説明

Cdc2様キナーゼ(CLK)のモジュレータおよびその使用方法

本明細書において多種多様な疾患および障害、例えば、加齢もしくはストレスに関連する疾患もしくは障害、糖尿病、肥満、神経変性疾患、心血管疾患、血液凝固障害、炎症、癌、眼の障害および/または紅潮ならびにミトコンドリア活性の増大から利益を受ける疾患または障害を処置および/または予防するためのCdc2様キナーゼ(Clk)モジュレータの使用方法を提供される。また、Clkモジュレート化合物を別の治療用薬剤との組合せで含む組成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
真核生物細胞の生存を促進させるための方法であって、該細胞を、少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法。
【請求項2】
前記CLK阻害化合物が前記細胞の寿命を増大させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CLK阻害化合物がストレスに抵抗する前記細胞の能力を増大させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ストレスが、熱ショック、浸透圧ストレス、DNA損傷、不充分な塩レベル、不充分な窒素レベルまたは不充分な栄養レベルの1つ以上である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記CLK阻害化合物が、前記細胞に対する栄養制限の効果を模倣する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記真核生物細胞が哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
被験体において、細胞死または加齢と関連する疾患または障害を処置または予防するための方法であって、該方法は、治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、処置または予防を必要とする被験体に投与することを含む、方法。
【請求項8】
前記加齢関連疾患が、脳卒中、心血管疾患、関節炎、高血圧またはアルツハイマー病である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
被験体において、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、糖尿病もしくはその合併症を処置もしくは予防するため、またはインスリン感受性を増大させるための方法であって、該方法は、治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
【請求項10】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体の減量のため、または被験体において体重増加を予防するための方法。
【請求項11】
前記被験体が、CLK阻害化合物の非存在下で体重減少をもたらすのに充分な程度まで、カロリー消費も低下させず、活動性も高めず、それらの組合せも行わない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前脂肪細胞の分化を防止するための方法であって、該前脂肪細胞を、少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法。
【請求項13】
被験体に、治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを投与することを含む、被験体の寿命を延ばすための方法。
【請求項14】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体において神経変性障害を処置または予防するための方法。
【請求項15】
前記神経変性障害が、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS;ルー・ゲーリグ病)、びまん性レヴィー小体病、舞踏病有棘赤血球増加症、原発性側索硬化症、多発性硬化症(MS)およびフリートライヒ運動失調からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体において血液凝固障害を処置または予防するための方法。
【請求項17】
前記血液凝固障害が、血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳卒中、心筋梗塞、流産、アンチトロンビンIIIの欠損と関連している栓友病、プロテインCの欠損、プロテインSの欠損、活性型プロテインCに対する抵抗性、異常フィブリノゲン血症、フィブリン溶解性障害、ホモシスチン尿症、妊娠、炎症性障害、骨髄増殖性障害、動脈硬化、アンギナ、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、癌転移、鎌状赤血球症、糸球体腎炎、薬剤誘発性血小板減少症、および治療的血餅溶解または血管形成術もしくは手術などの手順中またはその後の再閉塞からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、眼の疾患または障害を処置または予防するための方法。
【請求項19】
前記眼の疾患または障害が、視力障害、緑内障、視神経炎、黄斑変性または前部虚血性視神経障害からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記視力障害が、視神経または中枢神経系(sytem)に対する損傷によって引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記損傷が、高眼圧、前記視神経の腫脹または虚血によって引き起こされる、請求項21に記載の方法。
【請求項22】
前記視力障害が網膜の損傷によって引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記損傷が、網膜への血流の妨害または斑の破壊によって引き起こされる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、化学療法剤誘発型神経障害を処置または予防するための方法。
【請求項25】
前記化学療法剤が、ビンカアルカロイドまたはシスプラチンを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、虚血性の事象または疾患に関連する神経障害を処置または予防するための方法。
【請求項27】
前記虚血性の事象が、脳卒中、冠性心疾患(鬱血性心不全または心筋梗塞を含む)、脳卒中、気腫、出血性ショック、不整脈(例えば、心房性細動)、末梢血管疾患または移植関連損傷である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、ポリグルタミン病を処置または予防するための方法。
【請求項29】
前記ポリグルタミン病が、脊髄延髄筋萎縮(ケネディ病)、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(ハウリバー症候群)、脊髄小脳性運動失調症1型、脊髄小脳性運動失調症2型、脊髄小脳性運失調3型(マチャド−ジョセフ病)、脊髄小脳性運動失調症6型、脊髄小脳性運動失調症7型、または脊髄小脳性運動失調症型17である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
さらに、治療有効量のHDAC I/II阻害剤を投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
被験体において、治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、ミトコンドリア活性の増大から利益を受ける疾患または障害の処置方法。
【請求項32】
さらに、前記被験体に、ビタミン、補因子または抗酸化剤の1種類以上を投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
さらに、前記被験体に、コエンザイムQ10、L−カルニチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシンアミド、葉酸塩、ビタミンE、セレン、リポ酸またはプレドニゾンの1種類以上を投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記被験体に、前記疾患または障害の症状を緩和する1種類以上の薬剤を投与することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記薬剤が、発作、神経障害性疼痛または心機能不全を緩和する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記障害が、ミトコンドリア活性を低下させる医薬用薬剤の投与と関連している、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記医薬用薬剤が、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、またはジヒドロオロト酸デヒトロゲナーゼの阻害剤(DHOD)である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、運動能力もしくは筋持久力の増強、疲労低減、または疲労からの回復の増進のための方法。
【請求項39】
前記被験体が運動選手である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記疲労が化学療法剤の投与と関連している、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、運動能力または筋持久力が低下した状態を処置または予防するための方法。
【請求項42】
前記状態が、筋ジストロフィー、神経筋障害、マッカードル病、重症筋無力症、筋肉損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、または加齢性筋肉減弱症である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、低酸素症または虚血と関連している筋肉組織の損傷を処置または予防するための方法。
【請求項44】
治療有効量の少なくとも1種類のCLK阻害化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体において筋肉ATPレベルを増加させるための方法。
【請求項45】
前記方法が、選択的、非正常、異常または望ましくないスプライシングと関連する疾患または障害を処置または予防することに関与するものではない、請求項1〜44いずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記方法が、以下の疾患または障害:β−サラセミア、FTDP−17、NF2、FRASIER、ウィルムス腫、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、肺癌、尿路上皮癌、胃癌、甲状腺乳頭癌、HNSCC、浸潤性乳癌、骨巨細胞腫、前立腺癌、黒色腫、リンパ腫、口腔癌、咽頭癌、早老症、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、脊髄小脳性運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)ならびに癲癇、進行性核上性麻痺、およびピック病の1つ以上を処置または予防することに関与するものではない、請求項1〜45いずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
さらに、前記被験体に少なくとも1種類のサーチュイン活性化化合物を投与することを含む、請求項1〜44いずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記サーチュイン活性化化合物が、レスベラトロール、ブテイン、フィセチン、ピセアタンノール、ケルセチンおよびニコチンアミドリボシドからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記CLK阻害化合物がTG0003である、請求項1〜48いずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記CLK阻害化合物がサーチュインタンパク質および/またはPGC−1αのCLK関連リン酸化を低減させる、請求項1〜49いずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記CLK阻害化合物が、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、アプタマーまたは抗体である、請求項1〜44いずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記CLK阻害化合物が少なくとも1種類のヒトCLKタンパク質の阻害剤である、請求項1〜44いずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記ヒトCLKタンパク質が、hCLK1、hCLK2、hCLK3および/またはhCLK4の1種類以上である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ヒトCLKタンパク質がhCLK2である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
(i)治療有効量の少なくとも1種類のCLK活性化化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、あるいは(ii)CLKタンパク質の過剰発現を促進するポリヌクレオチドを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体において癌を処置または予防するための方法。
【請求項56】
さらに、前記被験体に化学療法剤を投与することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
(i)治療有効量の少なくとも1種類のCLK活性化化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、あるいは(ii)CLKタンパク質の過剰発現を促進するポリヌクレオチドを、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体において体重増加を刺激するための方法。
【請求項58】
細胞の放射線感受性または化学的感受性を増大させるための方法であって、該方法は、
(i)該細胞を少なくとも1種類のCLK活性化化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと接触させる工程、あるいは
(ii)該細胞内に、CLKタンパク質の過剰発現を促進するポリヌクレオチドを導入する工程を含む、方法。
【請求項59】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記化合物が、サーチュインタンパク質および/またはPGC−1αのCLK関連リン酸化を促進する、請求項55〜59いずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリヌクレオチドが、CLKタンパク質またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列を含む発現ベクターである、請求項55〜59いずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記発現ベクターが、哺乳動物のCLKタンパク質またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記発現ベクターが、ヒトCLKタンパク質またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記発現ベクターが、hCLK1、hCLK2、hCLK3もしくはhCLK4、または前述のもののいずれかの生物学的に活性な断片をコードする核酸配列を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記CLK活性化化合物が、少なくとも1種類のヒトCLKタンパク質のアクチベータである、請求項55〜59いずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記ヒトCLKタンパク質が、hCLK1、hCLK2、hCLK3および/またはhCLK4の1種類以上である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ヒトCLKタンパク質がhCLK2である、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
さらに、前記被験体に、少なくとも1種類のサーチュイン阻害化合物を投与することを含む、請求項55〜68いずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記サーチュイン阻害化合物が、ニコチンアミド、サーチノールおよびスプリトミシンからなる群より選択される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
少なくとも1種類のCLK阻害化合物および少なくとも1種類のサーチュイン活性化化合物を含む組成物。
【請求項71】
前記CLK阻害化合物がTG003である、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記サーチュイン活性化化合物が、レスベラトロール、ブテイン、フィセチン、ピセアタンノール、ケルセチンおよびニコチンアミドリボシドからなる群より選択される、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
少なくとも1種類のCLK活性化化合物および少なくとも1種類のサーチュイン阻害化合物を含む組成物。
【請求項74】
前記サーチュイン阻害化合物が、ニコチンアミド、サーチノールおよびスプリトミシンからなる群より選択される、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
さらに、薬学的に許容され得る担体を含む請求項70〜74いずれか1項に記載の組成物。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図17−3】
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【図17−4】
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【図17−5】
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【図17−6】
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【図17−7】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2009−521408(P2009−521408A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543502(P2008−543502)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/046058
【国際公開番号】WO2007/102861
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(507239341)サートリス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (32)
【出願人】(593072783)ザ ジョーンズ ホプキンズ ユニバーシティ (6)
【氏名又は名称原語表記】THE JOHNS HOPKINS UNIVERSITY
【Fターム(参考)】