説明

FAAH阻害剤として有用な4−[3−(アリールオキシ)ベンジリデン]−3−メチルピペリジンアリールカルボキサミド化合物

本発明は、式(I)の化合物[式中、Arは置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリールであり、X、YおよびZは独立に、NまたはCHである]または薬学的に許容できるその塩;前記化合物を調製する方法;化合物の調製で使用される中間体;化合物を含有する組成物;および脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)活性に関連する疾患または状態を治療する際の化合物の使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−[3−(アリールオキシ)ベンジリデン]−3−メチルピペリジンアリールカルボキサミド化合物および薬学的に許容できるそのような化合物の塩に関する。本発明はまた、化合物を調製する方法、その調製で使用される中間体、化合物を含有する組成物および脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)活性に関連する疾患または状態を治療する際の化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪酸アミドは、多様な細胞および生理学的作用を伴う生体活性脂質のファミリーに相当する。脂肪酸アミドは、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)として知られている酵素により加水分解されて、その対応する脂肪酸になる。FAAHは、神経調節性化合物であるアナンダミドおよびオレアミドを包含するいくつかの第1級および第2級脂肪酸アミドの加水分解を担う哺乳動物膜内在性セリン加水分解酵素である。アナンダミド(アラキドノイルエタノールアミド)は、カンナビノイド様鎮痛特性を有することが判明しており、刺激されたニューロンにより放出される。アナンダミドの作用および内在レベルは、疼痛刺激と共に上昇し、このことは、疼痛神経伝達の抑制および行動性痛覚消失におけるその役割を暗示している。このことを支持して、脳アナンダミドレベルを上昇させるFAAH阻害剤は、疼痛、炎症、不安およびうつ病の動物モデルにおいて効果を証明している。Lichtman,A.H.ら(2004)、J.Pharmacol.Exp.Ther.311、441〜448;Jayamanne,A.ら(2006)、Br.J.Pharmacol.147、281〜288;Kathuria,S.ら(2003)、Nature Med.、9、76〜81;Piomelli D.ら(2005)、Proc.Natl.Acad.Sci...102、18620〜18625。
【0003】
2007年10月5日に出願され、2009年4月24日にWO2008/047229として公開されたPCT出願PCT/IB2007/003202は、FAAHの阻害剤であるビアリールエーテル化合物に関する。PCT出願2006/085196は、FAAHなどのアンモニア発生酵素の活性を測定する方法を教示している。WO2006/067613は、FAAHを発現および精製するための組成物および方法に関する。WO2006/074025は、FAAH調節剤としてのピペラジニルおよびピペリジニル尿素に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FAAHの阻害剤であり、したがって、疼痛を包含する幅広い障害の治療で有用である新規化合物がいまだ必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩に関する
【0006】
【化1】

[式中、
Arは、フェニル、6員のヘテロアリール部分またはベンゾイソオキサゾール、ピロロピリジンもしくはベンゾトリアゾール基であり、
X、YおよびZは独立に、CHまたはNから選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、−CH−C〜CシクロアルコキシまたはCNであり、この際、前記C〜Cシクロアルキル、−CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシおよび−CH−C〜Cシクロアルコキシ基の環は、1から4個のフッ素原子により置換されていてもよく、
2aは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cシクロアルケニル、−(CH−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニルオキシ、O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環、−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)、−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)またはCNであり、この際、
a)前記R2aであるC〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cシクロアルケニル、−(CH−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニルオキシ、O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環、−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)および−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)基は、ハロ、CN、−CH−CN、−CH、−CHF、−CHF、CF、−O−CH、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から4個の基によりさらに置換されていてもよく、
b)前記R2aである−(CH−C〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルケニルおよび−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)および−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)基の−(CH−架橋基は、ハロ、CN、−CH−CN、−CH、−CHF、−CHF、CF、−O−CH、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から4個の基によりさらに置換されていてもよく、
また、R2aは、H、CN、−CH−CN、ハロゲン、C〜Cアルキル、−CHF、−CHF、CF、−O−C〜Cアルキル、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から3個の置換基により置換されていてもよいフェニルまたはピリジル基であってもよく、
2bおよびR2cは独立に、H、ハロゲン、CN、−CH−CN、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CHF、−CHF、CF、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択され、
nはそれぞれの場合に、1、2または3から独立に選択される整数である]。
【0007】
本発明はまた、治療有効量の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を含む。
【0008】
本発明はまた、一部では、それを必要とする対象に、治療有効量の1種または複数の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することにより、対象における急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、尿失禁、過活動膀胱、嘔吐、認識障害、不安、うつ病、睡眠障害、摂食障害、運動障害、緑内障、乾癬、多発性硬化症、脳血管障害、脳損傷、胃腸障害、高血圧または心臓血管疾患を包含するFAAH媒介疾患または状態を治療する方法を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明はまた、R2cが水素であり、X、Y、Z、R、R2a、R2bおよびnが上記で定義された通りである上記式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0010】
本明細書に記載の各化合物群の範囲内には、Arがピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、1,2−ベンゾイソオキサゾール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンまたは1,2,3−ベンゾトリアゾールの群から選択され、X、Y、Z、n、R、R2a、R2bおよびR2cが上記で定義された通りである化合物または薬学的に許容できるその塩のサブセットが存在する。
【0011】
本明細書に記載の各化合物群の範囲内にある他の化合物は、Arがピリジン、ピリダジンまたはピラジンであり、X、Y、Z、n、R、R2a、R2bおよびR2cが上記で定義された通りである化合物または薬学的に許容できるその塩である。
【0012】
上記の各化合物群の範囲内には、
Arがピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、1,2−ベンゾイソオキサゾール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンまたは1,2,3−ベンゾトリアゾールであり、
が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜CシクロアルキルまたはCNから選択され、
2aが、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cシクロアルケニル、−(CH−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニルオキシ、4員から6員の酸素含有複素環、−(CH−(4員から6員の酸素含有複素環)、−(CH−O−(4員から6員の酸素含有複素環)またはCNであり、
2bおよびR2cは、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CHF、−CHF、CF、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから独立に選択され、
nは、それぞれの場合に、1、2または3から独立に選択される整数であるさらなる群の化合物または薬学的に許容できるその塩が存在する。
【0013】
上記の各化合物群の範囲内には、また、
Arが、ピリジン、ピリダジンまたはピラジンであり、
が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜CシクロアルキルまたはCNから選択され、
2bおよびR2cが独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、−CHF、−CHF、CF、C〜Cアルコキシ、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択され、
nが、それぞれの場合に、1、2または3から独立に選択される整数である化合物または薬学的に許容できるその塩のさらなる群が提供される。
【0014】
本明細書に記載の各群の範囲内には、X、YおよびZの定義が、1)XがNであり、YおよびZがNまたはCHである、2)XがNであり、YおよびZがCHである、3)XおよびYがNであり、ZがCHである、4)ZがNであり、XおよびYがCHである化合物または薬学的に許容できるその塩のサブグループが存在する。
【0015】
式Iの化合物の好ましい群は、独立に、
が、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのRの値を有し、
Xが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのXの値を有し、
Yが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのYの値を有し、
Zが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのZの値を有し、
Arが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのArの値を有し、
2aが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのR2aの値を有し、
2bが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのR2bの値を有し、かつ/または
2cが、下記で述べる具体的な化合物のいずれかのR2cの値を有するものである。
【0016】
最も好ましい式Iの化合物は、下記で具体的に挙げられているものである。
【0017】
定義および略語
本開示は、下記に示されている定義を使用する。一部の化学式は、原子間の結合を示すか、または結合点を示すためにダッシュ「−」を包含することがある。「置換」基は、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数の非水素原子または基で置き換えられているものである。「アルキル」は、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を指し、規定の数の炭素原子を通常有する(すなわち、C〜Cアルキル)。「アルケニル」は、1つまたは複数の不飽和炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を指し、規定の数の炭素原子を有する(すなわち、C〜Cアルケニル)。アルケニル基の例には、エテニル、1−プロペン−1−イル、1−プロペン−2−イル、2−プロペン−1−イル、1−ブテン−1−イル、1−ブテン−2−イル、3−ブテン−1−イル、3−ブテン−2−イル、2−ブテン−1−イル、2−ブテン−2−イル、2−メチル−1−プロペン−1−イル、2−メチル−2−プロペン−1−イル、1,3−ブタジエン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イルなどが包含される。「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を指し、規定の数の炭素原子を有する(すなわち、C〜Cアルキニル)。アルキニル基の例には、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−プロピン−1−イル、1−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、2−ブチン−1−イルなどが包含される。
【0018】
「アルコキシ」は、直鎖または分枝鎖であってよいアルキル部分が1から6個の炭素原子を有するアルキル−O−基を指す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシなどが包含される。
【0019】
「ハロ」または「ハロゲン」は互換的に使用することができ、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードである。「ハロアルキル」または「−O−ハロアルキル」という用語はそれぞれ、1つまたは複数のハロゲンにより置換されているアルキルまたはアルコキシ基を指す。例には、−CF、−CH−CF、−CF−CF、−O−CFおよび−OCH−CFが包含される。
【0020】
「シクロアルキル」は、飽和単環式および二環式炭化水素環を指し、環を構成する規定の数の炭素原子を通常有する(すなわち、C〜Cシクロアルキル)。シクロアルキル基は、1つまたは複数の置換基を包含してよい。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが包含される。二環式シクロアルキル基の例には、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.2.0]オクチルなどが包含される。
【0021】
「シクロアルケニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する単環式および二環式炭化水素環を指し、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンまたはシクロオクタン基などの、環を構成する規定の数の炭素原子を通常有する(すなわち、C〜Cシクロアルケニル)。有用な置換基には、上記で定義された通りのアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルカノイルおよびハロならびにヒドロキシ、メルカプト、ニトロおよびアミノなどが包含される。
【0022】
「シクロアルコキシ」および「シクロアルケニルオキシ」はそれぞれ、シクロアルキル−O−およびシクロアルケニル−O−を指し、ここで、シクロアルキルおよびシクロアルケニルは上記で定義されている。シクロアルコキシおよび「シクロアルケニルオキシ」に対する言及は通常、規定の数の炭素原子を包含するが、カルボニル炭素を除外する。シクロアルコキシ基の例には、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシおよびシクロヘキソキシ基が包含される。シクロアルケニルオキシ基の例には、1−シクロペンテノキシ、2−シクロペンテノキシ、3−シクロペンテノキシ、1−シクロヘキセノキシ、2−シクロヘキセノキシ、3−シクロヘキセノキシなどが包含される。
【0023】
「複素環」は、完全に、または部分的に飽和していて、O、SまたはNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の単環式または二環式環を指す。複素環の例には、アゼチジン、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロチオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ピロリジン、イソチアゾリジン、ピラン、ジヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン、アゼパンおよびジアゼパンが包含される。環はまた、−(CH−または−(CH−O−架橋基を介して結合していてもよく、ここで、nは、1、2または3から選択される整数である。本明細書の一部の化合物は、オキセタン、テトラヒドロフラン、フラン、ジヒドロフラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピランおよびジオキサンを包含する4員から6員の酸素含有複素環基を含有する。
【0024】
「アリール」および「アリーレン」は、フェニル、ビフェニルまたはナフチル基などの単環式または二環式一価および二価芳香族炭素環式基を指す。
【0025】
「ヘテロアリール」および「ヘテロアリーレン」は、O、SまたはNから選択される1から4個の環ヘテロ原子を含有するそれぞれ一価または二価芳香族基を指す。単環式(および一価)アリール基の例には、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1−オキサ−2,3−ジアゾリル、1−オキサ−2,4−ジアゾリル、1−オキサ−2,5−ジアゾリル、1−オキサ−3,4−ジアゾリル、1−チア−2,3−ジアゾリル、1−チア−2,4−ジアゾリル、1−チア−2,5−ジアゾリル、1−チア−3,4−ジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルなどが包含される。5員のヘテロアリール部分には、様々なその異性体を包含するフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびイソチアゾール基が包含される。
【0026】
ヘテロアリールおよびヘテロアリーレン基にはまた、少なくとも1個の環が芳香族である縮合環系を包含する二環式基、三環式基が包含される。多環式(および一価)アリール基の例には、ピレニル、カルバゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ピロロ[2,3−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−d]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、インドリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリジニルおよびイミダゾ[1,2−c]ピリジニルが包含される。他の例には、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、1,5−ナフチリジニル、2,6−ナフチリジニル、2,7−ナフチリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[4,3−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−b]ピラジニル、ピリド[3,4−b]ピラジニル、ピリミド[5,4−d]ピリミジニル、ピラジノ[2,3−b]ピラジニル、ピリミド[4,5−d]ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、アクリジニル、アゾシニル、4aH−カルバゾリル、クロマニル、クロメニル、インドレニル、インドリニル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、ピリミジニル、プテリジニル、フタラジニル、プリニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジル、ピリドピリミジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアントレニル、キサンテニルなどが包含される。
【0027】
「対象」は、ヒトを包含する哺乳動物を指す。「治療すること」は、このような用語が適用される障害もしくは状態の進行を反転、緩和、阻害もしくはそれらを予防することを、またはこのような障害もしくは状態の1つまたは複数の症状の進行を反転、緩和、阻害もしくはそれらを予防することを指す。「治療有効量」は、対象を治療するために使用することができる化合物の量を指し、この量は、特に対象の体重および年齢ならびに投与経路に左右され得る。「賦形剤」または「補助剤」は、活性医薬成分(API)ではない医薬製剤中の任意の物質を指す。「医薬組成物」は、1種または複数の薬物物質および1種または複数の賦形剤の組合せを指す。「薬物製品」、「医薬剤形」、「剤形」、「最終剤形」などは、治療を必要とする対象に投与される医薬組成物を指し、通常は、錠剤、カプセル、液体液剤または懸濁剤、パッチ、フィルムなどの形態であってよい。
【0028】
本発明は、FAAHの活性を阻害するのに有効な式Iの化合物および下記で特に挙げられる化合物ならびに薬学的に許容できるそれらの塩に関する。本発明はまた、化合物、薬学的に許容できる塩を調製するための材料および方法、それらと、1種または複数の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤とを含有する医薬組成物ならびに疼痛、うつ病または不安などの様々な障害を治療するためのそれらの使用に関する。
【0029】
式Iのものを包含する本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は、疼痛(神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛および炎症性疼痛を包含)、尿失禁、過活動膀胱、嘔吐、運動障害、緑内障、乾癬、多発性硬化症、脳血管障害、脳損傷、胃腸障害、高血圧、心臓血管疾患ならびに不安、うつ病、睡眠障害および摂食障害を包含する中枢神経系障害を治療するために使用することができる。
【0030】
生理的疼痛は、外部環境からの潜在的に有害な刺激による危険を警告するように設計されている重要な保護機構である。この系は、一次感覚ニューロンの特殊なセットを介して作動し、末梢の伝達機構を介して侵害刺激により活性化される(総説に関してはMillan、1999、Prog.Neurobiol.、57、1〜164を参照)。これらの感覚線維は、侵害受容器として知られており、伝達速度の遅い特徴的に小さい直径を有する軸索である。侵害受容器は、有害な刺激の強度、持続時間および質ならびに、その局所解剖学的に系統立てられた脊髄に対する投射により、刺激の位置をコードする。侵害受容器は、侵害神経線維に存在し、それには、2つの主なタイプ、Aデルタ線維(有髄)およびC線維(無髄)がある。侵害受容器インプットにより生じた活性は、後角での複雑な処理の後に、直接または脳幹リレー核を介して、視床腹側基底へ、次いで皮質へと伝達され、そこで、疼痛の感覚が生じる。
【0031】
疼痛は通常、急性または慢性に分類することができる。急性疼痛は、突然始まり、短寿命(ふつうは12週間以内)である。これは通常、特定の外傷などの特定の原因に随伴し、往々にして、強く重症である。これは、手術、歯科的処理、挫傷または捻挫から生じる特定の外傷の後に起こり得る種類の疼痛である。急性疼痛は通常、持続的な心理的応答は何らもたらさない。対照的に、慢性疼痛は、長期疼痛であり、典型的には、3ヶ月よりも長く持続し、著しい心理的および情動的問題をもたらす。慢性疼痛の一般的な例は、神経障害性疼痛(例えば、疼痛性糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛)、手根管症候群、背痛、頭痛、癌性疼痛、関節炎性疼痛および慢性手術後疼痛である。
【0032】
疾患または外傷によりかなりの損傷が体組織に生じると、侵害受容器活性の特性が変化し、末梢で、損傷の周りで局所的に、さらに侵害受容器が終わる部分で中枢的に増感がある。これらの作用が、疼痛の増強感覚をもたらす。急性疼痛では、これらの機構は有用であり得、修復プロセスをより良好に開始させ得る保護行動を促進する。損傷が治ったら、感覚は正常に戻ると、通常は予想されるであろう。しかし、多くの慢性疼痛状態では、知覚過敏が、治癒プロセスよりもはるかに長く続き、これは往々にして、神経系の損傷による。この損傷は往々にして、適応不良および異常な活性を伴う感覚神経線維の異常をもたらす(Woolf & Salter、2000、Science、288、1765〜1768)。
【0033】
不快で異常な感覚が患者の症状の特色である場合に、臨床的な疼痛が存在する。各患者は、全く不均一である傾向があり、様々な疼痛症状を示し得る。このような症状には、1)鈍いか、灼熱感があるか、または刺すようである自発的疼痛;2)有害な刺激に対する過大な疼痛応答(痛覚過敏);および3)正常で無害な刺激により生じる疼痛(異痛症−Meyerら、1994、Textbook of Pain、13〜44)が包含される。急性および慢性疼痛の様々な形態を患う患者は、同様の症状を示し得るが、ベースにある機序は、様々であり、したがって、異なる治療戦略が必要である。したがって、疼痛をまた、侵害受容性、炎症性および神経障害性疼痛を包含する異なる病態生理に従って、いくつかの異なるサブタイプに分類することができる。
【0034】
侵害受容性疼痛は、組織損傷により、または損傷をもたらし得る激しい刺激により誘発される。疼痛求心性は、損傷部位での侵害受容器による刺激の導入により活性化され、その末端のレベルで脊髄中のニューロンを活性化する。次いでこれは、脊髄路から疼痛を知覚する脳へとリレーされる(Meyerら、1994、Textbook of Pain、13〜44)。侵害受容器の活性化は、2つのタイプの求心性神経線維を活性化する。有髄Aデルタ線維は迅速に伝達し、強く、刺すような疼痛感覚の原因となる一方で、無髄C線維は、比較的遅い速度で伝達し、鈍いか、またはうずく疼痛をもたらす。中等度から重度の急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、熱傷、心筋梗塞および急性膵臓炎、手術後疼痛(任意のタイプの外科的処置の後の疼痛)、外傷後疼痛、腎疝痛、癌性疼痛および背痛からの疼痛の顕著な特徴である。癌性疼痛は、腫瘍関連疼痛(例えば、骨痛、頭痛、顔面痛もしくは内臓痛)または癌療法に伴う疼痛(例えば、化学療法後症候群、慢性手術後疼痛症候群もしくは放射線後症候群)などの慢性疼痛であり得る。癌性疼痛はまた、化学療法、免疫療法、ホルモン療法または放射線療法に応答して起こり得る。背痛は、椎間板ヘルニアもしくは椎間板破断または腰咬合小面関節、仙腸関節、脊髄周囲筋もしくは後縦靱帯の異常が原因であり得る。背痛は、自然に解消することもあるが、一部の患者では、12週間より長く続くと、これは、特に衰弱性であり得る慢性症状になる。
【0035】
神経障害性疼痛は、神経系の一次病変または不全により開始または誘発される疼痛と現在定義されている。神経損傷は、外傷および疾患により誘発され得るので、「神経障害性疼痛」という用語は、様々な病因を伴う多くの障害を包含する。これらには、これらに限られないが、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、背痛、癌性神経障害、HIV神経障害、幻想肢痛、手根管症候群、中枢発作後疼痛および慢性アルコール中毒に伴う疼痛、甲状腺機能減退症、尿毒症、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン病、てんかんおよびビタミン欠乏が包含される。神経障害性疼痛は、保護的役割を有さないので、病的である。これは往々にして、元の原因が散逸した後にも存在し、通常は数年間続き、患者の生活の質を著しく低下させる(WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。神経障害性疼痛の症状は、同じ疾患を有する患者の間でも往々にして不均一であるので、治療が困難である(Woolf & Decosterd、1999、Pain Supp.、6、S141〜S147;WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。これらには、持続し得る自発疼痛ならびに痛覚過敏(有害な刺激に対する高い感受性)および異痛症(通常の無害な刺激に対する感受性)などの発作性または異常な誘発疼痛が包含される。
【0036】
炎症プロセスは、組織損傷または外来物質の存在に応答して活性化される複雑な一連の生化学的細胞事象であり、腫脹および疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo、1994、Textbook of Pain、45〜56)。関節炎性疼痛は、最も一般的な炎症性疼痛である。リウマチ性疾患は、先進国で最も一般的な慢性炎症状態のうちの1つであり、関節リウマチは、身体障害の一般的な原因である。関節リウマチの正確な病因は未知であるが、現在の仮説は、遺伝的および微生物学的因子の両方が重要であり得ることを示唆している(Grennan & Jayson、1994、Textbook of Pain、397〜407)。ほぼ1600万人のアメリカ人が症候性変形性関節症(OA)または変性関節疾患を有すると推定されており、そのうちのほとんどが、60歳を超えており、このことにより、人口の年齢が上がるにつれて、4000万人まで増加し、多大な公衆衛生問題になると予測されている(Houge & Mersfelder、2002、Ann Pharmacother.、36、679〜686;McCarthyら、1994、Textbook of Pain、387〜395)。ほとんどの変形性関節症患者が、随伴疼痛により、医学的な手当を求めている。関節炎は、心理社会的および物理的機能に多大な影響を有し、後半生での身体障害の主な原因であることが知られている。強直性脊椎炎もまた、脊椎関節および仙腸骨関節の関節炎をもたらすリウマチ性疾患である。これは、一生を通して生じる背痛の断続的なエピソードから、脊椎、末梢関節および他の身体器官を攻撃する重度の慢性疾患まで様々である。
【0037】
炎症性疼痛の他のタイプは、炎症性腸疾患(IBD)に随伴する疼痛を包含する内臓疼痛である。内臓疼痛は、腹腔の器官を包含する内臓に随伴する疼痛である。これらの器官には、性器、脾臓および消化器系部分が包含される。内臓に随伴する疼痛は、消化器系内臓疼痛および非消化器系内臓疼痛に分類することができる。疼痛をもたらす、よく生じる胃腸(GI)障害には、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が包含される。これらのGI障害には、幅広い疾患状態が包含され、これらは、FBDに関しては、胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)および機能性腹痛症候群(FAPS)、またIBDに関しては、クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を包含して、現在は多少しか制御されておらず、全て一様に、内臓疼痛をもたらす。他のタイプの内臓疼痛には、月経困難、膀胱炎および膵臓炎に随伴する疼痛ならびに骨盤疼痛が包含される。
【0038】
いくつかのタイプの疼痛は、多数の原因を有するので、1つの分野よりも多くに分類することができ、例えば、背痛および癌性疼痛は、侵害受容性成分と神経障害性成分の両方を有することを特記すべきである。他のタイプの疼痛には、筋肉痛、線維筋肉痛(fibromyalgia)、脊椎炎、血清陰性(非リウマチ様)関節症、非関節リウマチ、栄養失調症(dystrophinopathy)、糖原分解、多発性筋炎および化膿性筋炎を包含する筋骨格障害から生じる疼痛;アンギナ、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、浮腫性硬化症および骨格筋虚血により生じる疼痛を包含する心臓および血管疼痛;片頭痛(前兆を伴う片頭痛および前兆を伴わない片頭痛を包含する)、群発性頭痛、緊張性頭痛混合頭痛および血管障害を伴う頭痛などの頭部疼痛;ならびに歯痛、耳痛、バーニングマウス症候群および側頭下顎筋筋膜疼痛を包含する口腔顔面痛が包含される。
【0039】
上記の通り、本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は、統合失調症および他の精神病性障害、気分障害、不安障害、睡眠障害ならびにせん妄、認知症および健忘性障害などの認識障害を包含するCNS障害を治療するために使用することができる。これらの障害を診断するための基準は、DSM Manualと一般に称されるAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第4版、2000)に見ることができる。
【0040】
この開示の目的では、統合失調症および他の精神病性障害には、統合失調症様障害、分裂情動性障害、妄想障害、単純精神病性障害、共用精神病性障害、一般医療状態による精神病性障害および物質誘発精神病性障害、さらに、神経弛緩薬誘発パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘発急性ジストニー、神経弛緩薬誘発急性静座不能、神経弛緩薬誘発遅発性ジスキネジアおよび投薬誘発姿勢振戦などの投薬誘発運動障害が包含される。
【0041】
気分障害には、大うつ病性障害、気分変調障害、月経前不快障害、小うつ病性障害、再発性短期うつ病性障害、統合失調症の精神病後うつ病性障害および統合失調症を伴う大うつ病性エピソード;I型双極性障害、II型双極性障害、循環気質および統合失調症を伴う双極性障害などの双極性障害;一般医療状態による気分障害ならびに物質誘発気分障害などのうつ病性障害が包含される。
【0042】
不安障害には、パニック発作、広場恐怖症、広場恐怖症を伴わないパニック障害、パニック障害の履歴を伴わない広場恐怖症、特異的恐怖症、社会恐怖症(社会不安障害)、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、広汎性不安障害、一般医療状態による不安障害、物質誘発不安障害および混合不安−うつ病性障害が包含される。
【0043】
睡眠障害には、睡眠異常(原発性不眠、原発性過剰睡眠、ナルコレプシー、呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠障害、断眠、不穏下肢症候群および周期的肢運動)ならびに錯睡眠(悪夢障害、睡眠恐怖障害、夢遊症性障害、急速眼球運動睡眠行動障害および睡眠麻痺)などの原発性睡眠障害;統合失調症、うつ病性障害もしくは不安障害に関連する不眠症または双極性障害に随伴する過剰睡眠を包含する他の精神障害に関連する睡眠障害;一般医療状態による睡眠障害;ならびに物質誘発睡眠障害が包含される。
【0044】
せん妄、認知症および健忘ならびに他の認識障害には、一般医療状態によるせん妄、物質誘発せん妄および多重病因によるせん妄;アルツハイマータイプの認知症、血管性認知症、一般医療状態による認知症、ヒト免疫不全ウイルス疾患による認知症、頭部外傷による認知症、パーキンソン病による認知症、ハンチントン病による認知症、ピック病による認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病による認知症、他の一般医療状態による認知症、物質誘発持続性認知症、多重病因による認知症;一般医療状態による健忘障害および物質誘発持続性健忘障害が包含される。
【0045】
物質誘発障害は、アルコール、アンフェタミンまたは同様に作用する交感神経興奮薬、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジンまたは同様に作用するアリールシクロヘキシルアミンおよび鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬を特に包含する1種または複数の薬物または毒素の使用、乱用、依存またはそれからの離脱から生じるものを指す。
【0046】
尿失禁には、排尿を抑止または制御することができないことによる尿の不随意的または偶発性損失が包含される。尿失禁には、混合尿失禁、夜尿症、オーバーフロー失禁、ストレス性尿失禁、一過性尿失禁および切迫尿失禁が包含される。
【0047】
本明細書に記載され、特に挙げられている化合物は、薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物および水和物を形成することができる。塩には、酸付加塩(二酸を包含)および塩基塩が包含される。
【0048】
薬学的に許容できる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸および亜リン酸などの無機酸に由来する塩、さらに、脂肪族モノ−およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオ酸、芳香族酸、脂肪および芳香族スルホン酸などの有機酸に由来する塩が包含される。このような塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩、塩化物、臭化水素酸塩、臭化物、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、アルミチン酸塩(almitate)、パモ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシノホ酸塩(xinofoate)が包含される。
【0049】
薬学的に許容できる塩基塩には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオンなどの金属カチオン、さらにアミンを包含する塩基に由来する塩が包含される。適切な金属カチオンの例には、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、亜鉛(Zn2+)およびアルミニウム(Al3+)が包含される。適切なアミンの例には、アルギニン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、グリシン、リシン、N−メチルグルカミン、オラミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオールおよびプロカインが包含される。有用な酸付加塩および塩基塩の論述に関しては、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、66 J.Pharm.Sci.、1〜19(1977)を参照されたい;また、StahlおよびWermuth、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(2002)も参照されたい。
【0050】
薬学的に許容できる塩は、様々な方法を使用して調製することができる。例えば、化合物を適切な酸または塩基と反応させて、所望の塩を得ることができる。また、化合物の前駆体を酸または塩基と反応させて、酸または塩基不安定性保護基を除去するか、または前駆体のラクトンまたはラクタム基を開環することができる。加えて、適切な酸または塩基での処理を介して、またはイオン交換樹脂との接触を介して、化合物の塩を他の塩に変換することができる。反応に続いて、次いで、溶液から沈殿する場合には濾過により、または蒸発により、塩を単離して、塩を回収することができる。塩の電離度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで変動し得る。
【0051】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は、完全に非晶質から完全に結晶までの範囲の固体状態の連続で存在し得る。これらはまた、非溶媒和および溶媒和形態で存在し得る。「溶媒和物」という用語は、化合物および1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子(例えば、EtOH)を含む分子複合体を記載している。「水和物」という用語は、溶媒が水である溶媒和物である。薬学的に許容できる溶媒和物には、溶媒が同位体置換されているものが包含される(例えば、DO、d−アセトン、d−DMSO)。
【0052】
有機化合物の溶媒和物および水和物に関して現在認められている分類体系は、孤立部位、チャネルならびに金属イオン配位溶媒和物および水和物を区別する分類体系である。例えば、K.R.Morris(H.G.Brittain編)「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(1995)を参照されたい。孤立部位溶媒和物および水和物は、溶媒(例えば、水)分子が、有機化合物の介在分子により、相互の直接的な接触から孤立しているものである。チャネル溶媒和物では、溶媒分子は、格子チャネル内に存在し、そこで、他の溶媒分子に隣接している。金属イオン配位溶媒和物では、溶媒分子は、金属イオンに結合している。
【0053】
溶媒または水が十分に結合していると、錯体は、湿度とは独立に、十分に定義される化学量論を有するはずである。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物においてのように、溶媒または水の結合が弱い場合、水または溶媒含分は、湿度および乾燥状態に左右される。このようなケースでは、非化学量論が、標準となる。
【0054】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩はまた、化合物および少なくとも1種の他の成分が、化学量論的量または非化学量論的量で存在している多成分錯体(塩および溶媒和物以外)として存在し得る。このタイプの錯体には、包接化合物(薬物−ホスト包接錯体)および共結晶が包含される。後者は典型的には、非共有結合相互作用を介して相互に結合している中性分子成分同士の結晶錯体と定義されるが、中性分子と塩との錯体であってもよい。溶融結晶化、溶媒からの再結晶化または成分同士の物理的粉砕により、共結晶を調製することができる。例えば、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko、Chem Commun、17、1889〜1896(2004)を参照されたい。多成分錯体の一般的総説に関しては、J.K.Haleblian、J.Pharm.Sci、64(8)、1269〜1288(1975)を参照されたい。
【0055】
「プロドラッグ」は、in vivoで代謝されると、所望の薬理学的活性を有する化合物に変換される化合物を指す。薬理学的に活性な化合物中に存在する適切な官能基を、例えばH.Bundgaar、「Design of Prodrugs」(1985)に記載されているような「プロ部分」で代替することにより、プロドラッグを調製することができる。プロドラッグの例には、本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩のエステル、エーテルまたはアミド誘導体が包含される。プロドラッグのさらなる論述に関しては、例えば、T.HiguchiおよびV.Stella「Prodrugs as Novel Delivery Systems」、ACS Symposium Series 14(1975)およびE.B.Roche編、「Bioreversible Carriers in Drug Design」(1987)を参照されたい。
【0056】
「代謝産物」は、薬理学的に活性な化合物を投与したときにin vivoで形成される化合物を指す。例には、それぞれメチル、アルコキシ、第3級アミノ、第2級アミノ、フェニルおよびアミド基を有する本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩のヒドロキシメチル、ヒドロキシ、第2級アミノ、第1級アミノ、フェノールおよびカルボン酸誘導体が包含される。
【0057】
幾何(シス/トランス)異性体を、クロマトグラフィーおよび分別結晶などの従来の技術により分離することができる。
【0058】
「互変異性体」は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能である構造異性体を指す。互変異性(tautomeric isomerism(tautomerism))は、化合物が例えば、イミノ、ケトまたはオキシム基を含有するプロトン互変異性または化合物が芳香族部分を含有する原子価互変異性の形態を取り得る。
【0059】
本明細書に記載されている化合物はまた、少なくとも1個の原子が、同じ原子数を有するが、自然に通常存在する原子質量とは異なる原子質量を有する原子に置き換えられている全ての薬学的に許容できる同位体バリエーションを包含する。本明細書に記載されている化合物中に包含されるのに適している同位体および薬学的に許容できるその塩には例えば、HおよびHなどの水素の同位体、11C、13Cおよび14Cなどの炭素の同位体、13Nおよび15Nなどの窒素の同位体、15O、17Oおよび18Oなどの酸素の同位体、35Sなどのイオウの同位体、18Fなどのフッ素の同位体、36Clなどの塩素の同位体、123Iおよび125Iなどのヨウ素の同位体が包含される。同位体バリエーション(例えばジュウテリウム、H)の使用は、より大きな代謝安定性、例えば高いin vivo半減期または低い用量要求から生じるある種の治療的利点をもたらし得る。加えて、開示されている化合物のある種の同位体バリエーションは、放射性同位体(例えばトリチウム、Hまたは14C)を含んでもよく、これは、薬物および/または基質組織分布試験で有用であり得る。11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出トポグラフィー(PET)試験において有用であり得る。非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する本開示の他の所に記載のプロセスと同様のプロセスにより、同位体標識された化合物を調製することができる。
【0060】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は、その結晶または非晶質形態、プロドラッグ、代謝産物、水和物、溶媒和物、複合体および互変異性体、さらにその全ての同位体標識された化合物として投与することができる。これらは、単独で、または相互に組み合わせて、もしくは本明細書に記載されているか、特に挙げられている化合物とは異なる1種または複数の薬理学的に活性な化合物および薬学的に許容できるその塩と組み合わせて投与することができる。通常、1種または複数のこれらの化合物を医薬組成物(製剤)として、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と共に投与する。賦形剤の選択は、特定の投与経路、溶解性および安定性に対する賦形剤の作用ならびに剤形の性質に特に左右される。有用な医薬組成物およびその調製方法は例えば、A.R.Gennaro(編)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版、2000)に見ることができる。
【0061】
本明細書ではまた、治療有効量の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、1種または複数の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管を介して血流に入るような嚥下を含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、経口投与は、化合物が口腔粘膜を介して血流に入る粘膜投与(例えば、頬、舌下、舌上投与)を含み得る。経口投与に適している製剤には、錠剤などの固体、半固体および液体系;マルチ粒子もしくはナノ粒子、液体または粉末を含有する軟質カプセルまたは硬質カプセル;液体充填されていてよいロゼンジ;チューイングガム;ゲル;高速分散剤形;フィルム;卵形剤;スプレー;および頬または粘膜接着パッチが包含される。
【0062】
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップおよびエリキシルが包含される。このような製剤は、軟質カプセルまたは硬質カプセル(例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)中の充填剤として使用することもでき、典型的には、担体(例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切なオイル)および1種または複数の乳化剤、懸濁化剤または両方を含む。液体製剤はまた、固体(例えば、サシェから)を再構成することにより調製することもできる。
【0063】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩はまた、LiangおよびChen、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載されているものなどの高速溶解、高速崩壊剤形で使用することもできる。
【0064】
錠剤剤形では、用量に応じて、活性医薬成分(API)は、剤形の約1重量%から約80重量%、より典型的には剤形の約5重量%から約60重量%を構成していてよい。APIに加えて、錠剤は、1種または複数の崩壊剤、結合剤、希釈剤、界面活性剤、流動促進剤、滑剤、抗酸化剤、着色剤、香料、防腐剤および矯味剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、C1〜6アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが包含される。通常、崩壊剤は、剤形の約1重量%から約25重量%または約5重量%から約20重量%を構成しているであろう。
【0065】
通常は結合剤を使用して、錠剤製剤に粘着性を付与する。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが包含される。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してもよい。錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を包含してもよい。存在する場合には、界面活性剤は、錠剤の約0.2重量%から約5重量%を構成してよく、流動促進剤は、錠剤の約0.2重量%から約1重量%を構成してよい。錠剤はまた、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑剤を含有してもよい。滑剤は、錠剤の約0.25重量%から10重量%または約0.5重量%から約3重量%を構成してよい。錠剤ブレンドを、直接か、またはローラー圧縮により圧縮して、錠剤を形成することができる。その代わりに、錠剤ブレンドまたは一部のブレンドを湿潤、乾燥または溶融顆粒化するか、溶融凝固させるか、または押し出し、その後に錠剤化することができる。望ましい場合には、ブレンドする前に、成分のうちの1種または複数をスクリーニングもしくは粉砕または両方によりサイジングすることができる。最終剤形は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされているか、コーティングされていないか、またはカプセル封入されていてよい。例示的な錠剤は、API約80重量%まで、結合剤約10重量%から約90重量%、希釈剤約0重量%から約85重量%、崩壊剤約2重量%から約10重量%および滑剤約0.25重量%から約10重量%を含有する。ブレンド、顆粒化、粉砕、スクリーニング、錠剤化、コーティングの論述、さらに薬物製品を調製するための別の技術の記載に関しては、A.R.Gennaro(編)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版、2000);H.A.Liebermanら(編)、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1〜3(第2編、1990);およびD.K.Parikh & C.K.Parikh、Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology、Vol.81(1997)を参照されたい。
【0066】
ヒトまたは動物使用のための摂取可能な経口フィルムは、柔軟な水溶性または水膨潤性薄膜剤形であり、これは、迅速に溶解するか、粘膜接着性であってよい。APIに加えて、典型的なフィルムは、1種または複数のフィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調節剤および溶媒を包含する。他のフィルム成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香り増強剤、防腐剤、唾液刺激剤、冷却剤、補助溶媒(オイルを包含)、柔軟剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤ならびに矯味剤が包含されてよい。製剤のうちのいくつかの成分は、1つを超える機能を果たすことがある。投与要件に加えて、フィルム中のAPIの量は、その溶解性に左右され得る。水溶性である場合、APIは典型的には、フィルム中の非溶媒成分(溶質)の約1重量%から約80重量%、またはフィルム中の溶質の約20重量%から約50重量%を構成する。溶解性の低いAPIは、組成物のより大きい割合、典型的には、フィルム中の非溶媒成分の約88重量%までを構成してよい。
【0067】
フィルム形成ポリマーは天然多糖類、タンパク質または合成親水コロイドから選択することができ、典型的には、フィルムの約0.01重量%から約99重量%または約30重量%から約80重量%を構成する。フィルム剤形は典型的には、剥離可能なバッキング支持体または紙にコーティングされた薄い水性フィルムを蒸発乾燥させることにより調製され、これは、乾燥オーブンまたはトンネルで(例えば、組み合わされた塗装乾燥装置で)、凍結乾燥機で、または真空炉により実施することができる。
【0068】
経口投与のための有用な固体製剤には、即時放出製剤および変更放出製剤が包含され得る。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。適切な変更放出製剤の一般的な記載に関しては、米国特許第6,106,864号を参照されたい。高エネルギー分散液および浸透性のコーティングされた粒子などの他の有用な放出技術の詳細に関しては、Vermaら、Pharmaceutical Technology On−line(2001)、25(2)、1〜14を参照されたい。本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩はまた、対象の血流、筋肉または内部器官に直接投与することもできる。非経口投与に適している技術には、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、心室内、尿管内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内および皮下投与が包含される。非経口投与のための適切なデバイスには、微細針注射器を包含する針注射器、無針注射器および点滴デバイスが包含される。
【0069】
非経口製剤は典型的には、塩、炭酸塩および緩衝剤(例えば、約3から約9のpH)などの賦形剤を含有してもよい水溶液である。しかしながら、いくつかの用途では、本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩をより適切には、無菌非水溶液として、または無菌の発熱物質不含水などの適切な媒体と共に使用される乾燥形態として製剤することができる。(例えば、凍結乾燥による)無菌条件下での非経口製剤の調製は、標準的な製薬技術を使用して容易に達成することができる。
【0070】
非経口溶液を調製する際に使用される化合物の溶解性を、溶解性増強剤を導入するなどの適切な製剤技術を介して高めることができる。非経口投与のための製剤は、即時または変更放出であるように製剤することができる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。したがって、本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩を、活性化合物の変更放出をもたらす移植デポーとして投与するための懸濁剤、固体、半固体またはチキソトロピー液として製剤することもできる。このような製剤の例には、薬物コーティングされたステントならびに薬物付加されたポリ(DL−乳酸−コグリコール)酸(PGLA)微小球を含む半固体および懸濁液が包含される。
【0071】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩はまた、皮膚または粘膜に局所、皮内または経皮で投与することもできる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル、ヒドロゲル、ローション、液剤、クリーム、軟膏、散布剤、包帯、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ、ウェハ、インプラント、スポンジ、繊維、帯具およびマイクロエマルションが包含される。リポソームもまた、使用することができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが包含され得る。局所製剤にはまた、透過増強剤が包含され得る。例えば、FinninおよびMorgan、J.Pharm.Sci.88(10)、955〜958(1999)を参照されたい。局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、音泳動法および微細針または無針注射による送達が包含される。局所投与のための製剤は、上記の通り即時または変更放出であるように製剤することができる。
【0072】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩はまた、鼻腔内または吸入により、典型的には乾燥粉末、エアロゾルスプレーまたは点鼻薬の形態で投与することができる。吸入器を使用して、APIのみ、APIおよびラクトースなどの希釈剤の粉末ブレンドまたはAPIおよびホスファチジルコリンなどのリン脂質を包含する混合成分粒子を含む乾燥粉末を投与することができる。鼻腔内使用では、粉末は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを包含してもよい。加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザを使用して、API、APIを分散、可溶化またはその放出を延長するための1種または複数の薬剤(例えば、水を伴うか、または伴わないEtOH)、噴射剤として役立つ1種または複数の溶媒(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸などの追加の界面活性剤を含む溶液または懸濁液から、エアロゾルスプレーを生じさせることができる。電磁流体力学を使用する噴霧器を使用すると、微細な霧を生じさせることができる。
【0073】
乾燥粉末または懸濁液製剤で使用する前に、薬物生成物を通常、吸入により送達するのに適した粒径まで超微粉砕する(典型的には、体積で粒子の90%が5ミクロン未満の最大寸法を有する)。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、臨界液体処理、高圧均一化または噴霧乾燥などの任意の適切なサイズ低減方法により達成することができる。
【0074】
吸入器または注入器で使用するためのカプセル、ブリスターおよびカートリッジ(例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)は、活性化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤およびL−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムなどの性能改良剤の粉末混合物を含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水であるか、または一水和されていてよい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが包含される。
【0075】
微細な霧を発生させるために電磁流体力学を使用する噴霧器で使用するのに適している液剤は、動作1回当たりAPI約1μgから約20mgを含有してよく、その動作体積は、約1μLから約100μLまで変動してよい。典型的な製剤は、1種または複数の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩、プロピレングリコール、無菌水、EtOHおよびNaClを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することができる別の溶媒には、グリセリンおよびポリエチレングリコールが包含される。
【0076】
吸入投与、鼻腔内投与または両方のための製剤は、例えばPGLAを使用して、即時または変更放出であるように製剤することができる。メントールおよびレボメントールなどの適切な香料またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与を意図されている製剤に加えることができる。
【0077】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合には、投与単位は、計測量を送達するバルブ手段により決定される。単位は典型的には、API約10μgから約1000μgを含有する計測量または「パフ」を投与するように設計される。全1日用量は典型的には、約100μgから約10mgの範囲であり、これを、単回用量で、より通常は、1日を通して分割した用量で投与することができる。
【0078】
活性化合物は、例えば、坐剤、ペッサリまたは浣腸剤の形態で直腸または膣投与することができる。カカオバターは、慣用的な坐剤基剤であるが、様々な代替物を適宜使用することもできる。直腸または膣投与のための製剤を、上記の通り即時または変更放出であるように製剤することもできる。
【0079】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩および薬学的に許容できるその塩はまた、典型的には等張性pH調節無菌食塩水中の超微粉砕された懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳投与に適している他の製剤には、軟膏、ゲル、生分解性インプラント(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)、非生分解性インプラント(例えば、シリコーン)、ウェハ、レンズおよび粒子またはニオソームもしくはリポソームなどの小胞系が包含される。製剤は、1種または複数のポリマーおよび塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤を包含してよい。典型的なポリマーには、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)およびヘテロ多糖ポリマー(例えば、ゲランゴム)が包含される。このような製剤をまた、イオン泳動法により送達することができる。眼または耳投与のための製剤は、上記の通り即時または変更放出であるように製剤することができる。
【0080】
上記で述べた通り、本明細書に記載の化合物およびその薬学的に許容できる塩ならびに薬学的に活性なその複合体、溶媒和物および水和物を、様々な疾患、状態および障害を治療するために相互に、または1種もしくは複数の他の活性な薬学的に活性な化合物と組み合わせることができる。このような場合、活性化合物を上記で記載されているとおりの単一剤形に組み合わせることができるか、または組成物を同時投与するのに適したキットの形態で提供することができる。キットは、(1)そのうちの少なくとも1種が式Iの化合物を含有する2種以上の別々の医薬組成物および(2)別々のボトルまたは別々のフォイルパケットなどの2種の医薬組成物を別々に保持するためのデバイスを含む。このようなキットの例は、錠剤またはカプセルを包装するために使用される通常のブリスターパックである。キットは、別のタイプの剤形(例えば、経口および非経口)を投与するために、または別々の医薬組成物を別々の投与間隔で投与するために、または別々の医薬組成物を相互に用量決定するのに適している。患者の服薬遵守を補助するために、キットは典型的には、投与指示を含み、記憶補助体と共に提供され得る。
【0081】
ヒト患者への投与では、請求および開示されている化合物の全一日用量は典型的には、投与経路に応じて、約0.1mgから約3000mgの範囲である。例えば、経口投与は、約1mgから約3000mgの全一日用量を必要とし得るが、静脈投与は、約0.1mgから約300mgの全一日用量しか必要としないことがある。全一日用量を、単回投与で、または分割投与で投与することができ、これは、医師の裁量で、上記で示された典型的な範囲外に該当することがある。これらの用量は、約60kgから約70kgの体重を有する平均的なヒト対象をベースとしているが、医師は、この重量範囲外に体重が該当する患者(例えば、乳児)での適切な用量を決定することができるであろう。
【0082】
請求および開示されている化合物を、1種または複数の関連障害を治療するための1種または複数の他の薬理学的に活性な化合物と組み合わせることができ、薬理学的に活性な化合物は、1)オピオイド鎮痛薬、例えば、モルヒネ、フェンタニル、コカインなど;2)非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、エトドラク、イブプロフェン、ナプロキセンなど;3)バルビツレート鎮静剤、例えば、ペントバルビタール;4)鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えば、ジアゼパム、ロラゼパムなど;5)鎮静作用を有するHアンタゴニスト、例えば、ジフェンヒドラミン;6)グルテチミド、メプロバメート、メタクワロンまたはジクロラルフェナゾンなどの鎮静剤;7)骨格筋弛緩剤、例えば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモールまたはオルフレナジン;8)NMDA受容体アンタゴニスト;9)アルファ遮断薬;10)三環式抗うつ薬、例えば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリンまたはノルトリプチリン;11)抗痙攣薬、例えば、カルバマゼピン、ラモトリギン、トピラトメート(topiratmate)またはバルプロエート;12)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特に、NK−3、NK−2またはNK−1アンタゴニスト;13)ムスカリン様アンタゴニスト、例えば、オキシブチニン、トルテロジンなど;14)COX−2選択的阻害剤、例えば、セレコキシブ、バルデコキシブなど;15)コールタール鎮痛薬、特に、パラセタモール;16)ハロペリドール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドンまたはMiraxion(登録商標)などの神経弛緩剤;17)バニロイド受容体(VR1;一過性受容器電位チャネルとしても知られている、TRPV1)アゴニスト(例えば、レシンフェラトキシン)またはアンタゴニスト(例えば、カプサゼピン);18)プロプラノロールなどのベータ遮断薬;19)メキシレチンなどの局所麻酔薬;20)デキサメタゾンなどのコルチコステロイド;21)5−HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、特に、エレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンまたはリザトリプタンなどの5−HT1B/1Dアゴニスト;22)R(+)−アルファ−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907)などの5−HT2A受容体アンタゴニスト;23)イスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)もしくはニコチンなどのコリン作動性(ニコチン様)鎮痛薬またはバレニクリンなどのニコチンパーシャルアゴニスト;24)Tramadol(登録商標);25)PDEV阻害剤;26)ガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチンなどのアルファ−2−デルタリガンド;27)カンナビノイド受容体(CB1、CB2)リガンド、リモナバントなどのアゴニストまたはアンタゴニスト;28)代謝共役型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluR1)アンタゴニスト;29)セルトラリン、セルトラリン代謝産物デメチルセルトラリン、フルオキセチンなどのセロトニン再取り込み阻害剤;30)ブプロプリオン、ブプロプリオン代謝産物ヒドロキシブプロプリオンなどのノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害剤、特にレボキセチン、殊に(S,S)−レボキセチンなどの選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤;31)ベンラファキシン、O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、デスメチルクロミプラミン、ズロキセチン、ミルナシプランおよびイミプラミンなどの二重セロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害剤;32)誘発性酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害剤;33)ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;34)プロスタグランジンEサブタイプ4(EP4)アンタゴニスト;35)ロイコトリエンB4アンタゴニスト;36)ジレウトンなどの5−リポキシゲナーゼ阻害剤;37)リドカインなどのナトリウムチャネル遮断薬;38)オンダンセトロンなどの5−HT3アンタゴニスト;または39)抗神経成長因子(NGF)抗体から選択することができる。上記の薬剤は、当分野で知られている方法および用量で投与することができることを理解されたい。
【0083】
本明細書に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩は通常、下記の技術を使用して調製することができる。出発物質および試薬は、市場の供給者から得ることができるか、または別段に規定されていない限り、文献の方法を使用して調製することができる。
【0084】
下記のいくつかの反応スキームおよび実施例では、ある種の化合物は、他の反応部位での望ましくない化学反応を防ぐ保護基を使用して調製することができる。保護基を使用して、溶解性を増強するか、他の場合には化合物の物理的特性を変更することもできる。保護基戦略の論述、保護基を導入および除去するための材料および方法の記載ならびにアミン、カルボン酸、アルコール、ケトン、アルデヒドなどを包含する一般的な官能基のために有用な保護基をまとめたものに関しては、T.W.GreeneおよびP.G.Wuts、Greene’s Protective Groups in Organic Chemistry(第4版、2007)およびP.Kocienski、Protective Groups(2000)を参照されたい。
【0085】
通常、本明細書を通して記載される化学反応は、実質的に化学量論的量の反応成分を使用して実施することができるが、ある種の反応は、1種または複数の反応成分を過剰に使用することから利益を得ることもある。加えて、本明細書を通して開示されている反応の多くは、ほぼ室温および周囲圧力で実施することができるが、反応動態、収率などに応じて、いくつかの反応は、高圧で行うことができるか、またはより高い温度(例えば、還流条件)またはより低い温度(例えば−70℃から0℃)を使用することができる。化学量論的範囲、温度範囲、pH範囲などに関する本開示における任意の言及は、「範囲」という用語が特に使用されているか、いないかに関わらず、示されている終点も包含する。
【0086】
化学反応の多くはまた、反応速度および収率に影響を及ぼし得る1種または複数の相容性のある溶媒を使用することができる。反応成分の性質に応じて、1種または複数の溶媒は、極性プロトン性溶媒(水を包含する)、極性非プロトン性溶媒、非極性溶媒またはいくつかの組合せであってよい。代表的な溶媒には、飽和脂肪族炭化水素(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン(DCM)、クロロホルム、四塩化炭素)、脂肪族アルコール(例えば、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール(IPA)、ブタン−1−オール、2−メチル−プロパン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチル−プロパン−2−オール、ペンタン−1−オール、3−メチル−ブタン−1−オール、ヘキサン−1−オール、2−メトキシ−エタノール、2−エトキシ−エタノール、2−ブトキシ−エタノール、2−(2−メトキシ−エトキシ)−エタノール、2−(2−エトキシ−エトキシ)−エタノール、2−(2−ブトキシ−エトキシ)−エタノール)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシ−エタン(DME)、1,2−ジエトキシ−エタン、1−メトキシ−2−(2−メトキシ−エトキシ)−エタン、1−エトキシ−2−(2−エトキシ−エトキシ)−エタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK))、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル(EAまたはEtOAc))、窒素含有溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、N−メチル−ピロリドン(MMP)、ピリジン、キノリン、ニトロベンゼン)、イオウ含有溶媒(例えば、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロ−チオフェン−1,1−ジオキシド)およびリン含有溶媒(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド)が包含される。
【0087】
本明細書に記載の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体(シス/トランスオレフィン)などの立体異性体として存在することがある。例えば、本明細書に記載の化合物は通常、1つまたは複数の不斉炭素原子を含み、1種または複数の立体異性体の形態で存在し得る(例えば、個々の鏡像異性体およびその混合物)。加えて、本明細書に記載の化合物は通常、1つまたは複数のアルケニル部分を含み、1種または複数の幾何異性体の形態で存在し得る(例えば、シス/トランスまたはE/Z異性体およびその混合物)。より特に、本発明の化合物は、3R,4E異性体、3S,4E異性体、3R,4Z異性体、3S,4Z異性体またはこれら立体異性体の2種以上の混合物として存在し得る。
【0088】
一実施形態では、式Iの化合物は、3R,4E配置を有する。他の実施形態では、式Iの化合物は、3S,4E配置を有する。他の実施形態では、式Iの化合物は、3R,4Z配置を有する。他の実施形態では、式Iの化合物は、3S,4Z配置を有する。
【0089】
他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、3R,4E異性体、3S,4E異性体、3R,4Z異性体および3S,4Z異性体からなる群から選択される2種以上の立体異性体の混合物として存在する。
【0090】
本発明の化合物(前駆体中間体を包含する)は、1つまたは複数のキラル中心および1つまたは複数のアルケニル部分を有し得る。合成により、化合物が異性体(例えば、鏡像異性体および/または幾何異性体)の混合物として得られる場合、所望の異性体(または所望の鏡像異性体濃縮混合物または幾何異性体濃縮混合物)を、従来のキラル分割方法を使用して得ることができる。使用することができる従来の方法には、クロマトグラフィー(HPLCなど)または不斉樹脂での超臨界液体クロマトグラフィー(SFC)が包含される。有用な樹脂の例には、これらに限られないが、ダイセル化学工業株式会社(日本)から入手可能なChiralcel OJ−H、Chiralpak AD−H、Chiralpak IAおよびChiralpak AS−Hブランドのキラル固定相が包含され、この際、移動相は典型的には、アルコール(例えば、約10体積%から約50体積%)および二酸化炭素を含む。溶離液を濃縮すると、濃縮混合物が得られる。異性体濃縮化合物をまた、さらに誘導体化することができる。
【0091】
本発明の化合物は、下記の通り調製することができる。下記の反応スキームおよび論述において、Ar、X、Y、ZおよびRは、上記の通り定義される。さらに、Arは、上記で定義された通りのR2a、R2bおよびR2cで置換されていてよい。
【0092】
【化2】

式Iの化合物は、スキームAに従って調製することができる。式A1の化合物と、式A2のフェニルカルバメートとを反応させると、式Iの化合物が得られる。反応は、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはアセトニトリルなどの極性非プロトン性溶媒中で行うことができる。反応温度は、ほぼ周囲温度から約60℃で変動し得る。反応をまた、式A1の化合物のトリフルオロ酢酸または塩酸塩を使用してトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことができる。その代わりに、式A1の化合物と、式A3のカルバメート(R=MeまたはEt)とをマイクロ波照射下で反応させると、式Iの化合物を得ることができる。反応を、アセトニトリルなどの溶媒中で行うことができる。反応はまた、式A1の化合物のトリフルオロ酢酸または塩酸塩を使用してトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことができる。さらに、式Iの化合物は、式A1の化合物を式A4のイソシアネートと反応させることにより調製することができる。反応は、塩化メチレンなどの溶媒中、周囲温度で行うことができる。反応はまた、式A1の化合物のトリフルオロ酢酸または塩酸塩を使用してトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことができる。その代わりに、式A1の化合物をホスゲンと、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基およびジクロロメタンなどの溶媒の存在下で、0℃で反応させると、式A1のクロロホルメート誘導体を生じさせることができ、これを粗製物質として単離し、式A5のアミンと、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基および4−(ジメチルアミノ)−ピリジンなどの触媒の存在下で、アセトニトリル、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどの適切な溶媒中で反応させることができる。反応温度は、ほぼ周囲温度から約70℃で変動し得る。その代わりに、式A1の化合物を、4−ニトロフェニルクロロホルメートと、重炭酸ナトリウム水溶液などの塩基およびジオキサンなどの溶媒の存在下で、室温で反応させると、式A1の4−ニトロフェニルカルバメート誘導体を生じさせることができ、これを、粗製物質として単離し、場合により精製し、式A5のアミンと、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で反応させることができる。反応温度は、ほぼ周囲温度から約70℃で変動し得る。
【0093】
【化3】

式A1の化合物は、スキームBに従って調製することができる。合成を、式B1のフェノールを式B2の電子不足アリールハロゲン化物(式中、XはNであり、YはCHまたはNであり、ZはCHまたはNであり、WはFまたはClである)で求核性芳香族置換して、式B3のビアリールエーテルを形成することで開始する。この反応を好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で行う。使用される溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの溶媒の2種以上の組合せであってよい。式B3の化合物のヒドロキシ基を脱離基(L)に、従来の方法を使用して(例えば、塩化チオニルを使用して)変換して、対応する式B4の化合物を得る(式中、Lはブロミド、ヨージドまたはクロリドなどのハロゲンである)。次いで、生じた式B4の化合物を亜リン酸トリエチルと反応させて、対応する式B5のホスホネートを得る。反応は、そのままで、またはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの溶媒中で行うことができる。反応温度は、ほぼ周囲温度から使用された溶媒のほぼ還流温度まで変動し得る。反応を好ましくは、式B4の化合物(式中、L=ClまたはBr)を用いて、還流亜リン酸トリエチル中で行う。式B5の化合物を3−メチル−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(B6)で、塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmonsオレフィン化させると、式B7の化合物が得られる。この反応を、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはブチルリチウムなどの塩基の存在下で行う。反応を、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリジノン(NMP)などの溶媒中で行うことができ、反応温度は、ほぼ周囲温度から使用される溶媒のほぼ還流温度まで変動し得る。15−クラウン−5などの添加剤を使用して、反応の促進に役立てることもできる。式B7の化合物を、従来の方法(例えば、ジオキサン中のHCl、エタノール中の塩化アセチルまたはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を使用する)を使用して脱保護すると、対応する式A1の化合物が得られ、これを、遊離塩基として、または対応する塩(塩酸塩またはトリフルオロ酢酸塩)として単離することができる。
【0094】
【化4】

スキームCは、式B7の化合物を調製する方法を図示している。C1などのフェノールアルデヒドを、テトラヒドロピラニル(THP)、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)またはピバロイル(Pv)などの保護基(PG)で、標準的な方法に従って保護することができる。次いで、保護されたフェノールアルデヒドを、ホウ水素化ナトリウムなどの還元剤を用いて、式C2のアルコールに還元することができる。次いで、式C2の化合物を、脱離基(L)(式中、LはCl、BrまたはIである)に変換し、次いで、亜リン酸トリエチルと反応させると、スキームBに記載されている通りの式13のホスホネートを得ることができる。式13の化合物を3−メチル−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(B6)で、塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmonsオレフィン化すると、スキームBに記載されている通りの式C5の化合物が得られる。PGがtert−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル(TIPS)またはtert−ブチルジフェニルシリルである式C5の化合物を、フッ化テトラブチルアンモニウムを用いてテトラヒドロフラン中で処理するなどの従来の方法を使用して脱保護すると、式C6の化合物を得ることができる。PGがテトラヒドロピラニル(THP)である式C5の化合物を、PPTS(ピリジニウムp−トルエンスルホネート)またはp−トルエンスルホン酸を用いてエタノール中で処理するなどの従来の方法を使用して脱保護すると、対応する式C6の化合物を得ることができる。PGがピバロイル(Pv)である式C5の化合物を、水素化アルミニウムリチウムを用いてTHF中で処理するなどの従来の方法を使用して脱保護すると、対応する式C6の化合物を得ることができる。式C6のフェノールを、式B2の電子不足アリールハロゲン化物(式中、XはNであり、YはCHまたはNであり、ZはCHまたはNであり、WはFまたはClである)で求核性芳香族置換すると、スキームBに記載されている通りの式B7のビアリールエーテルが得られる。
【0095】
【化5】

スキームDは、式B7の化合物を調製する他の方法を図示している。式C6のフェノールと式ArB(OH)のボロン酸との銅(II)促進カップリング(D1;式中、XおよびYは、CHであり、Zは、CHまたはNである)により、式B7のビアリールエーテルを得ることができる。反応は、1当量の酢酸銅(II)酢酸および5〜10当量のトリエチルアミンを用いて、塩化メチレンなどの溶媒中、4Å分子篩いを用いて周囲温度で行うことができる(Tetrahedron Let.1998、39、2937)。
【0096】
【化6】

スキームEは、式A2のフェニルカルバメートを製造する方法を図示している。Synthesis、1997、1189〜1194に記載されている方法と同様の方法で、式A5のアリールアミンをクロロギ酸フェニルで、THF、塩化メチレンまたは1,4−ジオキサンなどの溶媒中で処理すると、式A2のカルバミン酸フェニルが得られる。反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことができる。反応温度は、約0℃から使用される溶媒の還流温度まで変動し得る。
【実施例】
【0097】
下記の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図しており、特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。
【0098】
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、下記の実施例中の化合物で得た。特徴的な化学シフト(δ)を、テトラメチルシランからの百万分率ダウンフィールドで、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)およびbr(ブロード)を包含する主なピークを示すための従来の略語を使用して示す。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)または気圧化学イオン化(APCI)を使用して記録した。下記の略語を、一般的な溶媒で使用する:CDCl(ジューテロクロロホルム)、DMSO−d(ジューテロジメチルスルホキシド)。
【0099】
[3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−メタノールの合成
3−ヒドロキシベンジルアルコール(5.00g、40.3mmol;CAS#620−24−6)、2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン(7.31g、40.3mmol;CAS#52334−81−3)および炭酸カリウム(6.96g、50.3mmol)をDMF(80mL)に懸濁させ、95℃に加熱した。16時間撹拌した後に、溶媒を真空中、65℃で留去し、残渣を水およびヘプタン/酢酸エチル(1:1)に分配した。有機層を分離し、水性層をヘプタン/酢酸エチル(1:1)で再び抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、残渣が得られた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10〜60%のEtOAc:ヘプタン)により精製すると、所望の生成物(5.70g、収率53%)が薄黄色のオイルとして得られた。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.73 (s, 2 H) 7.02
(dt, J=8.66, 0.57 Hz, 1 H) 7.04 - 7.11 (m, J=8.06, 2.40, 0.50, 0.50 Hz, 1 H)
7.15 - 7.19 (m, 1 H) 7.25 (ddd, J=8.39, 1.60, 0.80 Hz, 1 H) 7.42 (t, J=7.87 Hz,
1 H) 7.90 (ddd, J=8.67, 2.55, 0.50 Hz, 1 H) 8.43 (td, J=1.68, 0.84 Hz, 1 H).
【0100】
2−(3−クロロメチル−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−ピリジンの合成
[3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−メタノール(4.68g、17.4mmol)をジクロロメタン(46mL)中で、0℃に冷却し、塩化チオニル(1.40mL、19.1mmol)で滴下処理した。反応混合物を周囲温度に加温し、30分間撹拌した。トルエン(10mL)を加え、混合物を蒸発により濃縮すると、残渣が形成した。残渣をトルエンから再び蒸発させ、高真空下で乾燥させると、所望の生成物(4.88g、収率98%)がオイルとして得られた。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.60 (s, 2 H) 7.03
(d, J=8.70 Hz, 1 H) 7.11 (ddd, J=8.09, 2.35, 0.94 Hz, 1 H) 7.20 (t, J=2.03 Hz,
1 H) 7.26 - 7.31 (m, 1 H) 7.42 (t, J=7.88 Hz, 1 H) 7.91 (dd, J=8.67, 2.53 Hz, 1
H) 8.44 (dd, J=1.51, 0.90 Hz, 1 H).
【0101】
[3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−ホスホン酸ジエチルエステルの合成
2−(3−クロロメチル−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−ピリジン(4.88g、17.0mmol)をそのまま、亜リン酸トリエチル(4.36mL、25.4mmol)で処理し、150℃に加熱した。6時間後に、反応混合物を冷却し、追加の亜リン酸トリエチル0.5mL(2.9mmol)で処理し、150℃に再加熱した。6時間後に、反応混合物を熱から外し、撹拌しながらヘプタン(約60mL)で徐々に処理すると、白色の固体が得られた。固体を濾過により集め、ヘプタンで洗浄し、真空炉中、45℃で16時間乾燥させると、白色の粉末(5.99g、収率91%)が得られた。
MS (APCI) M+1= 390.1; 1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.26 (t, J=7.02 Hz, 6
H) 3.18 (d, J=21.83 Hz, 2 H) 3.99 - 4.10 (m, 4 H) 7.01 (d, J=8.58 Hz, 1 H) 7.03
- 7.08 (m, 1 H) 7.12 (q, J=2.21 Hz, 1 H) 7.19 - 7.24 (m, 1 H) 7.38 (t, J=7.90
Hz, 1 H) 7.90 (dd, J=8.58, 2.53 Hz, 1 H) 8.43 (dd, J=1.66, 0.88 Hz, 1 H).
【0102】
2−{3−[(E)−(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリジンの合成
[3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−ホスホン酸ジエチルエステル(8.05g、20.7mmol)およびtert−ブチル3−メチル−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(4.20g、19.69mmol;CAS#181269−69−2)をTHF(50mL)に溶かし、t−BuOK(3.31g、29.50mmol)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌し、この時点で、水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮すると、オレフィンが透明なオイルとして得られた。オイルをジクロロメタン(20mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を室温で加え、溶液を1時間撹拌した。次いで、反応物を重炭酸ナトリウム(20mL)で中和し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘプタン)で精製すると、表題化合物がオイル(EおよびZ異性体のラセミ混合物、5.42g、15.57mmol、79%)として得られた。
【0103】
3−ホルミルフェニルピバレートの合成
3−ヒドロキシベンズアルデヒド(15.00g、122.83mmol;CAS#100−83−4)をTHF(150mL)に溶かし、ピリジン(9.93mL、123.0mmol)を、続いて、塩化ピバロイル(15.10mL、123.0mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、この時点で、水でクエンチし、水性相をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(23.65g、114.67mmol、93%)として得られた。
【0104】
3−(ブロモメチル)フェニルピバレートの合成
ピバル酸3−ホルミルフェニル(25.0g、121.22mmol)をMeOH(100mL)に溶かし、ホウ水素化ナトリウム(5.56g、145.0mmol)を室温で滴加した。反応物をさらに2時間撹拌し、この時点で水でクエンチし、水性相をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、粗製ピバル酸3−(ヒドロキシメチル)フェニルが生じた。次いで、粗製ピバル酸3−(ヒドロキシメチル)フェニル(13.0g、62.42mmol)をジクロロメタン(65mL)に溶かし、イミダゾール(4.55g、65.50mmol)を、続いて、トリフェニルホスフィン(18.60g、68.70mmol)および臭素(3.21mL、62.4mmol)を0℃で加えた。反応物を室温に加温し、30分間撹拌し、この時点で、水でクエンチし、水性相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(14.00g、51.66mmol、83%)として生じた。m/z 270.9(MH+).
【0105】
tert−ブチル−4−{3−[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの合成
ピバル酸3−(ブロモメチル)フェニル(2.0g、7.38mmol)および亜リン酸トリエチル(1.28mL、7.38mmol)を150℃で4時間加熱した。次いで、溶液を冷却し、過剰の亜リン酸トリエチルを真空除去すると、粗製3−[(ジエトキシホスホリル)メチル]フェニルピバレートが得られた。粗製生成物をTHF(21mL)に溶かし、tert−ブチル3−メチル−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(1.57g、7.38mmol;CAS#181269−69−2)を、続いて、カリウムt−ブトキシド(828mg、7.38mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、水でクエンチした。水性相を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(980mg、2.62mmol、36%)として得られた。
【0106】
tert−ブチル4−(3−ヒドロキシベンジリデン)−3−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの合成
tert−ブチル4−{3−[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(1.65g、4.26mmol)をTHF(12mL)に溶かし、水素化アルミニウムリチウム(4.26mL、4.26mmol)を室温で加えた。反応物を一晩撹拌し、水でクエンチした。生成物を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(920mg、3.02mmol、71%)として生じた。
【0107】
2−{3−[3−メチルピペリジン−4−イリデンメチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの合成
tert−ブチル4−(3−ヒドロキシベンジリデン)−3−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(990mg、3.20mmol)をDMSO(6mL)に溶かし、5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(595.6mg、3.26mmol;CAS#69034−12−4)を、続いて、CsCO(1.68g、4.89mmol)を加えた。溶液を65℃に1時間加熱し、この時点で、室温に冷却した。溶液を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(25mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をシリカプラグで真空濾過すると(10%酢酸エチル/ヘプタン)、粗製ビアリールエーテルが淡黄色のオイルとして生じた。オイルをジクロロメタン(20mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を室温で加え、溶液を1時間撹拌した。次いで、反応物を重炭酸ナトリウム(20mL)で中和し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(EおよびZ異性体のラセミ混合物、790mg、2.26mmol、70%)として生じた。
【0108】
3−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)フェニル)メタノールの合成
3−ヒドロキシメチル−フェノール(3.205g、25.82mmol)、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(5.00g、28.4mmol;CAS#766−11−0)および炭酸セシウム(9.26g、28.4mmol)をDMSO(40mL)に懸濁させ、100℃に加熱した。16時間撹拌した後に、反応混合物を水(400mL)および酢酸エチル(400mL)に分配した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで再び抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカで精製すると(10〜60%、EtOAc:ヘプタン)、所望の生成物(5.71g、収率79%)が透明なオイルとして得られた。
MS (APCI) M+1= 280.0; 1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.82 (s, 1 H) 4.70 (s,
2 H) 6.84 (dd, J=8.58, 0.58 Hz, 1 H) 7.00 - 7.06 (m, 1 H) 7.13 (t, J=1.75 Hz, 1
H) 7.17 - 7.23 (m, 1 H) 7.38 (t, J=7.80 Hz, 1 H) 7.76 (dd, J=8.77, 2.53 Hz, 1
H) 8.20 (dd, J=2.63, 0.49 Hz, 1 H).
【0109】
5−ブロモ−2−(3−(クロロメチル)フェノキシ)ピリジンの合成
3−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)フェニル)メタノール(3.00g、10.7mmol)をジクロロメタン(30mL)中で、0℃に冷却し、塩化チオニル(0.86mL、11.8mmol)で滴下処理した。反応混合物を周囲温度に加温し、1時間撹拌した。トルエン(5mL)を加え、混合物を蒸発により濃縮した。残渣をトルエンから再び蒸発させ、高真空下で乾燥させると、所望の生成物(3.09g、収率97%)が白色の半固体として得られた。
MS (APCI) M+1= 300.0; 1H NMR
(400 MHz, CD3OD) δ ppm 4.64 (s, 2 H) 6.93
(dd, J=8.68, 0.68 Hz, 1 H) 7.07 (ddd, J=8.19, 1.17, 0.97 Hz, 1 H) 7.15 - 7.21
(m, 1 H) 7.24 - 7.30 (m, 1 H) 7.40 (t, J=7.90 Hz, 1 H) 7.94 (dd, J=8.77, 2.53
Hz, 1 H) 8.19 (dd, J=2.53, 0.58 Hz, 1 H).
【0110】
ジエチル3−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)ベンジルホスホネートの合成
ステップ2からの5−ブロモ−2−(3−(クロロメチル)フェノキシ)ピリジン(3.08g、10.3mmol)をそのまま、亜リン酸トリエチル(2.65mL、15.5 mmol)で処理し、150℃に加熱した。5時間後に、反応混合物を加熱浴から外し、オイルが溶液から沈殿するまで、ヘプタンで徐々に処理した。混合物が均一になるまで、酢酸エチルを加えた。白色の沈殿物が形成するまで、ヘプタンを再び徐々に加えた(より低い温度で)。さらなるヘプタンを加え、15分間撹拌した後に、沈殿物を濾過すると、白色の固体(3.35g、収率81%)が得られた。
MS (APCI) M+1= 400.0; 1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.26 (t, J=7.02 Hz, 6
H) 3.17 (d, J=21.64 Hz, 2 H) 3.98 - 4.08 (m, 4 H) 6.84 (d, J=8.77 Hz, 1 H) 7.00
- 7.05 (m, 1 H) 7.08 (q, J=2.21 Hz, 1 H) 7.15 - 7.20 (m, 1 H) 7.35 (t, J=7.90
Hz, 1 H) 7.77 (dd, J=8.58, 2.53 Hz, 1 H) 8.21 (d, J=2.73 Hz, 1 H).
【0111】
5−ブロモ−2−{3−[(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}ピリジンの合成
ジエチル3−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)ベンジルホスホネート(7.50g、18.74mmol)をTHF(50mL)に溶かし、tert−ブチル3−メチル−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(5.46g、25.6mmol)を、続いて、カリウムt−ブトキシド(2.39g、21.30mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、水でクエンチした。水性相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、オレフィンが透明なオイルとして得られた。オイルをジクロロメタン(20mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を室温で加え、溶液を1時間撹拌した。次いで、反応物を重炭酸ナトリウム(20mL)で中和し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(EおよびZ異性体のラセミ混合物、5.50g、15.34mmol、72%)として生じた。
【0112】
3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンズアルデヒドの合成
3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、33.79mmol)、2,5−ジクロロピリジン(3.92g、32.1mmol;CAS#16110−09−1)および炭酸セシウム(11.6g、33.8mmol)をDMSO(40mL)に懸濁させ、100℃に加熱した。16時間撹拌した後に、反応混合物を水(400mL)および酢酸エチル(400mL)に分配した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで再び抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカで精製すると(25%、EtOAc:ヘプタン)、所望の生成物(4.55g、19.53mmol、収率58%)が透明なオイルとして得られた。
【0113】
2−[3−(ブロモメチル)フェノキシ]−5−クロロピリジンの合成
3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンズアルデヒド(4.55g、19.47mmol)をMeOH(100mL)に溶かし、ホウ水素化ナトリウム(1.12g、29.2mmol)を室温で滴加した。反応物をさらに2時間撹拌し、この時点で、水でクエンチし、水性相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、粗製{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}メタノールが生じた。次いで、粗製{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}メタノール(4.50g、19.09mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、イミダゾール(1.39g、20.00mmol)を、続いて、トリフェニルホスフィン(5.68g、21.00mmol)および臭素(0.98mL、19.1mmol)を0℃で加えた。反応物を室温に加温し、30分間撹拌し、この時点で、水でクエンチし、水性相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(4.96g、16.64mmol、87%)として生じた。
【0114】
5−クロロ−2−{3−[(E)−(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}ピリジンの合成
2−[3−(ブロモメチル)フェノキシ]−5−クロロピリジン(4.96g、16.61mmol)および亜リン酸トリエチル(2.89mL、16.60mmol)を150℃で4時間加熱した。次いで、溶液を冷却し、過剰の亜リン酸トリエチルを真空除去すると、粗製ジエチル{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジル}ホスホネートが得られた。粗製生成物をTHF(21mL)に溶かし、tert−ブチル3−メチル−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(4.25g、19.9mmol;CAS#181269−69−2)を、続いて、カリウムt−ブトキシド(2.80g、24.9mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、水でクエンチした。水性相を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、オレフィンが透明なオイルとして得られた。オイルをジクロロメタン(20mL)に溶かし、室温でトリフルオロ酢酸(5.0mL)を加え、溶液を1時間撹拌した。次いで、反応物を重炭酸ナトリウム(20mL)で中和し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘプタン)により精製すると、表題化合物がオイル(EおよびZ異性体のラセミ混合物、4.71g、14.94mmol、90%)として得られた。
【0115】
フェニルピリジン−3−イルカルバメートの合成
撹拌されている3−アミノピリジン(51.7g、0.549モル;CAS#462−08−8)のTHF(900mL)溶液に−10℃で、ピリジン(52.1g、0.659モル)を流動で10分間にわたって加え、続いて、クロロギ酸フェニル(90g、0.575モル)を20分間にわたって滴下した。反応温度が5℃に上昇した。添加の間に、沈殿物が形成した。生じた懸濁液を、周囲温度に達する温度でさらに3時間にわたって撹拌した。反応混合物を水(2L)およびEtOAc(1.5L)に分配した。水性ポーションをEtOAc(1L)で抽出した。合わせた有機ポーションを乾燥させ(MgSO)、湿った固体残渣まで真空濃縮した。これを、EtOAc:エーテル(1:1、600mL)に懸濁させた。生じた懸濁液を−10℃で2時間撹拌し、濾過した。固体をEtOAc:エーテル(1:1、100mL)ですすぎ、吸引下で圧縮乾燥させた。真空中、35℃で7時間さらに乾燥させると、生成物104g(88%)が得られた。分析、C1210での計算値:C、67.28;H、4.71;N、13.08。実測値:C、67.15;H、4.76;N、12.87。
【0116】
フェニルピリダジン−3−イルカルバメートの合成
3−アミノ−6−クロロピリダジン(19.2g、148mmol;CAS#5469−69−2)のEtOH(500mL)溶液に、1940炭素上10%のPd触媒(未還元、55%水)を加えた。トリエチルアミン(50mL)を加え、混合物を500psi/mole下で1.9時間水素化した。反応物を濾過し、エタノールをNHCl水溶液で洗浄した。有機層を濃縮すると、ピリダジン−3−アミンが白色の固体(11g、収率78%)として得られた。MS(APCI 10V)AP+1 96.2.ピリダジン−3−アミン(5g、50mmol)のTHF(50mL)およびCHCN(70mL)中の懸濁液に、ピリジン(5.10mL、63.1mmol)を、続いて、クロロギ酸フェニル(6.95mL、55.2mmol)を徐々に加えた。反応物を一晩撹拌した。反応物を濾過し、沈殿物を除去した。濾液を濃縮し、次いで、CHClに入れ、これを水で洗浄した。有機層を、SPE相分離機を使用して乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CHCl)により精製した。望ましくない副生成物が初めに溶離され、続いて、表題化合物が溶離され、これを濃縮すると、白色の固体(7.5g、収率70%)が得られた。
MS (APCI 10V) AP+1 216.12; 1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.20 - 7.24 (m,
2 H) 7.25 - 7.28 (m, 1 H) 7.39 - 7.44 (m, 2 H) 7.64 - 7.69 (m, 1 H) 8.05 (dd, 1
H) 8.94 (dd, 1 H) 11.34 (s, 1 H).
【0117】
フェニル(3,4−ジメチルイソオキサゾール−5−イル)カルバメートの合成
5−アミノ−3,4−ジメチルイソオキサゾール(2.00g、17.8mmol、1.0当量;CAS#19947−75−2)のTHF(180mL)溶液に0℃で、ピリジン(1.80mL、22.3mmol、1.25当量)を、続いて、クロロギ酸フェニル(2.36mL、18.7mmol、1.05当量)を加えた。0℃で2.5時間撹拌した後に、反応物を室温に一晩加温した。反応物を酢酸エチルで希釈し、2MのHCl、水、飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ヘキサン)により精製すると、表題化合物が白色の固体(2.33g)として得られた。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.70 (br. s., 1
H), 7.40 - 7.47 (m, 2 H), 7.26 - 7.30 (m, 1 H), 7.21 - 7.25 (m, 2 H), 2.16 (s,
3 H), 1.86 (s, 3 H). m/z 233 (MH+).
【0118】
フェニル(5−メチルイソオキサゾール−4−イル)カルバメートの合成
4−アミノ−5−メチルイソオキサゾール(2.00g、20.39mmol;CAS#87988−94−1)のTHF(50mL)溶液に0℃で、ピリジン(1.65mL、20.39mmol)を、続いて、クロロギ酸フェニル(2.81mL、22.43mmol)を加えた。0℃で2.5時間撹拌した後に、反応物を室温に一晩加温した。反応物を酢酸エチルで希釈し、2MのHCl、水、飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル(5%エタノール)/ヘプタン)により精製すると、表題化合物が白色の固体(2.85g、13.07mmol、64%)として得られた。
【0119】
フェニルイソオキサゾール−4−イルカルバメートの合成
4−アミノイソオキサゾール(2.00g、23.79mmol;CAS#108511−97−3)のTHF(50mL)溶液に0℃で、ピリジン(1.92mL、23.79mmol)を、続いて、クロロギ酸フェニル(3.28mL、26.17mmol)を加えた。0℃で2.5時間撹拌した後に、反応物を室温で一晩加温した。反応物を酢酸エチルで希釈し、2MのHCl、水、飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ヘキサン)により精製すると、表題化合物が白色の固体(2.07g、10.15mmol、50%)として得られた。
【0120】
フェニル(6−メトキシピリジン−3−イル)カルバメートの合成
3−アミノ−6−メトキシピリジン(5.00g、40.3mmol;CAS#6628−77−9)をTHF(80mL)に溶かし、0℃に冷却し、ピリジン(4.07mL、50.4mmol)で、続いて、クロロギ酸フェニル(5.32mL、42.3mmol)で処理した。反応混合物を数時間にわたって室温に徐々に加温し、さらに12時間撹拌した。混合物を水およびEtOAcに分配した。有機層を分離し、水性層を再び抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、生成物が赤色がかった固体(9.45g、96%)として得られ、これを、精製することなく使用した。
【0121】
フェニル1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルカルバメートの合成
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルアミン(0.50g、3.7mmol;Synthesis、2005、2503〜2506;CAS#100960−07−4)のTHF(4mL)およびCHCN(6mL)中の溶液に、ピリジン(0.36mL、4.4mmol)を、続いて、クロロギ酸フェニル(0.49mL、3.8mmol)を徐々に加えた。反応物を一晩撹拌した。混合物を水およびEtOAcに分配した。水性層をEtOAcで再び抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、所望の生成物が白色の固体(0.213g、23%)として得られた。m/z 254.15(MH+).
【0122】
フェニル(5−メチルピリジン−3−イル)カルバメートの合成
3−アミノ−5−メチルピリジン(2.00g、18.5mmol;CAS#3430−19−1)のTHF(100mL)溶液を0℃で、ピリジン(1.8mL、22.2mmol)で、続いて、クロロギ酸フェニル(2.8mL、22.2mmol)のTHF(20mL)溶液で滴下処理した。3時間後に、反応物を水(100mL)および酢酸エチル(250mL)で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、約50mLに濃縮した。生じた白色の固体を濾過し、ジエチルエーテルですすぐと、表題化合物が白色の固体(3.00g、収率71%)として得られた。
【0123】
フェニル(6−シアノピリジン−3−イル)カルバメートの合成
5−アミノ−2−シアノピリジン(2.00g、16.7mmol;CAS#55338−73−3)のTHF(100mL)溶液を0℃で、ピリジン(1.4mL、16.8mmol)で、続いて、クロロギ酸フェニル(2.1mL、16.8mmol)のTHF(20mL)溶液で滴下処理した。3時間後に、反応物を水(100mL)および酢酸エチル(250mL)で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、約50mLに濃縮した。生じたベージュ色の固体を濾過すると、表題化合物(3.4g、収率85%)が得られた。
【0124】
フェニル(5−メトキシピラジン−2−イル)カルバメートの合成
2−アミノ−5−メトキシピラジン(1.5g、12.0mmol;CAS#54013−07−9)を無水THFに窒素下で溶かし、ドライアイス−アセトン浴中で冷却した。この溶液に、ピリジン(2.3mL、28.8mmol)を加えた。30分後に、クロロギ酸フェニル(1.7mL、13.2mmol)を滴加した。反応混合物を室温に徐々に加温した。2時間後に、酢酸エチル(90mL)および水(45mL)を加えた。水性層を酢酸エチルで一回逆抽出した。合わせた有機層をブラインで2回洗浄し、次いで、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。残渣をエーテル:酢酸エチル(50mL:2mL)で摩砕した。固体を真空濾過により集め、エーテルで洗浄すると、表題化合物が淡黄色の固体(2.5g、10.1mmol、85%)として得られた。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.79 (s, 1H), 8.58
(s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.36-7.52 (m, 2H), 7.16-7.34 (m, 3H), 3.88 (s, 3H). m/z
246.1
【0125】
フェニル(5−メチルピラジン−2−イル)カルバメートの合成
2−アミノ−5−メチル−ピラジン(2.00g、21.25mmol;CAS#5521−58−4)をTHF(80mL)に溶かし、0℃に冷却し、ピリジン(1.77g、22.3mmol)で処理し、続いて、THF(30mL)中のクロロギ酸フェニル(3.49g、22.3mmol)を滴加した。3時間撹拌した後に、MeCN100mLを加え、反応混合物を真空中で100mLの体積まで減らした。白色の結晶としての表題化合物を濾過により集め(2.5g、55%)、さらに精製することなく使用した。
【0126】
フェニル(6−メトキシピラジン−2−イル)カルバメートの合成
2−アミノ−6−メトキシ−ピラジン(1.00g、8mmol;CAS#6905−47−1)を1:2のTHF:MeCN混合物(30mL)に溶かし、0℃に冷却し、ピリジン(0.664g、8.3mmol)で処理し、続いて、THF(10mL)中のクロロギ酸フェニル(1.3g、8.3mmol)を滴加した。18時間撹拌した後に、生じた白色の固体を濾過により集め(1.3g、68%)、さらに精製することなく使用した。
【0127】
フェニル(6−メトキシピリダジン−3−イル)カルバメートの合成
3−アミノ−6−メトキシピリダジン(1.25g、10.0mmol;CAS#7252−84−8)の1:1のTHF:MeCN混合物(20mL)中の溶液およびピリジン(0.83g、1.5mmol)をTHF(10mL)中のクロロギ酸フェニル(1.65g、10.5mmol)で滴下処理した。3時間撹拌した後に、生じた固体を集め、乾燥させると、表題化合物(2g、81%)が得られた。
【0128】
フェニル1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イルカルバメートの合成
1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−アミン(1.00g;CAS#36216−80−5)およびトリエチルアミン(1.09mL)のアセトニトリル(5mL)中の溶液を、0℃のクロロギ酸フェニル(0.989mL)のTHF(20mL)溶液に滴加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温で一晩加温した。反応物を酢酸エチルで希釈し、1NのHClおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗製の生成物が赤色がかった茶色の固体として得られた。固体を還流ジイソプロピルエーテルで摩砕し、室温に冷却し、濾過すると、最終生成物が黄褐色の固体(1.22g、64%)として得られた。m/z 255(MH+).
【0129】
(実施例1および2)
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミドの合成
2−{3−[(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(4.00g、11.48mmol)およびフェニルピリジン−3−イルカルバメート(2.47g、11.50mmol)のアセトニトリル(25mL)中の混合物を、トリエチルアミン(8.0mL、57.40mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮すると、粗製生成物がオレフィン異性体のラセミ混合物(約6:1のE:Z)として得られた。異性体をキラルSFCによりChiralpak AS−Hカラム(15%イソプロパノール/CO)で分離すると、E−オレフィンの2種の鏡像異性体が得られた。
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)。第2溶離ピーク、t=3.17分(4.6×150mm Chiralpak AS−H、20%イソプロパノール/CO、3mL/分)。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.91 (1 H, br. s.),
8.78 - 8.86 (1 H, m), 8.57 (1 H, s), 8.22 (1 H,dd, J=8.8, 2.4 Hz), 7.99 (1 H,
d, J=9.0 Hz), 7.57 (1 H, dd, J=9.1, 4.7 Hz), 7.42 (1 H, t, J=7.8 Hz), 7.23 (1H,
d, J=8.6 Hz), 7.13 (1 H, d, J=7.7 Hz), 7.01 - 7.09 (2 H, m), 6.35 (1 H, s),
3.85 (1 H, dd, J=12.8, 3.8Hz), 3.67 - 3.78 (1 H, m), 3.31 (1 H, t, J=8.9 Hz),
3.10 (1 H, dd, J=12.9, 8.3 Hz), 2.68 (1 H, d, J=14.8Hz), 2.23 - 2.33 (1 H, m),
1.12 (4 H, d, J=6.8 Hz). m/z 469.2(MH+).
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例2)。第3溶離ピーク、t=3.67分(4.6×150mm Chiralpak AS−H、20%イソプロパノール/CO、3mL/分)。
【0130】
(実施例3および4)
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミドの合成
2−{3−[(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(5.60g、16.08mmol)およびフェニルピリジン−3−イルカルバメート(3.44g、16.10mmol)のアセトニトリル(25mL)中の混合物を、ジイソプロピルアミン(2.86mL、16.1mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮すると、粗製生成物がオレフィン異性体のラセミ混合物として得られた。異性体を、キラルSFC(Chiralpak AS−Hカラム(20%n−ブタノール/CO)により、続いて、Chiralpak AD−H(20%MeOH/CO)およびChiralpak AS−H(20%EtOH/CO))により分離すると、E−オレフィンの2種の鏡像異性体が得られた。
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例3)。第2溶離ピーク、t=1.93分(4.6×150mm Chiralpak AS−H、20%エタノール/CO、3mL/分)。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.75 (1 H, s), 8.64
(1 H, d, J=2.4 Hz), 8.57 (1 H, s), 8.23 (1 H,dd, J=8.7, 2.5 Hz), 8.14 (1 H, dd,
J=4.7, 1.2 Hz), 7.84 - 7.92 (1 H, m), 7.42 (1 H, t, J=7.7 Hz), 7.28 (1 H,dd,
J=8.3, 4.7 Hz), 7.23 (1 H, d, J=8.8 Hz), 7.14 (1 H, d, J=7.7 Hz), 7.01 - 7.09
(2 H, m), 6.36 (1 H, s),3.80 (1 H, dd, J=12.9, 3.9 Hz), 3.61 - 3.74 (1 H, m),
3.07 (1 H, dd, J=12.8, 8.2 Hz), 2.62 - 2.74 (1 H, m),2.23 - 2.36 (1 H, m), 1.13
(3 H, d, J=6.8 Hz) m/z 468.2(MH+).
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例4)。第3溶離ピーク、t=2.60分(4.6×150mm Chiralpak AS−H、20%エタノール/CO、3mL/分)。
【0131】
(実施例5〜13)
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(1.00g;実施例3、第2溶離ピーク)の50%メタノール水溶液中の溶液をバイアルに密閉し、95℃で4日間加熱した。溶液を乾燥するまで濃縮すると、粗製2−{3−[(E)−(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(902mg)が得られ、これを、アセトニトリルに溶かし、0.5Mの溶液を製造した。別々のバイアルで、2−{3−[(E)−(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリジンの0.5M溶液0.2mL(0.086mmol、1当量)、トリエチルアミン(0.10mL、7当量)および適切なフェニルヘテロアリールカルバメート(1.5当量)を合わせ、アセトニトリル0.50mLで希釈した。30分後に、反応物を乾燥するまで濃縮した。残渣をDMSO1mLに溶かし、逆相HPLC(アセトニトリル/水/0.1%ギ酸)により精製すると、実施例5〜13が得られた。
【0132】
【表1−1】

【0133】
【表1−2】

【0134】
(実施例14)
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミドの合成
5−ブロモ−2−{3−[(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}ピリジン(1700mg、4.73mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.83mL)およびフェニルピリジン−3−イルカルバメート(1010mg、4.73mmol)を合わせ、アセトニトリル9.5mLで希釈した。30分後に、反応物を乾燥するまで濃縮した。残渣30mgをDMSO1mLに溶かし、逆相HPLC(アセトニトリル/水/0.1%ギ酸)により精製すると、表題化合物がラセミ化合物として得られた。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.61 - 8.69 (1 H, m), 8.28 (1
H, d, J=2.6 Hz), 8.14 (1 H, d, J=4.8 Hz), 8.05 (1 H, dd, J=8.6, 2.6 Hz), 7.87
(1 H, d, J=9.7 Hz), 7.39 (1 H, t, J=7.8 Hz), 7.25 (1 H, dd, J=8.1, 4.6 Hz),
7.09 (1 H, d, J=7.7 Hz), 7.04 (1 H, d, J=8.6 Hz), 6.95 - 7.02 (2 H, m), 6.35 (1
H, s), 3.80 (1 H, dd, J=13.8, 5.0 Hz), 3.60 - 3.71 (1 H, m), 3.09 (1 H, dd,
J=12.6, 8.4 Hz), 2.60 - 2.72 (1 H, m), 2.22 - 2.35 (1 H, m), 1.14 (3 H, d,
J=6.8 Hz). m/z 481.0(MH+).
【0135】
(実施例15)
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミドの合成
5−クロロ−2−{3−[(E)−(3−メチルピペリジン−4−イリデン)メチル]フェノキシ}ピリジン(4823mg、15.3mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.69mL)およびフェニルピリジン−3−イルカルバメート(3280mg、15.3mmol)を合わせ、アセトニトリル30.6mLで希釈した。30分後に、反応物を乾燥するまで濃縮した。残渣30mgをDMSO1mLに溶かし、逆相HPLC(アセトニトリル/水/0.1%ギ酸)により精製すると、表題化合物がラセミ化合物として得られた。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.67 (1 H, s), 8.63 (1 H, d,
J=2.4 Hz), 8.21 (1 H, d, J=2.6 Hz), 8.13 (1 H, dd, J=4.6, 1.3 Hz), 7.94 (1 H,
dd, J=8.8, 2.7 Hz), 7.87 (1 H, dd, J=8.2, 1.5 Hz), 7.39 (1 H, t, J=7.8 Hz),
7.25 (1 H, dd, J=8.3, 4.7 Hz), 7.09 (2 H, d, J=8.6 Hz), 6.95 - 7.02 (2 H, m),
6.35 (1 H, s), 3.79 (1 H, dd, J=12.8, 4.0 Hz), 3.60 - 3.71 (1 H, m), 3.09 (1 H,
dd, J=12.9, 8.1 Hz), 2.62 - 2.72 (1 H, m), 2.23 - 2.35 (1 H, m), 1.13 (3 H, d,
J=6.8 Hz). m/z 435.0 (MH+).
【0136】
(実施例16および17)
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミドの合成
2−{3−[3−メチルピペリジン−4−イリデンメチル]フェノキシ}−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(738mg、2.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.37mL)およびフェニルピリジン−3−イルカルバメート(452mg、2.11mmol)を合わせ、アセトニトリル4.2mLで希釈した。30分後に、反応物を濃縮すると、粗製生成物がオレフィン異性体のラセミ混合物として得られた。異性体を、キラルSFCにより、Chiralpak AD−Hカラム(30×250mm;30%エタノール/CO)で分離すると、E−オレフィンの2種の鏡像異性体が得られた。
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例16)。第3の溶離ピーク、t=0.96分(4.6×150mm Chiralpak AD−H、50%エタノール/CO、3mL/分)。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.10 (1 H, s), 8.67 (1 H, s),
8.63 (1 H, d, J=2.4 Hz), 8.13 (1 H, dd, J=4.6, 1.1 Hz), 7.83 - 7.90 (1 H, m),
7.38 - 7.48 (1 H, m), 7.25 (1 H, dd, J=8.3, 4.7 Hz), 7.17 (1 H, d, J=7.7 Hz),
7.10 - 7.14 (2 H, m), 6.37 (1 H, s), 3.80 (1 H, dd, J=12.8, 4.0 Hz), 3.61 -
3.71 (1 H, m), 3.10 (1 H, dd, J=12.7, 8.1 Hz), 2.62 - 2.74 (1 H, m), 2.26 -
2.37 (1 H, m), 1.14 (3 H, d, J=6.8 Hz). m/z 470 (MH+).
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例17)。第4の溶離ピーク、t=1.28分(4.6×150mm Chiralpak AD−H、50%エタノール/CO、3mL/分)。
【0137】
下記の化合物は、本明細書に記載の方法および当分野で知られている他の方法により調製することができる。
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド。
【0138】
下記の化合物もまた、本明細書に記載の方法および当分野で知られている他の方法により調製することができる。
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−イソオキサゾール−4−イル−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
および
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
または薬学的に許容できるその塩。
【0139】
上記実施例に記載の化合物の生物学的活性を、下記のアッセイを使用して決定した。
【0140】
FAAHアッセイ
FAAH酵素アッセイを、WO2006/085196に記載されている通り、384ウェル透明ポリスチレンプレート中、1ウェル当たり50μlの全体積で実施した。全てのパーセントは、体積による。各ウェルに、1〜4nMのFAAH、50mMのNaP、pH7.4、3mMのα−ケトグルタレート、0.15mMのNADH、7.5U/mlのグルタミン酸デヒドロゲナーゼ、2mMのADP、1mMのEDTAおよび0.1%のTriton X−100を含有する反応混合物(40μl)を入れた(各成分で示されている濃度は、アッセイ中での最終濃度である)。この混合物に、実施例1から20の化合物5μlを50%DMSO中で調製した様々な濃度で(または対照のために50%DMSO5μl)加えた。この直後に、75%EtOH/25%DMSOに溶かしたオレアミド5μl(500μM)を加え、反応混合物を1.5分間混合する。アッセイ中でのDMSOおよびEtOHの最終濃度は、それぞれ7.5%であった。次いで、反応物を30℃でインキュベーションし、340nmでの吸収を90分間にわたって集めたが、ここで、30秒間隔でSpectraMax Plus384 Microplate Spectrophotometer(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)を使用して、読み取りを行った。アッセイで使用されたヒトFAAHは、特許出願WO2006/067613に記載されている通りに調製した。使用された酵素の純度は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、それに続くクーマシーブルー染色による分析に基づき、98%を超えていた。
【0141】
動態データ分析
初期速度データ(V)を、初期進行曲線の傾きから得る。これらを、基質濃度の関数としてプロットし、Prism(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)ソフトウェアを使用して、ミカエリス−メンテンの式(1)に適合させて、KおよびVmax値を得る。
【0142】
【数1】

【0143】
不可逆性阻害剤の効果を得るために、一次阻害動態と一致する進行曲線(二段階不可逆性阻害機構)を、非線形最小二乗回帰により式(2)に適合させ、各阻害剤濃度でのkobs値を決定するが、式中、[P]は、時間tでの吸収であり、Vは、非阻害反応の定常状態速度に関する定数であり、kobsは、酵素不活性化に関する一次速度定数である。次いで、阻害剤解離定数(K)および無限阻害剤濃度での酵素不活性化の一次速度
(2)
定数(kinact)を、kobs対[I]曲線を式(3)に適合させることにより得る。
【0144】
【数2】

【0145】
【表2】

【0146】
本発明の化合物でのさらなるデータを、下記の表に示す。
【0147】
【表3−1】

【0148】
【表3−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩
【化1】

[式中、
Arは、フェニル、6員のヘテロアリール部分またはベンゾイソオキサゾール、ピロロピリジンもしくはベンゾトリアゾール基であり、
X、YおよびZは独立に、CHまたはNから選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、−CH−C〜CシクロアルコキシまたはCNであり、この際、前記C〜Cシクロアルキル、−CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシおよび−CH−C〜Cシクロアルコキシ基の環は、1から4個のフッ素原子により置換されていてもよく、
2aは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cシクロアルケニル、−(CH−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニルオキシ、O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環、−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)、−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)またはCNであり、この際、
a)前記R2aであるC〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cシクロアルケニル、−(CH−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニルオキシ、O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環、−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)および−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)基は、ハロ、CN、−CH−CN、−CH、−CHF、−CHF、CF、−O−CH、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から4個の基によりさらに置換されていてもよく、
b)前記−(CH−C〜Cシクロアルキル、−(CH−C〜Cシクロアルケニルおよび−(CH−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)および−(CH−O−(O、SおよびNから選択される1から3個の環ヘテロ原子を含有する4員から8員の複素環)基の−(CH−架橋基は、ハロ、CN、−CH−CN、−CH、−CHF、−CHF、CF、−O−CH、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から4個の基によりさらに置換されていてもよく、
また、R2aは、H、CN、−CH−CN、ハロゲン、C〜Cアルキル、−CHF、−CHF、CF、−O−C〜Cアルキル、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択される1から3個の置換基により置換されていてもよいフェニルまたはピリジル基であってもよく、
2bおよびR2cは独立に、H、ハロゲン、CN、−CH−CN、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CHF、−CHF、CF、−O−CHF、−O−CHFまたは−O−CFから選択され、
nはそれぞれの場合に、1、2または3から独立に選択される整数である]。
【請求項2】
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリジン−3−イル−4−(3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−イソオキサゾール−4−イル−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−ピリダジン−3−イル−4−(3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]オキシ}ベンジリデン)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−4−{3−[(5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ]ベンジリデン}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピラジン−2−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド
(4E)−3−メチル−N−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(5−メトキシピラジン−2−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−N−(6−メトキシピリダジン−3−イル)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}ピペリジン−1−カルボキサミド;
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリダジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
および
(4E)−3−メチル−4−{3−[(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)オキシ]ベンジリデン}−N−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキサミド
から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体と、場合によりさらなる治療剤とを含む医薬組成物。
【請求項4】
医療で使用するための、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項5】
FAAH媒介疾患または状態を治療する際に使用するための、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項6】
急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、尿失禁、過活動膀胱、嘔吐、認識障害、不安、うつ病、睡眠障害、摂食障害、運動障害、緑内障、乾癬、多発性硬化症、脳血管障害、脳損傷、胃腸障害、高血圧または心臓血管疾患を治療する際に使用するための、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項7】
FAAH媒介疾患または状態を治療するための医薬品の製造における、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項8】
急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、尿失禁、過活動膀胱、嘔吐、認識障害、不安、うつ病、睡眠障害、摂食障害、運動障害、緑内障、乾癬、多発性硬化症、脳血管障害、脳損傷、胃腸障害、高血圧または心臓血管疾患を治療するための医薬品の製造における、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項9】
請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む、FAAH媒介疾患または状態を治療する方法。
【請求項10】
前記FAAH媒介疾患または状態が、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、尿失禁、過活動膀胱、嘔吐、認識障害、不安、うつ病、睡眠障害、摂食障害、運動障害、緑内障、乾癬、多発性硬化症、脳血管障害、脳損傷、胃腸障害、高血圧または心臓血管疾患である、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2011−518146(P2011−518146A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504560(P2011−504560)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005255
【国際公開番号】WO2009/127949
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】