説明

DCバイアスを要しない電気光学スイッチング装置

【課題】 電気光学スイッチのON/OFFスイッチングの制御を改善する。
【解決手段】 電気光学減衰器/スイッチについて、OFF状態である最大減衰レベルは、第1制御電圧又は第2制御電圧のいずれかが制御入力に印加されるときに生じる。制御入力に結合されるAC発生器は、それぞれ、第1制御電圧及び第2制御電圧に対応する最小ピーク電圧及び最大ピーク電圧を生成し、それによって、最小ピーク電圧及び最大ピーク電圧のいずれかが制御入力に印加される間、電気光学減衰器によって、切り換えられる光ビームの最大減衰レベルが提供される。ON状態は、最小減衰レベルに対応する大きさを有する電圧パルスを導入することによって達成される。ON電圧パルスは、方形波に付加される。これは、電気光学スイッチを、DCバイアス電圧を必要とすることなく、ノーマリOFF状態で動作させることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光スイッチに関し、より詳細には、電気光学スイッチのON/OFFスイッチングの制御に関する。
関連出願の相互参照
本願は、本願と同一譲受人に譲渡された以下の出願に関連する主題を含む。以下に挙げる出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される:Dr デイビットB.ホール(Dr. David B. Hall)による、本願と同時に提出された「ON/OFF OPTICAL SWITCHING USING COMBINED ACOUSTO-OPTIC AND ELECTRO-OPTIC SWITCHES」。
【背景技術】
【0002】
電気光学スイッチは、レーザ光ビームが、オン(ON)状態/オフ(OFF)状態の間で切り換えられる種々のアプリケーションに使用される。たとえば、電気通信システムで利用される電気光学スイッチは、通常、制御入力に、バイアスDC電圧、たとえば、−2ボルトを印加することによって、OFF状態に維持され、制御入力に+2ボルトが印加されるようにすることによって、最大光伝送状態(ON)に切り換えられる。これは、−2ボルトDCバイアスに+4ボルトパルスを付加することによって達成することができる。こうした電気光学スイッチは、一般に、こうしたアプリケーションでは効果的であることがわかっている。
【0003】
問題は、スイッチをノーマリOFF状態に保つために必要な、印加されるDCバイアスのドリフトに関連する。光スイッチ内の電荷移動(マイグレーション)作用は、所定時間及び/又は温度にわたってこのドリフトを引き起こす。適切なDCバイアス電圧を維持することができないと、電気光学スイッチが完全にOFFでなくなる、すなわち、スイッチが提供することができる最大減衰が得られなくなる。これは、ONとOFFの信号比の減少をもたらし、OFF状態の間に、スイッチを通過するブリードスルー光の量を増加させる。したがって、この問題を最小にする電気光学スイッチの制御の改善に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題を実質的に解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一実施態様において、或る装置を包含する。装置は、光ビームの制御可能な減衰を提供する電気光学減衰器(スイッチ)を含む。電気光学減衰器は、制御入力を有し、第1制御電圧又は第2制御電圧のいずれかが制御入力に印加されるときに生じる最大減衰レベルを有する。制御入力のドライバはAC発生器を含み、該AC発生器は、それぞれ、第1制御電圧及び第2制御電圧に対応する最小ピーク電圧及び最大ピーク電圧を生成し、それによって、最小ピーク電圧及び最大ピーク電圧のいずれかが制御入力に印加される間、電気光学減衰器によって、最大減衰レベルが提供されるようにする。これは、DCバイアス電圧を制御入力に提供するDC電圧源を必要とすることなく、電気光学スイッチを、通常状態として最大OFF状態に保つ。
【0006】
本発明の別の実施態様は、制御入力を有する電気光学スイッチを制御し、光ビームをON状態とOFF状態との間で切り換える方法を包含する。ON状態又はOFF状態は、第1制御電圧又は第2制御電圧のいずれかが制御入力に印加されるときに生じ、他方の状態は、第1電圧又は第2電圧と異なる第3制御電圧が制御入力に印加されるときに生じる。
【0007】
本発明の例示的な実施態様の特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の態様の1つは、電気光学スイッチをノーマリON状態か、ノーマリOFF状態のいずれかに維持するために、通常使用されるDCバイアス電圧を置換するのに、適切なピーク−ピーク電圧を有するAC波形を使用することができるということの認識にある。以下で説明するように、DC電圧源によって供給されるバイアス電圧の使用を必要とすることなく、電気光学スイッチのノーマリ最大OFF(ヌル)状態を提供するために、EOドライバは、適切なピーク−ピーク電圧を有する方形波発生器を含むことができる。
【0009】
図1は、レーザなどの光源10が、ON/OFFスイッチ14によってスイッチングする(切り換える)光ビーム12を生成する例示的なセンサシステムを示す。切り換えられた光ビーム出力16は、増幅器18によって増幅され、センサアレイ22への入力光ビームとして伝送される。センサアレイ22は、たとえば、光の入力パルスに応答して時分割多重化出力を提供するために一緒に結合される複数の干渉計を備えることができる。センサアレイ22の出力24は、センサアレイからTDMパルスのそれぞれに対して符号化された情報を復号する光受信機26に結合される。このシステムは、本発明によるON/OFFスイッチの一実施形態を組み込むのに適した例として提供されるが、他の種々のアプリケーション及び用途が存在することは明らかである。
【0010】
図2は、光スイッチ14の例示的な実施形態である。到来する光ビーム12は、直列の2つの光スイッチによって切り換えられ、切り換えられた出力光ビーム16が生じる。この例では、電気光学(EO)スイッチ32は、光ビーム12のON/OFF切り換え機能を提供し、音響光学(AO)スイッチ36への入力として結合される、切り換えられた出力光ビーム34を生成する。音響光学スイッチ36はまた、ON/OFF切り換え機能を提供し、切り換えられた出力光ビーム16を生成する。それぞれが、同期してON及びOFFに切り換えられる状態の、直列の2つの光スイッチを使用する理由は、OFF状態の間に達成可能な最大減衰を増加させるためである。共にOFF状態であるときのスイッチ32及び36によって提供される減衰の合計は、それぞれのスイッチによって提供される減衰の積である。
【0011】
コントローラ38は、入力40上でクロック情報を受け取り、クロック情報は、動作周波数を規定する周期的な時間フレームを提供する。図示例では、スイッチ14は、周期的な時間フレームに従ってONに切り換わり、対応する光パルス系列を提供し、光パルスの継続時間は、光パルス間の継続時間に比較して相対的に短い。コントローラ38は、出力42をEOドライバ44に、出力46をAOドライバ48に提供する。AOスイッチ36は、ブリムローズ社(Brimrose Company)製などの、規格品として市販されている部品で構成し、EOスイッチ32は、同様に、JDSユニフェーズ社(JDS Uniphase Company)製などの、規格品として市販されている部品で構成してもよい。スイッチ自体と一体化されてもよい、AOドライバ48は、AOスイッチ用の既知の駆動構成を備えてもよく、対応するOFF及びON状態を規定するための、公称のTTL出力電圧状態を要求することも可能である。図3に関連して説明するように、EOスイッチ32は、入力端子を有し、入力端子は、印加された制御電圧に応答して、スイッチが、対応する減衰レベルを提供するようにさせる。
【0012】
本発明による例示的なEOドライバ44は、好ましくは、方形波信号発生器を含み、方形波のピーク電圧振幅は、それぞれがEOスイッチの最大OFF状態に関連する、異なる第1電圧及び第2電圧に対応する。もちろん、第1電圧及び第2電圧は、EOスイッチを、ノーマリOFF状態の代わりに、ノーマリON状態に維持することが望まれる場合、EOスイッチの最大ON状態にそれぞれ関連させることができることは、当業者には理解されるであろう。EOドライバ44は、スイッチのON状態に対応する電圧パルスを生成する能力をさらに含み、この電圧パルスの大きさは、スイッチの最大ON状態に対応する。EOスイッチは、ONパルス時間の継続時間に適合する周波数/時間フレームを有するように選択された従来の方形波電圧発生器を備えてもよい。たとえば、0.2マイクロ秒(μs)のONパルス継続時間で、10μsの期間がONパルス間にある場合、方形波の周期/周波数は、10μs(100kHz)、あるいは、50又は25kHzなどの、100の何らかの約数であるように選択することができる。
【0013】
図3は、電気光学スイッチの例示的な制御関数のグラフを示し、スイッチを通過する光の強度は、制御入力電圧の関数60として示される。この例示的なグラフでは、縦軸は、光強度を表し、ゼロの光強度は、最大減衰を示す、すなわち、最小の光がスイッチを通過する、また、1の光強度は、最小減衰を示す、すなわち、最大の光がスイッチを通過する。横軸上に示す制御電圧の連続体は、EOスイッチを通過する光の減衰が、電圧の関数としてどのように制御されるかを示す。図示例では、最大減衰は、−1.8Vの制御電圧及び+5.4Vの制御電圧に応答して起こる。スイッチを通る最大光伝送に対応する最小減衰は、+1.8Vの制御電圧で起こる。この図示例では、3.6ボルトの差が、OFF状態とON状態との間に存在し、既存の制御電圧にプラス又はマイナス7.2Vを印加すると、EOスイッチの同じ減衰状態がもたらされることになる。そのため、方形波発生器は、−1.8V及び+5.4Vのピーク電圧がEOスイッチに対する制御電圧として印加されると、両方のピーク電圧についてスイッチをOFF状態にすることになる。すなわち、ピーク電圧間の遷移時間が、方形波発生器について無視できると仮定すると、EOスイッチは、こうした制御電圧波形を印加することによって、ノーマリOFF状態に維持されることになる。
【0014】
ON/OFF電気光学スイッチは、光伝送状態を最小から最大へ移動させる半波電圧Vπを特徴とする。2倍のVπは、スイッチを、或る最小から隣接する最小へ移動させる。一般に、2倍のVπは、スイッチを、任意の遷移状態から同じ遷移状態へ移動させる。したがって、2倍のVπのピーク−ピーク振幅を有する方形波によって駆動される電気光学スイッチは、一定の光出力を有する。
【0015】
デューティサイクルαは、0〜1の間の範囲にすることができ、上方電圧V+Vπで費やした時間部分を表し、1−αは、下方電圧V−Vπで費やしたとき間部分を表す。AC結合は、時間平均された電圧がゼロであることを意味するため、以下の式は、こうしたデューティサイクルを記述する。
(1) α(V+Vπ)+(1−α)(V−Vπ)=0
式(1)に対する解は、
(2)上方電圧: V+Vπ=2(1−α)Vπ
(3)下方電圧: V−Vπ=2αVπ
である。
【0016】
式(2)、(3)からわかるように、50−50デューティサイクル、たとえば、α=0.5は、+Vπの上方電圧及び−Vπの下方電圧を与える。デューティサイクルαは0から1に変わるため、上方電圧レベルは、2Vπからゼロに変わり、下方電圧レベルは、ゼロから−2Vπに変わる。
【0017】
内蔵式光学バイアスVOBによる、電圧Uの関数としての、干渉計スイッチのレイズドコサイン(raised cosine)出力応答は、以下の式で与えられる。
(4) I(U)=0.5I+0.5Icos[(π/Vπ)(U+VOB)]
電圧Uを、上方電圧レベルV+Vπ又は下方電圧レベルV−Vπのいずれかに設定すると、以下の式が得られる。
(5) I=0.5I−0.5Icos[(π/Vπ)(V+VOB)]
I=0.5I−0.5Icos[(π/Vπ)(Vπ+VOB−2αVπ)]
光スイッチ出力をゼロに設定するように、デューティサイクルαを調整することによって、以下のようになる。
(6) α=(0.5/Vπ)(Vπ+VOB
図4は、約100kHzのレートで0.2マイクロ秒(T3)続くON状態か、又は、10マイクロ秒(T1)ごとの1つのON状態パルスを有する電気光学スイッチ32についての例示的な波形70のグラフである。こうしたアプリケーションの場合、可変デューティサイクルを有するAC方形波の周波数は、100kHz、あるいは、50kHz又は25kHzなどの約数に設定することができる。100kHz方形波の場合、ON状態パルスは、方形波サイクルごとに1回起こり、50kHz方形波の場合、2つの方形波サイクルごとに1回起こる。例示するデューティサイクルは25%、すなわち、T2=2.5マイクロ秒に対してT1=10マイクロ秒である。
【0018】
方形波上の上方電圧V+Vπは、1つのOFF状態に対応し、下方電圧V−Vπは、隣接するOFF状態に対応する。中央点電圧Vは最大ON状態に対応する。ON状態パルスは、下方電圧V−VπからのVπの電圧変位によって生成される。別法として、ON状態パルスは、上方電圧V+Vπからの−Vπの電圧変位によって生成されることができる。式(1)は、ON状態パルスを考慮して修正され、デューティサイクルαにわずかのシフトを生じる。
【0019】
デューティサイクルαが、V+Vπで費やした時間部分であり、βがVで費やした時間部分であり、1−α−βがV−Vπで費やした時間部分であるとすると、以下の式が得られる。
(7) α(V+Vπ)+(1−α−β)(V−Vπ)+βV=0
式(7)に対する解は、以下のようになる。
(8)上方電圧 V+Vπ=2(1−α)Vπ−βVπ
(9)中央点電圧 V=(1−2α)Vπ−βVπ
(10)下方電圧 V−Vπ=−2αVπ−βVπ
式(5)及び(9)から、OFF状態をゼロに、ON状態をピーク値に設定するのに必要とされる光学バイアスは、次のようになる。
(11) VOB=−V=(2α−1)Vπ+βVπ
式(11)は、付加的な項βVπが存在する点のみが式(6)と異なる。そのため、VOBは、ONパルスT3の存在によってごくわずかの量(2α−1+β)/(2α−1)だけ変わる。25%のデューティサイクル(α=0.25)とT3=2%(β=0.02)と3.6ボルトの半波電圧Vπの場合、VOB=−1.728ボルトである、すなわち、ONパルスは、光学バイアス電圧をほんの0.072ボルトだけ変化させることになる。
【0020】
図5は、本発明によるEOドライバの一実施形態の例示的な図である。方形波信号発生器80は、EOスイッチのノーマリOFF状態を確立するために、本発明に従って設定された所定のピーク電圧を有する。信号発生器82は、EOスイッチの最大ON状態を確立するために、本発明に従って設定された所定の大きさを有する0.2μsパルスを生成する。コントローラ38から提供されるクロック入力は、発生器80及び82のための同期を提供する。発生器82の出力は、発生器80の出力と加算するために、ダイオード84を通して接続される。図4に示すような、結果として得られる波形は、コンデンサ86を通して出力88に結合され、出力88は、EOスイッチの入力制御端子に結合される。コンデンサ92と直列の抵抗器90が出力88とグランドとの間に結合される。
【0021】
本発明は、種々のアプリケーションに適している。一般に、同じ状態を規定する2つ以上の制御レベルを有する任意のタイプの電気光学減衰器/スイッチは、スイッチを所与の状態に通常維持するためにDCバイアス電圧を利用する必要がないことによって利益を得ることができる。本明細書で説明する例示的な実施形態は、ノーマリOFF状態で動作し、ON状態に切り換わる。別法として、電気光学スイッチはまた、隣接するON状態に対応する、AC波形用の適切な上方電圧レベル及び下方電圧レベルを選択することによって、ノーマリONモードで動作することができる。
【0022】
光スイッチングデバイスはON/OFFモードと対照的に減衰モードで動作することができることが、当業者に明らかであろう。こうした減衰用途は、変調器用などの必要とされるアプリケーションにとって有利である場合がある。こうしたアプリケーションでは、光スイッチングデバイスは、光ビームの減衰が、最大減衰レベル(OFF状態)又は最小減衰レベル(ON状態)以外になるように、動作させることができる。変調器として作用するこうした減衰器は、OFF状態、ON状態、又は中間状態で通常動作し、制御信号に比例して減衰レベルに種々の変化を生じさせることができ、それによって、制御信号による光ビームの振幅(強度)変調が達成される。光スイッチングデバイスがたとえ変調器として動作しても、DCバイアス電圧源を必要とすることなく、規定した通常状態を確立し、維持するために、AC波形を利用することによって、安定性の利益を得ることができる。
【0023】
別個のAC発生器80とAC信号源82が示されるが、出力は、単一電圧発生器によって生成できることは、理解されるであろう。必要とされる機能を果たすために、EOドライバの他のハードウェア及びソフトウェアベースの実施態様を利用することができる。ON/OFFスイッチの1つ又は複数は、必要とされるアプリケーションに応じて利用することができる。図2に示す例では、OFF状態で、より大きな減衰を達成するために、2つのスイッチは直列に接続される。より大きなOFF減衰レベルを生成するために、複数のEOスイッチを直列に接続することもできる。
【0024】
本発明の例示的な実施態様を、本明細書に詳細に示すとともに、説明したが、本発明の精神から逸脱することなく、種々の修正、付加、置換などを行うことができ、したがって、それらは、特許請求の範囲に規定される発明の範囲内に含まれることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による光ON/OFFスイッチを採用する例示的なセンサシステムのブロック図である。
【図2】本発明による電気光学スイッチを含む例示的な光スイッチのブロック図である。
【図3】制御電圧の関数としての相対的な光伝送を示す電気光学スイッチの例示的な特性のグラフである。
【図4】本発明による電気光学スイッチを制御するのに適した例示的な電圧波形のグラフである。
【図5】本発明による例示的なEOドライバの回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームをスイッチングする装置であって、
前記光ビームの制御された減衰を提供するように適応され、制御入力を有し、ON状態及びOFF状態を有する電気光学減衰器であって、前記ON状態及びOFF状態の一方は、第1又は第2のいずれかの制御電圧が前記制御入力に印加されるときに生じ、前記第1制御電圧及び前記第2制御電圧は異なる電圧であり、前記ON状態及び前記OFF状態の他方は、第3制御電圧が前記制御入力に印加されるときに生じる、電気光学減衰器と、
前記制御入力に結合し、第1電圧、第2電圧、及び第3電圧を生成する電圧発生器であって、前記第1電圧又は前記第2電圧のいずれかが前記制御入力に印加される間に、前記ON状態及び前記OFF状態の前記一方が、前記電気光学減衰器によって提供されるように、前記第1電圧及び前記第2電圧は、それぞれ、前記第1制御電圧及び前記第2制御電圧に実質上等しく、前記第3電圧は、前記第3制御電圧に実質上等しく、前記制御入力に印加される前記第3電圧が、前記ON状態及び前記OFF状態の前記他方にする、電圧発生器と、
を備えた光ビームスイッチング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ビームスイッチング装置において、前記電圧発生器は方形波出力電圧を生成する、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ビームスイッチング装置において、前記電圧発生器は、前記電気光学減衰器が、前記制御入力に結合したDCバイアス源を使用することなく、前記ON状態及び前記OFF状態の前記一方になるようにさせる、装置。
【請求項4】
請求項1記載の光スイッチング装置において、前記電圧発生器は、或る時間フレーム内で、対応する第1時間間隔、第2時間間隔、及び第3時間間隔の間、前記第1電圧、前記第2電圧、及び前記第3電圧を生成し、前記時間フレームと比較した前記第1時間間隔のパーセンテージを前記第1電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第2時間間隔のパーセンテージを前記第2電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第3時間間隔のパーセンテージを前記第3電圧に乗じた値との和は、実質上ゼロに等しい、装置。
【請求項5】
請求項1記載の光スイッチング装置において、前記電気光学減衰器は、Vπの半波電圧及び内蔵式光学バイアスVOBを有し、前記電圧発生器は、式(11)に従って選択されるデューティサイクルαを有する、装置。
【請求項6】
請求項1記載の光スイッチング装置において、前記一方の状態はOFFであり、前記他方の状態はONである、装置。
【請求項7】
請求項4記載の光スイッチング装置において、前記電圧発生器は、前記電気光学減衰器の前記制御入力に前記時間フレームの反復列を提供する、装置。
【請求項8】
請求項1記載の光スイッチング装置において、前記電気光学減衰器と直列に結合され、同じON状態及びOFF状態になるように前記電気光学減衰器と同期して切り換えられる少なくとも1つの付加的な光ビーム減衰器をさらに備える、装置。
【請求項9】
光ビームの制御可能なON及びOFFスイッチングを提供する光スイッチング装置であって、
制御入力と、OFF状態(最大第1減衰レベル)であって、第1制御電圧と第2制御電圧は異なり、前記第1制御電圧又は第2制御電圧のいずれかが前記制御入力に印加されるときに生じるOFF状態と、第3制御電圧が前記制御入力に印加されるときに生じるON状態と、を有する電気光学スイッチと、
前記制御入力に結合され、それぞれ、第1制御電圧及び第2制御電圧に実質上等しい最小電圧及び最大電圧を生成し、それによって、前記最小ピーク電圧及び前記最大ピーク電圧のいずれかが、前記制御入力に印加される間に、前記光ビームの前記第1減衰レベルが前記電気光学スイッチによって提供されるようにする電圧発生器であって、前記第3制御電圧に実質上等しい中間電圧を生成し、前記制御入力に印加される前記中間電圧が、前記ON状態をもたらす、電圧発生器と、
を備えた光スイッチング装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光スイッチング装置において、前記電圧発生器は方形波出力電圧を生成する、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光スイッチング装置において、前記電圧発生器は、前記電気光学減衰器を、前記制御入力に結合するDCバイアス源を使用することなく、前記OFF状態にさせる、装置。
【請求項12】
請求項9に記載の光スイッチング装置において、前記電気光学スイッチは、Vπの半波電圧及び内蔵式光学バイアスVOBを有し、前記電圧発生器は、式(6)に従って選択されるデューティサイクルαを有する、装置。
【請求項13】
請求項9に記載の光スイッチング装置において、前記電圧発生器は、或る時間フレーム内で、対応する第1時間間隔、第2時間間隔、及び第3時間間隔の間、前記最小電圧、前記最大電圧、及び前記中間電圧を生成し、前記時間フレームと比較した前記第1時間間隔のパーセンテージを前記最小電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第2時間間隔のパーセンテージを前記最大電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第3時間間隔のパーセンテージを前記中間電圧に乗じた値との和は、実質上ゼロに等しい、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の光スイッチング装置において、制御入力電圧の周期的フレームは、前記最大電圧レベルの継続時間、前記最小電圧レベルの継続時間、及び前記中間電圧レベルの継続時間の和からなり、該累積和は各周期的フレームの時間の100%である、装置。
【請求項15】
請求項9に記載の光スイッチング装置において、制御入力電圧の周期的フレームは、前記最大電圧レベルの継続時間、前記最小電圧レベルの継続時間、及び前記中間電圧レベルの継続時間の和からなり、該累積和は各周期的フレームの時間の100%である、装置。
【請求項16】
制御入力を有し、ON状態とOFF状態との間で光ビームを切り換えるように適応される電気光学スイッチを制御する方法であって、
それぞれ、第1制御電圧及び第2制御電圧に対応する所定の上方電圧レベル及び下方電圧レベルを有する3つのレベルの電圧出力を生成するステップであって、前記ON状態及び前記OFF状態の一方は、前記第1制御電圧又は前記第2制御電圧のいずれかが前記制御入力に印加されるときに生じ、前記3つのレベルの電圧出力は、第3制御電圧に対応する中間電圧レベルを有し、前記ON状態及び前記OFF状態の他方は、前記第3制御電圧が前記制御入力に印加されるときに生じる、ステップと、
前記電気光学スイッチを、通常、前記一方の状態に維持するために、前記上方電圧レベル及び前記下方電圧レベルのいずれかが前記制御入力に印加される間に、前記一方の状態が前記電気光学スイッチによって提供されるように、前記3つのレベルの電圧出力を前記制御入力に結合するステップであって、前記一方の状態は、通常、前記制御入力に対するDC電圧の印加を必要とすることなく前記出力に応答して維持され、前記他方の状態は、前記中間電圧レベルが前記制御入力に印加される間に、前記電気光学スイッチによって提供される、ステップと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記生成するステップは、或る時間フレーム内で、対応する第1時間間隔、第2時間間隔、及び第3時間間隔の間、前記最小電圧、前記最大電圧、及び前記中間電圧を有する前記3つのレベルの電圧出力を生成し、前記時間フレームと比較した前記第1時間間隔のパーセンテージを前記最小電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第2時間間隔のパーセンテージを前記最大電圧に乗じた値と、前記時間フレームと比較した前記第3時間間隔のパーセンテージを前記中間電圧に乗じた値との和は、実質上ゼロに等しい、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、3つのレベルの電圧出力の反復フレーム列の1つのフレームは、継続時間Tを有し、前記最大電圧レベルの継続時間、前記最小電圧レベルの継続時間、及び前記中間電圧レベルの継続時間の和はTの100%に等しい、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、3つのレベルの電圧出力の反復フレーム列の1つのフレームは、継続時間Tを有し、前記最大電圧レベルの継続時間、前記最小電圧レベルの継続時間、及び前記中間電圧レベルの継続時間の和はTの100%に等しい、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−259741(P2006−259741A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73864(P2006−73864)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(503123152)ノースロップ・グラマン・コーポレーション (31)
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN CORPORATION
【Fターム(参考)】