説明

FGF23融合ポリペプチドを使用する方法および組成物

本明細書は、加齢関連状態または代謝障害の予防または処置するための方法、キットおよび組成物に関する。本明細書の融合ポリペプチドは、FGF23またはその活性なフラグメントを含む。1つの態様において、融合ポリペプチドは、(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む。クロトー融合タンパク質は、種々の加齢関連状態および代謝障害の処置および予防において有用である。別の態様において、融合ポリペプチドは、FGF(例えば、FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および修飾されたFcフラグメントまたはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含む。融合ポリペプチドの種々の態様において、FGF23は、凝集およびプロテアーゼ介在開裂を減少させる変異を有する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトー(Klotho)タンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチド。
【請求項2】
(a)のポリペプチドが、(b)のポリペプチドのN−末端に作動可能に連結している、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項3】
(b)のポリペプチドが、(a)のポリペプチドのN−末端に作動可能に連結している、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項4】
(a)のポリペプチドおよび(b)のポリペプチドが、ポリペプチドリンカーにより連結している、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項5】
ポリペプチドリンカーが、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17および配列番号:18からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の融合ポリペプチド。
【請求項6】
ポリペプチドリンカーが、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17および配列番号:18からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも1、最大約30の繰り返しを含む、請求項4に記載の融合ポリペプチド。
【請求項7】
(a)のポリペプチドが、該ポリペプチドリンカーのN−末端にペプチド結合により連結しており、(b)のポリペプチドが、該ポリペプチドリンカーのC−末端にペプチド結合により連結している、請求項4に記載の融合ポリペプチド。
【請求項8】
(a)のポリペプチドが、該ポリペプチドリンカーのC−末端にペプチド結合により連結しており、(b)のポリペプチドが、該ポリペプチドリンカーのN−末端にペプチド結合により連結している、請求項4に記載の融合ポリペプチド。
【請求項9】
クロトータンパク質の細胞外サブドメインが、KL−D1ドメインまたはKL−D2ドメインである、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項10】
(a)のポリペプチドが、クロトータンパク質の少なくとも2つの細胞外サブドメインを含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項11】
クロトータンパク質の少なくとも2つの細胞外サブドメインが、タンデムリピートにおける少なくとも2つのKL−D1ドメインである、請求項10に記載の融合ポリペプチド。
【請求項12】
クロトータンパク質の少なくとも2つの細胞外サブドメインが、タンデムリピートにおける少なくとも2つのKL−D2ドメインである、請求項10に記載の融合ポリペプチド。
【請求項13】
クロトータンパク質の少なくとも2つの細胞外サブドメインが、KL−D1ドメインおよびKL−D2ドメインを含む、請求項10に記載の融合ポリペプチド。
【請求項14】
(a)のポリペプチドが、クロトータンパク質の細胞外ドメインである、請求項1に記載の融合ポリペプチド
【請求項15】
シグナルペプチドをさらに含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項16】
シグナルペプチドがクロトーシグナルペプチドである、請求項15に記載の融合ポリペプチド。
【請求項17】
シグナルペプチドがIgGシグナルペプチドである、請求項15に記載の融合ポリペプチド。
【請求項18】
線維芽細胞増殖因子受容体に特異的に結合する、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項19】
クロトータンパク質がアルファ−クロトーである、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
クロトータンパク質がベータ−クロトーである、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項21】
線維芽細胞増殖因子が、線維芽細胞増殖因子−23(FGF23)または線維芽細胞増殖因子−23変異体(R179Q)である、請求項19に記載の融合ポリペプチド。
【請求項22】
線維芽細胞増殖因子が、線維芽細胞増殖因子−19または線維芽細胞増殖因子−21である、請求項20に記載の融合ポリペプチド。
【請求項23】
配列番号:54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67または68のアミノ酸配列と95%以上同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項24】
配列番号:58または配列番号:68のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項25】
FcLALAを含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項26】
請求項1に記載の融合ポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項1に記載の融合ポリペプチドをコードする配列を含む核酸。
【請求項28】
請求項27に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項29】
請求項27に記載の核酸を含むベクター。
【請求項30】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチドを含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、個体における加齢関連状態を処置または予防するための方法。
【請求項31】
加齢関連状態が、サルコペニア、皮膚萎縮、筋肉疲労、脳萎縮、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、肺気腫、骨粗鬆症、骨関節症、免疫不全、高血圧、認知症、ハンチントン病、アルツハイマー病、白内障、加齢黄斑変性症、前立腺癌、卒中、期待寿命の低下(diminished life expectancy)、記憶障害、しわ、腎機能障害および加齢性難聴からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
クロトータンパク質がアルファクロトータンパク質である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
加齢関連状態が筋肉疲労であり、クロトータンパク質がアルファクロトータンパク質であり、線維芽細胞増殖因子が線維芽細胞増殖因子23である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチドを含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、個体における代謝障害を処置または予防するための方法。
【請求項35】
代謝障害が、II型糖尿病、メタボリック・シンドローム、高血糖および肥満からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
融合ポリペプチドが、(a)ベータ−クロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチド、および(b)線維芽細胞増殖因子21を含むポリペプチドを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチドを含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、個体における高リン血症または石灰沈着症を処置または予防するための方法。
【請求項38】
融合ポリペプチドが、(a)アルファクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチド、および(b)線維芽細胞増殖因子23を含むポリペプチドを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチドを含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、個体における慢性腎臓疾患または慢性腎不全を処置または予防するための方法。
【請求項40】
クロトータンパク質がアルファクロトータンパク質である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、融合ポリペプチドを含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、個体における癌を処置または予防するための方法。
【請求項42】
癌が乳癌である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
クロトータンパク質がアルファクロトータンパク質である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
クロトータンパク質がヒトクロトータンパク質である、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項45】
筋萎縮の処置または予防における使用のための、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
【請求項46】
配列番号:47または配列番号:49の可溶性クロトー融合タンパク質を含む治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む(本質的にからなる、またはからなる)、筋萎縮を処置または予防する方法。
【請求項47】
(a)線維芽細胞増殖因子23(FGF23)またはその機能的に活性な変異体もしくは誘導体を含むポリペプチドであって、FGF23が、Q156、C206およびC244の1つ以上の位置で変異を有するポリペプチド、および(b)減少したFc−ガンマ−受容体に対する親和性および/もしくは増加した血清半減期を有する修飾されたFcフラグメント、またはクロトータンパク質の少なくとも1つの細胞外サブドメインを含むポリペプチドのいずれか、またはそれらの機能的に活性な変異体もしくは誘導体、および、所望により(c)リンカーを含む、治療有効用量の医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む(本質的にからなる、またはからなる)、筋萎縮を処置または予防する方法。

【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−517781(P2013−517781A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550437(P2012−550437)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051112
【国際公開番号】WO2011/092234
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】