説明

DKK−1抗体

本発明は、DKK−1による媒介が原因となる疾患の治療に有効な、ヒトDKK−1に結合しかつヒトDKK−1の活性を阻害するヒト遺伝子操作抗体、その抗原結合フラグメントを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DKK−1に対するヒト遺伝子操作抗体、および、DKK−1による媒介が原因となる疾患の治療における当該抗体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
Dickkopf−1(Dkk−1)は、標準的なWntシグナル伝達経路の負の調節因子であると示されているタンパク質のdickkopfファミリーのメンバーである。この経路は、骨の発達および形成における主要な役割を担う。Dkk−1は、WntコレセプターLRP5またはLRP6およびkremenタンパク質とDkk−1との相互作用を通じてWntシグナル伝達を阻害する。Dkk−1は、Wnt経路のメンバーをLRP5またはLRP6のいずれかとの相互作用から防ぐので、Wnt媒介シグナル変換を防いでいる。Dkk−1はまた、多発性骨髄腫、乳癌、腎癌および非小細胞肺癌を含む骨転移癌に関与していると示されている。
【0003】
Dkk−1に結合する抗体が記載されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、未だ、LRP5およびLRP6とのDkk−1の相互作用を阻害するヒト遺伝子操作DKK−1抗体の治療的な必要性が存在する。加えて、骨の形成の調節におけるDkk−1の関与を考慮すると、骨の治癒に用いるためのヒト遺伝子操作抗Dkk−1抗体の治療的な必要性が存在する。加えて、癌におけるDkk−1の関与を考えると、多発性骨髄腫、乳癌および非小細胞肺癌を含む癌を治療するためのヒト遺伝子操作抗Dkk−1抗体の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006015373号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の抗体は、多数の所望の特性を有する治療的に有用なDKK−1アンタゴニストである。本発明のヒト遺伝子操作抗体は、ヒトDKK−1、カニクイザルDKK−1、ラットDKK−1、マウスDKK−1、およびウサギDKK−1に対して高い親和性(Kd)を示す。本発明の抗体は、骨芽細胞活性のマーカーであるアルカリホスファターゼのDKK−1媒介阻害をブロックする。更に、本発明の抗体は、インビボモデルの皮質欠損における前部皮質および後部皮質の両方にて骨密度の増加を示し、インビボにおいて非小細胞肺異種移植片の有意な増殖阻害を示す。
【0006】
本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について5.0×10−11M未満の37°CにおけるKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0007】
本発明は、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその結合フラグメントを提供する。ここで、LCDR1は配列番号5のアミノ酸配列を有し、LCDR2は配列番号47のアミノ酸配列を有し、LCDR3は配列番号49のアミノ酸配列を有し、HCDR1は配列番号1のアミノ酸配列を有し、HCDR2は配列番号2のアミノ酸配列を有し、そして、HCDR3は配列番号44のアミノ酸配列を有する。
【0008】
本発明はまた、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント、および、医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む骨を治癒する方法を提供する。本発明はまた、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む癌を治療する方法を提供する。ここで、癌は、多発性骨髄腫、乳癌および非小細胞肺癌からなる群より選択される。
【0010】
本発明は、本願明細書に記載されるように、ヒトDKK−1(配列番号29)について1.5×10−11M未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。より好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)について1.0×10−11M未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。更に好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)について5.0×10−12未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。より好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)について0.5×10−12Mと1.5×10−11Mとの間のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。更に好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)について1.0×10−12Mと1.0×10−11との間のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。Kd値は、実施例2に記載されるように、37Cにおける結合平衡により確定される。
【0011】
本発明はまた、本願明細書に記載されるように、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、5.0×10−11M未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。より好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、3.0×10−11 M未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。更に好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)、ラットDkk−1(配列番号31)、およびマウスDKK−1(配列番号33)について、2.0×10−11M未満のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。より好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、1.0×10−11Mと5.0×10−11Mとの間のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。更に好ましくは、本発明は、ヒトDKK−1(配列番号29)、ラットDkk−1(配列番号31)、およびマウスDKK−1(配列番号33)について、1.5×10−11Mと3.0×10−11Mとの間のKdを有するヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。Kd値は、実施例2に記載されるように、37Cにおける結合平衡により確定される。
【0012】
より好ましくは、本発明は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLCVRおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むHCVR、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、当該ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、3.0×10−11M未満のKdを有する。更に好ましくは、本発明は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLCVRおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むHCVR、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、当該ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、2.5×10−11M未満のKdを有する。より好ましくは、本発明は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLCVRおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むHCVR、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、当該ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、2.0×10−11未満のKdを有する。更に好ましくは、本発明は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLCVRおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むHCVR、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、当該ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、0.5×10−12Mと3.0×10−11Mとの間のKdを有する。より好ましくは、本発明は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLCVRおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むHCVR、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、当該ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、1.0×10−12Mと2.5×10−11との間のKdを有する。Kd値は、実施例2に記載されるように、37Cにおける結合平衡により確定される。
【0013】
本発明は、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその結合フラグメントを提供する。ここで、LCVRは、相補性決定領域(CDR)である、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCVRは、CDRである、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む。ここで、LCDR1は、配列番号5のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号1のアミノ酸配列を有し、そして、HCDR2は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。
【0014】
本発明は、LCDR1が配列番号46のアミノ酸配列を有し、LCDR2が配列番号48のアミノ酸配列を有し、LCDR3が配列番号50のアミノ酸配列を有し、HCDR1が配列番号1のアミノ酸配列を有し、HCDR2が配列番号43のアミノ酸配列を有し、そして、HCDR3が配列番号45のアミノ酸配列を有する、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその結合フラグメントを提供する。
【0015】
本発明は、好ましくは、LCDR1が配列番号5のアミノ酸配列を有し、LCDR2が配列番号47のアミノ酸配列を有し、LCDR3が配列番号49のアミノ酸配列を有し、HCDR1が配列番号1のアミノ酸配列を有し、HCDR2が配列番号2のアミノ酸配列を有し、そして、HCDR3が配列番号44のアミノ酸配列を有する、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその結合フラグメントを提供する。
【0016】
本発明は、LCDR1が配列番号5のアミノ酸配列を有し、LCDR2が配列番号6、配列番号8、および配列番号10からなる群より選択されるアミノ酸配列を有し、LCDR3が配列番号7および配列番号9からなる群より選択されるアミノ酸配列を有し、HCDR1が配列番号1のアミノ酸配列を有し、HCDR2が配列番号2のアミノ酸配列を有し、そして、HCDR3が配列番号3および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその結合フラグメントを提供する。
【0017】
本発明は、好ましくは、LCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、HCDR2およびHCDR3が、以下の(i)〜(iv)からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。(i)LCDR1が配列番号5であり、LCDR2が配列番号6であり、LCDR3が配列番号7であり、HCDR1が配列番号1であり、HCDR2が配列番号2であり、そして、HCDR3が配列番号3である;(ii)LCDR1が配列番号5であり、LCDR2が配列番号8であり、LCDR3が配列番号7であり、HCDR1が配列番号1であり、HCDR2が配列番号2であり、そして、HCDR3が配列番号4である;(iii)LCDR1が配列番号5であり、LCDR2が配列番号6であり、LCDR3が配列番号9であり、HCDR1が配列番号1であり、HCDR2が配列番号2であり、そして、HCDR3が配列番号3である;(iv)LCDR1が配列番号5であり、LCDR2が配列番号10であり、LCDR3が配列番号9であり、HCDR1が配列番号1であり、HCDR2が配列番号2であり、そして、HCDR3が配列番号3である。
【0018】
本発明は、LCVRが配列番号52のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号51のアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0019】
本発明は、好ましくは、LCVRが配列番号13、配列番号14、配列番号15、および配列番号16からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0020】
本発明は、好ましくは、HCVRが配列番号11および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0021】
本発明は、好ましくは、LCVRおよびHCVRが以下の(i)〜(iv)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。(i)LCVRが配列番号13のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む;(ii)LCVRが配列番号14のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号12のアミノ酸配列を含む;(iii)LCVRが配列番号15のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む;(iv)LCVRが配列番号16のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0022】
本発明は、好ましくは、LCVRが配列番号14のアミノ酸配列を含み、HCVRが配列番号12のアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0023】
本発明は、好ましくは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号22からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0024】
本発明は、好ましくは、配列番号17および配列番号18からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0025】
より好ましくは、本発明は、重鎖および軽鎖が以下の(i)〜(iv)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。(i)重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号19のアミノ酸配列を含む;(ii)重鎖が配列番号18のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号20のアミノ酸配列を含む;(iii)重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号21のアミノ酸配列を含む;(iv)重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号22のアミノ酸配列を含む。
【0026】
本発明は、好ましくは、各軽鎖が配列番号19のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、および、各重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0027】
本発明は、好ましくは、各軽鎖が配列番号21のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、および、各重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0028】
本発明は、好ましくは、各軽鎖が配列番号22のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、および、各重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0029】
本発明は、好ましくは、各軽鎖が配列番号20のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、および、各重鎖が配列番号18のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、を含むヒト遺伝子操作DKK−1抗体を提供する。
【0030】
本発明はまた、抗体競合アッセイにより決定されるように、ヒトDKK−1(配列番号29)に対して結合するための本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0031】
本発明はまた、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント、および、医薬的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0032】
更に、本発明は、医薬的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤および任意の他の治療成分とともに、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を提供する。
【0033】
更なる態様において、本発明は、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む、骨を治癒する方法を提供する。
【0034】
更なる態様において、本発明は、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む、癌を治療する方法を提供する。ここで、癌は、好ましくは、多発性骨髄腫、乳癌、および非小細胞肺癌からなる群より選択される。
【0035】
更に、本発明は、治療に用いるための、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。好ましくは、本発明は、骨の治癒の治療または癌の治療に用いるための、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。ここで、癌は、好ましくは、多発性骨髄腫、乳癌および非小細胞肺癌からなる群より選択される。
【0036】
更に、本発明はまた、骨の治癒または癌の治療のための医薬の製造における、本発明のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用を提供する。ここで、癌は、好ましくは、多発性骨髄腫、乳癌および非小細胞肺癌からなる群より選択される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
天然に存在しているような完全長抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続されている2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子である。各鎖のアミノ末端部分は、可変領域に含まれる相補性決定領域(CDR)を介して抗原認識に主に関与する約100〜110個のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を規定する。
【0038】
CDRは、フレームワーク領域(「FR」)と呼ばれる、十分に保存されている領域に散在する。軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)の各々は、3つのCDRおよび4つのFRからなり、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配列されている。軽鎖の3つのCDRは、「LCDR1、LCDR2、およびLCDR3」と称され、重鎖の3つのCDRは、「HCDR1、HCDR2、およびHCDR3」と称される。CDRは、抗原と特異的相互作用を形成する大部分の残基を含む。LCVRおよびHCVR領域内のCDRアミノ酸残基の番号付けおよび位置決めは、周知のKabat番号付け法に従う。
【0039】
軽鎖はカッパまたはラムダと分類され、当該技術分野において公知の特定の定常領域によって特徴付けられる。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンと分類され、それぞれ、IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEとして抗体のアイソタイプを規定する。IgG抗体はさらに、サブクラス、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4に分けられ得る。各重鎖のタイプは、当該技術分野において周知の配列を有する特定の定常領域によって特徴付けられる。
【0040】
本願明細書に使用される場合、用語「モノクローナル抗体」(Mab)とは、例えば、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む、単一のコピーまたはクローンに由来する抗体を意味し、産生される方法を意味するのはでない。本発明のMabは、好ましくは、均一または実質的に均一の集団に存在する。完全なMabは、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。このようなモノクローナル抗体の「抗原結合フラグメント」としては、例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、および一本鎖Fvフラグメントが挙げられる。本発明のモノクローナル抗体およびその抗原結合フラグメントは、例えば、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、例えばCDR移植、またはこのような技術の組み合わせ、あるいは当該技術分野において公知の他の技術により産生され得る。例えば、マウスは、ヒトDKK−1またはそのフラグメントで免疫化され得、得られた抗体は回収され、精製され得、それらが、本願明細書に開示される抗体化合物と類似または同様の結合特性および機能特性を有するかどうかの決定が、以下の実施例に開示される方法によって評価され得る。抗原結合フラグメントはまた、従来の方法によって調製され得る。抗体および抗原結合フラグメントを産生し、精製するための方法は当該技術分野において周知であり、例えば、Harlow and Lane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,第5〜8章、および15章、ISBN0−87969−314−2に見出され得る。
【0041】
用語「キメラ抗体」とは、異なる種(通常2種)由来のドメインを含有する抗体を意味する。抗体Vは、軽鎖および重鎖の可変ドメインがマウス抗体由来の残基を含有し、一方、定常領域の軽鎖ドメインがラットのカッパ軽鎖を含む残基を含有し、定常領域の重鎖ドメインがラットのIgG1抗体を含む残基を含有する、キメラ抗体である。抗体Vはマウス/ラットキメラであり、長期の前臨床モデルにおいて免疫反応の可能性を減少させるための研究に使用されている。
【0042】
用語「ヒト遺伝子操作抗体」とは、本発明に従う結合特性および機能特性を有し、さらに、非ヒト抗体に由来するCDR周囲の実質的にヒトまたは完全にヒトであるフレームワーク領域を有する、モノクローナル抗体を意味する。このようなヒト遺伝子操作抗体の「抗原結合フラグメント」としては、例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、および一本鎖Fvフラグメントが挙げられる。「フレームワーク領域」または「フレームワーク配列」とは、フレームワーク領域1〜4のいずれか1つを意味する。本発明に包含されるヒト遺伝子操作抗体およびその抗原結合フラグメントには、フレームワーク領域1〜4のいずれか1つ以上が、実質的にまたは完全にヒトである(すなわち、個々の実質的または完全なヒトフレームワーク領域1〜4の可能な組み合わせのいずれかが存在する)分子が含まれる。例えば、これには、フレームワーク領域1とフレームワーク領域2、フレームワーク領域1とフレームワーク領域3、フレームワーク領域1、2と3などが実質的または完全にヒトである分子が含まれる。実質的にヒトフレームワークは、公知のヒト生殖細胞フレームワーク配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を有するものである。好ましくは、実質的なヒトフレームワークは、公知のヒト生殖細胞フレームワーク配列に対して少なくとも約85%、約90%、約95%、または約99%の配列同一性を有する。
【0043】
完全なヒトフレームワークは、公知のヒト生殖細胞フレームワーク配列と同一のものである。ヒトフレームワーク生殖細胞配列は、ウェブサイトhttp://imgt.cines.frを介してImMunoGeneTics(IMGT)から得られ得るか、またはMarie−Paule LefrancおよびGerard LefrancによるThe Immunoglobulin FactsBook,Academic Press,2001,ISBN 012441351から得られ得る。例えば、生殖細胞の軽鎖フレームワークは、Al1、A17、A18、A19、A20、A27、A30、LI、L1I、L12、L2、L5、L15、L6、L8、O12、O2、およびO8からなる群より選択され得る。また、生殖細胞の重鎖フレームワーク領域は、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−20、VH3−72、VHI−46、VH3−9、VH3−66、VH3−74、VH4−31、VHI−18、VHI−69、VI−13−7、VH3−11、VH3−15、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−48、VH4−39、VH4−59、およびVH5−5Iからなる群より選択され得る。
【0044】
本発明による類似の機能特性を示す、本願明細書に開示されるものに加えてヒト遺伝子操作抗体は、いくつかの異なる方法を用いて生成され得る。本願明細書に開示される特定の抗体化合物は、さらなる抗体化合物を調製するために鋳型または親抗体化合物として使用され得る。1つのアプローチにおいて、親抗体化合物のCDRは、親抗体化合物のフレームワークと高い配列同一性を有するヒトフレームワークに移植される。新しいフレームワークの配列同一性は、通常、親抗体化合物における対応するフレームワークの配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%同一である。この移植により、親抗体のものと比べて結合親和性の減少が生じ得る。この場合、フレームワークは、Queenら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:2869に開示されている特定の基準に基づいて特定の位置にて親フレームワークに復帰突然変異され得る。ヒト化マウス抗体に有用な方法を記載しているさらなる参考文献としては、米国特許第4,816,397号;同第5,225,539号、および同第5,693,761号;Levitt(1983)J.Mol.Biol.168:595−620に記載されているコンピュータプログラムABMODおよびENCAD;ならびにWinterおよび共同研究者の方法(Jonesら(1986)Nature 321:522−525;Riechmannら(1988)Nature332:323−327;ならびにVerhoeyenら(1988)Science239:1534−1536が挙げられる。
【0045】
復帰突然変異とみなされる残基の同定は以下のように実施され得る:
アミノ酸が以下のカテゴリーの範囲内にある場合、使用されるヒト生殖細胞配列のフレームワークアミノ酸(「アクセプターフレームワーク」)は、親抗体化合物のフレームワーク(「ドナーフレームワーク」)由来のフレームワークアミノ酸に置換される:
(a)アクセプターフレームワークのヒトフレームワーク領域におけるアミノ酸は、その位置におけるヒトフレームワークには稀であるが、ドナー免疫グロブリンにおける対応するアミノ酸は、その位置におけるヒトフレームワークに典型的である;
(b)アミノ酸の位置はCDRの1つに直接隣接している;または
(c)フレームワークアミノ酸の任意の側鎖原子は、三次元免疫グロブリンモデルにおいてCDRアミノ酸の任意の原子の約5〜6オングストローム(中心〜中心)内である。
【0046】
アクセプターフレームワークのヒトフレームワーク領域におけるアミノ酸およびドナーフレームワークにおける対応するアミノ酸の各々が、通常、その位置におけるヒトフレームワークに稀である場合、かかるアミノ酸は、その位置におけるヒトフレームワークに典型的であるアミノ酸に置換され得る。この復帰突然変異の基準により、親抗体化合物の活性を回復できる。
【0047】
本願明細書に開示される抗体化合物と類似の機能特性を示すヒト遺伝子操作抗体を生成するための別のアプローチは、フレームワークを変化させずに移植されたCDR内のアミノ酸をランダムに突然変異し、親抗体化合物のものと同程度か、またはより良い結合親和性および他の機能特性について、得られた分子をスクリーニングすることに関する。かかる突然変異はまた、各CDR内の各アミノ酸位置に導入され得、続いて、結合親和性および他の機能特性に対するかかる突然変異の効果を評価する。改良された特性を生じる単一突然変異が組み合わされて、互いに組み合わせたそれらの効果を評価してもよい。
【0048】
さらに、前述のアプローチの両方の組み合わせが可能である。CDR移植後、CDRにおけるアミノ酸変化を導入することに加えて、特定のフレームワーク領域を復帰突然変異してもよい。この方法論は、Wuら(1999)J.Mol.Biol.294:151−162に記載されている。
【0049】
本発明の教示を適用することで、当業者は、一般的な技術、例えば部位特異的突然変異誘発法を使用して、本願明細書に開示されているCDRおよびフレームワーク配列内のアミノ酸を置換でき、それによって、本発明の配列に由来するさらなる可変領域アミノ酸配列を生成する。全ての代替の天然に存在するアミノ酸が特定の置換部位に導入されてもよい。本願明細書に開示される方法は、次いで、これらのさらなる可変領域アミノ酸配列をスクリーニングするために使用されて、示されるインビボでの機能を有する配列を同定できる。このように、本発明によるヒト遺伝子操作抗体およびその抗原結合部分を調製するのに適切なさらなる配列が同定され得る。好ましくは、フレームワーク内のアミノ酸置換は、本願明細書に開示される4本の軽鎖および/または重鎖のフレームワーク領域のうちのいずれか1つ以上の中の1つ、2つまたは3つの位置に制限される。好ましくは、CDR内のアミノ酸置換は、3本の軽鎖および/または重鎖CDRのいずれか1つ以上の中の1つ、2つまたは3つの位置に制限される。上記のこれらのフレームワーク領域およびCDR内の種々の変更の組み合わせもまた、可能である。最も好ましくは、これらの技術は、配列番号12および配列番号14にそれぞれ記載している、可変重鎖アミノ酸配列および可変軽鎖アミノ酸配列を使用してさらなる可変領域アミノ酸配列を生成するために使用される。
【0050】
本願明細書に開示される分子と「競合する」ヒト遺伝子操作抗体またはその抗原結合フラグメントは、本発明の分子が結合する部位と同一であるか、または重なる部位においてヒトDKK−1(配列番号29)に結合するものである。ヒト遺伝子操作抗体またはその抗原結合フラグメントの競合は、例えば、抗体競合アッセイによって同定され得る。例えば、精製または部分的に精製されたヒトDKK−1(配列番号29)のサンプルは、固体支持体に結合される。次いで、試験または本発明の抗体のいずれかが標識されている、本願明細書に開示される抗体および試験モノクローナル抗体または抗原結合フラグメントが加えられる。標識された抗体および標識されていない抗体が、DKK−1上の離れた部位または別個の部位に結合する場合、標識された抗体は、擬似競合抗体が存在するか否かに関わらず、同じレベルまで結合する。しかしながら、相互作用部位が同一または重なる場合、標識されていない抗体が競合し、抗原に結合した標識された抗体の量は低下する。標識されていない抗体が過剰に存在する場合、標識された抗体は結合しない。本発明の目的のために、ヒト遺伝子操作抗体またはその抗原結合フラグメントの競合は、DKK−1に対する本発明の抗体の結合を、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%減少させるものである。このような競合アッセイを実施するための手順の詳細は当該技術分野において周知であり、例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,567−569ページ、ISBN 0−87969−314−2に見出され得る。このようなアッセイは、精製された抗体を用いることによって定量的になされてもよい。標準曲線を、抗体自体の標識した型に対して1つの抗体を滴定することによって確立する。標識した分子のプレートに対する結合を阻害する、標識されていない競合モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントの能力を滴定する。結果をプロットし、結合阻害の所望の度合いを達成するのに必要な濃度を比較する。このような競合アッセイにおいて、本発明のヒト遺伝子操作抗体またはその抗原結合フラグメントと競合するモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントが同じまたは類似の機能特性を有するか否かに関わらず、本発明のヒト遺伝子操作抗体は本願明細書の実施例に開示される方法によって決定され得る。
【0051】
用語「阻害する」とは、DKK−1の生物学的効果を実質的に拮抗、妨げ、防止、抑制、遅延、中断、除去、停止、減少または反転する能力を意味する。
【0052】
用語「治療している」(または「治療する」もしくは「治療」)とは、症状、障害、状態、または疾患の進行または重症度を遅延、遮断、阻害、抑制、停止、減少、または反転することに関するプロセスを意味するが、DKK−1活性に付随する全ての疾患関連の症状、状態、または障害の全ての除去に関与する必要はない。
【0053】
用語「予防している」(または「予防する」もしくは「予防」)とは、症状、障害、状態または疾患の罹患または発生の妨げ、抑制、または阻害を意味する。急性事象および慢性状態が治療および防止され得る。急性事象において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、症状、障害、状態、または疾患の発症時に投与され、急性事象が終わると停止される。対照的に、慢性症状、障害、状態、または疾患は、十分に長い時間枠にわたって治療される。
【0054】
用語「有効量」とは、患者に対する単回または複数回投与時に、所望の治療または予防を与える、本発明の抗体化合物の量または投与量を意味する。本発明の抗体化合物の治療有効量は、単回投与当たり約0.1mg/kg〜約20mg/kgの範囲の量を含み得る。いずれかの個々の患者についての治療有効量は、バイオマーカーに対する抗体化合物の効果を管理することによって医療管理者によって決定され得る。
【0055】
用語「骨の治癒」とは、DKK−1を遮断することによる損傷部位における骨形成の刺激を意味する。骨の治癒指標の例としては、限定されないが、骨折治癒、インプラント固定/保持、および歯科インプラント固定/保持が挙げられる。
【0056】
本発明のヒト遺伝子操作抗体は、様々な経路によって投与される、ヒト医療における医薬として使用され得る。最も好ましくは、このような組成物は非経口投与用である。このような医薬組成物は、当該技術分野において周知の方法(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第19版(1995),A.Gennaroら,Mack Publishing Co.を参照のこと)によって調製されることができ、本願明細書に開示されるヒト遺伝子操作抗体、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0057】
以下のアッセイの結果は、本発明のモノクローナル抗体およびその抗原結合フラグメントがDKK−1阻害剤として有用であることを実証する。本発明の抗体は多くの所望の特性を有する。例えば、本発明の抗体IIは、高い化学的および物理的安定性、ならびに溶解性を有する。促進された研究が、異なるバッファー条件(pHおよびNaClバリエーション)下で本発明の抗体をインキュベートすること、ならびに4週間、4℃、25℃、および40℃でインキュベートすることによって抗体の化学的安定性を評価するために実施される。本発明の抗体の化学修飾は、荷電した変異体を分離するためのカチオン交換(「CEX」)クロマトグラフィー(例えば、アスパラギンのアスパラギン酸へのアミド分解)、および分解の特異的部位を識別するためのLC−MS分析によって検出される。抗体IIは、CEXによって検出される最小量の分解を有し、この結果は、LC−MSデータによってさらに確認され、CDRにおける全ての3つのアスパラギン残基が、pH8のバッファー中で40℃での4週間のインキュベーション後に、本願明細書に記載される他の抗体と比べて最小量のアミド分解を有することを示す。pH6+150mM NaClで調製される場合、抗体IIについての溶解度は、抗体Iと比べてより有益である。さらに、4℃で保存される場合、抗体IIは105mg/mLより高い溶解度を維持したが、交代Iについての溶解度は、48mg/mLのみであり、これらの同じ条件下で沈殿する。本願明細書で使用される場合、「EC50」とは、薬剤について起こり得る50%の最大応答を生じるその薬剤の濃度を意味する。「Kd」とは、式:koff/kon=Kdによって計算され得る平衡解離定数を意味する。
【実施例】
【0058】
実施例1:抗体の産生
抗体I、II、IIIおよびIVは以下のように生成し、精製できる。HEK293EBNAまたはCHOなどの適切な宿主細胞を、最適な所定のHC:LCベクター比を用いて抗体をスクリーニングするための発現系、または配列番号23、もしくは配列番号24などのHC、および配列番号25、配列番号26、配列番号27、もしくは配列番号28などのLCの両方をコードする単一のベクター系で一過性または安定にトランスフェクトする。清澄培地(その中に抗体が分泌される)を、多くの一般に使用される技術のいずれかを用いて精製する。例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)などの適合性バッファーで平衡化されているプロテインAまたはGセファロースFFカラムに簡便に適用することができる。カラムを洗浄して非特異的結合成分を除去する。結合した抗体を、例えばpH勾配(例えば0.1Mリン酸ナトリウムバッファー、pH6.8から0.1Mクエン酸ナトリウムバッファー、pH3.0)によって溶出する。抗体画分をSDS−PAGEなどにより検出し、次いでプールする。意図する使用に応じて、さらなる精製を任意にする。抗体を一般的な技術を用いて濃縮および/または濾過滅菌し得る。可溶性会合体および多量体を、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効果的に除去し得る。これらのクロマトグラフィー工程の後の抗体の純度は99%より高い。産生物は−70℃ですぐに凍結してもよいか、または凍結乾燥してもよい。これらの抗体についてのアミノ酸配列を以下に提供する。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
実施例2:DKK−1抗体についての親和性(Kd)測定
結合平衡を確立するために、定濃度の抗体を、PBS(pH7.4)+1mg/mLのウシ血清アルブミン(「BSA」)またはバッファーのみにおける種々の濃度のHis標識化DKK−1(配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、または配列番号33)(1nM〜1pM範囲)と混合し、37℃で数日間インキュベートする。2セットの結合反応物(1セットは低濃度の抗体(3pM)および1セットは高濃度の抗体(30または50pM))を設定する。
【0062】
平衡を確立した後、KinExA3000機器(Sapidyne Inst.Inc.)を使用して、「遊離」(非結合)抗体の画分をプローブする。つまり、His標識化DKK−1を、小さいカラムを付与するためにその機器に詰められている、NHS−活性化セファロース4高速流ビーズ(GE Healthcare)に共有結合する。抗体+His標識化DKK−1の予め平衡化された混合物をビーズに通して、遊離抗体のみを捕捉する。捕捉した遊離抗体の量は、平衡化されたサンプルの遊離濃度に比例し、蛍光標識された二次抗体の注入により検出される。低濃度および高濃度の抗体からのデータセットを、KinExAソフトウェアにおけるn曲線分析を用いて全体にフィットする。このフィッティングはKd値および95%信頼区間を回帰する。
【0063】
【表3】

【0064】
実施例3:C2C12アルカリホスファターゼアッセイにおけるDkk−1抗体の効果
標準的なWntシグナル伝達は骨芽細胞分化および活性に重要である。BMP−4と混合したWnt−3a CM(馴化培地)は、多能性マウスC2C12細胞を誘導して、アルカリホスファターゼ(「AP」)、骨芽細胞活性のマーカーの測定可能なエンドポイントを有する骨芽細胞に分化する。DKK−1、標準的なWntシグナル伝達の阻害剤は、APの分化および産生を阻害する。DKK−1抗体を中和することにより、APのDKK−1媒介性阻害が防止される。DKK−1阻害活性を遮断する抗体はAP活性の損失を防止する。
【0065】
C2C12細胞は、組織培養フラスコにおいて増殖培地(L−グルタミン、10%の熱不活性化ウシ胎仔血清(「FBS」)、1×抗生物質/抗真菌薬、1×ピルビン酸ナトリウムを含有するダルベッコ改変イーグル培地(「DMEM」))中で60%〜80%コンフルエンスまで増殖する。C2C12細胞を、増殖培地中に30,000細胞/mLの濃度まで再懸濁し、100μL/ウェルを96ウェル組織培養プレートに添加し、37℃、95%湿度、5%COにて一晩インキュベートする。増殖培地を、50μLのアッセイ培地(L−グルタミン、5%の熱不活性化FBS、1×抗生物質/抗真菌薬、1×ピルビン酸ナトリウムを含有するDMEM)と置き換える。分化(およびそれによるAP産生の誘導)を刺激するために、100μLのアッセイ培地および1.5×Wnt−3a CM+BMP−4(R&D Systems カタログ#314−BP)を加える。これにより、1×Wnt−3a CMおよび25ng/mLのBMP−4の最終濃度を得る。陰性コントロールはL細胞CMのみを含む(Wnt−3aまたはBMP−4を含まない)。細胞を、72時間、37℃、95%湿度、5%COにてインキュベートする。培地を除去し、細胞を、200μLのリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)で洗浄し、PBSを除去する。細胞を、3回凍結融解する。100μLのワンステップpNPP基質(Thermo Scientificカタログ#37621)をウェルごとに加え、プレートを室温でインキュベートする。吸光度を405nmで読み取る。分化を阻害するのに必要とされるDKK−1の濃度を決定するために、様々な種由来のDkk−1分子を滴定して、AP誘導を完全に阻害するのに必要な最小濃度を同定する。
【0066】
AP誘導を完全に阻害する各々の種由来のDKK−1の最小濃度は以下の通りである:ヒトDKK−1=38nM、カニクイザルDKK−1=11.4nM、ラットDKK−1=5.8nM、およびウサギDKK−1=25.0nM。
【0067】
AP誘導を完全に阻害するDKK−1の濃度を決定することで、高濃度の抗DKK−1抗体を、室温で30分間、阻害濃度のDkk−1を含むアッセイ培地に予めインキュベートする。AP誘導を上記のように決定する。結果をEC50(nM±標準誤差)として報告する。
【0068】
抗体IIは、C2C12 APのDkk−1媒介性阻害を遮断する。様々な種のDKK−1について、EC50(nM±標準誤差として与える)は以下の通りである:ヒト=9.8±0.41、カニクイザル=6.4±0.25、ラット=2.9±0.25、およびウサギ=6.0±0.32。
【0069】
実施例4:インビボアッセイにおける皮質欠損(CD)
6ヶ月齢の雌のSprague−Dawleyラットを卵巣切除し、2ヶ月間骨を損傷させる。2mm直径の欠損を、2mmの歯科用ビットを備える電気ドリルを用いて左および右の大腿骨に導入する。この穴は前部皮質および後部皮質の両方に広がる。骨の治癒を、外科手術後35日間、定量的コンピュータ断層撮影(「qCT」)を使用して骨量密度(「BMD」)を評価することによって長期的にモニターする。実験の終わりに、動物を屠殺し、大腿骨全体を、骨幹全体の生化学的強度を確認するために欠損までの負荷(loaded−to−failure)の測定に供する。抗体を示した用量および間隔で皮下に投与する。
【0070】
抗体IIは以下の用量である:外科出術後1日に開始して2週間ごとに1回、5mg/kg(1群)、外科手術後9日に開始して2週間ごとに1回、1mg/kg(2群)、5mg/kg(3群)、または15mg/kg(4群)を投与する。BMDを35日にqCTにより評価する。1群は、前部皮質および後部皮質の両方において統計的に有意なBMDの増加を示した。4群は、皮質の両方において統計的に有意なBMDの増加を示したが、2群および3群は、有意でないBMDの増加を示した。
【0071】
実施例5:インビボにおける癌の効果アッセイ
マウス(雌のC.B−17マウス、Fox Chase重症複合免疫不全モデル#CB17SC−M)を、実験開始前に動物施設において1週間順化する。順化後、マウスを処置あたり10の群に無作為化する。培養したヒトA549非小細胞肺癌細胞を、マウスのひ腹に皮下移植し、腫瘍を平均腫瘍体積約100mm3に到達させる。抗体II(1mg/kgおよび5mg/kg)、コントロールIgG抗体(1mg/kgおよび5mg/kg)、または賦形剤(0.02%のTween80を補足したクエン酸緩衝生理食塩水)を皮下注射により投与する。動物に7日間隔で2回処置を与える。
【0072】
腫瘍を電気キャリパーにより1週間ごとに2回測定して、増殖曲線をプロットする。動物をまた、体重変動および毒性兆候に関して1週間に2回モニターする。表3に示す腫瘍体積測定を29日目に得る。
【0073】
表2に示すように、抗体IIを受容した処置群は、インビボにおいてヒトA549非小細胞肺異種移植片の有意な増殖阻害を示した。
【0074】
【表4】

【0075】
実施例6:インビボ異種移植片アッセイにおける血管形成の再正常化
抗腫瘍効果の機構を理解するために、ハイコンテントイメージング分析を、抗体IIまたはIgGコントロールで処置したA549腫瘍で実施する。数個の表現型に基づいたマーカーを、定量的および定性的の両方で分析して、血管形成(CD31および平滑筋アクチン、SMA)、低酸素症誘発(グルコース輸送体1、GLUT1)、細胞増殖(Ki67)、およびアポトーシス(Terminal UDP Nick−End Labeling,TUNEL)の癌関連生物学的プロセスを評価する。
【0076】
雌のC.B−17(Fox Chase SCID)モデル#CB17SC−Mマウス(7〜8週齢)を1週間順化させ、通常の低脂肪(4.5%)の食餌を自由に与え、それを研究期間の間、継続する。
【0077】
ATCC起源からのA549細胞を増殖させ、10%FBS(InVitrogen #0、ならびにピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸およびpen−strep(それぞれInvitrogen #11360、#11140および#15140)の100倍希釈)を補足したF−12 Kaighn’s培地(InVitrogen #21127)に分ける。それらを分離し、95%生存率で19回の継代にてPBS中の50×10個の細胞/mlの最終濃度に調製する。
【0078】
5×10個のA549ヒト肺癌細胞を、PBSとマトリゲル(Becton Dickinson,Bedford,MA)の1:1の混合物中で対象マウスの横腹に皮下注射する。腫瘍および体重測定を週に2回実施する。処置前に、マウスを、ランダム化アルゴリズムを用いて腫瘍サイズに基づいて無作為化する。
【0079】
腫瘍が200mmに到達してから開始し、無作為化したマウスを、10匹の動物の2つの群に分け、5mg/kgの抗体IIまたはIgG4コントロールのいずれかを1日目および再度8日目に皮下投与する。この研究は、抗体の最初の用量投与後、10日で終了する。
【0080】
抗体IIをクエン酸緩衝生理食塩水(CBS)(10mMのクエン酸塩、pH6、150mMのNaClおよび0.2%のポリソルベート)中に調製する。IgG4コントロールをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に6.0mg/mlにて与える。
【0081】
異種移植片腫瘍を、投与の17日後にマウスから摘出し、亜鉛−トリス固定剤(BD Pharmingen)に入れる。固定した腫瘍を処理し、パラフィンで遮断し、標準顕微鏡スライド上に3μMのスライスとして薄片にする。スライドを、60°Fにて1時間、焼き固め、次いでキシレン中で脱パラフィンする(4回の処置、10分ごと)。スライドを、トリス緩衝生理食塩水/Tween(TBST)での最終洗浄を用いて連続したエタノール/水浸漬により再水和する。次いでスライドを、30分間、プロテインブロック(Protein Block)(DAKO)で遮断する。腫瘍状態パネル(Tumor Health Panel)に関して、スライドを、Hoechst 33324(Invitrogen)、ラット抗ヒトCD31(Pharmingen)/抗ラットAlexa−488(Invitrogen)、ウサギ抗Ki67(NeoMarkers)/抗ウサギAlexa 647(Invitrogen)、およびTUNEL−TMRレッド(TUNEL希釈バッファー中で1:5に希釈;Roche)の組み合わせで染色する。血管形成パネルに関して、スライドを、Hoechst 33324(Invitrogen)、ラット抗ヒトCD31(Pharmingen)/抗ラットAlexa−488(Invitrogen)、ウサギ抗GLUT1(Chemicon)/抗ウサギAlexa647(Invitrogen)、およびマウス抗平滑筋アクチン/Cy3(Sigma)の組み合わせで染色する。スライドを、iCysレーザー走査型サイトメトリー(CompuCyte)およびZeiss Axiovert 200M倒立蛍光顕微鏡で構成されるMarianas Digital Imaging Workstation(Intelligent Imaging Innovations)を用いて画像化する。処置群の定量的データ比較を、JMP統計ソフトウェア(SAS)においてダネット分析を用いて実施する。
【0082】
表3に示すように、コントロールIgG処置した動物由来のA549異種移植片は適度に血管が新生し、適度なレベルの筋線維芽細胞および低酸素の多くの局部的領域を有する。コントロールIgG処置した腫瘍は、新血管形成血管発芽および周皮細胞にほとんど覆われていない成熟血管の両方からなる血管の拡大ネットワークを有する。コントロールIgG処置した腫瘍は、潅流血管から少し離れた明確に画定された領域および血管からさらに離れた壊死部分である低酸素領域(GLUT1によってマークした)を有する。抗体IIでの処置により、減少した血管領域、減少した周皮細胞領域、および減少した血管の周皮細胞範囲を生じる。しかしながら、この処置は、腫瘍低酸素の有意差を生じない。定性的に、抗体IIで処置した腫瘍血管系は、より小さな、ほとんどネットワーク化されていない血管からなり、コントロールIgG処置した群と比べて周皮細胞範囲をほとんど有さないように見える。
【0083】
表3に示すように、IgG処置した腫瘍は、全体にわたって均一に分布している増殖腫瘍細胞を有するが、また、血管のない1つ以上の広範囲の壊死も頻繁に示す。抗体IIでの処置は、アポトーシスの変化を生じず、全増殖領域のわずかな有意でない減少のみである。しかしながら、抗体IIで処置した腫瘍において高度に集中するKi67細胞の領域の割合が大きく減少し、G2細胞周期において細胞の減少した量を示し得る。
【0084】
【表5】

【0085】
実施例7:インビボにおける骨の効果アッセイ
インプラント周辺の骨形成を促進し、骨組織を再生する抗体V(軽鎖配列番号34および重鎖配列番号35)の能力を評価するために、体重約425gの4か月齢の雄のSprague−Dawleyラット(Harlan Sprague Dawley Inc)を利用する。ラットに、チタンネジ(2mm×4mm)を脛骨−腓骨連結部上の両下肢の右外側の中膜に外科的に埋め込む。次いで、ラットを体重によって無作為に2つの群に分け、10mg/kgの抗体Vまたは10mg/kgのIgGコントロールのいずれかを、21日間、外科手術の同じ日に開始して1週間に1回皮下注射を与える。定量的コンピュータ断層撮影(Aloka LaTheta LTC−100モデルCTスキャナー)を、生体外で走査するために使用し、60μmのボクセルサイズの新しく形成された骨を定量する。目的の体積(VOI)を、以前のインプラント部位にわたって0.1mm間隔で28スライスと定義する。群の相違を、JMPバージョン5.1.ソフトウェア(Cary,North Carolina)を用いて評価し、p<0.05の有意なレベルでダネット法を使用してIgGコントロールと比較する。生体外でのファキシトロン(faxitron)x線画像による定性的評価により、抗体Vで処置したラットが多くの新しい骨またはインプラント周辺に仮骨を有することが示される。定量的CT分析により、IgGコントロールと比べて抗体Vで処置したラットにおいて、皮質インプラント周辺の骨塩量(14%)、新しい骨領域(16%)、皮質厚(7%)ならびに骨髄海綿状インプラント周辺の新しい骨塩量(18%)および骨領域(16%)の統計的に有意な増加が明らかにされる。このデータにより、抗体Vが、チタンを埋め込んだラットにおいて新しい骨形成を刺激し、骨組織再生を促進することが実証される。
【0086】
【表6】

【0087】
配列表

重鎖 CDRs

配列番号:1 GFTFSSYTMS
配列番号:2 TISGGGFGTYYPDSVKG
配列番号:3 PGYHNYYFDI
配列番号:4 PGYNNYYFDI


軽鎖 CDRs

配列番号:5 HASDSISNSLH
配列番号:6 YGRQSIQ
配列番号:7 QQSESWPLH
配列番号:8 YARQSIQ
配列番号:9 QQSASWPLH
配列番号:10 YARQSEQ


重鎖可変領域

配列番号:11
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGFGTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARPGYHNYYFDIWGQGTTVTVSS

配列番号:12
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGFGTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARPGYNNYYFDIWGQGTTVTVSS


軽鎖可変領域

配列番号:13
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYGRQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSESWPLHFGGGTKVEIK

配列番号:14
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYARQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSESWPLHFGGGTKVEIK

配列番号:15
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYGRQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSASWPLHFGGGTKVEIK

配列番号:16
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYARQSEQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSASWPLHFGGGTKVEIK


完全な重鎖

配列番号:17
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGFGTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARPGYHNYYFDIWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG

配列番号:18
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGFGTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARPGYNNYYFDIWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG


完全な軽鎖

配列番号:19
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYGRQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSESWPLHFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号:20
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYARQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSESWPLHFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号:21
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYGRQSIQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSASWPLHFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号:22
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYARQSEQGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSASWPLHFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC


ヌクレオチド配列 - 重鎖可変領域

配列番号:23
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACTTTCAGTAGCTATACCATGTCTTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCCACCATTTCCGGTGGTGGTTTCGGCACATACTATCCCGACAGTGTGAAGGGTCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGACCTGGATATCACAACTACTACTTTGACATCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT

配列番号:24
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACTTTCAGTAGCTATACCATGTCTTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCCACCATTTCCGGTGGTGGTTTCGGCACATACTATCCCGACAGTGTGAAGGGTCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGACCTGGATATAATAACTACTACTTTGACATCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT


ヌクレオチド配列 - 軽鎖可変領域

配列番号:25
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCCACGCCAGCGACAGTATTAGCAACAGCCTACACTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATTATGGCAGACAGTCCATCCAGGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAACAGAGTGAGAGCTGGCCGCTCCACTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC

配列番号:26
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCCACGCCAGCGACAGTATTAGCAACAGCCTACACTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATTATGCTAGACAGTCCATCCAGGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAACAGAGTGAGAGCTGGCCGCTCCACTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC

配列番号:27
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCCACGCCAGCGACAGTATTAGCAACAGCCTACACTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATTATGGCAGACAGTCCATCCAGGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAACAGAGTGCCAGCTGGCCGCTCCACTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC

配列番号:28
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCCACGCCAGCGACAGTATTAGCAACAGCCTACACTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATTATGCTAGACAGTCCGAGCAGGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAACAGAGTGCCAGCTGGCCGCTCCACTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC


ヒト DKK-1

配列番号:29
TLNSVLNSNAIKNLPPPLGGAAGHPGSAVSAAPGILYPGGNKYQTIDNYQPYPCAEDEECGTDEYCASPTRGGDAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICVSSDQNHFRGEIEETITESFGNDHSTLDGYSRRTTLSSKMYHTKGQEGSVCLRSSDCASGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLSCRIQKDHHQASNSSRLHTCQRH


カニクイザルDKK-1

配列番号:30
TLNSVLNSNAIKNLPPPLGGAAGHPGSAVSAAPGILYPGGNKYQTIDNYQPYPCAEDEECGTDEYCASPTRGGDAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICVSSDQNNFRGEIEETITESFGNDHSTLDGYSRRTTLSSKMYHSKGQEGSVCLRSSDCATGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLSCRIQKDHHQASNSSRLHTCQR


ラット DKK-1

配列番号:31
TLNSVLINSNAIKNLPPPLGGAGGQPGSAVSVAPGVLYEGGNKYQTLDNYQPYPCAEDEECGTDEYCSSPSRGAAGVGGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICMPSDHSHLPRGEIEEGIIENLGNDHGAGDGYPRRTTLTSKIYHTKGQEGSVCLRSSDCATGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLACRIQKDHHQTSNSSRLHTCQRHAFIDYKDDDDKHV


ウサギ DKK-1

配列番号:32
TLNSVLVNSNAIKNLPPPLGGANGHPGSAVSATPGILYEGGNKYLPLDNYQPYPCTEDEECGTDEYCASPARGGGAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICMPSDHNHFHRGEIEETIVESFGNDHSTSDGYSRRTTLSSKMYHAKGQEGSVCLRSSDCATGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGDGLSCRLQNDQHEASNSSRLHTCQR


マウス DKK-1

配列番号:33
TLNSVLINSNAIKNLPPPLGGAGGQPGSAVSVAPGVLYEGGNKYQTLDNYQPYPCAEDEECGSDEYCSSPSRGAAGVGGVQICLACRKRRKRCMTHAMCCPGNYCKNGICMPSDHSHFPRGEIEESIIENLGNDHNAAAGDGYPRRTTLTSKIYHTKGQEGSVCLRSSDCAAGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHKRKGSHGLEIFQRCYCGEGLACRIQKDHHQASNSSRLHTCQRH


抗体 V - 完全な軽鎖

配列番号:34
DILLTQSPATLSVTPGDSVSLSCRASDSISGSLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVETEDFGMYFCQQSNSWPLNFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSTEQLATGGASVVCLMNNFYPRDISVKWKIDGTERRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLSKADYESHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC


抗体 V - 完全な重鎖

配列番号:35
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSSYTMSWVRQTPEKRLEWVATISGGGGNTYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQLSSLRSEDTALYYCARPGYNNYYFDYWGQGTTLTVSSAKTTPPSVYPLAPGTALKSNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGALSSGVHTFPAVLQSGLYTLTSSVTVPSSTWPSQTVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRNCGGDCKPCICTGSEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISQDDPEVHFSWFVDDVEVHTAQTRPPEEQFNSTFRSVSELPILHQDWLNGRTFRCKVTSAAFPSPIEKTISKPEGRTQVPHVYTMSPTKEEMTQNEVSITCMVKGFYPPDIYVEWQMNGQPQENYKNTPPTMDTDGSYFLYSKLNVKKEKWQQGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK


抗体 V - 軽鎖可変領域

配列番号:36
DILLTQSPATLSVTPGDSVSLSCRASDSISGSLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVETEDFGMYFCQQSNSWPLNFGAGTKLELK


抗体 V - 重鎖可変領域

配列番号:37
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSSYTMSWVRQTPEKRLEWVATISGGGGNTYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQLSSLRSEDTALYYCARPGYNNYYFDYWGQGTTLTVSS


抗体 V - 重鎖CDRs

配列番号:38 TISGGGGNTYYPDSVKG
配列番号:39 PGYNNYYFDY


抗体 V - 軽鎖 CDRs

配列番号:40 RASDSISGSLH
配列番号:41 YASQSIS
配列番号:42 QQSNSWPLN


コンセンサス重鎖 CDRs

配列番号:43 TISGGGX1X2TYYPDSVKG
X1 は F, Gである
X2 は G, Nである

配列番号:44 PGYX3NYYFDI
X3 は H, Nである

配列番号:45 PGYX4NYYFDX5
X4 は H, Nである
X5 は I, Yである


コンセンサス軽鎖 CDRs

配列番号:46 X6ASDSISX7SLH
X6 は H, Rである
X7 は N, Gである

配列番号:47 YX8RQSX9Q
X8 は G, Aである
X9 は I, Eである

配列番号:48 YX10X11QSX12X13
X10 は G, Aである
X11 は R, Sである
X12 は I, Eである
X13 は Q, Sである

配列番号:49 QQSX14SWPLH
X14 は E, Aである

配列番号:50 QQSX15SWPLX16
X15 は E, A, Nである
X16 は H, Nである


コンセンサス重鎖可変領域
配列番号:51
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGFGTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARPGYX17NYYFDI WGQGTTVTVSS
X17 は H, Nである


コンセンサス軽鎖可変領域
配列番号:52
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCHASDSISNSLHWYQQKPGQAPRLLIYYX18RQS X19QGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC QQSX20SWPLHFGGGTKVEIK
X18 は G, Aである
X19 は I, Eである
X20 は E, Aである

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトDKK−1(配列番号29)、カニクイザルDKK−1(配列番号30)、ラットDkk−1(配列番号31)、マウスDKK−1(配列番号33)、およびウサギDKK−1(配列番号32)について、5.0×10−11M未満のKdを有する、ヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
該Kdは、KinExA3000機器を用いて37°Cにて決定される、請求項1に記載のヒト遺伝子操作抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、該LCVRが、相補性決定領域(CDR)である、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、該HCVが、CDRである、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、該LCDR1が配列番号5のアミノ酸配列を有し、該HCDR1が配列番号1のアミノ酸配列を有し、該HCDR2が配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
該LCDR1が配列番号5のアミノ酸配列を有し、該LCDR2が配列番号47のアミノ酸配列を有し、該LCDR3が配列番号49のアミノ酸配列を有し、該HCDR1が配列番号1のアミノ酸配列を有し、該HCDR2が配列番号2のアミノ酸配列を有し、該HCDR3が配列番号44のアミノ酸配列を有する、請求項3に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
該LCDR1、該LCDR2、該LCDR3、該HCDR1、該HCDR2、および該HCDR3が、以下の(i)〜(iv):
(i)該LCDR1は配列番号5であり、該LCDR2は配列番号6であり、該LCDR3は配列番号7であり、該HCDR1は配列番号1であり、該HCDR2は配列番号2であり、該HCDR3は配列番号3である、
(ii)該LCDR1は配列番号5であり、該LCDR2は配列番号8であり、該LCDR3は配列番号7であり、該HCDR1は配列番号1であり、該HCDR2は配列番号2であり、該HCDR3は配列番号4である、
(iii)該LCDR1は配列番号5であり、該LCDR2は配列番号6であり、該LCDR3は配列番号9であり、該HCDR1は配列番号1であり、該HCDR2は配列番号2であり、該HCDR3は配列番号3である、
(iv)該LCDR1は配列番号5であり、該LCDR2は配列番号10であり、該LCDR3は配列番号9であり、該HCDR1は配列番号1であり、該HCDR2は配列番号2であり、該HCDR3は配列番号3である、
からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項3または4に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
該LCVRが配列番号52のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号51のアミノ酸配列を含む、請求項3または4に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項7】
該LCVRが配列番号13、配列番号14、配列番号15、および配列番号16からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3から6のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項8】
該HCVRが配列番号11および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3から7のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項9】
該LCVRおよび該HCVRが、以下の(i)〜(iv):
(i)該LCVRが配列番号13のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む;
(ii)該LCVRが配列番号14のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号12のアミノ酸配列を含む;
(iii)該LCVRが配列番号15のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む;
(iv)該LCVRが配列番号16のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号11のアミノ酸配列を含む;
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3から8のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項10】
該LCVRが配列番号14のアミノ酸配列を含み、該HCVRが配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項11】
配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号22からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む、請求項3から9のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項12】
配列番号17および配列番号18からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖、を含む、請求項3から9のいずれか1項、または、請求項11に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項13】
以下の(a)〜(d):
(a)該重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、該軽鎖が配列番号19のアミノ酸配列を含む、
(b)該重鎖が配列番号18のアミノ酸配列を含み、該軽鎖が配列番号20のアミノ酸配列を含む、
(c)該重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、該軽鎖が配列番号21のアミノ酸配列を含む、および
(d)該重鎖が配列番号17のアミノ酸配列を含み、該軽鎖が配列番号22のアミノ酸配列を含む、
からなる群より選択される該重鎖および該軽鎖のアミノ酸配列を含む請求項3から9、または、請求項11〜12のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項14】
各軽鎖が配列番号20のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、および、各重鎖が配列番号18のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、を含む請求項3から13のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体。
【請求項15】
抗体競合アッセイにより決定されるように、ヒトDKK−1(配列番号29)に対して結合するための請求項3から14のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント、および、医薬的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項17】
医薬的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤および任意の他の治療成分とともに、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物。
【請求項18】
治療に用いるための、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項19】
骨の治癒の治療に用いるための、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項20】
骨の治癒のための医薬の製造における、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項21】
癌の治療に用いるための、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項22】
該癌は、多発性骨髄腫、乳癌、および非小細胞肺癌からなる群より選択される、癌の治療に用いるための請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項23】
癌の治療のための医薬の製造における、請求項1から15のいずれか1項に記載のヒト遺伝子操作DKK−1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項24】
該癌は、多発性骨髄腫、乳癌、および非小細胞肺癌からなる群より選択される請求項23に記載の使用。

【公表番号】特表2012−523417(P2012−523417A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504760(P2012−504760)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/030039
【国際公開番号】WO2010/117980
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】