説明

Gタンパク質共役受容体質膜アレイのための規格化方法

基準膜成分は、Gタンパク質共役受容体マイクロアレイを使用している、結合と関連する規格化しシグナルまたは機能的アッセイのために、アッセイの間、前標識または標識化される。基準成分は質膜に含まれ、ここで、標的GPCRは包埋され、または、マイクロスポット上の標的質膜と協動して印刷される他の質膜に存在してもよい。すなわち、標的GPCRは印刷マイクロスポットでの欠陥における露出基質上の標識に協働することにより前標識され得る。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2007年11月19日に出願のアメリカ国特許出願番号第11/985,990号、「Gタンパク質共役受容体質膜アレイのための規格化方法」の利益を請求する。
【技術分野】
【0002】
本開示はなかでも、質膜マイクロアレイ、特にGタンパク質共役受容体(GPCR)質膜アレイに関し、さらに、GPCR質膜マイクロアレイを使用してアッセイ実行と関連する変動性のための説明をするために構成されたアレイおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
−−分野−−
質膜関連のGタンパク質共役受容体(GPCR)アレイ技術は、GPCRリガンド結合アッセイおよび機能的アッセイの両方、たとえば、グアニンヌクレオチド−結合タンパク質(GTP結合タンパク質)の状態を結合しているGTPの変化を成し遂げるGPCRリガンドの機能に有効である。かかるGPCR質膜アレイは、医薬品発見、調査目的、などのための多くの推定のリガンドの大規模スクリーニングのための潜在性を有する。しかし、かかる質膜アレイは、ヌクレオチドまたはタンパク質に基づくアレイと関連していくつかの欠点を有する。
【0004】
たとえば、GPCR質膜アレイ・アッセイは、DNAマイクロアレイアッセイより大いに複合している傾向がある。比較的純粋で均一なDNAサンプルに対して、細胞から分離される質膜調製物は、種々雑多である。加えて、GPCRアッセイは、ヌクレオチド相互作用に対するどのヌクレオチドが起こるか、DNAマイクロアレイアッセイより非常に合併していることがある。たとえば、機能的にGPCRと相互に作用し得るリガンドは、ずっと変化して、生体アミン、ペプチドおよびタンパク質、脂質、ヌクレオチド、興奮性アミノ酸、そして、イオン(小さい化学化合物)その他を含む。特定GPCRが1つ以上の三量体GTP結合タンパク質に連結し得る。GPCRに対するアゴニストの結合能は、そのGTP結合タンパク質を有する受容体の結合状態に依存し得る。加えて、受容体を結合する化合物は、異なる官能性(たとえばアゴニズム、抗作用、スーパーアゴニズムまたは逆アゴニズム)を有することがある。更に、結合部は同じ受容体に異なる化合物結合のために異なるかもしれない。緩衝液組成の変化は、GPCRおよびGTP結合タンパク質を含む膜タンパク質の官能性に影響を及ぼすことができるだけでなくて、受容体にまた、リガンドの結合能に影響を及ぼし得るので、GPCR質膜アッセイのための緩衝液適合および最適化はまた、慎重に考慮する必要がある。GPCR質膜アレイ・アッセイの複雑度のために、一部は、アッセイ変動性に対するアッセイは、DNAアレイでの場合よりGPCRアレイでの場合の方が大きくなる傾向がある。
【0005】
かかる変動性の他の供与源はGPCR質膜調製物のヘテロジェニック性状から起こり、そして、特にそれらが細胞から分離される。或る製法は単一の遠心分離手順で天然のままの細胞溶菌液から直接に得られる。その一方で、他は特別な蔗糖勾配純化手順を経ることもできる。細胞において過剰発現される細胞型およびGPCRに従い、GPCR質膜調製物は、異なる断片分布を有することができる。GPCR質膜調製物も、貯蔵中、凝集する傾向がある。
【0006】
基質上への質膜の印刷に関連する問題は、GPCR質膜アレイ・アッセイと関連する変動性の他の供与源として役立つ。印刷問題は、詰まるピン、消失したスポットおよびパターン−印刷を含むことができ、部分的には質膜調製物の複合した化学的性質による。たとえば、細胞から分離される質膜調製物は、リン脂質、脂肪酸、末梢で必要不可欠な膜タンパク質、コレステロールおよびオリゴ糖を含む。
【0007】
加えて、GPCR質膜アレイ・アッセイは、一般にDNAアレイ・アッセイがしばしばするのような固有の規格化方法を有しない。たとえば、DNAアレイ・アッセイは型(たとえば癌細胞)が第2の細胞型(たとえば非癌化細胞)から発現される第1の標識およびRNAによって標識第1の細胞から発現されるRNAを交雑させることを含み得。そして、第2の標識によって標識化される。アレイ上の特定のDNAマイクロスポットに、ハイブリダイゼーションに続いている第1および第2の標識からのシグナルの相対的な強度は、差形質発現が第1および第2の細胞型の間に存在するかどうか決定するために、比較され得る。シグナル比の比較能力のゆえに、いかなるマイクロスポット(または所定マイクロスポットでのDNAの減量に結果としてなるかもしれないアッセイ条件)に印刷されたDNA量の変動性は、にかかるDNAアレイ・アッセイから価値ある情報を得る能力に影響を非常に大きく及ぼすことはない。反対に、GPCR質膜アレイ・アッセイから得られたデータの品質は、アッセイ条件(たとえばマイクロスポットから質膜損失が生ぜしめ得る洗浄)のためにかかる印刷変動性および可変減量によって非常に影響を受ける。
【0008】
典型的GPCR質膜アレイ・アッセイ、すなわちリガンド結合アッセイまたは機能アッセイにおいて、所定のマイクロスポットでのシグナルの相対的強度はしばしば他のマイクロスポットでの相対的強度と比較される。質膜の可変量がマイクロスポットに印刷される場合、または、質膜の可変量がアッセイ中にマイクロスポットから消失する場合、GPCRアッセイから意味があるデータを得る能力は非常に減少する。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、なかでも、GPCR質膜マイクロアレイのマイクロスポットと関連した質膜の量の変動性のアッセイ効果を減らすアレイおよび方法を示し、そして、変動性の供与源への洞察を提供することができる。質膜の基準成分を結合する標識試薬は、GPCR結合または機能的アッセイと関連するシグナルを規格化するための基礎を提供する。基準成分は、標的GPCRが包埋される質膜に含まれることができ、またはマイクロスポット上の標的質膜と協動して印刷される他の質膜に存在してもよい。
【0010】
実施例において、基準の前標識されたGPCR質膜アレイが記載されている。アレイは、アッセイ可能なマイクロスポットの多数を有する。マイクロスポットの多数のうちの1つ以上は、(i) 質膜膜成分および(ii)質膜に埋設された直接インスポットの標的GPCRを有する質膜を含む。1つ以上のマイクロスポットは、膜成分に結合される標識試薬を更に含む。膜成分に結合される標識試薬は、標的GPCRの結合または機能的アッセイと関連するシグナルが規格化され得るシグナルを提供することができる。
【0011】
実施例において、基準前標識GPCR質膜アレイは、記載されている。アレイは、アッセイ可能なマイクロスポットの多数を有する。マイクロスポットの多数のうちの1つ以上は、質膜に包埋された標的GPCRから成る第1の質膜を含む。1つ以上マイクロスポットは、膜成分から成る第2の質膜および膜成分に結合される標識試薬を更に含む。膜成分に結合される標識試薬は、標的GPCRの結合または機能的アッセイと関連するシグナルが規格化され得るシグナルを提供することができる。
【0012】
実施例において、方法は記載されている。方法は、GPCRを過剰発現している細胞から質膜を分離することを含む。質膜は成分を含む。方法は、成分を結合して前標識質膜を産生するために構成される標識試薬に質膜を接触させることを更に含む。加えて、方法は基質上のマイクロスポットとして前標識質膜を印刷することを含む。
【0013】
実施例において、方法は記載されている。方法は、GPCRを過剰発現していて、非過剰発現している細胞から第2の質膜を分離している細胞から第1の質膜を分離することを含む。第2の質膜は、成分を有する。方法は、成分を結合して前標識された第2の質膜を産生するために構成される標識試薬に第2の質膜を接触させることを更に含む。加えて、方法は基質上のマイクロスポットとして第1で前標識された第2の質膜を印刷することを含む。方法は、前標識された第2の質膜を産生するために複数の標識試薬に第2の質膜を接触させることを含む。
【0014】
実施例において、方法は記載されている。方法は、標識非加水分解性GTP類似体にGPCR質膜アレイのマイクロスポットを接触させることを含む。方法はまた、基準標識質膜を産生するためにGPCR以外の膜成分を結合するために構成される第1の標識試薬にマイクロスポットを接触させることを含む。方法は、GPCRと機能的に相互に作用することができると疑われるリガンドにマイクロスポットを接触させることを更に含む。加えて、方法は、マイクロスポットを洗浄して、非結合の標識非加水分解性GTP類似体、非結合の第1の標識試薬、および非結合のリガンドをマイクロスポットから除去することを含む。方法はまた、マイクロスポットと関連する標識非加水分解性GTP類似体と関連する第1のシグナルを定量化すること、そして、膜成分に結合される第1の標識試薬と関連した第2のシグナルを定量化することを含む。更に、方法はGPCRを有する試薬の機能上の相互作用の範囲を決定するために第1のシグナルを第2のシグナルと比較することを含む。
【0015】
実施例において、方法は記載されている。方法は、標識リガンドにGPCR質膜アレイのマイクロスポットを接触させることを含む。方法はまた、基準標識質膜を産生するためにGPCR以外の膜成分を結合するために構成される標識試薬にマイクロスポットを接触させることを含む。方法は、マイクロスポットを洗浄して、非結合の第1の標識試薬、および非結合の第2の標識試薬を除去することを含む。加えて、方法は、マイクロスポットと関連する標識リガンドと関連する第1のシグナルを定量化すること、そして、膜成分に結合される標識試薬と関連した第2のシグナルを定量化することを含む。更に、方法はGPCRに試薬の結合の範囲を決定するために第1のシグナルを第2のシグナルと比較することを含む。
【0016】
実施例において、方法は記載されている。方法は、標識リガンドにGPCR質膜アレイのマイクロスポットを接触させることを含む。方法は、標識試薬がGPCRに結合するために構成され得る標識試薬にマイクロスポットを接触させること、そして、他の標識試薬にマイクロスポットを接触させることを含み、ここで、第2の標識試薬は、質膜もしくは膜成分に、またはたとえば基質の領域などの質膜での被覆であってはならないGPCR質膜アレイのマイクロスポットの範囲内の領域に結合するために構成され得る。標識試薬は、サイトゾルタンパク質のような、親水性である。方法は、さらに、マイクロスポットを洗浄して、非結合の標識リガンドおよび非結合の標識試薬を除去することを含む。加えて、方法は、マイクロスポットと関連する標識リガンドと関連する第1のシグナルを定量化すること、そして、膜成分に結合される標識試薬と関連した第2のシグナルを定量化することを含む。更に、方法は、GPCRへの試薬の結合の範囲を決定するために第1のシグナルを第2のシグナルと比較することを含み、GPCRアレイ・アッセイの変動性の供与源を説明するアレイおよび方法を提供することにより、かかるアッセイのための潜在性がより充分に実現することができる。加えて、GPCR質膜アレイ・アッセイと関連する減少されたシグナルかどうかを決定する能力は、アレイに結合されている質膜の減少された量に依存し、たとえば、アッセイを経た損失、または、印刷問題、または、リガンド結合もしくは機能的相互作用に影響を及ぼしているアッセイ条件に依存するが、トラブルシューティングのための価値ある供与源として役立つことができる。これらの、そしてまた他の効果は添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明から容易に理解される
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、代表的なGPCR質膜マイクロアレイの図解の斜視図である。
【図2】図2は、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図3】図3は、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図4A】図4Aは、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図4B】図4Bは、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図5A】図5Aは、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図5B】図5Bは、代表的なGPCR質膜マイクロアレイおよび関連するアッセイ反応のブロック線図である。
【図6A】図6Aは、全結合および非特異的結合のシグナルの規格化の後のプロットしたグラフである。
【図6B】図6Bは、全結合および非特異的結合のシグナルの規格化の前のプロットしたグラフである。
【図7A】図7Aは、マイクロアレイに印刷される前標識および非前標識質膜調製物のための全結合およびアッセイ特異性の棒グラフである。
【図7B】図7Bは、マイクロアレイに印刷される前標識および非前標識質膜調製物のための全結合およびアッセイ特異性の棒グラフである。
【図7C】図7Cは、マイクロアレイに印刷される前標識および非前標識質膜調製物のための全結合およびアッセイ特異性の棒グラフである。
【図7D】図7Dは、マイクロアレイに印刷される前標識および非前標識質膜調製物のための全結合およびアッセイ特異性の棒グラフである。
【図8A】図8Aは、アレイのマイクロスポットからの蛍光性シグナルの画像である。検出シグナルは、標的GPCRに結合するリガンドの結合の標的質膜の基準成分に関連する。
【図8B】図8Bは、アレイのマイクロスポットからの蛍光性シグナルの画像である。検出シグナルは、試薬のアッセイの前の標的質膜の基準成分に関連する。
【図8C】図8Cは、アレイのマイクロスポットからの蛍光性シグナルの画像である。検出シグナルは、試薬のアッセイの後の標的質膜の基準成分に関連する。
【図9A】図9Aは、ここで記載されているような結合アッセイシグナルのアッセイから得た棒グラフである。
【図9B】図9Bは、ここで記載されているような結合アッセイシグナルのアッセイから得た棒グラフである。
【図10A】図10Aは、ここで記載されているようなアッセイから得られるアッセイCVの棒グラフである。
【図10B】図10Bは、ここで記載されているようなアッセイのZファクタの棒グラフである。
【図11A】図11Aは、ここで記載されているようなプレスキャン蛍光、自己蛍光およびアッセイから得られたアッセイ全シグナルの棒グラフである。
【図11B】図11Bは、ここで記載されているようなプレスキャン蛍光、自己蛍光およびアッセイから得られたアッセイ全シグナルの棒グラフである。
【図11C】図11Cは、ここで記載されているようなプレスキャン蛍光、自己蛍光およびアッセイから得られたアッセイ全シグナルの棒グラフである。
【図12A】図12Aは、ここで記載されているアッセイに関する特異性をよびZファクタを例示する棒グラフである。
【図12B】図12Bは、ここで記載されているアッセイに関する特異性をよびZファクタを例示する棒グラフである。
【0018】
図面が、必ずしも比例することになっているというわけではない。図において使用される数の様に、成分、ステップなどの類を言及する。しかし、与えられた図の成分に関連する数の使用が同じ数によって標識化される他の図の成分を制限することを目的としないと理解される。加えて、成分に関連する異なる数の使用は、異なる番号をつけられた成分が同じものまたは同様であるはずではないことを示すことを目的としない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明において、そして、いずれが実例として装置(システムおよび方法)の具体的ないくつかの実施例を示し、この部分を形成する添付の図面が参照される。他実施例が考察されて、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、作成され得ると理解される。以下の詳細な説明は、したがって、限定的にされることになっていない。
【0020】
本願明細書において用いられる全ての科学技術用語は、特に明記しない限り従来技術において共通して使う意味を有する。ここで提供される定義は、しばしばここで使用する特定語の理解を容易にするためであり、本開示の範囲を制限するものではない。
【0021】
この明細書および添付の請求の範囲において用いられているように、単数が生ずる「a」、「an」および「the」含む用語は、含量が明らかに別を書き取らせない限り、複数の指示物を有する実施例を含む。この明細書および添付の請求の範囲において用いられているように、語「または」は、含量が明らかに別を書き取らせない限り、その感覚の一般に使用する「および/または」を含む。
【0022】
ここで使用しているように、「アレイ」および「マイクロアレイ」が、取り換え自在にて使われる。
【0023】
ここで使用しているように、「マイクロスポット」は個別または明確な領域、基質の表面上の位置または点を意味しており、生物学的または化学的プローブを含む。
【0024】
ここで使用しているように、「GPCR」はグアニンヌクレオチド−結合タンパク質被結合受容体を意味する。GPCRは、自然型か修飾された配列を有することができる。
【0025】
ここで使用しているように、「標識」は、蛍光性であるか放射性のシグナルのような検出可能シグナルを産生する分子、たとえば、蛍光性標識アビジンを結合するように構成されるビオチンのような検出可能シグナルを産生する分子と結合する(直接または間接的に)ために構成されるまたは分子を意味する。このように、「標識」分子は、標識が結合された分子である。
【0026】
ここで使用されるように、GPCRに対するリガンドまたは質膜成分に対する試薬の前後関係における、「結合」、「結合する」、「結合している」等は、GPCR質膜アッセイ条件に支配されるとき、リガンドまたは試薬のGPCRまたは膜成分への近い近接を保持するGPCRまたは質膜成分に対するリガンドまたは試薬の会合を言う。「結合」は、非共有結合または共有結合であってもよい。非共有結合の例は、非特異的吸着、静電(たとえばイオン、イオン対相互作用)に基づく結合、疎水的相互作用、水素結合形成相互作用、表面水和力などを含む。GPCRまたは膜成分に「選択的に、結合した」リガンドまたは試薬は、GPCRまたは膜成分が質膜の他成分のための大きな親和性を有する。リガンドは、また、表面に結合することができる。
【0027】
ここで使用しているように、アレイの前後関係またはアレイのマイクロスポットにおいて、「アッセイ可能」は、アレイまたはマイクロスポットが典型的アッセイ条件の下で分析され得る材料を含むことを意味する。たとえば、アッセイにまだ支配されなかったマイクロスポットまたはアレイは、典型的なアッセイ可能なマイクロスポットである。
【0028】
ここで使用しているように、膜成分の前後関係において、「前標識」は、アレイまたはマイクロスポット上にてアッセイに支配される前に、膜成分が標識化されることを意味し、すなわち、典型的にはアレイまたはマイクロスポット上の印刷の前に標識化された成分を有する質膜を言う。「基準前標識Gタンパク質共役受容体質膜アレイ」は、アッセイに支配される前に標識化される膜成分または他機能を有するマイクロスポットを有するGPCR質膜アレイである。
【0029】
ここで使用しているように、GPCRを過剰発現している細胞と関連して、「非過剰発現細胞」はGPCRを過剰発現するように構成されない細胞を意味する。
【0030】
ここで使用しているように、「CV」は変異係数を意味する。CVは、確率分布のばらつきの測定または大きいデータセットのための変異の測定である。CVは、平均に対する標準偏差の比であって、100×(標準偏差/平均シグナル強度)として、数学的に算出される。
【0031】
本開示は、なかでも、GPCR質膜マイクロアレイのマイクロスポットと関連した質膜の量の変動性のアッセイ効果を減らすアレイおよび方法を記載する。本開示は、所定のマイクロスポットと関連する質膜の量と他のマイクロスポットのそれとを比較するために用い得る量を測れるシグナルを提供することにより、GPCR質膜アレイ・アッセイのマイクロスポットからのシグナルの規格化を提供する様々な実施例を示す。
【0032】
−−アレイ−−
図1に関連して、ここで記載されているように、アレイ10は表面12を有する基質15を含む。複数のマイクロスポット20は、表面12に置かれる。アレイ10のマイクロスポット20のうちの1つ以上は、既知または未知の組成の質膜を含む。質膜は、質膜に埋設され込まれるGPCRを含むことができる。様々な実施例において、複数種類のタンパク質は、マイクロスポット20の質膜に含まれる。たとえば、質膜は2つの包埋されたGPCRを含むことができ、たとえば、それは、それらの生物学的な機能のためにヘテロ二量体化するGPCRにとって望ましくてもよい。加えて、機能上のGPCR活性のために、マイクロスポット20の質膜は、必然的コエフェクタおよび/またはアダプタを含むことができる。(Angers, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97, 3684-3689)さらに、多数の細胞表面分子を含む可溶化された細胞からの生体膜は、直接生体膜アレイ10を作るために用い得る。
【0033】
マイクロスポット20は、1つの、2つの以上質膜を含むことができる。アレイ10のマイクロスポット20はいかなる便利な形でもあってもよいが、典型的な円形で、楕円面で、広楕円形で、環形である、または、いくつかの他は類似して形をカーブさせた形である。ここで、形は、特定の実施例において、アレイ10を産生するために使用される特定の方法の結果であってもよい。マイクロスポット20は、円形のパターン等において、格子を形成するために列およびカラムにおいてアレイ10の表面12全体または上のいかなる便利なパターンにも配置され得る。
【0034】
マイクロスポット20は、欠陥21(質膜によって層にされないマイクロスポット20の範囲内の領域)を含むことができる。これらの欠陥21の範囲内で、下にある基質は、暴露され得る。その標識試薬がこれらの欠陥領域21において暴露される下にある基質表面に結合することができる。
【0035】
マイクロスポット20の質膜は、一般に安定して基質15の表面12と関連しており、すなわち、マイクロスポット20の質膜は、条件を結合しておよび/または洗浄することの下で基質15と関連して一般にそれらの位置を維持する。しかし、いくつかの質膜がアッセイ中(たとえば、ステップを洗浄することの間)、アレイ10の表面12から除去され得ると理解される。スポット20を解決する質膜は、非共有結合にまたは共有結合して基質表面12と会合することができる。非共有会合の例は、非特異的吸着、静電(たとえばイオン、イオン対相互作用)に基づく結合、疎水的相互作用、水素結合形成相互作用、表面水和力等、または、固定された結合パートナーおよび質膜結合タンパク質の特異な相互作用に基づく特異結合を含む。たとえば、特異な結合−誘導固定化は、抗体−テスト相互作用、一般的なリガンド−受容体結合、レクチン−糖残基相互作用、その他を含む。共有結合の例は、質膜および基質15の表面12に存在する官能基たとえば−NHまたはCoOHの間で形成される共有結合を含み、そこで、官能基は誘導された被覆材料の構成メンバとして自然に生じまたは存在し得る。他の例において、GPCRまたは膜タンパク質のヒスチジンを付着の突然変異体は、キレート性結合によりNi−存在表面に結合することができる。
【0036】
様々な実施例において、アレイ10は第1の包埋されたGPCRを有する質膜またはGPCRの組み合わせを有する第1のマイクロスポット20および第2の異なる包埋されたGPCRを有する質膜またはGPCRの組み合わせを有する第2のマイクロスポット20を含む。もちろん、アレイ10は、GCPRで異なって埋設されたGPCRまたは組み合わせを有する異なる質膜を有するマイクロスポット20のいかなる異なる数も有することができる。たとえば、アレイ10は、10か、50か、100か1000の以上異なるマイクロスポット20を有することができる。そして、各々GPCRの異なるGPCRまたは組み合わせを有する。アレイ10の各々のマイクロスポット20は、GPCRの異なるGPCRまたは組み合わせを含むことができる。たとえば、約100のマイクロスポットを含んでいるアレイ10は、約100の異なるタンパク質を含んでもよい。あるいは、各々の異なるGPCRは、アレイ10の分離した複数のマイクロスポット20に含まれ得る。たとえば、GPCRの各々の異なるGPCRまたは組み合わせは、2乃至6の異なるマイクロスポット20に任意に存在してもよい。
【0037】
様々な実施例において、アレイ10は細胞膜製法を使用して作られる。かかる細胞膜製法は、GPCRまたは組み合わせに加えて関心あるGPCRで異なる多数の細胞表面タンパク質を含む。或る実施例において、アレイ10は正常および病気にかかった組織から得られる細胞膜製法を含む。結果として生じるアレイ10は、組織の薬理学的、生理学的な特性を比較するために用いることができる。
【0038】
様々な実施例において、アレイ10のマイクロスポット20のうちの1つ以上は、異なる量でまたは異なる包埋された環境においてであるが、関心のある同じGPCRまたはGPCRの組み合わせを含む。たとえば、同じ受容体は、可溶化された細胞膜製法からまたはリポソームにおいて再構成される精製された受容体または異なる組成のミセルから得られ得る。結果として生じるアレイは、安定度上の環境および受容体の官能性の効果を検討するために用い得る。様々な実施例において、アレイ10のマイクロスポット20のうちの1つ以上は、異なる突然変異(たとえば点突然変異体)であるが関心のある同じGPCRを含む。結果として生じるアレイ10は、受容体の構造および機能類縁を使って組織的に検討する。
【0039】
様々な実施例において、アレイ10は、使用中の異なる検体(標的)で処理される実質的に同一のマイクロスポット20(たとえば同じGPCRを含んでいるマイクロスポット20)または一連の実質的に同一のマイクロスポット20を含む。たとえば、アレイ10は20のマイクロスポット(異なるGPCRを含んでいる各々のマイクロスポット20)の「ミニアレイ」を含むことができる。ここで、ミニアレイはより大きいアレイ10の一部としての20回繰り返される。
【0040】
様々な実施例において、1つのマイクロスポット20のGPCRまたはGPCRの組み合わせがもう一方のそれと異なるけれども、GPCRは互いに関連する。或る実施例において、2つの異なるGPCRまたはGPCRの組み合わせは、同じファミリの構成メンバである。異なるGPCRは、機能的に関連し、または、ちょうど機能的に関連があると疑うことができる。しかし様々な実施例において、固定されたGPCRの機能は、未知でもよい。そのような場合、アレイ10の異なるマイクロスポット20上の異なるGPCRは、構造または配列の類似性を共有され得るか、または単に構造または配列の類似性を共有することで疑われ得る。或る実施例において、GPCRはタンパク質ファミリの異なる構成メンバの断片であってもよい。或る実施例において、GPCRは薬理学的であるか生理学的な分布または役割の類似を共有する。
【0041】
−−基質−−
図1によると、ここで記載されているように、アレイ10の基質15はマイクロスポット20のパターンがある少なくとも1つの表面12を含む。表面12は、平滑、実質的に平坦、不規則(たとえば沈下または隆起)を有するか、または多孔性とすることができる。様々な実施例において、米国出願公開2006/0147993号、2006年7月6日、「質膜アレイおよび製造の方法」(U.S. pregrant application publication no. 2006/0147993, entitled “Membrane arrays and methods of manufacture”, July 6, 2006)にて説明したように、基質は多孔性である。
【0042】
基質15は、セラミック物質、ガラス、金属、結晶性材料、プラスチック、重合体または共重合体もしくは、(それのいかなる組み合わせも)または交互に積層した材料をも含むことができる。かかる基質15は、たとえば、制限しないが、たとえば、金または銀などの(半)貴金属、ガラス材料(たとえばソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、バイコール(登録商標)ガラス、石英ガラス)、金属性または非金属酸化物、シリコン、リン酸モノアンモニウム、そして、他かかる結晶性材料、遷移金属、プラスチック、または、ポリ(ビニル塩化物)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(メチルメタクリル酸エステル)、ポリ(ビニル酢酸塩−無水マレイン酸)、モノメタクリル酸、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンイミン、環状オレフィンのような樹枝状重合体を含む、重合体、ポリ(ビニル酢酸塩−co−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、環状オレフィン共重合体のような共重合体またはこれらの誘導体等を含む。
【0043】
基質15は、アレイ10の意図された使用に従い、単純から複合体まで変動している様々な配位をすることができる。このように、基質15は全体的なスライドまたはプレート配位、たとえば矩形またはディスク配位、を有してもよい。標準の複数のウエルマイクロプレート配位が、使われ得る。たとえば、ウエルの表面は米国出願公開2002/0094544号、2002年7月18日、「生体膜およびその使用方法のアレイ」(US pregrant patent application publication no. 2002/0094544, entitled “Arrays of biological membranes and methods of use thereof”, July 18, 2002)。にて説明したように、修飾され得る。
【0044】
スポット20のパターンがある表面12は、望ましい方法の表面12の性状を修飾するのに役立つ化合物の1つ以上の異なる層によって修飾され得る。たとえば、アレイ10は典型的なマイクロスポット20を有する被覆材料(図示せず)または一部の基質15を含むことができる。被覆材料は、基質のためのマイクロスポット20の質膜の親和性を強化するために用いてもよい。被覆材料は、マイクロスポット20の範囲内で欠陥21において暴露され得る基質のための標識リガンドの親和性を強化するために用いてもよい。いかなる適切な被覆材料も、使用され得る。適切な被覆材料の非限定例は、シラン、チオール、ジスルフィドまたは重合体を有するそれらを含む。適切な被覆材料に関する更なる詳細は、米国出願公開2002/0094544号に記載されている。
【0045】
−−生体膜−−
ここで使用しているように、「質膜」はGPCRが包埋され得る複数の両性分子を有する構造を意味する。形態質膜に使用され得る両性分子は、リン脂質、スフィンゴミエリン、コレステロールまたはそれらの誘導体を含む。質膜は、合成薬品または自然に起こるものであってもよい。たとえば、質膜はベシクル、リポソーム、単層脂質膜、二重層−脂質膜、細胞膜の全部または一部、リポソーム、デタージェント・ミセル、等の中で形成され得る。
【0046】
GPCRが取り入れられる質膜のために、固定された受容体がそれらのコエフェクタ(たとえばGTP結合タンパク質またはGタンパク質共役受容体キナーゼ(GRKs))のうちの1つ以上と関連することは、特定の実施例において好ましい。様々な実施例において、所望の受容体およびそのコエフェクタを共に過剰発現している細胞株からの細胞膜製法が、使われる。或る実施例において、リポソームまたはミセルの再構成された受容体が使われる。そこにおいて、受容体は好ましい比の1つ以上の好適なコエフェクタと関連する。受容体が配列される前に、または、その後に、そのコエフェクタを有する受容体の結合は実行され得る。コエフェクタは、いずれの精製された自然のタンパク質も、生来配列を有する組換え型タンパク質類またはサブユニット(たとえば突然変異体およびキメラ)のユニークな組み合わせを有する組換え型タンパク質でありえる。
【0047】
質膜に取り入れられるタンパク質は、従来技術において通常の熟練のそれらにとって知られている技術の変動性のいずれにでもよって生成され得る。タンパク質は、自然型供与源から得られるかまたは組換えDNA方法を使用して、任意に過剰発現され得る。たとえば、タンパク質はGPCR(たとえばアドレナリン受容体、アンギオテンシン受容体、コレシストキニン受容器、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ニューロテンシン受容器、ガラニン受容体、ドーパミン受容体、オピオイド受容体、セロトニン受容体、ソマトスタチン受容体、その他)、GTP結合タンパク質および他の膜結合タンパク質を含む。かかるタンパク質の突然変異体または一時変異体が、また、使われ得る。たとえば、単一または多発性点突然変異体を所有している或るGPCRは、生物学的官能性を保持して、疾患に関係していることができる。(Stadel, et al., Trends in Pharmocological Review, 1997, 18, 430-437、参照。)
【0048】
また、タンパク質はまた、N末端で付着したアゴニスト(またはペプチド)を含むために修飾され(または個別に)得る。かかる方法で修飾されるGPCRは、構成的に活性化され得る(Nielsen, S. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97, 10277-10281)。
【0049】
様々な実施例において、GPCRは指向の方法で固定される。たとえば、リガンド・スクリーニングのためのGPCRアレイの性能を改良するために、GPCRは基質に直面している溶液および菌体内ドメインに、それらのリガンド−結合部(細胞外ドメイン)によって指向される。これは、多くの方法によって完成され得る。たとえば、基質の表面は、基またはエチレンジアミン・トリ酢酸(EDTA)基がニッケルにキレート化したニトリロ三酢酸(NAT)を含むために修飾される。この表面が、それらのC末端でヒスチジン標識を有する組換え型GPCRを固定するために使われ得る。NTA基を示している表面またはEDTA基は、ガラスまたは金属酸化物表面上のまたは金−被覆表面上のチオール化学作用を経たシラン化学作用によって、便利に得られ得る。これらの界面化学のための化合物は、市販の(たとえばN−[(3−トリメトキシシリル)プロピル)プロピル]エチレンジアミン・トリ酢酸;Huls社)である。
【0050】
溶液に暴露されるそれらの細胞外のドメインを有するGPCRを固定するための他のアプローチにおいて、反GTP結合タンパク質抗体が、使われ得る。このアプローチは、GTP結合タンパク質がヒスチジン標識によって発現される必要はないという効果がある。
【0051】
あるいは、機能的アッセイのためのGPCRアレイの性能を改良するために、GPCRは溶液に直面しているそれらの細胞内の側面および基質に直面している細胞外のドメインによって指向される。これは多くの方法によって完成され得、そして、たとえば、小麦胚凝集素(WGA)のようなレクチンを有する基質表面を修飾することを含む。これらの表面が、受容体のN末端または細胞膜に存在する他の細胞表面部分のグリコシル化された部分によるGPCRの固定化のために使われ得る。
【0052】
−−アレイのマイクロスポットとしての質膜の印刷−−
質膜は、アレイ10を生成するために基質15の表面12上のマイクロスポット20として印刷される。いかなる適切な印刷技術も、使用され得る。ここで使用しているように、「印刷」は基質の上へ材料の沈着を意味する。質膜は、典型的な技術、マイクロパターニングを使用して基質15に印刷される。かかる技術は、公知技術である。様々な実施例において、プローブ(また、「ピン」と称する)の先端は、質膜の溶液に浸漬される。先端は、付着される溶液に先端を提供するために溶液から除去される。溶液は、それによって溶液を先端から表面12まで移すために基質15の表面12によって接触する。
【0053】
質膜をアレイ10の表面12に印刷するためのピンは、いかなる形、大きさおよび寸法とすることができる。たとえば、プロセスを印刷しているピンは、環形とされたピン、四角ピンまたは点ピン、その他を含むことができる。或る実施例において、直接の密着焼付け法は、単一ピン印刷または多重ピン印刷、すなわち供与源プレートを含んでいる単一ピン印刷方法またはいかなるフォーマットにもおいて作られる多重ピンのレイアウトアレイを使用している多重ピン印刷方法を含む。
【0054】
印刷器具は、印字ヘッド、プレート、基質処理単位、XYかXYZ位置決めステップ、環境管理、機器コントロール・ソフトウェア、サンプル・トラッキング・ソフトウェア、その他を含むことができる。たとえば、かかる器具は、デカルト技術社(Cartesian Technologies, Inc)で販売される羽軸根ピン−プリンタを含む。
【0055】
高密度アレイを形成するために、各々のプローブが対応する供与源ウエル、たとえばミクロタイタープレートからのウエルの嵌るように整列配置されたプローブのマトリックスを有する印刷プローブ・アレイを用いてもよい。
【0056】
ここで記載されているように、様々な他の手技はまた、アレイ10を産生するために用いてもよい。アレイ10は、たとえばマイクロスタンピング(米国特許第5,731,152号)や、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)スタンプを使用しているマイクロ接触印刷(Hovis and Baxter, Langmuir, 2000、16(3):894-897)や、キャピラリ分配装置(米国特許第5,807,522号)や、マイクロピペット装置(米国特許第5,601,980号)にて製造ができる。質膜アレイ10を使用している放射性のアッセイのために、数百ミクロン乃至数mmまでの範囲でより大きい大きさの点を生み出すことができる技術なので、ピペットベース液体移入技術はアレイ10を作ることに役立つ。
【0057】
−−アレイの使用−−
ここで記載されているように、アレイ10が様々なGPCR結合および機能的アッセイにおいて使われることができて、薬物開発、医学の診断、プロテオームまたはバイオセンサにおいて使用され得る。アレイに分配されるサンプルは、典型的な流体である。
【0058】
広範囲にわたる検査法は、ここで記載されているアッセイに適用できる。必要に応じ、検出は量的でも、半定量的でも、質的でもよい。アレイ10は、たとえば可視または赤外線の範囲の生体吸収、化学発光および蛍光(寿命、偏光、蛍光相関分光法(FCS)および蛍光−共振エネルギー転移(FRET)を含む)のような、光学検出設備を使用している方法に結びつけられ得る。さらに、適宜または必要に応じ、光学導波管(PCT公開公報WO96/26432および米国特許第5,677,196号)や、表面プラスモン共振、表面電荷センサー、表面力センサーおよびMALDI−MSのような技術に基づく他の検出態様が使用され得る。
【0059】
GPCRに関するかぎり、アッセイは直接的な非侵襲的なアッセイまたは間接的な競争アッセイであってもよい。非侵襲的な方法では、GPCR上の結合部のための親和性は、直接決定される。かかる方法で、マイクロスポットのタンパク質は、直接検体(「標的」)に暴露される。リガンドは、標識化され得るかまたは標識化されない。GPCRを結合することで疑われるリガンドが標識化される場合、検出の方法は蛍光、ルミネセンス、放射活性、その他を含むことができる。リガンドが標識化されない場合、結合の検出は表層膜で或る物性の変化に基づいてもよい。この物性は、屈折率または電気インピーダンスでもよい。非標識標的の結合の検出は、また、質量分析によって実行されてもよい。競争的方法では、結合部占有は、間接的に決定される。かかる方法で、アレイのGPCRは、GPCRのためのリガンドと標識化される同族を含んでいる溶液およびGPCRを結合する疑いがある非標識標リガンドに暴露される。同族の標識リガンドおよび非標識標の推定のリガンドは、GPCR上の結合部に匹敵する。同族リガンドと関連するGPCRのための推定のリガンドの親和性は、標識リガンドの結合の量の減少によって決定される。疑われたリガンドの結合の検出はまた、サンドイッチ・アッセイを使用して実行され得、これにおいて、初期の結合の後、アレイ10は、結合リガンドのために親和性を有する標識抗体のような分子を含んでいる第2の溶液によってインキューベートされて、そして、リガンドの結合の量はGPCR−標的錯体に対する標識抗体の結合の量に基づいて決定される。推定のリガンドの結合の検出は、アレイ10が関心のある化合物を含んでいる第2の溶液によってインキューベートされて、これにおいて、標識リガンドを初期に結合した後、置換アッセイを使用して、実行され得る。疑われたリガンドの結合の結合能力および量は、予め結合した標識リガンドの数における減少に基づいて決定される。
【0060】
様々な実施例において、アッセイは標的サンプルの特定の成分を結合するそれらの能力のための複数のGPCRをスクリーニングする方法を提供する。かかる方法は、スクリーニングされるGPCRを含んでいるアレイ10にサンプルを分配して、直接間接的に、各々のマイクロスポット20で保持される特定の成分の存在または量を検出することを含む。アッセイは、検出ステップの前にアレイ10からサンプルのいかなる非結合または非特定に結合された成分も除去するためにアレイ10を洗浄することを更に含むことができる。或る実施例において、アッセイは少なくとも1つのマイクロスポット10に保持される特定の成分を特徴づけることを更に含む。
【0061】
様々な実施例において、方法は、アレイ10上のGPCRのうちの1つ以上と化学反応することができるサンプルの複数の推定のリガンドの存在を平行にアッセイすることを含む。この方法は、アレイ10に対するサンプルを摘出して、GPCRたとえば各々のマイクロスポット20との推定のリガンドの相互作用を検出することを含む。
【0062】
ここで記載されているように、アレイおよび方法を使用して、実行され得る追加の結合アッセイは、米国出願公開2002/0094544号に記載されている。
【0063】
−−GPCRアレイのための機能的アッセイ−−
様々な実施例において、アレイ10は、活性化を識別するマイクロアレイに基づく異質のアッセイおよびGPCRのコエフェクタのために使われ得る。或る実施例において、アッセイは、標識加水分解抵抗性GTP(たとえば放射性[35S]GTPγSまたはその蛍光性類似体(たとえばBODIPY−FL−GTPγSまたはユウロピウム標識GTPγS(eu−GTP))を使用して、過剰発現されたGPCRおよびGTP結合タンパク質を含む細胞質膜調整物または関心のある受容体およびそのコエフェクタを含んでいる再構成のベシクル/ミセルのアレイへのGTPγSのリガンド刺激結合をモニタする。このアプローチによって、高い流量方法のGPCRに対して、アゴニストをスクリーニングするのを人に可能とするだけでなくて、人がGPCRのコエフェクタ(たとえば被結合GTP結合タンパク質)を識別可能ともする。
【0064】
アゴニスト結合にあたって、GPCRは以前に遮蔽されたGTP結合タンパク質−結合部を開放する立体配置的変化を被り、そして、それによってヘテロ三量体GTP結合タンパク質との相互作用を進める。この相互作用はグアニンヌクレオチド交換に触媒作用を及ぼし、そして、GTP結合タンパク質のサブユニットにGTP結合に結果としてなる。GTP結合は、GβγサブユニットからGα−GTP錯体の解離まで至る。Gサブユニットの内因性GTPアーゼ活性の結果として、結合されたGTPはGDPに加水分解され、そして、それによってそのヘテロ三量体の休止状態に系を戻す。
【0065】
GTPγSは、GTPの加水分解抵抗性類似体である。放射性で蛍光性のGTPγSの結合が、溶液に基づくアッセイの均質のアゴニスト−結合されたGPCRによって、測定GTP結合タンパク質活性化に広く使われている。
【0066】
組織および細胞型にてGTP結合タンパク質の多種多様基が見つけられる(Morris, A.J. and Malbon C.C., Physiol. Rev., 1999, 79, 1373-1430)。GTPα結合タンパク質は、るそれらの生物学的な機能およびアミノ酸相同基づき、4つのファミリ(Gs、Gi、Gq、そして、G{fraction(12/13)})に分類され得る。さらに、文献において報告された、少なくとも5つのGβおよび7つのGTPγ結合タンパク質がある。したがって、ヘテロ三量体GTP結合タンパク質は非常に多種多様であり、3つのサブユニットの組み合わせの複雑度を考慮に入れる。GPCRは、少なくとも1つのGTPα結合タンパク質を連結することができる。さらに、ほとんどすべての細胞株は、優先して全てのGTPα結合タンパク質よりむしろいくつかを発現する。これは、GPCR−GTP結合タンパク質経路に対するリガンドの作用を分析および規格化する複雑度を上げる。たとえば、関心のあるGPCRを過剰発現している与えられた細胞株において、GPCRコエフェクタが不在の場合、リガンド・スクリーニング・アッセイの結果はあまり意味がある事はない。
【0067】
Gαサブユニットのリガンド−誘導活性化の欠ける場合、GTPγSおよびその類似体は異なる親和性を有するGTPα結合タンパク質の構成メンバに結合する。たとえば、BODIPY−FL−GTPγSは、再構成された小胞系において、GTP結合タンパク質Go、Gs、Gi1およびGi2(それぞれ6、70、150および300nMのKを有する)の非活性形態に結合する(McEwen, D. P., et al., Anal.Biochem、2001、291、109-117)。これは、BODIPY−FL−GTPγSを使用している蛍光強度のための異なる基礎のラインを引き起こす(または、放射活性はもしもを計数する[35S]GTPγSが使われる)。しかし、アゴニスト−誘導Gα活性化は、非常にGTPγSの結合を進める。
【0068】
−−図2−5−−
代表的なGPCR質膜マイクロアレイ10および関連するアッセイ反応の様々な実施例は、図2−6に示される。図1と同様に、図2、3、4A、5Aおよび6Aは、表面12に配置した複数のマイクロスポット20を有するアレイ10を示す。図2および3を参照すると、GPCR40は、マイクロスポット20の質膜30と会合する。表される質膜30は脂質二重層であるが、しかし、質膜30が上で示したようにいかなる適切な質膜でもあってもよいと理解される。GPCR40以外の膜成分50は、また、質膜30と会合する。膜成分50は、質膜30と会合して、標識化されて、質膜と会合すると確認され得るできるいかなる成分でもあってもよい。様々な実施例において、膜成分50は細胞から分離される質膜の成分である。たとえば、膜成分50はリン脂質、脂肪酸、末梢であるか必要不可欠な膜タンパク質、コレステロール、オリゴ糖、等であってもよい。或る実施例において、膜成分50はガングリオシドがGM1であるか、または含む。或る実施例において、膜成分は、ホスファチジルセリンのようなリン脂質であるか、または含む。追加の実施例において、標識試薬は、マイクロスポット20と会合することができる。たとえば、標識タンパク質は、基質(マイクロスポットの範囲内の欠陥)の露出した領域を結合、または会合することができる。この結合は、また、GPCRアッセイへの基準または規格化動機として役立つことができる。或る実施例において、膜成分50は第1のGPCR40と異なる第2のGPCRである。
【0069】
追加の実施例において、GPCRアッセイの規格化は、標識を質膜調製物に組み込むことによって完成していてもよい。たとえば、印刷する前に、標識ストレプトアビジン(Sv)または類似した標識タンパク質類はGPCR質膜調製物に組み込まれ得る。これは、cy5を含んでいる一般の印刷緩衝液またはSvと分類されるcy3の音波処理によって完成していてもよい。この音波処理ステップは、GPCR質膜調製物に標識Svの会合に至る。理論によって結合されることなく、標識Svは疎水性色素、たとえばcy3または、cy5によってGPCR質膜調製物と会合させて、脂質膜と会合できるようになる。または、標識Svは、堆積したマイクロスポット20において印刷質膜調製物の欠陥21を介して暴露され得る基質と会合する(Fang, et al., Air-Stable G Protein-Coupled Receptor Microarrays and Ligand Binding Characteristics, Anal. Chem. 2006, 78:149-155、参照)。
【0070】
図2を参照すると、標的質膜の膜成分が、GPCRアッセイの規格化のための基準として使われ得る。図2に示すように、選択的に膜成分50に結合する試薬70は、第1の標識75によって標識化され(集合的に「標識試薬」78)、そして、アッセイ溶液に添加されて、そして、膜成分50と会合る質膜30を含んでいるマイクロスポット20に接触される。試薬70は、選択的に膜成分50を結合するいかなる試薬でもあってもよい。一般に、試薬70は膜成分50のための高親和性を有しなければならなくて、GPCR40を有するリガンド60またはGTP結合タンパク質のようなその下流コエフェクタを有するGPCR40の相互作用の結合を、妨げない大きさの中でなければならない。膜成分が質膜のいかなる位置にも位置することができる間に、好ましくは、膜成分50は、GPCR40およびその下流コエフェクタから充分な距離を配置され、リガンド60での結合または機能的アッセイの干渉を避けるようにする。様々な実施例において、試薬70は抗体または抗体フラグメント、たとえば膜成分50のエピトープを認識するFab断片である。しかし、或る例において、抗体は目標とされた結合または機能的アッセイを妨げるのに十分大きくてもよい。多数の実施例において、試薬はコレラトキシンのβサブユニットを含み、そして、それは選択的に質膜30に組み込まれ得るかまたは自然に細胞から分離される質膜で見つけられ得るガングリオシドGM1に結合する。様々な実施例において、試薬は選択的にホスファチジルセリンに結合するアネキシンV(Annexin V)を含む。標識アプタマー(aptmer)がほとんどいかなる膜成分のためものプローブのために使われ得ると理解される。
【0071】
アッセイ溶液は、また、第2の標識65によって標識化されるGPCRリガンド60を含むことができる(集合的に「標識リガンド」68)。ここで使用しているように、GPCRの前後関係において、「リガンド」はGPCRに結合する分子を意味する。「リガンド」は、場合によっては、機能的にGPCRと相互に作用することができる。たとえば、リガンドはアゴニストおよびアンタゴニスト(逆作動薬等)であってもよい。
【0072】
アッセイ溶液を有する接触の後、アレイ10またはマイクロスポット20は洗浄され得る。そして、GPCR40に結合されるリガンド68に標識化されていて、膜成分50に結合される試薬78に標識質膜30を残す。第1のマイクロスポット20からの第1の標識75から得られるシグナルは、第2のマイクロスポット20から得られたシグナルと比較されてもよく、マイクロスポット20の質膜30の量の変動性を説明し、第1のマイクロスポット20からの第2の標識65から検出されるシグナルと第2のマイクロスポット20からの第2の標識65から検出されるシグナルとの規格化された比較を可能とする。与えられた質膜調製物の範囲内で、膜成分50に対するGPCR40の比は、アッセイの間、定常的なままでなければならない。したがって、膜成分50は効果的な規格化標的として役立ち得る。図2に示される実施例は規格化のための改善の結果となると共に、質膜30が表面12に結合されるときに、膜成分50に標識試薬78の制限されたアクセスのために膜成分50の均一標識を達成することは或る状況において困難となる場合がある。加えて、典型的アッセイと関連する洗浄条件の下で標識フリー試薬78を除去することは或る状況において困難となる場合があり、それは規格化を混乱させるかもしれない。
【0073】
したがって、かかる状況において、たとえば、図3に示すように質膜30を表面12に印刷する前に前標識質膜30が望ましい。図3に示すように、前標識質膜30は、基質12に印刷される。前標識アッセイまたはマイクロスポット20は、第2の標識によって標識化された第2の標識65(集合的な標識リガンド68)によって標識化されたGPCRリガンド60で処理され得る。結合活性およびアッセイ特異性をすることを維持するために、凍結/融解過程を通すことなくアレイ印刷が起こり標識化を直接続けることを確実にするために最小限の必要なステップでGPCR40を標識化することが望ましい。たとえば、活性的前標識GPCR質膜を産生した簡略化された前標識プロトコルは、下記の実施例3に記載されている。実施例3において、標識は保存溶液において小体積で直接提供され、そして、質膜はBSAのようなキャリアータンパク質を加えることによって洗浄される。これらのステップは、同日の質膜調製物および質膜印刷を提供することを可能にする。
【0074】
印刷はたとえば5時間かかる冗長なプロセスであるので、前標識に必要な回数を減らすことによって研究者が1日で印刷ステップと同様に前標識ステップの全てを完了することができる。全てのプロトコルが1日で完了され得る場合、凍結融解サイクルは必要でない。
【0075】
従来の方法は、適切に凍結融解サイクルが必要なステップの全てを完了することを必要とした。加えて、従来方法では回収率(プロトコルの終わりに残る標識質膜の百分率)は非常に低かった(30%未満)が、一方、本発明方法の実施例では回収率が90%を超える回収率を得られる。
【0076】
本発明の実施例において、保存溶液の最小体積にてステップを実行することが、好ましい。保存溶液は、GPCR質膜調製物の製造業者または供給元によって提供され得る。液体の最小体積中に浮遊したタンパク質または質膜は、製法からの沈殿または回収がより簡単である。しかし、最小限体積は質膜材料の体積を収容するため、たとえば15μl以下であることはありえない。好適な最小体積は、100μl未満で、20乃至75μlの間に、25乃至50μlの間に、25乃至40μlの間にすることがよい。
【0077】
アレイ印刷より前の前標識GPCR40は、標識化効率を向上させ、バックグラウンド・シグナルを減らし、結果として改善された規格化を可能とする。加えて、前標識GPCR40によって、人が質膜保持をモニタできるようになり、アッセイの印刷、洗浄、結合に関連したスポットを見逃がすトラブルシューティングを可能とする。これによって、人は、アッセイ中のGPCR40に対するリガンド60の減少結合がアッセイ中(たとえば、洗浄中)の質膜30の減少か、不完全な印刷か、未知の理由(実施例3参照)による結合活性する減少、によるかどうか決定することができる。結合アッセイの複雑なプロセスが起こる前に、前標識GPCR40によって人が精度管理を実行することができ、時間および経費の節減に非常に有益である。
【0078】
本発明の実施例は、GPCRアッセイのために有意な効果を用意することができる。たとえば、前標識質膜の使用は、結合アッセイ中の質膜保持をモニタするために用い得る。図8B(アッセイ前)および図8C(アッセイ後)に示すように7を除き質膜の全てが存在し、図8Bおよび8Cは質膜(7)の印刷失敗を示す。しかし、図8Aに示される結果は、カラム1および2のシグナルがないことを示す。前の方法を使用して、人は質膜がカラム1および2において適切に印刷されなかったことを示すとして結果を読み込むことができるようになった。しかし、前標識方法を用いて、カラム7だけが印刷することに失敗したことが分かる。実施例3(C)を参照のこと。精度管理もまた、改良され得る。先の方法は、アッセイ前であるが、印刷後に品質をモニタするための自己蛍光を使用した。前標識質膜については、前標識された蛍光に注目することによって直接印刷する品質を点検することが可能である。これは、アッセイの最終結果を分析することに関してより正確である。たとえば、図11A−11Cを参照のこと。加えて、この前標識方法は規格化のために使われ得る。
【0079】
図4および5を参照すると、第2の基準質膜230は、規格化のために役立つように使用され得る。標的質膜30および基準質膜230は、一緒にマイクロスポット20に印刷される。標的質膜30および基準質膜230は、印刷の前に混合していてもよい。基準質膜230は、好ましくは標的質膜30に類似している。たとえば、標的質膜30はGPCR40を過剰発現している細胞から分離される質膜であってもよい、そして、いずれがGPCR40を過剰発現しないか、標的質膜30が得られる細胞として、基準質膜230は共通の系統を有する細胞から分離され得る。基準質膜230は、印刷前に前標識され得、または標的質膜30に向けたGPCRアッセイ中に標識化され得る。
【0080】
図4Aに示される本実施例において、標的GPCR40を含んでいる標的質膜30および基準GPCR240を含んでいる基準質膜230は、アレイ10のマイクロスポット20に印刷される。図4Bに示されるアッセイ反応において、標的GPCR40に対する標識リガンド68および基準GPCR240に対する標識試薬78を含んでいるアッセイ溶液は、標的質膜30および基準質膜230を含んでいるマイクロスポットに接触される。標識リガンド68は標的GPCR30に結合し、そして、標識試薬78は基準GPCR240に結合する。マイクロスポットから非結合の標識リガンド68および標識試薬78を洗浄した後に、シグナルは標識試薬78の第1の標識75と関連し、そして、標識リガンド68の第2の標識65と関連するシグナルはたとえば、上記の通り検出され得る。シグナルは第1の標識78と関連し、そして、このように、基準質膜240は第2の標識68およびこのように標的質膜から検出されるシグナルを規格化するために、たとえば、上記の通り用いてもよい。しかし、基準質膜240がたとえばGTP結合タンパク質のような基準GPCR240の下流エフェクタのかなりの量を含む場合、GPCR40に結合している下流効果リガンド60の指示薬たとえば結合した標識GTPγSが測定される機能的アッセイは、試薬70が基準GPCR240に結合に下流効果を成し遂げ得るように、基準質膜230および基準GPCR240と関連する効果によってマスキングされ得ると理解される。
【0081】
マイクロスポット20に関して議論されるように、そこでは、膜成分50が標的質膜30(図2および3に関連して説明した)の成分であるが、基準質膜230の前標識は同様に有利である。図5Aを参照すると、GPCR50を含む標的質膜30および前標識された膜成分50(標識試薬78によって前標識された)を含む基準質膜230は、アレイ10のマイクロスポット20に印刷される。実施例において、標的質膜30は膜成分50を含み、たとえば同じ細胞型から得られ、標的質膜が標的GPCR40を含むことを除いては基準質膜230に類似している。アッセイ溶液は、図5Bに示すように、マイクロスポット20に接触することができる標識リガンド68を含むことができ、リガンド60が標的GPCR40を結合することができるようになる。基準質膜230と関連する第1の標識75からのシグナルは、上記の通りに標的GPCR40と関連する第2の標識65からのシグナルを規格化するために用いることができる。
【0082】
規格化のために基準質膜230を使用する有効性は標的質膜30に対する基準質膜230の相対的な量が印刷プロセスおよびアッセイ手順の全体にわたって定常的なままであるという仮定に基づく。規格化のための良好な結果は基準質膜230を使用して得られ得る(実施例 2を参照のこと)。しかし、或る状況において、アレイ10の表面12によって保持される質膜の機能が使用される質膜の型、質膜に取り入れられるGPCRの量、などに従い変化し得ると理解される。したがって、基準質膜230および標的質膜30はオリジンおよび成分の同様であることが好ましい。
【0083】
図2−5がアッセイを結合している受容体を表す一方、機能的アッセイは類似した方法で実行され得ると理解される。機能的アッセイにおいて、受容体結合の影響を受ける下流であってもよい分子は、第2の標識65によって標識化され得る。標識分子は、下流効果を成し遂げるためにリガンド60の機能の指示薬として機能する。たとえば、GTP結合タンパク質のαサブユニットへのGTPの結合を起こすリガンド60の機能を決定するために、上記のように、GTPγSは標識化され得る。
【0084】
以下において、非限定の実施例が示されるが、それはアレイの様々な実施例および上記の方法を記載する。
【実施例】
【0085】
−−実施例1:規格化のための基準としての標的質膜の膜成分の使用−−
図2に参照されるように、例1は規格化のための基準として標的膜成分の使用を例示する。標的細胞膜の多くの成分(タンパク質、脂質、コレステロール、多糖、その他)が、基準として使われ得る。たとえば、我々はガングリオシドGM1を基準に選んだ。ガングリオシドGM1は形質膜において選択的に微小ドメインに仕切る。微小ドメインは、脂質ラフトと呼ばれている。脂質ラフトは、形質膜において側生芽会合体を形成する、洗浄不溶性のスフィンゴ脂質およびコレステロールの豊富な微小ドメインである。脂質ラフトは、多くのシグナリング・タンパク質および受容体を隔離して、様々な細胞過程で役割を演ずる。コレラトキシン(CTB)のβサブユニットは、高親和性を有する形質膜ガングリオシドGM1の五糖連鎖に結合すると知られている。GPCR標的および基準からの蛍光性シグナル間のクロストークを最小にするために、GPCR標的のための基準のプローブおよびCy3標識リガンドとしてのモレキュラープローブから入手可能なAlexa FL(登録商標)647標識CTB(CTB647)を我々は選んだ。
【0086】
CTB647の1ng/mlは、GPCRアレイでのインキュベーション前にCy3標識リガンドを含むGPCR結合アッセイ溶液(50mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMgCl、1mMのCaCl、1:40のブロッカーカゼイン(ピアス、ブラッドフォード、WI)および0.05%のBSA))に添加された。1時間のインキュベーションの終わりに、GPCRアレイはBio-Tek(登録商標)Instruments Inc. (Winooski, Vermont)からのELx50(登録商標)のオートメーション化した細片洗浄器を使用して蒸留水によって洗浄され、そして、Cy3およびCy5経絡のため撮影された。Cy5経絡に対するCy3経絡の結合シグナルの比は、規格化を実行するために算出された。全96ウエルマイクロプレートのアッセイCVは、CT−B647規格化の有無にかかわらず算出された。CTB647が規格化のために使われる場合、アッセイ結果はアッセイCV%の有意な改善を示した。(表1)。たとえば、ブラジキニン受容体のアッセイCVは、規格化前の39.5%であった。規格化の後、アッセイCVは、11.5%に落ちた。他の例は、ムスカリニックM2である。そのアッセイCVは、37.8%から19.5%まで減少した。
【0087】
【表1】

CVbは規格化の前のアッセイCVであり、CVnは規格化後のアッセイである。
アッセイ溶液:5Cy3標識GPCRリガンドと1ng/mlのCTB647との反応混液。
【0088】
上記の2色標的質膜参照方法は、三色または多色参照方法まで広げられ得る。
たとえば、2つの蛍光経絡がアッセイのために使われ得、そして、第3の経絡が参照するために使われ得る。たとえば、両Cy3およびCy5標識プローブがGPCR標的のために使われ得、そしてAlexa FL(登録商標)488標識CTBが参照のために使われ得る。表2の結果は、参照方法として三色の標的質膜を使用してアッセイCV%の有意な改善を示した。両Cy3およびCy5標識プローブがGPCR標的のため、そしてAlexa FL(登録商標)488標識CTBが規格化のために使われる。
【0089】
簡潔に、CT−B488の1ng/mlは、GPCRアレイでのインキュベーション前に両Cy3およびCy5標識リガンドを含むGPCR結合アッセイ溶液(50mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMgCl、1mMのCaCl、1:40のブロッカーカゼインおよび0.05%のBSA))に添加された。1時間のインキュベーションの終わりに、GPCRアレイは、オートメーション化した細片洗浄器(Bio-Tek(登録商標)Instruments Inc.からのELx50(登録商標))を使用して蒸留水によって洗浄され、そして、3つの経絡、Cy3、Cy5およびFITCのため撮影された。FITC経絡に対するCy3経絡の結合シグナルの比およびFITC経絡に対するCy5経絡の結合シグナルの比は、規格化を実行するために算出された。全96ウエルマイクロプレートのアッセイCVは、規格化の有無にかかわらず算出された。CTB488が規格化のために使われる場合、表1のアッセイ結果はアッセイCV%の有意な改善を示した。たとえば、規格化の前のブラジキニン受容体(Cy3経絡)のアッセイCVは、18.9%であった。規格化の後、アッセイCVは、4.6%に落ちた。他の例は、ニューロテンシン(Cy5経絡)である。そのアッセイCVは、14.3%から6.7まで減少した。
【0090】
【表2】

CVbは規格化の前のアッセイCVであり、CVnは規格化後のアッセイである。
アッセイ溶液:5Cy3/2 Cy5標識GPCRリガンドと1ng/mlのCTB488との反応混液。
【0091】
−−実施例2:規格化ための基準質膜の使用−−
実施例2は、図4Aおよび4Bで示す規格化のための基準質膜の使用を例示する。
【0092】
標的GPCR質膜調製物(ウロテンシンII)は基準GPCR質膜調製物(GalR2)と混ぜ合わせられ、そして、2つの質膜調製物の混合液はアレイの基質上に点状に供給された。それぞれ、Cy3ウロテンシンIIおよびCy5ガラニンが標的および基準GPCRのためのプローブとして使われた。簡潔に、2mg/mlのウロテンシン受容体は、最初にガラニン受容体の1mg/mlを混ぜ合わせられた。混合液は、アレイの基質上に点状に供給された。アレイは、それからCy3ウロテンシンIIおよびCy5ガラニンを含んでいるアッセイ溶液(50mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMgCl、1mMのCaCl(1:40のブロッカーカゼインおよび0.05%のBSA))によってインキューベートされた。1時間のインキュベーションの終わりに、GPCRアレイは、オートメーション化した細片洗浄器(Bio-Tek(登録商標)Instruments Inc.からのELx50(登録商標))を使用して蒸留水によって洗浄され、そして、Cy3およびCy5経絡のため撮影された。Cy5経絡に対するCy3経絡の結合シグナルの比は算出されて、そして、規格化を実行するため使用された。全96ウエルマイクロプレートのアッセイCVは、規格化の有無にかかわらず算出された。アッセイ結果は、アッセイCV%およびZファクタ(図6)の有意な改善を示した。アッセイZファクタは、アッセイウインドウ係数に関連する。
【0093】
図6に示すように、基準としてGPCR質膜調製物を使用するときに、アッセイ性能の有意な改善が起こる(CVおよびZ’ファクタ)。上記定義のCVは、変異の計測値である。アッセイのこれらのタイプに関して、小さいCV値が厳しく管理されたアッセイを示すように、小さいCV値が好ましい。Z’は、Z=1−3×(SDb+SDi)/(Sb−Si)として算出され、式中、Sbが競争化合物の非存在下での平均結合シグナルであり、各結合シグナルはRFUにおいて測定された非特異的結合より低いRFUにおいて測定された特異な結合であり、SDbがSbの標準偏差であり、Siが競争化合物の存在下での平均結合シグナルであり、そして、SDiはSiの標準偏差である。Z’はアッセイの品質の計測値で0−1の範囲にある。高いZ’数は、より良いアッセイを示す。アッセイが失敗するときに、負のZ’が得られる。Z’の計算のための、96ウエルフォーマット(カラムC1、C3、C5、C7、C9およびC11)の奇数カラムが全結合シグナルを測定するために使われ、そして、偶数カラム(C2、C4、C6、C8、C10およびC12)は非特異的結合を測定するために使われた。値は、3つの96ウエルプレートまたは288マイクロスポットを通じて平均値とした。
【0094】
図6Aは、規格化前の全結合および非特異的結合シグナルをプロットしたグラフである。結合シグナルは、RFU、相対蛍光単位、結合シグナルの測定において測定された。測定結果は、非特異的結合(暗い四角)および全結合(明るい四角)でなされた。アッセイCVは、算出された。CVb、アッセイ前(規格化なし)のCV測定は、21.3%であった(CVb=100×SDb/Sb、ここで、Sbが競争化合物の非存在下での平均結合シグナルであり、SDbがSbの標準偏差である)。CVi、アッセイ後に計算されたCVは、18.0%であった(規格化なし)。(CVi=100×SDi/Si、ここで、SDiがSiの標準偏差であり、Siが競争化合物の存在下での平均結合シグナルである)。規格化の前のアッセイのためのZ’は、0.1であった。図6Bは、全結合(明るい四角)および、規格化の後、RFUにおいて測られる非特異的結合(暗い四角)のプロットしたグラフである。アッセイCVは、この情報に基づいて算出された。CVb、規格化を伴うアッセイ前のCVの測定は、7.2%であった(規格化の無しで21.3%から減少した)。CVi、規格化を伴うアッセイ後のCVの測定は、8.4%であった(規格化の無しで18.0%から減少した)、そして、Z’ファクタは規格化を伴い0.7と算出された(0.1からの増加)。
【0095】
他の実験において、蛍光染料標識コントロール質膜調製物が基準質膜調製物として使われた。それは、印刷前に最初に標的GPCR質膜調製物を混合された。標的のためのプローブは、基準質膜調製物上の標識から異なった波長を有する。たとえば、HEKコントロール質膜調製物は、CTB647によって標識化された。GPCR APJ、B1、BK2、M1およびUTのためのプローブは、Cy3色素によってすべて標識化された。多重化結合アッセイ性能は、標識質膜調製物を基準(表3)として使用して大幅に改善された。
【0096】
簡潔に、HEK293細胞株から分離されたコントロール細胞質膜の50μgは、30分間、4℃でCT−B647の5μgによってインキューベートされた。それから質膜は、CT−B647をなくし除去するためにPBS(リン酸塩天秤緩衝液)で3回洗浄された。各々のGPCRの2mg/mlは、最初にCT−B647標識HEK293質膜の1mg/mlと混合され、そして、アレイの基質上に点状に供給された。それからアレイは、BT−アペリン、BT−CGP12177、BT−Hoe140、Cy3B−テレンゼピンおよびBTウロテンシンIIを含んでいるアッセイ溶液(50mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMgCl、1mMのCaCl(1:40のブロッカーカゼインおよび0.05%のBSA))によってインキューベートされた。1時間のインキュベーションの終わりに、GPCRアレイはBio-Tek(登録商標)Instruments Inc.からのELx50(登録商標)のオートメーション化した細片洗浄器を使用して蒸留水によって洗浄され、そして、Cy3およびCy5経絡のため撮影された。Cy5経絡シグナルにシグナルを結合しているCy3経絡の比が、算出されて、規格化のために使われた。全96ウエルマイクロプレートのアッセイCVは、規格化の有無にかかわらず算出された。アッセイ結果(表3)は、アッセイCV%およびZファクタの有意な改善を示した。たとえば、アペリンのZファクタは、−0.2から0.5まで改善された。アペリンのCVは、15.4%から5.4%まで改善された。
【0097】
【表3】

CVbは規格化の前のアッセイCVであり、CVnは規格化後のアッセイである。
Z'bは規格化の前のアッセイZ’であり、Z’nは規格化後のアッセイZ’である。
アッセイ溶液:5Cy3標識GPCRリガンドの反応混液。
【0098】
−−実施例3:規格化のための標的質膜の前標識化−−
実施例3において、前標識標的質膜が、図5Aおよび5Bで示すように規格化のために使われる。GPCRアレイ技術の展開中、GPCR結合アッセイ後の消失または弱いスポットは、しばしば重要な供与源である。消失または弱いスポットの理由は、以下から成る。1)質膜調製物が基質に残ったが、それは機能的に活性でなかった。2)そして、質膜調製物は、基質にゆるく付着した、そして、アッセイ後、洗浄プロセス間に洗い出された。現在、問題を識別するためのツールが、ない。研究者は、アッセイ/洗浄プロセス後の消失スポットは洗い出された堆積した質膜によると共通に仮定している。しかし、これは必ずしも例であってはならない。
【0099】
凍結/融解過程中のいかなる活性減失も避けるために同日アレイ印刷を可能にする簡略化された前標識プロトコルが、開発された。従来の結合アッセイ結果と比較すると、前標識GPCR質膜は等価結合活性およびアッセイ特異性を呈し、それはGPCR質膜の機能上の保全を評価するための2つの基準である。結果も、前標識されたシグナルがアッセイシグナルに対して比例的であることを示した。前標識シグナル(一般の経絡、FITC経絡で刺激された)に対する標的シグナル(Cy3またはCy5経絡で刺激された)の比を使用する規格化は、有意にアッセイCVを減らして、Zファクタを増やした。規格化に加えて、GPCR質膜の成功した前標識化は、全アッセイ全体にわたって質膜保持をモニタする応用、アッセイを規格化する応用、印刷およびアッセイ間の製法の精度管理の応用を含む様々な重要な応用を可能にした。
【0100】
−−A.GPCR質膜調製物の前標識−−
以下の従来の質膜標識化方法による前標識GPCR質膜は、活性GPCR質膜を産生しない。前標識GPCR質膜は従来の結合アッセイと比較して、回収率が非常に低い(<30%)だけでなく、非常に低い結合活性およびアッセイ特異性を示した。したがって、本発明の実施例において、GPCR質膜は、改良されたプロトコルによって前標識された。
【0101】
改良されたプロトコルは、大きく減少した体積における製造により供給されるように保存溶液にてGPCR質膜を直接標識化すること含むので、洗浄プロセス中の質膜の損失を減らす。加えて、キャリア(BSA)を含む洗浄液は、回収(>90%)を増やして、次の結合アッセイのための充分な前標識質膜を有するために更にタンパク質濃度の定量化する必要を避ける。洗浄に続いて、質膜は印刷に適している緩衝液の中に沈殿して直接再懸濁された。改良されたプロトコルは、試料調整時間を劇的に減少し、同日印刷を可能とし、従来のプロトコルと関連して改良された結合特性を提供する。
【0102】
GalR2質膜調製物の適切な前標識の例は、次のように実行された。40μgのGalR2(パーキンエルマーからの14μl保存溶液中)、2μlのAlexa FL(登録商標)488標識CTB(CTB488、モレキュラープローブ)(10μg/ml)、および15μlのPBSが、30分間、氷上で混合された。待機中、洗浄溶液および改良緩衝液が調製された。洗浄溶液は、0.5%のBSAで補充されるPBSから調整された。この成分は、印刷のために使用される次の改良緩衝液に存在する。したがって、0.5%のBSAの添加は、次のアレイ印刷に影響を及ぼさない。30分のインキュベーション後、質膜調製物は5分間の14,000回転数/分で遠心分離によって沈殿され、そして、上澄は捨てられ、そして、ペレットは上記の洗浄している溶液の中に再懸濁された。非特定結合の無い色素を除去するために、ペレットは20μlの洗浄緩衝液にてピペット上下操作で再懸濁され、30秒間、水浴において超音波処理された。それから、質膜調製物は、5分間、14,000回転数/分で、遠心分離によって沈殿された(上記の洗浄プロセスは、二回繰り返された)。最終的なペレットは、印刷緩衝液(75mMのトリス−HCL(pH 7.4)、12.5mMのMgCl、1mMのEDTA、5%のグリセロール、10%のスクロース、0.5%のBSA)の中に再懸濁された。質膜調製物を均質にするために、前標識GalR2調製物は、オートメーション化したプログラム条件(パワー8、1期間10秒プラス25パルス(1秒オン1秒オフ))を使用しているカップホーン超音波処理器によって超音波処理された。超音波処理されたサンプルは、GPCRアレイ印刷のために直接使われた。アレイは、Cartesian(登録商標)プリンタを使用して3×9フォーマット(各カラムに3組でアレイにつき9カラム)で印刷された。
【0103】
代わりの実施例において、ストレプトアビジン(Sv)標識されたcy3またはcy5の溶液(またはcy3およびcy5の混合液)は、質膜印刷(BSAを有するPBS緩衝液)のために使用する一般の緩衝液に含まれ、そして、このcy3またはcy5標識Sv一般の緩衝液にGPCR質膜調製物が音波処理によって導入され得る。音波処理ステップはGPCR質膜への標識Svの会合を導く。標識Svは基準として使われ得る。このアプローチは、公知技術の追加の色素標識タンパク質で使われてもよい。
【0104】
B.前標識は、GPCR官能性に影響を及ぼさない。
【0105】
質膜調製物の前標識に対する初期の懸念は、標識質膜がその官能性を失うことである。前標識の有効性を示すためには、結合活性およびアッセイ特異性に関して、前標識質膜調製物および非標識の対応物での全結合アッセイ結果が比較された。非標識質膜調製物のための結合アッセイは実行され、ここで、実施例2にて説明したように、類似した原理に基づいて、標的質膜(GalR2)が規格化の目的のための基準質膜(ユーロスクリーンからのムスカリニックM1)を混合された。
【0106】
図7の棒グラフで示すように、これは全結合シグナルを示し、前標識(従来法)平均RFUとして測定したもので、前標識しないもの(図7A)、そして、前標識をしたもの(図7B)を示し、前標識はGPCR結合活性およびアッセイ特異性に影響を及ぼすように見えない。図7において示される結果は、96ウエルマイクロプレートにおいて実行されたアッセイからある。結合アッセイフォーマットは、以下の通りである。カラム1−11(C1−C11)が全結合シグナルを測定するために使われ、そこでは、蛍光標識リガンドの混合液(1nMのBODIPY(登録商標)TMR−CGP12177と、β1アドレナリン受容体のためのリガンドと、0.8nMのBODIPY(登録商標)TMR−アペリン13と、アペリン受容体のためのリガンドと、1nMまたは2nMのCy5ガラニンと、ガラニン受容体のためのリガンドと、0.5nMのCy3B−テレンゼピンと、ムスカリニックM1およびM2受容体のためのリガンドと、2nMのCy5−ニューロテンシン2−13と、ニューロテンシン受容体のためのリガンドと、0.125nMのBODIPY(登録商標)−TMR−HOE140と、ブラジキニン受容体のためのリガンドとからなる)がアッセイ溶液(実施例2にて説明したような)に添加された。カラム12が、非特異的結合シグナルを測定するために使われ、そこでは、化合物混合液(1μMのCGP12177と、1μMのアペリン12(ヒト、ウシ、ハツカネズミ、ラット)と、1μMのニューロテンシン1−8と、1μMのガラニンと、1μMのブラジキニンと、1μMのHOE140とからなる)がC1−C11のためにアッセイ溶液に補充された。
【0107】
値は、各ウエルに3組を有する96ウエルまたは288マイクロスポットを通じて平均値になされた。アッセイ特異性は、((C1−C11からの全結合シグナルの平均値)−(C12からの非特異シグナルの平均値))×100%で算出された。
【0108】
図7Aおよび7Cの得られたデータは、予め混合して共に印刷されたGalR2(標的)およびM1(基準)受容体からのものであった。GalR2/M1の9つの管は、個々に調製された。P1およびP2はプレート1およびプレート2を示す。ここで、2つの実験は2回、実行された。
【0109】
図7Bおよび7Dの得られたデータは、「前標識」のもの、上記の通りに前標識されたGalR2質膜からのものであった。前標識化は、次のようにされた。GalR2受容体調製物の4つの管は個々に標識化された、そして、各々の標識GalR2は2回、実行された。第1=第5;第2=第6;第3=第7;第4=第8。
【0110】
GalR2質膜調製物の同じ量が、両方の例(非前標識と前標識)のために使われた。Cy5−GalR2の濃度が「従来」のアッセイのための2.0nMでありかつ「前標識」されたアッセイのための1.0nMであったことを除いて、結合アッセイは、同じ条件の下で実行された。
【0111】
図7Cおよび7Dは、従来法で特に測定されたアッセイ(図7C)および前標識質膜を使用していたアッセイ(図7D)を示す。
【0112】
C.前標識質膜調製物の使用による質膜保持のモニタ並びに問題の分離と識別
GalR2は上記プロトコルに従ってCTB−488によって前標識された、そして、アレイは3×9フォーマットで印刷された。図8において示されるイメージは、GenePixPro6.0から得られた。図8Aは、Cy5−GalR2のGalR2受容体への結合の結果としてCy5経絡でのGalR2アッセイ結合結果を示している。図8Bは、CTB−488での前標識質膜の結果としてアッセイ/洗浄プロセスの前のFITC経絡(PMT利得180)での印刷アレイスポット結果を示している。図8Cは、アッセイ/洗浄プロセス後にFITC経絡(PMT利得200)で残されたアレイスポットを示している。図8BおよびCの画像は、PMT利得を除いてイメージ獲得過程の間、同じセッティングで得られたものである。結合アッセイの間、アレイスポットは、1時間、Cy5−GalR2プローブを含んでいる蛍光標識プローブの混合物を含んでいる溶液に浸されている。それから、アレイは、オートメーション化した細片洗浄器(Bio-Tek(登録商標)Instruments Inc.からのELx50(登録商標))を使用して蒸留水によって洗浄された。GalR2受容体およびそのCy5色素標識リガンド(Cy5−GalR2)間の親和性結合により、アレイスポットはCy5経絡でのスキャンによって視覚化され得る。
【0113】
図8Aのカラム1、2および7は、他のスポットと比較して非常に弱いシグナルまたはシグナルがないことを示した。以前から、この現象は過剰の洗浄の結果として、ゆるく結合された質膜調製物は洗浄プロセス中で洗い出されると判断されていた。しかし、FITC経絡でのアッセイ/洗浄プロセス前後の蛍光シグナル比較をすると、それは、C1およびC2のアレイスポットがアッセイ/洗浄プロセス後に残ったことを明らかに示し、それは、C1およびC2でのアッセイ後の弱いシグナルは、洗浄されている質膜を原因として生じるのではなく、むしろ未知の理由のための結合活性の損失によったことを示唆している。
【0114】
反対に、アッセイ後のC7の消失したスポットは、印刷問題によると見える。前標識アプローチでは、印刷、アッセイおよび洗浄プロセスと関連する問題は分けられる。
【0115】
図9Aおよび9Bは、アッセイが実行された前(図9A)および後(図9B)の印刷されたアレイから測定された蛍光シグナルを示す。これらの測定は、追加の精度管理計測を考慮に入れて、前標識方法を使用して、残留する蛍光を測定するためにアッセイ前後で計測がなされたことを例示する。
【0116】
D.標的シグナルとその前標識されたシグナルの比を使用する規格化
Cy5経絡でのアッセイシグナルとFITC経絡での前標識シグナルからのシグナルとの比を使用することによるアッセイ・データの規格化は、アッセイCVをかなり減らして、図10A−Bで示すアッセイZファクタを増加した。図10Aは、定義されるように、CV(%)が変化の測定であることを示す。図10Bは、Zを示す。Zは1−3×(SDC1−C11+SDC12)/(SC1−C11−SC12)として算出され、SDは標準偏差であり、Sは平均結合シグナルである。P1およびP2はプレート1およびプレート2を示し、ここで、2つの実験は同一にして実行された。負のZは、負のアッセイを示す。示されるように、規格化プロセスを使用して、アッセイZファクタがかなり改善された。
【0117】
E.前標識質膜調製物の使用によるプレスキャンでの精度管理チェック
複合プロセスがアレイ技術に関係しているので、結合または機能的アッセイを実行する前に精度管理チェックを実行することが望ましい。効率的方法の不足のために、人々は自己蛍光を経た532nmのCy3経絡での印刷GPCRアレイをスキャンすることによって、共通に品質チェックを実行している(本質的に、全ての物質は532nmで蛍光シグナルを発するが、それは、質膜自体、株緩衝液からの成分、たとえばBSAおよび塩を含み、または、ガラス製の底挿入の上に偶然に残ったダストさえまたは指紋さえ含む)。したがって、自己蛍光は、印刷された質膜調製物の量と相関しない。これに反して、質膜調製物の量は、前標識蛍光に対して比例する。低いプレスキャンCVは、低いアッセイCVを意味する。
【0118】
図11Aおよび11C(図7Bおよび7Dに関して)に示すように、Cy5経絡でのアッセイシグナルは、FITCでの前標識蛍光シグナルに良く相関するが、Cy3経絡での自己蛍光シグナルでは相関しない。図11Aは、アッセイ(プレスキャン)前以外の印刷後のFITC経絡での全蛍光シグナルを示す。図11Cは、アッセイ後のCy5経絡での全結合蛍光シグナルを示す。図11Bは、プレスキャン(印刷後以外のアッセイ前)での自己蛍光シグナルを示す。図11Bは、周知方法を使用したアッセイ前(印刷後以外)に品質を点検する方法を示す。図11Aおよび11Cに示されるデータは、自己蛍光を使用している図11Bに示されるそれより良い相関を有する。前標識された製法を使用している予めスキャンされたシグナルは、前標識なしの自己蛍光を使用することより密接に最終的なアッセイを予測することができる。C1を除いて、プレスキャンでのシグナルが高くなればなるほど、アッセイでの全結合シグナルはより高くなる。たとえば、図11Aに示すように、プレスキャンシグナルは、僅かにアレイカラム第2から第4まで、そして、アレイカラム第5から第8まで増加する。したがって、図11C(アッセイ全シグナル)に示すように、アッセイシグナルは、それぞれ、僅かにアレイカラム第2から第4まで、そして、アレイカラム第5から第8まで増加する。しかし、同じ傾向は、図11Bにおいて観察されない。加えて、前標識経絡(FITC)でのプレスキャンCVは、最終的なアッセイCVにCy3経絡(自己蛍光)でのそれより良い相関を示した。したがって、人は前標識経絡でプレスキャンを実行することによって、自己蛍光経絡でより、より良くアッセイ結果を予測することができる。前標識質膜は、自己蛍光を使用している周知の方法より良い精度管理を提供することができる。
【0119】
アッセイ前後で得られる前標識シグナルの比較については、我々はまた、アレイの9つのカラム中の質膜保持を比較可能である。典型的に、アレイの端にシグナルは、他のアレイカラムと比較して、C1(或るC9)において頻繁により多くの質膜を離す。C1またはC9の低いアッセイシグナルは、洗浄マニホルドでの不均一力に関すると考えられる。図9Bに示すように、C1は最も高いプレスキャンシグナルを示し、C3およびC6は後とに続く。しかし、アッセイ後、C3およびC6は、図9Aに示すように、同じ程度のままであるが、C1はより長く最も高いものでない。したがって、本発明の実施例を使用して、洗浄に関連する問題は、容易に検出可能である。
【0120】
F.標識をGPCR質膜調製物に組み込むことによる規格化
GPCRアッセイの規格化もまた、標識を質膜調製物に組み込むことによって達成できる。たとえば、ストレプトアビジン(Sv)は音波処理によって調製物に組み込まれ得る。GPCR膜試料B1_SvおよびM2_Svは、結合アッセイの間、規格化の目的のためのサンプルに添加されるCy(TM)5−ストレプトアビジンを有する。サンプルGAL_Svは、結合アッセイの間、規格化の目的のためのサンプルに添加されるCy(TM)3−ストレプトアビジンを有する。サンプルは10分間、4℃で14,000回転数/分にて遠心分離され、そして、上澄は除去されて、捨てられ、そして、45ul改良緩衝液は各々のサンプルに添加された。Cy(TM)5−ストレプトアビジンは1:1200希釈の改良緩衝液に添加され、Cy(TM)3−ストレプトアビジンは1:800の希釈の改良緩衝液に添加された。
【0121】
ペレットサンプルは、それからカップホーン超音波処理器を使用して、改良緩衝液を含んでいるマイクロチューブ内にて4℃、25秒間超音波処理された。9,000回転数/分での速い遠心分離と、1秒のパルス×15パルスが4℃での速い音波処理と、6,000回転数/分での速い他の遠心分離と、1秒のパルス×4パルスが4℃での他の音波処理とが、実行された。
【0122】
改質されたサンプルはそれから、384低体積プレートへの装填によって印刷されて、4℃程度に保たれたると共に、界面化学処理で被覆されたガラス基質上へ印刷される。サンプルはTelechem 946MP3マイクロスポッティングピンで印刷された。相対湿度は、40−45%の間で保たれた。印刷後、印刷GPCRアレイを有するガラス基質は、45分間での室温で約70%の相対湿度においてインキューベートされた。湿度処理に続いて、印刷GPCRアレイを有するガラス基質は、45分間での室温で窒素気圧の約10%の相対湿度においてインキューベートされた。印刷GPCRアレイを有するガラス・シートは、結合アッセイまで4℃へ移された。
【0123】
記載されているように、結合アッセイは実行された。印刷GPCRアレイは、室温に暖められた。印刷GPCRアレイは、印刷GPCRのものを再水和するために約70%の相対湿度においてインキューベートされた。結合アッセイ溶液は、調製された。標識リガンドは結合アッセイ溶液に添加され、そして、標識リガンドを含む結合アッセイ溶液は競合アッセイのために加えられる非標識リガンドを受けるために、二分の一に分けられた。標識リガンドを含む結合アッセイ溶液および標識/非標識リガンドは、印刷GPCRアレイを含むマイクロウエルプレートに添加された。室温で、1時間のインキュベーションの後、プレートは洗浄されて、マイクロプレート洗浄器を使用して乾燥させた。プレートは、Cy3およびCy5波長を利用しているテカン(Tecan)スキャナを使用してスキャンされた。標識リガンドの結合シグナルは、Cy(TM)3−ストレプトアビジンもしくはCy(TM)5−ストレプトアビジンに、または印刷の前にサンプルに添加された第2のGPCRに規格化された。パーセント阻害または特異性は、標識化されて非標識リガンドの混合液を含んでいるサンプルのシグナルと、シグナルを結合している標識リガンドを比較することによって算出された。これらの実験の結果は、図12Aおよび12Bに示される。図12Aおよび12Bは、第2の受容体方法、図4Aおよび4Bに示される方法、を使用して得られた結果と比較した、特異性およびこのストレプトアビジン方法に関連したZファクタ(それぞれ)を示す。
【0124】
このように、Gタンパク質共役受容体質膜アレイのための規格化方法の実施例は、開示される。当業者は、アレイ、組成、キットおよびここで記載されている方法が開示されるそれら以外の実施例によって実施され得ると認識するであろう。開示された実施例は、図のために示されるが、限定とはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアッセイ可能なマイクロスポットから成る基準前標識G−タンパク質被結合受容体質膜アレイであって、
多数のマイクロスポットのうちの1つ以上は、(i)質膜に埋設された標的Gタンパク質共役受容体および(ii)質膜膜成分から成る質膜と、膜成分に結合した標識試薬と、から成ることを特徴とするアレイ。
【請求項2】
質膜はGタンパク質共役受容体を過剰発現している細胞から分離されていることを特徴とする請求項1記載のアレイ。
【請求項3】
標識試薬がコレラトキシンまたは標識GPCRリガンドの標識βサブユニットから成ることを特徴とする請求項1記載のアレイ。
【請求項4】
複数のアッセイ可能なマイクロスポットから成る基準前標識G−タンパク質被結合受容体質膜アレイであって、
多数のマイクロスポットのうちの1つ以上は、質膜に埋設された標的Gタンパク質共役受容体から成る第1の質膜と、膜成分から成る第2の質膜と、膜成分に結合した標識試薬と、とから成り、並びに、
第1の質膜はGタンパク質共役受容体を過剰発現している細胞から分離され、かつ、第2の質膜は非過剰発現している細胞から分離されていることを特徴とするアレイ。
【請求項5】
第1および第2の質膜は、それらのそれぞれの系統の共通のオリジンを有する細胞から分離されていることを特徴とする請求項4記載のアレイ。
【請求項6】
標識試薬がコレラトキシンのβサブユニットから成ることを特徴とする請求項4記載のアレイ。
【請求項7】
Gタンパク質共役受容体を過剰発現している細胞から分離されかつ成分から成る質膜を用意すること、
成分を結合して前標識質膜を産生するために構成される標識試薬に質膜を接触させること、並びに、
基質上のマイクロスポットとして前標識質膜を印刷すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
標識試薬に質膜を接触させることは、標識質膜を形成するためにGタンパク質共役受容体を過剰発現している細胞からの質膜を有する標識試薬を含んでいる印刷緩衝液を超音波処理することを含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
標識試薬は色素標識タンパク質であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
標識タンパク質がcy3またはcy5標識ストレプトアビジンであることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
標識試薬に質膜を接触させることは、最小の体積の保存溶液にて標識試薬に質膜を直接接触させることを含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項12】
印刷は、前標識質膜の凍結に介入することなく、接触させることに続いて起こることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項13】
遠心分離に続く前標識質膜の回収を強化するために構成されるキャリアを含む溶液にて前標識質膜を洗浄することを更に含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項14】
キャリアは前標識質膜の印刷のために使用される溶液に存在することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
Gタンパク質共役受容体を過剰発現している細胞から第1の質膜を用意すること、
非過剰発現している細胞から、成分から成る第2の質膜を分離すること、
成分を結合して前標識された第2の質膜を産生するために構成される標識試薬に第2の質膜を接触させること、並びに、
基質上のマイクロスポットとして第1の質膜および前標識された第2の質膜を印刷すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
第1の質膜および前標識された第2の質膜を混ぜることを更に含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
第1および第2の質膜がそれらのそれぞれの系統の共通のオリジンを有する細胞から分離されることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
標識試薬に第2の質膜を接触させることは、コレラトキシンのβサブユニットから成る標識試薬に第2の質膜を接触させることから成ることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
Gタンパク質共役受容体質膜アレイのマイクロスポットを標識非加水分解性GTP類似体に接触させること、
基準標識質膜を産生するためにGタンパク質共役受容体以外の膜成分を結合するために構成される第1の標識試薬にマイクロスポットを接触させること、
Gタンパク質共役受容体と機能的に相互に作用し得ると疑われるリガンドにマイクロスポットを接触させること、
マイクロスポットを洗浄して、非結合の標識非加水分解性GTP類似体、非結合の第1の標識試薬、および非結合のリガンドをマイクロスポットから除去すること、
マイクロスポットと関連した標識非加水分解性GTP類似体と関連する第1のシグナルを定量化すること、
膜成分に結合される第1の標識試薬と関連した第2のシグナルを定量化すること、並びに、
第2のシグナルと第1のシグナルを比較して、Gタンパク質共役受容体で、試薬の機能上の相互作用の範囲を決定すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
標識非加水分解性GTP類似体にマイクロスポットを接触させ、第1の標識試薬にマイクロスポットを接触させ、リガンドにマイクロスポットを接触させることは、標識非加水分解性GTP類似体、第1の標識試薬およびリガンドから成る組成にマイクロスポットを接触させることを含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
シグナルを産生することができ第1の標識試薬に結合するために構成される第2の標識試薬に基準標識質膜を接触させることを更に含むこと、並びに、第1の標識試薬と関連する第2のシグナルを定量化することは、第2の標識試薬と関連するシグナルを定量化することから成ることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項22】
第1の標識試薬はガングリオシドGM1.を結合するために構成されることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項23】
Gタンパク質共役受容体質膜アレイのマイクロスポットを第1の標識試薬に接触させること、
膜成分を結合するために構成される第2の標識試薬にマイクロスポットを接触させること、
マイクロスポットを洗浄して、非結合の第1の標識試薬、および非結合の第2の標識試薬を除去すること、
マイクロスポットと関連した第1の標識試薬と関連する第1のシグナルを定量化すること、
膜成分に結合される第2の標識試薬と関連した第2のシグナルを定量化すること、並びに、
第2のシグナルと第1のシグナルを比較して、膜成分への第2の標識試薬の結合の範囲を決定すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
第1の標識試薬にマイクロスポットを接触させ、第2の標識試薬にマイクロスポットを接触させることは、第1および第2の標識試薬から成る組成にマイクロスポットを接触させることから成ることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
シグナルを産生することができ第1の標識試薬に結合するために構成される第3の標識試薬に標識質膜を接触させることを更に含むこと、並びに、第3の標識試薬と関連するシグナルを定量化することは、第3の標識試薬と関連するシグナルと第1の標識試薬と関連するシグナルを比較することを含むことを特徴とする請求項23記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2011−503611(P2011−503611A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534043(P2010−534043)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/012805
【国際公開番号】WO2009/067174
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】