説明

CT装置およびCT装置の撮影方法

【課題】層状構造を有する被検体の断面像を短い断層撮影時間で得るCT装置を提供する。
【解決手段】撮影する被検体5の層状構造の層面が、断層撮影面に交差するようにテーブル4上に載置し、撮影する被検体5に向けて断層撮影面に沿った放射線光軸を中心に放射線を放射する放射線源1と、被検体5を透過した放射線2を検出して透過像として出力する放射線検出器3と、テーブル4と放射線2とを相対的に回転させる回転手段7と、回転手段7と放射線検出手段3を制御して被検体5の層面が放射線2の光軸と平行に近くなる回転角度を優先的に複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶し、スキャンを実施するスキャン制御手段9cと、このスキャンデータから被検体5の断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する再構成手段9dとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の断面像を撮影するコンピュータ断層撮影装置(以下CT(Computed Tomography)装置と記載する)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などのモバイル機器の発達や電気自動車の実用化でリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池の需要が拡大している。それに伴いショートや発火が生じない安全で信頼性の高い電池を供給するための電池検査の重要度がますます高まってきている。この電池検査としては、層状構造を有する被検体の断面像を撮影して、検査する方法が知られている。
【0003】
まず、図7に被検体である電池90の概念図(断面図)を示す。この図は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池等の構造の概略を示す断面図である。ケース91内には、正極板92と負極板93がセパレータ(不図示)を介して何重にも巻かれて収められ、空隙には電解液94が満たされている。例えば、層のピッチ(正極板−正極板)は0.3mm程度で巻数は数十回で、断面全体の寸法としては30mm×120mm程度である。
【0004】
このような、構造の電池を検査するために、CT装置を用いた電池の検査においては、図7に示すような断面像を撮影し、電極板(正極板92と負極板93の総称)の層の皺や層間隔の乱れ等を確認でき、電池を使用したときの経時的変化を追跡して検査することができる。
【0005】
この電池の検査に用いられている従来のCT装置について記載する。従来のCT装置で、回転のみを行う所謂RR(Rotate Rotate)方式(第3世代方式)と呼ばれるCT装置は、放射線源から発生する放射線(X線)を被検体に向けて照射し、被検体を放射線の光軸の方向に対し交差する回転軸で放射線に対して相対的に回転させ、検出された一回転中の所定の回転角度間隔毎に被検体から透過してくる放射線を1次元あるいは2次元の複数検出チャンネルを有する放射線検出器で検出し、この検出器出力から被検体の断面像ないし3次元データを得る(断層撮影する)ものである。
【0006】
従来技術として図8に、特許文献1に記載されているCT装置の構成を示す。この図8の(a)は平面図であり、(b)は正面図である。図中では、X線管101と、ここから発生する角錐状のX線ビーム102を2次元の分解能で検出するX線検出器103が対向して配置され、このX線ビーム102に入るようにテーブル104上に載置された被検体105の透過像(透過データ)を得るようになっている。
【0007】
テーブル104はXY機構106上に配置され、XY機構106は回転・昇降機構107上に配置されている。被検体105の断面像を撮影する場合は、テーブル104を回転軸RAに対し回転・昇降機構107により1回転させながら多数の方向について透過像を得る(以下、スキャンとする)。このスキャンにより得られた多数の透過像を制御処理部108で処理して被検体105の断面像(1枚ないし多数枚)を得ることができる。ここで、XY機構106は、回転軸RAに対しテーブル104を回転軸RAと直交する面内で移動させ、被検体105の着目部105aが回転軸RA上になるように位置調整するために用いられる。さらに、回転軸RAおよび検出器103はシフト機構109によりX線管101に近づけあるいは遠ざけることができ、目的に応じて撮影倍率(=FDD/FCD)を変更できるようになっている。
【0008】
一方、再構成処理の方法は、通常、角錐状のX線ビームの場合、非特許文献1記載の方法が用いられる。この方法は、フィルター補正逆投影法(FBP(Filtered Back Projection)法)の一種で、3次元的に逆投影するものである。図8に示す断面像視野(あるいはスキャン領域という)110は、テーブル104が回転軸RAに対して1回転する間に常に検出器103で検出されるX線ビーム102に包含される領域と定義される。断面像視野110は回転軸RAを軸とする略円筒状の領域であり、無理なく断面像を再構成できる領域である。なお、断面像視野110は、撮影倍率を上げると、これに反比例して直径と高さが小さくなる。
【0009】
ところで、特許文献1に記載されているように、被検体105の一部を拡大して断層撮影する手法が知られている(以下ROI(Region of Interest:着目領域)スキャンという)。この断層撮影では、図8(a)に示すように、断面像視野110を小さくし、被検体105の着目部105aがこの断面像視野110にちょうど収まるようにシフト機構109及びXY機構104を位置決めする。これにより、着目部105aの空間分解能の高い拡大断面像を得ることができる。さらに、従来のCT装置により、例えばROIスキャンで電池90の層構造の着目部分を高い分解能で断面像撮影をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−310943号
【非特許文献1】L.A.Feldkamp, L.C.Davis and J.W.Kress, Practical cone-beam algorithm, J.Opt.Soc.Am.A/Vol.1,No.6/June1984
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、電池等の層状構造を有する被検体を断層撮影するとき、回転中に透過像を検出する回転角度間隔(回転方向のサンプリングピッチ)を小さくする必要がある。
【0012】
図7の電池の場合を例にして説明する。断面上で、電極層の直線的な部分では、各電極板およびセパレータは厚さ約0.1mmで、長さ100mm程度と非常に細長いものである。このような細長い電極板は回転角度間隔が大きいと電極板に沿った方向に直線状の偽像が生じて厚さ方向の分解能(層構造に対する分解能)を損なうため、分解能を確保して断面像を作成するためには、この場合で、一回転中に透過像を検出する回転角度間隔を0.06°程度に細かくする必要があり、360°のビュー数(1回転中の透過像撮影数)が6000と大きくなる。
【0013】
このように、従来のCT装置では、層状構造の被検体の層に直交する方向の分解能を確保するためにビュー数を多くする必要があり、断層撮影時間が長いという問題があった。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、層状構造を有する被検体の断面像を短い断層撮影時間で得るCT装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、層状構造を有する被検体の断面像を撮影するCT装置であって、撮影する層状構造の層面が断層撮影面に交差するようにテーブル上に載置された被検体に向けて前記断層撮影面に沿った放射線光軸を中心に放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像として出力する放射線検出手段と、前記断層撮影面と直交する回転軸に対し前記テーブルと前記放射線とを相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段と前記放射線検出手段を制御して前記回転をさせつつ前記層面が前記放射線光軸と平行に近くなる回転角度を優先的に複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶する優先的なスキャンを実施するスキャン制御手段と、前記スキャンデータから前記被検体の前記断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する再構成手段と、を有することを要旨とする。
【0016】
この構成により、被検体の撮影しようとする層状構造の層面が放射線光軸と平行に近くなる回転角度を優先的に(高頻度であるいは角度限定して透過像の検出を行う)スキャンを実施し、このスキャンデータから被検体の断面像を再構成しているので、1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない放射線光軸が層面に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を優先しないことで層面に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間を短縮できる。また、断面像再構成に要する時間も短縮できる。
【0017】
前記目的を達成するため、請求項2記載の発明は、請求項1記載のCT装置において、前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、前記層面が前記放射線光軸と平行になる第1の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第1の回転位置を包含する第1の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像を第1のスキャンデータとして取り込んで記憶する第1のスキャンを実施する、ことを要旨とする。
【0018】
この構成により、被検体の撮影しようとする層状構造の層面が放射線光軸と平行になる回転位置を包含する制限された第1の回転角度範囲で第1のスキャンを実施し、第1の回転角度範囲で検出された第1のスキャンデータから被検体の断面像を再構成しているので、1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない放射線光軸が層面に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を省くことで層面に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間を短縮できる。また、断面像再構成に要する時間も短縮できる。
【0019】
前記目的を達成するため、請求項3記載の発明は、請求項2記載のCT装置において、前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転位置と180°異なる第2の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第2の回転位置を包含する第2の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像を第2のスキャンデータとして取り込んで記憶する第2のスキャンを実施する、ことを要旨とする。
【0020】
この構成により、請求項2記載の発明と同様に、1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない放射線光軸が層面に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を省くことで層面に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間を短縮できる。また、断面像再構成に要する時間も短縮できる。
【0021】
前記目的を達成するため、請求項4記載の発明は、請求項2記載のCT装置において、前記スキャン制御手段は、前記第1のスキャンにおいて複数の透過像を第1の回転角度間隔毎に検出し、前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転角度範囲の外の少なくとも一部を含む第3の回転角度範囲で前記回転をさせつつ前記第1の回転角度間隔より大きな第3の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第3のスキャンデータとして取り込んで記憶する第3のスキャンを実施する、ことを要旨とする。
【0022】
前記目的を達成するため、請求項5記載の発明は、請求項3記載のCT装置において、前記スキャン制御手段は、前記第1のスキャンにおいて複数の透過像を第1の回転角度間隔毎に検出し、前記第2のスキャンにおいて複数の透過像を第2の回転角度間隔毎に検出し、前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転角度範囲および前記第2の回転角度範囲の外の少なくとも一部を含む第3の回転角度範囲で前記回転をさせつつ前記第1の回転角度間隔と前記第2の回転角度間隔のどちらよりも大きな第3の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第3のスキャンデータとして取り込んで記憶する第3のスキャンを実施する、ことを要旨とする。
【0023】
請求項4および請求項5記載の構成により、通常の1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない放射線光軸が層面に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を粗い回転角度間隔で実施することで層面に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間と断面像再構成に要する時間を短縮できると共に、断面像上で層状構造以外の構造もある程度良好に表されるようにできる。
【0024】
前記目的を達成するため、請求項6記載の発明は、層状構造を有する被検体の断面像を撮影するCT装置の撮影方法であって、撮影する層状構造の層面が断層撮影面に交差するようにテーブル上に載置された被検体に向けて前記断層撮影面に沿った放射線光軸を中心に放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像として出力する放射線検出手段と、前記断層撮影面と直交する回転軸に対し前記テーブルと前記放射線とを相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段と前記放射線検出手段を制御して所定の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶するスキャンを実施するスキャン制御手段と、前記記憶されたスキャンデータから前記被検体の断面像を再構成する再構成手段とを有するCT装置において、前記層面が前記放射線光軸と平行になる第1の回転位置を特定する過程と、前記回転をさせつつ前記第1の回転位置に近い回転角度を優先的に複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶する優先的なスキャンを実施する過程と、前記スキャンデータから前記被検体の前記断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する過程と、を有することを要旨とする。
この方法で、請求項1記載の発明と同様の効果をあげることができる。
【0025】
前記目的を達成するため、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のCT装置の撮影方法において、前記優先的なスキャンは、前記第1の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第1の回転位置を包含する第1の回転角度範囲のスキャン、あるいは、さらに前記第1の回転位置と180°異なる第2の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第2の回転位置を包含する第2の回転角度範囲のスキャンを加えたスキャンである、ことを要旨とする。
この方法で、請求項2、請求項3記載の発明と同様の効果をあげることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、層状構造を有する被検体の断面像を短い断層撮影時間で得るCT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るCT装置の構成を示した模式図((a)平面図、(b)正面図)
【図2】本発明の第1の実施形態に係る断層撮影のフロー図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電池のテーブルへの載置状態を示す図(平面図)
【図4】本発明の第1の実施形態に係るスキャンの回転角度範囲の一例
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例3に係るスキャンの回転角度範囲の一例
【図6】本発明の第1実施形態の変形例5に係るスキャンの回転角度範囲の例
【図7】被検体である電池90の概念図(断面図)
【図8】従来のCT装置の構成を示した模式図((a)平面図、(b)正面図)
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例として図面1〜6を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0029】
(本発明の第1の実施形態の構成)
以下、本発明の第1の実施形態の構成について図1を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るCT装置の構成を示した模式図((a)平面図、(b)正面図)である。図1に示すとおり、X線管(放射線源)1と、X線管1のX線焦点Fより放射されたX線の一部である光軸(放射線光軸)Lを中心とする角錐状のX線ビーム(放射線)2を2次元の分解能で検出するX線検出器(放射線検出手段)3とが対向して配置され、このX線ビーム2に入るようにテーブル4上に載置された被検体5を透過したX線ビーム2がX線検出器3により検出され、透過像(透過データ)として出力される。
【0030】
テーブル4はXY機構6上に配置され、XY機構6は回転・昇降機構(回転手段)7上に配置されている。テーブル4は回転・昇降機構7によりX線ビーム2と垂直に交差する(X線ビーム2と交差し、かつ、光軸Lの方向に対し実質垂直であればよい)回転軸RAに対して回転されるとともに、回転軸RAと平行なz方向にz移動(昇降)される。XY機構6は、回転軸RA及びX線ビーム2に対しテーブル4を回転軸RAと直交するXY面内でXY移動させる。
【0031】
断層撮影面TPはX線焦点Fを通って回転軸RAに垂直な面と定義され、光軸Lは断層撮影面TP上にある。さらに、シフト機構(撮影倍率設定手段)8により回転軸RA(とテーブル4)およびX線検出器3をX線管1に近づけあるいは遠ざけることができ、X線管1のX線焦点Fと回転軸RAとの間の撮影距離FCD(Focus to rotation Center Distance)と、X線焦点FとX線検出器3の検出面3aとの間の検出距離FDD(Focus to Detector Distance)を変えて設定することができる。
【0032】
ここで、XY機構6は、被検体5の着目部が回転軸RA上になるように位置調整するために用いられ、シフト機構8は目的に応じて撮影倍率(=FDD/FCD)を変更するために用いられ、回転・昇降機構7のz移動は被検体5の着目部をX線ビーム2の高さに合わせるのに用いられる。また、回転・昇降機構7の回転は断面像を撮影する場合に被検体5をX線ビーム2に対し回転させて、多数の方向について透過像を得るために用いられる。
【0033】
図1に示す断面像視野(あるいはスキャン領域と称する)10は1回転の間に、常に測定されるX線ビーム2に包含される領域と定義される。断面像視野10は回転軸RAを軸とする略円筒状の領域であり、無理なく断面像を再構成できる領域である。この構成要素として、他に、各機構(XY機構6、回転・昇降機構7、シフト機構8)を制御し、また、X線検出器3からの透過データを処理する制御処理部9、処理結果等を表示する表示部9a、X線管1を制御するX線制御部(図示せず)等がある。
【0034】
制御処理部9は通常のコンピュータで、CPU、メモリ、ディスク(不揮発性メモリ)、表示部9a、入力部(キーボードやマウス等)9b、機構制御ボード、インターフェース、等より成っている。
【0035】
制御処理部9は、機構制御ボードにより、各機構部6,7,8の動作位置の信号(エンコーダパルス等)を受けて各機構部6,7,8を制御して被検体の位置合わせやスキャン(断層撮影走査)等を行わせる他、透過データの収集指令パルス等をX線検出器3に送る。なお、各機構部6,7,8には図示してないエンコーダが取付けられており、テーブル4のXY機構6によるXY移動位置X,Y、回転・昇降機構7によるz移動位置zと回転角度φ、及びシフト機構8によるFCD,FDDが読み取られ、それぞれ制御処理部9に送られる。
【0036】
また、制御処理部9は、断層撮影時にX線検出器3からの透過データを収集し、記憶し、再構成処理して断層撮影面に平行な1枚ないし複数枚の被検体の断面像を作成し、表示部9aに表示する。さらに、制御処理部9は、X線制御部(図示せず)に指令を出し、管電圧、管電流を指定すると共に、X線の放射、停止の指示を行なう。管電圧、管電流は被検体に合わせて変えることができる。
【0037】
図1に示すように、制御処理部9はソフトウエアを読み込んでCPUが機能する機能ブロックとして、所定の範囲でテーブル4を回転させつつ検出された複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶するスキャンを実施するためのスキャン制御部(スキャン制御手段)9c、スキャンデータを用いて断面像を作成する再構成部(再構成手段)9d、等を備えている。
【0038】
(第1の実施形態の作用)
上記のような構成を有する第1の実施形態の作用を図7、図2ないし図4を参照して、被検体5として電池90を撮影する場合を例に説明する。
【0039】
図7に被検体である電池90の概念図(断面図)を示す。この図は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池等の構造の概略を示す断面図である。ケース91内には、正極板92と負極板93がセパレータ(不図示)を介して何重にも巻かれて収められ、空隙には電解液94が満たされている。例えば、層のピッチ(正極板−正極板)は0.3mm程度で巻数は数十回で、断面全体の寸法としては30mm×120mm程度である。
【0040】
図2は第1の実施形態に係る断層撮影のフロー図であり、本実施例の断層撮影の工程としては、
(1)電池を載置するステップ
(2)撮影条件を設定するステップ
(3)スキャンを行なうステップ
(4)再構成を行なうステップ
の各工程を備える。以下、各工程について説明する。
【0041】
(1)電池を載置するステップ
図2に示すとおり、ステップS1で、操作者は電池90をテーブル4に以下のように載置する。図3は電池のテーブルへの載置状態を示す図(平面図)である。まず、テーブル4の回転角を0°(第1の回転位置)にリセットし、次に、電池90の撮影しようとする領域(ROI:着目領域)11における層状構造の層面12が断層撮影面TPと交差(実質的に直交)し、かつ、層面12が光軸Lと平行になるように載置する。
【0042】
(2)撮影条件を設定するステップ
次に、ステップS2で撮影条件を設定する。この撮影条件には幾何条件、X線条件、スキャン条件、再構成条件等が含まれる。この幾何条件設定としては、入力部9bから指令を入力して、撮影しようとする領域11が概略として、回転軸RA上になるようXY機構6を制御し、さらに、撮影しようとする領域11が断面像視野10と一致するようにシフト機構8を制御して撮影倍率を設定する。また、入力部9bから回転昇降機構7を制御して撮影しようとする領域11の高さを断層撮影面TPに合わせる。
【0043】
X線条件設定としては、被検体に適合する管電圧、管電流を設定する。スキャン条件設定としては、層面12が光軸Lと平行に近い回転角度で優先的に(高頻度であるいは角度限定して)透過像の検出を行うようにする。具体的には、スキャン条件設定として、0°(第1の回転位置)を中心とした±60°内にあって、0°を包含する連続した範囲(120°以下)として回転角度範囲(第1の回転角度範囲)をスキャン範囲として入力設定する。例えば、図4はスキャンの回転角度範囲の一例であり、ここでは0°を中心とした45°の範囲を回転角度範囲として設定する。
【0044】
スキャン条件設定として、さらに、透過像を検出する回転角度間隔(例えば0.075°)、1透過像の積分フレーム数(例えば5)、等を設定する。また、再構成条件としては、断面像枚数とその回転軸方向の間隔(断層撮影面TPに対する断面位置)等を設定する。
【0045】
(3)スキャンを行なうステップ
ステップS2の後、ステップS3でスキャンを行う。操作者がスキャン開始を入力すると、スキャン制御部9cは回転昇降機構7とX線検出器3を制御して、設定した回転角度範囲でテーブル4を(連続あるいはステップで)回転をさせつつ設定した(第1の)回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を(第1の)スキャンデータとして取り込んで記憶する。
【0046】
(4)再構成を行なうステップ
ステップS3の後、ステップS4で、再構成部9dはスキャンデータから電池90の断面像視野10内の断面像を断層撮影面TPに平行な(設定した断面位置の)少なくとも1枚の断面像を再構成して、表示および記憶を行う。再構成は、通常のフィルター補正逆投影法で行うが、異なるのは、通常は360°分のフィルター補正逆投影を行うのに対し、ここではスキャンした角度範囲のデータのみをフィルター補正逆投影するだけの違い(すなわちスキャンしなかった角度範囲に対し0を逆投影するのと等価)である。
以上で図2のフローが終了する。
【0047】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、電池90の撮影しようとする領域11における層状構造の層面12が光軸Lと平行になる回転位置を中心とした(45°の)スキャンの回転角度範囲でスキャンを実施し、この回転角度範囲で検出されたスキャンデータから電池90の断面像を再構成しているので、1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない光軸Lが層面12に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を省くことで層面に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間を短縮できる。また、断面像再構成に要する時間も短縮できる。具体的には、通常では360°で行うスキャンが、45°のスキャンで済むためスキャン時間と再構成時間が約1/8となる。
【0048】
実際に、{画像1:第1の実施形態の条件(45°のスキャン)で断層撮影した断面像}と、{画像2:同じ条件で360°のスキャンで撮影した断面像}を比較すると、若干、画像1の方が画像ノイズが大き目ではあるが、層面12に直交する方向の分解能は同等であった。画像1のノイズが大き目なのは、光軸Lが層面に沿う方向のデータ量が画像2の半分になるからである。そこで、画像1の撮影条件の積分フレーム数を2倍にして画像1’を撮影し、比較すると、画像1’と画像2は見分けが付かないほどの画像となった。
【0049】
さらに、第1の実施形態によれば、副次的効果として、リング状アーチファクトが生じにくいという効果がある。実際に、上述した画像1、画像2を比較すると、画像2では回転軸RAを中心としたかすかなリング状アーチファクトを認めることができたが、画像1では全く認められなかった。
【0050】
(第1の実施形態の変形)
その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0051】
(変形例1)
第1の実施形態では、層状構造の層面12が光軸Lと平行になる回転位置を中心に45°のスキャンの回転角度範囲を設定したが、回転角度範囲は必ずしも45°でなくてもよい。電池90の層状構造は巻むらや皺によって局所的に層面12から傾斜している。この傾斜範囲内の方向からの透過像が得られれば良いので、見込まれる傾斜角度範囲αを含むように回転角度範囲を設定すればよい。
【0052】
正確には、電池の層構造は視野内において、厚みがあるので、厚みの上端層に平行にX線が透過する回転位置から厚みの下端層に平行にX線が透過する回転位置までの角度βだけ回転角度範囲を増やす必要がある。したがって、回転角度範囲としては、βだけ増やしてα+βを超えてを設定すればよい。この角度βは概略X線焦点Fから見たこの厚みの張る角度に相当し、βの値としては、最大厚み(=断面像視野10の直径)のとき最大で、このときβはファン角θに一致する(図1参照)。通常の電池では、このα+βは120°を超えないので、回転角度範囲は±60°(全幅120°以下)内で0°を含むように設定すればよいが、被検体に合せて、できるだけ狭く設定することでより高速化が可能である。回転角度範囲の幅は、被検体の平面性が良い場合は例えば20°とか10°とか小さな範囲で済むこともある。
【0053】
(変形例2)
第1の実施形態では、層状構造の層面12が光軸Lと平行になる回転位置を中心に対称に45°のスキャンの回転角度範囲を設定した(通常は対称が好ましい)が、正確に対称でなくてよく、概略として対称であればよい。
【0054】
(変形例3)
第1の実施形態で、さらに、電池90を載置した(第1の)回転位置(0°)と180°異なる第2の回転位置(180°)を中心とした±60°内にあって、第2の回転位置を包含する連続した範囲である第2の回転角度範囲(120°以下)を設定し、この第2の回転角度範囲でテーブル4を回転させつつ第2の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第2のスキャンデータとして取り込んで記憶する第2のスキャンを実施し、最初に行った(第1の)スキャンデータと第2のスキャンデータとから電池90の断層撮影面TPに平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する、ようにしてもよい。
【0055】
図5は変形例3に係るスキャンの回転角度範囲の一例で、第2の回転角度範囲としては、180°を中心とした45°の範囲である。この場合の再構成は、第1の実施形態で述べたように第1のスキャンデータを再構成し、同様に第2のスキャンデータを再構成し、両方の断面像を加算すればよい。また、第1のスキャンデータをフィルター補正逆投影した断面像に続けて第2のスキャンデータをフィルター補正逆投影するようにしてもよい。
【0056】
なお、第2の回転角度範囲は第1の回転角度範囲と同様に180°を中心とする45°の範囲でなく180°を中心とする±60°内にあって、第2の回転位置(180°)を含む回転角度範囲であればよい。また、第2の回転角度間隔は、通常第1の回転角度間隔と同じとするが、異なっていてもよい。変形例3によれば、第1の実施形態と同様の効果をあげることができる。
【0057】
具体的には、通常では360°で行うスキャンが、45°と45°のスキャンで済むためスキャン時間と再構成時間が約1/4となる。実際に、{画像3:変形例3の条件(45°と45°のスキャン)で断層撮影した断面像}と、{画像2:同じ条件で360°のスキャンで撮影した断面像}を比較すると、画像3と画像2は見分けが付かないほどの画像となった。また、画像2では回転軸RAを中心としたかすかなリング状アーチファクトを認めることができたが、画像3では全く認められなかった。
【0058】
(変形例4)
第1の実施形態では、電池90の撮影しようとする領域11として、平面状の層の部分を選んでいるが、層は曲面でもよい。この場合、観察しようとする層部分の接線方向を層面12として考えて条件設定すれば、この層面12と概略として平行な層部分が良好な断面像として得られる。
【0059】
(変形例5)
第1の実施形態で、電池90に層状構造以外の構造が含まれる場合、層状構造を撮影した断面像上で他の構造もある程度良好に表されるように撮影したい場合がある。この場合第1の実施形態の第1のスキャン(と変形例3の第2のスキャン)に加えて回転角度間隔を大きくした粗い第3のスキャンを加え、第1のスキャン(と第2のスキャン)と第3のスキャンのスキャンデータから電池90の断面像を再構成するようにできる。
【0060】
第3のスキャンは、第1の回転角度範囲(および第2の回転角度範囲)の外の少なくとも一部を含む第3の回転角度範囲で回転をさせつつ第1の回転角度間隔(と前記第2の回転角度間隔のどちら)よりも大きな第3の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第3のスキャンデータとして取り込んで記憶するものである。
【0061】
図6は変形例5に係るスキャンの回転角度範囲の例である。
第3のスキャンとしては、回転角度範囲が360°のフルスキャン、あるいは180°+ファン角θ以上360°以下のハーフスキャンでよいが、また、第1の回転角度範囲(および第2の回転角度範囲)の外の部分を補充するようなスキャンでもよい。この補充するようなスキャンの回転角度範囲としては外の部分すべてもよく、外の部分の一部でもよく、また第1の回転角度範囲(および第2の回転角度範囲)と重複していてもよい。
【0062】
再構成部9dは、第1のスキャンデータと第2のスキャンデータと第3のスキャンデータとから前記被検体の前記断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する。
再構成は第1ないし第3のスキャンデータでそれぞれ断面像を再構成し、これらの断面像を加算することで得られる(重み付け加算を含む)。また、第1ないし第3のスキャンデータを続けてフィルター補正逆投影するようにしてもよい(重み付け逆投影を含む)。
【0063】
変形例5によれば、通常の1回転のスキャンと比べ、断面像上の層構造の分解能に寄与しない光軸Lが層面12に大きな角度で交差する回転範囲の透過像検出を粗い回転角度間隔で実施することで層面12に直交する方向の分解能を保ったままスキャンに要する時間と断面像再構成に要する時間を短縮できると共に、断面像上で層状構造以外の構造もある程度良好に表されるようにできる。
【0064】
(変形例6)
第1の実施形態で、透過像を検出する回転角度間隔は一定としているが、回転角度の関数として変化させてもよい。例えば、連続的にあるいは階段状に、0°(第1の回転位置)に近いほど小さくする。
【0065】
さらに、回転角度間隔を回転角度の関数として変化させる場合は、スキャンの回転角度範囲は120°以下に制限する必要は無い。すなわち回転角度間隔としては、回転位置が0°および180°に近いほど小さく、90°および270°に近いほど大きくなるように、連続的にあるいは階段状に変化させればよい。
【0066】
(変形例7)
第1の実施形態で、テーブル4(電池90)をX線ビーム2に対し回転させているが、回転は相対的でよい。例えば、テーブル4を回転させず、X線管1とX線検出器3を回転軸RAに対し回転させてもよい。
【0067】
また、第1の実施形態で、テーブル4を回転軸RA及びX線ビーム2に対しXY移動させているが、XY移動は相対的でよい。例えば、テーブル4をXY移動させず、回転軸RA及びX線ビーム2(X線管1とX線検出器3)をXY移動させてもよい。
また、第1の実施形態で、テーブル4をX線ビーム2に対しz移動させているが、z移動は相対的でよい。例えば、テーブル4をz移動させず、X線ビーム2(X線管1とX線検出器3)をz移動させてもよい。
【0068】
(変形例8)
第1の実施形態では被検体として電池90を例にして説明したが、本発明の被検体は電池に限られること無く、他の層状構造を持つ被検体、例えばコンデンサ、コイル、多層基板、等に対しても有効に適用することができる。
(変形例9)
第1の実施形態で、放射線としてX線を用いているが、X線には限られず透過性の放射線であればよい。例えば、放射線としては、γ線やマイクロ波などでもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…X線管
2…X線ビーム
3…X線検出器
4…テーブル
5…被検体
6…XY機構
7…回転・昇降機構
8…シフト機構
9…制御処理部
9a…表示部
9b…入力部
9c…スキャン制御部
9d…再構成部
10…断面像視野
11…撮影しようとする領域
12…層面
90…電池
91…ケース
92…正極板
93…負極板
94…電解液
101…X線管
102…X線ビーム
103…X線検出器
104…テーブル
105…被検体
105a…着目部
106…XY機構
107…回転・昇降機構
108…制御処理部
109…シフト機構
110…断面像視野


【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状構造を有する被検体の断面像を撮影するCT装置であって、
撮影する層状構造の層面が断層撮影面に交差するようにテーブル上に載置された被検体に向けて前記断層撮影面に沿った放射線光軸を中心に放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像として出力する放射線検出手段と、前記断層撮影面と直交する回転軸に対し前記テーブルと前記放射線とを相対的に回転させる回転手段と、
前記回転手段と前記放射線検出手段を制御して前記回転をさせつつ前記層面が前記放射線光軸と平行に近くなる回転角度を優先的に複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶する優先的なスキャンを実施するスキャン制御手段と、
前記スキャンデータから前記被検体の前記断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する再構成手段と、
を有することを特徴とするCT装置。
【請求項2】
請求項1記載のCT装置において、
前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、前記層面が前記放射線光軸と平行になる第1の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第1の回転位置を包含する第1の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像を第1のスキャンデータとして取り込んで記憶する第1のスキャンを実施する、
ことを特徴とするCT装置。
【請求項3】
請求項2記載のCT装置において、
前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転位置と180°異なる第2の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第2の回転位置を包含する第2の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像を第2のスキャンデータとして取り込んで記憶する第2のスキャンを実施する、
ことを特徴とするCT装置。
【請求項4】
請求項2記載のCT装置において、
前記スキャン制御手段は、前記第1のスキャンにおいて複数の透過像を第1の回転角度間隔毎に検出し、
前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転角度範囲の外の少なくとも一部を含む第3の回転角度範囲で前記回転をさせつつ前記第1の回転角度間隔より大きな第3の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第3のスキャンデータとして取り込んで記憶する第3のスキャンを実施する、
ことを特徴とするCT装置。
【請求項5】
請求項3記載のCT装置において、
前記スキャン制御手段は、前記第1のスキャンにおいて複数の透過像を第1の回転角度間隔毎に検出し、前記第2のスキャンにおいて複数の透過像を第2の回転角度間隔毎に検出し、
前記スキャン制御手段は、前記優先的なスキャンとして、さらに、前記第1の回転角度範囲および前記第2の回転角度範囲の外の少なくとも一部を含む第3の回転角度範囲で前記回転をさせつつ前記第1の回転角度間隔と前記第2の回転角度間隔のどちらよりも大きな第3の回転角度間隔毎に検出された複数の透過像を第3のスキャンデータとして取り込んで記憶する第3のスキャンを実施する、
ことを特徴とするCT装置。
【請求項6】
層状構造を有する被検体の断面像を撮影するCT装置の撮影方法であって、
撮影する層状構造の層面が断層撮影面に交差するようにテーブル上に載置された被検体に向けて前記断層撮影面に沿った放射線光軸を中心に放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像として出力する放射線検出手段と、前記断層撮影面と直交する回転軸に対し前記テーブルと前記放射線とを相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段と前記放射線検出手段を制御して所定の回転角度範囲で前記回転をさせつつ検出された複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶するスキャンを実施するスキャン制御手段と、前記記憶されたスキャンデータから前記被検体の断面像を再構成する再構成手段とを有するCT装置において、
前記層面が前記放射線光軸と平行になる第1の回転位置を特定する過程と、
前記回転をさせつつ前記第1の回転位置に近い回転角度を優先的に複数の透過像をスキャンデータとして取り込んで記憶する優先的なスキャンを実施する過程と、
前記スキャンデータから前記被検体の前記断層撮影面に平行な少なくとも1枚の断面像を再構成する過程と、
を有することを特徴とするCT装置の撮影方法。
【請求項7】
請求項6に記載のCT装置の撮影方法において、
前記優先的なスキャンは、前記第1の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第1の回転位置を包含する第1の回転角度範囲のスキャン、あるいは、さらに前記第1の回転位置と180°異なる第2の回転位置を中心とする±60°内にあって前記第2の回転位置を包含する第2の回転角度範囲のスキャンを加えたスキャンである、
ことを特徴とするCT装置の撮影方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−232057(P2011−232057A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100299(P2010−100299)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【特許番号】特許第4598880号(P4598880)
【特許公報発行日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】