説明

DCDCコンバータ及びDCDCコンバータの制御方法

【課題】 DCDCコンバータにおいて、力行から回生への切換、又は回生から力行への切換を簡単に行うこと。
【解決手段】 トランスの1次側に電圧形電力変換器を、トランスの2次側に電流形電力変換器を備えたDCDCコンバータを構成する。制御器は、電圧形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて第1の操作量を生成し、電流形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて第2の操作量を生成し、更に、第1の操作量及び第2の操作量並びに電流形電力変換器又は電圧形電力変換器の入出力端の入出力電流に基づいてPWM制御又はPFM制御のための指令値を生成する。そして、制御器は、この指令値に基づいて、前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDCDCコンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動機などに対して力行と回生を行う場合や、蓄電池の充放電を行う場合などに、双方向DCDCコンバータが用いられることがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−35675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の双方向DCDCコンバータでは、力行から回生への切換、又は回生から力行への切換を簡単に行うことができなかった。また、力行の制御と回生の双方の制御を行う必要があるため、制御系が複雑化する等の問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、力行から回生への切換、又は回生から力行への切換を簡単に行うことができるDCDCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る第1のDCDCコンバータによれば、電動機を駆動するインバータと蓄電池との間に接続されるDCDCコンバータであって、前記DCDCコンバータは、トランスと、前記トランスの1次側に構成された電圧形電力変換器と、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記トランスの2次側に構成された電流形電力変換器と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第2の電圧検出回路と、前記電流形電力変換器の入出力端の入出力電流を検出する電流検出回路と、前記トランスの1次側から2次側への電力変換及び2次側から1次側への電力変換における前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御する制御器とを備え、前記電圧形電力変換器の入出力端は前記インバータに接続され、前記電流形電力変換器の入出力端は前記蓄電池に接続され、前記制御器は、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第1の操作量を生成する第1の制御系と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第2の操作量を生成する第2の制御系と、前記第1の操作量及び前記第2の操作量並びに前記入出力電流に基づいてPWM制御のための指令値を生成する第3の制御系とを備え、前記指令値に基づいて前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御し、前記第1の制御系で生成される操作量Q1を制限する範囲は、前記蓄電池への充電電流の最大値をI1、前記蓄電池からの放電電流の最大値をI2としたときに、−I2≦Q1≦I1を満たすように設定され、前記第2の制御系で生成される操作量Q2を制限する範囲は、Q2=0を満たすように設定されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第2のDCDCコンバータによれば、電動機を駆動するインバータと蓄電池との間に接続されるDCDCコンバータであって、前記DCDCコンバータは、トランスと、前記トランスの1次側に構成された電圧形電力変換器と、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記トランスの2次側に構成された電流形電力変換器と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第2の電圧検出回路と、前記電流形電力変換器の入出力端の入出力電流を検出する電流検出回路と、前記トランスの1次側から2次側への電力変換及び2次側から1次側への電力変換における前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御する制御器とを備え、前記電圧形電力変換器の入出力端は前記インバータに接続され、前記電流形電力変換器の入出力端は前記蓄電池に接続され、前記制御器は、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第1の操作量を生成する第1の制御系と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第2の操作量を生成する第2の制御系と、前記第1の操作量及び前記第2の操作量並びに前記入出力電流に基づいてPFM制御のための指令値を生成する第3の制御系とを備え、前記指令値に基づいて前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御し、前記第1の制御系で生成される操作量Q1を制限する範囲は、前記蓄電池への充電電流の最大値をI1、前記蓄電池からの放電電流の最大値をI2としたときに、−I2≦Q1≦I1を満たすように設定され、前記第2の制御系で生成される操作量Q2を制限する範囲は、Q2=0を満たすように設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、力行から回生への切換、又は回生から力行への切換を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の電流形電力変換器2および電圧形電力変換器4の概略構成を示す回路図である。
【図3】図3は、図1の制御器5の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1のゲート駆動信号S1、S2、Sa〜Sdの波形を示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の第4実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図1のDCDCコンバータが適用される電源系の概略構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の第5実施形態に係るDCDCコンバータに適用される電流形電力変換器62および電圧形電力変換器4の概略構成を示す回路図である。
【図10】図10は、図1のDCDCコンバータを電動機の駆動装置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御器から不感帯12を削除した場合の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係るDCDCコンバータについて図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、このDCDCコンバータには、トランス3と、トランス3の1次側に印加される電圧を制御することで電力変換を行う電圧形電力変換器4と、トランス3の2次側に流れる電流を制御することで電力変換を行う電流形電力変換器2と、電圧形電力変換器4および電流形電力変換器2を制御する制御器5が設けられている。
【0013】
トランス3の2次側から1次側への電力変換を行わせる場合、電流形電力変換器2の入出力端に入力された電流は、電流形電力変換器2により交流に変換される。この交流電流は、トランス3を介して電圧形電力変換器4に与えられる。そして、トランス3を介して電圧形電力変換器4に与えられた交流電流は、電圧形電力変換器4により直流に変換される。この直流電流は、電圧形電力変換器4の入出力端から出力される。
【0014】
トランス3の1次側から2次側への電力変換を行わせる場合、電圧形電力変換器4の入出力端から入力された直流は、電圧形電力変換器4により交流に変換される。この交流電流は、トランス3を介して電流形電力変換器2に与えられる。そして、トランス3を介して電圧形電力変換器4に与えられた交流電流は、電流形電力変換器2により直流に変換される。この直流電流は、電流形電力変換器2の入出力端から出力される。
【0015】
ここで、電流形電力変換器2の入出力端の電圧を電圧V2とし、電圧形電力変換器4の入出力端の電圧を電圧V1とし、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流を電流Iとする。尚、電流Iの値は、電流形電力変換器2の入出力端から電流が出力されるとき正の値となり、電流形電力変換器2の入出力端に電流が流れ込むとき負の値になる。制御器5は、電圧V1と電圧V2と電流Iを参照して、電流Iの増減を制御する。
【0016】
トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、電圧V1と電圧V2と電流Iを参照して、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流(I)の増減を制御する。例えば、電圧V2を上昇させたい場合又は電圧V1を降下させたい場合は、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流(I)を増加させるように電流形電力変換器2と電圧形電力変換器4を制御し、電圧V2を降下させたい場合又は電圧V1を上昇させたい場合は、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流(I)を減少させるように電流形電力変換器2と電圧形電力変換器4を制御する。一方、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、電圧V1と電圧V2と電流Iを参照して、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流(−I)の増減を制御する。例えば、電圧V1を上昇させたい場合は、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流(−I)を増加させるように(負の値である電流Iの絶対値が大きくなるように)電流形電力変換器2と電圧形電力変換器4を制御し、電圧V1を降下させたい場合は、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流(−I)を減少させるように(負の値である電流Iの絶対値が小さくなるように)電流形電力変換器2と電圧形電力変換器4を制御する。
【0017】
図2は、図1の電流形電力変換器2および電圧形電力変換器4の概略構成を示す回路図である。なお、図2の実施形態では、電流形電力変換器2としてプッシュプル構成を用い、電圧形電力変換器4としてフルブリッジ構成を用いた。
【0018】
電流形電力変換器2は、主要構成要素としてスイッチング素子Q1、Q2およびインダクタLを備えている。そして、スイッチング素子Q1はトランス3の2次巻線の一端との負極端子側との間に接続され、スイッチング素子Q2はトランス3の2次巻線の他端と負極端子側との間に接続されている。また、トランス3の2次巻線の中間タップと正極端子側との間にはインダクタLが接続されている。
【0019】
ここで、電流形電力変換器2の入出力端子は、正極端子と負極端子からなり、正極端子と負極端子との間の電圧が電圧V2に対応する。
【0020】
電圧形電力変換器4は、主要構成要素としてスイッチング素子Qa〜Qdおよび平滑コンデンサCを備えている。そして、スイッチング素子Qa、Qbは互いに直列に接続され、スイッチング素子Qc、Qdは互いに直列に接続されている。スイッチング素子Qa、Qbの直列回路とスイッチング素子Qc、Qdの直列回路とは互いに並列に接続され、スイッチング素子Qa、Qbの接続点とスイッチング素子Qc、Qdの接続点との間にはトランス3の1次巻線が接続されている。また、スイッチング素子Qa、Qbの直列回路、スイッチング素子Qc、Qdの直列回路及び平滑コンデンサCは、正極端子側と負極端子側との間に接続されている。ここで、電圧形電力変換器4の入出力端子は、正極端子と負極端子からなり、正極端子と負極端子との間の電圧が電圧V1に対応する。
【0021】
なお、スイッチング素子Q1、Q2、Qa〜Qdとしては、電界効果トランジスタを用いるようにしてもよいし、バイポーラトランジスタを用いるようにしてもよいし、IGBTを用いるようにしてもよい。また、スイッチング素子Q1、Q2、Qa〜Qdには、ボディダイオードを形成するようにしてもよい。
【0022】
図3は、図1の制御器5の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図3において、制御器5は、第1の電圧制御系101、第2の電圧制御系102および電流制御系103で構成されている。電流制御系103は、第1の電圧制御系101および第2の電圧制御系102の後段に配置されている。従って、電流制御系103には、第1の電圧制御系101から出力される出力値と第2の電圧制御系102から出力される出力値が入力される。
【0024】
第1の電圧制御系101では、減算器11の後段に不感帯12が設けられ、不感帯12の後段にCV制御器13が設けられ、CV制御器13の後段にリミッタ14が設けられている。CV制御器13は、電圧V1とその目標値であるV1_refを比較し、その比較結果に基づいて電流Iの操作量を生成し、その操作量を出力する。不感帯12は、電圧V1の変動が許容範囲内であればCV制御器13が動作しないようにするために設けられている。リミッタ14は、CV制御器13から出力される操作量の範囲を制限するために設けられている。CV制御器13から出力される操作量がリミッタ14に設定されている範囲に収まっている場合は、CV制御器13から出力される操作量が第1の電圧制御系101からそのまま出力される。一方、CV制御器13から出力される操作量がリミッタ14に設定されている範囲から外れている場合は、リミッタ14に設定されている下限値又は上限値が第1の電圧制御系101から出力される。
【0025】
第2の電圧制御系102では、減算器21の後段にCV制御器23が設けられ、CV制御器23の後段にリミッタ24が設けられている。CV制御器23は、電圧V2とその目標値であるV2_refを比較し、その比較結果に基づいて電流Iの操作量を生成し、その操作量を出力する。リミッタ24は、CV制御器23から出力される操作量の範囲を制限するために設けられている。CV制御器23から出力される操作量がリミッタ24に設定されている範囲に収まっている場合は、CV制御器23から出力される操作量が第2の電圧制御系102からそのまま出力される。一方、CV制御器23から出力される操作量がリミッタ24に設定されている範囲から外れている場合は、リミッタ24に設定されている下限値又は上限値が第2の電圧制御系102から出力される。
【0026】
電流制御系103では、加算器31の後段に加減算器32が設けられ、加減算器32の後段にCC制御器33が設けられ、CC制御器33の後段にリミッタ34が設けられている。CC制御器33は、第1の電圧制御系101から出力される操作量と第2の電圧制御系102から出力される操作量を加算した値と、電流Iを比較する。そして、その比較結果に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)制御におけるデューティ比の指令値を生成し、その指令値を出力する。リミッタ34は、CC制御器33から出力される指令値の範囲を制限するために設けられている。CC制御器33から出力される指令値がリミッタ24に設定されている範囲に収まっている場合は、CC制御器33から出力される指令値が電流制御系103からそのまま出力される。一方、CC制御器33から出力される指令値がリミッタ34に設定されている範囲から外れている場合は、リミッタ34に設定されている下限値又は上限値が電流制御系103から出力される。なお、PFM(Pulse Frequency Modulation)制御であれば、CC制御器33は、PFM(Pulse Frequency Modulation)制御における周波数の指令値を生成する。また、CC制御器33の制御パラメータは、トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合と、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合とで共通な値に設定することができる。
【0027】
トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34を以下のように設定することができる。
リミッタ14:下限値=−ΔI、上限値=ΔI
リミッタ24:下限値=0、上限値=I_ref
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ
ここで、I_refは、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流Iの目標値であり、ΔIは、所定値に設定することができる。このようにリミッタ14、24、34の範囲が設定された場合、第1の電圧制御系101、第2の電圧制御系102及び電流制御系103からの出力は次のように制限される。CV制御器13から出力される操作量がΔIよりも大きい場合は、第1の電圧制御系101から出力される操作量はΔIになり、CV制御器13から出力される操作量がΔ−Iよりも小さい場合は、第1の電圧制御系101から出力される操作量はΔ―Iになる。CV制御器23から出力される操作量がI_refよりも大きい場合は、第2の電圧制御系102から出力される操作量はI_refになり、CV制御器23から出力される操作量が0よりも小さい場合は、第1の電圧制御系101から出力される操作量は0になる。CC制御器33から出力される指令値が最大デューティ比の値より大きい場合は、電流制御系103から出力される指令値は最大デューティ比の値になり、CC制御器33から出力される指令値が0より小さい場合は、電流制御系103から出力される指令値は0になる。従って、第1の電圧制御系101から出力される操作量と第2の電圧制御系102から出力される操作量を合算した値の最大値はI_ref+ΔIになり、最小値は−ΔIになる。その結果、電流IはI_ref+ΔIと−ΔIの間で変化する。
【0028】
また、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34を以下のように設定することができる。
リミッタ14:下限値=−I_ref、上限値=0
リミッタ24:下限値=0、上限値=0
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ比
トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流を増減させる制御が行われる。電流Iの目標値は負の値になる。
【0029】
この例では、第1の電圧制御系101から出力される操作量は、−I_refから0の範囲に制限される。つまり、第1の電圧制御系101からは、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流が0からI_refの範囲で変動するような操作量が出力される。また、リミッタ24が下限値と上限値が0に設定されているため、第2の電圧制御系102から出力される操作量は常に0になる。このように、リミッタ24の設定値により第2の電圧制御系102の機能を実質的に停止させることができる。また、電流制御系103は、第1の電圧制御系101から出力される操作量と電流Iを比較し、その比較結果に基づいてデューティ比の指令値を生成する。
【0030】
上記のようにリミッタ14、24、34の設定が行われた場合の動作を説明する。まず、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合について説明する。トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、不感帯12の幅は0に設定される。減算器11は、電圧形電力変換器4の入出力端における検出電圧である電圧V1を目標値V1_refから減算した値を出力する。この減算値は、不感帯12を介してCV制御器13に入力される。CV制御器13は、この減算値が0に近づくような操作量(電圧V1が目標値V1_refに近づくような操作量)を生成する。この操作量は、リミッタ14で−I_refから0の範囲に制限された後、第1の電圧制御系101から出力される。加算器31を介して加減算器32に出力される。
【0031】
第1の電圧制御系101から出力された操作量は、加算器31を介して加減算器32に入力される。加減算器32は、加算器31の出力値と充電電流の目標値I_refとを加算し、その加算値から電流Iの検出値を減算する。この算出値は、CC制御器33に入力される。CC制御器33は、この算出値が0近づくような指令値を生成する。リミッタ34は、この指令値を0から最大デューティ比の範囲内に制限した後、デューティ指令Dutyとして出力する。
【0032】
次に、トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合について説明する。トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、リミッタ14、24の設定に従って第1の電圧制御系101と第2の電圧制御系102の双方から操作量が出力される。第1の電圧制御系101から出力される操作量は正負の値をとり得るように設定されている。
【0033】
第1の電圧制御系101の不感帯12の幅は0以上の任意の値に設定される。減算器11は、電圧V1を目標値V1_refから減算する。この減算値は不感帯12を介してCV制御器13に入力される。
【0034】
CV制御器13は、入力された減算値が0に近づくような操作量(電圧V1の検出値がレール電圧の目標値V1_refに近づくような操作量)を生成する。リミッタ14は、この操作量を−ΔIからΔIの範囲内に制限する。リミッタ14から出力された操作量は、加算器31に入力される。
【0035】
減算器21は、電流形電力変換器2の入出力端における検出電圧である電圧V2を目標値V2_refから減算する。この減算値は、CV制御器23に入力される。
【0036】
CV制御器23は、入力された減算値が0に近づくような操作量(電圧V2が目標値V2_refに近づくような操作量)を生成する。リミッタ24は、この操作量を0からI_refの範囲内に制限する。リミッタ14から出力された操作量は、加算器31に入力される。
【0037】
加算器31は、リミッタ14、24からの出力値を加算する。この加算値は加減算器32に入力される。加減算器32は、加算器31の出力値と目標値I_refとを加算し、この加算値から電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流の検出値である電流Iを減算さする。この算出値は、CC制御器33に入力される。CC制御器33は、加減算器32の出力値が0に近づくように指令値を生成する。リミッタ34は、この指令値を0から最大デューティ比の範囲内に制限した後、デューティ指令Dutyとして出力する。
【0038】
次に、デューティ指令Dutyに基づいて生成されるゲート駆動信号S1、S2、Sa〜Sdについて説明する。図2のスイッチング素子Q1、Q2は、ゲート駆動信号S1、S2により駆動され、図2のスイッチング素子Qa〜Qdは、ゲート駆動信号Sa〜Sdにより駆動される。
【0039】
図4は、図1のゲート駆動信号S1、S2、Sa〜Sdの波形を示すタイミングチャートである。ゲート駆動信号Sa〜Sdのデューティ比は、デューティ指令Dutyに基づいて設定される。そして、ゲート駆動信号Sa〜Sdのデューティ比は互いに同一になるように設定される。ここで、ゲート駆動信号Sa、Sdとゲート駆動信号Sb、Scとは、半周期分だけ位相がれている。
【0040】
ゲート駆動信号S1はゲート駆動信号Sb、Scを反転させることで生成され、ゲート駆動信号S2はゲート駆動信号Sa、Sdを反転させることで生成される。このように、デューティ指令Dutyに基づいてゲート駆動信号S1、S2、Sa〜Sdの全ての駆動信号を生成することができる。
【0041】
トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、図3の第2の電圧制御系102は電圧V2が低下すると、電圧V2を上昇させるように動作する。第1の電圧制御系101は電圧V1が低下すると、電圧V1を上昇させるように動作する。この第1の電圧制御系101と第2の電圧制御系102の動作は平行して実行される。
【0042】
このように、第1の電圧制御系101の動作と第2の電圧制御系102の動作が平行し実行されるようにしたことで、トランス3の1次側から2次側への電力変換を行っているときの電圧V1の変動を抑制することができる。例えば、電圧V1が低下したために、電圧V2が低下した場合に、電圧V2の上昇を抑えて電圧V1を上昇させることが可能になる。
【0043】
図5は、本発明の第2実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図5では、図3の電流制御系103の代わりに電流制御系104が設けられている。この電流制御系104では、加減算器32の前段にリミッタ41が設けられている。
【0045】
トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、リミッタ41は以下のように設定することができる。
リミッタ41:下限値=0、上限値=I_ref
ただし、正の値は、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流の電流値を示し、負の値は、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流の電流値を示す。
【0046】
トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、リミッタ41は以下のように設定することができる。
リミッタ41:下限値=−I_ref、上限値=0
加減算器32の前段にリミッタ41を設けることにより、加算器31の出力値を0からI_refの範囲に制限することができる。つまり、第1の電圧制御系101の動作から与えられる操作量と第2の電圧制御系102から与えられる操作量の総和が、0からI_refの範囲に制限される。
【0047】
図6は、本発明の第3実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0048】
図6では、図3の電流制御系103の代わりに電流制御系105が設けられている。この電流制御系105では、加減算器32の代わりに減算器32’が設けられている。この減算器32’では、目標値I_refの入力が省略され、加算器31の出力値から電流Iの検出値が減算される。
【0049】
この制御系では、トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34を以下のように設定することができる。
リミッタ14:下限値=−ΔI、上限値=ΔI
リミッタ24:下限値=0、上限値=I_ref
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ比
ただし、正の値は、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流の電流値を示し、負の値は、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流の電流値を示す。この場合、電流Iの範囲は、−ΔIからI_ref+ΔIの範囲になる。電流Iは、0からI_ref+ΔIの範囲では、電流形電力変換器2の入出力端から出力される電流になり、−ΔIから0の範囲では、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流になる。
【0050】
また、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34を以下のように出力を制限することができる。
リミッタ14:下限値=−I_ref、上限値=0
リミッタ24:下限値=0、上限値=0
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ比
この場合、電流Iの範囲は、−I_ref+ΔIから0の範囲になる。電流Iは、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流になる。
【0051】
図7は、本発明の第4実施形態に係るDCDCコンバータに適用される制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
図7では、図6の電流制御系105の代わりに電流制御系106が設けられている。この電流制御系106では、電流制御系105の減算器32’の前段にリミッタ41が設けられている。
【0053】
トランス3の1次側から2次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34、41を以下のように設定することができる。
リミッタ14:下限値=−ΔI、上限値=ΔI
リミッタ24:下限値=0、上限値=I_ref
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ比
リミッタ41:下限値=0、上限値=I_ref
この場合、第1の電圧制御系101の動作から与えられる操作量と第2の電圧制御系102から与えられる操作量の総和が、0からI_refの範囲に制限される。
【0054】
また、トランス3の2次側から1次側への電力変換の場合、リミッタ14、24、34、41は以下のように出力を制限することができる。
リミッタ14:最小値=−I_ref、最大値=0
リミッタ24:最小値=0、最大値=0
リミッタ34:最小値=0、最大値=最大デューティ
リミッタ41:最小値=−I_ref、最大値=0
この場合、電流Iの範囲は、−I_ref+ΔIから0の範囲になる。電流Iは、電流形電力変換器2の入出力端に流れ込む電流になる。
【0055】
図8は、図1のDCDCコンバータが適用される電源系の一例を示すブロック図である。
【0056】
図8において、交流電源51にはACDCコンバータ52を介して負荷53が接続されている。なお、負荷53としては、例えば、直流で動作する電子機器であってもよいし、直流モータであってもよい。あるいは、太陽電池であってもよいし、発電機であってもよい。
【0057】
負荷53には、DCDCコンバータ54を介して蓄電器1が接続されている。
【0058】
交流電源51から出力された交流は、ACDCコンバータ52で直流に変換され、負荷53に供給される。
【0059】
また、負荷53で発生したエネルギーを蓄電器1に蓄積する場合、DCDCコンバータ54で電圧V1が電圧V2に変換され、この電圧V2で蓄電器1が充電される。一方、交流電源51が遮断された場合、DCDCコンバータ54で電圧V2が電圧V1に変換され、この変換された電力が負荷53に供給される。
【0060】
ここで、DCDCコンバータ54として図1の構成を用いることにより、充電時に電圧V1の変動を抑制することができる。例えば、電圧V1が低下したために、電圧V2が低下した場合、電圧V2の上昇を抑えてレール電圧V1を上昇させることが可能になる。
【0061】
図9は、本発明の第5実施形態に係るDCDCコンバータに適用される電流形電力変換器62および電圧形電力変換器4の概略構成を示す回路図である。なお、図9の実施形態では、電流形電力変換器6としてフルブリッジ構成を例にとった。
【0062】
図9では、図1の電流形電力変換器2およびトランス3の代わりに電流形電力変換器62およびトランス63が設けられている。なお、その他の構成は図1と同様である。
【0063】
電流形電力変換器62は、スイッチング素子Q11〜Q14およびインダクタL2で構成されている。そして、スイッチング素子Q11、Q12は互いに直列に接続され、スイッチング素子Q13、Q14は互いに直列に接続されている。スイッチング素子Q11、Q12の直列回路とスイッチング素子Q13、Q14の直列回路とは互いに並列に接続され、スイッチング素子Q11、Q12の接続点とスイッチング素子Q13、Q14の接続点との間にはトランス63の2次巻線が接続されている。そして、スイッチング素子Q11、Q13の接続点にはインダクタL2が接続されている。
【0064】
なお、スイッチング素子Q11〜Q14としては、電界効果トランジスタを用いるようにしてもよいし、バイポーラトランジスタを用いるようにしてもよいし、IGBTを用いるようにしてもよい。また、スイッチング素子Q11〜Q14には、ボディダイオードを形成するようにしてもよい。
【0065】
このDCDCコンバータは、図4のゲート駆動信号S1でスイッチング素子Q12、Q13のゲートが駆動され、図4のゲート駆動信号S2でスイッチング素子Q11、Q14のゲートが駆動される。それ以外の動作は、図1のDCDCコンバータと同様である。
【0066】
なお、図2のプッシュプル構成の電流形電力変換器2では、電圧V2が低い時や電圧V1の変動範囲が狭い時に有効である。この電流形電力変換器2では、図9のフルブリッジ構成の電流形電力変換器62に比べて回路構成を簡単化することができる。
【0067】
一方、電圧V2が高い時や電圧V1の変動範囲が広い時は、スイッチング素子Q1、Q2の電圧ストレスが大きくなるため、図9のフルブリッジ構成の電流形電力変換器62が適している。
【0068】
また、本実施例では、電流形電力変換器2の入出力端における入出力電流を検出し、この電流に対する制御量を生成して制御を行っているが、電圧形電力変換器4の入出力端における入出力電流を検出し、この電流に対する制御量を生成して制御を行ってもよい。更に、電流形電力変換器2の入出力端から電流を出力するときには、電流形電力変換器2の入出力端における入出力電流を検出し、この電流に対する制御量を生成して制御を行い、電圧形電力変換器4の入出力端から電流を出力するときには、電圧形電力変換器4の入出力端における入出力電流を検出し、この電流に対する制御量を生成して制御を行うようにしてもよい。
【0069】
また、図1のDCDCコンバータは、図10に示したように、電動機74を駆動するインバータ73と蓄電池71との間に接続して使用することができる。この構成では、蓄電池71からの電力により電動機74を駆動する力行動作と電動機74から蓄電池71にエネルギーを回生する回生動作が行われる。
【0070】
DCDCコンバータ72は、電流形電力変換器側の入出力端子が蓄電池71に接続され、電圧形電力変換器側の入出力端子がインバータ73に接続される。力行動作における制御では、DCDCコンバータ72のインバータ73に接続されている側の入出力端子における電圧を所定の電圧値に維持しつつ、蓄電池71から流れ出す電流が所定の電流値を超えないように電圧形電力変換器と電流形電力変換器の動作が制御される。回生動作における制御では、DCDCコンバータ72のインバータ73に接続されている側の入出力端子における電圧を所定の電圧値に維持しつつ、蓄電池71に流れ込む電流が所定の電流値を超えないように電圧形電力変換器と電流形電力変換器の動作が制御される。
【0071】
このような制御は、図6の制御系を以下のように設定することにより実現できる。
リミッタ14:下限値=−I2、上限値=I1
リミッタ24:下限値=0、上限値=0
リミッタ34:下限値=0、上限値=最大デューティ比
ただし、不感帯12の幅は0に設定される。
【0072】
このように設定した場合、回生動作のときに蓄電池71に流れ込む電流の電流値は、I1まで許容される。一方、力行動作のときに蓄電池71から流れ出す電流の電流値は、I2まで許容される。従って、充電電流(蓄電池71に流れ込む電流)は0〜I1の間で変化し、放電電流(蓄電池71から流れ出す電流)は0〜I2の間で変化する。ここで、I1とI2は、蓄電池71の定格に基づいて設定される。つまり、I1は蓄電池71の最大充電電流を超えない範囲内で設定し、I2は蓄電池71の最大出力電流を超えない範囲内で設定する。
【0073】
尚、不感帯12の幅は0に設定した場合、図6の第1の電圧制御系101から不感帯12を削除するのと実質的に同じなる。つまり、図11に示したように、電圧制御系101が不感帯12を持たない第1の電圧制御系106に置き換えられるのと同等になる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のDCDCコンバータは、双方向DCDCコンバータとして利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 蓄電器
2、62 電流形電力変換器
3、63 トランス
4 電圧形電力変換器
5 制御器
L、L2 インダクタ
C 平滑コンデンサ
Q1、Q2、Qa〜Qd、Q11〜Q14 スイッチング素子
11、21、32’ 減算器
12 不感帯
13、23 CV制御器
14、24、34、41 リミッタ
31 加算器
32 加減算器
33 CC制御器
51 交流電源
52 ACDCコンバータ
53 負荷
54 DCDCコンバータ
101 第1の側電圧制御系
102 第2の電圧制御系
103〜106 電流制御系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機を駆動するインバータと蓄電池との間に接続されるDCDCコンバータであって、
前記DCDCコンバータは、
トランスと、
前記トランスの1次側に構成された電圧形電力変換器と、
前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、
前記トランスの2次側に構成された電流形電力変換器と、
前記電流形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第2の電圧検出回路と、
前記電流形電力変換器の入出力端の入出力電流を検出する電流検出回路と、
前記トランスの1次側から2次側への電力変換及び2次側から1次側への電力変換における前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御する制御器とを備え、
前記電圧形電力変換器の入出力端は前記インバータに接続され、
前記電流形電力変換器の入出力端は前記蓄電池に接続され、
前記制御器は、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第1の操作量を生成する第1の制御系と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第2の操作量を生成する第2の制御系と、前記第1の操作量及び前記第2の操作量並びに前記入出力電流に基づいてPWM制御のための指令値を生成する第3の制御系とを備え、前記指令値に基づいて前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御し、
前記第1の制御系で生成される操作量Q1を制限する範囲は、前記蓄電池への充電電流の最大値をI1、前記蓄電池からの放電電流の最大値をI2としたときに、−I2≦Q1≦I1を満たすように設定され、
前記第2の制御系で生成される操作量Q2を制限する範囲は、Q2=0を満たすように設定されることを特徴とするDCDCコンバータ。
【請求項2】
電動機を駆動するインバータと蓄電池との間に接続されるDCDCコンバータであって、
前記DCDCコンバータは、
トランスと、
前記トランスの1次側に構成された電圧形電力変換器と、
前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、
前記トランスの2次側に構成された電流形電力変換器と、
前記電流形電力変換器の入出力端の電圧を検出する第2の電圧検出回路と、
前記電流形電力変換器の入出力端の入出力電流を検出する電流検出回路と、
前記トランスの1次側から2次側への電力変換及び2次側から1次側への電力変換における前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御する制御器とを備え、
前記電圧形電力変換器の入出力端は前記インバータに接続され、
前記電流形電力変換器の入出力端は前記蓄電池に接続され、
前記制御器は、前記電圧形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第1の操作量を生成する第1の制御系と、前記電流形電力変換器の入出力端の電圧値に基づいて前記入出力電流に関する第2の操作量を生成する第2の制御系と、前記第1の操作量及び前記第2の操作量並びに前記入出力電流に基づいてPFM制御のための指令値を生成する第3の制御系とを備え、前記指令値に基づいて前記電圧形電力変換器と前記電流形電力変換器の動作を制御し、
前記第1の制御系で生成される操作量Q1を制限する範囲は、前記蓄電池への充電電流の最大値をI1、前記蓄電池からの放電電流の最大値をI2としたときに、−I2≦Q1≦I1を満たすように設定され、
前記第2の制御系で生成される操作量Q2を制限する範囲は、Q2=0を満たすように設定されることを特徴とするDCDCコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−115926(P2013−115926A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260014(P2011−260014)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】