によって投与してもよい。それは、単独で投与することができるが、一般には、選択される投与経路と標準的な製剤手技を基に選択される製剤的に許容される担体とともに投与されるものである。このように、別の側面において、本発明は、本発明の化合物と製剤的に許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。一般式Iの1以上の化合物は、1以上の無毒の製剤的に許容される担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントと、所望されるならば、他の有効成分とともに存在してよい。一般式Iの化合物を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性又は油性懸濁液剤、分散性散剤又は顆粒剤、エマルジョン、硬又は軟カプセル剤、又は、シロップ剤又はエリキシル剤であり得る。
【0036】
経口使用に企図される組成物は、医薬組成物の製造について当該技術分野で知られたどの方法に従って調製してもよく、そうした組成物は、製剤的に緻密で口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1以上の薬剤を含有してよい。錠剤は、錠剤の製造に適している無毒の製剤的に許容される賦形剤と混合して有効成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒及び崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン又はアカシア、及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであり得る。錠剤は、非コートであっても、胃腸管における崩壊及び吸収を遅らせて、それによってより長い期間にわたる持続活性をもたらすための既知の技術によってコートしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延材料を利用してよい。
【0037】
経口使用の製剤はまた、硬ゼラチンカプセル剤(ここでは、不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと有効成分を混合する)として、又は軟ゼラチンカプセル剤(ここでは、水又はオイル媒体、例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油と有効成分を混合する)として提示してよい。
【0038】
水性懸濁液剤は、水性懸濁液剤の製造に適した賦形剤と混合して活性材料を含有する。そうした賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムであり;分散又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、又は酸化アルキレンの脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又は酸化エチレンの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような脂肪酸及びヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物、又は脂肪酸及び無水ヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。水性懸濁液剤はまた、1以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピル、1以上の着色剤、1以上の芳香剤、及び、ショ糖又はサッカリンのような1以上の甘味剤を含有してよい。
【0039】
油性懸濁液剤は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油に、又は流動パラフィンのような鉱油に有効成分を懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁液剤は、濃化剤、例えばミツロウ、固型パラフィン又はセチルアルコールを含有してよい。口当たりのよい経口調製物を提供するために、上記に示したような甘味剤と芳香剤を加えてよい。
【0040】
水の添加による水性懸濁液剤の調製に適した分散性の散剤及び顆粒剤は、分散又は湿潤剤、懸濁剤、及び1以上の保存剤との混合において有効成分を提供する。好適な分散又は湿潤剤と懸濁剤は、すでに上記に記載のものにより例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤及び着色剤も存在してよい。
【0041】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油又は落花生油、又は鉱油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド、例えば大豆レシチンと、脂肪酸及び無水ヘキシトールより誘導されるエステル又は部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、及び、前記部分エステルの酸化エチレンとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。エマルジョンは、甘味剤及び芳香剤も含有してよい。
【0042】
シロップ剤とエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖とともに製剤化してよい。こうした製剤は、粘滑剤、保存剤及び芳香剤及び着色剤も含有してよい。この医薬組成物は、無菌の注射可能な水性又は油性懸濁液の形態であってよい。
【0043】
この懸濁液剤は、上記に述べた好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化することができる。
無菌の注射可能な調製物は、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液剤又は懸濁液剤(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液剤として)であってもよい。利用し得る許容される担体及び溶媒には、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の脂肪油が溶媒又は懸濁媒体として慣用的に利用される。この目的には、合成モノ若しくはジグリセリドが含まれるどのブランド脂肪油も利用してよい。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の調製に使用を見出す。
【0044】
式Iの化合物は、本薬物の直腸投与用坐剤のフロリンにおいて投与してもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが、直腸温では液体になるので、直腸において融けて薬物を放出する、好適な非刺激性の賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。こうした材料は、ココア脂とポリエチレングリコールである。
【0045】
式Iの化合物は、無菌媒体において非経口的に投与してよい。本薬物は、使用する担体及び濃度に依存して、担体に懸濁させても、溶かしてもよい。有利には、局所麻酔薬、保存剤及び緩衝剤のようなアジュバントを担体に溶かすことができる。
【0046】
本発明の化合物を投与することができる典型的な被検者は、哺乳動物、特に霊長動物、具体的にはヒトであろう。獣医学上の適用では、広範囲の被検者が適していて、例えば、畜牛、ヒツジ、ヤギ、乳牛、ブタ、等のような家畜動物;ニワトリ、アヒル、ガチョウ、七面鳥、等のような家禽;及び、飼育動物、特にイヌ及びネコのようなペットである。診断又は研究上の適用では、きわめて多様な哺乳動物が好適な被検者であり、齧歯動物(例、マウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長動物、及び近交系ブタのような豚、等が含まれる。
【0047】
さらに、in vitro 診断薬及び研究適用のような in vitro 適用では、哺乳動物、特にヒトのような霊長動物の血液、尿又は組織試料、又は獣医学上の適用について言及した動物の血液、尿又は組織試料といった、上記被検者の体液及び細胞試料が使用に適しているものである。
【0048】
前記疾患又は状態の治療における使用には、0.002〜200mgの有効成分/体重kgの投与量で本発明の化合物を経口投与することができる。通常は、1日につき1〜4回の分割用量、又は持続放出製剤における0.01〜10mg/kgの用量が所望の薬理学的効果を得るのに有効であろう。
【0049】
投与に適した剤形(組成物)は、約1mg〜約100mgの有効成分/単位を含有する。これらの医薬組成物において、有効成分は、通常、組成物の全重量に基づいて、約0.5〜95重量%の量で存在する。
【0050】
投与の頻度も、使用する化合物と治療する特別な疾患に依存して変動してよい。しかしながら、ほとんどのCNS障害の治療では、1日4回以内の投与方式が好ましい。ストレス及びうつ病の治療では、1日1又は2回の投与方式が特に好ましい。
【0051】
しかしながら、特別な患者に特有の用量レベルは、利用する特定化合物の活性、年齢、体重、健康全般、性別、食事、投与の時間、投与の経路、排出の速度、薬物組合せ、及び治療を受ける特別な疾患の重症度が含まれる多様な要因に依存するものである。本発明の好ましい化合物は、ある薬理学的特性を有するものである。そのような特性には、限定されないが、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低い血清タンパク質結合性と望ましい in vitro 及び in vivo 半減期が含まれる。
【0052】
CNS障害を治療するために使用する化合物では、血液脳関門の貫通が必要であるが、末梢の障害を治療するために使用する化合物では、低い脳レベルがしばしば好ましい。
本発明の化合物は、神経学上の機能、機能不全、及び疾患の生化学的研究における試薬又は標準品として使用してもよい。
【0053】
定義と慣例
用語「置換アリール」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基で随意に置換されるアリール基を意味する。
【0054】
用語「アリールシクロアルキル」は、8〜14の炭素原子を含有する二環式の環系を意味し、ここでは一方の環がアリールであり、他方の環がこのアリール環へ縮合して、アリール環へ縮合した環の部分では完全に飽和しても部分的に飽和してもよいが、いずれかの環が付加点として作用し得ることが条件である。
【0055】
用語「置換アリールシクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するアリールシクロアルキル基を意味する。
【0056】
用語「ヘテロアリールシクロアルキル」は、8〜14の原子を含有する二環式の環系を意味し、ここでは一方の環がヘテロアリールであり、他方の環がこのヘテロアリール環へ縮合して、ヘテロアリール環へ縮合した環の部分では完全に飽和しても部分的に飽和してもよいが、いずれかの環が付加点として作用し得ることが条件である。
【0057】
用語「置換ヘテロアリールシクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するヘテロアリールシクロアルキル基を意味する。
【0058】
用語「アリールヘテロシクロアルキル」は、8〜14の原子を含有する二環式の環系を意味し、ここでは一方の環がアリールであり、他方の環がヘテロシクロアルキルであるが、いずれかの環が付加点として作用し得ることが条件である。
【0059】
用語「置換アリールヘテロシクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するアリールヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0060】
用語「ヘテロアリールヘテロシクロアルキル」は、8〜14の原子を含有する二環式の環系を意味し、ここでは一方の環がヘテロアリールであり、他方の環がヘテロシクロアルキルであるが、いずれかの環が付加点として作用し得ることが条件である。
【0061】
用語「置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するヘテロアリールヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0062】
用語「ヘテロアリール」は、炭素と非ペルオキシドO、S、Nからなる群よりそれぞれ選択される1、2、3、又は4のヘテロ原子からなる5又は6の環原子を含有する単環式芳香族環の環炭素又は窒素原子を介して原子価必要条件を満たすのに適した結合で付く残基、並びに約8〜10の環原子の縮合二環式複素芳香族の残基(炭素又は窒素のいずれかでの付加)を意味し、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、チアゾリル、キノリル、ピラジニル、ピリミジル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イソキノリニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルのような残基が含まれる。
【0063】
用語「置換ヘテロアリール」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するヘテロアリール基を意味する。
【0064】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、他に特定されなければ、4〜8員の単環式環又は二環式環を意味し、ここでは少なくとも1つの炭素原子が酸素、窒素、−NH−、又は−S(O)−(ここでmは、0、1、又は2である)より選択されるヘテロメンバーに置き換わり、1〜3の二重結合を随意に含有するが、この分子が芳香族ではないことが条件であり、そして環付加が炭素又は窒素原子のいずれかで起こり得ることが条件である。ヘテロシクロアルキルには、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[2.2.1]−アザ二環式環、[2.2.2]−アザ二環式環、[3.3.1]−アザ二環式環、キヌクリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキシインドリル、ジヒドロイミダゾリル、及びピロリジノニルが含まれる。
【0065】
用語「置換ヘテロシクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するヘテロシクロアルキル基である。
【0066】
用語「シクロアルキル」は、1〜2の二重結合を随意に含有する3〜10の炭素原子を有する単環式又は二環式アルキル部分を意味するが、この部分が芳香族でないことが条件である。
【0067】
用語「置換シクロアルキル」は、ハロゲン、−NO、−CN、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、及び−OC(O)ORより独立して選択される1〜5の置換基を有するシクロアルキル基を意味する。
【0068】
ハロゲンは、−F、−Cl、−Br、−Iより選択される基である。
用語「アルキル」は、1以上の二重又は三重結合を随意に含有する1〜10の炭素原子を有する直鎖と分岐鎖の両方の部分を意味する。
【0069】
用語「ハロアルキル」は、1〜10の炭素原子を有し、1〜(2v+1)の独立して選択されるハロゲン置換基を有するアルキル部分を意味する(ここでvは、この部分中の炭素原子の数である)。
【0070】
用語「製剤的に許容される塩」は、無機酸及び有機酸が含まれる、製剤的に許容される無毒の酸より調製される塩を意味する。好適な無毒の酸には、アミンのような塩基性残基の無機及び有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、バルバル(barbaric)酸、p−トルエンスルホン酸、等が含まれ、カルボン酸のような酸性残基のアルカリ又は有機塩には、例えば、以下の塩基より派生するアルカリ及びアルカリ土類金属塩が含まれる:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、トリメチルアンモニア、トリエチルアンモニア、エチレンジアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、n−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、等が含まれる。本発明の化合物の製剤的に許容される塩は、これら化合物の遊離酸又は塩基型を化学量論の適切な塩基又は酸と水又は有機溶媒において、又はこの2つの混合物において反応させることによって調製することができて、一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストは、「レミントン製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」第17版、マック・パブリッシング・カンパニー、ペンシルヴェニア州イーストン(1985)、1418頁に見出され、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本明細書に使用する用語「プロドラッグ」は、そうしたプロドラッグを哺乳動物の被検者へ投与するときに、式Iの活性のある親薬物を in vivo で放出する、あらゆる共有結合担体を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答、等を伴わないヒト及び下等動物の組織との接触における使用に適し、適度の利益/リスク比と釣り合って、その企図される使用に有効であり、並びに、可能であれば、本発明の化合物の両性イオン型である。用語「プロドラッグ」は、例えば血液中での加水分解により、in vivo で速やかに変換されて式Iの親化合物を生じる化合物を意味する。代謝的切断により in vivo で速やかに変換され得る官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応性の基のクラスを形成する。それらには、限定されないが、アルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリル、等のような)、未置換及び置換アロイル(ベンゾイル及び置換ベンゾイルのような)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルのような)、トリアルキルシリル(トリメチル及びトリエチルシリルのような)、ジカルボン酸とともに形成されるモノエステル(スクシニルのような)、等のような基が含まれる。本発明による有用な化合物の代謝的に切断可能な基が in vivo で切断される容易さのために、そうした基を担う化合物は、プロドラッグとして作用する。この代謝的に切断可能な基を担う化合物は、代謝的に切断可能な基の存在により親化合物へ付与される可溶性及び/又は吸収速度の亢進の結果として、改善されたバイオアベイラビリティを明示する場合があるという利点を有する。プロドラッグについての詳しい考察は以下に提供され:「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」H. Bundgaard 監修、エルセヴィエ、1985;「酵素学の方法(Methods in Enzymology)」K. Widder et al. 監修、アカデミック・プレス、42、309−396頁、25、1985;「医薬設計及び開発教程(A Textbook of Drug Design and Development)」Krogsgaard-Larsen and H. Bundgaard 監修、第5章;「プロドラッグの設計及び応用(Design and Applications of Prodrugs)」113−191頁、1991;「先端ドラッグデリバリー概論(Advanced Drug Delivery Reviews)」H. Bundgaard, 8, 1−38頁、1992;Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, p. 285, 30 1988;Chem. Pharm. Bull., N. Nakeya et al, 32, p. 692, 1984;「新規送達系としてのプロドラッグ(Pro-drugs as Novel Delivery Systems)」T. Higuchi and V. Stella, A.C.S.シンポジウムシリーズ、第14巻、及び「ドラッグデザインにおける生可逆性担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」Edward B. Roche 監修、米国製薬協会及びペルガモン・プレス、1987、これらは参照により本明細書に組み込まれる。「プロドラッグ」は、そうしたプロドラッグを哺乳動物被検者へ投与するときに、式Iの活性のある親薬物を in vivo で放出する、あらゆる共有結合担体であるとみなされる。式Iの化合物のプロドラッグは、ルーチン操作か in vivo のいずれかで修飾が切断されて親化合物になるようなやり方で、該化合物に存在する官能基を修飾することによって製造する。
【0072】
プロドラッグには、ヒドロキシ、アミン、又はスルフヒドリル基が任意の基へ結合している化合物が含まれ、これは、哺乳動物被検者へ投与されるときに切断されて、それぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基を生じる。プロドラッグの例には、限定されないが、式Iの化合物中のアルコール及びアミン官能基の酢酸、ギ酸及び安息香酸誘導体、等が含まれる。
【0073】
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、異常レベルのCRFに拮抗するか又は本明細書に記載の感情障害、不安症、うつ病、又は他の障害の症状を宿主において治療するのに有効な量を意味する。
【0074】
用語「本発明の化合物」は、式Iの化合物、その立体異性体、その製剤的に許容される塩、又はそのプロドラッグを意味する。
実施例
以下の実施例は、本発明をさらに詳しく記載するために提供され、本発明を例示することを企図していて、本発明を決して限定するものではない。
【0075】
実施例1:
生物学的活性の評価のためのCRF1受容体結合アッセイ
以下は、標準結合アッセイに使用のラット脳膜の単離についての記載、並びに結合アッセイそのものについての記載である。これは、De Souza(De Souza, 1987)により記載される改良プロトコールに基づく。
【0076】
結合アッセイ用の脳膜を調製するために、ラットの前頭皮質を10mLの氷冷組織緩衝液(10mM MgCl,2mM EGMA,1μg/ml アプロチニン、1μg/ml ロイペプチン及び1μg/ml ペプスタチンを含有する、50mM HEPES緩衝液、pH7.0)にホモジェナイズする。このホモジェネートを48,000xgで10分間遠心分離し、生じるペレットを10mLの組織緩衝液において再びホモジェナイズする。48,000xgで10分間の追加遠心分離に続き、ペレットを再懸濁させて、300μg/mLのタンパク質濃度とする。
【0077】
結合アッセイは、96穴プレートにおいて300μLの最終容量で実施する。125I−ヒツジ−CRF(最終濃度:150pM)と様々な濃度の阻害剤を含有する150μLのアッセイ緩衝液へ150μLの膜懸濁液を加えることによってアッセイを開始する。アッセイ緩衝液は、膜調製用に上記に記載したものと同じであり、0.1% オバルブミンと0.15mM バシトラシンを添加する。室温で2時間後に、Packard細胞採取器を使用するPackard GF/Cユニフィルタープレート(0.3% ポリエチレンイミンで予浸した)に通す濾過によって放射リガンド結合を終了させる。0.01% Triton X−100を含有する氷冷リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.0)で3回フィルターを洗浄する。フィルターについて、Packard TopCountにおいて放射活性を評価する。過剰(10μM)α−らせんCRFの存在下に非特異結合を決定する。
【0078】
あるいは、IMR−32ヒト神経芽細胞腫細胞(ATCC;Hogg et al., 1996)のような、CRF受容体を天然で発現する組織及び細胞を上記に類似した結合アッセイにおいて利用してよい。
【0079】
IC50値は、非線形曲線適合プログラムRS/1(BBN ソフトウェア・プロダクツ社、マサチューセッツ州ケンブリッジ)を用いるような、当該技術分野で知られた標準法を使用して計算する。化合物は、CRF受容体の阻害について約10マイクロモル濃度(μM)未満のIC50値を有するならば、活性があるとみなす。IC50値として表される式Iの化合物の結合アフィニティーは、概して約0.5ナノモル濃度〜約10マイクロモル濃度に及ぶ。好ましい式Iの化合物は1マイクロモル濃度以下のIC50を明示し、より好ましい式Iの化合物は100ナノモル濃度以下のIC50を明示し、なおより好ましい式Iの化合物は10ナノモル濃度以下のIC50を明示する。
【0080】
実施例2:
生物学的活性の評価のための ex vivo CRF1受容体結合アッセイ
以下は、本発明の化合物の生物学的活性を評価するための ex vivo CRF1受容体結合アッセイについての記載である。
【0081】
動物投薬:絶食、雄性、Harlen飼育スプリーグ・ドーリーラット(170〜210g)に胃洗浄を介して12:30と2:00PMの間に試験化合物又は担体を経口的に投薬した。化合物は、担体(通常、dHO中10% ダイズ油、5% ポリソルベート80)中で調製した。薬物投与から2時間後、ラットを断頭により犠牲にし、前頭皮質をすぐに切除し、ドライアイス上に置いてから、アッセイするまで−80℃で冷凍した。ヘパリン処理した試験管に幹血液を採取し、遠心分離(2500RPM,20分間)により血漿を分離し、−20℃で冷凍した。
【0082】
結合アッセイ:アッセイの当日、組織試料を秤量し、氷冷50mM Hepes緩衝液(10mM MgCl,2mM EGMA,1μg/ml アプロチニン、1μg/ml ヘミ硫酸ロイペプチン、及び1μg/ml ペプスタチンA,0.15mM バシトラシン、及び0.1% オバルブミンを含有し、23℃でpH=7.0)中に融かしてから、設定5(Kinematica製Polytron)で30秒間ホモジェナイズした。ホモジェネートをアッセイ緩衝液(上記のような)又はDMP−904(10μM)の存在下に[125I]CRF(0.15nM,NEN)とともにインキュベートした(2時間、23℃、暗所)。アッセイを濾過(Packard FilterMate,GF/Cフィルタープレート)によって終了させ、プレートをPackard TopCount LSCにおいて計数し、全体及び非特異的フェムトモル数をDPMより算出した。データは、担体対照に対する比率(結合した特異フェムトモル数)として表す。統計学的有意差は、スチューデントのt検定を使用して判定した。
【0083】
実施例3:
CRF刺激アデニル酸シクラーゼ活性の阻害
本発明の化合物の活性は、CRF刺激アデニル酸シクラーゼ活性の阻害に関するアッセイによって評価することができる。CRF刺激アデニル酸シクラーゼ活性の阻害は、既報のように実施することができる[G. Battaglia et al., Synapse 1: 572 (1987)]。簡潔に言えば、100mM Tris−HCl(37℃でpH7.4),10mM MgCl,0.4mM EGMA,0.1% BSA,1mM イソブチルメチルキサンチン(IBMX)、250ユニット/mL ホスホクレアチニンキナーゼ、5mM クレアチンリン酸、100mM グアノシン5’−三リン酸、100nM o−CRF,アンタゴニストペプチド(様々な濃度)、及び0.8mg 基原湿重量組織(ほぼ40〜60mgのタンパク質)を含有する200mLの緩衝液において、アッセイを37℃で10分間行う。反応は、1mM ATP/[32P]ATP(ほぼ2〜4mCi/試験管)の添加により始めて、100mLの50mM Tris−HCl,45mM ATP及び2% ドデシル硫酸ナトリウムの添加により止める。cAMPの回収をモニターするために、1mLの[H]cAMP(ほぼ40,000dpm)を各試験管へ加えた後で分離する。[32P]cAMPの[32P]ATPからの分離は、Dowex及びアルミナカラムでの連続溶出により実施する。
【0084】
あるいは、アデニル酸シクラーゼ活性は、提供されるプロトコールに従ってNEN Life Sciences製のAdenylyl Cyclase Activation FlashPlate Assayを利用する96穴フォーマットにおいて評価してよい。簡潔に言えば、抗サイクリックAMP抗体でプレコートした96穴プレートへ一定量の放射標識cAMPを加える。細胞又は組織を加えて、阻害剤の存在又は非存在下に刺激する。細胞により産生される非標識cAMPが抗体由来の放射標識cAMPに置き換わる。結合した放射標識cAMPは光シグナルを産生し、Packard TopCountのようなマイクロプレートシンチレーションカウンターを使用してこれを検出することができる。設定インキュベーション時間(2〜24時間)にわたり非標識cAMPの量が増加すると、検出可能シグナルの減少をもたらす。
【0085】
実施例4:
in vivo 生物学的アッセイ
本発明の化合物の in vivo 活性は、当該技術分野で利用可能で受容されている生物学的アッセイのいずれを使用しても評価することができる。これらの試験の例には、聴覚刺激(Acoustic Startle)アッセイ、階段登り(Stair Climbing)試験、及び慢性投与アッセイが含まれる。本発明の化合物の試験に有用な上記や他のモデルは、C. W. Berridge and A. J. Dunn, Brain Research Reviews 15: 71 (1990) に概説されている。化合物は、齧歯動物や他の小哺乳動物のどの種で試験してもよい。
【0086】
実施例5:
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製法;
【0087】
【化3】

【0088】
工程1;2,5−ジエチル−3−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
20mlのテフロン栓付きバイアルに3−クロロ−2,5−ジエチルピラジン(0.533g,3.13ミリモル)及び(R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(0.300g,2.60ミリモル)と3mlのトルエンをN下に入れた。Pd(dba)(0.095g,0.104ミリモル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル(0.082g,0.208ミリモル)、及びNaOtBu(0.349g,3.64ミリモル)を加え、この溶液を95℃で18時間加熱した。この反応混合物を飽和NaHCO水溶液とCHClの間に分画して、分離させた。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(1/3:EtOAc/ヘプタン)により精製して、0.544g(85%)の2,5−ジエチル−3−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジンをオイルとして得た。
【0089】
【化4】

【0090】
1423O(m/z)のMS(ESI+):250.1912(M+H)
工程2;2−ブロモ−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0091】
2,5−ジエチル−3−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン(0.400g,1.6ミリモル)、NBS(0.314g,1.76ミリモル)、及びCHCl(10ml)の溶液を0℃で16時間撹拌した。この混合物をEtOで希釈して、分離させた。有機層をNaHCO、塩水で洗浄して、MgSOで乾燥させた。この混合物を濾過し、濃縮して残渣を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(1/1:EtOAc/ヘプタン)により精製して、2−ブロモ−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン(0.289g,56%)を黄色いオイルとして得た。
【0092】
【化5】

【0093】
1422BrNO(m/z)のMS(ESI+):328.1020(M+H)
工程3;2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0094】
2−ブロモ−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン(0.12g,0.365ミリモル)、(2,4−ジクロロフェニル)−ボロン酸(0.0936g,0.492ミリモル)、PdCl(PPh(0.032g,0.046ミリモル)、2N NaCO(0.44ml)、及びベンゼン(2.2ml)の混合物を還流で16時間加熱した。この反応混合物をEtOAcと飽和NaHCO水溶液で希釈して、分離させた。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得て、これを逆相分取用HPLCにより精製して、オイル(5mg,3%)を得た。
【0095】
【化6】

【0096】
2025ClO(m/z)のMS(ESI+):394.0(M+H)
実施例6:
本発明の他の代表化合物の製法
以下の化合物は、上記の実施例5の記載に類似したやり方で製造することができる:
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0097】
【化7】

【0098】
2128ClNO(m/z)のMS(ESI+):390.0(M+H)
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0099】
【化8】

【0100】
2025ClO(m/z)のMS(ESI+):394.1440(M+H)
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0101】
【化9】

【0102】
2128ClNO(m/z)のMS(ESI+):390.1952(M+H)
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3R)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【0103】
【化10】

【0104】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3R)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン
【0105】
【化11】

【0106】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン
【0107】
【化12】

【0108】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3S)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン
【0109】
【化13】

【0110】
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[4−(メトキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピラジン
【0111】
【化14】

【0112】
本発明を記載して、特定の態様に関して例示してきたが、当業者には他の態様が明らかであろう。故に、本発明は、記載して例示した特別の態様に限定されず、本発明の精神より逸脱することのない修飾又は変更が可能であり、その完全な範囲は、付帯の特許請求項により明確に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物又はその立体異性型、又はその立体異性型の混合物、その製剤的に許容されるプロドラッグ、又は製剤的に許容される塩型[式中、式Iにおいて:
Xは、修飾単環式基、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキルより選択され(付加点は、窒素又は炭素のいずれかである);
修飾単環式基は、Y又は(CRZで置換される、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールより選択され、ここで、
Yは、CN、NO、C(O)R、C(S)R、C(O)OR、C(S)OR、C(O)NR、C(S)NR、NRC(O)R、NRC(S)R、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、OC(O)R、OC(S)R、OC(O)NR、OC(S)NR、S(O)NR、NRS(O)、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、OR、及びNHRより選択され;
Zは、Y、OR、NR、及びS(O)より選択され;
は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
nは、1〜6より選択され;そして
mは、0、1、及び2より選択され;
Arは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールより選択され;
、Rは、H、ハロゲン、−NO、−CN、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、S(O)、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、及び−OC(O)NR、−OC(O)R、OC(O)OR、CRZ、Rより独立して選択され;
は、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、R、ハロゲン、−NO、−NR、−OR、−SR、−CN、−C(O)NR、−C(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−S(O)、−NRS(O)、−S(O)NR、−NRS(O)NRより独立して選択され;そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、又は複素環より独立して選択される(ここで、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、アルキル又はハロゲンで随意に置換されてよい)]。
【請求項2】
式Iにおいて、Xが修飾単環式基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
修飾単環式基が(CRZで置換されるピロリジン又はピペリジンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
修飾単環式基が(CRZで置換されるピペリジンであり、ここでRは水素であり、nは1である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物又はその立体異性型、又はその立体異性型の混合物、その製剤的に許容されるプロドラッグ、又は製剤的に許容される塩型[式中、式Iにおいて:
Xは、修飾単環式基、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、置換アリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロアリールヘテロシクロアルキルより選択され(付加点は、窒素又は炭素のいずれかである);
修飾単環式基は、Y又は(CRZで置換される、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールより選択され、ここで、
Yは、CN、NO、C(O)R、C(S)R、C(O)OR、C(S)OR、C(O)NR、C(S)NR、NRC(O)R、NRC(S)R、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、OC(O)R、OC(S)R、OC(O)NR、OC(S)NR、S(O)NR、NRS(O)、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、OR、及びNHRより選択され;
Zは、Y、OR、NR、及びS(O)より選択され;
は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又は1〜5のRで随意に置換されるシクロアルキルより独立して選択され;
nは、1〜6より選択され;そして
mは、0、1、及び2より選択され;
Arは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールより選択され;
、Rは、H、ハロゲン、−NO、−CN、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(S)NR、−C(O)OR、−C(S)OR、S(O)、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、及び−OC(O)NR、−OC(O)R、OC(O)OR、CRZ、Rより独立して選択され;
は、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は1〜5のRで随意に置換されるヘテロシクロアルキル、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルより独立して選択され(ここで、フェニル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、Rより独立して取る1〜5で随意に置換される);
は、R、ハロゲン、−NO、−NR、−OR、−SR、−CN、−C(O)NR、−C(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−S(O)、−NRS(O)、−S(O)NR、−NRS(O)NRより独立して選択され;そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、又は複素環より独立して選択される(ここで、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、アルキル又はハロゲンで随意に置換されてよい)]。
【請求項2】
式Iにおいて、Xが修飾単環式基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
修飾単環式基が(CRZで置換されるピロリジン又はピペリジンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
修飾単環式基が(CRZで置換されるピペリジンであり、ここでRは水素であり、nは1である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3R)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−[(3S)−3−(エトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3,6−ジエチルピラジン;
2−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチル−5−[4−(メトキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピラジン、又はあらゆる前記化合物の製剤的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
製剤的に許容される担体と請求項1〜5のいずれか1項の化合物の治療有効量を含んでなる医薬組成物。
【請求項7】
製剤的に許容される担体と請求項1〜5のいずれか1項の化合物の治療有効量を含んでなる、CRFの分泌過多を症状とする障害を哺乳動物において治療するための医薬組成物。
【請求項8】
製剤的に許容される担体と請求項1〜5のいずれか1項の化合物の治療有効量を含んでなる、CRFに拮抗することによって奏効又は促進することができる、障害を哺乳動物において治療するための医薬組成物。
【請求項9】
CRF受容体のリガンドをスクリーニングするための方法であって、a)CRF受容体、検出可能な標識で標識する請求項1〜5のいずれか1項の化合物、及び候補リガンドを用いた競合結合アッセイを行うこと;並びにb)前記標識化合物に置き換わる前記候補リガンドの能力を決定することを含む、前記方法。
【請求項10】
CRF結合の標準アッセイにおいてCRF結合について10ナノモル濃度未満のIC50を明示する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
製剤的に許容される担体と請求項1〜5のいずれか1項の化合物の治療有効量を含んでなる医薬組成物であって、障害は、不安関連障害;情緒異常症;核上麻痺;免疫抑制;慢性関節リウマチ;骨関節炎;不妊;疼痛;喘息;アレルギー;ストレス起因性睡眠障害;線維筋肉症;疲労症候群;ストレス起因性頭痛;癌;ヒト免疫不全ウイルス感染症;アルツハイマー病;パーキンソン病;ハンチントン病;胃腸潰瘍;過敏性腸管症候群;クローン病;痙攣結腸;下痢;術後イレウスと精神病理障害又はストレスに関連した結腸過敏症;食欲不振;神経性過食症;出血性ストレス;ストレス起因性精神病エピソード;甲状腺機能正常患者症候群;不適正抗下痢ホルモンの症候群;肥満;頭部外傷;脊髄外傷;脳海馬虚血;興奮毒性ニューロン損傷;てんかん;高血圧;頻脈;鬱血性心不全;卒中;ストレス起因性免疫機能不全;筋肉痙攣;尿失禁;アルツハイマー型の老人性痴呆症;多発梗塞性痴呆症;筋萎縮性側索硬化症;化学物質依存症及び嗜癖症;骨粗鬆症;社会心理学的こびと症;低血糖症;にきび;乾癬;慢性接触皮膚炎、及び脱毛症より選択される、前記組成物。
【請求項12】
障害が不安関連障害及び情緒異常症より選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
不安関連障害が一般的不安異常症であり、情緒異常症が主要うつ病である、請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−514628(P2006−514628A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553011(P2004−553011)
【出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005183
【国際公開番号】WO2004/046136
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】