説明

Eg5阻害剤

【課題】カルバゾール誘導体、カルボリン誘導体等を有効成分として含有するEg5阻害剤の提供。
【解決手段】式(I)で表される多環性含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩。


(式中、Q〜Qは、窒素又は−C(X)=を表す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバゾール誘導体、カルボリン誘導体等の多環性含窒素複素環化合物を有効成分として含有するEg5阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
Eg5(KSP:キネシンスピンドルタンパク質)は、モータータンパクの一種であり、癌細胞の細胞分裂において重要な役割を果たしている。すなわちEg5は、中心体の分離・移動、紡錘体の形成・維持および紡錘体極の形成などに関与しており、M期における細胞分裂の進行を制御している(例えば、非特許文献1参照)。Eg5を阻害することにより、癌細胞はM期に停止され、アポトーシスが誘導されることが知られている(例えば、非特許文献2参照)。したがってEg5阻害剤は、癌などの細胞増殖性疾患の治療薬として期待される。
【0003】
下記式(A)
【0004】
【化1】

【0005】
(式中、Xは、CF又はS(O)nRを表し、Yは、NR、NRCOR、NRCONR、NRCSNR又はNR(S)nRを表し、A及びBは、炭素又は窒素を表す)
【0006】
で表される化合物が、KSP阻害活性を有し、癌等の治療に有効であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、テトラヒドロカルボリン化合物が、同じくKSP阻害活性を有することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】WO2006/005063号公報
【特許文献2】特表2007−518822号公報
【非特許文献1】Cell、1995、83、1159-1169
【非特許文献2】Curr.Biol.、1998、8、903-913
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、天然物類似の骨格を有する化合物をはじめとして、種々のEg5阻害剤が知られているが、多くの化合物が実用化の観点から活性が不十分であり、化学構造が複雑で、化学合成が容易でないことから、多数の関連誘導体を用いた構造活性相関研究が困難であり、新規Eg5阻害剤の開発は、必ずしも満足できるものではない。本発明の課題は、カルバゾール誘導体、カルボリン誘導体等の多環性含窒素複素環化合物を有効成分として含有する新規なEg5阻害剤、及び該Eg5阻害剤を含有する抗癌剤、免疫抑制剤、免疫調整剤等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、これまでに報告されたEg5阻害剤が有する共通の中心骨格に着目し、また、本発明者らが開発した効率的カルバゾール骨格合成法(Chem.Comm.、2007、4516−4518)を用いて得られる種々のカルバゾール誘導体のスクリーニングを実施し、特に、カルバゾールの2位若しくは3位に置換基を有する誘導体が、従来のEg5阻害剤よりも著しく高い阻害活性を示すことを見出した。さらに、類縁体の構造活性相関研究を展開し、カルバゾールの2位の炭素原子を窒素原子に置換したβ−カルボリン誘導体では、さらに約10倍の阻害活性の増強が認められた。また、天然に存在し、類似のβ−カルボリン骨格を有するハルミン(harmine)にも中程度のEg5阻害活性が認められ、β−カルボリン骨格を有する化合物もEg5阻害剤として有用であることを見出した。即ち、本発明者らは、カルバゾール誘導体、カルボリン誘導体等の三環性或いはそれ以上の多環性の含窒素複素環化合物がEg5阻害剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1) 式(I)
【0012】
【化2】

【0013】
{式中、
結合a−b及びc−dは、同一又は異なって、単結合又は二重結合を表し、
、Q、Q及びQは、同一又は異なって、窒素原子又は−C(X)=[式中、Xは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換複素環基、置換若しくは非置換複素環アルキル基、OR(式中、Rは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換複素環基又は置換若しくは非置換複素環アルキル基を表す)、OCOR(式中、Rは、前記Rと同義である)、NRCOOR(式中、R及びRは、同一又は異なって、前記Rと同義である)、S(O)nR(式中、nは、0、1又は2を表し、Rは、前記Rと同義である)、SONR(式中、R及びRは、同一又は異なって、前記Rと同義であるか、RとRが一緒になって、置換もしくは非置換含窒素複素環基を形成してもよい)、COR(式中、Rは、前記Rと同義である)、COOR(式中、Rは、前記Rと同義である)、CONR1011(式中、R10及びR11は、それぞれ前記R及びRと同義である)、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、ここで、Xが同時に複数存在する場合は、同一または異なっていてもよく、また、隣接する任意の二つのXは、一緒になって置換もしくは非置換の脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環または複素環を形成してもよい]を表し、
、Y、Y及びYは、同一又は異なって、前記Xと同義であり、結合a−b及び/又はc−dが単結合を表すとき、Y〜Yは、オキソ基又はチオキソ基であってもよく、
Zは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基又はアミノ基の保護基を表す}
で表される多環性含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するEg5阻害剤に関する。
【0014】
また、本発明は、
(2) 式(I)で表される化合物が、下記式(Ia)
【化3】

【0015】
(式中、X〜Xは、同一又は異なって、前記Xと同義であり、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルバゾール誘導体であることを特徴とする上記(1)記載のEg5阻害剤や、
(3) X及びXが、同一又は異なって、置換若しくは非置換アルキル基、OR(式中、Rは、前記と同義である)、COR(式中、Rは、前記と同義である)、COOR(式中、Rは、前記と同義である)、置換若しくは非置換アリール基又はハロゲン原子であることを特徴とする上記(2)記載のEg5阻害剤や、
(4) 置換若しくは非置換アルキル基が、tert−ブチル基又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記(3)記載のEg5阻害剤に関する。
【0016】
また、本発明は、
(5) 式(I)で表される化合物が、下記式(Ib)
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、Q1a〜Q4aは、その少なくとも一つが窒素原子を表し、その他は前記Q〜Qの定義と同義であり、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルボリン誘導体であることを特徴とする上記(1)記載のEg5阻害剤や、
(6) Q2aが、窒素原子であるβ−カルボリン誘導体であることを特徴とする上記(5)記載のEg5阻害剤や、
(7) Yが、トリフルオロメチル基であることを特徴とする上記(5)又は(6)のいずれか記載のEg5阻害剤に関する。
【0019】
さらに、本発明は、
(8) 上記(1)〜(7)のいずれか記載の式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗癌剤や、
(9) 上記(1)〜(7)のいずれか記載の式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する免疫抑制剤又は免疫調整剤に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明のカルバゾール誘導体、カルボリン誘導体等の多環性含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有するEg5阻害剤は、細胞増殖抑制活性を有し、各種の癌に対して抗癌剤として使用することができ、また、免疫抑制剤、免疫調整剤等としても使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明において、Eg5阻害剤として使用される式(I)で表される化合物における各基の定義において、
アルキル基は、例えば、直鎖または分岐状の炭素数1〜8のアルキル、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
【0022】
シクロアルキル基は、飽和または一部不飽和結合が存在してもよい3〜12員のシクロアルキル基であり、単環性あるいは該単環性のシクロアルキル基が複数またはアリール基もしくは芳香族複素環基と縮合した多環性の縮合シクロアルキル基であってもよく、単環性のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜8の単環性シクロアルキル、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1−シクロヘキセニル等が挙げられ、多環性のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数5〜12の多環性シクロアルキル、具体的には、ピナニル、アダマンチル、ビシクロ[3.3.1]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル等が挙げられる。
【0023】
アルケニル基は、例えば、直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルケニル、具体的には、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、メタクリル、ブテニル、1,3−ブタジエニル、クロチル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル等が挙げられる。
【0024】
アリール基は、例えば、炭素数6〜14のアリール、具体的には、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0025】
アラルキル基は、そのアリール部分は前記アリール基と同義であり、アルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、炭素数7〜15のアラルキル、具体的にはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、フェニルシクロプロピル等を挙げることができる。
【0026】
複素環基は、脂環式複素環基及び芳香族複素環基を意味し、脂環式複素環基としては、同一または異なって、少なくとも1以上の異項原子、例えば、窒素、酸素、硫黄等を含み、飽和または一部不飽和結合が存在してもよい3〜8員の脂環式複素環基であり、単環性あるいは該単環性の複素環基が複数またはアリール基もしくは芳香族複素環基と縮合した多環性の縮合脂環式複素環基であってもよい。単環性の脂環式複素環基として、具体的には、アジリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、チオラニル、オキサゾリジル、チアゾリジニル、ピペリジノ、ピペリジル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、オキサチアニル、オキサジアジニル、チアジアジニル、ジチアジニル、アゼピニル、ジヒドロアゾシニル等が例示され、多環性の縮合脂環式複素環基として、具体的には、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、キヌクリジニル等を挙げることができる。
【0027】
芳香族複素環基は、同一または異なって、少なくとも1以上の異項原子、例えば、窒素、酸素、硫黄等を含む5員または6員の芳香族複素環基からなり、該複素環基は、単環性または該単環性複素環基が複数またはアリール基と縮合した多環性の縮合芳香族複素環基、例えば、二環性もしくは三環性複素環基であってもよい。単環性の芳香族複素環基の具体例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル等が挙げられ、多環性の縮合芳香族複素環基としては、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリドピリミジニル、ピリミドピリミジニル、プテリジニル、アクリジニル、チアントレニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル等を挙げることができる。
【0028】
複素環アルキル基は、その複素環部分が、前記脂肪族複素環基又は芳香族複素環基と同義であり、アルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、少なくとも1以上の異項原子を含み、具体的には、ピロリジニルメチル、イミダゾリジニルメチル、ピラゾリニルエチル、チアゾリジニルメチル、ピペリジノメチル、モルホリノメチル等の脂肪族複素環アルキル、及びピリジルメチル、ピリジルエチル、フラニルメチル、チエニルメチル等の芳香族複素環アルキルを挙げることができる。
【0029】
含窒素複素環基としては、前記複素環基のうち、異項原子として少なくとも一つの窒素原子を含む複素環基であり、具体的には、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル等を挙げることができる。
【0030】
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
【0031】
脂環式炭化水素環は、例えば、炭素数5〜8の前記シクロアルキル基に対応する脂環式炭化水素環が、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。
【0032】
芳香族炭化水素環は、例えば、炭素数6〜14の前記アリール基に対応する芳香族炭化水素環が、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等を挙げることができる。
【0033】
複素環は前記複素環基に対応する複素環を意味し、例えば、前記脂環式複素環基に対応する5〜8員脂環式複素環が、具体的には、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、オキサチアン、オキサジアジン、チアジアジン、ジチアジン等を挙げることができる。
【0034】
また、前記芳香族複素環基に対応する5〜6員芳香族複素環が、具体的には、単環性芳香族複素環として、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等が、また、縮合芳香族複素環としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン等を挙げることができる。
【0035】
アミノ基の保護基としては、アミノ酸のアミノ基の保護基として通常用いられているものがそのまま使用できるが、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等のアシル基、ベンジル、トリチル等のアラルキル基、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)等のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0036】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、複素環アルキル基、含窒素複素環基、脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環及び複素環における置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、複素環アルキル基、OR21、OCOR22、NR2324、NR25COR26、NR27COOR28、NR29SO30、NR31SONR3233、NR34COOR35、S(O)mR36(式中、mは、0、1又は2を表す)、SONR3738、COR39、CONR4041、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子等から適宜選択される。ここで、R21〜R41は、同一または異なって、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は複素環アルキル基等を表し、R23及びR24、R32及びR33、R37及びR38、R40及びR41は、一緒になって含窒素複素環基を形成してもよい。
【0037】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、複素環アルキル基は、前記と同義であり、当該基は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記した同様の置換基が挙げられる。
【0038】
これら置換基の置換数としては、同一または異なって、最大各基に存在する水素原子の数まで可能であるが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6である。
【0039】
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等が挙げられ、酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の各無機酸塩、および、有機酸としてのギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類が挙げられる。金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩が、アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の各塩が、有機アミン塩としては、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、トルイジン等の各塩が挙げられる。
【0040】
本発明のEg5阻害剤として使用される化合物としては、三環性或いはそれ以上の多環性の含窒素複素環化合物であることが好ましく、当該化合物としては、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である)であれば特に制限されず、化合物(I)において、例えば、下記式(Ia)
【0041】
【化5】

【0042】
(式中、X〜Xは、同一又は異なって、前記Xと同義であり、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルバゾール誘導体が好ましい。
【0043】
特に、化合物(Ia)において、X及び/又はXに置換基を有する化合物がより好ましく、該置換基としては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基等のアルキル基や、ヒドロキシ基や、メトキシ基、tert−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基等のアルコキシ基や、ホルミル基等のアルカノイル基や、カルボキシル基や、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基や、フェニル基、m−ヒドロキシフェニル基等のアリール基や、フルオロ基等のハロゲン原子などが例示され、特に、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0044】
また、化合物(I)において、Q〜Qの少なくとも一つが窒素原子である下記式(Ib)
【0045】
【化6】

【0046】
(式中、Q1a〜Q4a、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルボリン誘導体が好ましく、特に、Q2aが窒素原子であるβ−カルボリン誘導体がより好ましい。該化合物においても、Yが、置換基としてトリフルオロメチル基を有する化合物が好ましい。
【0047】
本発明のEg5阻害剤として使用される化合物(I)の製造法の例について、以下に説明するが、これらの製造法に限定されるものではなく、また、試薬として入手可能な化合物もある。
【0048】
製造法1.
本発明で使用される化合物(I)は、文献(Chem.Comm.、2007、4516−4518)記載の方法又はこれらの方法に準じて下記製造法によって製造することができる。
【0049】
【化6】

【0050】
(式中、Lは、脱離基を表し、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0051】
Lの定義における脱離基としては、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ基、置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子は前記と同義である。アルキルスルホニルオキシ基は、そのアルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、炭素数1〜8のアルキルスルホニルオキシ基が、また、アリールスルホニルオキシ基は、そのアリール部分は前記アリール基と同義であり、例えば、炭素数6〜14のアリールスルホニルオキシ基が挙げられ、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基等が挙げられ、ハロゲン原子およびアルキル基は前記と同義である。具体的には、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基や、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基を例示することができる。
【0052】
(工程1)
アリール化合物(IIa)とアミン化合物(IIIa)とを、遷移金属触媒、配位子、及び塩基存在下に、適当な不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルモルホリン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、水もしくはこれらの混合溶媒中、−78℃〜用いた溶媒の沸点の間の温度で、5分〜48時間反応させることにより、N−アリール化したジアリールアミン化合物(IVa)を得ることができる。
【0053】
遷移金属触媒の遷移金属としては、パラジウム、ニッケル、銅、鉄等が挙げられ、遷移金属触媒の具体例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)等が挙げられる。これらの遷移金属触媒は、配位子存在下、対応する遷移金属塩等からin situで調製してもよく、配位子としてはトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられ、遷移金属塩等としては塩化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム−炭素、塩化ニッケル、塩化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酸化銅(I)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)等が挙げられ、遷移金属触媒は、化合物(IIa)に対して、5〜10モル%、配位子は、化合物(IIa)に対して、5〜20モル%用いられる。
【0054】
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
また、必要により、ピバル酸等の有機酸を添加してもよい。
なお、化合物(IIa)及び(IIIa)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0055】
(工程2)
工程1で得られる化合物(IVa)を、適当な不活性な溶媒中、−78℃〜用いた溶媒の沸点の間の温度で、5分〜48時間、酸化カップリング反応に付すことにより目的化合物(I)を得ることができる。
酸化反応は、酸素又は空気中の酸素を酸化剤とし、酸素又は空気を開放系で通気しながら行うか、酸素又は空気を加圧下に密閉系で行ってもよい。
溶媒は、工程1で例示した溶媒が同様に使用できるが、酢酸又は酢酸とトルエンの混合溶媒が好ましく用いられる。
反応は、工程1で得られる化合物(IVa)を単離、必要により精製して工程2の原料として供することも可能であるが、工程1で得られる化合物(IVa)を単離、精製することなく、そのまま工程2の反応を行うことも可能である。
【0056】
製造法2.
【0057】
【化7】

【0058】
(式中、L及びLは、同一又は異なって、前記Lと同義であり、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0059】
アリール化合物(IIa)とアミン化合物(IIIb)とから、製造法1、工程1に記載の方法に準じてジアリールアミン化合物(IVb)を得ることができ、さらに、化合物(IVb)から、製造法1、工程1に記載の方法に準じて目的化合物(I)を製造することがきる。
反応は、化合物(IIa)と化合物(IIIb)から、製造法1、工程1に記載の方法により生成する化合物(IVb)を、一旦単離、必要により精製し、さらに、製造法1、工程1に記載の方法に付すことにより目的化合物(I)を得ることができる。或いは、化合物(IIa)と化合物(IIIb)から、製造法1、工程1に記載の方法により、途中生成する化合物(IVb)を単離、精製することなく、直接目的化合物(I)を得ることもできる。
なお、化合物(IIIb)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0060】
製造法3.
【0061】
【化8】

【0062】
(式中、L、L、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0063】
化合物(I)は、文献(Synlett、2007,15、2331−2336)に記載された方法又はこれらの方法に準じて、化合物(IIb)と化合物(IIIc)とから、製造法2に記載の方法に従って製造することができる。
なお、化合物(IIb)及び(IIIc)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0064】
製造法4.
【0065】
【化9】

【0066】
(式中、L、L、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0067】
化合物(I)は、文献(Angew.Chem.,Int.Ed.、2007、46、1627−1629)に記載された方法又はこれらの方法に準じて、化合物(IIc)と化合物(IIId)とから、製造法2に記載の方法に準じて製造することができる。
なお、化合物(IIc)及び(IIId)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0068】
製造法5.
【0069】
【化10】

【0070】
(式中、X1aは、Xの定義中の置換若しくは非置換アリール基を表し、X、X、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0071】
ベンズアルデヒド類(X1a−CHO)を用いて、文献(Tetrahedron Lett.、2007、48、1379−1383)に記載された方法に準じて得られる化合物(V)を用い、酸化剤の存在下に反応し、Qが窒素原子であるβ−カルボリン化合物(Iba)を得ることができる。
酸化剤としては、酸素、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、塩素酸カリウム、二クロム酸カリウム、パラジウムカーボン等が挙げられ、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
なお、化合物(V)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0072】
製造法6.
【0073】
【化11】

【0074】
(式中、Zは、置換若しくは非置換アルキル基を表し、Q〜Q及びY〜Yは、前記と同義である)
【0075】
化合物(I)において、Zがアルキル基である化合物(Ie)は、Zが水素原子である化合物(Id)をアルキル化剤及び塩基存在下に反応させることにより得ることができる。
アルキル化剤としては、前記定義したアルキル基のハロゲン化物、ジアルキル硫酸等が挙げられ、具体的には、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ジメチル硫酸等が例示され、アルキル化剤は、化合物(Id)に対して、1〜3当量用いられる。
使用される塩基、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0076】
製造法7.
【0077】
【化12】

【0078】
(式中、Q〜Q及びZは、前記と同義である)
【0079】
化合物(If)を用いて、文献(Tetrahedron、2007、63、10290−10299)に記載された方法に準じてYがホルミル化された化合物(Ig)を得ることができる。
化合物(If)を、DMFとオキシ塩化リン、塩化オキサリル、リン酸トリクロリド等の求電子剤とから得られるビールスマイヤー試薬の存在下に反応させることにより、Yがホルミル化された化合物(Ig)を得ることができる。
使用される塩基、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0080】
製造法8.
【0081】
【化13】

【0082】
(式中、Q〜Q、Y、Y及びZは、前記と同義である)
【0083】
とYとが一緒になって芳香環を形成している、例えば、化合物(Ih)は、結合c−dが単結合である、例えば、化合物(Ica)を用いて、文献(Synlett、2006、7、1021−1022)に記載された方法に準じ、酸化剤存在下に反応させることにより、得ることができる。
酸化剤としては、製造法5に例示したものが、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0084】
製造法9.
【0085】
【化14】


(式中、Q〜Q、Y、Y及びZは、前記と同義である)
【0086】
とYとが一緒になって脂環式炭化水素環を形成している、例えば、化合物(Ii)は、YとYとが一緒になって芳香環を形成している、例えば、化合物(Ih)を還元剤存在下に、反応させることにより得ることができる。
還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等のヒドリド還元剤やナトリウムなどのアルカリ金属等が挙げられ、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0087】
製造法10.
【0088】
【化15】

【0089】
(式中、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0090】
化合物(I)において、結合a−b及びc−dが単結合である化合物(Icb)は、文献(Tetrahedron、1960、8、67−72)に記載された方法に準じて、化合物(VIa)と化合物(IIIe)とを塩酸等の無機酸又は酢酸、プロピオン酸等の有機酸存在下反応させることにより得ることができる。
これら酸は溶媒としても用いられ、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
なお、化合物(VIa)及び(IIIe)は、市販品として入手可能であるか、常法により製造することができる。
【0091】
製造法11.
【0092】
【化16】

【0093】
(式中、Y4a及びY4bは、同一又は異なって、オキソ基又はチオキソ基を表し、L、Q〜Q、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
【0094】
化合物(Icb)において、Yが、オキソ基又はチオキソ基である化合物(Icc)は、文献(Synlett、2007、17、2699−2702)に記載された方法に従い、化合物(VIb)と化合物(IIIb)とから、化合物(IVd)を得、次いで、製造法1、工程1に記載の方法に準じて製造することができる。
【0095】
製造法12.
〜X及びY〜Y等における各種置換基は、上記各製造法で得られる化合物(I)における当該置換基を修飾することにより得ることもできる。以下、これら置換基の修飾による製造法の例について説明するが、これら製造法に限定されない。
【0096】
製造法12.1(ヒドロキシメチル化)
化合物(I)における置換基X〜X及びY〜Y等の少なくとも一つがアルコキシカルボニル基等のカルボン酸エステルである化合物(I)を、還元剤存在下に反応させることにより、化合物(I)の当該置換基がヒドロキシメチル基である化合物(I)を得ることができる。
還元剤としては、製造法9に例示したヒドリド還元剤が挙げられ、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0097】
製造法12.2(カルボキシル化)
製造法12.1と同様に、置換基としてカルボン酸エステルを有する化合物(I)を、塩基存在下に反応させることにより、当該置換基がカルボキシル基である化合物(I)を得ることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられ、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0098】
製造法12.3(アルコキシ化)
化合物(I)における置換基X〜X及びY〜Y等の少なくとも一つがヒドロキシ基である化合物(I)を、アルキル化剤及ルイス酸存在下に反応させることにより、当該置換基がアルコキシ基である化合物(I)を得ることができる。
アルキル化剤としては、製造法6で例示したものが、ルイス酸としては、塩化チタン(IV)、フッ化ホウ素(III)、塩化スズ(IV)、トリメチルシリルトリフラート、ヨードトリメチルシラン等が挙げられ、反応溶媒、反応温度、時間等は、製造例1、工程1に例示したとほぼ同様の条件で行うことができる。
【0099】
上記製造法において、定義した基が実施方法の条件下で変化するかまたは方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および脱離方法等を用いることにより目的化合物を得ることができる。また、化合物(I)の中には、これを合成中間体としてさらに別の誘導体(I)へ導くことができるものもある。
【0100】
上記製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
【0101】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解もしくは懸濁させ、酸または塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
【0102】
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明のEg5阻害剤として使用することができる。
【0103】
本発明のEg5阻害剤として使用できる化合物(I)の具体例を下記表1〜5に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
【表3】

【0107】
【表4】

【0108】
【表5】

【0109】
なお、表1〜5中、2−ヒドロキシカルバゾール(化合物Ia−28)、9H−カルバゾール−2−カルバルデヒド(化合物Ia−34)及び天然物である1−メチル−9H−ピリド[3,4−b]インドール;harman(化合物Ib−2)、7−メトキシ−1−メチル−9H−ピリド[3,4−b]インドール;harmine(化合物Ib−3)等は市販品としても入手可能である。
【0110】
化合物(I)またはそれらの薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤とすることが望ましく、該医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種もしくは二種以上の担体と混合し、製剤学の常法により製造することができる。
【0111】
投与経路としては、経口投与または吸入投与、静脈内投与などの非経口投与が挙げられる。
【0112】
投与形態としては、錠剤、注射剤などが挙げられ、錠剤は、例えば乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、界面活性剤、グリセリン等の、各種添加剤を混合し、常法に従い製造すればよく、吸入剤は、例えば乳糖等を添加し、常法に従い製造すればよい。注射剤は、水、生理食塩水、植物油、可溶化剤、保存剤等を添加し、常法に従い製造すればよい。
【0113】
化合物(I)またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常成人一人当たり、0.001mg〜5g、好ましくは0.1mg〜1g、より好ましくは1mg〜500mgを、一日一回ないし数回に分けて投与する。
【0114】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0115】
(Eg5阻害活性:Eg5のATPase阻害試験)
Eg5阻害活性は、Eg5がATPを消費しながら微小管上を移動するモータータンパク質であるため、ATPase活性(ATPの消費量)指標として、その阻害活性を見積もった。
【0116】
本試験は、文献(Chemistry&Biology、2002、9、989−996)記載の方法に準じ、以下に記載する方法により実施した。
各種濃度となるように調製した試験サンプル(DMSO溶液より調製)を含む96穴プレート(白)に、大腸菌で発現させたEg5モータードメイン組換えタンパク質とタキソールで安定化させたマイクロチューブルを加え、25℃で10分間静置した。その後、終濃度30μMになるようにATP溶液を加えることで、ATP加水分解反応を開始した。反応液には、40nMのEg5モーター組換えタンパク質と、350nMのチュブリンタンパク質から調製したマイクロチューブルを含む。20分後に反応停止と残存ATP量の定量を行うため、ルシフェラーゼによるATP測定法(プロメガ(Promega)社;Kinase-Glo Plus assay)を用いて測定し、ATP加水分解スコアを次式に従って算出した。
【0117】
ATP加水分解スコア(%)= 100 x (L0-Lchem)/(L0-LDMSO)
【0118】
L0:Eg5組換えタンパク質なしに試験サンプル溶解用の溶媒のみを添加した場合の発光量
Lchem:試験サンプルを添加した場合の発光量
LDMSO:試験サンプル溶解用の溶媒のみを添加した場合の発光量
【0119】
その試験結果を表6に示す。また、ATPの加水分解を50%阻害する濃度(IC50)についての結果を表7に示す。
【0120】
【表6】

【0121】
【表7】

【実施例2】
【0122】
(細胞増殖阻害試験)
ヒト子宮頸がん由来HeLa細胞を、10%のウシ胎児血清(FBS;ハイクロン(Hyclone)社)を含有したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;インビトロジェン‐ギブコBRL(Invitrogen-Gibco BRL)社)を培養培地として、96穴プレートで5000細胞/ウエル(cells/well)の密度で、5%COで満たされた37℃の恒温室で8時間培養した。各ウエルに、各種濃度となるように調製した試験サンプル(DMSO溶液より調製)の10%FBS含有DMEM溶液を添加し、培養を継続した。2日間培養後の生細胞数を、MTS法による細胞増殖試験キット(プロメガ(Promega)社;CellTiter96(R) AQueousOne Solution Cell Proliferation Assay)を用いて測定し、細胞増殖スコアを次式に従って算出した。
【0123】
細胞増殖スコア(%)= 100 x M / M
【0124】
:サンプルを添加した場合のMTS試薬による吸光度
:サンプル溶解用の溶媒のみを添加した場合のMTS試薬による吸光度
【0125】
その試験結果を表8に示す。
【0126】
【表8】

【実施例3】
【0127】
化合物(Ia−20)10mg、乳糖70mg、デンプン15mg、ポリビニルアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mg(計100mg)からなる組成を用い、常法により、錠剤を調製する。
【実施例4】
【0128】
常法により、化合物(Ia−20)70mg、精製大豆油50mg、卵黄レシチン10mgおよびグリセリン25mgからなる組成に、全容量100mLとなるよう注射用蒸留水を添加し、バイアルに充填後、加熱滅菌して注射剤を調製する。
【0129】
[製造例1] 化合物Ia−1(9H−カルバゾール)の製造
【0130】
【化17】

【0131】
製造法1記載の方法に従い、化合物(IIa−1)(45.2mg、0.20mmol)と化合物(IIIa−1)(20.5mg、0.22mmol)、酢酸パラジウム(4.49mg、0.02mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(2-dicyclohexylphosphino-2’,4’,6’-triisopropylbiphenyl)(14.3mg、0.03mmol)、炭酸セシウム(78.2mg、0.24mmol)を含むトルエン(0.4mL)溶液を100℃アルゴン下で攪拌した。1時間後、室温に戻し酢酸(1.6mL)を加え、100℃、酸素雰囲気下で攪拌した。10時間後室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(50:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−1)(23.1mg、収率69%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.22 -7.26 (m, 2H), 7.41-7.43 (m, 4H), 8.03 (br, 1H), 8.08 (d, J = 7.8 Hz, 2H).
【0132】
[製造例2] 化合物Ia−2(1−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−2)(7.25mg、収率20%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 2.48 (s, 3H), 7.14 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 7.18-7.22 (m, 2H), 7.37-7.38 (m, 2H), 7.81 (br, 1H), 7.90 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0133】
[製造例3] 化合物Ia−3(メチル 8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−3)(26.8mg、収率56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.58 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 7.19-7.28 (m, 2H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.24 (br, 1H), 8.80 (s, 1H).
【0134】
[製造例4] 化合物Ia−4(1−トリフルオロメチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−4)(5.01mg、収率11%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.24-7.28 (m, 2H), 7.45-7.46 (m, 2H), 7.62 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.43 (br, 1H).
【0135】
[製造例5] 化合物Ia−5(1−tert−ブチル−9H−カルバゾール)の製造
【0136】
【化18】

【0137】
製造法3記載の方法に従い、化合物(IIb−1)(147mg、1.00mmol)と化合物(IIIc−1)(164mg、1.10mmol)、酢酸パラジウム(11.2mg、0.05mmol)、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム(tricyclohexylphosphonium tetrafluoroborate)(36.8mg、0.10mmol)、リン酸カリウム(467mg、2.20mmol)を含むN−メチルモルホリン(5.0mL)溶液を130℃アルゴン下で攪拌した。30時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(50:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−5)(91.0mg、収率41%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.55 (s, 9H), 7.19 (dd, J = 7.7, 7.4 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 7.7, 7.4 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.14 (br, 1H).
【0138】
[製造例6] 化合物Ia−6((9H−カルバゾロ−1−イル)メタノール)の製造
製造法12.1記載の方法に従い、化合物(Ia)において、Xがメトキシカルボニル基である化合物(558mg、2.48mmol)を含むTHF(25mL)の攪拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム(207mg、5.45mmol)を0℃アルゴン下ゆっくり加えた。30分後、0℃で攪拌しながら飽和酒石酸水溶液を添加し、セライトろ過を行った。減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(6:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−6)(379mg、収率78%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.94 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 7.16 (dd, J = 7.7, 7.4 Hz, 1H), 7.21-7.25 (m, 2H), 7.40-7.45 (m, 2H), 8.03 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.83 (br, 1H).
【0139】
[製造例7] 化合物Ia−7(1−フェニル−9H−カルバゾール)の製造
製造例5に記載した方法に準じ、化合物(Ia−7)(116mg、収率48%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 7.24 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 1H), 7,31 (dd, J = 7.7, 7.4 Hz, 1H), 7.39-7.44 (m, 4H), 7.54 (dd, J = 8.0, 7.4 Hz, 2H), 7.67-7.70 (m, 2H), 8.07 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.28 (br, 1H).
【0140】
[製造例8] 化合物Ia−8(3−(9H−カルバゾロ−1−イル)フェノール)の製造
【0141】
【化19】

【0142】
製造法3記載の方法に従い、酢酸パラジウム(109mg、0.49mmol)と4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(4,5-bis(diphenylphosphino)-9,9-dimethylxanthene)(281mg、0.49mmol)のトルエン(2.5mL)溶液をアルゴン下で15分間攪拌した。その後、化合物(IIb−2)(450mg、2.43mmol)、化合物(IIIc−2)(343μL、2.67mmol)、ナトリウムtert−ブトキサイド(514mg、5.35mmol)、ジオキサン(13mL)を加え、120℃アルゴン下で攪拌した。12時間後、セライトろ過をし、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(1.8mL)を加え、さらに酢酸パラジウム(2.03mg、9.02μmol)、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム(6.65mg、0.02mmol)、炭酸セシウム(133mg、0.38mmol)を加え130℃アルゴン下で攪拌した。3時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(6:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−8)(31.1mg、収率67%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 5.23 (s, 1H), 6.88 (dd, J = 8.0, 2.6 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.22-7.25 (m, 2H), 7.30 (dd, J = 7.7, 7.4 Hz, 1H), 7.38-7.42 (m, 4H), 8.06 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.34 (br, 1H).
【0143】
[製造例9] 化合物Ia−9(メチル 3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−9)(20.1mg、収率42%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.55 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 7.22-7.28 (m, 1H), 7.42-7.49 (m, 2H), 7.89 (s, 1H), 8.03-8.06 (m, 2H), 9.74 (br, 1H).
【0144】
[製造例10] 化合物Ia−10(メチル 7−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ化合物(Ia−10)(24.9mg、収率52%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.54 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 7.09 (d, J = 7.8, 1H), 7.21 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 9.80 (br, 1H).
【0145】
[製造例11] 化合物Ia−11(2−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−11)(22.5mg、収率62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.52 (s, 3H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20-7.23 (m, 2H), 7.37-7.38 (m, 2H), 7.88 (br, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
【0146】
[製造例12] 化合物Ia−12(2−メチル−7−フェニル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−12)(39.6mg、収率75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, THF-d4); δ 2.49 (s, 3H), 6.98 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.28 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 1H), 7.41 (m, 3H), 7.61 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.69 (m, 2H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 10.2 (br, 1H).
【0147】
[製造例13] 化合物Ia−13(メチル 7−メチル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−13)(3.99mg、収率8%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.54 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.13 (s, 1H).
【0148】
[製造例14] 化合物Ia−14(3−フルオロ−7−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−14)(28.3mg、収率71%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.52 (s, 3H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.31 (dd, J = 9.0, 4.1 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.87-7.89 (m, 2H).
【0149】
[製造例15] 化合物Ia−15(3−トリフルオロメチル−7−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−15)(38.9mg、収率78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.52 (s, 3H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.03 (br, 1H), 8.27 (s, 1H).
【0150】
[製造例16] 化合物Ia−16(1−(7−メチル−9H−カルバゾロ−3−イル)エタノン)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−16)(34.8mg、収率78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.53 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 7.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.06 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 8.41 (br, 1H), 8.68 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
【0151】
[製造例17] 化合物Ia−17(メチル 7−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−17)(50.9mg、収率:定量的)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.52 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.10 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.76 (s, 1H).
【0152】
[製造例18] 化合物Ia−18(メチル 7−メチル−9H−カルバゾール−4−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−18)(24.5mg、収率52%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.49 (s, 3H), 4.05 (s, 3H), 7.07 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.36 (dd, J = 8.1, 7.6 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.71 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0153】
[製造例19] 化合物Ia−19(2−ジフルオロメチル−9H−カルバゾール)の製造
【0154】
【化20】

【0155】
製造法2記載の方法に従い、化合物(IIa−2)(500mg、2.42mmol)と化合物(IIIb−1)(278μL、2.66mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)−クロロホルム付加体(tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)-chloroform adduct)(125mg、0.12mmol)、2−ジシルクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N―ジメチルアミノ)ビフェニル(2-dicylclohexylphosphino-2’-(N,N-dimethylamino)biphenyl)(95.2mg、0.24mmol)、炭酸セシウム(1.19g、3.38mmol)のトルエン(2.5mL)溶液を100℃アルゴン下で攪拌した。2時間後、セライトろ過をし、減圧下で濃縮した。DMA(20mL)を加え、さらに酢酸パラジウム(27.1mg、0.12mmol)、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム(89.1mg、0.24mmol)、炭酸カリウム(467mg、3.38mmol)、ピバル酸(74.0mg、0.73mmol)を加え130℃アルゴン下で攪拌した。2時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(20:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−19)(112mg、収率21%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 6.81 (t, J = 56.7 Hz, 1H), 7.25-7.29 (m, 2H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46-7.47 (m, 2H), 7.60 (s, 1H), 8.11 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.17 (br, 1H).
【0156】
[製造例20] 化合物Ia−20(2−トリフルオロメチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−20)(16.0mg、収率34%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.29 (ddd, J = 8.0, 2.4, 2.2 Hz, 1H), 748-7.50 (m, 3H), 7.70 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.22 (br, 1H).
【0157】
[製造例21] 化合物Ia−21(2−トリフルオロメチル−7−tert−ブチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−21)(91.2mg、収率21%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.42 (s, 9H), 7.36 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.44-7.46 (m, 2H), 7.65 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.07-8.09 (m, 2H).
【0158】
[製造例22] 化合物Ia−22(2−トリフルオロメチル−9−メチルカルバゾール)の製造
【0159】
【化21】

【0160】
製造法6記載の方法に従い、製造例20で得られる化合物(Ia−20)(20.8mg、88.4μmmol)を含むTHF(0.8mL)の攪拌溶液に、水素化ナトリウム(3.89mL、97.3μmmol)を0℃、アルゴン下加えた。15分後、ヨードメタン(11.0μL、0.18mmol)を加え室温で10時間攪拌した。水で反応を停止させ、エーテルで抽出した。抽出物は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で濃縮し、続いてn−ヘキサン−酢酸エチル(40:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−22)(18mg、収率82%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 3.87 (s, 3H), 7.28 (dd, J = 7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H).
【0161】
[製造例23] 化合物Ia−23(2−エチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−23)(78.3mg、収率80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.30-1.33 (m, 3H), 2.78-2.83 (m, 2H), 7.09 (dd, J = 7.7, 1.1 Hz, 1H), 7.19-7.24 (m, 2H), 7.37 (m, 2H), 7.87 (br, 1H), 7.97 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0162】
[製造例24] 化合物Ia−24(2−イソプロピル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−24)(60.0mg、収率57%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.33 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 3.00-3.08 (m, 1H), 7.11 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.19 (ddd, J = 8.0, 7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 7.7, 1.1 Hz, 1H), 7.73 (br, 1H), 7.96 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0163】
[製造例25] 化合物Ia−25(2−tert−ブチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物Ia−25(27.7mg、収率62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.42 (s, 9H), 7.18-7.22 (m, 1H), 7.30 (dd, J = 8.3, 1.0 Hz, 1H), 7.36-7.41 (m, 3H), 7.91 (br, 1H), 7.98 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H).
【0164】
[製造例26] 化合物Ia−26(7−tert−ブチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸)の製造
【0165】
【化22】

【0166】
製造法12.2記載の方法に従い、製造例27で得られる化合物(Ia−27)(34.9mg、0.12mmol)を含むメタノール(1.2mL)の攪拌溶液に1M水酸化リチウム(248μL,0.25mmol)を加え還流した。4時間後、室温に戻した後、1N塩酸を加え酸性とし、クロロホルムで抽出した。抽出物は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で濃縮し、続いてn−ヘキサン−酢酸エチル(1:2)を溶離液としてPLCプレートを用いたクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−26)(5.50mg、収率17%)を得た。
1H NMR (500 MHz, THF-d4); δ 1.32 (s, 9H), 7.23 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 8.6, 0.6 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 8.3, 0.6 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 8.63 (m, 1H).
【0167】
[製造例27] 化合物Ia−27(7−tert−ブチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸 メチルエステル)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−27)(53.5mg、収率95%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.43 (s, 9H), 3.97 (s, 3H), 7.37 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.10 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.77 (s, 1H).
【0168】
[製造例28] 化合物Ia−29(2−メトキシ−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ化合物(Ia−29)(20.9mg、収率53%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 3.90 (s, 3H), 6.86 (dd, J = 8.5, 2.2 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.20 (ddd, J = 7.8, 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.32-7.40 (m, 2H), 7.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.92-7.98 (br, 1H).
【0169】
[製造例29] 化合物Ia−30(メチル 2−メトキシ−9H−カルバゾール−6−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−30)(40.8mg、収率80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 3.88 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 6.86 (s, 1H), 7.24 (ddd, J = 8.3, 5.1, 3.2 Hz, 1H), 7.36-7.38 (m, 2H), 7.99 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.38 (br, 1H), 8.60 (s, 1H).
【0170】
[製造例30] 化合物Ia−31(2−トリフルオロメトキシ−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−31)(28.6mg、収率57%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 7.09 (dd, J = 8.6, 0.9 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.25 (dd, J = 8.0, 7.4 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.3, 7.4 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.01 (br, 1H).
【0171】
[製造例31] 化合物Ia−32(2−tert−ブトキシ−9H−カルバゾール)の製造
【0172】
【化23】

【0173】
製造法12.3記載の方法に従い、市販品として入手した化合物(Ia−28)(200mg、1.09mmol)を含む塩化メチレン(3.0mL)溶液にジ−tert−ブチルジカルボネート(547mg、2.51mmol)、過塩素酸マグネシウム(24.3mg、0.11mmol)を加え、室温で攪拌した。24時間後、水で反応を停止させ、減圧下で濃縮し、酢酸エチルで抽出した。抽出物は飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で濃縮し、続いてn−ヘキサン−酢酸エチル(15:1→10:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−32)(57.8mg、収率22%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.48 (s, 9H), 6.91 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.20 (ddd, J = 7.2, 1.7, 1.4 Hz, 1H), 7.33-7.38 (m, 2H), 7.92 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.96 (br, 1H), 8.00 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0174】
[製造例32] 化合物Ia−33(2−フェニル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−33)(29.2mg、収率60%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6); δ 7.16 (dd, J = 7.6, 7.1 Hz, 1H), 7.34-7.51 (m, 6H), 7.70 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 11.3 (s, 1H).
【0175】
[製造例33] 化合物Ia−35(9H−カルバゾール−2−カルボン酸)の製造
製造例26に記載した方法に準じ、化合物(Ia−35)(10.6mg、収率57%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD); δ 7.10 (ddd, J = 7.4, 1.1, 0.9 Hz, 1H), 7.34 (ddd, J = 7.7, 7.4, 1.1 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H), 8.00-8.02 (m, 2H), 8.06 (dd, J = 1.1, 0.9 Hz, 1H).
【0176】
[製造例34] 化合物Ia−36(メチル 9H−カルバゾール−2−カルボキシレート)の製造
製造例5に記載した方法に準じ、化合物(Ia−36)(157mg、収率70%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 3.97 (s, 3H), 7.25-7.28 (m, 1H), 7.45-7.50 (m, 2H), 7.94 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 8.09-8.12 (m, 2H), 8.17 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.30 (br, 1H).
【0177】
[製造例35] 化合物Ia−37(3−フルオロ−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−37)(21.1mg、収率57%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 7.15 (ddd, J = 9.0, 9.0, 2.7 Hz 1H), 7.23 (ddd, J = 7.8, 5.4, 2.7 Hz, 1H), 7.34 (q, J = 4.4 Hz, 1H), 7.42-7.43 (m, 2H), 7.72 (dd, J = 9.0, 2.7 Hz, 1H), 8.02 (br, d, J = 7.8 Hz, 2H).
【0178】
[製造例36] 化合物Ia−38(3−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−38)(16.7mg、収率46%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 2.53 (s, 3H), 7.19-7.25 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.38-7.40 (m, 2H), 7.87 (s, 1H), 7.93 (br, 1H), 8.04 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
【0179】
[製造例37] 化合物Ia−39(3−トリフルオロメチル−6−メチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ化合物(Ia−39)(7.48mg、収率15%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 2.54 (s, 3H), 7.30 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 8.15 (br, 1H), 8.31 (s, 1H).
【0180】
[製造例38] 化合物Ia−40(メチル 6−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−40)(37.3mg、収率78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6); δ 2.49 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 7.29 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 11.58 (s, 1H).
【0181】
[製造例39] 化合物Ia−41(3−トリフルオロメチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−41)(33.9mg、収率72%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.29 (dd, J = 7.3, 1.7 Hz, 1H), 7.44-7.48 (m, 1H), 7.65 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.19 (br, 1H), 8.33 (s, 1H).
【0182】
[製造例40] 化合物Ia−42(3−tert−ブチル−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−42)(19.2mg、収率43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.44 (s, 9H), 7.21 (ddd, J = 8.0, 8.0, 3.9 Hz, 1H), 7.33-7.38 (m, 3H), 7.49 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.92 (br, 1H), 8.07-8.09 (m, 2H).
【0183】
[製造例41] 化合物Ia−43(メチル 6−tert−ブチル−9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−43)(52.9mg、収率94%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 1.45 (s, 9H), 3.98 (s, 3H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.83 (s, 1H).
【0184】
[製造例42] 化合物Ia−44(3−メトキシ−9H−カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−44)(10.3mg、収率26%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 3.93 (s, 3H), 7.07 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.21 (ddd, J = 7.8, 7.8, 3.9 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.91 (br, 1H), 8.03 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
【0185】
[製造例43] 化合物Ia−45(3−フェニル−9H−カルバゾール)の製
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−45)(31.6mg、収率65%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.23-7.27 (m, 1H), 7.34 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 1H), 7.43-7.49 (m, 5H), 7.66-7.72 (m, 3H), 8.07 (br, 1H), 8.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 1.2 Hz, 1H).
【0186】
[製造例44] 化合物Ia−46(9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド)の製造
【0187】
【化24】

【0188】
製造法7記載の方法に従い、リン酸トリクロリド(1.5mL,16.2mmol)にDMF(5.0mL)を0℃アルゴン下ゆっくり加え、室温で1時間攪拌した後、製造例1で得られる化合物(Ia−1)(2.70g、16.2mmol)を加えた。90℃で10時間攪拌後、水で反応を停止させ、塩化メチレンで抽出した。抽出物は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で濃縮し、続いてn−ヘキサン−酢酸エチル(50:1→20:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ia−46)(404mg、収率13%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.39 (m, 3H), 7.61 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 9.58 (s, 1H).
【0189】
[製造例45] 化合物Ia−47(メチル 9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−47)(28.7mg、収率64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 3.98 (s, 3H), 7.29 (ddd, J = 8.0, 8.0, 4.1 Hz, 1H), 7.42-7.47 (m, 3H), 8.12-8.15 (m, 2H), 8.36 (br, 1H), 8.82 (m, 1H).
【0190】
[製造例46] 化合物Ia−48(ベンジル 9H−カルバゾール−3−カルボキシレート)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−48)(44.4mg、収率74%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 5.43 (s, 2H), 7.27 (m, 1H), 7.35-7.44 (m, 6H), 7.51 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 8.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.84 (s, 1H).
【0191】
[製造例47] 化合物Ia−49(1,2,3,4−テトラヒドロ−11H−ベンゾ[a]カルバゾール)の製造
【0192】
【化25】

【0193】
製造例48で得られる化合物(Ia−50)を用いて、製造法10記載の方法に準じ、化合物(Ia−49)(276mg、収率62%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.90 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 2.89 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20 (ddd, J = 7.7, 7.2, 0.9 Hz, 1H), 7.36 (ddd, J = 8.3, 7.2, 0.9 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.86 (br, 1H), 8.02 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0194】
[製造例48] 化合物Ia−50(11H−ベンゾ[a]カルバゾール)の製造
【0195】
【化26】

【0196】
製造例57で得られる化合物(Ic−3)を用いて、製造法8記載の方法に準じ、化合物(Ia−50)(2.35mg、収率98%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 7.29-7.32 (m, 1H), 7.42-7.45 (m, 1H), 7.51-7.60 (m, 3H), 7.66 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.10-8.14 (m, 3H), 8.75 (br, 1H).
【0197】
[製造例49] 化合物Ia−51(7,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[b]カルバゾール)の製造
製造例1に記載した方法に準じ、化合物(Ia−51)(99.4mg、収率23%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.86 (m, 4H), 2.95 (m, 4H), 7.08 (s, 1H), 7.17 (ddd, J = 8.0, 4.9, 3.2 Hz, 1H), 7.33-7.37 (m, 1H), 7.75 (br, 2H), 7.99 (d, J = 8.0 Hz, 1H).
【0198】
[製造例50] 化合物Ib−1(7−(トリフルオロメチル)−9H−ピリド[2,3−b]インドール)の製造
【0199】
【化27】

【0200】
製造法4記載の方法に従い、酢酸パラジウム(44.9mg、0.20mmol)と4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(116mg、0.20mmol)のトルエン(1.0mL)溶液をアルゴン下で15分間攪拌した。その後、化合物(IIId−1)(410mg、2.0mmol)、化合物(IIc−1)(309μL、2.20mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(269mg、2.80mmol)、トルエン(1mL)を加え、120℃アルゴン下で攪拌した。24時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1→1:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、薄い黄白色固体として化合物(Ib−1)(52.9mg、収率11%)を得た。
1H NMR (500 MHz,THF-d4); δ 6.94 (dd, J = 6.6, 6.6 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 9.2, 6.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.84 (d, J = 6.6 Hz, 1H).
[製造例51] 化合物Ib−4(3−(9H−ピリド[3,4−b]インドロ−1−イル)フェノール)の製造
【0201】
【化28】



【0202】
製造法5に記載した方法に準じ、m−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いて得られる化合物(V−1)は、精製せずにそのまま、キシレン(12mL)とパラジウムカーボン(1.33g、12.5mmol)を加えアルゴン下還流した。6時間後、室温に戻しセライトろ過をした後、減圧下で濃縮した。続いて、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2)を溶離液としてPLCプレートを用いたクロマトグラフィーによって、薄い黄白色固体として化合物(Ib−4)(26.1mg、収率2.2%)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6); δ 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 7.4, 0.9 Hz, 1H), 7.28-7.30 (m, 2H), 7.35 (dd, J = 8.0, 7.2 Hz, 1H), 7.45 (ddd, J = 8.0, 7.2, 0.9 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.06 (dd, J = 8.0, 0.9 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 5.2 Hz, 1H).
【0203】
[製造例52] 化合物Ib−5(7−(トリフルオロメチル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール)の製造
【0204】
【化29】



【0205】
製造法4記載の方法に従い、化合物(IIc−2)と化合物(IIId−2)を用いて化合物(IVc−1)を得た。次いで、化合物(IVc−1)(120mg、0.38mmol)にDMA(20mL)を加え、さらに酢酸パラジウム(4.25mg、0.02mmol)、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム(14.0mg、0.04mmol)、炭酸カリウム(73.3mg、0.53mmol)、ピバル酸(11.6mg、0.11mmol)を加え、130℃アルゴン下で攪拌した。4時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1→酢酸エチル)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、薄い黄白色固体として化合物(Ib−5)(58.6mg、収率66%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD); δ 7.51 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 8.16 (dd, J = 5.4, 1.1 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.88 (s, 1H).
【0206】
[製造例53] 化合物Ib−6(7−(トリフルオロメチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール)の製造
製造例52に記載した方法に準じ、化合物(Ib−6)(88.9mg、収率51%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD); δ 7.51-7.55 (m, 2H), 7.82 (s, 1H), 8.33 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 9.29 (s, 1H).
【0207】
[製造例54] 化合物Ib−7(7−(トリフルオロメチル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール)の製造
【0208】
【化30】



【0209】
製造法2記載の方法に従い、化合物(IIa−3)(846mg、3.11mmol)と化合物(IIIb−2)(400mg、3.11mmol)、ヨウ化銅(59.2mg、0.31mmol)、1,10−フェナントロリン(1,10-phenanthroline)(84.1mg,0.47mmol)、炭酸カリウム(860mg,6.22mmol)を含むDMF(6.0mL)溶液を110℃アルゴン下攪拌した。24時間後、室温に戻しセライトろ過をし、減圧下で濃縮した。続いて、n−ヘキサン−酢酸エチル(6:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、粗生成物として化合物(IVb−1)(22.4mg、収率<26%)を得た。DMA(8.2mL)を加え、さらに酢酸パラジウム(9.20mg、0.04mmol)、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム(30.2mg、0.08mmol)、炭酸カリウム(159mg、1.15mmol)、ピバル酸(25.1mg、0.25mmol)を加え130℃アルゴン下で攪拌した。10時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2)を溶離液としてPLCプレートを用いたクロマトグラフィーによって、薄い黄白色固体として化合物(Ib−7)(76.1mg、収率10%)を得た。
1H NMR (500 MHz, THF-d4); δ 7.36 (dd, J = 8.3, 4.6 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.82 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.52 (dd, J = 4.6, 1.4 Hz, 1H), 10.8 (br, 1H).
【0210】
[製造例55] 化合物Ic−1(7−(トリフルオロメチル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の製造
【0211】
【化31】

【0212】
製造法10記載の方法に従い、化合物(VIa−1)(0.35mL、3.40mmol)と化合物(IIIe−1)(0.4mL、3.40mmol)とを含む酢酸(34mL)溶液を還流しながら攪拌した。24時間後、室温に戻し減圧下で濃縮した。続いて、n−ヘキサン−酢酸エチル(20:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、白色固体として化合物(Ic−1)(285mg、収率35%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 1.83-1.90 (m, 4H), 2.71-2.73 (m, 2H), 2.79-2.81 (m, 2H), 7.10 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.38-7.40 (m, 2H), 7.84 (br, 1H).
【0213】
[製造例56] 化合物Ic−2(7−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−カルバゾロ−4(9H)−オン)の製造
【0214】
【化32】

【0215】
製造法11記載の方法に従い、化合物(VIb−1)と化合物(IIIb−3)から、化合物(IVd−1)を得た。
次いで、化合物(IVd−1)(612mg、1.83mmol)、酢酸パラジウム(20.6mg、0.09mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(1,3-bis(diphenylphosphino)propane)(37.8mg、0.09mmol)、酢酸ナトリウム(601mg、7.33mmol)、テトラエチルアンモニウムクロリド(304mg、1.83mmol)を含むDMF(18mL)溶液を120℃アルゴン下で攪拌した。5時間後、室温に戻し減圧下で濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、薄い黄白色固体として化合物(Ic−2)(88.6mg、収率19%)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6); δ 2.15 (m, 2H), 2.47 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.03 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 12.3 (br, 1H).
【0216】
[製造例57] 化合物Ic−3(6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]カルバゾール)の製造
【0217】
【化33】

【0218】
製造法10記載の方法に従い、市販品である化合物(VIa−2)と化合物(IIIe−2)から化合物(Ic−3)(3.30g、収率;定量的)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3); δ 2.96-3.11 (m, 4H), 7.10-7.20 (m, 3H), 7.24-7.28 (m, 2H), 7.32 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.17 (br, 1H).


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


{式中、
結合a−b及びc−dは、同一又は異なって、単結合又は二重結合を表し、
、Q、Q及びQは、同一又は異なって、窒素原子又は−C(X)=[式中、Xは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換複素環基、置換若しくは非置換複素環アルキル基、OR(式中、Rは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換複素環基又は置換若しくは非置換複素環アルキル基を表す)、OCOR(式中、Rは、前記Rと同義である)、NRCOOR(式中、R及びRは、同一又は異なって、前記Rと同義である)、S(O)nR(式中、nは、0、1又は2を表し、Rは、前記Rと同義である)、SONR(式中、R及びRは、同一又は異なって、前記Rと同義であるか、RとRが一緒になって、置換もしくは非置換含窒素複素環基を形成してもよい)、COR(式中、Rは、前記Rと同義である)、COOR(式中、Rは、前記Rと同義である)、CONR1011(式中、R10及びR11は、それぞれ前記R及びRと同義である)、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、ここで、Xが同時に複数存在する場合は、同一または異なっていてもよく、また、隣接する任意の二つのXは、一緒になって置換もしくは非置換の脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環または複素環を形成してもよい]を表し、
、Y、Y及びYは、同一又は異なって、前記Xと同義であり、結合a−b及び/又はc−dが単結合を表すとき、Y〜Yは、オキソ基又はチオキソ基であってもよく、
Zは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基又はアミノ基の保護基を表す}
で表される多環性含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するEg5阻害剤。
【請求項2】
式(I)で表される化合物が、下記式(Ia)
【化2】


(式中、X〜Xは、同一又は異なって、前記Xと同義であり、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルバゾール誘導体であることを特徴とする請求項1記載のEg5阻害剤。
【請求項3】
及びXが、同一又は異なって、置換若しくは非置換アルキル基、OR(式中、Rは、前記と同義である)、COR(式中、Rは、前記と同義である)、COOR(式中、Rは、前記と同義である)、置換若しくは非置換アリール基又はハロゲン原子であることを特徴とする請求項2記載のEg5阻害剤。
【請求項4】
置換若しくは非置換アルキル基が、tert−ブチル基又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項3記載のEg5阻害剤。
【請求項5】
式(I)で表される化合物が、下記式(Ib)
【化3】


(式中、Q1a〜Q4aは、その少なくとも一つが窒素原子を表し、その他は前記Q〜Qの定義と同義であり、Y〜Y及びZは、前記と同義である)
で表されるカルボリン誘導体であることを特徴とする請求項1記載のEg5阻害剤。
【請求項6】
2aが、窒素原子であるβ−カルボリン誘導体であることを特徴とする請求項5記載のEg5阻害剤。
【請求項7】
が、トリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項5又は6のいずれか記載のEg5阻害剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか記載の式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗癌剤。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか記載の式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する免疫抑制剤又は免疫調整剤。

【公開番号】特開2012−51804(P2012−51804A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331963(P2008−331963)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(506374708)一般社団法人ファルマIP (9)
【Fターム(参考)】