EL円柱発光体
【課題】可搬型屋外移動電飾看板として、蛍光灯、冷陰極管などに替る機械的衝撃力に優れ、且つバッテリー駆動から低消費電力の光源の開発、パネル面の光むら防止技術の確立、持ち運びする上から軽量化、低価格化。
【解決手段】EL発光シートを丸管や長円管或いは楕円管を芯に外周に沿って巻き付け固着したEL円柱発光体を電飾看板の光反射シート上に取付け、更にEL円柱発光体表面に透過光調整シートを光反射シートと平行に設置する事により電飾看板の表面パネル面での光のムラを少なくする。
丸管や長円管或いは楕円管等の変成母体の外周形状に沿って固着されたEL円柱発光体は外周形状に沿って発光するため、ELの平面発光よりEL面発光の照射面積を飛躍的(4〜6倍)に拡大し、上記パネル面の光むら防止技術とあいまって、夜間、僅か10ワットの電力にてA0サイズの葬儀用花輪の名札等の可搬型屋外移動電飾看板として視認性を確保できる。
【解決手段】EL発光シートを丸管や長円管或いは楕円管を芯に外周に沿って巻き付け固着したEL円柱発光体を電飾看板の光反射シート上に取付け、更にEL円柱発光体表面に透過光調整シートを光反射シートと平行に設置する事により電飾看板の表面パネル面での光のムラを少なくする。
丸管や長円管或いは楕円管等の変成母体の外周形状に沿って固着されたEL円柱発光体は外周形状に沿って発光するため、ELの平面発光よりEL面発光の照射面積を飛躍的(4〜6倍)に拡大し、上記パネル面の光むら防止技術とあいまって、夜間、僅か10ワットの電力にてA0サイズの葬儀用花輪の名札等の可搬型屋外移動電飾看板として視認性を確保できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示内容が随時変わる、例えば葬儀用花輪の名札看板、或いはイベント会場案内などに使用する前面パネルが着脱容易な電飾看板に関し、光源の素材として、既存のELシート或いはELFを用いることにより、非常に安価に製造でき、且つ極めて少ない電力消費にて大面積を照射ならしめるにもかかわらず表示パネル面での明るさにムラの少ないバッテリー駆動可搬型屋外移動電飾看板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の電飾看板に用いられる蛍光灯21を光源に使用した事例ついて示す。表示面積により蛍光灯の本数を増たり、反射板22などにより表示パネル14の光ムラを無くしている。蛍光管が破損し易く可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0003】
図9は、前面表示パネル14、冷陰極管23と反射板24、導光板25を用いた電飾看板を示す。冷陰極管の長さに限りが有り、長尺大型看板への適用は複雑になり困難が伴う、また冷陰極管が衝撃に弱く破損し易く可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0004】
図10は、LED 26を光源に用いた例を示す。LEDは電力消費が少なく且つ機械的衝撃に対して可搬型屋外移動電飾看板用としては有利な面も有るが、LEDの持つ発光体としての限界、即ちLEDの発光面より極めて限定された直交方向への点光源であり、冷陰極管式と同様、反射板24、導光板25が必要。特に大型面発光への展開は大型導光板が必要、高価であると同時にかなりの重量となる。また数多くのLEDが必要となり消費電力も大となり電源を含めた可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0005】
図11は、EL発光板27を使用した看板事例を示す。EL発光板は機械的衝撃などには強く可搬型屋外移動電飾看板への適用条件は満たすが、駆動するための単位面積当り電源容量がA3サイズ以上になると消費電力も大となり大容量のバッテリーが必要となり、かなりの重量となり可搬型屋外移動電飾看板への適用は限界がある。
【特許文献1】特開2004−013072号公報(1頁、図1)
【特許文献2】特開2003−29673号公報 (4頁、図1)
【特許文献1】特開2002−110341号公報(2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バッテリー駆動、可搬型屋外移動電飾看板として、蛍光灯、冷陰極管などに替る機械的衝撃力に優れ、且つバッテリー駆動から低消費電力の光源の開発、パネル面の光むら防止技術の確立、持ち運びする上から軽量化、低価格化が目的であり必須課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1に、バッテリー駆動、可搬型屋外移動電飾看板用として開発したEL円柱発光体を示す。A3サイズのEL発光シート1を長手方向1a(発光有効寸法420mm)に横幅1bは看板厚みに対して光照射のむムラを最も少なく出来る最適な寸法を選択する。今回採用した照射パネル面までの厚さ49mmの電飾看板に対する最適な横幅1bは37.5mmとなる。長手方向1aが420mmに対し横幅1bは37.5mmのELシート片2これを、円柱は直径13φの丸管3(ボイド管)に巻付成形し、両端に接続用オス4a、メス4b電極端子を取付ける。オス端子4aよりELシート電極5へ配線する。さらにメス端子4bへも配線する。オス4a、メス4b両端子を丸管3の両端に装着し接着剤により固着。次に丸管3に表記した中心線7に沿ってELシートを巻き付け、透明熱収縮チューブ6(肉厚0.1mm 商品名ヒシチューブ三菱樹脂)により被覆し固着する。コネクタにより複数のEL円柱発光体を接続し任意の長さのEL円柱発光体を得る。またコネクタを使用しない場合は直接リード線の引出しも可能である。なお、3aならび3bには丸管に替り、長円管、楕円管を使用した場合を示す。丸管の円周発光に対し、管形状を選択する事により、その管の外形形状に沿った発光をする事により光源としての最適な選択が出来る。
図2に丸管によるEL円柱発光体の断面図を示す。直径13φの丸管3の円周は40.82mmに対し37.5mmのELシート片2を巻き付け、図2に示す様に、直径13φの円柱丸管の周囲に330.7度9、約30度9aの間隙を残しELが巻付けられる。光源を取付ける際は、この約30度の間隙9aが底面に接する様にして反射シート10上に固着する。これにより330.7度の角度に対して全周囲発光照射される。
【0008】
またEL円柱発光体の基準となる長さは、EL発光シートのサイズにより決定される。
A4サイズの場合210mm、A3サイズの場合420mm、A2サイズの場合600mm、A1サイズの場合840mm、A0サイズの場合1200mmとなる。各サイズの組合せにより必要な長さを得る事が出来る。例えば、A3サイズを2本接続することにより、840mmとなり、A1サイズと同様な性能を得る事が可能である。
【0009】
図3に長さ420mmの丸管3にA3サイズELシート1より横幅37.5mm×縦幅420mmのELシート片2を丸管に巻き付け成型固着したEL円柱発光体11aを得る。A3サイズの発光シートからは、長さ420mmのEL円柱発光体が8本、11aから11hまで作成することが出来る。
横幅37.5mm×420mmのELシート片の発光面積は157.5cm2となる。これを2本接続使用した場合長さ840mm、発光面積は315cm2、A5サイズEL円柱発光体12となる。
【0010】
次に、本EL円柱発光体12を実装した電飾看板について説明する。図4にA0サイズの電飾看板を示す。底板と側壁とからなる正面が開口している額縁状箱13と表示パネル14により構成される。横幅 841mm 長さ1,189mm 表示面積9,999cm2、この面積に対しサイズ 37.5mm×420mmのEL円柱発光体を2本接続した840mmEL円柱発光体12を6本使用、1本当り315cm2×6本=1,890cm2の発光能力を持つEL円柱発光体によりA0サイズの表示面積9,999cm2を光ムラの無い均一な電飾看板を提供する。6本並列に並べたEL円柱発光体12は電飾看板13の底面に貼りつけられた反射シート15に取付ける。またEL円柱発光体12の正面(上側)には底面反射シート15と平行に透過光調整シート16を取付ける。
輝度については表示面積を拡大した分低下(1,890→9,999cm2、5.29倍)する。A4〜A3サイズの輝度は通常70〜90cd/m2であるため拡大した分輝度は低下し、13〜17cd/m2程度となる。照明用として使用する場合であれば輝度の低下は避けなければならないが、電飾看板として表示パネル面での照度は20〜30ルックスとなるが、これはJIS Z9110−1979による照度の基準では非常階段、構内通路、展示室等での明るさの目安とされる明るさで、本発明の狙いとして葬祭用造花、花輪への適用として通常の電飾看板で要求される数百ルックスの様なケバケバしい明るさは必要なく、夜間において視認性を確保するだけで十分であり提供者の名前を確認する上で必要条件を満たす。
【0011】
次に、本EL円柱発光体の消費電力について説明する。A3サイズ 面積、1,260cm2のELを発光させるためにはインバータが必要で、その駆動にはDC12V,0.83A消費電力としては10Wが必要である。横幅 841長さ1,190mm、パネル面まで厚さ49mm 表示面積9,999cm2看板をA3サイズのELシートで発光させるためには、約8枚必要となり、消費電力は10×8で80W必要となる。輝度は確保されるが可搬型屋外移動電飾看板としては電力供給面よりバッテリーでの駆動は不可能である。本発明の狙いはここにあり、長さ420mm、幅37.5mmEL円柱発光体を2本接続し、長さ840mmのEL円柱発光体を得る。これは発光面積A4サイズ(315cm2)に相当する。このEL円柱発光体を6本使用することにより表示面積9,999cm2を光むらの無い均一な電飾看板を提供することで、消費電力も僅か10W 照度20ルックス程度は得られ電飾看板として夜間における視認性は確保できる。バッテリー駆動を可能ならしめ可搬型屋外移動電飾看板として仕様を満たすことが出来る。
【0012】
次に、電飾看板は厚さが薄くなると光源の形状が前面パネル表面に現れ光源の配置そのままが照度のムラとなってしまう。このムラを取り除き、均一な照度を得る事が必須である。図5に本発明の電飾看板の断面図を示す。表示パネル14と底板と側壁とからなる正面が開口している額縁状箱13と、底板には拡散反射率96%の超微細発泡光反射シート15(例えば、商品名MCPET、古河電気工業(株)製)を貼り、その上に本EL円柱発光体12を配置する。EL円柱発光体の取付けに際しては発光体を巻き付けていない間隙部を底辺にして取付ける。取付け間隔は照射光が平均になるようにEL円柱発光体を配置する。額縁状箱13の横幅寸法a 841mmに対してEL円柱発光体を6本取付ける場合、左右の寸法はa/12 70.0mm、EL円柱発光体間は中心で2a/12で140mmに配置し設定する。また、光源上に光透過率70%の透過光調整シート16(例えば、商品名ルミキャップP01、IKC(株)製)を底板反射シートと平行に設置する。透過光調整シートの横幅は光源の設置間隔の1/2の寸法70mm、長さは光源と同じである。この構成にすることにより図6に示す様に、反射光と直射光が光源と光源の谷間に対しても光源の真上と同等に拡散されパネル表面に対して光ムラの無い均一な照度がえられる。
【発明の効果】
本発明によれば,安価な既存のELシートを円柱状に加工したEL円柱発光体を光源に使用しているため、表示パネル面まで厚さ50mm以下であるにもかかわらず、A0サイズの大型電飾看板に対しても、僅か10Wの省エネルギーを実現し非常に安価で且つ軽量化を実現している。A2サイズ以下に対しては6Wで十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
図7には本発明を葬儀用花輪の名札への実施例を示す。薄暮時の電飾看板としての名札は、まだ点灯しておらず、薄明かりの中、名札表示文字も判読できる。日没後、名札の状況は何ならかの照明が無いと全く判読する事が出来ず、本発明の実施により日没点灯時のパネル表面の様子を示す如く名札は照らされ容易に判読できる。
なお、本事例の花環について日没時自動点灯、必要時間点灯後自動消灯、通夜と前日との点灯時間の設定などについては公開特許58−189873電装表示装置として出願している。
【他の実施形態】
本発明のEL円柱発光体は、素材となるELシートの発光色を選ぶ事によりカラー円柱発光体が製作可能で、図12に示す各種保安用品への応用が出来る。踏切の遮断機の棒28への応用、黄色ELを遮断機棒に取付け点滅表示する事により安全性が確保できる。交通指示棒29、保安等30等への展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】EL円柱発光体の製作図、ELシートからEL円柱発光体への加工過程を示す。
【図2】EL円柱発光体の断面図、丸管に対し取り付る底面のデッドゾーン30度を避けELシートを巻き付ける。
【図3】A3サイズELシートからEL円柱発光体への展開を示す。
【図4】EL円柱発光体を実装したA0サイズの電飾看板を示す。
【図5】EL円柱発光体を実装した電飾看板の断面図を示す。
【図6】EL円柱発光体を実装した電飾看板の光ムラ対処構造図を示す。
【図7】EL円柱発光体を実装した葬祭用花輪名札への応用、点灯時の情景を示す。
【図8】光源として蛍光灯を使用した既存の電飾看板
【図9】光源として例陰極管を使用した既存の電飾看板
【図10】光源としてLEDを使用した既存の電飾看板
【図11】光源としてELシートを使用した既存の電飾看板
【図12】他の実施形態、各種保安用品への応用
【符号の説明】
1 A3サイズELシート
1a A3サイズELシートの長手方向寸法 420mm
1b A3サイズELシートの横幅サイズ 37.5mm
2 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片
2a 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片の変成
2b 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片の丸管への巻き付け
11a〜11h A3サイズELシートより作成される8本のEL円柱発光体
12 EL円柱発光体を2本接続した、A5サイズEL円柱発光体
15 反射シート
16 透過光調整シート
22 反射板
25 導光板
27 EL発光シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示内容が随時変わる、例えば葬儀用花輪の名札看板、或いはイベント会場案内などに使用する前面パネルが着脱容易な電飾看板に関し、光源の素材として、既存のELシート或いはELFを用いることにより、非常に安価に製造でき、且つ極めて少ない電力消費にて大面積を照射ならしめるにもかかわらず表示パネル面での明るさにムラの少ないバッテリー駆動可搬型屋外移動電飾看板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の電飾看板に用いられる蛍光灯21を光源に使用した事例ついて示す。表示面積により蛍光灯の本数を増たり、反射板22などにより表示パネル14の光ムラを無くしている。蛍光管が破損し易く可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0003】
図9は、前面表示パネル14、冷陰極管23と反射板24、導光板25を用いた電飾看板を示す。冷陰極管の長さに限りが有り、長尺大型看板への適用は複雑になり困難が伴う、また冷陰極管が衝撃に弱く破損し易く可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0004】
図10は、LED 26を光源に用いた例を示す。LEDは電力消費が少なく且つ機械的衝撃に対して可搬型屋外移動電飾看板用としては有利な面も有るが、LEDの持つ発光体としての限界、即ちLEDの発光面より極めて限定された直交方向への点光源であり、冷陰極管式と同様、反射板24、導光板25が必要。特に大型面発光への展開は大型導光板が必要、高価であると同時にかなりの重量となる。また数多くのLEDが必要となり消費電力も大となり電源を含めた可搬型屋外移動電飾看板には不向き。
【0005】
図11は、EL発光板27を使用した看板事例を示す。EL発光板は機械的衝撃などには強く可搬型屋外移動電飾看板への適用条件は満たすが、駆動するための単位面積当り電源容量がA3サイズ以上になると消費電力も大となり大容量のバッテリーが必要となり、かなりの重量となり可搬型屋外移動電飾看板への適用は限界がある。
【特許文献1】特開2004−013072号公報(1頁、図1)
【特許文献2】特開2003−29673号公報 (4頁、図1)
【特許文献1】特開2002−110341号公報(2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バッテリー駆動、可搬型屋外移動電飾看板として、蛍光灯、冷陰極管などに替る機械的衝撃力に優れ、且つバッテリー駆動から低消費電力の光源の開発、パネル面の光むら防止技術の確立、持ち運びする上から軽量化、低価格化が目的であり必須課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1に、バッテリー駆動、可搬型屋外移動電飾看板用として開発したEL円柱発光体を示す。A3サイズのEL発光シート1を長手方向1a(発光有効寸法420mm)に横幅1bは看板厚みに対して光照射のむムラを最も少なく出来る最適な寸法を選択する。今回採用した照射パネル面までの厚さ49mmの電飾看板に対する最適な横幅1bは37.5mmとなる。長手方向1aが420mmに対し横幅1bは37.5mmのELシート片2これを、円柱は直径13φの丸管3(ボイド管)に巻付成形し、両端に接続用オス4a、メス4b電極端子を取付ける。オス端子4aよりELシート電極5へ配線する。さらにメス端子4bへも配線する。オス4a、メス4b両端子を丸管3の両端に装着し接着剤により固着。次に丸管3に表記した中心線7に沿ってELシートを巻き付け、透明熱収縮チューブ6(肉厚0.1mm 商品名ヒシチューブ三菱樹脂)により被覆し固着する。コネクタにより複数のEL円柱発光体を接続し任意の長さのEL円柱発光体を得る。またコネクタを使用しない場合は直接リード線の引出しも可能である。なお、3aならび3bには丸管に替り、長円管、楕円管を使用した場合を示す。丸管の円周発光に対し、管形状を選択する事により、その管の外形形状に沿った発光をする事により光源としての最適な選択が出来る。
図2に丸管によるEL円柱発光体の断面図を示す。直径13φの丸管3の円周は40.82mmに対し37.5mmのELシート片2を巻き付け、図2に示す様に、直径13φの円柱丸管の周囲に330.7度9、約30度9aの間隙を残しELが巻付けられる。光源を取付ける際は、この約30度の間隙9aが底面に接する様にして反射シート10上に固着する。これにより330.7度の角度に対して全周囲発光照射される。
【0008】
またEL円柱発光体の基準となる長さは、EL発光シートのサイズにより決定される。
A4サイズの場合210mm、A3サイズの場合420mm、A2サイズの場合600mm、A1サイズの場合840mm、A0サイズの場合1200mmとなる。各サイズの組合せにより必要な長さを得る事が出来る。例えば、A3サイズを2本接続することにより、840mmとなり、A1サイズと同様な性能を得る事が可能である。
【0009】
図3に長さ420mmの丸管3にA3サイズELシート1より横幅37.5mm×縦幅420mmのELシート片2を丸管に巻き付け成型固着したEL円柱発光体11aを得る。A3サイズの発光シートからは、長さ420mmのEL円柱発光体が8本、11aから11hまで作成することが出来る。
横幅37.5mm×420mmのELシート片の発光面積は157.5cm2となる。これを2本接続使用した場合長さ840mm、発光面積は315cm2、A5サイズEL円柱発光体12となる。
【0010】
次に、本EL円柱発光体12を実装した電飾看板について説明する。図4にA0サイズの電飾看板を示す。底板と側壁とからなる正面が開口している額縁状箱13と表示パネル14により構成される。横幅 841mm 長さ1,189mm 表示面積9,999cm2、この面積に対しサイズ 37.5mm×420mmのEL円柱発光体を2本接続した840mmEL円柱発光体12を6本使用、1本当り315cm2×6本=1,890cm2の発光能力を持つEL円柱発光体によりA0サイズの表示面積9,999cm2を光ムラの無い均一な電飾看板を提供する。6本並列に並べたEL円柱発光体12は電飾看板13の底面に貼りつけられた反射シート15に取付ける。またEL円柱発光体12の正面(上側)には底面反射シート15と平行に透過光調整シート16を取付ける。
輝度については表示面積を拡大した分低下(1,890→9,999cm2、5.29倍)する。A4〜A3サイズの輝度は通常70〜90cd/m2であるため拡大した分輝度は低下し、13〜17cd/m2程度となる。照明用として使用する場合であれば輝度の低下は避けなければならないが、電飾看板として表示パネル面での照度は20〜30ルックスとなるが、これはJIS Z9110−1979による照度の基準では非常階段、構内通路、展示室等での明るさの目安とされる明るさで、本発明の狙いとして葬祭用造花、花輪への適用として通常の電飾看板で要求される数百ルックスの様なケバケバしい明るさは必要なく、夜間において視認性を確保するだけで十分であり提供者の名前を確認する上で必要条件を満たす。
【0011】
次に、本EL円柱発光体の消費電力について説明する。A3サイズ 面積、1,260cm2のELを発光させるためにはインバータが必要で、その駆動にはDC12V,0.83A消費電力としては10Wが必要である。横幅 841長さ1,190mm、パネル面まで厚さ49mm 表示面積9,999cm2看板をA3サイズのELシートで発光させるためには、約8枚必要となり、消費電力は10×8で80W必要となる。輝度は確保されるが可搬型屋外移動電飾看板としては電力供給面よりバッテリーでの駆動は不可能である。本発明の狙いはここにあり、長さ420mm、幅37.5mmEL円柱発光体を2本接続し、長さ840mmのEL円柱発光体を得る。これは発光面積A4サイズ(315cm2)に相当する。このEL円柱発光体を6本使用することにより表示面積9,999cm2を光むらの無い均一な電飾看板を提供することで、消費電力も僅か10W 照度20ルックス程度は得られ電飾看板として夜間における視認性は確保できる。バッテリー駆動を可能ならしめ可搬型屋外移動電飾看板として仕様を満たすことが出来る。
【0012】
次に、電飾看板は厚さが薄くなると光源の形状が前面パネル表面に現れ光源の配置そのままが照度のムラとなってしまう。このムラを取り除き、均一な照度を得る事が必須である。図5に本発明の電飾看板の断面図を示す。表示パネル14と底板と側壁とからなる正面が開口している額縁状箱13と、底板には拡散反射率96%の超微細発泡光反射シート15(例えば、商品名MCPET、古河電気工業(株)製)を貼り、その上に本EL円柱発光体12を配置する。EL円柱発光体の取付けに際しては発光体を巻き付けていない間隙部を底辺にして取付ける。取付け間隔は照射光が平均になるようにEL円柱発光体を配置する。額縁状箱13の横幅寸法a 841mmに対してEL円柱発光体を6本取付ける場合、左右の寸法はa/12 70.0mm、EL円柱発光体間は中心で2a/12で140mmに配置し設定する。また、光源上に光透過率70%の透過光調整シート16(例えば、商品名ルミキャップP01、IKC(株)製)を底板反射シートと平行に設置する。透過光調整シートの横幅は光源の設置間隔の1/2の寸法70mm、長さは光源と同じである。この構成にすることにより図6に示す様に、反射光と直射光が光源と光源の谷間に対しても光源の真上と同等に拡散されパネル表面に対して光ムラの無い均一な照度がえられる。
【発明の効果】
本発明によれば,安価な既存のELシートを円柱状に加工したEL円柱発光体を光源に使用しているため、表示パネル面まで厚さ50mm以下であるにもかかわらず、A0サイズの大型電飾看板に対しても、僅か10Wの省エネルギーを実現し非常に安価で且つ軽量化を実現している。A2サイズ以下に対しては6Wで十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
図7には本発明を葬儀用花輪の名札への実施例を示す。薄暮時の電飾看板としての名札は、まだ点灯しておらず、薄明かりの中、名札表示文字も判読できる。日没後、名札の状況は何ならかの照明が無いと全く判読する事が出来ず、本発明の実施により日没点灯時のパネル表面の様子を示す如く名札は照らされ容易に判読できる。
なお、本事例の花環について日没時自動点灯、必要時間点灯後自動消灯、通夜と前日との点灯時間の設定などについては公開特許58−189873電装表示装置として出願している。
【他の実施形態】
本発明のEL円柱発光体は、素材となるELシートの発光色を選ぶ事によりカラー円柱発光体が製作可能で、図12に示す各種保安用品への応用が出来る。踏切の遮断機の棒28への応用、黄色ELを遮断機棒に取付け点滅表示する事により安全性が確保できる。交通指示棒29、保安等30等への展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】EL円柱発光体の製作図、ELシートからEL円柱発光体への加工過程を示す。
【図2】EL円柱発光体の断面図、丸管に対し取り付る底面のデッドゾーン30度を避けELシートを巻き付ける。
【図3】A3サイズELシートからEL円柱発光体への展開を示す。
【図4】EL円柱発光体を実装したA0サイズの電飾看板を示す。
【図5】EL円柱発光体を実装した電飾看板の断面図を示す。
【図6】EL円柱発光体を実装した電飾看板の光ムラ対処構造図を示す。
【図7】EL円柱発光体を実装した葬祭用花輪名札への応用、点灯時の情景を示す。
【図8】光源として蛍光灯を使用した既存の電飾看板
【図9】光源として例陰極管を使用した既存の電飾看板
【図10】光源としてLEDを使用した既存の電飾看板
【図11】光源としてELシートを使用した既存の電飾看板
【図12】他の実施形態、各種保安用品への応用
【符号の説明】
1 A3サイズELシート
1a A3サイズELシートの長手方向寸法 420mm
1b A3サイズELシートの横幅サイズ 37.5mm
2 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片
2a 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片の変成
2b 長さ420mm、横幅サイズ 37.5mmEL発光片の丸管への巻き付け
11a〜11h A3サイズELシートより作成される8本のEL円柱発光体
12 EL円柱発光体を2本接続した、A5サイズEL円柱発光体
15 反射シート
16 透過光調整シート
22 反射板
25 導光板
27 EL発光シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)柔軟性を有する基板上にスクリーン印刷で形成されたEL発光シート或いはELFを円、長円、楕円等に変成し、ELの平面発光より、変成母体の外周形状に沿って外周発光する事を特長とするEL円柱発光体
(2)EL発光シート或いはELFを丸管(ボイド管)、長円管、楕円管等に巻き付け透明熱収縮チューブにより被覆し固着する。通電用リード線は丸管の中空部を経由し、両端に設けたコネクタまたは直接引き出す。この発光体を複数接続する事により任意の長さの発光体を得る事を特長とするEL円柱発光体
【請求項2】
(1)看板の底面に貼られた光反射シート上にEL円柱発光体を照射光が平均になるように配置する。EL円柱発光体の発光面上に反射シートと平行に透過光調整シートを設けEL円柱発光体からの直接光と透過光調整シートによる反射光により表面パネル面において照度のムラを防止した電飾看板。
【請求項1】
(1)柔軟性を有する基板上にスクリーン印刷で形成されたEL発光シート或いはELFを円、長円、楕円等に変成し、ELの平面発光より、変成母体の外周形状に沿って外周発光する事を特長とするEL円柱発光体
(2)EL発光シート或いはELFを丸管(ボイド管)、長円管、楕円管等に巻き付け透明熱収縮チューブにより被覆し固着する。通電用リード線は丸管の中空部を経由し、両端に設けたコネクタまたは直接引き出す。この発光体を複数接続する事により任意の長さの発光体を得る事を特長とするEL円柱発光体
【請求項2】
(1)看板の底面に貼られた光反射シート上にEL円柱発光体を照射光が平均になるように配置する。EL円柱発光体の発光面上に反射シートと平行に透過光調整シートを設けEL円柱発光体からの直接光と透過光調整シートによる反射光により表面パネル面において照度のムラを防止した電飾看板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−72274(P2006−72274A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285406(P2004−285406)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(399030026)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(399030026)
【Fターム(参考)】
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