EphA2BiTE分子およびその使用
本発明は、T細胞抗原CD3に免疫特異的に結合する第1の結合ドメインと、EphA2受容体に免疫特異的に結合する第2の結合ドメインとを含む二重特異性単鎖抗体に関する。そのような二重特異性単鎖抗体は、用語「EphA2−BiTE」に包含される。本発明はさらに、EphA2の異常発現および/または活性に関連する障害の治療、予防、および/または管理のために設計された方法および組成物に関する。そのような障害には、非限定的に、癌、非癌性過剰増殖性細胞障害、および感染が挙げられる。本発明はさらに、本発明のEphA2−BiTEをコードしているポリヌクレオチドを含むベクター、それを用いて形質転換された宿主細胞、および前記EphA2−BiTEの産生へのその使用に関する。本発明は、前述のEphA2−BiTE、ポリヌクレオチド、またはベクターのうち任意のものを単独で、または1つまたは複数の予防剤もしくは治療剤と組み合わせて含む、医薬組成物などの組成物も提供する。前記EphA2−BiTEについてのスクリーニング方法、ならびに前述の組成物および診断試薬のうち任意のものを備えるキットも開示する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)CD3に免疫特異的に結合する抗体にそれぞれ由来する第1の重鎖可変ドメイン(VHドメイン)および第1の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)であって、前記第1のVHドメインおよび前記第1のVLドメインがフォールディングしてCD3に結合する第1の結合ドメインを形成するような十分な長さの第1のリンカーにより、前記第1のVHドメインが前記第1のVLドメインに共有結合している第1のVHドメインおよび第1のVLドメインと、
(b)細胞表面に露出したEphA2のエピトープと免疫特異的に結合する抗体に由来する第2のVHドメインおよび第2のVLドメインであって、前記第2のVHドメインおよび前記第2のVLドメインがフォールディングしてEphA2の前記エピトープと結合する第2の結合ドメインを形成するような十分な長さの第2のリンカーにより、前記第2のVHドメインが前記第2のVLドメインに共有結合している第2のVHドメインおよび第2のVLドメインと
を含む二重特異性単鎖抗体であって、
前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが相互に独立してフォールディングするような長さの第3のリンカーにより、前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが共有結合している二重特異性単鎖抗体。
【請求項2】
CD3に免疫特異的に結合する前記第1の結合ドメインが、CD3のイプシロン(ε)サブユニットに結合する、請求項1に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項3】
CD3のεサブユニットに特異的な前記第1の結合ドメインが、前記第2の結合ドメインのN末端に位置する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項4】
CD3のεサブユニットに特異的な前記第1の結合ドメインが、前記第2の結合ドメインのC末端に位置する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項5】
前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが、VHCD3−VLCD3−VHEphA2−VLEphA2の順に配置されている、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項6】
CD3のεサブユニットに免疫特異的に結合する前記第1の結合ドメインが脱免疫化されている、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項7】
前記第2の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、EA2、EA3、EA4、EA5、3F2、4H5、2A4、2E7、12E2、Eph099B−102.147、Eph099B−208.261、Eph099B−210.248、Eph099B−233.152、Eph101.530.241、233、またはG5のVHおよび/またはVLドメインである、請求項2に記載の二重特異性抗体。
【請求項8】
前記第1、第2、および第3のリンカーの配列の長さが、少なくとも5残基、少なくとも10残基、少なくとも15残基、少なくとも20残基、少なくとも25残基、または少なくとも30残基を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項9】
CD3のεサブユニットに結合する前記第1の結合ドメインの前記第1の重鎖可変ドメインと前記第1の軽鎖可変ドメインとの間の前記第1のリンカーが配列番号57の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項10】
EphA2に結合する前記第2の結合ドメインの前記第2の重鎖可変ドメインと前記第2の軽鎖可変ドメインとの間の前記第2のリンカーが配列番号59の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項11】
前記第1の結合ドメインと前記第2の結合ドメインとの間の前記第3のリンカーが配列番号58の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項12】
前記第1の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、ヒト化された抗CD3抗体由来である、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項13】
前記第2の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、ヒト化された抗EphA2抗体由来である、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項14】
前記第2の結合ドメインがEphA2と結合するよりも低い親和性で、前記第1の結合ドメインがCD3のεサブユニットと結合する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項15】
CD3のεサブユニットに結合する前記第1の結合ドメインの解離定数が4×10−7Mである、請求項14に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項16】
EphA2に結合する前記第2の結合ドメインの解離定数が1.13×10−7Mである、請求項14に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項17】
配列番号65の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項19】
癌の治療、予防、または管理を必要とする対象において、癌細胞がEphA2を発現している癌を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項20】
前記二重特異性単鎖抗体が、細胞間接触部ではなく細胞上に発現している場合のEphA2と結合する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記癌が転移性癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
二重特異性単鎖抗体ではない追加の抗癌療法の投与を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記追加の癌療法が、化学療法、生物学的療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、および外科手術からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
感染の治療、予防、または管理を必要とする対象において、感染を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項25】
前記感染が細胞内病原体感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記感染が呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
追加の療法の投与を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記追加の療法が、抗ウイルス療法、抗真菌療法、抗細菌療法、または抗原虫療法である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非癌性過剰増殖性細胞障害を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項30】
前記非癌性過剰増殖性細胞障害が、喘息、COPD、肺線維症、石綿沈着症、IPF、DIP、UIP、腎線維症、肝線維症、他の線維症、気管支反応性亢進、乾癬、脂漏性皮膚炎、嚢胞性線維症、または再狭窄、過剰増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症、黄斑変性、もしくは過剰増殖性線維芽細胞障害などの過剰増殖性内皮細胞障害である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
追加の療法の投与を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記追加の療法が、抗ウイルス療法または免疫調節剤である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記対象がヒトである、請求項19、24、または29に記載の方法。
【請求項1】
(a)CD3に免疫特異的に結合する抗体にそれぞれ由来する第1の重鎖可変ドメイン(VHドメイン)および第1の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)であって、前記第1のVHドメインおよび前記第1のVLドメインがフォールディングしてCD3に結合する第1の結合ドメインを形成するような十分な長さの第1のリンカーにより、前記第1のVHドメインが前記第1のVLドメインに共有結合している第1のVHドメインおよび第1のVLドメインと、
(b)細胞表面に露出したEphA2のエピトープと免疫特異的に結合する抗体に由来する第2のVHドメインおよび第2のVLドメインであって、前記第2のVHドメインおよび前記第2のVLドメインがフォールディングしてEphA2の前記エピトープと結合する第2の結合ドメインを形成するような十分な長さの第2のリンカーにより、前記第2のVHドメインが前記第2のVLドメインに共有結合している第2のVHドメインおよび第2のVLドメインと
を含む二重特異性単鎖抗体であって、
前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが相互に独立してフォールディングするような長さの第3のリンカーにより、前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが共有結合している二重特異性単鎖抗体。
【請求項2】
CD3に免疫特異的に結合する前記第1の結合ドメインが、CD3のイプシロン(ε)サブユニットに結合する、請求項1に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項3】
CD3のεサブユニットに特異的な前記第1の結合ドメインが、前記第2の結合ドメインのN末端に位置する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項4】
CD3のεサブユニットに特異的な前記第1の結合ドメインが、前記第2の結合ドメインのC末端に位置する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項5】
前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインが、VHCD3−VLCD3−VHEphA2−VLEphA2の順に配置されている、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項6】
CD3のεサブユニットに免疫特異的に結合する前記第1の結合ドメインが脱免疫化されている、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項7】
前記第2の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、EA2、EA3、EA4、EA5、3F2、4H5、2A4、2E7、12E2、Eph099B−102.147、Eph099B−208.261、Eph099B−210.248、Eph099B−233.152、Eph101.530.241、233、またはG5のVHおよび/またはVLドメインである、請求項2に記載の二重特異性抗体。
【請求項8】
前記第1、第2、および第3のリンカーの配列の長さが、少なくとも5残基、少なくとも10残基、少なくとも15残基、少なくとも20残基、少なくとも25残基、または少なくとも30残基を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項9】
CD3のεサブユニットに結合する前記第1の結合ドメインの前記第1の重鎖可変ドメインと前記第1の軽鎖可変ドメインとの間の前記第1のリンカーが配列番号57の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項10】
EphA2に結合する前記第2の結合ドメインの前記第2の重鎖可変ドメインと前記第2の軽鎖可変ドメインとの間の前記第2のリンカーが配列番号59の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項11】
前記第1の結合ドメインと前記第2の結合ドメインとの間の前記第3のリンカーが配列番号58の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項12】
前記第1の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、ヒト化された抗CD3抗体由来である、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項13】
前記第2の結合ドメインの前記VHおよび/またはVLドメインが、ヒト化された抗EphA2抗体由来である、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項14】
前記第2の結合ドメインがEphA2と結合するよりも低い親和性で、前記第1の結合ドメインがCD3のεサブユニットと結合する、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項15】
CD3のεサブユニットに結合する前記第1の結合ドメインの解離定数が4×10−7Mである、請求項14に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項16】
EphA2に結合する前記第2の結合ドメインの解離定数が1.13×10−7Mである、請求項14に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項17】
配列番号65の配列を含む、請求項2に記載の二重特異性単鎖抗体。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項19】
癌の治療、予防、または管理を必要とする対象において、癌細胞がEphA2を発現している癌を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項20】
前記二重特異性単鎖抗体が、細胞間接触部ではなく細胞上に発現している場合のEphA2と結合する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記癌が転移性癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
二重特異性単鎖抗体ではない追加の抗癌療法の投与を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記追加の癌療法が、化学療法、生物学的療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、および外科手術からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
感染の治療、予防、または管理を必要とする対象において、感染を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項25】
前記感染が細胞内病原体感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記感染が呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
追加の療法の投与を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記追加の療法が、抗ウイルス療法、抗真菌療法、抗細菌療法、または抗原虫療法である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非癌性過剰増殖性細胞障害を治療、予防、または管理する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性単鎖抗体の治療有効量および薬学的に許容される担体を投与することを含む方法。
【請求項30】
前記非癌性過剰増殖性細胞障害が、喘息、COPD、肺線維症、石綿沈着症、IPF、DIP、UIP、腎線維症、肝線維症、他の線維症、気管支反応性亢進、乾癬、脂漏性皮膚炎、嚢胞性線維症、または再狭窄、過剰増殖性血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症、黄斑変性、もしくは過剰増殖性線維芽細胞障害などの過剰増殖性内皮細胞障害である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
追加の療法の投与を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記追加の療法が、抗ウイルス療法または免疫調節剤である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記対象がヒトである、請求項19、24、または29に記載の方法。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【公表番号】特表2009−521474(P2009−521474A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547600(P2008−547600)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048995
【国際公開番号】WO2007/073499
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【出願人】(500522714)ミクロメット・アクチェンゲゼルシャフト (5)
【氏名又は名称原語表記】MICROMET AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048995
【国際公開番号】WO2007/073499
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【出願人】(500522714)ミクロメット・アクチェンゲゼルシャフト (5)
【氏名又は名称原語表記】MICROMET AG
【Fターム(参考)】
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