説明

Dll4アンタゴニストによって腫瘍増殖を阻害する治療方法

ヒトデルタ様リガンド4(Dll4)活性を阻害することができる薬剤を、それを必要とする対象へ投与する段階を含む、腫瘍の発生または増殖を阻害するための治療方法を開示する。一つの態様において、本薬剤は、Notch受容体へのDll4の結合を阻害することができる抗Dll4抗体または抗体断片である。別の態様において、本薬剤は、Fcドメインなどの多量体形成成分と融合するDll4の細胞外ドメインまたはその断片もしくは変異体を含む融合タンパク質である。本発明の方法は、特に他の治療薬に応答しない腫瘍において、腫瘍増殖を阻害するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、デルタ様リガンド4(delta-like ligand 4(Dll4))アンタゴニストによって腫瘍増殖を阻害する方法に関する。Dll4アンタゴニストは特に、他の抗腫瘍剤に非応答性の腫瘍における腫瘍増殖を処置するのに有用である可能性がある。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
関連技術の説明
Notchシグナル伝達経路は、分化、増殖、およびホメオスタシスなど多くの生物学的プロセスに対して、幅広い真核生物によって用いられている細胞間連絡のためのシステムである。デルタ様4(Dll4)またはデルタ様リガンド4(Dll4)(以降「Dll4」)は、血管内皮による高い選択的発現を示すNotchリガンドのデルタファミリーのメンバーである(Shutter et al. (2000) Genes Develop.14:1313-1318(非特許文献1))。Dll4は、Notch1およびNotch4を含むNotch受容体のリガンドである。ヒトおよびマウスのDll4に対する核酸およびアミノ酸配列は、それぞれSEQ ID NO:1、2およびSEQ ID NO:3、4に示す。遺伝子標的化Dll4マウスが作製されている(Duarte et al. (2004) Genes & Dev. 18: doi: 10.1101/gad.1239004(非特許文献2); Krebs et al. (2004) Genes & Dev. 18: doi: 10.1101/gad.1239204(非特許文献3): Gale et al. (2004) Proc Natl Acad Sci USA 101:15949-15954(非特許文献4))。
【0003】
【非特許文献1】Shutter et al. (2000) Genes Develop.14:1313-1318
【非特許文献2】Duarte et al. (2004) Genes & Dev. 18: doi: 10.1101/gad.1239004
【非特許文献3】Krebs et al. (2004) Genes & Dev. 18: doi: 10.1101/gad.1239204
【非特許文献4】Gale et al. (2004) Proc Natl Acad Sci USA 101:15949-15954
【発明の開示】
【0004】
発明の簡単な概要
以下に記載する実験は、特に血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニストなど他の抗腫瘍剤に応答しない腫瘍において腫瘍増殖を阻害するのに、Dll4アンタゴニストが有効であることを示す。
【0005】
第一の局面において、本発明は、Dll4を阻害することができるDll4アンタゴニストを特徴とする。一つの態様において、Dll4アンタゴニストは抗体または抗体断片であり、Dll4に特異的に結合し、例えばNotch1などのNotch受容体へのDll4の結合をブロックする。別の態様において、本発明のDll4アンタゴニストは、多量体形成成分(multimerizing component)と融合するDll4の細胞外ドメインまたはその断片を含む融合タンパク質である。
【0006】
本発明の方法に用いる抗体または抗体断片は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってよく、ヒト化抗体、キメラ抗体、または完全ヒト抗体であってもよい。好ましくは抗体は、完全ヒトモノクローナル抗体であるか、またはモノクローナル抗体断片である。抗体断片は、例えば一本鎖抗体、Fab、F(ab')2、ペプチボディ(peptibody)などであってよい。
【0007】
Dll4アンタゴニストが融合タンパク質である場合、Dll4の細胞外ドメインまたはその断片もしくは改変断片は、多量体形成成分と融合する。多量体形成成分は好ましくは、例えばFcドメイン、例えばヒトFc(SEQ ID NO:20)などの免疫グロブリンドメインである。融合タンパク質は任意で、シグナル配列を含んでもよく、シグナル配列は、細胞由来、組換え、または合成であってもよい。
【0008】
第二の局面において、本発明は、血管の成長または発生の阻害に有用な薬学的組成物を特徴とし、これはDll4活性を阻害することができる薬剤と薬学的に許容される担体とを含む。一つの態様において、薬剤は、Notch受容体へのDll4の結合をブロックする抗体または抗体断片である。好ましくは、Dll4アンタゴニストは、Notch1受容体へのDll4の結合を阻害することができる完全ヒト抗体またはその断片である。別の態様において、薬剤は、改変されたDll4タンパク質であり、このタンパク質はそのNotch受容体へ結合することができるが、その結合は受容体の活性化をもたらさない。
【0009】
第三の局面において、本発明は、Dll4が介在する状態を処置する方法を特徴とし、本方法は、Dll4活性または発現を阻害することができる薬剤を投与する段階を含む。Dll4が介在する状態は、血管の成長または発生を阻害することが望ましい状態である。本発明のDll4アンタゴニストは特に、他の治療薬に応答しないかまたは最適な応答性に満たない腫瘍を処置するのに有用である可能性がある。Dll4アンタゴニストは、機能的血管の生成および腫瘍への酸素送達をブロックし得る。特定の態様において、アンタゴニストは、抗Dll4抗体もしくは抗体断片、または融合タンパク質である。抗Dll4抗体または抗体断片は好ましくは、Dll4がNotch1受容体に結合するのを阻害する。本発明の融合タンパク質は、天然の細胞外領域の断片を含み、この断片は、Notch受容体への結合能を保持し、Dll4の細胞質側末端と膜貫通領域を欠く。一つの態様において、VEGFアンタゴニストによる処置に応答しない腫瘍を処置するために、本発明のDll4アンタゴニストを治療的に用いる。
【0010】
さらなる局面において、本発明は、腫瘍の発生または増殖を阻害するために、デルタ様リガンド4(Dll4)活性を阻害することができる薬剤を、それを必要とする対象に使用することを特徴とする。一つの態様において、薬剤は、抗体または抗体断片であり、ポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかである。薬剤が抗体または抗体断片である場合、それはヒト化抗体、キメラ抗体、もしくは完全ヒト抗体、または抗体断片であってよい。いくつかの態様において、抗体断片は、一本鎖抗体、Fab、またはF(ab')2である。一つの態様において、Dll4アンタゴニストは、多量体形成成分に融合したDll4の断片である。一つの局面において、本発明は、第一の治療薬としての、上記で定義したようなDll4活性を阻害することができる薬剤の使用、および腫瘍の発生または増殖を阻害するための医薬の製造における、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害因子であるさらなる治療薬の使用を特徴とする。好ましくは、VEGF阻害因子は、抗VEGF抗体またはVEGFトラップである。VEGF阻害因子がVEGFトラップである場合、薬剤は、SEQ ID NO:19に示すアミノ酸配列を有するタンパク質である。
【0011】
他の目的および利点は、以下の詳細な説明を精査すれば明らかとなろう。
【0012】
詳細な説明
本発明の方法を記載する前に、本発明は、記載する特定の方法および実験条件に限定されるものではなく、方法および実験は変更できることが理解されるべきである。同様に、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるため、本明細書で使用する専門用語は特定の態様の説明のみを目的にしており限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される、単数形の「1つの(a)」「ある(an)」、および「その(the)」とは、文脈上で明確に規定されない限り、複数の言及も含む。したがって、例えば「方法(a method)」への言及は、1つまたは複数の方法、ならびに/または本明細書に記載される種類の段階、および/もしくは本開示およびその他を読むことで当業者に明白となる種類の段階を含む。
【0014】
特記されない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の実施または試験においては本明細書に記載されたものと類似のまたは同等の任意の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。
【0015】
定義
「Dll4が関連する」または「Dll4が介在する」状態または疾患という用語は、Dll4活性の調節によって直接または間接的に影響を受ける状態を意味する。より具体的には、Dll4は現在、血管の成長および発生に関与することが示されている。したがって、一つの態様において、本発明の方法によって処置可能なDll4に関連する状態は、例えば腫瘍発生の阻害のために、Dll4が介在する血管の成長または発生または成熟を阻害または低減することが望ましい状態である。
【0016】
「阻害因子」または「アンタゴニスト」という用語は、化学的または生理的な反応または応答を、遅延させるかまたは阻止する物質を意味する。Dll4活性の阻害は、例えば阻止抗体による受容体活性化の阻害を介した直接的なものであっても、またはDll4をコードする遺伝子の発現を干渉することでもたらされる間接的なものであってもよい。一般的な阻害因子には、アンチセンス分子、抗体、可溶性受容体、アンタゴニスト、およびそれらの誘導体、ならびにそれらのNotch受容体に結合するがその結合を介するシグナル伝達を活性化できない改変されたDll4リガンドが含まれるがそれらに限定されない。
【0017】
「中和」または「阻止」抗体は、Dll4に結合して、Dll4の生物活性の阻害をもたらす抗体を指すことを意図している。このDll4の生物活性の阻害は、Dll4生物活性の1つまたは複数の指標を測定することにより評価することができる。Dll4生物活性のこれらの指標は、当技術分野で公知のインビトロまたはインビボアッセイにおけるいくつかの標準のうち1つまたは複数によって評価することができる(下記の実施例を参照されたい)。好ましくは、Dll4活性を中和する抗体の能力は、Notch1などのNotch受容体へのDll4の結合を阻害することにより評価する。
【0018】
概要
デルタ様/Notchシグナル伝達経路は、発生過程で、秩序だった階層的な脈管構造を確立するのに必要である。Dll4を含む様々なデルタ様/Notch遺伝子の標的化された欠失により、マウスは重篤な血管欠陥のため胚発生の課程で死亡する。マイクロアレイ分析を用いて、本発明者らは、マウス異種移植腫瘍モデルでVEGF調節遺伝子であるデルタ様リガンド4(Dll4)を見出した。さらに、これらの腫瘍モデルで、隣接する正常皮膚と比較して、腫瘍血管でDll4発現が有意に高いことを見出した。腫瘍内のDll4/Notchシグナル伝達をブロックする作用を調査するために、異種移植研究をマウスで実施した。この研究において、可溶性Dll4-Fc分子を、腫瘍細胞内でのレトロウイルスによる過剰発現により局所的に送達するか、またはアデノウイルスによるアプローチの使用もしくは精製したタンパク質の注入により全身に送達した。Dll4-Fcを送達するすべての方法は、対照と比較して、腫瘍増殖の低下をもたらした。さらに、Dll4-Fcで処理した腫瘍血管は、対照よりも多く枝分かれし、高密度な血管の出芽を伴い細密なネットワークを形成したが、これらの血管は、対照腫瘍のものよりも効率が低かった。アレイおよびTaqman(商標)分析により明らかになったように、これらの作用はNotchシグナル伝達の低下に関連した。マウスの全身に注射したポリクローナル抗体溶液を用いて、腫瘍増殖に対する類似の作用も同様に観察された。このポリクローナル抗体溶液がDll4がNotch1受容体に結合するのを阻害することもまた、見出された。さらに、VEGFの受容体ベースの遮断剤(「VEGFトラップ」、米国特許第7,070,959号)よりも、Dll4-Fcが特定の腫瘍の増殖を低下させるのにより効果的であることが見出された。これらの所見は、Dll4が腫瘍増殖において重要な役割を担うことを示し、抗血管形成療法の開発のための標的としてDll4を支持する。
【0019】
Dll4アンタゴニスト
Dll4アンタゴニストには、Dll4がNotch受容体(例えばNotch1)に結合するのを防ぐことができるDll4に対する抗体およびそれらの断片、多量体形成成分と融合するDll4の細胞外ドメインを含む融合タンパク質またはそれらの断片、ならびにペプチドおよびペプチボディが含まれる(例えば米国特許出願公開第2003/0229023号、Oliner et alを参照されたい)。
【0020】
Dll4抗体
本明細書で使用する「免疫グロブリンまたは抗体」という用語は、免疫グロブリン遺伝子またはその断片に由来するフレームワーク領域を含む、ヒトを含む哺乳動物のポリペプチドを意味する。これは、抗原を特異的に結合および認識し、抗原は、本発明の場合、Dll4タンパク質またはその一部である。意図された抗体または抗体様タンパク質を哺乳動物の治療薬として使用する場合、免疫グロブリン結合領域は、対応する哺乳動物の免疫グロブリンに由来しなければならない。分子が診断およびELISAなどの非治療的用途に対して意図される場合、免疫グロブリン結合領域は、ヒトまたは例えばマウスなどの非ヒト哺乳動物のいずれかに由来してよい。ヒト免疫グロブリン遺伝子または遺伝子断片は、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμの定常領域、加えて無数の免疫グロブリン可変領域の遺伝子を含む。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖はγ、μ、α、δ、またはεとして分類され、次いで、それぞれ免疫グロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを定義する。各IgGクラス内には、異なるアイソタイプ(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)およびそれらのアロタイプが存在する。
【0021】
ヒトIgGの例示的な免疫グロブリン(抗体)の構造的単位には、四量体が含まれる。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成され、各対は、一つの軽鎖(約25 kD)および一つの重鎖(約50 kD〜70 kD)を有する。各鎖のN末端は、主として抗原認識に関与する約100個〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を定義する。「可変軽鎖(VL)」および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖を指す。
【0022】
抗体は、無傷の免疫グロブリンとして、または様々なペプチダーゼでの消化により作製された十分特徴付けられた多数の断片として、存在する。例えば、ペプシンはヒンジ領域内のジスルフィド結合より下で抗体を消化し、F(ab)'2、すなわちそれ自身ジスルフィド結合によりVH-CHに連結された軽鎖であるFabの二量体を生成する。F(ab)'2は、ヒンジ領域内のジスルフィド結合を切断するように穏やかな条件下で還元され、それによりF(ab)'2二量体はFab'単量体へと変換され得る。このFab'単量体は本質的に、ヒンジ領域の一部を有するFabである。様々な抗体断片は無傷の抗体の消化によって定義されるが、当業者は、そのような断片を化学的に、または組換えDNA方法の使用のいずれかにより、新たに合成してもよいことを認識しているであろう。したがって、本明細書で使用する抗体という用語はまた、抗体全体の改変により作製される抗体断片、または組換えDNA方法を用いて新たに合成される抗体断片(例えば、一本鎖Fv(scFv)単一可変ドメイン(Dabs))、またはファージ、大腸菌(E. coli)もしくは酵母ディスプレイライブラリーなどのディスプレイライブラリーを使用して同定される抗体断片のいずれかを含む(例えば、McCafferty et al. (1990) Nature 348:552-554を参照されたい)。
【0023】
抗体を調製する方法は当技術分野において公知である。例えば、Kohler & Milstein (1975) Nature 256:495-497; Harlow & Lane (1988) Antibodies: a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, NYを参照されたい。マウス、ラット、ウサギ、ウシなどヒト以外の生物から単離した抗体を、キメラ化またはヒト化を介して、よりヒト様にすることができる。
【0024】
「ヒト化」またはキメラ型の非ヒト(例えばマウス)抗体は、免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらの断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')2、または抗体の他の抗原結合サブシークエンス)であり、これらは非ヒト免疫グロブリン由来の抗原結合に必要な最小配列を含む。これらは、キメラまたはヒト化抗体の構築のための出発物質を提供するマウス抗体または他の非ヒト抗体と、同じまたは類似の結合特異性および親和性を有する。キメラ抗体とは、典型的に遺伝子操作により、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから、その軽鎖および重鎖の遺伝子が構築されている抗体である。例えば、マウスモノクローナル抗体由来の遺伝子の可変(V)セグメントは、IgG1およびIgG4などのヒト定常(C)セグメントに結合し得る。したがって典型的なキメラ抗体は、マウス抗体由来のVドメインまたは抗原結合ドメインとヒト抗体由来のCドメインまたはエフェクタードメインとからなるハイブリッドタンパク質である。ヒト化抗体は、ヒト抗体(アクセプター抗体と呼ぶ)に実質的に由来する可変領域フレームワーク残基と、マウス抗体(ドナー免疫グロブリンと称する)に実質的に由来する相補性決定領域(CDR領域)とを有する。Queen et al., Proc. Natl. Acad Sci USA 86:10029-10033 (1989)、ならびに国際公開公報第90/07861号、米国特許第5,693,762号、第5,693,761号、第5,585,089号、第5,530,101号、および第5,225,539号を参照されたい。定常領域は、存在する場合、同様にヒト免疫グロブリンに実質的にまたは完全に由来する。ヒト可変ドメインは通常ヒト抗体から選択され、そのヒト抗体のフレームワーク配列は、CDRが由来するマウスの可変領域ドメインと高い配列同一性を示す。重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク残基は、同じまたは異なるヒト抗体配列に由来してもよい。ヒト抗体配列は、天然のヒト抗体の配列であってよく、またはいくつかのヒト抗体のコンセンサス配列であってもよい。国際公開公報第92/22653号を参照。ヒト可変領域フレームワーク残基由来の特定のアミノ酸は、CDRコンホメーションおよび/または抗原への結合に対するそれらの可能性のある影響に基づき、置換のために選択される。そのような可能性のある影響の調査は、モデリング、特定の位置でのアミノ酸の特徴の検討、または特定のアミノ酸の置換もしくは変異誘発の効果の実験的観察による。例えば、アミノ酸が、マウスの可変領域フレームワーク残基と選択したヒト可変領域フレームワーク残基との間で異なる場合、ヒトフレームワークアミノ酸は通常、アミノ酸が以下であることが当然予想される場合、マウス抗体由来の相当するフレームワークアミノ酸によって置換される:(1)抗原に直接非共有結合する;(2)CDR領域に隣接する;(3)他の方法でCDR領域と相互作用する(例えばCDR領域の約6Å以内にある)、または(4)VL-VHインターフェイスに関与する。置換のための他の候補は、その位置でヒト免疫グロブリンに関して通常ではないアクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。これらのアミノ酸は、マウスドナー抗体の相当する位置由来のアミノ酸またはより典型的なヒト免疫グロブリンの相当する位置由来のアミノ酸と置換することができる。置換のための他の候補は、その位置でヒト免疫グロブリンに関して通常ではないアクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。ヒト化免疫グロブリンの可変領域フレームワークは通常、ヒト可変領域フレームワーク配列またはそのような配列のコンセンサスと、少なくとも85%の配列同一性を示す。
【0025】
ヒト抗体を作製する方法には、例えばVelocImmune(商標)(Regeneron Pharmaceuticals), XenoMouse(商標)技術(Abgenix)、「ミニ遺伝子座(minilocus)」アプローチ、およびファージディスプレイが含まれる。VelocImmune(商標)技術(米国特許第6,596,541号)は、選択された抗原に対して高い特異性を持つ完全ヒト抗体を作製する方法を包含する。この技術は、内因性マウス定常領域遺伝子座に機能的に結合したヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスの作製を伴い、これによってマウスは、抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を産生する。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、ヒトの重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに機能的に結合させる。次いでこのDNAを、完全ヒト抗体を発現できる細胞内で発現させる。特定の態様において、細胞はCHO細胞である。
【0026】
XenoMouse(商標)技術(Green et al. (1994) Nature Genetics 7:13-21)は、重鎖とκ軽鎖の遺伝子座両方に由来するヒトの可変領域および定常領域を両方有するマウスを作製する。代替のアプローチにおいて、Ig遺伝子座由来の個々の遺伝子を含むことを介して、外因性Ig遺伝子座が模倣される「ミニ遺伝子座」アプローチを利用するものがある(例えば米国特許第5,545,807号を参照されたい)。ヒトの重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAへの機能的な結合を伴うかまたは伴わずに、可変領域をコードするDNAを単離することができる。
【0027】
別の方法では、抗体、可変ドメインなどの抗体断片、およびDll4に特異的に結合するヘテロマーFab断片を同定するために、ファージディスプレイ技術または関連するディスプレイ技術を使用することができる(例えば、米国特許出願公開第2003/0229023号を参照されたい)。
【0028】
好ましい免疫グロブリン(抗体)のスクリーニングおよび選択は、当技術分野において公知の様々な方法により行うことができる。Dll4に特異的なモノクローナル抗体の存在についての最初のスクリーニングは、例えばELISAに基づく方法またはファージディスプレイの使用により行ってもよい。好ましくは、所望のモノクローナル抗体を同定し選択するために、第二のスクリーニングを行う。第二のスクリーニングは、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって行ってもよい。「バイオセンサー改変アシストプロファイリング(Biosensor Modification-Assisted Profiling)」(「BiaMAP」)と呼ばれる一つの好ましい方法は、米国特許出願公開第2004/101920号に記載される。BiaMAPは、所望の特徴を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンの迅速な同定を可能にする。より具体的には、モノクローナル抗体を、抗体と抗原の相互作用の評価に基づいて別個のエピトープ関連群に分類する。別の方法では、ELISAに基づくアッセイ、ビーズに基づくアッセイ、またはBiacore(登録商標)に基づく競合アッセイを用いて、Dll4の異なるエピトープに結合するためリガンドに高い親和性で結合するよう協力する可能性が高い結合対を同定することができる。
【0029】
Dll4融合タンパク質
Dll4アンタゴニストが融合タンパク質である場合、多量体形成成分は、以下からなる群より選択されてもよい:(i)免疫グロブリンドメイン、(ii)切断された多量体形成成分、(iii)任意で少なくとも1つのシステイン残基を含む1〜約500アミノ酸長のアミノ酸配列、(iv)ロイシンジッパー、(v)へリックスループモチーフ、および(vi)コイル-コイルモチーフ。好ましい態様において、多量体形成成分は免疫グロブリンドメインであり、好ましくはFcドメイン、例えばヒトFc(SEQ ID NO:20)である。融合タンパク質はシグナル配列を任意で含んでもよく、このシグナル配列は、細胞からポリペプチドまたはタンパク質を分泌させるための当業者に公知の任意の配列を含有してもよく、天然または合成の配列を含んでもよい。一般に、シグナル配列は本発明の融合タンパク質の開始部またはアミノ末端に位置している。そのようなシグナル配列は、細胞由来、組換え、または合成であってもよい。本発明の融合タンパク質の成分は互いに直接結合するか、または一つもしくは複数のスペーサー配列を介して結合する可能性がある。一つの好ましい態様において、前記の成分は互いに直接融合する。他の好ましい態様において、前記の成分は、1〜200アミノ酸のスペーサーをコードする核酸配列によって連結される。当技術分野で公知の任意のスペーサーを使用して、前記のタンパク質成分を連結させてもよい。スペーサー配列は同様に、融合タンパク質の発現を増強するため、制限部位を提供するため、および成分ドメインが最適な三次構造および四次構造を形成することを可能にするため、ならびに/または成分とその受容体との相互作用を増強するために使用される配列を含んでもよい。一つの態様において、本発明の融合タンパク質は、1〜25アミノ酸である1つまたは複数の成分の間の1つまたは複数のペプチド配列を含む。
【0030】
Dll4の細胞外ドメインは、Delta/Serrate/Lag-2(DSL)ドメイン、および直列に並んだ8つの上皮成長因子(EGF)様リピートから構成される。通常、EGFドメインは、hDll4(SEQ ID NO:2)のおよその位置218〜251(ドメイン1)、252〜282(ドメイン2)、284〜322(ドメイン3)、324〜360(ドメイン4)、および362〜400(ドメイン5)に出現すると認識され、DSLドメインは約173〜217位にあり、N末端ドメインは約27〜172位である。特定の態様において、Dll4活性を阻害することができるhDll4アンタゴニストは、hFc(SEQ ID NO:20)に融合したSEQ ID NO:2のアミノ酸約27〜約172を含むDSL-hFc(SEQ ID NO:21)、hFcに融合したSEQ ID NO:2の約27〜172を含むN末端ドメイン-DSL-hFc(SEQ ID NO:22)、hFcに融合した約218〜400を含むEGFドメイン1-5-hFc(SEQ ID NO:23)、hFcに融合した約218〜360を含むEGFドメイン1-4-hFc(SEQ ID NO:24)、hFcに融合した約218〜322を含むEGFドメイン1-3-hFc(SEQ ID NO:25)、hFcに融合した約218〜282を含むEGFドメイン1-2-hFc(SEQ ID NO:26)、または任意でドメイン成分間のリンカーを含むそれらの変種である。融合タンパク質の成分はまた、Dll4アンタゴニストとして作用する能力を保持したまま、様々な立体配置で配置され得る。
【0031】
投与方法
本発明は、有効量の本発明の薬剤を対象に投与する段階を含む処置方法を提供する。好ましい局面において、薬剤は実質的に精製されている(例えば、その効果を制限する物質、または望ましくない副作用をもたらす物質を実質的に含まない)。対象は好ましくは、動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどであり、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトである。
【0032】
例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、本化合物を発現することが可能な組換え細胞、受容体によるエンドサイトーシス(例えばWu and Wu, 1987, J. Biol. Chem. 262:4429-4432を参照されたい)、レトロウイルスベクターまたは他のベクターの一部としての核酸の構築など、様々な送達系が公知であり、本発明の薬剤を投与するのに使用することができる。導入方法は、経腸または非経口的であり、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口の経路が含まれるがこれらに限定されない。都合の良い任意の経路により、例えば、注入またはボーラス注射により上皮または粘膜皮膚の内層(例えば、口腔粘膜、直腸腸管粘膜など)を通じた吸収により、本化合物を投与してもよく、他の生物学的活性薬剤と共に投与してもよい。投与は、全身的または局所的なものであり得る。さらに、本発明の薬学的組成物は、脳室内および髄腔内注射を含む任意の適した経路によって中枢神経系に導入することが望ましく、脳室内注射は、脳室内カテーテル、例えばオンマヤリザーバーのようなリザーバーに結合した脳室内カテーテルによって容易になる。肺投与も同様に採用することができる(例えば、吸入器または噴霧器の使用によるもの、およびエアロゾル化薬剤を含む処方によるもの)。
【0033】
特定の態様において、処置を必要とする領域に対して、本発明の薬学的組成物を局所的に投与することが望ましい可能性がある。これは、限定するわけではないが、例えば手術中の局所的な注入、例えば注射、カテーテル手段、またはシラスティック膜などの膜、繊維、もしくは市販の皮膚代用物を含み、多孔性材料、非多孔性材料、もしくはゼラチン状の材料で作られたインプラントによるインプラント手段などの局部適用により達成してもよい。
【0034】
他の態様において、活性薬剤は、小胞、特にリポソームにより送達することができる(Langer (1990) Science 249:1527-1533を参照されたい)。さらに別の態様において、活性薬剤は制御放出系により送達される。一つの態様において、ポンプを使用してもよい(Langer (1990)上記参照)。他の態様において、ポリマー材料を使用することができる(Howard et al. (1989) J. Neurosurg. 71 :105を参照されたい)。本発明の活性薬剤がタンパク質をコードする核酸である他の態様において、適切な核酸発現ベクターの一部として本核酸を構築し、例えばレトロウイルスベクターを用いることにより(例えば米国特許第4,980,286号を参照)、または直接注射することにより、または微粒子銃(microparticle bombardment)(例えば遺伝子銃;Biolistic, Dupont)を使用することにより、または脂質、もしくは細胞表面受容体、もしくはトランスフェクション剤をコーティングすることにより、または細胞核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに連結させて投与すること(例えば、Joliot et al., 1991 , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1864-1868を参照)などにより、本核酸が細胞内となるように投与することによって、本核酸をインビボで投与し、それがコードするタンパク質の発現を促進させてもよい。他の方法では、核酸を細胞内に導入して、発現のために、相同的組換えによって宿主細胞DNA内に組み入れることができる。
【0035】
薬学的組成物
本発明はまた、薬学的組成物を提供する。このような組成物は、治療的有効量の活性薬剤および薬学的に許容される担体を含む。「薬学的に許容される」という用語は、動物、より具体的にはヒトへの使用に対して、連邦政府または州政府の規制当局により認可されている、または米国薬局方もしくは一般に認められている薬局方に記載されていることを意味する。「担体」という用語は、治療を施す際に用いる希釈剤、免疫賦活剤、賦形剤、または溶媒を指す。このような薬学的坦体は、無菌の液体(例えば、水および油(石油、動物、植物、または合成起源のもの(例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油など)を含む))であり得る。適切な薬学的賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。必要な場合、本組成物はまた、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放製剤などの形態を採ることができる。本組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドのような担体と共に坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、製薬グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含むことができる。適切な薬学的担体の例は、E. W. Martinにより、「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。
【0036】
好ましい態様では、日常的な手順に従い、ヒトへの静脈内投与に適合した薬学的組成物として、本組成物を製剤化する。必要な場合、本組成物は、溶解剤、および注射部位の痛みを和らげるためのリドカインなどの局所麻酔剤を含んでもよい。本組成物が注入によって投与されるものである場合、本組成物は、滅菌した製薬グレードの水または生理食塩水の入った注入ボトルを用いて調剤することができる。本組成物が注射によって投与される場合、投与の前に成分を混合できるように、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
【0037】
本発明の活性物質は、中性のまたは塩の形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、遊離アミノ基(例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するのもの)と共に形成された塩、および遊離カルボキシル基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するもの)と共に形成された塩が含まれる。
【0038】
Dll4が介在する状態の処置に効果的であると考えられる本発明の活性薬剤の量は、本記載に基づく標準的な臨床的技術によって決定することができる。さらに、任意で、最適な用量範囲の同定を補助するのにインビトロアッセイを用いてもよい。製剤において用いられる正確な用量はまた、投与経路および状態の重篤度に依存し、医師の判断および各対象の状況に従って決定すべきである。しかしながら、静脈内投与の適切な用量範囲は、一般にキログラム体重当たり活性化合物約0.5〜20 mgである。鼻腔内投与に適した用量範囲は、一般に約0.01 pg/kg体重〜1 mg/kg体重である。インビトロ系または動物モデル試験系から得た用量応答曲線から、有効用量を推定してもよい。
【0039】
併用療法
多くの態様において、本発明のDll4アンタゴニストは、1つまたは複数の追加の化合物または療法と組み合わせて投与してもよい。例えば、複数の融合タンパク質または抗Dll4抗体を、1つまたは複数の治療的化合物と同時投与、すなわち1つまたは複数の治療的化合物と併せて投与することができる。好ましい態様において、本発明のDll4阻害因子を、抗VEGF抗体またはVEGFトラップなどのVEGFアンタゴニストと共に投与する。VEGFトラップの好ましい態様(国際公開公報第00/75319号に記載の通り)は、VEGFR1R2-FcΔC1(a)である。
【0040】
本明細書で使用する「細胞障害性薬剤」という用語は、細胞の機能を阻害もしくは防止し、かつ/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射性同位体(例えば、I131、I125、Y90、およびRe186)、化学療法剤、および細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素的に活性な毒素またはこれらの断片などの毒素を含むことが意図される。
【0041】
併用療法には、本発明のDll4アンタゴニストおよび1つまたは複数のVEGFアンタゴニストを含む単一の薬学的投与製剤の投与、ならびにそれぞれ別個の薬学的投与製剤でのDll4アンタゴニストおよび1つまたは複数の追加の薬剤の投与が含まれる。例えば、Dll4アンタゴニスト、および細胞障害性薬剤、化学療法剤、または増殖阻害剤を、混合製剤のような単一投与組成物として、一緒に患者に投与することができ、または各薬剤を別々の投与製剤として投与することができる。別個の投与製剤を使用する場合、本発明の融合タンパク質および1つまたは複数の追加の薬剤を、同時に、または個々のずらした時間で、すなわち連続的に、投与することができる。
【0042】
「化学療法剤」とは、癌の処置に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例には、アルキル化剤(例えば、チオテパおよびシクロスホスファミド(cyclosphosphamide)(CYTOXAN(登録商標)));アルキルスルホン酸(例えば、ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン);アジリジン(例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メトウレドパ(meturedopa)、およびウレドパ(uredopa));エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)を含む);ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード);ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン);抗生物質(例えば、アクラシノミシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6ージアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン);代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU));葉酸アナログ(例えば、デノプテリン(denopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート);プリンアナログ(例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン);ピリミジンアナログ(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン);アンドロゲン(例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン);抗副腎剤(例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン);葉酸補充剤(例えば、フォリン酸(frolinic acid));アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エフロールニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2, 2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン(例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標);Aventis Antony, France);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン);ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;ならびに上記いずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれる。この定義にはまた、腫瘍に対するホルモンの作用を調節または阻害するよう作用する抗ホルモン剤(例えば、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害性4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(Fareston)を含む);ならびに抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン))ならびに上記いずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体も含まれる。
【0043】
本明細書で使用する場合、「増殖阻害剤」とは、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞、特に癌細胞の増殖を阻害する化合物または組成物を指す。増殖阻害剤の例には、G1期停止およびM期停止を誘発する薬剤などの、細胞周期の進行を(S期以外の時期に)遮断する薬剤が含まれる。典型的なM期遮断剤には、ビンカ類(ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、TAXOL(登録商標)、ならびにドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、およびブレオマイシンのようなトポII阻害剤が含まれる。G1期停止をもたらすこれらの薬剤はまた、S期停止にも影響を及ぼす(例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、およびara-Cなどの、DNAアルキル化剤)。
【0044】
実施例
以下の実施例は、本発明の方法および組成物を実現し使用する方法に関する完全な開示および説明を当業者に提供するために記載されており、本発明者らが発明とみなす範囲を限定することは意図していない。使用する数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するよう努めているが、ある程度の実験誤差および偏差は酌量されるべきである。特記しない限り、部分は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
【0045】
実施例1:マウスにおけるDll4遺伝子のターゲティング
遺伝子ターゲティング
Velocigene(商標)技術(Valenzuela et al. (2003) Nat. Biotechnol. 21:652-9)を用いて、開始コドンから終止コドンに渡るDll4コード領域(コーディングエキソンおよび介在するイントロンすべてを含む8.1 kBの領域に相当する)を正確に欠失させ、βガラクトシダーゼレポーター遺伝子およびネオマイシン選択カセットと交換した。簡潔には、8.1 kbのDll4コード領域と140Kbの隣接配列を含む細菌人工染色体(BAC)(Incyte Genomicsから入手した129/SvJ BACライブラリー由来のクローン475d4)を改変して、BACを基礎にしたターゲティングベクターを生成し、このベクターを次いで直線化し、ターゲティングベクターとして用いてF1H4(C57BL/6:129ハイブリッド)マウス胚性幹(ES)細胞内でDll4遺伝子を置換した。天然のアレル欠失(LONA)アッセイ(Valenzuela et al. (2003)上記)を用いて、正しく標的化した胚性幹細胞を同定した。独立して正しく標的化した2つのES細胞株を用いて、ES由来の精子を完全に伝達するキメラのオスマウスを作製した。次いでキメラをC57BL/6および/またはICRメスと繁殖させ、F1マウスまたは胚を作製し、LONAアッセイおよびβ-ガラクトシダーゼ組織化学アッセイによってこれらの遺伝子型を決定した。両方のES細胞株由来のマウスは等しい挙動を示し、両クローンから蓄積されたデータは統計のために用いた。
【0046】
結果
マウスのDll4遺伝子を標的とすることで、単一のアレルを標的としたマウスにおいてさえも、胚性致死および重篤な血管欠陥をもたらした(Gale et al. (2004) Proc Natl Acad Sci USA 101:15949-15954を参照されたい)。
【0047】
腫瘍移植
ルイス肺癌細胞(ATCC)を、Dll4キメラマウスの側腹部へ皮下移植し、16日後に採取し、80ミクロンの切片に切断し、CD31/PECAMまたはβ-ガラクトシダーゼに対して染色を行った(Holash et al. (2002) Proc Natl. Acad. Sci. USA 99:11393-8に記載の通り)。
【0048】
PECAMおよびレポーター染色
胚および成体由来の組織切片と同様に、以前に記載されたように、ホールマウント胚の染色を、CD31/PECAMに対して行って血管内皮を明確にし、かつβ-ガラクトシダーゼに対して行ってDll4レポーター遺伝子産物を可視化した(Gale et al. (2004) PNAS 101:15949-54)。
【0049】
実施例2.Dll4-Fc構築物およびマウス異種移植研究
Dll4-Fc(-TM)構築物
膜貫通(-TM)ドメインを伴わずヒトFcドメインを伴うヒトDll4(SEQ ID NO:1)の細胞外ドメインに対応する2297ヌクレオチドを有する核酸配列を構築した。コードされたアミノ酸配列は、Dll4タンパク質(SEQ ID NO:18)の765アミノ酸を有し、分子量は約85 kDaであった。
【0050】
図1は、C6腫瘍細胞によるDll4-Fc過剰発現が、より小さなC6腫瘍をもたらしたことを示す(平均±SD)。
【0051】
Dll4-Fcを過剰発現させるためのレトロウイルスによる腫瘍細胞の遺伝子操作
C6ラットグリオーマ腫瘍細胞(ATCC)にレトロウイルスを感染させ、緑色蛍光タンパク質(GFP)と可溶性Dll4-Fcを過剰発現させた。対照として、GFPのみを感染させた細胞を用いた。GFP蛍光について、細胞をFACSで二回選別した。
【0052】
レトロウイルス送達Dll4-Fc
オスSCID/CB17マウス(8〜10週齢)の剃髪した右側腹部に、レトロウイルスによりGFPまたはDll4-Fcのいずれかを遺伝子操作したC6細胞を、106細胞/マウスで皮下移植した。
【0053】
腫瘍体積測定
腫瘍が触診可能になった後、3日ごとにカリパスを用いてサイズ測定値を記録した(サイズ=(長さ×幅2)/2)。動物を屠殺した後、カリパスによりエクスビボ測定値を得て、公式(長さ×幅×高さ)を用いて体積を算出した。
【0054】
腫瘍組織学
腫瘍細胞移植の12〜16日後、腫瘍を採取し、組織学分析または発現分析のために加工した。腫瘍を、80μmの切片に切断し、CD31/Pecam-1に対する抗体で染色し、その後DAB-ペルオキシダーゼ反応が続き、かつピロニンYで対比染色した。NIHイメージ1.62分析プログラムを用いて血管形態計測分析を実施した。
【0055】
ノーザンブロッティングおよびリアルタイムPCR
Trizol試薬(Life Technologies, Grand Island, NY)を用いて、腫瘍組織から、全RNAを調製した。RNA(10 mg)を1.2%アガロースゲル上で分離し、ナイロンメンブレンに移し、UV架橋により固定した。プレハイブリダイゼーション後、32Pで標識したDll4またはグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)特異的プローブを添加し、フィルターを42℃で一晩ハイブリダイズした。標準的なプロトコールでストリンジェントな洗浄を実施した(0.5×SSPE緩衝液による一回の洗浄後、0.2×SSPE緩衝液による二回の洗浄を、55℃で各30分間行った)。増感紙を用いたX線フィルムへの48時間の曝露後、オートラジオグラフを得た。さらに、Dll4、notch受容体1および4、ならびにnotch下流標的であるHes1、Hey2、HeyL、およびNrarpに特異的なプライマー対と標識プローブを用いるTaqman(登録商標)(Applied Biosystems, Foster City, California)リアルタイムPCRケミストリーおよび検出システムを用いて、別々の反応で組織特異的発現を分析した。cDNAの増幅に対する閾値に到達するのに必要なサイクル数(またはCT値)を得て、ハウスキーピング参照(GAPDH)(=2-DCT)に対して正規化した。相対的なmRNA量の変化(=2DDCT)を与えるベースラインである、この実験のための溶媒対照に対して、結果を正規化し、三つ組みで実施した少なくとも4つの別個の試料について、平均±s.e.m.として表した(Livak and Schmittgen (2001) Methods. Dec;25(4):402-8)。
【0056】
Dll4、HeyL、Nrarp、およびHes1に対する定量的RT-PCR分析
記載されるように(Livak et al. (2001) Methods 24:402-8)、RT-PCR分析を実施した。記載されるように(Daly et al. (2004) Genes Dev. 18:1060-71)、Applied Biosystems 7900HT上で、以下の特異的プライマーおよびプローブを用いて、関心対象のRNA量と対照RNA(GAPDH)量との比として結果を表した: Dll4プライマー:Dll4-1574F(SEQ ID NO:9)およびDll4-1644R(SEQ ID NO:10)、ならびにDll4プローブ:Dll4-1594T(SEQ ID NO:11);HeyLプライマー:mHeyL-135F(SEQ ID NO:12)およびmHeyL-216R(SEQ ID NO:13)、ならびにHeyLプローブ:mHeyL-154T(SEQ ID NO:14);Nrarpプライマー:mNrarp-350F(SEQ ID NO:15)およびmNrarp-418R(SEQ ID NO:16)、ならびにNrarpプローブ:mNrarp-373T:(SEQ ID NO:17)およびmHesl(ID Mm00468601 m1, Hes1)(ABI, Assay on demand services)。cDNAは、C6-Dll4-FcおよびC6-Dll4腫瘍由来であった。
【0057】
C6細胞内で発現されたDll4-Fcの分泌がHUVECにおけるNotchシグナル伝達を活性化できるか否かを決定するためのインビトロアッセイ
翌日〜50%コンフルエントの培養物を得るために、4×105 HUVEC細胞を60 mmディッシュに蒔いた。次の日、8×105 C6細胞を、HUVEC上に蒔いた。同時培養の24時間後、細胞を1 mlのTri試薬内に小片にして入れ、全RNAを以前に記載のように調製した。ヒト特異的Hes1、HeyL、およびNrarpプローブを用いて、Taqman(登録商標)により、試料を分析した。
【0058】
実施例3.Dll4-Fcの全身投与の効果
Dll4-Fcタンパク質
上記のDll4-Fc cDNA構築物をコードするプラスミドを、CHO細胞にトランスフェクトし、分泌されたタンパク質を上清から精製した。Dll4-Fcタンパク質を精製し、それを用いて皮下注射により腫瘍を有するマウスを処置した(10 mg/kg、週に3回)。
【0059】
結果
上記のように、0日目にマウスにHT1080腫瘍を移植する実験を行った。0または15日目(100 mm3のサイズ)のいずれかに開始し、精製したDll4-Fcタンパク質(10 mg/kg、週に3回)または対照タンパク質でマウスを処置した。他の群は、25 mg/kgの用量のVEGFアンタゴニスト(VEGFトラップ、SEQ ID NO:19)で、週に3回処置した。結果を図2に示す。0日目から処置した腫瘍(左側)において、VEGFアンタゴニストとDll4-Fcの両方が腫瘍増殖の制御に効果的であった。100 mm3サイズから処置した腫瘍(右側)において、Dll4-Fcは同様に腫瘍増殖の制御に効果的であり、さらにVEGFアンタゴニストよりも効果的であった。
【0060】
循環するDll4-FcおよびhFcの定量
腫瘍を有するGFPまたはDll4-Fcで処置したマウスから得た血清試料を、ELISAアッセイによって分析した。捕捉抗体としてhFcでプレートをコーティングし、0.2% I-ブロック溶液(Tropix)によりブロックし、レポート抗体としてペルオキシダーゼに結合したhFcを用いることにより、ELISAを実施した。精製したhFcとDll4-Fcタンパク質を、標準曲線として含めた。
【0061】
VEGF阻害因子処置
VEGFトラップ(R1R2)(Regeneron Pharmaceuticals)(SEQ ID NO:19)またはプラシーボ(5% vol/vol PBS/グリセロール)を、100 mm3の腫瘍を有するマウスに、研究終了時まで、25 mg/kgの用量で3日ごとに皮下投与した。
【0062】
Dll4-Fcのアデノウイルス送達
示していない他の実験では、アデノウイルスを用いてDll4-Fcを全身に送達した。オスSCID/CB17マウス(8〜10週齢)の剃髪した右側腹部に、C6、HT1080、またはMMT腫瘍細胞を皮下移植した。24時間後、1×109 pfuのアデノ-hFcまたはアデノ-Dll4-Fcを、マウスの頚静脈に注射した。Dll4-Fcタンパク質による全身性処置と同様に、アデノ-Dll4-Fcでも腫瘍増殖における類似の結果が見られた。
【0063】
実施例4.HT1080腫瘍に対するDll4-Fcと比べたポリクローナル抗体の効果
上記のように、0日目にマウスにHT1080腫瘍を移植する実験を行った。腫瘍が100 mm3に達した時(およそ15日目)、Dll4-Fcのみ(25 mg/kg)で、対照抗体(ウサギIg)で、またはヒトFcへの結合を除去した抗Dll4ポリクローナル抗体(10 mg/kg)で、マウスを週に3回処置した。結果は、各処置群の腫瘍サイズ±S.D.を示す(図3)。Dll4抗体は、HT1080腫瘍増殖に対して非常に有効であり、Dll4-Fcで見られるのと同様の効果を有した。これらの結果は、Dll4の特異的遮断剤が強力な抗腫瘍剤であることを示す。
【0064】
表面プラズモン共鳴法(BiaCore(登録商標))アッセイを実施して、Dll4抗体がNotch受容体へのDll4の結合を遮断できることを確認した。Notch1をチップ表面上にコーティングして、ウサギポリクローナル抗Dll4抗体の量を増加させながらDll4-Fcをインキュベートした(上記)。図4の結果は、Dll4抗体の量を増加させると、Dll4-FcのNotch1への結合がますます遮断されたことを示す(対照=Dll4-Fc+非特異的ウサギポリクローナル抗体)。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】C6腫瘍細胞によるDll4-Fcの過剰発現が、より小さなC6腫瘍をもたらすことを示す。
【図2】全身に送達されたDll4-Fcは、受容体ベースのVEGFアンタゴニストに比べ、HT1080腫瘍を減少させるのに非常に効果的であることを示す。左のパネル:腫瘍移植時に与えられたDll4-FcまたはVEGFトラップタンパク質、腫瘍は25日目に採取;右のパネル:移植後15日目に与えられたDll4-FcまたはVEGFトラップタンパク質、腫瘍は25日目に採取。
【図3】精製したDll4-Fcタンパク質またはポリクローナルDll4抗体が、HT1080腫瘍増殖を阻害することを示す。
【図4】表面プラズモン共鳴法(BiaCore(登録商標))アッセイにおける、Dll4に対するポリクローナル抗体によるNotch1受容体へのDll4結合の阻害を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍の発生または増殖を阻害するための、それを必要とする対象に対する、デルタ様リガンド4(Dll4)活性を阻害することができる薬剤の使用。
【請求項2】
Dll4を阻害することができる薬剤が、抗体または抗体断片である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
Dll4抗体または抗体断片が、ポリクローナルまたはモノクローナルである、請求項2記載の使用。
【請求項4】
抗体または抗体断片が、ヒト化抗体、キメラ抗体、もしくは完全ヒト抗体、または抗体断片である、請求項3記載の使用。
【請求項5】
抗体断片が、一本鎖抗体、Fab、またはF(ab')2である、請求項4記載の使用。
【請求項6】
Dll4アンタゴニストが、多量体形成成分(multimerizing component)に融合したDll4の断片である、請求項1記載の使用。
【請求項7】
第一の治療薬としての請求項1〜6のいずれか一項記載のDll4活性を阻害することができる薬剤、および腫瘍の発生または増殖を阻害するための医薬の製造における、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害因子であるさらなる治療薬の使用。
【請求項8】
VEGF阻害因子が、抗VEGF抗体またはVEGFトラップである、請求項7記載の使用。
【請求項9】
VEGFトラップがSEQ ID NO:19である、請求項8記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−519944(P2009−519944A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545835(P2008−545835)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047848
【国際公開番号】WO2007/070671
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(507302748)リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】