説明

ELパネル及びその製造方法

【課題】 樹脂封止であっても、封止樹脂によるEL素子の特性劣化を抑えることができるELパネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るELパネル1は、透明基板10上に陽極12、有機層16及び陰極18が順次積層されて構成された複数のEL素子20と、隣り合うEL素子20の間に位置する隔壁14と、複数のEL素子20及び隔壁14を一体的に覆う封止プレート22とを有し、透明基板10と封止プレート22との間には樹脂24が介在し、且つ、隔壁14とEL素子20の有機層16との間に空間部26が形成されているため、封止樹脂24の樹脂成分がEL素子20の有機層16を浸食する事態が有意に抑制されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ELパネル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機EL(ElectroLuminescence)や無機EL等のEL素子は、自発光型の発光素子であり、高輝度であるほか、小型・軽量化が容易であるという特徴を有しており、ディスプレイや照明等への応用が期待されている。ところが、これらのEL素子に用いられる発光材料は、外気(特に湿気等の水分)によって劣化し易い傾向にあり、これが素子の高寿命化を妨げる一つの要因となっていた。このため、従来、EL素子は、外気との接触を少なくするため、当該素子を封止したELパネルの形態で用いられている。
【0003】
かかる封止の形態としては、EL素子を基板と封止板との間に配置し、外周部のみを樹脂等からなるシール剤で塞ぐ中空型の封止が知られている。ところが、この中空型の封止では、中空部の湿気を完全に取り除くために内部に乾燥剤等を導入する必要がある場合が多く、ELパネルの小型化・薄型化を図るのが困難な傾向にあった。
【0004】
そこで、このような不都合を低減するために、基板と封止板との間のEL素子を含む領域を中空にせずに、当該領域全体を硬化性樹脂で満たして接着層とした固体封止型の構造が知られている(下記特許文献1参照)。こうすれば、EL素子の周囲が完全に封止されることから湿気等の浸入や残存が困難となり、乾燥剤の導入が不要となる。
【特許文献1】特開2003−197366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、樹脂とEL素子とを接触させてELパネルを作製すると、当該EL素子にダメージを与える場合がある。このようにEL素子がダメージを受けると、EL素子本来の発光が十分に得られなくなり、ELパネルにおける発光輝度の低下や発光面積の減少が生じる結果となる。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、樹脂封止であっても、封止樹脂によるEL素子の特性劣化を抑えることができるELパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るELパネルは、基板上に第1の電極、有機層及び第2の電極が順次積層されて構成された複数のEL素子と、隣り合うEL素子の間に位置する隔壁と、複数のEL素子及び隔壁を一体的に覆う封止プレートとを有し、基板上のEL素子と封止プレートとの間には樹脂が介在し、且つ、隔壁とEL素子の有機層との間に空間部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
このELパネルにおいては、隔壁とEL素子の有機層との間に空間部が形成されているため、封止樹脂が有機層の隔壁側の端面に接しない状態で、基板と封止プレートとの間が樹脂で封止されている。そのため、封止樹脂の樹脂成分がEL素子の有機層を浸食する事態が有意に抑制されている。従って、本発明に係るELパネルにおいては、封止樹脂によるEL素子の特性劣化が抑えられている。
【0009】
また、隔壁と樹脂とが接していることが好ましい。この場合には、隣り合う隔壁の間の空間が樹脂によって閉塞されるため、隔壁を介した外気の流動が抑止されて、その外気によるEL素子への影響が抑制される。
【0010】
また、空間部が真空である、若しくは、空間部が不活性ガスで満たされていることが好ましい。この場合、空間部に外気が存在せず、より効果的にEL素子の特性劣化が抑えられる。
【0011】
本発明に係るELパネルの製造方法は、第1の電極が形成された基板上に隔壁を形成するステップと、基板上に有機層及び第2の電極を順次積層して、第1の電極、有機層及び第2の電極を含む複数のEL素子を形成するステップと、隔壁とEL素子の有機層との間に空間部が形成されるように、樹脂が塗布された封止プレートと基板とを、封止プレートの樹脂側と基板のEL素子側とを向かい合わせて貼り合わせるステップとを有することを特徴とする。
【0012】
このELパネルの製造方法においては、封止プレートと基板とを貼り合わせる際に、隔壁とEL素子の有機層との間に空間部が形成される。つまり、封止樹脂が有機層の隔壁側の端面に接しない状態で、基板と封止プレートとの間が樹脂で封止される。そのため、封止樹脂の樹脂成分がEL素子の有機層を浸食する事態が有意に抑制されている。従って、本発明に係るELパネルの製造方法においては、封止樹脂によるEL素子の特性劣化が抑えられたELパネルが得られる。
【0013】
また、塗布された樹脂が未硬化状態である封止プレートで、複数のEL素子及び隔壁を覆ってもよい。この場合、隔壁の上部が樹脂に埋没するため、外部環境からの水分の侵入を十分防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、樹脂封止であっても、封止樹脂によるEL素子の特性劣化を抑えることができるELパネル及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るELパネルの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【0017】
本発明の実施形態に係るELパネルの製造方法を用いてELパネル1を作製する際は、まず、図1(a)に示すように、透明基板10上に複数の陽極(第1の電極)12を形成し、その後に複数の隔壁14を形成する。透明電極10としては、ガラス基板やプラスチック基板、その他の透光性を有する材料からなる基板を用いることができる。
【0018】
陽極12は帯状の透明電極(例えば、ITO透明電極)であり、複数の陽極12が透明基板10上に並列するようにパターニング形成される。隔壁14は、陽極12の並列方向(すなわち、陽極12の延在方向に直交する方向)に延びるポリマー部材であり、逆テーパ形状を有している。隔壁14の材料としては、ポジ型の感光性レジスト、例えばノボラック樹脂等を用いることができる。この隔壁14は、例えば、ポジ型感光性レジストを用いて、逆テーパ形状断面に形成することができる。なお、本明細書における逆テーパ形状断面とは、図1に示す逆台形形状断面に限定されず、透明基板に向かって厚さ方向に先細りする断面形状であれば、三角形状断面や六角形状断面等であってもよい。また、隔壁14は、キノコ状に異なる形状の樹脂を複数積層させたものでもよい。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、透明基板10表面のうち、陽極12及び隔壁14が形成された領域の全面に、有機層16及び陰極(第2の電極)18を蒸着により順次積層する。このとき、隔壁14の上面14aに有機層16及び陰極18が積層されるため、隔壁形成領域Aの陰極と、隔壁形成領域A以外の領域の陰極とが断絶されて、導通しない状態となる。すなわち、この隔壁14をマスクとした有機層16及び陰極18のパターニングがおこなわれる。そして、上述した陽極12と、この陽極12上に積層された有機層16及び陰極18とによって、複数のEL素子20が形成される。換言すると、隔壁14がマスクとして機能して、EL素子20毎に分離された陰極18が形成される。また、複数のEL素子20は、透明基板10上にマトリクス配置され、隣り合うEL素子20の間に隔壁14が位置する。
【0020】
なお、隔壁14が逆テーパ形状断面を有するために、EL素子20の有機層16及び陰極18の側面と隔壁14の側面とは離間し、その間には空間が形成される。
【0021】
透明基板10上にEL素子20を形成した後、図1(c)に示すように、未硬化状態のエポキシ樹脂24が塗布された封止プレート22を用意し、真空雰囲気中において、封止プレート22の樹脂側と透明基板10のEL素子側とを向かい合わせて貼り合わせる。それにより、透明基板10上の複数のEL素子20及び複数の隔壁14が封止プレート22の樹脂24で一体的に覆われる。ここで、本明細書における「未硬化状態」とは、樹脂が完全硬化していない状態をいう。例えば、エポキシ樹脂の場合、樹脂のIRスペクトルを観測する際、エポキシ環由来の915cm−1付近に出現するピークが存在しない状態をいう。ただし、塗布直後の樹脂に対し、10%以下にピーク強度が消失している状態は完全硬化しているものと見なす。また、封止プレート22の形状としては、平板形状や、平板の端部が内側に屈曲した形状(キャップ形状)等を採用することができる。
【0022】
そして、図1(d)に示すように、封止プレート22の樹脂24がEL素子20の表面20aに接するまで封止プレート22を透明基板10に押し付けることにより、樹脂封止されたELパネル1の作製が完了する。このとき、EL素子20の有機層16の側面16aと隔壁14の側面14bとの間には、陽極12、隔壁14、樹脂24、EL素子20の有機層16及び陰極18で囲まれた空間部26が形成される。そして、有機層16の隔壁14側の端面16aが空間部26に露出する。なお、ELパネル1の樹脂封止の工程は、上述したように真空雰囲気においておこなわれるため、空間部26は真空となっている。
【0023】
以上で説明したように、ELパネル1においては、有機層16の隔壁14側の端面16aが空間部26に露出しており、封止樹脂24がその端面16aに接しない状態で、透明基板10と封止プレート22との間が樹脂24で封止されている。
【0024】
ここで、封止樹脂24の硬化剤等の樹脂成分が有機層16を浸食した場合には、シュリンクやダークスポット等が生じてEL素子の素子寿命を縮めることが考えられるが、上述したELパネル1においては、封止樹脂24の樹脂成分がEL素子20の有機層16を浸食する事態が有意に抑制されているため、封止樹脂24によるEL素子20の素子寿命等の特性劣化が抑えられることとなる。特に、ELパネル1においては空間部26が真空となっているため、空間部26中に実質的に酸素や水分を含む外気が存在せず、それらがEL素子20へ影響を与える事態も併せて抑制されている。空間部26をNガスやArガス等の不活性ガスで満たしても、空間部26中に実質的に酸素や水分を含む外気が存在しないこととなり、この場合にもやはりEL素子20の特性劣化が抑えられる
【0025】
また、ELパネル1においては、封止プレート22に塗布された樹脂24が未硬化状態であるため、隔壁14の上部が樹脂24に埋没する。そのため、隔壁14が樹脂24に埋没しない場合に比べ、より外気からの水の侵入を防止することが可能となる。
【0026】
さらに、ELパネル1においては、隔壁14と樹脂24とが接しているため、隣り合う隔壁14の間の空間が樹脂24によって閉塞されている。そのため、隔壁14を介した外気の流動が抑止されており、隣り合う隔壁14の間の空間に外気が流入する事態が抑止されている。それにより、外気に含まれる水分によるEL素子20へ影響が抑制されている。つまり、外気に含まれる水分は、樹脂を介してしか隣り合う隔壁14の間に浸入することができず、樹脂内における外気の移動は空気中における水分の移動に比べて非常に遅いため、その水分がEL素子に影響を与えづらくなっている。その結果、EL素子20及びELパネル1の長寿命化が図られている。
【0027】
なお、上述した実施形態とは異なる図2に示す製造方法を用いて作製したELパネル1Aにおいても、ELパネル1と同様の効果を得ることができる。図2は、そのELパネル1Aの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【0028】
ELパネル1Aの製造工程のうち、EL素子20を作製する工程(すなわち、図1(b)に示す工程)まではELパネル1の場合と同様である。そして、EL素子20を作製した後は、図2(a)に示すように、未硬化状態のエポキシ樹脂24が塗布された封止プレート22で透明基板10を覆う。そして、図2(b)に示すように、封止プレート22の樹脂24とEL素子20の表面20aとが所定の離間距離dとなるまで、封止プレート22を透明基板10に押し付けて、樹脂封止されたELパネル1Aの作製が完了する。このELパネル1Aにおいても、ELパネル1同様、EL素子20の有機層16の側面16aと隔壁14の側面14bとの間には、有機層16の隔壁14側の端面16aが露出する空間部26が形成される。従って、ELパネル1Aにおいても、封止樹脂24によるEL素子20の素子寿命等の特性劣化が抑えられる。
【0029】
さらに、上述した実施形態とは異なる図3に示す製造方法を用いて作製したELパネル1Bにおいても、ELパネル1及びELパネル1Aと同様の効果を得ることができる。図3は、そのELパネル1Bの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【0030】
ELパネル1Bの製造工程のうち、EL素子20を作製する工程(すなわち、図1(b)に示す工程)まではELパネル1の場合と同様である。そして、EL素子20を作製した後は、図3(a)に示すように、硬化状態のエポキシ樹脂24Aが形成された封止プレート22で透明基板10を覆う。そして、図3(b)に示すように、所定の押圧力で封止プレート22を透明基板10に押し付けると共に、図示しない結合部材により封止プレート22と透明基板10とを結合させることにより、樹脂封止されたELパネル1Bの作製が完了する。このELパネル1Bにおいても、ELパネル1及びELパネル1A同様、EL素子20の有機層16の側面16aと隔壁14の側面14bとの間には、有機層16の隔壁14側の端面16aが露出する空間部26が形成される。従って、ELパネル1Bにおいても、封止樹脂24AによるEL素子20の素子寿命等の特性劣化が抑えられる。
【0031】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、基板と封止プレートとの間に介在する樹脂は、封止プレートに塗布して介在させる方法以外に、インクジェット法によって基板上に樹脂を射出して介在させてもよい。また、樹脂は、エポキシ樹脂の他、シリコーン樹脂等であってもよい。さらに、第1の電極が陰極であり、且つ、第2の電極が陽極である態様であってもよい。
【0032】
また、封止プレートが透光性を有し、封止プレート側からEL素子の光を取り出すタイプのELパネルであってもよい。この場合には、EL素子上に、封止プレートに一体的に形成された樹脂があるため、EL素子上に樹脂がない場合に比べて、EL素子から発光して放射された光の散乱が抑制され、ELパネルから効率よく光を取り出すことが可能となる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の内容を実施例を用いて説明する。
(実施例)
【0034】
発明者らは、上述した実施形態で示した製造方法を用い、ELパネル1と同様のELパネル#1を以下の手順により作製した。
【0035】
まず、透明基板(ガラス基板)上に複数のITO(錫ドープ酸化インジウム)の陽極をパターニング形成した。その後、陽極12の並列方向に複数の隔壁(ポジ型感光性レジスト(ノボラック樹脂系)隔壁)を形成した(図1(a)参照)。
【0036】
次に、透明基板表面のうち、陽極及び隔壁が形成された領域の全面に、有機層(4,4’,4”トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)フェニルアミン(MTDATA)とN,N,N’,N’テトラキス(3−ビフェニル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(TPD)と、Alq3 :トリス(8−キノリノラト)アルミニウムと、をこの順で積層したもの)及び陰極(Ag・Mg合金と、Alとをこの順で積層したもの)を蒸着により順次積層した(図1(b)参照)。このとき、陽極と、陽極上に積層された有機層及び陰極とによって、複数のEL素子が形成される。
【0037】
透明基板上にEL素子を形成した後、未硬化状態のエポキシ樹脂が塗布された封止プレートを用意し、真空雰囲気中において、封止プレートの樹脂側と透明基板のEL素子側とを向かい合わせて貼り合わせた(図1(c)参照)。このエポキシ樹脂は、樹脂のIRスペクトルを観測した際、エポキシ環由来の915cm−1付近に出現するピークが存在していないものである。
【0038】
そして、封止プレートの樹脂がEL素子の表面に接するまで封止プレートを透明基板に押し付けることにより、樹脂封止されたELパネル#1を得た(図1(d)参照)。このとき、EL素子の有機層の側面と隔壁の側面との間には空間部が形成されており、有機層の隔壁側の端面が空間部に露出していた。
(比較例)
【0039】
また、比較例として、上述したELパネル#1の製造方法とは空間部を設けなかった(すなわち、透明基板と封止プレートとの間が封止樹脂により完全に充たした)点でのみ異なる製造方法で作製したELパネル#2を準備した。
(ELパネルの輝度測定)
【0040】
上述したELパネル#1(実施例)及びELパネル#2(比較例)の輝度測定をおこなった。輝度測定の方法は、作製した有機EL素子に駆動電圧5Vを印加し、封止プレート側から射出した光の正面方向の発光輝度を輝度計(大塚電子社製、MCPD−7000)を用いて測定した。この輝度測定の結果は、図4のグラフのとおりとなった。
(ELパネルの輝度評価)
【0041】
この図4のグラフから明らかなように、「○」で示されたELパネル#1の輝度は、1000時間後であっても高い値を維持していた。一方、「●」で示されたELパネル#2の輝度は、測定開始直後に低下し、その後も低い値で推移した。すなわち、ELパネル#2の寿命に比べて、ELパネル#1の寿命が著しく長くなっている。つまり、実施例であるELパネル#1においては、比較例であるELパネル#2に比べて、EL素子の特性劣化が抑えられて、その寿命が延長されている。
(ELパネルの外観評価)
【0042】
また、発明者らは、ELパネル#1及びELパネル#2を実際に発光させてみたところ、図5に示すように、ELパネル#1(図5(a)参照)ではEL素子の輪郭が明確であったが、ELパネル#2(図5(b)参照)ではシュリンクが生じてEL素子の輪郭がぼやけていた。
【0043】
以上のようなELパネル#1とELパネル#2との間の相異は、ELパネル#2では封止樹脂の樹脂成分が有機層を浸食したのに対し、ELパネル#1では空間部によってその浸食が抑えられたために生じたものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係るELパネルの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【図2】図1とは一部異なるELパネルの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【図3】図1とは一部異なるELパネルの製造方法の手順を示した工程フロー図である。
【図4】実施例における輝度の測定結果を示したグラフである。
【図5】実施例における発光実験の結果を示した図である。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B…ELパネル、10…透明基板、12…陽極、14…隔壁、16…有機層、18…陰極、20…EL素子、22…封止プレート、24,24A…樹脂、26…空間部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の電極、有機層及び第2の電極が順次積層されて構成された複数のEL素子と、
隣り合う前記EL素子の間に位置する隔壁と、
前記複数のEL素子及び前記隔壁を一体的に覆う封止プレートと
を有し、
前記基板上の前記EL素子と前記封止プレートとの間には樹脂が介在し、且つ、前記隔壁と前記EL素子の前記有機層との間に空間部が形成されている、ELパネル。
【請求項2】
前記隔壁と前記樹脂とが接している、請求項1に記載のELパネル。
【請求項3】
前記空間部が真空である、若しくは、前記空間部が不活性ガスで満たされている、請求項1又は2に記載のELパネル。
【請求項4】
第1の電極が形成された基板上に隔壁を形成するステップと、
前記基板上に有機層及び第2の電極を順次積層して、前記第1の電極、前記有機層及び前記第2の電極を含む複数のEL素子を形成するステップと、
前記隔壁と前記EL素子の前記有機層との間に空間部が形成されるように、樹脂が塗布された封止プレートと前記基板とを、前記封止プレートの樹脂側と前記基板のEL素子側とを向かい合わせて貼り合わせるステップと
を有する、ELパネルの製造方法。
【請求項5】
塗布された前記樹脂が未硬化状態である前記封止プレートで、前記複数のEL素子及び前記隔壁を覆う、請求項4に記載のELパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−179977(P2007−179977A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380057(P2005−380057)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】