説明

Gタンパク質共役受容体のリガンド

本発明は、一般式(I)〜(IV)の化合物又はその医薬として許容される塩を提供する。本発明は、当該化合物、当該化合物を含む医薬組成物の製造方法、並びにGタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とする薬剤の製造のための当該化合物の使用も提供する。本発明の化合物は、GPCRを介してシグナル伝達を調節する剤をスクリーニングする際に使用するための化合物ライブラリーを作るために使用され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受容体のGタンパク質共役クラス(GPCR)の構成メンバーに対するアゴニスト、及びアンタゴニストにおいて豊富である化合物のライブラリーの産生に関する。
【背景技術】
【0002】
膜タンパク質のGタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの構成メンバー(7回膜貫通型又は7TM受容体、及び蛇行受容体としても知られる。)は、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、並びに香味及び風味の如きさらに環境中の物質を含む非常に広範な細胞外シグナルに応答する細胞内シグナル伝達を仲介する。当該受容体の細胞外部分(最も一般的には当該受容体タンパク質のN末端)と相互作用するリガンドに応答して、当該受容体は、一時的に活性状態に転換する(この転換は、通常、R+L→RLと示され、ここでRは不活性受容体であり、Rは活性受容体であり、そしてLはリガンドである。)。
【0003】
次いで、当該受容体の活性化構造(又はR)は、Gタンパク質ファミリーの構成メンバーと相互作用し得る。当該Gタンパク質は、グアニンヌクレオチドを結合する細胞内タンパク質の大きなファミリーである。当該活性化された受容体との相互作用に関して(おそらく、「衝突結合」と呼ばれる機構による)、当該Gタンパク質は、結合したグアノシン二リン酸(GDP)をグアノシン三リン酸(GTP)と交換する。このGTP結合形態において、Gタンパク質三量体は分離し、遊離のGαサブユニット及びβγ二量体を産生する。Gαとβγサブユニットの双方は、次いで、さらなるシグナル伝達系に参加し得る。例えば、Gαサブユニットは、アデニル酸シクラーゼ(AC)酵素を活性化し得、そしてアデノシン三リン酸から環状アデノシン一リン酸(cAMP)を産生する。βγサブユニットは、酵素のPI−3−キナーゼファミリーの構成メンバーを活性化し得る。最終的には、これらのシグナルは、収縮から運動性まで細胞行動のほとんど全ての態様の調節、さらなるシグナル伝達の代謝を導き得る。
【0004】
いったん活性化されると、シグナルは、次いで、多くの機構によりゆっくりとなくなる。Gαサブユニットに関連するGTPは、加水分解されGDPに戻り、当該Gαとβγサブユニットの再連結をもたらし、不活性の三量体GDP結合Gタンパク質を形成する。GPCR自体も、細胞内C末端でリン酸化され、Gタンパク質とのさらなる相互作用を妨害する。結局、結合リガンドも解離し得る。
【0005】
この一般的シグナル伝達経路は、哺乳類生理学において重要でユビキタスであり、認可されている薬剤の40%がそれらの分子標的の中にGPCRを有している。同様に、細菌は、宿主の生理機能及び免疫力を崩壊させるために、標的Gタンパク質のシグナル伝達に対して進化している。コレラ菌(コレラの原因となる有機体)は、例えば、Gsと呼ばれる広範に分散されるGタンパク質のGαサブユニットを非可逆的に阻害する、コレラ毒素として知られるタンパク質を作り出す。同様に、百日咳菌(百日咳の原因となる有機体)は、異なるGタンパク質、Giへの似たような影響を有する百日咳毒素として知られるタンパク質を作り出す。
【0006】
GPCRシグナル伝達を調節するだろう薬剤を同定するための1つのアプローチは、組み換え又は精製されたGPCRを含む膜画分に結合するリガンドに干渉する能力について、非常に多くのランダムな化合物ライブラリーをスクリーニングすることである。かかるハイスループットスクリーニングにおいて、様々な方法が、結合の検出を促進するために採用されている。例えば、シンチレーション近接アッセイにおいて、受容体への放射標識されたリガンドの結合は、当該受容体に結合する放射性による閃光する分子に放射性核種を近接させ、核種崩壊につれて、光が放出され、検出され、そして計測され得る。あるいは、当該リガンドは蛍光標識され得、そして、結合は蛍光偏光により検出される(リガンドが受容体に結合し固定されたときの、蛍光標識の遊離の低減された循環度合いに依存する。)。
【0007】
これらの技術は場合によっては成功し、そして、それ以降ヒト薬剤(例えば、片頭痛の治療のために使用される、5HT受容体アンタゴニストであるオンダンセトロン)として開発される導入化合物をもたらすが、製薬業界における集中的スクリーニングにもかかわらず、好適な非ペプチドアゴニスト又はアンタゴニスト化合物がほとんど同定されない、もしあっても僅かである多くのGPCRが残っている。例えば、GPCRのケモカイン受容体ファミリーの特異的非ペプチドアンタゴニストはほとんどなく、アゴニストはない。ケモカインは免疫調節において中心的な役割を演じるので、かかる分子は、炎症部分を伴う広範囲の疾患を治療する際に有用な免疫調節特性を有する非常に価値のある薬剤となることが期待される。
【0008】
2つの因子がランダム・スクリーニング・プログラムの有意義な成功を限定する。第1には、スクリーニングされる非常に大きな化合物スペースであり、様々なライブラリーを産生するための最も有用なハイスループット技術と最も有用な組み合わせ化学のアプローチを有していても、全ての可能な分子構造のうちの僅かな画分のみが調査され得る。第2には、導入化合物が成功裏に同定された時でさえ、中心的活性基はしばしば生体内の使用に適さない、つまり当該導入化合物、及びその類似体は単純に毒性が強すぎるとされ得ることである。
【0009】
(標識されたリガンドの結合を阻害する試験ライブラリーの能力を検出する)かかる「ネガティブ・スクリーニング」のパラダイムを伴う他の主な問題点は、同定された導入化合物の大半が受容体アンタゴニストであることである。導入化合物はアゴニスト活性を有するものがほとんどなく(予想どおり、アゴニスト活性は、受容体に結合し活性化された構造に転換する能力を必要とし、一方、アンタゴニストは、積極的にただそれらの相互作用を妨害するように受容体又はリガンドに結合する能力を必要とするだけである。)、最初のアンタゴニスト類似体の産生がアゴニストへの転換を導くことは、非常に低い成功率で「無計画な」問題である。
【0010】
この問題点を回避するための1つのアプローチは、事前に選択した分子構造のライブラリーを伴うランダム化合物ライブラリーを高比率のGPCR結合化合物を含むように置き換えることだろう。かかるライブラリーは、どちらかを容易に局在し得るだろうから、アゴニスト、及びアンタゴニストの両方とも同様の割合で、理想的には含むだろう。理想的には、当該ライブラリーにおいて使用される基本的分子構造も、非毒素性であろう。
【0011】
実際のライブラリーがこれらの理想的性質を見積もって構築され得るかどうかは、全く明らかではない。もしそれらがそうならば、天然リガンドの優先に関係なく、多くの異なるGPCRと相互作用するだろう推定上の「理想」GPCR基質を必要とするだろう。この理想的な基質の置換を変化することにより、全ての他の物に渡るクラスにおける1つの受容体に対する選択性を与えることが可能となるだろう。
【0012】
ここに、我々は、かかる「理想的」GPCR基質の例示を記載する。この「理想的」基質に基づいて、我々は、様々な異なるGPCRでアゴニスト、及び/又はアンタゴニストを産生するように様々に置換され得る様々な関連骨格を提供する。本発明は、前記置換された化合物のライブラリーの製造、並びに、いずれかの所定の選択性を有するGPCRリガンドを産生するためにスクリーニング過程におけるそれらの適用も提供する。このようにして、知られた一連の特性を有するGPCRリガンド{例えば、ドーパミンD2受容体でアゴニスト活性を有し、同時にセロトニン5HT1a(受容体)でアンタゴニスト活性を有するリガンド}を「ダイアルアップ」することが今や可能である。対照的に、ランダムライブラリーから思いがけなくもかかる混合されたリガンドを同定することは、非常に稀な出来事である。
【0013】
前記ライブラリーの産生の必要条件は、(i)GPCRに結合するために必要な分子モチーフの同定、(ii)GPCR結合を保持するためにこの分子モチーフを組み入れるだけでなく、低い固有の毒性、並びに優れた安定性、薬物動態学、及び/又は薬理学を提供する骨格、(iii)当該骨格の様々な置換を産生するための容易な合成経路である。
【発明の開示】
【0014】
本発明は、以下の式:
【化1】

の理想的な基質に基づき、ここで式中、XはR−CO−又はR−SO−であり、Rは、様々な置換基を示す。点線は、例えば環化による、分子モチーフ内の結合角の制限を示す。
【0015】
提供される骨格は、置換の多様性を産生するために出発材料としてのα−アミノ酸の広範な有用性を使用して設計される(例えば、Unnatural Amino Acids:Tools for Drug Discovery;Sigma−Aldrich ChemFiles VoI 4 No.6を参照のこと。)。各骨格は、2つのα−アミノ酸の組み合わせから合成される。1つは、システイン、ペニシラミン又は3−アミノアラニンから選択され得る。次いで、もう1つのアミノ酸は、必須の多様性を産生するために第1アミノ酸とペアを組む。
【0016】
本発明は、以下の一般式(I):
【化2】

の化合物、及びその塩を提供し、システイン、及び出発材料としての第2アミノ酸を使用する反応の合成品を示し、ここで、式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(例えば、アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数である。
【0017】
あるいは、Zは、例えば、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有するペプチドラジカル(例えば、1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカル)から選択され得る。
【0018】
、及びRは、Zと一緒になって、あるライブラリー要素を他と区別する様々な置換基を示す。
【0019】
化合物、6−アシルアミノ−[1,4]チアゼパン−5−オンのクラスは、「チオフォキシン(Thiofoxin)」として記載される。当該分子の鍵となる構造的特徴は、各々、ラクタムカルボニル基の隣の炭素原子(位置6、α炭素と呼ばれる)に結合するアミノ基を伴う、環系におけるラクタムアミド、及び位置1での硫黄、並びに当該ラクタム環の位置3と2でのR、及びR(可変)である。
【0020】
本発明は、出発材料としてペニシラミン及び第2アミノ酸を使用する反応の合成品を示す、以下の一般式(II):
【化3】

の化合物、及びその塩を提供し、ここで、式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(例えば、アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数である。
【0021】
あるいは、Zは、例えば、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有するペプチドラジカル(例えば、1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカル)から選択され得る。
【0022】
、及びRは、Zと一緒に、1つのライブラリー要素を他のものとを区別する様々な置換基を示す。
【0023】
とRはいずれかの置換基として独立して選択され得、ただしRは−COOH、−COOR’、−COSR’、又は−CONR’R”であることを除く、ここでR’とR”は、独立していずれかの置換基であり、そしてR’とR”のどちらか又は両方がHとなり得る。
【0024】
この化合物、6−アシルアミノ−7,7−ジメチル[1,4]チアゼパン−5−オンのクラスは、「ジメチルチオフォキシン(Dimethylthiofoxin)」として記載される。当該分子の鍵となる構造的特徴は、各々、ラクタムカルボニル基の隣の炭素原子(位置6、α炭素と呼ばれる)に結合するアミノ基を伴う、環系におけるラクタムアミド、及び位置1での硫黄、並びに当該ラクタム環の位置3と2でのR及びR(可変)である。
【0025】
本発明は、出発材料として3−アミノアラニン、及び第2アミノ酸を使用する反応の合成品を示し、以下の一般式(III):
【化4】

の化合物、及びその塩を提供し、ここで、式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(例えば、アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数である。
【0026】
あるいは、Zは、例えば、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有するペプチドラジカル(例えば、1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカル)から選択され得る。
【0027】
、R、及びRは、Zと一緒に、1つのライブラリー要素と他を識別する様々な置換基を示す。
【0028】
この化合物、6−アシルアミノ−[1,4]ジアゼパン−5−オンのクラスは、「アザフォキシン(Azafoxin)」として記載される。当該分子の鍵となる構造的特徴は、各々、ラクタムカルボニル基の隣の炭素原子(位置6、α炭素と呼ばれる)に結合するアミノ基を伴う、環系におけるラクタムアミド、及び位置1での窒素、並びに当該ラクタム環の位置3と2でのR、及びR(可変)である。場合により、さらなる多様性が、位置N1でR(可変)との置換により産生され得る。
【0029】
本発明は、出発材料として3−アミノアラニン、及び第2アミノ酸を使用する反応の択一的合成製品を示し、以下の一般式(IV):
【化5】

の化合物、及びその塩を提供し、ここで、式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(例えば、アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数である。
【0030】
あるいは、Zは、例えば、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有するペプチドラジカル(例えば、1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカル)から選択され得る。
【0031】
、及びRは、Zと一緒に、1つのライブラリーメンバーと他とを区別する様々な置換基を示す。
【0032】
この化合物、6−アシルアミノ−[1,4]ジアゼパン−2,5−ジオンのクラスは、「アミドフォキシン(Amidofoxin)」として記載される。当該分子の鍵となる構造的特徴は、ラクタムカルボニル基の隣の炭素原子(位置6、α炭素と呼ばれる)に結合するアミノ基を伴う、環系におけるラクタムアミド、及び位置1での窒素、当該ラクタム環の位置3でのR(可変)を伴う位置2でのカルボニル基である。場合により、さらなる多様性が、位置N1でR(可変)との置換により産生され得る。
【0033】
これらのチオフォキシン、ジメチルフォキシン、及びアザフォキシンのα炭素は、非対称であり、その結果として、本発明に関する化合物は、2つの可能性のあるエナンチオマー体、すなわちRとS配置を有する。本発明は、2つのエナンチオマー体、及びラセミ「RS」混合物を含むこれらの全ての組み合わせを包含する。簡単に示すことを目的として、構造式中に特別な配置が示されていないときは、当該2つのエナンチオマー体、及びそれらの混合物が示されていると理解すべきである。
【0034】
一般式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の化合物は、全て、環外アミノ基上でN置換される。当該N−置換は、アミド炭素かスルホンアミドのどちらかである。当該アミド炭素のカルボニル又は当該スルホンアミドのスルホニル基に隣接する炭素(「鍵」炭素)は、当該分子の生物活性について重要となり得る。このN−置換の性質は、Yの1つの環又は複数の環が当該「鍵」炭素での結合角を本質的に4面体となるように制限する(すなわちsp3混成結合)ものとなり得る。
【0035】
いずれかの置換基Zは、シクロ基Yの1つの環又は複数の環上のいずれか可能な位置で置換基となり得る。特に、本発明は、「鍵」炭素がシクロ基の両部分であり、それ自体置換される化合物を含むことに留意すべきである。(Z)の定義は、置換基のない本発明の化合物(すなわちZ=水素)、1つの置換基を有する本発明の化合物(すなわち、Zは水素でなく、そしてn=1である。)、及び複数の置換を有する本発明の化合物(すなわち、少なくとも2つのZ基が水素でなく、かつn=2又はそれ超である。)を含む。
【0036】
本発明の化合物のある主な有利点は、様々なライブラリー要素が広範に渡る有用な出発材料から容易に合成され得ることである。チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及びアミドフォキシンの各々は、2つの異なるα−アミノ酸から容易に合成され得る化合物{Z、R(該当する場合)、R(該当する場合)、及びRの位置で多様性を伴う}の様々なクラスを示す。α−アミノ酸は、多様性志向の合成のための理想的な出発材料を示す、というのは、広範に渡るα−アミノ酸(R置換の性質においてのみ異なる)が知られ、商業的に入手可能だからである。チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、及びアザフォキシンの合成について、α−アミノ酸は、(もし必要ならば、R部分の構造を保持するために保護基を使用して)β−アミノアルコールを産生するために容易に還元される。様々なβ−アミノアルコールは、次いで、システインと結合し「チオフォキサミン」を産生し、ペニシラミンと結合し「ジメチルチオフォキサミン」を産生し、又は3−アミノアラニンと結合し「アザフォキサミン」を産生する。次いで、これらのα−アミノラクタムは、慣習的なアミドカップリング反応(必要ならば、R置換基をさらに保護する)により適当なアシル側鎖と結合し、各々チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン又はアザフォキシンを産生する。
【0037】
【化6】

【0038】
対照的に、アミドフォキシンは、α−アミノ酸を(β−アミノアルコールへの第1還元なしで)3−アミノアラニンと反応させることにより産生される。アミドフォキシンは、アミノ酸二量体から産生されるよく研究されているジケトピペラジンの7員環類似体であるが、β−アミノ酸(3−アミノアラニン)とα−アミノ酸の二量体から産生されることに留意すべきである。
【0039】
【化7】

【0040】
得られたチオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及びアミドフォキシンは、有用なα−アミノ酸の初期コレクションとして同じ範囲のR置換基を有する。さらに、α−アミノ酸を産生するための一般合成経路は、本分野においてよく知られており{例えば、R.M.Williams,Synthesis of Optically Active a−Amino Acids(Pergamon,New York)1989を参照のこと}、必要に応じて産生されるように更なる多様性を可能としている。
【0041】
あるいは又はさらに、可変2−置換を伴う直接的に入手可能なエフィドリン(ephidrine)の如きβ−アミノアルコールの使用は、チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、及びアザフォキシンの位置2で可変R4基としてさらなる多様性の導入を可能とする。
【0042】
あるいは又はさらに、優先する3−アミノアラニン部分の還元的アルキル化は、アザフォキシン又はアミドフォキシン(可変R基)における位置N1での多様性の導入を可能とする。
【0043】
本発明の特定の特徴は、合成の簡易な立体制御である。例示される経路は、安くて容易に入手可能なL−システイン、L−ペニシラミン、及びL−3−アミノアラニンを使用し、様々なβ−アミノアルコールと結合する(又はアミドフォキシンの場合、α−アミノ酸と直接的に結合する)。このことは、(S)配置のものである様々な一連のα−アミノラクタムをもたらす。あるいは、D−システイン、D−ペニシラミン、及びD−3−アミノアラニンもまた、容易に入手可能であり、同様の様々なβ−アミノアルコール(又はα−アミノ酸)と結合し(R)配置のα−アミノラクタムを産生し得る。同様に、エナンチオマー的に純粋α−アミノ酸の出発材料を適当に選択し、次いで、立体化学を保持する合成経路(例えば以下に例示される。)を使用することにより、チオフォキサミン、ジメチルチオフォキサミン、アザフォキサミン、及び/又はアミドフォキサミンが容易に合成され、そしてそれ故、R置換基を有する炭素で適当な配置を有するチオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及び/又はアミドフォキシンが容易に合成され得る。例えば、L−アラニンとL−システインと共にチオフォキシン合成を実施することは、(6R)−アミノ−(3S)−メチル−[1,4]チアザパン−5−オンを産生する。
【0044】
対照的に、D−アラニンとL−システインと共に合成を実施することは、(R,R)−6−アミノ−3−メチル−[1,4]チアザパン−5−オンを産生し、L−アラニンとD−システインを使用すると(S,S)−6−アミノ−3−メチル−[1,4]−チアザパン−5−オンを産生し、そして、D−アラニンとD−システインを使用すると(6S)−アミノ−(3R)−メチル−[1,4]チアザパン−5−オンを産生する。あるいは、1つ又は双方の出発物質のラセミ混合物が選択され得、チオフォキサミン、ジメチルチオフォキサミン、アザフォキサミン、及び/又はアミドフォキサミンの混合された立体異性体を産生し、それ故、チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及び/又はアミドフォキシン製造物を産生する。
【0045】
重要なことに、要求に応じて異なる順序の合成反応のステップを実施することが可能である。コンビナトリアル合成を介して様々なライブラリーを産生するとき、当該合成の終わりにできるだけ多くの多様性を産生することが重要である。理想的には、最終ステップは、当該ライブラリー中に最も多くの多様性を導入すべきである。本発明の化合物{可変Z、(アザフォキシン、及びアミドフォキシンについての)R、(チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、及びアザフォキシンについての)R、及びRを有する}の合成におけるいくつかのステップに多様性が導入され得るので、各ステップで同様に多様性を導入すること(例えば、アミドフォキシンライブラリー中に8個の異なるZ基、R基、及びR基を有するので、結果として512個の化合物を産生する)、又はステップの1つでより多くの多様性を導入すること(例えば、アミドフォキシンライブラリー中に2個の異なるZ基とR基であるが128個の異なるR基を有するので、結果として512個の化合物を産生する)が可能である。
【0046】
1つの特定のステップ中により多くの範囲を導入した場合において、合成経路中のできるだけ最後にこのステップを有することが有利である。本明細書中に提供される本発明の1つの有利点は、合成経路は、反応ステップの順番における変化に非常に適していることである。チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及びアミドフォキシンを産生するための合成経路の特別な例は、以下の実施例中に提供される。当該各クラスについて、実施例はどの反応ステップが異なる順番で実施されるかを与える。しかしながら、強調されるべきことは、他の合成経路が選択的に使用され得るように存在し、当該経路は本発明の範囲内にあることである。
【0047】
予想されることは、ライブラリー要素の合成が、本分野において知られた平行合成方法を使用して実施されることである。例えば、当該合成は、多様性の導入を容易にするため、及びライブラリー要素製品の精製又は部分的精製を促進するために、樹脂、及び他の固相支持体を使用して実施され得る。チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン又はアミドフォキシンのライブラリーを産生するための、かかる固相又は他の平行合成手法の適用は、手動か、半自動か、自動かのいずれであっても、本発明の範囲内である。
【0048】
本発明は、活性成分として、一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物、あるいは医薬として許容されるその塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物をも提供する。
【0049】
医薬として許容される塩により意味されるものは、特に、ハイドロクロライド、ハイドロブロマイド、ハイドロヨージド、スルフェイト、ホスフェイト、ジホスフェイト、及びニトレートの如き無機酸、あるいは、アセテート、マレエート、フマレート、タルトレート、スクシネート、シトレート、ラクテート、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、パルモエート(palmoate)、及びステアレートの如き有機酸の添加塩である。水酸化ナトリウム又はカリウムの如き塩基から形成される塩も、それらが使用され得るとき、本発明の範囲内のものである。医薬として許容される塩の他の例として、「Salt selection for basic drugs」,Int.J.Pharm.(1986),33,201−217が参考文献である。
【0050】
当該医薬組成物は、固体形態となり得、例えば、粉末、顆粒、タブレット、ゼラチン、カプセル、リポソーム又は坐薬である。適切な固体支持体は、例えば、カルシウムホスフェイト、マグネシウムステアレート、滑石、糖類、ラクトース、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチル・セルロース・ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及びろうとなり得る。他の適切な医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体は、当業者によく知られている。
【0051】
本発明の医薬組成物は、液体形態でも存在し得、例えば、溶液、乳液、懸濁液又はシロップである。適切な液体支持体は、例えば、水、グリセロール又はグリコールの如き有機溶媒、並びに水中で様々な比率におけるそれらの混合物である。
【0052】
本発明は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とする薬物の製造のための、式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)の化合物、あるいは医薬として許容されるその塩の使用も提供し得る。
【0053】
本発明は、式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)の化合物、組成物、及びその使用を提供し、ここでRラジカルは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、及びアルキルアミノラジカルから選択される同じ又は異なる基で二置換される「鍵」炭素を有する。
【0054】
本発明は、「鍵」炭素がキラルである、化合物、組成物、及び使用を提供する。
【0055】
本発明は、「鍵」炭素が、sp3混成結合を有する、化合物、組成物、及び使用を提供する。
【0056】
本発明は、「鍵」炭素が、本質的に、4面体型結合角を有する、化合物、組成物、及び使用を提供する。
【0057】
本発明において使用される式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、Yの1つの環又は複数の環が本質的に4面体となる(すなわち、sp3混成結合)ために当該「鍵」炭素で結合角を制限するようになり得る。
【0058】
本発明は、例示された化合物のスルホンアミド類似体、すなわち、それぞれ式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の同等物である、スルホニル−α−アミノラクタム由来のチオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン又はアミドフォキシンも提供する。
【0059】
本発明は、定義のような化合物、組成物、及びその使用を含み、ここで当該化合物は水和又は溶媒和形態である。
【0060】
本明細書中に記載されるアミド、及びスルホンアミド・チオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン、及びアミドフォキシンは、機能的なGPCRアゴニスト、及びアンタゴニストとなる傾向にある。「鍵」炭素、カルボニル又はスルホニル基、α−アミノ基、及びチオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン又はアミドフォキシンの環からなる中心は、GPCRリガンドの例を示す。特にR置換基を有する位置で、この中心の置換基を変えることにより、ランダム化合物ライブラリーをスクリーニングすることよりも著しく容易に、広範囲の所望の特性を有するGPCRアゴニスト、及びアンタゴニストを産生することが可能である。
【0061】
結果として、本発明は、式(I)、(II)、(III)又は(IV)により設計される化合物のクラスの複数のメンバーからなるライブラリーも提供し、当該ライブラリーは、1(又は複数)のGPCRでシグナル伝達を調節することに関して、特定の所望の一連の特性を有する分子を同定するためにスクリーニングされ得る。当該ライブラリーは、次いで、本分野においてよく知られる方法を使用して、当該GPCRでのアンタゴニスト又はアゴニスト活性についてスクリーニングされるだろう。
【0062】
例えば、当該ライブラリーは、組み換え又は精製GPCRを含む膜画分への放射性標識されたGPCRリガンドの結合を阻害する個々のライブラリーメンバーの能力についてスクリーニングされ得る。あるいは、当該ライブラリーは、組み換えGPCRを発現する細胞におけるcAMP製造を刺激する個々のライブラリーメンバーの能力についてスクリーニングされ得る。
【0063】
所望の特性を示す本発明のいずれかのチオフォキシン、ジメチルチオフォキシン、アザフォキシン又はアミドフォキシン化合物は、例えば、本分野においてよく知られる閉環メタセシス合成経路(例えば、Truka,T.M.;Grubbs,R.H.Ace.Chem.Res.2001,34,18)を使用することにより、類似の「カルボフォキシン」(チオフィキシン又はジメチルフォキシンの位置1で硫黄よりはむしろ、アザフォキシン又はアミドフォキシンの位置1で窒素よりはむしろ、炭素基を有する。)の合成のための鋳型として使用され得る。好適な閉環メタセシス経路は、アザフォキシンとアミドフォキシンのどちらが「カルボフォキシン」類似体の合成に使用され得るかについても例示される、ここで位置1でのNは置換される(すなわち、R≠H)、例えば、Del Valle R.R.&Goodman MJ.Org.Chem.2004,69.8946の方法である。かかる「カルボフォキシン」化合物は、有用なGPCRアゴニスト又はアンタゴニストとなることが期待される。
【0064】
本発明は、GPCR活性を調節するように設計された本発明の化合物、組成物又は薬物の治療有効量の患者への投与による、高血圧、アテローム性動脈硬化症、ぜんそく、肥満、神経変性障害、自己免疫疾患又は精神障害からなる群より選択される疾患又は症状の徴候の治療、改善又は予防方法も提供する。
【0065】
定義
用語「約」は、考慮された値周辺の区間をいう。本明細書中に使用されるとき、「約X」は、XマイナスXの10%からXプラスXの10%の区間を意味し、好ましくは、XマイナスXの5%からXプラスXの5%を意味する。
【0066】
本明細書中の記載における数値域の使用は、その範囲内の全ての個々の整数、及び与えられた範囲の最も広い範囲内における上限値と下限値との全ての組み合わせを本発明の範囲内に含むことを明確に目的としている。それ故、例えば、(とりわけ)式Iについて特定される1〜20の炭素原子の範囲は、明確に例示されているか否かにかかわらず、1〜20の全整数、及びより大きな数値とより小さな数値との組み合わせの部分的な範囲を含むことが意図される。
【0067】
本明細書内に使用されるように、用語「comprising」とは、「含む」と「からなる」の両方の意味であるとする。その結果、本発明が「活性成分として化合物を含む医薬組成物」に関する場合、この用語は、他の活性成分が存在し得る組成物と定義される通りの1つの活性成分のみからなる組成物の両方とも覆うことを意図する。
【0068】
本明細書中に使用される用語「ペプチド部分」とは、以下の20個の自然に生ずるタンパク新生のアミノ酸残基を含むことを意図する。
【表1】

【0069】
修飾され、不自然なアミノ酸残基、並びにペプチド模倣薬も、「ペプチド部分」の定義内に含まれると意図される。
【0070】
別段の定義がなければ、本明細書中に使用される全ての技術用語、及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。同様に、本明細書中に記載される全刊行物、特許出願、全特許、及び全ての他の引用例の全内容を、(法的に許される場合)引用により本明細書中に援用する。
【0071】
以下の実施例は、本発明を例証するためのものであり、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0072】
以下の各実施例において、様々な保護基が使用される。所要の保護基の機能的特性は明記されるが(すなわち、あるステップにおいて、異なる反応条件によりどちらかが除去されるように2つの異なる保護基が使用されることが必要とされる、すなわち、直交性の保護基である。)、分子構成は明記されない。本分野においてよく知られるいずれかの好適な保護基は、置換され得る。結果的に、かかる保護基の可変要素を、以下の実施例において、R、R、R、及び/又はRと指定した。当該保護基(それ故、R、R、R、及び/又はR置換基)は、それ自体、本発明の範囲下にある製造物の一部ではない。
【0073】
実施例1:チオフォキシンの合成
チオフォキシンは、システインとβ−アミノアルコール(できる限り、α−アミノ酸の還元由来のもの)とのカップリングの製品である。第1スキーム(下記のスキーム1A)において、R基、次いでR/R基を導入し、そして次いで化合物を環化する。かかる経路は、もしRよりもR/Rでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0074】
【化8】

、次いでR/Rを導入し、環化する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えばJ.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、次いでメシル化、例えばSynthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)ペプチドカップリング試薬で閉環、例えばJ.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと。
【0075】
第1ステップにおいて、R含有アシル(又はスルホンアミド)置換基を、好適なアミドカップリング経路により導入する、ここで当該経路は、いくつかの本分野においてよく知られるものであり、例えばDCCカップリングである。
【0076】
別々に、1又は複数のβ−アミノアルコールを、入手(例えば、エフェドリン)又はα−アミノ酸から合成する。各場合において、(例えば、Boc基の添加により、又は商業的供給者から好適な保護α−アミノ酸を入手することにより)当該アミノ基を保護する。Boc保護アミノ酸を還元によりアミノアルコールに転換し、そして当該Boc保護β−アミノアルコール(購入するか又はアミノ酸の還元により入手されるもののいずれか)を、側鎖へテロ原子(この場合、システインの硫黄)のアルキル化を可能とするための好適な離脱基を提供するように変更する、例えば、アミノ保護β−アミノアルコールをメシル化し得る。還元、及びメシル化のためのいくつかの好適な方法が存在し、本分野においてよく知られている{例えば、Synthesis(1992)1359又はSynthesis(1996)1223}。
【0077】
次のステップにおいて、本分野においてよく知られる(例えば、J Med Chem.(1987)30:1984)いくつかの好適な方法のうちのいずれかを使用して、アシルシステインを硫黄中心でアルキル化する。各β−アミノアルコールを好適なアシルシステインと別々に反応させ、有用なアシルシステインとβ−アミノアルコールの選択に依存して可変R、R、及びRを有する個別ライブラリー要素を産生する。このステップで導入される窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。
【0078】
最終ステップにおいて、S−アルキルアシルシステインを環化する。当該ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させ、チオフォキシン・ライブラリー要素を産生する。似たような方法は、本分野においてよく知られる{例えば、J.Med.Chem(1987)30:1984}。
【0079】
第2スキーム(下記のスキーム1B)において、R/R基を導入し、次いで化合物を環化し、そして最終的にR基を導入する。かかる経路は、もしR/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0080】
【化9】

/Rを導入し、次いで環化し、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、次いでメシル化、例えば、Synthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)ROCO基の選択的除去(ROCO基をそのままにする)、次いで、ペプチドカップリング試薬で閉環、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
iv)ROCO基の除去、そしてその後、活性化RCOH又は活性化RSOHで遊離のアミノ基のアシル化。
【0081】
第1ステップにおいて、システインをα−アミンで選択的に保護し、次いで、SでN−保護β−アミノアルコールとアルキル化する、ここで当該アルコールは、活性化され、炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応に好適な離脱基を形成する。導入された窒素は、この直後、ωアミノ基と呼ばれる(同じようにTetrahedron,1999,55,10155を参照のこと)。
【0082】
このアルキル化に好適な1又は複数のβ−アミノアルコールを、入手(例えば、エフェドリン)又はα−アミノ酸から合成する。各場合において、(例えば、Boc基の添加により、又は商業的供給者から好適な保護α−アミノ酸を入手することにより)当該アミノ基を保護する。Boc保護アミノ酸を還元によりアミノアルコールに転換し、そして当該Boc保護β−アミノアルコール(購入するか又はアミノ酸の還元により入手されるもののいずれか)をメシル化する。還元、及びメシル化のためのいくつかの好適な方法が存在し、本分野においてよく知られている{例えば、Synthesis(1992)1359又はSynthesis(1996)1223を参照のこと}。
【0083】
次のステップにおいて、当該ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる(J.Med.Chem.,1987,30,1984に関する)。
【0084】
最終ステップにおいて、環化の後、α−アミンを選択的に脱保護し、そして必要に応じてアシル化し、本分野においてよく知られる内のいくつかの好適なペプチドカップリング試薬を使用して、Rの位置で多様性を導入する。
【0085】
第3スキーム(下記のスキーム1C)において、R/R基が導入され、次いで、R基が導入され、そして最終的に化合物は環化される。かかる経路は、もしR/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0086】
【化10】

/R、次いでRを導入し、次いで環化する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、次いでメシル化、例えば、Synthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)活性化されたRCOHで遊離アミノ基のアシル化、
iv)ROCO基の選択的除去、次いで、ペプチドカップリング試薬で閉環、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと。
【0087】
この経路は、システインのα−アミンのアシル化が環化に先立って実施されることを除いて、スキーム1Bと類似する(似たようなTetrahedron,1999,55,10155を参照のこと)。
【0088】
これらの3つのスキームは、1又は複数のチオフィキシン要素からなるライブラリーの合成の簡単な性質を例証する。特に、合成が実施可能な状態である間、分子の異なる領域に多くの多様性を導入することを可能とするために様々な状態における反応ステップを実施する能力を示す。
【0089】
多くの関連構造が文献においてすでに知られており、GPCRリガンドとして記載される2つの例を含む。
【化11】

【0090】
化合物(V)は、Bioorg.Med.Chem(1997)5:1411に記載されるヒスタミンH2又はガストリン受容体リガンド(R、及びXの性質に依存する)であり、化合物(VI)は、Bioorg.Med.Chem,(1999)7:1703に記載される神経ペプチドY受容体リガンドである。明らかに構造においてチオフォキシンと関連するけれども、N4の位置で置換基が存在するので、化合物はチオフォキシンでもなく、本発明の範囲内でもない。しかしながら、これらの化合物の存在は、チオフォキシンからなる又は豊富であるライブラリーに見られがちである高密度のGPCRリガンドを明確に示す。
【0091】
実施例2:ジメチルチオフォキシンの合成
ジメチルチオフォキシンは、ペニシラミンがシステインの代わりに使用されていることを除いて、チオフォキシンの類似体である。次いで、ジメチルチオフォキシンは、ペニシラミンとβ−アミノアルコール(できる限り、α−アミノ酸の還元由来のもの)とのカップリングの製品である。第1スキーム(下記のスキーム2A)において、R基、次いでR/R基を導入し、そして次いで化合物を環化する。かかる経路は、もしRよりもR/Rでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0092】
【化12】

、次いでR/Rを導入し、環化する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えばJ.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、次いでメシル化、例えばSynthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)ペプチドカップリング試薬で閉環、例えばJ.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと。
【0093】
第1ステップにおいて、R含有アシル(又はスルホンアミド)置換基を、好適なアミドカップリング経路によりペニシラミンに導入する、ここで当該経路は、いくつかの本分野においてよく知られるものであり、例えばDCCカップリングである。
【0094】
別々に、1又は複数のβ−アミノアルコールを、入手(例えば、エフェドリン)又はα−アミノ酸から合成する。各場合において、(例えば、Boc基の添加により、又は商業的供給者から好適な保護α−アミノ酸を入手することにより)当該アミノ基を保護する。Boc保護アミノ酸を還元によりアミノアルコールに転換し、そして当該Boc保護β−アミノアルコール(購入するか又はアミノ酸の還元により入手されるもののいずれか)をメシル化する。還元、及びメシル化のためのいくつかの好適な方法が存在し、本分野においてよく知られている{例えば、Synthesis(1992)1359又はSynthesis(1996)1223を参照のこと。}。
【0095】
次のステップにおいて、本分野においてよく知られる{例えば、J Med Chem.(1987)30:1984を参照のこと。}いくつかの好適な方法のうちのいずれかを使用して、アシルペニシラミンを硫黄中心でアルキル化する。各β−アミノアルコールを好適なアシルペニシラミンと別々に反応させ、有用なアシルシステインとβ−アミノアルコールの選択に依存して可変R、R、及びRを有する個別ライブラリー要素を産生する。このステップで導入される窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。
【0096】
最終ステップにおいて、S−アルキルアシルペニシラミンを環化する。当該ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させ、ジメチルチオフォキシン・ライブラリー要素を産生する。似たような方法は、本分野においてよく知られる{例えば、J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと}。
【0097】
第2スキーム(下記のスキーム2B)において、R/R基を導入し、次いで化合物を環化し、そして最終的にR基を導入する。かかる経路は、もしR/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0098】
【化13】

/Rを導入し、次いで環化し、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、次いでメシル化、例えば、Synthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)ROCO基の選択的除去(ROCO基をそのままにする)、次いで、ペプチドカップリング試薬で閉環、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
iv)ROCO基の除去、そしてその後、活性化RCOH又は活性化RSOHと共に遊離のアミノ基のアシル化。
【0099】
第1ステップにおいて、ペニシラミンをα−アミンで選択的に保護し、次いで、Sに関してN−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該アルコールは、活性化され、炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応に好適な離脱基を形成する。導入された窒素は、この直後、ωアミノ基と呼ばれる(同じようにTetrahedron,1999,55,10155を参照のこと)。
【0100】
このアルキル化に好適な1又は複数のβ−アミノアルコールを、入手(例えば、エフェドリン)又はα−アミノ酸から合成する。各場合において、(例えば、Boc基の添加により、又は商業的供給者から好適な保護α−アミノ酸を入手することにより)当該アミノ基を保護する。Boc保護アミノ酸を還元によりアミノアルコールに転換し、そして当該Boc保護β−アミノアルコール(購入するか又はアミノ酸の還元により入手されるもののいずれか)をメシル化する。還元、及びメシル化のためのいくつかの好適な方法が存在し、本分野においてよく知られている{例えば、Synthesis(1992)1359又はSynthesis(1996)1223を参照のこと}。
【0101】
次のステップにおいて、当該ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる(J.Med.Chem.,1987,30,1984に関する)。
【0102】
最終ステップにおいて、環化の後、α−アミンを選択的に脱保護し、そして必要に応じてアシル化し、本分野においてよく知られる内のいくつかである好適なペプチドカップリング試薬を使用して、Rの位置で多様性を導入する。
【0103】
第3スキーム(下記のスキーム2C)において、R/R基を導入し、次いで、R基を導入し、そして最終的に化合物を環化する。かかる経路は、もしR/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0104】
【化14】

/R、次いでRを導入し、次いで環化する:
試薬、及び条件:
i)Sのアルキル化、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと、
ii)保護アミノ酸の還元、ついでメシル化、例えば、Synthesis 1992,1359、及びSynthesis 1996,1223を参照のこと、
iii)活性化されたRCOHでの遊離アミノ基のアシル化、
iv)ROCO基の選択的除去、次いで、ペプチドカップリング試薬で閉環、例えば、J.Med.Chem.1987,30,1984−1991を参照のこと。
【0105】
この経路は、ペニシラミンのα−アミンのアシル化が環化に先立って実施されることを除いて、スキーム2Bと類似する(似たようなTetrahedron,1999,55,10155を参照のこと)。
【0106】
これらの3つのスキームは、1又は複数のジメチルチオフィキシン要素からなるライブラリーの合成の簡単な性質を例証する。特に、合成が実施可能な状態である間、分子の異なる領域に多くの多様性を導入することを可能とするために、様々な状態における反応ステップを実施する能力を示す。
【0107】
ジメチルチオフォキシンに構造的に関連する多くの化合物が文献においてすでに知られている(例えば、J.Chem.Soc,Chem.Commum.,1993,1599 及びLiebigs Ann.Recl.1997,1711.)、なぜならば、ペニシラミンと他のα−アミノ酸との環化産物は、ペニシリンの如きよく研究されているβ−ラクタム抗生物質の類似体又は生合成中間体だからである。しかしながら、これらのペニシリン類似体は、環の位置3で、置換基としてカルボキシレート又はエステル、チオエステル、あるいはカルボキシレートのアミド誘導体を有する。
【0108】
実施例3:アザフォキシンの合成
アザフォキシンは、3−アミノアラニンとβ−アミノアルコール(できる限り、α−アミノ酸の還元由来のもの)とのカップリングの産物である。硫黄含有ラクタム(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシン)とは違って、アザフォキシン中のラクタム環へのさらなる窒素の導入は、当該環のヘテロ原子でのさらなる置換の可能性(そしてそれ故に多様性)を許容する。第1スキーム(下記のスキーム3A)において、R基、次いでR基(窒素で置換)、そして次いでR/R基を導入し、その後、最終的に化合物を環化する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、RよりもR/Rでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0109】
【化15】

、次いでR、次いでR/Rを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)β−アミンの直交的保護、次いでROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
iii)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
iv)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化、あるいはスルホニルクロライドでのアシル化を経由するβ−アミンの官能基化、
V)保護アミノアルデヒドでのβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールでのアルキル化、
vi)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化。
【0110】
第1ステップにおいて、保護3−アミノアラニンを、例えば、N−α−カルバミン酸エステル保護アスパラギンのホフマン分解により、合成(J.Org.Chem.,1997,62,6918に従う。)し、そしてそのカルボン酸をエステル化する(J.Med.Chem.,1998,41,2786に従う。)。
【0111】
次いで、α−アミンで置換基を導入するために、遊離のβ−アミンを直交的に保護し、そして、α−アミンをカルバミン酸エステルの除去により選択的に脱保護する。次いで、遊離のα−アミンを、R官能性を導入するため上記実施例の様にアシル化する。
【0112】
次に、文献においてよく知られる反応条件を使用して、例えば、モノアルキル化、モノアリール化又は還元的アルキル化、あるいはスルホニルクロライドでのアシル化によりR官能性を導入する。
【0113】
次いで、β−アミンを、N−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該N−保護β−アミノアルコールは、(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンについて記載されるように)炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応のために好適な離脱基を形成するように活性化される。あるいは、当該β−アミンを、アミンを形成する還元剤の存在下、N−保護α−アミノ−アルデヒドと縮合し得る(J.Org.Chem.,2002,67,4017に従う。)。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。このステップは、選択されたβ−アミノアルコール(できる限りα−アミノ酸から誘導される)に依存して、R/R官能性を導入する。
【0114】
最終ステップにおいて(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンと同様に)、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0115】
第2スキーム(下記のスキーム3B)において、R基を導入し、次いでR/R基を導入し、次いで化合物を環化し、そして最終的にR基(窒素で置換)を導入する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、R/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0116】
【化16】

、次いでR/R、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)β−アミンの直交的保護、次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
iii)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
iv)保護アミノアルデヒドとのβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールとのアルキル化、
V)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化、
vi)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化を経由するβ−アミンの官能基化、あるいは酸塩化物、イソシアネート、クロロフォルメート、クロロホルムアミド、スルホニルクロライド、活性化酸、アミノ酸又はペプチドとのアシル化。
【0117】
このスキームにおいて、保護3−アミノアラニンを、例えば、N−α−保護アスパラギンのホフマン分解により合成し、次いで、β−アミンに関して直交的に保護し、α−アミンで脱保護及びアシル化し、そしてスキーム3Aに記載されるとおりカルボン酸でエステル化する。
【0118】
次いで、β−アミンの選択的脱保護の後に、窒素に関してN−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該N−保護β−アミノアルコールは、(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンについて記載されるように)炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応のために好適な離脱基を形成するように活性化される。あるいは、当該β−アミンを、アミンを形成する還元剤の存在下、N−保護α−アミノ−アルデヒドと縮合し得る(J.Org.Chem.,2002,67,4017に従う。)。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。このステップは、選択されたβ−アミノアルコール(できる限りα−アミノ酸から誘導される)に依存して、R/R官能性を導入する。
【0119】
次いで、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0120】
最終的に、R官能基を、例えばモノアルキル化、モノアリール化又は還元的アルキル化により、あるいはスルホニルクロライドとのアシル化により、文献においてよく知られる反応条件を使用して、導入する。
【0121】
第3スキーム(下記のスキーム3C)において、R基を導入し、次いでR基、次いでR/R基を導入し、その後、化合物を環化する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、RよりもR/Rでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0122】
【化17】

、次いでR、次いでR/Rを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化、あるいはスルホニルクロライドとのアシル化を経由するβ−アミンの官能基化、
iii)(もし必要ならば)β−アミンの直交的保護、次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
iv)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
v)保護アミノアルデヒドを伴うβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールとのアルキル化、
vi)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化。
【0123】
このスキームにおいて、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−保護アスパラギンのホフマン分解により合成し、そしてカルボン酸をエステル化する(例えば、スキーム3A参照)。しかし、次いで、β−アミンは、文献においてよく知られる方法を使用して、R官能性を導入する要求に応じてモノアルキル化、モノアリール化又はスルホン化される。その結果、第2β−アミンはα−アミンに対し直交的に保護される。
【0124】
次のステップにおいて、当該α−アミノを選択的脱保護し、そしてR官能性を導入するために上記のようにアシル化する。
【0125】
次いで、β−アミンの選択的脱保護の後に、窒素に関して、N−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該N−保護β−アミノアルコールは、(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンについて記載されるように)炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応のために好適な離脱基を形成するように活性化される。あるいは、当該β−アミンを、アミンを形成する還元剤の存在下、N−保護α−アミノ−アルデヒドと縮合し得る(J.Org.Chem.,2002,67,4017に従う。)。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。このステップは、選択されたβ−アミノアルコール(できる限りα−アミノ酸に由来する)に依存して、R/R官能性を導入する。
【0126】
次いで、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0127】
第4スキーム(下記のスキーム3D)において、R基を導入し、次いでR/R基を導入する。次いで、化合物を環化し、そして最終的にR基を導入する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、R/RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0128】
【化18】

、次いでR/R、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化、あるいはスルホニルクロライドとのアシル化を経由するβ−アミンの官能基化、
iii)保護アミノアルデヒドでβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールとのアルキル化、
iv)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化、
v)ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、そしてα−アミンのアシル化。
【0129】
このスキームにおいて、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−保護アスパラギンのホフマン分解により合成し、そしてカルボン酸をエステル化する。次いで、β−アミンを、全てスキーム3Cのように、文献においてよく知られる方法を使用して、R官能性を導入する要求に応じてモノアルキル化、モノアリール化又はスルホン化する。
【0130】
次のステップにおいて、第2β−アミンは、窒素に関してN−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該N−保護β−アミノアルコールは、(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンについて記載されるように)炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応のために好適な離脱基を形成するように活性化される。あるいは、当該β−アミンを、アミンを形成する還元剤の存在下、N−保護α−アミノ−アルデヒドと縮合し得る(J.Org.Chem.,2002,67,4017に従う。)。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。このステップは、選択されたβ−アミノアルコール(できる限りα−アミノ酸から誘導されるような)に依存して、R/R官能性を導入する。
【0131】
次いで、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0132】
最終的に、当該α−アミンを選択的に脱保護し、そしてR官能性を導入するために上記のようにアシル化する。
【0133】
第5スキーム(下記のスキーム3E)において、まずR/R基を導入し、次いで、化合物を環化する。次いで、R基、次いでR基を導入する。かかる経路は、もしR/Rで最も多様性が少なく、RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0134】
【化19】

/R、次いでR、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)保護アミノアルデヒドでβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールでのアルキル化、
iii)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化、
iv)β−アミンの直交的保護、次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
v)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
vi)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化、あるいは活性酸、スルホニルクロライド、イソシアネート、クロロホルマート、クロロホルムアミド又はペプチドとのアシル化を経由するβ−アミンの官能基化。
【0135】
このスキームにおいて、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−保護アスパラギンのホフマン分解により合成し、そしてカルボン酸をエステル化する。次いで、β−アミンを窒素に関してN−保護β−アミノアルコールでアルキル化する、ここで当該N−保護β−アミノアルコールは、(チオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンについて記載されるように)炭素での立体化学の反転を伴う求核置換反応のために好適な離脱基を形成するように活性化される。あるいは、当該β−アミンを、アミンを形成する還元剤の存在下、N−保護α−アミノ−アルデヒドと縮合し得る(J.Org.Chem.,2002,67,4017に従う。)。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。このステップは、選択されたβ−アミノアルコール(できる限りα−アミノ酸に由来する)に依存して、R/R官能性を導入する。
【0136】
次いで、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。第2β−アミン(今や環の中にある)は、その後、α−アミンに対し直交的に保護される。
【0137】
次に、当該αアミノを選択的に脱保護し、そしてR官能性を導入するために上記のようにアシル化する。
【0138】
最終的に、β−アミンを、文献においてよく知られる方法を使用してR官能性を導入する要求に応じてモノアルキル化、モノアリール化又はスルホン化する。その結果、
【0139】
第6スキーム(下記のスキーム3F)において、第1にR/R基を導入し、その後環化する。R基、次いでR基を導入する。かかる経路は、もしR/Rで最も多様性が少なく、RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0140】
【化20】

/R、次いでR、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)保護アミノアルデヒドでβ−アミンの還元的アミン化、J.Org.Chem.,2002,67,4017を参照のこと、あるいは、活性化された保護アミノアルコールでアルキル化、
iii)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化、
iv)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化、あるいは活性酸、スルホニルクロライド、イソシアネート、クロロホルマート、クロロホルムアミド又はペプチドとのアシル化を経由するβ−アミンの官能基化
v)ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、次いでα−アミンのアシル化。
【0141】
このスキームは、環化後に第2β−アミン(今や環の中にある)を文献中によく知られる方法を使用して直交的に保護するよりもむしろ、アルキル化、アリール化又はスルホン化されることを除いて、上記スキーム3Eと非常によく似ている。このことは、R官能性を誘導する。
【0142】
最終ステップにおいて、次いで、α−アミノを脱保護し、そしてR官能性を導入するために記載のようにアシル化する。
【0143】
これらの6つのスキームは、1又は複数のアザフォキシン要素からなるライブラリーの合成の簡単な性質を例証する。特に、合成が実施可能な状態である間、分子の異なる領域により多くの多様性を導入することを可能とするために、様々な状態における反応ステップを実施する能力を示す。
【0144】
実施例4:アミドフォキシンの合成
アミドフォキシンは、3−アミノアラニンとα−アミノアルコールとのカップリングの産物(できる限り、α−アミノ酸の還元由来の、3−アミノアラニンとβ−アミノアルコールとのカップリングであって、上記のようにアザフォキシンを産生するものとは対照的)である。アザフォキシンと同様に、しかしチオフォキシン、及びジメチルチオフォキシンとは違って、当該環のヘテロ原子での置換は、更なる多様性(R)を導入し得る。第1スキーム(下記のスキーム4A)において、R基、次いでR基(窒素に関して置換)、次いでR基を導入し、その後、環化する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0145】
【化21】

、次いでR、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)β−アミンの直交的保護、次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
iii)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
iv)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化を経由するβ−アミンの官能基化、
v)活性化された保護アミノアルコールでβ−アミンのアシル化、
vi)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化。
【0146】
アザフォキシンについて、第1ステップは、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−カルバミン酸エステル保護アスパラギンをホフマン分解に供することにより合成する(J.Org.Chem.,1997,62,6918)。次いで、カルボン酸基をエステル化し、β−アミン基をα−アミン基に対して直交的に保護する。
【0147】
次のステップにおいて、当該α−アミンを選択的に脱保護し、そしてチオフォキシン(例えばスキーム1A)についての上記記載のようにアシル化する。このことにより、R官能性を導入する。
【0148】
次に、R官能性を導入するために、文献においてよく知られた方法を使用して、β−アミンも選択的に脱保護し、そして必要ならばモノアルキル化又はモノアリール化する。
【0149】
次いで、第2β−アミンをN−保護α−アミノ酸でアシル化する。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。文献においてよく知られた好適な様々なペプチドカップリング法の内のいくつかがこのステップを実施するために使用され得ることが明らかであろう。このことは、当該反応において使用されたα−アミノ酸の選択に依存して、R官能性を導入する。
【0150】
最終的に、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0151】
第2スキーム(下記のスキーム4B)において、R基を導入し、その後R基(窒素に関して置換)、次いでR基を導入し、その後環化する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0152】
【化22】

、次いでR、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化を経由するβ−アミンの官能基化、
iii)β−アミンの直交的保護、次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、
iv)α−アミンのアシル化、次いでROCO基の除去によるβ−アミンの選択的脱保護、
v)活性化された保護アミノアルコールでβ−アミンのアシル化、
vi)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化。
【0153】
スキーム4Aのように、第1ステップは、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−カルバミン酸エステル保護アスパラギンをホフマン分解に供することにより合成する(J.Org.Chem.,1997,62,6918)。次いで、カルボン酸基をエステル化するが、β−アミンを、文献においてよく知られた方法を使用してモノアルキル化又はモノアリール化し、その後得られた第2β−アミン基をα−アミンに対して直交的に保護する。このことによりR官能性を導入する。
【0154】
次のステップにおいて、当該α−アミンを選択的に脱保護し、そして上記のようにアシル化する。このことによりR官能性を導入する。
【0155】
次いで、第2β−アミンを選択的に脱保護し、そしてN−保護α−アミノ酸でアシル化する。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。文献においてよく知られた好適な様々なペプチドカップリング法の内のいくつかがこのステップを実施するために使用され得ることが明らかであろう。このことは、当該反応において使用されたα−アミノ酸の選択に依存して、R官能性を導入する。
【0156】
最終的に、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0157】
第3スキーム(下記のスキーム4C)において、R基を導入し、その後R基を導入する。環化後、次いでR基を導入する。かかる経路は、もしRで最も多様性が少なく、RよりもRでより多くの多様性が導入されるならば、最適なものだろう。
【0158】
【化23】

、次いでR、次いでRを導入する:
試薬、及び条件:
i)ホフマン分解(J.Org.Chem.1997,62,6918を参照のこと)、次いでエステル形成、
ii)アルキル化、アリール化又は還元的アルキル化を経由するβ−アミンの官能基化、
iii)活性化された保護アミノアルコールでβ−アミンのアシル化、
iv)J.Med.Chem.1987,30,1984−1991の形式における、選択的脱保護、及び環化、
v)次いで、ROCO基の選択的除去によるα−アミンの脱保護、そしてα−アミンのアシル化。
【0159】
スキーム4Bのように、第1ステップは、保護3−アミノアラニンを、例えばN−α−カルバミン酸エステル保護アスパラギンをホフマン分解に供することにより合成する(J.Org.Chem.,1997,62,6918)。次いで、カルボン酸基をエステル化し、そしてβ−アミン基を、文献においてよく知られた方法を使用してモノアルキル化又はモノアリール化し、R官能性を導入する。
【0160】
次いで、第2β−アミンをN−保護α−アミノ酸でアシル化する。導入された窒素は、今後、ωアミン基と呼ばれる。文献においてよく知られた好適な様々なペプチドカップリング法の内のいくつかがこのステップを実施するために使用され得ることが明らかであろう。このことは、当該反応において使用されたα−アミノ酸の選択に依存して、R官能性を導入する。
【0161】
次に、ωアミンを選択的に脱保護し、カルボキシエステルと縮合させ(又は対応するカルボン酸を選択的に加水分解後)、7員環を形成させる{J.Med.Chem(1987)30:1984を参照のこと。}。
【0162】
最終的に、当該α−アミンを選択的に脱保護し、そして上記のようにアシル化する。このことによりR官能性を導入する。
【0163】
これらの3つのスキームは、1又は複数のアミドフォキシン要素からなるライブラリーの合成の簡単な性質を例証する。特に、合成が実施可能な状態である間、分子の異なる領域により多くの多様性を導入することを可能とするために、様々な状態における反応ステップを実施する能力を示す。
【0164】
アミドフォキシンクラスの少数のメンバーはすでに知られている。例えば、J.Org Chem.(2003)68:7893を参照のこと。しかしながら、これらの例は、R=ベンジル又はCHCHCOR’(ここでR’は可変である)に制限され、そしてそれらをGPCRリガンドとしての活性について試験しなかった。抗生物質TAN1067C(VII)の如き公有のドメインにおける他の関連構造は、アミドフォキシンではなく、本発明の範囲内のものではない。なぜならば、3−アシルアミノ又は3−スルホンアミド置換基が環上になく、並びにN1で置換基が存在するからである。
【0165】
【化24】

【0166】
本発明の製品の薬理学研究
アッセイの原則
A:GPCR拮抗作用
原則として、本発明の化合物は、好適な結合条件下、試験化合物が様々な濃度で存在するかしないかにおいて、標識されたリガンドに受容体を暴露することにより、与えられたGPCRでのアンタゴニスト活性について試験され得る。次いで、当該受容体に関係する標識の量を計る。もし試験化合物が結合について標識されたリガンドと競合し得るならば、当該受容体に関係する標識の量は、当該試験化合物の濃度を増大するにつれて低減するだろう。試験化合物濃度に対するリガンド結合のグラフから、受容体に対する試験化合物の結合親和力を見積もることが可能である。
【0167】
それ故、かかるアッセイは、以下の記載事項を必要とする。
(1)着目のGPCRの起源。ヒト由来のGPCRスーパーファミリーの各メンバーの配列は、現在、ヒトゲノム配列から入手できる。かかる配列は好適なベクターにクローンされ得、そして好適な細胞型(例えば、ケモカイン受容体CXCR4を除いて、内在性GCPRを事実上発現しないことが既に知られているJurkat T細胞)において発現され得る。使用されたベクターに適切な抗生剤を使用して選択後、選択されたGPCRの高レベルを発現する安定細胞系を確立し得る。
【0168】
選択されたGPCRを発現する細胞系由来の膜画分は、本分野においてよく知られる様々な方法を使用して製造され得る。例えば、Kuoら{Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1980)77:7039}に従い、細胞を、0.25Mのスクロース、2.5mMのMgCl、2.5mMのEGTA、及び50mMのβ−メルカプトエタノール、並びにPMSF、及びロイペプシンの如きプロテアーゼ阻害剤を含むpH7.5、25mMのHEPESバッファー内に再懸濁し、そしてダウンス(Dounce)ホモゲナイザーを使用してバラバラにし得る。次いで、当該懸濁液を120×gで遠心分離に供し、壊されていない細胞及び大きな細胞断片をペレットとし、小さな膜断片及び細胞質成分を含む上清を保持する。次いで、この上清を、100,000×gで超遠心分離に供し、当該選択されたGPCR中に豊富な膜断片のペレットを作成する。当該ペレットを適切な結合バッファー中に再懸濁し、そして、クマシープラス{Coomassie Plus(Pierce)}の如き商業的に入手可能なタンパク質アッセイを使用して、総タンパク質濃度を測定する。当該膜画分を、1mg/mlの如き標準総タンパク質濃度を産生する量に調整し得る。必要とされるまで、当該標準製剤を一定分量において−85℃で保存し得る。
【0169】
(2)選択されたGPCRに対して高い親和力を有する標識されたリガンド。多くのGPCRに対する好適なリガンドは、文献においてよく知られる。かかるリガンドは、当該受容体の天然リガンド(例えばドーパミン)であり、又は薬理学的手段となり得る(例えばドンペリドン)。広範に渡る一般的に調査されたGPCRに対する好適なリガンドのリストを表1に提供するが、これらの受容体の多くに対する他の好適なリガンドが存在することは当業者にとって明らかだろう。この目的のために最も有用なリガンドは、少なくとも1μM、及び好ましくは100nM未満、及びより好ましくは10nM未満の選択された受容体に対する結合親和定数を有するだろう。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0170】
いったんリガンドが選択されたならば、その後に選択されたGPCRに結合する量を測定し得るためにリガンドへの標識が必要とされそうである(しかしながら、結合しないリガンドの量を測定する敏感で正確な方法が利用できること、例えば、非結合リガンドを測定し、推測により結合リガンドの量を計算するためのELISAアッセイを使用することが可能となり得ることを条件として、当該リガンドを標識することなしでアッセイを実施することは可能である。)。当該リガンドを標識する好適な方法は、当該リガンドの性質に依存して変化する。小分子はH、14C又は35Sの如き放射性核種で最も容易に標識され得、ペプチドは共合成ビオチン(及びその後標識されたストレプトアビジン)で、蛍光タグ(例えば蛍光イソチオシアネート)で又は放射性核種(例えばペプチドにおけるチロシン残基の125Iヨード化)で最も容易に標識され得、タンパク質は蛍光タグ(例えば蛍光イソチオシアネート)で又は放射性核種(例えばタンパク質におけるチロシン残基の125Iヨード化))で最も容易に標識され得る。
【0171】
標識の程度(つまりサンプル中の標識を有する分子の比率)が十分であることは、受容体に結合するリガンドの量が決定的に定量することができなければならないことである。
【0172】
これらの2つの成分について、次いで、本分野においてよく知られた方法を使用して、本発明の化合物が得られたGPCRに結合するリガンドを調節するかどうかを試験する可能性がある。例えば、一連のチューブにおいて、当該膜画分を、選択されたGPCRに対するリガンドの結合についての親和定数付近の濃度で放射性リガンドと混合する。いくつかのチューブにおいても、本発明の化合物を様々な濃度で添加する。さらに他のチューブにおいて、陽性対照阻害剤(過剰量の放射性リガンドと同じリガンドであるが放射性核種のないもの)を添加する。
【0173】
通常、3つのチューブは、各条件下で製造されるだろう。次いで、当該管を、通常4℃〜37℃で、より好ましくは室温で、放射性リガンドの遊離と結合との平衡に達するまでの期間、インキュベートする。通常、20分間〜4時間かかり、そしてその与えられた反応条件に必要とされる期間は、本分野においてよく知られる方法により(例えば経時変化実験を実施すること)決定されるだろう。いったん平衡に達したならば、結合する放射性リガンドの量を測定することが必要である。例えば、膜結合受容体(プラス結合した放射性リガンド)を、ろ過材(例えば、1%のポリエチレンイミンで処理されたGF/Cフィルター)を介したろ過により溶液中に遊離の放射性リガンドを分離し得る。次いで、当該ろ過材を空気乾燥し、受容体に結合するものを加えた放射性リガンドの画分を決定するためにシンチレーション計測に供する。
【0174】
あるいは、本発明の化合物を、(例えば、Cerep,128 Rue Danton,Paris,Franceによる営業所から)商業的に入手可能な受容体スクリーニング方法を使用してスクリーニングに供し得る。かかるサービスは、本発明において提供されるライブラリーの如き、ライブラリーのメンバーであって、1又は複数のGPCRに結合するリガンドを調節するものを容易に同定する。
【0175】
上記の方法を使用して1又は複数のGPCRに結合するリガンドを調節するように同定された化合物は、通常、フルアンタゴニストとなるだろう。しかしながら、当該化合物のアンタゴニスト特性を確認するために機能分析を実施する必要がある。例えば、使用されたGPCR、及び/又はリガンドに依存して、特定の二次メッセンジャーシグナルが、リガンドが存在する際のシグナルを伝達するために刺激(又は阻害)されるだろう。そして、細胞は、リガンドの存在に対する応答において、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、様々なリン酸化されたイノシトール含有化合物{I(1,4,5)P3、及びI(1,3,5)P3}、カルシウムイオン、ポリアデノシン又は本分野において知られる他の細胞内メッセンジャーの細胞内濃度における増大(又は低減)を示し得る。
【0176】
フルアンタゴニストは、天然リガンドにより引き起こされる細胞内メッセンジャーの変化を無効にし、そして天然リガンドの無い場合には影響を与えないだろう。対照的に、フルアゴニストは、天然リガンドを添加したときには影響を与えないが、天然リガンドを添加しない場合には天然リガンドにより引き起こされる細胞内メッセンジャーにおける変化を模倣するだろう。本発明の化合物を含むいくつかの化合物は、細胞内メッセンジャーへの影響パターンに依存して、部分的アンタゴニスト、部分的アゴニスト又は混合アゴニスト/アンタゴニストとなるだろう。かかる化合物の複合薬理学的定義にもかかわらず、それらは特定の疾患において有用な特性を有し得、そして多くの確立されたヒト用薬品は、1又は複数のGPCRで部分的アゴニスト、部分的アンタゴニスト又は混合アゴニスト/アンタゴニストとなることが知られている。
【0177】
GPCRアゴニズム
特にハイスループットのスクリーニング技術を使用して、アゴニスト活性について試験することは、アンタゴニスト活性に比べて本質的にかなり困難である。それ故、本発明の化合物は、ライブラリー要素間におけるGPCRアゴニストのより高い発生率により、通常導かれる開発ライブラリーよりもアゴニストの探索において特に有用となりがちである。
【0178】
GPCRアゴニストについての試験は、原則として、所望の生化学的又は生理学的反応を伴う選択されたGPCRの天然リガンドに応答する細胞又は器官培養系を必要とする。かかる応答の例は、細胞内メッセンジャー{例えばcAMP、IP(1,4,5)P3、カルシウムイオン又はポリアデノシン}における変化、酵素活性(例えばプロテインキナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素又は輸送タンパク質の活性化)の変化、遺伝子発現パターンにおける変化、食作用変化、タンパク質分泌変化、増殖率変化、筋肉細胞/組織の収縮、神経伝達などを非制限的に含む。これらの如き応答は、選択されたGPCRに対する天然リガンドの結合よりも本質的に測定複雑なので、GPCRアゴニストについてのアッセイはアンタゴニストについてのものより困難となる。
【0179】
本発明の化合物が1又は複数の選択されたGPCRでアゴニストであるかどうかを試験するために必要とされる一般的方法は、本分野においてよく確立されている。例えば、典型的には37℃で、一定期間(例えば、測定される経時変化に依存して、1分間から48時間)の間、細胞培養培地中に、様々な濃度(例えば、約0.1nM〜約10mM)で、好適な媒体(例えば、DMSO、エタノール又はメタノール)中に化合物を添加することにより、細胞を当該試験化合物の様々な濃度にさらす。並行して、細胞を天然リガンドにもさらし、及び(対照細胞として)いずれの添加化合物にもさらさないままとする。インキュベーション期間の終わりに、選択されたGPCRに結合する天然リガンドに応じて生ずる本分野において知られた応答を測定する。もし本発明の化合物が選択されたGPCRでアゴニストであるならば、(ある濃度での)当該試験化合物に対する応答は、天然リガンドに対する応答と定性的に似たようなものとなるだろう。
【0180】
特定のGPCRでのアゴニストについての好適なアッセイ系の例は以下の通りである。
【0181】
ソマトスタチンは、sstr2及びsstr5受容体でアゴニストであり、単離された下垂体細胞による成長ホルモンの分泌を阻害する。本発明の化合物がsstr2、及び/又はsstr5でアゴニストであるかどうか測定するために、ラット下垂体細胞を単離し、そして培養液中に置く。次いで、細胞を単独で、又は33nMのソマトスタチンの存在下で、又は約0.1nM〜約10mMの様々な濃度での試験化合物の存在下で、37℃、24時間インキュベートする。当該試験終了時、細胞培地を遠心分離により除去し、不純物を除去し、そして例えば商業的に入手可能なELISA又はラジオイムノアッセイにより成長ホルモン(GH)のためのアッセイに供する。
【0182】
ソマトスタチンにさらされた細胞は、単独でインキュベートされた細胞よりも、30%〜90%少ないGHを産生するだろう。もし本発明の化合物がソマトスタチン受容体でアゴニストであるならば、そのとき、GHレベルは、単独でインキュベートされた細胞からの培地より、(少なくともある濃度で)試験化合物にさらされた細胞からの培地における方が低くなるだろう。通常、各試験条件下で同様に処理された細胞を含む培地を3つの同型ウェルから回収し、適切な統計的検定(例えばANOVA又は非対応スチューデントt−検定)を使用して、試験化合物がGH分泌に関する統計的に有意な低減を産生し、それ故選択された受容体sstr2及び/又はsstr5でアゴニスト活性を有する傾向にあることを実証する。
【0183】
エンドセリン−1は、血管収縮を引き起こすようなET−A及び/又はET−B受容体を介する信号を送るペプチドである。本発明の化合物がET−A及び/又はET−Bでアゴニストであるかどうか決定するために、ヒト大動脈リング(移植提供心臓から入手されるもの)を器官培養に供し得る。次いで、リングを、37℃で、約5分間ごとに適切な剤の濃度を上げながら、エンドセリン−1の増大する濃度(0.01nM〜100nM)又は試験化合物の増大する濃度(約0.1nM〜約10mM)のいずれかにさらす。試験を通して、当該大動脈リングの収縮を、かかる目的のために設計され商業的に入手されるひずみ計により測定する。
【0184】
エンドセリン−1にさらされたリングは、エンドセリン−1の濃度が増大するにつれて収縮し、濃度が頂点に達する時までにひずみ計に与える力は、エンドセリン−1の添加前よりも著しく高くなるだろう。もし本発明の化合物がエンドセリン受容体でアゴニストであるならば、ひずみ計に与える力も試験化合物の添加前よりも(少なくとも特定の濃度で)より高くなるだろう。典型的には、3又はそれを超える別個の大動脈リングを同一試験条件下で同じ剤の濃度を増大しながら処理し、適切な統計的検定(例えばANOVA又は非対応スチューデントt−検定)を使用して、試験化合物が大動脈収縮において統計的に有意な増大を産生し、それ故、選択された受容体ET−A及び/又はET−Bでアゴニスト活性を有する傾向にあることを実証する。
【0185】
ケモカインSDF−1aは、白血球遊走を引き起こすようなCXCR4受容体を介する信号を送るペプチドである。本発明の化合物がCXCR4でアゴニストであるかどうかを決定するために、培養されたヒト不死化T細胞(例えば、Jurkat T細胞)を、専用の商業的に入手可能なトランスウェル移動装置のトップウェルに設置する。次いで、同型ウェルを、培地のみを含む下チャンバー又は75nMでSDF−1を含む下チャンバー又は様々な濃度の試験化合物(約0.1nM〜約10mM)を含む下チャンバーにさらし、37℃で一定の期間(通常30分間から3時間)、インキュベートする。当該インキュベートの終了時、下チャンバーに存在する細胞数は、生じた移動数の測定値である。当該下チャンバー内の細胞数を、直接可視化又は様々なよく知られた方法によりカウントし得る。ここで当該よく知られた方法の例は、存在する細胞数に比例して不溶性ブルーホルマザン製品に転換されるMTT染料とのインキュベーションである。
【0186】
SDF−1aを含む下チャンバーにさらされたウェルにおいて、当該下チャンバー内の細胞数は、培地のみを含む下チャンバー内の細胞数よりも2倍〜10倍高くなるだろう。もし本発明の化合物がCXCR4でアゴニストならば、試験化合物を含む下チャンバー内の細胞の数も、培地のみを含む下チャンバー内よりも(少なくとも一定の濃度で)高くなるだろう。典型的には、3又はそれを超える別個のチャンバーを各試験条件下で同様に処理し、適切な統計的検定(例えばANOVA又は非対応スチューデントt−検定)を使用して、試験化合物が白血球遊走において統計的に有意な増大を産生し、それ故選択された受容体CXCR4でアゴニスト活性を有する傾向にあることを実証する。
【0187】
生物活性アミンアドレナリンは、血管平滑筋細胞においてcAMPの細胞内濃度を増大する。本発明の化合物がβ−アドレナリン受容体でアゴニストかどうかを決定するために、胸大動脈由来のラット血管平滑筋細胞を単離し、そして培養液中に設置する。次いで、当該細胞を、単独で又は33nMでアドレナリンアゴニストであるサルブタノールの存在下、又は約0.1nM〜10mMの様々な濃度での試験化合物の存在下、37℃15分間、インキュベートする。当該インキュベートの終了時、当該細胞培地を除去し、当該細胞を氷冷緩衝液で3回洗浄し、次いで適切なリシスバッファーで溶解し、その後、例えば商業的に入手可能なELISA又はラジオイムノアッセイを実施することにより、cAMPの細胞内濃度を測定する。
【0188】
サルブタノールにさらされた細胞は、培地のみにさらされた細胞よりも15%〜150%高い細胞内cAMP濃度を有するだろう。もし本発明の化合物がβ−アドレナリン受容体でアゴニストであるならば、cAMPの細胞内濃度は、単独でインキュベートされた細胞におけるよりも、(少なくともある濃度で)試験化合物にさらされた細胞における方が高くなるだろう。典型的には、細胞溶解物を、各試験条件下で同様に処理された細胞を含む3つの複製ウェルから製造し、適切な統計的検定(例えばANOVA又は非対応スチューデントt−検定)を使用して、試験化合物が細胞内cAMP濃度において統計的に有意な増大を産生し、それ故選択されたβ−アドレナリン受容体でアゴニスト活性を有する傾向にあることを実証する。
【0189】
上記実施例の如きアッセイは選択されたGPCRでのアゴニストを同定し、本発明の化合物を、不活性物質と及び当該選択されたGPCRでアンタゴニスト活性又は部分的アンタゴニスト活性を有する化合物と区別することは明らかであろうが、本発明の化合物の分子標的として当該選択されたGPCRを独自に同定することを必ずしも必要としないだろう。例えば、血管平滑筋細胞において、cAMPをβ−アドレナリン受容体アゴニストであるサルブタノールと同程度上昇することを例証した本発明の化合物は、β−アドレナリン受容体GPCRでアゴニストとなり得、又はcAMPを上昇させる他のGPCR(例えばドーパミンD2受容体)でもアゴニストとなり得るだろう。
【0190】
あるいは、SDF−1aと同程度白血球の遊走を活性化する本発明の化合物は、CXCR4でアゴニストとなり得、又は白血球の遊走を活性化する他のGPCR(例えばC5a受容体)でアゴニストとなり得る。
【0191】
本発明の化合物がアゴニストとして作用する分子標的GPCRの検証は、選択されたGPCRに対して既に同定されている特定のアンタゴニスト又は選択されたGPCRのみを発現する組換え細胞系を使用して、さらなる試験の実施が必要とされるだろう。例えば、もし本発明の化合物により導かれる白血球の遊走が、適切な濃度でのCXCR4特異的アンタゴニストAMD3100の添加により阻害されるならば、CXCR4は本発明の化合物の分子標的であると結論付けることが理にかなっているだろう。同様に、もし本発明の化合物により導かれる白血球の遊走が、CXCR4を発現する細胞系を使用すると観察されるが、CXCR4を発現しない同様の細胞系においては観察されなければ、CXCR4が本発明の化合物の分子標的であると結論付けることが理にかなっているだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I):
【化1】

{式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基を含む)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数であり;あるいは、
択一的に、Zは、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有し得るペプチドラジカル(1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカルを含む)から選択され得;並びに、
、及びRは、いずれかの可変置換基を独立して示す。}
の化合物。
【請求項2】
以下の一般式(II):
【化2】

{式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基を含む)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数であり;あるいは、
択一的に、Zは、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有し得るペプチドラジカル(1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカルを含む)から選択され得;並びに
、及びRは、いずれかの可変置換基を独立して示す。}
の化合物。
【請求項3】
以下の一般式(III):
【化3】

{式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基を含む)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数であり;あるいは、
択一的に、Zは、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有し得るペプチドラジカル(1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカルを含む)から選択され得;並びに、
、R、及びRは、いずれかの可変置換基を独立して示す。}
の化合物。
【請求項4】
以下の一般式(IV):
【化4】

{式中、
Xは、−CO−(Y)−(Z)又はSO−(Y)−(Z)であり;
kは、0又は1であり;
Yは、シクロアルキル又はポリシクロアルキル基(アダマンチル、アダマンタンメチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、シクロプロピル基を含む)であり;あるいは、
Yは、シクロアルケニル又はポリシクロアルケニル基であり;
Zは、各々、水素、又は1〜20炭素原子の、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノジアルキル、荷電アルキルアミノトリアルキル若しくは荷電アルキルカルボキシレートラジカルから独立して選択され;あるいは、
Zは、各々、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、荷電アミノトリアルキル、又はカルボキシレートラジカルから独立して選択され;並びに、
nは、1からmのいずれかの整数であり、ここで当該mは、シクロ基Y上の置換可能な最大数であり;あるいは、
択一的に、Zは、ペプチド結合により一緒に結合される1〜4つのペプチド部分を有し得るペプチドラジカル(1〜4つのアミノ酸残基のペプチドラジカルを含む)から選択され得;並びに、
、及びRは、いずれかの可変置換基を独立して示す。}
の化合物。
【請求項5】
活性成分として、請求項1に定義される一般式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項6】
活性成分として、請求項2に定義される一般式(II)の化合物又は医薬として許容されるその塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
活性成分として、請求項3に定義される一般式(III)の化合物又は医薬として許容されるその塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項8】
活性成分として、請求項4に定義される一般式(IV)の化合物又は医薬として許容されるその塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項9】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とした薬剤の製造のための、請求項1に記載される一般式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項10】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とした薬剤の製造のための、請求項2に記載される一般式(II)の化合物又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項11】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とした薬剤の製造のための、請求項3に記載される一般式(III)の化合物又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項12】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とした薬剤の製造のための、請求項4に記載される一般式(IV)の化合物又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項13】
ラジカルが、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、及びアルキルアミノラジカルから選択される同じ又は異なる基で二置換される「鍵」炭素を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載される化合物、組成物又は使用。
【請求項14】
前記「鍵」炭素が、キラルである、請求項13に記載の化合物、組成物、又は使用。
【請求項15】
前記「鍵」炭素が、sp3混成結合を有する、請求項13に記載の化合物、組成物、又は使用。
【請求項16】
前記「鍵」炭素が、本質的に、4面体型結合角を有する、請求項13に記載の化合物、組成物、又は使用。
【請求項17】
前記Yの1つの環又は複数の環が、「鍵」炭素で結合角を本質的に4面体(すなわち、sp3混成結合)にさせる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、組成物又は一般式(I)、(II)、(III)、(IV)の化合物の使用、あるいはその医薬として許容される塩。
【請求項18】
前記調節されるGPCRが、アドレナリン受容体、エンドセリン受容体、ケモカイン受容体、EDG受容体、VIP/PECAP受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体、プリン受容体、代謝型グルタミン酸受容体、アセチルコリン受容体、C5a受容体、fMLP受容体、グルカゴン又はGLP受容体、NPY受容体、MSH受容体、糖タンパク質ホルモン受容体、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)、ソマトスタチン受容体、アンジオテンシン受容体、コレシストキニン受容体又はメラトニン受容体からなる群より選択される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のGPCR活性を調節することを目的として設計された化合物、組成物又は薬剤の有効量を患者に投与することによる、高血圧、アテローム性動脈硬化症、ぜんそく、肥満、神経変性障害、自己免疫疾患又は精神障害からなる群より選択される疾患又は症状の徴候の治療、改善又は予防方法。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物である様々なライブラリーメンバーからなる又はそれらの豊富なライブラリーであって、前記化合物が、前記可変置換基のような様々な置換を有する、前記ライブラリー。
【請求項21】
GPCRを介するシグナル伝達を調節する薬剤を同定するためのスクリーニングを目的としたアッセイにおける請求項20に記載のライブラリーの使用を含む、方法。
【請求項22】
前記同定された剤が、1又は複数のGPCRでアンタゴニストである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記同定された剤が、1又は複数のGPCRでアゴニストである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記GPCRが、アドレナリン受容体、エンドセリン受容体、ケモカイン受容体、EDG受容体、VIP/PECAP受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体、プリン受容体、代謝型グルタミン酸受容体、アセチルコリン受容体、C5a受容体、fMLP受容体、グルカゴン又はGLP受容体、NPY受容体、MSH受容体、糖タンパク質ホルモン受容体、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)、ソマトスタチン受容体、アンジオテンシン受容体、コレシストキニン受容体又はメラトニン受容体からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
以下のステップ:
(a)請求項20に記載の化合物のライブラリーをスクリーニングし;
(b)GPCRを介するシグナル伝達を調節する少なくとも1つの化合物を同定し;
(c)前記化合物の炭素類似体を合成し、ここで、(位置1での)「理想的な」GPCR基質モチーフの一部ではないラクタム環のへテロ原子が−CH−により置換される;そして
(d)単離された及び精製された形態において、前記炭素類似体(又はその医薬として許容される塩)を提供する、
を含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
活性成分として、請求項25に記載のステップ(d)で製造された化合物、その医薬として許容される塩、並びに少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤、及び/又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項27】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)クラスの1又は複数のメンバーの活性を調節することを目的とした薬剤の製造のための、請求項25に記載されるステップ(d)で製造された化合物又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項28】
前記調節されたGPCRが、アドレナリン受容体、エンドセリン受容体、ケモカイン受容体、EDG受容体、VIP/PECAP受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体、プリン受容体、代謝型グルタミン酸受容体、アセチルコリン受容体、C5a受容体、fMLP受容体、グルカゴン又はGLP受容体、NPY受容体、MSH受容体、糖タンパク質ホルモン受容体、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)、ソマトスタチン受容体、アンジオテンシン受容体、コレシストキニン受容体又はメラトニン受容体からなる群より選択される、請求項27に記載の化合物の使用。
【請求項29】
請求項26又は27に記載のGPCR活性を調節することを目的として設計された請求項25に記載のステップ(d)で製造された化合物、組成物又は薬剤の有効量を患者に投与することによる、高血圧、アテローム性動脈硬化症、ぜんそく、肥満、神経変性障害、自己免疫疾患又は精神障害からなる群より選択される疾患又は症状の徴候の治療、改善又は予防方法。
【請求項30】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)システイン、S−アルキルシステイン、又はS−アルキルシステイン由来の7員環ラクタムのN−α−アミノ基の選択的アシル化;
(b)システイン又はN−アシルシステインのS−アルキル化;そして
(c)S−アルキル−システイン又はS−アルキル−N−アシル−システインの環化、
を含み、ここで、前記ステップは必要とされる選択的保護基を使用して適切に実施される、上記方法。
【請求項31】
請求項2に記載の一般式(II)の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)ペニシラミン、S−アルキルペニシラミン、又はS−アルキルペニシラミン由来の7員環ラクタムのN−α−アミノ基の選択的アシル化;
(b)ペニシラミン又はN−アシルペニシラミンのS−アルキル化;そして
(c)S−アルキル−ペニシラミン又はS−アルキル−N−アシル−ペニシラミンの環化、
を含み、ここで、前記ステップは必要とされる選択的保護基を使用して適切に実施される、上記方法。
【請求項32】
請求項3に記載の一般式(III)の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン、N−β−アリール3−アミノアラニン、N−β−ジアルキル3−アミノアラニン、又はN−β−アルキル3−アミノアラニン、N−β−アリール−N−β−アルキル3−アミノアラニン、N−β−ジアルキル3−アミノアラニン由来の7員環ラクタムのN−α−アミノ基選択的アシル化;
(b)事前のN−α−アシル修飾を全て伴う又は伴わない、3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン、又はN−β−アルキル3−アミノアラニン由来の7員環ラクタムのN−β−アルキル化又はN−β−アリール化又はN−β−スルホン化;
(c)事前のN−α−アシル修飾を全て伴う又は全て伴わない、3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン又はN−β−アリール3−アミノアラニンの保護されたβ−アミノアルコールを使用するN−β−アルキル化;そして、
(d)事前のN−α−アシル修飾を全て伴う又は伴わない、N−β−アルキル3−アミノアラニン、N−β−ジアルキル3−アミノアラニン又はN−β−アリール−N−β−アルキル3−アミノアラニンの環化、
を含み、ここで、前記ステップは必要とされる選択的保護基を使用して適切に実施される、上記方法。
【請求項33】
請求項4に記載の一般式(IV)の化合物の製造方法であって、以下のステップ:
(a)3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン、N−β−アリール3−アミノアラニン、N−β−アルキル−N−β−アシル3−アミノアラニン、N−β−アリール−N−β−アシル3−アミノアラニン、又はN−β−アシル3−アミノアラニン、N−β−アリール−N−β−アシル3−アミノアラニン、N−β−アルキル−N−β−アシル3−アミノアラニン由来の7員環ラクタムのN−α−アミノ基の選択的アシル化;
(b)事前のN−α−アシル修飾を全て若しくは伴わない、3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン、又はN−β−アシル3−アミノアラニン由来の7員環ラクタムのN−β−アルキル化又はN−β−アリール化;
(c)事前のN−α−アシル修飾を全て伴う又は全て伴わない、3−アミノアラニン、N−β−アルキル3−アミノアラニン又はN−β−アリール3−アミノアラニンの保護されたα−アミノ酸を使用するN−β−アシル化;そして、
(d)事前のN−α−アシル修飾を全て伴う又は全て伴わない、N−β−アシル3−アミノアラニン、N−β−アシル−N−β−アリール3−アミノアラニン又はN−β−アシル−N−β−アルキル3−アミノアラニンの環化、
を含み、ここで、前記ステップは必要とされる選択的保護基を使用して適切に実施される、上記方法。
【請求項34】
一般式(I)の化合物を製造するための請求項30に記載の方法であって、以下の:
(i)スキーム1A;
(ii)スキーム1B;及び
(iii)スキーム1C、
からなる群より選択される合成経路を使用する、前記方法。
【請求項35】
一般式(II)の化合物を製造するための請求項31に記載の方法であって、以下の:
(i)スキーム2A;
(ii)スキーム2B;及び
(iii)スキーム2C、
からなる群より選択される合成経路を使用する、前記方法。
【請求項36】
一般式(III)の化合物を製造するための請求項32に記載の方法であって、以下の:
(i)スキーム3A;
(ii)スキーム3B;
(iii)スキーム3C;
(iv)スキーム3D;
(v)スキーム3E;及び
(vi)スキーム3F、
からなる群より選択される合成経路を使用する、前記方法。
【請求項37】
一般式(IV)の化合物を製造するための請求項33に記載の方法であって、以下の:
(i)スキーム4A;
(ii)スキーム4B;及び
(iii)スキーム4C、
からなる群より選択される合成経路を使用する、前記方法。
【請求項38】
GPCRアンタゴニスト、及び/又はGPCRアゴニストに豊富である化合物のライブラリーの製造方法であって、当該ライブラリーが、多様なα−アミノ酸、及び/又はβ−アミノアルコールを「好適な」アシルアミノ酸と反応させることにより製造され、ここで「好適な」アシルアミノ酸とは、α−アミノ酸又はβ−アミノアルコールと反応するときにアシルアミノラクタムを産生するいずれかのアシルアミノ酸として定義される、前記方法。
【請求項39】
請求項2に記載の一般式(II)の化合物であって、式中、Rは、カルボキシレートでも;又は(アシルアミノラクタム環に直接的に結合するカルボキシレートを有する)カルボキシレートエステル;又は(アシルアミノラクタム環に直接的に結合するカルボキシレートを有する)カルボキシレートアミド;又は(アシルアミノラクタムに直接的に結合するカルボキシレートを有する)カルボキシレート・チオエステルでもない、前記化合物。
【請求項40】
前記R=ベンジルでもなく、前記R=R’が可変であるCHCHCOR’でもない、請求項40に記載の一般式(IV)の化合物。

【公表番号】特表2008−530069(P2008−530069A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554643(P2007−554643)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000475
【国際公開番号】WO2006/085096
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(503372842)ケンブリッジ エンタープライズ リミティド (32)
【Fターム(参考)】