説明

EP2アゴニストと血管収縮薬を組み合わせてなる安全性の高い緑内障治療剤

【課題】 副作用の少ない、より安全かつ有用な緑内障治療薬が切望されている。
【解決手段】 EP2アゴニストを血管収縮薬と組み合わせることで、EP2アゴニストによる房水フレアの上昇を抑制することができるため、より安全で有効な眼疾患、例えば緑内障、高眼圧症、黄斑浮腫、黄斑変性、網膜および視神経乳頭の血流減少、網膜および視神経張力上昇、近視、遠視、乱視、ドライアイ、網膜剥離、白内障等の予防および/または治療剤となりうる。また、強い眼圧降下作用をもつEP2アゴニストと眼科用剤として用いられている血管収縮薬を用いることで、緑内障に対する相乗的な治療効果も期待出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EP2アゴニストと血管収縮薬を組み合わせてなる、より安全な緑内障治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
緑内障とは眼房水の循環障害により眼房水が蓄積し、持続的に眼圧が上昇し、視神経が圧迫され、一時的または永久的な視野欠損、視力低下を起こす視機能障害を特徴とする眼疾患である。また、発症原因は眼圧上昇であると言われているが、眼圧が正常値でも視神経に障害が現れる場合がある。これを正常または低眼圧緑内障という。反対に、眼圧が高くても視神経障害の現れない場合もある。これを高眼圧症という。緑内障および高眼圧症の治療は、眼圧を下げることが有効である。緑内障および高眼圧症の治療には、例えば薬物治療、レーザー治療、手術治療が挙げられる。薬物治療では副作用を回避する局所投与である点眼剤が主流である。緑内障の薬物療法は長期にわたるため、副作用をできるだけ抑える必要がある。従って、薬剤の眼圧下降効果と副作用を確認し、副作用の少ない薬剤を選択し、低濃度のものから投与する。1剤で効果が不十分な場合は、高濃度の薬剤あるいは作用機序の異なった薬剤を1剤ずつ追加する。現在臨床で用いられている緑内障または高眼圧症治療薬には、交感神経作動薬(αアゴニスト、非選択的アドレナリン作動薬等)、副交感神経作動薬、交感神経抑制薬(αブロッカー、βブロッカー、αβブロッカー等)、プロスタグランジン系薬剤(FPアゴニスト等)、炭酸脱水酵素阻害薬、高張浸透圧薬等があるが、近年、眼圧降下作用が強く、副作用の少ないプロスタグランジン系薬剤が第一選択薬に浮上している。現在、プロスタグランジン系薬剤として臨床で用いられているFPアゴニストはアレルギーの発生も少なく、全身性副作用もほとんど見られないが、主な副作用として虹彩、特に薄茶色の虹彩等での色素沈着の増強、ブドウ膜炎悪化等が報告されている。
【0003】
眼圧下降のための薬剤の作用機序は、房水産生の抑制、および房水流出の促進である。
【0004】
房水流出経路には繊維柱帯流出経路およびブドウ膜強膜流出経路があるが、EP2アゴニストは両経路からの房水流出を促進させ、眼圧を降下させる。さらに、網膜および視神経保護作用も有する。これより、EP2アゴニストは、緑内障治療薬として有用である。
【0005】
一方、プロスタグランジンE(PGEと略す。)は房水フレアを上昇させることが知られており、PGE受容体サブタイプの中でも、特にEP2およびEP4が関与していることが報告されている。さらに、EP2は血管房水関門の破壊に関与しているという報告もある(非特許文献1参照。)。一般に房水は透明であるが、二次房水がでる状態(例えば、ブドウ膜炎などの眼内疾患、前房穿刺等)になると、房水の蛋白質濃度が上昇して細隙灯の光束が混濁してみえる現象を、房水フレアという。光束の濃さは蛋白質濃度と比例する。二次房水は、一次房水に比べて蛋白質濃度が多く、これは血液房水関門の障害の結果であると言われている。
【0006】
PGEによる房水フレア上昇は、αアゴニストであるアプラクロニジン、または非選択的アドレナリン作動薬であるエピネフリンまたはジピベフリンによって抑制されることが報告されている(非特許文献2参照。)。
【0007】
また、αアゴニストであるクロニジン誘導体とプロスタグランジン誘導体を組み合わせることで、プロスタグランジンに典型的にみられる炎症性反応を伴わずに、眼内圧を降下させることが報告されている(特許文献1参照。)。
【0008】
国際公開第2003/74483号パンフレット記載の化合物はEP2アゴニスト作用を有することが知られており、免疫疾患、アレルギー性疾患、神経細胞死、月経困難症、早産、流産、禿頭症、網膜神経障害、勃起不全、関節炎、肺傷害、肺線維症、肺気腫、気管支炎、慢性閉塞性呼吸器疾患、肝傷害、急性肝炎、肝硬変、ショック、腎炎、腎不全、循環器系疾患、全身性炎症反応症候群、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スチル病、川崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器不全、骨疾患の予防および/または治療に有用であることが開示されている(特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】国際公開第94/08585号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/74483号パンフレット
【非特許文献1】Prostaglandins & other Lipid Mediators 2001; 65: 189-198
【非特許文献2】Investigative Ophthalmology & Visual Science 2002; 43: 1142-1145
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
副作用の少ない、より安全で有用な緑内障治療剤が切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討した結果、驚くべきことにEP2アゴニストと血管収縮薬とを組み合わせることによって、房水フレアの上昇を抑制することができる強力な緑内障治療剤となることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、
1. EP2アゴニストと血管収縮薬とを組み合わせてなる安全性の高い眼疾患予防および/または治療剤、
2. 眼疾患が緑内障または高眼圧症である前記1記載の剤、
3. EP2アゴニストが、一般式(I)
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表わし、Xは、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表わし、AはAまたはAを表わし、Aは、(1)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルキレン基、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルキニレン基を表わし、Aは−G−G−G−基を表わし、Gは、(1)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1−4アルキレン基、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルキニレン基を表わし、Gは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1−4アルキレン−環1−基を表わし、Yは、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR−基を表わし、Rは、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Gは、(1)結合手、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1−4アルキレン基、(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルキニレン基を表わし、Dは、(1)−COOH基、(2)−COOR基、(3)テトラゾール−5−イル基、(4)−CONRSO基、(5)−CHOH基、(6)−CHOR基、(7)水酸基、(8)−OR基、(9)ホルミル基、(10)−CONR基、(11)−CONROR基、(12)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)−OH基、(13)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)−H基、(14)−OCO−R10基、(15)−COO−Z−Z−Z基、または(16)
【0015】
【化2】

【0016】
を表わし、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、RおよびRは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、RおよびRは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、R10は置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、mは1または2を表わし、Zは、(1)C1−15アルキレン基、(2)C2−15アルケニレン基、または(3)C2−15アルキニレン基を表わし、Zは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1−基、(5)−NRZ2CO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2−基、(10)−NRZ2SO−基、(11)−NRZ3−基、(12)−NRZ4CONRZ5−基、(13)−NRZ6COO−基、(14)−OCONRZ7−基、または(15)−OCOO−基を表わし、Zは、(1)水素原子、(2)C1−15アルキル基、(3)C2−15アルケニル基、(4)C2−15アルキニル基、(5)環Z基、または(6)C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、C1−10アルキル−NRZ8−基、または環Z基で置換されたC1−10アルキル基を表わし、環Zは、(1)環状炭化水素、または(2)複素環を表わし、RZ1、RZ2、RZ3、RZ4、RZ5、RZ6、RZ7、およびRZ8は、それぞれ独立して、水素原子またはC1−15アルキル基を表わし、RZ1とZ基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−7員含窒素複素環を表わしてもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、環Z、およびRZ1とZが結合している窒素原子と一緒になって表わされる5−7員含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;(1)C1−15アルキル基、(2)C2−15アルケニル基、(3)C2−15アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、またはC1−10アルキル−NRZ9−基で置換されたC1−10アルキル基;RZ9は水素原子、またはC1−10アルキル基を表わし、Eは、EまたはEを表わし、E
【0017】
【化3】

【0018】
を表わし、R11は、(1)C1−10アルキル基、(2)C1−10アルキルチオ基、(3)C3−8シクロアルキル基で置換されたC1−10アルキル基、(4)環2基で置換されたC1−10アルキル基、または(5)−W−W−環2で置換されたC1−10アルキル基を表わし、Wは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1SO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表わし、R11−1は、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Wは、(1)結合手、または(2)C1−4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1−8アルキル基を表わし、Eは、(1)−U−U−U基、または(2)環4基を表わし、Uは、(1)C1−4アルキレン基、(2)C2−4アルケニレン基、(3)C2−4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1−4アルキレン基−環3−基、(6)C2−4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2−4アルキニレン基−環3−基を表わし、Uは、(1)結合手、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12SO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表わし、R12は、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Uは、(1)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、およびNR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−8アルキル基、(2)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、および−NR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−8アルケニル基、(3)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、および−NR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1−8アルキル基、または(5)環4基を表わし、R13およびR14は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1−10アルキル基を表わし、環1、環2、環3、および環4は、それぞれ独立して、1〜5個のRで置換されていてもよく、Rは、(1)C1−10アルキル基、(2)C2−10アルケニル基、(3)C2−10アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、(5)C1−10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR1516基、(10)C1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(13)−NR1516基で置換されたC1−10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1−10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2−10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2−10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1−10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1−10アルキル基、(21)COOR17基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1−10アルキル基、または(25)C2−10アシル基を表わし、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1−10アルキル基を表わし、環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;(1)C1−10アルキル基、(2)C2−10アルケニル基、(3)C2−10アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、(5)C1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基;環1、環2、環3、環4、および環5は、各々独立して(1)環状炭化水素、または(2)複素環を表わし、
【0019】
【化4】

【0020】
は一重結合または二重結合を表わし、
【0021】
【化5】

【0022】
はα−配置、β−配置またはそれらの混合物であることを表わす。)で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそのシクロデキストリン包接化合物、またはそのプロドラッグである前記1記載の剤、
4. 一般式(I)で示される化合物がイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートである前記3記載の剤、
5. 血管収縮薬が交感神経作動薬である前記1記載の剤、
6. 交感神経作動薬がαアゴニスト、非選択的アドレナリン作動薬およびαアゴニストから選択される1種以上である前記5記載の剤、
7. 点眼投与用である前記1記載の剤、
8. EP2アゴニスト1重量部に対して血管収縮薬1〜100重量部を含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする前記7記載の剤、
9. EP2アゴニスト1重量部に対して血管収縮薬10〜50重量部を含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする前記8記載の剤、
10. EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてアプラクロニジンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする前記7記載の剤、
11. EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてジピベフリンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする前記7記載の剤、
12. さらに、緑内障または高眼圧症治療薬から選択される1種以上とを組み合わせてなる前記2記載の剤、
13. EP2アゴニストおよび血管収縮薬の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における眼疾患予防および/または治療方法、
14. 眼疾患予防および/または治療剤を製造するための、EP2アゴニストおよび血管収縮薬の使用に関する。
【0023】
本発明に用いられるEP2アゴニストとしては、EP2アゴニスト作用を有するものならどのような化合物でもよく、また既知のEP2アゴニスト作用を有する化合物だけでなく新規に見出されるEP2アゴニスト作用を有する化合物をすべて包含する。例えば、EP2アゴニストとしては、欧州特許出願公開第860430号に記載の化合物、国際公開第99/33794号に記載の化合物、欧州特許出願公開第974580号に記載の化合物、国際公開第95/19964号に記載の化合物、米国特許第5698598号に記載の化合物、米国特許第6376533号に記載の化合物、国際公開第98/28264号に記載の化合物、国際公開第99/19300号に記載の化合物、欧州特許出願公開第0911321号に記載の化合物、国際公開第98/58911号に記載された化合物、国際公開第2003/74483号に記載された化合物、国際公開第2005/061492号に記載された化合物、国際公開第2005/080367号に記載された化合物、AH−13205、CP−533536、ブタプロスト、リオプロスト、ミソプロストールまたはAY23626等が挙げられる。
【0024】
好ましいEP2アゴニストとしては、国際公開第2003/74483号に記載された化合物または国際公開第2005/061492号に記載された化合物が挙げられる。
【0025】
EP2アゴニストとして好ましくは、具体的には、一般式(I)で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそのシクロデキストリン包接化合物、またはそのプロドラッグが挙げられる。
【0026】
本明細書中、C1−4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基およびそれらの異性体である。
【0027】
本明細書中、C1−6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基およびそれらの異性体である。
【0028】
本明細書中、C1−8アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およびそれらの異性体である。
【0029】
本明細書中、C1−10アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基およびそれらの異性体である。
【0030】
本明細書中、C1−15アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル基およびそれらの異性体である。
【0031】
本明細書中、C1−20アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル基およびそれらの異性体である。
【0032】
本明細書中、C2−6アルケニル基とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル基およびそれらの異性体である。
【0033】
本明細書中、C2−8アルケニル基とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル基およびそれらの異性体である。
【0034】
本明細書中、C2−10アルケニル基とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基およびそれらの異性体である。
【0035】
本明細書中、C2−15アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ウンデカジエニル、ドデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプタトリエニル、オクタトリエニル、ノナトリエニル、デカトリエニル、ウンデカトリエニル、ドデカトリエニル、トリデカトリエニル、テトラデカトリエニル、ペンタデカトリエニル基およびそれらの異性体である。
【0036】
本明細書中、C2−20アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ウンデカジエニル、ドデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニル、イコサジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプタトリエニル、オクタトリエニル、ノナトリエニル、デカトリエニル、ウンデカトリエニル、ドデカトリエニル、トリデカトリエニル、テトラデカトリエニル、ペンタデカトリエニル、ヘキサデカトリエニル、ヘプタデカトリエニル、オクタデカトリエニル、ノナデカトリエニル、イコサトリエニル基およびそれらの異性体である。
【0037】
本明細書中、C2−6アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル基およびそれらの異性体である。
【0038】
本明細書中、C2−8アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル基およびそれらの異性体である。
【0039】
本明細書中、C2−10アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル基およびそれらの異性体である。
【0040】
本明細書中、C2−15アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ブタジイニル、ペンタジイニル、ヘキサジイニル、ヘプタジイニル、オクタジイニル、ノナジイニル、デカジイニル、ウンデカジイニル、ドデカジイニル、トリデカジイニル、テトラデカジイニル、ペンタデカジイニル、ヘキサトリイニル、ヘプタトリイニル、オクタトリイニル、ノナトリイニル、デカトリイニル、ウンデカトリイニル、ドデカトリイニル、トリデカトリイニル、テトラデカトリイニル、ペンタデカトリイニル基およびそれらの異性体である。
【0041】
本明細書中、C2−20アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、イコシニル、ブタジイニル、ペンタジイニル、ヘキサジイニル、ヘプタジイニル、オクタジイニル、ノナジイニル、デカジイニル、ウンデカジイニル、ドデカジイニル、トリデカジイニル、テトラデカジイニル、ペンタデカジイニル、ヘキサデカジイニル、ヘプタデカジイニル、オクタデカジイニル、ノナデカジイニル、イコサジイニル、ヘキサトリイニル、ヘプタトリイニル、オクタトリイニル、ノナトリイニル、デカトリイニル、ウンデカトリイニル、ドデカトリイニル、トリデカトリイニル、テトラデカトリイニル、ペンタデカトリイニル、ヘキサデカトリイニル、ヘプタデカトリイニル、オクタデカトリイニル、ノナデカトリイニル、イコサトリイニル基およびそれらの異性体である。
【0042】
本明細書中、直鎖のC1−4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレンおよびテトラメチレン基である。
【0043】
本明細書中、直鎖のC2−8アルキレン基とは、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレンおよびオクタメチレン基である。
【0044】
本明細書中、C1−4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基およびそれらの異性体である。
【0045】
本明細書中、C1−15アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン基およびそれらの異性体である。
【0046】
本明細書中、直鎖のC2−4アルケニレン基とは、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレン基である。
【0047】
本明細書中、直鎖のC2−8アルケニレン基とは、基中に1個または2個の二重結合を有している、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、オクテニレンおよびオクタジエニレン基である。
【0048】
本明細書中、C2−4アルケニレン基とは、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン基およびそれらの異性体である。
【0049】
本明細書中、C2−15アルケニレン基とは、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン、ノネニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、トリデセニレン、テトラデセニレン、ペンタデセニレン基およびそれらの異性体である。
【0050】
本明細書中、直鎖のC2−4アルキニレン基とは、エチニレン、プロピニレンおよびブチニレン基である。
【0051】
本明細書中、直鎖のC2−8アルキニレン基とは、基中に1個または2個の三重結合を有している、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ブタジイニレン、ペンチニレン、ペンタジイニレン、ヘキシニレン、ヘキサジイニレン、ヘプチニレン、ヘプタジイニレン、オクチニレンおよびオクタジイニレン基である。
【0052】
本明細書中、C2−4アルキニレン基とは、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン基およびそれらの異性体である。
【0053】
本明細書中、C2−15アルキニレン基とは、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、ノニニレン、デシニレン、ウンデシニレン、ドデシニレン、トリデシニレン、テトラデシニレン、ペンタデシニレン基およびそれらの異性体である。
【0054】
本明細書中、C1−10アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ基およびそれらの異性体である。
【0055】
本明細書中、C1−10アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ基およびそれらの異性体である。
【0056】
本明細書中、C3−8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基である。
【0057】
本明細書中、C2−10アシル基とは、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル基およびそれらの異性体である。
【0058】
一般式(I)中、ハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を意味する。
【0059】
本明細書中、−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)−OH基、および−O−(CO−アミノ酸残基−NH)−H基中のアミノ酸とは、天然のアミノ酸または異常アミノ酸を意味し、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、β−アラニン、シスタチオニン、シスチン、ホモセリン、イソロイシン、ランチオニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、サルコシン、チロニン等が含まれる。
【0060】
また、−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)−OH基、および−O−(CO−アミノ酸残基−NH)−H基には、アミノ基が保護基によって保護されたものも含まれる。
【0061】
本明細書中、環1、環2、環3、環4、環5、または環Zによって表わされる「環状炭化水素」としては、「不飽和環状炭化水素」または「飽和環状炭化水素」が挙げられる。「飽和環状炭化水素」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン等のシクロアルカン、さらに、例えばパーヒドロペンタレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロインデン、パーヒドロナフタレン、パーヒドロヘプタレン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アダマンタン、ノルアダマンタン等の「3−15員飽和環状炭化水素」等が挙げられる。「不飽和環状炭化水素」としては、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のシクロアルケン、例えばベンゼン、アズレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ビフェニル(例えば、2−フェニルフェニル、3−フェニルフェニル、および4−フェニルフェニル等)等の芳香族炭化水素、さらに、例えばペンタレン、インデン、インダン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等の「3−15員不飽和環状炭化水素」等が挙げられる。
【0062】
本明細書中、環1、環2、環3、環4、環5、または環Zによって表わされる「複素環」とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜7個のヘテロ原子を含んでいてもよい単環、二環または三環式複素環を表わす。「複素環」としては、例えば「3−15員不飽和単環、二環または三環式複素環」、「3−15員飽和単環、二環または三環式複素環」等が挙げられる。
【0063】
「3−15員不飽和単環、二環または三環式複素環」としては例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール環等の芳香族単環式複素環、例えば、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン環等の芳香族縮合複素環、例えば、アゼピン、ジアゼピン、ピラン、オキセピン、チオピラン、チエピン、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドリジン、ジチアナフタレン、キノリジン、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、キサンテン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、テトラヒドロトリアジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、ジヒドロ−β−カルボリン、テトラヒドロ−β−カルボリン、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[2,3−b]ピリジン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[3’,4’:4,5]ピロロ[2,3−b]ピリジン環等の非芳香族不飽和複素環等が挙げられる。また、「3−15員飽和単環、二環または三環式複素環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、パーヒドロアゾシン、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、パーヒドロチエピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、パーヒドロベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロ−β−カルボリン、パーヒドロアクリジン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン環等が挙げられる。
【0064】
本明細書中、「5−7員含窒素複素環」とは、炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5−7員複素環を表わし、例えば「5−7員含窒素不飽和複素環」、「5−7員含窒素飽和複素環」が挙げられる。具体的には、例えば「5−7員含窒素不飽和複素環」としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピロリン、アゼピン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン環等が挙げられる。また、「5−7員含窒素飽和複素環」としては、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン環等が挙げられる。
【0065】
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、または環状炭化水素基等が挙げられる。
【0066】
「直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基」としては、例えば「C1−20の脂肪族炭化水素基」等が挙げられ、「C1−20の脂肪族炭化水素基」としては、例えばC1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基等が挙げられる。ここでの、「C1−20アルキル基」、「C2−20アルケニル基」、および「C2−20アルキニル基」は前記と同じ意味を表わす。
【0067】
「環状炭化水素」は、前記環1、環2、環3、環4、環5、または環Zにおける「環状炭化水素」と同じ意味を表わす。
【0068】
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」としては、(1)置換基(例えば、C1−10アルキル基、フェニル基、アミノ基、C1−10アルコキシ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、水酸基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基等)を有していてもよい炭化水素基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(2)置換基(例えば、炭化水素基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アセチル基等)を有していてもよい複素環基(ここで、この「複素環」は前記環1、環2、環3、環4、環5、または環Zにおける「複素環」と同じ意味を表わす。)、(3)アミノ基、(4)例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC1−6アシルアミノ、(5)例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、1−カルバモイル−2−シクロヘキシルエチルアミノ、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノ、フェニルアミノ、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチルメチルアミノ等の炭化水素基で置換された第1または第2アミノ基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わし、ハロゲン原子、オキソ、アミノ、カルバモイル等で置換されていてもよい。)、(6)例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等C1−4アルキルスルホニルアミノ基、(7)フェニルスルホニルアミノ基、(8)例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−4アルキルスルホニル基、(9)フェニルスルホニル基、(10)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(11)カルボキシル基、(12)シアノ基、(13)ニトロ基、(14)オキソ基、(15)チオキソ基、(16)水酸基、(17)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ベンジルオキシ等のC1−10アルコキシ基、(18)例えばシクロヘキシルオキシ等のC3−8シクロアルコキシ基、(19)例えばC1−4アルキル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ等で置換されていてもよいフェノキシ基、(20)5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルオキシ基、(21)メルカプト基、(22)例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ基、ブチルチオ、tert−ブチルチオ等のC1−4アルキルチオ基、(23)フェニルチオ基、(24)カルバモイル基、(25)N−ブチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル等のC1−8炭化水素基で置換されたアミノカルボニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(26)スルファモイル基、(27)例えばメチルアミノスルホニル等の炭化水素基で置換されたアミノスルホニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(28)例えばジメチルアミノエチルアミノスルホニル、ジメチルアミノプロピルアミノスルホニル等のアミノ基で置換された炭化水素基によって置換されたアミノスルホニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(29)例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル基、(30)スルホ基(−SOH)、(31)スルフィノ基、(32)ホスホノ基、(33)アミジノ基、(34)イミノ基、(35)−B(OH)基、(36)例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1−4アルキルスルフィニル、(37)例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル等のC1−6アシル基、(38)ベンゾイル、(39)ヒドロキシイミノ基、(40)例えばメチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ等のC1−8アルキルオキシイミノ基等が挙げられる。「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、前記(1)から(40)から選ばれた1ないし5個の置換基を有していてもよく、置換基の数が2以上の場合、それぞれの置換基は同一または異なっていてもよい。
【0069】
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」として好ましくは、例えばフェニル基等が挙げられる。
【0070】
、R、R、R、R、R、R、R10で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」はRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。
【0071】
一般式(I)中、Aとして好ましくはAまたはAであり、特に好ましくはAである。
【0072】
環1として好ましくは、C3−10の環状炭化水素、もしくは3−10員の複素環であり、さらに好ましくは、C3−7の環状炭化水素、もしくは3−7員の複素環である。
【0073】
さらに好ましい環1はC5または6の環状炭化水素、または5または6員の複素環であり、中でもフラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、またはベンゼンが好ましい。
【0074】
Dとして好ましくは−COOH基、−COOR、−CHOHまたは−CHORである。
【0075】
として好ましくは、置換基を有していてもよいC1−6の脂肪族炭化水素が挙げられる。さらに好ましくは置換基を有していてもよいC1−6アルキル基が挙げられ、中でも好ましくはイソプロピルが挙げられる。
【0076】
として好ましくは置換基を有していてもよいC1−4アルキル基が挙げられる。
【0077】
一般式(I)中、Tとして好ましくは、酸素原子、または硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。
【0078】
一般式(I)中、Xとして好ましくは−CH−基、−O−基、または−S−基であり、さらに好ましくは−CH−基である。
【0079】
一般式(I)中、Eとして好ましくはEである。
【0080】
として好ましくは−U−U−Uであり、Uとして好ましくは、C1−4のアルキレン基、C2−4のアルケニレン基、C2−4のアルキニレン基である。Uとして好ましくは、−CHOH−基、−O−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、−NR12−基が挙げられる。
【0081】
一般式(I)で示される化合物のうち、好ましい化合物としては、一般式(I−1)
【0082】
【化6】

【0083】
(式中、Dは−COOH基、−COOR基、−CHOH基または−CHOR基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物が挙げられる。
【0084】
中でも、一般式(I−1A)
【0085】
【化7】

【0086】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、または一般式(I−1B)
【0087】
【化8】

【0088】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物が好ましい。
【0089】
また、一般式(I)で示される化合物としては、例えば、一般式(I−A)
【0090】
【化9】

【0091】
(式中、G2A−1は−Y−環1−基を表わし、Yは−S−基、−SO−基、−O−基、または−NR−基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物が挙げられる。
【0092】
一般式(I−A)で示される化合物のうち、好ましい化合物としては、一般式(I−A−a)
【0093】
【化10】

【0094】
(式中、環6はC5または6の環状炭化水素、または5または6員の複素環を表わし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物も好ましい。
【0095】
環6として、好ましくはフラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、またはベンゼンが挙げられる。すなわち、
【0096】
【化11】

【0097】
で示される基であり、結合部位は同一炭素でなければどこでもよい。
【0098】
一般式(I−A−a)で示される化合物のうち、さらに好ましくは、一般式(I−A−b)
【0099】
【化12】

【0100】
(式中、U1a−1はC1−4のアルキレン基、C2−4のアルケニレン基、C2−4のアルキニレン基を表わし、U2a−1は−CHOH−基、−O−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、−NR12−基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物であり、中でも、一般式(I−A−c)
【0101】
【化13】

【0102】
(式中、U2a−2は−O−基、または−NR12−基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、または一般式(I−A−d)
【0103】
【化14】

【0104】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物が好ましい。
【0105】
また、一般式(I)で示される化合物としては、例えば、
【0106】
【化15】

【0107】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物等も好ましい。
【0108】
一般式(I−1−a)中、Rとして好ましくは、置換基を有していてもよいC1−6の脂肪族炭化水素が挙げられる。さらに好ましくは置換基を有していてもよいC1−6アルキル基が挙げられ、中でも好ましくはイソプロピルが挙げられる。
【0109】
一般式(I−1−a)中、Eとして好ましくはEである。
【0110】
として好ましくは−U−U−Uであり、Uとして好ましくは、C1−4のアルキレン基、C2−4のアルケニレン基、C2−4のアルキニレン基である。Uとして好ましくは、−CHOH−基、−O−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、−NR12−基が挙げられる。
【0111】
一般式(I)で示される化合物として、具体的にはイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレート等が好ましい。
【0112】
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
【0113】
【化16】

【0114】
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表わし、
【0115】
【化17】

【0116】
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表わし、
【0117】
【化18】

【0118】
はα−配置、β−配置またはそれらの混合物であることを表わし、
【0119】
【化19】

【0120】
は、α−配置とβ−配置の混合物であることを表わす。
【0121】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
【0122】
本発明における光学活性な化合物は100%純粋なものだけでなく、50%未満のその他の光学異性体が含まれていてもよい。
【0123】
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。塩としては薬理学的に許容される塩が好ましい。
【0124】
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、酸付加塩等が挙げられる。
【0125】
塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
【0126】
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。適当な酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
【0127】
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。
【0128】
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
【0129】
一般式(I)で示される化合物またはその薬理学的に許容される塩はすべて好ましい。具体的には、実施例に記載した化合物またはその薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0130】
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、本発明化合物の窒素原子が、R基によって四級化されたものを表わす。
【0131】
基は、C1〜8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。
【0132】
一般式(I)で示される化合物は任意の方法でN−オキシドにすることができる。N−オキシドとは、本発明化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。
【0133】
一般式(I)で示される化合物は、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、特公昭50-3362号、同52-31404号または同61-52146号明細書記載の方法を用いることによりシクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
【0134】
また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例、本発明化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がメチルエステル化、エチルエステル化、プロピルエステル化、イソプロピルエステル化、ブチルエステル化、イソブチルエステル化、sec−ブチルエステル化、tert−ブチルエステル化、ペンチルエステル化、イソペンチルエステル化、ネオペンチルエステル化、シクロペンチルエステル化、ヘキシルエステル化、シクロヘキシルエステル化、トリフルオロエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明化合物のプロドラッグは溶媒和物および非溶媒和物のいずれであってもよい。
【0135】
本発明に用いられる血管収縮薬としては、すでに眼科用剤として臨床で使われているものが好ましい。例えば、交感神経作動薬(例えば、非選択的アドレナリン作動薬、αアゴニストまたはαアゴニスト等)が挙げられる。非選択的アドレナリン作動薬は散瞳を引き起こし、房水流出量を増加させ、房水産生量を減少させる。また、αアゴニストは房水産生量を減少させ、ぶどう膜強膜房水流出量を増加させる。したがって、非選択的アドレナリン作動薬およびαアゴニストはEP2アゴニストによる房水フレアの上昇を抑制する上に、それら自身が緑内障に対して治療効果があり、EP2アゴニストと組み合わせて用いることによって緑内障治療への相乗効果も期待できる。
【0136】
また、本発明に用いられる血管収縮薬は、眼圧降下作用の強いEP2アゴニストの補助として用いるため、これまで緑内障に禁忌であった血管収縮薬、例えばαアゴニストも、眼圧に著しく影響を与えない用量であれば利用することが可能である。
【0137】
αアゴニストとしては、例えばアプラクロニジン、ブリモニジン等が挙げられる。
【0138】
非選択的アドレナリン作動薬としては、例えばエピネフリン、ジピベフリン等が挙げられる。
【0139】
αアゴニストとしては、例えばナファゾリン、テトラヒドロゾリン、フェニレフリン等が挙げられる。
【0140】
前記の血管収縮薬は、例えば塩酸アプラクロニジンや塩酸ジピベフリン等、塩に変換して用いてもよい。
【0141】
本発明の剤においては、一種以上のEP2アゴニストと、一種以上の血管収縮薬とを組み合わせて用いてもよい。例えば、一種以上のEP2アゴニストと、一種以上の血管収縮薬を同一製剤中に含有していてもよいし、一種以上のEP2アゴニストと、一種以上の血管収縮薬とを別々の製剤にして投与、すなわち併用投与の形態をとってもよい。この併用投与は、同時投与、また時間差による投与も包含する。時間差による投与は、例えば、EP2アゴニストを先に投与して、血管収縮薬を後に投与してもよい。また、血管収縮薬を先に投与し、EP2アゴニストを後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。また、一種以上のEP2アゴニストと、一種以上の血管収縮薬が同一製剤中に含有されていてもよい。さらに、EP2アゴニスト作用と血管収縮作用を併せ持つ化合物を用いてもよい。
【0142】
また、本発明におけるEP2アゴニストと血管収縮薬は、既知の化合物だけでなく今後新規に見出されるものもすべて包含する。
【0143】
[本発明に用いられる化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えばComprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)、国際公開第2003/74483号パンフレットまたは国際公開第2005/061492号パンフレットに記載された方法か、それに準じた方法または実施例に示す方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。
【0144】
[毒性]
本発明に用いられる化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
【0145】
[医薬品への適用]
EP2アゴニストは、眼圧降下作用、網膜および視神経保護作用、さらに視神経乳頭循環改善作用を有するので、眼疾患、例えば緑内障、高眼圧症、黄斑浮腫、黄斑変性、網膜および視神経乳頭の血流減少、網膜および視神経張力上昇、近視、遠視、乱視、ドライアイ、網膜剥離、白内障等の予防および/または治療に有効である。
【0146】
さらに、EP2アゴニストと血管収縮薬とを組み合わせることで、強力な眼圧降下作用を有し、フレア値の上昇を抑制した、安全性が高く、有用な眼疾患治療剤となりうる。
【0147】
本発明の剤は、人間および動物に生じる眼疾患に対して治療・抑制効果を奏する。より好ましくは、緑内障治療剤または高眼圧症治療剤として用いられる。
【0148】
本発明に用いられる化合物は、必要に応じて、医薬として許容される添加剤を加え、単独製剤または配合製剤として汎用されている技術を用いて製剤化して、眼疾患治療用医薬組成物とすることができる。
【0149】
この医薬組成物を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。経口剤としては、例えば、内服用液剤(例えば、エリキシル剤、シロップ剤、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤)、内服用固形剤(例えば、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、丸剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、ゼラチンカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、トローチ剤)等が挙げられる。非経口剤としては、例えば、液剤(例えば、注射剤(皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤等)、点眼剤(例えば、水性点眼剤(水性点眼液、水性懸濁点眼液、粘性点眼液、可溶化点眼液等)、非水性点眼剤(非水性点眼液、非水性懸濁点眼液等))等)、外用剤(例えば、軟膏(眼軟膏等)等が挙げられる。これらの製剤は、速放性製剤、徐放性製剤などの放出制御剤であってもよい。これらの製剤は公知の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。
【0150】
経口剤としての内服用液剤は、例えば、有効成分を一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化されることにより製造される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
【0151】
経口剤としての内服用固形剤は、例えば、有効成分を賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合し、常法に従って製剤化される。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。
【0152】
非経口剤としての外用剤は公知の方法または通常使用されている処方により製造、調製される。例えば、軟膏剤は有効成分を基剤に研和、または溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(例えば、ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0153】
非経口剤としての注射剤には溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含される。注射剤は、例えば有効成分を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【0154】
好ましい投与剤型としては、点眼剤、眼軟膏、錠剤等が挙げられるが、より好ましくは点眼剤または眼軟膏である。特に、点眼剤が好ましく、例えば、内容量5〜15mLのプラスチック容器に、EP2アゴニストと血管収縮薬を含有する点眼剤を入れ、1日1〜数回、1回量1〜数滴点眼してもよい。
【0155】
これらは汎用されている技術を用いて製剤化することができる。例えば、点眼剤であれば、添加物として、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、保存剤等を適宜配合することができる。また、pH調節剤、増粘剤、分散剤などを添加し、薬物を懸濁化させることによって、安定な点眼剤を得ることもできる。
【0156】
等張化剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等を挙げることができる。
【0157】
緩衝剤としては例えば、リン酸、リン酸塩、クエン酸、酢酸、ε-アミノカプロン酸等を挙げることができる。
【0158】
pH調節剤としては、例えば塩酸、クエン酸、リン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ砂、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。
【0159】
可溶化剤としては、例えばポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、マクロゴール4000等を挙げることができる。
【0160】
増粘剤、分散剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を、また、安定化剤としては、例えばエデト酸、エデト酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0161】
保存剤(防腐剤)としては、例えば汎用のソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられ、これらの保存剤を組み合わせて使用することもできる。
【0162】
点眼剤は、pHを4.0〜8.5に設定することが望ましく、また、浸透圧比を1.0付近に設定することが望ましい。
【0163】
本発明におけるEP2アゴニストの投与量は症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、経口投与の場合、好ましくは1mg〜100mg、より好ましくは5mg〜30mgのEP2アゴニストを含有する経口剤を1日1〜数回(例えば、1〜3回)投与すればよい。点眼投与する場合、例えば、好ましくは0.000001〜1w/v%、より好ましくは0.00001〜0.1w/v%、特に好ましくは0.001〜0.01w/v%のEP2アゴニストを含有する点眼剤を1回量1〜数滴を1日1〜数回(例えば、1〜8回)点眼するか、または、好ましくは0.000001〜1w/w%、より好ましくは0.00001〜0.1w/w%、特に好ましくは0.001〜0.01w/w%のEP2アゴニストを含有する眼軟膏を1日1〜数回(例えば、1〜4回)塗布すればよい。
【0164】
本発明における血管収縮薬の投与量は症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、経口投与の場合、好ましくは1mg〜100mg、より好ましくは5mg〜30mgの血管収縮薬を1日1〜数回(例えば、1〜3回)投与すればよい。点眼投与する場合、例えば、好ましくは0.00001〜10w/v%、より好ましくは0.001〜10w/v%、特に好ましくは0.01〜1w/v%の血管収縮薬を含有する点眼剤を1回量1〜数滴を1日1〜数回(例えば、1〜8回)点眼するか、または、好ましくは0.00001〜10w/w%、より好ましくは0.001〜10w/w%、特に好ましくは0.01〜1w/w%の血管収縮薬を含有する眼軟膏を1日1〜数回(例えば、1〜4回)塗布すればよい。具体的には、例えば、EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてアプラクロニジンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤や、EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてジピベフリンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤を用いることができる。
【0165】
ここで、w/v%は重量体積百分率を表わし、w/w%は重量百分率を表わす。
【0166】
前記点眼剤や眼軟膏等の医薬組成物に含まれるEP2アゴニストと血管収縮薬の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間などにより適宜選択することができる。例えば、EP2アゴニスト1重量部に対し、血管収縮薬を0.1〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは10〜50重量部用いればよい。
【0167】
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
【0168】
本発明の医薬組成物は、1)該本発明の剤の治療効果の補完および/または増強、2)該本発明の剤の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該本発明の剤の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0169】
本発明の医薬組成物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の医薬組成物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明の医薬組成物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0170】
該他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の剤と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間などにより適宜選択することができる。例えば、本発明の剤1重量部に対し、他の薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。他の薬剤は、例えば以下に示す同種群および異種群から任意の1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。また、本発明の剤の治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0171】
該他の薬剤としては、緑内障または高眼圧症の治療効果があるものが好ましい。緑内障または高眼圧症治療薬としては、例えば、交感神経作動薬(αアゴニスト:例えばアプラクロニジン、ブリモニジン等、非選択的アドレナリン作動薬:例えばエピネフリン、ジピベフリン等)、副交感神経作動薬(例えばピロカルピン、カルバコールまたはエコチオパート等)、コリンエステラーゼ阻害薬:例えばジスチグミン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、デメカリウム、エコチオフェート、イソフルオフェート等)、交感神経抑制薬(αブロッカー:例えばブナゾシン等、βブロッカー:例えばチモロール、ベフノロール、カルテオロール、レボブノロール、メチプラノロールまたはベタキソロール等、αβブロッカー:例えばニプラジロール等)、プロスタグランジン系薬剤(例えばイソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト、ビマトプロスト、トラバプロスト、タフルプロスト、FPアゴニスト、EP2アゴニスト、またはDPアゴニスト等)、炭酸脱水酵素阻害薬(例えばアセタゾラミド、ジクロフェナミド、メタゾラミド、ドルゾラミド、エトキシゾラミドまたはブリンゾラミド等)、高張浸透圧薬(例えばグリセリン、グリセリンおよび果糖の配合製剤、イソソルビド、またはD−マンニトール等)等が挙げられる。
【発明の効果】
【0172】
EP2アゴニストを血管収縮薬と組み合わせることで、EP2アゴニストによる房水フレアの上昇を抑制することができるため、より安全で有効な眼疾患、例えば緑内障、高眼圧症、黄斑浮腫、黄斑変性、網膜および視神経乳頭の血流減少、網膜および視神経張力上昇、近視、遠視、乱視、ドライアイ、網膜剥離、白内障等の予防および/または治療剤となりうる。また、強い眼圧降下作用をもつEP2アゴニストと眼科用剤として用いられている血管収縮薬を用いることで、緑内障に対する相乗的な治療効果も期待出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0173】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験1.EP2アゴニストと血管収縮薬の組み合わせによる房水蛋白抑制作用評価
雄性ウサギ(Dutch系,20〜21週齢)に、0.1%塩酸ジピベフリン(非選択的アドレナリン作動薬、商品名:ピバレフリン)、0.005%ラタノプロスト(FPアゴニスト、商品名:キサラタン)、0.5%マレイン酸チモロール(βブロッカー、商品名:チモプトールEx)、1%塩酸アプラクロニジン(αアゴニスト、商品名:アイオピジン)を各1滴(約30μL)点眼した。10分後にイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレート(以下、化合物Aと略す。)を基剤(PBS pH7.2,0.5%Tween80含)を用いて調製した溶液(30μg/mL)を30μL点眼した。4時間後に房水を採取し、房水蛋白濃度(μg/mL)をブラッドフォード(Bradford)法にて測定した。
【0174】
結果を図1に示す。EP2アゴニストである化合物Aを単独で点眼した時、房水蛋白は上昇した。一方、化合物Aと血管収縮薬である0.1%塩酸ジピベフリンまたは1%塩酸アプラクロニジンを組み合わせて点眼すると、房水蛋白上昇がみられなかった。これより、EP2アゴニストと血管収縮薬を組み合わせることによって、房水蛋白上昇が抑制されることが示唆された。
[製剤例]
本発明に用いられる代表的な製剤例を以下に示す。
1.点眼剤
以下の処方の点眼剤を汎用される方法を用いて調製した。
処方例1
滅菌精製水にグリセリンおよびポリソルベート80を加えた後、化合物Aおよび塩酸アプラクロニジンを加え溶解し、滅菌精製水で全量100mLとし、メンブランフィルターで滅菌濾過した後、所定の容器に充填し、下記処方の点眼液を得た。
【0175】
100mL中
・化合物A 3mg
・塩酸アプラクロニジン 100mg
・グリセリン 2.5g
・ポリソルベート80 500mg
・滅菌精製水 適量
処方例1と同様にして、化合物Aを100mL中に0.1mgおよび0.5mg含有する点眼剤等、含有成分の量を代えて調製することができる。また、化合物Aに代えて、本発明の他のEP2アゴニストを、または塩酸アプラクロニジンに代えて、他の血管収縮薬を用いることができる。
2.眼軟膏
以下の処方の眼軟膏を汎用される方法を用いて調製した。
処方例2
流動パラフィンと白色ワセリンをあらかじめ加熱滅菌した。化合物Aおよび塩酸アプラクロニジンを流動パラフィンと十分研和後、白色ワセリンを加えて全量100gとし、十分練り合わせ、下記処方の眼軟膏を得た。
【0176】
100g中
・化合物A 3mg
・塩酸アプラクロニジン 100mg
・流動パラフィン 10g
・白色ワセリン 適量
処方例2と同様にして、化合物Aや塩酸アプラクロニジンの添加量を適宜変えることにより、種々の濃度の眼軟膏を調製できる。また、化合物Aに代えて、本発明の他のEP2アゴニストを、または塩酸アプラクロニジンに代えて、他の血管収縮薬を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0177】
EP2アゴニストと血管収縮薬を組み合わせることで、EP2アゴニストによる房水フレア上昇を抑制することができる。また、血管収縮薬の中でも眼科用剤として用いられる化合物を組み合わせれば、房水フレアの上昇を抑制するだけでなく、緑内障治療において、相乗効果が期待出来る。
【0178】
したがって、EP2アゴニストと血管収縮薬を組み合わせてなる眼疾患予防および/または治療剤は、医薬として大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】化合物Aと種々の化合物の組み合わせによる房水蛋白抑制作用を表わす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EP2アゴニストと血管収縮薬とを組み合わせてなる安全性の高い眼疾患予防および/または治療剤。
【請求項2】
眼疾患が緑内障または高眼圧症である請求項1記載の剤。
【請求項3】
EP2アゴニストが、一般式(I)
【化1】

(式中、Tは、(1)酸素原子、または(2)硫黄原子を表わし、Xは、(1)−CH−基、(2)−O−基、または(3)−S−基を表わし、AはAまたはAを表わし、Aは、(1)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルキレン基、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−8アルキニレン基を表わし、Aは−G−G−G−基を表わし、Gは、(1)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1−4アルキレン基、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルケニレン基、または(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルキニレン基を表わし、Gは、(1)−Y−基、(2)−環1−基、(3)−Y−環1−基、(4)−環1−Y−基、または(5)−Y−C1−4アルキレン−環1−基を表わし、Yは、(1)−S−基、(2)−SO−基、(3)−SO−基、(4)−O−基、または(5)−NR−基を表わし、Rは、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Gは、(1)結合手、(2)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC1−4アルキレン基、(3)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルケニレン基、または(4)1〜2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよい直鎖のC2−4アルキニレン基を表わし、Dは、(1)−COOH基、(2)−COOR基、(3)テトラゾール−5−イル基、(4)−CONRSO基、(5)−CHOH基、(6)−CHOR基、(7)水酸基、(8)−OR基、(9)ホルミル基、(10)−CONR基、(11)−CONROR基、(12)−CO−(NH−アミノ酸残基−CO)−OH基、(13)−O−(CO−アミノ酸残基−NH)−H基、(14)−OCO−R10基、(15)−COO−Z−Z−Z基、または(16)
【化2】

を表わし、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、RおよびRは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、RおよびRは、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、R10は置換基を有していてもよい炭化水素基を表わし、mは1または2を表わし、Zは、(1)C1−15アルキレン基、(2)C2−15アルケニレン基、または(3)C2−15アルキニレン基を表わし、Zは、(1)−CO−基、(2)−OCO−基、(3)−COO−基、(4)−CONRZ1−基、(5)−NRZ2CO−基、(6)−O−基、(7)−S−基、(8)−SO−基、(9)−SO−NRZ2−基、(10)−NRZ2SO−基、(11)−NRZ3−基、(12)−NRZ4CONRZ5−基、(13)−NRZ6COO−基、(14)−OCONRZ7−基、または(15)−OCOO−基を表わし、Zは、(1)水素原子、(2)C1−15アルキル基、(3)C2−15アルケニル基、(4)C2−15アルキニル基、(5)環Z基、または(6)C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、C1−10アルキル−NRZ8−基、または環Z基で置換されたC1−10アルキル基を表わし、環Zは、(1)環状炭化水素、または(2)複素環を表わし、RZ1、RZ2、RZ3、RZ4、RZ5、RZ6、RZ7、およびRZ8は、それぞれ独立して、水素原子またはC1−15アルキル基を表わし、RZ1とZ基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−7員含窒素複素環を表わしてもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、環Z、およびRZ1とZが結合している窒素原子と一緒になって表わされる5−7員含窒素複素環は、下記(1)〜(4)から選択される、1〜3個の基で置換されてもよく;(1)C1−15アルキル基、(2)C2−15アルケニル基、(3)C2−15アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、またはC1−10アルキル−NRZ9−基で置換されたC1−10アルキル基;RZ9は水素原子、またはC1−10アルキル基を表わし、Eは、EまたはEを表わし、E
【化3】

を表わし、R11は、(1)C1−10アルキル基、(2)C1−10アルキルチオ基、(3)C3−8シクロアルキル基で置換されたC1−10アルキル基、(4)環2基で置換されたC1−10アルキル基、または(5)−W−W−環2で置換されたC1−10アルキル基を表わし、Wは、(1)−O−基、(2)−S−基、(3)−SO−基、(4)−SO−基、(5)−NR11−1−基、(6)カルボニル基、(7)−NR11−1SO−基、(8)カルボニルアミノ基、または(9)アミノカルボニル基を表わし、R11−1は、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Wは、(1)結合手、または(2)C1−4アルキル基、ハロゲン原子、または水酸基で置換されていてもよいC1−8アルキル基を表わし、Eは、(1)−U−U−U基、または(2)環4基を表わし、Uは、(1)C1−4アルキレン基、(2)C2−4アルケニレン基、(3)C2−4アルキニレン基、(4)−環3−基、(5)C1−4アルキレン基−環3−基、(6)C2−4アルケニレン基−環3−基、または(7)C2−4アルキニレン基−環3−基を表わし、Uは、(1)結合手、(2)−CH−基、(3)−CHOH−基、(4)−O−基、(5)−S−基、(6)−SO−基、(7)−SO−基、(8)−NR12−基、(9)カルボニル基、(10)−NR12SO−基、(11)カルボニルアミノ基、または(12)アミノカルボニル基を表わし、R12は、(1)水素原子、(2)C1−10アルキル基、または(3)C2−10アシル基を表わし、Uは、(1)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、およびNR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−8アルキル基、(2)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、および−NR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−8アルケニル基、(3)C1−10アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1−10アルコキシ基、C1−10アルキルチオ基、および−NR1314基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−8アルキニル基、(4)環4基で置換されているC1−8アルキル基、または(5)環4基を表わし、R13およびR14は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1−10アルキル基を表わし、環1、環2、環3、および環4は、それぞれ独立して、1〜5個のRで置換されていてもよく、Rは、(1)C1−10アルキル基、(2)C2−10アルケニル基、(3)C2−10アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、(5)C1−10アルキルチオ基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)ニトロ基、(9)−NR1516基、(10)C1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(11)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルキル基、(12)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(13)−NR1516基で置換されたC1−10アルキル基、(14)環5基、(15)−O−環5基、(16)環5基で置換されたC1−10アルキル基、(17)環5基で置換されたC2−10アルケニル基、(18)環5基で置換されたC2−10アルキニル基、(19)環5基で置換されたC1−10アルコキシ基、(20)−O−環5基で置換されたC1−10アルキル基、(21)COOR17基、(22)1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基、(23)ホルミル基、(24)ヒドロキシ基で置換されたC1−10アルキル基、または(25)C2−10アシル基を表わし、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1−10アルキル基を表わし、環5は、下記(1)〜(9)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;(1)C1−10アルキル基、(2)C2−10アルケニル基、(3)C2−10アルキニル基、(4)C1−10アルコキシ基、(5)C1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基、(6)ハロゲン原子、(7)水酸基、(8)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルキル基、(9)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−10アルコキシ基で置換されたC1−10アルキル基;環1、環2、環3、環4、および環5は、各々独立して(1)環状炭化水素、または(2)複素環を表わし、
【化4】

は一重結合または二重結合を表わし、
【化5】

はα−配置、β−配置またはそれらの混合物であることを表わす。)で示される化合物、その塩、その溶媒和物またはそのシクロデキストリン包接化合物、またはそのプロドラッグである請求項1記載の剤。
【請求項4】
一般式(I)で示される化合物がイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートである請求項3記載の剤。
【請求項5】
血管収縮薬が交感神経作動薬である請求項1記載の剤。
【請求項6】
交感神経作動薬がαアゴニスト、非選択的アドレナリン作動薬およびαアゴニストから選択される1種以上である請求項5記載の剤。
【請求項7】
点眼投与用である請求項1記載の剤。
【請求項8】
EP2アゴニスト1重量部に対して血管収縮薬1〜100重量部を含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする請求項7記載の剤。
【請求項9】
EP2アゴニスト1重量部に対して血管収縮薬10〜50重量部を含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする請求項8記載の剤。
【請求項10】
EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてアプラクロニジンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする請求項7記載の剤。
【請求項11】
EP2アゴニストとしてイソプロピル 2−[(2−{(2R)−2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシレートを0.001〜0.01w/v%、および血管収縮薬としてジピベフリンを0.01〜1w/v%含有してなる点眼剤を投与することを特徴とする請求項7記載の剤。
【請求項12】
さらに、緑内障または高眼圧症治療薬から選択される1種以上とを組み合わせてなる請求項2記載の剤。
【請求項13】
EP2アゴニストおよび血管収縮薬の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における眼疾患予防および/または治療方法。
【請求項14】
眼疾患予防および/または治療剤を製造するための、EP2アゴニストおよび血管収縮薬の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2007−119388(P2007−119388A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312779(P2005−312779)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】