説明

FAP阻害剤

本発明は,好ましくは癌の治療に用いることができる化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は,FAP阻害剤として作用する化合物,この化合物を含む医薬製品,およびこの化合物を用いる治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
線維芽細胞活性化蛋白質アルファ(FAPα)(本明細書においてFAPと称する)という酵素は,N−末端のXaa−Pro配列に特異的なジペプチジル−ペプチダーゼ活性を有するセリンプロテアーゼである。ジペプチジルペプチダーゼ活性に加えて,FAPは,ゼラチンおよびI型コラーゲンを分解しうるコラーゲン分解活性も有する。FAPはII型貫膜セリンプロテアーゼであり,ホモダイマーとして発現される。95−kDaの蛋白質は,DPIVと48%のアミノ酸同一性を示し,ジペプチジルペプチダーゼファミリーの他のメンバー,例えば,DP8およびDP9と構造的類似性を示す。DPIVとは異なり,FAPはまた,エンドペプチダーゼ活性を有することが報告されている(Aertgeerts,J.Biol.Chem,2005,280,19441)。FAPの過剰発現は,腫瘍成長を促進することが示されており(Cheng,Mol.Cancer Ther.,2005,4,351),この促進はその酵素活性に依存する。FAPの天然の基質はまだ同定されていない。
【0003】
FAPは,免疫組織化学により判定して,正常な成熟体組織および良性の上皮腫瘍では発現されていないが,癌腫の90%以上,例えば,乳癌,結腸癌,卵巣癌,膀胱癌および膵臓癌の間質線維芽細胞で発現されている(Garin−Chesa et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,1990,87:7235)。このため,これは抗腫瘍剤の潜在的な非常に特異的な標的である。FAPの発現はまた,黒色種細胞の侵襲能力と関連づけられており(Aoyama et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,1990,87:8296),その存在は結腸直腸腫瘍の転移と関連づけられている(Iwasa et al.,Cancer Letts.,2003,199:91)。動物モデルにおいて,その存在は腫瘍形成を増加させることが示されている(Cheng et al.,Cancer Res.,2002,62:4767)。
【0004】
癌腫の間質線維芽細胞において発現されるFAPの触媒作用は,癌の潜在的な治療として,細胞毒性または細胞増殖抑制性の薬剤のプロドラッグを活性な薬剤に変換するために用いられている(EP1333033)。
【0005】
腫瘍組織における活性に加えて,FAPは,非悪性リモデリングが生じている臓器,例えば肝臓線維症においても発現されている(Levy et al.,Hepatol.,1999,29:1768)。アルコール依存症またはウイルス感染の結果としての線維症を有する患者においては,肝臓の過度の瘢痕および収縮を担う細胞は大量のFAPを発現している。FAPが線維性瘢痕の形成に重要な役割を果たしていることを示唆する証拠がある。
【0006】
正常組織は通常はFAPネガティブであるが,創傷治癒で過渡的に見いだされており(Ramirez−Montagut et al.,Oncogene,2004,23,5435),FAPは組織リモデリングおよび修復に役割を果たしている可能性がある。
【0007】
FAP阻害剤の他の潜在的適応症としては,血液細胞疾患,例えば貧血および化学療法誘発性好中球減少症が挙げられる(Rosenblum et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2003,7,496)。
【0008】
これまでに報告されている唯一のFAP阻害剤は,ValboroPro(PT−100,タロボスタット:Talobostat)であり,これはマウスにおいて強力な抗腫瘍活性を示し,経口投与すると同系腫瘍の成長を遅らせ,腫瘍の緩解および拒絶を引き起こすことが報告されている(Adams et al.,Cancer Res.,2004,64:5471)。この化合物は現在癌の治療について臨床試験が行われている(McIntyre,Drugs of the Future,2004,29,882)。しかし,この化合物は,ジペプチジルペプチダーゼの非特異的阻害剤であり,DPIVの強力な阻害剤であることが示されている(Coutts et.al.,J.Med.Chem.,1996,39,2087)。ValboroProを用いることによりFAP推進性腫瘍成長を軽減しうることが示されているが(Cheng,Mol.Cancer Ther.,2005,4,351),この効果はDPIV阻害によるものではなさそうであり,このことは,FAPが腫瘍成長の促進に重要な役割を果たすことを示唆する。
【0009】
ValboroProはまた,造血性先祖細胞の成長を促進し,好中球および赤血球の再生を加速することが示されており,この再生はDPIVノックアウトマウスにおいて観察される(Jones,Blood,2003,102,150)。
【0010】
DPIVの阻害剤は,現在,II型糖尿病の治療について臨床試験中である。報告されているDPIVの多くの阻害剤のうち,報告されている一群の化合物はアミノアシルピロリジンニトリルである(Evans,I Drugs,2002,5,577)。しかし,これらは2つの別々の種類に分類される。一方はN−末端に未置換アミノ基を有するものであり(WO9515309,WO0181337,WO0181304),他方はN−アルキルグリシン誘導体である(WO0196295)。これらの化合物のFAP阻害剤としての活性については何のデータも報告されていない。N−アシルまたはN−カルバモイルN末端を有するDPIV阻害剤についての報告はない。
【0011】
プロリルオリゴペプチダーゼ(エンドペプチダーゼ活性を有する)の阻害剤は知られているが,臨床試験において癌に対する活性が示されたという報告はないようである。
【0012】
1つの観点においては,本発明は,活性な,選択的なFAP阻害剤,好ましくはDPIV阻害を有しないものを提供することを目的とする。好ましくは,化合物は,容易に合成しうるものである。より好ましくは,これらは経口的に利用可能である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の開示
1つの観点においては,本発明は,請求項1記載の化合物に関する。
【0014】
"アルキル"との用語は,飽和炭化水素残基を表し,例えば,10個までの原子の直鎖状基(C−C10)を含み,そのようなアルキル基の例としては,限定されないが,C−メチル,C−エチル,C−プロピルおよびC−n−ブチルが挙げられる。この用語は3−10個の原子の分枝鎖(C−C10)を含み,そのようなアルキル基の例としては,限定されないが,C−イソ−プロピル,C−sec−ブチル,C−イソ−ブチル,C−tert−ブチルおよびC−ネオペンチルが挙げられる。この用語は,3−8個の原子の環状基(C−C)を含み,そのような基の例としては,限定されないが,C−シクロプロピル,C−シクロブチル,C−シクロペンチルおよびC−シクロヘキシルが挙げられる。この用語は,直鎖,分枝鎖または環状基の組み合わせを含み,そのような基の例としては,限定されないが,以下のものが挙げられる。
【0015】
【化4】

【0016】
"アルケニル"との用語は,一価不飽和炭化水素残基,例えば,2−6個の原子の直鎖状基(C−C)を含み,そのようなアルケニル基の例としては,限定されないが,C−ビニル,C−1−プロペニル,C−アリルおよびC−2−ブテニルが挙げられる。この用語は,3−8個の原子の分枝鎖の基(C−C)を含み,そのようなアルケニル基の例としては,限定されないが,C−2−メチル−2−プロペニルおよびC−2,3−ジメチル−2−ブテニルが挙げられる。この用語は,3−8個の原子の環状基(C−C)を含み,そのような基の例としては,限定されないが,C−3−シクロペンテニルおよびC−1−シクロヘキセニルが挙げられる。
【0017】
"アリール"との用語は,任意に置換されていてもよいフェニルおよび任意に置換されていてもよいナフチルを含む。そのようなアリール基の例としては,限定されないが,フェニル,2−トリル,3−クロロフェニル,4−クロロフェニル,3−フルオロフェニル,2−メトキシフェニル,3−メトキシフェニル,4−メトキシフェニル,2,5−ジフルオロフェニル,1−ナフチルおよび2−ナフチルが挙げられる。
【0018】
"ヘテロアリール"との用語は,任意に置換されていてもよい複素環を含む。そのようなヘテロアリール基としては,限定されないが,ピリジル,2−クロロピリジル,4−メチルピリジル,チエニル,3−クロロチエニル,2,3−ジメチルチオフェニル,フリルおよび2−メチルフリルが挙げられる。
【0019】
本発明のさらに別の観点は特許請求の範囲に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
1つの観点においては,本発明の化合物はFAPの阻害剤である。1つの観点においては,本発明の化合物は,癌および/または肝硬変の治療に有用である。本発明の1つの観点においては,少なくとも1つのFAP阻害剤を少なくとも1つの既知の抗癌剤とともに投与することが想定される。そのような抗癌剤としては,WO2004045593のクレーム12に記載される化合物が挙げられる。
【0021】
1つの観点においては,本発明は,請求項25に示される特に好ましい化合物に関する。特に好ましい化合物は,高い活性を有するFAPの阻害剤である。
【0022】
1つの観点においては,本発明はさらに,本発明にしたがう化合物が組み込まれている,FAP阻害剤として用いられる医薬組成物に関する。これらの組成物は,癌および肝硬変などの適応症の治療に特に有用である。
【0023】
1つの観点においては,本発明は,癌,肝硬変,悪性および良性腫瘍,異所性組織成長,創傷治癒,臓器線維症,肝硬変,転移,血液細胞疾患,貧血,および化学療法誘発性好中球減少症から選択される状態を治療するための医薬品の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0024】
本発明にしたがう化合物は,いくつかの疾病,疾患または状態の治療に有用である。本明細書において用いる場合,"治療”との用語は,疾病,疾患または状態を治癒させるかまたは緩和するための治療,および疾病,疾患または状態の発達を呼ぼうするための治療の両方に関連する。治療は急性的に行っても慢性的に行ってもよい。治療すべきヒトまたは動物,すなわち患者は,本発明にしたがう治療を必要とする任意のヒトまたは非ヒト哺乳動物でありうる。
【0025】
"治療上有効量"との用語は,所望の治療効果につながるであろう量に関連する。治療上有効量は,すべての適切な因子を考慮して担当医師により決定されるであろう。一般に,1回投与量は,0.1mg−1000mg,好ましくは1mg−250mgの本発明にしたがう活性化合物を含む。この投与量は,1回に投与されても繰り返し投与されてもよい。繰り返し投与される場合一定の間隔で,例えば,1日に1回,2回または3回投与されてもよく,治療している状態にしたがって必要に応じて投与されてもよい。
【0026】
1つの観点においては,本発明は,本発明の化合物を活性成分として含む医薬組成物に関する。処方物の意図される性質,すなわち,意図される投与経路により,任意の賦形剤を用いることができる。投与は,経口,経粘膜(例えば,舌下,口腔,鼻腔内,膣および直腸),経皮または注射(例えば,皮下,筋肉内および静脈内)で行うことができる。経口投与が一般に好ましい。経口投与用には,処方物は錠剤,カプセルまたはサシェ錠であることができる。
【0027】
本発明の観点にしたがう医薬組成物は,当該技術分野において知られる任意の形態とすることができる。例えば,処方物は,錠剤,カプセル,粉剤,座剤,クリーム,溶液または懸濁液,またはより複雑な形態,例えば,接着パッチとして提供することができる。処方物は,一般に,1またはそれ以上の賦形剤,例えば,希釈剤,増量剤,結合剤,分散剤,溶媒,保存剤,香味料等を含む。
【0028】
本発明にしたがう医薬組成物は,任意に,少なくとも1つのさらに別の添加物,例えば,崩壊剤,結合剤,潤滑剤,香味料,保存剤,冷却剤およびこれらの混合物を含んでいてもよい。代表的な例は,“Handbook of Pharmaceutical Excipients”;Ed.A.H.Kibbe,3rdEd.,American Pharmaceutical Association,USA and Pharmaceutical Press UK,2000に見いだされる。
【0029】
本発明の化合物は,当該技術分野において一般に知られる方法により製造することができ,以下の非限定的例において説明する。
【0030】
一般式1にしたがう化合物は,慣用の合成法を用いて製造することができる。
【化5】

【0031】
第1工程においては(スキーム1),窒素含有複素環(5)を,標準的なペプチドカップリング条件を用いて,標準的な保護基,例えば,tert−ブチルオキシカルボニル(BOC),ベンジルオキシカルボニル(Z)または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)で適切にアミノ保護されたアルファアミノ酸(6)とカップリングさせる。そのような基の使用は当該技術分野においてよく知られている。R1が反応性官能基,例えばアミンまたはカルボン酸を有する場合,この基も保護する。官能基の保護の原理は当該技術分野においてよく知られており,例えば,J.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,1973;T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,3rdedition,John Wiley,1999;およびP.J.Kocienski,“Protecting groups”,Georg Thieme Verlag,1994に記載されている。
【0032】
スキーム1
【化6】

【0033】
第2工程においては,7のA基がカルバモイル基である場合,標準的な脱水条件,例えば,ピリジンまたはDMF中の無水トリフルオロ酢酸,またはオキシ塩化リンを用いて,これを脱水して対応するニトリルとする(スキーム2)。標準的な方法を用いて脱保護し,次に塩基の存在下で塩酸またはイソシアネートと反応させることにより,本発明の化合物を得る。あるいは,そのような化合物は,脱保護した化合物から,標準的なカップリング条件を用いてアミンをカルボン酸とカップリングさせるか,またはCDIまたはホスゲンまたはジホスゲンの存在下でアミンを別のアミンと反応させることにより,製造することができる。
【0034】
スキーム2
【化7】

【0035】
あるいは,第2工程において,中間体7を標準的な方法を用いて脱保護し,塩基の存在下で塩酸またはイソシアネートと反応させることができる(スキーム3)。あるいは,そのような化合物は,脱保護した化合物から,標準的なカップリング条件を用いてアミンをカルボン酸とカップリングさせるか,またはCDIまたはホスゲンまたはジホスゲンの存在下でアミンを別のアミンと反応させることにより,製造することができる。
【0036】
スキーム3
【化8】

【0037】
8のA基がカルバモイル基である場合,標準的な脱水条件,例えば,ピリジンまたはDMF中の無水トリフルオロ酢酸,オキシ塩化リンを用いて,これを脱水してニトリルとして,本発明の化合物を得る(スキーム4)。
【0038】
スキーム4
【化9】

【0039】
8のAがヒドロキシメチル基である場合,酸化剤,例えば,デスマーチンペルヨージナンを用いてこれを酸化してアルデヒド9として,本発明の化合物を得る(スキーム5)。
【0040】
スキーム5
【化10】

【0041】
アルデヒド9はさらに処理して,ケトンとすることができる(スキーム6)。これは,アルデヒドをグリニヤール試薬などの有機金属試薬またはリチオ化芳香族化合物および複素芳香族化合物と反応させ,次に得られたアルコールをデスマーチンペルヨージナン等の酸化剤を用いて酸化して,本発明の化合物を得ることを含む。
【0042】
スキーム6
【化11】

【0043】
ケトンへの別の経路は,標準的な保護基,例えばtert−ブチルオキシカルボニル(BOC),ベンジルオキシカルボニル(Z)または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)で適切にアミノ保護された窒素含有複素環−2−カルボキシアルデヒドから出発する。このような基の使用は当該技術分野においてよく知られている。第1工程においては,アルデヒドをグリニヤール試薬などの有機金属試薬またはリチオ化芳香族化合物および複素芳香族化合物と反応させる(スキーム7)。標準的な方法により保護基を除去して,化合物10を得る。
【0044】
スキーム7
【化12】

【0045】
標準的な保護基で適切にカルボキシル保護されたアルファアミノ酸を塩基の存在下で塩酸またはイソシアネートと反応させる(スキーム8)。あるいは,そのような化合物は,脱保護した化合物から,標準的なカップリング条件を用いてアミンをカルボン酸とカップリングさせることにより,またはCDIまたはホスゲンまたはジホスゲンの存在下でアミンをさらに別のアミンと反応させることにより,製造することができる。カルボン酸は,エステルとして,例えばメチル,ベンジルまたはtert−ブチルで保護する。そのような基の使用は当該技術分野においてよく知られている。R1が反応性官能基,例えばアミンまたはカルボン酸を有する場合には,この基も保護する。標準的な方法論を用いて脱保護した後,得られた酸を標準的なカップリング方法論を用いてアミン10とカップリングさせる。次に得られたアルコールを酸化剤,例えばデスマーチンペルヨージナンを用いて酸化することにより,本発明の化合物を得る。
【0046】
スキーム8
【化13】

【0047】
8のA基がボロン酸である場合,これは文献に記載される保護基,例えばペナンジオールエステルにより,エステルとして保護する。この保護基を,文献に記載の方法により,例えばメタ過ヨウ素酸ナトリウム/酢酸アンモニウムまたはフェニルボロン酸により除去して,本発明の化合物を得る(スキーム9)。
【0048】
スキーム9
【化14】

【0049】
アルファアミノ酸6のR3基が水素でない場合には,必要なアミノ酸は,カルボキシル保護アミノ酸から,アルデヒドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのいずれかまたは類似の試薬を用いて遊離アミノ基を還元的アミノ化することにより製造する(スキーム10)。その後,標準的な方法を用いてアミノ官能基を保護し,カルボキシル官能基を脱保護して,必要なアミノ酸を得る。カルボン酸は,例えばメチル,ベンジルまたはtert−ブチルによりエステルとして保護する。アミンは,標準的な保護基,例えば,tert−ブチルオキシカルボニル(BOC),ベンジルオキシカルボニル(Z)または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)により保護する。そのような基の使用は当該技術分野においてよく知られている。R1が反応性官能基,例えば,アミンまたはカルボン酸を有する場合には,この基も保護する。
【0050】
スキーム10
【化15】

【0051】
窒素含有複素環誘導体は,既知の化合物であるか,または公表されている合成経路を簡単に改変することにより製造することができる。
【0052】
以下の非限定的実施例により一般的方法をさらに説明する。これらの実施例は,どのようにして本発明を実施することができるかの限定であると解釈すべきではない。
【0053】
QがCNである例は,実施例E1−E24,E34−E61および表1−23に示される。QがB(OH)である例は,実施例E29−E30に示される。QがC(=O)Xである例は実施例E31−E33およびE62−E66に示される。QがHである例は,実施例E25−E28および表24−25に示される。
【0054】
すべての引用文献は参照として組み込まれる。
【実施例】
【0055】
本発明の化合物は,ジペプチド−AFC基質を用いる蛍光アッセイを用いてプロテアーゼ(FAP,DPIV,DP8およびDP9)阻害活性について試験した。例えば,DPIV阻害活性は,H−Ala−Pro−AFCを基質として用い,WO9515309に記載される方法を用いて測定した。特に好ましい化合物は,FAPに対するIC50が<1μMであり,DPIV,DP8およびDP9に対するIC50が>1μMである競合阻害剤であった。
【0056】
以下の略号を用いた:
Bu:ブチル
Ch:シクロヘキシル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
h:時間
Hex:ヘキシル
HBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
iBu:イソブチル
iPr:イソプロピル
min:分間
MS:質量スペクトル
NMR:核磁気共鳴スペクトル−特に記載しない限り,NMRスペクトルは周波数270MHzで記録した。
Oic:オクタヒドロインドール−2−カルボキシル
Pet:沸点60−80℃の石油エーテル画分
Pic:ピペコリニル
Pr:プロピル
PyBOP(登録商標):ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジンo−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
PyBroP(登録商標):ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
THF:テトラヒドロフラン
Tic:1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシル
【0057】
実施例E1
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(4.2g,18.2mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,L−プロリンアミド(2.5g,21.7mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(4.9g,36.2mmol)および水溶性カルボジイミド(4.4g,22.0mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に入れた。溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(4.8g,14.58mmol,80%)。
【0058】
B.(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボキサミド(4.8g,14.58mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(2.8g,28mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(6.8g,32.4mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈した。溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(3.4g,11.0mmol,75%)。
【0059】
C.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル(1.51g,4.88mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(980mg,9.8mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(920mg,5.4mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.53g,4.46mmol,91%)。
【0060】
実施例E2
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル(3.28g,10.2mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(2.5g,25mmol)を加え,次にエチルイソシアネート(810mg,11.4mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣を石油エーテルおよび酢酸エチルから再結晶させて,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(2.58g,9.21mmol,87%)。
【0061】
実施例E3
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−アミノ−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩(50mg,0.2mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(50mg,0.5mmol)を加え,次に3−アニソイルクロリド(38mg,0.22mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(59mg,0.17mmol,86%)。
【0062】
実施例E4
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−アミノ−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩(50mg,0.2mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(50mg,0.5mmol)を加え,次に4−アニソイルクロリド(38mg,0.22mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(46mg,0.13mmol,67%)。
【0063】
実施例E5
(2S)−1−((2’S)−2’−(ピバロイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−アミノ−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩(50mg,0.2mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(50mg,0.5mmol)を加え,次に塩化ピバロイル(24mg,0.20mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(37mg,0.13mmol,63%)。
【0064】
実施例E6
(2S)−1−((2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−1−((2’S)−1’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−プロリン(5.0g,23.26mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,L−プロリンアミド(2.9g,25.2mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(6.3g,46.7mmol)および水溶性カルボジイミド(5.6g,28.0mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:9%メタノール,91%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(5.36g,17.2mmol,74%)。
【0065】
B.(2S)−1−((2’S)−1’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(5.26g,16.4mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(3.3g,33mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(7.8g,37.1mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(3.9g,13.3mmol,79%)。
【0066】
C.(2S)−1−((2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2’−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル(3.8g,12.9mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(2.7,27mmol)を加え,次に3−アニソイルクロリド(2.51g,14.7mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(3.6g,11.6mmol,85%)。
【0067】
実施例E7
(2S)−1−((2’S)−1’−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル(1.43g,4.88mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(980mg,9.8mmol)を加え,次にイソプロピルイソシアネート(515mg,6.65mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.29g,4.65mmol,95%)。
【0068】
実施例E8
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’,3’−ジメチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−アミノ−3’,3’−ジメチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩(150mg,0.61mmol;Jenkins et al.,WO9515309にしたがって製造)をCHCl(40ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(120mg,1.2mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(120mg,0.7mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(172mg,0.5mmol,82%)。
【0069】
実施例E9
(2S)−1−((2’S)−1’−(3−クロロベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
A.Fmoc−Pro−Sieber樹脂の合成
Fmoc−シーバー樹脂(1g,0.6mmol/g置換)をCHClで10分間膨潤させた。樹脂をさらにDMFで3回洗浄した。DMF中の20%ピペリジンで30分間処理してFmoc基を除去した。さらにDMF(3x2min),CHCl(3x2min),およびDMF(1x1min)で繰り返し洗浄した。次に,DMF(10ml)中のFmoc−L−プロリン(1.5mmol,樹脂負荷量に対して2.5当量),PyBop(登録商標)(1.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.0mmol)を樹脂に加えた。樹脂を室温で60分間振盪した。少量の樹脂サンプルをKaiser試験に供して,反応の完了を調べた。樹脂を濾過し,DMF(3x2min),CHCl(2x2min),MeOH(2x2min),CHCl(2x2min)およびMeOH(3x2min)で洗浄した。
【0070】
B.Fmoc−Pro−Pro−シーバー樹脂の合成
工程Aからの樹脂をCHCl(1x10min)で膨潤させ,次にDMFで3回洗浄した。DMF中の20%ピペリジンで30分間処理してFmoc基を除去した。さらに,樹脂を,DMF(3x2min),CHCl(3x2min)およびDMF(1x1min)で洗浄した。次に,DMF(10ml)中のFmoc−L−プロリン(1.5mmol,最初の樹脂負荷量に対して2.5当量),PyBop(登録商標)(1.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3mmol)を樹脂に加えた。樹脂を室温で60分間振盪した。少量のサンプル樹脂をイサチン試験に供して,反応の完了を調べた。樹脂を濾過し,DMF(3x2min),CHCl(2x2min),MeOH(2x2min),CHCl(2x2min)およびMeOH(3x2min)で洗浄した。
【0071】
C.3−クロロベンゾイル−Pro−Pro−シーバー樹脂の合成
工程Bからの樹脂をCHCl(1x10min)で膨潤させた。樹脂をさらにDMFで3回洗浄した。DMF中の20%ピペリジンで30分間処理してFmoc基を除去した。さらに,樹脂を,DMF(3x2min)およびCHCl(3x2min)で洗浄した。次に,CHCl(10ml)中の塩化3−クロロベンゾイル(1.5mmol,元の樹脂負荷量に対して2.5当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3mmol)を樹脂に加えた。樹脂を室温で18時間振盪した。少量のサンプルをイサチン試験に供して,反応の完了を調べた。樹脂を濾過し,CHCl(3x2min),MeOH(2x2min),CHCl(2x2min),およびMeOH(2x2min)で洗浄した。
【0072】
D.(2S)−1−((2’S)−1’−(3−クロロベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
工程Cからの樹脂をCHCl(12ml)で膨潤させた。次に無水トリフルオロ酢酸(3mmol,最初の樹脂に対して5当量)およびピリジン(6mmol)を樹脂に加えた。樹脂を室温で18時間振盪した。樹脂を濾過し,CHClで洗浄した。溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,水,1MNaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させ,残渣をアセトニトリル/水から凍結乾燥して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(150mg,0.45mmol)。
【0073】
実施例E10
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
A.Boc−Leu−Pro−シーバー樹脂の合成
実施例E9の工程Aについて記載したように合成した2gの樹脂をCHCl(1x10min)で膨潤させ,次にDMFで3回洗浄した。DMF中の20%ピペリジンで30分間処理して,Fmoc基を除去した。さらに,樹脂を,DMF(3x2min),CHCl(3x2min)およびDMF(1x1min)で洗浄した。次に,DMF(20ml)中のBoc−L−ロイシン(3mmol,最初の樹脂負荷量に対して2.5当量),PyBop(登録商標)(3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(6mmol)を樹脂に加えた。樹脂を室温で60分間振盪した。少量のサンプル樹脂をイサチン試験に供して,反応の完了を調べた。樹脂を濾過し,DMF(3x2min),CHCl(2x2min),MeOH(2x2min),CHCl(2x2min)およびMeOH(3x2min)で洗浄した。
【0074】
B.(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
工程Cからの樹脂をCHCl(6ml)で膨潤させた。次に,無水トリフルオロ酢酸(6mmol,最初の樹脂量に対して5当量)および12mmolのピリジンを樹脂に加えた。樹脂を室温で18時間振盪した。樹脂を濾過し,CHClで洗浄した。溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,水,1MNaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で除去し,残渣をアセトニトリル/水から凍結乾燥して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(220mg,0.72mmol,60%)。
【0075】
C.(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル(50mg,0.16mmol)をトリフルオロ酢酸(5ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(5ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(32mg,0.32mmol)を加え,次に3−アニソイルクロリド(30mg,0.176mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(35mg,0.10mmol,64%)。
【0076】
実施例E11
(2S)−1−((2’S)−2’−(2’’−フェニルエチルチオカルバモイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−アミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩(75mg,0.3mmol)をCHCl(20ml)に溶解した。この溶液に,トリエチルアミン(100mg,1.0mmol)を加え,次に2−フェニルエチルイソチオシアネート(50mg,0.31mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(86mg,0.23mmol,76%)。
【0077】
実施例E12
(2S)−1−((2’S)−1’−(プロピルチオカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル(160mg,0.55mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(20ml)に溶解した。トリエチルアミン(150mg,1.5mmol)を加え,次にn−プロピルイソチオシアネート(55mg,0.5mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(55mg,0.19mmol,34%)。
【0078】
実施例E13
(2S)−1−(2’−(N−(2−メトキシベンゾイル)−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル
A.Nα−(2−メチルプロピル)グリシンメチルエステル
グリシンメチルエステル塩酸塩(2.0g,16.0mmol)をMeOH/AcOH(9:1,25ml)に溶解した。トリエチルアミン(1.8g,18.0mmol)を加え,次に2−ブタノン(1.3g,18.0mmol)を加えた。室温で2時間後,トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.81g,18.0mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をクロロホルム(200ml)に入れた。この溶液を飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(646mg,4.46mmol,28%)。
【0079】
B.Nα−(tert−ブチルオキシカルボニル)−Nα−(2−メチルプロピル)グリシンメチルエステル
N)−(2−メチルプロピル)グリシンメチルエステル(646mg,4.45mmol)をCHCl(25ml)に溶解した。トリエチルアミン(560mg,5.6mmol)を加え,次にジ−tertブチルジカーボネート(1.07g,4.90mmol)を加えた。室温で18時間後,N,N−ジメチルエチレンジアミン(1ml)を加えた。溶媒を真空下で除去し,残渣をクロロホルム(100ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,琥珀色油状物を得,これは標題化合物と同定された(960mg,3.92mmol,88%)。
【0080】
C.Nα−(tert−ブチルオキシカルボニル)−Nα−(2−メチルプロピル)グリシン
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−Nα−(2−メチルプロピル)グリシンメチルエステル(960mg,3.91mmol)をTHF/HO(9:1,25ml)に溶解した。水酸化リチウム一水和物(492mg,11.7mmol)を加えた。室温で18時間後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈した。この溶液を1MHCl,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(360mg,1.56mmol,40%)。
【0081】
D.(2S)−1−(2’−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−Nα−(2−メチルプロピル)グリシン(360mg,1.56mmol)をCHCl/DMF(9:1,20ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,L−プロリンアミド塩酸塩(282mg,1.87mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(295mg,2.18mmol)および水溶性カルボジイミド(358mg,1.87mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(100ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,94%クロロホルム,2%トリエチルアミン)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(330mg,1.01mmol,65%)。
【0082】
E.(2S)−1−(2’−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−(2’−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド(330mg,1.01mmol)を乾燥THF(20ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(210mg,2.1mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(460g,2.2mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(156mg,0.50mmol,50%)。
【0083】
F.(2S)−1−(2’−(N−(2−メトキシベンゾイル)−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−(2’−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル(25mg,0.081mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(30mg,0.3mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(15mg,0.088mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(18mg,0.052mmol,66%)。
【0084】
実施例E14
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−5’−アミノ−ペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
実施例E10について記載される方法により製造した(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−5’−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルカルボニルアミノ)ペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル(200mg,0.35mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し,ジエチルアミン(10ml)を加えた。室温で90分後,溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1%トリエチルアミン,5%メタノール,94%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(99mg,0.28mmol,80%)。
【0085】
実施例E15
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−6’−アミノ−ヘキサノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル
実施例E10について記載される方法により製造した(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−6’−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルカルボニルアミノ)ヘキサノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル(176mg,0.3mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し,ジエチルアミン(10ml)を加えた。室温で90分後,溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1%トリエチルアミン,5%メタノール,94%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,標題化合物と同定された(78mg,0.22mmol,73%)。
【0086】
実施例E16
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル
A.(4R)−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド
(4R)−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(12.5g,54.1mmol)をCHCl/DMF(9:1,150ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(14.6g,108mmol)および水溶性カルボジイミド(13.0g,65mmol)を加えた。0℃で1時間後,アンモニア(35%,50ml)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(500ml)中に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)で精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(8.9g,38.4mmol,71%)。
【0087】
B.(4R)−チアゾリジン−4−カルボキサミド塩酸塩
(4R)−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド(8.6g,37.1mmol)を4MHCl/ジオキサン(50ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で蒸発させて,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(6.2g,36.8mmol,99%)。
【0088】
C.(4R)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−チアゾリジン−4−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(1.37g,5.9mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,(4R)−チアゾリジン−4−カルボキサミド塩酸塩(1g,5.9mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(920mg,6.8mmol)および水溶性カルボジイミド(1.4g,7.0mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.65g,4.8mmol,82%)。
【0089】
D.(4R)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル
((4R)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボキサミド(1.3g,3.76mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(750mg,7.5mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(1.7g,8.1mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:80%石油エーテル,20%酢酸エチル)により精製して,黄色油状物を得,これは標題化合物と同定された(321mg,0.98mmol,26%)。
【0090】
E.(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル
(4R)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル(50mg,0.15mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(40mg,0.4mmol)を加え,次に3−アニソイルクロリド(26mg,0.15mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(20mg,0.055mmol,37%)。
【0091】
実施例E17
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
A.メチル−(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリド−4−オン−2−カルボキシレート
N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−4−trans−ヒドロキシプロリンメチルエステル(2.5g,10.2mmol)をCHCl(70ml)に溶解した。デスマーチンペルヨージナン(5.0g,12.1mmol)を加えた。室温で3時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(300ml)に入れた。この溶液を飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:10%酢酸エチル,90%石油エーテル ℃)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(2.4g,9.7mmol,95%)。
【0092】
B.メチル(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキシレート
メチル(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン−4−オン−2−カルボキシレート(2.3g,9.3mmol)をCHCl(70ml)に溶解した。三フッ化(ジエチルアミノ)イオウ(4.5g,27.9mmol)をこの溶液に0℃で加えた。0℃から室温で18時間後,反応混合物を飽和NaHCO(100ml)に注意深く注加し,15分間撹拌し,CHClで抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:10%酢酸エチル,90%石油エーテル ℃)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(2.4g,8.9mmol,96%)。
【0093】
C.(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボン酸
メチル(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキシレート(2.2g,8.3mmol)をTHF(100ml)に溶解した。水酸化リチウム水溶液(1M,10.6ml,10.6mmol)を加えた。室温で3時間後,反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し,1MHCl,水,およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:95%クロロホルム,4%メタノール,1%酢酸)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(2.1g,8.3mmol,100%)。
【0094】
D.(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボン酸(1.0g,4.0mmol)をCHCl/DMF(9:1,50ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.1g,8.1mmol)および水溶性カルボジイミド(960mg,4.8mmol)を加えた。0℃で1時間後,アンモニア(35%,5ml)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:85%酢酸エチル,15%石油エーテル ℃)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(945mg,3.8mmol,95%)。
【0095】
E.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド(530mg,2.12mmol)を4MHCl/ジオキサン(30ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl/DMF(9:1,20ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,Nα−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−バリン(461mg,2.12mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(401mg,2.97mmol)および水溶性カルボジイミド(487mg,2.54mmol)を加えた。0℃で15分後,N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHをpH8に調節した。0℃から室温で18時間後,反応混合物をCHCl(70ml)で希釈した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:97%クロロホルム,2%メタノール,1%トリエチルアミン)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(430mg,1.23mmol,58%)。
【0096】
F.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド(430mg,1.23mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(246mg,2.46mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(520mg,2.46mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:80%石油エーテル,20%酢酸エチル)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(323mg,0.98mmol,79%)。
【0097】
G.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル(31mg,0.09mmol)をトリフルオロ酢酸(10ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(20ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(30mg,0.3mmol)を加え,2−アニソイルクロリド(18mg,0.11mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:80%石油エーテル,20%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(14mg,0.04mmol,43%)。
【0098】
実施例E18
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル(30mg,0.091mmol)をトリフルオロ酢酸(10ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(30mg,0.3mmol)を加え,次にエチルイソシアネート(8mg,0.1mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1%メタノール,99%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(18mg,0.060mmol,66%)。
【0099】
実施例E19
(2S)−1−((2’S)−1’−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−1−((2’S)−1’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド(1.16g,4.65mmol)を4MHCl/ジオキサン(30ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl/DMF(9:1,20ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,Nα−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−プロリン(1.0g,4.65mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(880mg,6.65mmol)および水溶性カルボジイミド(1.07g,5.35mmol)を加えた。0℃で15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,反応混合物をクロロホルム(70ml)で希釈した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブライン,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:97%クロロホルム,2%メタノール,1%トリエチルアミン)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(698mg,2.01mmol,43%)。
【0100】
B.(2S)−1−((2’S)−1’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド(698mg,2.01mmol)を乾燥THF(50ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(200mg,2.0mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(844mg,4.02mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:80%石油エーテル,20%酢酸エチル)により精製して,灰白色の生成物を得,これは標題化合物と同定された(232mg,0.708mmol,35%)。
【0101】
C.(2S)−1−((2’S)−1’−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−1’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル(30mg,0.09mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(30mg,0.3mmol)を加え,次にエチルイソシアネート(0.8mg,0.01mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(25mg,0.083mmol,92%)。
【0102】
実施例E20
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボン酸(2.0g,9.38mmol)をCHCl/DMF(9:1,50ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.77g,13.1mmol)および水溶性カルボジイミド(2.16g,11.26mmol)を加えた。0℃で1時間後,アンモニア(35%,7ml)を加えた。0℃から室温で18時間後,反応混合物をクロロホルム(150ml)で希釈した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(1.58g,7.4mmol,79%)。
【0103】
B.(2S)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド(1.58g,7.44mmol)を4MHCl/ジオキサン(50ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で蒸発させて,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(830mg,5.58mmol,75%)。
【0104】
C.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(645mg,2.79mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,(2S)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(415mg,2.79mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(528mg,3.91mmol)および水溶性カルボジイミド(642mg,3.35mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,反応混合物をクロロホルム(100ml)で希釈した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,琥珀色固体を得,これは標題化合物と同定された(648mg,1.98mmol,71%)。
【0105】
D.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボキサミド(648mg,1.99mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(398mg,3.98mmol)を加え,無水トリフルオロ酢酸(836mg,3.98mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%酢酸エチル)により精製して,淡黄色固体を得,これは標題化合物と同定された(408mg,1.33mmol,67%)。
【0106】
E.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル(15mg,0.05mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,ジイソプロピルエチルアミン(15mg,0.15mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(9mg,0.059mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(12mg,0.035mmol,71%)。
【0107】
実施例E21
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペコリン酸(3.0g,13.0mmol)をCHCl/DMF(9:1,150ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(2.0g,14.8mmol)および水溶性カルボジイミド(2.74g,13.7mmol)を加えた。0℃で1時間後,アンモニア(35%,25ml)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(500ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(1.7g,7.4mmol,57%)。
【0108】
B.(2S)−ピペリジン−2−カルボキサミド塩酸
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボキサミド(1.7g,7.4mmol)を4MHCl/ジオキサン(50ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で蒸発させて,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(1.1g,6.7mmol,89%)。
【0109】
C.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(772mg,3.3mmol)をCHCl(50ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,(2S)−ピペリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(550mg,3.3mmol)およびPyBop(登録商標)(1.74g,3.5mmol)を加え,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)により精製して,黄色油状物を得,これは標題化合物と同定された(654mg,1.9mmol,58%)。
【0110】
D.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボキサミド(654mg,1.9mmol)を乾燥THF(50ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(400g,4.0mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(880mg,4.2mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(300g,0.93mmol,49%)。
【0111】
E.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボニトリル(50mg,0.15mmol)をトリフルオロ酢酸(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(43mg,0.43mmol)を加え,2−アニソイルクロリド(30mg,0.18mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(20mg,0.056mmol,38%)。
【0112】
実施例E22
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボニトリル
A.(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)アゼチジン−2−カルボキサミド
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−アゼチジン−2−カルボン酸(3.87g19.23mmol)をCHCl/DMF(9:1,150ml)に溶解した。この溶液に,0℃で,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.64g,26.92mmol)および水溶性カルボジイミド(4.42g,23.08mmol)を加えた。0℃で1時間後,アンモニア(35%,15ml)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(500ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:2%メタノール,98%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.14g,5.77mmol,30%)。
【0113】
B.(2S)−アゼチジン−2−カルボキサミド塩酸塩
(2S)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)アゼチジン−2−カルボキサミド(1.14g,5.69mmol)を4MHCl/ジオキサン(50ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で蒸発させて,白色固体を得,これは標題化合物と同定された(775mg,5.63mmol,99%)。
【0114】
C.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボキサミド
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(657mg,2.84mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,(2S)−アゼチジン−2−カルボキサミド塩酸塩(388mg,2.84mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(538mg,3.98mmol)および水溶性カルボジイミド(654mg,3.41mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,反応混合物をクロロホルム(200ml)で希釈した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール,96%クロロホルム)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(620mg,1.99mmol,70%)。
【0115】
D.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボキサミド(620mg,1.98mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(390mg,3.9mmol)を加え,次に無水トリフルオロ酢酸(832mg,3.96mmol)をゆっくり加えた。トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。30分後,反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(354mg,1.2mmol,61%)。
【0116】
E.(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボニトリル
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボニトリル(50mg,0.168mmol)をトリフルオロ酢酸(10ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,ジイソプロピルエチルアミン(50mg,0.50mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(28mg,0.185mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:50%石油エーテル,50%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(10mg,0.03mmol,18%)。
【0117】
実施例E23
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル−S−オキシド
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル(70mg,0.2mmol)をCHCl(20ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,3−クロロペルオキシ安息香酸(33mg,0.19mmol)を加えた。0℃で30分後,溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(14mg,0.037mmol,19%)。
【0118】
実施例E24
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル−S,S−ジオキシド
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル(70mg,0.2mmol)をCHCl(20ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,3−クロロペルオキシ安息香酸(170mg,1.0mmol)を加えた。室温で18時間後,反応混合物をクロロホルム(70ml)で希釈した。この溶液を飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,橙色油状物を得,これは標題化合物と同定された(18mg,0.045mmol,23%)。
【0119】
実施例E25
1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン
A.(2S)−2−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3−メチルペンタン酸tertブチルエステル
L−イソロイシンtertブチルエステル塩酸塩(500mg,2.23mmol)をCHCl(10ml)に溶解した。トリエチルアミン(600g,6.0mmol)および2−アニソイルクロリド(456mg,2.68mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(100ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(341mg,1.06mmol,48%)。
【0120】
B.(2S)−2−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3−メチルペンタン酸
(2S)−2−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3−メチルペンタン酸tertブチルエステル(341mg,1.06mmol)をトリフルオロ酢酸/CHCl(1:1,10ml)に溶解した。室温で2時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1%酢酸,2%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(242mg,0.91mmol,86%)。
【0121】
C.1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3−メチルペンタン酸(25mg,0.94mmol)をCHCl/DMF(9:1,10ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,ピロリジン(8mg,0.113mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(18mg,0.132mmol)および水溶性カルボジイミド(22mg,0.132mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,琥珀色油状物を得,これは標題化合物と同定された(10mg,0.031mmol,33%)。
【0122】
実施例E26
1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,3−ジフルオロピロリジド
(2S)−2−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3−メチルペンタン酸(25mg,0.94mmol)をCHCl/DMF(9:1,10ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(16mg,0.113mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(18mg,0.132mmol)および水溶性カルボジイミド(22mg,0.132mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:50%石油エーテル,50%酢酸エチル)により精製して,琥珀色油状物を得,これは標題化合物と同定された(10mg,0.028mmol,30%)。
【0123】
実施例E27
1−(2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−3−チアゾリジド
A.(2S)−1−(3−メトキシベンゾイルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル
L−プロリンベンジルエステル塩酸塩(500mg,2.073mmol)をCHCl(10ml)に溶解した。トリエチルアミン(600mg,6.0mmol)および3−アニソイルクロリド(422mg,2.48mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(100ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(654mg,1.93mmol,93%)。
【0124】
B.(2S)−1−(3−メトキシベンゾイルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
(2S)−1−(3−メトキシベンゾイルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル(654mg,1.93mmol)をTHF/HO(9:1,10ml)に溶解した。水酸化リチウム一水和物(243mg,5.79mmol)を加えた。室温で18時間後,反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈した。この溶液を1MKHSO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(470mg,1.89mmol,98%)。
【0125】
C.1−((2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−3−チアゾリジド
(2S)−1−(3−メトキシベンゾイルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(61mg,0.245mmol)をCHCl/DMF(9:1,10ml)に溶解した。この溶液に,チアゾリジン(8mg,0.113mmol),PyBrop(登録商標)(126mg,0.271mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(73.5mg,0.735mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,琥珀色油状物を得,これは標題化合物と同定された(27mg,0.084mmol,34%)。
【0126】
実施例E28
1−((2’S)−1’−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジド
A.(2S)−1−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル
L−プロリンベンジルエステル塩酸塩(500mg,2.073mmol)をCHCl(10ml)に溶解した。トリエチルアミン(600mg,6.0mmol)およびイソプロピルイソシアネート(210mg,2.48mmol)を加えた。室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(100ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(528mg,1.82mmol,88%)。
【0127】
B.(2S)−1−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2−カルボン酸
(2S)−1−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル(528mg,1.82mmol)をTHF/HO(9:1,10ml)に溶解した。水酸化リチウム一水和物(229mg,5.46mmol)を加えた。室温で18時間後,反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈した。この溶液を1MKHSO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(148mg,0.74mmol,41%)。
【0128】
C.1−((2’S)−1’−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジド
1−((2S)−1−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2−カルボン酸(25mg,0.125mmol)をCHCl(10ml)に溶解した。この溶液に,ピロリジン(7mg,0.138mmol),HBTU(52mg,0.138mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(32.3mg,0.323mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に入れた。溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1%トリエチルアミン,2%メタノール,97%クロロホルム)により精製して,琥珀色油状物を得,これは標題化合物と同定された(11mg,0.043mmol,35%)。
【0129】
実施例E29
(2R)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸
A.(2R)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル
(2R)−1−((2’S)−2’−(1,1−ジメチルエトキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル(WO0310127に記載されるようにして合成)(70mg,0.16mmol)を4MHCl/ジオキシン(30ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(25ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(36mg,0.36mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(30mg,0.18mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:60%石油エーテル,40%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(65mg,0.13mmol,83%)。
【0130】
B.(2R)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸
(2R)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル(70mg,0.16mmol)をアセトン(10ml)に溶解した。ヨウ化ナトリウム(106mg,0.71mmol)および0.1M酢酸アンモニウム(5ml)を加えた。室温で18時間後,アセトンを真空下で除去し,2M水酸化ナトリウム(10ml)を残渣に加え,これをCHClで洗浄した。水性層を1MHClで酸性にしてpH7とし,クロロホルム(3x50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で除去して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(28mg,0.08mmol,66%)。
【0131】
実施例E30
(2R)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸
A.(2R)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル
(2R)−1−((2’S)−2’−(1,1−ジメチルエトキシカルボニルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル(WO0310127に記載されるようにして合成)(70mg,0.16mmol)を4MHCl/ジオキシン(30ml)に溶解した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(25ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(36mg,0.36mmol)を加え,次にエチルイソシアネート(15mg,0.21mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:10%石油エーテル,90%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(48mg,0.11mmol,73%)。
【0132】
B.(2R)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸
(2R)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロネート−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル(43mg,0.10mmol)をアセトン(10ml)に溶解した。ヨウ化ナトリウム(87mg,0.40mmol)および0.1M酢酸アンモニウム(5ml)を加えた。室温で18時間後,アセトンを真空下で除去し,2M水酸化ナトリウム(10ml)を残渣に加え,これをCHClで洗浄した。水性層を1MHClで酸性にしてpH7とし,クロロホルム(3x50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させて,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(9mg,0.032mmol,20%)。
【0133】
実施例E31
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
A.(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−2−ヒドロキシメチルピロリジン
α−(tert−ブチルオキシカルボニル)−L−イソロイシン(5.0g,21.6mmol)をCHCl/DMF(9:1,100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,(S)−(+)−2−ピロリジンメタノール(2.5g,24.7mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(5.9g,43.7mmol)および水溶性カルボジイミド(5.2g,26.0mmol)を加え,15分後,トリエチルアミンでpHをpH9に調節した。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(300ml)に入れた。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:30%石油エーテル,70%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(6.8g,21.6mmol,100%)。
【0134】
B.(2S)−2−ヒドロキシメチル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−1−((2’S)−2’−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−2−ヒドロキシメチルピロリジン(2.0g,6.36mmol)を4MHCl/ジオキサン(50ml)で処理した。室温で1時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣をCHCl(100ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し,トリエチルアミン(1.4g,14mmol)を加え,次に2−アニソイルクロリド(1.2g,7.04mmol)を加えた。0℃から室温で18時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。この溶液を0.3MKHSO,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:10%石油エーテル,90%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.53g,4.46mmol,91%)。
【0135】
C.(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−ヒドロキシメチル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド(1.3g,3.73mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。デスマーチンペルヨージナン(2.0g,4.8mmol)を加えた。室温で3時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解し,飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:30%石油エーテル,70%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(1.05g,3.0mmol,80%)。
【0136】
実施例E32
(2S)−2−アセチル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
A.(2S)−2−(1−(1R,S)−ヒドロキシエチル)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド(100mg,0.28mmol)を乾燥THF(30ml)に溶解した。臭化メチルマグネシウム(1.4M溶液,THF/トルエン中,4:1,0.3ml,0.42mmol)をこの溶液に0℃で加えた。0℃から室温で4時間後,0.3MKHSO(20ml)を加え,反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:40%石油エーテル,60%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(36mg,0.099mmol,35%)。
【0137】
B.(2S)−2−アセチル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−(1−(1R,S)−ヒドロキシエチル)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド(32mg,0.088mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。デスマーチンペルヨージナン(42mg,0.099mmol)を加えた。室温で3時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(12mg,0.033mmol,38%)。
【0138】
実施例E33
(2S)−2−プロピオニル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
A.(2S)−2−(1−(1R,S)−ヒドロキシプロピル)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド(150mg,0.28mmol)を乾燥THF(30ml)に溶解した。臭化エチルマグネシウム(1M溶液,THF中,0.56ml,0.56mmol)をこの溶液に0℃で加えた。0℃から室温で18時間後,0.3MKHSO,(20ml)を加え,反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:30%石油エーテル,70%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(62mg,0.16mmol,38%)。
【0139】
B.(2S)−2−プロピオニル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド
(2S)−2−(1−(1R,S)−ヒドロキシプロピル)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド(52mg,0.138mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。デスマーチンペルヨージナン(70mg,0.17mmol)を加えた。室温で3時間後,溶媒を真空下で除去し,残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解した。この溶液を飽和NaHCO,水およびブラインで洗浄し,乾燥し(NaSO),真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%石油エーテル,80%酢酸エチル)により精製して,無色油状物を得,これは標題化合物と同定された(24mg,0.064mmol,47%)。
【0140】
実施例E34−E66
実施例E34−E61は,実施例E1,E2およびE10に記載された方法にしたがって合成し,実施例E62−E66は,実施例E31に記載された方法にしたがって合成した。
【0141】
【表1】

【0142】
【表2】

【0143】
【表3】

【0144】
【表4】

【0145】
【表5】

【0146】
【表6】

【0147】
【表7】

【0148】
【表8】

【0149】
【表9】

【0150】
【表10】

【0151】
【表11】

【0152】
【表12】

【0153】
【表13】

【0154】
【表14】

【0155】
実施例E1−E66についての1HNMRデータは以下のとおりである。
【表15】

【0156】
【表16】

【0157】
【表17】

【0158】
【表18】

【0159】
【表19】

【0160】
実施例
【表20】

【0161】
【表21】

【0162】
【表22】

【0163】
【表23】

【0164】
【表24】

【0165】
【表25】

【0166】
【表26】

【0167】
【表27】

【0168】
【表28】

【0169】
【表29】

【0170】
【表30】

【0171】
【表31】

【0172】
【表32】

【0173】
【表33】

【0174】
【表34】

【0175】
【表35】

【0176】
【表36】

【0177】
【表37】

【0178】
【表38】

【0179】
【表39】

【0180】
【表40】

【0181】
【表41】

【0182】
【表42】

【0183】
【表43】

【0184】
【表44】

【0185】
【表45】

【0186】
【表46】

【0187】
【表47】

【0188】
【表48】

【0189】
【表49】

【0190】
【表50】

【0191】
【表51】

【0192】
【表52】

【0193】
【表53】

【0194】
【表54】

【0195】
【表55】

【0196】
【表56】

【0197】
【表57】

【0198】
【表58】

【0199】
【表59】

【0200】
【表60】

【0201】
【表61】

【0202】
【表62】

【0203】
【表63】

【0204】
【表64】

【0205】
【表65】

【0206】
【表66】

【0207】
【表67】

【0208】
【表68】

【0209】
【表69】

【0210】
【表70】

【0211】
【表71】

【0212】
【表72】

【0213】
【表73】

【0214】
【表74】

【0215】
【表75】

【0216】
【表76】

【0217】
【表77】

【0218】
【表78】

【0219】
【表79】

【0220】
【表80】

【0221】
【表81】

【0222】
【表82】

【0223】
【表83】

【0224】
【表84】

【0225】
【表85】

【0226】
【表86】

【0227】
【表87】

【0228】
【表88】

【0229】
【表89】

【0230】
【表90】

【0231】
【表91】

【0232】
【表92】

【0233】
【表93】

【0234】
【表94】

【0235】
【表95】

【0236】
【表96】

【0237】
【表97】

【0238】
【表98】

【0239】
【表99】

【0240】
【表100】

【0241】
【表101】

【0242】
【表102】

【0243】
【表103】

【0244】
【表104】

【0245】
【表105】

【0246】
【表106】

【0247】
【表107】

【0248】
【表108】

【0249】
【表109】

【0250】
【表110】

【0251】
【表111】

【0252】
【表112】

【0253】
【表113】

【0254】
【表114】

【0255】
【表115】

【0256】
【表116】

【0257】
【表117】

【0258】
【表118】

【0259】
【表119】

【0260】
【表120】

【0261】
【表121】

【0262】
【表122】

【0263】
【表123】

【0264】
【表124】

【0265】
【表125】

【0266】
【表126】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式1:
【化1】

[式中,
Xは,CH,S,CF,CHF,S(O),SO,CHCHおよび共有結合から選択され,およびYはCHであり;またはXおよびYは,一緒になってCH=CHであり;
Qは,CN,H,B(OH)およびCOXから選択され;
は,H,アルキル,アルケニル,フルオロアルキル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキル,ヘテロアリール(C−C)アルキル,CHNRおよびCHORから選択され;
Zは,OおよびSから選択され;Zが酸素であるとき,Rは,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキル,ヘテロアリール(C−C)アルキル,アリールO(C−C)アルキル,アリール(C−C)アルキルO(C−C)アルキル,NR,(C−C)アルキルCONRおよび(C−C)アルキルCOから選択され,およびZがイオウであるとき,RはNRであり;
は,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキル,ヘテロアリール(C−C)アルキル,(CHNHW,(CHCOW,(CHOW,CH(Me)OW,(CH−C−W,C(Me)S(CHNHWおよび(CHSWから選択され;
は,Hおよび(C−C)アルキルから選択され;
は,H,アルキル,アリール(C−C)アルキルおよび−(CHNH−CN−Wから選択され;または
およびRは,一緒になって−(CH−であり;または
およびRは,一緒になって−(CH−であり;または
およびRは,一緒になって,一般式2または一般式3:
【化2】

の基を形成し;
およびRは,独立して,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキルおよびヘテロアリール(C−C)アルキルから選択され;またはRおよびRは,一緒になって−(CH−であり;
は,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキル,およびヘテロアリール(C−C)アルキルから選択され;
は,H,COW,COおよびSOから選択され;
は,OH,NH,OWおよびNRから選択され;
は,HおよびWから選択され;
は,HおよびWから選択され;
は,H,OH,およびOMeから選択され;
は,アルキル,ベンジル,アリールおよびヘテロアリールから選択され;
は,H,F,Cl,NOおよびCNから選択され;
aは,2,3,4および5から選択され;
bは,1,2,3および4から選択され;
cは,1および2から選択され;
dは,1および2から選択され;
eは,1,2および3から選択され;
fおよびgは,独立して,0,1,2および3から選択され,ここで,fおよびgの合計は1,2および3から選択され;
hは,1および2から選択され;
mは,2,3,4,5,6および7から選択され;
nは,2,3および4から選択され;
pは,3および4から選択され;および
qは,3,4,5および6から選択される]
にしたがう化合物,またはその互変異性体または立体異性体である化合物,またはこれらの薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
以下の但し書きの少なくとも1つ:
Q=CNであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびRおよびRは一緒になって(CH)p(p=3)であるとき,Rは(CHCONR,(CHCONR,CHCH(CH)CHCONR,およびCONR(RおよびRは一緒になって任意に置換されていてもよい4−,5−または6−員のC環を形成する)で置換されたアリールから選択されてはならない;
Q=CNであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;R=イソブチルでありおよびR=Hであるとき,RおよびC=Zは,一緒になってL−アルファ−アミノ酸アラニンおよびアルギニンであるものから選択されてはならない;
Q=CNであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびR=−(CHNHW(a=3または4であり,W=(CO)CHまたは(CO)OCHPhである),R=Hであるとき,Rは,メチルおよびフェニルから選択されてはならない;
Q=B(OH)であり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびR=−(CHNHW(a=4であり,W=(CO)CHである),R=Hであるとき,Rはメチルであってはならない;
Q=CHOであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびR=(CHPhであり,R=Hであるとき,Rは,(C−C)アルキルおよびフェニル(C)アルキルから選択されてはならない;
Q=CHOであり;Z=Oであり;XおよびY=CH2であり;R=Hであり,Rは,Rと一緒になって,−(CH−(p=3)であるとき,Rはフェニル(C−C)アルキルであってはならない;
Q=CHOであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;R=ベンジルでありおよびR=Hであるとき,Rは3−(PhO)Phであってはならない;
Q=CHOであり;Z=Oであり;X=Sであり,Y=CHであり;R=Hであり;および,R=iBuでありかつR=Hであるか,またはRはRと一緒になって−(CH−(p=3)であるとき,Rは(CHフェニルであってはならない;
Q=CHOであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;RはRと一緒になって−(CH−(p=3)であるとき,Rは(CHPhであってはならない;
Q=CHOまたはC(=O)CHOHであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびRおよびRは一緒になって(CH(p=3)であるとき,Rは,CONR(RおよびRは一緒になって任意に置換されていてもよい5員のC環を形成する)で置換されたアリールから選択されてはならない;および
Q=Hであり;Z=Oであり;X=SでありおよびY=CHであり;RはRと一緒になって−(CH−(p=3)であるとき,RはCHCHRCHアリール(Rは(C−C)アルキル)であってはならない,
が適用される,請求項1記載の化合物。
【請求項3】
以下の但し書きの少なくとも1つ:
Q=CNであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびR=Hであるとき,RおよびC=Zは,一緒になって天然のL−アルファ−アミノ酸であるものから選択されてはならない;
Q=B(OH)であり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;およびR=Hであるとき,RおよびC=Zは,一緒になって天然のL−アルファ−アミノ酸であるものから選択されてはならない;および
Q=CHOであり;Z=Oであり;XおよびY=CHであり;R=Hであり;R=ベンジル,iPrおよびiBuであり,R=Hであるか,またはRはRと一緒になって−(CH−(p=3)であるとき,Rは(CHOアリールであってはならない,
が適用される,請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
以下の但し書きの少なくとも1つ:
RおよびC=Zは,一緒になって天然のL−アルファ−アミノ酸であるものから選択されてはならない;
Rは,(CHPhおよびCHCHRCHアリールから選択されてはならない;および
Rは,(CHCONR,(CHCONR,CHCH(CH)CHCONR,およびCONR(RおよびRは,一緒になって,任意に置換されていてもよい4−,5−または6−員のC環を形成する)で置換されているアリールから選択されてはならない,
が適用される,請求項1−3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
請求項2,3または4のすべての但し書きが適用される,請求項1−4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
はHである,請求項1−5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
はHではなく,RとRとの間の立体中心はS−コンフィギュレーションを有する,請求項1−6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
XはCHである,請求項1−7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
YはCHである,請求項1−8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Zは酸素である,請求項1−9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
は,Hまたはアルキルである,請求項1−10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
は,H,アルキル,アリール,またはアリール(C−C)アルキルである,請求項1−11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
およびRは,一緒になって,−(CH−(式中,pは3または4である)である,請求項1−12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
およびRは,一緒になって,一般式3においてfが0であり,gが1でありおよびhが2であるものに相当する一般式4:
【化3】

にしたがう基を形成する,請求項1−13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
QはCNである,請求項1−14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
YはCHであり,Xは,S,CH,CF2,CHCHおよびCHFから選択される,請求項15記載の化合物。
【請求項17】
XおよびYは,−CH=CH−および共有結合から選択される,請求項15記載の化合物。
【請求項18】
QはB(OH)である,請求項1−14のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
QはC(=O)Xである,請求項1−14のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
は,H,アルキル,フルオロアルキル,アリール,アリール(C−C)アルキル,ヘテロアリール,およびヘテロアリール(C−C)アルキルから選択される,請求項19記載の化合物。
【請求項21】
はCHNRから選択され;ここで,RおよびRは,独立して,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキルおよびヘテロアリール(C−C)アルキルから選択されるか,またはRおよびRは一緒になって−(CH−である,請求項19記載の化合物。
【請求項22】
はCHORから選択され,ここで,Rは,H,アルキル,アルケニル,アリール,ヘテロアリール,アリール(C−C)アルキル,およびヘテロアリール(C−C)アルキルから選択される,請求項19記載の化合物。
【請求項23】
QはHである,請求項1−14のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
Xは,CH,S,CF,CHFから選択される,請求項23記載の化合物。
【請求項25】
以下の化合物:
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(ピバロイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’,3’−ジメチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−(3−クロロベンゾイル)−ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2’’−フェニルエチルチオカルバモイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−(プロピルチオカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−(2’−(N−(2−メトキシベンゾイル)−N−(2−メチルプロピル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−5’−アミノ−ペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−6’−アミノ−ヘキサノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−(エチルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピペリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)アゼチジン−2−カルボニトリル;
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル−S−オキシド;
(4R)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)チアゾリジン−4−カルボニトリル−S,S−ジオキシド;
1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン;
1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,3−ジフルオロピロリジド;
1−(2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)−3−チアゾリジド;
1−((2’S)−1’−(イソプロピルカルバモイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジド;
(2R)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸;
(2R)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−ボロン酸;
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド;
(2S)−2−アセチル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド;
(2S)−2−プロピオニル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジド;
(2S)−1−(2’−(1−ナフトイルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−メチルベンゾイル)オクタヒドロインドール−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−2’−シクロヘキシルアセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−1’−ベンゾイルピペリジン−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(ピバロイルアミノ)−3’−フェニルプロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(N−シクロヘキサノイル−N−メチルアミノ)−3’−フェニルプロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−(メチルオキシカルボニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−クロロベンゾイルアミノ)−4’−(ベンジルオキシカルボニル)ブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−5’−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−6’−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(ベンゾイルアミノ)−3’−ベンジルオキシプロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(シクロヘキサノイルアミノ)−2’−フェニルアセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−4’−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(N−シクロヘキサノイル−N−メチルアミノ)−プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−5’−N−(アセチルアミノ)−3’,3’−ジメチル−4’−チオペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(N−(2−メトキシベンゾイル)−N−メチルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−(2’−(N−ベンジル−N−(2−メトキシベンゾイル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−(2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−2’−メチルプロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(イソプロピルカルバモイルアミノ)プロパノイル)−ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイル)オクタヒドロインドール−2’−カルボニル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(N−エチルカルバモイル−N−メチルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(ベンジルカルバモイルアミノ)−3’,3’−ジメチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(イソプロピルカルバモイルアミノ)−3’−フェニルプロパノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(シクロヘキシルカルバモイルアミノ)−4’−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−1−((2’S)−2’−(エチルカルバモイルアミノ)−3’−メチルペンタノイル)−3,4−デヒドロピロリジン−2−カルボニトリル;
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−メチルブタノイル)ピロリジン;
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−1’−(3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2’−カルボニル)ピロリジン;
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−1’−(エチルカルバモイル)オクタヒドロインドール−2’−カルボニル)ピロリジン;
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイル)−オクタヒドロインドール−2’−カルボニル)ピロリジン;および
(2S)−2−ホルミル−1−((2’S)−2’−(2−メトキシベンゾイルアミノ)−3’−フェニルプロパノイル)ピロリジン
から選択される,請求項1−24のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
医薬品として使用するための,請求項1−25のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
請求項1−26のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項28】
経口投与用に,好ましくは錠剤,カプセルまたはサシェ錠として製剤されている,請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
癌または肝硬変を治療するための,請求項27または28記載の医薬組成物。
【請求項30】
組織またはマトリクスのリモデリングが生ずる状態を治療するための,請求項27,28または29記載の医薬組成物。
【請求項31】
悪性および良性腫瘍,異所性組織成長,創傷治癒または臓器線維症または肝硬変を治療するための,請求項30記載の医薬組成物。
【請求項32】
転移を阻害するための,請求項27,28または29記載の医薬組成物。
【請求項33】
血液細胞疾患,好ましくは貧血および化学療法誘発性好中球減少症を治療するための,請求項27または28記載の医薬組成物。
【請求項34】
癌または肝硬変を治療するための医薬品の製造における,請求項1−25のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項35】
組織およびマトリクスのリモデリングが生ずる状態を治療するための医薬品の製造における,請求項1−25のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項36】
悪性および良性腫瘍,異所性組織成長,創傷治癒,および臓器線維症および肝硬変から選択される状態を治療するための医薬品の製造における,請求項35記載の化合物の使用。
【請求項37】
転移を阻害するための医薬品の製造における,請求項1−25のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項38】
血液細胞疾患,好ましくは貧血および化学療法誘発性好中球減少症を治療するための医薬品の製造における,請求項1−25のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項39】
癌または肝硬変を治療する方法であって,そのような治療を必要とするヒトに有効量の請求項1−25のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項40】
組織およびマトリクスのリモデリングが生ずる状態を治療する方法であって,そのような治療を必要とするヒトに有効量の請求項1−25のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項41】
悪性および良性腫瘍,異所性組織成長,創傷治癒,および臓器線維症および肝硬変から選択される状態を治療するための,請求項40記載の方法。
【請求項42】
転移を阻害する方法であって,そのような治療を必要とするヒトに有効量の請求項1−25のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項43】
血液細胞疾患,好ましくは貧血および化学療法誘発性好中球減少症を治療する方法であって,そのような治療を必要とするヒトに有効量の請求項1−25のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。


【公表番号】特表2009−507011(P2009−507011A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528601(P2008−528601)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003512
【国際公開番号】WO2007/085895
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(500297535)フェリング ベスローテン フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】