説明

DPP−1の阻害剤として有用な二環式誘導体

本発明は、新規な二環式誘導体、それらを含有する医薬組成物、及びDPP−1によって調節される障害及び病状の治療におけるその使用を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な二環式誘導体、それらを含有する医薬組成物、及びDPP−1によって調節される障害及び病状の治療におけるそれらの使用を目的とする。
【背景技術】
【0002】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、非可逆的気流制限(irreversible airflow limitation)の進行性発達を特徴とする。COPDは、末梢気道の閉塞を伴う慢性閉塞性気管支炎と、空隙の拡大及び肺実質の破壊、肺弾性の喪失、並びに末梢気道の閉鎖を伴う気腫とからなる。COPD患者には、気道及び肺実質の気管支肺胞洗浄(BAL)において、好中球数、細胞障害性Tリンパ球数、及びマクロファージ数の増加があった。これらの炎症細胞の存在は、気道閉塞の重症度及び肺胞壁の破壊と相関している。好中球エラスターゼ、つまりカテプシンG及びプロテイナーゼ3が、実験動物において気腫及び粘液過分泌をもたらし得ることがわかっている。グランザイムA及びBは、活性化された細胞障害性Tリンパ球の顆粒においてのみ発現される中性セリンプロテアーゼである。COPDにおいて、プロテアーゼ−抗プロテアーゼのバランスは、多形核好中球(PMN)由来プロテアーゼ、カテプシン、及びマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加のために、タンパク質分解の増加に有利に働くように見える。したがって、上述の関連するプロテアーゼの全て又はほとんどを阻害する薬物は、COPDの治療において効果的であることが期待される。
【0003】
ジペプチジルペプチダーゼ−1(DPP−1、カテプシンC)は、カテプシンB、K、H、L、O、及びSもまた含む、リソソームパパイン型システインプロテアーゼファミリーのメンバーである。DPP−1(分子量200kd)は、いずれもが単一タンパク質前駆体からの、ジスルフィド結合した重鎖と軽鎖との二量体から構成される。DPP−1 mRNAは、肺、脾臓、腎臓、及び肝臓等の組織内で高く発現され、PMN、細胞障害性Tリンパ球、肺胞マクロファージ、及び肥満細胞等の炎症細胞内でも同様である。DPP−1の生物学的機能は、N末端からジペプチドを除去することによって、不活性プロ酵素を活性酵素に変換することである。DPP−1によって活性化されるプロ酵素は、PMN由来プロテアーゼ、グランザイムA及びB、キマーゼ、並びにトリプターゼである。これらの酵素は、COPDにおいて重要な病理学的役割を果たすため、小分子によるDDP−1の阻害は、COPDに対する合理的な治療的介入となるであろう。DPP−1阻害剤の更なる治療的適応症は、ぜんそく、鼻炎、及びリウマチ性関節炎である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤を含むが、これらに限定されない、DPP−1媒介の障害及び病状の治療のためのDPP−1の阻害剤に対する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I):
【0006】
【化1】

[式中、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C3〜6シクロアルキル、フェニル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【0007】
【化2】

−CH2CH2−NRA−、及び−CH2CH2CH2−NRA−からなる群から選択され、ここで、RAが、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、(ここで、L置換基は、描写されるように式(I)の化合物に組み込まれ、より具体的には、L置換基は、L置換基のN原子が式(I)の化合物のC(O)に結合するように式(I)の化合物に組み込まれ)、
Yは、N及びCHからなる群から選択され、
Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、−Q、−O−Q、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
そのアリール又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ハロゲン化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)−NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で任意に置換され、ここで、RE及びRFは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
そのヘテロシクリルは、1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが、前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい。]
の化合物、及びその薬学的に許容される塩を目的とする。
【0008】
本発明は、式(II)の化合物であって、
【0009】
【化3】

1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C3〜6シクロアルキル、フェニル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、そのヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、−CH2CH2−NRA−及び−CH2CH2CH2−NRA−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、(L置換基は、描写されるように式(I)の化合物に組み込まれ、より具体的には、L置換基は、L置換基のN原子が式(I)の化合物のC(O)に結合するように式(I)の化合物に組み込まれ)、
Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、−Q、−O−Q、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここでRC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
そのアリール又はヘテロシクリルは、単独で若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ハロゲン化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)−NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で任意に置換され、ここで、RE及びRFが、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
そのヘテロシクリルは、1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが、前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい、
前記化合物、及びその薬学的に許容される塩を更に目的とする。
【0010】
本発明は、式(I)の化合物及び/又は式(II)の化合物の調製のためのプロセスを更に目的とする。本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って製造される製品を更に目的とする。
【0011】
本発明の実例は、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、及び本明細書に記載のプロセスに従って製造される製品である。本発明の実例は、本明細書に記載のプロセスに従って製造される製品と薬学的に許容される担体とを混合することにより製造される医薬組成物である。本発明の実例は、本明細書に記載のプロセスに従って製造される製品と薬学的に許容される担体とを混合することを含む、医薬組成物の製造方法である。
【0012】
本発明を例証するのは、DPP−1(カテプシンC)によって媒介される障害(例えば、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害)の治療を必要とする患者において、それらを治療する方法であって、上述のいずれの化合物又は医薬組成物の治療上有効量を患者に投与することを含む、方法である。
【0013】
本発明の別の例は、(a)リウマチ性関節炎、(b)ぜんそく、(c)慢性閉塞性肺疾患、(d)敗血症、(e)過敏性腸疾患、(f)嚢胞性線維症、又は(g)腹部大動脈瘤の治療を必要とする患者において、それらを治療するための薬剤の調製のための、本明細書に記載のいずれかの化合物の使用である。
【0014】
別の例において、本発明は、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害を治療するための方法における使用のための、本明細書に記載されるような化合物を目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、式(I):
【0016】
【化4】

[式中、R1、R2、X、Y、L、及びnが、本明細書に定義される通りである。]の化合物、及びその薬学的に許容される塩を目的とする。本発明は更に、式(II):
【0017】
【化5】

[式中、R1、R2、X、Y、L、及びnが、本明細書に定義される通りである。]の化合物、及びその薬学的に許容される塩を目的とする。本発明の式(I)及び式(II)の化合物は、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤を含むが、これらに限定されない、DPP−1(カテプシンC)によって媒介される障害、疾患、及び病状の治療において有用な、DPP−1の阻害剤である。
【0018】
当業者は、幾つかの変項(例えば、R1、R2、X、L、及びn等)が式(I)の化合物、及び式(II)の化合物に現れることを認識するであろう。当業者は、特定の置換基が式(I)の化合物に対する既定の変項に対して選択される場合、前記選択は、式(II)の化合物に対する前記変項の範囲を制限するように意図されないことを、更に認識するであろう。同様に、式(II)の化合物に対する既定の変項に対する特定の置換基の選択は、式(I)の化合物に対する前記変項の範囲を制限するように意図されない。
【0019】
本発明の一実施形態において、R1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C3〜6シクロアルキル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、その5〜6員ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される、1〜2個の置換基で任意に置換される。本発明の別の実施形態において、R1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C4〜6シクロアルキル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、その5〜6員ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換される。
【0020】
本発明の別の実施形態において、R1は、エチル、シクロブチル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、2−ブロモ−チエン−2−イル、5−クロロ−チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、4−メチル−チアゾール−2−イル、ピラゾール−1−イル、フル−2−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、及びアミノ−カルボニルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R1は、エチル、チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、フル−2−イル、及び1−メチル−イミダゾール−4−イルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R1は、エチル、チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、及びフル−2−イルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R1は、エチル、チエン−2−イル、及びチアゾール−2−イルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R1は、チエン−2−イルである。
【0021】
本発明の別の実施形態において、R1は、C1〜4アルキルである。本発明の別の実施形態において、R1は、C1〜2アルキルである。本発明の別の実施形態において、R1は、エチルである。
【0022】
本発明の一実施形態において、nは0である。本発明の別の実施形態では、nは1である。
【0023】
本発明の一実施形態において、Lは、
【0024】
【化6】

である。本発明の別の実施形態において、Lは、−CH2CH2−N(RA)−及び−CH2CH2CH2−N(RA)−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、−CH2CH2CH2−N(RA)−であり、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、−CH2CH2−NRA−である。本発明の別の実施形態において、Lは、−CH2CH2CH2−NRA−である。本発明の別の実施形態において、Lは、−CH2CH2CH2−NH−である。
【0025】
本発明の一実施形態において、Lは、
【0026】
【化7】

−CH2CH2−N(RA)−、及び−CH2CH2CH2−N(RA)−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、
【0027】
【化8】

−CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−N(CH3)−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、
【0028】
【化9】

−CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−NH−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、
【0029】
【化10】

−CH2CH2CH2−NH−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Lは、
【0030】
【化11】

及び−CH2CH2CH2−NH−からなる群から選択される。
【0031】
本発明の一実施形態において、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、RAは、水素である。
【0032】
本発明の一実施形態において、
【0033】
【化12】

は、インドリル、1−メチル−インドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、及びベンズイミダゾリルからなる群から選択される。
【0034】
本発明の一実施形態において、Yは、N及びCHからなる群から選択され、Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択される、但し、XがO又はSであるとき、YはCHである。
【0035】
本発明の一実施形態において、YはNである。本発明の別の実施形態において、YはCHである。本発明の一実施形態において、XはOである。本発明の別の実施形態において、XはSである。本発明の別の実施形態において、XはNRBである。本発明の別の実施形態において、RBは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、及びt−ブチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、RBは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、RBは、水素及びメチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、RBは、水素である。
【0036】
本発明の一実施形態において、Yは、N及びCHからなる群から選択され、Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBは、水素及びC1〜2アルキルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Yは、CH及びNからなる群から選択され、Xは、NH、N(CH3)、及びOからなる群から選択される、但し、XがOのとき、YはCHである。本発明の別の実施形態において、Yは、CH及びNからなる群から選択され、Xは、NH及びOからなる群から選択される、但し、XがOのとき、YはCHである。本発明の別の実施形態において、YはCHであり、XはNHである。
【0037】
本発明の一実施形態において、
【0038】
【化13】

は、インドリル及びベンゾチエニルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Xは、N(RB)及びSからなる群から選択され、ここでRBは、水素及びC1〜2アルキルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、Xは、S及びNHからなる群から選択される。
【0039】
本発明の一実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、フェニル、−O−フェニル、ヘテロシクリル、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、そのアリール又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、フッ素化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、フッ素化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で任意に置換され、ここでRE及びRFは、水素及びC1〜2アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、そのヘテロシクリルは1つ以上のSヘテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが前記1つ以上のSヘテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい。
【0040】
本発明の別の実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、フェニル、−O−フェニル、−C(O)−NRCD、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜2アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、フェニル、ナフチル、−C1〜2アルキル−フェニル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、そのフェニル又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、フッ素化C1〜2アルキル、C1〜4アルコキシ、フッ素化C1〜2アルコキシ、−CO2H、−C(O)NH2、−SO2−NH2、及びフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で任意に置換され、そのヘテロシクリルは、1つ以上のSヘテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルは、前記1つ以上のSヘテロ原子上で、1〜2個のオキソ基で任意に置換されてもよい。
【0041】
本発明の別の実施形態において、R2は、水素、5−ブロモ、5−(カルボキシ)、5−(ニトロ)、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(2−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、6−(ジエチルアミノ−カルボニル)、5−(フェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,5−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンジル−アミノ−カルボニル)、5−([1,2,4]トリアゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1−メチル−ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(5−フェニル−ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,1−ジオキソ−ベンゾチオフェン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択される。
【0042】
本発明の別の実施形態において、R2は、水素、5−ブロモ、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(2−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(フェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,5−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1−メチル−ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(5−フェニル−ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,1−ジオキソ−ベンゾチオフェン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択される。
【0043】
本発明の別の実施形態において、R2は、5−ブロモ、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択される。
【0044】
本発明の別の実施形態において、R2は、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択される。
【0045】
本発明の別の実施形態において、R2は、5−(3,4−ジメトキシフェニル)及び5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、R2は水素である。
【0046】
本発明の一実施形態において、R2基は、
【0047】
【化14】

コアの5位又は6位で結合される。別の実施形態において、R2基は、
【0048】
【化15】

コアの5位で結合される。本発明の一実施形態において、R2基は、
【0049】
【化16】

コアの5位又は6位で結合される。別の実施形態において、R2基は、
【0050】
【化17】

コアの5位で結合される。
【0051】
一実施形態において、本発明は、「」印で示される立体中心が、(R)配置において存在する、式(I)の化合物を目的とする。好ましくは、式(I)の化合物は、鏡像体過剰率が約80%以上で(R)配置において存在し、より好ましくは、約90%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約95%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは、約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。
【0052】
一実施形態において、本発明は、「」印で示される立体中心が、(S)配置において存在する、式(I)の化合物を目的とする。好ましくは、式(I)の化合物は、鏡像体過剰率が約80%以上で(S)配置において存在し、より好ましくは、約90%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約95%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは、約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。
【0053】
一実施形態において、本発明は、「」印で示される立体中心が、(R)配置において存在する、式(II)の化合物を目的とする。好ましくは、式(II)の化合物は、鏡像体過剰率が約80%以上で(R)配置において存在し、より好ましくは、約90%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約95%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは、約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。
【0054】
一実施形態において、本発明は、「」印で示される立体中心が、(S)配置において存在する、式(II)の化合物を目的とする。好ましくは、式(II)の化合物は、鏡像体過剰率が約80%以上で(S)配置において存在し、より好ましくは、約90%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約95%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは、約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは、約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。
【0055】
本発明の追加の実施形態は、本明細書に定義される変項(すなわち、
【0056】
【化18】

1、R2、L、X、Y、及びn)のうちの1つ以上に対して選択される置換基が、本明細書に定義されるような完全な一覧表から選択される任意の独立した置換基又は置換基の任意のサブセットであるように、独立して選択されるようなものを含む。別の実施形態において、本発明は、以下の表1〜4に列挙される代表的な化合物から選択される、任意の単一化合物又は化合物のサブセットである。
【0057】
本発明の式(I)の代表的な化合物は、以下の表1〜3に列挙される通りである。当業者は、R2置換基の式(I)の化合物(以下の表1〜3を含む)の
【0058】
【化19】

コアへの結合位置の記述において、R2置換基の位置は、次の番号付けスキームに従って示されるべきことを、認識するであろう。
【0059】
【化20】

【0060】
当業者は、本明細書でこの後に続く表1〜3において、「R2」の見出しの縦列において、#−(置換基)の記述は、R2基が
【0061】
【化21】

に結合される位置に続いて、括弧内の置換基の識別を示すものとすることを更に認識するであろう。例えば、表記5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)は、
【0062】
【化22】

コアの5位で結合される、3,4−ジメトキシ−フェニル基を示す。
【0063】
【表1−1】

【0064】
【表1−2】

【0065】
【表1−3】

【0066】
【表1−4】

【0067】
【表1−5】

【0068】
【表2−1】

【0069】
【表2−2】

【0070】
【表2−3】

【0071】
【表2−4】

【0072】
【表2−5】

【0073】
【表2−6】

【0074】
【表2−7】

【0075】
【表2−8】

【0076】
【表2−9】

【0077】
【表2−10】

【0078】
【表2−11】

【0079】
【表2−12】

【0080】
【表3】

【0081】
本発明の式(II)の代表的な化合物は、以下の表4に列挙される通りである。
【0082】
【表4】

【0083】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物であって、生物学的実施例1に記載の手順に従って測定されるそのIC50が、約10μM以下であり、好ましくは約5.0μM以下であり、より好ましくは約1.0μM以下であり、より好ましくは約0.5μM以下であり、より好ましくは約0.1μM以下である、化合物を目的とする。
【0084】
別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物であって、生物学的実施例1に記載の手順に従って測定されるそのIC50が、約10μM以下であり、好ましくは約5.0μM以下であり、好ましくは約1.0μM以下であり、より好ましくは約0.5μM以下であり、より好ましくは約0.1μM以下である、化合物を目的とする。
【0085】
本明細書で使用するとき、「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を意味する。
【0086】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、単独で使用されるか、又は置換基の一部としてであるかに関わらず、1〜6個の炭素原子の直鎖及び分岐鎖の炭素鎖組成物を含むものとする。例えば、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル等を含むものとする。X及びYが整数である接頭辞「CX-Y」は、アルキルと共に使用される場合、X〜Y個の炭素原子の炭素鎖組成物を意味するものとする。例えば、用語「C1〜4アルキル」は、1〜4個の炭素原子の直鎖及び分岐鎖の炭素鎖組成物を意味するものとする。
【0087】
当業者は、用語「−(アルキル)−」及び「−(C1〜4アルキル)−」は、本明細書で定義されるように、任意のアルキル炭素鎖又はC1〜4アルキル炭素鎖であって、前記アルキル鎖又はC1〜4アルキル鎖が二価であり、2つの結合箇所を通じて、好ましくは2つの末端炭素原子を通じて、更に結合される、アルキル炭素鎖を示すことを認識するであろう。
【0088】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「ハロゲン化C1〜4アルキル」は、上記に定義された、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された、好ましくは少なくとも1個のフッ素原子で置換された任意のC1〜4アルキル基を意味するものとする。好適な例には、−CF3、−CCl3、−CH2−CF3、−CH2CCl3、−CF2−CF2−CF2−CF3等が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「フッ素化C1〜4アルキル」は、上記に定義された、少なくとも1個のフッ素原子で置換された、任意のC1〜4アルキル基を意味するものとする。好適な例としては−CF3、−CH2−CF3、−CF2−CF2−CF2−CF3及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ハロゲン化アルキル又はフッ素化アルキルは、−CF3である。
【0089】
本明細書で使用される、用語「アルコキシ」は、単独で使用されるか、又は置換基の一部としてであるかに関わらず、上述の1〜6個の炭素原子の直鎖及び分岐鎖の炭素鎖組成物のうちのいずれかの酸素エーテルラジカル(oxygen ether radical)を示すものとする。例えば、アルコキシラジカルは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ等を含む。X及びYが整数である接頭辞「CX-Y」は、アルコキシと共に使用される場合、上述のX〜Y個の炭素原子の炭素鎖組成物のうちのいずれかの酸素ラジカルを意味するものとする。例えば、用語「C1〜4アルコキシ」は、1〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖の炭素鎖組成物のうちのいずれかの酸素エーテルラジカルを意味するものとする。好適な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びt−ブトキシが挙げられる。
【0090】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「ハロゲン化C1〜4アルコキシ」は、上記に定義された、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された、好ましくは少なくとも1個のフッ素原子で置換された、任意のC1〜4アルコキシ基を意味するものとする。好適な例には、−OCF3、−OCCl3、−OCH2−CF3、−OCH2CCl3、−OCF2−CF2−CF2−CF3等が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「フッ素化C1〜4アルコキシ」は、上記に定義された、少なくとも1個のフッ素原子で置換された、任意のC1〜4アルコキシ基を意味するものとする。好適な例としては、−OCF3、−OCH2−CF3、−OCF2−CF2−CF2−CF3及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ハロゲン化又はフッ素化アルコキシは、−OCF3である。
【0091】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「アリール」は、フェニル、ナフチル等の未置換の炭素環式(carbocylic)芳香族基を指すものとする。本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「アラルキル」は、フェニル、ナフチル等のアリール基で置換された、任意のC1〜4アルキル基を意味するものとする。例えば、ベンジル、フェニルエチル−、フェニル−n−プロピル−、及びナフト−1−イルメチル−等。
【0092】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「C3〜6シクロアルキル」は、任意の安定な3〜6員の単環の飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを意味するものとする。
【0093】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「5〜6員ヘテロアリール」は、O、N、及びSからなる群から選択される、少なくとも1個のへテロ原子を含有し、O、N、及びSからなる群から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を任意に含有する、任意の5又は6員の単環の芳香環構造を示すものとする。ヘテロアリール基は、安定した構造をもたらすように、環の任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合させることができる。好適なヘテロアリール基の例には、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びピラニル等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいヘテロアリール基には、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロシクリル」は、O、N、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合により、O、N、及びSからなる群から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を含有する、任意の5〜7員の単環式、飽和、部分的に不飽和、又は芳香族の環状構造;あるいはO、N、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のへテロ原子を含有し、場合により、O、N、及びSからなる群から独立して選択される1〜4個の追加のヘテロ原子を含有する、任意の9〜10員の飽和、部分的に不飽和、部分的に芳香族(ベンゾ縮合を含む)、又は芳香族の二環式環系を示すものとする。ヘテロシクリル基は、安定した構造をもたらすように、環の任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合させることができる。好適なヘテロシクリル基の例には、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、トリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキサラニル(dioxalanyl)、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、トリチアニル、インドリニル、クロメニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいヘテロシクリル基には、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、トリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
特定の基が「置換された」(例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルなど)場合、その基は、置換基のリストから独立して選択される、1個又はそれ以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有してもよい。
【0096】
置換基に関して、用語「独立して」とは、1超のそのような置換基が可能である場合、そのような置換基は互いに同じでも異なってもよいことを意味する。
【0097】
本明細書で使用するとき、表記「」は、不斉中心の存在を示すものとする。本発明の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらはしかるべく鏡像異性体として存在することができる。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在することができる。全てのそのような異性体及びその混合物が本発明の範囲に包含されると考えるべきである。好ましくは、化合物が鏡像体として存在する場合、鏡像体は、約80%以上の鏡像体過剰率で、より好ましくは約90%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは約95%以上の鏡像体過剰率で、更により好ましくは約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。同様に、化合物がジアステレオマーとして存在する場合、ジアステレオマーは、約80%以上のジアステレオマー過剰率で、より好ましくは約90%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約95%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約98%以上のジアステレオマー過剰率で、最も好ましくは約99%以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
【0098】
更に、本発明の化合物のいくつかの結晶形態は多型として存在することができ、そのようなものは、本発明に含まれることが意図される。加えて、本発明のいくつかの化合物は、水との溶媒和物(すなわち、水和物)又は通常の有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物も、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0099】
本開示全体で使用される標準的な命名法の下では、指定される側鎖の末端部が最初に記載され、結合点に向かって隣接する官能基が続く。したがって、例えば、「フェニルC1〜C6アルキルアミノカルボニルC1〜C6アルキル」置換基は、以下の式の基を指す。
【0100】
【化23】

【0101】
明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略語は、以下の通りである。
【0102】
【表5】

【0103】
本明細書で使用されるように、別段の注記がない限り、用語「単離された形態」は、化合物が、別の化合物(一種又は複数)との任意の固体混合物、溶媒系又は生物学的環境から分離された形態で存在することを意味するものとする。一実施形態において、式(I)の化合物は、単離された形態として調製される。別の実施形態において、式(II)の化合物は、単離された形態として調製される。
【0104】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「実質的に純粋な化合物」は、単離された化合物中の不純物のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味するものとする。一実施形態において、式(I)の化合物は、実質的に純粋化合物として存在する。別の実施形態において、式(II)の化合物は、実質的に純粋化合物として存在する。
【0105】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「実質的に対応する塩形態を含まない」とは、式(I)の化合物を説明するために用いるとき、単離した式(I)の塩基中の対応する塩形態のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味する。一実施形態において、式(I)の化合物は、実質的に対応する塩形態を含まない形態で存在する。別の実施形態において、式(II)の化合物は、実質的に対応する塩形態を含まない形態で存在する。
【0106】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「処置する」、「処置」などの用語は、疾患、病状、又は障害の治療を目的とする、被験者又は患者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)の管理及びケアを含み、また、症状若しくは合併症の発現の予防、症状若しくは合併症の緩和、又は疾患、病状、若しくは障害の排除のための、本発明の化合物の投与を含むものとする。
【0107】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「予防」は、(a)1つ以上の病状の頻度の低減、(b)1つ以上の病状の重篤度の低下、(c)更なる病状の発現の遅延若しくは回避、及び/又は(d)疾患若しくは病状の発生の遅延若しくは回避を含むものとする。
【0108】
本発明が予防方法を目的とする場合、この方法を必要とする患者(すなわち、予防を必要とする患者)が、予防されるべき障害、疾患、若しくは病状のうち少なくとも1つの症状を経験又は示しているいずれの被験者又は患者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)をも含むことを、当業者は理解するであろう。更に、この方法を必要とする患者は加えて、予防されるべき障害、疾患、又は病状のいずれの症状も示していないが、それらの障害、疾患、又は病状の発現のリスクがあると医師、臨床医、又は他の医療専門家によって見なされている患者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)でもあり得る。例えば、限定されるものではないが、家族暦、個体素因、合併(併発)障害又は合併(併発)症状、遺伝子検査などを含めた、患者の医療履歴の結果として、患者は障害、疾患又は病状の発生のリスクがあると(またそれゆえ、予防又は予防的処置の必要があると)見なされる場合がある。
【0109】
本明細書で使用するとき、用語「患者」は、処置、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは患者は、治療及び/又は予防するべき疾病又は疾患の少なくとも1つの病状を経験及び/又は示している。
【0110】
本明細書で使用するとき、用語「治療上有効量」は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている、処置されている疾病又は疾患の症状の緩和を含む、組織系、動物、又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬品の量を意味する。
【0111】
本明細書で使用する用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含んでいる生成物、並びに直接的又は間接的に特定の成分の特定の量の組み合わせから生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0112】
本明細書で使用するとき、用語「DPP−1媒介の障害」は、DPP−1活性の阻害を通じて媒介され得るいずれの病状、疾患、又は障害を含むものとする。当業者は、DPP−1によって媒介される障害が、以下のものを含むが、これらに限定されないことを認識するであろう:
(a)気道障害:気管支性、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬物誘発性(アスピリン及びNSAID誘発性を含む)、及びダスト誘発性のぜんそくを含む、断続性及び持続性の両方の、あらゆる重症度のぜんそく、並びに気道過敏反応の他の原因を含む、気流閉塞性障害;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸性の気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス(sacroidosis);農夫肺及び関連疾患;過敏性肺臓炎(pnemonitis);特発性線維化性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法に併発する線維症、並びに、結核及びアスペルギルス症及び他の真菌感染症を含む慢性感染症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性(vascullitic)及び血栓性の障害、及び肺高血圧症;気道の炎症及び分泌状態に関連する慢性咳、並びに医原性咳の治療を含む鎮咳剤活性;薬物性鼻炎及び血管運動神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(花粉症)を含む通年性及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ症;感冒を含む急性ウイルス感染、及び呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)、並びにアデノウイルスによる感染
(b)皮膚障害:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(dermatatis)、又は他の湿疹性皮膚病(deramtoses)、及び遅延型過敏反応;植物性及び光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎(dermatistis)、疱疹状(herptiformis)皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬(lichen slerosus et atrophica)、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱瘡、じんま疹、血管性浮腫(angioderma)、脈管炎、中毒疹(toxid erythmas)、皮膚(cutaceous)好酸球増加症、円形脱毛症、男性型脱毛症、スイート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑(erythema multiforma);感染性及び非完成性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫(cutaceous lymphomas)、非黒色腫性の皮膚がん及び他の異形性病変;固定薬疹を含む薬物誘発性障害
(c)眼の障害:通年性及び春のアレルギー性結膜炎を含む、眼瞼炎並びに結膜炎;虹彩炎;前部及び後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に作用する自己免疫性、変性、又は炎症性の障害;交感性眼炎を含む眼炎(opthalmitis including sympathetic opthalmitis);サルコイドーシス;ウイルス性、真菌性(fugal)、及び細菌性を含む感染症
(d)泌尿生殖器障害:間質性腎炎及び糸球体腎炎(glomerulonephritis)を含む腎炎;腎炎症候群;急性及び慢性(間質性)膀胱炎を含む膀胱炎、並びにハナー潰瘍;急性及び慢性の尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎、並びに卵管炎;外陰膣炎;ペーロニー病;勃起不全
(e)同種移植拒絶障害:急性及び慢性の、例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚、若しくは角膜の移植に続くもの、又は輸血に続くもの;あるいは、慢性移植片対宿主病
(f)リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性(thrombocytopaenic)紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群、及びセザリー(Sazary)症候群を含む、自己免疫及びアレルギー性障害
(g)がん:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸及び結腸、並びに胃がんを含む一般的ながん、皮膚及び脳腫瘍並びに骨髄に作用する悪性腫瘍(白血病を含む)、並びにホジキン及び非ホジキンリンパ腫等のリンパ球増殖系の治療を含むがん;転移性疾患及び腫瘍再発の予防及び治療、並びに腫瘍随伴(paraneoplstic)症候群を含むがん
(h)感染性疾患:生殖器疣、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、天然痘、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹(zoser)ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、及びパラインフルエンザ等のウイルス性疾患;結節空洞(tubercuavium)、ハンセン病等の細菌性疾患;真菌性疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス髄膜炎、ニューモシスチスカリニ(carnii)、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染症、及びリーシュマニア症等の他の感染性疾患。
【0113】
別の実施形態において、本発明は、DDP−1媒介の障害の治療及び/又は予防のための方法を目的とし、DPP−1媒介の障害は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ぜんそく、急性肺外傷、成人呼吸窮迫症候群、腹部又は胸部の動脈瘤、リウマチ性関節炎、変形性関節症、多発性硬化症、敗血症、及びトキソプラズマ症(taxoplasmosis)からなる群から選択される。
【0114】
別の実施形態において、本発明は、DDP−1媒介の障害の治療及び/又は予防のための方法を目的とし、DPP−1媒介の障害は、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される。
【0115】
記載された説明においてより広範囲に与えられる場合、「反応させる」及び「反応した」というような用語は(a)こうした化学物質の実際に記載された形態、及び(b)化合物が名付けられるときに考慮されている媒質中でのこうした化学物質の任意形態、のいずれか1つである化学物質を参照して本明細書で使用される。
【0116】
当業者は、別途記載のない限り、反応工程が適切な条件下で公知の方法に従って行われて、所望の生成物が得られることを認識するであろう。当業者は、更に、本明細書に提示された明細書及び特許請求の範囲において、試薬又は試薬のクラス/種類(例えば、塩基、溶媒等)が方法の1を超える工程に引用されている場合、個々の試薬は、各反応工程に関して独立して選択され、同一であっても又は互いに異なっていてもよいことを認識するであろう。例えば、方法の2つの工程が、試薬として有機又は無機塩基を挙げている場合、第一工程に関して選択される有機又は無機塩基は、第二工程の有機又は無機塩基と同一でも又は異なっていてもよい。更に、当業者であれば、本発明の反応工程を、様々な溶媒又は溶媒系中で行うことができ、かかる反応工程がまた、好適な溶媒又は溶媒系の混合物中でも行うことができることを認識するであろう。
【0117】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書に記載する量的表現の一部は、用語「約」で修飾しない。用語「約」が明確に用いられていようといまいと、本明細書に記載する全ての量はその実際値を指すことを意味し、またこのような値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるこのような値の近似値を指すことも意味することが理解される。
【0118】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書の量的表現のいくつかは、約量X〜約量Yの範囲として記載される。範囲が記載されていようといまいと、範囲は、記載された上限及び下限に限定されるものではなく、約量X〜約量Yの全範囲、又はその中の任意の範囲を含むと理解される。
【0119】
好適な溶媒、塩基、反応温度、並びに他の反応パラメータ及び成分の例は、本明細書で以下に詳細に説明される。当業者は、上記例の列挙が、以後の「特許請求の範囲」に記載される発明を決して限定する意図はなく、そのように解釈すべきではないことを認識するであろう。
【0120】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「非プロトン性溶媒」は、プロトンを生成しない任意の溶媒を意味するものとする。好適な例としてはDMF、1,4−ジオキサン、THF、アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE、トルエン、アセトンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「脱離基」は、置換反応又は追出し反応中に離脱する帯電又は非帯電の、原子又は基を意味するものとする。好適な例には、Br、Cl、I、メシラート、トシラートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
本明細書で使用されるように、別段の注記がない限り、用語「窒素保護基」は、窒素原子に結合することで、窒素原子が反応へ参加するのを防止することができ、かつ反応後に容易に除去できる基を意味するものとする。好適な窒素保護基としては、カルバメート−式−C(O)OR[式中、Rは、例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH2=CH−CH2−等である]の群;アミド−式−C(O)−R’[式中、R’は、例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチル等]の基;N−スルホニル誘導体−式−SO2−R”[式中、R”は、例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタミチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼン等]の基が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な窒素保護基は、T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991等の教科書に見出され得る。
【0123】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「酸素保護基」は、酸素原子に結合することで、かかる酸素原子が反応への参加するのを防止することができ、かつ反応後には容易に除去できる基を意味するものとする。好適な酸素保護基としては、アセチル、ベンゾイル、t−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル(TMS)、MOM、THPなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な酸素保護基は、T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991等の教科書に見出され得る。
【0124】
当業者は、本発明の反応工程を、様々な溶媒又は溶媒系中で行うことができ、この反応工程はまた、適切な溶媒又は溶媒系の混合物中でも行うことができることを認識するであろう。
【0125】
本発明による化合物の調製プロセスが、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、例えば分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば標準的な技術、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学的に活性な酸と共に塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行ってそれらの構成要素であるエナンチオマーに分割することができる。化合物は、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成と、その後のクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去により分割することもできる。あるいは、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてもよい。
【0126】
加えて、標準物質に対するキラルHPLCを用いて、鏡像体過剰率(%ee)を決定することができる。鏡像体過剰率は、以下のように算出することができる。
[(Rモル−Sモル)/(Rモル+Sモル)]×100%
式中、Rモル及びSモルは、Rモル+Sモル=1となるような、混合物中のR及びSモル分率である。別の方法としては、鏡像体過剰率は、以下のように、所望の鏡像体及び調製された混合物の比旋光度から算出することもできる。
ee=([α−obs]/[α−max])×100
【0127】
本発明の化合物の任意の調製プロセス中、関与する任意の分子の感受性基又は反応性基を保護することが必要かつ/又は望ましい場合がある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載のもの等の、従来の保護基を用いて達成されてもよい。保護基は、後続の都合のよい段階で、当該技術分野にて既知の方法を用いて除去されてよい。
【0128】
薬剤で使用するために、本発明の化合物の塩は非毒性の「薬学的に許容される塩」を指す。しかし他の塩も本発明による化合物又はそれらの薬学的に許容される塩の調製に有用となり得る。化合物の適切な薬学的に許容される塩には酸付加塩が挙げられ、これは例えば、化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酢酸、酒石酸、炭酸、又はリン酸のような薬剤として許容される酸の溶液と混合することにより形成することができる。更に、本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム若しくはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム若しくはマグネシウム塩;及び適切な有機リガンドと形成される塩、例えば四級アンモニウム塩を含むことができる。したがって、代表的な、薬学的に許容される塩には以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、硼酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グリセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフタレン酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムコ酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル化物、トリエチオジド及び吉草酸塩。
【0129】
薬学的に許容される塩の調製に使用され得る代表的な酸としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸(D-glucoronic acid)、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸(sebaic acid)、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、及びウンデシレン酸。
【0130】
薬学的に許容される塩の調製に使用され得る代表的な塩基には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び水酸化亜鉛。
【0131】
本発明はその範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。概して、そのようなプロドラッグは、必要な化合物へとインビボで容易に変換され得る化合物の機能的誘導体である。すなわち、本発明の治療法では、用語「投与」は、記載する種々の障害を、具体的に開示する化合物を用いて、又は具体的には開示しなくともよいが患者に投与された後にインビボで特定の化合物に転換する化合物を用いて治療することを包含すべきである。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」、H.Bundgaard編、Elsevier,1985に述べられている。
【0132】
Lが
【0133】
【化24】

である式(I)の化合物は、スキーム1に概説されるプロセスに従って調製され得る。
【0134】
【化25】

【0135】
したがって、好適に置換された式(V)の化合物(式中LG1がブロモ、クロロ、及びヨウ素等、好ましくはブロモの好適に選択された脱離基である、既知の化合物又は既知の方法で調製された化合物)を、Pd(PPh32Cl2、Pd(OAc)2Cl2、Pd(dppf)Cl2、及びPd(dppp)Cl2等の好適に選択された触媒の存在下で;Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3等の好適に選択された塩基の存在下で;1,4−ジオキサン、DMF、及びトルエン等の好適に選択された非プロトン性の溶媒中において;好適に置換されたボロン酸である、式(VI)の化合物(既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(VII)に相当する化合物を得る。
【0136】
式(VII)の化合物を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;場合によってはDMAP等の触媒の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(VIII)の化合物(式中、PG1が、好適に選択されたBOC及びCBz等の窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(X)に相当する化合物を得る。
【0137】
あるいは、好適に置換された式(V)の化合物(式中、LG1が、ブロモ、クロロ、及びヨウ素等の、好ましくはブロモの好適に選択された脱離基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;場合によってはDMAP等の触媒の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(VIII)の化合物(PG1が、BOC及びCBz等の好適に選択された窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(IX)に相当する化合物を得る。
【0138】
式(IX)の化合物を、Pd(PPh32Cl2、Pd(OAc)2Cl2、Pd(dppf)Cl2、及びPd(dppp)Cl2等の好適に選択された触媒の存在下で;Na2CO3、K2CO3、及びCs2CO3等の好適に選択された塩基の存在下で;1,4−ジオキサン、DMF、及びトルエン等の好適に選択された非プロトン性の溶媒中において;好適に置換されたボロン酸である、式(VI)の化合物(既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(X)に相当する化合物を得る。
【0139】
式(X)の化合物は既知の方法に従って脱保護基され、式(Ia)に相当する化合物を得る。例えば、式中、PG1がBOCの場合、式(X)の化合物は、DCM及びジエチルエーテル等の好適に選択された溶媒中で、HCl及びTFA等の好適に選択された酸と反応させることによって脱保護基させる。
【0140】
当業者は、XがN(RB)である式(Ia)の化合物の場合、前記化合物は、上述と同様に調製され得るか、あるいは、式中、XがNHである対応する化合物として調製され、次いで既知の方法に従って、好適に選択されたアルキル化剤と更に反応され得ることを、認識するであろう。
【0141】
Lが−(CH22〜3−NH−である式(I)の化合物は、以下のスキーム2に概説されるプロセスに従って調製され得る。
【0142】
【化26】

【0143】
したがって、好適に置換された式(XI)の化合物(既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(VIII)の化合物(式中、PG1が、BOC及びCBz等の好適な窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(XII)に相当する化合物を得る。
【0144】
式(XII)の化合物は既知の方法に従って脱保護基され、式(Ib)に相当する化合物を得る。例えば、PG1がBOCである式(XII)の化合物は、DCM及びジエチルエーテル等の好適に選択された溶媒中で、HCl及びTFA等の好適に選択された酸と反応させることによって、脱保護基させ得る。
【0145】
YがCHであり、XがN(RB)であり、Lが−(CH22〜3−NH−である式(I)の化合物は、以下のスキーム3に概説されるプロセスに従って調製され得る。
【0146】
【化27】

【0147】
したがって、好適に置換された式(VIII)の化合物(式中、PG1が、Boc、Cbz、及びトリフルオロアセチル等の好適に選択される窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製される化合物)を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;場合によってはDMAP等の触媒の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;式(XIII)の化合物(既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、(XIV)に相当する化合物を得る。
【0148】
式(XIV)の化合物を、Pd(PPh34、PdCl2(PPh32、及びPd(PhCN)2Cl2等の好適に選択されたパラジウム触媒の存在下で;Culの存在下で;ジエチルアミン及びDMF等の好適に選択された溶媒中において;好適に置換された式(XV)の化合物(式中LG2がヨウ素、ブロモ、及びクロロ等の脱離基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製される化合物)と反応させ、式(XVI)に相当する化合物を得る。
【0149】
式(XVI)の化合物を、閉環条件下で、より具体的には、Pd(PhCN)2Cl2及びPd(PPh34、PdCl2(PPh32等の好適に選択された触媒の存在下で;DMF及びジエチルアミン等の好適に選択された溶媒中において;反応させ、式(XVII)に相当する化合物を得る。
【0150】
式(XVII)の化合物を、NaH等の好適に選択された塩基の存在下で;DMF、THF、及びジエチルエーテル等の好適に選択された溶媒中において;好適に選択されたアルキル化剤である式(XVII)の化合物と任意に反応させ、式(XIX)に相当する化合物を得る。
【0151】
式(XVII)の化合物又は式(XIX)の化合物が、既知の方法に従って、PG1基を除去するために脱保護基され、式(Ic)に相当する化合物を得る。例えば、式(XVII)の化合物又は式(XVIII)の化合物(式中、PG1は、−C(O)−CF3)を、THF及びメタノール等の好適に選択された溶媒中で;NaOH及びKOH等の好適に選択された塩基と反応させ;式(Ic)に相当する化合物を得る。
【0152】
当業者は、式(I)の化合物(式中、R2が−C(O)−NRCD又は−C(O)−NH−Q)は、BOP−Cl及びHATU等の結合剤の存在下で、TEA及びDIPEA等の好適に選択された塩基の存在下で、DCM、アセトニトリル及びTHF等の好適に選択された有機溶媒中において、好適に選択されたアミン(式NHRCD又はNH2−Qの化合物である、既知の化合物又は既知の方法によって調製される化合物)と、反応させることによって、R2が−C(O)OHである式(I)に相当する化合物から調製され得ることを認識するであろう。
【0153】
当業者は、式(I)の化合物(YがCHであり、XがN(RB)であり、Lが−(CH22〜3−NH−であり、R2が−O−Q)が、上述のスキーム3に概説されるプロセスに従って、式(XV)の化合物の代わりに式(XXVI)の化合物を使用し、
【0154】
【化28】

上述のように反応させることによって、式(XXVII)に相当する化合物を得て、
【0155】
【化29】

式(XXVII)の化合物を、次いで、CuIの存在下で;Cs2CO3及びK2CO3等の好適に選択された塩基の存在下で;1,4−ジオキサン及びTHF等の好適に選択された溶媒中において;好適に置換された式Q−OHの化合物と反応させて、式(XXVIII)に相当する化合物を得て、
【0156】
【化30】

式(XXVIII)の化合物を、次いで、既知の方法に従って脱保護基させ、PG1保護基を除去し、所望の式(I)の化合物(YがCHであり、XがN(RB)であり、Lが−(CH22〜3−NH−であり、R2が−O−Qである)を得ることによって、同様に調製され得ることを更に認識するであろう。
【0157】
式(I)の化合物(式中、YがCHであり、XがN(RB)であり、Lが−CH2CH2CH2−NH−である)は、以下のスキーム4に概説されるプロセスに従って調製され得る。
【0158】
【化31】

【0159】
したがって、好適に置換された式(XV)の化合物(式中、LG2が、ヨウ素、ブロモ、及びクロロ等の好適に選択された脱離基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)を、Pd(PPh34、PdCl2(PPh32及びPd(PhCN)2Cl2等の好適に選択されたパラジウム触媒の存在下で;CuIの存在下で;ジエチルアミン及びDMF等の好適に選択された溶媒中において;式(XX)の化合物(式中、PG2がBOC、CBz及び−C(O)CF3等の好適に選択された窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって(例えば、式(XIII)の化合物を既知の方法に従って保護することによって)調製された化合物)と反応させ、式(XXI)に相当する化合物を得る。
【0160】
式(XXI)の化合物を、閉環条件下で、より具体的には、Pd(PhCN)2Cl2、Pd(PPh34及びPdCl2(PPh32等の好適に選択された触媒の存在下で;DMF及びジエチルアミン等の溶媒中において反応させ、式(XXII)に相当する化合物を得る。
【0161】
式(XXII)の化合物は既知の方法に従って脱保護基され、式(XXIII)に相当する化合物を得る。例えば、PG2がBOCである式(XXII)の化合物は、DCM及び1,4−ジオキサン等の好適に選択された有機溶媒中で、HCl及びTFA等の好適に選択された酸と反応させることによって、脱保護基される。
【0162】
式(XXIII)の化合物を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;場合によってはDMAP等の触媒の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(VIII)の化合物(式中、PG1が、好適に選択されたBOC、CBz、及び−C(O)CF3等の窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(XXIV)に相当する化合物を得る。
【0163】
式(XXIV)の化合物は既知の方法に従って脱保護基され、式(Id)に相当する化合物を得る。例えば、PG1がBOCである式(XXIV)の化合物は、DCM及び1,4−ジオキサン等の好適に選択された有機溶媒中で、HCl及びTFA等の好適に選択された酸と反応させることによって、脱保護基される。
【0164】
当業者は、式(I)の化合物(式中、Lが、−CH2CH2CH2−NH−であり、YがCHであり、XがN(RBであり、ここでRBが水素以外である)については、式(XXIV)の化合物を、前述のように、好適に選択されたアルキル化剤と反応させることによって調製され得、得られた生成物は既知の方法に従って脱保護基され得ることを認識するであろう。
【0165】
式(I)の化合物(式中、Lが−(CH22〜3−N(RA)−であり、ここでRAが水素以外である)は、上述のスキームで概説されたような手順に従って、好適に置換された式(XXV)の化合物(式中、Wが水素である、既知の化合物又は既知の方法によって調製される化合物)を、
【0166】
【化32】

スキーム3の式(XIII)の化合物の代わりに選択し用いることによって;あるいは、好適に置換された式(XXV)の化合物(式中、WがBOC、CBz及び−C(O)CF3等の窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製される化合物)を、上述のスキーム4の式(XX)の化合物の代わりに選択し用いることによって、同様に調製され得る。
【0167】
式(II)の化合物(式中、Lが−CH2CH2CH2−N(RA)−)は、以下のスキーム5に概説される手順に従って、調製され得る。
【0168】
【化33】

【0169】
したがって、好適に置換された式(VIII)の化合物(式中、PG1が、BOC、CBz、及び−C(O)CF3等の好適に選択された窒素保護基である、既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)を、HBTU、HATU、及びEDCと組み合わせたHOBt等の好適に選択された結合剤の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された有機塩基の存在下で;場合によっては、DMAP等の触媒の存在下で;DMF、DCM、及びNMP等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(C)の化合物(既知の化合物又は既知の方法によって調製された化合物)と反応させ、式(CI)に相当する化合物を得る。
【0170】
式(CI)の化合物を、Pd(OAc)2、Pd(PPh34及びPdCl2(PPh32等の好適に選択されたパラジウム触媒の存在下で;P(o−tolyl)3及びPPh3等の好適に選択された3価有機リン剤(phosphorous agent)の存在下で;TEA、DIPEA、及びピリジン等の好適に選択された塩基の存在下で;アセトニトリル、DMF、及びトルエン等の好適に選択された有機溶媒中において;好適に置換された式(CII)の化合物(式中、LG3が、ブロモ、クロロ、及びヨウ素等の好適に選択された脱離基である)と反応させ、式(CIII)に相当する化合物を得る。
【0171】
式(CIII)の化合物を、Pd/C等の好適に選択された触媒の存在下で;メタノール及びエタノール等の好適に選択された有機溶媒中において;水素ガス等の水素源と反応させ、式(IIa)に相当する化合物を得る。
【0172】
当業者は、式(II)の化合物(式中、Lが−CH2CH2−N(RA)−)が、上述のスキーム5に概説される手順に従って、好適に置換された式(CIV)の化合物
【0173】
【化34】

(式中、PG0は、好適に選択された窒素保護基である)を、式(C)の化合物の代わりに選択し用いることによって、式(IIb)に相当する化合物を得ることによって、同様に調製され得ることを認識するであろう。
【0174】
【化35】

【0175】
当業者は、式(II)の化合物(式中、XがN(RB))が、上述のスキーム5に記載のように、好適に置換された式(CV)の化合物
【0176】
【化36】

(式中、PG4は、BOC、CBz、及び−C(O)CF3等の好適に選択された窒素保護基)を式(CII)の化合物の代わりに選択し用いて、上述のように反応させ、式(CVI)に相当する化合物を得ることによって、同様に調製され得ることを、更に認識するであろう。
【0177】
【化37】

【0178】
式(CVI)の化合物は、次いで、既知の方法に従って、連続的に又は同時的に脱保護基され、その後好適に置換されたアルキル化剤と反応させることによって、更に任意に置換され、式(IIa)に相当する化合物を得る。
【0179】
本発明は、1つ以上の式(I)の化合物及び/又は1つ以上の式(II)の化合物と、薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を更に含む。有効成分として本明細書に記載する本発明の化合物の1つ以上の化合物を含有する医薬組成物は、化合物(1つ又は複数)を従来の医薬配合技術に従って医薬担体とよく混合することにより調製することができる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて様々な形態をとることができる。したがって、縣濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤などが挙げられ、粉末、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。固体経口製剤は、吸収の主要部位を調節するために、糖のような物質でコーティングされるか、又は腸溶コーティングされてもよい。非経口投与剤では、担体は通常、滅菌水からなり、溶解度の上昇又は保存のために他の成分を添加してもよい。注入用の縣濁液又は溶液はまた、水性担体を適切な添加剤とともに用いて製造してもよい。
【0180】
本発明の医薬組成物を調製するために、有効成分として本発明の1つ以上の化合物を、従来の医薬配合技術に従って医薬担体とよく混合するが、この担体は、投与に所望される製剤の形態、例えば経口若しくは筋肉内のような非経口により、多種多様な形態をとることができる。組成物を経口剤形態に調製する際、任意の通常の製薬媒質を用いることができる。したがって、例えば、縣濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤等が挙げられ、粉末、カプセル剤、カプレット剤、ジェルキャップ及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤として、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。投与が容易であるため、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口投薬量単位形態であり、その場合、固体医薬担体が明らかに使用される。所望により、錠剤には、標準的な技術により糖衣をコーティングするか又は腸溶コーティングすることができる。非経口のための担体は通常、滅菌水を含むが、例えば溶解性を助けるなどの目的のため又は保存のために他の成分を含んでもよい。注入用の縣濁液も調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。本明細書の医薬組成物は、投与量単位当たり、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末、注射液、茶さじ一杯等当たり、上述した有効投薬量を送達するのに必要な有効成分の量を含有する。本明細書の医薬組成物は、単位投与量当たり、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、坐剤、茶さじ一杯等当たり、約0.01〜約1,000mg又はその中の任意の量若しくは範囲の有効成分(the active ingredient)を含有し、また、約0.01〜約100mg/kg/日、又はその中の任意の量若しくは範囲の投与量で付与されるであろう。しかしながら、投与量は、患者の要求量、処置されている病状の重症度、及び使用される化合物に応じて変動し得る。連日投与又はその後の周期的(post-periodic)投与の使用のいずれかを用いることができる。
【0181】
好ましくはこれらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与、又は吸入若しくは送気による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末、顆粒、無菌非経口溶液若しくは懸濁液、定量エアゾル若しくは液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐薬などの形態の単位剤である。あるいは、組成物は、週に1回若しくは月に1回の投与に好適な形態で与えることができ、例えば、デカン酸塩のような、活性化合物の不溶性の塩を筋肉内注射用のデポ製剤を提供するように適応させることができる。錠剤のような固体組成物の調製に関しては、主要有効成分を、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴムのような従来の錠剤化成分、及びその他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物の均質混合物又はその薬学的に許容される塩を含有する固体の事前処方組成物を形成する。これらの事前処方組成物を均質と呼ぶ場合、組成物を錠剤、丸剤及びカプセル剤のような同等に有効な投与形態に容易に細分することができるように、有効成分が組成物の全体にわたって均一に分散していることを意味する。この事前予備配合組成物は、次に0.01〜約1,000mgの本発明の有効成分を含有する、上述した種類の単位投与形態に細分される。新規組成物の錠剤又は丸剤は、持続性作用の利点を与える投与形態を提供するためにコーティングするか又はそれ以外の方法で配合することができる。例えば、錠剤若しくは丸剤は、内殻投与成分及び外殻投与成分(outer dosage component)を含むことができ、後者は前者を包む形態である。2つの成分は、胃での崩壊に抵抗し、かつその内核成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる、腸溶性の層により分離することができる。様々な物質をそのような腸溶性の層又はコーティングに用いることができ、そのような材料は、シェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような物質と共に多数のポリマー酸を含む。
【0182】
経口投与又は注入により本発明の新規組成物を組み込み得る液体形態としては、水溶液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性縣濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の医薬賦形剤が挙げられる。水性懸濁剤の好適な分散剤若しくは懸濁化剤には、合成及び天然のゴム、例えば、トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0183】
本発明に記載される処置方法はまた、本明細書に定義される任意の化合物、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を用いて実施してもよい。医薬組成物は、約0.01mg〜約1,000mgの又はこの中の任意の量若しくは範囲の化合物、好ましくは約1.0〜500mgの又はこの中の任意の量若しくは範囲の化合物を含有してよく、選択される投与様式に好適な任意の形態に構成することができる。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び粉末のような固体形態、並びに溶液、シロップ、エリキシル剤、及び懸濁剤のような液体形態が挙げられる。非経口投与用に有用な形態には、無菌溶液、乳濁液及び懸濁液が挙げられる。
【0184】
有利なことに、本発明の化合物は1日に1回の用量で投与することができ、又は1日の全投薬用量を1日あたり2、3、又は4回の用量に分割して投与してもよい。更に、本発明の化合物は、当業者に周知の、適切な鼻腔用ビヒクルの局所的使用を介する、又は経皮的な皮膚パッチを介する鼻腔内投与形態で投与することができる。経皮的送達系の形態で投与するためには、投薬量管理はもちろん投薬計画を通して断続的というよりむしろ連続的である。
【0185】
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態の経口投与には、活性薬剤成分をエタノール、グリセロール、水などのような経口用の無毒の薬学的に許容される不活性担体と組合せることができる。更に、所望若しくは必要に応じて、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤も、混合物に組み込むことができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ−ラクトースのような天然の糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントのような天然及び合成ガム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0186】
液体は、合成及び天然のガム(例えば、トラガカント、アカシア、メチルセルロースなど)などの適当に香味付けされた懸濁剤若しくは分散剤として形成する。非経口投与には、滅菌懸濁剤及び溶液が望ましい。静脈内投与が所望される場合、適切な防腐剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
【0187】
本発明の医薬組成物を調製するには、有効成分としての式(I)の化合物を、従来の薬学的配合技術に従って、医薬担体と共に均質に混合するが、担体は、投与(例えば、経口又は非経口)に所望される製剤の形態に応じて、非常に様々な形態をとることができる。薬学的に許容される好適な担体は、当技術分野で周知である。これらの薬学的に許容される担体のいくつかの説明は、米国薬剤師会(American Pharmaceutical Association)及び英国薬剤師会(Pharmaceutical Society of Great Britain)により出版されたThe Handbook of Pharmaceutical Excipientsに見出すことができる。
【0188】
医薬組成物を配合する方法は、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded,Volumes 1〜3,Liebermanら編;Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Volumes 1〜2,Avisら;及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Volumes 1〜2,Liebermanら編;Marcel Dekker,Inc出版などの多数の出版物に記載されている。
【0189】
本発明の化合物は、DPP−1によって媒介される障害の治療が必要な際にはいつでも、前述の任意の組成物で、及び当該技術分野において確立された投薬計画に従って投与することができる。
【0190】
製品の一日用量は、ヒト成人につき1日当たり0.1〜10,000mg、又はその中の任意の量若しくは範囲で変動し得る。経口投与では、組成物は、好ましくは、治療される患者に対する投薬量を症候によって調節するために、約0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500、及び1,000ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。薬物の有効量は、通常、1日当たり約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲の用量レベルで供給される。好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約50.0mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲である。より好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約25.0mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲である。より好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約15.0mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲である。より好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約10.0mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲である。より好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約5.0mg/kg体重、又はその中の任意の量若しくは範囲である。化合物は、1日あたり1〜4回の投薬計画で投与されてもよい。
【0191】
投与する最適用量は、当業者により容易に決定することが可能であり、使用される特定の化合物、投与方法、調製物の強度、投与方法、及び疾患の進行状態によって変化し得る。更に、患者の年齢、体重、食事内容、及び投与時間などの治療される特定の患者に関連した因子によって、用量を調整する必要が生じる。
【0192】
当業者は、適切で既知の一般的に受け入れられている細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロ試験の両方で、上記障害を処置又は予防するための試験化合物の性能が予測されることを認識するであろう。例えば、Methot,N.,et al.,「In Vivo Inhibition of Serine Protease Processing Requires a High Fractional Inhibition of Cathepsin C」,Molecular Pharmacology,(2008),Vol.73,No.6,pp1857〜1865は、カテプシンC(DPP−1)の阻害を測定するための、ラットにおけるインビボアッセイを発表する。
【0193】
当業者は更に、健康な受診者及び/又は上記障害に罹患している罹病者を対象としたヒト初回投与(first-in-human)、用量範囲及び効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床及び医学分野で周知な方法に従って完了できることを認識するであろう。
【0194】
以下の実施例は本発明の理解を助ける目的で説明され、添付する特許請求の範囲で説明される本発明をどのようにも限定することを意図せず、限定するものと解釈されるべきではない。
【0195】
以下の実施例において、いくつかの合成生成物は、残渣として単離されたものとして列挙されている。当業者は、用語「残渣」が、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば、固体、油、発泡体、ゴム、シロップなどを含み得ることを理解するであろう。
【実施例】
【0196】
(実施例1)
(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−アミノブタンアミド(化合物#40)
【0197】
【化38】

【0198】
工程A:ペント−4−イン−1−アミン
1Lの丸底フラスコに、2−(ペント−4−イニル)イソインドリン(isoindoleine)−1,2−ジオン(25.3g、0.119mol)、エタノール(390mL)、及び水(4.4mL)を入れた。ヒドラジン(7.8mL、0.248mol)を添加し、得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。水(90mL)を添加し、得られた混合物を、2NのHClを用いてpH 3まで酸性にし、次いで室温で30分間攪拌した。得られた固体を、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物に水(90mL)を添加し、混合物を氷/水浴を使用して冷却した。10MのNaOH溶液(100mL)をゆっくりと添加し、得られた混合物を、室温で15分間攪拌した。次いで得られた混合物をジクロロメタン(600mL、2回)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、ペント−4−イン−1−アミンを油として得て、更なる精製なしに次の工程で使用した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.81(t,J=6.8Hz,2H)、2.24〜2.31(m,2H)、1.96(s,1H)、及び1.62〜1.71(m,2H)
【0199】
工程B:(S)−N−(ペント−4−イニル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミド
500mLの丸底フラスコに、(S)−2−アミノ酪酸(5.0g、0.048mol)及びジクロロメタン(170mL)を入れた。得られた混合物を、氷/水浴を使用して冷却した。無水トリフルオロ酢酸(8.8mL、0.063mol)をゆっくりと添加し、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、2−(S)−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−酪酸を油として得て、更なる精製なしに使用した。
【0200】
500mLの丸底フラスコに、2−(S)−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−酪酸(5.0g、0.025mol)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール水和物(4.5g、0.033mol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(6.4g、0.033mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.02g、0.163mmol)、ジメチルホルムアミド(95mL)を入れた。得られた混合物に、次いで、トリエチルアミン(10.6mL、0.076mol)及びペント−4−イン−1−アミン(2.7g、0.033mol)を添加した。得られた混合物を室温で22時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮し、残留物を得て、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配90:10〜40:60のへプタン:EtOAc)により精製し、(S)−N−(ペント−4−イニル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 4.46〜4.53(m,1H)、3.32〜3.48(m,2H)、2.23〜2.29(m,2H)、2.00(s,1H)、1.86〜1.98(m,2H)、1.71〜1.83(m,2H)、及び0.91〜0.98(m,3H)。
【0201】
工程C:N−[5−(2−アミノフェニル)ペント−4−イニル]−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ブチルアミド
50mLの丸底フラスコに、(S)−N−(ペント−4−イニル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミド(110mg、0.42mmol)、2−ヨードアニリン(89.0mg、0.41mmol)、ヨウ化銅(13.0mg、0.068mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(47mg、0.041mmol)、及びジエチルアミン(12.6mL)を入れた。得られた混合物を室温で4時間攪拌し、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、N−[5−(2−アミノフェニル)ペント−4−イニル]−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ブチルアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.21〜7.24(m,1H)、7.07〜7.12(m,1H)、6.64〜6.71(m,1H)、6.42〜6.46(m,1H)、4.38〜4.45(m,1H)、3.39〜3.53(m,2H)、2.53(t,J=6.8Hz,2H)、1.67〜1.96(m,4H)、及び0.88〜0.93(m,3H)。
【0202】
工程D:(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミド
50mLの丸底フラスコに、N−[5−(2−アミノフェニル)ペント−4−イニル]−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ブチルアミド(130mg、0.37mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(38.0mg、0.099mmol)、及びジメチルホルムアミド(4.1mL)を入れ、得られた混合物を22時間にわたって80℃まで加熱した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜50:50のへプタン:EtOAc)により精製し、(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.48〜7.53(m,1H)、7.32(d,J=7.9Hz,1H)、7.04〜7.15(m,2H)、6.23(s,1H)、4.32〜4.39(m,1H)、3.31〜3.38(m,2H)、2.71〜2.75(m,2H)、1.82〜1.95(m,3H)、1.63〜1.77(m,1H)、及び0.90〜0.95(m,3H);MS(ES+)356(M+1)。
【0203】
工程E:(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−アミノブタンアミド
20mLのシンチレーション(cintillation)バイアルに、(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミド(48.2mg、0.136mmol)、テトラヒドロフラン(0.68mL)、及びメタノール(0.18mL)を入れた。3Nの水酸化ナトリウム(0.14mL、0.407mmol)を添加し、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。次いで得られた混合物をジクロロメタンで希釈し、1NのHClで抽出した。水層を、pH 8に中和し、ジクロロメタン(dichlormethane)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた固体を、水中に取り込み、凍結乾燥させ、(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−アミノブタンアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.52(d,J=7.6Hz,1H)、7.38(d,J=8.0Hz,1H)、7.01〜7.13(m,2H)、6.22(s,1H)、3.30〜3.49(m,3H)、2.72〜2.77(m,2H)、1.83〜1.96(m,3H)、1.58〜1.66(m,1H)、及び0.98(t,J=7.4Hz,3H);MS(ES+)260(M+1)。
【0204】
(実施例2)
(S)−2−アミノ−N−(3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)プロピル)ブタンアミド(化合物#41)
【0205】
【化39】

【0206】
工程A:N−[3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−プロピル]−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ブチルアミド
20mLのシンチレーションバイアルに、(S)−N−(3−(1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ブタンアミド(60mg、0.169mmol)、及びジメチルホルムアミド(0.75mL)を入れた。水素化ナトリウム(6.0mg、0.25mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で15分間攪拌した。ヨウ化メチル(0.012mL、0.193mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜50:50のへプタン:EtOAc)により精製し、N−[3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−プロピル]−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ブチルアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.52(d,J=7.7Hz,1H)、7.25〜7.28(m,1H)、7.14〜7.19(m,1H)、7.04〜7.10(m,1H)、6.26(s,1H)、4.31〜4.36(m,1H)、3.64(s,3H)、3.33〜3.46(m,2H)、2.75〜2.82(m,2H)、1.80〜2.09(m,3H)、1.59〜1.71(m,1H)、及び0.87〜0.92(m,3H);MS(ES+)370(M+1)。
【0207】
工程B:(S)−2−アミノ−N−(3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)プロピル)ブタンアミド
20mLのシンチレーションバイアルに、N−(3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)プロピル)−2−(S)−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)ブタンアミド(57.0mg、0.154mmol)、テトラヒドロフラン(0.77mL)、及びメタノール(0.20mL)を入れた。3Nの水酸化ナトリウム(0.15mL、0.450mmol)を添加し、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。次いで得られた混合物をジクロロメタンで希釈し、1NのHClで抽出した。水層を、pH 8に中和し、ジクロロメタン(dichlormethane)で抽出した。有機層を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた固体を水中に取り込み、凍結乾燥させ、(S)−2−アミノ−N−(3−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)プロピル)ブタンアミドを得た。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ 7.42(d,J=7.7Hz、1H)、7.29(d,J=8.0Hz,1H)、7.05〜7.11(m,1H)、6.94〜7.02(m,1H)、6.23(s,1H)、3.60〜3.75(m,4H)、3.31〜3.46(m,2H)、2.69〜2.86(m,2H)、1.91〜2.03(m,2H)、1.71〜1.89(m,2H)、及び1.02(t,J=7.4Hz,3H);MS(ES+)274(M+1)。
【0208】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数(mass spec numbers)と共に、以下の表5に列挙した本発明の代表的な化合物を、上述の実施例1及び2に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0209】
【表6】

【0210】
(実施例3)
2−(S)−アミノ−N−[3−(1H−インドール−3−イル)−プロピル]−ブチルアミド(化合物#44)
【0211】
【化40】

【0212】
工程A:(S)−tert−ブチル1−(アリルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルカルバメート
500mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(5.0g、0.025mol)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール水和物(3.4g、0.025mol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(7.2g、0.038mol)、及びジクロロメタン(125mL)を入れた。トリエチルアミン(7.6mL、0.055mol)及びアリルアミン(1.9g、0.025mol)を添加し、得られた混合物を室温で22時間攪拌した。次いで得られた混合物をジクロロメタン(dichlormethane)(300mL)で希釈し、1NのHCl(200mL)で1回、1NのNaOH(200mL)で1回、水(200mL)で1回、洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、(S)−tert−ブチル−1−(アリルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルカルバメートを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 5.77〜5.88(m,1H)、5.15〜5.23(m,2H)、4.03〜4.19(m,1H)、3.88〜3.92(m,2H)、1.82〜1.94(m,1H)、1.60〜1.72(m,1H)、1.45(s,9H)、及び0.96(t,J=7.4Hz,3H)。
【0213】
工程B:(S,E)−tert−ブチル−3−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロポ−1−エニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート
50mLの封管に、(S)−tert−ブチル−1−(アリルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルカルバメート(500mg、2.07mmol)、3−ブロモ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(620mg、2.09mmol)、パラジウム(II)アセタート(59mg、0.263mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(180mg、0.591)、アセトニトリル(10mL)、及びトリエチルアミン(0.6mL、4.30mmol)を入れた。管をアルゴンでフラッシュし、密封し、90℃で24時間加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜150gカラム、勾配90:10〜50:50のへプタン:EtOAc)により精製し、(S,E)−tert−ブチル3−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロポ−1−エニル)−1H−インドール−1−カルボキシレートを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.58(s,1H)、7.23〜7.36(m,4H)、6.60〜6.66(m,1H)、6.20〜6.51(m,1H)、4.05〜4.11(m,1H)、3.86〜3.91(m,2H)、1.83〜1.93(m,1H)、1.59〜1.72(m,1H)、1.44(s,18H)、及び0.95(t,J=7.4Hz,3H)。
【0214】
工程C:3−[3−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
250mLのParr水素化容器に、(S,E)−tert−ブチル3−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロポ−1−エニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート(280mg、0.42mmol)、10%パラジウム−炭素(34mg)、及びエタノール(6.0mL)を入れた。容器を真空にし、水素で満たした。これを更に2回繰り返した。次いで容器を、344.7kPa(50psi)の水素で満たした。24時間後、得られた溶液を、セライトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、3−[3−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.21〜7.24(m,1H)、7.07〜7.12(m,1H)、6.64〜6.71(m,1H)、6.42〜6.46(m,1H)、4.38〜4.45(m,1H)、3.39〜3.53(m,2H)、2.53(t,J=6.8Hz,2H)、1.67〜1.96(m,4H)、及び0.88〜0.93(m,3H)。
【0215】
工程D:2−(S)−アミノ−N−[3−(1H−インドール−3−イル)−プロピル]−ブチルアミド
20mLのシンチレーションバイアルに、3−[3−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(280mg、0.61mmol)、ジクロロメタン(3.6mL)、及びジエチルエーテル中の1M塩酸(3.0mL)を入れた。得られた混合物を室温で4時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮し、残留物を高真空下に一晩置き、2−(S)−アミノ−N−[3−(1H−インドール−3−イル)−プロピル]−ブチルアミドを得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 7.51(d,J=7.8Hz,1H)、7.32(d,J=8.0Hz,1H)、6.95〜7.09(m,3H)、3.11〜3.39(m,3H)、2.77〜2.82(m,2H)、1.78〜2.01(m,4H)、及び0.94(t,J=7.4Hz,3H);MS(ES+)260(M+1)。
【0216】
化合物#43を、上述の実施例3で説明した手順に従って同様に調製し、測定したMS(ES+)は277(M+1)であった。
【0217】
(実施例4)
(S)−2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(化合物#47)
【0218】
【化41】

【0219】
工程A:(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
500mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(5.0g、0.025mol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(4.5g、0.033mol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(6.4g、0.033mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.02g、0.163mmol)、及びジメチルホルムアミド(95mL)を入れた。トリエチルアミン(10.6mL、0.076mol)及びペント−4−イン−1−アミン(2.7g、0.033mol)を添加し、得られた混合物を、室温で22時間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配90:10〜40:60のへプタン:EtOAc)により精製し、(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.93〜4.00(m,1H)、3.36〜3.42(m,2H)、2.22〜2.28(m,2H)、2.00(s,1H)、1.83〜1.92(m,1H)、1.70〜1.80(m,2H)、1.57〜1.67(m,1H)、1.45(s,9H)、及び0.94(t,J=7.4Hz,3H)。
【0220】
工程B:4−アミノ−3−[5−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−ペント−1−イニル]−安息香酸メチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.24g、8.36mmol)、メチル4−アミノ−3−ヨード安息香酸(2.38g、8.59mmol)、ヨウ化銅(0.21g、1.10mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(1.12g、0.97mmol)、及びジエチルアミン(300mL)を入れた。得られた混合物を室温で4時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、4−アミノ−3−[5−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−ペント−1−イニル]−安息香酸メチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.94(s,1H)、7.76(d,J=6.5Hz,1H)、6.64(d,J=8.5Hz,1H)、3.91〜4.09(m,1H)、3.85(s,3H)、3.47〜3.52(m,2H)、2.52(t,J=6.8Hz,2H)、1.75〜1.92(m,3H)、1.60〜1.69(m,1H)、1.44(s,9H)、及び0.94(t,J=7.4Hz,3H)。
【0221】
工程C:(S)−メチル2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボキシレート
250mLの丸底フラスコに、4−アミノ−3−[5−(2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブチリルアミノ)−ペント−1−イニル]−安息香酸メチルエステル(2.51g、6.02mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(490mg、1.28mmol)、及びジメチルホルムアミド(67mL)を入れ、得られた混合物を24時間にわたって80℃まで加熱した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜30:70のへプタン:EtOAc)により精製し、(S)−メチル2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボキシレートを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.29(s,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.39(d,J=8.4Hz,1H)、6.31(s,1H)、3.95〜4.02(m,1H)、3.92(s,3H)、3.33〜3.53(m,2H)、2.74〜2.87(m,2H)、1.81〜1.99(m,3H)、1.60〜1.75(m,1H)、1.45(s,9H)、及び0.99(t,J=7.4Hz,3H);MS(ES+)418(M+1)。
【0222】
工程D:(S)−2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸
200mLの丸底フラスコに、(S)−メチル2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボキシレート(1.67g、4.00mmol)、テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(5.3mL)を入れた。3Nの水酸化ナトリウム(4.0mL、12.0mmol)を添加し、得られた混合物を攪拌し、50℃に8時間加熱した。次いで得られた混合物を室温まで冷却し、1Nの塩酸で酸性にした。得られた混合物を、酢酸エチル(400mL)で2回抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、(S)−2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 8.20(s,1H)、7.75(d,J=7.0Hz,1H)、7.32(d,J=8.6Hz,1H)、6.31(s,1H)、3.94〜4.10(m,1H)、3.22〜3.34(m,2H)、2.80〜2.85(m,2H)、1.61〜2.08(m,4H)、1.46(s,9H)、及び0.93〜1.03(m,3H);MS(ES+)403(M+1)。
【0223】
(実施例5)
(S)−2−(3−(2−アミノブタンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド(化合物#50)
【0224】
【化42】

【0225】
工程A:(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(S)−2−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(740mg、1.84mmol)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(530mg、2.08mmol)、及びジクロロメタン(10.6mL)を入れた。トリエチルアミン(0.8mL、5.74mmol)を添加し、得られた混合物を室温で15分間攪拌した。3,4−ジメトキシアニリン(290mg、1.89mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で23時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜115gカラム、勾配100:0〜94:6のCH2Cl2:MeOH)により精製し、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.85〜7.89(m,1H)、7.58(d,J=8.4Hz,1H)、7.43(s,1H)、7.20〜7.30(m,2H)、6.83(d,J=8.8Hz,1H)、6.23(s,1H)、4.33〜4.40(m,1H)、3.76(s,3H)、3.73(s,3H)、3.26〜3.40(m,2H)、2.56〜2.68(m,2H)、1.73〜1.84(m,3H)、1.52〜1.67(m,1H)、1.36(s,9H)、及び0.90(t,J=7.2Hz,3H);MS(ES+)539(M+1)。
【0226】
工程B:(S)−2−(3−(2−アミノブタンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド
50mLの丸底フラスコに、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(810mg、1.51mmol)及びジクロロメタン(7.5mL)を入れた。ジエチルエーテル中の1M塩酸(7.5mL)を添加し、得られた混合物を室温で40分間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジエチルエーテルで摩砕し、高真空下に置き、(S)−2−(3−(2−アミノブタンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミドを得た。1H NMR(300MHz,DMSO)δ 7.85〜7.89(m,1H)、7.58(d,J=8.4Hz,1H)、7.43(s,1H)、7.20〜7.30(m,2H)、6.83(d,J=8.8Hz,1H)、6.23(s,1H)、3.67(s,3H)、3.65(s,3H)、3.59〜3.63(m,1H)、3.04〜3.37(m,2H)、2.64〜2.79(m,2H)、1.80〜1.96(m,2H)、1.62〜1.77(m,2H)、及び0.97(t,J=7.2Hz,3H);MS(ES+)439(M+1);C243044・1.1HCl・0.7 H2Oの分析計算値:C,58.68;H,6.67;N,11.41;Cl,7.94;H2O,2.57。実測値:C,58.88;H,6.98;N,11.73;Cl,7.50;H2O,2.32。
【0227】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表6に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例4及び5に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0228】
【表7】

【0229】
(実施例6)
(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オン(化合物#2)
【0230】
【化43】

【0231】
工程A:4−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルエチニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、tert−ブチル4−エチニルピペリジン−1−カルボキシレート(3.51g、16.8mmol)、メチル4−アミノ−3−ヨード安息香酸(5.0g、16.8mmol)、ヨウ化銅(0.35g、1.85mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(1.94g、1.68mmol)、及びジエチルアミン(560mL)を入れ、得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜70:30のへプタン:EtOAc)により精製し、4−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルエチニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+)380(M+1)。
【0232】
工程B:tert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
250mLの丸底フラスコに、4−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルエチニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.90g、15.6mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(1.20g、3.13mmol)、及びジメチルホルムアミド(175mL)を入れ、得られた混合物を、80℃に24時間加熱した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜80:20のへプタン:EtOAc)により精製し、tert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.66(s,1H)、7.16〜7.23(m,2H)、6.20(s,1H)、2.84〜3.02(m,5H)、1.97〜2.04(m,2H)、1.61〜1.74(m,2H)、及び1.48(s,9H);MS(ES+)380(M+1)。
【0233】
工程C:4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−インドール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
100mLの封管に、tert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.04g、2.74mmol)、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸(0.58g、3.19mmol)、1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)(di-t-butylphophino)フェロセンパラジウムジクロリド(0.11g、0.169mmol)、10%炭酸ナトリウム水溶液(6.1mL)、及び1,4−ジオキサン(13.2mL)を入れた。容器を、次いでアルゴンでフラッシュし、密封した。得られた混合物を、100℃で24時間攪拌し、次いで混合物をジクロロメタン(300mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)(5-(3,4-cimethoxy-phenyl))−1H−インドール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 7.71(s,1H)、7.33〜7.38(m,2H)、7.15〜7.24(m,2H)、6.95(d,J=8.0Hz,1H)、6.31(s,1H)、3.96(s,3H)、3.93(s,3H)、2.85〜2.93(m,5H)、2.02〜2.11(m,2H)、1.65〜1.77(m,2H)、及び1.49(s,9H);MS(ES+)437(M+1)。
【0234】
工程D:5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ピペリジン−4−イル)−1H−インドール
50mLの丸底フラスコに、4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−インドール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg、1.15mmol)、ジクロロメタン(5.8mL)、及びジエチルエーテル中の1M塩酸(5.8mL)を入れ、得られた混合物を2時間攪拌した。得られた混合物を、次いで減圧下で濃縮し、残留物をジエチルエーテルで摩砕し、次いで高真空下に置き、5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ピペリジン−4−イル)−1H−インドールを得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 7.69(s,1H)、7.29〜7.37(m,2H)、7.09〜7.22(m,2H)、6.99(d,J=8.2Hz,1H)、6.22(s,1H)、3.84(s,3H)、3.78(s,3H)、3.67〜3.74(m,1H)、3.02〜3.15(m,4H)、2.50〜2.61(m,2H)、及び1.81〜2.01(m,2H);MS(ES+)337(M+1)。
【0235】
工程E:(2−{4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−インドール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−1−チオフェン−2−イルメチル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン酸(42.1mg、0.155mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(27.3mg、0.201mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(38.6mg、0.201mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.0mg、0.008mmol)、及びジメチルホルムアミド(2.0mL)を入れた。トリエチルアミン(0.07mL、0.502mmol)及び5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ピペリジン−4−イル)−1H−インドール(77.0mg、0.207mmol)を添加し、得られた混合物を室温で22時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜75:25のへプタン:EtOAc)により精製し、(2−{4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−インドール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−1−チオフェン−2−イルメチル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.7(s,1H)、7.4(m,2H)、7.2(m,3H)、7.0(m,3H)、6.99(d,J=8.2Hz,1H)、6.22(s,1H)、5.4(m,1H)、4.6〜4.9(m,2H)、4.0(s,3H)、3.9(s,3H)、3.1〜3.3(m,4H)、2.78(m,1H)、1.4〜1.6(m,4H);MS(ES+)590(M+1)。
【0236】
工程F:(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オン
50mLの丸底フラスコに、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(69.0mg、0.117mmol)及びジクロロメタン(1mL)を入れた。ジエチルエーテル中の1M塩酸(3mL)を添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物(油)を、逆相Kromasilカラムを備えるGilson HPLC(10u、100Å C18、カラム長さ250×50mm、勾配80:20〜0:100のH2O:MeCN)上で精製した。得られた固体をジクロロメタン中に取り込み、ジエチルエーテル中の1M塩酸で処理した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この手順を更に2回繰り返し、(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オンを得た。1H NMR(300MHz,DMSO)δ 7.73(m,1H)、7.35〜7.78(m,3H)、7.43(s,1H)、7.12〜7.30(m,2H)、6.83〜7.01(m,3H)、6.15(s,1H)、4.42〜4.53(m,2H)、3.95(m,1H)、3.81(s,3H)、3.62(s,3H)、3.11〜3.25(m,4H)、3.01(m,1H)、2.41(m,2H)、1.81(m,2H);MS(ES+)490(M+1)。
【0237】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表7に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例6に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0238】
【表8】

【0239】
(実施例7)
(S)−2−(3−(2−アミノ−3−(チアゾール2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド(化合物#117)
【0240】
【化44】

【0241】
工程A:2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チオカルバモイル−プロピオン酸ベンジルエステル
1Lの丸底フラスコに、(S)−ベンジル4−アミノ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−オキソブタン酸(10.0g、31.0mmol)、Lawesson試薬(6.58g、16.3mmol)、及びテトラヒドロフラン(155mL)を入れた。ヒドラジン(7.8mL、0.248mol)添加し、得られた混合物を、室温で72時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜60:40のへプタン:EtOAc)により精製し、−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チオカルバモイル−プロピオン酸ベンジルエステルを得た。MS(ES+)339(M+1)。
【0242】
工程B:2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チアゾール2−イル−プロピオン酸ベンジルエステル
250mLの丸底フラスコに、2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チオカルバモイル−プロピオン酸ベンジルエステル(1.0g、2.96mmol)、ジメトキシエタン(66mL)、及びブロモ酢酸ジエチルアセタール(2.4mL、15.5mmol)を入れた。得られた混合物を含有するフラスコに、還流凝縮器を取り付け、混合物を3時間還流させた。得られた混合物を、次いで減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配100:0〜90:10のCH2Cl2:MeOH)により精製し、2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チアゾール2−イル−プロピオン酸ベンジルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.67(d,J=3.3Hz,1H)、7.29〜7.44(m,5H)、7.20(d,J=3.3Hz,1H)、5.15(s,2H)、5.75(t,J=5.5Hz,1H)、73.15(d,J=7.4Hz,1H)、及び1.44(s,9H);MS(ES+)363(M+1)。
【0243】
工程C:(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チアゾール2−イル)プロパン酸
100mLの丸底フラスコに、2−(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チアゾール2−イル−プロピオン酸ベンジルエステル(370mg、1.02mmol)、テトラヒドロフラン(9.0mL)、水(0.9mL)、及び水酸化リチウム(48mg、1.14mmol)を入れ、得られた混合物を室温で6時間攪拌した。得られた混合物を、次いで10%のクエン酸で中和し、酢酸エチル(100mL)で抽出し、ジクロロメタン(dichlormethane)(100mL)で抽出した。有機層を、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チアゾール2−イル)プロパン酸を得た。MS(ES+)273(M+1)。
【0244】
工程D:4−アミノ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ヨードベンズアミド
500mLの丸底フラスコに、メチル4−アミノ−3−ヨード安息香酸(10.0g、36.1mmol)、メタノール(270mL)、水(30mL)、及び水酸化リチウム(1.82g、43.3mmol)を入れた。容器を窒素でフラッシュし、還流凝縮器に取り付け、混合物を20時間にわたって穏やかな還流に加熱した。得られた混合物を、次いで室温まで冷却し、2Nの塩酸で酸性にし、次いで減圧下で濃縮した。500mLの丸底フラスコに、得られた固体(9.5g、36.7mmol)を入れ、ジクロロメタン(180mL)を添加した。ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(10.0g、39.5mmol)及びトリエチルアミン(11.1mL、79.2mmol)を添加した。次いで3,4−ジメトキシアニリン(11.1g、72.1mmol)を添加し、得られた混合物を室温で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのNaOHで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮し、4−アミノ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ヨードベンズアミドを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.23(s,1H)、7.73(d,J=8.5Hz,1H)、7.42(s,1H)、7.30(d,J=8.6Hz,1H)、6.90(d,J=8.8Hz,1H)、6.77(d,J=8.5Hz,1H)、3.74(s,3H)、及び3.72(s,3H)。
【0245】
工程E:ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
1Lの丸底フラスコに、ペント−4−イン−1−アミン(10.0g、0.120mol)、ジクロロメタン(600mL)、及びトリエチルアミン(33.6mL、0.241mol)を入れた。得られた混合物を、氷/水浴で冷却した。追加の二炭酸ジ−tert−ブチル(38.4g、0.176mol)を3回に分けて添加し、得られた混合物を室温で72時間攪拌した。得られた混合物を、次いで減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配90:10〜80:20のへプタン:EtOAc)により精製し、ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.20〜3.26(m,2H)、2.21〜2.27(m,2H)、1.97(s,1H)、1.67〜1.82(m,2H)、及び1.44(s,9H)。
【0246】
工程F:{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
500mLの丸底フラスコに、ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.35g、7.37mmol)、4−アミノ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ヨードベンズアミド(1.35g、6.98mmol)、ヨウ化銅(0.16g、0.814mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.81g、0.701mmol)、及びジエチルアミン(230mL)を入れ、得られた混合物を室温で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+)454(M+1)。
【0247】
工程G:tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピルカルバメート
500mLの丸底フラスコに、{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0g、6.62mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(0.514g、1.34mmol)、及びジメチルホルムアミド(80mL)を入れ、得られた混合物を80℃に24時間加熱した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配100:0〜90:10のCH2Cl2:MeOH)を介し、tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピルカルバメートを得た。MS(ES+)454(M+1);HPLC:Kromasil C18カラム(50×2mm;3.5μ)、4分間にわたる(水+0.2% TFA)中の(MeCN+0.16% TFA)の勾配10〜90%、tR=3.78分。
【0248】
工程H:2−(3−アミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミド
250mLの丸底フラスコに、tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピルカルバメート(3.0g、6.62mmol)、ジクロロメタン(33mL)、及びジエチルエーテル中の1M塩酸(33mL)を入れ、得られた混合物を2時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジエチルエーテルで摩砕し、高真空下に置き、2−(3−アミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミドを得た。MS(ES+)354(M+1);HPLC:Kromasil C18カラム(50×2mm;3.5μ)、4分間にわたる(水+0.2% TFA)中の(MeCN+0.16% TFA)勾配10〜90%、tR=2.46分。
【0249】
工程I:(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−2−チアゾール2−−イル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チアゾール2−イル)プロパン酸(110mg、0.404mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(74.8mg、0.553mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(198mg、1.03mmol)、及びジクロロメタン(dichlormethane)(2.2mL)を入れた。得られた混合物に、次いでトリエチルアミン(0.22mL、1.58mmol)及び2−(3−アミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミド(220mg、0.564mmol)を添加した。得られた混合物を室温で24時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮し、残留物を、逆相Kromasilカラムを備えるGilson HPLC(10μ、100Å C18、カラム長さ250×50mm、勾配70:30〜0:100のH2O:MeCN)を使用して精製し、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−2−チアゾール−2−−イル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+)608(M+1);HPLC:Kromasil C18カラム(50×2mm;3.5μ)、4分間にわたる(水+0.2% TFA)中の(MeCN+0.16% TFA)の勾配10〜90%、tR=3.47分。
【0250】
工程J:(S)−2−(3−(2−アミノ−3−(チアゾール2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド
50mLの丸底フラスコに、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−2−チアゾール−2−−イル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(213.3mg、0.351mmol)及びジクロロメタン(1.8mL)を入れた。ジエチルエーテル中の1M塩酸(1.8mL)を添加し、得られた混合物を室温で1.5時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、(S)−2−(3−(2−アミノ−3−(チアゾール2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミドを得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 8.13(s,1H)、7.75〜7.87(m,1H)、7.61〜7.70(m,2H)、7.50〜7.55(m,1H)、7.35〜7.45(m,2H)、6.91(d,J=8.8Hz,1H)、6.29(s,1H)、3.76(s,3H)、3.74(s,3H)、3.60〜3.71(m,1H)、3.53(d,J=6.5Hz,2H)、3.01〜3.31(m,2H)、2.69〜2.82(m,2H)、及び1.76〜1.91(m,2H);MS(ES+)508(M+1)。
【0251】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表8に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例7に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0252】
【表9】

【0253】
(実施例8)
(S)−2−(3−(2−アミノ−N−メチル−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド(化合物#106)
【0254】
【化45】

【0255】
工程A:ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
1Lの丸底フラスコに、ペント−4−イン−1−アミン(10.0g、0.120mol)、ジクロロメタン(600mL)、及びトリエチルアミン(33.6mL、0.241mol)を入れ、得られた混合物を氷/水浴で冷却した。二炭酸ジ−tert−ブチル(38.4g、0.176mol)を3回に分けて添加し、得られた混合物を室温で72時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配90:10〜80:20のへプタン:EtOAc)により精製し、ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.20〜3.26(m,2H)、2.21〜2.27(m,2H)、1.97(s,1H)、1.67〜1.82(m,2H)、及び1.44(s,9H)。
【0256】
工程B:メチル−ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
500mLの丸底フラスコに、ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.0g、27.3mmol)及びテトラヒドロフラン(138mL)を入れ、得られた混合物を氷/水浴で冷却した。水素化ナトリウム(830mg、32.9mmol)を3回に分けて添加し、得られた混合物を室温で20分間攪拌した。ヨウ化メチル(8.6mL、138.1mmol)をゆっくりと添加し、得られた混合物を72時間攪拌した。得られた混合物をジクロロメタン(dichlormethane)(350mL)で希釈し、1NのHCl(100mL)で、1NのNaOH(100mL)で、その後水(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ(washed)、ろ過し、次いで減圧下で濃縮し、メチル−ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.31(t,J=7.0Hz,2H)、2.86(s,3H)、2.17〜2.24(m,2H)、1.96(s,1H)、1.72〜1.79(m,2H)、及び1.46(s,9H)。
【0257】
工程C:{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
500mLの丸底フラスコに、メチル−ペント−4−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.70g、8.62mmol)、4−アミノ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ヨードベンズアミド(3.0g、7.53mmol)、ヨウ化銅(0.225g、1.18mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.93g、0.805mmol)、及びジエチルアミン(258mL)を入れ、得られた混合物を室温で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+)468(M+1)。
【0258】
工程D:tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピル(メチル)カルバメート
500mLの丸底フラスコに、{5−[2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−フェニル]−ペント−4−イニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.4g、7.27mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)(0.558g、1.45mmol)、及びジメチルホルムアミド(80mL)を入れ、得られた混合物を24時間80℃まで加熱した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピル(メチル)カルバメートを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.84(s,1H)、7.65(d,J=8.4Hz,1H)、7.57(s,1H)、7.46(d,J=8.0Hz,1H)、7.00(d,J=8.6Hz,1H)、6.85(d,J=8.6Hz,1H)、6.32(s,1H)、3.93(s,3H)、3.89(s,3H)、3.31〜3.41(m,2H)、2.89(s,3H)、2.66〜2.77(m,2H)、1.83〜1.94(m,2H)、及び1.53(s,9H)。MS(ES+)468(M+1)。
【0259】
工程E:2−(3−Mエチルアミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミド
250mLの丸底フラスコに、tert−ブチル3−(5−(3,4−ジメトキシフェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル)プロピル(メチル)カルバメート(2.75g、5.88mmol)、ジクロロメタン(32mL)、及びジエチルエーテル中の1M塩酸(32mL)を入れ、得られた混合物を2.5時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、ジエチルエーテルで摩砕し、高真空下に置き、2−(3−mエチルアミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミドを得た。MS(ES+)368(M+1);HPLC:Kromasil C18カラム(50×2mm;3.5μ)、4分間にわたる(水+0.2% TFA)中の(MeCN+0.16% TFA)の勾配10〜90%、tR=2.72分。
【0260】
工程F:[1−({3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピル}−メチル−カルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチル]−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
250mLの丸底フラスコに、2−(3−mエチルアミノ−プロピル)−1H−インドール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミド(2.30g、5.70mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(780mg、0.553mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.65g、8.61mmol)、及びジクロロメタン(dichlormethane)(30mL)を入れた。トリエチルアミン(2.6mL、18.7mmol)を添加し、得られた混合物を室温で20分間攪拌した。(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン酸(1.6g、5.90mmol)を添加し、得られた混合物を室温で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜5:95のへプタン:EtOAc)により精製し、[1−({3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピル}−メチル−カルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチル]−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.85(s,1H)、7.66(d,J=8.4Hz,1H)、7.58(s,1H)、7.47(d,J=8.0Hz,1H)、7.17(d,J=8.6Hz,1H)、6.90(d,J=8.6Hz,1H)、6.73〜6.87(m,3H)、6.30(s,1H)、3.94(s,3H)、3.89(s,3H)、3.78〜3.87(m,1H)、3.30〜3.43(m,2H)、2.93(s,3H)、2.61〜2.76(m,2H)、1.81〜1.93(m,2H)、及び1.43(s,9H)。MS(ES+)621(M+1)。
【0261】
工程G:(S)−2−(3−(2−アミノ−N−メチル−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミド
50mLの丸底フラスコに、[1−({3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−1H−インドール−2−イル]−プロピル}−メチル−カルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチル]−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.26g、2.52mmol)及びジクロロメタン(36mL)を入れた。ジエチルエーテル中の1M塩酸(26mL)を添加し、得られた混合物を室温で2.5時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、(S)−2−(3−(2−アミノ−N−メチル−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド)プロピル)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インドール−5−カルボキサミドを得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 7.66〜7.80(m,1H)、7.54(s,1H)、7.35〜7.46(m,3H)、6.84〜7.21(m,4H)、6.31(s,1H)、3.86〜3.97(m,1H)、3.76(s,3H)、3.74(s,3H)、3.22〜3.52(m,4H)、2.82(s,3H)、2.58〜2.70(m,2H)、及び1.79〜1.89(m,2H);MS(ES+)521(M+1);C283244S・1.25 HCl・0.9 H2Oの分析計算値:C,57.74;H,6.17;N,9.35;Cl,7.56;H2O,2.72。実測値:C,57.65;H,6.07;N,9.62;Cl,7.61;H2O,2.78。
【0262】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表9に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例8に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0263】
【表10】

【0264】
(実施例9)
(S)−N−(2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド(化合物#37)
【0265】
【化46】

【0266】
工程A:{1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−エチルカルバモイル]−2−チオフェン−2−イル−エチル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン酸(300mg、1.10mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(75mg、0.55mmol)、O−ベンゾトリアゾールe−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(500mg、1.33mmol)、及びジメチルホルムアミド(5.0mL)を入れた。トリエチルアミン(0.77mL、0.55mmol)及び2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エタンアミン(388.2mg、1.66mmol)を添加し、得られた混合物を室温で22時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO、SF25〜40gカラム、勾配90:10〜75:25のへプタン:EtOAc)により精製し、{1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−エチルカルバモイル]−2−チオフェン−2−イル−エチル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.73−7.69(m,2H)、7.29〜7.37(m,2H)、7.54−7.33(m,4H)、7.11(d,J=8.2Hz,1H)、6.82〜6.88(m,2H)、5.32(t,J=3.71Hz,1H)、4.33(m,1H)、3.78〜3.97(s,2H)、3.45−3.35(m,2H)、3.15−2.91(m,4H)、及び1.41−1.21(m,9H);MS(ES+)415(M+1)。
【0267】
工程B:(S)−N−(2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド
50mLの丸底フラスコに、{1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−エチルカルバモイル]−2−チオフェン−2−イル−エチル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(100.0mg、0.24mmol)、及びジクロロメタン(4mL)を入れた。1Mのトリフルオロ酢酸(trifluoroacetitic acid)(1mL)を添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物(油)を逆相Kromasilカラムを備えるGilson HPLC(10u、100Å C18、カラム長さ250×50mm、勾配0〜60のMeCN:H2O)上で精製した。得られた固体をジクロロメタン中に取り込み、ジエチルエーテル中の1M塩酸で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、この手順を更に2回繰り返し、(S)−N−(2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミドを得た。1H NMR(300MHz,MeOH−d4)δ 7.89−7.75(m,2H)、7.69−7.58(d,2H)、7.32−7.21(d,J=8.2Hz,1H)、6.99−6.91(m,2H)、4.03(t,J=3.71Hz,1H)、3.75〜3.89(m,2H)、3.59−3.3.31(m,4H)、3.04(s,1H)、2.64−2.79(m,2H)、2.80(s,1H);MS(ES+)315(M+1)。
【0268】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表10に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例9に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0269】
【表11】

【0270】
(実施例10)
(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オン(化合物#18)
【0271】
【化47】

【0272】
工程A:(S)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート
250mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン酸(569.0mg、0.2.10mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(142.0mg、1.05mmol)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1025.0mg、2.73mmol)、及びジメチルホルムアミド(7.0mL)を入れた。トリエチルアミン(1.17mL、8.39mmol)及び5−ブロモ−2−ピペリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール塩酸塩(730.0mg、2.306mmol)を添加し、得られた混合物を室温で22時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し(concentrate)、残留物を逆相HPLC(「RPHPLC」)(勾配20〜90、MeCN〜水)により精製し、(S)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメートを、その対応するトリフルオロ酢酸塩として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ 7.92(s,1H)、7.65(m,1H)、7.54(m,1H)、7.32−7.25(m,2H)、6.96−6.91(m,2H)、4.65(m,1H)、4.42−4.15(m,2H)、3.31−3.11(m,4H)、2.99(m,1H)、2.15〜2.61(m,2H)、及び1.73(m,2H)、1.43(s,9H);MS(ES+)648(M+1)。
【0273】
工程B:(2−{4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−1−チオフェン−2−イルメチル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
10mLの封管に、(S)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート(200mg、0.31mmol)、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸(67.5mg、0.37mmol)、1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)(di-t-butylphophino)フェロセンパラジウムジクロリド(10.07mg、0.015mmol)、10%の炭酸ナトリウム水溶液(0.82mL)、及び1,4−ジオキサン(2mL)を入れた。次いで容器をアルゴンでフラッシュし、密封した。得られた混合物を100℃で24時間攪拌し、次いでジクロロメタン(300mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をRPHPLC(15〜90、勾配、MeCN〜水)によって精製し、減圧下で乾燥させ、(2−{4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−1−チオフェン−2−イルメチル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、その対応するトリフルオロ酢酸塩として得た。MS(ES+)591(M+1)。
【0274】
工程C:(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オン
25mLの丸底フラスコに、トリフルオロ酢酸塩としての(2−{4−[5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−1−チオフェン−2−イルメチル−エチル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(230mg、0.326mmol)及び1,4−ジオキサン(1.5mL)を入れた。1,4−ジオキサン中の4M塩酸(1.63mL)を添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、(S)−2−アミノ−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−1−オンを得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 8.45(m,2H)、7.91−7.85(m,2H)、7.61−7.58(d,J=8.4Hz,1H)、7.3−7.2(m,2H)、6.85〜7.0(m,3H)、4.75(m,1H)、4.52−4.13(m,2H)、3.96−3.84(s,6H)、3.43−3.33(m,4H)、2.96(m,1H)、2.24−1.86(m,4H);MS(ES+)491(M+1)。g
【0275】
対応する測定MS(ES+)(M+1)分子イオン質量数と共に以下の表11に列挙される本発明の代表的な化合物を、上述の実施例9に記載の手順に従って、適切に置き換えられる試薬を選択し用いることによって、同様に調製した。
【0276】
【表12】

【0277】
(実施例11)
(S)−2−アミノ−N−(3−(5−(3,4−ジメトキシフェノキシ)−1H−インドール−2−イル)プロピル)ブタンアミド(化合物#99)
【0278】
【化48】

【0279】
工程A:(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
500mLの丸底フラスコに、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(5.0g、0.025mol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(4.5g、0.033mol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(6.4g、0.033mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.02g、0.163mmol)、及びジメチルホルムアミド(95mL)を入れた。トリエチルアミン(10.6mL、0.076mol)及びペント−4−イン−1−アミン(2.7g、0.033mol)を添加し、得られた混合物を室温で22時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF65〜400gカラム、勾配90:10〜40:60のへプタン:EtOAc)により精製し、(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.93−4.00(m,1H)、3.36〜3.42(m,2H)、2.22〜2.28(m,2H)、2.00(s,1H)、1.83〜1.92(m,1H)、1.70〜1.80(m,2H)、1.57〜1.67(m,1H)、1.45(s,9H)、及び0.94(t,J=7.4Hz,3H)。
【0280】
工程B:{1−[5−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−ペント−4−イニルカルバモイル]−プロピル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底フラスコに、(1−ペント−4−イニルカルバモイル−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.24g、8.36mmol)、4−ブロモ−2−ヨードアニリン(2.38g、8.59mmol)、ヨウ化銅(0.21g、1.10mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(1.12g、0.97mmol)、及びジエチルアミン(300mL)を入れ、得られた混合物を室温で4時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Analogix IF−280、SF40〜400gカラム、勾配90:10〜10:90のへプタン:EtOAc)により精製し、{1−[5−(2−{1−[5−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−ペント−4−イニルカルバモイル]−プロピル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルアミノ(tert-butyl ester mino)−5−ブロモ−フェニル)−ペント−4−イニルカルバモイル]−プロピル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.94(s,1H)、7.76(d,J=6.5Hz,1H)、6.64(d,J=8.5Hz,1H)、3.91〜4.09(m,1H)、3.85(s,3H)、3.47〜3.52(m,2H)、2.52(t,J=6.8Hz,2H)、1.75〜1.92(m,3H)、1.60〜1.69(m,1H)、1.44(s,9H)、及び0.94(t,J=7.4Hz,3H);MS(ES+)439(M+1)。
【0281】
工程C:(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
100mLの封管に、{1−[5−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−ペント−4−イニルカルバモイル]−プロピル}−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.5g、1.22mmol)、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸(0.28g、1.83mmol)、炭酸セシウム(0.8g、2.44mmol)、N,N−ジメチルグリシン(N, N-dimethylglycene hydrochloride)塩酸塩(0.15g、1.1mmol)、ヨウ化銅(0.07g、0.36mmol)、及び1,4−ジオキサン(2.5mL)を入れた。次いで容器をアルゴンでフラッシュし、密封し、得られた混合物を120℃で24時間攪拌した。次いで得られた混合物を水(25mL)で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、RPHPLC(勾配35〜90、アセトニトリル〜水)によって精製し、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 9.51(s,1H)、7.12(s,1H)、6.94−6.82(m,2H)、6.75〜6.79(m,1H)、6.67−6.63(d,J=3.0Hz,1H)、6.15(t,J=6.0Hz,1H)、6.05(s,1H)、4.06(m,1H)、3.93(s,6H)、3.63−3.31(m,2H)、2.74(m,2H)、1.81−1.67(m,4H)、及び1.49(s,9H)、0.96(t,J=7.0Hz,3H);MS(ES+)512(M+1)。
【0282】
工程D:
50mLの丸底フラスコに、(1−{3−[5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)−1H−インドール−2−イル]−プロピルカルバモイル}−プロピル)−(S)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(110mg、0.21mmol)及びジクロロメタン(3mL)を入れた。ジエチルエーテル中の1M塩酸(3mL)を添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。次いで得られた混合物を減圧下で濃縮し、(S)−2−アミノ−N−(3−(5−(3,4−ジメトキシフェノキシ)−1H−インドール−2−イル)プロピル)ブタンアミドを得た。1HNMR(300MHz,DMSO−d6)δ11(s,1H)、8.15(brs,1H)、7.29−7.25(d,J=9Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.81(d,J=8Hz,1H)、6.72(m,2H)、6.85(m,1H)、6.15(s,1H)、3.73(s,6H)、3.65(m,1H)、3.37−3.15(m,2H)、2.75(t,J=7Hz,2H)、1.91−1.62(m,4H)、及び0.97(t,J=7.2Hz,3H);MS(ES+)412(M+1)。
【0283】
化合物#98を、上述の実施例11に記載の手順に従って同様に調製し、測定したMS(ES+)は352(M+1)であった。
【0284】
生物学的実施例1:DPP−1阻害アッセイ(インビトロ)
試験化合物を、蛍光発生基質、GR−AMC(グリシン−アルギニン−アミノ−4−メチルクマリン、Bachem、I−1215)を使用してDPP−1(カテプシンC)阻害活性について評価した。放出されるアミノ−メチルクマリンの量は、DPP−1活性に比例し、反応を黒い96ウェルプレートを使用して、Molecular Devicesのプレートリーダーを用いて動力学的に監視する。
【0285】
全ての化合物は、室温条件下で試験した。アッセイ緩衝液は、50mMのHEPES、pH 7.0、100mMのNaCl、2mMグルタチオン(GSH)、及び0.002%のTWEEN 20からなる。GSH及びTWEEN 20を、毎日新たに緩衝液に添加した。使用の直前に、組み換えヒトDPP−1(240μM原液、分子量49.6kD)の自家調製を新しい2mMのジチオスレイトール(DTT)を含有するアッセイ緩衝液中で600倍に希釈し、酵素を活性化させ、その後3nMのDPP−1作業溶液に対して133倍でアッセイ緩衝液(DTTなし)中に希釈した。試験化合物を、DMSO中で、それらの最終アッセイ濃度の20倍に希釈した。
【0286】
96ウェルの黒いCostar 3915プレートへの添加物は、次の通りである:90μLの11μMのGR−AMC、5μLの試験化合物(混合に続く)、及び反応を開始させるための5μLの3nMDPP1。蛍光反応を、Molecular DevicesSpectramax XPSリーダー上で、励起360nm、放射440nmで動力学的に監視した。このリーダーのソフトウェアSoftmax Proで、選択されたデータの初期速度(反応の最初の3〜5分)及び初期の動的データの最良線形回帰適合性を判定した。最終アッセイの条件は、0.15nMのDPP−1、10uMのGR−AMC、50mMのHEPES、pH 7.0、100mMのNaCl、2mMのGSH、0.002%のTWEEN 20、1uMのDTT、5.0%のDMSOであった。初期速度比率を、4パラメータのロジスティック式(非線形回帰、S字状の用量反応(可変勾配))を使用して、固定のHill(1.0)で、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアを使用して、DPP−1のIC50の測定のために、試験化合物濃度に対して描画した。アッセイラン内(within-run assay)の変動係数(CV)は概して<10%であり、アッセイラン間のCVは<20%であった。
【0287】
上述の手順に従って、本発明の代表的な化合物を試験し、結果を下の表12に列挙した。化合物を、上述の手順に従って複数回試験した場合は、平均値を以下の表に示す。
【0288】
【表13−1】

【0289】
【表13−2】

【0290】
【表13−3】

a これらの化合物については、試験された異なる濃度の数が、上述のように、それが約10μMより高かったか、又は20μMより高かったという判定以外に、IC50値を計算するためには十分ではなかった。
【0291】
固形経口製剤−仮想実施例
経口組成物の特定の実施形態として、実施例6におけるように調製した100mgの化合物#2を、十分な微粉乳糖と共に配合し、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセルに充填した。
【0292】
前述の明細書は、例示を目的として提供される実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の「特許請求の範囲」及びそれらの均等物の範囲内に含まれる全ての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2
3〜6シクロアルキル、フェニル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、前記ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化2】

−CH2CH2−NRA−、及び−CH2CH2CH2−NRA−からなる群から選択され、ここで、RAが、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Yは、N及びCHからなる群から選択され、
Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、−Q、−O−Q、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
前記アリール又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ハロゲン化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)−NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で任意に置換され、ここで、RE及びRFは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
前記ヘテロシクリルは、1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが、前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい。〕
の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C3〜6シクロアルキル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記5〜6員ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化3】

−CH2CH2−N(RA)−、及び−CH2CH2CH2−N(RA)−からなる群から選択され、ここで、RAが、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Yは、N及びCHからなる群から選択され、
Xは、N(RB)、O及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜2アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、フェニル、−O−フェニル、ヘテロシクリル、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
前記アリール又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、フッ素化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、フッ素化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1〜2個の置換基で任意に置換され、ここで、RE及びRFが、水素及びC1〜2アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
前記ヘテロシクリルは、1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが、前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C4〜6シクロアルキル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記5〜6員ヘテロアリールは、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化4】

−CH2CH2−N(RA)−、及び−CH2CH2CH2−N(RA)−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル及びエチルからなる群から選択され、
Yは、N及びCHからなる群から選択され、
Xは、N(RB)及びOからなる群から選択され、ここで、RBは、水素及びC1〜2アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、フェニル、−O−フェニル、−C(O)−NRCD、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜2アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン1−イル及び1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、フェニル、ナフチル、−C1〜2アルキル−フェニル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
前記フェニル又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、フッ素化C1〜2アルキル、C1〜4アルコキシ、フッ素化C1〜2アルコキシ、−CO2H、−C(O)NH2、−SO2−NH2、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1〜2個の置換基で任意に置換され、
前記ヘテロシクリルは、1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが、前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、
1は、エチル、シクロブチル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、2−ブロモ−チエン−2−イル、5−クロロ−チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、4−メチル−チアゾール−2−イル、ピラゾール−1−イル、フル−2−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、及びアミノ−カルボニルからなる群から選択され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化5】

−CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−N(CH3)−及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択され、
Yは、CH及びNからなる群から選択され、
Xは、NH、N(CH3)、及びOからなる群から選択され、
但し、XがOのとき、YはCHであり、
2は、水素、5−ブロモ、5−(カルボキシ)、5−(ニトロ)、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(2−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、6−(ジエチルアミノ−カルボニル)、5−(フェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,5−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンジル−アミノ−カルボニル)、5−([1,2,4]トリアゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1−メチル−ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(5−フェニル−ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,1−ジオキソ−ベンゾチオフェン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択される、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物であって、
1は、エチル、チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、フル−2−イル、及び1−メチル−イミダゾール−4−イルからなる群から選択され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化6】

−CH2CH2−NH−、−CH2CH2CH2−NH−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択され、
Yは、CH及びNからなる群から選択され、
Xは、NH及びOからなる群から選択され、
但し、XがOのとき、YはCHであり、
2は、水素、5−ブロモ、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(2−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(フェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,5−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンズイミダゾール−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1−メチル−ベンズイミダゾール−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(5−フェニル−ピラゾール−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,1−ジオキソ−ベンゾチオフェン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル−カルボニル)、5−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択され、
星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
請求項4に記載の化合物であって、
1は、エチル、チエン−2−イル、チアゾール−2−イル、及びフル−2−イルからなる群から選択され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化7】

−CH2CH2CH2−NH−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択され、
Yは、CH及びNからなる群から選択され、
Xは、NH及びOからなる群から選択され、
但し、XがOのとき、YはCHであり、
2は、5−ブロモ、5−(フェニル)、5−(4−フルオロフェニル)、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(3−カルボキシ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(4−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(3−(アミノスルホニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(3−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−クロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−フルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−イソプロピルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−t−ブチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジフルオロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジクロロフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(ナフト−1−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ベンゾチアゾール−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択され、
星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
請求項4に記載の化合物であって、
1は、エチル、チエン−2−イル、及びチアゾール−2−イルからなる群から選択され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、
【化8】

−CH2CH2CH2−NH−、及び−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−からなる群から選択され、
Yは、CH及びNからなる群から選択され、
Xは、NH及びOからなる群から選択され、
但し、XがOのとき、YはCHであり、
2は、5−(4−メトキシ−フェニル)、5−(3,4−ジメトキシ−フェニル)、5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)、5−(3−シアノ−フェニル)、5−(4−カルボキシ−フェニル)、5−(3−(アミノカルボニル)−フェニル)、5−(フェノキシ)、5−(3,4−ジメトキシ−フェノキシ)、5−(3−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(4−メトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(2,6−ジメチルフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−3−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(キノリン−6−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−5−イル−アミノ−カルボニル)、5−(イソキノリン−8−イル−アミノ−カルボニル)、5−(ピリド−3−イル)、5−(ピリド−4−イル)、5−(6−メトキシ−ピリド−3−イル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)、及び5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)からなる群から選択され、
星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
請求項4に記載の化合物であって、
1は、チエン−2−イルであり、nは1であり、Lは、
【化9】

及び−CH2CH2CH2−NH−からなる群から選択され、YはCHであり、XはNHであり、R2は、5−(3,4−ジメトキシフェニル)及び5−(3,4−ジメトキシフェニル−アミノ−カルボニル)からなる群から選択され、星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体と請求項1に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造する方法。
【請求項13】
DPP−1によって媒介される障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項14】
DPP−1によって媒介される前記障害が、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、又は腹部大動脈瘤の治療を必要とする患者においてそれらを治療する方法であって、前記患者に治療上有効量の請求項10に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項16】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項17】
(a)リウマチ性関節炎、(b)ぜんそく、(c)慢性閉塞性肺疾患、(d)敗血症、(e)過敏性腸疾患、(f)嚢胞性線維症、又は(g)腹部大動脈瘤の治療を必要とする患者において、それらを治療するための薬剤の調製のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項18】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害の治療を必要とする患者において、それらを治療するための方法において使用するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項19】
式(II):
【化10】

〔式中、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2
3〜6シクロアルキル、フェニル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールが、ハロゲン及びC1〜4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、−CH2CH2−NRA−及び−CH2CH2CH2−NRA−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、−CO2H、−C(O)−NRCD、−Q、−O−Q、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
前記アリール又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ハロゲン化C1〜4アルコキシ、−CO2H、−C(O)−NREF、−SO2−NREF、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で任意に置換され、ここで、RE及びRFは、水素及びC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
前記ヘテロシクリルは1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい。〕
の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
請求項19に記載の化合物であって、
1は、C1〜4アルキル、−C(O)−NH2、C4〜6シクロアルキル、及び5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記5〜6員ヘテロアリールは、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される1置換基で任意に置換され、
nは、0〜1の整数であり、
Lは、−CH2CH2−NRA−及び−CH2CH2CH2−NRA−からなる群から選択され、ここで、RAは、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Xは、N(RB)、O、及びSからなる群から選択され、ここで、RBが、水素及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、フェニル、−O−フェニル、−C(O)−NRCD、及び−C(O)−NH−Qからなる群から選択され、
ここで、RC及びRDは、水素及びC1〜2アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、あるいは、RC及びRDは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イルからなる群から選択される環状構造を形成し、
Qは、フェニル、ナフチル、−C1〜2アルキル−フェニル、ヘテロシクリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジオキシニルからなる群から選択され、
前記フェニル又はヘテロシクリルは、単独で、若しくは置換基の一部としてであるかに関わらず、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、フッ素化C1〜2アルキル、C1〜4アルコキシ、フッ素化C1〜2アルコキシ、−CO2H、−C(O)NH2、−SO2−NH2、及びフェニルからなる群から独立して選択される、1〜2個の置換基で任意に置換され、
前記ヘテロシクリルは1つ以上のSへテロ原子を含有し、前記ヘテロシクリルが前記1つ以上のSへテロ原子上において、1〜2個のオキソ基で更に任意に置換されてもよい、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
請求項20に記載の化合物であって、
1が、C1〜4アルキルであり、nは0であり、Xは、N(RB)及びSからなる群から選択され、ここで、RBは、水素及びC1〜2アルキルからなる群から選択され、R2が水素である、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物であって、
1は、エチルであり、nは0であり、Xは、NH及びSからなる群から選択され、R2が水素であり、星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、
前記化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
星印の立体中心が、(S)立体配置の鏡像体過剰で存在する、請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
薬学的に許容される担体と請求項19に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項25】
請求項19に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項26】
請求項19に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造する方法。
【請求項27】
DPP−1によって媒介される障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の請求項19に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
DPP−1によって媒介される前記障害が、リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、又は腹部大動脈瘤の治療を必要とする患者において、それらを治療する方法であって、前記患者に、治療上有効量の請求項24に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の請求項19に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
(a)リウマチ性関節炎、(b)ぜんそく、(c)慢性閉塞性肺疾患、(d)敗血症、(e)過敏性腸疾患、(f)嚢胞性線維症、又は(g)腹部大動脈瘤の治療を必要とする患者において、それらを治療するための薬剤の調製のための、請求項19に記載の化合物の使用。
【請求項32】
リウマチ性関節炎、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、過敏性腸疾患、嚢胞性線維症、及び腹部大動脈瘤からなる群から選択される障害の治療を必要とする患者において、それらを治療するための方法において使用するための、請求項19に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2013−514991(P2013−514991A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544881(P2012−544881)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/060986
【国際公開番号】WO2011/075634
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(397060175)ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー. (28)
【Fターム(参考)】