説明

DP2受容体アンタゴニストの眼の医薬組成物

本明細書には眼の医薬組成物が記載され、ここで、眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適した形態である。本明細書に開示される眼の医薬組成物は、少なくとも1つのDP2受容体アンタゴニスト化合物を含み、眼の疾患又は疾病を処置又は予防するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2009年7月31日に出願の米国仮特許出願第61/230,565号(発明の名称「DP2受容体アンタゴニストの眼の医薬組成物」)の利益を主張するものであり、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書には、眼の疾患、障害又は疾病の処置又は予防における、少なくとも1つのDP2受容体アンタゴニスト化合物を含む眼の医薬組成物、及びその使用の方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
プロスタグランジンは、多様な範囲の活性、及び炎症におけるよく認識された役割を有する。プロスタグランジンD2(PGD2)は、眼の疾患又は疾病に関する局所組織損傷及び/又は炎症及び/又は感染に反応して、マスト細胞、マクロファージ及びTh2リンパ球によって産生される。PGD2は、トロンボキサン型プロスタノイド(TP)受容体、PGD2受容体(DP、DP1としても知られている)、及びTH2細胞上で発現される化学遊走物質受容体ホモログ分子(CRTH2;DP2としても知られている)を含む、多くの受容体に結合する。Th2リンパ球において、IL-4、IL-5及びIL-13サイトカイン産生は刺激される。これらのサイトカインは、ほんの一例ではあるが、粘液分泌、炎症及び/又は好酸球動員を含む、多くの生物学的作用に関係してきた。哺乳動物の任意の眼組織に投与された、DP2受容体アンタゴニストを含む眼の医薬組成物は、DP2依存又はDP2媒介の疾患又は疾病を処置又は予防するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書には、少なくとも1つのDP2受容体アンタゴニストを含む、眼の医薬組成物が記載される。少なくとも1つのDP2受容体アンタゴニストを含む、眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与のための形態である。眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病の処置又は予防に使用される。幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病は、眼及び/又は関連する組織の異常な状態である。幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病は、炎症性の眼の疾患又は疾病である。幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病は、アレルギー反応又は眼の感染によるものである。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、眼の免疫障害(例えば自己免疫障害);眼の増殖性障害(例えば、眼球内黒色腫);眼のアレルゲン、及び/又は刺激物との接触;マスト細胞媒介の眼の疾患又は疾病(例えば、プロスタグランジンD2の過剰産生);Th2媒介の眼の疾患又は疾病;又はそれらの組み合わせを処置又は予防するために、哺乳動物の眼に投与される。
【0005】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、加齢黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、前上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、春季角結膜炎又はそれらの組み合わせを処置するために、哺乳動物の眼に投与される。
【0006】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、アレルゲン及び/又は刺激物及び/又は感染因子(例えば、ウイルス)との接触の前又は後に、哺乳動物の眼に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、身体的外傷(例えば、外科手術)の前又は後に哺乳動物の眼に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼の外側表面に関係する疾病を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。他の実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼の外側表面に投与されるが、続いて、目の内部に関係する疾患又は疾病を処置するために眼に浸透する。他の実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、限定しない例として、涙管、眼瞼、睫毛、及び/又は眼窩を含む、眼に接する又は眼の近くの組織を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。
【0007】
幾つかの実施形態において、DP2依存又はDP2媒介の疾患又は疾病(例えば、プロスタグランジンD2依存又はプロスタグランジンD2媒介の疾患又は疾病)の処置に有効な量でDP2受容体アンタゴニスト化合物と、及び溶液、懸濁液、点滴薬、乳濁液、軟膏、ゲル又は挿入物を提供するための、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、眼の医薬組成物が提供され、ここで、眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与のための形態である。
【0008】
幾つかの実施形態において、哺乳動物の眼内でDP2受容体を拮抗するための有効量でDP2受容体アンタゴニスト化合物と、及び溶液、懸濁液、点滴薬、乳濁液、軟膏、ゲル又は挿入物を提供するための、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、眼の医薬組成物が提供され、ここで、製剤は、哺乳動物の眼への投与のための形態である。
【0009】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)の化合物、又はそれらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、代謝物質、又はプロドラッグである。1つの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、代謝物質、又はプロドラッグである。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、本明細書に開示されるDP2受容体アンタゴニストである。
【0010】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、DP2受容体アンタゴニストに加えて、第2治療薬もさらに含む。幾つかの実施形態において、第2治療薬は、抗生物質、抗真菌薬、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗ウイルス剤、アルファアゴニスト、ベータ遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、プロスタグランジン、抗血管新生剤、ロテプレドノールエタボネート、マスト細胞安定化薬、シクロスポリン、cysLT1Rアンタゴニスト、5-LOインヒビター、BLT1Rアンタゴニスト、LTA4加水分解酵素インヒビター又はFLAPインヒビター化合物である。
【0011】
本明細書には、治療上有効な量のDP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、眼の医薬組成物を、それを必要とする個体の眼に投与する工程を含む、DP2依存又はDP2媒介の疾患又は疾病を処置する方法が提供される。
【0012】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、溶液、懸濁液、点滴薬、乳濁液、軟膏、ゲル又は挿入物の形態である。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、移植、挿入、注入、噴霧、洗浄、又はそれらの組み合わせを介して投与される。
【0013】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、刺激物及び/又はアレルゲン及び/又は感染因子との接触の前に投与される。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、刺激物及び/又はアレルゲン及び/又は感染因子との接触の後に投与される。
【0014】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、眼のかゆみ(即ち眼そう痒)を低減するか除去するために、哺乳動物の眼に投与される。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、刺激物及び/又はアレルゲン及び/又は感染因子との接触に起因する。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、本明細書に記載される疾患又は疾病のいずれかの症状である。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、結膜炎の症状である。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、アレルギー性結膜炎の症状である。
【0015】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物において眼そう痒を処置又は予防する方法が記載される。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、アレルギーの症状である。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、刺激物、アレルゲン、感染因子又はそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、アレルギー性結膜炎の症状である。
【0016】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物において眼そう痒を処置又は予防する方法が記載される。幾つかの実施形態において、眼炎症は、アレルギーの症状である。幾つかの実施形態において、眼炎症は、刺激物、アレルゲン、感染因子又はそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、眼炎症は、アレルギー性結膜炎の症状である。
【0017】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の眼において発赤、刺激、腫脹、涙液分泌、又はそれらの組み合わせを処置又は予防する方法が記載される。幾つかの実施形態において、発赤、刺激、腫脹、涙液分泌、又はそれらの組み合わせは、アレルギーの症状である。幾つかの実施形態において、発赤、腫脹、刺激、涙液分泌、又はそれらの組み合わせは、刺激物、アレルゲン、感染因子又はそれらの組み合わせとの接触により引き起こされる。幾つかの実施形態において、発赤、腫脹、刺激、涙液分泌、又はそれらの組み合わせは、アレルギー性結膜炎の症状である。
【0018】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、pH調節成分、助溶剤、乳化剤、浸透促進剤、防腐系、及び皮膚軟化薬、又はそれらの組み合わせから選択される賦形剤を含む。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、等張化成分をさらに含む。
【0019】
幾つかの実施形態において、等張化成分は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール又はそれらの混合物である。
【0020】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、点眼薬として投与される。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、眼軟膏として投与される。
【0021】
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物中のDP2受容体アンタゴニストの濃度は、眼の医薬組成物の重量で約0.1から約10%までである。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物中のDP2受容体アンタゴニストの濃度は、眼の医薬組成物の重量で約0.25から約5%までである。
【0022】
本明細書には、本明細書に記載される治療上有効な量の眼の医薬組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の眼においてDP2受容体アンタゴニストの濃度を増加させる方法が提供される。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、眼に影響を与える、プロスタグランジンD2依存又はプロスタグランジンD2媒介の疾患又は疾病の少なくとも1つの症状を有する。
【0023】
1つの態様において、眼の医薬組成物の製造におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物の使用がある。1つの態様において、眼の医薬組成物の製造におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物と第2治療薬(例えばFLAPインヒビター化合物)の組み合わせの使用がある。
【0024】
1つの態様において、眼の疾患又は疾病の処置のための眼の医薬組成物の製造におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物の使用がある。1つの態様において、眼の疾患又は疾病の処置のための眼の医薬組成物の製造におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物及び第2治療薬(例えば、FLAインヒビター化合物)の使用がある。
【0025】
1つの態様において、DP2受容体は、眼の疾患、障害又は疾病の病因に関係する。幾つかの実施形態において、眼の疾患、障害又は疾病は、哺乳動物において処置又は予防され、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む眼の医薬組成物を哺乳動物の眼に投与することを含む。
【0026】
本明細書に記載される、化合物、方法及び組成物の他の目的、特徴及び利点は、後述する詳細な説明から明らかとなる。しかし、詳細な説明と具体的な例は、具体的な実施形態を示しているが、本開示の精神及び範囲内での様々な変更及び修正が、この詳細な説明から当業者に明白となるため、例示目的としてのみ与えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、マウス亜慢性の喫煙モデル(smoke model)におけるBALF中にある合計の細胞、好中球及びリンパ球の数に対する、DP2受容体拮抗単独での又はFLAP阻害と組み合わせた効果を示す。
【図2】図2は、BALF中のムチンの存在に対する、DP2受容体アンタゴニスト単独での又はFLAPインヒビターと組み合わせた効果を示す。
【図3】図3は、アレルギー性結膜炎のモルモットモデルにおけるアレルギー性結膜炎の進行に対する、眼へのDP2受容体アンタゴニストの局所投与の効果を示す。
【図4】図4は、RSVに感染した眼のマウスモデルにおけるRSVの眼の病状及び眼のIL4誘発に対する、DP2受容体アンタゴニストの効果を示す。
【図5】図5は、眼のアレルギーのマウスモデルにおける眼へのDP2受容体アンタゴニストの局所投与の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
プロスタグランジンD2(PGD2)は、シクロオキシゲナーゼ及びPGD2シンターゼによるアラキドン酸の代謝に由来する酸性脂質である。PGD2は、局所的組織損傷のほかに、アレルギー性の炎症及び/又は感染にも反応して、マスト細胞、マクロファージ及びTh2リンパ球により産生される。PGD2は、眼内の様々な生物学的作用に働き;これらは、結膜に対する低眼圧及び炎症性の効果を含む。
【0029】
DP2の活性は、TH2リンパ球、好酸球、及び好塩基球の走化性及び活性に関係する。PGD2はDP2受容体と結合し、細胞内カルシウムレベルのGi依存の上昇及び環状AMPの減少を介して、その効果の多くを媒介する。Th2リンパ球において、IL-4、IL-5及びIL-13サイトカイン産生はまた、DP2受容体活性によって刺激される。これらのサイトカインは、ほんの一例ではあるが、免疫グロブリンEの産生、粘液分泌、及び好酸球動員を含む、多くの生物学的作用に関係してきた。
【0030】
春季角結膜炎及びアトピー性角結膜炎などの慢性のアレルギー性眼疾患は、視力を脅かす後遺症を有する。T細胞、好酸球、及びマスト細胞はすべて、結膜中に見られ、病因に関し役割を果たすと考えられる。
【0031】
DP2受容体は、一例ではあるが、加齢黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、アトピー性角結膜炎、又は春季角結膜炎を含む、DP2依存又はDP2媒介の眼の疾患、障害又は疾病の処置のための標的を提供する。
【0032】
本明細書には、DP2依存又はDP2媒介の疾患又は疾病(例えば、プロスタグランジンD2依存又はプロスタグランジンD2媒介の眼の疾患又は疾病)の処置又は予防のために、哺乳動物の眼に投与するための薬剤の製造におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物の使用が開示される。
【0033】
本明細書には、特定の実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、眼の医薬組成物が記載され、ここで、眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病を処置又は予防するために、哺乳動物の眼に投与される。1つの態様において、眼の医薬組成物の眼への投与は、DP2受容体アンタゴニスト化合物の体内吸収を最小限にする。1つの態様において、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への投与は、眼の疾患又は疾病の局所処置を提供する。1つの態様において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を用いた眼の疾患又は疾病の局所処置は、DP2受容体アンタゴニスト化合物の全身投与に関係する、起こり得る副作用を減少させる。
【0034】
1つの態様において、眼の疾患又は疾病は、プロスタグランジンD2によるDP2受容体の活性化の結果である。1つの態様において、眼の疾患又は疾病は、限定されないが、眼の免疫障害、眼の増殖性障害、アレルゲン及び/又は刺激物との接触から結果として生じる眼の疾患又は疾病、眼のマスト細胞障害、感染、又はそれらの組み合わせを含む。
【0035】
眼の免疫障害は、限定されないが、加齢黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、前上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、春季角結膜炎、又はそれらの組み合わせを含む。
【0036】
眼の増殖性障害は、限定されないが、眼球内黒色腫及び結膜黒色腫を含む。眼の感染は、細菌(例えば、黄色ブドウ球菌)、ウイルス(例えば、呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory Syntactic Virus)(RSV)、クラミジア)などによって引き起こされる感染を含む。
【0037】
特定の例において、プロスタグランジンD2は、好酸球の炎症及び/又は動員に関係する。1つの態様において、DP2受容体の拮抗は、好酸球の活性及び/又は移動を阻害し、及び/又は眼における炎症を処置する。
【0038】
1つの態様において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカインは、本明細書に記載される眼の疾患又は疾病の病因に関係する。幾つかの例において、DP2受容体の拮抗は、結果として、(例えば、Th2リンパ球からの)サイトカインの分泌の減少につながる。幾つかの例において、DP2受容体の拮抗は、そのような眼の疾患又は疾病に関係する症状を阻害するか又は減少させる。
【0039】
1つの態様において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、インターロイキン4(IL-4)など)は、本明細書に記載される眼の疾患又は疾病の病因に関係する。幾つかの例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカインは、眼組織においてムチンの蓄積を引き起こす。幾つかの例において、眼内のDP2受容体の拮抗は、結果として、IL-4の産生の減少につながる。IL-4の減少は、結果として、そのような眼の疾患又は疾病に関係する症状の減少につながる。幾つかの例において、サイトカイン産生の低減は、眼組織においてムチンの蓄積を低減又は阻害する。
【0040】
幾つかの例において、眼内の炎症は、本明細書に記載される眼の疾患又は疾病の病因に関係する、涙液分泌の産生(例えば、粘液、ムチン、膿など)を引き起こす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物の投与は、結果として、涙液分泌の産生の減少につながる。涙液分泌(例えば粘液産生)の減少は、結果として、そのような眼の疾患又は疾病に関係する症状の減少につながる。
【0041】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される任意の眼の医薬組成物は、第2治療薬と組み合わせたDP2受容体アンタゴニストを含み、眼及び/又は眼に関連する組織に投与され、眼に影響を与える任意のプロスタグランジンD2媒介又はプロスタグランジンD2依存の疾患又は疾病の症状を処置、及び/又は阻害するか低減する。
【0042】
本明細書に使用されるように、眼の疾患又は疾病又は障害は、眼又は眼に関連する組織の任意の異常な状態を含む。特定の例において、眼の疾患又は疾病は、免疫障害(例えば自己免疫障害);増殖性障害;アレルゲン、及び/又は刺激物との接触;マスト細胞障害(例えば、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカインの過剰産生);又はそれらの組み合わせによって引き起こされるか、又は悪化する。
【0043】
眼の疾患又は疾病は、限定されないが、加齢黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、前上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、アトピー性角結膜炎、及び春季角結膜炎を含む。
【0044】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、アレルゲン及び/又は刺激物及び/又は感染因子との接触の前又は後に、哺乳動物の眼に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、身体的外傷(例えば、外科手術)の前又は後に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物の眼への投与は、アレルゲン及び/又は刺激物及び/又は感染因子との接触に起因する眼そう痒を低減又は除去する。
【0045】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病を処置するために哺乳動物の眼に投与され、ここで、眼の疾患又は疾病は結膜炎である。特定の例において、結膜炎は、アレルゲンへの曝露に起因する。特定の例において、結膜炎は、細菌、ウイルス、又はクラミジア感染に起因する。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、結膜炎に関係する症状の幾つか又は全てを媒介する。1つの態様において、結膜炎に関係する症状は、限定されないが、血管拡張、浮腫、充血を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、アレルギー性結膜炎を処置するために眼に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、アレルギー性結膜炎に関係するそう痒を処置するために、眼に投与される。
【0046】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼そう痒を処置又は予防するために哺乳動物の眼に投与される。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、アレルギーの症状である。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、アレルギー性結膜炎の症状である。幾つかの実施形態において、眼そう痒は、本明細書に記載される疾患又は疾病のいずれかの症状である。
【0047】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病を処置するために哺乳動物の眼に投与され、ここで、眼の疾患又は疾病は角膜炎である。本明細書に使用されるように、角膜炎は、角膜の炎症によって特徴付けられる障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、角膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、DP2受容体の拮抗は、角膜炎に関係するサイトカイン(例えば、IL-4)の濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内のDP2受容体の拮抗は、角膜炎を処置する。
【0048】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病を処置するために哺乳動物の眼に投与され、ここで、眼の疾患又は疾病は、角結膜炎(即ち、結膜炎と角膜炎(即ち、角膜の炎症)の組み合わせ)である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、角膜炎及び結膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内のDP2受容体の拮抗は、角膜炎及び結膜炎に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、角結膜炎を処置する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を阻害することで、血管拡張、浮腫、充血、又はそれらの組み合わせを処置する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、角膜炎及び/又は結膜炎に関係するムチンの蓄積を低減する。
【0049】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼の疾患又は疾病を処置するために哺乳動物の眼に投与され、ここで、眼の疾患又は疾病は眼瞼炎である。本明細書に使用されるように、眼瞼炎は、眼瞼辺縁の炎症によって特徴付けられる眼の障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、眼瞼炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、眼瞼炎に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、眼瞼炎を処置し、及び/又は眼瞼炎に関係するムチンの蓄積を低減する。
【0050】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼瞼結膜炎(即ち、結膜炎と眼瞼炎(即ち、眼瞼の炎症)の組み合わせ)を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカインは、眼瞼炎及び結膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、眼瞼炎と結膜炎に関係するサイトカイン(IL-4)の濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、眼瞼結膜炎を処置する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、眼瞼結膜炎に関係する、ムチンの蓄積、血管拡張、浮腫、充血、又はそれらの組み合わせを処置する。
【0051】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、強膜炎を処置するために哺乳動物の眼に投与される。本明細書に使用されるように、強膜炎は強膜の炎症によって特徴付けられる障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、強膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、強膜炎に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、強膜炎を処置する。
【0052】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、上強膜炎を処置するために哺乳動物の眼に投与される。本明細書に使用されるように、上強膜炎は、上強膜の炎症によって特徴付けられる障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、上強膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、上強膜炎に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、上強膜炎を処置する。
【0053】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、ブドウ膜炎を処置するために哺乳動物の眼に投与される。本明細書に使用されるように、ブドウ膜炎は、ブドウ膜の炎症によって特徴付けられる障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、ブドウ膜炎に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血、ムチンの蓄積)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、ブドウ膜炎に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、ブドウ膜炎を処置する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、血管拡張、浮腫、充血を処置するか、又はムチンの蓄積、又はその組み合わせを低減する。
【0054】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、シェーグレン症候群を処置するために哺乳動物の眼に投与される。特定の例において、シェーグレン症候群は、免疫細胞が、涙を作り出す外分泌腺を攻撃し破壊する、自己免疫障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、シェーグレン症候群に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、シェーグレン症候群に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、眼内でDP2受容体を拮抗することで、シェーグレン症候群を処置する。幾つかの例において、DP2受容体の活性を低減することで、涙管に対する好酸球の走化性を阻害する。
【0055】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、(グレーブスの甲状腺に関係する又は甲状腺異常の眼窩疾患又は眼球突出症としても知られる)グレーブス眼症を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。グレーブス眼症は、眼窩に影響を与える自己免疫性の炎症性障害である。特定の例において、免疫系は、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSH-R)を抗原として識別し、それを攻撃する。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、グレーブス眼症(例えば、血管拡張、浮腫、充血)に関係する症状の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、DP2受容体に対するプロスタグランジンD2の結合を阻害することで、グレーブス眼症に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、グレーブス眼症を処置する。幾つかの例において、DP2受容体活性を低減することで、眼窩に対する好酸球の走化性を阻害する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を低減することで、血管拡張、浮腫、充血、又はそれらの組み合わせを処置する。
【0056】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、水疱性障害を処置するために哺乳動物の眼に投与される。特定の例において、水疱性障害は、疱疹の形成(即ち、組織における細胞間の流体の蓄積)によって特徴付けられる。特定の例において、水疱性障害は自己免疫障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、水疱性障害に関係する症状の幾つか又は全てを媒介する(例えば、毛細血管から組織までの血漿の滲出を誘発する)。特定の例において、DP2受容体に対するプロスタグランジンD2の結合を阻害することで、水疱性障害に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、水疱性障害を処置する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、毛細血管から組織までの血漿の滲出を阻害する。幾つかの例において、DP2受容体活性を阻害することで、水疱性障害に関係するムチンの蓄積を阻害する。
【0057】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼内の瘢痕化を処置するために哺乳動物の眼に投与される。特定の例において、瘢痕化は、コラーゲンの過剰産生に起因する、線維組織の領域である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、瘢痕化に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、DP2受容体に対するプロスタグランジンD2の結合を阻害することで、瘢痕化に関係するサイトカインの濃度を低減する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、瘢痕化を処置する(例えば、手術の前又は後に創傷の部位での炎症を低減する)。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、ムチンの蓄積及び/又は線維組織の蓄積を処置する。
【0058】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼内の黒色腫(例えば、眼球内黒色腫、及び/又は結膜黒色腫)を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。幾つかの例において、黒色腫は、黒色素細胞の増殖性障害である。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカインは、黒色素細胞の成長を刺激する。さらに、特定の例において、炎症は、黒色腫の成長を促進する。特定の例において、プロスタグランジンD2は、黒色腫に関係する炎症を媒介する。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えば、IL-4)は、黒色腫に関係する症状(例えば、血管拡張、浮腫、充血)の幾つか又は全てを媒介する。特定の例において、DP2受容体に対するプロスタグランジンD2の結合を阻害することで、黒色腫に関係するサイトカインの濃度を低減し、眼球内黒色腫に関係する黒色素細胞の成長を遅らせる及び/又は阻害する。幾つかの実施形態において、DP2受容体活性を阻害することで、眼球内黒色腫及び/又は結膜黒色腫を処置する(例えば、炎症及び/又は増殖を低減する)。
【0059】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される眼の医薬組成物は、眼感染(例えば、細菌、ウイルス又はクラミジア感染)を処置するために、哺乳動物の眼に投与される。特定の例において、感染は、涙液分泌の産生(例えば、粘液、ムチン、膿など)をもたらす。特定の例において、プロスタグランジンD2及び/又はサイトカイン(例えばIL-4)は、感染した眼内で粘液の産生を媒介する。特定の例において、DP2受容体活性を阻害することで、涙液分泌に関係するサイトカイン(例えばIL-4)の濃度を低減し、眼感染に関係する粘液の産生を遅らせる及び/又は阻害する。特定の例において、DP2受容体に対するプロスタグランジンD2の結合を阻害することで、眼感染に関係する粘液産生を低減する。
【0060】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される任意の眼の医薬組成物は、任意の第2治療薬と組み合わせたDP2受容体アンタゴニストを含み、本明細書に記載される任意のプロスタグランジンD2媒介又はプロスタグランジンD2依存の疾患又は疾病の処置のために、眼に投与される。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物及び第2治療薬の効果は付加的であり、即ち、DP2受容体アンタゴニスト化合物と第2治療薬との組み合わせの投与は、どちらかのみの化合物の投与より大きな治療効果を提供する。
【0061】
DP2受容体アンタゴニスト
1つの態様において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、少なくとも1つのDP2受容体アンタゴニスト化合物を含む。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、国際特許出願番号PCT/US09/35174(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のアンタゴニスト(Antagonists of Prostaglandin D2 receptors)」);国際特許出願番号
PCT/US08/82056(発明の名称「PGD2受容体のアンタゴニスト(Antagonists of PGD2 receptors)」);国際特許出願番号PCT/US08/82082(発明の名称「PGD2受容体のアンタゴニスト(Antagonists of PGD2 receptors)」);国際特許出願番号PCT/US09/32495(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のN,N-二置換-アミノアルキルビフェニルアンタゴニスト(N,N-disubstituted aminoalkylbiphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);国際特許出願番号PCT/US09/32499(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のN,N-二置換-アミノアルキルビフェニルアンタゴニスト(N,N-disubstituted aminoalkylbiphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);国際特許出願番号PCT/US09/33961(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のアンタゴニストとしての環状ジアリールエーテル化合物(Cyclic diaryl ether compounds as antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);国際特許出願番号PCT/US09/38291(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のアミノアルキルフェニルアンタゴニスト(Aminoalkylphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/078,311号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロアルキルアンタゴニスト(Heteroalkyl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/101,074号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロアリールアンタゴニスト(Heteroaryl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/054,093号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体の三環式アンタゴニスト(Tricyclic antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/107,638号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体の三環式アンタゴニスト(Tricyclic antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/075,242号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のシクロアルカン[B]インドールアンタゴニスト(Cycloaklane[B]indole antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/101,964号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロアリールアンタゴニスト(Heteroaryl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/103,872号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロアルキルビフェニルアンタゴニスト(Heteroalkyl biphenyl antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/115,259号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロ環式アンタゴニスト(Heterocyclic antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/112,044号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のシクロアルカン[B]アザインドールアンタゴニスト(Cycloaklane[B]azaindole antagonists of prostaglandin D2 receptors)」);米国仮特許出願第61/147,437号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体アンタゴニストとしてのインドリジン化合物(Indolozine compounds as prostaglandin D2 receptor antagonists)」);米国仮特許出願第61/025,597号;米国仮特許出願第61/110,496号;米国特許出願第12/362,439号;国際特許出願番号PCT/US09/49621;国際特許出願番号PCT/US09/49631;米国特許出願第12/497,343号;国際特許出願番号PCT/US09/58655;国際特許出願番号PCT/US09/58663;米国特許出願第12/568,571号;国際特許出願番号PCT/US09/44219;国際特許出願番号PCT/US09/48327;国際特許出願番号PCT/US09/59256;国際特許出願番号PCT/US09/59891;国際特許出願番号PCT/US09/64630;国際特許出願番号PCT/US09/63439;国際特許出願番号PCT/US09/63438;米国特許出願第12/613,424号;国際特許出願番号PCT/US2010/22145、に開示される化合物;又はそれらの薬学的に許容可能な塩;薬学的に許容可能な溶媒和物;代謝物質、プロドラッグ又はN-オキシドから選択され、各開示は、そのような化合物のための引用によって組み込まれる。
【0062】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、ラマトロバン、AMG009、AMG853、WO 09/085177の化合物14、AZD1981、AZD8075、AZD5985、ARRY-005、ARRY-006、ARRY-063、ODC9101(OC459)、OC499、OC1768、OC2125、OC2184、QAV680、MLN6095、ACT-129968、ADC3680、SAR398171、S555739、AP768、[2'-(3-ベンジル-1-エチル-ウレイドメチル)-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル]-酢酸、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸、TM30642、TM30643、TM30089、TM27632、及びTM3170、{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸、[2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸、(5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸、又は{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はそれらの薬学的に許容可能な塩;薬学的に許容可能な溶媒和物;代謝物質、プロドラッグ又はN-オキシドである。
【0063】
1つの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(I)の構造:
【0064】
【化1】

【0065】
を有する化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグであり、式中、
R4は、H、 ハロゲン、-CN、-NO2、OH、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルであり、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-OR13、-SR12、-S(=O)R12、-S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-C(=O)R12、-OC(=O)R12、-CO2R13、-OCO2R13、-CH(R132、-N(R132、-C(=O)N(R132、-OC(=O)N(R132、-NHC(=O)NH(R13)、-NHC(=O)R12、-NHC(=O)OR12、-C(OH)(R132、-C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、又はC1-C6ヘテロアルキルであり、
又は、R5は、C3-C10シクロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のナフチル、置換又は非置換の単環式ヘテロアリール、又は置換又は非置換のニ環式ヘテロアリールであり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換され、
R20は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2O-C1-C4アルキル、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)、-OC1-C4アルキル、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-O-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)、-NR16C1-C4アルキル、-NR16-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-NR16-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換され、
各R21は、ハロゲン、-OH及び-OC1-C4アルキル、C1-C4アルキル、及び-CF3から独立して選択され、
R16は、H又はC1-C4アルキルであり、
R11は、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、
R12は、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、又はC1-C4フルオロアルキルであり、
各R13は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、及びC1-C4フルオロアルキルから独立して選択される。
【0066】
幾つかの実施形態において、R11は、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-CH2CF3、シクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルである。幾つかの実施形態において、R11は、-CH2CH3又は‐CH2CF3である。いくつかの実施形態において、R11は、-CH2CH3である。
【0067】
幾つかの実施形態において、R5は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-OR13、-SR12、-S(=O)R12、-S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-C(=O)R12、-OC(=O)R12、-CO2R13、-OCO2R13、-N(R132、-C(=O)N(R132、-OC(=O)N(R132、-NHC(=O)NH(R13)、-NHC(=O)R12、-NHC(=O)OR12、-C(OH)(R132、-C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、C1-C4アルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルであり、R12は、C1-C4アルキルであり、各R13は、H、及びC1-C4アルキルから独立して選択される。幾つかの実施形態において、R5は、H、-CF3、-CO2H、Br、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-OCH3、-NH-SO2CH3、-SCH3、-SO2CH3、-NH-(C=O)-CH3、-NH-SO2-CH3、又は-C(CH32-(OH)である。
【0068】
幾つかの実施形態において、R20は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2O-C1-C4アルキル、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)、-OC1-C4アルキル、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-O-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)、-NR16C1-C4アルキル、-NR16-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-NR16-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。
【0069】
幾つかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OH、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、R5は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-S(=O)2CH3、-NHS(=O)2CH3、-C(=O)CH3、-OC(=O)CH3、-CO2H、-CO2CH3、-CO2CH2CH3、-NH2-C(=O)NH2、-NHC(=O)CH3、-CH3、-CF3、-OCF3、-OCH3、-CH2OH、又は-C(CH32OHである。
【0070】
幾つかの実施形態において、R20は、-CH3、-CH2CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH2OCH3、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。
【0071】
幾つかの実施形態において、各R21は、F、Cl、Br、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-CH2CH3、-CH3、及びCF3から独立して選択される。幾つかの実施形態において、各R21は、F、Cl、Br、-OH、-OCH3、-CH3、及び-CF3から独立して選択される。
【0072】
幾つかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、R5は、ハロゲン、-CH3、-CF3、-OCF3、又は-OCH3である。
【0073】
幾つかの実施形態において、R20は、-CH3、-CH2CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH2OCH3、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、0、1、又は2のR21の基で置換される。
【0074】
幾つかの実施形態において、R20は、-CH3、シクロプロピル、-CH2OCH3、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。幾つかの実施形態において、R20は、シクロプロピルである。
【0075】
幾つかの実施形態において、R20は、-OC1-C4アルキル、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-O-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。
【0076】
幾つかの実施形態において、R20は、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。
【0077】
幾つかの実施形態において、R20は、-NR16C1-C4アルキル、-NR16-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-NR16-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換され、R16は、H、-CH3、又は-CH2CH3である。
【0078】
幾つかの実施形態において、R20は、-NH-CH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、R20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換される。幾つかの実施形態において、R20は、-NH-CH2-フェニルである。
【0079】
幾つかの実施形態において、R4は、F、Cl、Br、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3である。
【0080】
幾つかの実施形態において、R5は、F、Cl、Br、-CH3、-CF3、-OCF3、又は-OCH3である。
【0081】
幾つかの実施形態において、R11は、-CH3、-CH2CH3、又は-CH2CF3である。
【0082】
幾つかの実施形態において、各R21は、F、Cl、Br、-OH、-OCH3、-CH3、及び-CF3から独立して選択される。幾つかの実施形態において、各R21は、F、Cl、Br,-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-CH3、及び-CF3から独立して選択される。幾つかの実施形態において、各R21は、F、Cl、及びBrから独立して選択される。
【0083】
幾つかの実施形態において、R4は、-OCH3である。幾つかの実施形態において、R5は、-CF3である。
【0084】
幾つかの実施形態において、R11は、-CH3、又は-CH2CH3である。幾つかの実施形態において、R11は、-CH2CH3である。
【0085】
幾つかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OH、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3である。
【0086】
幾つかの実施形態において、R11は、シクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルである。
【0087】
幾つかの実施形態において、R5は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、ピペラジニル、チオモルフォリニル、又はフェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンジイミダゾリル(benzimidaolyl)、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、及びキノキサリニルから選択される置換又は非置換の基であり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。
【0088】
幾つかの実施形態において、R5は、フェニル、ナフチル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンジイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、及びキノキサリニルから選択される置換又は非置換の基であり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。
【0089】
幾つかの実施形態において、R5は、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンジイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニルから選択される置換又は非置換の基であり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。
【0090】
幾つかの実施形態において、R5は、置換又は非置換のピリジニルであり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。
【0091】
幾つかの実施形態において、R4は、F、Cl、Br、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、R11は、-CH3、-CH2CH3、又は-CH2CF3である。
【0092】
幾つかの実施形態において、R4は、-OCH3であり、R11は、-CH3、又は-CH2CH3である。
【0093】
幾つかの実施形態において、R5は、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、及びイソキノリニルから選択される置換又は非置換の基であり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。
【0094】
幾つかの実施形態において、R5は、シクロプロピル、フェニル、ピロリジン-1-イル、ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、オキサゾール-2-イル、ピリジン-2-イル、6-エトキシ-ピリジン-3-イル、5-フルオロ-ピリジン-2-イル、5-メトキシ-ピリミジン-2-イル、又はキノリン-7-イルである。
【0095】
幾つかの実施形態において、R5は、ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、オキサゾール-2-イル、ピリジン-2-イル、6-エトキシ-ピリジン-3-イル、5-フルオロ-ピリジン-2-イル、5-メトキシ-ピリミジン-2-イル、又はキノリン-7-イルである。
【0096】
幾つかの実施形態において、R5は、置換又は非置換のピリジン-2-イル、置換又は非置換のピリジン-3-イル、又は置換又は非置換のピリジン-4-イルであり、ここで、R5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換される。幾つかの実施形態において、R5は、ピリジン-2-イル、6-エトキシ-ピリジン-3-イル、5-フルオロ-ピリジン-2-イル、又は5-メトキシ-ピリミジン-2-イルである。幾つかの実施形態において、R5は、ピリジン-2-イル、6-メチル-ピリジン-3-イル、6-エチル-ピリジン-3-イル、6-メトキシ-ピリジン-3-イル、6-エトキシ-ピリジン-3-イル、5-フルオロ-ピリジン-2-イル、5-メチル-ピリジン-2-イル、5-エチル-ピリジン-2-イル、5-メトキシ-ピリミジン-2-イル、又は5-エトキシ-ピリミジン-2-イルである幾つかの実施形態において、R5は、6-エトキシ-ピリジン-3-イルである。
【0097】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、[2'-(3-ベンジル-1-エチル-ウレイドメチル)-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル]-酢酸、{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸、 [2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸、又はそれらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物又はプロドラッグである。
【0098】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(II)の構造:
【0099】
【化2】

【0100】
を有する化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグであり、
式中、
各R2、R3、及びR4は、独立して、H、F、Cl、Br、I、-CN、-OR12、-C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、又はC1-C6ヘテロアルキルであり、
R6は、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-O(C1-C6アルキル)、-S(=O)2R12、-N(C1-C4アルキル)S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-S(=O)2N(R132、-C(=O)R12、-CO2(C1-C6アルキル)、-NH2、-C(=O)NH(R13)、-C(=O)N(R132、-OC(=O)NH(R13)、-OC(=O)N(R132、-N(C1-C4アルキル)C(=O)N(R132、-NHC(=O)N(R132、-NHC(=O)NH(R13)、-N(C1-C4アルキル)C(=O)R12、-NHC(=O)R12、-NHC1-C4アルキル-C(=O)R12、-N(C1-C4アルキル)C(=O)OR12、-NHC(=O)OR12、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6ヘテロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又はN、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む置換又は非置換の単環式又はニ環式のヘテロアリールであり、
R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、置換又は非置換のフェニル、N、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む置換又は非置換の単環式又はニ環式のヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-フェニル、-C1-C6アルキレン-N(R172、-C1-C6アルキレン-C(=O)O-R17、又は-C1-C6アルキレン-C(=O)N(R172であり、R17はH、又はC1-C6アルキルであり、
R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、置換又は非置換のC3-C10シクロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のベンジル、N、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む置換又は非置換の単環式ヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-C3-C10シクロアルキル、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-フェニル、又は置換又は非置換の-C1-C4アルキル-(N、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む単環式ヘテロアリール)であり、
各R13は、H、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、置換又は非置換のC3-C10シクロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のベンジル、N、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む置換又は非置換の単環式ヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-C3-C10シクロアルキル、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-C2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-フェニル、及び置換又は非置換の-C1-C4アルキル-(N、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む単環式ヘテロアリール)から独立して選択され、又は、
同じN原子に付けられた2つのR13の基は、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキルを形成するためにそれらが付けられる、N原子と一緒に得られ(are taken together with)、
Yは、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)2-である。
【0101】
幾つかの実施形態において、R6は、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-S(=O)2R12、-N(C1-C4アルキル)S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-S(=O)2N(R132、-C(=O)R12、-CO2(C1-C6アルキル)、-NH2、-C(=O)NH(R13)、-C(=O)N(R132、-N(C1-C4アルキル)C(=O)N(R132、-NHC(=O)N(R132、-NHC(=O)NH(R13)、-N(C1-C4アルキル)C(=O)R12、-NHC(=O)R12、-NHC1-C4アルキル-C(=O)R12、-N(C1-C4アルキル)C(=O)OR12、-NHC(=O)OR12、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6ヘテロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又はN、O又はSから選択される0〜3のヘテロ原子を含む置換又は非置換の単環式ヘテロアリールである。
【0102】
幾つかの実施形態において、R11は、イソプロピル、tert-ブチル、-CH2CF3、-CH2CO2H、-CH2CH2N(CH32、フェニル、4-クロロフェニル、ベンジル、フェネチル、チアゾール-2-イル、5-メチル-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、ピリジン-2-イル、又はキノリン-2-イルである。
【0103】
幾つかの実施形態において、R6は、-NO2、-N(C1-C4アルキル)S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-N(R132、-N(C1-C4アルキル)C(=O)N(R132、-NHC(=O)N(R132、-N(C1-C4アルキル)C(=O)R12、-NHC(=O)R12、-NH-C1-C4アルキル-C(=O)R12、-N(C1-C4アルキル)C(=O)OR12、又は-NHC(=O)OR12である。
【0104】
幾つかの実施形態において、R6は、-N(C1-C4アルキル)C(=O)R12又は-NHC(=O)R12である。
【0105】
幾つかの実施形態において、各R2、R3、及びR4は、独立して、H、F、Cl、Br、I、-CN、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CHCH2、-CHF2、-CF3、-OCHF2、又は-OCF3である。
【0106】
幾つかの実施形態において、R2はHである。幾つかの実施形態において、R3はHである。
【0107】
幾つかの実施形態において、R4は、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、C1-C4アルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルである。R6は、-NR13S(=O)2R12、-S(=O)2N(R12)(R13)、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、又は-NR13C(=O)OR12であり、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のナフチル、置換又は非置換の5員ヘテロアリール、置換又は非置換の6員ヘテロアリール、又は-C1-C4アルキル-(置換又は非置換のフェニル)であり、R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のナフチル、置換又は非置換のベンジル、置換又は非置換の6員ヘテロアリール、又は-C1-C4アルキル-(置換又は非置換のフェニル)であり、R13は、H又はC1-C4アルキルであり、又は、同じN原子に付けられたR12及びR13は、置換又は非置換のC2-C6ヘテロシクロアルキルを形成するためにそれらが付けられる、N原子と一緒に得られる。
【0108】
幾つかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、又はC1-C4アルコキシである。
【0109】
幾つかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又は-C1-C4アルキル-(置換又は非置換のフェニル)である。
【0110】
幾つかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CHCH2、-CHF2、-CF3、-OCHF2、又は-OCF3である。
【0111】
幾つかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のベンジル、又は-C1-C4アルキル-(置換又は非置換のフェニル)であり、R13は、H又は-CH3である。
【0112】
幾つかの実施形態において、R6は、-NR13S(=O)2R12、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、又は-NR13C(=O)OR12である。
【0113】
幾つかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又は-C1-C4アルキル-(置換又は非置換のフェニル)である。
【0114】
幾つかの実施形態において、R4は、F、Cl、Br、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CHCH2、-CHF2、-CF3、-OCHF2、又は-OCF3である。幾つかの実施形態において、R4は、-OCH3である。
【0115】
幾つかの実施形態において、R6は、-NR13C(=O)R12である。
【0116】
幾つかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、又は置換又は非置換のベンジルである。
【0117】
幾つかの実施形態において、R11は、-CH2CH3、-CH(CH32、-C(CH33、-CH2CF3、置換又は非置換のフェニル、-C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)である。
【0118】
幾つかの実施形態において、R12は、-CH(CH33、-C(CH33、-CH2CH(CH32、-CH2C(CH33、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換又は非置換のフェニル、又は置換又は非置換のベンジルである。
【0119】
幾つかの実施形態において、R11は、-CH2CH3、-CH(CH32、-C(CH33、又は-CH2CF3であり、R12は、-CH(CH32、-C(CH33、-CH2CH(CH32、-CH2C(CH33、又は置換又は非置換のフェニルであり、R13は、Hである。
【0120】
幾つかの実施形態において、R4は、F、Cl、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、R11は、-C(CH33であり、R12は、-C(CH33であり、R13は、Hである。
【0121】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。
【0122】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(III)の構造:
【0123】
【化3】

【0124】
を有する化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、N-オキシド、又はプロドラッグであり、
式中、
各R1は、H及び-CH3から独立して選択され、
各RAは、H、ハロゲン、-CN、-OH、-OR12、-N(R132、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6ヘテロアルキルから独立して選択される。
R6は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-OR12、-SR12、-S(=O)R12、-S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-N(C1-C6アルキル)S(=O)2R12、-S(=O)2N(R13)R2、-C(=O)R12、-OC(=O)R12、-CO2R13、-OCO2R13、-N(R132、-C(=O)N(R132、-OC(=O)N(R132、-NHC(=O)N(R132、-N(C1-C6アルキル)C(=O)N(R132、-NHC(=O)R12、-N(C1-C6アルキル)C(=O)R12、-NHC1-C4アルキル-C(=O)R12、-C1-C4アルキル-N(R132、-C1-C4アルキル-NHC(=O)R12、-C1-C4アルキル-NHS(=O)2R12、-NHC(=O)OR12、-N(C1-C6アルキル)C(=O)OR12、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6ヘテロアルキル、置換又は非置換のシクロアルキル、及び置換又は非置換のヘテロシクロアルキルから選択され、
R10は、-C(=O)R14、-C(=O)OR15、又は-C(=O)N(R162であり、
R14は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、又は、
R14は、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-アリール又は置換又は非置換の-C1-C4アルキル-ヘテロアリールであり、
R15は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、又は、
R15は、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-アリール、又は置換又は非置換の-C1-C4アルキル-ヘテロアリールであり、
各R16は、独立して、H、-CN、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、又は、同じN原子に付けられた2つのR16の基は、随意に置換されたヘテロシクロアルキルを形成するためにそれらが付けられる、N原子と一緒に得られ、又は、各R16は、独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-アリール、又は置換又は非置換の-C1-C4アルキル-ヘテロアリールであり、
R11は、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換の-C1-C4アルキル-アリール、又は置換又は非置換の-C1-C4アルキル-ヘテロアリールであり、又は、
R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、又はC1-C6ヘテロアルキルである。
【0125】
幾つかの実施形態において、RAは、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、又はC1-C4アルコキシであり、R6は、H、ハロゲン、-CN、テトラゾリル、-OH、-SR13、-S(=O)R12、-S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-C(=O)R12、-OC(=O)R12、-CO2R13、-N(R132、-C(=O)N(R132、-NHC(=O)R12、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、C1-C4アルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルであり、R10は、-C(=O)C1-C4アルキル、-C(=O)C1-C4フルオロアルキル、-C(=O)C3-C6シクロアルキル、-C(=O)(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)(1、又は2のN原子を含む置換又は非置換の6員ヘテロアリール)、-C(=O)C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)-C1-C2アルキル-(1、又は2のN原子を含む置換又は非置換の6員ヘテロアリール)、-C(=O)C1-C2アルキル-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-O-C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)-NR16C1-C4アルキル、又は-C(=O)-NR16C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)であり、R11は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、又は置換又は非置換のベンジルであり、R12は、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、又はC1-C4フルオロアルキルであり、各R13は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、及びC1-C4フルオロアルキル、又は置換又は非置換のベンジルから独立して選択され、R16は、H又はC1-C4アルキルであり、ここで、各置換されたフェニル又は置換されたヘテロアリールは、1、又は2のRCで置換され、各RCは、ハロゲン、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される。
【0126】
幾つかの実施形態において、R10は、-C(=O)C1-C4アルキル、-C(=O)C3-C6シクロアルキル、-C(=O)C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)-C1-C2アルキル-(1、又は2のN原子を含む置換又は非置換の6員ヘテロアリール)、-C(=O)-O-C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)、又は-C(=O)-NR16C1-C2アルキル-(置換又は非置換のフェニル)である。
【0127】
幾つかの実施形態において、R10は、-C(=O)C1-C4アルキル、-C(=O)C3-C6シクロアルキル、-C(=O)CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)-CH2-(1、又は2のN原子を含む置換又は非置換の6員ヘテロアリール)、-C(=O)-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-C(=O)-NHCH2-(置換又は非置換のフェニル)である。幾つかの実施形態において、R10は、-C(=O)C1-C4アルキル、-C(=O)C3-C6シクロアルキル、-C(=O)CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-C(=O)-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-C(=O)-NHCH2-(置換又は非置換のフェニル)である。幾つかの実施形態において、R10は、-C(=O)-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)である。幾つかの実施形態において、R10は、-C(=O)CH3、-C(=O)CH2CH3、-C(=O)シクロプロピル、-C(=O)CH2OCH3、又は-C(=O)CH2OCH2CH3である。
【0128】
幾つかの実施形態において、各RAは、H、F、Cl、Br、I、-CN、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-CH2F、及び-OCF3から独立して選択される。
【0129】
幾つかの実施形態において、R6は、H、-CF3、-CO2H、Br、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-OCH3、-NH-SO2CH3、-SCH3、-SO2CH3、-NH-(C=O)-CH3、-NH-SO2-CH3、又は-C(CH32-(OH)である。幾つかの実施形態において、R6は、F、Cl、-CH3、-CF3、-OCF3、又は-OCH3である。幾つかの実施形態において、R6は、-CF3である。
【0130】
幾つかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキルである。幾つかの実施形態において、R11は、-CH2CH3である。
【0131】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、(5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。
【0132】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、式(IV)の構造:
【0133】
【化4】

【0134】
を有する化合物、その薬学的に許容可能な溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、N-オキシド、又はプロドラッグであり、
式中、
R1は、L1-X1であり、L1は、C1-C6アルキルであり、X1は、CO2H、又は-CO2(C1-C6アルキル)であり、各RAは、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、及びC1-C6アルコキシから独立して選択され、
R2は、H又は-CH3であり、
R3は、H、又はC1-C6アルキルであり、
R12は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、随意に置換されたC3-C10シクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換された-C1-C6アルキル-シクロアルキル、随意に置換された-C1-C6アルキル-フェニル、又は随意に置換された-C1-C6アルキル-ヘテロアリールである。
【0135】
幾つかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキル、随意に置換されたフェニル、随意に置換されたナフチル、又は0〜3のN原子を含む随意に置換されたヘテロアリールである。
【0136】
幾つかの実施形態において、R12は、随意に置換されたフェニル、随意に置換されたナフチル、0〜3のN原子を含む随意に置換された単環式ヘテロアリール又は0〜3のN原子を含む随意に置換された二環式ヘテロアリールである。
【0137】
幾つかの実施形態において、各RAは、H、F、Cl、Br、I、-CN、-OH、-OCH3、-CH3、及び-CF3から独立して選択される。幾つかの実施形態において、各RAは、Hである。
【0138】
幾つかの実施形態において、L1は、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32、又は-CH2CH2-である。幾つかの実施形態において、L1は、-CH2-、又は-CH2CH2-である。幾つかの実施形態において、L1は、-CH2-である。幾つかの実施形態において、L1は、-CH2CH2-である。
【0139】
幾つかの実施形態において、R12は、置換又は非置換のフェニルであり、ここで、もしR12が置換されるならば、R12は、F、Cl、Br、I、-CN、-NH2、-OH、-NH(CH3)、-N(CH32、-CH3、-CF3、-OCH3、及び-OCF3から選択される1、又は2の基で置換される。幾つかの実施形態において、R12は、置換又は非置換のフェニルであり、ここで、もしR12が置換されるならば、R12は、F、Cl、Br、I、-CN、-NH2、-OH、-NH(CH3)、-N(CH32、-CH3、-CF3、-OCH3、及び-OCF3から選択される1つの基で置換される。幾つかの実施形態において、R12は、4-フルオロフェニルである。
【0140】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、(R)-{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、(S)-{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はそれらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、(R)-{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、(S)-{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグである。
【0141】
様々な変更に対する上述される基の任意の組み合わせは、本明細書で考慮される。本明細書を通じて、基及びそれらの置換基は、安定した部分及び化合物を提供するために、当業者によって選択される。
【0142】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物は、薬学的に許容可能な塩、及び/又は薬学的に許容可能な溶媒和物として本明細書に記載される製剤に含まれる。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物は、薬学的に許容可能な塩として本明細書に記載される製剤に含まれる。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物は、遊離酸の形態又は遊離塩基の形態で本明細書に記載される製剤に含まれる。
【0143】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるDP2受容体アンタゴニスト化合物は、1以上の立体中心を有し、各中心は、R又はS配置のいずれかにおいて独立して存在する。本明細書に示される化合物は、全てのジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマーの形態の他に、それらの適切な混合物も含む。
【0144】
併用療法
1つの態様において、本明細書に開示される医薬組成物及び方法は、さらなる治療薬剤を含む。1つの態様において、さらなる治療薬剤は、DP2受容体アンタゴニスト化合物以外の治療薬剤である。
【0145】
1つの態様において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、以下から選択される治療薬剤と(別々に又は同じ製剤において)同時投与される:抗生物質(例えば、硫酸ポリミキシンB/亜鉛バシトラシン、ポリミキシンB/ネオマイシン/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ポリミキシンB/バシトラシン、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン)、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン);抗真菌剤(例えば、アムホテリシンB、イトラコナゾール(intraconazole)、フルコナゾール、ボリコナゾール);ステロイド性抗炎症剤(例えば、フルオロメトロン酢酸塩、酢酸プレドニゾロン、ロテプレドノールエタボネート、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンナトリウム、リメキソロン、フルオロメトロン酢酸塩);非ステロイド性抗炎症剤(例えば、ネパフェナク、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタミン、フマル酸ケトチフェン);抗ヒスタミン剤(例えば、フマル酸エメダスチン、塩酸オロパタジン、エピナスチン HCl、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン);抗ウイルス剤(例えば、アシクロビル、ビダラビン、トリフルリジン);アルファアゴニスト(例えば、アプラクロニジン、ブリモニジン、ビマトプロスト);ベータ遮断薬(例えば、塩酸ベタキソロール、塩酸レボブノロール、塩酸カルテオロール、メチプラノロール、マレイン酸チモロール、チモロールヘミヒドラート);炭酸脱水酵素インヒビター(例えば、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド);縮瞳薬(例えば、塩化アセチルコリン、エコチオフェート);プロスタグランジン(例えば、トラボプロスト、ビマトプロスト、ラタノプロスト);抗血管新生剤(例えば、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、ベルテポルフィン);ロテプレドノールエタボネート、マスト細胞安定化薬(例えば、ロドキサミドトロメタミン、ネドクロミルナトリウム、クロモリンナトリウム、ペミロラストカリウム)、シクロスポリン、及びロイコトリエンモジュレーター(例えば、5-LOインヒビター、FLAPインヒビター化合物、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えばCysLT1受容体アンタゴニスト))。
【0146】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗生物質と同時投与される。抗生物質は、限定されないが、硫酸ポリミキシンB/亜鉛バシトラシン、ポリミキシンB/ネオマイシン/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ポリミキシンB/バシトラシン、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン)、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン)を含む。
【0147】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗真菌剤と同時投与される。抗真菌剤は、限定されないが、アンホテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、及びボリコナゾールを含む。
【0148】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)ステロイド性抗炎症剤と同時投与される。ステロイド性抗炎症剤は、限定されないが、ベタメタゾン、プレドニゾン、アルクロメタゾン、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デオキシコルチコステロン、デソニド、デスオキシメタゾン、デスオキシコルトン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、フルクロロロン、フルドロコルチゾン、フルドロキシコルチド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカゾン、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン/コルチゾール、ヒドロコルチゾンアセポネート、ヒドロコルチゾンブテプレート、酪酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセポネート、フロ酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン/プレドニゾロン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、及びウロベタゾールを含む。
【0149】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)と同時投与される。NSAIDは、限定されないが、ネパフェナク、ケトロラク、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ケトロラク、ケトチフェンを含む。
【0150】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗ヒスタミン剤と同時投与される。幾つかの実施形態において、抗ヒスタミン剤は、限定されないが、アンレキサノクス(amelexanox)、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、オロパタジン、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、及びトリプロリジンを含む。幾つかの実施形態において、抗ヒスタミン剤は、限定されないが、エメダスチン、オロパタジン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェンを含む。
【0151】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗ウイルス剤と同時投与される。抗ウイルス剤は、限定されないが、アシクロビル、ビダラビン、トリフルリジンを含む。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)アルファアゴニストと同時投与される。アルファアゴニストは、限定されないが、アプラクロリジン、ブリモニジン、ビマトプロストを含む。
【0152】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)ベータ遮断薬と同時投与される。ベータ遮断薬は、限定されないが、ベタキソロール、レボブノロール、カルテオロール、メチプラノロール、チモロールを含む。
【0153】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)炭酸脱水酵素インヒビターと同時投与される。炭酸脱水酵素インヒビターは、限定されないが、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミドを含む。
【0154】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)縮瞳薬と同時投与される。縮瞳薬は、限定されないが、塩化アセチルコリン、エコチオパートを含む。
【0155】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)プロスタグランジンと同時投与される。プロスタグランジンは、限定されないが、トラボプロスト、ビマトプロスト、ラタノプロストを含む。
【0156】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)抗血管新生剤と同時投与される。抗血管新生剤は、限定されないが、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、ベルテポルフィンを含む。
【0157】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)エタボン酸ロテプレドノールと同時投与される。
【0158】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)マスト細胞安定化薬と同時投与される。マスト細胞安定化薬は、限定されないが、ロドキサミドトロメタミン、ネドクロミルナトリウム、クロモリンナトリウム、ペミロラストカリウムを含む。
【0159】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)シクロスポリンと同時投与される。
【0160】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、(別々に又は同じ製剤において)ロイコトリエンモジュレーターと同時投与される。ロイコトリエンモジュレーターは、限定されないが、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)インヒビター、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)インヒビター化合物及びロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えばCysLT1受容体アンタゴニスト)を含む。
【0161】
幾つかの実施形態において、第2治療薬は、CysLT1/CysLT2デュアル受容体アンタゴニスト、及びCysLT1受容体アンタゴニストから選択されるロイコトリエン受容体アンタゴニストである。CysLT1受容体アンタゴニストは、限定されないが、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、及びそれらの誘導体又はアナログを含む。
【0162】
幾つかの実施形態において、第2治療薬は、5-LOインヒビターである。5-LOインヒビターは、限定されないが、ジロートンを含む。
【0163】
幾つかの実施形態において、第2治療薬は、FLAPインヒビター化合物である。幾つかの実施形態において、FLAPインヒビターは、(US 7,405,302として発行された)米国特許出願第11/538,762号;米国特許出願第12/131,828号;(2007/0105866として公開された)米国特許出願第11/553,946号;米国特許出願第11/925,841号;米国特許出願第12/089,706号;米国特許出願第12/089,707号;米国特許出願第12/092,570号;(2007/0219206として公開された)米国特許出願第11/744,555号;(2007/0225285として公開された)米国特許出願第11/746,010号;(2007/0244128として公開された)米国特許出願第11/745,387号;米国特許出願第12/257,876号;米国特許出願第61/055,887号;米国特許出願第61/055,899号;国際特許出願番号PCT/US07/86188;WO 07/047207;WO07/056021;WO07/056220;WO07/056228;国際特許出願番号PCT/US08/62310;国際特許出願番号PCT/US08/062793;国際特許出願番号PCT/US08/62580;国際特許出願番号PCT/US2008/052960;国際特許出願番号PCT/US08/81190;国際特許出願番号PCT/US08/76225、に記載される化合物から選択され、これら各々は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。
【0164】
幾つかの実施形態において、第2治療薬は、以下から選択されるFLAPインヒビターである:MK886(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸としても知られる);MK591(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸としても知られる);及びDG031(BAY X1005;シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸としても知られる)、化合物A(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物B(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物C(3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物D(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物E(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物F(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物G(2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸);化合物H(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);化合物I(3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);及び化合物J(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸)、化合物K(3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸)、又はそれらの薬学的に許容可能な塩又はN-オキシド。
【0165】
幾つかの実施形態において、第2治療薬は、米国特許第4,929,626号;第4970215号;第5,081,138号;第5,095,031号;第5,204,344号;第5,126,354号;第5,221,678号;第5,229,516号;第5,272,145号;第5,283,252号;第5,288,743号;第5,292,769号;第5,304,563号;第5,399,699号;第5,459,150号;第5,512,581号;第5,597,833号;第5,668,146号;第5,668,150号;第5,691,351号;第5,714,488号;第5,783,586号;第5,795,900号;及び第5,843,968号に記載される化合物から選択されるFLAPインヒビターであり、これら各々は、そのようなFLAPインヒビターの開示のための引用によって本明細書に組み込まれる。
【0166】
1つの態様において、本明細書に記載されるDP2受容体アンタゴニスト化合物は、本明細書に記載される任意の眼の疾患又は疾病の処置のための第2治療薬の化合物と組み合わせて使用される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される任意の眼の医薬組成物における第2治療薬の化合物に対するDP2受容体アンタゴニストの量の比率は、約20:1から約1:20までである。幾つかの例において、本明細書に記載される任意の眼の医薬組成物における第2治療薬の化合物に対するDP2受容体アンタゴニストの量の比率は、約20:1、約15:1、10:1、約8:1、約6:1、約5:1、約4:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:4、約1:5、約1:6、約1:8、約1:10、約1:15、又は約1:20である。
【0167】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物及びさらなる治療薬剤は、同じ医薬組成物中にある。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物及びさらなる治療薬剤は、別々の医薬組成物中にある。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物及びさらなる治療薬剤は、同時に投与される。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物及びさらなる治療薬剤は、異なる時間に投与される。
【0168】
化合物のさらなる形態
幾つかの実施形態において、治療薬剤(複数可)(例えばDP2受容体アンタゴニスト及び/又は第2治療薬剤)は、薬学的に許容可能な塩として眼の医薬組成物中に存在する。幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、治療薬剤(複数可)を酸と反応させることにより得られる。幾つかの他の実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、治療薬剤を塩基と反応させることにより得られる。幾つかの実施形態において、治療薬剤は、本明細書に記載される眼の医薬組成物の調製において、薬学的に許容可能な塩として使用される。他の実施形態において、治療薬剤は、本明細書に記載される眼の医薬組成物の製造において、遊離酸又は遊離塩基として使用される。薬学的に許容可能な塩のタイプは、限定されないが、(1)化合物の遊離塩基を、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸などの薬学的に許容可能な無機酸;又は例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタリンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコペプトン酸、4,4'-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプルピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などのような有機酸、と反応させることにより形成される、酸付加塩;(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えばマグネシウム、又はカルシウム)、又はアルミニウムイオンによって置換される時に形成される、塩を含む。幾つかの場合において、治療薬剤(複数可)は、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基と反応される。他の場合において、治療薬剤(複数可)は、限定されないが、アルギニン、リジンなどのアミノ酸と塩を形成する。酸性プロトンを含む化合物と塩を形成するために使用される、許容可能な無機塩基は、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを含む。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される化合物の薬学的に許容可能な塩は、ナトリウム塩である。
【0169】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される治療薬剤は、1以上の立体中心を有し、各中心は、R又はS配置のいずれかにおいて独立して存在する。本明細書に示される化合物は、全てのジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマーの形態の他に、それらの適切な混合物も含む。
【0170】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される治療薬剤上の部位は、様々な代謝反応に弱く、それ故、代謝反応の場所で適切な置換基を取り込むことによって、代謝経路を減少させるか、最小限にするか、又は除去する。具体的な実施形態において、代謝反応に対する芳香環の感受性を減少させるか、最小限にするか、又は除去するための適切な置換基は、ほんの一例ではあるが、ハロゲン、重水素又はアルキル基である。
【0171】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、同位体的に(例えば放射性同位体を用いて)、又は限定されないが、発色団又は蛍光部分(fluorescent moieties)、生物発光ラベル、又は化学発光ラベルの使用を含む、別の他の手段により標識化される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、同位体的に標識化され、1以上の原子が、通常自然に見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換されるという事実を除けば、本明細書に示される様々な式及び構造において列挙されるものと同一である。幾つかの実施形態において、1以上の水素原子は、重水素で置換される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物上の代謝部位は、重水素化される。幾つかの実施形態において、重水素での置換は、例えば、増加したインビボの半減期又は減少した必要用量などの、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点を与える。
【0172】
特定の専門用語
特に他に明記のない限り、明細書及び請求項を含む、本出願に使用される以下の用語は、下記の定義を有する。明細書及び添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がはっきりと特に指示していない限り、複数の指示対象を含む。本出願において、「又は」、あるいは「及び」の使用は、特に他に明記のない限り、「及び/又は」を意味する。更に、用語「含むこと(including)」の使用と同様、「含む(include/includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用も制限的ではない。
【0173】
「アルコキシ」は、(アルキル)O-を指し、ここで、アルキルは本明細書に定義される通りである。
【0174】
「アルキル」は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキルは、飽和又は不飽和であり得る。
1つの態様において、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルから選択される。
【0175】
「シクロアルキル」は、単環式脂肪族、非芳香族ラジカルを指し、それらの中で、環を形成する各原子(即ち骨格原子)は、炭素原子である。シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
【0176】
「ハロ」、「ハロゲン」又は「ハライド」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0177】
「フルオロアルキル」は、1以上の水素原子がフッ素原子によって置換される、アルキルを指す。1つの態様において、フルオロアルキルは、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3及び-CF2CF3から選択される。
【0178】
「フルオロアルコキシ」は、(フルオロアルキル)O-を指し、ここで、フルオロアルキルは本明細書に定義される通りである。
【0179】
「ヘテロアルキル」は、アルキルの1以上の骨格原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えばNH又はNアルキル)、硫黄、又はそれらの組み合わせから選択される、アルキル基を指す。1つの態様において、ヘテロアルキルは、アルキルの骨格原子の1つが酸素、窒素、又は硫黄である、アルキル基を指す。別の態様において、ヘテロアルキルは、アルキルの骨格原子の1つが酸素である、アルキル基を指す。
【0180】
「6員ヘテロアリール」は、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルを含む。
【0181】
「アリール」は、フェニル又はナフタレニルを指す。幾つかの実施形態において、アリールはフェニルである。
【0182】
用語「ハロアルキル」は、1以上の水素原子が1以上のハロゲン原子によって置換される、アルキル基を表す。1つの態様において、ハロアルキルは、C1-C6ハロアルキルである。
【0183】
用語「ヘテロアリール」又は、その代わりの「ヘテロ芳香族」は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1以上の環へテロ原子を含む、アリール基を指す。芳香族ヘテロ環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。上記の基に由来するような前述の基は、可能な場合に、C又はNが付けられ得る。1つの態様において、ヘテロアリールは、C1-C10ヘテロアリールである。別の態様において、ヘテロアリールは、C2-C9ヘテロアリールである。幾つかの場合において、ヘテロアリールは、環内に少なくとも1のN原子を含む。幾つかの場合において、ヘテロアリールは、環内に1又は2のN原子を含む。幾つかの場合において、ヘテロアリールは、O、N及びSから選択される、環内に1〜4のヘテロ原子を含む。1つの態様において、単環式ヘテロアリールは、C1-C5ヘテロアリールである。1つの態様において、二環式ヘテロアリールは、C5-C10ヘテロアリールである。
【0184】
「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロ脂環式」基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1のヘテロ原子を含む、シクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ、チオクサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアセピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル及びキノリジニルである。幾つかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、オキサゾリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペラジニル、及びインドリニルから選択される。用語「ヘテロ脂環式」はまた、限定されないが、単糖類、二糖類、及びオリゴ糖類を含む、炭水化物の全ての環状体を含む。1つの態様において、ヘテロシクロアルキルは、C2-C10へテロシクロアルキルである。別の態様において、ヘテロシクロアルキルは、C4-C10へテロシクロアルキルである。幾つかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、O、S、及びNから選択される、環中に1、又は2のヘテロ原子を含む。
【0185】
用語「随意に置換された」又は「置換された」は、参照される基が、個々に1以上の追加の基(複数可)で置換され得、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4フルオロアルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、及びC1-C4ヘテロアルキルから独立して選択されることを意味する。幾つかの場合において、置換された基は、ハロゲン、-OH、-OC1-C4アルキル、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、C1-C4フルオロアルキル及び-OC1-C4フルオロアルキルから選択される1以上の置換基で置換される。例えば、幾つかの実施形態において、参照される置換された基は、ハロゲン、-OH、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-OCH3、-OCH2CH3、及び-OCF3から選択される少なくとも1の基で置換される。幾つかの実施形態において、参照される置換された基は、1、又は2の前述の基で置換される。
【0186】
「プロドラッグ」は、インビボで親薬物へと変換される薬剤を指す。幾つかの状況において、プロドラッグは、親薬物よりも投与することが簡単であり得るため、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与によって生物利用が可能となり得る一方で、親薬物はそうではない。プロドラッグはまた、親薬物以上に医薬組成物において改善された溶解度を有し得る。限定されないプロドラッグの例は、エステル(「プロドラッグ」)として投与され、その後、カルボン酸に代謝的に加水分解される化合物を含む、カルボン酸の化合物である。幾つかの実施形態において、プロドラッグは、アルキルエステルプロドラッグである。幾つかの実施形態において、プロドラッグは、C1-C4アルキルエステルプロドラッグである。幾つかの実施形態において、プロドラッグは、メチルエステル又はエチルエステルのプロドラッグである。プロドラッグの更なる例は、ペプチドが代謝され、活性部分を明らかにする、酸基に結合された短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であり得る。プロドラッグは、一般的に薬物前駆体であり、この薬物前駆体は、被験体への投与及びその後の吸収に続いて、代謝経路による変換などの、幾つかのプロセスを介して、活性な、又はより活性な種へと変換される。プロドラッグの中には、活性を和らげ、及び/又は薬物に溶解度又は幾つかの他の特性を与える、プロドラッグ上に存在する化学基を有するものもある。一旦、化学基がプロドラッグから開裂及び/又は変更されると、活性薬物が生成される。幾つかの状況において、プロドラッグは、親薬物よりも投与することが簡単であるため、しばしば有用である。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、経口投与により生物利用が可能となる一方で、親薬物はそうではない。更に、幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、親薬物以上に医薬組成物において改善された溶解度を有する。プロドラッグがインビボで代謝され、本明細書に明記される誘導体を生成する、本明細書に記載される化合物のプロドラッグの形態は、請求の範囲内に含まれる。実際、本明細書に記載される化合物の幾つかは、別の誘導体又は活性化合物に対するプロドラッグである。
【0187】
用語「個体」、「患者」、又は「被験体」は、交換可能に使用される。「個体」、「患者」、又は「被験体」は、本明細書に使用されるように、任意の哺乳動物を意味する。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、チンパンジー、及び他の類人猿及びサル類のようなヒト以外の霊長類である。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、牛、馬、羊、ヤギ、又は豚などの家畜である。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ウサギ、犬、又は猫などの家畜である。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ラット、マウス及びモルモットなどのげっ歯類などを含む実験動物である。
【0188】
用語「処置する」、「処置すること」又は「処置」、及び本明細書に使用されるような他の文法的同意語は、障害、疾患又は疾病の、及び/又は障害、疾患又は疾病の症状を緩和し、軽減し、阻害し、減少させ、寛解し、それらの発症を遅らせ、進行を阻止し、及び/又は退行を誘発することを含む。前記用語はまた、障害、疾患又は疾病の予防処置も含む。用語は更に、任意の治療効果を達成することも含む。治療効果は、処置されている基礎的な障害、疾患又は疾病の根絶又は寛解、及び/又は改善が個体において観察されるような、基礎的な障害、疾患又は疾病に関係する1以上の生理学的な症状の根絶又は寛解を意味する。
【0189】
用語「予防する」、「予防すること」又は「予防」、及び本明細書に使用されるような他の文法的同意語は、障害、疾患又は疾病の進行を阻害すること(阻止すること又は止めること)、及び/又は障害、疾患又は疾病の更なる進行を阻害すること(阻止すること又は止めること)を含む。これらの用語は、予防法を含むように意図される。予防効果に関して、本明細書に開示される製剤は、特定の障害、疾患又は疾病を進行させる危険性のある個体に、又は障害、疾患又は疾病の1以上の生理学的な症状を報告する個体に、又は障害、疾患又は疾病の再発の危険性のある個体に投与される。
【0190】
本明細書で使用されるような、用語「有効な量」又は「治療上有効な量」は、所望の結果、例えば、処置さていれる疾患、障害又は疾病の1以上の症状をある程度和らげることを達成する、投与されている薬剤(例えばDP2受容体アンタゴニスト化合物)の量を指す。特定の例において、結果は、疾患の少なくとも1つの徴候、症状、又は原因の減少及び/又は緩和、又は生物系の任意の他の所望の変化である。
【0191】
本明細書に使用されるような、用語「投与する」、「投与すること」、「投与」などは、生物作用の所望部位(例えば、眼の疾患又は疾病の部位)へのDP2受容体アンタゴニストの送達を可能にするために使用される方法を指す。これらの方法は、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への局所投与に対する任意の適切な方法を含む。
【0192】
本明細書に使用されるような「眼の医薬組成物」は、哺乳動物の眼への投与に適した形態である医薬組成物を指す。特に他に指示のない限り、眼の医薬組成物は、DP2受容体アンタゴニストを含む。
【0193】
本明細書に使用されるような用語「眼」は、限定されないが、眼の外側表面及び内部、眼に接する血管、眼の眼窩(orbit and socket)、眼を囲む表皮の表面及び組織、眼瞼、睫毛、および眼を囲む脂肪性沈着物を含む。
【0194】
眼の医薬組成物
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、眼組織における局所効果(即ち、眼又は眼に関連する組織に限定される効果)のために、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼又は眼に関連する組織への送達を促進する。特定の例において、DP2受容体アンタゴニスト化合物の局所投与は、DP2受容体アンタゴニスト化合物の全身投与に関係する副作用を減少させるか又は除去する。
【0195】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、哺乳動物の眼に投与するための眼の医薬組成物として製剤される。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、溶液、懸濁液(例えば、水性懸濁液)、軟膏、ゲル、クリーム、リポソーム、ニオソーム、ファーマコソーム、ナノ粒子、又はそれらの組み合わせとして製剤される。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、移植、(例えば、不溶性挿入又は可溶性挿入を介した)挿入、注入、噴霧、洗浄、又はそれらの組み合わせを介して哺乳動物の眼に投与される。
【0196】
幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストを含む眼の医薬組成物は、溶液、懸濁液、クリーム、ローション、軟膏、及び/又はゲルとして製剤される。1つの実施形態において、眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼(又は眼に関連する組織)に適用される目薬として投与される。1つの実施形態において、眼の医薬組成物は、ヒトを含む、哺乳動物の眼(又は眼に関連する組織)に適用される洗眼剤として投与される。
【0197】
溶液及び懸濁液
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適した溶液の形態である。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適した懸濁液の形態である。特定の例において、点眼剤又は懸濁液はまた、眼組織を再水和し、そのため、水分の損失又は減少によって特徴付けられる眼の疾患又は疾病の処置又は予防に特に有用である。
【0198】
クリーム及びローション
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適したクリームの形態である。特定の例において、クリームは、水中油型の乳濁液または油中水型の乳濁液に分散するDP2受容体アンタゴニスト化合物を含む、半個体(例えば、軟らかい固体又は濃い液体)の製剤である。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適したローションの形態である。特定の例において、ローションは、流体乳濁液(例えば、水中油型の乳濁液または油中水型の乳濁液)である。幾つかの実施形態において、眼のローション又はクリームは、疎水性成分を含む。幾つかの実施形態において、ローション又はクリームの疎水性成分は、動物由来(例えば、ラノリン、肝油、及び竜涎香)、植物由来(例えば、サフラワー油、ヒマシ油、ヤシ油、綿実油、メンヘーデン油、パーム核油、パーム油、ラッカセイ油、ダイズ油、ナタネ油、亜麻仁油、米ぬか油、パイン油、ゴマ油、又はヒマワリ種子油)、又は石油由来(例えば、鉱油、又はワセリン)である。
【0199】
特定の例において、ローション及びクリームは、眼の疾患又は疾病における「乾燥」効果を有し(例えば、眼及び/又は眼に関連する組織から滲出される幾つかの又は全ての流体は、軟膏に混和できる)、そのため、流体の滲出によって特徴付けられる眼の疾患又は疾病に有用である。
【0200】
軟膏
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適した軟膏の形態である。特定の例において、軟膏は、(眼及び/又は眼に関連する組織の温度を含む)体温で柔らかくなるか又は溶ける半固形製剤である。特定の例において、軟膏は組織を再水和し、そのため、水分の損失によって特徴付けられる眼の疾患又は疾病に有用である。
【0201】
ゲル
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与に適したゲルの形態である。特定の例において、ゲルは、液体中に分散された大きな有機分子の分散からなる、半固定(又は半硬質)系である。特定の例において、ゲルは水溶性であり、温かい水又は食塩水を使用して取り除かれる。特定の例において、ゲルは組織を再水和し、そのため、水分の損失によって特徴付けられる眼の疾患又は疾病に有用である。
【0202】
眼に許容可能な送達デバイス
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、眼と眼瞼の間に又は結膜嚢に挿入され得るデバイスを介して、哺乳動物の眼に投与され、ここで、該デバイスは、DP2アンタゴニスト化合物を含む、眼の医薬組成物を放出する。幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、中実体が通常、角膜に密に接触している状態で、角膜の表面を浸す涙液へ、又は直接角膜自体に放出される。任意の適切なデバイスは、本明細書に開示される眼の医薬組成物及び本明細書に開示される方法とともに使用される(例えば、アイゲート塗布器(eyegate applicator))。
【0203】
眼に許容可能な注射可能なデポ製剤
幾つかの実施形態において、眼の医薬組成物は、注射可能なデポ製剤を介して投与される。本明細書に使用されるように、デポ製剤は、哺乳動物の眼又は眼に関連する組織(例えば、強膜)に注入される、制御放出製剤である。例えば、デポ製剤は、皮下に、筋肉内に、硝子体内に、又は結膜内に注入される。制御放出マトリックスに対するDP2受容体アンタゴニストの比率及び使用されるマトリックスの性質は、薬物放出の速さを制御する。
【0204】
幾つかの実施形態において、デポ製剤は、生分解性ポリマー中にDP2受容体アンタゴニストのマイクロカプセル化されたマトリックス(マイクロカプセルマトリックス(microencapsule matrices)としても知られる)を形成することにより製剤される。幾つかの実施形態において、デポ製剤は、リポソーム又はマイクロエマルジョン中にDP2受容体アンタゴニストを封入することにより製剤される。
【0205】
眼に許容可能な賦形剤
眼への投与のための眼の医薬組成物は、眼に許容可能な浸透圧を有する。特定の例において、涙液は、0.9%の塩化ナトリウム溶液と等価な等浸透圧値を有している。特定の例において、約0.6%から約1.8%までの塩化ナトリウム等量(equivalency)の等浸透圧値は、眼への投与に適している。特定の例において、本明細書に開示される眼への投与のための眼の医薬組成物は、約200から約600mOsm/Lまでのモル浸透圧濃度を有している。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される眼への投与のための眼の医薬組成物は、低浸透圧であり、そのため、適切な浸透圧の範囲を得るのに適切な任意の追加を必要とする。浸透圧を調節する眼に許容可能な物質は、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及び硫酸アンモニウムを含む。
【0206】
眼への投与のための眼の医薬組成物は、眼に許容可能な清澄性を有する。特定の例において、適切な清澄性を欠く製剤は、眼の適切な機能を妨げる。眼に許容可能な清澄剤の例は、限定されないが、ポリソルベート20、ポリソルベート80などを含む。
【0207】
幾つかの実施形態において、哺乳動物の眼への投与のための眼の医薬組成物は、眼に許容可能な粘性強化剤を含む。特定の例において、粘性強化剤は、本明細書に開示される製剤が眼内に残る時間を増加させる。特定の例において、本明細書に開示される製剤が眼内に残る時間を増加させることで、より大きな薬物吸収及び効力が可能となる。粘膜付着性ポリマーの制限しない例は、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム及び、デキストランを含む。
【0208】
幾つかの実施形態において、眼への投与のための眼の医薬組成物は、眼の後眼部に(例えば、網膜、脈絡膜、硝子及び視神経に)投与又は送達される。幾つかの実施形態において、哺乳動物の眼への投与のための眼の医薬組成物は、可溶化剤、例えば、グルカン硫酸及び/又はシクロデキストリンを含む。使用され得るグルカン硫酸は、限定されないが、デキストラン硫酸、シクロデキストリン硫酸およびβ-1,3-グルカン硫酸、それらの天然物(natural)および誘導体の両方、又は線維芽細胞成長因子(FGF)を含む組織に一時的に結合且つ保持され得、薬物の安定度及び/又は溶解度を改善し、及び/又は眼の医薬組成物の浸透及び眼吸収を改善する、任意の化合物を含む。可溶化剤として使用され得るシクロデキストリン誘導体は、限定されないが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、硫酸化β-シクロデキストリン、硫酸化α-シクロデキストリン、スルフォブチルエーテルβ-シクロデキストリンを含む。
【0209】
哺乳動物の眼への投与のための眼の医薬組成物は、任意の適切な方法で製剤される。任意の適切な技術、担体、及び/又は賦形剤は、本明細書に開示されるDP2受容体アンタゴニスト化合物とともに使用するために考慮される。本明細書に記載される眼への投与のための製剤の概説に関しては、Kaur, I.P., Kanwar, M., Drug Dev Industrial Pharmacy, 2002, 28, 473-493;Lang, J.C., Adv Drug Delivery Rev., 1995, 16, 39-43;Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)を参照し、それらは、そのような開示のための引用によって本明細書に組み込まれる。
【0210】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される任意の眼の医薬組成物は、眼の医薬組成物の重量で、DP2受容体アンタゴニストの約0.1から約25%の間、約0.1から約20%の間、約0.1から約15%の間、約0.1から約10%の間で、約0.1から約5%の間、または約0.1から約1%の間を含む。
【0211】
投薬
本明細書には、特定の実施形態において、眼の疾患又は疾病を処置又は予防するために(即ち予防的な及び/又は治療上の処置)、哺乳動物の眼に投与される眼の医薬組成物が開示される。特定の例において、この使用に有効な量は、疾患、障害又は疾病の重症度及び経過、以前の治療、個々の健康状態及び薬物に対する反応、及び処置する医師の判断による。幾つかの実施形態において、投与量は、哺乳動物の1kg当たり、約0.001重量%から約10重量%までである。
【0212】
本明細書に記載される化合物は、眼の任意の部分に随意に投与され、一般に「点眼投与」と呼ばれる。眼への点眼投与は、限定されないが、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼窩投与、結膜下注射、眼球後注射、(前眼房又は硝子体眼房への注射を含む)前房内注射、テノン嚢下の注射又はインプラント、点眼剤、眼科用懸濁液剤、眼軟膏、眼球インプラント及び眼球インサート、眼内の溶液、イオン泳動の使用、手術用灌流液中での取り込み、及びパック(ほんの一例として、円蓋に挿入された飽和した綿球)を含む。
【0213】
本明細書に開示される眼の医薬組成物の投与は一般に、DP2受容体アンタゴニスト化合物の角膜との直接的な接触という結果につながり、DP2受容体アンタゴニストの少なくとも一部は、その角膜を通り抜ける。特定の例において、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、約2から約24時間、より典型的には約4から約24時間、及び最も典型的には約6から約24時間までの、眼内の有効な滞留時間を有する。
【0214】
有用な眼の医薬組成物は、水溶液、懸濁液又は溶液/懸濁液の形態であり、目薬の形態で存在し得る。所望量は、設定された数の眼への適下によって投与され得る。例えば、25μlの滴下量に対し、1〜6滴の投与は、眼の医薬組成物の25〜150μlを送達する。水性の眼の医薬組成物は典型的に、約0.01%から約50%まで、約0.1%から約20%まで、約0.2%〜約10%まで、又は約0.5%から約5%までの重量/容量のDP2受容体アンタゴニスト化合物を含む。
【0215】
幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病が改善しない場合、本明細書に開示される眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼に慢性的に(即ち、個々の生涯の期間にわたることを含む長期間の間)投与される。幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病が改善している場合、眼の医薬組成物は、継続的に与えられるか、又は、投与されているDP2受容体アンタゴニストの投与量が、一時的に減らされるか、または特定の期間、一時的に中断される(即ち、休薬期間)。幾つかの実施形態において、休薬期間は、2日から1年間続き、その間のすべての整数を含む。幾つかの実施形態において、休薬期間中の投与量の減少は、約10%から約100%までであり、その間のすべての整数を含む。
【0216】
幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病が改善している場合、眼の医薬組成物は、維持量として投与される。幾つかの実施形態において、眼の疾患又は疾病が改善している場合、眼の医薬組成物は、減少した頻度又は減少した用量で投与される。
【0217】
1つの実施形態において、眼の医薬組成物は、DP2受容体アンタゴニスト化合物の即時放出のために製剤される。幾つかの実施形態において、DP2受容体アンタゴニストは、眼の医薬組成物からすぐに、又は1分以内、又は5分以内、又は10分以内、又は15分以内、又は30分以内、又は60分以内又は90分以内に放出される。
【0218】
1つの実施形態において、眼の医薬組成物は、DP2受容体アンタゴニストの遅延(又は制御)放出のために製剤される。他の実施形態において、DP2受容体アンタゴニスト化合物は、15分、又は30分、又は1時間、又は4時間、又は6時間、又は12時間、又は18時間、又は1日、又は2日、又は3日、又は4日、又は5日、又は6日、又は7日、又は10日、又は12日、又は14日、又は18日、又は21日、又は25日、又は30日、又は45日、又は2ヶ月又は3ヵ月又は4ヶ月又は5ヶ月又は6ヶ月又は9ヶ月又は1年を超える期間にわたって、眼の医薬組成物から放出される。
【実施例】
【0219】
これらの実施例は、例示目的のみに提供され、本明細書に提供される請求項の範囲を制限しない。
【0220】
<実施例1:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸の合成>
【0221】
【化5】

【0222】
工程1:(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル
エタノール(240mL)中の(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(24g、97.9mmol)に、塩化チオニル(78mL、107.7mmol)を加え、反応物を室温で1.5時間撹拌した。一旦出発物質が分析LCMSによって見られなくなると、塩基反応するまで、飽和したNaHCO3(水溶液)を加えた。混合物をジクロロメタンで2回抽出し、混合した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、表題化合物を得た。
【0223】
【化6】

【0224】
工程2:[4-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル(27.4g、100.3mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(25.47g、100.3mmol)、及び酢酸カリウム(24.6g、250.8mmol)を、窒素下で1,4-ジオキサン(250mL)中に混合した。溶液を窒素でパージし、その後、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)-ジクロロパラジウム(II)(4.10g、5.02mmol)を加え、反応物を110℃まで一晩中加熱した。混合物をセライトを介してろ過し、EtOAcとブラインの間で分画した(partitioned)。水層を分離し、EtOAcで2回抽出し、混合した有機層を乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜60%のEtOAc)によって精製し、表題化合物を得た。
【0225】
【化7】

【0226】
工程3:5-ブロモ-2-ヨードベンズアルデヒド
-78℃でのテトラヒドロフラン(40mL)中の5-ブロモ-2-ヨードベンゾニトリル(7.49g、24.2mmol)に、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M;24.2mL、24.2mmol)を5分間にわたって加え、反応物を室温まで温め、分析TLCによって監視した。室温で一晩中撹拌した後、出発物質がまだ存在したため、混合物を0℃まで冷却し、さらなる水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M;10.0mL、10.0mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、出発物質が分析TLCによって見られなかったため、混合物を新たに飽和した水性の硫酸ナトリウムで慎重にクエンチし、酢酸エチルで希釈した。混合物を、1時間激しく撹拌し、その後、セライトを介してろ過した。濾液を濃縮し、結果として生じる油を静置して(on standing)凝固した。固形物を、ジクロロメタン及び1Nの水性の塩化水素酸中で激しく撹拌し、水層を分離し、ジクロロメタンで抽出した。混合した有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、表題化合物を得た。
【0227】
【化8】

【0228】
工程4:(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチルアミン
メタノール(20mL)中の5-ブロモ-2-ヨード-ベンズアルデヒド(5.0g、16.1mmol)に、エチルアミン(メタノール中2M;16mL、24.0mmol)を加え、続いて、酢酸(1.0mL、17.8mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.0g、31.8mmol)を5分にわたって加え、反応物を室温で週末の間中撹拌した。混合物を濃縮し、酢酸エチルと飽和した水性の炭酸水素ナトリウムの間で分画した。水層を酢酸エチルで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜5%のメタノール)によって精製し、表題化合物を得た。
【0229】
【化9】

【0230】
工程5:(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
ジクロロメタン(30mL)中の(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチルアミン(4.05g、11.9mmol)を、室温で一晩中ジ-tert-ブチル重炭酸塩(3.12g、14.3mmol)で処理した。混合物をジクロロメタンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、その後、ろ過し、濃縮し、表題化合物を得た。
【0231】
【化10】

【0232】
工程6:{4'-ブロモ-2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル}-酢酸エチルエステル
(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(2.0g、4.54mmol)、 [4-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-酢酸エチルエステル(1.67g、5.21mmol)、及び炭酸カリウム(1.57g、11.4mmol)を、窒素下でDME:H2O(2:1)中に混合した。混合物を窒素でパージし、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.150g、0.13mmol)を加え、反応物を80℃まで36時間加熱した。一旦出発物質が分析LCMSによって見られなくなると、混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン及び水で希釈した。水層を分離し、ジクロロメタンで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0233】
【化11】

【0234】
工程7:[2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル
{4'-ブロモ-2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル}-酢酸エチルエステル(1.55g、3.06mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.0g、3.9mmol)、および酢酸カリウム(0.901g、6.5mmol)を、N2下で1,4-ジオキサン(12mL)中に混合した。溶液を窒素でパージし、その後、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)-ジクロロパラジウム(II)(0.125g、0.15mmol)を加え、反応物を55℃まで一晩中加熱した。反応物を分析LCMSによって監視し、終了すると、混合物をセライトを介してろ過し、酢酸エチルとブラインの間で分画した。水層を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、混合した有機層を乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン勾配中の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0235】
【化12】

【0236】
工程8:[2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル
5-ブロモ-2-エトキシピリジン(0.235g、1.16mmol)、[2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル(0.500g、0.903mmol)、及び炭酸カリウム(0.313g、2.3mmol)を、窒素下でDME(5mL)及び水(2.5mL)に混合した。混合物を窒素でパージし、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.052g、0.045mmol)を加え、反応物を85℃まで6時間加熱した。一旦出発物質が分析LCMSによって見られなくなると、混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチルで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0237】
【化13】

【0238】
工程9:[4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-2'-エチルアミノメチル-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル塩酸塩
ジクロロメタン(3mL)中の[2'-[(tert-ブトキシカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル(0.404g、0.736mmol)を、完全変換が分析LCMSによって見られるまで、1,4-ジオキサン(2.5mL、10mmol)中で室温で4N塩化水素酸で処理した。混合物を濃縮し、表題化合物を得た。
【0239】
【化14】

【0240】
工程10:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル
ジクロロメタン(4mL)中の[4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-2'-エチルアミノメチル-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル塩酸塩(0.357g、0.736mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.75mL、4.3mmol)に、塩化シクロプロパンカルボニル(0.074mL、0.814mmol)を加え、反応物を室温で撹拌した。一旦出発物質が分析LCMSによって見られなくなると、混合物をジクロロメタン及び水で希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン勾配中の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0241】
【化15】

【0242】
工程11:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸
テトラヒドロフラン(5mL)及び水中の[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル(0.296g、0.573mmol)を、水酸化リチウム(0.090g、2.14mmol)で処理し、反応物を室温で撹拌した。反応が分析LCMSによって終了すると、混合物を1Nの水性の塩化水素酸で酸性化し、酢酸エチルで3回抽出した。混合した有機層を乾燥し、濃縮し、残留物を調製HPLCによって精製し、表題化合物を得た。
【0243】
<実施例2:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸の代替的な合成>
【0244】
【化16】

【0245】
工程1:(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル
エタノール(240mL)中の(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(24g、97.9mmol)に、塩化チオニル(78mL、107.7mmol)を加え、反応物を室温で1.5時間撹拌した。一旦出発物質が分析LCMSによって見られなくなると、塩基性pHの反応があるまで、飽和した炭酸水素ナトリウム(水溶液)を加えた。混合物をジクロロメタンで2回抽出し、混合した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、表題化合物を得た。
【0246】
【化17】

【0247】
工程2:[4-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル(27.4g、100.3mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(25.47g、100.3mmol)、及び酢酸カリウム(24.6g、250.8mmol)を、窒素下で1,4-ジオキサン(250mL)中に混合した。溶液を窒素でパージし、その後、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)-ジクロロパラジウム(II)(4.10g、5.02mmol)を加え、反応物を110℃まで一晩中加熱した。混合物をセライトを介してろ過し、酢酸エチルとブラインの間で分画した。水層を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、混合した有機層を乾燥し、ろ過し(硫酸マグネシウム上)、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜60%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0248】
【化18】

【0249】
工程3:2-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン
5-ブロモ-2-エトキシピリジン(25.0g、123.7mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(34.6g、148.5mmol)、及び酢酸カリウム(36.5g、371.9mmol)を、窒素下で1,4-ジオキサン(250mL)中に混合した。溶液を窒素でパージし、その後、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)-ジクロロパラジウム(II)(0.750g、0.92mmol)を加え、反応物を80℃まで16時間加熱した。混合物を冷却し、濃縮し、酢酸エチルと水の間で分画した。水層を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜15%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0250】
【化19】

【0251】
工程4:5-ブロモ-2-ヨードベンズアルデヒド
テトラヒドロフラン(140mL)中の5-ブロモ-2-ヨードベンゾニトリル(25.2g、81.8mmol)を-78℃まで冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M;115mL、115mmol)を10分にわたって加え、反応物を室温まで温め、一晩中撹拌したままにした。分析LCMSが出発物質の消費を示したため、混合物を酢酸エチル及びメタノールで慎重にクエンチした。1.5時間後、溶液を濃縮し、その後、ジクロロメタンで希釈した。1Nの水性の塩化水素酸を加え、反応物として形成された沈澱物を、1時間激しく撹拌した。沈澱物をろ過し、濾液を蒸発させ、その後、ジクロロメタン及びヘキサンで粉末にし、より多くの沈殿物を形成させた。混合物をろ過し、有機部分を取っておいて、一方で混合した沈澱物をテトラヒドロフラン及び6Nの塩化水素酸(水溶液)中に懸濁した。分析TLCが生成物の完全な形成を示した時点で、反応物を1時間激しく撹拌した。反応物をジクロロメタンで抽出し、上述の有機部分と混合した。混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、その後、ろ過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜15%のジクロロメタン)によって精製し、表題化合物を得た。
【0252】
【化20】

【0253】
工程5:(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-アミン
メタノール(60mL)中の5-ブロモ-2-ヨード-ベンズアルデヒド(15.0g、48.3mmol)に、エチルアミン(メタノール中2.0M;48mL、72.0mmol)を加え、続いて、酢酸(3.0mL、53.4mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、その後、沈澱物が形成された。その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(6.00g、95.4mmol)を3回分の量で加え、沈殿物はなくなった。反応物を室温で24時間撹拌し、その後、飽和した水性の炭酸水素ナトリウムでクエンチした。結果として生じる混合物を蒸発させ、その後、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜4%のメタノール)によって精製し、表題化合物を得た。
【0254】
【化21】

【0255】
工程6:シクロプロパンカルボキシル酸(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-アミド
(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-アミン(5.0g、14.7mmol)を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.12mL、29.4mmol)とともにジクロロメタン(75mL)中に溶解した。溶液を0℃まで冷却し、塩化シクロプロパンカルボニル(1.41mL、15.4mmol)を加えた。反応物を分析LCMSによって監視し、15分後、水を加え、層を分離した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後、ろ過し、濃縮し、表題化合物を得、さらなる精製なしで使用した。
【0256】
【化22】

【0257】
工程7:{4'-ブロモ-2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル}-酢酸エチルエステル
シクロプロパンカルボキシル酸(5-ブロモ-2-ヨード-ベンジル)-エチル-アミド(6.0g、14.7mmol)、[4-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-酢酸エチルエステル(5.2g、16.2mmol)、及び炭酸カリウム(5.09g、36.8mmol)を、窒素下でDME(50mL)及び水(20mL)中に混合した。混合物を窒素でパージし、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.85g、0.74mmol)を加え、反応物を75℃まで加熱した。反応物を分析LCMSによって監視し、ボロン酸エステル(0.500g、1.56mmol)のさらなる部分を加え、反応を終了させた。出発物質が消費されると、混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチルで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜25%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0258】
【化23】

【0259】
工程8:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル
{4'-ブロモ-2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル}-酢酸エチルエステル(14.5g、30.6mmol)を、N2の雰囲気下で、2-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン(9.1g、36.5mmol)及び炭酸カリウム(10.7g、77.4mmol)とともに、DME(100mL)及び水(50mL)中に溶解した。混合物をN2でパージし、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.500g、0.43mmol)を加え、反応物を80℃まで加熱した。反応物を分析LCMSによって監視し、出発物質が消費されると、混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチルで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜35%の酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。
【0260】
【化24】

【0261】
工程9:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸
テトラヒドロフラン(150mL)及び水(75mL)中の[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸エチルエステル(32.7g、63.3mmol)を、水酸化リチウム(8.0g、190.6mmol)で処理し、反応物を室温で一晩中撹拌した。反応が分析LCMSによって終了すると、混合物を1Nの水性の塩化水素酸でpH3まで酸性化し、ジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮し、灰白色の発泡体(off-white foam)としての表題化合物を得た。
【0262】
【化25】

【0263】
工程10:[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸ナトリウム塩
[2'-[(シクロプロパンカルボニル-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸(26.0g、53.2mmol)を、エタノール(180mL)中に溶解し、水酸化ナトリウム(53.2mL、1Nの水溶液)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。溶液をろ過し、固体不純物を取り除き、その後、濃縮した。残留物を水(〜150mL)中に溶解し、その後、凝固し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。
【0264】
<実施例3:DP2受容体アンタゴニスト化合物の製剤>
1つの態様において、DP2受容体アンタゴニスト化合物を、水中の10%のベータ-ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(BHPC)中に溶解することにより、DP2受容体アンタゴニスト化合物を含む水性の点眼剤を調製する。
【0265】
<実施例4:DP2受容体アンタゴニスト化合物の溶液>
1.5gのDP2受容体アンタゴニスト化合物を、25mLのPBSバッファー中に溶解する。ホウ酸(50mg)を溶液に加え、続いて、100μLの塩化ベンザルコニウムを加える。ポリビニルアルコール(1.5ml)及びポリソルベート(1ml)を混合物に加え、1Nの塩化水素酸又は1Nの水酸化ナトリウムを使用して、pHをpH7.1に調節する。溶液の最終的な量を、食塩水で100mLに調節する。
【0266】
<実施例5:DP2受容体アンタゴニスト化合物の溶液(防腐剤無添加)>
1.5gのDP2受容体アンタゴニスト化合物を、25mLのシトラートバッファー中に溶解する。マンニトール(50mg)を溶液に加え、続いて、チロキサポール(1ml)を加え、1Nの塩化水素酸又は1Nの水酸化ナトリウムを使用して、pHを6.9に調節する。溶液の最終的な量を、食塩水で100mLに調節する。
【0267】
<実施例6:DP2受容体アンタゴニスト化合物の軟膏>
1.5gのDP2受容体アンタゴニスト化合物を、1.5mLの鉱油に溶解する。白色ワセリン(500mg)を混合物に加え、続いて、クロロブタノール(10μL)を加える。軟膏を無菌チューブに充填する。
【0268】
<実施例7:DP2/CRTH2結合アッセイ>
ヒトのDP2受容体に結合する化合物の能力を、[3H]PGD2を使用して、放射リガンド結合アッセイを介して評価する。組み換え型のヒトのDP2を安定して発現するHEK293細胞を、1mMのDTTを含む、10mMのHepes, 7.4中に再懸濁し、溶解し、75,000xgで遠心分離にかけ、細胞膜をペレット状にする。細胞膜を、約5mgのタンパク質/mlまで、1mMのDTT、及び10%のグリセロールを含む10mMのHepes, 7.4中に再懸濁する。細胞膜(2〜10μgのタンパク質/ウェル)を、96ウェルのプレートにおいて、アッセイバッファー(50mMのHepes、10mMのMnCl2、1mMのEDTA、+又は-0.2%のヒト血清アルブミン、pH7.4)中の1nM[3H]PGD2及び試験化合物とともに、室温で60分間インキュベートする。反応を、ワットマンGF/Cガラス線維のフィルタープレートを介して急速濾過法によって終了させる。フィルタープレートを、室温で30分間、0.33%のポリエチレンイミン(polythylenimine)にあらかじめ浸し、その後、播種前にウォッシュバッファー(50mMのHepes、0.5MのNaCl pH7.4)中で洗浄した。播種後、フィルタープレートを、1mlの冷たいウォッシュバッファーで3回洗浄し、その後乾燥する。その後、シンチラント(Scintillant)をプレートに加え、フィルター上で保持される放射活性を、Packard TopCount(Perkin Elmer)上で測定する。特異的結合を、10μMのPGD2の存在下において、非特異的結合を除いた合計の放射性結合として測定する。IC50を、薬物滴定曲線のGraphPadプリズム分析を使用して測定した。
【0269】
<実施例8:DP1結合アッセイ>
ヒトのDP1受容体に結合する化合物の能力を、DP1選択的合成リガンド[3H]BWA868Cを使用して、放射リガンド細胞膜の結合アッセイを介して評価した。充填された(Packed)ヒト血小板(Biological Specialty Corporation)を、6容量のHepes/HBSSバッファー(10mMのHepes、ハンクス平衡塩溶液(Hanks Balanced Salt Solution)(HBSS)中の1mM DTT)中に再懸濁し、溶解し、75,000xgで遠心分離にかけ、細胞膜をペレット状にした。細胞膜を、約12mgのタンパク質/mlまでHepes/HBSSバッファー中に再懸濁した。細胞膜(20μgのタンパク質/ウェル)を、96ウェルのプレートにおいて、アッセイバッファー(50mMのHepes、10mMのMnCl2、1mMのEDTA、+又は-0.2%のヒト血清アルブミン、pH7.4)中の2nM[3H]BWA868C及び試験化合物とともに、室温で60分間インキュベートする。反応を、ワットマンGF/Cガラス線維のフィルタープレートを介して急速濾過法によって終了させる。フィルタープレートを、室温で30分間、0.33%のポリエチレンイミン(polethylenimine)にあらかじめ浸し、その後、播種前にウォッシュバッファー(50mMのHepes、0.5MのNaCl pH7.4)中で洗浄した。播種後、フィルタープレートを、1mlの冷たいウォッシュバッファーで3回洗浄し、その後乾燥する。その後、シンチラントをプレートに加え、フィルター上で保持される放射活性を、Packard TopCount(Perkin Elmer)上で測定する。特異的結合を、10μMのBWA868Cの存在下において、非特異的結合を除いた合計の放射性結合として測定する。IC50を、薬物滴定曲線のGraphPadプリズム分析を使用して測定した。
【0270】
実施例7及び実施例8において試験された化合物のための代表的なデータは、以下の表に示される。
【0271】
【表1】

【0272】
<実施例9:アレルギー性結膜炎のラットモデル>
アレルギー性結膜炎のラットモデルを、アレルギー性結膜炎の進行に対する、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への局所投与の影響を試験するために使用する。雄のウィスターラット(250〜350g)を、1日目に、4つの足底(foodpads)すべてへ、オバルブミン(OVA、1mg)、アラム(2mg)及び1010の死滅した百日咳細胞を含む、0.6mLの食塩水を注入することによって感作する。5日後に、背中の10の部位に、OVA(0.5mg)を含む1mlの食塩水を皮下注射することによって、それらを刺激する。14日目から42日目まで、マイクロピペットを使用して、両眼へ食塩水(10mg/ml、5μl)中のOVAを注入することにより、局所感作を毎日行なう。(必要に応じて)14日目から42日目に、ラットを全身又は眼のDP2受容体アンタゴニストにより処置する。眼を引っ掻く行動の頻度を、選択される日にOVAの後20分間数える。14、21、28、35及び42日目のOVA負荷(chalenge)に続く24時間、ラットに麻酔をかけ、結膜を取り除き、10%の中性緩衝ホルマリンで固定する。4-μmの厚さの前頭切断(frontal sections)を染色し、好酸球を数える。DP2受容体アンタゴニスト化合物による眼(複数可)への局所処置に続く、眼を引っ掻く行動及び結膜の好酸球の阻害を、Graphpad Prizmを使用して、記録し、プロットする。
【0273】
<実施例10:アレルギー性結膜炎のモルモットモデル>
アレルギー性結膜炎のモルモットモデルを、アレルギー性結膜炎の進行に対する、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への局所投与の影響を試験するために使用する。4〜8週齢のオスのHartleyモルモット(300〜500グラム)を、実験の初めに、Imject Alum中の溶液100μg/mlのオバルブミン0.5ml(ovalbumin 0.5ml of a 100μg/ml solution in Imject Alum)を腹膜腔内注射することによって感作した。さらなる0.5mlのオバルブミン(OVA)溶液を、リンパ節の近くに皮下注入する(Muise et al., 2002)。感作の21日後に、モルモットは眼の負荷を受けた。簡潔に言うと、動物をタオル内に確保し、側横臥位に置いた。10マイクロリットルの食塩水又はOVA(食塩水中の2.5%)を、各眼に局所的に適用し、続いて、2〜3回手で強制的にまばたきさせた。この手順を、23日目に再び繰り返す。(0〜3の尺度を使用する)発赤の臨床スコアリング、(0〜3の尺度を使用する)浮腫及び(0〜4の尺度を使用する)分泌物(discharge)を、23日目に負荷の90分後に評価した。そう痒/引っ掻き反応を、23日目に負荷後の最初の30分間、(0〜3の尺度を使用して)観察し、記録した。DP2受容体アンタゴニスト(化合物2;{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸)を、21〜23日目にPBSビヒクル中の300ng/眼の濃度において上述される手順を使用して、局所適用によって投与した。経口投与も、0.5%のメチルセルロース又は水において調製された化合物2(10mg/kg)の強制栄養によって評価した。平均±平均の標準誤差をプロットし、Graphpad Prizmを使用して、一元配置分散分析によって分析した。
【0274】
図3は、化合物2の局所投与が、眼の抗原負荷に続く、発赤、分泌物及び蓄積する臨床スコアを著しく低減することを示す。眼の浮腫及びそう痒/引っ掻き反応は、低下する傾向を示した。化合物2の経口投与は、任意のエンドポイントに影響を与えなかった。
【0275】
<実施例11:マウスのブタクサ(Mouse Ragweed)アレルギー性結膜炎>
ブタクサ誘発のアレルギー性結膜炎のマウスモデルを、アレルギー性結膜炎の進行に対する、DP2受容体アンタゴニストの眼への局所投与の有効性を試験するために使用した。化合物2を、眼のアレルギーのマウスモデルにおいて評価した。このモデルにおいて、アレルゲン(Short Ragweed、SRW)での全身感作の後に、同じアレルゲンでの局所負荷が続いた。感作に関して、水酸化アルミニウム(13mg/ml、Sigma Aldrich)のブタクサ(short ragweed)のアレルゲン(SRW, Greer, Lenoir, NC, USA)、25μlの50μgの懸濁液を、両方の後ろの足底に注入した(0日目)。9〜15日目に、化合物2(PBS中の0.3%)、陽性対照(ハイプロメロース中の酢酸プレドニゾロン1%)、又はビヒクル対照(PBS)による局所処置を、毎日3回投与した。各眼における処置の5μLの点滴薬とともに、較正されたマイクロピペットを使用して、マウスの中央の角膜に局所的に投薬した。13〜15日目に、マウスを、各眼における5μlのPBS中の1000μgのSRW懸濁液の局所投与量で負荷した。SRWを毎日新しく調製し、混合の3時間以内に使用し、均一性を保証するために、投与前によく混合した。最終の負荷(15日目)の30分後、臨床症状(分泌物、眼瞼腫脹充血、結膜水腫、及び斜視)を、解剖顕微鏡の補助を使用して評価した。蓄積するスコアはまた、斜視を除いた測定される全てのパラメーターを含んで記録した。
【0276】
図5は、化合物2の局所投与が、眼の抗原負荷に続く、分泌物、眼瞼腫脹、結膜水腫、及び蓄積する臨床スコアを著しく低減させたことを示す。*PBS/RWに対してP<0.05、Newman-Keulsの事後分散分析;PBS/RWに対して%P<0.05、t試験。
【0277】
<実施例12:RSVに感染した眼のマウスモデル>
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)の眼感染のマウスモデルを、RSVに誘発された眼の免疫病理に対する、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼の適用の影響を試験するために使用する(Bitko V, et al., J. Virol. 2007;81(2):783-90; Bitko V, et al., Nat. Med. 2005;11(1):50-5)。各マウスの眼を、2μlの容量における60ngのDP2受容体アンタゴニスト化合物又はビヒクル(無菌食塩水)で局所的に処置する。DP2受容体アンタゴニスト化合物を、ウイルス接種の40分後注入し、その後、プロトコルの全期間(14日間)にわたって、毎日1回注入する。
【0278】
眼内でのウイルス及びインヒビターの注入。
6〜8週齢の雌のBALB/cマウスを、Charles River Laboratoriesから購入する。RSV(Long株(Long strain)、血清型A)を、HEp-2細胞上で成長させ、1011のPFUの濃度まで、蔗糖層上で精製する(Bitko et al., Nat. Med. 11:50-55, 2005)。必要とされるような104のPFU/2μLの終末濃度までの使用の直前に、酸塩緩衝食塩水(PBS)中で希釈を行う。同様に希釈された蔗糖溶液を、偽感染した対照マウス中で使用する。ペントバルビタール(50mg/kg)の腹膜腔内注射によって、マウスに麻酔をかけ、2μLのPBS中のウイルスを、角膜表面に落とし、眼瞼が閉じた状態でマッサージする(massaged in with closed eyelids)。接種の日を0日目と考える。0日目に、RSV接種の40分後に2μLを適用する直前に、DP2受容体アンタゴニスト化合物を60ng/2μLまでPBS中で希釈し、その後、毎日続ける。
【0279】
実験の持続時間:眼を視覚的に毎日検査し、RSV接種後、以下のそれぞれの日に播種する:2、4、6、8、9、10、12、14日目=合計8の時点。3匹の動物を、各データポイントのために、即ちDP2受容体アンタゴニスト化合物で処置される24匹のマウス、及びビヒクル対照で処置される24匹のマウスのために使用する(研究において使用される合計48匹のマウス)。
【0280】
眼の病理。眼疾患を、細隙灯顕微鏡で評価する(Bitko V, et al., J. Virol. 2007;81(2):783-90)15; Girgis et al., Invest. Ophthal. Vis. Sci. 44:1591-1597, 2003)。病理を、以下のような0〜5の尺度で採点する:0=きれいな眼;1=縁でのわずかな発赤;2=中程度の発赤及び充血;3=毛様充血を有する、結膜及び角膜の充血;4=幾つかの粘液に一般に関係する、広範囲な充血;5=粘液に関係する、最も広範囲な充血。与えられる処置を知らない読み手(reader)によって、コード化された方法で眼を検査する。眼内の粘着性の残留物又はムチンの存在を記録する。DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への適用後の病理スコアを、すべての観察日、即ち、RSV負荷後の2〜14日目に記録する。治療上有効なDP2受容体アンタゴニスト化合物は、感染した眼において粘着性の残留物及び/又はムチンの蓄積を低減する。
【0281】
インターロイキン-4(IL-4)測定。眼組織を、ポリトロンホモジナイザーを使用して、1〜3mlの溶解緩衝液(0.5%のTriton-X-100、15mMのTris Cl pH7.4)中で均質化する。ホモジネートを、摂氏4度で10分間10,000xgで遠心分離にかけ、IL-4抽出のプロセス前に、上清を摂氏-80度で凝固する。上清サンプルを解凍し、最終容量の10%の氷冷のメタノールで沈殿させ、30分間氷の上で保持し、その後、15分間10,000xgで遠心分離にかける。上述されるような眼の抽出を、抽出物中のIL-4のレベルを測定するために使用する。
【0282】
RSV RNA及びタンパク質:RSVを、前述されるような、ウェスタンブロット及び生存可能なウイルスアッセイ(プラーク形成単位;pfu)の両方を使用して、様々な日に眼組織中でアッセイする。IL-5を、RT-PCRによって定量化する。RSV RNA及びタンパク質を、眼及び肺において測定する(Urnowey et al., BMC Microbiol. 6:26, 2006)。
【0283】
眼の感染は、最終的に肺へ伝染し、標準呼吸器感染症を引き起こす。幾つかの例において、眼は、RSVが肺に入る門脈として機能する。したがって、DP2受容体アンタゴニスト化合物の眼への適用が、肺におけるウイルス複製及びウイルスの量に対して任意の効果があるか否かを決定するために、肺感染症を監視することは興味深い。マウスの肺組織を播種し、ホモジネートを作り、ウイルス価及びウェスタンブロットに関してアッセイする(Matsuse H, et al. Allergology International 2007; 56:165-169; Bitko V, et al., J. Virol. 2007;81(2):783-90.)。
【0284】
統計分析。病理スコア及び眼のIL-4濃度は、GraphPad Prismソフトウェア (GraphPad Software, San Diego, CA)を使用して、二元配置分散分析に続き、ボンフェローニ事後分析を受ける。
【0285】
DP2受容体アンタゴニスト(化合物2;{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸)は、(A)RSVの眼病理、及び(B)眼のIL4誘発を低減した(図4を参照)。
【0286】
<実施例13:マウスの亜慢性喫煙モデル(Subchronic Smoke Model)における併用療法
BALB/cマウスを群に分け、ケージの中で24時間環境に順応させた(0日目)。対照群を空気に曝し、試験群を、8日間、1日につき7本のフィルターの無いタバコの煙に曝した(1日目から8日目まで)。1日目に始まり13日目まで、DP2受容体アンタゴニスト5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸(化合物1;10mg/kgを1日4回)を、単独で又はFLAPインヒビター化合物H(3-(3-(tert-ブチルチオ)-1-(4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンジル)-5-((5-メチルピリジン-2-イル)メトキシ)-1H-インドール-2-イル)-2,2-ジメチルプロピオン酸)(30mg/kgを1日2回)と組み合わせて投与する。14日目に、気管支肺胞洗浄液(BALF)を、細胞、サイトカイン、ケモカイン(例えば、KC、IL-17、MIP-2、IL-6)、ムチン、及び/又はタンパク質の流入のために試験する。肺組織も検査する。図1は、BALF中に存在する合計の細胞、好中球及びリンパ球の数に対する、DP2受容体アンタゴニスト単独での又はFLAP阻害と組み合わせた効果を示す。図2は、BALF中のムチンの存在に対する、DP2受容体アンタゴニスト単独での又はFLAPインヒビターと組み合わせた効果を示す。亜慢性の喫煙マウスモデルにおいて、BALF中のムチン分泌に対する、DP2受容体アンタゴニスト化合物及びFLAPインヒビター化合物の組み合わせの効果は、付加的なものであり、即ち、化合物1及び化合物Hの組み合わせは、各化合物単独よりも、BALF中のムチンの量を減らした。1つの態様において、DP2受容体アンタゴニスト単独での又はFLAPインヒビター化合物と組み合わせた、眼への局所投与の効果は、BALF中に観察されるように、いずれも眼内で(例えば、機構的に予期される)同じ効果を有する。
【0287】
<実施例14:アレルギー性結膜炎の徴候及び症状を低減する際の眼へのDP2受容体アンタゴニストの局所投与の効果を評価する臨床試験>
単一施設、二重盲検、無作為化、二方向交差、プラセボ比較の研究は、アレルゲン負荷(CAC)に続く、アレルギー性結膜炎(AC)を有する個体の眼への、DP2受容体アンタゴニスト化合物の局所投与の安全性及び有効性を評価する。各被験体は、動的治療(例えば眼に投与されるDP2受容体アンタゴニスト化合物の局所製剤)又はプラセボを受ける。
【0288】
どちらかの性別の18〜65歳の10人の被験体が研究に参加する。すべての被験体は、眼のアレルギー(アレルギー性結膜炎又は鼻炎結膜炎)の病歴を有するべきである。被験体のアレルギーの状態は、(1)季節性又は通年性のアレルゲンに対する陽性の皮膚プリックテスト、(2)同じアレルゲンに対する陽性の眼のアレルゲン負荷によって確認されるべきである。
【0289】
被験体は、緑内障、前部又は後部ブドウ膜炎、臨床的に有意な眼瞼炎、濾胞性結膜炎、虹彩炎又はドライアイ;糖尿病性網膜症、又は進行性の網膜疾患;活動性眼感染の存在;眼ヘルペス感染の陽性の病歴、を有するべきではない。また、任意の全身に投与された又は眼に投与されたコルチコイド、又は任意の全身に投与された又は眼に投与されたマスト細胞安定化薬での前処置(無作為化の前の2週間以内)を有した被験体;無作為化の4週間前に上気道感染症を有した被験体、又は6か月以内に眼の手術を受けたか、網膜剥離の病歴を有した被験体を除外する。妊娠の可能性のある女性の被験体は、文書化した陰性尿妊娠テストを有しなければならず、研究の間に避妊の医学的に証明された形態を実行しなければならない。書面による同意書を、各被験体から得る。
【0290】
結膜アレルゲン負荷(CAC)のプロトコル
人口統計学的歴史、病歴及び薬歴を、患者から得る。患者が以前に皮膚試験の後に陽性反応を示したアレルゲンと双方で行われた(performed bilaterally with)、CACを資格のある患者は受ける。陽性反応が認められるまで、増加する濃度に対し10分間隔でアレルゲンを注入する。その後、患者及び医師は、CAC後、3、7及び20分及び12時間後に、各症状のために、5点尺度(0=なしから4=無能力化(incapacitating))を使用して、眼炎症:眼そう痒、流涙、及び発赤/灼熱感の徴候及び症状を評価する。患者の症状スコアは、患者によって評価されるような個人スコアの合計である。
患者の症状スコア(PD 30)の30%の変化を誘発するアレルゲンの濃度を、AUC症状スコアによって0〜20分測定されるように、設定する。その後、患者は、交差の第1期間の1日目に、及び再び交差の第2期間の1日目に、PD 30濃度でアレルゲン負荷を受ける。各患者は、アレルゲン負荷の直後に治療(活性又はプラセボ)を受ける。交差の2つの期間を、7日間のウォッシュアウト期間(wash out period)によって分ける。
【0291】
研究の主要評価項目は、プラセボに対して処置される患者の症状スコア(0〜20分のAUC症状スコア)の変化である。副次的評価項目は、患者及び医師によって評価されるような個々の眼の徴候及び症状、患者の全体的評価、医師の全体的評価、安全性及び耐用性、鼻症状、及び涙液分泌物中のバイオマーカーを含む。本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のためであり、当業者に示唆される様々な修正又は変更は、本出願の精神及び範囲、並びに添付された請求項の範囲内に含まれるべきものである。本明細書に使用されるセクションの見出し(section headings)は、組織的な目的のみのためであり、記載される題目を限定するものとして構築されるべきものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液、懸濁液、点滴薬、乳濁液、軟膏、ゲル又は挿入物を提供するためのDP2受容体アンタゴニスト化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、眼の医薬組成物であって、該眼の医薬組成物は、哺乳動物の眼への投与のための形態であることを特徴とする眼の医薬組成物。
【請求項2】
前記DP2受容体アンタゴニストは、式(I)の構造:
【化1】

を有する化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグであり、
式中、
R4は、H、 ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルであり、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-OR13、-SR12、-S(=O)R12、-S(=O)2R12、-NHS(=O)2R12、-C(=O)R12、-OC(=O)R12、-CO2R13、-OCO2R13、-CH(R132、-N(R132、-C(=O)N(R132、-OC(=O)N(R132、-NHC(=O)NH(R13)、-NHC(=O)R12、-NHC(=O)OR12、-C(OH)(R132、-C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6フルオロアルコキシ、C1-C6アルコキシ、又はC1-C6ヘテロアルキルであり、
又はR5は、C3-C10シクロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のナフチル、置換又は非置換の単環式ヘテロアリール、又は置換又は非置換のニ環式ヘテロアリールであり、ここで、もしR5が置換されるならば、R5は1又は2のR21の基で置換され、
R20は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2O-C1-C4アルキル、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)、-OC1-C4アルキル、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-O-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)、-NR16C1-C4アルキル、-NR16-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-NR16-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、もしR20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換され、
各R21は、ハロゲン、-OH、-OC1-C4アルキル、C1-C4アルキル、及び-CF3から独立して選択され、
R16は、H又はC1-C4アルキルであり、
R11は、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、
R12は、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、又はC1-C4フルオロアルキルであり、
各R13は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、及びC1-C4フルオロアルキルから独立して選択されることを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項3】
前記DP2受容体アンタゴニストは、ラマトロバン、AMG009、AMG853、WO09/085177の化合物14、AZD1981、AZD8075、AZD5985、ARRY-005、ARRY-006、ARRY-063、ODC9101(OC459)、OC499、OC1768、OC2125、OC2184、QAV680、MLN6095、ACT-129968、ADC3680、SAR398171、S555739、AP768、[2'-(3-ベンジル-1-エチル-ウレイドメチル)-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル]-酢酸、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸、TM30642、TM30643、TM30089、TM27632、及びTM3170、{2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-6-メトキシ-4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-3-イル}-酢酸、[2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸、(5-{2-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4-トリフルオロメチル-フェニル}-ピリジン-3-イル)-酢酸、又は{8-[(4-フルオロ-ベンゼンスルフォニル)-メチル-アミノ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリド[3,2-b]インドール-5-イル}-酢酸、又はそれらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグであることを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、pH調節成分、助溶剤、乳化剤、浸透促進剤、防腐系、及び皮膚軟化薬、又はそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項5】
前記眼の医薬組成物は、浸透圧調節成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項6】
前記浸透圧成分は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項5に記載の眼の医薬組成物。
【請求項7】
前記眼の医薬組成物中の前記DP2受容体アンタゴニストの濃度は、前記眼の医薬組成物の重量で約0.1%から約10%までであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼の医薬組成物。
【請求項8】
前記眼の医薬組成物は、免疫疾患又は疾病、増殖性疾患又は疾病、アレルゲン及び/又は刺激物との接触、マスト細胞媒介の疾患又は疾病、Th2リンパ球媒介の疾患又は疾病、感染又はそれらの組み合わせから選択される眼の疾患又は疾病を処置又は予防するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項9】
前記眼の医薬組成物は、加齢性黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、前上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、春季角結膜炎又はそれらの組み合わせを処置又は予防するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の眼の医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物中の眼の疾患又は疾病の前記処置又は予防におけるDP2受容体アンタゴニスト化合物の使用。
【請求項11】
前記DP2受容体アンタゴニスト化合物は、哺乳動物の眼への投与に適した形態であることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記DP2受容体アンタゴニスト化合物は、点眼剤、眼科用懸濁液剤、点眼薬、眼の乳濁液、眼軟膏、眼のゲル又は眼の挿入物の形態であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記DP2受容体アンタゴニスト化合物は、移植、挿入、注入、噴霧、洗浄、又はそれらの組み合わせを介して哺乳動物の眼に投与されることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
前記眼の疾患又は疾病は、免疫障害、増殖性障害、アレルゲン及び/又は刺激物との接触、マスト細胞媒介の疾患又は疾病、Th2リンパ球媒介の疾患又は疾病、感染、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項15】
前記眼の疾患又は疾病は、加齢性黄斑変性、アレルギー性結膜炎、好酸球角膜炎、前上葉区瘢痕化、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、結膜炎、コンタクトレンズに関連する巨大乳頭結膜炎、糖尿病性網膜症、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼球内黒色腫、角膜炎、角結膜炎、疼痛、瞼裂斑、術後疼痛、増殖性硝子体網膜症、翼状片、瘢痕化、強膜炎、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、春季角結膜炎又はそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項16】
前記眼の疾患又は疾病は、眼そう痒又は眼炎症であることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項17】
哺乳動物の眼において、発赤、刺激、腫脹、涙液分泌、又はそれらの組み合わせを処置又は予防する用途のための、請求項10に記載の使用。
【請求項18】
前記処置又は予防は、第2治療薬の使用をさらに含むことを特徴とする、請求項10乃至17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記第2治療薬は、抗生物質、抗真菌薬、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗ウイルス剤、アルファアゴニスト、ベータ遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、プロスタグランジン、抗血管新生剤、ロテプレドノールエタボネート、マスト細胞安定化薬、シクロスポリン、又はロイコトリエンモジュレーターであることを特徴とする、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記第2治療薬は、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)インヒビター、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)インヒビター、及びロイコトリエン受容体アンタゴニストから選択される、ロイコトリエンモジュレーターであることを特徴とする、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
式(I)の構造:
【化2】

を有する化合物、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、またはプロドラッグであり、
式中、
R4は、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、又はC1-C4ヘテロアルキルであり、
R5は、C3-C10シクロアルキル、置換又は非置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のナフチル、置換又は非置換の単環式ヘテロアリール、又は置換又は非置換のニ環式ヘテロアリールであり、ここで、もしR5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換され、
R20は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2O-C1-C4アルキル、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH(CH3)-O-(置換又は非置換のフェニル)、-C(CH32-O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)、-OC1-C4アルキル、-O-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、-O-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)、-NR16C1-C4アルキル、-NR16-CH2-(置換又は非置換のフェニル)、又は-NR16-CH(CH3)-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、もしR20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換され、
各R21は、ハロゲン、-OH、-OC1-C4アルキル、C1-C4アルキル、及び-CF3から独立して選択され、
R16は、H又はC1-C4アルキルであり、
R11は、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、又はC3-C6シクロアルキルであり、
R12は、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、又はC1-C4フルオロアルキルであり、
各R13は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ヘテロアルキル、及びC1-C4フルオロアルキルから独立して選択されることを特徴とする化合物。
【請求項22】
R4は、H、F、Cl、Br、-OH、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、
R11は、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-CH2CF3、シクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルであり、
R5は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、ピペラジニル、チオモルフォリニル、又はフェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンジイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、及びキノキサリニルから選択される、置換又は非置換の基であり、ここで、もしR5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換されることを特徴とする、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R4は、F、Cl、Br、-CH3、-OCH3、-CF3、又は-OCF3であり、
R11は、-CH3、-CH2CH3、又は-CH2CF3であり、
R5は、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、及びイソキノリニルから選択される、置換又は非置換の基であり、ここで、もしR5が置換されるならば、R5は、1、又は2のR21の基で置換され、
R20は、-CH3、シクロプロピル、-CH2OCH3、-CH2O-(置換又は非置換のフェニル)、-CH2OCH2-(置換又は非置換のフェニル)であり、ここで、もしR20のフェニルが置換されるならば、フェニルは、1、又は2のR21の基で置換されることを特徴とする、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物は、[2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸、又はその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又はプロドラッグであることを特徴とする、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
前記化合物は、[2'-[(N-シクロプロパンカルボニル-N-エチル-アミノ)-メチル]-4'-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-ビフェニル-3-イル]-酢酸,ナトリウム塩であることを特徴とする、請求項21に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−500978(P2013−500978A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523015(P2012−523015)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/043598
【国際公開番号】WO2011/014587
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(510209672)パンミラ ファーマシューティカルズ,エルエルシー. (17)
【Fターム(参考)】