説明

DPPIVインヒビターの使用

【課題】生理的な機能障害の治療及びこのような機能障害を発現する患者のリスクを減少させる。
【解決手段】生理的な機能障害の治療及びこのような機能障害を発現する患者のリスクを減少させるため、選択したDPP IVインヒビターを使用することを開示する。同様に、前記DPP IVインヒビターを他の薬物、例えば向上した治療結果を得ることができる薬物と組み合わせて使用することも開示する。前記使用は対応する薬物を調製するために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、生理的な機能障害の治療のため及び潜在的に危険な状態にある患者におけるこのような機能障害の発生リスクを減少させるために選択した、DPP IVインヒビターの使用を記載する。さらに、上記DPP IVインヒビターを他の活性物質と合わせて使用することを記載し、これを用いることにより向上した治療成果が達成できる。これら用途を対応する薬剤の調製のために使用しても良い。
【背景技術】
【0002】
名称CD26でも知られる酵素DPP-IVは、タンパク質のジペプチドのN末端でプロリン又はアラニングループの開裂を促進するセリンプロテアーゼである。これによりDPP-IVインヒビターは、ペプチドGLP-1を含んだ生物活性ペプチドの血漿レベルに影響し、糖尿病の治療を大いに促進する分子である。
30歳以下の年少者で主に発生するタイプ1の糖尿病は、自己免疫性の疾患として分類される。対応する遺伝傾向を有しかつ種々の要因の影響下で、B-細胞の破壊に続いて膵島炎が起こり、これにより膵臓はもしあったとしても最早多くのインシュリンを製造できなくなる。
【0003】
タイプ2の糖尿病は、自己免疫性疾患としては分類されず、血漿1dl当たり125mgのグルコースを超える空腹時血糖レベルで現れる;血液グルコース値の測定は、通常の医療解析における標準的な方法である。空腹時血糖レベルが血漿1dl当たり99mgグルコースの最大通常レベルを超えるが、糖尿病に関係する血漿1dl当たり125mgのグルコースの閾値を超えない場合、前糖尿病が疑われる。これは病的な空腹時グルコース(障害のある空腹時グルコース)とも言われる。前糖尿病の他の兆候は、耐糖能の障害、即ち経口の耐糖能試験に従って空の胃袋に75mgのグルコースを摂取した後2時間の血漿1dl当たり140-199mgのグルコースの血糖レベルである。
耐糖能試験を行った場合、糖尿病患者の血糖レベルは、75gのグルコースが空の胃袋に摂取された後2時間の血漿1dl当たり199mgのグルコースを超えるであろう。耐糖能試験において、75gのグルコースが10-12時間の絶食後に試験される患者に対して経口投与され、血糖レベルがグルコースを摂取する直前、摂取した1及び2時間後に記録される。健康な患者において、血糖レベルはグルコース摂取前の血漿1dl当たり60から99mg、摂取後1時間の血漿1dl当たり200mg以下、2時間後の血漿1dl当たり140mg以下であろう。2時間後の値が140から199mgである場合、これは異常な耐糖能又はいくつかの場合において耐糖能障害として見なされる。
【0004】
糖尿病の治療の観察において、HbA1c値、ヘモグロビンB鎖の非酵素的なグリケーション(glycation)の生成物は非常に重要なものである。その構造は実質的に血糖レベルと赤血球の寿命に依存するため、“血糖値の記憶(blood sugar memory)”と言う意味のHbA1cは4-12週間前の平均血糖レベルを反映する。そのHbA1cレベルが長期間に亘りより集中的な糖尿病治療によって良好に制御された(即ち6.5より低い試料中の合計ヘモグロビン)糖尿病の患者は、糖尿病性の細小血管障害から顕著により良好に守られる。糖尿病の有効な治療は、1.0-1.5%のそれらのHbA1cレベルにおける平均的な向上を糖尿病患者に与える事ができる。HbA1Cレベルにおけるこの削減は、全ての糖尿病患者を望まれる目標範囲<6.5%、好ましくは<6%のHbA1cにするには十分ではない。
インシュリン抵抗性が検出できる場合、これは前糖尿病の複合的な代謝疾患の存在の特に顕著な兆候である。従って、グルコース恒常性を維持するために、ある人は他の人の2-3倍のインシュリンを必要とするかもしれない。インシュリン抵抗性を決定する最も確実な方法は、オイグリセミック高インシュリン血症クランプ試験である。インシュリンとグルコースの割合は、組み合わせられたインシュリン−グルコース導入技術に従って決定される。グルコース吸収が調査されたバックグラウンドポピュレーション(background population)の第一四分位数(WHO定義)よりも低い場合、インシュリン抵抗性であることがわかる。クランプ試験よりも幾分簡単なものは、いわゆる最小のモデルであり、これにおいて静脈の耐糖能試験の間、血液中のインシュリンとグルコース濃度が定期的な間隔で測定され、これらからインシュリン抵抗性が計算される。他の測定方法は数学的なHOMAモデルである。インシュリン抵抗性は空腹時の血漿グルコース濃度及び空腹時のインシュリン濃度を用いて計算される。この方法において、肝臓のインシュリン抵抗性と末梢のインシュリン抵抗性を区別できない。これら方法は日々行うインシュリン抵抗性の評価のためにはあまり適切ではない。一般に、他のパラメーターが毎日の臨床業務においてインシュリン抵抗性を評価するために使用される。好ましくは、患者のトリグリセリド濃度が使用され、例えば増加したトリグリセリドレベルはインシュリン抵抗性の存在と著しく相互に関係する。
【0005】
少し簡単にするために、これらが以下の特性の少なくとも2つを有する場合、実際に人はインシュリン抵抗性であると推測される:
1)太りすぎ又は肥満
2)高血圧
3)異常脂質血症(血液中の合計脂質の異常な含有量)
4)異常な耐糖能又はタイプ2の糖尿病であると診断された者の少なくとも一人の近親血縁者。
太りすぎはこの場合、肥満度指数(BMI)が25から30kg/m2であることを意味し、BMIは体重(kg)と身長(m)の2乗の商である。顕性肥満において、BMIは30 kg/m2以上である。
インシュリン抵抗性の上記定義から、特に高血圧が患者に見出される場合、血圧降下剤がその治療に対して適切かつ望ましいことがすぐにわかる。
【0006】
糖尿病患者の同様の指標は、メタボリックシンドロームに関する条件を満たすかどうかであり、この指標の主な特徴がインシュリン抵抗性である。ATP IHINCEPガイドライン(Executive Summary of the Third Report of the National Cholesterol Education Program (NCEP) in the Journal of the American Medical Association 285:2486-2497, 2001)によると、メタボリックシンドロームは患者が以下の特徴の少なくとも3つを有する場合に存在する:
1)男性における>40インチ又は102cm及び女性における>35インチ又は94cmのウェスト測定として定義される腹部の肥満
2)トリグリセリドレベル>150mg/dl
3)男性におけるHDLコレステロールレベル<40mg/dl
4)>130/>85mmHgの高血圧
5)>110mg/dlの空腹時の血糖値
【0007】
メタボリックシンドロームのこの定義は、特に患者が高血圧を有することがわかった場合、血圧降下がメタボリックシンドロームを治療するために適切であることを直ちに示す。
150mg/dlより高いトリグリセリド血液レベルも、前糖尿病の存在を示す。この疑念はHDLコレステロールに対する低い血液レベルにより確認される。女性において血漿1dl当たり55mgより少ないレベルが過剰に低いと認識されるのに対して、男性において血漿1dl当たり45mgよりも低いレベルが過度に低いと認識される。血液中のトリグリセリド及びHDLコレステロールが、医療解析における標準的な方法により決定でき、例えばThomas L (Editor): "Labor und Diagnose“, TH-Books Verlagsgesellschaft mbH, Frankfurt/Main, 2000で記載される。空腹時の血糖レベルが血漿1dl当たり99mgのグルコースを超える場合に、前糖尿病の疑念が更に確認される。
用語妊娠性糖尿病(妊娠性糖尿病)は、妊娠の間に発生する糖の疾患の形態を意味し、通常誕生後にすぐに終わる。妊娠性糖尿病は、妊娠の24週から28週目に行うスクリーニング試験により診断される。これは通常、血糖レベルが50gのグルコース溶液の投与後1時間で測定される単純な試験である。この1時間のレベルが140mg/dlより高い場合、妊娠性糖尿病が疑われる。最終的な確認は、75gのグルコースで標準的な耐糖能試験により得られる。
【0008】
高血糖は、過度に高いグルコースレベルが空腹状態(<100mg/dlの通常のレベルと比較した、100-125mg/dlの増加したグルコースレベル又は>125mg/dlの糖尿病−高血糖レベル)か又は空腹ではない状態(>180mg/dlの上昇したグルコースレベル)における血液で測定される機能障害を表す。
アドレナリン作動性の食後の症状(adrenergic postprandial syndrome)(反応性低血糖症)により、臨床医学者は、偏って高いインシュリンレベルが、急速に消化された炭化水素と食後に残存する高いインシュリンレベルの間の不均衡により起こる血糖レベル(低血糖症)の低下を招く機能障害を意味する。
用語糖尿病性足病変は、糖尿病により起こる足の障害をいい、その主な原因は不十分な代謝制御に陥る多発性神経障害である。糖尿病性足病変は、糖尿病の現存するケースにおける典型的な障害(例えば潰瘍)の発生により診断される。
用語糖尿病により誘発される潰瘍(diabetes-associated ulcer)は、糖尿病に罹患した患者における潰瘍性の炎症性の皮膚の異常である。糖尿病により誘発される潰瘍は、典型的な既往歴及び健康診断(例えば足の検査)により診断される。
【0009】
糖尿病患者がHDLコレステロールの減少を伴うか又は伴わずに、合計コレステロールの増加、又はより典型的には糖尿病性高脂血症において、血漿トリグリセリドの増加に苦しめられる場合に、用語糖尿病性高脂血症が使用される。
合計コレステロールは上昇しないが、HDLコレステロールとLDLコレステロールの分布が変わる、即ち患者のHDLコレステロールレベルが過度に低い(例えば女性の<55mg/dl、及び男性の<45mg/dl)場合に、用語糖尿病性異常脂質血症が使用される。
患者の症状か又は客観的所見が、心臓が必要な放出拍出量(ejection output)を達成できなくなる事を示す場合、用語心不全が使用される。自覚症状は、例えばストレス下で又は休息時での呼吸困難であろう。客観的所見は、超音波による心臓の減少した放出拍出量(減少した放出容積)、X線による肺の鬱血、及び/又は歩ける距離の減少を含む。
いくつかの選択したDDP IVインヒビターは、特に前糖尿病、耐糖能障害(障害のある耐糖能)、病的な空腹時グルコース(障害のある空腹時グルコース)、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1の糖尿病(膵臓からのインシュリンの残りの分泌を維持するための)、妊娠性糖尿病(妊娠性糖尿病)、高血糖症、アドレナリン作動性の食後の症状(反応性低血糖症)又は心不全から選択される医学的又は生理学的な機能障害であると診断された患者の治療上の処置のための薬物の調製に特に適している。
【0010】
これらの薬物は、治療にかかわらず患者が障害のあるグルコース代謝、上昇したHbA1c値、障害のある空腹時グルコース値、顕性タイプ2糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症又は糖尿病性異常脂質血症に罹患するであろうこと、及び治療にかかわらずインシュリン治療が必要となるか又は大血管性の合併症を起こすことのリスクを減少させるためにも使用されるであろう。
この種の大きな血管の合併症の例は、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、出血性又は虚血性脳卒中、末梢動脈閉塞障害(peripheral arterial occlusive disease)、心筋症、左心不全、右心不全、全心不全(global heart insufficiency)、心拍障害及び血管再狭窄である。これらの大血管性の合併症は当業者に知られており、及び標準的なテキストに詳細に記載されている。
更に前記物質は、ランゲルハンス島又はβ細胞を移植した後の細胞の活力及び分泌の能力を向上させ、それにより移植後の好ましい結果を確実とするために適切である。前記物質は、特定された物質を従来の単離又は貯蔵媒体に適切な濃度の1nmol/lから1μmol/l、好ましくは1nmol/lから100nmol/lの濃度で添加することにより、ランゲルハンス島又はβ細胞の単離及び移植相の間使用しても良い。これは移植される材料の品質における改良をもたらす。品質における改良は、特に添加された量、好ましくは1-100nmol/lの濃度のGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)と組み合わせて得られる。対応する単離又は貯蔵媒体、及び使用する媒体に対してDPP IVインヒビターを添加することによるランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上する対応した方法が、本発明のさらなる目的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
生理的な機能障害の治療のため及び潜在的に危険な状態にある患者における機能障害の発生リスクを減少させるために選択した、DPP IVインヒビターの使用を記載する。
対応する単離又は貯蔵媒体、及び使用する媒体に対してDPP IVインヒビターを添加することによるランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上する対応した方法が、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
最終的には、上記インヒビターは、種々の形態の関節炎の治療の適切であるが、特には関節リューマチの治療に適している。
本発明の選択されたDPP IVインヒビターは、以下の式(I)又は式(II)により記載できる
【化1】

【化2】

(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)。
【0013】
特に好ましいDPP IVインヒビターは、以下の化合物及びこれらの治療的に活性な塩である:
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン(cf. WO 2004/018468, Example 2(142))
【化3】

・1-[([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン(cf. WO 2004/018468, Example 2(252))
【化4】

・1-[(キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2004/018468, Example 2(80))
【化5】

・2-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(ブタ-2-イニル)-5-(4-メチル-キナゾリン-2-イルメチル)-3.5-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン-4-オン (cf. WO 2004/050658, Example 136)
【化6】

【0014】
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン (cf. WO 2006/029769, Example 2(1))
【化7】

・1-[(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(30))
【化8】

・1-(2-シアノ-ベンジル)-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(39))
【化9】

【0015】
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(S)-(2-アミノ-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン (cf. WO 2006/029769, Example 2(4))
【化10】

・1-[(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(52))
【化11】

・1-[(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(81))
【化12】

【0016】
・1-[(4,6-ジメチル-ピリミジン-2-イル)-メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example
1(82))
【化13】

・1-[(キノキサリン-6-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(83))
【化14】

【0017】
これらのDDP IVインヒビターは構造的に類似するDPP IVインヒビターから区別され、それはこれらが好ましい薬理学的な特性、レセプター選択性及び好ましい副作用特性と優秀な効能及び長く持続する効果を組み合わせ、又は他の医薬活性物質と組み合わせた場合に予想外の治療の利点又は改良をもたらすためである。これらの調製は記載した公報に開示されている。
異なる代謝機能障害は多くの場合同時に発生するため、多くの異なる活性原理の組み合わせがかなり頻繁に現れる。従って、診断された機能障害によって、DPP IVインヒビターを他の高糖尿病物質から選択した活性物質、特に血液中の血糖レベル又は脂質レベルを低下させ、血液中のHDLレベルを上げ、血圧を下げ又はアテローム性動脈硬化又は肥満の治療で指示される活性物質と組み合わせた場合、改良した治療の結果が得られるであろう。
【0018】
DPP IVインヒビターの要求される投与量は、静脈投与される場合は0.1mgから10mg、好ましくは0.25mgから5mgであり、経口投与される場合は0.5mgから100mg、好ましくは2.5mgから50mgであり、各場合において一日1〜4回投与される。この目的のため、化合物、任意で他の活性物質と組み合わせても良い化合物は、1以上の不活性な通常のキャリアー及び/又は希釈剤、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば固い脂肪又はこれらの適切な混合物と合わせて処方して、従来のガレヌス製剤、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液又は坐剤を形成しても良い。
従って、本発明のDPP IVインヒビターは、先行技術に記載されたような許容された製剤賦形剤を用いて当業者により処方される。このような賦形剤の例は、希釈剤、結合剤、キャリアー、フィラー、滑剤、流動剤(flow agent)、血漿抑制剤、錠剤分解物質、可溶化剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤及び乳化剤である。
【0019】
適切な希釈剤の例は、セルロースパウダー、リン酸水素カルシウム、エリスリトール、(置換度の低い)ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、α化したデンプン又はキシリトールを含む。
適切な結合剤の例は、ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロール(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、α化したデンプン又は置換度の低いヒドロキシプロピルセルロースを含む。
適切な滑剤の例は、タルク、ポリエチレングリコール、カルシウムベヘネート、ステアリン酸カルシウム、水素添加したキャスターオイル又はステアリン酸マグネシウムを含む。
適切な錠剤崩壊物質の例は、トウモロコシデンプン又はクロスポビドン(crospovidone)を含む。
【0020】
本発明のDPP IVインヒビターの医薬製剤の適切な調製方法は、
・適切な錠剤化賦形剤との粉末混合物の活性物質を直接錠剤化する工程;
・適切な賦形剤と共に造粒し、続いて適切な賦形剤と混合し、及び続いて錠剤化し更にフィルムコーティングする工程;又は
・粉末混合物又は顆粒をカプセルに充填する工程。
適切な造粒方法は、
・激しいミキサー中でウェット造粒した後、流動床で乾燥する工程;
・ワンポット造粒する工程;
・流動床で造粒する工程;又は
・適切な賦形剤と共に乾燥造粒し(例えばローラー圧縮により)次いで錠剤化又はカプセルに充填する工程。
【0021】
上記のDDP IVインヒビターは、他の活性物質と合わせて使用してもよく、それにより改良した治療効果を得ることができる。このような組み合わせた治療は、物質の遊離した組み合わせとして、又は固定された組み合わせ、例えば錠剤又はカプセルの形態で得ても良い。これに対して必要とされる組み合わせパートナーの医薬品は、医薬組成物として市場から得るか、又は通常の方法を用いて当業者が処方しても良い。医薬組成物として市場で得られる活性物質は、先行技術の多くの箇所、例えば年一回発行される医薬工業の連邦組織の“Rote Liste”の医薬品リスト、又は“Physician's Desk Reference”として知られる処方薬における製造者の情報の年一回更新される編集物中に記載される。
【0022】
抗糖尿病の組み合わせパートナーの例は、メトホルミン;スルホニルウレア、例えばグリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリボルヌリド(glibornuride)及びグリクラジド;ナテグリニド;レパグリニド;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン及びピオグリタゾン;PPARγモジュレーター、例えばメタグリダーゼ;PPAR-γアゴニスト、例えばGI262570;PPAR-γアンタゴニスト;PPAR-γ/αモジュレーター、例えばテサグリタザル、ムラグリタザル及びKRP297;PPAR-γ/α/デルタモジュレーター;AMPK-アクティベーター、例えばAICAR;アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC1及びACC2)インヒビター;ジアシルグリセロール-アセチルトランスフェラーゼ(DGAT)インヒビター;パンクレアチックβ細胞GFRPアゴニスト、例えばSMT3-レセプター-アゴニスト及びGPR119;11β-HSD-インヒビター;FGF19アゴニスト又は類似体;α-グルコシダーゼブロッカー、例えばアカルボーズ、ボグリボーズ及びミグリトール;α2-アンタゴニスト;インシュリン及びインシュリン類似体、例えばヒトインシュリン、インシュリンリスプロ、インシュリングルシリン、r-DNA-インシュリンアスパルト、NPHインシュリン、インシュリンデテミール、インシュリンジンク懸濁液及びインシュリンゲラルギン;胃抑制ペプチド(GIP);プラムリンチド;アミリン又はGLP-1及びGLP-1類似体、例えばエキセンジン-4;SGLT2-インヒビター、例えばKGT-1251;タンパクチロシン-ホスファターゼのインヒビター;グルコース-6-ホスファターゼのインヒビター;フルクトース-1,6-ビスホスファターゼモジュレーター;グリコーゲンホスホリラーゼモジュレーター;グルカゴンレセプターアンタゴニスト;ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(phosphoenolpyruvatecarboxynase)(PEPCK)インヒビター;ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)インヒビター;チロシン-キナーゼのインヒビター(50mgから600mg)、例えばPDGF-レセプター-キナーゼ(cf. EP-A-564409, WO 98/35958, US 5093330, WO 2004/005281及びWO 2006/041976);グルコキナーゼ/調整タンパクモジュレーターを含むグルコキナーゼアクティベーター;グリコーゲン合成キナーゼインヒビター;SH2-ドメインを含むイノシトール5-ホスファターゼタイプ2(SHIP2)のインヒビター;IKKインヒビター、例えば高投与量サリシレート;JNK1インヒビター;タンパクキナーゼC-セタインヒビター;β3-アゴニスト、例えばリトベグロン、YM178、ソラベグロン、タリベグロン、N-5984、GRC-1087、ラファベグロン、FMP825;アルドースレダクターゼインヒビター、例えばAS3201、ゼナレスタット、フィダレスタット、エパルレスタット、ラニレスタット、NZ-314、CP-744809及びCT-112;SGLT-1又はSGLT-2インヒビター;KV1.3チャンネルインヒビ
ター;GPR40モジュレーター;SCD-1インヒビター;CCR-2アンタゴニスト;及び他のDPP IVインヒビターである。
【0023】
11β-HSD1-インヒビターの例は、以下に記載されている;WO 2007/013929, WO 2007/007688, WO 2007/003521, WO 2006/138508, WO 2006/135795, WO 2006/135667, WO 2006/134481, WO 2006/134467, WO 2006/132436, WO 2006/132197, WO 2006/113261, WO 2006/106423, WO 2006/106052, WO 2006/105127, WO 2006/104280, WO 2006/100502, WO 2006/097337, WO 2006/095822, WO 2006/094633, WO 2006/080533, WO 2006/074330, WO 2006/074244, WO 2006/068992, WO 2006/068991, WO 2006/068199, WO 2006/066109, WO 2006/055752, WO 2006/053024, WO 2006/051662, WO 2006/050908, WO 2006/049952, WO 2006/048750, WO 2006/048331, WO 2006/048330, WO 2006/040329, WO 2006/037501, WO 2006/030805, WO 2006/030804, WO 2006/017542, WO 2006/024628, WO 2006/024627, WO 2006/020598, WO 2006/010546, WO 2006/002349, WO 2006/002350, WO 2006/012173, WO 2006/012227, WO 2006/012226, WO 2006/000371, WO 2005/118538, WO 2005/116002, WO 2005/110992, WO 2005/110980, WO 2005/108359, WO 2005/108361, WO 2005/108360, WO 2005/108368, WO 2005/103023, WO 2005/097764, WO 2005/097759, WO 2005/095350, WO 2005/075471, WO 2005/063247, WO 2005/060963, WO 2005/047250, WO 2005/046685, WO 2005/044192, WO 2005/042513, WO 2005/016877, WO 2004/113310, WO 2004/106294, WO 2004/103980, WO 2004/089896, WO 2004/089380, WO 2004/089471, WO 2004/089470, WO 2004/089367, WO 2005/073200, WO 2004/065351, WO 2004/058741, WO 2004/056745, WO 2004/056744, WO 2004/041264, WO 2004/037251, WO 2004/033427, WO 2004/011410, WO 2003/104208, WO 2003/104207, WO 2003/065983, WO 2003/059267, WO 2003/044009, WO 2003/044000, WO 2003/043999, WO 2002/076435, WO 2001/090094, WO 2001/090093, WO 2001/090092, WO 2001/090091, WO 2001/090090, US 2007/049632, US 2006/148871, US 2006/025445, US 2006/004049, US 2005/277647, US 2005/261302, US 2005/245534, US 2005/245532, US 2005/245533 and JP 2005/170939。11β-HSD1-インヒビターの代表的な例は以下の化合物及びその塩である:
【化15】

【0024】
グリコーゲンホスホリラーゼモジュレーターの例は以下に記載されている;WO 2006/126695, WO 2006/082401, WO 2006/082400, WO 2006/059165, WO 2006/059164, WO 2006/059163, WO 2006/056815, WO 2006/055463, WO 2006/055462, WO 2006/055435, WO 2006/053274, WO 2006/052722, WO 2005/085245, WO 2005/085194, WO 2005/073231, WO 2005/073230, WO 2005/073229, WO 2005/067932, WO 2005/020987, WO 2005/020986, WO 2005/020985, WO 2005/019172, WO 2005/018637, WO 2005/013981, WO 2005/013975, WO 2005/012244, WO 2004/113345, WO 2004/104001, WO 2004/096768, WO 2004/092158, WO 2004/078743, WO 2004/072060, WO 2004/065356, WO 2004/041780, WO 2004/037233, WO 2004/033416, WO 2004/007455, WO 2004/007437, WO 2003/104188, WO 2003/091213, WO 2003/084923, WO 2003/084922, WO 2003/074532, WO 2003/074531, WO 2003/074517, WO 2003/074513, WO 2003/074485, WO 2003/074484, WO 2003/072570, WO 2003/059910, WO 2003/037864, WO 2002/096864, WO 2002/020530, WO 2001/094300, WO 2000/123347, WO 1996/39384, WO 1996/39385, EP 1391460, EP 1136071, EP 1125580, EP 1088824, EP 0978279, JP 2004196702, US 2004/002495, US 2003/195243, 及びUS 5998463。
【0025】
グルコキナーゼアクティベーターの例は、以下に記載されている;WO 2007/017649, WO 2007/007910, WO 2007/007886, WO 2007/007042, WO 2007/007041, WO 2007/007040, WO 2007/006814, WO 2007/006761, WO 2007/006760, WO 2006/125972, WO 2006/125958, WO 2006/112549, WO 2006/059163, WO 2006/058923, WO 2006/049304, WO 2006/040529, WO 2006/040528, WO 2006/016194, WO 2006/016178, WO 2006/016174, WO 2005/121110, WO 2005/103021, WO 2005/095418, WO 2005/095417, WO 2005/090332, WO 2005/080360, WO 2005/080359, WO 2005/066145, WO 2005/063738, WO 2005/056530, WO 2005/054233, WO 2005/054200, WO 2005/049019, WO 2005/046139, WO 2005/045614, WO 2005/044801, WO 2004/081001, WO 2004/076420, WO 2004/072066, WO 2004/072031, WO 2004/063194, WO 2004/063179, WO 2004/052869, WO 2004/050645, WO 2004/031179, WO 2004/002481, WO 2003/095438, WO 2003/080585, WO 2003/055482, WO 2003/047626, WO 2003/015774, WO 2003/000267, WO 2003/000262, WO 2002/048106, WO 2002/046173, WO 2002/014312, WO 2002/008209, WO 2001/085707, WO 2001/085706, WO 2001/083478, WO 2001/083465, WO 2001/044216, 及びWO 2000/058293。
【0026】
グルコキナーゼアクティベーターの代表的な例は、以下の化合物及びその塩である:
【化16】

(式中G1はシクロプロピル又はシクロブチルを意味し、G2は5-フルオロ-チアゾール-2-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル又はピラジン-2-イルを意味する)及び
【化17】

(式中G3はメチル又はエチルを意味し、G4はチアゾール-2-イル、4-メチル-チアゾール-2-イル、5-メチル-チアゾール-2-イル又はピラジン-2-イルを意味する)。
【0027】
SGLT-1又はSGLT-2インヒビターの例は以下に記載される;WO 2006/108842, WO 2006/087997, WO 2006/080577, WO 2006/080421, WO 2006/073197, WO 2006/064033, WO 2006/062224, WO 2006/054629, WO 2006/037537, WO 2006/035796, WO 2006/018150, WO 2006/008038, WO 2006/002912, WO 2006/010557, WO 2006/011502, WO 2006/011469, WO 2005/121161, WO 2005/012326, WO 2005/095429, WO 2005/095372, WO 2005/095373, WO 2005/092877, WO 2005/085267, WO 2005/085265, WO 2005/085237, WO 2005/063785, WO 2005/021566, WO 2005/012243, WO 2005/012242, WO 2005/012326, WO 2005/012318, WO 2005/011592, WO 2004/113359, WO 2004/099230, WO 2004/089967, WO 2004/089966, WO 2004/087727, WO 2004/080990, WO 2004/058790, WO 2004/052903, WO 2004/052902, WO 2004/019958, WO 2004/018491, WO 2004/014932, WO 2004/014931, WO 2004/013118, WO 2003/099836, WO 2003/080635, WO 2003/020737, WO 2003/011880, WO 2003/000712, WO 2002/098893, WO 2002/088157, WO 2002/083066, WO 2002/068440, WO 2002/068439, WO 2002/064606, WO 2002/053573, WO 2002/044192, WO 2002/036602, WO 2002/028872, WO 2001/074835, WO 2001/074834, WO 2001/068660, WO 2001/027128, WO 2001/016147, JP 2005247834, JP 2004359630, JP 2004196788, JP 2003012686, 及びUS 2006/063722。
【0028】
SGLT-1又はSGLT-2インヒビターの代表的な例は以下の化合物及びその塩又はこれらと天然アミノ酸の複合体である:
【化18】

【化19】

及び
【化20】

(式中G5及びG8はそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチニル、プロパ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ又はシクロヘキシルオキシを意味し;及び
G6はフッ素、塩素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリメチルシリルエチル、エチニル、2-ヒドロキシプロパ-2-イルエチニル、2-メトキシプロパ-2-イルエチニル、3-ヒドロキシ-1-プロピン-1-イル、3-メトキシ-1-プロピン-1-イル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、ピペリジン-4-イルオキシ、N-メチルピペリジン-4-イルオキシ及びN-アセチルピペリジン-4-イルオキシを意味し;及びG7は水素又はフッ素を意味する)
【0029】
【化21】

(式中Gはフッ素、塩素、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、3-テトラヒドロフラニルオキシ又は4−テトラヒドロピラニルオキシを意味する)

【化22】

(式中Gはフッ素、塩素、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、3-テトラヒドロフラニルオキシ又は4-テトラヒドロピラニルオキシを意味する)
【化23】

(式中G8は水素、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを意味し、及びG9はフッ素、塩素、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、3-テトラヒドロフラニルオキシ又は4-テトラヒドロピラニルオキシを意味し);及び
【0030】
【化24】

(式中:
G10はC1-3-アルキル又はペルフルオロ-C1-3-アルキルを意味し;
G11は水素、C1-3-アルキル又はペルフルオロ-C1-3-アルキルを意味し;
G12はフッ素、塩素、臭素、C1-6-アルキル、1から3のフッ素原子で置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、1から3のフッ素原子で置換されたC1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルチオ、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、ペルフルオロ-C1-3-アルキル、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ又は4-テトラヒドロピラニルオキシを意味し;及び
C13及びG14は互いに独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、C1-6-アルキル、1から3のフッ素原子で置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、1から3のフッ素原子で置換されたC1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルチオ、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、ペルフルオロC1-3-アルキルを意味し;及び
G15は水素、C2-20-アルカノイル、C1-6-アルコキシカルボニル又はベンゾイルを意味する)。
【0031】
抗糖尿病薬の組み合わせパートナーの特に好ましい例は、約100mg〜500mg、又は200mg〜850mg(1日1〜3回)、又は1日1回又は2回の約300mg〜1000mgの投与量におけるメトホルミン、又は1日1回又は2回の約100mg〜1000mg若しくは好ましくは500mg〜1000mg、又は1日1回の約500mg〜2000mgの投与量における遅延放出のメトホルミンである。他の特に好ましい例は、1日1回の約1-10mg、15mg、30mg又は45mgの投与量におけるピオグリタゾンである。他の特に好ましい例は、1日1〜3回の約10mg〜50mg又は100mg以下の投与量におけるミグリトールである。
血液中の脂質レベルを低くする組み合わせパートナーの例は、HMG-CoA-レダクターゼインヒビター、例えばシムバスチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン及びロスバスタチン;フィブラート、例えばベザフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラート、ジェムフィブロジル、エトフィブラート及びエトフィリンクロフィブラート;ニコチン酸及びその誘導体、例えばアシピモックス;PPAR-αアゴニスト;PPAR-デルタアゴニスト;アシル-コエンザイムAのインヒビター;コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT;EC2.3.1.26)、例えばアバシミベ(avasimibe);コレステロール再吸収インヒビター、例えばエゼチミブ;胆汁酸に結合する物質、例えばコレスチラミン、コレスチポール及びコレセベラム;胆汁酸輸送体のインヒビター;HDLモジュレーティング活性物質、例えばD4F、リバースD4F、LXRモジュレーティング活性物質及びFXRモジュレーティング活性物質;CETPインヒビター、例えばトルセトラピブ、JTT-705又はWO2007/005572の化合物12;LDLレセプターモジュレーター;及びApoB100アンチ
センスRNAである。特に好ましい例は、1日1回の約1mgから40mg、又は10mgから80mgの投与量におけるアトルバスタチンである。
【0032】
血圧を低くする組み合わせパートナーの例は、βブロッカー、例えばアテノロール、ビスプロロール、セリプロロール、メトプロロール及びカルベジロール;利尿薬、例えばヒドロクロロチアジド、クロルタリドン、キシパミド、フロセミド、ピレタニド、トラセミド、スピロノラクトン、エプレレノン、アミロリド及びトリアムテレン;カルシウムチャンネルブロッカー、例えばアムロジピン、ニフェジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、ラシジピン、レルカニピジン(lercanipidine)、マニジピン、イスラジピン、ニルバジピン、ベラパミル、ガロパミル及びジルチアゼム;ACEインヒビター、例えばラミプリル、リシノプリル、シラザプリル、キナプリル、カプトプリル、エナラプリル、ベナゼプリル、ペリンドプリル、フォシノプリル及びトランドラプリル;加えてアンギオテンシンIIレセプターブロッカー(ARB)例えばテルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン及びエプロサルタンである。特に好ましい例は、1日当たり50mgから200mgの投与量におけるメトプロロール、1日当たり2.5mgから10mgの投与量におけるアムロジピン、1日当たり2.5mgから15mgの投与量におけるラミプリル、1日当たり80から160mgの投与量におけるバルサルタン、及び1日当たり20mgから320mg又は40mgから160mgの投与量におけるテルミサルタンである。
【0033】
血液中のHDLレベルを増加する組み合わせパートナーの例は、コレステリルエステル輸送タンパク(CETP)インヒビター;内皮リパーゼのインヒビター;ABC1のレギュレーター;LXRαアンタゴニスト;LXRβアゴニスト;PPAR-デルタアゴニスト;LXRα/βレギュレーター;及びアポリポプロテインA-Iの発現及び/又は血漿濃度を増加させる物質である。
肥満の治療のための組み合わせパートナーの例は、シブトラミン;テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット);アリザイム;デクスフェンフルラミン;アキソキン;カンナビノイドレセプター1アンタゴニスト、例えばCB1アンタゴニストリモノバント;MCH-1レセプターアンタゴニスト;MC4レセプターアゴニスト;NPY5加えてNPY2アンタゴニスト;β3-ARアゴニスト、例えばSB-418790及びAD-9677;5HT2cレセプターアゴニスト例えばAPD356;ミオスタチンインヒビター;Acrp30及びアジポネクチン;ステロイルCoAデサチュラーゼ(SCD1)インヒビター;脂肪酸シンターゼ(FAS)インヒビター;CCKレセプターアゴニスト;グレリンレセプターモジュレーター;Pyy3-36;オレキシンレセプターアンタゴニスト;及びテソフェンシンである。
【0034】
アテローム性動脈硬化を治療するための組み合わせパートナーの例は、ホスホリパーゼA2インヒビター;チロシンキナーゼのインヒビター(50mgから600mg)例えばPDGF-レセプター-キナーゼ(cf. EP-A-564409, WO 98/35958, US 5093330, WO 2004/005281, 及び WO 2006/041976);oxLDL抗体及びoxLDLワクチン;apoA-1ミラノ;ASA;及びVCAM-1インヒビターである。
心不全の治療のための組み合わせパートナーの例は、βブロッカー、例えばアテノロール、ビソプロロール、セリプロロール及びメトプロロール;利尿薬、例えばヒドロクロロチアジド、クロルタリドン、キシパミド、フロセミド、ピレタニド、トラセミド、スピロノラクトン、エプレレノン、アミロリド及びトリアムテレン;ACEインヒビター、例えばラミプリル、リシノプリル、シラザプリル、キナプリル、カプトプリル、エナラプリル、ベナゼプリル、ペリンドプリル、フォシノプリル及びトランドラプリル;加えてアンジオテンシンII レセプターブロッカー(ARB)、例えばテルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン及びエプロサルタン;心臓グリコシド、例えばジゴキシン及びジギトキシン;組み合わせたα/βブロッカー、例えばカルベジロール;B-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)及びBNP誘導ペプチド及びBNP-融合生成物である。特に好ましい例は、1日当たり50mgから200mgの投与量におけるメトプロロール、1日当たり2.5mgから15mgの投与量におけるラミプリル、1日当たり80から160mgの投与量におけるバルサルタン、1日当たり20mgから320mg又は40mgから160mgの投与量におけるテルミサルタン、25-100mgの投与量におけるエプレレロン、1日当たり0.25mgから0.6mgの投与量におけるジゴキシン、3.25から100mgの投与量によけるカルベジロール、0.01μg/kg/minに続くボーラスとしての2μg/kgの投与量におけるBNP(例えばネシリチド)である。
【0035】
選択されたDPP IVインヒビターを含んだ医薬品の組み合わせは、例えば1.75 mgから10.5 mgのグリベンクラミド、500 mgから3000 mgのトルブタミド、0.5-6 gのグリメピリド、2.5 mgから40 mgのグリピジド、1-4回の30 mgのグリキドン、3回までの25 mgのグリボルヌリド、80 mgから160 mgのグリクラジド; 500mgから1000mg、好ましくは500 mg、850 mg又は1000 mgのメトホルミン; 60 mgから180 mgのナテグリニド; 0.25mgから4mgのレパグリニド; 2mgから45mgのチアゾリジンジオン; 200mgから600mgのメタグリダーゼ; 2.5mgから5mgのPPAR γ/αモジュレーター; 0.1mgから100mgのαグルコシダーゼブロッカー; 1-250IUインシュリン; 15μgから120μgのプラムリンチド; 5mgから80mgのスタチン; 50mgから1000mgのフィブラート; 1000mgから3000mgのニコチン酸又は誘導体; 約250mgのアシピモックス; 約10mgのコレステロール再吸収インヒビター; 0.5gから30gの胆汁酸結合物質; 10mgから600mg及び好ましくは10mgから120mgのCETPインヒビター; 2.5mgから100mgのβブロッカー; 3mgから200mgの利尿薬; 2.5mgから500mgカルシウムチャンネルブロッカー; 1mgから40mgのACEインヒビター; 5mgから600mgのアンギオテンシンII レセプターブロッカー; 10mgから15gのシブトラミン; 約120 mgのオルリスタット; 15mgから30mgのデクスフェンフルラミン; 又は5mgから20mgのカンナビノイドレセプターアンタゴニスト、25 mg to 100 mgの投与量におけるエプレレノン; 1日当たり0.25mgから0.6mgの投与量におけるジゴキシン; 3.25mgから100mgの投与量におけるカルベジロール; 0.01μg/kg/minに続くボーラスとしての2μg/kgの投与量におけるBNP(例えばネシリチド)を含む。
【実施例】
【0036】
実施例1:前糖尿病の治療
病的な空腹時グルコース及び/又は障害のある耐糖能により特徴付けられる前糖尿病の治療における、本発明のDDP IVインヒビターの効果は、臨床試験を用いて試験できる。短期間(例えば2−4週間)の試験において、治療の成功は、空腹時グルコース値及び/又は試験のための治療の最後の期間の後の食事後のグルコース値又は負荷試験(経口耐糖能値又は定義した食事後の食物負荷試験(food tolerance test))後のグルコース値を決定し、次いでこれらの値と試験開始前の値及び/又はプラセボ群の値とを比較することにより試験される。更に、フルクトサミン値を治療前後で決定し、初期値及び/又はプラセボ群と比較することができる。空腹時又は空腹ではない場合のグルコースレベルにおける顕著な低下は、治療の効果を実証する。長期間(12週間以上)の試験において、治療の成功は、HbA1c値の決定、初期値及び/又はプラセボ群の値と比較することにより試験される。初期値及び/又はプラセボ値と比較したHbA1c値の顕著な変化は、前糖尿病の治療に対するDPP IVインヒビターの効果を実証する。
【0037】
実施例2: 顕性タイプ2糖尿病の予防
病的な空腹時グルコース及び/又は障害のある耐糖能(前糖尿病)に罹患した患者の治療は、顕性タイプ2糖尿病への移行を予防することのゴールを求めることでもある。治療の効果は、活性物質か又は活性物質の組み合わせを用いるか、又はプラセボを用いるか、又は医薬品を用いない又は他の薬物を用いた治療を用いて前糖尿病患者を長期(例えば1−5年)に亘り治療する、比較臨床試験で調査できる。治療の間及び治療の末期において、空腹時のグルコースを決定すること及び/又は負荷試験(例えばoGTT)により、チェックは、どの程度の数の患者が顕性タイプ2糖尿病を示すか、即ち>125mg/dlの空腹時グルコースレベル及び/又は>199mg/dlのoGTTに従った2時間の値を示すことを決定することで行われる。治療の他の形態の1つと比較して、活性物質又は活性物質の組み合わせを用いて治療した場合に、顕性タイプ2糖尿病を示す患者の数の顕著な減少は、前糖尿病の明らかな糖尿病への移行の防止における、活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を実証する。
【0038】
実施例3: タイプ2糖尿病の治療
グルコース代謝状況(glucose metabolic situation)における急速な改善の発生に加えて、本発明の活性物質を用いたタイプ2糖尿病に罹患した患者の治療は長期間の代謝状況における悪化を防ぐ。これは、長期間、例えば1-6年の間本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせで患者を治療し、次いで他の抗糖尿病薬で治療した患者と比較することで観察できる。空腹時グルコース及び/又はHbA1c値における増加が無いか又はほんのわずかに増加したことが観察される場合、他の抗糖尿病薬で治療した患者と比較して治療が成功したことの証拠が存在する。他の薬物で治療された患者と比較して、本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせで治療された患者の顕著により少ないパーセンテージが、グルコース代謝ポジション(glucose metabolic position)における、付加的な経口の抗糖尿病薬を用いて、又はインシュリンを用いて、又はインシュリン類似体を用いて、又は他の抗糖尿病薬(例えばGLP-1類似体)を用いた治療が指示されるポイントへの悪化(例えばHbA1c値を>6.5%又は>7%まで増加させること)に耐える場合に、治療の成功のさらなる証拠が得られる。
【0039】
実施例4: インシュリン抵抗性の治療
異なった期間(例えば2週間から12ヶ月)行う臨床試験において、治療の成功は、オイグリセミック高インシュリン血症クランプ試験(hyperinsulinaemic euglycaemic glucose clamp study)を用いてチェックされる。初期値と比較した又はプラセボ群と比較した、又は異なる治療を受けた群と比較した、試験末期のグルコース注入速度(glucose infusion rate)の顕著な増加は、インシュリン抵抗性の治療における活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を証明する。
【0040】
実施例5: 糖尿病性高脂血症又は異常脂質血症の治療
タイプ2の糖尿病に罹患した患者における異なる期間(例えば2週間から60ヶ月)行った臨床試験において、治療の成功を合計コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロール及び血漿トリグリセリドを決定することによりチェックする。初期値と比較して又はプラセボ群と比較して又は異なる治療を受けた群と比較して、合計コレステロール、LDL-コレステロール又は血漿トリグリセリドにおける顕著な低下、及び/又は試験の間又は末期におけるHDL-コレステロールレベルの上昇は、糖尿病性高脂血症又は異常脂質血症の治療における活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を証明する。
【0041】
実施例6: 低血糖症の治療
異なる期間(例えば1日から24ヶ月)行う臨床試験において、低血糖症に罹患した患者の治療の成功は、空腹時グルコース又は空腹ではない場合のグルコース(例えば食後又はoGTT若しくは定義した食事の負荷試験後)を決定することによりチェックする。初期値と比較して又はプラセボ群と比較して又は他の治療を受けた群と比較して、試験の間又は末期のこれらグルコース値の顕著な低下は、低血糖症の治療における活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を証明する。
【0042】
実施例7: 妊娠性糖尿病の治療
短い期間(例えば2-4週間)行う臨床試験において、治療の成功は、空腹時グルコース値及び/又は食事後又は試験の治療期間の末期における負荷試験(経口耐糖能試験又は定義した食事後の食品耐性試験)後のグルコース値を決定し、これらの値を試験開始前の値及び/又はプラセボ群の値と比較することによりチェックされる。更に、フルクトサミン値を、治療の前後で決定し、及び初期値及び/又はプラセボ値と比較できる。空腹時又は空腹ではない場合のグルコースレベルにおける顕著な低下は、活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を実証する。
長期間(12週間以上)行う試験において、治療の成功は、HbA1c値(初期値及びプラセボ群と比較した)を決定することによりチェックされる。初期値及び/又はプラセボ値と比較したHbA1c値における顕著な変化は、妊娠性糖尿病の治療における活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を実証する。
【0043】
実施例8: 妊娠性糖尿病に罹患した女性の治療
妊娠性糖尿病に罹患した患者は、妊娠後に顕性タイプ2糖尿病に罹患する顕著に増加したリスクを有する。治療は明らかなタイプ2に移行することを予防する目的と共に提供される。この目的のため、妊娠性糖尿病の病歴を有する女性は、長期間(例えば1-4年)、本発明の活性物質又は活性物質の組み合わせを用いるか、又はプラセボを用いるか、、又は薬物を用いない治療を用いるか、又は他の薬物を用いて治療される。治療の間及び末期において、チェックを空腹時グルコースを決定することにより及び/又は負荷試験(例えばoGTT)により行い、何人の患者が顕性タイプ2糖尿病(空腹時グルコースレベル>125mg/dl及び/又はoGTT後2時間値>199mg/dl)を発現したかを観察する。異なるタイプの治療と比較して、本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせを用いて治療した場合、顕性タイプ2糖尿病を発現した患者の数の顕著な減少は、妊娠性糖尿病の病歴を有する女性の明らかな糖尿病を予防することにおける活性物質又は活性物質の組み合わせの効果の証拠である。
【0044】
実施例9: 微小血管又は大血管性の合併症の予防
本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせを用いたタイプ2糖尿病又は前糖尿病患者の治療は、微小血管の合併症(例えば、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性ネフロパチー、糖尿病性足病変、糖尿病性潰瘍)又は大血管性の合併症(例えば、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、脳卒中、末梢動脈閉塞障害、心筋ミオパチー、心不全、心拍障害、血管再狭窄)を予防し又は減少させる。タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者は、長期間、例えば1-6年間、本発明の活性物質又は本発明の活性物質の組み合わせを用いて治療され、及び他の抗糖尿病薬又はプラセボを用いて治療された患者と比較される。他の抗糖尿病薬又はプラセボを用いて治療された患者と比較した治療の成功の証拠は、より少ない数の単一若しくは多数の合併症において見いだす事ができる。大血管性の事象、糖尿病性足病変及び/又は糖尿病性潰瘍の場合において、数は既往歴及び種々の試験方法によりカウントされる。糖尿病性網膜症の場合において、治療の成功は、コンピューター制御された照明及び眼のバックグラウンドの評価又は他の眼科の方法により決定される。糖尿病性神経障害の場合において、既往歴及び臨床試験に加えて、神経伝導速度を例えばキャリブレーティッドチューニングフォーク(calibrated tuning fork)を用いて測定できる。糖尿病性ネフロパチーについては、以下のパラメーターを試験の開始時、試験の間及び試験後に調査しても良い;アルブミンの分泌、クレアチニンの浄化値、血清クレアチニン値、血清クレアチニン値が2倍になるまで要する時間、透析が必要とされるまでに要する時間。
【0045】
実施例10; メタボリックシンドロームの治療
本発明の活性物質又は活性物質の組み合わせの効果は、空腹時グルコース又は空腹時ではない場合のグルコース(例えば食後又はoGTT若しくは定義した食事を用いた負荷試験後)又はHbA1c値を決定することにより、種々の実行時間(例えば12週間から6年間)での臨床試験で試験することができる。初期値と比較した又はプラセボ群と比較した、又は異なる治療を受けた群と比較した、試験の間又は試験の末期におけるこれらグルコース値又はHbA1c値の急激な低下は、メタボリックシンドロームの治療における活性物質又は活性物質の組み合わせの効果を証明する。この例は、試験の開始段階の初期値と比較するか又はプラセボ若しくは異なる治療で治療された患者の群との比較における、最高血圧及び/又は最低血圧における減少、血漿トリグリセリドの低下、合計又はLDLコレステロールの減少、HDLコレステロールの増加又は体重の減少である。
【0046】
実施例11: DPP IVインヒビターフィルム被覆錠剤
顆粒化溶液を調製するため、コポビドンを精製水に室温で溶解させる。DPP IVインヒビター、マンニトール、α化デンプン及びトウモロコシデンプンを適切なミキサー中で混合し、プレミックスを調製する。プレミックスを顆粒化溶液で湿らせ、次いで高い剪断速度のミキサー中で顆粒化させる。湿らせた顆粒を1.6mmメッシュサイズのふるいを通してふるいにかける。顆粒を、2-4%の乾燥値における損失が得られるまで、流動床乾燥器で約60℃で乾燥させる。最終的な混合物を圧縮して、錠剤コアを形成する。
適切なミキサー中で、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を室温で精製水中に懸濁させ、錠剤コーティングのための懸濁液を調製する。錠剤コアを、3%の質量増加が得られるまでこの懸濁液で被覆させる。例えば、以下の錠剤組成物がこの方法で得られるであろう;
【0047】
【表1】

【0048】
実施例12: ランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力の向上
これは、ランゲルハンス島又は膵臓β細胞の成功した単離後に、将来の移植のために、DPP IVインヒビターを1nmol/lから1μl/lの濃度、好ましくは1nmol/l及び100nmol/lの濃度で含んだ媒体中でこれらを貯蔵し、これらを運搬し又はこれらを培養する事により行われる。
更に、ランゲルハンス島又は膵臓β細胞の移植の後、患者(及びこれらは動物であっても良い)を、1mgから200mgの一日投与量のDPP IVインヒビターで、好ましくは5mgから100mgのDPP IVインヒビターの投与量で治療して、移植片の活力及び分泌能力を向上させる。
これは、グルコース又はインシュリンの分泌量を増加させる他の薬剤で刺激した後のインシュリンの分泌量を解析することにより試験される。更に、品質における向上は、インビトロ又はTUNEL技術を用いた動物モデルでチェックしてもよく、これはDiabetologia 42:566, 1999 又はDiabetes 48:738, 1999 (アポトーシス及びこの阻害の調査)に記載されている。
【0049】
実施例13: DPP IVインヒビター−メトホルミンを用いた組み合わせた治療
タイプ2糖尿病又は前糖尿病を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、抗糖尿病活性物質メトホルミンを組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、メトホルミンの異なる投与量、例えば500mg、850mg又は1000mgの、メトホルミンの単一の投与量として合計一日投与量のメトホルミン500-2850mg、又は遅延放出形態における500mg、1000mg、1500mg又は2000mgのメトホルミンと組み合わせても良い。メトホルミンとのこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者を、DPP IVインヒビターそのままを用いてか、又はメトホルミンそのままを用いてか、又はDPP IVインヒビターとメトホルミンを組み合わせて治療する。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPP IVインヒビターとメトホルミンの組み合わせが、DPP IVインヒビター単独か又はメトホルミン単独よりも、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を非常に顕著に減少させた事実において見出すことができる。
【0050】
実施例14: DPP IVインヒビター−グリタゾンを用いた組み合わせた治療
タイプ2糖尿病又は前糖尿病を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、グリタゾン又はチアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン又はロシグリタゾン)を含む抗糖尿病活性物質群と組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、ピオグリタゾンの異なる投与量(15mg、30mg又は45mg)又はロシグリタゾン(1日1回か又は2回の2mg、4mg又は8mg)と組み合わせても良い。ロシグリタゾン又はピオグリタゾンのこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者を、DPP IVインヒビターそのままを用いてか、又はロシグリタゾン若しくはピオグリタゾンをそのままを用いてか、又はDPP IVインヒビターとロシグリタゾン若しくはピオグリタゾンを組み合わせて治療する。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPP IVインヒビターとロシグリタゾン若しくはピオグリタゾンの組み合わせが、DPP IVインヒビター単独か又はロシグリタゾン若しくはピオグリタゾン単独よりも、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を非常に顕著に減少させた事実において見出すことができる。
【0051】
実施例15: DPP IVインヒビター−SGLT2インヒビターを用いた組み合わせた治療
タイプ2糖尿病又は前糖尿病を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、SGLT-2インヒビターを含む抗糖尿病活性物質群と組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、SGLT-2インヒビターの異なる投与量(0.5mgから100mg)と組み合わせても良い。SGLT-2インヒビターのこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者を、DPP IVインヒビターそのままを用いてか、又はSGLT-2インヒビターをそのままを用いてか、又はDPP IVインヒビターとSGLT-2インヒビターを組み合わせて治療する。治療は2週間から6年で継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPP IVインヒビターとSGLT-2インヒビターの組み合わせが、DPP IVインヒビター単独か又はSGLT-2インヒビター単独よりも、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を非常に顕著に減少させた事実において見出すことができる。
【0052】
実施例16: DPP IVインヒビター−抗高血圧薬を用いた組み合わせた治療
タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者又はメタボリックシンドロームに罹患した患者を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、抗高血圧活性物質と組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、異なる投与量のACE-インヒビター(例えば2.5mgから15mgラミプリル)、AT-1レセプターアンタゴニスト(例えば20mgから160mgテルミサルタン)、βブロッカー(例えば50mgから200mgメトプロロール)又は利尿薬(例えば12.5mgから25mgヒドロクロロチアジド)と組み合わせても良い。抗高血圧薬のこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病又はメタボリックシンドロームに罹患した患者を、DPP IVインヒビターそのままを用いてか、又は抗高血圧薬をそのままを用いてか、又はDPP IVインヒビターと抗高血圧薬を組み合わせて治療する。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPP IVインヒビターと抗高血圧薬の組み合わせが、少なくともDPP IVインヒビター単独と同じ程度、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を減少させた事実において、及びDPP IVインヒビターと抗高血圧薬の組み合わせが、最高血圧及び/又は最低血圧を少なくとも抗高血圧薬単独と同じ程度低くした場合に見出すことができる。
【0053】
実施例17: DPP IVインヒビター−高脂血症治療薬を用いた組み合わせた治療
タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者又はメタボリックシンドロームに罹患した患者又は糖尿病性異常脂質血症若しくは高脂血症に罹患した患者を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物と組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、異なる投与量のスタチン(例えば10mgから80mgのアトルバスタチン又は10mgから80mgのシムバスタチン)、フィブラート(例えばフェノフィブラート)、コレステロール吸収インヒビター、又はHLDを増加させる物質、例えばCETP-インヒビター(例えばトルセトラピブ1日1回の10mgから120mg又は1日2回の120mg)と組み合わせても良い。高脂血症治療薬/HLDを増加させる薬物のこのような組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。このため、タイプ2糖尿病又は前糖尿病に罹患した患者又はメタボリックシンドロームに罹患した患者又は糖尿病性異常脂質血症若しくは高脂血症に罹患した患者を、DPP IVインヒビターそのままを用いてか、又は高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物をそのままを用いてか、又はDPP IVインヒビターと高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物を組み合わせて治療する。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが適切である証拠及び効果は、DPP IVインヒビターと高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物の組み合わせが、少なくともDPP IVインヒビター単独と同程度に、空腹時グルコース及び/又は空腹ではない場合のグルコース及び/又はHbA1c値を減少させた事実において、及びDPP IVと高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物の組み合わせが、少なくとも高脂血症治療薬/HDLを増加させる薬物単独と同程度に、合計コレステロール又はLDL-コレステロール又は血漿トリグリセリドを低下させ、又はHDLコレステロール値を増加さ
せた場合に見出すことができる。
【0054】
実施例18: 心不全に罹患した患者におけるDPP IVインヒビター−BNP/BNP誘導ペプチド又はBNP融合ペプチドの組み合わせた治療
急性心不全に罹患した患者を治療するため、本発明のDPP IVインヒビターを、遊離した組み合わせか又は錠剤中に固定した組み合わせで、心不全に好ましく影響する物質と組み合わせても良い。DPP IVインヒビターの治療効量(例えば0.1から100mgの投与量)を、異なる投与量のACE-インヒビター(例えば2.5mgから15mgラミプリル)、AT1-レセプター-アンタゴニスト(例えば、20mgから160mgテルミサルタン)、βブロッカー(例えば50mgから200mgメトプロロール)、組み合わせたα/βブロッカー(例えば、3.25mgから100mgカルベジロール)、利尿薬(例えば12.5mgから25mgヒドロクロロチアジド)、ミネラルオコルチコイドレセプターアンタゴニスト(例えば25mgから100mgエプレレノン;及び/又はB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)(例えば、0.01μg/kg/minネシリチドに続くボー
ラスとしての2μg/kg))、BNP誘導ペプチド又はBNP融合生成物と組み合わせても良い。BNPとDPP IVインヒビターの組み合わせは、インビボにおけるフルレングスのBNP(1-32)のより高い濃度をもたらす。このような特定の組み合わせの臨床効果は、臨床試験で試験できる。治療は1日から6年継続する。組み合わせが急性心不全の治療において有効であることの証拠は、他の治療と比較して組み合わせが臨床状況において顕著な向上(より高い心臓の放出拍出量及び/又は肺の鬱血の逆転、及び/又は肺動脈楔入圧の逆転及び/又は急性心不全で起こる死亡の減少)をもたらす事実において見出すことができる。
【0055】
実施例19: 心不全に罹患した患者におけるDPP IVインヒビターを用いた治療
本発明のDPP IVインヒビターは慢性心不全に罹患した患者を治療するために使用しても良い。この治療は、インビボにおいて内生のフルレングスのBNP(1-32)のより高い濃度をもたらす。この治療の臨床効果は、臨床試験で試験される。治療は2週間から6年継続する。組み合わせが慢性心不全の治療に効果的であることの証拠は、本発明のDPP IVインヒビターが、異なる治療又はプラセボと比較して臨床状態において顕著な向上(少ない頻度の急性心不全を原因とする入院、より長い距離を歩く能力、エルゴメトリックス(ergometrics)におけるより高い耐負荷性、より高い心臓の放出拍出量及び/又は肺の鬱血及び/又は心不全で起こる死亡の減少)をもたらすことの事実において見出すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は式(II)のDPP IVインヒビター又はその1の塩の使用であって;
【化1】

【化2】

(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)
前糖尿病、耐糖能障害、病的な空腹時グルコース、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1糖尿病、妊娠性糖尿病、高血糖症、アドレナリン作動性の食後の症状及び心不全から選択される生理的な機能障害であると診断された患者を治療処理するため、又は移植されたランゲルハンス島又はβ細胞を有する患者を治療処理するための医薬組成物を調製するための使用。
【請求項2】
式(I)又は式(II)のDPP IVインヒビター又はその1の塩の前糖尿病又は顕性タイプ2糖尿病であると診断された患者の治療のための医薬組成物を調製するための使用であって;
【化3】

【化4】

(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)
医薬組成物を用いることによって、治療にかかわらず障害のあるグルコース代謝、治療にかかわらず上昇したHbA1c値、治療にかかわらず障害のある空腹時グルコース値、インシュリン治療の必要性、顕性タイプ2糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症又は大血管性の合併症のリスクを減少させることを特徴とする使用。
【請求項3】
大血管性の合併症が、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、出血性又は虚血性脳卒中、末梢動脈閉塞障害(peripheral arterial occlusive disease)、心筋症、左心不全、右心不全、全心不全(global heart insufficiency)、心拍障害及び血管再狭窄から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
医薬組成物を、前糖尿病、耐糖能障害又は病的な空腹時グルコースであると診断された患者の治療処理のために使用することを特徴とする、請求項1の使用。
【請求項5】
医薬組成物を、糖尿病性高脂血症又は糖尿病性異常脂質血症であると診断された患者の治療処理のために使用する、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
医薬組成物を、妊娠性糖尿病の治療処理のために使用する、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
医薬組成物を、高血糖症又はアドレナリン作動性の食後の症状を治療処理するために使用する、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
医薬組成物を、心不全の治療処理のために使用する、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
医薬組成物を用いることによって、HbA1c値のさらなる上昇、空腹時グルコースの悪化及びインシュリン治療に対する要求のリスクを削減させる、請求項2に記載の使用。
【請求項10】
式(I)又は式(II)のDPP IVインヒビター又はその1の塩の使用であって;
【化5】

【化6】

(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)
他の抗糖尿病薬;血糖レベルを下げる活性物質;血液中の脂質レベルを下げる活性物質;血液中のHDLレベルを上昇させる活性物質;血圧を下げる活性物質;アテローム性動脈硬化又は肥満の治療において適応とされる活性物質から選択される活性物質との薬物の組み合わせを調製するための使用。
【請求項11】
DPP IVインヒビターと他の抗糖尿病薬又は血圧を低下させる活性物質の薬物の組み合わせを調製する、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
DPP IVインヒビターとメトホルミン、ピオグリタゾン、ミグリトール、アトルバスタチン、バルサルタン又はテルミサルタンの薬物の組み合わせを調製する、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
薬物の組み合わせを、前糖尿病、耐糖能障害、病的な空腹時グルコース、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1糖尿病、妊娠性糖尿病、心不全、高血糖症及びアドレナリン作動性の食後の症状から選択される生理的な機能障害であると診断された患者を治療処理するために使用する、請求項10に記載の使用。
【請求項14】
媒体が、ランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上するために1nmol/lから1μl/lのDPP IVインヒビターを含む、ランゲルハンス島又はβ細胞用の単離又は貯蔵媒体。
【請求項15】
DPP IVインヒビター又はその1の塩の構造が式(I)又は式(II)で記載される請求項14の媒体;
【化7】

【化8】

(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)
【請求項16】
DPP IVインヒビターを含有する、ランゲルハンス島又はβ細胞の活力及び分泌能力を向上するための医薬組成物であって、ランゲルハンス島又はβ細胞の単離及び移植相の間、DPP IVインヒビターを1nmol/lから1μmol/lの濃度で単離及び貯蔵媒体に添加することを特徴とする前記医薬組成物
【請求項17】
患者が前糖尿病、耐糖能障害、病的な空腹時グルコース、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症、新たに診断されたタイプ1糖尿病、妊娠性糖尿病、心不全、高血糖症及びアドレナリン作動性の食後の症状から選択された生理的な機能障害であると診断されていることを特徴とする、患者の治療のための又は移植されたランゲルハンス島又はβ細胞を有する患者の治療のための、DPP IVインヒビターを含有する医薬組成物
【請求項18】
治療が、治療にかかわらず障害のあるグルコース代謝、治療にかかわらず上昇したHbA1c値、治療にかかわらず障害のある空腹時グルコース値、インシュリン治療の必要性、顕性タイプ2糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症又は大血管性の合併症のリスクを削減する事を特徴とする、DPP IVインヒビターを含有する前糖尿病又はタイプ2糖尿病患者の治療のための医薬組成物
【請求項19】
患者が心不全に罹患していることを特徴とする、患者の治療のための、DPP IVインヒビターを含有する医薬組成物
【請求項20】
薬物の組み合わせが、前糖尿病又は顕性タイプ2糖尿病であると診断された患者の治療のためのものであり、薬物の組み合わせを用いることによって、治療にかかわらず障害のあるグルコース代謝、治療にかかわらず上昇したHbA1c値、治療にかかわらず障害のある空腹時グルコース値、インシュリン治療の必要性、顕性タイプ2糖尿病、糖尿病性足病変、糖尿病が誘発する潰瘍、糖尿病性高脂血症、糖尿病性異常脂質血症又は大血管性の合併症のリスクを減少させることを特徴とする、請求項10記載の使用。
【請求項21】
DPP IVインヒビターとメトホルミンとの薬物の組み合わせが調製されることを特徴とする、請求項10、13又は20記載の使用。
【請求項22】
DPP IVインヒビターとピオグリタゾンとの薬物の組み合わせが調製されることを特徴とする、請求項10、13又は20記載の使用。
【請求項23】
DPP IVインヒビターとテルミサルタンとの薬物の組み合わせが調製されることを特徴とする、請求項10、13又は20記載の使用。

【公開番号】特開2010−159305(P2010−159305A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100899(P2010−100899)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2009−508347(P2009−508347)の分割
【原出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】