EphA2および非腫瘍性過増殖性細胞障害
本発明は、非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害、特に上皮細胞または内皮細胞の過増殖が関わる障害の治療、処置または予防を意図した方法および組成物に関する。1つの実施形態においては、本発明の方法は、EphA2作動性細胞においてEphA2に結合し且つEphA2細胞質尾部リン酸化を増強し及び/又はEphA2自己リン酸化を増強する1以上のEphA2作動性物質の有効量の投与を含む。もう1つの実施形態においては、本発明の方法は、EphA2に結合し且つEphA2活性(自己リン酸化以外)を減少させる1以上のEphA2作動性物質の有効量の投与を含む。もう1つの実施形態においては、本発明の方法は、EphA2に結合し且つ病原性細胞表現型(例えば、病原性上皮細胞表現型または病原性内皮細胞表現型)を軽減する1以上のEphA2作動性物質の有効量の投与を含む。もう1つの実施形態においては、本発明の方法は、非常に低いKoff速度でEphA2に結合するEphA2抗体である1以上のEphA2作動性物質の有効量の投与を含む。好ましい実施形態においては、本発明の物質はモノクローナル抗体である。本発明はまた、本発明の1以上のEphA2作動性物質を、単独で、または非腫瘍性過増殖性細胞もしくは過剰細胞蓄積障害に対する療法において有用な1以上の他の物質と組合されて含む医薬組成物を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非腫瘍性過増殖細胞または過剰細胞蓄積障害の治療を要する患者における非腫瘍性過増殖細胞または過剰細胞蓄積障害の治療方法であって、EphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項2】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、アスベスト肺、IPF、DIP、UIP、腎線維症、肝線維症、他の線維症、気管支過剰応答、乾癬および脂漏性皮膚炎よりなる群から選ばれる過増殖性上皮細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
過増殖性上皮細胞障害の病原性細胞表現型が、ムチンの分泌、ムチン分泌細胞へのEphA2発現細胞の分化、炎症性因子の分泌または上皮細胞もしくは内皮細胞の過増殖である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、再狭窄、過増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症および黄斑変性よりなる群から選ばれる過増殖性内皮細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が過増殖性線維芽細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
過増殖性内皮細胞障害の病原性細胞表現型が、増加した細胞遊走、細胞体積、細胞外マトリックス分子の分泌、マトリックスメタロプロテイナーゼの分泌または内皮細胞過増殖である、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
該EphA2作動性物質が抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
該EphA2作動性物質が、小分子アゴニスト、酵素活性アンタゴニスト、リボザイム、siRNAおよびEphA2アンチセンス分子よりなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
モノクローナル抗体が、抗体-EphA2結合に適した条件下、3×10-3s-1未満のKoffでEphA2に結合する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
モノクローナル抗体がEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248もしくはB233である、またはEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248もしくはB233由来のCDRを含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項7、9または10のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
モノクローナル抗体がヒト化されている、請求項7、9、10または11のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
該投与が、未処理細胞におけるEphA2リン酸化のレベルと比較して処理細胞におけるEphA2リン酸化を増強する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
該投与が、未処理細胞におけるEphA2発現のレベルと比較して処理細胞におけるEphA2発現を低下させる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
1以上の追加的な非腫瘍性過増殖性細胞の投与または過剰細胞蓄積障害療法を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
病原性上皮細胞または内皮細胞表現型が、ムチンの分泌、ムチン分泌細胞へのEphA2発現細胞の分化、フィブロネクチンの分泌、炎症性因子の分泌または上皮細胞もしくは内皮細胞の過増殖である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
喘息または慢性閉塞性肺疾患の治療を要する患者における喘息または慢性閉塞性肺疾患の治療方法であって、1以上のEphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項19】
再狭窄の治療を要する患者における再狭窄の治療方法であって、1以上のEphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項20】
病原性内皮細胞表現型が、細胞遊走、細胞体積、細胞外マトリックス分子の分泌、マトリックスメタロプロテイナーゼの分泌または内皮細胞過増殖である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
該EphA2作動性物質が抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項18または19記載の方法。
【請求項22】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
モノクローナル抗体が、抗体-EphA2結合に適した条件下、3×10-3s-1未満のKoffでEphA2に結合する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
モノクローナル抗体がEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248またはB233である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項21、22または23のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
モノクローナル抗体がヒト化されている、請求項21、22、23または24のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
1以上の免疫調節剤の投与を更に含む、請求項1、15または17のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
免疫調節剤が、IL-9に免疫特異的に結合する抗体である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
1以上の抗ウイルス剤の投与を更に含む、請求項1または17のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
抗ウイルス剤が抗RSV剤である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有することが判明している又は疑われる患者において、非腫瘍性過増殖性細胞もしくは過剰細胞蓄積障害を診断するための又は非腫瘍性過増殖性細胞もしくは過剰細胞蓄積障害に対する療法の有効性をモニターするための方法であって、
a)EphA2を作動させ、EphA2活性を減少させ又は病原性細胞表現型を軽減するEphA2抗体と該患者の細胞とを接触させ、
b)該細胞へのEphA2抗体結合を検出することを含んでなり、
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有さない対照患者より高いEphA2抗体結合レベルの検出が、該患者が過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有することを示すことを特徴とする方法。
【請求項32】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、気管支過剰応答、乾癬、脂漏性皮膚炎、嚢胞性線維症、再狭窄、過増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症および黄斑変性よりなる群から選ばれる、請求項31記載の方法。
【請求項1】
非腫瘍性過増殖細胞または過剰細胞蓄積障害の治療を要する患者における非腫瘍性過増殖細胞または過剰細胞蓄積障害の治療方法であって、EphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項2】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、アスベスト肺、IPF、DIP、UIP、腎線維症、肝線維症、他の線維症、気管支過剰応答、乾癬および脂漏性皮膚炎よりなる群から選ばれる過増殖性上皮細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
過増殖性上皮細胞障害の病原性細胞表現型が、ムチンの分泌、ムチン分泌細胞へのEphA2発現細胞の分化、炎症性因子の分泌または上皮細胞もしくは内皮細胞の過増殖である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、再狭窄、過増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症および黄斑変性よりなる群から選ばれる過増殖性内皮細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が過増殖性線維芽細胞障害である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
過増殖性内皮細胞障害の病原性細胞表現型が、増加した細胞遊走、細胞体積、細胞外マトリックス分子の分泌、マトリックスメタロプロテイナーゼの分泌または内皮細胞過増殖である、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
該EphA2作動性物質が抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
該EphA2作動性物質が、小分子アゴニスト、酵素活性アンタゴニスト、リボザイム、siRNAおよびEphA2アンチセンス分子よりなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
モノクローナル抗体が、抗体-EphA2結合に適した条件下、3×10-3s-1未満のKoffでEphA2に結合する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
モノクローナル抗体がEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248もしくはB233である、またはEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248もしくはB233由来のCDRを含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項7、9または10のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
モノクローナル抗体がヒト化されている、請求項7、9、10または11のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
該投与が、未処理細胞におけるEphA2リン酸化のレベルと比較して処理細胞におけるEphA2リン酸化を増強する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
該投与が、未処理細胞におけるEphA2発現のレベルと比較して処理細胞におけるEphA2発現を低下させる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
1以上の追加的な非腫瘍性過増殖性細胞の投与または過剰細胞蓄積障害療法を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
病原性上皮細胞または内皮細胞表現型が、ムチンの分泌、ムチン分泌細胞へのEphA2発現細胞の分化、フィブロネクチンの分泌、炎症性因子の分泌または上皮細胞もしくは内皮細胞の過増殖である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
喘息または慢性閉塞性肺疾患の治療を要する患者における喘息または慢性閉塞性肺疾患の治療方法であって、1以上のEphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項19】
再狭窄の治療を要する患者における再狭窄の治療方法であって、1以上のEphA2作動性物質の治療的に有効な量を該患者に投与することを含んでなり、該EphA2作動性物質がEphA2に結合し、かつ、EphA2細胞質尾部リン酸化を増強し、EphA2自己リン酸化を増強し、EphA2分解を増強し、病原性細胞表現型を軽減し、またはEphA2活性を減少させ、該活性が自己リン酸化以外であることを特徴とする方法。
【請求項20】
病原性内皮細胞表現型が、細胞遊走、細胞体積、細胞外マトリックス分子の分泌、マトリックスメタロプロテイナーゼの分泌または内皮細胞過増殖である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
該EphA2作動性物質が抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項18または19記載の方法。
【請求項22】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
モノクローナル抗体が、抗体-EphA2結合に適した条件下、3×10-3s-1未満のKoffでEphA2に結合する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
モノクローナル抗体がEph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248またはB233である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項21、22または23のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
モノクローナル抗体がヒト化されている、請求項21、22、23または24のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
1以上の免疫調節剤の投与を更に含む、請求項1、15または17のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
免疫調節剤が、IL-9に免疫特異的に結合する抗体である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
1以上の抗ウイルス剤の投与を更に含む、請求項1または17のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
抗ウイルス剤が抗RSV剤である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有することが判明している又は疑われる患者において、非腫瘍性過増殖性細胞もしくは過剰細胞蓄積障害を診断するための又は非腫瘍性過増殖性細胞もしくは過剰細胞蓄積障害に対する療法の有効性をモニターするための方法であって、
a)EphA2を作動させ、EphA2活性を減少させ又は病原性細胞表現型を軽減するEphA2抗体と該患者の細胞とを接触させ、
b)該細胞へのEphA2抗体結合を検出することを含んでなり、
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有さない対照患者より高いEphA2抗体結合レベルの検出が、該患者が過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害を有することを示すことを特徴とする方法。
【請求項32】
非腫瘍性過増殖性細胞または過剰細胞蓄積障害が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、気管支過剰応答、乾癬、脂漏性皮膚炎、嚢胞性線維症、再狭窄、過増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症および黄斑変性よりなる群から選ばれる、請求項31記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2006−524693(P2006−524693A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510024(P2006−510024)
【出願日】平成16年4月12日(2004.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/011482
【国際公開番号】WO2004/091375
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月12日(2004.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/011482
【国際公開番号】WO2004/091375
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
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