説明

ELコ−ドレス点灯制御パネル

【課題】 外部電力を使用するが、ELパネル近傍にはコ−ドを用いずに、複数のELパネルを連携させて計画的な点灯制御を可能にするEL薄型装飾装置の提供。
【解決手段】 カ−テンレ−ルの如きレ−ル1に、横断面における開口辺両側辺の内側には長手方向にEL駆動用電力ライン7、8と信号用電気ライン9、10が具備されている。
一方、レ−ル1の任意位置に複数個係止されているEL電飾部11は、嵌合部3の両翼端部に、前記各ラインに対応したEL駆動受電端子と信号受送電端子が具備されている。
前記複数のEL電飾部は、前記レ−ルから電力供給を受け、且つ前記複数のEL制御駆動装置同士が制御用同期信号を共有するELコ−ドレス点灯制御パネルを提供した。
前記複数のEL電飾部の同時点灯や順次点灯など、計画的に連携させて効果的な点灯制御することを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EL(Electro Luminescence)素子を利用する電飾装置に関し、さらに詳しくは電界発光型ELによるELパネルに係わる。
【背景技術】
【0002】
ELは通常、電界発光機構に基づく現象を利用した、無機ELあるいは真性ELのことを指す。
無機ELには、構造的に発光層として粉末状の蛍光体を用いた分散型EL素子と、緻密な薄膜で構成された薄膜型EL素子とがある。
【0003】
無機FL素子の断面構造を分散型EL素子パネルで説明すると、EL素子部は、発光面側から透明電極層、EL発光層、絶縁体層、背面電極層の順の積層構造であり、これに表裏外面を保護する保護層を積層してEL素子パネルとする。
EL素子パネルの各層を薄くすることで、かなり薄い発光パネルとすることが可能で、厚さは0.6mm程度の薄いEL素子パネルが存在する。
【0004】
EL素子において、透明電極層と背面電極層に交流電圧を印加すると、電極からの高電界によって界面準位からの電子がトンネル効果によって発光層に注入され、発光層中の発光粉末にトラップされている正孔と再結合して発光する。
透明電極層は、ITO(Indium Tin Oxide)などのシ−トが使われ、発光色、発光パタ−ンなどによって、発光層と絶縁層とを十数層重ねることもある。
発光材料には、Sr(ストロンチウム)、Ga(ガリウム)、S(硫黄)、Se(セリウム)などが使用される。
保護層は、PET(ポリエステル)などのシ−トをラミネ−ト法などで形成する。
【0005】
EL素子シ−トは、大面積の発光が可能で、携帯電話の液晶ディスプレイのバックライトなどにも使われている。
曲面発光、多色発光、多色分割発光、点滅など広範囲の発光が可能なので、マ−キング、標識、装飾用イルミネ−ションなどが、場所をとらずに比較的簡便な装置で可能となる。
なかでも、人の注意を喚起する必要のある小型のマ−キングや標識などには好適な発光素子である。
【0006】
EL素子を点灯させるためには電力の供給が必要である。
一方、架台の任意の位置にある電気機器に、コ−ドを使わずに電力を供給する方法に関しては、代表例として次のような開示がある。
【特許文献1】 特開平5−275133
【特許文献2】 特開平7−245891
なお、引用文献からの引用文、およびその説明は、前記引用文の表現をそのまま用いるものとする。
【0007】
「特許文献1」は、複数の電気機器を長手方向に列設できる取付装置の開示である。
「特許文献1」の段落番号「0014」に、「・・この端子台2は、まず係合爪2dを取付装置1の一方の翼部1bに係合した後、突出部2cを他方翼部1cに向かって押し込むと、係止片2eが他方翼部1cを乗り越えて係止されて取付装置1に取り付けられるとともに、接続片2gの先端部が一方の導電ライン1hに接触圧を有して当接し、電磁リレ−Rのコイルの一方端が導電ライン1hに接続される」、と開示されている。
つまり、長手方向に導電ラインを具備した取付装置に、電気機器をはめ込む機構と、この機構とは別個の電気機器に具備する電車のパンタグラフ式の如き導電板で導電ラインから電気を取り込むことの開示である。
【0008】
「特許文献2」は、負荷線を2次側とするコアを、レ−ルに付随する高周波誘導コ−ドの任意の位置に移動することができる非接触タイプの配線システムに関する開示である。
「特許文献2」の段落番号「0012」に、「コ−ド3は、コア1に貫通するようにレ−ル2に沿って交流電力が給電される。実施例のコ−ド3はレ−ル2の下面に沿って配線されているが、コア1に貫通するようにレ−ル2の下面に沿って配線された往線3aと、コア1に貫通しないようにレ−ル1の上面に沿って配線された復線(図示せず)からなる。
また実施例のコ−ド3は図6と同様に電源側電流トランスコア(図示せず)に鎖交し、電源側電流トランスコアの1次巻線に高周波電源(図示せず)を接続している」、と開示されている。
つまり、レ−ルに付随する高周波誘導コ−ドによる、無結線の給電システムの改良に関する開示である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ELパネルは、曲面発光、多色発光、多色分割発光、点滅など広範囲の発光が可能なので、マ−キング、標識、装飾用イルミネ−ションなどが、場所をとらずに比較的簡便な装置で面状発光が可能である。
ELパネルのなかでも、店舗などのショ−ウインド−、商品棚、ショ−ケ−ス、また、見本市のブ−スにおける見本表示など、近くから見る人の注意を喚起することが目的の、小型の標識、小型のマ−キング、小ディスプレイなどに、小型ELパネルを適用する場合が多々ある。
【0010】
外部電源からの配線を不要とするため、小型ELパネル装置からなる電飾部に電池電源を具備させれば、外部電源からの配線は不要になるが、ある程度のサイズになる電源電池を含むELインバ−タなどのEL素子駆動部を、前記小型ELパネル電飾装置側に、表面から見えないように具備させることには無理がある。
また、電源電池の容量の制約などからくる寿命の問題も生じる。
したがって、かような制約のない外部電力を利用する方が妥当と云わねばならない。
【0011】
小型EL電飾装置に外部電力を供給する場合コ−ドが必要であるが、ELパネル(ディスプレイ部)の面積が大凡100cm程度以下を対象とした小型ELパネル装置にコ−ドを使用すると、発光パネルが小型ゆえ、前記コ−ドが視野に入り目障りであり、美観を損ねる。
また、前記小型ELパネル装置の位置変更などのため、ある程度長いコ−ドが必要で、前記コ−ドの仕舞いがよくないなどの欠陥がある。
さらに、コ−ドが断線したり、コ−ドの接触部が破損したりする問題点もある。
【0012】
また、「特許文献1」に開示がある如く、長手方向に導電ラインを具備した取付装置に、電気機器をはめ込む機構と、この機構とは別個の電気機器に具備する電車のパンタグラフ式の如き導電板で導電ラインから電気を取り込む方法。
また、「特許文献2」に開示がある如く、レ−ルに付随する高周波誘導コ−ドと2次コアによる、無結線の給電システム方法。
かような、大がかりで複雑な方法や機構は、人の注意を喚起することが目的の小型のマ−キングや標識などの、ELパネルの面積が大凡100cm程度以下で、軽くて簡便な小型ELシ−ト電飾装置には適用し難い。
【0013】
かようなことから、人の注意を喚起することが目的の小型のマ−キングや標識用などのための小型ELパネル装置を適用するとき、前記小型ELパネル装置のパネル近傍にコ−ドを用いずに、外部電力を使うことのできる簡潔な機構で、取扱いが簡単で、ELパネルの点灯制御可能なEL薄型電飾装置の提供が望まれている。
また、本発明は、同一発明者による先願発明であるところの、特願2005−128605、発明の名称;「ELコ−ドレスパネル」の改良特願である。
【0014】
本発明は、人の注意を喚起することが目的の小型のマ−キングや標識などに用いる小型EL薄型電飾装置において、外部電力を用い、ELパネル近傍にコ−ドを用いずに、簡潔な機構で、取扱いが簡便な、複数のELパネルの点灯制御が可能なEL薄型装飾装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者は鋭意検討の結果、次の発明に至った。
すなわち、ELパネルを具備するEL電飾部が、レ−ルの長手方向の任意位置に係止され、前記ELパネルが点灯する方式のELコ−ドレス点灯制御パネルである。
図1に示すレ−ル1の横断面は、英字のC字形の如き四辺からなり、図2の左図18に描くように、辺の中央部が英字のC字形の右側の如く開口する開口辺21、前記開口辺に対向する奥辺22、前記開口辺と前記奥辺に直角で互いに対向する二つの側辺23、24からなる。
前記二つの側辺の内側には、図1あるいは図2の左図18に描く如く、レ−ルの長手方向に、一対のEL駆動用電力ライン7、8、ならびに一対の信号用電気ライン9、10が形成されていて、前記レ−ルに係止される前記EL電飾部には、図3に描く嵌合部3、頸部5、および台座部4からなる翼状係止具を備えている。
前記翼状係止具の前記嵌合部の翼状形の両先端には、前記EL駆動用電力ラインに接続しているEL駆動受電端子36、37、ならびに前記信号用電気ラインに接続している信号受送電端子38、39を具備していて、前記レ−ルへの前記嵌合部と、前記EL駆動用受電端子および前記信号受送電端子とが兼用になっている。
図1あるいは図3に描くように、前記レ−ルに前記EL電飾部が係止状態においては、前記EL電飾部は、前記レ−ル横断面において嵌合部3が翼状形で、前記レ−ルの前記二つの側辺に夾持され、且つ前記レ−ルの前記開口辺においては嵌合部3と台座部4とで夾持されることで前記レ−ルに係止され、EL駆動用電力ライン7、8から前記EL電飾部が電力を受電して前記ELパネルが点灯可能状態となり、且つ、信号用電気ライン9、10から信号を受けること、あるいは自己のEL電飾部の信号を信号用電気ライン9、10に送ることが可能な状態となる。
図1においてEL電飾部11を前記レ−ル長手方向に対し平行に、前記矢印12方向に回転することによって得られる、前記レ−ルに非係止状態においては、図3の状態が図5の状態になって、前記レ−ルの長手方向へ前記EL電飾部を移動することが可能な、あるいは前記レ−ルから前記EL電飾部を矢印55方向に着脱することが可能な状態となる。
また、前記レ−ルに複数のEL電飾部が係止されているとき、前記複数のEL電飾部が前記EL駆動用電力ラインから電力の供給を受け、且つ、信号用電気ライン9、10によって前記複数のEL電飾部のEL制御駆動装置同士が同期信号を共有することにより、同時点灯や順次点灯など、前記複数のEL電飾部のELパネルの計画的な連携した点灯制御が可能になる。
以上の構成を特徴とする、ELコ−ドレス点灯制御パネルの発明に至った。
【0016】
また、フリ−状態の前記レ−ルにおいて、図2の左図18のレ−ル横断面図に描く二側辺23、24の内側間の長さよりも、前記嵌合部の翼状形の両先端間長を僅かに長くすることによって、前記EL電飾部が前記レ−ルに係止しているときに、前記レ−ルの横断面方向の弾性により、前記嵌合部の前記翼状形の両先端に具備されている前記EL駆動受電端子、ならびに前記信号受送電端子を挟持している前記レ−ル横断面が、フリ−状態に戻ろうとする押圧力が掛かり、前記レ−ルへの前記EL電飾部の係止が確実化するとともに、図3に描く如くレ−ルの長手方向の前記EL駆動用電力ライン7、8と前記EL駆動受電端子36、37、ならびに前記信号用電気ライン9、10と前記信号受送電端子38、39の電気的接触を確実化させることを特徴とする、ELコ−ドレス点灯制御パネルの発明である。
【0017】
さらに、前記EL電飾部において、図3に描く如く、EL駆動用電力ライン7、8に接続されるべきEL駆動受電端子36、37、ならびに信号用電気ライン9、10に接続されるべき信号受送電端子38、39が具備され、図6に示す如く、ELインバ−タ部および、点灯パタ−ン信号発生回路73、ならびに同期信号回路74からなるEL制御駆動装置61、あるいは62に示す如きEL制御駆動装置が具備されていて、前記EL制御駆動装置61、あるいは62で、前記複数のEL電飾部のELパネルの点灯制御が連携して行われることを特徴とする、ELコ−ドレス点灯制御パネルの発明である。
【発明の効果】
【0018】
(1) カ−テンレ−ルの如き単純なレ−ルであって、レ−ルの片端から低圧電力が供給されていて、このレ−ルに単にEL電飾部を係止するだけで、電力が供給されるので、ELパネル近傍の目障りで邪魔なコ−ドが不要になり、見た目がスマ−トなELコ−ドレス点灯制御パネルとなる。
(2) レ−ルに係止するEL電飾部側にELインバ−タ部が具備され、さらに同期信号回路と点灯パタ−ン信号発生回路で複数のELパネルの点灯制御が可能になる。
さらに、複数のEL電飾部がレ−ルに係止する場合には、他のEL電飾部からの信号を信号用電気ラインから受け、あるいは自己電飾部の信号を信号用電気ラインに送り、他のEL電飾部と連携して、相互のEL電飾部の点灯制御が行われるので、視覚アッピ−ル効果が極めて大きい。
(3) レ−ルにEL電飾部を係止する嵌合部と、電気接触端子とを兼ねているので、EL電飾部の着脱が簡単で便利である。
(4) レ−ルに係止するEL電飾部側にELインバ−タが具備されているので、周波数の高い高圧の通電コ−ドを使用する場合に生起し易い、EL素子の背面電極とコ−ドの接触不良などの、コ−ド使用に伴う不具合が解消され、かつ安全である。
(5) レ−ルの長手方向のEL駆動用電力ラインが手に触れ難い場所にあり、さらに印加されている電圧が低圧であるので、極めて安全で、電撃や火災などを誘発しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の実施の形態を実施例に基づき、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のELコ−ドレス点灯制御パネルの斜視部分略図である。
図1において、レ−ル1はレ−ルの一部であり、右側部分は省略しているが、図示している前記レ−ル部分と同様である。
本発明は、小型のマ−キングや標識などに用いる小型ELパネルを対象にしているので、図1のELパネル2で示す発光面のサイズの目安は、大凡100cm程度である。
また、レ−ル1は、断面サイズにおいては、レ−スカ−テンを吊ってスライドさせるカ−テンレ−ルのサイズ程度、長さは大凡1m程度までの目安である。
但し、本発明の説明の便のためにこれらの値を表記するもので、前記ELパネルの発光面のサイズ、ならびに前記レ−ルのサイズの目安値に本発明がこれに制約されるものではない。
【0020】
図2は、図1のA−A断面、つまりレ−ル1の拡大横断面略図である。
図2の左図18の横断面略図に描くように、レ−ル1の横断面は英字のC字形の四辺からなり、辺の中央部が英字のC字形の右側の如く開口している開口辺21、前記開口辺に対向する奥辺22、前記開口辺と前記奥辺に直角に互いに対向する二つの側辺23、24からなる。
【0021】
図1ならびに図2の左図18に描くレ−ル1の前記両側辺の内側には、前記レ−ルの長手方向に一対のEL駆動用電力ライン7、8が設けられていて、図1において描くのを省略しているレ−ル1の右端から電力が供給されている。
また、図1ならびに図2の左図18に描くレ−ル1の両側辺23、24の内側には、前記レ−ルの長手方向に一対の信号用電気ライン9、10が設けられていて、前記信号用電気ラインは同一レ−ルに係止する複数のEL電飾部との、ELパネルの点灯制御の連携のための信号用電気ラインである。
なお、EL駆動用電力ラインと信号用電気ラインは、おのおの一対づつあればよいので、例えば、一対のEL駆動用電力ライン7、9、一対の信号用電気ライン8、10としても、EL電飾部側の接触端子と対応していれば何等差し支えない。
しかしながら、混乱を避けるために、本発明においては、一対のEL駆動用電力ラインを7と8、一対の信号用電気ライン9と10として以降説明するものとする。
【0022】
図1のレ−ル1の左端、あるいは図2の左図18のレ−ル横断面図において、レ−ル1が合成樹脂などの絶縁体の場合は、前記EL駆動用電力ライン7と8、前記信号用電気ライン9と10のおのおの2条必要である。
しかしながら、前記EL駆動用電力ライン7と、前記信号用電気ライン9とを共通して、図2の中図19の共通ライン25の如く両者を兼ねていてもよい。
これを、導電性の金属製レ−ルの場合で説明する。
図2の中図19は、絶縁シ−ト28を介した一対のEL駆動用電力ライン25と26、一対の信号用電気ライン25と27として、ライン25を共通としてもよい。
図2の右図20は導電性レ−ルの場合で、絶縁シ−ト28を介したEL駆動用電力ライン26とレ−ル躯体29とで一対のEL駆動用電力ライン、同じく絶縁シ−トを介した信号用電気ライン27とレ−ル躯体29とで一対の信号用電気ラインとしてレ−ル躯体29自身を共通ラインとしてもよい。
しかしながら、前記EL駆動用電力ラインと前記信号用電気ラインにおいて、機能としては実質的におのおの2条ずつ必要でり、本発明においては図2の中図19、および右図20の場合も、混乱を避けるため導電ラインは各2条と表現することにするものである。
【0023】
図1のレ−ル1には、レ−ル1の横断面のC字形の内部空間を利用して、翼状係止具でEL電飾部11がレ−ル1に係止されている。
図1において、レ−ル1への係止EL電飾部は1個の場合であるが、2個以上の複数個係止していても勿論よい。
図3は、図1のB−B断面の略図で、図1のEL電飾部11の部分断面を描いている。
EL電飾部11は、ELパネル2、ELパネル2の裏側の嵌合部3と台座部4と頸部5からなる前記翼状係止具、およびELインバ−タ部、同期信号回路、点灯パタ−ン信号発生回路を具備するEL制御駆動装置6で構成されている。
【0024】
前記翼状係止具の先端の嵌合部3の両翼先端には、EL駆動受電端子36、37、ならびに信号受送電端子38、39が具備されている。
図1におけるEL電飾部11の係止状態では、図3に描くように、EL駆動用電力ライン7と8には、EL駆動受電端子36と37、ならびに信号用電気ライン9と10には信号受送電端子38と39が接続していて、EL電飾部11に具備するEL駆動制御装置6が動作するようになっている。
【0025】
図4は、図1ならびに図3に描く、EL電飾部11をレ−ル1に係止するための前記翼状係止具の嵌合部3、およびその頸部5の部分のみを示す拡大略図である。
左下段図46は、電飾部9がレ−ル1に係止している状態のときのレ−ル1の横断面にに対する前記翼状係止具の嵌合部3の正面図である。
左上段図45は嵌合部3の左下段図46の正面図に対する平面図、右図47は嵌合部3の左下段図46の正面図に対する側面図を示していて、図法は三角法による。
【0026】
図4において、嵌合部3の両翼部48、49の先端には、EL駆動受電端子36、37が具備され、また、信号受送電端子38、39が具備されている。
図2の左図18に描くレ−ル横断面に対して、前記翼状係止具の嵌合部3が、図4の左図46の正面図状態でレ−ル1に嵌合されていれば、EL電飾部11がレ−ル1に係止されると共に、EL駆動用電力ライン7と8にはEL駆動受電端子36と37および信号用電気ライン9と10には信号受送電端子38と39が接続される。
【0027】
図5は、前記電飾部の前記レ−ル長手方向への移動時や、前記電飾部の前記レ−ルから着脱時の前記翼状係止具の断面略図である。
前記翼状係止具の嵌合部3は、図4の右図47の側面図の嵌合部3に示す側面状態で、図2におけるレ−ル1の横断面の開口辺15の開口部に挿入されている状態を示している。
嵌合部3の前記側面は、レ−ル横断面に対して図4の右図47の側面図状態で、前記側面の幅長51は、その頸部5の径長よりやや長い程度で、図2の左図18のレ−ル横断面図の開口辺21の開口幅30より小さい。
したがって、図5に描く如く、前記レ−ルの開口幅より前記嵌合部の幅が短いので、レ−ル1の長手方向へのELパネル2と一体のEL電飾部11の移動、あるいはレ−ル1からEL電飾部11を矢印55方向へ着脱することが可能になる。
【0028】
図3において、レ−ル1を固定し、嵌合部3と頸部5と台座部4とが一体であるELパネル2を、レ−ル1の横断面に対して90度回転させる、つまり頸部5を中心として、図3の紙面から起き上がるように90度回転させると、図5に描く如く嵌合部3が図4の右図47に描く側面図状態になり、レ−ル1の長手方向へのEL電飾部11の移動、あるいは前記開口辺の開口部から矢印55の着脱方向に、容易に着脱させることができる状態となる。
これを図1で説明すれば、図1において長方形のELパネル2がよこ長であるのを、矢印12方向に90度回転させ、たて長状態になるようにすることで、前記翼状係止具の嵌合部3が、図5に描く側面状態となり、図1におけるレ−ル1の長手方向にEL電飾部11をスライド可能な形態に、また、図5におけるレ−ル1からEL電飾部11を矢印55方向に着脱可能な形態になる。
【0029】
図4の左下段図46において、嵌合部の両翼部48、49のEL駆動受電端子36、37、ならびに信号受送電端子38、39が、レ−ル1の側辺内部のEL駆動用電力ライン7、8、ならびに信号用電気ライン9、10との電気的接触を完全化するため、嵌合部3の内部でバネ作用などの仕掛で、前記電気各端子を挟み込むように圧力を掛けると反発状態で押圧されるようにする。
この方法としては、電気機器の電池ホ−ルダの板状バネ、螺旋状バネなど当業者に知られている方法を任意に適用できる。
【0030】
次に、嵌合部3の形状などの問題で、内部でバネ作用などの仕掛を設けることができない場合の例を次に示す。
フリ−状態、あるいは電飾部が係止されていないフリ−部分のレ−ル1について、前記翼状係止具において、前記レ−ル横断面向きについて、嵌合部3の図4の左下段図46の正面状態における両翼の前記電気端子間の幅長50を、図2の左図18の横断面の両側辺23、24の内側間の幅より僅かに長くしておく。
かようにすることによって、レ−ル1に前記EL電飾部が係止している部分の前記レ−ルの横断面の両側辺の内側が、前記レ−ルの横断面方向の弾性によってフリ−状態に戻ろうとするところの、前記嵌合部の翼状部を挟み込むような押圧力が生じ、前記翼状係止具が前記レ−ルに係止しているとき、前記レ−ルへの前記EL電飾部の係止、および前記電気端子の電気的接触を完全化させることができる。
【0031】
次に、本発明を実施するための部材について説明する。
前記ELパネルの一つのEL素子は、発光面側から透明電極層、EL発光層、絶縁体層、背面電極層の順の積層構造であり、これに表裏外面を保護する保護層を積層してELパネルとする。
EL素子シ−トの各層を薄くすることで、かなり薄い発光パネルとすることが可能であり、前記透明電極層と背面電極層の間にEL発光層と絶縁体層を10層以上積層することができ、これを利用するなどして発光色相、曲面発光、多色分割発光、あるいは点滅などが前記EL制御駆動装置の設定とのかねあいで任意に可能である。
かように、当業界に知られているELパネルを適宜に適用できる。
【0032】
文字、絵柄などの表示は、ELパネルそのものの機能である、多色分割発光などの手法によっても可能であるが、印刷や手書きなどで文字、絵柄などを表示した合成樹脂の透明フィルム、シ−ト、あるいはガラスなどを貼付する方法でもよい。
貼付法は、粘着剤による方法や、透明ホ−ルダをELパネルの発光面に接合しておき、文字、絵柄などのシ−トを差し込む如き方法など任意に適用できる。
【0033】
前記レ−ルは、金属製、合成樹脂製など任意に適用できる。
金属製の場合は、カ−テンレ−ルに見られるような、鋼板を加工したものでもよく、アルミニウムなどの非鉄金属も適用できる。
金属製レ−ルの場合は、電気ラインとレ−ル躯体の間に絶縁シ−トが必要であるが、前記レ−ル躯体そのものが導電性であるので、図2の右図20に描くように、これをEL駆動用電力ラインと信号用電気ラインの各一対の片方の共通1条として利用し、絶縁シ−トを要する電気ラインは2条とする方法がとれる利点がある。
【0034】
合成樹脂の場合は、熱可塑性樹脂の押出し成形法によるレ−ルが用いられ、樹脂種類としては、PP(ポリプロピレン)樹脂、PVC(塩化ビニル)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂など、当業者に知られている汎用樹脂が適用できる。
なお、前記レ−ル横断面の弾力性を利用する、前記電気端子の接圧法による場合は、鋼板、アルミニウムなどの金属や合成樹脂は、変位付与の初期の応力−歪特性においては、弾性体の性能を示すので、特に脆い金属や合成樹脂の場合を除いて殆ど適用できる。
【0035】
前記EL電飾部における前記嵌合部、前記頸部、前記台座部からなる前記翼状係止具は、電気部材であると共に、硬さと粘りが必要であるゆえ、PET(ポリエステル)樹脂、ABS樹脂、ポリアセタ−ル樹脂などの耐衝撃性がある樹脂の使用が望ましい。
各電気端子は、銅材、真鍮材、ステンレス鋼材、ニッケルメッキ鋼材など、電気接点として使われている金属材料から任意に適用できる。
【0036】
前記レ−ルの電気ラインは、アルミニウム箔、銅箔など偏平で広い面積をカバ−できる導電材料が適用できる。
また、PET樹脂シ−トにアルミニウムなどを、蒸着、メッキ、スパッタリングなどして作られた、メタライジング合成樹脂シ−トやフィルも適用できるが、金属が露出している導電面を表に使用する注意が必要である。
これらをスリットしたテ−プ状の導電材料を、前記レ−ルの側辺の内側に貼付する接着剤や粘着材は、前記翼状係止具の着脱に伴う嵌合部との摺動に耐える接合性の強固な材料の選定をする必要がある。
前記レ−ルが合成樹脂製の場合のPP樹脂などは、適用接着剤が限られているので、アクリル系の特殊樹脂を使用するなどの注意を要する。
粘着剤の場合は、アクリル系、ゴム系などが適用できる。
以上が、本発明を実施するための部材について説明である。
【0037】
次に、同一レ−ルに係止するEL電飾部を同期点滅させる方法について記す。
図6は、本発明のELコ−ドレス点灯制御パネルの電気系統の一例のブロック線図である。
図6において、前記レ−ルに係止されている二つのEL電飾部の、破線で囲むそれぞれのブロック線図で示すEL制御駆動装置61、62であり、設定値を除いて回路としては同一である。
図6において、一対のEL駆動用電力ライン7、8、ならびに一対の信号用電気ライン9、10は、図6上部に描く二本の破線内に示す4条の電気ライン60で、レ−ルの内側に具備されている。
【0038】
ELパネル駆動部分について説明すると、電圧100Vなどで配電されている外部電力を、外部電力受電部63からスイッチ64を経て、電力トランス65の1次側66に供給し、2次側67において、例えば電圧12Vとか24Vなどの、電圧が大凡30V程度以下の低圧の電力として前記レ−ル内の、一対のEL駆動用電力ライン7と8に供給されている。
なお、一対の信号用電気ライン9と10は、図6では二個で描いている複数のEL電飾部の連携信号用ラインであるので、前記レ−ル内に具備するだけでよく、外部との繋ながりはない。
【0039】
図6において、EL駆動用電力ライン7、8から前記EL電飾部の各駆動受電端子で低圧電力を受電し、使用ELパネルに適合する電圧と周波数にELインバ−タで変換してELパネル2に電力を印加して点灯させる。
このように、電力トランス65を用いれば、外部電力と直接接続していないので、人体など接地体が前記導電ラインに触れても電撃を受けることなく、低圧でもあるゆえに火災などの誘因の懸念はない。
なお、インバ−タとは一般には直流を交流にする装置のことをいうが、ここではELパネルに適正な電圧と周波数の電力供給を行うための変換器の意味で用いている。
【0040】
図6に示した回路の例では、EL制御駆動装置61、62において、トランス68の主コイル69に電流が流れると、補助コイル70に同相の信号が発生し、これを増幅器71に戻すことによって、正帰還となって発振する。
この発振周波数を、2次コイル72とキャパシタンスであるELパネル2との直列共振周波数が、ELパネル2の発光に適合するように2次コイル72のインダクタンスを設定してある。
ELパネルに印加される電圧の目安は、大凡170〜220V程度、周波数は大凡800〜1200Hz程度である。
【0041】
同一レ−ルに係止された複数のEL電飾部を同期させる場合について記す。
点灯パタ−ン信号発生回路73は、予め設定された点滅パタ−ンを出力し、増幅器71への電力供給をこの信号でON、OFFすることによって、ELパネル2を前記設定されたパタ−ンで点灯させる。
同期信号回路74は、点灯パタ−ン信号発生回路73のパタ−ンの頭出し信号を、パタ−ン信号毎に同期出力するとともに、信号用電気ライン9、10へも同期信号を出力し、信号用電気ライン9、10からも同期信号の入力を行う。
【0042】
複数のEL電飾部が、信号用電気ライン9、10で接続されている場合、各EL電飾部の同期信号回路74の個体差によって、一番早く同期信号を出力した信号を他のEL電飾部の同期回路74が受け、結果的に前記レ−ルに係止している全てのEL電飾部の同期回路が同一タイミングで点灯パタ−ン信号発生回路73へ頭出し信号を出力することにより、各EL電飾部の点滅は同期する。
複数のEL電飾部の同期信号回路74および点灯パタ−ン信号発生回路73の同期時間を合わせておくことにより、一番同期の早いEL電飾部の同期信号を他のEL電飾部が受け、点灯パタ−ンの頭が揃う。
【0043】
図7は、一つの例として時間軸上における三つのEL電飾部の同期信号および点灯パタ−ン信号のタイミング略図である。
図7において、三つのEL電飾部を示すELP1、ELP2、ELP3は、同一レ−ルに係止されているEL電飾部で、横軸は時間tである。
SS軸には同期信号のタイミングを描き、(hi)は電圧が高、(lo)は電圧が低を示す。
BPS軸には点滅パタ−ン信号のタイミングを描き、ONは点灯、OFFは消灯を示す。
【0044】
図7において、EL電飾部であるELP2およびELP3は、一番早いELP1の同期信号を受け、同期信号の頭が矢印77方向に移動して揃う様子を示す。
点滅パタ−ン信号は、各EL電飾部でおのおの設定されている。
図7の例の場合、ELP1→ELP2→ELP3と順次点灯することになる。
各点滅パタ−ンを同一にすると、当然全てのEL電飾部が同時に点滅することになる。
【0045】
EL制御駆動装置は、特定のELパネル専用であるので、前記ELパネルに最も適する電圧と周波数で固定しておけばよく、よってコンパクトな容積に纏めることができる。
したがって、前記EL制御駆動装置は、例えば立方形の場合でいえば、一辺が15mm程度の極めて小さな部材とすることができるので、前記EL電飾部に備えても殆ど邪魔にならず、着脱などの障害にもならない。
【0046】
前記レ−ルへのEL電飾部を係止する個数は1個以上の任意数であって、さらにEL電飾部にELインバ−タ部が装備されているゆえ、ELパネルのサイズや発光形式の異なるELパネルを装備したEL電飾部を同一レ−ルに係止して使用することも可能である。
また、レ−ル自体の取付け位置は、図1では開口部を横向きに描いているが、カ−テンレ−ルの如く開口部が下向きでもよく、あるいは上向きでもよい。
また、前記レ−ルの長手方向は、水平方向でなくて、斜め方向や縦(垂直)方向、場合によっては円形や弧形などでも何ら差し支えない。
【実施例】
【0047】
レ−ルとして、PP樹脂製のカ−テンレ−ルを用い、横断面は英字のC字形で、図2に描く如き形状で、図2の左図18に描く断面で説明すると、開口辺21と奥辺22は16mm、開口部の開口幅30は6mm、側辺23と24は10mm、樹脂躯体の厚さは1mm、長さは69cmとした。
側辺23と24の内側の前記レ−ルの長手方向には、幅2.5mmのアルミニウム箔を両側面に2条づつアクリル系粘着剤で貼付し、EL駆動用電力ライン1対についてはその端末をレ−ル端末のプラグのリ−ドに接続し、外部からの低圧電力を受電できるようにした。
図6においては、EL制御駆動装置61と62で表現する複数のEL電飾部は2個の場合であるが、本実施例では3個の場合で説明する。
また、レ−ルに係止する3個のEL電飾部を相互に接続する信号用電気ラインはフリ−状態とした。
【0048】
EL電飾部について図1で説明すると、EL電飾部11に描く如き形状で、ELパネル2のサイズは、幅が60mm、上下長40mmで、厚さは約1.5mmで、裏側に補強板として同サイズの厚さ0.4mmのPET樹脂シ−トを貼付した上、嵌合部3、頸部5、台座部4からなる翼状係止具とEL制御駆動装置6を備えた。
前記翼状係具はPVC樹脂製とし、図4にて説明すると、前記嵌合部については左下段図46の正面図における嵌合部の翼の正面幅50を15mm、右図47の側面図における嵌合部の側面幅51を5mmとし、銅製の埋込み式受電端子を設け、被覆リ−ド線をハンダ付けし、EL制御駆動装置6に結線した。
図1のB−B断面略図である図3において、前記翼状係具の頸部5の断面は正方形で一辺は3.5mm、図における横長さは1.5mmとし、台座部4の図における横長さは16mm、縦長さ、奥行き長さ共14mmとした。
また、EL制御駆動装置6は、図における横長さは15mm、縦長さ、奥行き長さ共16mmとした。
【0049】
EL電飾部の着脱を図1で説明すると、前記レ−ルにEL電飾部を係止した状態では図1に描く如く、ELパネル2はよこ長状態であるが、前記翼状係止具およびEL制御駆動装置が一体になっているELパネル2を、前記翼状係止具を中心として矢印12方向に90度回転させて、たて長状態にした場合には、レ−ル1の長手方向に容易にスライドでき、またレ−ル1から容易に着脱できることが確認された。
【0050】
また、図6におけるレ−ルに具備する一対のEL駆動用電力ライン7と8、一対の信号用電気ライン9と10、これに対応する前記EL電飾部のEL駆動受電端子ならびに前記信号用電気ラインの接続、また、EL電飾部のEL制御駆動装置の電気回路は、ブロック線図で示すEL制御駆動装置61あるいは62と同様とした。
【0051】
前記レ−ルのEL駆動用電力ライン7と8に、図6に描くように外部電力として電圧100Vの通常の交流電気を受電部63からスイッチ64経由で電力トランス65の1次側66に繋ぎ、2次側67に12Vで出力し、前記レ−ルの端部の前記プラグに印加した。
前記レ−ルに係止された各EL電飾部の前記EL制御駆動装置で、前記ELシ−トに190V、1000Hzの交流電力を印加したところ、前記ELパネルが点灯し、その輝度は約400cd/mであった。
【0052】
次に、同一レ−ルに係止したEL電飾部3個の同期点滅テストを行った。
3個のEL電飾部の同期信号および点滅パタ−ン信号のタイミングは、図7に描く場合に準拠した。
図7において、3個のEL電飾部をおのおのELP1、ELP2、ELP3とし、同期信号SSの(hi)時間、つまり(lo)から次の(lo)迄の時間を30秒に設定し、点灯パタ−ン時間、つまりBPSの(ON)時間を各8秒に設定した。
結果は、ELP1のELパネルが8秒間点灯、これが消灯すると共にELP2が8秒間点灯、これが消灯すると共にELP3が8秒間点灯し、次いで全て6秒間消灯した。
この点灯パタ−ンで繰り返し動作することを確認した。
したがって、本発明のELコ−ドレス点灯制御パネルが、正常に計画的に連携して制御されることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0053】
外部電源はレ−ル端部から低圧電力が供給されていて、カ−テンレ−ルの如き単純なレ−ルにEL電飾部を係止するだけで、1個以上複数個のELパネルを任意に点灯することができるので、人の注意を喚起するマーク標識、注意事項の標示、製品や商品の位置など、近傍の目障りで邪魔なコ−ドなしで標示でき、商店、見本市、工場などでの利用度が高い。
また、レ−ルのEL駆動用電力ラインには低圧の電力印加によって、各ELパネルの裏側にセットされた小型インバ−タで周波数の高い高圧にしているので、周波数の高い高圧電力をコ−ドで印加する場合に比較して、EL素子の背面電極とコ−ドの接触不良によるなどの、コ−ド使用に伴う不具合が解消され、安全性も高い。
また、レ−ルの長手方向の導電ラインが手に触れ難い場所にあり、さらに電圧が低圧で、電力トランス経由であるので、接地体である人体に触れても電撃などを受けず、火災などの誘発の恐れもないので、極めて安全である。
【0054】
また、同一レ−ルに2個以上の複数のEL電飾部を規則的に点滅させる場合、同期インタ−バル時間を任意に設定し、各EL電飾部ごとに点灯開始時間と点灯時間とを前記時間内で任意に設定することによって、人の視覚的な注意を高く喚起することができる。
したがって、ELパネル自体の機能である多色発光、多色分割発光などの広範囲な発光法と本発明とを組み合わせることによって、マ−キング、標識、装飾用イルミネ−ションなどがで、光によるディスプレイ効果を遺憾なく発揮できる。
よって、本発明はELパネルのなかでも、店舖などのショ−ウインドウ、商品棚、ショ−ケ−ス、また、見本市のブ−スにおける見本表示など、近くから見る人の視覚的な注意を喚起することが目的の、小型の標識、小型のマ−キング、小ディスプレイなどに好適で、利用範囲が極めて広い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】 ELコ−ドレス点灯制御パネルの斜視略図
【図2】 レ−ルの横断面拡大略図
【図3】 レ−ルに係止されたEL電飾部の部分断面略図
【図4】 翼状係止具の嵌合部と頸部の略図
【図5】 レ−ルから着脱可能時の翼状係止具の形態の断面略図
【図6】 ELコ−ドレス点灯制御パネルの電気回路の一例のブロック線図略図
【図7】 3個のEL電飾部の同期信号と点灯パタ−ン信号のタイミング略図
【符号の説明】
【0056】
1 レ−ル
2 ELパネル
3 翼状係止具の嵌合部
4 翼状係止具の台座部
5 翼状係止具の頸部
6 EL制御駆動装置
7、8 EL駆動用電力ライン
9、10 信号用電気ライン
11 EL電飾部
12 矢印;EL電飾部の着脱回転方向
18 左図;レ−ル断面の4条式のEL駆動電力ラインと信号用電気ライン
19 中図;レ−ル断面の3条式ライン式のEL駆動電力ラインと信号用電気ライン
20 右図;レ−ル躯体を1条とする3条式のEL駆動電力ラインと信号用電気ライン
21 レ−ル横断面の開口辺
22 レ−ル横断面の奥辺
23、24 レ−ル横断面の側辺
25 共通ライン
26 EL駆動用電力ラインの片側
27 信号用電気ラインの片側
28 絶縁シ−ト
29 導電性レ−ルの躯体側辺の内側
30 レ−ル開口部の開口幅
36、37 駆動受電端子
38、39 信号受送電端子
45 左上段図;嵌合部の平面図
46 左下段図;嵌合部の正面図
47 右図;嵌合部の側面図
48、49 嵌合部の両翼状形部
50 EL電飾部がレ−ルに係止状態のときの嵌合部の正面幅
51 EL電飾部がレ−ルに着脱可能状態のときの嵌合部の側面幅
55 矢印;着脱方向
60 レ−ルの電気ライン部
61、62 EL電飾部のEL制御駆動装置のブロック線図
63 外部電力受電部
65 電力トランス
66 1次側
67 2次側
68 トランス
69 主コイル
70 補助コイル
71 増幅器
72 2次コイル
73 点灯パタ−ン信号発生回路
74 同期信号回路
77 矢印;同期信号の頭出し移動方向
A−A レ−ル横断面
B−B EL電飾部の一部分横断面
ELP1 EL電飾部1の信号(EL panel 1)
ELP2 EL電飾部2の信号(EL panel 2)
ELP3 EL電飾部3の信号(EL panel 3)
SS 同期信号(synchronizing signal)
BPS 点灯信号(burning panel signal)
hi 電圧高
lo 電圧低
ON 入り
OFF 切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ELコ−ドレス点灯制御パネルにおいて、
ELパネルを具備するEL電飾部が、レ−ルの長手方向の任意位置に係止され、前記ELパネルが点灯する方式であって、
前記レ−ルの横断面は、英字のC字形の如き四辺からなり、辺の中央部が英字のC字形の右側の如く開口する開口辺、前記開口辺に対向する奥辺、前記開口辺と前記奥辺に直角で互いに対向する二つの側辺からなり、
前記二つの側辺の内側には、レ−ルの長手方向に、一対のEL駆動用電力ライン、ならびに一対の信号用電気ラインが形成されていて、
前記レ−ルに係止される前記EL電飾部には、嵌合部、頸部および台座部からなる翼状係止具を備え、
前記翼状係止具の前記嵌合部の翼状形の両先端には、前記EL駆動用電力ラインに接続しているEL駆動受電端子、ならびに前記信号用電気ラインに接続している信号受送電端子を具備していて、
前記レ−ルへの前記嵌合部と、EL駆動用受電端子および信号受送電端子とが兼用になっていて、
前記レ−ルに前記EL電飾部が係止状態においては、
前記レ−ル横断面に対し、前記EL電飾部の前記嵌合部は翼状形で、前記レ−ルの前記二つの側辺に夾持され、且つ、前記レ−ルの前記開口辺においては前記嵌合部と前記台座部とで夾持されることで、前記レ−ルに係止され、
前記EL駆動用電力ラインから前記EL電飾部が電力を受電して前記ELパネルが点灯可能状態となり、且つ、前記信号用電気ラインから信号を受けること、あるいは自己のEL電飾部の信号を前記信号用電気ラインに送ることが可能な状態となり、
前記EL電飾部を前記レ−ル長手方向に平行に回転することによって得られる、前記レ−ルに非係止状態においては、
前記レ−ルの長手方向へ前記EL電飾部を移動することが可能な、あるいは前記レ−ルから前記EL電飾部を着脱することが可能な状態となり、
前記レ−ルに複数のEL電飾部が係止されているとき、前記複数のEL電飾部が前記EL駆動用電力ラインから電力の供給を受け、
且つ、前記信号用電気ラインによって前記複数のEL電飾部のEL制御駆動装置同士が同期信号を共有することにより、
前記複数のEL電飾部が計画的に連携して、前記複数のEL電飾部のELパネルの同時点灯や順次点灯などの、視覚効果が得られることを特徴とする、
ELコ−ドレス点灯制御パネル。
【請求項2】
フリ−状態の前記レ−ルにおける、前記二側辺の内側間の長さよりも、前記EL電飾部の前記翼状係止具の前記嵌合部の翼状形の両先端間長を長くすることによって、
前記EL電飾部が前記レ−ルに係止しているときに、前記レ−ルの横断面方向の弾性により、前記嵌合部の前記翼状形の両先端に具備されているEL駆動受電端子、ならびに信号受送電端子を挟持している前記レ−ル横断面がフリ−状態に戻ろうとする押圧力が掛かり、前記レ−ルへの前記EL電飾部の係止が確実化するとともに、レ−ルの長手方向の前記EL駆動用電力ラインと前記EL駆動受電端子、ならびに前記信号用電気ラインと前記信号受送電端子の電気的接触を確実化させることを特徴とする、
請求項1に記載するELコ−ドレス点灯制御パネル。
【請求項3】
前記EL電飾部において、
前記EL駆動用電力ラインに接続されるべきEL駆動受電端子、ならびに前記信号用電気ラインに接続されるべき信号受送電端子が具備され、
ELインバ−タ部、点灯パタ−ン信号発生回路部、ならびに同期信号回路部からなるEL制御駆動装置が具備されていて、
前記EL制御駆動装置で、複数の前記EL電飾部のELパネルの点灯制御が、連携して行われることを特徴とする、
請求項1、および2に記載するELコ−ドレス点灯制御パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−34240(P2007−34240A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236960(P2005−236960)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(505155872)
【Fターム(参考)】